既存のLTEシステム(Rel.8−12)では、無線基地局(eNB:evolved Node B)がユーザ端末(UE:User Equipment)に対して、下り制御チャネルを用いてデータの送受信をスケジューリングする。具体的には、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)/EPDCCH(Enhanced PDCCH)で通知される下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)に基づくDLスケジューリングとULスケジューリングとが規定されている。
図1は、既存のLTEシステムにおけるデータのスケジューリングの一例を示す図である。図1では、PDCCHで受信したDCIで指示されるDLスケジューリング及びULスケジューリングが示されている。図1に示すように、UEは、例えばDCIフォーマット1Aなどに従うDLグラント(DLアサインメント(downlink assignment)ともいう)を検出したサブフレームと同じサブフレームで、当該DLグラントに基づいてPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を受信する。
また、UEは、例えばDCIフォーマット0/4に従うULグラント(uplink grant)を検出したサブフレームから所定の期間後(例えば、4サブフレーム後)のサブフレームで、当該ULグラントに基づいてPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)を送信する。
なお、上りデータの送信をスケジューリングする下り制御情報(上りスケジューリング情報、上りスケジューリング制御情報などと呼ばれてもよい)をULグラントと呼び、下りデータの受信をスケジューリングする下り制御情報(下りスケジューリング情報、下りスケジューリング制御情報などと呼ばれてもよい)をDLグラントと呼ぶが、呼称はこれに限られない。また、下り制御情報(下り制御信号)は、例えばL1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)と呼ばれてもよいし、単にL1制御情報(L1制御信号)と呼ばれてもよい。
また、サブフレームは、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよい。LTE Rel.8−12におけるTTI(サブフレーム)長は、1msであり、2つの時間スロットで構成される。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーション(Link Adaptation)などの処理単位となる。
図1ではUL/DLグラントをPDCCHで通知する例を示したが、EPDCCHの場合でも、スケジューリングするTTIとスケジューリングされるTTIとの対応関係は、図1と同様である。また、DLグラントとPDSCHの送受信を行うキャリア(コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)、セル)は同一でなく、異なるキャリアであってもよい。また、ULグラントとPUSCHの送受信を行うキャリアは同一であってもよいし、異なるキャリアであってもよい。
また、既存のLTEシステムは、TDD(Time Division Duplex)やFDD(Frequency Division Duplex)に基づく制御を利用している。具体的には、時間/周波数リソースについて、所定の単位(例えば、時間リソースとしてはサブフレーム、周波数リソースとしてはCCなど)毎に、DLに用いるかULに用いるかが厳密に規定されている。
また、既存のLTEシステムでは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)による再送制御が利用されている。HARQでは、受信側からの送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACK(A/N:Acknowledgement/Negative-Acknowledgement)などともいう)のフィードバックにより、送信側はデータの再送を行うか新データの送信を行うかを判断することができる。
なお、送達確認情報は、ACK/NACKを送信しないこと(不連続送信(DTX:Discontinuous Transmission))により通知されてもよい。すなわち、受信者(eNB又はUE)は、送信者(UE又はeNB)からのACK/NACKを検出できない場合、対応するデータの送達確認情報はNACKであったと解釈することができる。
既存のLTEシステムでは、UEがデータに対するHARQ−ACKを送信/受信するタイミングが規定されている。図2は、既存のLTEシステムにおけるHARQ−ACKのタイミングの一例を示す図である。図2Aには、DLグラントに基づくDLスケジューリングに対応するHARQ−ACK送信タイミングが示されている。UEは、PDSCHを受信してから、原則4サブフレーム後かそれ以降にHARQ−ACKを送信する。なお、図2Aに示すように、HARQ−ACKは、周波数ホッピングをサポートしてもよい。
図2Bには、ULグラントに基づくULスケジューリングに対応するHARQ−ACK送信タイミングが示されている。UEは、PUSCHを送信してから、原則4サブフレーム後かそれ以降にHARQ−ACKを受信する。
ところで、LTE Rel.13以降の無線通信システム(例えば、5G)では、将来的な拡張性が高く、かつ省消費電力性に優れた無線フレームが検討されている。例えば、このような無線フレームの1つとして、希薄無線フレーム(リーン無線フレーム(lean radio frame))が挙げられる。リーン無線フレームを用いるシステムでは、信号をできるだけまとめて短時間に送信し、送受信すべきデータがないときに通信を行わないようにすることができる。
