JP6947476B2 - 粗製リグニンを洗浄する方法及び装置、可溶性炭水化物含有画分、固体画分及びそれらの使用 - Google Patents

粗製リグニンを洗浄する方法及び装置、可溶性炭水化物含有画分、固体画分及びそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、粗製リグニンスラリーを洗浄する方法及び装置に関する。さらに、本発明は、可溶性炭水化物含有画分及びその使用に関する。さらに、本発明は、固体画分及びその使用に関する。
バイオマスなどの種々の原料から炭水化物及びリグニンを形成する様々な方法が先行技術から知られている。多数のバイオリファイナリープロセス、例えば加水分解は、バイオマスの処理後にリグニン及び糖を生成する。
本発明の目的は、粗製リグニンスラリーを洗浄する新しい方法を開示することである。本発明の別の目的は、粗製リグニンを精製すること、及び精製リグニン画分を形成することである。本発明の別の目的は、可溶性炭水化物含有画分を製造することである。本発明の別の目的は、可溶性材料を含まない固体画分及び可溶性炭水化物含有画分を製造するためのバイオマスの分画を改善することである。
本発明に係る粗製リグニンスラリーを洗浄する方法は、請求項1に記載のものを特徴とする。
本発明に係る粗製リグニンスラリーを洗浄する装置は、請求項16、19及び20に記載のものを特徴とする。
本発明に係る可溶性炭水化物含有画分は、請求項21に記載のものを特徴とする。
本発明に係る固体画分は、請求項22に記載のものを特徴とする。
本発明に係る可溶性炭水化物含有画分の使用は、請求項23に記載のものを特徴とする。
本発明に係る固体画分の使用は、請求項24に記載のものを特徴とする。
添付図面は、本発明の理解を深め、本明細書の一部を構成するものであり、本発明の一部の実施形態を示し、明細書と一緒に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
本発明の一実施形態に係る方法のフローチャートである。 本発明の別の一実施形態に係る方法のフローチャートである。 ポンプ圧曲線である。 本発明の一方法実施形態によって実施された一例におけるポンプ圧を示すグラフである。 本発明の一方法実施形態によって実施された一例におけるポンプ圧を示すグラフである。
本発明は、植物系原料(1)から形成される粗製リグニンスラリー(5)を洗浄する方法に関する。本発明の方法においては、該方法は、粗製リグニンスラリー(5)がプリプレスされ、洗浄され、プレスされるように、少なくとも1つの固液分離段階(6)において可溶性炭水化物含有画分(10)を粗製リグニンスラリー(5)から置換洗浄によって分離するステップ、並びに固体画分(11)及び可溶性炭水化物含有画分(10)を回収するステップを含む。分離段階(6)は、1つ以上の分離ステップを含む。
本発明の方法の一実施形態を図1に示す。本発明の方法の別の一実施形態を図2に示す。
本発明の装置は、植物系原料(1)から形成される粗製リグニンスラリー(5)が処理され、可溶性炭水化物含有画分(10)が粗製リグニンスラリー(5)から置換洗浄によって分離され、粗製リグニンスラリーがプリプレスされ、洗浄され、プレスされる、少なくとも1台の固液分離装置(6)を備える。さらに、装置は、粗製リグニンスラリー(5)を分離装置に搬送するポンプなどの少なくとも1台の搬送装置を備える。さらに、装置は、固体画分(11)及び可溶性炭水化物含有画分(10)を分離装置から供給する、放出手段、排出手段などの手段を備える。
本発明の装置は、可溶性炭水化物含有画分(10)が粗製リグニンスラリー(5)から少なくとも2つのプレスステップによって分離され、粗製リグニンスラリーが2つのプレスステップの間で希釈される、少なくとも1台の固液分離装置、粗製リグニンスラリー(5)を分離装置に搬送する少なくとも1台の搬送装置、並びに固体画分(11)及び可溶性炭水化物含有画分(10)を分離装置から供給する手段を備える。
本発明の装置は、可溶性炭水化物含有画分(10)が粗製リグニンスラリー(5)から濾過及び洗浄によって分離される固液分離装置として、少なくとも1台のベルト濾過装置を備える。さらに、装置は、粗製リグニンスラリー(5)をベルト濾過装置に搬送する少なくとも1台の搬送装置、並びに固体画分(11)及び可溶性炭水化物含有画分(10)をベルト濾過装置から供給する手段を備える。
本発明は、粗製リグニン材料の洗浄に基づく。さらに、本発明は、固液分離に基づく。同時に、固体を含む、より純粋な固体リグニン画分を形成することができる。固体リグニン画分の純度を本発明によって増加させることができる。一実施形態においては、固体画分の純度を増加させる置換洗浄を用いる。一実施形態においては、少量の洗浄水を用いる。さらに、洗浄水を回収する場合、それをプロセス又は生成物に利用することができる。さらに、可溶性炭水化物を回収し、最終生成物に利用することができる。
この文脈においては、可溶性炭水化物含有画分(10)とは、粗製リグニンスラリーから分離される可溶性炭水化物含有濾過物を意味する。好ましい一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、炭水化物、好ましくはC6糖(C12又は(C(HO))を含む。可溶性炭水化物含有画分は、単糖(C12又はC10)、二糖(C122211)、オリゴ糖及び/又は多糖((C10又は(C)などの炭水化物を含み得る。好ましくは、可溶性炭水化物含有画分は、可溶性C6炭水化物(C12又はC(HO))及び他の可溶性炭水化物を含む。可溶性炭水化物含有画分は、他の成分も含み得る。
この文脈においては、固体画分(11)とは、可溶性炭水化物含有濾過物が分離されたときの固体ケークなどの固体残留物を意味する。好ましい一実施形態においては、固体画分は、リグニン及び炭水化物、好ましくは固体C6炭水化物(C12又はC(HO))を含む。固体画分は、別の炭水化物及び別の成分も含み得る。好ましくは、固体画分は固体の形態である。
この文脈においては、植物系原料(1)とは、任意の植物系原料、例えば木質系材料を意味する。植物系原料としては、リグニン、セルロース及びヘミセルロースが挙げられる。一実施形態においては、植物系原料は、木質系材料、木材、リグノセルロースバイオマス、農業残留物、バガス系材料、サトウキビバガス、トウモロコシ系材料、トウモロコシ茎葉、麦わら、稲わら、木質バイオマス、多年生木材、維管束植物など、並びにそれらの混合物及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態においては、植物系原料は、木質系材料又は木質系材料を含む混合物である。一実施形態においては、植物系原料は、植物片、例えば木片を含む。
