JP6945403B2 - 流水検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スプリンクラー設備等の消火設備に設けられる流水検知装置に関する。
従来、スプリンクラー設備、泡消火設備、水噴霧設備においては、加圧送水装置からの加圧水をヘッドに供給する配管の途中に流水検知装置を設けている。
図12は従来の流水検知装置を示した説明図であり、図12(A)に監視し状態を示し、図12(B)に作動状態を示す。
図12(A)に示すように、流水検知装置100は弁体102を弁座104に当接した閉鎖状態にあり、通常二次側圧力P2は一次側圧力P1と同圧かP1より低い所定の締切圧力となっている。
火災等によりスプリンクラーヘッドが作動した場合には、図12(B)に示すように、二次側配管に一定量を超える流水が発生して流水検知装置100の弁体102が開放し、弁座104に設けられた流入口106から圧力スイッチ110に消火用水が流れ込こみ、流入口106からの供給量がオートドリップ112による排水量を上回ると、圧力スイッチ110に加わる消火用水の圧力が上昇してオンし、流水検知信号を制御盤に出力して火災警報を出力させる。
また、通常監視状態で二次側配管側の漏水などにより二次側圧力が締切圧力に対しある設定圧力より低下すると、弁体102が開放され一次側の水が二次側に流入することにより一次側の圧力が低下し、この圧力低下を検出して補助加圧ポンプが運転され、漏水により低下した一次側圧力及び二次側配管の圧力が所定の締切圧力に回復される。このような状況下で補助加圧ポンブが運転された場合、流水検知装置100は一時的に弁体102が開放するが、オートドリップ112による排水で圧力スイッチ110に加わる圧力は上昇せず、圧力スイッチ110はオンせず、流水検知信号は出力されない。
また、二次側圧力を回復させる補助加圧ポンプの運転で火災警報を出力させないため、オートドリップ112に加え、圧カスイッチ110に機械的な遅延タイマを付けて誤報の発生を防止したり、不作動流量を設定して一定の流水が流水検知装置において発生しても、弁体が開放しないような構成としている。
特開2011−024793号公報 特開平11−128388号公報 特開2006−345883公報
しかしながら、このような従来の流水検知装置にあっては、非火災警報を出さないために必要な適切な遅延タイマの設定時間や不作動流量は、配管内の空気溜まりの状況、補助加圧ポンプの性能等によって変化するため、必ずしも誤報を出さないための万全な対策にはなっていない問題がある。
また、夏期には流水検知装置の二次側配管の圧力が急激に上昇し、配管や弁本体が破壊される事例もあり、このような対策として安全弁を追加設置し、二次側配管の圧力が急激に増加した場合に安全弁を開放して二次側配管を排水することで対応している。
しかし、安全弁が作動した場合の排水水量は、流水検知装置の不作動流量よりも少なくしないと誤報発生を誘因することから、緩やかに圧力を下げる程度の排水水量に絞る必要があり、急激な圧力上昇を速やかに解消できない問題等がある。
また、流水検知装置は、流水の発生により弁体が開放したことを圧力スイッチに加わる圧力上昇で捉えて流水検知信号を出力するようになっており、圧力スイッチがオンした場合の弁体の開度状況や通常監視状態での弁体の正確な状態については監視することができないまま、流水により弁体が開放するという物理現象があれば、火災と見做して流水検知信号を出力するという単純な判定をしており、火災以外の要因により非火災報や誤警報を出し、例えば非常放送が作動して、建物内の人に混乱を起こさせる等の問題があった。
一方、流水検知装置の弁体が閉止したことは、圧力が所定の設定値以下に低下して圧カスイッチがオフになったことにより判定している。すなわち、弁体が完全に閉止していなくても、圧力上昇が無い程度の漏水が発生していても、圧力スイッチのオン、オフのヒステリシスで弁体が完全に閉止していなくとも、弁体が閉止したと見なしており、例えばゴミ噛み等に起因して完全な閉止した正常復帰に至らなくても、復旧したと判断するととになり、更に、ゴミ噛み、ゴム製の弁座シートのキズの発生等による漏水、弁体等の腐食による弁の機能の低下について識別することは非常に困難であった。
また、漏水により二次側の配管内圧力が徐々に低下していった場合、このような時間的に緩やかに圧力が低下する状況は監視できていないため、漏水が発生していても分からないといった流水検知装置として解決すべき課題が数多く残されている。
本発明は、スプリンクラーヘッド等の消火設備の作動による流水量を正確に判定して火災警報を出力させると共に、漏水や弁体の開閉といった内部の状況を正確に判定して監視可能とする流水検知装置を提供することを目的とする。
(流水検知装置)
本発明は、消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって
流水に応じて開閉する弁体の開度を検出する開度センサと、
弁体の一次側圧力を検出する一次側圧力センサと弁体の二次側圧力を検出する二次側圧力センサとで構成される圧力センサと、
一次側圧力と二次側圧力との差圧及び弁体の開度に対応した容量係数(Cv値)基づいて弁体の一次側から二次側に流れる流水量を求め、流水量が所定の不作動流量より多い所定の作動流量以上の場合に流水検知信号を出力する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
(漏水監視)
制御部は、弁体の開度が略全閉状態での圧力センサで検出された一次側圧力と二次側圧力の時間的な変化から漏水を判定して報知する。
(回転型弁体の開度センサ)
弁体は弁軸により回転自在に支持されており、
開度センサは、弁軸の回転角を検出する回転角センサ、弁軸の回転量を検出する回転センサ、又は、弁軸の回転に応じてパルス信号を出力するエンコーダである。
(差圧を検出する圧力センサ)
圧力センサは、一次側圧力を導入すると共に二次側圧力を導入し、一次側圧力と二次側圧力との差圧に応じた差圧検出信号を出力する。
(MEMSセンサ)
開度センサ及び圧力センサを、MEMS構造とする。
(接触センサを備えた流水検知装置)
本発明の別の形態にあっては、消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって
流水に応じて開閉する弁体又は弁座に設けられたシートに、弁体を弁座に着座させた場合に加わる押圧荷重を検出する接触センサ
接触センサで検出された押圧荷重に基づいて、弁体の閉鎖と開放、及び弁体の異常を判定して出力する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
(弁座シートの接触センサ)
接触センサは、シートの複数個所に設けられ、
制御部は、
複数の接触センサによる検出荷重の全てが所定の開放閾値以下の場合に弁体の開放と判定し、
複数の接触センサによる検出荷重の全てが所定の閉鎖閾値以上で且つ所定の荷重範囲となる均一の場合に弁体の閉鎖と判定し、
複数の接触センサによる検出荷重の全てが所定の閉鎖閾値以上で一部の検出荷重が荷重範囲を超えている場合に弁体のゴミ噛み、傷又は劣化と判定する。
(荷重抵抗センサ)
接触センサは、弁体の押圧荷重に応じて抵抗値が変化する。
(排水制御弁と二次圧異常)
更に、弁体の二次側を排水させる排水制御弁を備え
制御部は、圧力センサにより検出している二次側圧力が所定の上限圧力閾値を超えた場合に、排水制御弁を開放して二次側の排水により二次側圧力を低下させる。
(自動点検)
制御部は、所定の点検指示を受けた場合に、排水制御弁を開放して二次側からの排水により弁体を開放させ、開度センサの検出開度、一次側圧力センサ及び二次側圧力センサの各検出圧力を計測すると共に及び制御部により流水量を計算し、計測結果及び計算結果から異常を判定した場合に点検異常を報知させる。
(排水弁の開放による流水検知信号の出力禁止)
制御部は、排水制御弁を開放させた場合、流水量が作動流量以上となっても流水検知信号を出力しないようする。
(流水検知装置の復旧監視)
制御部は、排水制御弁を閉鎖して二次側からの排水を停止させた場合、開度センサの検出開度が所定の全閉開度で圧力センサにより検出した一次側圧力と二次側圧力が略同一となった場合に正常復旧を判定し、それ以外の場合に復旧異常を判定して報知する。
(弁体の動き監視)
制御部は、排水制御弁を開放又は閉鎖した場合に、開度センサで検出された弁体の開度の時間的な変化から弁体の動きの適否を判定して報知する。