また、短時間の通信を可能とするために、TTI内で送受信の制御(スケジューリング)が完結する割り当てが検討されている。当該割り当てを、自己完結型割り当て(self-contained assignment)ともいう。自己完結型割り当てが行われるTTIは、自己完結型TTI(self-contained TTI)と呼ばれてもよい。
自己完結型TTIは、例えば、自己完結型サブフレーム、自己完結型シンボルセットなどと呼ばれてもよいし、他の呼称が用いられてもよい。また、自己完結型TTIを利用するTDDは、自己完結型TDD(self-contained TDD)と呼ばれてもよいし、他の呼称が用いられてもよい。
1つの自己完結型TTIでは、例えば、下り制御情報の送信及び/又は受信、当該下り制御情報に基づくデータの送信及び/又は受信、並びに所定の情報(例えば、データに対応するフィードバック情報)の送信及び/又は受信が、UEやeNBにより実施される。自己完結型TTIの具体的な構成については、本明細書で後述する。
自己完結型TTIを用いることにより、例えば1ms以下の超低遅延のフィードバックが実現できるため、従来のスケジューリングの制限やHARQフィードバックのタイミング制御は不要となる。
しかしながら、このような超低遅延のフィードバックは、UEやeNBにおける高速な信号処理(例えば、復調、信号生成など)を必要とする。このため、実装コストを考えると、超低遅延のフィードバックを実施できないUEやeNBが存在すると想定される。
また、高速に信号を処理する能力を有するUE/eNBであっても、条件次第で(例えば、処理内容や環境によって)、超低遅延のフィードバックを実施できない場合がある。例えば、受信信号に高機能な受信処理(例えば、干渉キャンセル)を行う高機能端末(advanced receiver)や、高速移動環境で長時間のチャネル推定を必要とする端末や、非常に大きいセル半径のセルで通信する端末は、通信遅延(フィードバック遅延、処理遅延などを含む)が大きいため、信号処理にかけられる時間が短くなる。
超低遅延のフィードバックができないUEに対してそのようなフィードバックを行うことを想定した制御を行うと、意図した時間内に処理を完了することができず、通信品質が劣化し、適切な通信を行うことができない。
そこで、本発明者らは、UE及び/又はeNBが、サポート可能な遅延に関する能力情報(capability)を送信することを着想した。本発明の一態様によれば、当該能力情報を受信した装置は、通信相手の装置がサポート可能な遅延について把握することができるため、適切な無線フレーム構成(TTI構成を含む)で通信を実現することができる。
サポート可能な遅延に関する能力情報は、例えば、遅延Capability、往復遅延時間(RTT:Round-Trip Time)Capabilityなどと呼ばれてもよい。
以下、本発明に係る各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
以下の実施形態において、サブフレーム(TTI)は、既存のLTE(例えば、LTE Rel.8−12)におけるTTI(1msの時間長を有するTTI)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。1msより短いTTIは、短縮TTIと呼ばれてもよい。
(無線通信方法)
まず、リーン無線フレームの構成について具体的に説明する。その後、リーン無線フレームで用いられる、柔軟に時間領域を変更したTTI構成(例えば、自己完結型TTI)について説明する。そして、遅延Capabilityに基づく無線フレーム構成の制御について説明する。
<リーン無線フレーム>
図3は、リーン無線フレームの構成の一例を示す図である。図3Aは動的な(dynamic)割り当て(例えば、TTI単位でのスケジューリング)の一例を示し、図3Bは準動的(semi-dynamic)な割り当て(例えば、無線フレーム又は複数TTI単位でのスケジューリング)の一例を示す。
図3A及び図3Bでは、無線フレーム長は所定の長さ(例えば、10−40ms)と設定されている。また、短時間での送受信を可能とするために、TTIは例えば0.1−0.25msの短縮TTIに設定されている。なお、無線フレーム長やTTI長は、図3の例に限られるものではない。
リーン無線フレームが用いられるキャリア(リーンキャリアと呼ばれてもよい)においては、低オーバヘッドの信号を用いた発見(検出)及び/又はモビリティ制御がサポートされる。当該信号は、例えば、検出用信号、検出測定用信号、モビリティ測定用信号、ディスカバリ参照信号(DRS:Discovery Reference Signal)、ディスカバリ信号(DS:Discovery Signal)などと呼ばれてもよい。
リーン無線フレームのDSは、LTE Rel.12で規定されたDSをベースに構成されてもよく、同期信号(PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)及びチャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information Reference Signal)の少なくとも一つを含んで構成されてもよい。なお、DSの構成はこれに限られず、既存のDSを変形/拡張した信号としてもよいし、通信に必要な信号/情報を含むように構成されてもよい。