この文脈においては、粗製リグニンスラリー(5)とは、スラリーの形態の任意の粗製リグニン含有組成物を意味する。スラリーは、固体材料及び液体、例えば水を含む。好ましくは、スラリーは、ポンプ輸送することができる。好ましくは、スラリーは、自由水などの自由液体を含む。好ましくは、粗製リグニンスラリーは、リグノセルロース材料(3)から形成され、一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)由来の一種又は複数の固体成分から形成されている。リグノセルロース材料(3)は、少なくとも1つの適切な処理方法によって1つ以上のステップにおいて植物系原料を処理することによって、例えば前処理することによって、形成されている。一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)は、植物系原料(1)から形成され、1つ以上の処理ステップ(2)において、粉砕、押し出し、マイクロ波処理、超音波処理、凍結処理などの物理的処理、酸処理、アルカリ処理、イオン性液体処理、オルガノソルブ処理、オゾン分解などの化学的処理、蒸煮爆砕処理、アンモニア爆砕処理、CO爆砕処理、液体熱水処理、湿式酸化などの物理化学的処理、生物学的処理、及びそれらの組合せからなる群から選択される処理によって、例えば前処理によって、処理される。好ましくは、植物系原料を処理して、ヘミセルロースを溶解させる。一実施形態においては、リグノセルロース材料は、加水分解、例えば、酸加水分解、自己加水分解、熱加水分解、酵素加水分解、超臨界加水分解及び/又は亜臨界加水分解によって、形成又は処理され、リグニンの少なくとも一部が加水分解に関連して原料から分離される。一実施形態においては、リグノセルロース材料は、ヘミセルロースが処理され、ヘミセルロースの多糖の少なくとも一部が単糖及びオリゴ糖に分解する、蒸煮爆砕によって形成又は処理される。一実施形態においては、リグノセルロース材料は、1つ以上のステップにおいて、加水分解によって、また、蒸煮爆砕によって、形成又は処理される。一実施形態においては、リグノセルロース材料は、触媒前処理によって、例えば、酸又は塩基を触媒として用いることによって、形成又は処理される。前処理プロセスにおいては、植物系原料(1)が反応器ユニットに入り、そこで前処理が起こる。一実施形態においては、処理されたリグノセルロース材料(3)を分離に導入することができ、リグノセルロース材料の可溶性成分と固体材料が分離される。一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)は、可溶性成分を分離せずに、リグノセルロース材料としてそのまま使用される。一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)は、さらに、適切な処理(4)によって、例えば、セルロースが加水分解されるセルロース加水分解によって、加工される。一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)は、粗製リグニンを形成するために、酵素処理、酸処理又は別の適切な処理によって加工される。一実施形態においては、酵素処理は、酵素加水分解である。一実施形態においては、酸処理は、酸加水分解である。一実施形態においては、前記別の処理は、超臨界又は亜臨界加水分解である。好ましくは、粗製リグニンは、処理後にスラリーの形態である。一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、セルロース加水分解(4)によって、例えば、酵素処理、酸処理又は別の適切な処理によって、加工されている。さらに、一実施形態においては、形成された粗製リグニンスラリーを、例えば2段階の脱水プレスによって、脱水することができる。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、リグニン及び炭水化物を含む。好ましくは、炭水化物は、C(HO)又はC(HO)n−1を含む。好ましくは、粗製リグニンスラリーは、可溶性C6炭水化物、固体C6炭水化物(C12又はC(HO))などの炭水化物を含む。炭水化物は、単糖(C12又はC10)、二糖(C122211)、オリゴ糖及び/又は多糖((C10又は(C)を含み得る。一実施形態においては、粗製リグニンスラリーは、少なくとも単糖を含む。粗製リグニンスラリーは、1種以上の材料成分を含み得る。好ましくは、粗製リグニンスラリーは、固体成分を含む。一実施形態においては、粗製リグニンスラリーは、水などの液体を含む懸濁液の形態である。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)は、固体微粒子からなる。微粒子サイズによって、プロセスにおいて高収率及び低分解量を得ることができる。好ましくは、固体微粒子は、0.2mmより小さい繊維状若しくは定義できない(indefinable)粒子であり、又はBauer McNett200メッシュスクリーンを通過するのに十分小さい粒子である。前処理及び処理プロセスは、例えば硫酸塩法又は浸軟(maceration)において、木材を加熱処理して、繊維を分離させることによって定義することができる、元の木部繊維の粒径及び繊維長を減少させる。硫酸塩法は、浸軟後の繊維長の約80%の繊維長が得られる。
固体粒子及びリグノセルロース材料の粒径は、例えば、MetsoFS5などの光学測定装置、又はCoulterLS230などのレーザー回折法によって、定義又は測定することができる。粒径の値は方法に左右され、したがってMetsoFS5とCoulterLS230の値を直接比較することはできない。一実施形態においては、固体粒子の粒径をISO16065−N又はTAPPI T271に基づいて定義することができる。
固体粒子の繊維長は、繊維が0.2mmよりも長い材料として定義されるときには、ISO16065−Nに基づいて定義することができる。固体粒子の繊維長は、繊維長が0.01〜7.60mmであるときには、TAPPI T271に基づいて定義することができる。MetsoFS5に関連して、Lcは、輪郭長、すなわち、一端から他端までの繊維中央線から測定される繊維長である中心線繊維長を意味する。長さ加重Lc(l)は、TAPPI T271規格に従って加重された繊維分布から測定される平均繊維長である、長さ加重繊維長を意味する。重量加重Lc(w)は、同様にTAPPI T271規格に従って加重された繊維分布から測定される平均繊維長である、重量加重繊維長を意味する。算術Lc(n)は、繊維の母集団分布から計算される算術平均を意味する。この結果では、平均長さは、長さ分布から計算される。F1(l)%は、長さ加重分布%(幅>10μm、長さ<0.2mm)を意味する。繊維幅は、先細端部を補うために繊維の中央からの積分値として測定される。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の長さ加重粒子長Lc(l)は、[(0.4)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満、好ましくは[(0.3)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満、より好ましくは[(0.2)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満、最も好ましくは[(0.1)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満である。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の微粒子幅(画分0〜0.2mm)は、[(0.7)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満、好ましくは[(0.6)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満、より好ましくは[(0.5)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満、最も好ましくは[(0.4)×(対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長)]未満である。