JP6944067B2 - レドックスフロー電池及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レドックスフロー電池及びその運転方法に関する。
レドックスフロー電池は、電力の負荷平準化や瞬間停止対策などとして利用され、新規の電力貯蔵用電池として注目されており、特に、バナジウム塩を活物質にしたレドックスフロー電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
レドックスフロー電池の動作原理を図3に基づいて説明する。
レドックスフロー電池100は、イオン交換膜からなる隔膜101で正極セル100Aと負極セル100Bとに分離された電池セル110と、電解液を貯留する電解液タンク104A,104Bと、電解液タンク104A,104Bから電池セル110に電解液を循環供給する循環配管106A,106Bと、循環配管106A,106Bに接続されて電解液を循環させる循環ポンプ105A,105Bと、を備える。
正極セル100Aには正極電極102が、また、負極セル100Bには負極電極103がそれぞれ内蔵されている。
また、正極セル100Aには、正極電解液を貯留する正極電解液タンク104Aが正極電解液循環配管106Aを介して接続され、負極セル100Bには、負極電解液を貯留する負極電解液タンク104Bが負極電解液循環配管106Bを介して接続されている。循環配管106A,106Bにはそれぞれ、循環ポンプ105A,105Bが設けられており、正極電解液循環配管106A、負極電解液循環配管106Bを介して、各電解液がそれぞれのタンクとセルとの間で循環される。
各極電解液にはバナジウムイオンなど原子価が変化するイオンの水溶液が用いられ、ポンプ105A,105Bで電解液を循環させながら、正極電極102、負極電極103におけるイオンの価数変化反応に伴って充放電が行われる。
例えば、バナジウムイオンを含む電解液を用いた場合、セル内の正極および負極で充放電時に生じる反応は次の通りになる。なお、実際には、V4+はVO2+で存在し、V5+はVO2+で存在しているものと推定され、それぞれ水和した状態や硫酸根が配位した状態で存在しているものと推定される。
正極:V4+ → V5+ + e-(充電) ・V4+ ← V5+ + e-(放電)
負極:V3+ + e- → V2+(充電) ・V3+ + e- ← V2+(放電)
充電時に正極で生成される水素イオン(H+)は、隔膜101を通って負極側に移動し、電解液の電気的中性が保たれる。発電部(例えば、発電所など)から供給された電力は、価数の異なるバナジウムイオンの価数変化として電解液タンクに貯蔵される。
一方、放電時には、充電時とは逆の反応によって貯蔵した電力を取り出し、負荷(需要家など)に供給することができる。
レドックスフロー電池では、電解液の充電状態(SOC:State Of Charge)は、電解液中のイオン価数の比率によって決まる。例えば、バナジウム系レドックスフロー電池の場合、正極電解液では、正極電解液中のバナジウムイオン(V4+/V5+)におけるV5+の比率、負極電解液では、負極電解液中のバナジウムイオン(V2+/V3+)におけるV2+の比率で表される。充電時の電池反応は、電池セル内で正極ではV4+がV5+に酸化され、負極ではV3+がV2+に還元される。放電時の電池反応は、充電時と逆の反応になる。
バナジウム系レドックスフロー電池においては、劣化抑制や充電効率等の観点から満充電電圧(充電満了電圧、充電終了電圧)と放電末電圧が予め設定されており、電池の通常の運転時には、充電状態が放電末(例えば、充電状態:20%)から満充電(例えば、充電状態:80%)の充放電可能範囲内で充放電が行われる。ここで、満充電電圧は電力系統からの充電を停止するように設定された電圧であり、放電末電圧は電力系統への放電を停止するように設定された電圧である。
特開昭62−186473号公報
このようなレドックスフロー電池では、高い充電状態における充電、または、低い充電状態における放電は、十分な活物質が供給されず、セル抵抗によるエネルギー損失が大きくなるという問題がある。また、このような問題に対処するため、ある程度充電状態に余裕を持って充放電を停止するようにしていることから、電解液の利用効率が低いという問題がある。
