JP6944952B2 - 放射線検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線検出装置に関する。
試料の分析を行うために放射線検出装置が利用されている。放射線検出装置は、試料に対してX線又は電子線等の放射線を照射し、その際に生じる特性X線を検出器にて検出する。放射線検出装置が検出した特性X線のスペクトル分布等から、試料に含まれる元素の特定及びこの元素の濃度の算出等を行うことができる。
放射線検出装置には、試料に対するX線の照射位置を確認するために撮像ユニットが設けられたX線分析装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された装置では、試料の上方に、反射面を試料側に向けてミラーが配置されており、撮像ユニットは、ミラーによる反射光によって、試料を上方から撮像した画像を取得する。よって、特許文献1に開示された装置では、試料の上方から照射されるX線の照射位置を、試料を上方から撮像した光学画像で確認できる。
特許第3996821号公報
特許文献1に開示された装置では、X線の照射軸と同軸の光学画像を取得するために、X線を試料までガイドするX線ガイド部材とミラーとが試料の上方の同じ位置に配置されている。また、X線ガイド部材とミラーとを同じ位置に配置するために、ミラーに、X線ガイド部材を挿通させるための挿通部(例えば切欠き部)が設けられている。従って、挿通部が設けられた箇所ではミラーによる視野が制限されるので、撮像ユニットで取得した光学画像によって試料を十分観察できない場合が生じ、この場合、試料に対するX線の照射位置を精度良く確認できない虞がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ミラーを介して試料を精度良く確認することが可能な放射線検出装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、試料に照射される放射線を絞る放射線光学素子と、前記試料への放射線の照射によって生じる放射線を検出する検出部と、前記試料に対向配置されたミラーと、前記放射線光学素子及びミラーを保持する保持部とを備える放射線検出装置において、前記保持部を、前記試料に照射される放射線の照射方向に交差する面内で、交差する二方向に移動させる駆動部を更に備え、前記保持部は、前記放射線の出射径が異なる複数の前記放射線光学素子を保持しており、前記ミラー及び最小の出射径の前記放射線光学素子を前記二方向のうちの一方向に並べて保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記保持部は、出射径が小さい前記放射線光学素子を、前記ミラーから前記二方向に沿った距離が短い位置で保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、試料に照射される放射線を絞る放射線光学素子と、前記試料への放射線の照射によって生じる放射線を検出する検出部と、前記試料に対向配置されたミラーと、前記放射線光学素子及びミラーを保持する保持部とを備える放射線検出装置において、前記保持部を、前記試料に照射される放射線の照射方向に交差する面内で、交差する二方向に移動させる駆動部を更に備え、前記保持部は、前記試料の表面での前記放射線の照射径が異なる複数の前記放射線光学素子を保持しており、前記ミラー及び前記照射径が最小の前記放射線光学素子を前記二方向のうちの一方向に並べて保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記放射線光学素子は、筒体であり、軸長方向の中央部の内径が両端部の内径よりも大きい形状を有し、前記保持部は、前記放射線を出射する一端部の内径が最小の前記放射線光学素子を前記ミラーと共に前記二方向のうちの一方向に並べて保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記保持部は、前記放射線を出射する出射端から前記試料までの距離が最小の前記放射線光学素子を前記ミラーと共に前記二方向のうちの一方向に並べて保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記保持部は、前記照射径が小さい前記放射線光学素子を、前記ミラーから前記二方向に沿った距離が短い位置で保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記放射線光学素子は、前記二方向のそれぞれに複数ずつ並んで配置されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記放射線光学素子は筒体であり、前記保持部は、軸長方向の長さが短い前記放射線光学素子を前記検出部に近い位置で保持していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記ミラーは、前記試料の光像を、所定位置に配置された観察部へ導くように配置されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、前記放射線光学素子は、前記放射線の照射方向を軸長方向として配置された筒体であり、前記保持部は、板状に形成されており、前記保持部は、厚み方向に穿設された複数の長孔を有しており、前記長孔は、前記二方向のうちの一方向を長軸方向として、他方向に並べて設けられており、前記保持部は、前記長孔に挿通された前記放射線光学素子を保持しており、前記保持部は、前記放射線光学素子の軸長方向に延設されたミラー保持部を有しており、前記ミラー保持部の延設端部には、前記ミラーが、反射面を前記他方向に平行で、かつ、前記放射線光学素子の軸長方向に対して傾いた状態で取り付けられており、前記最小の出射径の放射線光学素子又は前記照射径が最小の放射線光学素子は、前記ミラーから前記一方向に近い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明の一態様においては、試料に照射される放射線を異なる出射径で出射する複数の放射線光学素子が、試料に対向配置されたミラーと共に保持部にて保持されている。