JP6943153B2 - 電極製造用フィルムの剥離装置、及び電極製造用フィルムの剥離方法 - Google Patents

電極製造用フィルムの剥離装置、及び電極製造用フィルムの剥離方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極の製造過程で用いられる電極製造用フィルムとシート状部材との間にリチウムシートが挟まれた層状部材について、シート状部材及びリチウムシートから電極製造用フィルムを剥離する電極製造用フィルムの剥離装置及び電極製造用フィルムの剥離方法に関する。
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。二次電池は、集電体と、集電体の両面に存在する活物質層と、活物質層の表面に存在するドープ層とを有する電極を備える。
このような電極の製造方法は、例えば、長尺帯状の集電体の両面に活物質層を形成する工程と、活物質層が形成された集電体を電極の形状に切断し、電極材料を形成する工程と、電極材料の活物質層の表面にリチウム箔を貼り付けてドープ層を形成する工程とを備える。特許文献1には、層状シートを用いてドープ層を形成する方法が開示されている。層状シートは、電極製造用フィルムとしてのベースフィルムと、ベースフィルムの片面に存在するリチウム箔とを有する。
ドープ層を形成する工程では、層状シートと電極材料とを、リチウム箔と活物質層とが対向するように配置した後、層状シート及び電極材料を加圧する。これにより、リチウム箔における活物質層と対向する部分と電極材料の活物質層の表面との密着性が向上する。その後、電極材料から層状シートのベースフィルムを剥離することで、活物質層の表面にドープ層が形成される。
また、特許文献1には、層状シートの製造方法が開示されている。ベースフィルムとなり得る2枚のフィルムの間にリチウム箔前駆体を挟んだ後、2枚のフィルム及びリチウム箔前駆体を一対の加圧ロールによって加圧することで、リチウム箔前駆体を所望の厚みに圧延してリチウム箔とする。その後、一方のフィルム及びリチウム箔から他方のフィルムを剥離することで、一方のフィルムはベースフィルムとなり、層状シートが完成する。
特開平10−289708号公報
ところで、ドープ層を形成する工程において、電極材料から層状シートのベースフィルムを剥離する際に、ベースフィルムの剥離不良が発生することがある。ベースフィルムの剥離不良とは、リチウム箔において活物質層と対向する部分がベースフィルムとともに電極材料から剥離されることである。この場合、電極材料の活物質層の表面には、リチウム箔が貼り付けられていない部分、すなわちドープ層が形成されない部分が生じてしまう。同様に、層状シートを製造する工程において、一方のフィルム及びリチウム箔から他方のフィルムを剥離する際に、他方のフィルムの剥離不良が発生することがある。他方のフィルムの剥離不良とは、リチウム箔が他方のフィルムとともに一方のフィルムから剥離されることである。この場合、リチウム箔は、部分的に薄くなったり孔が空いたりしてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電極製造用フィルムの剥離不良を抑制できる電極製造用フィルムの剥離装置及び剥離方法を提供することにある。
上記問題点を解決するための電極製造用フィルムの剥離装置は、電極の製造過程で用いられる電極製造用フィルムとシート状部材との間にリチウムシートが挟まれた層状部材について、前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する電極製造用フィルムの剥離装置であって、前記電極製造用フィルムは、フィブリル化され、多孔質構造を有し、前記電極製造用フィルムにおいて前記リチウムシートと対向する第1面とは反対側の第2面に気体を吹き付ける吹付部と、前記吹付部による前記気体の吹き付け後に、前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する剥離部と、を備えることを要旨とする。
