JP6944823B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、複数の電流路のそれぞれに磁気検知素子が対向し、磁気検知素子によってそれぞれの電流路に流れる電流が検知される電流センサに関する。
特許文献1に記載された電流センサは、X方向に並んで平行に配置された2本のバスバのそれぞれにセンサ素子が対向しており、それぞれのバスバに流れる電流で誘導される磁界がセンサ素子で検知される。それぞれのバスバとこれに対向するセンサ素子は、対を成すシールド板でZ方向から挟まれている。このシールド板を設けることによって、磁気センサによって電流計測する対象であるバスバに起因する磁界以外の磁界を遮断できるようにしている。
ただし、この構造では、電流計測する対象であるバスバの隣りに位置するバスバに流れる電流によって誘導される磁力線が、一対のシールド板で誘導されて、電流計測に使用されている磁気センサに入り込み、この磁力線がノイズ磁界として検知される問題がある。
そこで、特許文献1に記載された電流センサでは、磁気センサの感磁方向を、X方向に対して傾かせて配置し、隣りのバスバの電流で誘導される磁力線が、磁気センサに対して感磁方向から入りにくい構造にして、隣りのバスバからの磁力線がノイズ磁界として影響するのを低減している。
特開2016−200438号公報
しかし、特許文献1に記載された電流センサは、磁気センサの感磁方向が、電流計測の対象となるバスバに斜めに向けられているため、電流計測の対象となるバスバに流れる電流で誘導される計測磁界のうちの電流センサの感磁方向に向く成分が削減されることになる。そのため、電流計測の対象となるバスバで誘導された磁界に対する検知感度が低下する課題がある。
また、複数の電流センサを支持しているセンサ基板では、電流センサを取付けるための取付け面を斜めに形成する必要があり、センサ基板の構造が複雑になる。また、隣りのバスバの電流に起因する磁界の影響を最小にするために、電流センサの傾斜角度を最適に設定することも難しい。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、磁気検知素子の感度軸を斜めに配置することなく、隣に位置する電流路に流れる電流で誘導されるノイズ磁界の影響を低減できるようにした電流センサを提供することを目的としている。
本発明は、平行に配置された複数の電流路のそれぞれに対向する磁気検知素子が設けられ、それぞれの前記電流路に流れる電流で誘導された磁界が前記磁気検知素子で検知される電流センサにおいて、
全ての前記電流路を直交して横断する方向を横方向とし、前記電流路の電流方向および横方向の双方に直交する方向を縦方向としたときに、
前記磁気検知素子は、それぞれの前記電流路に縦方向から対向して、その感度軸が横方向に向けられ、
前記電流路と前記磁気検知素子の双方を縦方向の両側から挟む第1シールドと第2シールドとが設けられ、前記第1シールドは、前記電流方向および横方向の双方に平行な平面であって前記磁気検知素子に対向する第1対向平面を有し、前記第2シールドは、前記電流方向および横方向の双方に平行な平面であって前記電流路に対向する第2対向平面を有しており、
前記第1対向平面と前記第2対向平面のそれぞれが、隣りに前記電流路が存在しない外側に向けられた外側端部を有し、前記第2対向平面の前記外側端部が、前記第1対向平面の前記外側端部と前記磁気検知素子との間に位置していることを特徴とするものである。
本発明の電流センサは、前記磁気検知素子と前記第1対向平面との距離が、前記磁気検知素子と前記第2対向平面との距離よりも短いものである。
本発明の電流センサは、前記第1シールドと前記第2シールドが、それぞれの前記電流
路ごとに個別に設けられており、
前記第1対向平面と前記第2対向平面は、前記外側端部と、隣りに前記電流路が存在す
る内側に向けられた内側端部とを有しているものとして構成できる。
本発明の電流センサは、互いに対向する前記第1シールドと前記第2シールドでは、前記第1対向平面の前記内側端部と前記第2対向平面の前記内側端部とが、縦方向で同じ位置に形成されていることが好ましい。
本発明の電流センサは、前記電流路が3本設けられ、それぞれの前記電流路に前記第1シールドと前記第2シールドが対向しており、
横方向の両側に位置する前記第1シールドおよび前記第2シールドでは、前記第2対向平面の前記外側端部が、前記第1対向平面の前記外側端部と前記磁気検知素子との間に位置し、前記第1対向平面の前記内側端部と前記第2対向平面の前記内側端部とが、縦方向で同じ位置に形成されており、
前記縦方向の中央に位置する前記第1シールドおよび前記第2シールドでは、前記第1対向平面の横方向の両端部と、前記第2対向平面の横方向の両端部とが、共に縦方向で同じ位置に形成されているものである。
本発明の電流センサは、前記第1対向平面の横方向の長さ寸法をL、前記第1対向平面の前記外側端部と前記第2対向平面の前記外側端部との、横方向の距離である短縮長をLcとしたときに、Lc/Lの比が、0.11以上で0.44以下であることが好ましい。