保持部は、放射線の照射方向に交差する面内で、交差する二方向に移動可能である。保持部の移動によってミラー及び放射線光学素子を移動させることができるので、ミラー及び放射線光学素子を同じ位置に配置する必要がなく、従来のようにミラーに切欠きを設ける必要がない。よって、ミラーによる視野が制限されないので、ミラーを介して試料を精度良く視認できる。また、ミラーに対する試料の位置合せを、ミラーを介して試料を確認しながら行うことができる。更に、保持部が二方向に移動できることにより、試料に対する放射線光学素子の位置合せを容易にかつ精度良く行うことができる。また、ミラーと最小の出射径の放射線光学素子とが、前記二方向のうちの一方向に並べて保持部に保持されている。よって、ミラーに対して位置合せされた試料に対して、最小の出射径の放射線光学素子を位置合せする際には一方向にのみ保持部を移動させればよいので、より精度良く位置合わせを行うことが可能である。最小の出射径の放射線光学素子は、保持部及び駆動部における寸法誤差及び組立誤差の影響を最も受け易い。従って、一方向に保持部を移動させることによって最小の出射径の放射線光学素子を位置合せできる構成により、最小の出射径の放射線光学素子が受ける寸法誤差及び組立誤差の影響を、一方向への移動で生じる誤差のみに軽減することが可能となる。
本発明の一態様においては、ミラーから前記二方向に沿った距離が短い位置に、出射径が小さい放射線光学素子が配置される。放射線光学素子は、出射径が小さいほど、保持部及び駆動部における寸法誤差及び組立誤差の影響を無視できない。また、寸法誤差及び組立誤差の影響は、位置合せの際の移動距離が長いほど大きくなる。よって、出射径が小さい放射線光学素子を、所定位置への位置合せの際に移動させる距離が短い位置に配置することにより、位置合せの際の移動距離を短くできるので、位置合せを精度良く行うことが可能となる。
本発明の一態様においては、試料に照射される放射線の試料表面での照射径が異なる複数の放射線光学素子が、試料に対向配置されたミラーと共に保持部にて保持されている。保持部の移動によってミラー及び放射線光学素子を移動させることができるので、ミラー及び放射線光学素子を同じ位置に配置する必要がなく、従来のようにミラーに切欠きを設ける必要がない。よって、ミラーによる視野が制限されないので、ミラーを介して試料を精度良く視認できる。また、ミラーに対する試料の位置合せを、ミラーを介して試料を確認しながら行うことができる。更に、保持部が二方向に移動できることにより、試料に対する放射線光学素子の位置合せを容易にかつ精度良く行うことができる。また、ミラーと試料表面での照射径が最小の放射線光学素子とが、前記二方向のうちの一方向に並べて保持部に保持されている。よって、ミラーに対して位置合せされた試料に対して、試料表面での照射径が最小の放射線光学素子を位置合せする際には一方向にのみ保持部を移動させればよいので、より精度良く位置合わせを行うことが可能である。照射径が最小の放射線光学素子は、保持部及び駆動部における寸法誤差及び組立誤差の影響を最も受け易い。従って、一方向に保持部を移動させることによって位置合せできる構成により、照射径が最小の放射線光学素子が受ける寸法誤差及び組立誤差の影響を、一方向への移動で生じる誤差のみに軽減することが可能となる。
本発明の一態様においては、放射線光学素子は、軸長方向の中央部の内径が両端部の内径よりも大きい形状の筒体である。放射線を出射する一端部の内径が最小の放射線光学素子がミラーと共に前記二方向のうちの一方向に並べて保持されている。よって、ミラーに対して位置合せされた試料に対して、前記一端部の内径が最小の放射線光学素子を位置合せする際には一方向にのみ保持部を移動させればよいので、精度良く位置合わせを行うことが可能である。
本発明の一態様においては、放射線を出射する出射端から試料までの距離が最小の放射線光学素子がミラーと共に前記二方向のうちの一方向に並べて保持されている。よって、ミラーに対して位置合せされた試料に対して、前記出射端から試料までの距離が最小の放射線光学素子を位置合せする際には一方向にのみ保持部を移動させればよいので、精度良く位置合わせを行うことが可能である。
本発明の一態様においては、ミラーから前記二方向に沿った距離が短い位置に、試料表面での照射径が小さい放射線光学素子が配置される。放射線光学素子は、照射径が小さいほど、保持部及び駆動部における寸法誤差及び組立誤差の影響を無視できない。また、寸法誤差及び組立誤差の影響は、位置合せの際の移動距離が長いほど大きくなる。よって、照射径が小さい放射線光学素子を、所定位置への位置合せの際に移動させる距離が短い位置に配置することにより、位置合せの際の移動距離を短くできるので、位置合せを精度良く行うことが可能となる。
本発明の一態様においては、保持部が移動可能な二方向に沿ってそれぞれ複数の放射線光学素子が配置されている。よって、保持部を移動させて放射線光学素子を所定位置に配置させる位置合わせを精度良くかつ容易に行うことが可能となる。
本発明の一態様においては、放射線光学素子は筒体であり、軸長方向の長さが短い放射線光学素子が、検出部に近い位置に配置されている。よって、保持部を移動させた場合であっても、検出部に接触しないように放射線光学素子を配置することが可能である。
本発明の一態様においては、ミラーは、試料の光像を、所定位置に配置された観察部へ導く。よって、ミラーの位置から試料を観察できるので、試料を精度良く観察することが可能となる。