(排水制御弁を開放した場合の火災監視)
排水制御弁、排水開度を検出する排水開度センサ及び一次側圧力と二次側圧力との差圧を検出する排水圧力センサを備え
制御
排水制御弁を開放した場合に排水圧力センサで検出された差圧と排水開度センサの検出開度に対応した容量係数(Cv値)に基づいて排水水量を求め、
弁体の開放による流水量が排水制御弁の排水水量と同じ場合は流水検知信号を出力せず、
弁体の開放による流水量が排水制御弁の開放による所定の排水水量に所定の作動流量を加えた所定流量以上の場合は、流水検知信号を出力する。
(主要構成機器の管理)
制御部は、弁体、開度センサ及び圧力センサを含む所定の主要構成機器の管理情報を予め記憶して管理する。
(主要構成機器の交換時期の管理)
制御部は、主要構成機器の交換時期を管理し、交換時期に近づいたことを報知させる。
(制御部の構成)
制御部は、CPU、メモリ、入出力ポート、表示部及び操作部を備えたコンピュータ回路で構成され、制御部の機能をCPUによる所定のプログラムの実行により実現する。
(通信部による上位装置への送信)
制御部は開度センサの検出開度、圧力センサの検出圧力、制御部により計算された流水量及び流水検知信号外部の上位装置に送信して処理させる。
(接触センサによるフォールトトレラント)
流水に応じて開閉する弁体又は弁座に設けられたシートに、弁体を弁座に着座させた場合に加わる荷重を検出する接触センサを備え
制御部は、開度センサ及び圧力センサの少なくとも何れかが故障した場合、接触センサで検出された荷重に基づき、弁体の所定開度以上の開放を判定して流水検知信号を出力する。
(温度センサによるフォールトトレラント)
更に、弁体の二次側に充填されている消火用水の温度を検出する温度センサを備え
制御部は、開度センサ、圧力センサ及び接触センサの少なくとも何れかが故障した場合、温度センサによる検出温度の所定の変化から流水を判定して流水検知信号を出力する。
(複数センサの組み合わせによる火災判定)
本発明の別の形態にあっては、消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって
流水に応じて開閉する弁体の開度を検出する開度センサと、
弁体の一次側圧力と二次側圧力の差圧を検出する圧力センサと、
弁体を弁座に着座させた場合に加わる押圧荷重を検出する接触センサと、
開度センサによる弁体の開放検出、圧力センサによる所定の差圧検出、又は、接触センサによる押圧荷重の低下検出の内の少なくとも二つの検出条件を満たした場合流水検知信号を出力する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
(基本的な効果)
本発明は、スプリンクラーヘッド等の消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって、流水に応じて開閉する弁体の開度を検出する開度センサと、弁体の一次側圧力を検出する一次側圧力センサと弁体の二次側圧力を検出する二次側圧力センサとで構成される圧力センサと一次側圧力と二次側圧力との差圧及び弁体の開度に対応した容量係数(Cv値)基づいて弁体の一次側から二次側に流れる流水量を求め、流水量が所定の不作動流量より多い所定の作動流量以上の場合に流水検知信号を出力する制御部と、を備えたため、火災発生時にスプリンクラーヘッドが作動して消火用水が放水された場合の流水により流水検知装置の弁体は大きく開放し、開度センサにより弁体の開度が検出され、また、制御部は、圧力センサによって検出された一次側圧力と二次側庄力から差圧を求めると共に、検出された弁開度に対応した容量係数をメモリから求めることで、差圧と容量係数に基づき流水量を計算し、どのような弁開度であっても流水量が分かるため、所定の作動流量以上の場合に流水検知信号を正確に出力して火災警報を行うことができる。
また、監視状態で流水検知装置の一次側圧力が徐々に低下して補助加圧ポンプが運転を始めると、流水検知装置が一時的に開放することがあるが、この場合にも弁開度に対応した容量係数と差圧に基づき流水量が同様に求められ、このときの流水量は火災発生時の所定の作動流量を超えることはないため、補助加圧ポンプの運転で一時的に流れる流水量によって流水検知信号が誤って出力されることがなく、高い信頼性が得られる。
さらに従来の流水検知装置のように、機械式の遅延タイマを備えた圧力スイッチや不作動流量を機械的に設定する機構構造が必要がなくなり、流水検知装置の構造を簡単なものとすることができる。
(漏水監視の効果)
また、制御部は、弁体の開度が略全閉状態での圧力センサで検出された一次側圧力と二次側圧力の時間的な変化から漏水を判定して報知するようにしたため、補助加圧ポンプが運転されるまでに生じている漏水を、一次側圧力が一定で二次側圧力が時間の経過に伴って徐々に低下していく変化や一次側圧力と二次側圧力が連動して時間経過を伴って徐々に低下していく変化から、補助加圧ポンプの運転要因となる漏水が起きていることを報知することができ、配管内の異常発生の予兆を覚知させることで、設備維持の信頼性が向上する。
(開度センサの効果)
また、弁体は弁軸により回転自在に支持されており、開度センサは、弁軸の回転角を検出する回転角センサ、弁軸の回転量を検出する回転センサ、又は、弁軸の回転に応じてパルス信号を出力するエンコーダであり、回転角、回転量又はパルス数により例えばパーセント表示により開度を求め、制御部のメモリに予め記憶している開度と容量係数の対応テーブル等から、検出した開度に対応した容量係数を読み出して流水量の計算を行うことができる。
(差圧を検出する圧力センサの効果)
また、圧力センサを、一次側圧力を導入する共に二次側圧力を導入し、一次側圧力と二次側圧力と差圧に応じた差圧検出信号を出力するようにしたため、開度に対応した容量係数から流水量を求める際に必要な差圧を簡単に検出することができる。
(MEMSセンサの効果)
また、開度センサ及び圧力センサを、MEMS(Micro Electro Mechanical System)構造としたため、微細加工技術により集積化された超小型センサであることから、流水検知装置に開度センサ及び圧力センサを設けても従来と同じか更に小型化できる。
(接触センサを備えた流水検知装置の効果)
また、本発明の別の形態にあっては、スプリンクラーヘッド等の消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって、流水に応じて開閉する弁体又は弁座に設けられたシートに、弁体を弁座に着座させた場合に加わる押圧荷重を検出する接触センサ、接触センサで検出された押圧荷重に基づいて、弁体の閉鎖と開放、及び弁体の異常を判定して出力する制御部と、を備え、例えば、接触センサは、シートの複数個所に設けられ、制御部は、複数の接触センサによる検出荷重の全てが所定の開放閾値以下の場合に弁体の開放と判定し、複数の接触センサによる検出荷重の全てが所定の閉鎖閾値以上で且つ所定の荷重範囲となる均一の場合に弁体の閉鎖と判定し、複数の接触センサによる検出荷重の全てが所定の閉鎖閾値以上で一部の検出荷重が荷重範囲を超えている場合に弁体のゴミ噛み、傷又は劣化と判定し、更に、接触センサは、弁体の接触荷重に応じて抵抗値が変化するようにしたため、弁座又は弁体に設けたシートには複数の接触センサが設けられていることから、複数の接触センサによる所定の閉鎖荷重以上の検出荷重が均一であれば弁体は完全に閉止していることが判定でき、一方、所定開放荷重以下であれば弁体は開放していることが分かり、弁体の開閉状況を正確に知って設備の維持管理の信頼性を増すことができる。
また、火災や点検によって流水検知装置が開放した後に、消火の確認や点検終了によって弁体が復旧した場合に、シートに設けている複数の接触センサによる検出荷重が不均一であれば、検出荷重が異常となっている接触センサの検出範囲となる弁座シートの部分にゴミ噛み、傷又は劣化等の異常を知ることができるようになり、故障、故障予知、予防保全(故障前の交換等の保守)などが、弁を分解しなくても分かるようになり、点検や保守の必要性、故障の判定などが可能となり、設備の維持管理の信頼性を増すことができる。
(排水制御弁と二次圧異常に対する効果)
