JP6943420B2 - クリップ部材及びボールジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、カバー部材を受け側部材に対して締め付け固定するクリップ部材及びこれを備えたボールジョイントに関する。
従来、例えば自動車などの車両の懸架装置や操舵装置に用いられるボールジョイントは、ボール部及びスタッド部を有するボール側部材であるボールスタッドと、受け側部材であるハウジングと、ボール部を回動可能に保持してハウジングに収容されるベアリングシートであるボールシートとを備えている。ボールスタッドのスタッド部は、ハウジングに設けられた開口部からこのハウジングの外部に突出されており、このハウジングと、このハウジングの外部に突出するスタッド部との間に、ハウジングの開口部を覆って円筒状のダストカバーが取り付けられる。このダストカバーの一端部は、周回状のクリップ部材であるサークリップによってハウジングに対してアウトサート装着されている。
サークリップは、例えばコイル材を金型に巻き付けて変形(塑性変形)させ、プレス加工により切断することで成形されて、一般的に二重巻きで製造され、両端領域どうしが互いに交差するようになっている。この種のサークリップとして、例えば周回部分から両端部に向かうにしたがい曲率半径が大きくなるように形成されたものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。このように構成することで、ダストカバーの一端部に装着した状態で両端部が径方向外側へとはみ出すため、この装着状態でサークリップ端部が装着部位を傷付けなくなっている。
特開平2−304210号公報(第2−3頁、第2図) 特許第5999412号公報(第3−8頁、図4)
しかしながら、サークリップの径方向外側にはみ出した両端部は、ダストカバーがボールスタッドの揺動によって屈曲したときに、変形したダストカバーに対して接触することがある。このとき、サークリップの両端部によってダストカバーを傷付けないようにすることが望まれる。
特に、近年、車両開発側の要求により、ボールジョイントの揺動角が大きく設定されることが多く、その分、ダストカバーの屈曲も大きくなるので、サークリップの両端部によってダストカバーを傷付けないようにすることが望まれる。このような課題は、操舵装置用や懸架装置用のボールジョイント、あるいは車両用のボールジョイントだけでなく、任意の箇所に用いるボールジョイントに対しても同様に生じる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、端部によってカバー部材を傷付けにくいクリップ部材及びこれを備えたボールジョイントを提供することを目的とする。
請求項1記載のクリップ部材は、ボール部を備えたボール側部材と、このボール側部材の前記ボール部を回動可能に受ける受け側部材との間を覆う筒状のカバー部材の一端側を前記受け側部材に対して締め付け固定するクリップ部材であって、一端領域と、他端領域と、これら一端領域と他端領域との間を連結する円弧状の中間領域とを備え、前記カバー部材を前記受け側部材に対して締め付け固定した状態で、前記一端領域及び前記他端領域は、前記中間領域側からその反対側の端部に向かってそれぞれ径方向内側に徐々に湾曲して前記中間領域に対して軸方向に重なり、かつ、前記端部がそれぞれ前記中間領域の径方向側よりも内側に入り込んでいるものである。
請求項2記載のクリップ部材は、請求項1記載のクリップ部材において、一端領域及び他端領域は、それぞれカバー部材を受け側部材に対して締め付け固定した状態での中間領域の最小の曲率半径より小さい曲率半径を有する円弧状に形成されているものである。
請求項3記載のクリップ部材は、請求項1または2記載のクリップ部材において、一端領域及び他端領域の中間領域に対して反対側の端部は、それぞれ径方向内側が曲面状に形成されているものである。
請求項4記載のクリップ部材は、請求項1または2記載のクリップ部材において、一端領域及び他端領域の中間領域に対して反対側の端部は、それぞれ径方向内側が前記中間領域側に向かって傾斜した傾斜面状に形成されているものである。
請求項5記載のクリップ部材は、請求項1ないし4いずれか一記載のクリップ部材において、自由状態での一端領域及び他端領域と中間領域との間隙が、それぞれ前記一端領域、前記他端領域及び前記中間領域での幅寸法より小さいものである。
請求項6記載のボールジョイントは、ボール部を備えたボール側部材と、前記ボール部を回動可能に受ける受け側部材と、これらボール側部材と受け側部材との間を覆う筒状のカバー部材と、このカバー部材の一端側を前記受け側部材に対して締め付け固定する請求項1ないし5いずれか一記載のクリップ部材とを具備したものである。