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の固体画分は、光学的MetsoFS5で測定して最長寸法が0.2mmよりも短い繊維状又は定義できない粒子である固体微粒子を含む(長さ加重Lc(l)測定及び計算の画分F1(l))。一実施形態においては、硬材の固体画分は、MetsoFS5によって定義して、70重量%を超える(F1(l)>70%)、好ましくは80重量%を超える、より好ましくは90重量%を超える、最も好ましくは98重量%を超える、最長寸法が0.2mmよりも短い粒子を含む。一実施形態においては、軟材の固体画分は、MetsoFS5によって定義して、50重量%を超える(F1(l)>50%)、好ましくは60重量%を超える、より好ましくは70重量%を超える、最も好ましくは80重量%を超える、最長寸法が0.2mmよりも短い粒子を含む。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の固体画分は、繊維状又は定義できない粒子である固体微粒子を含む。固体画分の長さ加重長さLc(l)は、TAPPI T271規格に基づいて測定され、検出される、測定要件を満たすすべての粒子を含む。TAPPI T271は、最長寸法0.01〜7.60mmの材料の繊維長を定義する。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の固体画分は、繊維状又は定義できない粒子である固体微粒子を含む。固体画分の長さ加重長さLc(l)は、MetsoFS5によって測定される。長さ加重Lc(l)値は、対応する未精製硫酸塩パルプ繊維長の長さの40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは10%以下である。そして、長さ加重粒子の微粒子画分(Lc(l)画分0〜0.2mm)の幅は、対応する硫酸塩パルプ繊維の幅の70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、最も好ましくは40%以下である。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の硬材の固体画分は、繊維状又は定義できない粒子である固体微粒子を含む。固体画分の長さ加重長さLc(l)は、MetsoFS5によって測定される。0.2mm繊維長を超える長さ加重Lc(l)画分は、50%以下、好ましくは35%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは5%以下である。
一実施形態においては、リグノセルロース材料(3)の軟材の固体画分は、繊維状又は定義できない粒子である固体微粒子を含む。固体画分の長さ加重長さLc(l)は、MetsoFS5によって測定される。0.2mm繊維長を超える長さ加重Lc(l)画分は、60%以下、好ましくは45%以下、より好ましくは30%以下、最も好ましくは15%以下である。
一実施形態においては、リグノセルロース粒子は、粗製リグニン中、好ましくは粗製リグニンスラリー中でも、繊維スティックの形態である。一実施形態においては、リグノセルロース粒子の重量平均粒径は1mm未満、一実施形態においては0.5mm未満、一実施形態においては300μm未満である。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリーは、液体、好ましくは水、又は蒸気で希釈されて、分離段階への粗製リグニン搬送材料を形成する。一実施形態においては、固液分離段階への粗製リグニンスラリー(5)の搬送濃度は、2〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%である。粗製リグニンスラリーの搬送濃度が低い場合、装置のサイズが大きくなる。一実施形態においては、回収される洗浄水を、粗製リグニンスラリーの希釈に使用することができる。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、ポンプ輸送によって固液分離段階(6)に搬送される。一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、ポンプ、例えば、モノポンプ、ピストンポンプ又は別の適切なポンプで、固液分離段階(6)に搬送される。ポンプの選択は、例えば、粗製リグニンスラリーの搬送濃度及び/又は粘度に基づく。一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、ポンプ輸送され、プリプレスされ、洗浄され、プレスされる。
固液分離段階(6)は、1つ以上の分離ステップを含むことができる。
一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、1ステップで分離される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分を2ステッププロセス又は多ステッププロセスの第1ステップで分離することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分を2ステッププロセス又は多ステッププロセスの最終ステップで分離することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分を第1ステップと最終ステップの間で分離することができる。あるいは、可溶性炭水化物含有画分を、1ステップを超えるステップで分離することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分を各分離ステップで分離することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物の一部は、粗製リグニン又は粗製リグニンスラリーが形成される前処理及び/又は処理プロセスに関連して分離される。
一実施形態においては、装置は、1台以上の分離装置を備える。一実施形態においては、固液分離段階(6)は、少なくとも1台の分離装置を含む。一実施形態においては、固液分離段階は、1台を超える分離装置を含む。一実施形態においては、1つ以上の分離ステップを同じ分離装置で実施することができる。一実施形態においては、分離装置は、1つ以上の分離ステップ、例えば分離セグメントを含む。
一実施形態においては、分離装置は、向流洗浄に基づく。一実施形態においては、分離装置は、濾過装置、遠心装置及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態においては、分離装置は、加圧濾過装置、減圧濾過装置、過小加圧に基づく濾過装置、過大加圧に基づく濾過装置、フィルタプレス、他の適切なプレス、遠心装置及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態においては、分離装置は、加圧濾過装置、減圧濾過装置、過小加圧に基づく濾過装置、又は過大加圧に基づく濾過装置である。あるいは、分離装置は、少量の洗浄水を使用し、洗浄が高乾物含量で成される、別の洗浄装置とすることができる。次いで、良好な回収を行うことができる。
好ましくは、固液分離段階は、粗製リグニンスラリー(5)からの可溶性炭水化物含有画分(10)の分離を含む。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、濾過、遠心処理又はそれらの組合せによって、粗製リグニンスラリーから分離される。一実施形態においては、濾過は、加圧、過小加圧、減圧又は過大加圧によって行われる。