これによれば、吹付部により電極製造用フィルムの第2面に吹き付けられた気体は、電極製造用フィルムが有する孔を通過し、電極製造用フィルムの第1面とリチウムシートにおける電極製造用フィルムと対向する面との間に入り込み、リチウムシートから電極製造用フィルムを浮かせるように作用する。このため、剥離部によりリチウムシートから電極製造用フィルムを剥離しやすい状態となる。よって、シート状部材及びリチウムシートから電極製造用フィルムを剥離する際に、リチウムシートが電極製造用フィルムとともにシート状部材から剥離されることが抑制され、電極製造用フィルムの剥離不良を抑制できる。
上記電極製造用フィルムの剥離装置について、前記層状部材を搬送する搬送装置を備え、前記吹付部は、前記搬送装置によって搬送される前記層状部材の前記電極製造用フィルムの下側に配置された円筒状の吹付ロールと、前記吹付ロールの位置を、前記吹付ロールの外周面の頂点部が前記電極製造用フィルムの第2面に接触する吹付位置と、前記吹付位置よりも下側であり、搬送される前記電極製造用フィルムに接触しない待機位置とに制御する制御部と、前記吹付ロールの内部空間に気体を常時供給する気体供給部と、を備え、前記吹付ロールは、内周面により区画された内部空間に前記気体供給部によって気体が供給される円筒状の第1ロールと、内周面が前記第1ロールの外周面と接し、前記第1ロールに対して常時回転する円筒状の第2ロールと、を有し、前記第1ロールは、前記第1ロールを外周面から内周面まで径方向に貫通し、前記第1ロールの内部空間と連通する第1孔部を有し、前記第1孔部は、前記吹付ロールの軸方向に対向する一対の内側面と、前記吹付ロールの周方向に対向する一対の内側面とを有し、前記吹付ロールの周方向に対向する一対の内側面のうち、一方の内側面の外周端辺は前記頂点部に位置し、他方の内側面の外周端辺は前記電極の搬送方向において前記頂点部よりも下流に位置し、前記第2ロールは、前記第2ロールを外周面から内周面まで径方向に貫通する複数の第2孔部を全周に有し、前記複数の第2孔部は、前記第2ロールが常時回転している状態で、前記複数の第2孔部のうち一部の第2孔部が前記第1孔部と常に連通しているように配置され、前記複数の第2孔部のうち前記第1孔部と連通している前記第2孔部の内部空間の体積の合計は、前記第1孔部の内部空間の体積よりも小さいのが好ましい。
これによれば、搬送装置により層状部材を搬送しながら、シート状部材及びリチウムシートから電極製造用フィルムを剥離することができる。また、吹付ロールが電極製造用フィルムの第2面に接触することで、吹付ロールから噴射された気体が電極製造用フィルムの孔を通過せずに吹付ロールの第2ロールの外周面と電極製造用フィルムの第2面との間から漏れ出すことを抑制できる。また、第1ロールの内部空間、第1孔部の内部空間、第1孔部に連通している一部の第2孔部の内部空間の順に段階的に体積が小さくなるため、吹付ロールから噴射される気体の圧力は、最も体積の小さい第2孔部で最も高くなる。このため、シート状部材及びリチウムシートから電極製造用フィルムをより剥離しやすくなる。よって、電極製造用フィルムの剥離不良をより抑制できる。
上記電極製造用フィルムの剥離装置について、前記シート状部材は、集電体と前記集電体の片面又は両面に存在する活物質層とを有する電極材料であり、前記リチウムシートは、リチウム箔であるのが好ましい。
これによれば、リチウム箔における活物質層と対向する部分と電極材料の活物質層とが密着した層状部材について、電極材料から電極製造用フィルムを剥離する際に、リチウム箔における活物質層と対向する部分が電極製造用フィルムとともに電極材料から除去されることが抑制される。よって、電極製造用フィルムの剥離不良を抑制できる。その結果、電極材料の活物質層の表面においてリチウム箔が貼り付けられていない部分が生じることを抑制できる。
上記電極製造用フィルムの剥離装置について、前記シート状部材は、前記電極製造用フィルムと同一のフィルムであり、前記リチウムシートは、リチウム箔前駆体であるのが好ましい。
