JP6945626B2 - 空の粒子の等電点による排除に基づく腫瘍崩壊性ラットパルボウイルスh−1の製造および精製のための大規模に実現可能な方法 - Google Patents
空の粒子の等電点による排除に基づく腫瘍崩壊性ラットパルボウイルスh−1の製造および精製のための大規模に実現可能な方法 Download PDFInfo
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Description
(a)産生細胞株NB-324Kを提供する工程;
(b)該細胞株を適切な条件下で増殖させて、2.0〜5.0x104細胞/cm2の細胞密度の該細胞に、0.5〜2x10-2 PFU/細胞のMOIでパルボウイルスを感染させる工程;
(c)感染の2〜6日後に該細胞を回収して、遠心分離により細胞ペレットを得る工程;
(d)再懸濁した細胞ペレットを、パルボウイルス含有細胞溶解物を得るための機械的、物理的または化学的な細胞溶解法に供する工程;
(e)細胞溶解物を超音波処理して、該細胞溶解物をDNAse処理に供する工程;
(f)DNAse処理パルボウイルス回収物をろ過により清澄化する工程;ならびに
(g)空の粒子およびほとんどの不純物を排除するための陰イオン交換クロマトグラフィー;
(h)脱塩カラムまたはタンジェンシャルフローフィルトレーションによるバッファ交換および濃縮;
(i)Visipaque/リンゲル溶液での最終調製
を含む。
(a)産生細胞株NB-324Kを提供する工程;
(b)該細胞株を適切な条件下で増殖させて、2.0〜5.0x104細胞/cm2の細胞密度の該細胞に、0.5〜2x10-2 PFU/細胞のMOIでパルボウイルスを感染させる工程;
(c)感染の2〜6日後に該細胞を回収して、遠心分離により細胞ペレットを得る工程;
(d)再懸濁した細胞ペレットを、パルボウイルス含有細胞溶解物を得るための機械的、物理的または化学的な細胞溶解法に供する工程;
(e)細胞溶解物を超音波処理して、該細胞溶解物をDNAse処理に供する工程;
(f)DNAse処理パルボウイルス回収物をろ過(例えば0.2μm、その後0.1μmろ過工程)により清澄化する工程;
(g)空の粒子およびほとんどの不純物を排除するための陰イオン交換クロマトグラフィー;
(h)脱塩カラムまたはタンジェンシャルフローフィルトレーションによるバッファ交換および濃縮;
(i)Visipaque/リンゲル溶液中の最終調製
を含む。
前臨床的および臨床的使用と適合性である1x1010 PFU/mlの濃度の2x1011 PFUのウイルス収率は、単一の10層CSチャンバーにより達成された。この収率は、感染細胞当たり約1x103の感染性粒子の生産性に相当する。10層系は、100x10cm細胞培養皿(Halder et al., 2012)とほぼ同じ接着表面を提供する。効率的な製造は、生存率95%超、継代数20未満、マイコプラズマ汚染なし(Multiplexion, Germany)およびFBSの一定の品質を有する産生細胞(NB-324K)の良好な条件のために可能であった。
未処理のウイルス回収物は、完全、空および中間密度の粒子を含み、ウイルスDNAおよび宿主細胞DNAならびにタンパク質の全てで汚染された。最初にそれらをDNAse処理して、次いでフィルター(例えば0.2μmフィルターによる濾過、その後0.1μmフィルターによる濾過)により清澄化した。これは、37%の宿主細胞DNAおよび封入されていないウイルスDNAならびに24%の総タンパク質の排除を生じた。宿主細胞DNAの残存断片は62bpよりも小さいことが明らかとなった。
クロマトグラフィー精製の基準として、本発明者らは最初に、(a)空および(b)完全粒子のpI値:(a)6.3および(b)6.1〜5.8を決定した。等電点電気泳動およびクロマトフォーカシングにより同様の結果が生じた。完全粒子について、可能性のある欠損干渉ウイルス粒子のためにpI範囲のみが得られ得た(Faust and Ward, 1979)。空および完全H-1PVの等電点の知識は精製手法を開発するために必須であり、ウイルス相互作用、安定性、製造およびインビトロ研究に影響を与える。
DEAEカラムからのH-1PV溶出物は、約0.25M NaClを含んだ。塩を排除し、Visipaque (リンゲル中48%イオジキサノール)中に調製するために、リンゲル液(AlleMan Pharma GmbH, Reutlingen, Germany)へのバッファ交換、その後Visipaque (リンゲル中48%イオジキサノール)中の調製を行うことが必要であった。
H-1PV pIの決定
等電点電気泳動
Leuchs et al., 2016およびPCT/EP 2016/001066に記載される方法により得られる完全および空のウイルスカプシド調製物(CsCl密度勾配で精製された)を、それらの異なる等電点(pI値)に基づいて電場において分離した。