本発明の方法においては、固液分離段階(6)は、ポンプ輸送などの搬送、プリプレス、洗浄及びプレスを含み、可溶性炭水化物含有画分(10)が粗製リグニンスラリー(5)から分離される。一実施形態においては、プリプレス、洗浄及びプレスは、1バッチプロセスとして行われる。一実施形態においては、分離は濾過によって行われ、可溶性炭水化物含有画分は液体の形態で分離され、固体ケークが形成される。好ましくは、加圧が濾過に使用される。一実施形態においては、液体は、減圧、過大加圧などの圧力差によって分離される。好ましい一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)の置換洗浄は、糖、阻害剤及び他の可溶性化合物の大部分を固体粗製リグニン材料から除去し、可溶性化合物の回収を高めるために、少量洗浄水を用いて行われる。一実施形態においては、洗浄水と固体又は固体組成物の比は、洗浄において、0.5:1〜6:1(w/w)、好ましくは0.5:1〜5:1(w/w)、より好ましくは0.5:1〜4:1(w/w)、最も好ましくは0.5:1〜3:1(w/w)である。一実施形態においては、洗浄水と固体又は固体組成物の比は、洗浄において、1:1〜6:1(w/w)、好ましくは1:1〜5:1(w/w)、より好ましくは1:1〜4:1(w/w)、最も好ましくは1:1〜3:1(w/w)である。この文脈においては、洗浄水とは、任意の洗浄液又は洗浄水を意味する。洗浄水は、新しい洗浄水又は再生洗浄水とすることができる。洗浄水は、淡水、飲料水、低糖含有量の糖含有液体、又は別の適切な液体とすることができる。一実施形態においては、濾過及び洗浄は、静止チャンバ、好ましくは非移動チャンバ内で行われる。一実施形態においては、濾過及び洗浄は、濾過及び洗浄中に混合せずに、圧力の存在下で、1台の装置で行われる。好ましくは、前記分離装置は、垂直若しくは水平面、又は傾斜面にある。液相中の可溶性材料の高い濃度及び回収は、少量の洗浄水を用いて成され、可溶性化合物を含まない純粋な固体画分を得ることができる。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、フィルタプレスなどの分離装置にポンプ輸送される。一実施形態においては、ポンプ圧が最大であり、圧力レベルにできるだけ早く達する。一実施形態においては、ポンプ輸送の圧力は、段階的又は徐々に高められる。圧力のステップは、異なっていても、類似していてもよい。一実施形態においては、圧力の上昇は、1つ以上のステップを含む。一実施形態においては、圧力の上昇は、1回より多いステップを含む。一実施形態においては、ポンプ輸送装置の制御圧は、設定値に、一実施形態においては100%に、直接設定される。
一実施形態においては、圧力は、ポンプ輸送手順によって高められ、ポンプ圧は、全ポンプ輸送時間の10%以下のポンプ輸送時間で最終圧の80%以上に達するように高められる(図3のゾーンA)。ポンプ輸送時間は、フィルタからの液体の流れ、例えば濾過物が、5%以下の限界レベルに減速した時間である。この限界レベルは、それまでの全濾過物量に比べた分単位の濾過物の流れとして定義される:ポンプ輸送時間の終了限界=全濾過物量に対する最後の1分の濾過物量。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、良好な濾過特性を有し、したがってポンプ輸送手順(図3のゾーンA)によるポンプ輸送時間が短く、例えば、15分以下である。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、中程度の濾過特性を有し、したがってポンプ輸送手順ゾーンAによるポンプ輸送時間が長く、例えば、15分を超える。流量を増加させるためには、ポンプ輸送手順をゾーンB又はCに変更する(図3)。ゾーンBでは、全ポンプ輸送時間の10%のポンプ輸送時間で最終圧力の80%未満に達するように圧力が高められる。
一実施形態においては、粗製リグニンスラリー(5)は、濾過特性が劣り、したがってポンプ輸送手順によるポンプ輸送時間が長い。流量を増加させるために、ポンプ圧%がポンプ輸送時間の%値以下になるようにポンプ圧が高められる。換言すれば、ポンプ圧(%)=ポンプ輸送時間(%)(Y=X)以下(図3のゾーンC)。
本発明の分離においては、粗製リグニンスラリー(5)は、分離及び洗浄中の粗製リグニンスラリーのケークにおけるチャネリングを防止するためにプリプレスされる。一実施形態においては、プリプレスは、4〜10バール、4.5〜9バール、又は5〜8バールの圧力の存在下で行われる。好ましくは、プリプレスの圧力は、ポンプ輸送などの搬送における圧力と同等以上である。一実施形態においては、プリプレスの圧力は、段階的又は徐々に高められる。圧力のステップは、異なっていても、類似していてもよい。一実施形態においては、圧力は、全プレス時間の50%のプレス時間で最大70%の圧力に達するように徐々に高められる。好ましくは、プリプレスの圧力は洗浄中に維持される。一実施形態においては、洗浄水の圧力は、分離装置のチャンバの圧力と同等以上である。
一実施形態においては、プレスは、圧力の存在下で行われる。一実施形態においては、プレスの圧力は、プリプレスの圧力と同等以上である。一実施形態においては、圧力は5〜20バールであり、一実施形態においては6〜18バール、一実施形態においては7〜16バールである。
一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、粗製リグニンスラリー(5)から加圧濾過によって分離される。一実施形態においては、装置は、少なくとも1台の加圧濾過装置を固液分離装置として備える。一実施形態においては、固液分離段階は、1台の加圧濾過装置を含む。一実施形態においては、固液分離段階は、1台を超える加圧濾過装置を含む。好ましくは、加圧濾過装置における洗浄は、液体の置換に基づく。一実施形態においては、加圧濾過は、ポンプ輸送ステップ、プリプレス、洗浄ステップ、プレス、及びケークの除去を含む。ポンプ輸送ステップにおいては、固体ケークが形成され、プリプレスされる。好ましくは、ポンプ輸送ステップにおいては、加圧濾過装置のチャンバが満たされ、プリプレスが成される。一実施形態においては、送風がポンプ輸送ステップ後に、又は第1のプレスステップ後に行われて、更に液体をケークから除去する。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、ポンプ輸送ステップに関連して分離される。洗浄ステップにおいては、洗浄水がケークを通って押し出され、ケークがプレスされ、好ましくは脱水される。洗浄ステップにおいては、ケークの液体が水で置換される。一実施形態においては、送風が洗浄ステップで行われて、更に液体をケークから除去する。洗浄水は、洗浄ステップに関連してプレスによって分離される。脱水された固体ケークは、加圧濾過装置から取り出される。好ましくは、脱水された固体ケークは、固体画分(11)を形成する。加圧濾過の利点は、すべての分離ステップを1台の装置で実施できることである。
一実施形態においては、ケークの厚さは、その量が1.0×乾燥ケークの質量である液体の流れが、60分未満、好ましくは30分未満、より好ましくは15分未満、最も好ましくは5分未満の時間で、ケークを通過するように制御される。洗浄水は、ケーク中の液体を置換する。