これによれば、シート状部材と電極製造用フィルムとの間にリチウム箔前駆体を圧延してなるリチウム箔を有する層状部材について、シート状部材及びリチウム箔から電極製造用フィルムを剥離する際に、リチウム箔が電極製造用フィルムとともにシート状部材から剥離されることが抑制される。よって、電極製造用フィルムの剥離不良を抑制できる。その結果、リチウム箔に破れが生じることを抑制できる。
上記問題点を解決するための電極製造用フィルムの剥離方法は、電極の製造過程で用いられる電極製造用フィルムとシート状部材との間にリチウムシートが挟まれた層状部材について、前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する電極製造用フィルムの剥離方法であって、前記電極製造用フィルムは、フィブリル化され、多孔質構造を有し、前記電極製造用フィルムにおいて前記リチウムシートと対向する第1面とは反対側の第2面に気体を吹き付ける吹付工程と、前記吹付工程後に前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する剥離工程と、を備えることを要旨とする。
これによれば、吹付工程において電極製造用フィルムの第2面に吹き付けられた気体は、電極製造用フィルムが有する孔を通過し、電極製造用フィルムの第1面とリチウムシートにおける電極製造用フィルムと対向する面との間に入り込み、リチウムシートから電極製造用フィルムを浮かせるように作用する。このため、リチウムシートから電極製造用フィルムを剥離しやすい状態となる。よって、剥離工程においてシート状部材及びリチウムシートから電極製造用フィルムを剥離する際に、リチウムシートが電極製造用フィルムとともにシート状部材から剥離されることが抑制され、電極製造用フィルムの剥離不良を抑制できる。
本発明によれば、電極製造用フィルムの剥離不良を抑制できる。
実施形態の電極の斜視図。 層状シートの平面図。 (a)は層状シートの製造工程図、(b)はドープ層の形成工程図。 リチウム箔配置工程を示す斜視図。 圧延工程を示す側面図。 圧延後剥離工程を示す側面図。 吹付ロールの斜視図。 (a),(b)は吹付ロールの側面図。 (a)は電極材料配置工程を示す平面図、(b)は電極材料配置工程を示す側面図。 加圧工程を示す側面図。 加圧後剥離工程を示す側面図。 剥離工程後の層状シート及び電極を示す斜視図。
以下、電極製造用フィルムの剥離装置及び剥離方法を具体化した一実施形態を図1〜図12にしたがって説明する。
電極製造用フィルムは、蓄電装置としての二次電池が備える電極の製造過程で用いられる。二次電池は、図示しないが、外観が角型をなす角型電池であり、リチウムイオン二次電池である。この二次電池は、ケース内に電極組立体を備える。電極組立体は、複数の正極電極と複数の負極電極とを備える。電極組立体は、正極電極と負極電極とが両者の間をセパレータで絶縁した状態で交互に積層されて構成されている。本実施形態では、電極製造用フィルムは、負極電極の製造に使用されるものとする。
図1に示すように、負極電極10は、矩形シート状の集電体11と、集電体11の両面に存在する活物質層12と、活物質層12の表面全体を覆うドープ層15とを備える。集電体11は、銅箔である。活物質層12は、活物質、導電材、及びバインダを含む。集電体11の一方の面に存在する活物質層12を第1活物質層12aとし、集電体11の他方の面に存在する活物質層12を第2活物質層12bとする。負極電極10は、その一辺に沿って活物質層12が存在せず、集電体11が露出した未塗工部13を有する。そして、負極電極10において、未塗工部13の一部には、負極タブ14が突出する状態に存在する。
次に、負極電極10の製造方法について説明する。負極電極10の製造方法は、長尺帯状の集電体11の両面に活物質層12を形成する工程と、活物質層12が形成された集電体11を負極電極10の形状に切断し、図9(a)及び図9(b)に示す電極材料16を形成する工程とを備える。また、負極電極10の製造方法は、電極材料16の活物質層12の表面にリチウム箔を貼り付けてドープ層15を形成する工程を備える。ドープ層15を形成する工程には、層状シートが用いられる。