クロマトフォーカシングは、タンパク質がそれらのpIに従ってカラムから溶出する、タンパク質分離技術である。空および完全カプシドウイルス調製物(CsCl密度勾配で精製)のクロマトフォーカシングを、Mono P 5/50カラム(GE Healthcare Europe GmbH, Freiburg, Germany)および500μL注射ループを備えたAEKTAprimeを用いて、層流下、室温で行った。Mono Pは第4級および第3級アミンの混合により荷電した弱陰イオン交換体である。移動相の流速は0.7ml/分であった。280nmで吸光度をモニタリングした。全てのバッファおよび試料は、0.2μmのフィルターにより濾過した。適用バッファは、濃縮イミノ二酢酸(Santa Cruz Biotechnology, Dallas, USA)によりpH8.3(完全および空の調製物について)または9.5(未精製細胞溶解物について)に調整された0.025Mトリエタノールアミン(Sigma-Aldrich Chemie GmbH, Steinheim, Germany)であった。溶出バッファは、マニュアル指示書に従って、注射用水中で希釈されたPolybuffer 96およびPolybuffer 74 (GE Healthcare Europe GmbH, Freiburg, Germany)で構成され、pHは濃縮イミノ二酢酸で5.0(完全および空の調製物について)または3.5(未精製細胞溶解物について)に調整された。Mono P 5/50の製造業者の指示書に従って、下降直線pH勾配(完全および空の粒子調製物についてpH8〜5および未精製細胞溶解物についてpH9.4〜3.5)を得た。これについて、カラムを、必要とされる最高pHよりもわずかに高いpHで適用バッファにより平衡化した。溶出バッファ(必要とされる最低pHに調整)をカラムに通して、第1のプレ勾配を生じた。これに、適用バッファ中に希釈した試料の適用を続けた。カラムへの溶出バッファのさらなる適用により、下降pH勾配の移動が生じた。この溶出手順により、pH8.0から5.0または9.4から3.5のpH勾配の形成が生じ、画分の間のΔpHは0.1〜0.3であった。0.5または1mlの画分を回収して、GPおよびPPについて分析した。回収された画分のpHを、Mettler Toledo InLab Viscous Pro pH電極を用いて手動で測定した。
完全H-1PV wtウイルス粒子から空の粒子を分離するために、それらの物理的特性における活用可能な差を見出すことが必要であった。精製した空および完全な粒子調製物に対して等電点電気泳動を行って、これらの粒子のそれぞれの等電点を決定した。結果(図1)により、空の粒子につて6.3のpIおよび完全粒子について5.8〜6.2のpI(空のカプシドによる無視できる程度の汚染を有する)が明らかになった。このpIの差が感染性ウイルスの精製に活用し得るかどうかを調べるために(すなわち空の粒子および汚染タンパク質を排除するために)、クロマトフォーカシングを使用した。最初に、CsCl精製した空または完全粒子調製物をMono P 5/50カラムに負荷して上述の通りに溶出した。この手順により(図2a)、クロマトフォーカシングで、空の粒子について6.3のpI(PP-対-GP比:約869;データは示さず)および完全粒子について6.1〜5.8のpI(PP-対-GP比:約1;データは示さず)が同定されたので、等電点電気泳動により得られた結果を確認した。さらに、クロマトフォーカシングを使用して、清澄化された細胞溶解物中に存在する不純物(宿主細胞タンパク質、FBS)のpI範囲を推定した。有意な量の不純物が塩基性pH(pI範囲9.4〜7)でMono Pカラムから溶出した。PP-対-GP比はpH6.4で43 対 約pH5.7で13であり、空および完全粒子について決定されたpIは維持された。
最適なバッファおよび塩条件を決定するための小規模陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー
タンパク質の等電点は、それらがクロマトグラフィーカラムに結合/それから溶出する電荷と相関する。塩濃度が増加するにつれて、最も弱いイオン相互作用を有するタンパク質が最初にカラムから溶出する。空および完全なH-1PV粒子ならびに製造の際に生じる不純物のpI値の知識によると、これらの実体をAEXクロマトグラフィーにより分離することが可能となり、ほとんどのタンパク質不純物は最初に溶出するはずであり、続いて空の粒子および最後に完全粒子が溶出する。