本発明の一態様においては、板状の保持部に厚み方向に複数の長孔が穿設されており、筒体の放射線光学素子が、長孔に挿通されて保持部に保持される。よって、保持部の長孔に放射線光学素子を挿通させることにより、放射線光学素子の保持部への取付が可能である。また保持部は放射線光学素子の軸長方向にミラー保持部が延設されており、ミラー保持部の延設端部にミラーが取り付けられている。ミラーは、反射面が前記長孔の並設方向に平行で、かつ、放射線光学素子の軸長方向に対して傾いた状態で取り付けられており、試料の光像を所定位置の観察部に適切に導くことが可能である。また、最小の出射径の放射線光学素子又は照射径が最小の放射線光学素子がミラーから近い位置に配置されているので、出射径又は照射径が最小の放射線光学素子を所定位置に配置させるための位置合せを容易にかつ精度良く行うことが可能となる。
本発明の一態様にあっては、ミラーを介して試料を精度良く確認することができる。また、試料に対する放射線光学素子の位置合せを精度良く行うことができる。
X線分析装置の概略構成を示すブロック図である。 実施形態1に係る光学素子ユニットの構成を示す模式図である。 実施形態1に係る光学素子ユニットの構成を示す模式図である。 動作中のX線分析装置を示す模式図である。 動作中のX線分析装置を示す模式図である。 動作中のX線分析装置を示す模式図である。 動作中のX線分析装置を示す模式図である。 X線分析装置が動作中である場合の光学素子ユニットの上面図である。 実施形態2に係る光学素子ユニットの上面図である。 実施形態3に係る光学素子ユニットの斜視図である。 実施形態3に係るX線光学素子の断面図である。 実施形態3のX線分析装置の一部の模式図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。以下の実施形態では、X線を用いて試料の分析を行うX線分析装置を例に、本発明に係る放射線検出装置について説明する。
(実施形態1)
図1は、X線分析装置の概略構成を示すブロック図である。X線分析装置は、分析対象の試料20が収納される試料箱2と、試料20に照射するX線を発生させるX線管3と、X線管3及び試料箱2の間に配置される真空箱1とを備えている。
X線管3は真空箱1の上面に連通部30を介して取り付けられている。真空箱1は試料箱2の上面に、X線を良好に透過させるX線透過窓22が設けられた連通部を介して取り付けられている。真空箱1及び試料箱2は銅又はアルミニウム等の金属製である。X線透過窓22はX線を透過し易い材料によって形成されており、光も透過させる。
試料箱2内には所定位置に試料ステージ21が設置されており、試料ステージ21上に試料20が載置される。真空箱1内には所定位置に、後述するような光学素子ユニット10が配置されている。このような構成により、X線管3で発生されたX線は、連通部30を通って真空箱1内に入射し、真空箱1内の光学素子ユニット10を通り、更にX線透過窓22を通って試料箱2内に入射し、試料ステージ21上の試料20に照射される。
試料ステージ21は、試料ステージ駆動部66によって、X線の照射方向(図1では上下方向)と、照射方向に直交する面内で、互いに直交する二方向(例えば、図1では左右方向及び奥行き方向)とに移動できるように構成されている。試料ステージ駆動部66は試料箱2の内部に設けられていてもよいし、試料箱2の外部に設けられていてもよい。
真空箱1には、前述のようにX線が試料20に照射されることによって試料20から発生する特性X線(蛍光X線)を検出するX線検出器4が取り付けられている。図1に示す例では、X線検出器4は、蛍光X線の検出面をX線透過窓22に向けた状態で真空箱1に取り付けられている。
また真空箱1には、CCD(Charge Coupled Device )カメラ又は光学顕微鏡等の観察部5が取り付けられている。後述するように真空箱1内の光学素子ユニット10はミラー12を有しており、観察部5はミラー12に対向するように配置されている。観察部5は、ミラー12によって反射される、試料箱2内の試料20の光像を取得するために設けられている。真空箱1又は試料箱2の内部の適宜箇所には、試料20を照明するために、図示しない光源が設けられている。光源は、例えばLED(発光ダイオード)であり、例えば試料箱2の上壁の内面(下面)に設けることができ、真空箱1の内部に設けられていてもよい。なお、観察部5の観察面を真空箱1の外面に接触させた状態で観察部5を真空箱1の外側に配置することもでき、この場合、観察面が接触する真空箱1の箇所が、光を透過させる透過膜にて構成されている。
図2A及び図2Bは、実施形態1に係る光学素子ユニット10の構成を示す模式図である。図2Aは光学素子ユニット10の斜視図であり、図2Bは光学素子ユニット10の上面図である。光学素子ユニット10は、X線管3にて発生されたX線を、ビーム径を絞って試料20に対して照射するものである。光学素子ユニット10は、光学素子切替ステージ10aに、複数のX線光学素子11a〜11d(以下では、まとめてX線光学素子11ということもある)が装着されて構成されている。図2A及び図2Bに示す構成では、4つのX線光学素子11が装着されているが、この構成に限らない。
X線光学素子11は、X線管3にて発生されて真空箱1内に入射されたX線を収束させる。X線光学素子11は、例えばガラスによって筒状(管状)に形成されたX線導管(キャピラリ)であり、一端から入射されたX線を内面で反射させながら導光し、他端から出射する。X線光学素子11a〜11dのそれぞれは、例えば同じ外径及び異なる内径を有しており、この構成により、X線光学素子11a〜11dのそれぞれから出射するX線のサンプル表面上での径(スポット径)を異ならせることができる。X線光学素子11の内径(X線の出射径)は適宜選択でき、図2A及び図2Bに示す例では、例えば、X線光学素子11a〜11dの内径をそれぞれ、10μm、100μm、500μm、1.2mmとしてある。