一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、少なくとも2つのプレスステップを含む分離によって、粗製リグニンスラリー(5)から分離される。好ましくは、粗製リグニンスラリー(5)は、2つのプレスステップ間で希釈される。一実施形態においては、分離は、粗製リグニンスラリー(5)がプレスされ、希釈され、再度プレスされるように行われる。一実施形態においては、装置は、可溶性炭水化物含有画分(10)が粗製リグニンスラリー(5)から少なくとも2つのプレスステップによって分離され、粗製リグニンスラリーが2つのプレスステップの間で希釈される、少なくとも1台の固液分離装置を備え、さらに装置は、粗製リグニンスラリー(5)を分離装置に搬送する少なくとも1台の搬送装置、並びに固体画分(11)及び可溶性炭水化物含有画分(10)を分離装置から供給する手段を備える。一実施形態においては、2つのプレスステップ間の希釈は、別個の容器で行われる。一実施形態においては、各プレスステップは、圧力の存在下で、例えば、ニップによって、又は圧力チャンバ若しくは加圧チャンバで、行われる。一実施形態においては、プレスは、加圧濾過によって、例えば、フィルタプレスで、行われる。一実施形態においては、各プレスステップは、類似の又は異なるプレス装置で行われる。一実施形態においては、各プレスステップは、同じ分離装置で行われる。一実施形態においては、各プレスステップは、別々の分離装置で行われる。
一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、粗製リグニンスラリー(5)からベルト濾過によって分離される。一実施形態においては、装置は、可溶性炭水化物含有画分(10)が粗製リグニンスラリー(5)から濾過及び洗浄によって分離される固液分離装置として、ベルトフィルタなどの少なくとも1台のベルト濾過装置を備える。さらに、装置は、粗製リグニンスラリー(5)をベルト濾過装置に搬送する少なくとも1台の搬送装置、並びに固体画分(11)及び可溶性炭水化物含有画分(10)をベルト濾過装置から供給する手段を備えることができる。好ましくは、可溶性炭水化物含有画分(10)は、洗浄前に分離される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、洗浄前に減圧によって分離される。一実施形態においては、ベルト濾過は、向流洗浄に基づく。一実施形態においては、洗浄中に洗浄水を減圧によって除去することができる。一実施形態においては、水、液体などの新しい洗浄水をベルト濾過装置、好ましくはベルト濾過装置の端部に導入する。一実施形態においては、水、液体などの洗浄水の少なくとも一部を、ベルト濾過装置の先行分離ステップ、例えばセグメントに、再循環させる。一実施形態においては、洗浄水の少なくとも一部を再循環させて、ベルト濾過装置の各分離ステップから先行分離ステップ、例えばセグメントに戻す。一実施形態においては、洗浄水の少なくとも一部を連続的に再循環させる。洗浄水の量は、再循環によって削減することができる。一実施形態においては、ベルト濾過分離は、少なくとも1つのプレス段階を含む。
一実施形態においては、ベルト濾過装置は、ツインワイヤプレスである。一実施形態においては、分離は、ツインワイヤプレスにおいて過大加圧の存在下で行われる。
一実施形態においては、固液分離は、分離段階において1つ以上の分離ステップで行われる。一実施形態においては、固液分離段階は、1回より多い逐次分離ステップを含む。一実施形態においては、固液分離段階は、分離ステップで行うことができる異なる手順を含む。あるいは、1回より多い手順を1つのプロセスステップで行う。
一実施形態においては、分離は、10ステップ未満、4ステップ未満又は3ステップ未満で行われる。一実施形態においては、洗浄水が複数の段階で供給される。一実施形態においては、洗浄が複数の段階で行われ、圧力が各ステップの間で増加される。一実施形態においては、洗浄が複数の段階で行われ、各ステップ後に送風が行われる。
一実施形態においては、本発明の方法は、1回より多い分離段階を含む。一実施形態においては、方法は、1回より多い逐次分離段階を含む。異なる分離段階においては、類似の又は異なる分離方法又は分離装置によって分離を行うことができる。
一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)がモノマー化される。
一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分(10)は、C12、C(HO)可溶性C6炭水化物などの、別の可溶性炭水化物、リグニン及び幾つかの別の化合物を含む。可溶性炭水化物含有画分は、C5炭水化物も含み得る。好ましくは、可溶性炭水化物含有画分は、単糖及びオリゴ糖を含み得る。さらに、可溶性炭水化物含有画分は、多糖も含み得る。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、ガラクトース、グルコース、マンノース、アラビノース、キシロース、グルクロン酸及びガラクツロン酸を含む。全炭水化物含有量は、標準SCAN−CM71:09に従って酸加水分解後にHPLCによって測定することができる。単量体炭水化物含有量は、酸加水分解せずに、HPLCによって液体画分から直接測定することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分の全可溶性濃縮物は、固液分離後に20〜280g/l、好ましくは40〜240g/l、より好ましくは55〜210g/lである。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分の全可溶性濃縮物は、固液分離後に10〜210g/l、好ましくは20〜180g/l、より好ましくは30〜140g/lである。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分の全可溶性濃縮物は、固液分離後に30〜230g/l、好ましくは50〜220g/l、より好ましくは100〜210g/lである。好ましくは、可溶性炭水化物含有画分は、溶液の形態である。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分の炭水化物濃縮物は、固液分離後に20〜200g/l、好ましくは40〜170g/l、より好ましくは50〜150g/lである。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分の炭水化物濃縮物は、固液分離後に10〜150g/l、好ましくは20〜125g/l、より好ましくは30〜100g/lである。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分の炭水化物濃縮物は、固液分離後に25〜230g/l、好ましくは50〜215g/l、より好ましくは100〜200g/lである。
好ましくは、可溶性炭水化物含有画分の少なくとも一部を分離段階から供給する。可溶性炭水化物含有画分は、分離段階の任意の所望のステップの後に供給することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、分離段階の第1ステップ後に供給される。