最適なバッファおよび塩の条件の決定の後、2.3E8細胞(1つの10層CSの製造に相当)由来の清澄化された細胞溶解物を用いて大規模精製を行った。0.15M NaClを含む50mM Tris-HCl、pH8.7中に希釈した清澄化された細胞溶解物を、8ml CIM(登録商標)DEAEモノリスカラムに負荷して、連続塩勾配(50mM Tris-HCl、pH8.7中0.15〜0.3M NaCl)で溶出させた。図4に見られるように、空の粒子はフロースルーおよび洗浄中に溶出した(第1のUVピーク)(PP-対-GP比、約50.0;2.3E14総PP)。完全粒子は0.2〜0.25M NaClで溶出した(導電率:26〜31.8mS、第2のUVピーク)。ウイルス濃度は約1E13 GP/mlおよび1E10 PFU/ml(データは示さず)であり、PP-対-GP比は約1であった。
Visipaque/リンゲル液中での最終調製のために、DEAEカラムからの完全粒子溶出物は最初に、リンゲル液中にバッファ交換して、48%イオジキサノールに相当する1.41±0.05の屈折率を得るために、最終的にVisipaqueと混合する必要があった。2つのバッファ交換方法:HiTrapTM脱塩カラムの使用およびVivaspin(登録商標)濃縮器の使用を試験した。それぞれの方法は2回適用した。結果を、同じウイルス回収バッチに適用される標準的な精製方法(IOD-PBS、その後VIS-リンゲル中の密度勾配遠心分離)により得られた結果と比較した。表2に結果を要約する。新規に開発されたクロマトグラフィー精製法を用いて、完全粒子のみを含む調製物を得た(PP-対-GP比、約1)。PFU回収は、標準的な方法によるものの少なくとも2倍の高さ(約40%)であり、比活性は同様(またはVivaspin(登録商標)クロスフロー濾過後にはより高い)であった。標準的な方法またはVivaspin(登録商標)濾過を用いたDEAEクロマトグラフィーのいずれかにより得られた感染性ウイルス力価は約3E10PFU/mlであり、DEAEクロマトグラフィーおよびHiTrapTM脱塩後は3E9PFU/mlであった。3つの方法で、同等の有効性(>96%)を伴いタンパク質不純物が低減されたが、クロマトグラフィー精製、その後のいずれかのバッファ交換手順は、空の粒子を標準的な方法(85%)よりも効果的に(>95%)排除した。銀染色を用いたSDS-PAGEにより測定した場合、ウイルス純度は3つ全ての手順後に同じであった(図5)。新規の戦略により得られた調製物の電子顕微鏡写真は、標準的な調製とは対照的に、完全粒子が支配的であることを示した。図6のフロー図は、3つ全ての方法の下流のプロセス工程を要約する。品質制御試験は、全ての最終調製バッチは滅菌性であることを示した。
精製されたH-1PV調製物
(A)産生細胞株、H-1PVウイルスストック
シミアンウイルス40(SV40)で形質転換したNB-324Kヒト新生児腎臓細胞(Tattersall and Bratton, 1983)を、5%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS, Biowest, France)を有する最小必須培地(MEM, Sigma, Germany)中、5% CO2雰囲気下で、37℃で培養した。培地には、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよび2mM L-グルタミン(Life Technologies, Germany)を補充した。産生のために、175cm2 Yフラスコ(Nunc, Denmark)中で増殖させたNB-324K細胞を、6,360cm2増殖面積を有する10層CellSTACK(登録商標)培養チャンバー(Corning, Germany)中に播種した。細胞密度および生存率は、生細胞を0.4%トリパンブルー(InvitrogenTM, Germany)で染色して測定した。細胞をCountess(登録商標)Cell計測器(Life Technologies, Germany)で計測した。細胞に感染させるために内部で精製したH-1PVウイルスストックを使用した。
都合のよい単回使用産生系として10層CellSTACK(登録商標)(CS)を選択した。同時の細胞播種および感染のために、NB-324K細胞は、3.6x104細胞/cm2で10層CSに播種し、1細胞当たり0.01プラーク形成単位(PFU)の感染多重度(MOI)で、すぐにH-1PVを感染させた。感染の際のpHは7.0±0.1であった。顕微鏡下で観察される死細胞および剥離細胞のパーセンテージとして測定される細胞変性効果(CPE)が少なくとも30%に達するまで、感染した細胞を37℃、5% CO2下で4日間インキュベートした。同時でない播種および感染のために、NB-324K細胞は、7.9x103細胞/cm2で10層CSに播種し、3日間増殖させ、その時点で細胞は、対照フラスコ培養で測定される場合に約3.6x104細胞/cm2の密度に達した。