本発明の電流センサは、第1シールドの第1対向平面の外側端部よりも、第2シールドの第2対向平面の外側端部を、磁気検知素子に近い位置に配置することで、隣りの電流路の電流で誘導される磁界のうちの、磁気検知素子の感度軸に向く磁力線の成分を低減させることができるようになり、隣りの電流路からの磁界によるノイズを抑制できるようになる。
また、磁気検知素子の感度軸が、複数の電流路が並ぶ横方向に向けられているため、計測対象となる電流路で誘導された磁界に対する磁気検知素子の検知感度を高く維持することができる。また、それぞれの磁気検知素子の組み付けも容易である。
本発明の第1の実施形態の電流センサを示す斜視図、 (A)は図1に示す電流センサをII−II線で切断した断面図、(B)は比較例の電流センサの断面図、 (A)は図1に示す電流センサにおける磁力線分布のシミュレーション結果を示す説明図、(B)は比較例の電流センサにおける磁力線分布のシミュレーション結果を示す説明図、 (A)は本発明の実施形態の電流センサにおいて磁気検知素子に向かう磁力線の傾きを模式的に示す説明図、(B)は比較例の電流センサにおいて磁気検知素子に向かう磁力線の傾きを模式的に示す説明図、 (A)は、図1に示す実施形態の電流センサにおいて、U相における第2対向平面の外側端部の短縮長と、磁気検知素子に向かう磁力線の縦方向(Z方向)に対する傾き角度との関係を示す線図、(B)は、図1に示す実施形態の電流センサにおいて、W相における第2対向平面の外側端部の短縮長と、磁気検知素子に向かう磁力線の縦方向(Z方向)に対する傾き角度との関係を示す線図、 (A)は第1実施例の電流センサにおいて、U相、V相、W相に個別に電流を与えたときに、磁気検知素子に与えられる磁束密度の変化を示す線図、(B)は第1実施例の電流センサにおいて、U相、V相、W相のそれぞれに電流を与えたときの、隣りの電流路の電流に起因する磁界が磁気検知素子に与える影響度を示す線図、 (A)は第2実施例の電流センサにおいて、U相、V相、W相に個別に電流を与えたときに、磁気検知素子に与えられる磁束密度の変化を示す線図、(B)は第2実施例の電流センサにおいて、U相、V相、W相のそれぞれに電流を与えたときの、隣りの電流路の電流に起因する磁界が磁気検知素子に与える影響度を示す線図、 (A)は比較例の電流センサにおいて、U相、V相、W相に個別に電流を与えたときに、磁気検知素子に与えられる磁束密度の変化を示す線図、(B)は比較例の電流センサにおいて、U相、V相、W相のそれぞれに電流を与えたときの、隣りの電流路の電流に起因する磁界が磁気検知素子に与える影響度を示す線図、 本発明の第2の実施形態の電流センサを示す断面図、
図1と図2(A)に、本発明の第1の実施形態の電流センサ1が示されている。
この電流センサ1では、3本の電流路2u,2v,2wに流れる電流の電流量やその変化が検知される。電流路2u,2v,2wには、自動車などに使用される三相交流モータを駆動するための駆動電流が流れる。電流路2uにU相の駆動電流Iuが流され、電流路2vにV相の駆動電流Ivが流され、電流路2wにW相の駆動電流Iwが流される。駆動電流Iu,Iv,Iwは比較的大容量の交流電流であり、それぞれ位相が120度相違している。
電流路2u,2v,2wは、バスバと呼ばれるものであり、銅または銅合金などの低抵抗の金属材料で形成されている。電流路2u,2v,2wは、平板形状であり、Y方向に向けて直線状で、互いに平行に延びている。図2(A)に示すように、電流路2u,2v,2wは断面形状が長方形である。電流路2u,2v,2wは、Z1側の表面とZ2側の表面がX−Y平面と平行な平面であり、図2(A)に示す断面図では、Z1側の表面とZ2側の表面が長辺となってX1−X2方向に延びている。
電流センサ1は、全ての電流路2u,2v,2wを直交して横断する方向であるX方向が横方向である。また、Y方向が、電流路2u,2v,2wに駆動電流Iu,Iv,Iwが流れる電流方向である。電流方向であるY方向と、横方向であるX方向の双方に直交する方向であるZ方向が縦方向である。
図2(A)に示すように、電流路2u,2v,2wよりもZ1側にプリント配線基板3が設けられている。プリント配線基板3の下面である実装面3aは、横方向(X方向)と電流方向(Y方向)の双方に平行な平面である。プリント配線基板3の実装面3aに、磁気検知素子5u,5v,5wが実装されている。磁気検知素子5uは、U相の電流路2uを横方向(X方向)に二分する中心線Ou上に位置して、電流路2uにZ1側から対向している。磁気検知素子5vは、V相の電流路2vを横方向(X方向)に二分する中心線Ov上に位置して、電流路2vにZ1側から対向している。さらに、磁気検知素子5wは、W相の電流路2wを横方向(X方向)に二分する中心線Ow上に位置して、電流路2wにZ1側から対向している。
磁気検知素子5u,5v,5wは、巨大磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子(GMR素子)、トンネル効果を利用した磁気抵抗効果素子(TMR素子)、あるいは単数または複数のホール素子で構成されており、磁力線に対して最も感度が高い軸である感度軸が、横方向(X方向)に向けられている。