可溶性炭水化物含有画分(10)は、回収することができる。可溶性炭水化物含有画分は、最終生成物の製造における成分として使用することができる。可溶性炭水化物含有画分は、更なる使用のために濃縮することができる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分のモノマー化は、更なる加工前に行われる。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、発酵プロセスに供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、発酵における原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、加水分解プロセスに供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、酸加水分解、酵素加水分解などによって、加水分解において原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、触媒処理プロセスに供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、触媒プロセスにおいて原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、重合プロセスに供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、重合における原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、酵素プロセスに供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、酵素処理において原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、結合剤の製造に供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、結合剤、例えば木質系結合剤の製造において原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、食品の製造に供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、食品の製造において原材料として使用される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、飼料の製造に供給される。一実施形態においては、可溶性炭水化物含有画分は、飼料の製造において原材料として使用される。可溶性炭水化物含有画分は、発酵、加水分解、触媒処理プロセス、重合プロセス、酵素プロセス、結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、又は別の適切なプロセスに直接供給することができ、あるいは適切な処理ステップ又は追加のステップ、例えば、追加の濃縮ステップ又は精製ステップを介して、発酵、加水分解、触媒処理プロセス、重合プロセス、結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、又は別の適切なプロセス、例えば酵素プロセスに、供給することができる。
一実施形態においては、固体を含む固体画分(11)が固液分離段階から供給される。一実施形態においては、固体画分(11)は、リグニン及び(C12又は(C(HO))などの固体C6炭水化物、別の固体炭水化物及び別の固体成分、並びにある残留可溶性材料などの幾つかの別の化合物を含む。一実施形態においては、固体画分は、ケークの形態である。
一実施形態においては、粗製リグニンの固体画分(11)の乾物含量は20〜80重量%である。一実施形態においては、固体画分の乾物含量は、固液分離段階後に、30〜60重量%、好ましくは40〜60重量%、より好ましくは45〜55重量%である。一実施形態においては、固体画分の乾物含量は、固液分離段階後に、7〜70重量%、好ましくは15〜45重量%、より好ましくは30〜40重量%である。乾物含量は、60℃で蒸発によって求められる。一実施形態においては、乾物含量の測定は、Technical Report NREL/TR−510−48087(2011年7月改訂)に定められた国立再生可能エネルギー研究所(NREL:National renewable energy laboratory)標準バイオマス分析のための研究室分析手順(Laboratory Analytical Procedures for standard biomass analysis)に少なくとも部分的に基づいて、又は応用して、行うことができる。
一実施形態においては、粗製リグニンの固体画分(11)のセルロース含有量、すなわちグルカン含有量は、グルコースとして分析して、3〜70重量%、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
一実施形態においては、粗製リグニンの固体画分(11)の炭水化物含有量は2〜50%である。一実施形態においては、炭水化物含有量は、10〜30%、より好ましくは15〜25%である。一実施形態においては、炭水化物含有量は、40〜70%、より好ましくは40〜60%である。一実施形態においては、炭水化物含有量は、5〜80%、より好ましくは40〜70%である。
一実施形態においては、固体画分は、固液分離段階後に、15%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは3重量%未満の可溶性化合物を含む。一実施形態においては、水溶性物質は、重量分析洗浄方法によって測定される。重量分析洗浄方法による測定は、以下のように行うことができる。すなわち、原料、例えば固体可溶性画分の乾物含量(DM%)を60℃で測定し、試料を60℃で恒量まで加熱後に残った固体の量を測定し、乾物含量を湿重量及び乾燥重量に基づいて計算する。洗浄の場合、絶乾約10gの調査湿潤材料を採取し、計量し(正確な計量された量)、総量が200gになるように容器中で温水(50℃)と混合し、混合物を20秒間混合し(Bamix Monoフリーハンド食品ブレンダー、「C」ブレード、速度1(7000rpm))、混合物を浸漬時間5分間浸漬し、混合物を10秒間混合し(Bamix Monoフリーハンド食品ブレンダー、「C」ブレード、速度1(7000rpm))、乾燥濾紙の質量を測定し、混合物をBuechner(直径125mm)及び濾紙によって濾過し、ケークが全体的に無光沢(乾燥)であるときには内向きリリーフバルブを閉じ、濾過物を採取し、ブレンダー及び容器を濾過物で洗浄し、濾過物をケークに通して再度濾過し、吸引効果が全時間維持されるようにケークを熱水100gで3回洗浄し、ケークが全体的に無光沢(乾燥)であるときには洗浄水(100g)を添加し、ホイル皿を計量し、濾紙を含むケークをホイル皿中で乾燥させ、ホイル皿中の濾紙を含む乾燥ケーク(60℃)を計量し、濾紙及びホイル皿の質量を乾燥ケークの質量から減算し、濾紙及びホイル皿、次いで可溶性物質を含まない固体、すなわち調査湿潤材料の水不溶性固体(WIS:water insoluble solids)を測定することができる。水不溶性固体WIS%は、WIS%=(洗浄、乾燥材料、例えば、ケークの重量)/(洗浄用湿潤スラリー、例えば、原料の重量)で計算することができる。乾燥物質の水溶性物質WS%は、WS%=(最初のスラリー、例えば、原料の乾燥物質(DM%))−(水不溶性固体WIS%)で計算することができる。