更に、弁体の二次側を排水させる排水制御弁を備え、制御部は、圧力センサにより検出している二次側圧力が所定の上限圧力閾値を超えた場合に、排水制御弁を開放して二次側の排水により二次側圧力を低下させるようにしたため、夏場等に起きる二次側圧力の異常を正しく判定することができ、更に、流水検知装置に附置した排水制御弁を開放することで、自動的に異常となった二次側圧力を下げ、配管やスプリンクラーヘッド等の配管接続機器に加わるストレスを低減し、設備機器の故障発生を抑制して耐用性を高めることができる。
(自動点検の効果)
また、制御部は、所定の点検指示を受けた場合に、排水制御弁を開放して二次側からの排水により弁体を開放させ、開度センサの検出開度、一次側圧力センサ及び二次側圧力センサの各検出圧力を計測すると共に及び制御部により流水量を計算し、計測結果及び計算結果から異常を判定した場合に点検異常を報知させるようにしたため、従来の設備全体としての自動点検に加え、流水検知装置単体の自動点検や複数系統で同時に行う自動点検が可能となる。
(排水制御弁の開放による流水検知信号の出力禁止の効果)
また、制御部は、排水制御弁を開放させた場合、流水量が作動流量以上となっても流水検知信号を出力しないようにしたため、自動点検のために排水制御弁を開放して消火設備の作動水量に相当する排水量を流水検知装置に流しても、制御部は、排水制御弁の開放による流水量であることから、流水検知信号を制御盤等に出力せず、排水制御弁の開放による流水検知装置の作動で火災警報が出力されることを確実に防止できる。

(流水検知装置の復旧監視による効果)
また、制御部は、排水制御弁を閉鎖して二次側からの排水を停止させた場合、開度センサの検出開度が所定の全閉開度で圧力センサにより検出した一次側圧力と二次側圧力が略同一となった場合に正常復旧を判定し、それ以外の場合に復旧異常を判定して報知するようにしたため、点検終了に伴い流水検知装置が正常復旧したか復旧異常となったかが分かり、復旧異常となった場合に精密点検の促進推奨等を促すことで、適切な対応を可能として、予防保全を図ることができる。
(弁体の動き監視による効果)
また、制御部は、排水制御弁を開放又は閉鎖した場合に、開度センサで検出された弁体の開度の時間的な変化から弁体の動きの適否を判定して報知するようにしたため、例えば、点検時に弁体が一定の開度に開放するまでの開放時間を測定し、また、点検終了で弁体が完全閉止するまでの閉止時間を測定し、開放及び又は閉止に時間がかかっている場合は、弁体の動きが渋くなっていることが分かり、錆び等内部異常の予兆を覚知して、精密点検の促進.推奨等を促すことで、適切な対応を可能として予防保全を図ることができる。
(排水制御弁を開放した場合の火災監視による効果)
また、排水制御弁、排水開度を検出する排水開度センサ及び一次側圧力と二次側圧力との差圧を検出する排水圧力センサを備え、制御は、排水制御弁を開放した場合に排水圧力センサで検出された差圧と排水開度センサの検出開度に対応した容量係数(Cv値)に基づいて排水水量を求め、弁体の開放による流水量が排水制御弁の排水水量と同じ場合は流水検知信号を出力せず、弁体の開放による流水量が排水制御弁の開放による所定の排水水量に所定の作動流量を加えた所定流量以上の場合は、流水検知信号を出力するようにしたため、点検時に開放する排水制御弁についても、全開開度に対応した容量係数と差圧に基づく計算により流水量が分かることで、点検中に、流水検知装置の流水量が排水制御弁の排水水量を大きく上回っている場合は、火災により消火設備が作動していると判断でき、この場合は点検中であっても流水検知信号を出力し、点検中に起きた火災で消火設備が作動した場合にも確実に火災警報を出力させることができる。
(主要構成機器の管理による効果)
また、制御部は、弁体、開度センサ及び圧力センサを含む所定の主要構成機器の管理情報を予め記憶して管理し、例えば、制御部は、主要構成機器の交換時期を管理し、交換時期に近づいたことを報知させるようにしたため、設備の運用中に、流水検知装置の主要構成機器の交換時期が近づいたことを点検資格者等が知り、例えば消耗品となる弁座シート等の交換時期を知って作業計画や予定を立て、予防保全に必要な作業を適切に行うこと可能とする。
(制御部の構成による効果)
また、制御部は、CPU、メモリ、入出力ポート、表示部及び操作部を備えたコンピュータ回路で構成され、制御部の機能をCPUによる所定のプログラムの実行により実現するようにしたため、流水検知装置がCPUによるプログラムの実行により実現される制御機能を備えることで、相当曖昧な火災判断しかできなかった従来の流水検知装置に対し、流水量の計算に基づく流水検知信号の出力機能や自動点検機能等のインテリジェント性の高い流水検知装置が実現できる。
(通信部による上位装置への送信による効果)
また、制御部は開度センサの検出開度、圧力センサの検出圧力、制御部により計算された流水量及び流水検知信号を外部の上位装置に送信して処理させるようにしたため、無線或いはケーブルで防災センターの遠隔監視盤等と接続することによって、夏場の配管圧力の異常上昇のような情報を得るために機器近傍に出向くことなく、遠方で常時状態監視、異常監視、点検指令等ができるシステムを構築することができ、顧客のニーズに合ったシステム作りを提供することができる。
(接触センサによるフォールトトレラントの効果)
また、流水に応じて開閉する弁体又は弁座に設けられたシートに、弁体を弁座に着座させた場合に加わる荷重を検出する接触センサを備え、制御部は、開度センサ及び圧力センサの少なくとも何れかが故障した場合、接触センサで検出された荷重に基づき、弁体の所定開度以上の開放を判定して流水検知信号を出力するようにしたため、開度センサや圧力センサが故障して流水量が計算できなくなった場合にも、接触センサによる弁体の開放検出により流水検知信号を出力することで、一部のセンサが故障した場合にも他のセンサによる判定が可能となり、センサ故障に対するフォールトトレラントを実現して信頼性を高めることができる。
(温度センサによるフォールトトレラントの効果)
更に、弁体の二次側に充填されている消火用水の温度を検出する温度センサを備え、制御部は、開度センサ、圧力センサ及び接触センサの少なくとも何れかが故障した場合、温度センサによる検出温度の所定の変化から流水を判定して流水検知信号を出力するようにしたため、開度センサ、圧力センサ及び接触センサが故障した場合にも、温度センサの消火用水の温度低下から消火設備の作動による流水を判定し、流水検知信号の出力により火災警報をおこなわせることができ、開度センサ、圧力センサ及び接触センサの故障に対しフォールトトレラントを実現して信頼性を更に高めることができる。
(複数センサの組み合わせによる火災判定の効果)
また、本発明の別の形態にあっては、消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって、流水に応じて開閉する弁体の開度を検出する開度センサと、弁体の一次側圧力と二次側圧力の差圧を検出する圧力センサと、弁体を弁座に着座させた場合に加わる押圧荷重を検出する接触センサと、開度センサによる弁体の開放検出、圧力センサによる所定の差圧検出、又は、接触センサによる押圧荷重の低下検出の内の少なくとも二つの検出条件を満たした場合流水検知信号を出力する制御部とを備えたため、例えば全てのセンサによる検出条件が満たされた場合に火災と判定することで火災判定の信頼性を向上することができ、また、二つのセンサによる検出条件の組み合わせで火災を判定する場合には、三つのセンサの内の何れかが故障した場合にも残りのセンサにより火災を判定することでフェイルセーフを図ることができる。
通常監視状態における流水検知装置の実施形態を示した説明図 図1の流水検知装置の横断面を示した説明図 流体検知装置の弁座に設けられた接触センサを取り出して示した説明図 接触センサを弁体側に設けた他の実施形態を示した説明図 流水検知装置に設けた制御ユニットの機能構成を示したブロック図 流水検知装置の制御ユニットによる流水検知制御を示したフローチャート 図6のステップS1における火災監視制御の詳細を示したフローチャート 図6のステップS2における漏水監視制御の詳細を示したフローチャート 図6のステップS3における二次圧異常監視制御の詳細を示したフローチャート 図6のステップS4における点検制御の詳細を示したフローチャート 点検中の火災監視制御の詳細を示したフローチャート 従来の流水検知装置を示した説明図
[流水検知装置の構造]
図1は通常監視状態における流水検知装置の実施形態を示した説明図、図2は図1の流水検知装置の横断面を示した説明図である。
(基本的な構造)