図2(A)に示すように、U相の電流路2uおよび磁気検知素子5uは、縦方向(Z方向)の両側から第1シールド11uと第2シールド12uで挟まれている。第1シールド11uは、磁気検知素子5uにZ1側から対向する第1対向平面13uを有し、第2シールド12uは、電流路2uにZ2側から対向する第2対向平面14uを有している。V相の電流路2vおよび磁気検知素子5vは、縦方向(Z方向)の両側から第1シールド11vと第2シールド12vで挟まれている。第1シールド11vは、磁気検知素子5vにZ1側から対向する第1対向平面13vを有し、第2シールド12vは、電流路2vにZ2側から対向する第2対向平面14vを有している。さらに、W相の電流路2wおよび磁気検知素子5wも、縦方向(Z方向)の両側から第1シールド11wと第2シールド12wで挟まれている。第1シールド11wは、同様に第1対向平面13wを有し、第2シールド12wは、第2対向平面14wを有している。
U相の第1シールド11uおよび第2シールド12uと、V相の第1シールド11vおよび第2シールド12vと、W相の第1シールド11wおよび第2シールド12wは、いずれもNi−Fe合金などの透磁率の高い磁性材料で形成されている。
第1シールド11u,11v,11wの第1対向平面13u,13v,13wは、電流方向(Y方向)と横方向(X方向)の双方に平行な同一平面上に位置している。第2シールド12u,12v,12wの第2対向平面14u,14v,14wは、電流方向(Y方向)と横方向(X方向)の双方に平行な同一平面上に位置している。
電流路2u,2v,2wとプリント配線基板3との間、プリント配線基板3と第1シールド11u,11v,11wとの間、および電流路2u,2v,2wと第2シールド12u,12v,12wとの間は、絶縁材料で埋められており、電気的に絶縁されている。前記絶縁材料としては樹脂材料などが使用される。また、樹脂などの絶縁材料を用いずに、プリント配線基板3や、第1シールド11u,11v,11wおよび第2シールド12u,12v,12wなどを、筐体などの支持部材で支持し、各部材間に空隙が形成されていてもよい。
図2(A)に示すように、U相の第1シールド11uに形成された第1対向平面13uは、隣りに電流路や第1シールドおよび第2シールドが存在しない外側(X1側)に向く外側端部E1と、隣りに電流路2vと第1シールド11vおよび第2シールド12vが存在する内側(X2側)に向く内側端部E3を有している。同様に、U相の第2シールド12uに形成された第2対向平面14uは、X1側に向く外側端部E2とX2側に向く内側端部E3を有している。
U相の第1シールド11uに形成された第1対向平面13uの横方向(X方向)の幅寸法はL1であり、第2シールド12uに形成された第2対向平面14uの横方向の幅寸法は、前記幅寸法L1よりも短い。そして、第2対向平面14uの外側端部E2は、第1対向平面13uの外側端部E1よりもX2側に位置している。すなわち、第2対向平面14uの外側端部E2は、第1対向平面13uの外側端部E1と磁気検知素子5uとの間に位置している。外側端部E1と外側端部E2のX方向の距離が、第2対向平面14uの短縮長Lcである。また、U相の第1対向平面13uの内側端部E3と、第2対向平面14uの内側端部E3は、縦方向(Z方向)において同じ位置にある。
W相の第1シールド11wに形成された第1対向平面13wは、隣りに電流路や第1シールドおよび第2シールドが存在しない外側(X2側)に向く外側端部E1と、隣りに電流路2vと第1シールド11vおよび第2シールド12vが存在する内側(X1側)に向く内側端部E3を有している。また、U相の第2シールド12uに形成された第2対向平面14uは、X2側に向く外側端部E2とX1側に向く内側端部E3を有している。
W相の第1シールド11wに形成された第1対向平面13wの横方向(X方向)の幅寸法はL1であり、第2シールド12wに形成された第2対向平面14wの横方向の幅寸法は、前記幅寸法L1よりも短い。なお、U相の第1対向平面13uの幅寸法L1と、W相の第1対向平面13wの幅寸法L1は同じである。W相の第2対向平面14wの外側端部E2は、第1対向平面13wの外側端部E1よりもX1側に位置しており、第2対向平面14wの外側端部E2は、第1対向平面13wの外側端部E1と磁気検知素子5wの間に位置している。W相においても、外側端部E1と外側端部E2とのX方向の距離が、第2対向平面14wの短縮長Lcである。また、W相の第1対向平面13wの内側端部E3と、第2対向平面14wの内側端部E3は、縦方向(Z方向)において同じ位置にある。
中央に位置するV相の第1シールド11vに形成された第1対向平面13vと、第2シールド12vに形成された第2対向平面14vは、その両端部E4が、いずれも縦方向(Z方向)において同じ位置に形成されている。V相の第1対向平面13vおよび第2対向平面14vの幅寸法L2は、U相とV相における第1対向平面13u,13wの幅寸法L1よりも短い。ただし、幅寸法L2が幅寸法L1より大きくてもよいし、幅寸法L1と幅寸法L2とが同じであってもよい。
U相の第1対向平面13uおよび第2対向平面14uのそれぞれのX2側に向く内側端部E3と、V相の第1対向平面13vおよび第2対向平面14vのそれぞれのX1側に向く端部E4との間には、横方向(X方向)に間隔δが空けられている。また、W相の第1対向平面13wおよび第2対向平面14wのそれぞれのX1側に向く内側端部E3と、V相の第1対向平面13vおよび第2対向平面14vのそれぞれのX2側に向く端部E4との間にも、横方向(X方向)に間隔δが空けられている。