一実施形態においては、粗製リグニンケーク(11)中の固体粒子の粒径は、光学測定MetsoFS5によって、また、レーザー回折法CoulterLS230によって、測定される。粗製リグニンケーク(11)中の固体粒子の粒径の測定は、単一粒子を水に分散する適切な試料調製を必要とする。分散の場合、絶乾約10gの調査湿潤材料を採取し、総量が200gになるように容器中で水(約20℃)と混合し、混合物を浸漬時間15分間浸漬し、混合物を60秒間混合する(Bamix Monoフリーハンド食品ブレンダー、「C」ブレード、速度1(7000rpm))。その後、材料を測定専用調製物にする用意が整う。
一実施形態においては、粗製リグニン(11)の固体画分は、光学的MetsoFS5で測定して最長寸法が0.2mmよりも短い繊維状又は定義できない粒子である固体粒子を含む(長さ加重Lc(l)測定及び計算の画分F1(l))。一実施形態においては、粗製リグニンの固体画分は、MetsoFS5によって定義して、70重量%を超える(F1(l)>70%)、好ましくは80重量%を超える、より好ましくは90重量%を超える、最も好ましくは98重量%を超える、最長寸法が0.2mmよりも短い粒子を含む。
一実施形態においては、粗製リグニン(11)の固体画分は、水溶液中でレーザー回折法CoulterLS230で測定して繊維状又は定義できない粒子である固体粒子を含む。一実施形態においては、粗製リグニンの固体画分は、CoulterLS230によって定義された、50重量%を超える、好ましくは70重量%を超える、より好ましくは90重量%を超える、最も好ましくは98重量%を超える、等価円面積直径(equivalent circular area diameter)が50μmより小さい粒子を含む。
一実施形態においては、粗製リグニン(11)の固体画分は、偏光散乱強度差計測(PIDS:Polarization Intensity Differential Scattering)を含むレーザー回折法CoulterLS230によって水溶液中で測定して繊維状又は定義できない粒子である固体粒子を含む。一実施形態においては、粗製リグニンの固体画分は、CoulterLS230によって定義された、中央値等価円面積直径(median equivalent circular area diameter)が50μm未満、好ましくは40μm未満、より好ましくは30%未満、最も好ましくは20μm未満の粒子を含む。
CoulterLS230は、レーザー回折に基づいており、試料中の構成粒子によって散乱された光のパターンを測定することによって粒径分布を測定する。CoulterLS230は、回折部分及び偏光散乱強度差計測(PIDS)アセンブリからなる光学モジュールを備える。測定範囲は0.04〜2000μmであり、回折部分による測定範囲が0.4〜2000μm、PIDSアセンブリによる測定範囲が0.04〜0.4μmである。
一実施形態においては、固体(11)を含む固体画分(11)を回収する。一実施形態においては、固体画分は、酸加水分解、酵素加水分解、超臨界加水分解及び/又は亜臨界加水分解及びそれらの組合せからなる群から選択され得る加水分解、重合プロセス、複合材料の製造、結合剤、例えば木質系結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、燃焼プロセス、別の適切なプロセス、又はそれらの組合せに供給される。固体画分は、加水分解、重合プロセス、複合材料の製造、結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、燃焼プロセス又は別の適切なプロセスに直接供給することができ、あるいは適切な処理ステップ又は追加のステップ、例えば、追加の濃縮ステップ又は精製ステップを介して、加水分解、重合プロセス、複合材料の製造、結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、燃焼プロセス又は別の適切なプロセスに供給することができる。
本発明に係る方法は、高濃度で良好な品質の可溶性炭水化物含有画分及び固体画分を提供する。固体画分は、極めて高濃度のリグニン及びグルカン、並びにその水和生成物を含む。さらに、固体画分は、極めて高純度である。
本発明は、純粋な固体画分と更に可溶性炭水化物含有画分を製造する工業的に適用可能な簡単で手軽な方法を提供する。本発明に係る方法は、製造プロセスとして容易に簡単に実現される。本発明に係る方法は、種々の出発材料からの種々のリグニン系画分及び最終生成物の製造に使用するのに適している。
本発明を以下の実施例により添付図面を参照してより詳細に記述する。
実施例1
この実施例では、可溶性炭水化物含有画分を図2のプロセスに従って製造する。
リグノセルロース材料(3)は、植物系原料(1)から前処理(2)によって形成される。リグノセルロース材料から可溶性成分を除去することができる。粗製リグニンスラリー(5)を形成するために、リグノセルロース材料(3)を更に酵素処理又は酸処理(4)によって加工する。
粗製リグニンスラリー(5)を加圧濾過装置を含む固液分離段階(6)に搬送し、そこで可溶性炭水化物含有画分(10)をポンプ輸送、濾過及び置換洗浄によって粗製リグニンスラリー(5)から分離し、粗製リグニンスラリー(5)をポンプ輸送し、プリプレスし、洗浄し、プレスする。場合によっては、その後に送風を行う。可溶性C6炭水化物を含む可溶性炭水化物含有画分(10)を、加圧濾過のポンプ輸送及びプリプレスステップにおいて粗製リグニンスラリーから分離する。加圧濾過の洗浄ステップにおいて、洗浄水をプレスによって固体画分(11)の固体ケークから除去する。例えば、リグニンなどの固体、固体炭水化物、並びに幾らかの可溶性糖、オリゴマー及びポリマー残留物を含む固体画分(11)を加圧濾過装置から取り出す。
実施例2
この実施例では、液体及び固体画分を製造する。
カバ材チップを2ステップ希酸蒸煮爆砕プロセスで前処理して、ヘミセルロースを溶解させ、可溶性炭水化物含有組成物を生成した。この可溶性炭水化物含有組成物の一部を、蒸煮爆砕におけるリグノセルロース材料の急速な圧力放出前に取り出す。
固体材料を反応器に入れ、適切な乾物含量まで希釈して、セルロース及びヘミセルロースの大部分を加水分解した。粗製リグニンスラリーが加水分解ステップで形成された。一定時間の加水分解後に固液分離を表1に記載のように加圧フィルタで行った。洗浄水圧力は、チャンバの圧力と同等以上であった。結果を表2に示す。
Figure 0006947476
Figure 0006947476
実施例3
この実施例では、リグノセルロース材料のセルロースの大部分を可溶性の形態に加水分解することによって、粗製リグニンの2つの試料を調製した。前処理された木質系リグノセルロース材料のセルロースを酵素によって加水分解して、粗製リグニン試料1を形成した。前処理された木質系リグノセルロース材料のセルロースを加水分解して、粗製リグニン試料2を形成した。2種類の粗製リグニン試料の粗製リグニンケーク(11)中の固体粒子の粒径を、光学測定MetsoFS5及びPIDSを含むレーザー回折法CoulterLS230によって測定する。さらに、試料の化学組成を測定する。粗製リグニン試料を粒径測定のために水に分散させた。結果を表3に示す。
Figure 0006947476
Figure 0006947476
実施例4
この実施例では、粗製リグニンスラリーをフィルタプレスにポンプ輸送した。フィルタプレスは、3つの濾過チャンバの全濾過面積が0.81mであり、排水は各チャンバの両側である。ポンプ圧は最大5.6バールであり、ポンプ輸送時間30秒で最終圧の約80%に達するように圧力レベルを徐々に増加させた。流出濾過物を収集し、計量し、結果を表4に示す。ポンプ輸送時間は、フィルタからの濾過物の流れが5%以下の限界レベルに減速した時間である。この場合、ポンプ輸送時間は7分間であった。