図1及び図2に示すように、本実施形態の流水検知装置10は、装置本体12の下側に流入口14が形成されて一次側配管18が接続され、上側に流出口16が形成されて二次側配管20が接続され、二次側配管20には防護区域に設置された閉鎖型のスプリンクラーヘッド22が接続されている。
装置本体12の内部には、弁軸24により開閉自在に弁体26が収納されている。弁体26は自重により図示の閉止位置に回動しており、環状の弁座28に配置されたゴム製の弁座シート30に押圧されて流路を閉鎖している。
装置本体12の二次側となる側面には排水口32が形成されて排水管34が接続されており、排水管34の途中には電動弁を用いた排水制御弁36が設けられている。
制御ユニット40が収納されたケースカバー38の端面には、表示部60と操作部62が設けられている。表示部60は例えばカラー液晶ディスプレイであり、流水検知装置10の制御、点検、維持管理等に必要な各種の情報が表示される。操作部62には、電源スイッチ、点検スイッチ、復旧スイッチ等の流水検知制御に必要な各種のスイッチが設けられている。
流水検知装置10は、火災によりスプリンクラーヘッド22が作動して消火用水が放出されると、一次側配管18側の配管系統に設けられた図示しない補助加圧ポンプが運転を開始して消火用水を供給するが、スプリンクラーヘッド22からの放水量が多いために配管内の圧力は急速に低下し、給水本管に分岐接続されている空気タンクの圧力スイッチが圧力低下を検出して消火ポンプを起動し、これにより消火用水が継続的に供給される。
スプリンクラーヘッド22の作動による消火用水の放出により流水検知装置10を通って消火用水が流れ、消火用水の流水により押されて弁体26は想像線で示す弁体26aのように開放する。
火災が鎮火した場合には、一次側配管18に設けている仕切弁17を閉鎖することで、作動したスプリンクラーヘッド22からの放水を停止させることができる。
また、通常監視状態で例えば二次側配管20に漏水があった場合には一次側配管18の圧力も連動して圧力が低下するため、一次配管18側の配管系統に設けられた図示しない補助加圧ポンプが一時的に運転されて消火用水を供給し、このため流水検知装置10の弁体26は僅かに開いて漏水による二次側配管20の圧力低下を補うことになる。
{流水検知装置のセンサと制御ユニット}
本実施形態の流水検知装置10は、スプリンクラーヘッドの作動による流水量を正確に判定して火災警報を出力させると共に補助加圧ポンプの運転に伴う不作動流量による非火災報が確実に防止され、更に、漏水や弁体の開閉といった内部の状況を正確に判定して監視可能とするため、各種のセンサと制御ユニットが設けられている。
(開度センサ)
図2に示すように、弁体26と一体に回動する弁軸24に対しては開度センサ46が設けられている。弁軸24は弁体26の軸穴を貫通して装置本体12に回動自在に挿入され、先端側はプラグ25のねじ込みにより閉止され、後端側はセンサプラグ47のねじ込みにより閉止され、その中に開度センサ46が配置されている。
装置本体12の一側には箱型のケースカバー38が取り付けられ、内部に制御ユニット40が収納されている。
開度センサ46からの信号線は、センサプラグ47を通して外部に引き出され、ケースカバー38に設けたセンサコネクタ54により制御ユニット40に接続されている。
開度センサ46は、装置本体12を流れる流水に応じて開閉する弁体26の開度を検出して開度検出信号を制御ユニット40に出力する。開度センサ46としては、弁軸24の回転角を検出する回転角センサ、弁軸24の回転量を検出する回転センサ、又は、弁軸24の回転に応じてパルス信号を出力するエンコーダ等を用いることができる。
また、開度センサ46として用いる回転角センサ、回転センサ、又はエンコーダとしては、MEMS構造とすることで、微細加工技術により集積化された超小型センサとしており、図示のように、装置本体12の隔壁内に埋込設置することができる。
開度センサ46により検出された弁体26の開度は、後の説明で明らかにするように、制御ユニット40で弁体26の開放で流れる流水量Qを計算するための弁体26の容量係数Cvをメモリから読み出すために用いられる。
(圧力センサ)
図1に示すように、装置本体12の一次側の隔壁には、一次側圧力センサ48が設けられ、また、二次側の隔壁には、二次側圧力センサ50が設けられている。
二次側圧力センサ50は、装置本体12の二次側の隔壁に組み込まれ、内部に圧力導入口を開口しており、外側はセンサプラグ51のねじ込みで閉鎖され、二次側圧力センサ50からの信号線は、センサプラグ51を通して外部に引き出され、ケースカバー38に設けたセンサコネクタ56により制御ユニット40に接続されている。なお、一次側圧力センサ48も二次側圧力センサ50と同じ組込み構造であり、センサコネクタにより制御ユニット40に接続されている。
一次側圧力センサ48は一次側圧力P1を検出し、二次側圧力センサ50は二次側圧力P2を検出し、制御ユニット40は、後に説明するように、弁体26の開閉に伴う流水量Qを計算するための差圧ΔPを
ΔP=P2−P1
として求めている。
このため一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50及び制御ユニット40による差圧演算により、実質的に差圧センサとしての機能が実現されている。
なお、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50及び制御ユニット40による差圧演算による差圧センサの機能に代えて、装置本体12に差圧センサを設けるようにしても良い。差圧センサは、一次側圧力P1を導入する共に二次側圧力P2を導入し、一次側圧力P1と二次側圧力P2と差圧ΔP(=P2−P1)に応じた差圧検出信号を出力するように構成する。
また、差圧検出に用いる一次側圧力センサ48と二次側圧力センサ50は、MEMS構造とすることで、微細加工技術により集積化された超小型センサとしており、図示のように、装置本体12の隔壁内に埋込設置することができる。
この点は、差圧センサを用いた場合も同様である。
なお、本実施形態にあっては、一次側圧力P1と二次側圧力P2の時間変化から漏水を判定することから、差圧センサとせず、一次側圧力センサ48と二次側圧力センサ50を個別に設けることが望ましい。
(接触センサ)
図1に示すように、弁体26が閉止状態で押圧される弁座28の弁座シート30には接触センサ64が設けられている。接触センサ64は、ゴム製の弁座シート30に加わる弁体26の押圧荷重を検出して制御ユニット40に出力する。
制御ユニット40は、接触センサ64の検出荷重から弁体26の開放や閉鎖を判定し、また、検出荷重の分布から弁座シート30のゴミ噛み、傷又は劣化等の異常を判定する。
図3は流体検知装置の弁座に設けられた接触センサを取り出して示した説明図であり、図3(A)に平面を示し、図3(B)にセンサ本体のX−X断面を示す。
図3(A)に示すように、接触センサ64は絶縁ゴムを用いたリング状のホルダー65に対し所定角度単位、例えば22.5°単位に16個のセンサ本体66を配置している。センサ本体66は、図3(B)に示すように、導電性ゴム68の両側に電極70,72を配置してリード線74a,74bを引き出しており、導電性ゴム68に荷重Fが加わると、電極70,72間の導電性ゴムの抵抗値が変化する。例えば、荷重Fが増加すると抵抗値は低下し、荷重Fが低下すると抵抗値は増加し、抵抗値の変化を電圧又は電流の変化として電気的に検出することで、センサ本体66に加わる荷重が検出できる。
また、複数のセンサ本体66をリング状に配置したことで、位置的な荷重検出、即ち、弁座シート30に加わる荷重分布を検出することができる。なお、荷重分布の分解能は、センサ本体66の設置数により必要とする分解能を実現すれば良い。
図4は接触センサを弁体側に設けた他の実施形態を示した説明図である。図4に示すように、本実施形態の流水検知装置は、弁座28に相対する弁体26の押圧面にリング状の弁シート31を配置しており、弁シート31の背後に、図3に示したリング状の接触センサ64が配置されている。
本実施形態では、接触センサ64は回動する弁体26側に配置されることから、接触センサ64からの信号線は、帯状のフレキシブルプリント基板に配線パターンを形成して弁体26と制御ユニット40との間を接続すれば良い。
(温度センサ)