図2(B)に比較例の電流センサ101が示されている。
比較例の電流センサ101は、図2(A)に示す第1の実施形態の電流センサ1と構成部材が同じである。ただし、U相の第1シールド11uに形成された第1対向平面13uと、第2シールド12uに形成された第2対向平面14uは、横方向の幅寸法L1が同じであり、第1対向平面13uと第2対向平面14uは、その横方向の両端部E3,E5が縦方向(Z方向)において一致している。W相においても、第1対向平面13wと第2対向平面14wとで、横方向の幅寸法L1が同じであり、第1対向平面13wと第2対向平面14wは、その横方向の両端部E3,E5が縦方向(Z方向)において一致している。
次に、前記電流センサ1の動作を説明する。
電流センサ1では、電流路2u,2v,2wに流れる駆動電流Iu,Iv,Iwによって三相交流モータが駆動される。駆動電流Iu,Iv,Iwは、位相が互いに120度相違する交流電流である。
U相の電流路2uに流れる駆動電流Iuで誘導される電流磁界は、電流路2uに対向する磁気検知素子5uで検知される。磁気検知素子5uの感度軸は横方向(X方向)に向けられているため、電流磁界のうちのX方向に向く成分が磁気検知素子5uで検知される。V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導される電流磁界のX方向の成分は、電流路2vに対向する磁気検知素子5vで検知され、W相の電流路2wに流れる駆動電流Iwで誘導される電流磁界のX方向の成分は、電流路2wに対向する磁気検知素子5wで検知される。
磁気検知素子5u,5v,5wは、感度軸が、X方向に向けられ、電流路2u,2v,2wに流れる駆動電流Iu,Iv,Iwで誘導される電流磁界のX方向成分を検知することができるため、磁気検知素子5u,5v,5wによって、高感度の磁界検知が可能である。また、プリント配線基板3の実装面3aが平面であるため、磁気検知素子5u,5v,5wの実装面3aへの実装作業が容易である。
U相の電流路2uは第1シールド11uと第2シールド12uに挟まれ、V相の電流路2vは第1シールド11vと第2シールド12vに挟まれ、W相の電流路2wは第1シールド11wと第2シールド12wに挟まれている。そのため、電流路2u,2v,2wに流れる駆動電流Iu,Iv,Iwに起因する磁界以外のノイズ磁界を遮断することが可能である。
ただし、平行に配置された複数の電流路2u,2v,2wに流れる駆動電流Iu,Iv,Iwを検知する電流センサ1では、計測対象となる電流路に対向している磁気検知素子に対し、隣りに位置する電流路に流れる駆動電流で誘導される電流磁界が、ノイズ磁界として作用する課題がある。
図3(A)には、第1の実施形態の電流センサ1において、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導される磁力線の分布と、U相の磁気検知素子5uとの関係がシミュレーション結果として示されている。図3(B)には、比較例の電流センサ101において、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導される磁力線の分布と、U相の磁気検知素子5uとの関係がシミュレーション結果として示されている。
図4(A)は、図3(A)に示すシミュレーション結果を説明するための模式図であり、図4(B)は、図3(B)に示すシミュレーション結果を説明するための模式図である。図4(A)(B)には、第1シールド12uの第1対向平面13uと第2シールド12uの第2対向平面14uとの対向間隔の中心を通過する横方向中心線O1が示されている。
図3(A)に示す第1の実施形態の電流センサ1と、図3(B)に示す比較例の電流センサ101の双方において、V相の電流路2vに駆動電流Ivが流れると、駆動電流Ivで誘導された電流磁界の磁力線の一部が、電流路2vに対向する第1シールド11vと第2シールド12vの内部に引き込まれるとともに、一部の磁力線が、距離δを空けて隣りに位置するU相の第1シールド11uおよび第2シールド12uに引き込まれる。そして、U相の第1シールド11uと第2シールド12uとの間を横断する磁力線が、U相の電流路2uに対向する磁気検知素子5uに与えられる。
図3(B)と図4(B)では、比較例の電流センサ101において、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導されて、U相の第1シールド11uと第2シールド12uに導かれた磁束のうちの、第1対向平面13uと第2対向平面14uの双方の外側端部E5の間を横断する磁力線がMaで示され、第1対向平面13uと第2対向平面14uの間を横断して磁気検知素子5uに入る磁力線がMbで示されている。
比較例の電流センサ101は、U相の第1シールド11uの第1対向平面13uと第2シールド12uの第2対向平面14uの双方の外側端部E5が、縦方向(Z方向)の同一線上に位置している。そのため、それぞれの外側端部E5の間を渡る前記磁力線Maが、横方向中心線O1に対して、縦方向(Z1−Z2方向)において線対称形状に延び、且つX1方向へ向けて突状に膨らむ経路を通過する。磁気検知素子5uに入る磁力線Mbも、横方向中心線O1に対して縦方向に線対称で延び、X1方向へ向けて突状に膨らむ経路を通過する。