本発明では、このような現状に鑑み、電解液の充電状態が高いときの充電効率や、電解液の充電状態が低いときの放電効率が高いレドックスフロー電池及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、前述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明は、例えば、以下の態様を含む。
[1] 循環ポンプにより、電池セルに電解液を循環させることで充放電を行うレドックスフロー電池であって、前記レドックスフロー電池の充放電電圧及び充放電電流をそれぞれ測定する電圧・電流測定手段と、前記循環ポンプの単位時間当たりに消費される消費エネルギーWpを測定する消費エネルギー測定手段と、前記電圧・電流測定手段により測定された充放電電圧及び充放電電流に基づき、前記レドックスフロー電池の内部抵抗により消費される消費エネルギーWrを算出するとともに、前記消費エネルギーWp及び前記消費エネルギーWrに基づき、前記循環ポンプを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記循環ポンプを制御して、循環する前記電解液の流量が変化した時の消費エネルギーWpの変化量ΔWpと、消費エネルギーWrの変化量ΔWrと、を算出し、ΔWp+ΔWr=0となるように、前記循環ポンプを制御して、前記電解液の流量を変化させるレドックスフロー電池。
ただし、一定の電流で充電または放電を行い、かつ、流量を増加または減少させたとき、
Figure 0006944067
Figure 0006944067
である。
[2] 前記制御手段が、一定時間毎に前記電解液の流量を変化させる項[1]に記載のレドックスフロー電池。
[3] 前記制御手段は、
ΔWp+ΔWr>0の場合には、前記電解液の流量を減少させ、
ΔWp+ΔWr<0の場合には、前記電解液の流量を増加させる項[1]または[2]に記載のレドックスフロー電池。
[4] 前記電解液の流量の変化前後の流量の差、すなわち、
Figure 0006944067
は、前記流量を増加または減少させる前の流量の0.001〜0.2倍である項[1]から[3]のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
[5] 前記流量を増加させる場合の流量変化量と、前記流量を減少させる場合の流量変化量と、が異なる項[4]に記載のレドックスフロー電池。
[6] 前記流量を増加させる場合の流量変化量及び前記流量を減少させる場合の流量変化量のいずれか大きい方の流量変化量をΔF1とし、小さい方の流量変化量をΔF2としたとき、ΔF2は、ΔF1の0.1〜0.9倍である項[5]に記載のレドックスフロー電池。
[7] ΔF2は、ΔF1/n(ただし、nは2〜4の整数)ではない項[6]に記載のレドックスフロー電池。
[8] 前記流量を増加させる場合の流量変化量は、前記流量を減少させる場合の流量変化量よりも大きい項[5]から[7]のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
[9] 前記制御手段は、
ΔWp+ΔWr=0の場合には、前記電解液の流量を減少させる項[1]から[8]のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
[10] 前記循環ポンプが電動であり、
前記消費エネルギー測定手段が、ワットメーターである項[1]から[9]のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
[11] 前記電池セルが、正極セル及び負極セルを備え、
前記正極セル及び負極セルのそれぞれについて、前記循環ポンプ、前記消費エネルギー測定手段、及び、前記制御手段を有する項[1]から[10]のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
[12] 前記制御手段は、
前記流量を変化させる際に、前記正極セルに循環させる電解液の流量と、前記負極セルに循環させる電解液の流量と、の両方を同時に変化させる項[11]に記載のレドックスフロー電池。
[13] 前記制御手段は、
前記前記正極セルに循環させる電解液の流量と、前記負極セルに循環させる電解液の流量と、を同流量となるように制御する項[12]に記載のレドックスフロー電池。