図2に示すように、層状シート20は、矩形シート状の電極製造用フィルムとしてのベースフィルム21と、ベースフィルム21の片面に存在する矩形シート状のリチウム箔22とを備える。本実施形態のリチウム箔22の厚みは5μmであり、活物質層12の表面に貼り付けられるリチウム箔22の厚みとして要求される1〜20μmを満たす。リチウム箔22の長手方向の寸法は、電極材料16の長手方向の寸法よりも大きく、ベースフィルム21の長手方向の寸法よりも小さい。また、リチウム箔22の短手方向の寸法は、電極材料16の短手方向の寸法よりも大きく、ベースフィルム21の短手方向の寸法よりも小さい。
次に、層状シート20の製造方法について説明する。層状シート20の製造工程は、負極電極10の製造工程の一部である。
図3(a)に示すように、層状シート20の製造方法は、リチウム箔配置工程と、圧延工程と、圧延後剥離工程とを有する。本実施形態の電極製造用フィルムの剥離装置及び剥離方法は、圧延後剥離工程に用いられる。
図4に示すように、リチウム箔配置工程は、矩形状のシート状部材としての第1フィルム31と矩形状の電極製造用フィルムとしての第2フィルム32との間に、矩形状のリチウムシートとしてのリチウム箔前駆体23を挟んだ状態となるように、第1フィルム31、第2フィルム32、及びリチウム箔前駆体23を配置する工程である。第1フィルム31及び第2フィルム32は、同じフィルムであり、後にベースフィルム21となり得る。リチウム箔前駆体23は、後にリチウム箔22となり得る。
リチウム箔前駆体23において、第1フィルム31と対向する面を第1面23aとし、第2フィルム32と対向する面を第2面23bとする。また、第1フィルム31において、リチウム箔前駆体23と対向する面を第1面31aとし、第1フィルム31の厚さ方向で第1面31aと反対側の面を第2面31bとする。同様に、第2フィルム32において、リチウム箔前駆体23と対向する面を第1面32aとし、第2フィルム32の厚さ方向で第1面32aと反対側の面を第2面32bとする。
第1フィルム31及び第2フィルム32は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製である。ePTFEは、フィブリル化されている。フィブリル化されているとは、点状のノードがフィブリルによって結ばれた状態であり、複数のボイドを含む多孔質構造を有する。よって、気体は第1フィルム31及び第2フィルム32を通過できる。なお、リチウム箔22には孔が空いていないため、気体はリチウム箔22を通過し難い。本実施形態のリチウム箔前駆体23の厚みは20μmである。リチウム箔前駆体23の長手方向及び短手方向はそれぞれ、第1フィルム31及び第2フィルム32の長手方向及び短手方向と一致する。第1フィルム31、第2フィルム32、及び第1フィルム31と第2フィルム32の間に挟まれたリチウム箔前駆体23をまとめて、層状部材としての被加圧部材W1とする。
図5に示すように、圧延工程は、被加圧部材W1を加圧し、リチウム箔前駆体23を圧延する工程である。圧延工程には、被加圧部材W1を加圧する加圧装置51と、被加圧部材W1を搬送する搬送装置52とが用いられる。加圧装置51は、一対の加圧ロール51a,51bを備える。一対の加圧ロール51a,51bは、図示しないモータによって回転する。一対の加圧ロール51a,51bは、上下方向に対をなす。一方の加圧ロール51aは、他方の加圧ロール51bよりも上側に配置される。一方の加圧ロール51aの回転方向は、他方の加圧ロール51bの回転方向と逆方向である。一対の加圧ロール51a,51bによって挟まれた領域を圧延領域A1aとする。搬送装置52は、加圧装置51よりも搬送方向の上流に配置された第1搬送部52aと、加圧装置51よりも搬送方向の下流に配置された第2搬送部52bとを備える。第1搬送部52a及び第2搬送部52bは、例えば、ベルトコンベアである。被加圧部材W1の長手方向は、搬送方向に沿っている。また、被加圧部材W1は、第1フィルム31の第2面31bが上側、第2フィルム32の第2面32bが下側となるように搬送される。