次いでこれらの固定された(anchored)細胞を0.01PFU/細胞のMOIで感染させ、上述のように4日間インキュベートした。回収のために、培地を吸引して、感染した細胞をPBS/1mM EDTAで処理した。培地上清および剥離した細胞を5,000xgで5分間遠心分離した。ペレットをPBSで洗浄して、Tris/EDTAバッファ(Trizma(登録商標)塩酸塩;Sigma-Aldrich Co. St. Louis, USA)に再懸濁し、3回の凍結/融解サイクルに供した。5,000xgで5分間の遠心分離後、細胞デブリを廃棄した。次いで細胞溶解物をSonorex Super 10 P超音波ホモジナイザー(Bandelin, Germany)中、48Wで1分間超音波処理し、DNAse (50U/ml, Sigma, Germany)で37℃、30分間処理した。
DNase処理ウイルス回収物を、0.2μm Sartolab(登録商標) P20 Plusフィルターおよび0.1μm Sartolab(登録商標) P20 Plusフィルター(Sartorius, Germany)を用いた濾過により清澄化した。
全てのクロマトグラフィー研究は、0.34ml CIM(登録商標)DEAEモノリスディスクまたは8ml CIM(登録商標)DEAEモノリスカラム(1.3μm孔径;Bia Separations, Ajdovscina, Slovenia)およびAEKTAprime (GE Healthcare Europe GmbH, Freiburg, Germany)により、室温(RT)、層流下で行った。CIM(登録商標)モノリスは、フロースルー孔を含むメタクリル酸ポリマー製の単一の均一な断片鋳造物である。DEAE(ジエチルアミノエチル)は、優先的に負の電荷を有する分子に選択的に結合する帯電ジエチルアミノ基を有する弱い陰イオン交換体である。移動相の流速は、カラムサイズに応じて0.7ml/分または2ml/分であった。吸光度は280nmでモニタリングして、ミリ吸光度単位(mAu)で表す。導電率はミリジーメンス(mS)で表す。全てのバッファは0.2μmのフィルターでろ過した。それぞれの試行の開始前に、一定の導電率およびUV吸光度の値が観察されるまで、カラムを適用バッファで平衡化した。溶出工程の後に、1M NaCl (Sigma-Aldrich Chemie GmbH, Steinheim, Germany)により高塩洗浄を続けた。適用バッファは、pH8.7に調整した50mM Tris-HClまたは50mM Tris-HCl中の0.15M NaCl であった。上述の(C)で得られた試料を適用バッファで希釈して、カラムに適用した。その後、ベースラインUV吸光度に達するまで適用バッファでの洗浄を続けた。溶出は、50mM Tris-HCl、pH8.7中0〜0.5M NaClまたは50mM Tris-HCl、pH 8.7中0.15M〜0.4M(大規模については0.3M) NaClの連続塩勾配で行った。試行の間の1ミリリットルの画分を回収して、ゲノム含有粒子(GP)、天然の粒子(PP)およびプラーク形成単位について分析した。プラーク形成単位の評価は面倒な細胞系方法であるので、これは、抗癌ウイルス療法における感染性ウイルス力価の重要性が得られる場合の大規模クロマトグラフィー実験および最終調製物の分析のみで行った。
DEAEカラム由来のH-1PV溶出物は0.25M NaClを含んだ。塩を排除し、Visipaque(リンゲル中48%イオジキサノール)中に調製するために、リンゲル液(AlleMan Pharma GmbH, Reutlingen, Germany)へのバッファ交換、その後のVisipaque(リンゲル中48%イオジキサノール)中での調製を行うことが必要であった。
プラーク形成アッセイ(感染性粒子について)、qPCR(GPについて)、H-1PVカプシドELISA(PPについて)、タンパク質定量およびSDS-PAGE(銀染色)、ウエスタンブロッティング、ならびに滅菌性評価(方法の説明についてB. Leuchs et al., 2016参照)によりウイルス定量および特徴付けを行った。
精製されたウイルスバッチの電子顕微鏡分析は、少しの改変を加えてLeuchs et al., 2016に従って行った。0.05% BSA溶液を用いた1分間の前インキュベーション工程を加えた後に、試料インキュベーション、および試料インキュベーション後に0.1%グルタルアルデヒドを用いた5分間のウイルス不活性化を行った。Zeiss EM 900透過電子顕微鏡(Carl Zeiss Microscopy GmbH, Jena, Germany)を用いて85,000x拡大で、写真を撮った。
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]完全活性H-1パルボウイルス粒子を製造するための方法であって、