本発明によれば、循環ポンプの単位時間当たりの消費エネルギーWpと、レドックスフロー電池の内部抵抗により消費される消費エネルギーWrとの合計値が最小となるように、循環ポンプにより流量を制御することで、より高いエネルギー効率で充放電を行うことができる。
図1は、本実施例におけるレドックスフロー電池の構成を説明する模式図である。 図2は、電解液の流量に対する消費エネルギーWpと、消費エネルギーWrとの関係を示すグラフである。 図3は、従来のレドックスフロー電池を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではない。
図1は、本実施例におけるレドックスフロー電池の構成を説明する模式図である。
図1に示すように、レドックスフロー電池10は、イオン交換膜からなる隔膜11で正極セル10Aと負極セル10Bとに分離された電池セル20と、電解液を貯留する電解液タンク14A,14Bと、電解液タンク14A,14Bから電池セル20に電解液を循環供給させる循環配管16A,16Bと、循環配管16A,16Bに接続されて電解液を循環させる循環ポンプ15A,15Bと、を備える。正極セル10Aには正極電極12が、また、負極セル10Bには負極電極13がそれぞれ内蔵されている。なお、本発明における電池セル20としては、公知の構成を採用することができる。
電池セル20は、AC/DCコンバータを介して、発電部(例えば、発電所など)や、負荷(例えば、需要家など)と接続されており、発電部から供給された電力の貯蔵や、負荷への電力の供給が行われる。
本実施形態のレドックスフロー電池10では、電池セル20とAC/DCコンバータとの間に、電圧・電流測定手段22が設けられている。電圧・電流測定手段22では、レドックスフロー電池10の充電又は放電中の電圧(以下、「充放電電圧」という。)及び電流(以下、「充放電電流」という。)が測定される。なお、電池セル20が積層されている場合は、レドックスフロー電池10全体の電圧及び電流を測定するようにすればよい。
また、循環ポンプ15A,15Bには、循環ポンプ15A,15Bの単位時間当たりに消費されるエネルギー(以下、単に「消費エネルギーWp」という。)を測定する消費エネルギー測定手段24が設けられている。
なお、本実施形態では、1つの消費エネルギー測定手段24によって、循環ポンプ15A及び循環ポンプ15Bの消費エネルギーWpをまとめて測定するようにしているが、循環ポンプ15A,15Bにそれぞれ消費エネルギー測定手段24を設け、後述する制御手段26A,26Bにおいて、循環ポンプ15A及び循環ポンプ15Bの消費エネルギーWpの合計値を算出するように構成するようにしてもよい。
なお、消費エネルギー測定手段24としては、例えば、循環ポンプ15A,15Bが電動である場合には、消費電力計(ワットメーター)を用いればよく、また、循環ポンプ15A,15Bがディーゼルエンジンなど他の動力源により稼働するものである場合は、単位時間当たりの燃料消費量から、燃料コストと同等の電力コストに換算して消費電力相当値を算出するようにすればよい。
また、電圧・電流測定手段22及び消費エネルギー測定手段24は、制御手段26A,26Bに接続され、測定された充放電電圧、充放電電流、消費エネルギーWpに関する情報が制御手段26A,26Bに送信される。制御手段26A,26Bは、受信した充放電電圧、充放電電流、消費エネルギーに関する情報に基づき、後述するように、循環ポンプ15A,15Bをそれぞれ制御することで、循環させる電解液の流量(以下、単に「流量」ともいう。)を制御するように構成される。
なお、本実施形態では、2つの制御手段26A,26Bによって、循環ポンプ15A及び循環ポンプ15Bをそれぞれ制御するように構成しているが、1つの制御手段によって、循環ポンプ15A,15Bを同時に制御するように構成することもできる。
このように構成される本実施形態のレドックスフロー電池10では、制御手段26A,26Bを以下のように動作させる。
レドックスフロー電池10の内部抵抗は、流量が増加すると減少し、流量が減少すると増加する傾向がある。レドックスフロー電池10の充放電電流がほぼ一定であれば、図2に示すように、内部抵抗により消費されるエネルギー(以下、単に「消費エネルギーWr」という。)も同様の傾向になる。また、循環ポンプ15A,15Bの消費エネルギーWpは、流量が増加すると増加し、流量が減少すると減少する。
