JP6946601B2 - 野生獣忌避剤 - Google Patents

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Description

本発明は、安価で、安全性が高く、かつ、野生獣による植物の食害や剥被害を十分に防止する効果を有する野生獣忌避剤に関する。
近年、ニホンシカ、カモシカ、ウサギ、ネズミ、ツキノワグマ、ヒグマ等の野生獣による樹木の枝、幹部の食害及び剥皮害、並びに、リンゴ、カンキツ等の果実の食害等、農林業における野生獣による食害及び剥被害は、拡大の一途をたどっている。
このような、植物の食害及び剥被害を防止するために、従来から、金属網等を用いて物理的に野生獣を忌避する方法と、野生獣忌避剤を散布又は塗布して化学的に野生獣を忌避する方法が用いられてきた。しかしながら、金属網等を用いて物理的に野生獣を忌避する方法は、該当する地域に幅広く金属網等を設置する必要があり、設置のために多くの費用を必要とすることが知られていた。また、経時的な劣化が発生することや、金属網等が野生獣により破られることもあり、設置後の管理に相応の困難が伴う場合もあった。そのため、現在は、野生獣忌避剤により化学的に野生獣を忌避する方法が用いられることも多い。
野生獣忌避剤としては、主として、ジラム水和剤やチウラムペースト製剤等の、有機硫黄系化合物を有効成分とする野生獣忌避剤が、スギ、ヒノキ、カラマツ、西洋なし等に対する食害や剥被害を防止するために長年用いられてきた。有機硫黄系化合物を有効成分とする野生獣忌避剤は、法定の基準を満たしているものの、風雨等により土壌や河川に流出し、又は、空気中に飛散することで、人畜に対する刺激性や魚毒性等を生じることが懸念されており、近年では、より安全性の高い野生獣忌避剤が求められている。
安全性の高い野生獣忌避剤として、特許文献1には、乾燥卵黄を含有することを特徴とする野生獣忌避剤が開示されている。また、特許文献2には、濃縮前重量と濃縮後重量の比率である濃縮度が、20%から50%である、穀物酢、果実酢、米酢、又は、米黒酢の濃縮液からなる野生獣忌避剤が開示されている。
特開2003−192506号公報 特開2015−44801号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の野生獣忌避剤は、有効成分が食品由来の原料であるため、安全性が高い点では有用であったが、野生獣を忌避するための効力が十分ではなかったという問題があった。また、食品をさらに乾燥又は濃縮したものを含有することから、化学的に合成される有機硫黄系化合物を含有する野生獣忌避剤と比較して、よりコストがかかる問題もあった。したがって、本発明は、以上の点の課題に鑑みてなされたものであり、安価で、安全性が高く、かつ、野生獣による植物の食害や剥被害を十分に防止する効果を有する野生獣忌避剤を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、野生獣忌避剤に有効成分として元素状硫黄を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、有効成分として元素状硫黄を含有し、野生獣による植物の食害及び剥被害を防止する効果を有する、野生獣忌避剤である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の野生獣忌避剤であって、元素状硫黄の濃度が4000ppm以上100000ppm以下の範囲で使用されることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の野生獣忌避剤であって、さらに、展着剤を含有することを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(3)に記載の野生獣忌避剤であって、100質量部の元素状硫黄に対して、展着剤の含有量が1質量部以上40質量部以下、であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(3)又は(4)に記載の野生獣忌避剤であって、展着剤が、ラノリン、パーム蝋、蜜蝋及び松ヤニの群から選択されるいずれか一種の天然脂質であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載の野生獣忌避剤であって、野生獣が哺乳動物であることを特徴とするものである。
本発明の野生獣忌避剤は、有効成分として、工業的に生産できる元素状硫黄を含有するため、従来の有機硫黄系化合物を有効成分とする野生獣忌避剤や乾燥又は濃縮された食品を含有する野生獣忌避剤と比較して安価である。また、元々土壌に含まれる元素状硫黄を有効成分としているため、安全性が高く、野生獣による植物の食害及び剥被害を十分に防止することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