UEは、各無線フレームの先頭TTIで、DSの受信を試みる。例えば、UEは、DSに基づいて、同期処理及び/又はメジャメント(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)測定などを含むRRM(Radio Resource Management)測定)を実施してもよい。DSが送信されるTTIは、ディスカバリ信号TTI(DS−TTI)、ディスカバリ信号サブフレーム(DSサブフレーム)などと呼ばれてもよい。なお、DS−TTIの構成は図3の例に限られない。例えば、DSは無線フレームの任意のTTIで送信されてもよいし、複数TTIで送信されてもよい。
図3Aの場合、DS−TTI以外の各TTIでは、例えば自己完結型TTIを用いて動的に無線リソース割り当てが行われる。UEは、各TTIで下り制御信号(例えば、L1/L2制御情報)の受信を試行し、復号に成功した場合には当該下り制御信号に基づいて、同じTTIにおける信号の送信及び/又は受信を実施する。
図3Bの場合、DS−TTIで送信される下り信号に基づいて、準動的に無線リソース割り当てが行われる。例えば、UEは、DS−TTIで報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))など)、下り制御情報(DCIなど)の少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを受信して、受信した情報に基づいてDS−TTI以外の所定のTTIに関する無線リソース割り当てを判断してもよい。
<リーン無線フレームで用いられるTTI構成>
リーン無線フレームでは、低遅延を実現するために、自己完結型TTIが用いられることが好ましい。図4は、自己完結型TTI構成の一例を示す図である。図4Aは、自己完結型TTIに係る無線リソース配置の模式図を示す。1つの自己完結型TTIは、下り制御信号を配置する下り制御信号区間(割当区間、スケジューリング区間、下り制御チャネル領域などと呼ばれてもよい)、データを配置するデータ区間(データ領域などと呼ばれてもよい)、及びフィードバック信号を配置するフィードバック区間(上り制御チャネル区間、HARQ−ACK(A/N)区間、フィードバックチャネル領域などと呼ばれてもよい)を含む。
なお、各区間(期間)の長さや順番は、任意の組み合わせを用いてもよい。例えば、少なくとも1つの区間長(例えば、下り制御信号区間の長さ)が0である場合でも、自己完結型TTIと呼ばれてもよい。また、少なくとも1つの区間(例えば、データ区間)で構成されるTTIであっても、自己完結型TTIと呼ばれてもよい。各区間長の制御方法については、後述する。
図4Bは、DLデータ用(DLデータ送信用)自己完結型TTIに係る無線リソース配置の一例を示す。DLデータ用自己完結型TTIの場合、UEは、下り制御信号区間で下り制御チャネル(例えば、PDCCH)を用いてスケジューリング情報(DLグラント)を受信し、データ区間で当該DLグラントに基づいてデータを受信し、フィードバック区間で当該データの受信に応じて上り制御信号(例えば、A/N)を送信する。
図4Cは、ULデータ用(ULデータ送信用)自己完結型TTIに係る無線リソース配置の一例を示す。ULデータ用自己完結型TTIの場合、UEは、下り制御信号区間でスケジューリング情報(ULグラント)を受信し、データ区間で当該ULグラントに基づいてデータを送信し、フィードバック区間ではさらに上り制御信号(例えば、別サブフレームのA/N)を送信する。なお、UEは、フィードバック区間において、下り制御信号(例えば、上りデータの受信に応じてeNBから送信されるA/N)を受信してもよい。この場合、下り制御信号区間とフィードバック区間は時間的に重複してもよい。
自己完結型TTIには、無送信期間(例えば、ガード期間(GP:Guard Period)、ギャップ、スイッチングギャップ、GP区間などと呼ばれてもよい)を設ける構成とすることができる。ガード期間を設けることで、TTI内でUL/DLを切り替えることができる。GPは、UEがタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)を適用することを想定して導入される。なお、TAには、最小値として0よりも大きい値が設定されるとしてもよい。また、TA適用後、UEの送信区間から受信区間の間にも所定長のGPが設定されてもよい。
上述の図4Bには、DLデータ用自己完結型TTIにおいて、データ区間とフィードバック区間の間にガード期間が設けられる例が示されている。また、図4Cには、ULデータ用自己完結型TTIにおいて、下り制御信号区間とデータ区間の間にガード期間が設けられる例が示されている。なお、自己完結型TTIにおいて、他の区間の間にGPを設ける構成としてもよい。自己完結型TTI内に複数のGPを設ける構成とする場合、各GPの長さは同じであってもよいし、異なってもよい。
GPは、1つ以上のシンボル期間としてもよい。ここで、当該シンボル期間は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル単位で表現されてもよいし、所定の帯域幅の逆数(すなわち、サンプリング長)単位で表現されてもよいし、他の単位で表現されてもよい。
なお、各区間では、所定のリソースで任意のチャネル/信号が送信される構成としてもよい。例えば、DLデータ用自己完結型TTIのフィードバック区間では、下りデータに対するA/Nだけでなく、A/N以外の上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)(例えば、CQI(Channel Quality Indicator)、RI(Rank Indicator)など)や上り参照信号、上りデータなどが送信されてもよい。ULデータ用自己完結型TTIのフィードバック区間でも、上り制御情報や上り参照信号、上りデータなどが送信されてもよい。