ある程度大きな流量では、それ以上流量を増加させても内部抵抗はわずかに低下するだけとなる。このため、流量を増加させたことによる循環ポンプ15A,15Bの消費エネルギーWpの増加分が、内部抵抗の低下による消費エネルギーWrの減少分を上回ることになる。
一方、ある程度小さな流量では、より流量を減少させると内部抵抗は急激に増加するようになる。このため、内部抵抗の増加による消費エネルギーWrの増加分が、流量を減少させたことによる循環ポンプ15A,15Bの消費エネルギーWpの減少分を上回ることになる。
以上のことから、消費エネルギーWp+消費エネルギーWrが最小となるように流量を制御することで、最も充放電効率が高い状態で、レドックスフロー電池10を運転することができる。
なお、任意の流量における内部抵抗rは、電圧・電流測定手段22により測定された充放電電圧及び充放電電流に基づき、制御手段26A,26Bにおいて算出するように構成することができる。具体的には、発電部や負荷の変動などによる充放電電圧及び充放電電流のそれぞれの変化から、下記式(1)のように求めることができる。
Figure 0006944067
この流量における内部抵抗rと充放電電流より、消費エネルギーWrは、下記式(2)のように求めることができる。
Figure 0006944067
ただし、発電部や負荷の変動が頻繁に生じるとは限らないため、特に一定の電流で充放電する環境下において、Wp+Wrが最小となる流量を求める場合には、制御手段26A,26Bによって循環ポンプ15A,15Bを制御して、流量を任意に変化させることで、その変化前後における消費エネルギーWp及び消費エネルギーWrを取得する。そして、制御手段26A,26Bによって、それぞれの変化量(ΔWp及びΔWr)を算出するとともに、ΔWp+ΔWr=0となる流量を算出すればよい。これは、図2に示すように、Wp+Wrが最小となる流量は、Wp+Wrの流量による微分値が0となる流量であるためである。
具体的には、一定の電流で充電または放電を行い、かつ、流量を増加または減少させた場合、消費エネルギーWpの変化量ΔWp、及び、消費エネルギーWrの変化量ΔWrは、それぞれ、下記式(3)及び(4)のように求めることができる。
Figure 0006944067
Figure 0006944067
制御手段26A,26Bでは、一定時間毎に、上述するように、任意に流量変化させたときのΔWp+ΔWrを算出し、このΔWp+ΔWrに基づいて、循環ポンプ15A,15Bを制御し、循環する電解液の流量を制御する。具体的には、ΔWp+ΔWr>0の場合には、流量を減少させ、ΔWp+ΔWr<0の場合には、流量を増加させる。なお、ΔWp+ΔWr=0の場合には、流量を増加させても減少させても構わないが、電力の安定供給の観点からは、流量を増加させることが好ましい。これは、流量を増加させる場合、消費エネルギーWrが増加する可能性があるが、レドックスフロー電池10の入出力特性は低下しないためである。
また、流量は、一定時間毎に変化させると、充放電電流など充放電状態の変化に追従させやすく好ましい。流量変化させる感覚は、レドックスフロー電池10を使用する環境下で、充放電状態の変化の早さに追従できる程度に短く設定すればよい。例えば、1日の周期でゆっくりと充放電状態が変化する環境では1時間おきに、1時間程度の間に充放電状態が大きく変動する環境では5分おきに、それぞれ設定すればよい。
ΔWp+ΔWr=0となる流量に近づくための試行回数を減らす観点から、流量変化前後の流量の差(流量変化量)を、下記式(5)のように定義した場合、以下のような条件の下、流量変化量を調整するように構成することが好ましい。
Figure 0006944067
1)流量変化量の絶対値は、流量を増加または減少させる前の流量の0.001〜0.2倍であることが好ましい。
2)流量を増加させる場合の流量変化量と、流量を減少させる場合の流量変化量とが異なることが好ましい。これは、増加させる流量と、減少させる流量とが同じ場合、試行の繰り返しが生じる可能性があるためである。
2)の場合、
(1)流量を増加させる場合の流量変化量及び流量を減少させる場合の流量変化量のいずれか大きい方の流量変化量をΔF1とし、小さい方の流量変化量をΔF2としたとき、ΔF2は、ΔF1の0.1〜0.9倍であることが好ましく、ΔF2は、ΔF1/n(ただし、nは2〜4の整数)ではないことがさらに好ましい。