図4(B)では、前記磁力線Mbが磁気検知素子5uに作用する作用線と、磁気検知素子5uを通過して縦方向に延びる素子垂直線Svとの角度がβで示されている。磁力線MbがX1方向に向けて突形状で横方向中心線O1に対してZ方向に線対称形状の経路を通過するため、比較例では、前記角度βが大きくなってしまう。
図3(A)と図4(A)では、第1の実施形態の電流センサ1において、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導されてU相の第1シールド11uと第2シールド12uに導かれた磁束のうちの、第1対向平面13uの外側端部E1と第2対向平面14uの外側端部E2の間を横断する磁力線がM1で示され、第1対向平面13uと第2対向平面14uの間を横断して磁気検知素子5uに入る磁力線がM2で示されている。
第1の実施形態の電流センサ1は、U相の第1シールド11uの第1対向平面13uの外側端部E1よりも第2シールド12uの第2対向平面14uの外側端部E2がX2側に位置し、外側端部E2が外側端部E1と磁気検知素子5uとの間に位置している。そのため、外側端部E1と外側端部E2の間の空間を横断する磁力線M1が、横方向中心線O1に対して、縦方向(Z1−Z2方向)において非対称形状となり、図4(B)に示す外側端部E5間を渡る磁力線Maよりも反時計方向(γ方向)へ傾いた経路を通過する。これに追従して、磁気検知素子5uに入る磁力線M2も、横方向中心線O1に対して、縦方向(Z1−Z2方向)において非対称形状となり、図4(B)に示す磁力線Mbよりもγ方向に傾く経路を通過する。
その結果、図4(A)に示すように、前記磁力線Mbが磁気検知素子5uに作用する作用線と、磁気検知素子5uを通過して縦方向に延びる素子垂直線Svとの角度αは、図4(B)に示す前記角度βよりも小さくなる。
実施形態の電流センサ1では、磁力線M2が磁気検知素子5uに作用する作用線と、素子垂直線Svとの角度αが、比較例の電流センサ101の角度βよりも小さい。磁気検知素子5uの感度軸は横方向(X方向)に向けられているため、第1の実施形態の電流センサ1は、比較例の電流センサ101に比べて、磁気検知素子5uに対して感度軸と平行に向く磁力線の成分を削減できるようになり、計測対象となる電流路の隣りに位置する電流路の駆動電流で誘導される電流磁界が、ノイズ磁界として影響するのを抑制できるようになる。
図2(A)に示すように、W相の電流路2wを挟む位置にある第1シールド11wと第2シールド12wは、第1対向平面13wの外側端部E1よりも、第2対向平面14wの外側端部E2がX1側に位置している。したがって、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導される磁力線と、W相を検知するための磁気検知素子5wとの関係が、図3(A)および図4(A)に対して横方向(X方向)で線対称形状となる。したがって、W相においても、同様に、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導される磁束が、磁気検知素子5wに与えるノイズを低減することが可能になる。
図2(A)に示すように、第1の実施形態の電流センサ1は、U相の第1シールド11uと第2シールド12u、V相の第1シールド11vと第2シールド12v、W相の第1シールド11wと第2シールド12wが、各相毎に個別に分割して設けられている。そのため、外部からの磁界を、各相毎に個別に遮断することができるようになり、外部からのノイズ磁界の影響を受けにくくなる。
ただし、本発明では、図2(A)に示す間隔δを設けずに、U相、V相、W相で、第1シールドがX方向に連続し、第2シールドもX方向に連続している構造であってもよい。
図9に、本発明の第2の実施形態の電流センサ201が示されている。
この電流センサ201は、U相とW相の2相の電流路2u,2wと、U相の電流路2uを挟む位置に配置された第1シールド11uおよび第2シールド12uと、W相の電流路2wを挟む位置に配置された第1シールド11wおよび第2シールド12wと、が設けられている。U相の電流路2uと第1シールド11uとの間に、磁気検知素子5uが設けられ、W相の電流路2wと第1シールド11wとの間に、磁気検知素子5wが設けられている。電流路2uと電流路2wには、三相交流モータを駆動する駆動電流のうちの2系統の駆動電流が流れる。
図9に示すように、U相の第1シールド11uの第1対向平面13uの外側端部E1に対して、第2シールド12uの第2対向平面14uの外側端部E2が短縮長LcだけX2方向に位置している。また、W相の第1シールド11wの第1対向平面13wの外側端部E1に対して、第2シールド12wの第2対向平面14wの外側端部E2が短縮長LcだけX1方向に位置している。
この電流センサ201においても、外側端部E1に対して外側端部E2を短縮長Lcだけ短縮しているため、隣りに位置する電流路で誘導される電流磁界によるノイズの影響を低減することができる。
また、本発明の実施形態の電流センサは、電流路に流れる電流が、モータ用の駆動電流以外の電流であってもよい。