<野生獣忌避剤>
本発明の野生獣忌避剤は、有効成分として元素状硫黄を含有する。
[元素状硫黄]
本発明の野生獣忌避剤に用いられる元素状硫黄とは、ジラム、チウラム等の有機硫黄系化合物ではなく、硫黄元素単体として存在する硫黄を指す。元素状硫黄は、加熱水蒸気を鉱床に送り込み、液化した硫黄を地表まで汲み上げた後に冷やして凝固させる、フラッシュ法により採取されていた時代もあったが、現在では、技術の進歩及び硫黄の価格の下落により、フラッシュ法による硫黄の採取は行われておらず、元素状硫黄を得る方法として、石油精製の脱硫工程により副産物として発生する硫化水素含有ガスを、部分酸化反応により元素状硫黄として回収するクラウス式熱回収装置を使用する方法が主として用いられている。このように本発明に用いられる元素状硫黄は、例えば、石油精製の過程で発生する副産物から工業的に生産することができるため、本発明の野生獣忌避剤は、乾燥又は濃縮された食品を含有する野生獣忌避剤と比較して安価である。
また、有機硫黄系化合物には、特有の刺激臭が存在するが、元素状硫黄は無臭である。このため、本発明の野生獣忌避剤を散布又は塗布する周辺地域において、悪臭が発生することもない。また、元素状硫黄は、もともと土壌に含まれている成分であるため、本発明の野生獣忌避剤を散布又は塗布しても、土壌汚染を引き起こすことはない。また、元素状硫黄は化学的な安定性が高く反応性も低いことから、有機硫黄系化合物を含有する野生獣忌避剤よりも安全性が高い。よって、本発明の野生獣忌避剤は、安価で、安全性が高く、かつ、野生獣による植物の食害や剥被害を十分に防止することができる。なお、本発明の野生獣忌避剤を用いる対象となる野生獣としては、食害又は剥被害の原因となる哺乳動物である、二ホンシカ、カモシカ、ウサギ等の草食哺乳動物又はネズミ、ツキノワグマ、ヒグマ等の雑食哺乳動物が挙げられる。
また、本発明の野生獣忌避剤は、元素状硫黄の濃度を4000ppm以上100000ppm以下の範囲で使用することが好ましく、10000ppm以上60000ppm以下の範囲で使用することがより好ましく、10000ppm以上30000ppm以下で使用することがさらに好ましい。元素状硫黄の濃度をこのような範囲にすることにより、効果的に野生獣による植物の食害及び剥被害を防止できる。
[展着剤]
本発明の野生獣忌避剤は、野生獣忌避剤の表面張力を下げ、有効成分である元素状硫黄の植物への付着性及び固着性を向上させるために、さらに、展着剤を含有することが好ましい。このような効果を有する展着剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、リグニンスルホン酸塩、ナフチルメタンスルホン酸塩等の有機化合物、又は、ラノリン、パーム蝋、蜜蝋及び松ヤニ等の天然脂質が挙げられるが、本発明に用いる展着剤としては、安全性の観点から、ラノリン、パーム蝋、蜜蝋及び松ヤニの群から選択されるいずれか一種の天然脂質を用いることが好ましく、本発明の野生獣忌避剤の効果をより持続させることのできるラノリンを用いることがより好ましい。
また、本発明の野生獣忌避剤が展着剤を含有する場合、展着剤の含有量は、100質量部の元素状硫黄に対して、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。展着剤の含有量をこのような範囲にすることで、有効成分としての元素状硫黄の野生獣を忌避する効果を持続させることができる。
(ラノリン)
本発明に用いる展着剤としては、ラノリンを用いることが好ましい。ラノリンは、羊毛に付着している分泌物を精製・脱水したものであり、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルを主成分とした蝋状の物質である。ラノリンには、粗ラノリンと粗ラノリンから各純度に精製した精製ラノリンが存在するが、本発明において展着剤として用いる場合には、特に限定されず、粗ラノリン及び精製ラノリンのいずれも用いることができる。
ラノリンは、蝋状の物質であるため、本発明の野生獣忌避剤にラノリンを含有させる場合には、野生獣忌避剤に含まれる元素状硫黄及びラノリンの分散性を向上させるために、乳化処理を行い、本発明の野生獣忌避剤をフロアブル製剤又はペースト製剤とすることが好ましい。
(界面活性剤)
本発明の野生獣忌避剤には、有効成分の分散性及び野生獣忌避剤の乳化状態を向上させるために、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤を用いることができる。