また、フィードバック区間では、例えば、上りデータに対するA/N、次のTTI(1つ後のTTI)用の下り制御情報、測定用信号(例えば、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)など)が送信されてもよい。UEは、当該フィードバック区間では、DL及び/又はULグラントのブラインド検出を試行したり、予め上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)で設定された所定の参照信号を測定したりしてもよい。
<TTI構成の具体例>
本発明の一実施形態においては、各TTIに含まれるシンボルに対する無線リソース割り当てを完全に動的に制御することができる。例えば、UEは、自己完結型TTIの下り制御信号区間で受信する下り制御信号の内容に応じて、当該TTI内のUL/DL比率を動的に変更する。
図5は、DLデータ用TTI構成の一例を示す図である。図5は、1TTIが14シンボル(例えば、14OFDMシンボル)から構成される例を示しているが、これに限られるものではない。各TTIは、時間的な粒度(シンボル変更の自由度)を十分確保できる数のシンボル数で構成されることが好ましく、少なくとも1つ以上のシンボルが下り制御信号区間に用いられることが好ましい。
下り制御信号区間でUEに通知される下り制御情報(例えば、DCI)は、例えば自己完結型TTIの構成(例えば、各区間長(下り制御信号区間、データ区間、フィードバック区間、GPの長さ)の少なくとも1つや、各区間の少なくとも1つで用いる無線リソース量)に関する情報を含む。ここで、区間長に関する情報としては、例えば、区間の先頭シンボル、最終シンボル、シンボル数、シンボル長などが挙げられる。また、下り制御情報は、信号の送信及び/又は受信処理(例えば、変調、復調、プリコーディング、スクランブル識別子など)に関する情報を含むことが好ましい。
UEは、データ区間及び/又はフィードバック区間のシンボル位置を特定するための下り制御信号(例えば、DLグラント、ULグラント)を下り制御信号区間で受信し、TTI構成(TTIのシンボル構成)を判断する。
なお、各TTIの一部の区間が動的に制御されない構成としてもよい。例えば、自己完結型TTIの構成に関する情報の少なくとも一部は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報)によりUEに通知されてもよい。また、予め一部の区間が固定的に用いられる構成としてもよく、例えば、UE及び/又はeNBは、少なくとも先頭1シンボルが下り制御信号区間であると想定して送信及び/又は受信処理を実施してもよい。
図5AのTTI構成は、DLデータ用TTIの基本的構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2−12番目のシンボルがデータ区間(下りデータ信号を受信する区間)、13番目のシンボルがGP、そして14番目のシンボルがフィードバック区間(上り制御信号を送信する区間)となっている。
図5BのTTI構成は、DLデータ用TTIの低オーバヘッド構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2−14番目のシンボルがデータ区間となっている。
図5CのTTI構成は、DLデータ用TTIのフィードバック重視構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2−10番目のシンボルがデータ区間、11番目のシンボルがGP、そして12−14番目のシンボルがフィードバック区間となっている。
図6は、ULデータ用TTI構成の一例を示す図である。図6は、1TTIが14シンボル(例えば、14OFDMシンボル)から構成される例を示しているが、図5と同様に、これに限られるものではない。
下り制御信号区間でUEに通知される下り制御情報は、図5の例と同様であってもよい。UEは、データ区間及び/又はフィードバック区間のシンボル位置を特定するための下り制御信号(例えば、ULグラント)を下り制御信号区間で受信し、TTI構成(TTIのシンボル構成)を判断する。
図6AのTTI構成は、ULデータ用TTIの基本的構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2番目のシンボルがGP、3−13番目のシンボルがデータ区間(上りデータ信号を送信する区間)、そして14番目のシンボルがフィードバック区間(上り制御信号を送信する区間)となっている。
図6BのTTI構成は、ULデータ用TTIの低オーバヘッド構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2番目のシンボルがGP、3−14番目のシンボルがデータ区間となっている。
図6CのTTI構成は、ULデータ用TTIのフィードバック重視構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2番目のシンボルがGP、3−11番目のシンボルがデータ区間、そして12−14番目のシンボルがフィードバック区間となっている。
<TTI間スケジューリング>
リーン無線フレームでは、性能(例えば、通信スループット)と遅延とのトレードオフを考慮して、非自己完結型TTI(例えば、既存のDLサブフレーム、ULサブフレームなど)が用いられてもよい。また、リーン無線フレームでは、自己完結型TTIを用いたTTI内スケジューリングに限られず、所定のTTIの下り制御信号を用いて、TTI間スケジューリングが行われてもよい。例えば、他のサブフレームのスケジューリング(クロスサブフレームスケジューリング)や複数サブフレームのスケジューリング(マルチサブフレームスケジューリング)が行われてもよい。