図1及び図2に示すように、装置本体12の二次側の隔壁には、サーミスタ等の温度検出素子を備えた温度センサ52が、二次側の消火用水に浸漬するように温度プローブを突出して配置され、温度センサ52の外側かセンサプラグ53のねじ込みで閉鎖され、温度センサ52からの信号線は、センサプラグ53を通して外部に引き出され、ケースカバー38に設けたセンサコネクタ56により制御ユニット40に接続されている。
流水検知装置10に流水が起きると、消火用水に浸漬している温度センサ52の検出温度が低下する変化が起きることから、制御ユニット40は温度センサ52の流水の伴う温度変化から弁体26の開放を判定して流水検知信号を出力する制御が可能となる。
本実施形態では、後に説明するように、温度センサ52の検出温度に基づく流水検知信号の出力は、流水検知装置10の流水量の計算に必要な開度センサ46、一次側圧力センサ48又は二次側圧力センサ50が故障した場合のフォールトトレラントのために用いられる。このため、温度センサ52は必ずしも設ける必要はない。
[制御ユニット]
図5は流水検知装置に設けた制御ユニットの機能構成を示したブロック図である。
図5に示すように、流水検知装置の制御ユニット40は、制御プロセッサ75を備え、制御プロセッサ75のバス84に対しては、装置本体12に設けた開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50、接触センサ64及び温度センサ52が図示しないAD変換ポートを介して接続されている。
また、制御プロセッサ75のバス84に対しては、液晶カラーディスプレイを用いた表示部60と、少なくとも点検スイッチと復旧スイッチを備えた操作部62が設けられている。
更に、制御プロセッサ75のバス84に対しては、アンテナ88を備えた無線通信部86と伝送ケーブル91を引き出した有線通信部90が設けられている。
無線通信部86は、例えば426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(特定小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)に準拠し、426.2500MHz〜426.8375MHzの間に12.5kHzの周波数帯域幅を持つ48チャンネルが割り当てられており、何れかのチャンネル周波数を使用して監視センター側との間で信号を送受信する。
有線通信部90は例えばLAN通信プロトコルに従って監視センターとの間で信号を送受信する。なお、無線通信部86と有線通信部90は必要に応じて何れか一方としても良い。
(制御部の機能)
制御プロセッサ75には、CPU76が設けられ、CPU76からのバス84に、制御ロジック78、ROM80、RAM82が接続されている。なお、制御ロジック78はCPU76の制御処理に伴うバス制御などの各種のハードウェア機能を実現する。CPU76にはプログラムの実行により実現される制御部77の機能が設けられる。
図6は流水検知装置の制御ユニットによる流水検知制御を示したフローチャートである。制御部77は、図6に示すように、ステップS1の火災監視制御、ステップS2の漏水監視制御、ステップS3の二次圧異常監視制御及びステップS4の点検制御を行う。
[火災監視制御]
図5のCPU76に設けられた制御部77は、次の火災監視制御を行う。制御部77は、開度センサ46で検出された弁体26の開度A、一次側圧力センサ48で検出された一次側圧力P1及び二次側圧力センサ50で検出された二次側圧力P2をAD変換により周期的に読み込み、流水検知装置10の流水量Qを計算して求めている。
制御部77により流水量Qの計算するため、RAM82には容量係数テーブル85が予め記憶されている。容量係数テーブル85には、弁体26の開度Aに対応した容量係数Cvが記憶されている。
弁の容量係数Cvは次式で与えられる。
Cv=K・Q・(G/ΔP)1/2 (式1)
Q:流量
G:比重(水の場合G=1)
ΔP:差圧
K:定数
このため、製造段階で、流水検知装置10における弁体26の開度Aを変えながら流量Qと差圧ΔPを測定し、(式1)から容量係数Cvを求めて容量係数テーブル85に登録し、これをRAM82に予め記憶しておく。
このため制御部77は、開度センサ46の検出開度Aによる容量係数テーブル85の参照により、対応する容量係数Cvを読み出し、また、一次側圧力センサ48で検出された一次側圧力P1と二次側圧力センサ50で検出された二次側圧力P2から差圧ΔPを
ΔP=P2−P1
として求め、次式により流水量Qを計算する。
Q=Cv/(K(G/ΔP)1/2 ) (式2)
続いて、制御部77は計算により求めた流水量Qをスプリンクラーヘッド22の作動流量に対応した所定の閾値流量Qthと比較し、閾値流量Qth以上の場合に火災と判定して流水検知信号(火災警報信号)を出力する制御を行い、無線通信部86及び又は有線通信部90からスプリンクラー制御盤や監視センター等に流水検知信号を送信して火災警報を出力させる。
図7は図6のステップS1における火災監視制御の詳細を示したフローチャートであり、CPU76に設けた制御部77による制御となる。
図7に示すように、制御部77は、ステップS11で開度センサ46により検出された弁体26の開度A、一次側圧力センサ48で検出された一次側圧力P1及び二次側圧力センサ50で検出された二次側圧力P2をAD変換により読み込む。なお、ステップS11で読み込まれた一次側圧力P1及び二次側圧力P2は、後に説明する漏水監視制御のためRAM82に履歴情報として記憶される。
続いて、制御部77はステップS12に進み、ステップS11で読み込まれた開度Aに対応した容量係数CvをRAM82の容量係数テーブル85の参照により読み出すと共に差圧ΔPをΔP=P2−P1として求め、ステップS13で前記(式2)に従って流水量Qを計算により求める。
続いて制御部77はステップS14に進み、ステップS13で算出した流水量Qとスプリンクラー作動流量に対応した閾値流量Qthと比較し、火災によりスプリンクラーヘッドが作動して流水検知装置10の流水で弁体26が開放している場合には、流水量Qが閾値流量Qth以上となることを判別してステップS15に進んで流水検知信号を出力し、スプリンクラー制御盤及び監視セータから火災警報を出力させる。
一方、漏水等による二次側圧力P2の低下に伴い補助加圧ポンプが運転されて流水検知装置10の弁体26が一時的に開いて不作動流量が流れた場合には、ステップS13で計算される流水量Qは少なく、ステップS14で閾値流量Qth以上となることはなく、ステップS15により流水検知信号は出力されず、漏水に伴う補助加圧ポンプの一時的な運転により非火災報が出されることを確実に防止できる。

[漏水監視制御]
図5のCPU76に設けられた制御部77は、次の漏水監視制御を行う。制御部77は、一次側圧力センサ48で検出された一次側圧力P1と二次側圧力センサ50で検出された二次側圧力P2の時間的な変化から漏水を判定して報知する制御を行う。
流水検知装置10の二次側配管20に、例えば、弁体26が殆ど開くことのない僅かな水量の漏水がある場合、弁体26の開度Aは略0パーセントであり、流水量Qの計算では漏水を判定することができない。
そこで制御部77は、例えば1日1回といった所定の漏水監視タイミング毎に、RAM82に履歴データとして記憶されている所定時間、例えば1日24時間分の一次側圧力P1と二次側圧力P2を読み出してそれぞれの平均値を算出し、一次側平均圧力P1aが前回求めた一次側平均圧力と同じであり、二次側平均圧力P2aが前回求めた二次側平均圧力より低下しており、且つ、低下圧力が所定の漏水閾値以上の場合に漏水と判定し、表示部60に漏水警報を表示すると共に、監視センターに漏水警報信号を送信して漏水の可能性を示す漏水警報を出力させる。
このため監視センターの監視要員に、漏水警報信号を出力した流水検知装置の二次側配管の系統に漏水の可能性があることを示し、配管内の異常発生の予兆を覚知させることで、必要な点検が行われ、設備維持の信頼性が向上する。
図8は図6のステップS2における漏水監視制御の詳細を示したフローチャートであり、CPU76に設けられた制御部77による制御となる。
図8に示すように、制御部77は、ステップS21で例えば1日1回となる漏水監視タイミングを判別するとステップS22に進み、RAM82に記憶されている所定時間分、例えば過去24時間分の一次側圧力P1と二次側圧力P2を読み出し、ステップS23でそれぞれの平均値P1a、P2aを求める。