図2A及び図2Bに示すX線光学素子11は、所謂、モノキャピラリで構成されているが、極細のX線導管を複数本束ねて構成されたポリキャピラリを用いることもできる。
光学素子切替ステージ(保持部)10aは、矩形板状に形成されており、X線光学素子11を挿通させるための挿通孔10bが厚み方向に穿設されている。図2A及び図2Bに示す例では、光学素子切替ステージ10aの上面の左右方向(図2B中のX方向)を長軸方向として、楕円形断面を有する長孔である挿通孔10bが2つ設けられており、2つの挿通孔10bは、前記左右方向に直交する方向(図2B中のY方向)に並べて配置されている。挿通孔10bは、楕円形断面を有する構成に限らず、長円形断面又は矩形断面を有する構成でもよい。
X線光学素子11は、挿通孔10bに挿通されて、X線光学素子11の一端側に設けられたフック(図示せず)が、光学素子切替ステージ10a(挿通孔10b)に設けられたフック(図示せず)に係止することにより、光学素子切替ステージ10aに取り付けられている。このような構成により、光学素子切替ステージ10aは、挿通孔10bに挿通されたX線光学素子11を保持している。図2A及び図2Bに示す例では、それぞれの挿通孔10bにX線光学素子11が2つずつ挿通されているが、それぞれの挿通孔10bに挿通されるX線光学素子11の数は2つに限らない。
なお、図2Bに示す例では、下側の挿通孔10bには、ミラー12に近い左側の位置に、内径が最小のX線光学素子11aが挿通され、右側の位置に、内径が2番目に小さいX線光学素子11bが挿通されている。また、上側の挿通孔10bには、ミラー12に近い左側の位置に、内径が3番目に小さいX線光学素子11cが挿通され、右側の位置に、内径が最大のX線光学素子11dが挿通されている。
光学素子切替ステージ10aにはX線光学素子11のほかにミラー12が取り付けられている。光学素子切替ステージ10aには、X線光学素子11の軸長方向にミラーホルダー12aが延設されており、ミラーホルダー12aの延設端にミラー12が取り付けられている。図2A及び図2Bに示す例では、ミラーホルダー12aは、光学素子切替ステージ10aの下面の左端辺に沿って、X線光学素子11aが取り付けられる挿通孔10bとX方向に並ぶ位置に、挿通孔10bのY軸方向における幅よりも若干長い領域から延設されている。ミラー12は、例えば円形板状の平面ミラーであり、ミラーホルダー12aのY方向における長さと同じ直径を有している。即ち、ミラー12は、挿通孔10bのY軸方向における幅(短軸方向の幅)よりも若干長い直径を有する。また、ミラー12は、その反射面が、光学素子切替ステージ10aの下面の左端辺(Y方向)に平行であり、かつ、X線光学素子11の軸長方向に対して45度±数度傾いた状態で取り付けられている。なお、ミラー12をこのような状態で保持できる構成であれば、ミラーホルダー12aはどのような形状でもよい。また、ミラー12の反射面は光を効率よく反射できるように研磨仕上げされていることが望ましい。
このような構成の光学素子ユニット10が、光学素子切替ステージ10aを上側に、X線光学素子11の突出端を下側にして、更に、ミラー12の反射面を観察部5に対向させて、真空箱1内に収納されている。光学素子ユニット10が真空箱1内に収納された場合、ミラー12は、X線透過窓22に近い位置に配置される。なお、図1では、真空箱1内に光学素子ユニット10が収納された場合、光学素子ユニット10を隔てて観察部5とX線検出器4とが対向配置されているように示されている。しかし、実際には、図2Bに示すように、観察部5とX線検出器4とは、観察部5による観察方向とX線検出器4による検出方向とが90度をなすように配置されている。また、各X線光学素子11は、X線検出器4に近い位置に、軸長方向の長さが短いX線光学素子11が配置される。例えば、X線光学素子11が、内径が小さいほど長く形成されている場合、内径が大きく短いX線光学素子11が、X線検出器4に近い位置に配置される。これにより、光学素子ユニット10をX線検出器4側に移動させた場合であっても、各X線光学素子11がX線検出器4に接触することを回避できる。
ミラー12は、光源による試料20の光像を、ミラー12に対向配置された観察部5へ反射させる。図1に示す例では、ミラー12は、反射面が観察部5の光軸と45度±数度をなし、また、ミラーホルダー12aの延設方向(X線光学素子11の軸長方向)と45度±数度をなした状態で配置されている。しかし、観察部5が試料20の光像を取得できる構成であれば、この構成に限らない。
光学素子切替ステージ10a(光学素子ユニット10)は、切替ステージ駆動部65によって、X線の照射方向(図1における上下方向)に直交する面内で、互いに直交する二方向、具体的には、図2B中のX方向及びY方向に移動できるように構成されている。切替ステージ駆動部65は、例えばステッピングモータを用いて構成されている。
上述した構成により、実施形態1の光学素子ユニット10では、切替ステージ駆動部65によって光学素子切替ステージ10aが移動可能な二方向のうちの一方向(具体的には、図2B中のX方向)に沿って、内径が最小のX線光学素子11aとミラー12とが並べて配置されることになる。即ち、内径が最小のX線光学素子11aとミラー12とがX方向で同軸である。
切替ステージ駆動部65によって光学素子切替ステージ10aを移動させることにより、各X線光学素子11とミラー12との位置が切り替えられ、所定位置に配置されたX線光学素子11を介して、X線管3で発生したX線が試料20へ届けられる。なお、X線光学素子11a〜11dの内径(出射径)が異なることにより、X線透過窓22から試料20の表面までの距離が同じである場合、内径に応じたビーム径のX線を試料20に照射することができる。