図7は、TTI内スケジューリング及びTTI間スケジューリングを比較する一例を示す図である。図7Aは、図4Bに示したようなDLデータ用自己完結型TTIが時間的に連続する例が示されている。当該TTI構成によれば、各TTI内で、スケジューリング情報の受信からフィードバック情報の送信までの処理が完結するため、低遅延を優先する場合には好適である。
一方で、図7Bは、非自己完結型TTIが複数連続した後に、DLデータ用自己完結型TTIが続く例が示されている。当該TTI構成によれば、GPやフィードバック区間を有さない非自己完結型TTIを用いることにより、データ送信に割り当てる無線リソースを増加することができるため、性能を優先する場合には好適である。
なお、図7Bでは、非自己完結型TTIのデータに対応するA/Nは、後続の自己完結型TTIのフィードバック区間でまとめて送信される。この場合、UEは、既存のLTEシステムで用いられるような、HARQ−ACK多重(multiplexing)及びHARQ−ACKバンドリング(bundling)の少なくとも1つを適用してA/Nを生成してもよい。
このように、A/Nの送信を遅らせる構成を用いることにより、復号に係る処理量が比較的大きい高機能端末の導入や、各信号区間/GPのオーバヘッドの調整や、自己完結型TDDの無線フレームを用いた超低遅延などを実現することができる。なお、ULデータ用自己完結型TTIを用いる場合であっても、同様である。
図8は、TTI内スケジューリング及びTTI間スケジューリングを比較する別の一例を示す図である。なお、図8ではフィードバック区間の長さが0であるものとして説明しているが、これに限られない。
図8Aは、図4Cに示したようなULデータ用自己完結型TTIが時間的に連続する例が示されている。当該TTI構成によれば、各TTI内で、スケジューリング情報の受信からデータの送信までの処理が完結するため、低遅延を優先する場合には好適である。
図8Bは、図8Aと同様の例が示されているが、所定のTTIの下り制御情報で、別のTTI(例えば、1つ後のTTI)のデータをスケジューリングしている点が異なる。当該TTI構成によれば、やや長い遅延を許容することで、スケジューリングの自由度を高めることができる。
図8Cは、ULデータ用自己完結型TTIの後に非自己完結型TTIが複数連続する例が示されている。本例では、自己完結型TTIの下り制御信号区間で各TTIのスケジューリング情報がまとめて送信されるため、非自己完結型TTIではデータのみが送信されるものとすることができる。当該TTI構成によれば、データ送信に割り当てる無線リソースを増加することができるため、性能を優先する場合には好適である。
なお、図7や図8で示したスケジューリングは、TTI構成がDLデータ用かULデータ用かに関わらず用いることができる。また、DLデータ用TTIとULデータ用TTIとの間でスケジューリングを行ってもよい。
<他の物理チャネル/物理信号のTTI構成>
ここまで、リーン無線フレームで用いられるデータ信号及び制御信号に関するTTI構成を主に説明してきたが、他の物理チャネルや物理信号についても同様なTTI構成を用いることができる。つまり、データ区間やフィードバック区間を、他の物理チャネル/物理信号用の区間として読み替えて用いてもよい。
図9は、他の物理チャネル/物理信号のTTI構成の一例を示す図である。図9は、1TTIが14シンボル(例えば、14OFDMシンボル)から構成される例を示しているが、図5と同様に、これに限られるものではない。
下り制御信号区間でUEに通知される下り制御情報は、図5と同様であってもよい。UEは、他の物理チャネル/物理信号用の区間のシンボル位置を特定するための下り制御信号を下り制御信号区間で受信し、TTI構成(TTIのシンボル構成)を判断する。
図9AのTTI構成は、動的にランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)を割り当てるTTI構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2番目のシンボルがGP、3−13番目のシンボルがPRACH信号(ランダムアクセスプリアンブル)送信用区間、そして14番目のシンボルがGPとなっている。
UEは、下り制御情報に基づいてPRACH信号送信用区間の少なくとも一部(例えば、1つ又は複数のシンボル)でPRACH信号を送信する。ここで、当該PRACH信号は、ランダムに決定されたリソースで送信されてもよいし(衝突型ランダムアクセス)、下り制御情報(PDCCH指示などともいう)により指定されたリソースで送信されてもよい(非衝突型ランダムアクセス)。
図9Aで示すように、PRACH信号送信用区間の後には、GPが設定されることが好ましい。これにより、eNBにおいて、PRACH信号の受信に係る、セル半径などの違いを考慮した遅延のマージンを確保することができる。
図9BのTTI構成は、動的に上り測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)を割り当てるTTI構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2番目のシンボルがGP、3−13番目のシンボルが上りSRS送信用区間、そして14番目のシンボルがフィードバック区間となっている。
図9CのTTI構成は、動的に下り測定用参照信号(例えば、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information Reference Signal))を割り当てるTTI構成として用いることができる。当該構成では、TTIの1番目のシンボルが下り制御信号区間、2−10番目のシンボルが下りCSI−RS送信用区間、11番目のシンボルがGP、そして12−14番目のシンボルがフィードバック区間となっている。これにより、UEは1TTI内で(自己完結的に)CSI測定及び報告を実施することができる。