請求項1記載のクリップ部材によれば、カバー部材を受け側部材に対して締め付け固定した装着状態で、一端領域及び他端領域が中間領域側からその反対側の端部に向かってそれぞれ径方向内側に徐々に湾曲して中間領域に対して軸方向に重なるとともに、各端部がそれぞれ中間領域の少なくとも径方向外側よりも内側に入り込むことにより、例えば使用によりカバー部材が変形した状態でも、カバー部材の表面が端部に接触しにくく、これら端部によってカバー部材を傷付けにくくできる。
請求項2記載のクリップ部材によれば、請求項1記載のクリップ部材の効果に加えて、一端領域及び他端領域を、それぞれカバー部材を受け側部材に対して締め付け固定した状態での中間領域の最小の曲率半径より小さい曲率半径を有する円弧状とすることで、装着状態で端部を中間領域の径方向外側よりも内側に容易に入り込ませることができる。
請求項3記載のクリップ部材によれば、請求項1または2記載のクリップ部材の効果に加えて、カバー部材を受け側部材に対して固定するためにクリップ部材を取り付ける際にカバー部材に対向する一端領域及び他端領域の中間領域に対して反対側の端部のそれぞれの径方向内側を曲面状としたので、このクリップ部材の取り付け時にも端部によってカバー部材を傷付けにくい。
請求項4記載のクリップ部材によれば、請求項1または2記載のクリップ部材の効果に加えて、カバー部材を受け側部材に対して固定するためにクリップ部材を取り付ける際にカバー部材に対向する一端領域及び他端領域の中間領域に対して反対側の端部のそれぞれ径方向内側を中間領域側に向かって傾斜した傾斜面状としたので、このクリップ部材の取り付け時にも端部によってカバー部材を傷付けにくい。
請求項5記載のクリップ部材によれば、請求項1ないし4いずれか一記載のクリップ部材の効果に加えて、自由状態での一端領域及び他端領域と中間領域との間隙が、それぞれ一端領域、他端領域及び中間領域でのクリップ部材の幅寸法より小さいことで、間隙に他のクリップ部材が入り込んで絡み合わなくなるので、クリップ部材の取り付け作業時にクリップ部材どうしをばらす作業が不要となり、製造作業性を向上することができる。
請求項6記載のボールジョイントによれば、請求項1ないし5いずれか一のクリップ部材を備えることで、カバー部材の信頼性を向上したボールジョイントを提供できる。
(a)は本発明の第1の実施の形態のクリップ部材の自由状態を示す平面図、(b)は同上クリップ部材の装着状態を示す平面図である。 同上クリップ部材の端部近傍の拡大図である。 同上クリップ部材の断面図である。 同上クリップ部材を備えたボールジョイントの断面図である。 比較例のクリップ部材の装着状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態のクリップ部材の端部近傍の拡大図である。 一参考技術のクリップ部材の装着状態を示す平面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を、図面を参照して説明する。
図4において、11はボールジョイントであり、このボールジョイント11は、例えば本実施の形態では自動車の操舵装置、あるいは懸架装置などに用いられる自動車用のものである。このボールジョイント11は、ボール側部材であるボールスタッド14と、シート部材(ベアリングシート)であるボールシート15と、受け側部材であるハウジング16と、カバー部材であるダストカバー17と、締付部材としてのクリップ部材であるサークリップ18とを備えている。なお、以下、図4などの下側を一端側である下側、上側を他端側である上側として説明する。また、ボールスタッド14の直立状態での長手方向(すなわち図4中の上下方向)を軸方向(矢印A方向)といい、この軸方向に対して直交する方向を軸直方向または径方向(例えば矢印B方向)というものとする。
ボールスタッド14は、ボールシャンクなどとも呼ばれるもので、例えば鋼鉄製などのものである。このボールスタッド14は、球状のボール部21と、このボール部21に連結された軸状のスタッド部22とを一体的に備えている。
ボール部21は、外周面の一部がボールシート15に摺動(回動)可能に保持されている。
スタッド部22は、図示しない外部の被接続部材に接続されて荷重が加わる部分である。このスタッド部22は、ハウジング16から外方へと突出している。なお、このスタッド部22には、例えば被接続部材に対して当接される鍔部が設けられていてもよい。
ボールシート15は、例えば円筒状に形成されている。そして、このボールシート15は、ボール部21を摺動(回動)可能に保持した状態でハウジング16に収容されている。