所定位置に配置されたX線光学素子11から出射されたX線は、X線透過窓22を通過して試料20の上面に照射され、X線の照射によって試料20から蛍光X線が発生する。試料20から発生した蛍光X線はX線透過窓22を通してX線検出器4へ到達し、X線検出器4にて検出される。
X線検出器4は、X線を試料20に照射することにより発生する蛍光X線を検出する装置であり、検出した蛍光X線のエネルギーに比例した信号を出力する。X線検出器4には、X線検出器4が出力した信号を処理する信号処理部62が接続されている。信号処理部62は、X線検出器4が出力した各値の信号をカウントし、蛍光X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち蛍光X線のスペクトルを生成する処理を行う。信号処理部62には分析部63が接続されている。信号処理部62は、生成したスペクトルを示すデータを分析部63へ出力する。分析部63は、演算を行う演算部及びデータを記憶するメモリを含んで構成されている。分析部63は、信号処理部62から入力されたデータが示すスペクトルに基づいて、試料20に含まれる元素の定性分析又は定量分析を行う。
観察部5は、ミラー12による試料20の反射光像を取得することによって、試料20を上方から見た光学画像を取得できる。観察部5には、液晶ディスプレイ等の表示部64が接続されている。表示部64は、観察部5によって取得された試料20の画像を表示する。使用者は、表示部64に表示された試料20の画像を視認することにより、試料20を観察することができる。なお、観察部5が光学顕微鏡である場合、使用者が光学顕微鏡の接眼レンズをのぞいて試料20を観察することもできる。
X線管3、信号処理部62、分析部63、表示部64、切替ステージ駆動部65及び試料ステージ駆動部66は、制御部61に接続されている。制御部61は、演算部及びメモリを含んだコンピュータで構成されている。制御部61は、X線管3、信号処理部62、分析部63、表示部64、切替ステージ駆動部65及び試料ステージ駆動部66の動作を制御する。制御部61は、使用者からの指示を受け付け、受け付けた指示に応じてX線分析装置の各部の動作を制御する構成であってもよい。表示部64は、信号処理部62が生成したスペクトル又は分析部63による分析結果を表示してもよい。また、制御部61及び分析部63は同一のコンピュータで構成されていてもよい。
以下に、上述した構成のX線分析装置を用いて、試料20の上面における任意の観察箇所20aの分析を行う際の手順について説明する。
図3A乃至図4Bは、動作中のX線分析装置を示す模式図である。図3A及び図3Bには、試料20の上面における観察箇所20aをミラー12を介して観察部5によって観察している場合のX線分析装置を示している。図3AはX線分析装置の模式図であり、図3Bは光学素子ユニット10及び試料20の上面図である。図4A及び図4Bには、試料20の上面における観察箇所20aにX線光学素子11aを用いてX線を照射している場合のX線分析装置を示している。図4AはX線分析装置の模式図であり、図4Bは光学素子ユニット10及び試料20の上面図である。
使用者は、試料箱2内の試料ステージ21に試料20を載置した後、ミラー12が所定の基準位置に配置されるように、切替ステージ駆動部65によって光学素子切替ステージ10a(光学素子ユニット10)を移動させる。所定の基準位置とは、X線管3で発生されてX線光学素子11を介して試料20に照射されるX線の照射位置の上方の位置であり、ミラー12を介して観察部5で観察される試料20の光像の焦点が合う位置である。
ミラー12を基準位置に配置した後、使用者は、観察部5による画像の取得を開始する。使用者は、観察部5によって取得された画像を見ながら、ミラー12に対して観察箇所20aの位置合せを行う。具体的には、使用者は、ミラー12による視野の所定位置(例えば、視野の中央)に、試料20の観察箇所20aが配置されるように、試料ステージ駆動部66によって試料ステージ21を移動させる。図3A中には、ミラー12によって観察部5に到達する試料20の光像を破線の矢符で示している。これにより、基準位置に配置されたミラー12に対する観察箇所20aの位置合せを、観察部5によって取得された画像を見ながら行うことができる。
ミラー12に対する観察箇所20aの位置合せを行った後、使用者は、切替ステージ駆動部65によって光学素子ユニット10を移動させることにより、使用したいX線光学素子11を、観察箇所20aの上方に配置させる。具体的には、X線光学素子11aを用いる場合、切替ステージ駆動部65は、図3Bに示した状態の光学素子ユニット10をX方向左側に移動させ、図4Bに示す状態にする。なお、X線光学素子11bを用いる場合、切替ステージ駆動部65は、観察箇所20aの上方にX線光学素子11bが配置されるまで、光学素子ユニット10をX方向左側に移動させればよい。
ミラー12とX線光学素子11aとのX方向における距離は予め分かっているので、観察箇所20aの上方にX線光学素子11aが配置されるまでに切替ステージ駆動部65が光学素子ユニット10を移動させる距離、具体的には、切替ステージ駆動部65を構成するステッピングモータが行う移動回数(パルスの個数)は予め分かる。よって、切替ステージ駆動部65による光学素子ユニット10のX方向における移動は自動的に行うことができる。
観察箇所20aの上方に、X線分析に用いるX線光学素子11aを配置した後、使用者は、観察箇所20aに対するX線分析を開始する。具体的には、X線管3によってX線が発生され、発生したX線がX線光学素子11aを介して試料20に照射され、試料20から発生した蛍光X線をX線検出器4が検出する。図4A中には、X線管3から試料20に照射されるX線と、試料20からX線検出器4に到達する蛍光X線とを矢符で示している。