<遅延Capabilityに基づく無線フレーム構成/TTI構成の制御>
本発明の一実施形態では、上述した無線フレーム構成やTTI構成の制御を、サポート可能な遅延に関する能力情報(遅延Capability)に基づいて実施する。遅延Capabilityは、例えば、サポート可能なフィードバック遅延、処理遅延、TTI長の少なくとも1つに関する情報である。
フィードバック遅延は、例えば、eNB−UE間の往復遅延時間(RTT)、UEからeNBへの片道遅延時間、eNBからUEへの片道遅延時間などであってもよい。eNB及び/又はUEは、サポート可能なフィードバック遅延を、予め設定された値としてもよいし、実際の環境で測定した値から取得してもよい。例えば、eNB及び/又はUEは、所定の信号を送信してから対応する信号の受信までの時間を、RTTとして測定してもよい。
処理遅延は、eNB及び/又はUEで所定の処理を行うのにかかる時間のことを表す。eNB及び/又はUEは、サポート可能な処理遅延を、予め設定された値としてもよいし、実際の環境で測定した値から取得してもよい。
TTI長に関する情報は、例えば、処理遅延やフィードバック遅延を考慮した、サポート可能な最小のTTI長や、遅延を待てる限界の時間に相当する最大のTTI長などであってもよい。
また、遅延Capabilityは、サポート可能なフィードバック遅延、処理遅延などを組み合わせた遅延に関する情報であってもよいし、他の遅延に関する情報であってもよい。例えば、遅延Capabilityは、UEが所定の下り信号を受信してから所定の上り信号を送信するまでに要する(又は要してもよい)遅延であってもよい。具体的には、遅延Capabilityは、UEが下りデータ信号を受信してから上り制御信号を送信するまでに要する(又は要してもよい)遅延に関する情報であってもよいし、UEが下り制御信号を受信してから上りデータ信号を送信するまでに要する(又は要してもよい)遅延に関する情報であってもよい。
UEは、自端末がサポート可能な遅延を、例えば周辺環境(サービングセル(通信に用いるセル)のセル半径など)や通信パラメータ(サブキャリア間隔、シンボル長など)、通信品質(チャネル状態など)、送信/受信処理(復調、復号などの処理内容や、高負荷/低負荷などの処理量など)、送信/受信する信号(信号の種類、利用するチャネル、無線リソースなど)などに基づいて判断し、自端末がサポート可能な遅延に関する遅延Capabilityをネットワーク(例えば、eNB)に送信する。
eNBは、UEから通知された遅延Capabilityに基づいて、当該UEのスケジューリングを実施する。例えば、eNBは、UEがサポートする遅延以上(又は当該遅延より大きい)のTTI長を有するTTI構成を用いて通信するように、当該UEのスケジューリングを実施する。この場合、UEは、eNBから通知される下り制御信号に基づいて、遅延Capabilityが示す遅延以上の時間間隔(TTI)で、所定の下り無線リソース(例えば、下り制御信号区間)の受信及び/又は所定の上り無線リソース(例えば、フィードバック区間)の送信を行うように制御する。
なお、eNBは、自装置(自装置が形成するセル)がサポート可能な遅延を、周辺環境や通信パラメータ、通信品質、送信/受信処理、送信/受信する信号などに基づいて判断し、自装置がサポート可能な遅延に関する遅延CapabilityをUEに送信してもよい。例えば、eNBは、GPS(Global Positioning System)、ジャイロセンサ、コンパスなどにより取得された地理的な位置情報や、送受信信号に基づいて所定のUEとの間の距離を取得し、当該UEに対してサポートする遅延Capabilityを判断してもよい。
この場合、UEは、eNBから受信した遅延Capabilityから少なくとも1つを選択し、自端末がサポートする遅延CapabilityとしてeNBに報告するようにしてもよい。これにより、UEは、eNBがサポートしない(当該UE向けに利用しない)不要な遅延Capabilityを探索及び報告する必要がなくなるため、UEの処理/通信オーバヘッドを低減することができる。
なお、遅延Capabilityとして、適用される条件が異なる複数のCapability(Capabilityカテゴリ)が規定され、送信されてもよい。例えば、遅延Capability1は、UEが通常の受信処理を行う(受信処理量が小さい)場合の遅延Capabilityを示し、遅延Capability2は、UEが高機能な受信処理を行う(受信処理量が大きい)場合の遅延Capabilityを示すものとして、これら複数の遅延Capabilityが送信されてもよい。
Capabilityカテゴリは、例えば周辺環境(サービングセルのセル半径など)や通信パラメータ(シンボル長など)、通信品質(チャネル状態など)、送信/受信処理内容(例えば、送信及び/又は受信の信号処理量、復調方式、キャンセル方式など)、送信/受信する信号(チャネル)などの条件ごとに構成されてもよい。UE/eNBは、各遅延Capabilityカテゴリが適用される条件を判断し、当該条件における相手装置がサポート可能な遅延を把握する。
また、遅延Capabilityは、他のユーザ端末能力情報(UE Capability)と関連付けられてもよい。例えば、遅延Capabilityは、既存のLTEで規定されるUE能力情報(伝送速度、帯域幅、アンテナ数など)や、将来のLTE規格で規定されるUE能力情報(スタンドアローン接続のサポート、消費電力モードなど)の少なくとも1つとジョイント符号化されてもよい。この場合、遅延Capabilityと関連付けられた他のUE能力情報自体が遅延Capability(又は遅延Capabilityを特定するための情報)であるとも言える。