ハウジング16は、ソケットなどとも呼ばれるもので、例えば金属、あるいは合成樹脂などにより形成されている。このハウジング16は、本実施の形態において、例えば有底円筒状に形成されている。したがって、このハウジング16は、開口部24を備えている。また、このハウジング16は、カバー固定部としてのカバー固定溝25を備えている。
開口部24は、ボールスタッド14のスタッド部22がハウジング16の外部(上方)へと延出する部分である。この開口部24は、ハウジング16の上部に設けられている。
カバー固定溝25は、ダストカバー17の一端部である下端部が嵌着される部分である。このカバー固定溝25は、例えばハウジング16の上端側の外周面全周に亘って溝状に設けられている。
ダストカバー17は、ダストシール、あるいはブーツなどとも呼ばれ、ボールスタッド14とハウジング16との間を覆うものである。すなわち、このダストカバー17は、ハウジング16の開口部24を覆うとともに、ボールスタッド14の揺動に追従して変形することで開口部24を覆った状態を維持し、ハウジング16あるいはボールシート15の内部への水分及び塵埃などの侵入を阻止するものである。このダストカバー17は、例えば合成樹脂により筒状、本実施の形態では円筒状に形成されている。また、このダストカバー17は、上端側がボールスタッド14のスタッド部22の外周面に固定され、下端側がハウジング16のカバー固定溝25に嵌着されている。そして、このダストカバー17の下端側は、サークリップ18によりハウジング16の外周面(カバー固定溝25)に対して締め付け固定されている。
より詳細に、このダストカバー17は、カバー部材本体部としての胴体部31と、ボール側部材固定部としてのスタッド側固定部32と、受け側部材固定部としてのハウジング側固定部33とを一体に備えている。
胴体部31は、例えば軸方向よりも軸直方向(径方向)に大きい寸法を有する、扁平な円筒状に形成されている。この胴体部31は、軸直方向(径方向)外側に向かって膨出するように形成されている。
スタッド側固定部32は、スタッド部22の外周面に当接する部分である。このスタッド側固定部32は、胴体部31の上端部に位置し、胴体部31に対して肉厚に形成されている。
ハウジング側固定部33は、ハウジング16の外周面(カバー固定溝25)に嵌着される部分である。このハウジング側固定部33は、ダストカバー17の外方(軸直方向)に向かって開口されるように、例えば断面コ字状に形成されている。このため、このハウジング側固定部33の外周側は、サークリップ18が装着される装着溝33aとなっている。
そして、サークリップ18は、円環状のばね部材である。このサークリップ18は、ダストカバー17に対して、装着溝33aに装着され、ハウジング側固定部33を中心軸に向かって締め付けて、ダストカバー17の下端側の内周面であるハウジング側固定部33の内周面をハウジング16の外周面であるカバー固定溝25に対して押し付けている。例えば、このサークリップ18は、金属により形成されている。すなわち、このサークリップ18は、ダストカバー17よりも硬質の材料により形成されている。
このサークリップ18は、図1(a)及び図1(b)に示すように、周回状に形成されている。すなわち、このサークリップ18は、自由状態(非装着状態)で1巻き以上の巻数nを備えている。この巻数nは、整数であっても整数でなくてもよいが、好ましくはn=2に設定されている。すなわち、本実施の形態において、このサークリップ18は、自由状態で2巻きの螺旋状(コイル状)となっている。このサークリップ18は、例えば線状のばね鋼などのコイル材Cを図示しない金型に巻き付けて変形(塑性変形)させ、プレス加工などにより切断することで形成される。したがって、このサークリップ18は、一端領域41と、他端領域42と、これら一端領域41と他端領域42とを連結する中間領域43とを一体に備えている。
一端領域41及び他端領域42は、それぞれ少なくともダストカバー17(図4)をハウジング16(図4)に対して締め付け固定した状態、すなわち装着状態で、中間領域43に対して曲率半径が小さい小径部である。すなわち、本実施の形態において、一端領域41は、装着状態で中心点P1を中心とする一定(略一定も含む)の半径R1の円弧状の線状体部分であり、他端領域42は、装着状態で中心点P1と異なる中心点P2を中心とする一定(略一定も含む)の半径R2の円弧状の線状体部分である。半径R1と半径R2とは異なっていてもよいし、同一(略同一も含む)でもよい。これら一端領域41及び他端領域42は、それぞれ所定の角度範囲に亘っている。本実施の形態において、一端領域41及び他端領域42は、例えば中心点P1,P2を中心として180°未満の角度範囲に亘っている。このため、サークリップ18の両端部となる一端領域41及び他端領域42の中間領域43に対してそれぞれ反対側の端部(端面)である一端領域41の端部45及び他端領域42の端部46は、それぞれダストカバー17(図4)をハウジング16(図4)に対して締め付け固定した状態(装着状態)で中間領域43の少なくとも軸直方向(径方向)外側よりも内側に入り込むようになっている。さらに、端部45,46の少なくとも一部、本実施の形態においては全部が、中間領域43の軸直方向(径方向)内側よりも内側に入り込むようになっている。すなわち、これら端部45,46は、中間領域43に対して内方に位置している。