Figure 0006947476
実施例5
この実施例では、粗製リグニンスラリーをフィルタプレスにポンプ輸送した。形成されたケークの水流抵抗は高く、したがってポンプ輸送時間が長かった。ポンプ圧をポンプ輸送時間の最後に最大になるように設定し、圧力レベルを以下の式に基づいて徐々に増加させた:ポンプ圧=3.4e0.0338*x、式中、xはポンプ輸送時間である(図4)。最初の低いポンプ圧によって、粗製リグニン懸濁液の粒子が濾過チャンバに均等に沈降し、それによって均質な濾過ケーク構造が可能になり、したがって10%のポンプ輸送時間でポンプ圧が80%以上である場合に比べて、ケークを通る液体の流れを増加させることができる。
実施例6
この実施例では、粗製リグニンスラリーをフィルタプレスにポンプ輸送した。形成されたケークの水流抵抗は高く、したがってポンプ輸送時間が長かった。ポンプ圧をポンプ輸送時間の最後に最大になるように設定し、圧力レベルを以下の式に基づいて直線的に増加させた:ポンプ圧%=ポンプ輸送時間%(図5)。最初の低いポンプ圧によって、粗製リグニン懸濁液の粒子が濾過チャンバに均等に沈降し、それによって均質な濾過ケーク構造が可能になり、したがって10%のポンプ輸送時間でポンプ圧が80%以上である場合に比べて、ケークを通る液体の流れを増加させることができる。
実施例7
この実施例では、液体及び固体画分を製造する。
カバ材チップを2ステップ希酸蒸煮爆砕プロセスで前処理して、ヘミセルロースを溶解させ、可溶性炭水化物含有組成物を生成した。この可溶性炭水化物含有組成物の一部を、蒸煮爆砕におけるリグノセルロース材料の急速な圧力放出前に取り出す。
固体リグノセルロース材料を反応器に入れ、適切な乾物含量まで希釈して、セルロース及びヘミセルロースの大部分を加水分解した。粗製リグニンスラリーが加水分解ステップで形成された。一定時間の加水分解後に固液分離を表5に記載のように加圧フィルタで行った。フィルタプレスは、1つの濾過チャンバの濾過面積が0.1mであり、排水はチャンバの一方向である。
粗製リグニンスラリーをフィルタプレスにポンプ輸送後、形成されたケークを試行1では1回のみプレスし、試行2ではプリプレスも行った。試行2のプリプレス圧力は8バールであり、洗浄前に圧力レベルを5バールに低下させた。ケークにポンプ輸送される洗浄水の圧力は5.5バールであった。結果を表6に示す。
Figure 0006947476
Figure 0006947476
本発明に係る方法は、様々な実施形態において、種々の原料から最も異なる種類の固体リグニン画分を製造し、可溶性炭水化物含有画分も製造するために使用するのに適している。
本発明は、単に上記実施例に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明のアイディアの範囲内で多数の変更が可能である。

Claims (17)

  1. 植物系原料(1)から形成される粗製リグニンスラリー(5)を洗浄する方法であって、
    前記粗製リグニンスラリーが固液分離段階(6)においてプリプレスされ、洗浄され、プレスされるとともに、少なくとも1つの固液分離段階(6)において可溶性炭水化物含有画分(10)を前記粗製リグニンスラリー(5)から置換洗浄によって分離するステップ、並びに
    固体画分(11)及び前記可溶性炭水化物含有画分(10)を回収するステップ
    を含み、
    洗浄水と固体又は固体組成物の比は、前記置換洗浄において、0.5:1〜6:1(w/w)である、方法。
  2. 前記粗製リグニンスラリー(5)がセルロース加水分解(4)によって加工されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粗製リグニンスラリー(5)が酵素処理、酸処理又は別の適切な処理によって加工されている、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記可溶性炭水化物含有画分(10)が前記粗製リグニンスラリー(5)から濾過、遠心処理又はそれらの組合せによって分離される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記固液分離段階(6)が濾過を含み、前記濾過が加圧、減圧又は過大加圧によって実施される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記粗製リグニンスラリー(5)の前記置換洗浄が少量洗浄水を用いて実施され、前記洗浄水と固体の比が前記洗浄において0.5:1〜6:1(w/w)、好ましくは0.5:1〜5:1(w/w)、より好ましくは0.5:1〜4:1(w/w)、最も好ましくは0.5:1〜3:1(w/w)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記固液分離段階(6)へのポンプ輸送において、圧力が段階的又は徐々に増加される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記プリプレスが4〜10バール、4.5〜9バール、又は5〜8バールの圧力の存在下で実施される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記プリプレスの圧力が搬送における圧力と同等以上である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記プリプレスの圧力が前記洗浄中に維持される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記プレスの圧力が前記プリプレスの圧力と同等以上である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記可溶性炭水化物含有画分の全可溶性濃縮物が20〜280g/lである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記固体画分の乾物含量が30〜60重量%、好ましくは40〜60重量%、より好ましくは45〜55重量%である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記固液分離段階(6)が、1回より多い分離ステップを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記植物系原料(1)が木質系材料又は木質系材料を含む混合物である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記可溶性炭水化物含有画分(10)が、発酵、加水分解、触媒プロセス、重合プロセス、酵素プロセス、結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、又はそれらの組合せにおける原材料として使用される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記固体画分(11)が、加水分解、重合プロセス、複合材料の製造、結合剤の製造、飼料の製造、食品の製造、燃焼プロセス、又はそれらの組合せにおいて原材料として使用される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
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