以下の構造の電流センサ1について、特性をシミュレーションした。
(図5(A)と図5(B)の説明)
図2(A)に示す第1の実施形態の電流センサ1において、電流路2u,2v,2wの縦方向(Z方向)の厚さ寸法H1を4mmとし、電流路2u,2v,2wの横方向(X方向)の幅寸法を15mmとした。U相の第1シールド11uおよび第2シールド12uと、V相の第1シールド11vおよび第2シールド12vと、W相の第1シールド11wおよび第2シールド12wは、いずれも縦方向(Z方向)の厚さ寸法を1.5mmとした。
電流路2u,2v,2wのZ1側に向く表面と、磁気検知素子5u,5v,5wとの縦方向(Z方向)の距離H2を2.5mmとした。電流路2u,2v,2wのZ1側に向く表面と、各第1シールド11u,11v,11wの第1対向平面13u,13v,13wとの縦方向(Z方向)の距離H3を5mmとし、電流路2u,2v,2wのZ2側に向く表面と、各第2シールド12u,12v,12wの第2対向平面14u,14v,14wとの縦方向(Z方向)の距離H4を2mmとした。
図5(A)に、U相の第1対向平面13uの外側端部E1に対する第2対向平面14uの外側端部E2のX2方向への短縮長Lcと、図4(A)に示す磁力線M2が磁気検知素子5uに作用する作用線と、素子垂直線Svとの角度αとの関係が示されている。図5(B)には、W相の第1対向平面13wの外側端部E1に対する第2対向平面14wの外側端部E2のX1方向への短縮長Lcと、磁力線M2が磁気検知素子5uに作用するときの作用線と、素子垂直線Svとの角度αとの関係を示している。
図5(A)(B)はいずれも、横軸が、外側端部E1に対する外側端部E2の短縮長Lc(mm)であり、縦軸は、前記角度α(度)である。
図5(A)(B)では、U相の第1対向平面13uの横方向の幅寸法L1と、W相の第1対向平面13wの横方向の幅寸法L1を、17mm、18mm、19mm、23mmとした4種類の電流センサ1について、短縮長Lcと、角度αとの関係をシミュレーションした。なお、V相の第1対向平面13vと第2対向平面14vの幅寸法L2を17mmとし、U相とV相およびW相で隣り合うシールドの間隔δを、7.5mmとした。
図4(A)に示されているように、U相では、短縮長Lcが小さいときは、磁気検知素子5uを通過する磁力線M2が素子垂直線Svに対して時計方向へ角度αだけ傾くため、図5(A)に示す縦軸の符号は「正」になる。短縮長Lcが長くなるにしたがって角度αが小さくなり、さらに短縮長Lcが長くなると、角度αが反時計方向へ傾くようになり、図5(A)の縦軸の符号が「負」になる。
図5(B)に示すように、W相では、短縮長Lcが小さいときは、角度αは反時計方向に傾くため、縦軸の符号が「負」となる。短縮長Lcが長くなるにしたがって角度αが小さくなり、さらに短縮長Lcが長くなると、角度αが時計方向へ傾き、縦軸の符号が「正」になる。
図5(A)(B)に示すように、U相の第1対向平面13uとW相の第1対向平面13wの幅寸法L1が17mmのときは、外側端部E1に対する外側端部E2の短縮長Lcが約6mmのときに、前記角度αがゼロに近くなって、V相の電流路2vに流れる駆動電流Ivで誘導される電流磁界が、U相の磁気検知素子5uにおいて、ノイズ磁界としてほとんど検知されなくなる。幅寸法L1が18mmのときは、短縮長Lcが約5mmのときに、U相の磁気検知素子5uにおいて、ノイズ磁界としてほとんど検知されなくなる。幅寸法L1が19mmのときは、短縮長Lcが約4mmのときに、U相の磁気検知素子5uにおいて、ノイズ磁界としてほとんど検知されなくなる。幅寸法L1が23mmのときも、短縮長Lcが約4mmのときに、U相の磁気検知素子5uにおいて、ノイズ磁界としてほとんど検知されなくなる。
図5(A)のシミュレーション結果から、第1対向平面13uの幅寸法L1が短いと、短縮長Lcの影響が大きくなり、短縮長Lcを長くしないと、V相の電流路2vの駆動電流Ivに起因するノイズ磁界の影響を低下させることができないことが分かる。これは、第1対向平面13uの幅寸法L1が短くなると、磁気検知素子5uから第1対向平面13uの外側端部E1までの距離、および磁気検知素子5uから第2対向平面14uの外側端部E2までの距離が短くなり、その結果、磁気検知素子5uを通過する磁力線(図4(A)のM2および図4(B)のMb)のX1方向の膨らみが大きくなるからであると考えられる。そのため、磁力線M2,MbのX1方向の膨らみに起因する素子垂直線Svに対する角度α、βを小さくするためには、外側端部E1に対する外側端部E2の短縮長Lcを長くすることが必要になる。
逆に、第1対向平面13uの幅寸法L1が長いと、磁気検知素子5uから第1対向平面13uの外側端部E1までの距離、および磁気検知素子5uから第2対向平面14uの外側端部E2までの距離が長くなり、磁気検知素子5uを通過する磁力線M2,MbのX1方向の膨らみが小さくなる。そのため、外側端部E1に対する外側端部E2の短縮長Lcを少し変化させるだけで、磁力線M2,Mbの素子垂直線Svに対する角度αを小さくする効果を得られるようになると考えられる。
これは、W相に関する図5(B)に示すシミュレーション結果においても同じである。