例えば、所定のUEカテゴリ(例えば、UEカテゴリ1)で伝送速度100Mbpsかつ遅延1TTIを示し、別のUEカテゴリ(例えば、UEカテゴリ2)で伝送速度1Gbpsかつ遅延0TTI(自己完結型TTIを利用)を示すものとしてもよい。この場合、UEカテゴリを示すインデックスを通知することにより、遅延Capabilityを通知することができる。
以上説明した本発明の一実施形態に係る無線通信方法によれば、遅延Capabilityの通知により、サポート可能な遅延に関する情報をeNB及びUE間で共有することができるため、適切な無線フレーム構成/TTI構成を用いて通信するように制御することができる。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又は組み合わせを用いて通信が行われる。
図10は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
図10に示す無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア−周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
(無線基地局)
図11は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。伝送路インターフェース106は、ユーザ端末20から送信された情報や、ユーザ端末20に送信した情報、無線基地局10が保持する(生成した)情報などを送受信することができる。
なお、送受信部103は、ユーザ端末20に対して、遅延Capabilityに関する情報、自己完結型TTIの構成に関する情報などを送信してもよい。また、送受信部103は、ユーザ端末20から、遅延Capabilityに関する情報を受信してもよい。
送受信部103は、制御部301が判断する下り制御信号区間で、ユーザ端末20に対して、所定の信号(例えば、データ信号、フィードバック情報)の送信及び/又は受信に関する下り制御情報を送信する。例えば、送受信部103は、データ区間の下り共有チャネル(PDSCH)の受信の指示情報(DLグラント)を送信してもよい。また、送受信部103は、データ区間の上り共有チャネル(PUSCH)の送信の指示情報(ULグラント)を送信してもよい。
図12は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図12では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図12に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号(例えば、送達確認情報など)や下りデータ信号の生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))や、CRS、CSI−RS、DMRSなどの下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号(例えば、送達確認情報)、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブルや、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
制御部301は、無線基地局10及び/又はユーザ端末20がサポート可能な遅延を、例えば周辺環境や通信パラメータ、通信品質、送信/受信処理内容、送信/受信する信号の少なくとも1つに基づいて判断し、無線基地局10及び/又はユーザ端末20がサポート可能な遅延に関する遅延Capabilityに関する情報をユーザ端末20に送信するように制御する。
なお、制御部301は、上記判断を、ユーザ端末20にフィードバックする情報(例えば、HARQ−ACK、チャネル状態情報)、ユーザ端末20からのフィードバック情報(例えば、HARQ−ACK、チャネル状態情報)、他の無線基地局10から通知された情報、測定部305による測定結果などに基づいて実施してもよい。
また、制御部301は、受信信号処理部304から、ユーザ端末20から通知された遅延Capabilityに関する情報を取得した場合、当該遅延Capabilityに基づいてユーザ端末20が利用する無線フレーム構成及び/又はTTI構成や、ユーザ端末20のスケジューリングの制御を行うことができる。
遅延Capabilityに関する情報は、遅延Capabilityを直接特定可能な情報(例えば、サポート可能なフィードバック遅延、処理遅延、TTI長の少なくとも1つに関する情報)であってもよいし、遅延Capabilityを間接的に特定可能な情報(他のUE能力情報、UEカテゴリ(UEカテゴリインデックス)など)であってもよい。
また、遅延Capabilityに関する情報は、条件によって複数の種類が規定されてもよい。各条件に対応する遅延Capabilityは、Capabilityカテゴリに属する遅延Capabilityと呼ばれてもよい。なお、当該カテゴリに関する情報(例えば、カテゴリに対応する条件を特定するための情報)は、無線基地局10からユーザ端末20に通知されてもよい。
制御部301は、送信及び/又は受信した遅延Capabilityに関する情報で特定される遅延値以上のTTI長に基づく通信を行うように制御する。例えば、制御部301は、下り制御情報を送信及び/又は受信する区間(下り制御信号区間)、データを送信及び/又は受信する区間(データ区間)及びフィードバック情報を送信及び/又は受信する区間(フィードバック区間)から成る自己完結型TTI構成に基づいて、TTIごと(又はシンボルごと)の送信及び/又は受信を制御する。