(溶媒)
本発明の野生獣忌避剤には、野生獣忌避剤の有効成分である元素状硫黄の濃度を調整するために、又は、野生獣忌避剤の使用時に野生獣忌避剤を希釈するために、溶媒を用いることができる。このような目的に適した溶媒としては、主に水を用いることができる。
(増粘剤)
本発明の野生獣忌避剤には、粘性を付与するために、又は、元素状硫黄及び展着剤の沈降を防止するために、増粘剤を含有させることができる。本発明に用いる増粘剤としては、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル系ポリマー、デンプン誘導体、多糖類等の水溶性高分子化合物や高純度ベントナイト、ホワイトカーボン等の微粉末固体担体を用いることができ、また、これらを併用することもできる。
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<野生獣忌避剤Aの調製例>
実施例1から実施例8及び実施例15に用いるフロアブル製剤である野生獣忌避剤Aの調製例について説明する。
まず、元素状硫黄50質量部、界面活性剤10質量部及び水を混合し、湿式粉砕により元素状硫黄粒子を2μm以下として硫黄濃液を得た。また、精製ラノリン40質量部及び界面活性剤10質量部を加温混合した後に、強制乳化することで乳化粒子を1μm以下にして、ラノリン濃液を得た。得られた硫黄濃液及びラノリン濃液を、30質量部の元素状硫黄に対して、ラノリンの含有量が2質量部となるように混合し、さらに、界面活性剤、水等を混合し、元素状硫黄の濃度が300000ppmのフロアブル製剤である野生獣忌避剤Aを得た。
なお、各実施例においては、上記の方法で得られた野生獣忌避剤Aを、各表に記載の希釈倍率で水により希釈して用いた。
<野生獣忌避剤Bの調製例>
実施例9から実施例14及び実施例16に用いるペースト製剤である野生獣忌避剤Bの調製例について説明する。
まず、元素状硫黄50質量部、界面活性剤10質量部及び水を混合し、湿式粉砕により元素状硫黄粒子を2μm以下として硫黄濃液を得た。また、精製ラノリン40質量部及び界面活性剤10質量部を加温混合した後に、強制乳化することで乳化粒子を1μm以下にして、ラノリン濃液を得た。さらに、得られた硫黄濃液及びラノリン濃液を、5質量部の元素状硫黄に対して、ラノリンの含有量が1質量部となるように混合し、さらに、増粘剤、界面活性剤、水等を混合し、元素状硫黄の濃度が30000ppmのペースト製剤である野生獣忌避剤Bを得た。
なお、各実施例においては、各表に記載の塗布量で塗布した。
以下、比較例で用いた薬剤について説明する。
(クムラス)
殺虫殺菌剤。硫黄濃度79.2%の硫黄水和剤。サンケイ化学株式会社製。比較例1において、農薬登録において適用される最大濃度となる希釈倍率にて、水で希釈して用いた。
(イオウフロアブル)
殺虫殺菌剤。硫黄濃度52.0%のフロアブル製剤。日本農薬株式会社製。比較例2において、農薬登録において適用される最大濃度となる希釈倍率にて、水で希釈して用いた。
(コニファー)
野生獣忌避剤。ジラム水和剤。ジラム濃度は32.0%。保土谷アグロテック株式会社製。比較例3、比較例6及び比較例9において、製造元が野生獣忌避剤として推奨する量を塗布した。
(ランテクター)
野生獣忌避剤。水和剤。全卵粉末80%。保土谷アグロテック株式会社製。比較例4、比較例7、比較例10及び比較例16において、製造元が野生獣忌避剤として推奨する量を塗布した。
(ヤシマレント)
野生獣忌避剤。チウラムペースト製剤。チウラム濃度は25.0%。住化グリーン株式会社製。比較例12、比較例14及び比較例17において、製造元が野生獣忌避剤として推奨する量を塗布した。
上記した各薬剤を用いて、以下の6つの試験例に従って試験を行った。以下、試験例ごとに、試験の方法及び結果について記載する。
<試験例1>
(実施例1から実施例4)
野生獣忌避剤Aを、表1に記載の各希釈倍率で水により希釈して、実施例1から実施例4の野生獣忌避剤Aの希釈液を得た。
(比較例1から比較例5)
比較例1及び2では、各薬剤を農薬登録において適用される最大濃度となるように表1に記載の希釈倍率にて水で希釈し、各薬剤の希釈液を得た。また、比較例3及び比較例4では、各薬剤を製造元が野生獣忌避剤として推奨する表1に記載の希釈倍率にて水で希釈し、各薬剤の希釈液を得た。また、コントロールとして無処理の比較例5を設けた。
(試験方法)
長野県に植栽されているイチイ(1区3樹、2連制、計6樹)に、各希釈液を12月に電動噴霧器にて各供試樹の全体へ50ml/樹の量にて散布した。散布後、1、2及び4ヶ月後に、任意の100枝に対するカモシカによる食害の有無を調査し、食害率(%)を算出した。
Figure 0006946601