なお、X線分析が行われる場合、観察部5による画像の取得が停止され、真空箱1が真空状態に保持される。試料箱2の内部は、真空箱1と共に真空状態に保持されてもよいし、大気圧状態のままでもよい。X線分析装置は、真空箱1の内部を真空にする図示しない排気部を備えている。なお、排気部は、真空箱1と共に試料箱2の内部も真空にできるように構成してあってもよい。
実施形態1のX線分析装置では、ミラー12及びX線光学素子11が移動可能であるので、ミラー12及びX線光学素子11を試料20の上方の同軸上に配置する必要がない。よって、実施形態1では、従来のようにミラー12に切欠き部を設ける必要がないので、ミラー12を介した視野が制限されず、ミラー12を介して試料20を精度良く確認できる。
また、光学素子ユニット10がX方向及びY方向の二方向に沿って移動できるので、試料20に対するX線光学素子11の位置と、X線管3に対するX線光学素子11の位置との調整が容易であり、かつ精度良く行うことができる。試料20及びX線管3に対する最適な位置にX線光学素子11を配置することができるので、X線分析における精度も向上する。
実施形態1のX線分析装置において、X線分析にX線光学素子11cを用いる場合、使用者は、ミラー12に対する観察箇所20aの位置合せを行った後に、切替ステージ駆動部65によって光学素子ユニット10を移動させ、X線光学素子11cを観察箇所20aの上方に配置させる。
図5は、X線分析装置が動作中である場合の光学素子ユニットの上面図である。X線光学素子11cを用いる場合、切替ステージ駆動部65は、図3Bに示した状態の光学素子ユニット10をX方向左側に移動させて図4Bに示す状態にした後、光学素子ユニット10を図4B中のY方向下側に移動させて図5に示す状態にする。X線光学素子11a,11bとX線光学素子11c,11dとのY方向における距離は予め分かっているので、切替ステージ駆動部65が光学素子ユニット10をY方向に移動させる距離、具体的には、切替ステージ駆動部65を構成するステッピングモータが行う移動回数(パルスの個数)は予め分かる。よって、切替ステージ駆動部65による光学素子ユニット10のY方向における移動も自動的に行うことができる。
実施形態1の光学素子ユニット10では、ミラー12に近い位置にX線光学素子11aが配置され、ミラー12から遠い位置にX線光学素子10dが配置されている。ビーム径が小さいX線光学素子11ほど、光学素子ユニット10における寸法誤差や組立誤差の影響を受け易い。また、位置合せを行う際の移動距離が短いほど、光学素子ユニット10における寸法誤差や組立誤差の影響が少ない。よって、ビーム径が小さいX線光学素子11ほど、試料20及びX線管3に対する位置合せを行う際の移動距離を短くするために、ミラー12に近い位置に配置されることが好ましい。具体的には、観察箇所20aに対してX線光学素子11の位置合せを行う際に光学素子ユニット10を移動させる距離が短い位置に、ビーム径が小さいX線光学素子11を配置させる。
実施形態1のX線分析装置において、X線光学素子11は、X線導管のほかに、コリメータによって構成されてもよい。
上述の実施形態1では、試料20にX線を照射することによって試料20から生じる蛍光X線を検出するX線分析装置について説明した。本発明に係る放射線検出装置は、このようなX線分析装置に限らず、例えば、試料20にX線又は電子線等の放射線を照射することによって試料20から生じる透過X線、散乱X線、二次電子、反射電子等の放射線を検出する装置にも適用できる。
(実施形態2)
実施形態1のX線分析装置における光学素子ユニット10の変形例について説明する。図6は、実施形態2に係る光学素子ユニットの上面図である。
図6に示す光学素子ユニット10では、3つのX線光学素子11a,11b,11cがY方向に並んで配置されている。図6に示す光学素子ユニット10では、ミラー12は、X線光学素子11の外径よりも少し大きい直径を有しており、上から見た場合に、光学素子切替ステージ10aの左端辺に沿って、X線光学素子11aとX方向に並んで配置されている。即ち、ミラー12とX線光学素子11aとがX方向で同軸である。光学素子ユニット10の他の構成及びX線分析装置の構成は実施形態1と同様である。
図6に示す光学素子ユニット10においても、ビーム径が最小のX線光学素子11aがミラー12とX方向に並んで配置されている。よって、ミラー12に対して試料20の観察箇所20aを位置合せした後に、観察箇所20aに対してX線光学素子11aを位置合せする際に、光学素子ユニット10をX方向にのみ移動させればよい。よって、観察箇所20aとX線光学素子11aとの位置合せを容易にかつ精度良く行うことができる。また、ビーム径が最大のX線光学素子11cは、ミラー12から遠い位置に配置されているが、光学素子ユニット10が二方向に移動できるので、観察箇所20aに対するX線光学素子11cの位置合せも容易にかつ精度良く行うことができる。
実施形態2のX線分析装置においても、実施形態1と同様の効果が得られる。具体的には、ミラー12を介して試料20を精度良く観察することができる。また、試料20に対するX線光学素子11の位置と、X線管3に対するX線光学素子11の位置との調整が容易であり、かつ精度良く行うことができる。試料20及びX線管3に対する最適な位置にX線光学素子11を配置することができるので、X線分析における精度も向上する。
また、実施形態2のX線分析装置においても、X線光学素子11はコリメータによって構成されてもよい。