この場合、制御部301は、下り制御信号区間で送信する下り制御情報に、自己完結型TTIの構成に関する情報(例えば、区間長に関する情報や、信号の送信及び/又は受信処理に関する情報)を含めるように制御する。つまり、制御部301は、送信及び/又は受信した遅延Capabilityに関する情報に基づいて、下り制御信号区間で送信する下り制御情報を生成する。
なお、各区間は、時間的に隣接(前の区間の直後に次の区間が開始)して設けられてもよいし、各区間の間にさらに無送信区間(無受信区間、ガード区間、GPなどともいう)を設けてもよい。
また、制御部301は、自己完結型TTIの構成に関する情報などの各種情報を生成してユーザ端末20に上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報(MIB、SIB)など)、下り制御情報(DCIなど)又はこれらの組み合わせを用いて通知するように制御してもよい。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ−ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ−ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
(ユーザ端末)
図13は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
なお、送受信部203は、無線基地局10から、遅延Capabilityに関する情報、自己完結型TTIの構成に関する情報などを受信してもよい。また、送受信部203は、無線基地局10に対して、遅延Capabilityに関する情報を送信してもよい。
送受信部203は、制御部401が判断する下り制御信号区間で、無線基地局10から、所定の信号(例えば、データ信号、フィードバック情報)の送信及び/又は受信に関する下り制御情報を受信する。
図14は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図14においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図14に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認情報など)や上りデータ信号の生成を制御する。
制御部401は、ユーザ端末20がサポート可能な遅延を、例えば周辺環境や通信パラメータ、通信品質、送信/受信処理内容、送信/受信する信号の少なくとも1つに基づいて判断し、自端末がサポート可能な遅延に関する遅延Capabilityに関する情報を無線基地局10に送信するように制御する。
また、制御部401は、受信信号処理部404から、無線基地局10から通知された遅延Capabilityに関する情報を取得した場合、当該遅延Capabilityに基づいて所定の遅延Capabilityに関する情報を決定し、無線基地局10に送信するように制御してもよい。
制御部401は、送信及び/又は受信した遅延Capabilityに関する情報で特定される遅延値以上のTTI長に基づく通信(当該TTI長のTTIを用いた通信)を行うように制御する。例えば、制御部401は、下り制御情報を送信及び/又は受信する区間(下り制御信号区間)、データを送信及び/又は受信する区間(データ区間)及びフィードバック情報を送信及び/又は受信する区間(フィードバック区間)から成る自己完結型TTI構成に基づいて、TTIごと(又はシンボルごと)の送信及び/又は受信を制御する。
この場合、制御部401は、下り制御信号区間で受信する下り制御情報(自己完結型TTIの構成に関する情報を含む)に基づいて、データ区間及び/又はフィードバック区間の送受信処理を制御してもよい。制御部401は、TTI単位で各区間の長さを判断して、各区間に対応した通信を行うように制御することができる。
また、制御部401は、受信信号処理部404から、自己完結型TTIの構成に関する情報などの各種情報を取得した場合、当該情報に基づいて制御に用いるパラメータを更新してもよい。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
受信信号処理部404は、制御部401の指示に基づいて、データ(TB:Transport Block)の送信及び/又は受信をスケジューリングするDCI(DCIフォーマット)をブラインド復号する。例えば、受信信号処理部404は、自己完結型TTIか否かに基づいて異なる無線リソースをブラインド復号するように構成されてもよい。
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、データの復号結果を制御部401に出力してもよい。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図15は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDMシンボル、SC−FDMAシンボルなど)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームが送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
1msの時間長を有するTTIを、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼んでもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプリフィクス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年2月29日出願の特願2016−038174に基づく。この内容は、全てここに含めておく。