続いて、制御部77はステップS24で一次側平均圧力P1aを前回の一次側平均圧力と比較し、両者に変化があり一定ないことを判別するとステップS25に進み、一次側平均圧力P1aが低下したかを比較し、低下した場合はステップS26に進み、二次側平均圧力P2aが前回と比較して低下している場合はステップS27に進み、P1a=P2aであるならば、ステップS28に進む。
制御部77はステップS28で圧力低下が所定の閾値以上の場合に漏水を判定し、ステップS29に進んで漏水警報を出力すると共に漏水警報信号を監視センター側に送信して漏水警報を出力させる。
一方、制御部77は、ステップS24で一次側平均圧力P1aを前回の一次側平均圧力と比較し、両者に変化がなく一定であることを判別するとステップS30に進み、二次側平均圧力P2aと前回の二次側平均圧力を比較して低下したと判別した場合はステップS28に進み、圧力低下が所定意の閾値以上の場合に漏水を判定し、ステップS29に進んで漏水警報を出力すると共に漏水警報信号を監視センター側に送信して漏水警報を出力させる。
[二次圧異常監視制御]
図5のCPU76に設けられた制御部77は、次の二次圧異常監視制御を行う。制御部77は、二次側圧力センサ50により検出している二次側配管20の二次側圧力P2が所定の上限圧力閾値を超えた場合に、排水制御弁36を開制御し、二次側配管20からの排水により異常となった二次側圧力P2を低下させる制御を行う。
また、制御部77は、二次圧異常を判定して排水制御弁36を半開制御した場合、スプリンクラー作動水量に相当する排水量を下回る量で排水するが不作動水量を超える水量を排水することもあるため、流水検知装置10の弁体26が開放し、このため図7のフローチャートに示した火災監視制御により計算された流水量Qが閾値流量Qth以上となるが、排水制御弁36の開放による流水量であることから、流水検知信号の出力を禁止する制御を行う。
スプリンクラー消火設備にあっては、夏場等の高温により流水検知装置10の二次側配管20の二次側圧力P2が異常上昇する場合があり、制御部77は、二次側圧力P2の異常上昇を正しく判定して流水検知装置10からの排水管34に設けられた排水制御弁36を開放することで、自動的に異常となった二次側圧力を下げ、二次側配管20やスプリンクラーヘッド22等の配管接続機器に加わるストレスを低減し、設備機器の故障発生を抑制して耐用性を高めることができる。
図9は図6のステップS3における二次圧異常監視制御の詳細を示したフローチャートであり、CPU76に設けた制御部77による制御となる。
図9に示すように、制御部77は、ステップS31でRAM82に記憶されている最新の二次側圧力P2を読み出し、ステップS32で所定の異常閾値以上に上昇したことを判定するとステップS33に進み、表示部60に二次圧異常警報を表示すると共に、二次圧異常警報信号を監視センターに送信して警報させる。
続いて、制御部77は、ステップS34に進んで排水制御弁36を開制御し、次のステップS35で流水検知信号の出力を禁止し、ステップS36で二次側圧力P2が所定の正常値に低下したか否か判別している。
制御部77は、ステップS36で二次側圧力P2が正常値に低下したことを判別するとステップS37に進み、排水制御弁36を閉制御し、二次側配管20からの排水を停止して通常監視状態に戻る。
[点検制御]
(点検制御機能)
図5のCPU76に設けられた制御部77は、次の点検制御を行う。制御部77は、操作部62の点検スイッチの操作または監視センターからの点検指示信号の受信により点検指示を受けた場合に、排水制御弁36を開放して二次側配管20からスプリンクラーヘッド22の1台が作動したと同じ流水量の排水により弁体26を開放させる作動試験を行う。
この排水制御弁36の開制御による排水状態で制御部77は、図7のフローチャートに示した火災監視制御と同様に、開度センサ46の検出開度A、一次側圧力センサ48の一次側圧力P1、二次側圧力センサ50の二次側圧力P2を読み込み、開度Aによる容量係数テーブル85の参照で容量係数Cvを読み出すと共に差圧ΔPをΔP=P2−P1として算出し、容量係数Cvと差圧ΔPに基づき、前記(式2)から点検流水量Qを算出し、点検流水量Qが所定の閾値流量Qth以上であれば正常と判定し、点検流水量Qが所定の閾値流量Qthに満たない場合は点検異常と判定し、精密点検を促す警報を出力させる制御を行う。
また、制御部77は、点検終了指示を判別した場合、排水制御弁36を閉制御し、流水の停止により弁体26を閉鎖させた場合、弁座シート30に設けている接触センサ64により検出された弁体26の押圧により弁座シート30に加わる荷重及び荷重分布を読み込み、弁体26の閉鎖と開放、弁体26のゴミ噛み、及び、弁座シート30の傷や劣化を判定し、表示部60に表示すると共に点検結果として監視センターに送信して知らせる制御を行う。
ここで、接触センサ64は、図3に示したように、リング状のホルダー65の複数個所にセンサ本体66を設けて押圧荷重を検出していることから、弁体26の押圧により弁座シート30に加わる荷重の分布状態が検出されており、接触センサ64における複数のセンサ本体66による検出荷重の全てが所定の開放閾値以下の場合に弁体26の開放と判定し、複数のセンサ本体66による検出荷重の全てが所定の閉鎖閾値以上で且つ所定の荷重範囲内となる均一の場合に、弁体26の閉鎖と判定する制御を行う。
また、制御部77は、接触センサ64における複数のセンサ本体66による検出荷重の全てが所定の閉鎖閾値以上で一部の検出荷重が荷重範囲を超えている場合に弁体26のゴミ噛み、傷又は劣化と判定し、表示部60に表示すると共に点検結果として監視センターに送信して弁内部異常を示した精密点検を促す警報を出力させる制御を行う。
このため、点検資格者は、点検を行なった流水検知装置10でのゴミ噛み、傷又は劣化等の異常を知ることができるようになり、故障、故障予知、予防保全(故障前の交換等の保守)などが、弁を分解しなくても分かり、点検や保守の必要性、故障の判定などが可能となり、設備の維持管理の信頼性を増すことができる。
(点検制御動作)
図10は図6のステップS4における点検制御の詳細を示したフローチャートであり、CPU76に設けられた制御部77による制御となる。
図10に示すように、制御部77は、ステップS41で点検指示ありを判別すると点検モードに入ってステップS42に進み、流水検知装置10の二次側から引き出した排水管34に設けている排水制御弁36を開制御し、スプリンクラーヘッド22の1台が作動したと同じ流水量の排水により弁体26を開放させる作動試験を行う。
続いて、制御部77は、ステップS43で開度センサ46により検出された弁体26の開度A、一次側圧力センサ48で検出された一次側圧力P1及び二次側圧力センサ50で検出された二次側圧力P2をAD変換により読み込み、続いて、ステップS44で開度Aに対応した容量係数CvをRAM82の容量係数テーブル85の参照により読み出すと共に差圧ΔPをΔP=P2−P1として求め、ステップS45で前記(式2)に従って点検流水量Qを計算により求める。
続いて制御部77はステップS46に進み、ステップS45で算出した点検流水量Qとスプリンクラー作動流量に対応した閾値流量Qthと比較し、スプリンクラーヘッド1台の作動に相当する排水で流水検知装置10の弁体26が開放している場合には、点検流水量Qが閾値流量Qth以上となることを判別してステップS47に進んで正常を判定し、一方、ステップS46で点検流水量Qが閾値流量Qthに届かなかった場合にはステップS48に進み、点検結果として異常を判定し、精密点検の要求を表示部60及び監視センターにより報知させる。
なお、制御部77はステップS46で点検流水量Qが閾値流慮Qth以上を判定しても、点検モードにあることから流水検知信号は出力せず、誤って火災警報が出力されることはない。
続いて、制御部77は、ステップS49に進み、操作部62の復旧スイッチの操作又は監視センターからの復旧信号の受信等により点検終了指示ありを判別するとステップS50に進み、排水制御弁36を閉制御して排水を停止させ、これにより流水検知装置10からの流水も停止して弁体26が閉鎖位置に戻って復旧する。
続いて、制御部77は、ステップS51で接触センサ64により荷重分布を示す複数の検出荷重を読み込み、ステップS52で検出荷重の全てが所定の閉止荷重以上であればステップS53に進み、全ての検出荷重が所定の荷重範囲に収まっていれば閉止荷重は均一と判別してステップS54に進み、弁体26は弁座シート30に対し完全に密着した完全閉止状態にあることから点検正常復帰を判定し、点検制御を終了する。