X線光学素子11は、実施形態1に示したように、X方向及びY方向のそれぞれに2つずつ並んで配置されてもよいし、図6に示したようにX方向に1つ、Y方向に3つ並んで配置されてもよい。また、例えば、X方向に3つ、Y方向に2つのX線光学素子11が並んで配置される構成としてもよいし、X方向に2つ、Y方向に3つのX線光学素子11が並んで配置される構成としてもよい。内径が最小のX線光学素子11aとミラー12とが、上から見た場合にX方向に並んで配置されていればよい。
上述の実施形態1,2では、例えば図2Bに示すように、内径が最小のX線光学素子11aとミラー12とが、上から見た場合にX方向に同一軸上に配置されている。ミラー12の位置とX線光学素子11aの位置とは必ずしも同一軸上である必要はなく、ミラー12を介して観察部5にて観察される試料20の観察箇所の位置(ミラー12を介した観察部5の視野の位置)と、X線光学素子11aから試料20に出射される、X線のスポット位置とが同一軸上であればよい。
(実施形態3)
実施形態1のX線分析装置における光学素子ユニット10の変形例について説明する。図7は、実施形態3に係る光学素子ユニット10の斜視図である。
実施形態3に係るX線分析装置は、光学素子ユニット10のX線光学素子14a〜14dの形状が実施形態1のX線光学素子11a〜11dと異なる点以外は、実施形態1と同様の構成を有する。よって、X線分析装置及び光学素子ユニット10において、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態3の光学素子ユニット10においても、光学素子切替ステージ10aに複数のX線光学素子14a〜14d(以下では、まとめてX線光学素子14ということもある)が装着される。なお、装着されるX線光学素子14の数は、図7に示す4つに限らない。また、実施形態3においても、X線光学素子14は、X線管3にて発生されて真空箱1内に入射されたX線を収束させて試料20に照射する。
図8は、実施形態3に係るX線光学素子14の断面図である。図8には、X線管3から照射されるX線の照射方向を矢符で示しており、X線が入射される入射端と、X線を出射する出射端(一端部)とをそれぞれ上下方向にしてX線光学素子14を示している。図9は実施形態3のX線分析装置の一部の模式図であり、試料ステージ21に載置された試料20に対するX線光学素子14の位置関係を示す。実施形態3のX線光学素子14は、実施形態1のX線光学素子11と同様に、例えばガラスによって筒状(管状)に形成されたX線導管(キャピラリ)である。実施形態3のX線光学素子14は、軸長方向の中央部の内径d2が両端部の内径d1,d3よりも大きい形状を有する筒体である。なお、X線光学素子14の両端部の内径d1及びd3は同じ長さであっても異なる長さであってもよい。
X線光学素子14a〜14dのそれぞれは、周面の湾曲度合及び軸長方向の長さが異なる形状に形成されており、X線が入射する入射端(図8では上端)の内径d3、中央部の内径d2、X線を出射する出射端(図8では下端)の内径d1がそれぞれ異なる。また、X線光学素子14a〜14dは、出射端の内径d1が小さいほど、軸長方向の長さが長く形成されている。このような形状の差異により、X線光学素子14a〜14dのそれぞれから出射されるX線のサンプル表面上での照射径(スポット径)が異なる。また、X線光学素子14a〜14dは、出射端から、出射されたX線が収束する焦点までの距離がそれぞれ異なる。X線光学素子14から出射されたX線は、焦点の位置で試料20の観察箇所20aに照射されることが望ましい。よって、それぞれのX線光学素子14a〜14dの焦点の位置に観察箇所20aが配置されるように試料20が配置されるので、それぞれのX線光学素子14a〜14dは、出射端から観察箇所20aまでの距離WD(Working Distance)が異なる。なお、出射端の内径d1が小さいほど距離WDは短くなる。X線光学素子14a〜14dのそれぞれの入射端及び出射端の内径、湾曲度合及び軸長方向の長さは適宜選択できる。
実施形態3の光学素子ユニット10においても、X線光学素子14は、光学素子切替ステージ10aに設けられた挿通孔10bに挿通されて光学素子切替ステージ10aに取り付けられる。図7に示す例では、右側(手前側)の挿通孔10bには、ミラー12に近い左側の位置に、出射端の内径d1が最小で軸長方向の長さが最長のX線光学素子14aが挿通され、右側の位置に、出射端の内径d1が2番目に小さく2番目に長いX線光学素子14bが挿通されている。また、左側(奥側)の挿通孔10bには、ミラー12に近い左側の位置に、出射端の内径d1が3番目に小さく3番目に長いX線光学素子14cが挿通され、右側の位置に、出射端の内径d1が最大で最も短いX線光学素子14dが挿通されている。このように、X線光学素子14a〜14dは、出射端の内径d1が小さい順にミラー12から近い位置に配置される。その結果、X線光学素子14a〜14dは、距離WDが短い順にミラー12から近い位置に配置される。
このような構成の実施形態3の光学素子ユニット10は、実施形態1と同様の状態で真空箱1内に収納される。また、実施形態3の光学素子ユニット10が真空箱1に収納されたX線分析装置は、実施形態1と同様の手順及び処理によって、試料20にX線を照射し、試料20から生じる蛍光X線を検出する。よって、実施形態3においても、実施形態1と同様の効果が得られる。例えば、実施形態3の光学素子ユニット10において、切替ステージ駆動部65によって光学素子切替ステージ10aが移動可能な二方向のうちの一方向(具体的には、図2B中のX方向)に沿って、出射端の内径d1が小さいX線光学素子14a,14bがミラー12と並べて配置される。よって、ミラー12に対して試料20の観察箇所20aを位置合せした後に、光学素子ユニット10をX方向にのみ移動させることにより、観察箇所20aに対してX線光学素子14a,14bを位置合せすることができる。また、光学素子ユニット10が二方向に移動できるので、観察箇所20aに対するX線光学素子14c,14dの位置合せも容易にかつ精度良く行うことができる。また、各X線光学素子14は、X線検出器4に近い位置に、軸長方向の長さが短いX線光学素子14c,14dが配置される。これにより、光学素子ユニット10をX線検出器4側に移動させた場合であっても、各X線光学素子11がX線検出器4に接触することを回避できる。