各薬剤の希釈液を散布してから1か月後では、実施例1から実施例4、比較例3及び比較例4において、イチイのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例1、比較例2及び比較例5では、イモイのカモシカによる食害が観察された。また、各薬剤の希釈液を散布してから2か月後においては、いずれの実施例及び比較例において、イチイのカモシカによる食害が観察されるようになったが、実施例1から実施例4では、比較例1及び比較例2よりも顕著に抑えられていた。さらに、散布後4ヶ月後では、実施例1から実施例4において、比較例1から比較例5よりも、イチイのカモシカによる食害が顕著に抑えられていた。
<試験例2>
(実施例5及び実施例6)
野生獣忌避剤Aを、表2に記載の各希釈倍率で水により希釈して、実施例5及び実施例6の野生獣忌避剤Aの希釈液を得た。
(比較例6から比較例8)
比較例6及び比較例7では、各薬剤を製造元が野生獣忌避剤として推奨する表2に記載の希釈倍率にて水で希釈し、各薬剤の希釈液を得た。また、コントロールとして無処理の比較例8を設けた。
(試験方法)
鹿児島県に植栽されているヒノキ(1区20樹、5連制、計100樹)に、各希釈液を12月に電動噴霧器にて各供試樹の全体へ50ml/樹の量にて散布した。散布後、1、2及び4ヶ月後に、任意の100樹に対するニホンシカによる食害の有無を調査し、食害率(%)を算出した。
Figure 0006946601
各薬剤の希釈液を散布してから1か月後では、実施例5、実施例6、比較例6、及び比較例7において、ヒノキのニホンシカによる食害は観察されなかったが、比較例8では、ヒノキのニホンシカによる食害が観察された。また、各薬剤の希釈液を散布してから2か月後においては、実施例5、実施例6及び比較例6では、ヒノキのニホンシカによる食害は観察されなかったが、比較例7ではヒノキのニホンシカによる食害がわずかに観察された。さらに、散布後4ヶ月後では、実施例5及び実施例6においても、ヒノキのニホンシカによる食害がわずかに見られたが、比較例6から比較例8よりも顕著に抑えられていた。
<試験例3>
(実施例7及び実施例8)
表3に記載の各希釈倍率で水により希釈して、実施例7及び実施例8の野生獣忌避剤Aの希釈液を得た。
(比較例9から比較例11)
比較例9及び比較例10では、各薬剤を、製造元が野生獣忌避剤として推奨する表3に記載の希釈倍率にて水で希釈し、各薬剤の希釈液を得た。また、コントロールとして無処理の比較例11を設けた。
(試験方法)
長野県に植栽されているヒノキ(1区20樹、5連制、計100樹)に、各希釈液を12月に電動噴霧器にて各供試樹の全体へ50ml/樹の量にて散布した。散布後、1、2及び4ヶ月後に、任意の100樹に対するカモシカによる食害の有無を調査し、食害率(%)を算出した。
Figure 0006946601
各薬剤の希釈液を散布してから1か月後では、実施例7、実施例8、比較例9及び比較例10において、ヒノキのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例11において、ヒノキのカモシカによる食害が観察された。また、各薬剤の希釈液を散布してから2か月後においては、実施例7及び実施例8において、ヒノキのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例9から比較例11では、ヒノキのカモシカによる食害が観察された。さらに、散布後4ヶ月後では、実施例7及び実施例8においてもヒノキのカモシカによる食害がわずかに観察されたが、比較例9から比較例11よりも顕著に抑えられていた。
<試験例4>
(実施例9から実施例11)
実施例9から実施例11において、野生獣忌避剤Bの塗布量を、表4に記載の各塗布量とした。
(比較例12及び比較例13)
比較例12では、薬剤の塗布量を、製造元が野生獣忌避剤として推奨する表4に記載の塗布量とした。また、コントロールとして無処理の比較例13を設けた。
(試験方法)
長野県に植栽されているヒノキ(1区20樹、5連制、計100樹)に12月に実施例に記載の薬剤を、ゴム手袋を着用した手のひらに量り取り、手のひらで薬剤を広げ、葉の表裏及び枝へ満遍なく擦りつけながら塗布し、比較例12に記載の薬剤については、メーカーの推奨に従い、葉の裏には塗布せずに、葉の表及び枝に、上記同様の方法で塗布した。塗布後、1、2及び4ヶ月後に、任意の100樹に対するカモシカによる食害の有無を調査し、食害率(%)を算出した。
Figure 0006946601