これに対し弁体26が閉鎖した場合に、弁座シート30との間にゴミが挟まるゴミ噛みが発生していた場合には、接触センサ64で検出した複数の検出荷重の一部が所定の閉止荷重未満であったり、所定の閾値荷重以上であっても所定の荷重範囲を超えて不均一な荷重分布となっており、このような弁座シート30における荷重分布の異常がステップS52又はステップS53で判定されると、ステップS55に進み、ゴミ噛みの可能性を判定して精密点検要求を表示部60に表示すると共に監視センターで報知させる。
また、弁座シート30にキズがあったり、劣化により部分的に硬化していたような場合にも、弁体26の押圧で弁座シート30に加わる荷重分布が不均一となり、キズや劣化に起因した弁座シート30における荷重分布の異常がステップS52又はステップS53で判定されてステップS55に進み、ゴミ噛みに加えて、キズや劣化の可能性を判定して精密点検要求を表示部60に表示すると共に監視センターで報知させる。
(流水検知装置の復旧判定)
また、制御部77は、点検制御における流水検知装置10の復旧判定として、開度センサ46の検出開度Aが所定の全閉開度で且つ一次側圧力センサ48で検出した一次側圧力P1と二次側圧力センサ50で検出した二次側圧力P2が略同一となった場合に正常復旧を判定し、それ以外の場合に復旧異常を判定して報知し、精密点検の促進推奨等を促す。
(弁体の動きの監視制御)
また、制御部77は、点検制御において排水制御弁36を開放と閉鎖により流水検知装置10の弁体26が開閉した場合に、弁体26が一定の開度に開放するまでの開放時間、及び、弁体26が完全閉止するまでの閉止時間を測定し、開放時間及び又は閉止時間が所定の正常動作時間以上となっていることを判定した場合、弁体26の動きが渋くなっていることが分かることから、弁体の動きが悪いことを示す障害警報を出力し、錆び等のより流水検知装置10の内部異常の予兆を覚知させ、精密点検の促進.推奨等を促すことで、適切な対応を可能として予防保全を図る。
[点検中の火災監視制御]
図5のCPU76に設けられた制御部77は、図10のフローチャートに示した点検制御に加え、次の点検中の火災監視制御を行う。
制御部77により点検中の火災監視制御を行うため、図1に示したように、排水制御弁36に排水開度センサ92と排水差圧センサ94が設けられ、また、図5に示した制御プロセッサ75のRAM82の容量係数テーブル85には、排水制御弁36の全開開度A1に対応した容量係数Cv1が予め記憶されている。なお、排水差圧センサ94の代わりに、流水検知装置10と同様に、一次側圧力センサと二次側圧力センサを設けても良い。
制御部77は、点検指示に基づき排水制御弁36を開制御した場合に、排水開度センサ92の検出開度A1により容量係数テーブル85から読み出された容量係数Cv1と、排水差圧センサ94で検出された排水差圧ΔP1に基づいて前記(式2)から排水水量Q1を求め、弁体26の開放による流水検知装置10の流水量Qが排水制御弁36の排水水量Q1と同じ場合は流水検知信号を出力しない。
一方、点検中に火災が発生してスプリンクラーヘッド22が作動すると、その分、流水検知装置10の流水量Qが略2倍に増えることから、制御部77は、流水検知装置10の流水流Qを、排水制御弁36の開放による所定の排水水量に所定のスプリンクラーヘッド作動流量を加えた所定の閾値流量Gth1以上の場合は、火災を判定して流水検知信号を出力するように制御する。
このため、排水制御弁36を開放した流水検知装置10の点検中に火災が発生してスプリンクラーヘッド22が作動した場合にも、点検解除等の操作を必要とすることなく、自動的に流水検知信号を出力して火災警報を出すことができる。
図11は点検中の火災監視制御の詳細を示したフローチャートであり、CPU76に設けられた制御部77による制御となる。
図11に示すように、制御部77は、排水制御弁36を開放した点検中に、ステップS61で排水制御弁36の開度A1と差圧ΔP1を読み込み、ステップS62で開度A1に対応した容量係数Cv1を容量係数テーブル85から読出し、ステップS63で前記(式2)から排水水量Q1を計算する。
続いて、制御部77は、ステップS64で排水水量Q1が流水検知装置10の流水量Qと異なることを判別した場合はステップS65に進み、排水水量Q1に所定のスプリンクラーヘッド作動水量Q2を加算した閾値流量Qth2を設定し、ステップS66で流水検知装置10の流水量Qが閾値流量Qth1以上の場合は火災と判定し、ステップS67に進んで流水検知信号を出力して火災警報を出させる。
続いて、制御部77はステップS68に進み、排水制御弁36を閉制御により点検を強制終了し、消火用水を排水することなく、作動したスプリンクラーヘッドから放水させる。
[主要構成機器の管理制御]
図5のCPU76に設けられた制御部77は、流水検知装置10に設けられた弁座シート30、開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50、温度センサ52及び接触センサ64を含む所定の主要構成機器、消耗品、定期交換品等の管理情報を予め記憶して管理し、必要な管理情報を表示部60に表示すると共に監視センターに通知し、必要な対応を促すような制御を行う。
例えば、制御部77は、RAM82に、主要構成機器の製造年月日、ゴム製等の消耗品や定期交換品の交換日等の管理情報を予め記憶している。このため、点検資格者等は、必要に応じて操作部62の操作により管理情報をRAM82から読み出して表示部60に表示することで交換時期等を知ることができる。また、制御部77は、交換時期が近づいた場合に、表示部60に注意表示を行い、また、注意表示灯を作動し、更に、監視センターに通知する制御を行うことで、点検資格者等に知らせ、適切な対応を可能とする。
なお、流水検知装置10を分解して新品に交換した場合、管理情報を交換した消耗品や定期交換品に対応して修正する必要があるが、交換修理が終了して電源を再投入した際に、管理情報の修正を促すメッセージ等を表示部60に表示しすることで、管理情報の修正が行われ、交換の済んだ消耗品や定期交換品についても、正しい次の交換時期の管理が可能となる。
[センサ故障に対するフォールトトレラント]
(接触センサ)
図5のCPU76に設けられた制御部77は、開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50の何れかが故障した場合、火災によりスプリンクラーヘッド22が作動して流水検知装置10の弁体26が開放しても、図7のフローチャートに示した火災監視制御による流水検知信号の出力ができなくなる。
そこで、制御部77は、接触センサ64による検出荷重が所定の開放荷重以下に低下した場合に、弁体26の開放を判定して流水検知信号を出力する制御機能を備え、火災監視制御による流水検知信号と接触センサ64に基づく流水検知信号の少なくとも何れか一方を出力する制御、即ち、両者のOR出力により流水検知信号を出力する制御を行う。
このため、開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50の何れかが故障して流水量が計算できなくなった場合にも、接触センサ64による弁体26の開放検出により流水検知信号を出力することで、一部のセンサが故障した場合にも他のセンサによる判定が可能となり、センサ故障に対するフォールトトレラントを実現して信頼性を高めることができる。
なお、火災監視制御による流水検知信号と接触センサ64に基づく火災検知信号の両方が得られた場合に火災検知信号を外部に出力するAND出力として信頼性を高めるようにしても良い。
(温度センサ)
図5のCPU76に設けられた制御部77は、開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50の何れかが故障し、併せて接触センサ64が故障した場合、流水検知信号を出力できなくなる。
この問題を解消するため、図1に示すように、流水検知装置10の二次側の消火用水に浸漬して温度を検出する温度センサ52を設け、制御部77は、スプリンクラーヘッド22が作動して流水検知装置10に消火用水が流れると、温度センサ52による検出温度が低下する点に着目し、温度センサ52の消火用水の温度低下からスプリンクラーヘッドの作動による流水を判定し、流水検知信号を出力する制御機能を備える。