実施形態3のX線光学素子14は、上述した実施形態2のX線分析装置の光学素子ユニット10にも適用できる。X線光学素子14は、図6に示したようにX方向に1つ、Y方向に3つ並んで配置されてもよい。X線光学素子14は、出射端の内径d1が最小であり、スポット位置(試料20の観察箇所20a)までの距離WDが最短のX線光学素子14aとミラー12とが、上から見た場合にX方向に並んで配置されていればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
3 X線管
4 X線検出器(検出部)
5 観察部
10 光学素子ユニット
12 ミラー
20 試料
65 切替ステージ駆動部
10a 光学素子切替ステージ(保持部)
11a〜11d X線光学素子(放射線光学素子)
12a ミラーホルダー(ミラー保持部)
14a〜14d X線光学素子(放射線光学素子)

Claims (10)

  1. 試料に照射される放射線を絞る放射線光学素子と、前記試料への放射線の照射によって生じる放射線を検出する検出部と、前記試料に対向配置されたミラーと、前記放射線光学素子及びミラーを保持する保持部とを備える放射線検出装置において、
    前記保持部を、前記試料に照射される放射線の照射方向に交差する面内で、交差する二方向に移動させる駆動部を更に備え、
    前記保持部は、前記放射線の出射径が異なる複数の前記放射線光学素子を保持しており、前記ミラー及び最小の出射径の前記放射線光学素子を前記二方向のうちの一方向に並べて保持している
    ことを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記保持部は、出射径が小さい前記放射線光学素子を、前記ミラーから前記二方向に沿った距離が短い位置で保持していることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 試料に照射される放射線を絞る放射線光学素子と、前記試料への放射線の照射によって生じる放射線を検出する検出部と、前記試料に対向配置されたミラーと、前記放射線光学素子及びミラーを保持する保持部とを備える放射線検出装置において、
    前記保持部を、前記試料に照射される放射線の照射方向に交差する面内で、交差する二方向に移動させる駆動部を更に備え、
    前記保持部は、前記試料の表面での前記放射線の照射径が異なる複数の前記放射線光学素子を保持しており、前記ミラー及び前記照射径が最小の前記放射線光学素子を前記二方向のうちの一方向に並べて保持している
    ことを特徴とする放射線検出装置。
  4. 前記放射線光学素子は、筒体であり、軸長方向の中央部の内径が両端部の内径よりも大きい形状を有し、
    前記保持部は、前記放射線を出射する一端部の内径が最小の前記放射線光学素子を前記ミラーと共に前記二方向のうちの一方向に並べて保持している
    ことを特徴とする請求項3に記載の放射線検出装置。
  5. 前記保持部は、前記放射線を出射する出射端から前記試料までの距離が最小の前記放射線光学素子を前記ミラーと共に前記二方向のうちの一方向に並べて保持している
    ことを特徴とする請求項3に記載の放射線検出装置。
  6. 前記保持部は、前記照射径が小さい前記放射線光学素子を、前記ミラーから前記二方向に沿った距離が短い位置で保持していることを特徴とする請求項3から5までのいずれかひとつに記載の放射線検出装置。
  7. 前記放射線光学素子は、前記二方向のそれぞれに複数ずつ並んで配置されていることを特徴とする請求項1から6までのいずれかひとつに記載の放射線検出装置。
  8. 前記放射線光学素子は筒体であり、
    前記保持部は、軸長方向の長さが短い前記放射線光学素子を前記検出部に近い位置で保持している
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかひとつに記載の放射線検出装置。
  9. 前記ミラーは、前記試料の光像を、所定位置に配置された観察部へ導くように配置されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれかひとつに記載の放射線検出装置。
  10. 前記放射線光学素子は、前記放射線の照射方向を軸長方向として配置された筒体であり、
    前記保持部は、板状に形成されており、
    前記保持部は、厚み方向に穿設された複数の長孔を有しており、
    前記長孔は、前記二方向のうちの一方向を長軸方向として、他方向に並べて設けられており、
    前記保持部は、前記長孔に挿通された前記放射線光学素子を保持しており、
    前記保持部は、前記放射線光学素子の軸長方向に延設されたミラー保持部を有しており、
    前記ミラー保持部の延設端部には、前記ミラーが、反射面を前記他方向に平行で、かつ、前記放射線光学素子の軸長方向に対して傾いた状態で取り付けられており、
    前記最小の出射径の放射線光学素子又は前記照射径が最小の放射線光学素子は、前記ミラーから前記一方向に近い位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から9までのいずれかひとつに記載の放射線検出装置。

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