中間領域43は、少なくとも装着状態で一端領域41及び他端領域42に対して曲率半径が大きい大径部である。本実施の形態において、この中間領域43は、装着状態で中心点P1,P2と異なる中心点P3(P3≠P1,P2)を中心とする、半径R1,R2より大きい一定(略一定も含む)の半径R3(R3>R1,R2)の円環状の線状体部分である。本実施の形態では、サークリップ18が取り付けられるダストカバー17のハウジング側固定部33(図4)の外径寸法、より詳細には装着溝33a(図4)の径寸法が半径R3である。したがって、中間領域43と一端領域41及び他端領域42とは、それぞれ変曲点を介して連結されている。また、この中間領域43は、サークリップ18の巻数nが自由状態で2巻きである場合、例えば自由状態で1.5巻きの長さを有する螺旋部(渦巻部)である。また、この中間領域43は、中心点P3を中心として180°以上の角度範囲に亘っている。なお、この中間領域43は、自由状態では一端領域41及び他端領域42よりも曲率半径が小さくてもよい。このようにすることで、サークリップ18の自由状態で一端領域41及び他端領域42が中間領域43よりも外側に突出するので(図1(a))、中間領域43を拡径しやすくなるとともに、サークリップ18の装着状態でダストカバー17(図4)を充分に締め付けることができる。
そして、一端領域41と他端領域42とは、例えば中心点P3を含みサークリップ18の軸方向に沿う仮想平面を挟んで互いに対称(略対称も含む)に配置されている。また、一端領域41と他端領域42とは、サークリップ18の軸方向にて中間領域43に対して互いに反対側に位置している。すなわち、一端領域41と他端領域42との一方がサークリップ18の上端に位置し、他方がサークリップ18の下端に位置している。本実施の形態では、例えば一端領域41がサークリップ18の上端に位置し、他端領域42がサークリップ18の下端に位置している。また、一端領域41と他端領域42とは、自由状態で軸方向に見て互いに交差して位置し、装着状態で互いに離れて位置する。この装着状態での一端領域41(端部45)と他端領域42(端部46)との間の距離(開き量)Dは、好ましくは5mm〜15mmとなっている。このように設定することで、端部45,46がダストカバー17(図4)に対して過剰に食い込むことがない。また、これら一端領域41の中心点P1及び他端領域42の中心点P2は、中心点P3と、中間領域43と一端領域41及び他端領域42との変曲点とを結んだ直線上に位置している。このため、一端領域41及び他端領域42と、中間領域43とは、それぞれ変曲点における接線が一致するように構成されている。換言すれば、中間領域43に対して、一端領域41及び他端領域42は、滑らかに連続する。
また、一端領域41の端部45及び他端領域42の端部46には、少なくともサークリップ18のダストカバー17(図4)に対向する径方向内側部すなわち内周側(中心軸側)に、図2に示す曲面状の曲面部48が形成されている。すなわち、この曲面部48は、サークリップ18をダストカバー17(図4)に装着する際にこのダストカバー17(図4)と対向する側に位置している。したがって、この曲面部48は、いわば端部45,46の内周側の角部を落とすように形成されている。この曲面部48は、端部45,46からサークリップ18の内周側に向かって滑らかに連続するように形成されている。
さらに、サークリップ18は、一端領域41、他端領域42、及び、中間領域43の全域において、例えば同一(略同一も含む)の断面形状を有している。ここで、断面とは、サークリップ18の線方向に対して直交する断面であり、具体的にはサークリップ18の軸方向に沿う平面による断面である。このサークリップ18の各所の断面は、例えば四角形状であり、好ましくは、図3に示すように、軸直方向(径方向)に長い長方形状である。このサークリップ18の断面長手方向の寸法L1は、例えば1.8mm〜2.0mmに設定されている。また、このサークリップ18の断面短手方向の寸法L2は、例えば0.8mm〜1.0mmに設定されている。