(a)産生細胞株NB-324Kを提供する工程;
(b)該細胞株を適切な条件下で増殖させて、2.0〜5.0x10 4 細胞/cm 2 の細胞密度の該細胞に、0.5〜2x10 -2 PFU/細胞のMOIでパルボウイルスを感染させる工程;
(c)感染の2〜6日後に該細胞を回収して、遠心分離により細胞ペレットを得る工程;
(d)再懸濁した細胞ペレットを、パルボウイルス含有細胞溶解物を得るための機械的、物理的または化学的な細胞溶解法に供する工程;
(e)細胞溶解物を超音波処理して、該細胞溶解物をDNAse処理に供する工程;
(f)DNAse処理パルボウイルス回収物をろ過により清澄化する工程;ならびに
(g)空の粒子およびほとんどの不純物を排除するための陰イオン交換クロマトグラフィー;
(h)脱塩カラムまたはタンジェンシャルフローフィルトレーションによるバッファ交換および濃縮;
(i)Visipaque/リンゲル溶液中の最終調製
を含む、方法。
[2]工程(b)の細胞密度が3.0〜4.0x10 4 細胞/cm 2 である、[1]記載の方法。
[3]工程(f)のために、0.2μmのフィルター、その後に0.1μmのフィルターを使用する、[1]または[2]記載の方法。
[4]陰イオン交換クロマトグラフィーがDEAEカラムクロマトグラフィーである、[1]〜[3]いずれか記載の方法。
[5]陰イオン交換クロマトグラフィーが、工程(f)の抽出物を、フロースルー中に空の粒子および不純物ならびにカラム上に完全粒子を残す約0.15M NaCl中のカラムに適用することを含み、次いで完全粒子が約0.25〜0.30M NaClによる溶出により回収される、[4]記載の方法。
[6]工程(h)において、脱塩カラムが、サイズ排除クロマトグラフィー(HiTrap TM )のための架橋デキストランである、[1]〜[5]いずれか記載の方法。
[7]工程(h)において、タンジェンシャルフローフィルトレーションが、30KDaカットオフを有するポリエーテルスルホン膜(Vivaspin(登録商標)濃縮器)により作製される、[1]〜[5]いずれか記載の方法。
[8]工程(h)において得られるウイルス粒子がリンゲル液中にあり、次いで65.2%イオジキサノール〜48%イオジキサノール終濃度と混合される、[1]〜[7]いずれか記載の方法。
Claims (7)
- 完全活性H-1パルボウイルス粒子を製造するための方法であって、
(a)産生細胞株NB-324Kを提供する工程;
(b)該細胞株を適切な条件下で増殖させて、2.0〜5.0x104細胞/cm2の細胞密度の該細胞に、0.5〜2x10-2 PFU/細胞のMOIでH-1パルボウイルスを感染させる工程;
(c)感染の2〜6日後に該細胞を回収して、遠心分離により細胞ペレットを得る工程;
(d)再懸濁した細胞ペレットを、H-1パルボウイルス含有細胞溶解物を得るための機械的、物理的または化学的な細胞溶解法に供する工程;
(e)細胞溶解物を超音波処理して、該細胞溶解物をDNAse処理に供する工程;
(f)DNAse処理H-1パルボウイルス回収物をろ過により清澄化する工程;ならびに
(g)工程(f)のろ液を、フロースルー中に空のH-1パルボウイルス粒子および不純物を残しかつカラム上に完全H-1パルボウイルス粒子を残す約0.15M NaCl中の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに適用し、次いで完全H-1パルボウイルス粒子を0.25〜0.30M NaClの塩濃度を有するバッファを用いて溶出する工程;
(h)脱塩カラムまたはタンジェンシャルフローフィルトレーションにより工程(g)の溶出液を濃縮およびバッファ交換する工程;ならびに
(i)Visipaque/リンゲル溶液中に製剤化する工程
を含む、方法。 - 工程(b)の細胞密度が3.0〜4.0x104細胞/cm2である、請求項1記載の方法。
- 工程(f)のために、0.2μmのフィルター、その後に0.1μmのフィルターを使用する、請求項1または2記載の方法。
- 陰イオン交換クロマトグラフィーがDEAEカラムクロマトグラフィーである、請求項1〜3いずれか記載の方法。
- 工程(h)において、脱塩カラムが、サイズ排除クロマトグラフィーのための架橋デキストランである、請求項1〜4いずれか記載の方法。
- 工程(h)において、タンジェンシャルフローフィルトレーションが、30KDaカットオフを有するポリエーテルスルホン膜を通してなされる、請求項1〜4いずれか記載の方法。
- 工程(h)において得られるウイルス粒子がリンゲル液中にあり、次いで65.2%イオジキサノール〜48%イオジキサノール終濃度と混合される、請求項1〜6いずれか記載の方法。
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