このため、開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50の何れかが故障し、且つ接触センサ64も故障して流水検知信号が出力されなくなっても、温度センサ52による温度低下を検出して流水検知信号を出力することで、一部のセンサが故障した場合にも他のセンサによる判定が可能となり、センサ故障に対するフォールトトレラントを実現して信頼性を高めることができる。
なお、火災監視制御による流水検知信号、接触センサ64に基づく火災検知信号及び温度センサ52に基づく流水検知信号の全てが得られた場合に火災検知信号を外部に出力するAND出力として信頼性を高めるようにしても良い。
(複数センサの組み合わせによる火災判定)
図5のCPU76に設けられた制御部77は、開度センサ46、一次側圧力センサ48、二次側圧力センサ50の何れかが故障し、併せて接触センサ64が故障した場合、流水検知信号を出力できなくなる。
そこで、開度センサ46により検出した弁体26の開度が所定開度以上の場合に流水ありを検知して火災を判定し、また、一次側圧力センサ48と二次側圧力センサ50に基づいて検出した差圧が所定差圧以上の場合に流水ありを検知して火災を判定し、更に、接触センサ64による検出荷重が所定荷重以下となった場合に流水ありを判定して火災を判定し、制御部77は、開度センサ46による弁体26の開放検出、一次側圧力センサ48と二次側圧力センサ50による所定の差圧検出、又は、接触センサ64による荷重の低下検出の内の少なくとも二つの検出条件を満たした場合に火災の判定を確定して流水検知信号を出力する制御を行う。
このように、二つのセンサによる検出条件の組み合わせで火災を判定する場合には、三つのセンサの内の何れかが故障した場合にも残りのセンサにより火災を判定することでフェイルセーフを図ることができる。
また、全てのセンサによる検出条件が満たされた場合に火災を判定することで火災判定の信頼性を向上することができる。
[本発明の変形例]
(センサ)
上記の実施形態は、流水検知装置による火災監視制御や点検制御等のために開度センサ、一次側と二次側の圧力センサ、接触センサ、温度センサを設けているが、これ以外に振動センサや歪センサ等の適宜のセンサを設けて流水検知装置の制御や状態監視を行うようにしても良い。
(制御ユニット)
また、点検時に、流水検知装置に設けられた制御ユニットから流水検知信号が外部に確実に出力されているかを確認するため、例えば有線通信部の出力側に信号接続部を設けてメモリ付き治具を挿入して点検制御を行えば、流水検知信号を監視センターに出力させずに、メモリ付き治具で流水検知信号の出力による点検正常を確認することができる。
またメモリ付き治具を取り外すと、遮断していた信号接続部が接続されると共に、万一、信号線に問題がある場合は、信号線監視回路で断線、短絡等が分かるようにすることで、流水検知信号の出力系統の正常が確認できる。
(接触センサ)
上記の実施形態では、接触センサは複数の別体としていたが、リング状の連続体であって複数個所の荷重を検出するものであっても良い。
(スプリンクラー動作台数の推定)
上記の実施形態では、流量からスプリンクラーヘッドが動作したかどうかを検出していたが、流量からスプリンクラーヘッドが動作した台数を推定するようにしても良い。また、表示部60や監視センター等で台数を表示しても良い。
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:流水検知装置
12:装置本体
14:流入口
16:流出口
18:一次側配管
20:二次側配管
22:スプリンクラーヘッド
24:弁軸
26:弁体
28:弁座
30:弁座シート
32:排水口
34:排水管
36:排水制御弁
38:ケースカバー
40:制御ユニット
42:電源ケーブル
44:信号ケーブル
46:開度センサ
47,51,53:センサプラグ
48:一次側圧力センサ
50:二次側圧力センサ
52:温度センサ
54,56:センサコネクタ
60:表示部
62:操作部
64:接触センサ
65:ホルダー
66:センサ本体
68:導電性ゴム
70,72:電極
74a,74b:リード線
75:制御プロセッサ
76:CPU
77:制御部
78:制御ロジック
80:ROM
82:RAM
84:バス
85:容量係数テーブル
86:無線通信部
90:有線通信部
92:排水開度センサ
94:排水差圧センサ

Claims (5)

  1. 消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって
    弁軸により回転自在に支持され、流水に応じて開閉する弁体と、
    前記弁体の開度を検出する開度センサと、
    前記弁体の一次側圧力を検出する一次側圧力センサと前記弁体の二次側圧力を検出する二次側圧力センサで構成される圧力センサと、
    前記一次側圧力と前記二次側圧力との差圧及び前記弁体の開度に対応した容量係数基づいて前記弁体の一次側から二次側に流れる流水量を求め、前記流水量が所定の不作動流量より多い所定の作動流量以上の場合に前記流水検知信号を出力する制御部と、
    を備え、
    前記開度センサは、前記弁軸の回転角を検出する回転角センサ、前記弁軸の回転量を検出する回転センサ、又は、前記弁軸の回転に応じてパルス信号を出力するエンコーダであることを特徴とする流水検知装置。
  2. 消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって、
    流水に応じて開閉する弁体の開度を検出する開度センサと、
    前記弁体の一次側圧力を検出する一次側圧力センサと前記弁体の二次側圧力を検出する二次側圧力センサで構成される圧力センサと、
    前記一次側圧力と前記二次側圧力との差圧及び前記弁体の開度に対応した容量係数に基づいて前記弁体の一次側から二次側に流れる流水量を求め、前記流水量が所定の不作動流量より多い所定の作動流量以上の場合に前記流水検知信号を出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記弁体の開度が略全閉状態での前記圧力センサで検出された前記一次側圧力と前記二次側圧力の時間的な変化から漏水を判定して報知することを特徴とする流水検知装置。
  3. 消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって
    流水に応じて開閉する弁体又は弁座に設けられたシートに、前記弁体を前記弁座に着座させた場合に加わる押圧荷重を検出する接触センサ
    前記接触センサで検出された前記押圧荷重に基づいて、前記弁体の閉鎖と開放、及び弁体の異常を判定して出力する制御部と、
    を備えたことを特徴とする流水検知装置。
  4. 消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって、
    弁軸により回転自在に支持され、流水に応じて開閉する弁体と、
    前記弁体の開度を検出する開度センサと、
    前記弁体の一次側圧力を検出する一次側圧力センサと前記弁体の二次側圧力を検出する二次側圧力センサで構成される圧力センサと、
    前記一次側圧力と前記二次側圧力との差圧及び前記弁体の開度に対応した容量係数に基づいて前記弁体の一次側から二次側に流れる流水量を求め、前記流水量が所定の不作動流量より多い所定の作動流量以上の場合に前記流水検知信号を出力する制御部と、
    前記弁体の二次側を排水させる排水制御弁
    を備え、
    前記制御部は、前記圧力センサにより検出している二次側圧力が所定の上限圧力閾値を超えた場合に前記排水制御弁を開放して前記二次側の排水により前記二次側圧力を低下させることを特徴とする流水検知装置。
  5. 消火設備の作動による流水を検知して流水検知信号を出力する流水検知装置であって
    流水に応じて開閉する弁体の開度を検出する開度センサと、
    前記弁体の一次側圧力と二次側圧力の差圧を検出する圧力センサと、
    前記弁体を弁座に着座させた場合に加わる押圧荷重を検出する接触センサと、
    前記開度センサによる前記弁体の開放検出、前記圧力センサによる所定の差圧検出、又は、前記接触センサによる押圧荷重の低下検出の内の少なくとも二つの検出条件を満たした場合流水検知信号を出力する制御部と、
    を備えたことを特徴とする流水検知装置。
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