各薬剤を塗布してから1か月後では、実施例9から実施例11及び比較例12において、ヒノキのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例13において、ヒノキのカモシカによる食害が観察された。また、各薬剤を塗布してから2か月後においても、実施例9から実施例11において、ヒノキのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例12及び比較例13において、ヒノキのカモシカによる食害が観察された。さらに、散布後4ヶ月後では、実施例9から実施例11においてもヒノキのカモシカによる食害がわずかに見られたが、比較例12及び比較例13よりも顕著に抑えられていた。
<試験例5>
(実施例12から実施例14)
実施例12から実施例14において、野生獣忌避剤Bの塗布量を、表5に記載の各塗布量とした。
(比較例14及び比較例15)
比較例14では、薬剤の塗布量を、製造元が野生獣忌避剤として推奨する表5に記載の塗布量とした。また、コントロールとして無処理の比較例15を設けた。
(試験方法)
長野県に植栽されているスギ(1区20樹、5連制、計100樹)に、12月に実施例に記載の薬剤を、ゴム手袋を着用した手のひらに量り取り、手のひらで薬剤を広げ、葉の表裏及び枝へ満遍なく擦りつけながら塗布し、比較例14に記載の薬剤については、メーカーの推奨に従い、葉の裏には塗布せずに、葉の表及び枝に、上記同様の方法で塗布した。塗布後、1、2及び4ヶ月後に、任意の100樹に対するカモシカによる食害の有無を調査し、食害率(%)を算出した。
Figure 0006946601
各薬剤を塗布してから1ヶ月後及び2ヶ月後では、実施例12から実施例14、及び比較例14において、スギのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例15において、スギのカモシカによる食害が観察された。さらに、散布後4ヶ月後においても、実施例12から実施例14では、スギのカモシカによる食害は観察されなかったが、比較例14及び比較例15ではスギのカモシカによる食害が観察された。
<試験例6>
(実施例15及び実施例16)
野生獣忌避剤Aを、表6に記載の硫黄濃度となるように、水で希釈して実施例15の野生獣忌避剤Aの希釈液を得た。また、実施例16において、野生獣忌避剤Bの塗布量を、表6に記載の塗布量とした。
(比較例16から比較例18)
比較例16では、各薬剤を、製造元が野生獣忌避剤として推奨する表6に記載の希釈倍率にて水で希釈し、薬剤の希釈液を得た。また、比較例17では、薬剤の塗布量を、製造元が野生獣忌避剤として推奨する表6に記載の塗布量とした。さらに、コントロールとして無処理の比較例18を設けた。
(試験方法)
鹿児島県に植栽されているヒノキ(1区20樹、5連制、計100樹)に、上記の試験方法に記載した方法と同様の方法において、12月に実施例15及び比較例16の薬剤の希釈液を散布し、又は、実施例16及び比較例17の薬剤を塗布した。散布又は塗布後、1、2及び4ヶ月後に、任意の100樹に対するニホンシカによる食害の有無を調査し、食害率(%)を算出した。
Figure 0006946601
各薬剤の希釈液を散布し、又は、各薬剤を塗布してから1ヶ月後では、実施例15、実施例16、比較例16及び比較例17において、ヒノキのニホンシカによる食害は観察されなかったが、比較例18において、ヒノキのニホンシカによる食害が観察された。また、散布又は塗布後2ヶ月後でも、実施例15、実施例16及び比較例17においては、ヒノキのニホンシカによる食害は観察されなかったが、比較例16及び比較例18では、ヒノキのニホンシカによる食害が観察された。さらに、散布又は塗布後4ヶ月後においても、実施例16では、ヒノキのカモシカによる食害は観察されておらず、実施例15では、ヒノキのニホンシカによる食害がわずかに観察されたが、比較例16から比較例18と比べると、顕著に抑えられていた。
以上の結果から、本発明の野生獣忌避剤は、野生獣による植物の食害を十分に防止する効果を有することが分かる。

Claims (4)

  1. 有効成分として元素状硫黄、展着剤及び水を含有し乳化されてなる、野生獣による植物の食害及び剥被害を防止する効果を有し、
    前記元素状硫黄の濃度が4000ppm以上100000ppm以下の範囲で使用される、野生獣忌避剤。
  2. 100質量部の元素状硫黄に対して、展着剤の含有量が1質量部以上40質量部以下、である請求項に記載の野生獣忌避剤。
  3. 展着剤が、ラノリン、パーム蝋、蜜蝋及び松ヤニの群から選択されるいずれか一種の天然脂質である、請求項1又は2に記載の野生獣忌避剤。
  4. 野生獣が哺乳動物である、請求項1からのいずれかに記載の野生獣忌避剤。
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