(2)流量を増加させる場合の流量変化量は、流量を減少させる場合の流量変化量より大きいことがより好ましい。これは、流量を増加させる場合、消費エネルギーWrが増加する可能性があるが、電池の入出力特性は低下しないことから、電力の安定供給を図れるためである。逆に、流量を低下させる場合には、電池の入出力特性が低下しすぎないように、流量変化量は抑えた方がよい。
以上のようにして、制御手段26A,26Bは、循環する電解液の流量を制御する。このとき、正極セル10A及び負極セル10Bのそれぞれについて、ΔWp+ΔWr=0となるように、それぞれ制御手段26A,26Bによって流量を制御することができる。この場合、一方のセルの測定をする間、他方のセルの流量は変化させないことが好ましい。
なお、正極セル10A及び負極セル10Bが同じ構造である場合、ΔWp+ΔWr=0となる流量は、正極セル10Aに循環させる正極電解液の流量と、負極セル10Bに循環させる負極電解液の流量とで同程度となる。このため、制御の簡便さの観点から、正極電解液及び負極電解液の両方の流量を同時に変化させたり、正極電解液の流量と負極電解液の流量とを同流量となるように制御することもできる。
(実施例1)
硫酸(H2SO4)濃度が4.0mol/Lの硫酸水溶液100Lに、90molの硫酸バナジウム(V2(SO43)と、180molの酸化硫酸バナジウム(VOSO4)とを添加して、溶液の体積が200Lになるように0.8mol/Lの硫酸水溶液を加えて攪拌することにより、電解液200Lを調製した。
このように調製した電解液を、正極電解液及び負極電解液として、それぞれ100Lを正極タンク及び負極タンクに入れ、各タンク内の電解液を、電圧を測定しながら充放電ができるセルスタック、及び開放電圧を測定できるセルに循環しながら、セル電圧が1.60Vになるまで100Aの電流値で充電を行い、次いで、セル電圧が1.00Vになるまで100Aの電流値で放電を行った。
充電、放電それぞれの初期の流速を5L/分に設定し、1分ごとに循環ポンプの周波数を1%ずつ上昇させ、その際のセル電圧の変化からΔWrを計算するとともに、循環ポンプのワットメーターによる消費電力の変化からΔWpを計算した。
ΔWr+ΔWpが負であった場合には、さらに循環ポンプの周波数を1%上昇させ、一方で、ΔWr+ΔWpが正であった場合には、循環ポンプの周波数を0.5%下降させる操作を1分ごとに行った。
充電、放電をそれぞれ10サイクル行い、10サイクル目の充放電のエネルギー効率と、循環ポンプによるエネルギー損失と、の充放電エネルギーに対する割合を算出し、充放電のエネルギー効率から循環ポンプによるエネルギー損失を引いた「合計のエネルギー効率」を計算した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
循環ポンプの周波数を変更させず、常に流速を5L/分に設定して、充放電を行った以外は、実施例1と同様の条件で、10サイクル目の充放電のエネルギー効率と、循環ポンプによるエネルギー損失と、の充放電エネルギーに対する割合を算出し、充放電のエネルギー効率から循環ポンプによるエネルギー損失を引いた「合計のエネルギー効率」を計算した。その結果を表1に示す。
Figure 0006944067
実施例1と、比較例1とを比較して、本発明のようにΔWp+ΔWrが0に近づくように、循環ポンプにより流量を制御することで、より高いエネルギー効率で充放電を行えることがわかる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 レドックスフロー電池
10A 正極セル
10B 負極セル
11 隔膜
12 正極電極
13 負極電極
15A 循環ポンプ
15B 循環ポンプ
16A 正極電解液循環配管
16B 負極電解液循環配管
20 電池セル
22 電圧・電流測定手段
24 消費エネルギー測定手段
26A 制御手段
26B 制御手段
100 レドックスフロー電池
100A 正極セル
100B 負極セル
101 隔膜
102 正極電極
103 負極電極
104A 正極電解液タンク
104B 負極電解液タンク
105A 循環ポンプ
105B 循環ポンプ
106A 正極電解液循環配管
106B 負極電解液循環配管
110 電池セル

Claims (13)