図5(A)(B)から、V相の駆動電流Ivで誘導される電流磁界が、磁気検知素子5u,5wへノイズ磁界として作用する影響を低減できるためのLc/Lの比は、幅寸法L1が18mmの実施例を基準にして、Lc/L=2/18以上でLc/L=8/18以下、すなわち0.11以上で0.44以下であることが好ましい。この数値範囲は、幅寸法L1が17mm以上で23mm以下の範囲で有効と考えられる。
図6は、第1実施例の電流センサにおいて、隣り合う電流路で誘導されるノイズ磁界の影響を示す線図、図7は、第2実施例の電流センサにおいて、隣り合う電流路で誘導されるノイズ磁界の影響を示す線図、図8は、比較例の電流センサにおいて、隣り合う電流路で誘導されるノイズ磁界の影響を示す線図である。
(第1実施例)
図2(A)に示す構造の電流センサ1であり、電流路2u,2v,2wの縦方向(Z方向)の厚さ寸法H1を4mmとし、電流路2u,2v,2wの横方向(X方向)の幅寸法を15mmとした。U相の第1シールド11uおよび第2シールド12uと、V相の第1シールド11vおよび第2シールド12vと、W相の第1シールド11wおよび第2シールド12wは、いずれも縦方向(Z方向)の厚さ寸法を1.5mmとした。
電流路2u,2v,2wのZ1側に向く表面と、磁気検知素子5u,5v,5wとの縦方向(Z方向)の距離H2を2.5mmとした。電流路2u,2v,2wのZ1側に向く表面と、各第1シールド11u,11v,11wの第1対向平面13u,13v,13wとの縦方向(Z方向)の距離H3を5mmとし、電流路2u,2v,2wのZ2側に向く表面と、各第2シールド12u,12v,12wの第2対向平面14u,14v,14wとの縦方向(Z方向)の距離H4を2mmとした。
U相の第1シールド11uの第1対向平面13uの横方向の幅寸法L1と、W相の第1シールド11wの第1対向平面13wの横方向の幅寸法L1を、18mmとし、V相の第1対向平面13vと第2対向平面14vの幅寸法L2を17mmとし、U相とV相およびW相で隣り合うシールドの間隔δを、7.5mmとした。
そして、U相の第1対向平面13uの外側端部E1に対する、第2対向平面14uの外側端部E2のX2方向への短縮長Lcを5mmとし、W相においても、第1対向平面13wの外側端部E1に対する、第2対向平面14wの外側端部E2のX1方向への短縮長Lcを5mmとした。Lc/Lは、0.28である。
(第2実施例)
U相の第1対向平面13uの外側端部E1に対する、第2対向平面14uの外側端部E2のX2方向への短縮長Lcを6mmとし、W相においても、第1対向平面13wの外側端部E1に対する、第2対向平面14wの外側端部E2のX1方向への短縮長Lcを6mmとした。Lc/Lは、0.33である。
それ以外の寸法は、第1実施例と同じである。
(比較例)
U相における第1対向平面13uと第2対向平面14uの幅寸法を共に18mmとし、W相における第1対向平面13wと第2対向平面14wの幅寸法を共に18mmとした。すなわち短縮長Lcをゼロとした。
それ以外の寸法は、第1実施例と同じである。
(図6、図7、図8の説明)
図6は第1実施例、図7は第2実施例、図8は比較例、そのそれぞれに関するシミュレーション結果である。
図6(A)と図7(A)および図8(A)には、U相の電流路2uにのみ交流の駆動電流Iuを流し、他の電流路2v,2wに駆動電流Iv,Iwを流さない状態で、電流路2uに対向する磁気検知素子5uで検知した磁束密度の変化と、V相の電流路2vにのみ交流の駆動電流Ivを流し、他の電流路2u,2wに駆動電流Iu,Iwを流さない状態で、電流路2vに対向する磁気検知素子5vで検知した磁束密度の変化と、W相の電流路2wにのみ交流の駆動電流Iwを流し、他の電流路2u,2vに駆動電流Iu,Ivを流さない状態で、電流路2wに対向する磁気検知素子5wで検知した磁束密度の変化が示されている。
図6(A)と図7(A)および図8(A)は、横軸に、測定基準となる時間(msec)が示され、縦軸に、磁気検知素子5u,5v,5wのそれぞれで検知された磁束密度(mT)が示されている。U相の磁気検知素子5uで検知された磁束密度の変化と、V相の磁気検知素子5vで検知された磁束密度の変化、およびW相の磁気検知素子5wで検知された磁束密度の変化は、図6(A)、図7(A)、図8(A)において、位相がそれぞれ120度相違するように、横軸方向に時間をずらしてプロットしている。
図6(B)と図7(B)および図8(B)のシミュレーション結果は、U相の電流路2uとV相の電流路2vおよびW相の電流路2wに、位相が互いに120度相違する駆動電流Iu,Iv,Iwを同時に流したときに、隣りの電流路に流れる駆動電流で誘導されたノイズ磁界が、磁気検知素子5u,5v,5wのそれぞれに与える影響を示したものである。
図6(B)、図7(B)、図8(B)の横軸は経過時間(msec)を示している。図6(B)、図7(B)、図8(B)の縦軸は、U相とV相およびW相に位相を互いに120度ずらした駆動電流Iu、Iv,Iwを同時に与えて、磁気検知素子5u,5v,5wのそれぞれで測定される磁束密度をB1とし、図6(A)、図7(A)、図8(A)の磁束密度の検知出力、すなわちU相とV相およびW相に個別に駆動電流Iu、Iv,Iwを与えて、磁気検知素子5u,5v,5wのそれぞれで個別に検知された磁束密度をB0として、{(B1−B0)/B0}×100(%)を計算した計算値である。