また、図1(a)に戻って、サークリップ18は、自由状態での一端領域41及び他端領域42と中間領域43との間隙G1,G2が、それぞれサークリップ18の幅寸法よりも小さく設定されている。ここで、サークリップ18の幅寸法とは、縦断面で見て軸直方向(径方向)の最小寸法、もしくは、軸方向の最小寸法である。すなわち、本実施の形態において、サークリップ18の幅寸法は、断面長手方向の寸法L1(図3)、もしくは、断面短手方向の寸法L2(図3)と中間領域43の巻数nとの積である。すなわち、G1,G2<L1、もしくは/及び、G1,G2<L2・nである。例えば、間隙G1,G2は、寸法L1(図3)と、寸法L2(図3)と巻数nとの積との小さい方(大きくない方)よりも小さければよい(G1,G2<Min{L1,L2・n})。なお、間隙G1と間隙G2とは異なっていてもよいし、同一(略同一も含む)でもよい。
次に、上記第1の実施の形態のボールジョイント11の製造方法について説明する。
まず、ボールスタッド14のボール部21を摺動(回動)可能に保持したボールシート15をハウジング16に内挿し、ハウジング16を適宜かしめ変形などさせることでボールシート15とともにボール部21をハウジング16の内部に抜け止め保持する(組立工程)。
次いで、ボールスタッド14のスタッド部22をダストカバー17に挿通させ、ダストカバー17のハウジング側固定部33をハウジング16のカバー固定溝25に嵌着するとともに、このダストカバー17のスタッド側固定部32をボールスタッド14のスタッド部22の外周面に固定する(カバー嵌着工程)。
そして、図示しない冶具などを用いてサークリップ18の中間領域43を拡径させ、この拡径させたサークリップ18をダストカバー17のハウジング側固定部33(装着溝33a)に位置合わせした後、拡径を解除することで、サークリップ18が復帰変形し、装着溝33aに嵌着されて、ダストカバー17のハウジング側固定部33をハウジング16(カバー固定溝25)に対して締め付け固定し(装着工程)、ボールジョイント11が完成する。
このとき、上記第1の実施の形態では、一端領域41及び他端領域42の中間領域43に対して反対側の端部45,46が、それぞれダストカバー17をハウジング16に対して締め付け固定した装着状態で中間領域43の少なくとも径方向外側よりも内側に入り込む。このとき、例えば図5に示す比較例のサークリップ18aのように、一端領域41a及び他端領域42aの中間領域43aに対して反対側の端部45a,46aを、装着状態で中間領域43aの径方向外側よりも外側に突出させる場合、この突出した端部45a,46aに対して使用状態でのボールスタッド14の揺動などによってダストカバー17が変形した状態(図4の想像線)で、ダストカバー17の胴体部31の表面が端部45a,46aに対して接触しやすいのに対して、本実施の形態では、ダストカバー17の胴体部31の表面が端部45,46に接触しにくく、これら端部45,46によってダストカバー17を傷付けにくくできる。
具体的に、一端領域41及び他端領域42を、それぞれダストカバー17をハウジング16に対して締め付け固定した状態での中間領域43の最小の曲率半径より小さい曲率半径を有する円弧状とすることで、装着状態で端部45,46を中間領域43の径方向外側よりも内側に容易に入り込ませることができる。
また、ダストカバー17をハウジング16に対して固定するためにサークリップ18を取り付ける際にダストカバー17に対向する一端領域41及び他端領域42の中間領域43に対して反対側の端部45,46のそれぞれの径方向内側を曲面状の曲面部48としているので、このサークリップ18の取り付け時にも端部45,46によってダストカバー17を傷付けにくい。
しかも、サークリップ18は、一旦装着されればダストカバー17に対して基本的に摺動しないので、中間領域43の径方向外側よりも内側に入り込んだ一端領域41及び他端領域42の端部45,46がサークリップ18のダストカバー17に対する摺動によってダストカバー17を傷付けにくい。
さらに、自由状態での一端領域41及び他端領域42と中間領域43との間隙G1,G2が、それぞれ一端領域41、他端領域42及び中間領域43でのサークリップ18の幅寸法より小さいことで、間隙G1,G2に他のサークリップ18が入り込んで絡み合う、いわゆるクリップ絡みが生じなくなる。したがって、ボールジョイント11の製造の際、サークリップ18の取り付け作業時に、このサークリップ18を多数用意しても、上記のようなクリップ絡みが生じないから、絡んだサークリップ18どうしをばらす作業が不要で、製造作業性を向上することができる。
そして、上記のサークリップ18を用いてダストカバー17をハウジング16に固定することで、ダストカバー17の信頼性を向上したボールジョイント11を提供できる。