  1. 循環ポンプにより、電池セルに電解液を循環させることで充放電を行うレドックスフロー電池であって、
    前記レドックスフロー電池の充放電電圧及び充放電電流をそれぞれ測定する電圧・電流測定手段と、
    前記循環ポンプの単位時間当たりに消費される消費エネルギーWpを測定する消費エネルギー測定手段と、
    前記電圧・電流測定手段により測定された充放電電圧及び充放電電流に基づき、前記レドックスフロー電池の内部抵抗により消費される消費エネルギーWrを算出するとともに、前記消費エネルギーWp及び前記消費エネルギーWrに基づき、前記循環ポンプを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記循環ポンプを制御して、循環する前記電解液の流量が変化した時の消費エネルギーWpの変化量ΔWpと、消費エネルギーWrの変化量ΔWrと、を算出し、
    ΔWp+ΔWr=0となるように、前記循環ポンプを制御して、前記電解液の流量を変化させるレドックスフロー電池。
    ただし、一定の電流で充電または放電を行い、かつ、流量を増加または減少させたとき、
    Figure 0006944067
    Figure 0006944067
    である。
  2. 前記制御手段が、一定時間毎に前記電解液の流量を変化させる請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記制御手段は、
    ΔWp+ΔWr>0の場合には、前記電解液の流量を減少させ、
    ΔWp+ΔWr<0の場合には、前記電解液の流量を増加させる請求項1または2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記電解液の流量の変化前後の流量の差、すなわち、
    Figure 0006944067
    は、前記流量を増加または減少させる前の流量の0.001〜0.2倍である請求項1から3のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記流量を増加させる場合の流量変化量と、前記流量を減少させる場合の流量変化量と、が異なる請求項4に記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記流量を増加させる場合の流量変化量及び前記流量を減少させる場合の流量変化量のいずれか大きい方の流量変化量をΔF1とし、小さい方の流量変化量をΔF2としたとき、ΔF2は、ΔF1の0.1〜0.9倍である請求項5に記載のレドックスフロー電池。
  7. ΔF2は、ΔF1/n(ただし、nは2〜4の整数)ではない請求項6に記載のレドックスフロー電池。
  8. 前記流量を増加させる場合の流量変化量は、前記流量を減少させる場合の流量変化量よりも大きい請求項5から7のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
  9. 前記制御手段は、
    ΔWp+ΔWr=0の場合には、前記電解液の流量を減少させる請求項1から8のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
  10. 前記循環ポンプが電動であり、
    前記消費エネルギー測定手段が、ワットメーターである請求項1から9のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
  11. 前記電池セルが、正極セル及び負極セルを備え、
    前記正極セル及び負極セルのそれぞれについて、前記循環ポンプ、前記消費エネルギー測定手段、及び、前記制御手段を有する請求項1から10のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
  12. 前記制御手段は、
    前記流量を変化させる際に、前記正極セルに循環させる電解液の流量と、前記負極セルに循環させる電解液の流量と、の両方を同時に変化させる請求項11に記載のレドックスフロー電池。
  13. 前記制御手段は、
    記正極セルに循環させる電解液の流量と、前記負極セルに循環させる電解液の流量と、を同流量となるように制御する請求項12に記載のレドックスフロー電池。
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