図8(A)(B)に示す比較例を見ると、U相の磁気検知素子5uの検知出力とW相の磁気検知素子5wの検知出力に対して、V相の駆動電流Ivで誘導された電流磁界がノイズ磁界として影響を与えていることが分かる。例えば、図8に示す時刻(i)すなわち10msecの時刻では、図8(A)に示すU相の磁気検知素子5uで検知される磁束密度がほぼゼロであるのに対し、V相の駆動電流Ivで誘導される電流磁界の磁束密度が10mT程度であり、U相の磁気検知素子5uの検知出力に対し、V相の電流磁界が、1%程度のノイズ磁界として影響を与えていることが分かる。
また、V相の電流磁界は、W相の検知出力に対しても、同様にノイズ磁界として影響を与えている。
なお、図8(B)に示す、V相の磁気検知素子5vの検知出力に関しては、例えば時刻(i)では、V相の駆動電流Ivと、隣りのW相の駆動電流Iwの駆動電流Iwとが逆位相である。また、時刻5msecと時刻15msecにおいては、V相の駆動電流Ivと、隣りのU相の駆動電流Iuとが逆位相である。またそれ以外の時間では、U相の駆動電流Iuと、W相の駆動電流Iwとが逆位相となることが多い、そのため、磁束が相殺されて、U相の駆動電流Iuで誘導される磁界と、W相の駆動電流Iwで誘導される電流磁界が、V相の磁気検知素子5vに与える影響が少なくなるものと考えられる。
これに対し、図6(B)に示す第1実施例のシミュレーション結果と、図7(B)に示すシミュレーション結果では、U相とV相とW相の全ての磁気検知素子5u,5v,5wにおいて、隣りの駆動電流で誘導される電流磁界がノイズ磁界としてほとんど影響していないことが分かる。
1 電流センサ
2u,2v,2w 電流路
5u,5v,5w 磁気検知素子
11u,11v,11w 第1シールド
12u,12v,12w 第2シールド
13u,13v,13w 第1対向平面
14u,14v,14w 第2対向平面
E1 第1対向平面の外側端部
E2 第2対向平面の外側端部
Iu,Iv,Iw 駆動電流
Lc 短縮長
M1,M2 磁力線
Sv 素子垂直線

Claims (5)

  1. 平行に配置された複数の電流路のそれぞれに対向する磁気検知素子が設けられ、それぞれの前記電流路に流れる電流で誘導された磁界が前記磁気検知素子で検知される電流センサにおいて、
    全ての前記電流路を直交して横断する方向を横方向とし、前記電流路の電流方向および横方向の双方に直交する方向を縦方向としたときに、
    前記磁気検知素子は、それぞれの前記電流路に縦方向から対向して、その感度軸が横方向に向けられ、
    前記電流路と前記磁気検知素子の双方を縦方向の両側から挟む第1シールドと第2シールドとが設けられ、前記第1シールドは、前記電流方向および横方向の双方に平行な平面であって前記磁気検知素子に対向する第1対向平面を有し、前記第2シールドは、前記電流方向および横方向の双方に平行な平面であって前記電流路に対向する第2対向平面を有しており、
    前記第1対向平面と前記第2対向平面のそれぞれが、隣りに前記電流路が存在しない外側に向けられた外側端部を有し、前記第2対向平面の前記外側端部が、前記第1対向平面の前記外側端部と前記磁気検知素子との間に位置しており、
    前記第1シールドと前記第2シールドは、それぞれの前記電流路ごとに個別に設けられており、
    前記第1対向平面と前記第2対向平面は、前記外側端部と、隣りに前記電流路が存在する内側に向けられた内側端部とを有し、
    前記第1対向平面の横方向の長さ寸法をL、前記第1対向平面の前記外側端部と前記第2対向平面の前記外側端部との、横方向の距離である短縮長をLcとしたときに、
    Lc/Lの比が、0.11以上で0.44以下であることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記磁気検知素子と前記第1対向平面との距離が、前記磁気検知素子と前記第2対向平面との距離よりも短い請求項1記載の電流センサ。
  3. 互いに対向する前記第1シールドと前記第2シールドでは、前記第1対向平面の前記内側端部と前記第2対向平面の前記内側端部とが、縦方向で同じ位置に形成されている請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記電流路が3本設けられ、それぞれの前記電流路に前記第1シールドと前記第2シールドが対向しており、
    横方向の両側に位置する前記第1シールドおよび前記第2シールドでは、前記第2対向平面の前記外側端部が、前記第1対向平面の前記外側端部と前記磁気検知素子との間に位置し、前記第1対向平面の前記内側端部と前記第2対向平面の前記内側端部とが、縦方向で同じ位置に形成されており、
    前記縦方向の中央に位置する前記第1シールドおよび前記第2シールドでは、前記第1対向平面の横方向の両端部と、前記第2対向平面の横方向の両端部とが、共に縦方向で同じ位置に形成されている請求項3に記載の電流センサ。
  5. 前記第1対向平面の横方向の長さ寸法Lは、17mm以上23mm以下である、請求項1に記載の電流センサ。
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