なお、上記第1の実施の形態において、曲面部48に代えて、図6に示す第2の実施の形態のように、サークリップ18の端部である一端領域41の端部45及び他端領域42の端部46、換言すれば一端領域41及び他端領域42の中間領域43に対してそれぞれ反対側の端部(端面)において、少なくともサークリップ18の径方向内側すなわち内周側(中心軸側)に、中間領域43側、すなわち一端領域41及び他端領域42の基端側に向かって傾斜する傾斜面状のテーパ面部49が形成されていてもよい。この場合にも、サークリップ18の取り付け時に端部45,46によってダストカバー17を傷付けにくい。
また、上記各実施の形態において、図7に示す一参考技術のように、一端領域41及び他端領域42は、端部45,46が、それぞれ装着状態で中間領域43の少なくとも径方向外側よりも内側に入り込めば、中間領域43に対して屈曲するように形成されていてもよい。すなわち、一端領域41及び他端領域42は、中間領域43との変曲点においてこの中間領域43との接線方向が一致していなくてもよいし、円弧状でなくてもよい。
同様に、サークリップ18の装着状態において少なくとも端部45,46の位置の曲率半径が中間領域43の最小の曲率半径よりも小さければ、一端領域41、他端領域42、及び中間領域43に複数の異なる曲率半径が設定されていてもよい。
さらに、例えばサークリップ18の端部45,46を含む一端領域41及び他端領域42を中間領域43よりも細く形成することによって、これら端部45,46をサークリップ18の装着状態で中間領域43の少なくとも径方向外側よりも内側に入り込ませるようにしてもよい。
そして、上記各実施の形態及び一参考技術において、ボールジョイント11は、車両の懸架装置や操舵装置に限らず、また、自動車用のものに限らず、任意の接続箇所に用いることができる。
本発明は、例えば自動車などの車両の懸架装置用や操舵装置用のボールジョイント、及びそのサークリップに好適に用いることができる。
11 ボールジョイント
14 ボール側部材であるボールスタッド
16 受け側部材であるハウジング
17 カバー部材であるダストカバー
18 クリップ部材であるサークリップ
21 ボール部
41 一端領域
42 他端領域
43 中間領域
45,46 端部
G1,G2 間隙

Claims (6)

  1. ボール部を備えたボール側部材と、このボール側部材の前記ボール部を回動可能に受ける受け側部材との間を覆う筒状のカバー部材の一端側を前記受け側部材に対して締め付け固定するクリップ部材であって、
    一端領域と、他端領域と、これら一端領域と他端領域との間を連結する円弧状の中間領域とを備え、
    前記カバー部材を前記受け側部材に対して締め付け固定した状態で、前記一端領域及び前記他端領域は、前記中間領域側からその反対側の端部に向かってそれぞれ径方向内側に徐々に湾曲して前記中間領域に対して軸方向に重なり、かつ、前記端部がそれぞれ前記中間領域の径方向側よりも内側に入り込んでいる
    ことを特徴とするクリップ部材。
  2. 一端領域及び他端領域は、それぞれカバー部材を受け側部材に対して締め付け固定した状態での中間領域の最小の曲率半径より小さい曲率半径を有する円弧状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のクリップ部材。
  3. 一端領域及び他端領域の中間領域に対して反対側の端部は、それぞれ径方向内側が曲面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のクリップ部材。
  4. 一端領域及び他端領域の中間領域に対して反対側の端部は、それぞれ径方向内側が前記中間領域側に向かって傾斜した傾斜面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のクリップ部材。
  5. 自由状態での一端領域及び他端領域と中間領域との間隙が、それぞれ前記一端領域、前記他端領域及び前記中間領域での幅寸法より小さい
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のクリップ部材。
  6. ボール部を備えたボール側部材と、
    前記ボール部を回動可能に受ける受け側部材と、
    これらボール側部材と受け側部材との間を覆う筒状のカバー部材と、
    このカバー部材の一端側を前記受け側部材に対して締め付け固定する請求項1ないし5いずれか一記載のクリップ部材と
    を具備したことを特徴とするボールジョイント。
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