被加圧部材W1は、第1搬送部52aによって圧延領域A1aまで搬送され、一対の加圧ロール51a,51b間を通過する。このとき、リチウム箔前駆体23は、一対の加圧ロール51a,51bによって厚さ方向に押圧される。これにより、リチウム箔前駆体23は、圧延されて5μmの厚みまで薄くなり、リチウム箔22となる。リチウム箔前駆体23の圧延が行われる方向は、被加圧部材W1の長手方向に沿っている。加圧装置51が被加圧部材W1に与える荷重は、リチウム箔前駆体23を所望の厚み(本実施形態では5μm)まで薄くできる大きさに設定されている。被加圧部材W1は、第2搬送部52bによって圧延後剥離工程に搬送される。なお、リチウム箔22はリチウム箔前駆体23であったことから、リチウム箔22において第1フィルム31と対向する第1面22aは、リチウム箔前駆体23の第1面23aと同一の面である。同様に、リチウム箔22において、リチウム箔22の厚さ方向で第1面22aと反対側の第2面22bは、リチウム箔前駆体23の第2面23bと同一の面である。
図6に示すように、圧延後剥離工程は、被加圧部材W1を搬送しながら、リチウム箔22及び第1フィルム31から、第2フィルム32を剥離する工程である。圧延後剥離工程には、剥離装置60が用いられる。圧延後剥離工程は、被加圧部材W1の第2フィルム32の第2面32bに気体(本実施形態では空気)を吹き付ける吹付工程と、リチウム箔22及び第1フィルム31から第2フィルム32を剥離する剥離工程とを備える。
剥離装置60は、搬送装置としての吸着搬送コンベア53を備える。吸着搬送コンベア53は、第2搬送部52bよりも搬送方向の下流に配置される。吸着搬送コンベア53は、被加圧部材W1を吸着して搬送する第1吸着搬送コンベア53aと、圧延後剥離工程によって得られた層状シート20を吸着して搬送する第2吸着搬送コンベア53bとを備える。第1吸着搬送コンベア53aは、上下方向において被加圧部材W1の上側に配置される。第1吸着搬送コンベア53aは、被加圧部材W1の上面、すなわち第1フィルム31の第2面31bを吸着して搬送する。第1吸着搬送コンベア53aの搬送方向の上流側の端部は、第2搬送部52bの搬送方向の下流側の端部と上下方向に重なる。第2吸着搬送コンベア53bは、搬送方向において第1吸着搬送コンベア53aよりも下流、かつ上下方向において層状シート20の上側に配置される。第2吸着搬送コンベア53bは、層状シート20の上面となる第1フィルム31の第2面31bを吸着して搬送する。搬送方向における第1吸着搬送コンベア53aと第2吸着搬送コンベア53bとの間隔は、被加圧部材W1の長手方向の寸法よりも小さい。搬送方向における第1吸着搬送コンベア53aと第2吸着搬送コンベア53bとの間の領域を剥離領域A2とする。
吹付工程は、剥離装置60の吹付部61によって行われる。吹付部61は、円筒状の吹付ロール62と、吹付ロール62の位置を制御する制御部63と、吹付ロール62の内部空間に気体を常時供給する気体供給部64とを備える。
吹付ロール62は、搬送方向において第1吸着搬送コンベア53aと第2吸着搬送コンベア53bとの間に配置されるとともに、剥離領域A2において被加圧部材W1の下側に配置される。吹付ロール62の軸方向は、被加圧部材W1の短手方向と一致する。
図7、図8(a)、及び図8(b)に示すように、吹付ロール62は、回転しない円筒状の第1ロール65と、第1ロール65の外周に位置し、第1ロール65に対して常時回転する円筒状の第2ロール66とを備える。第2ロール66の内周面66cは、第1ロール65の外周面65bと接する。第2ロール66の外周面66bにおいて上下方向の最も上側に位置する部分を頂点部Pとする。吹付ロール62は、図7及び図8(a)に示すように、第2ロール66の頂点部Pが被加圧部材W1の下面、すなわち第2フィルム32の第2面32bに接触し、第2面32bに気体を吹き付ける吹付位置と、図8(b)に示すように、吹付位置よりも下側であり、搬送される被加圧部材W1に接触しない待機位置とで上下方向に移動可能である。
制御部63は、被加圧部材W1が剥離領域A2まで搬送されていないとき、吹付ロール62を待機位置に位置させる。制御部63は、図示しない検出部に信号接続されている。検出部は、被加圧部材W1が剥離領域A2まで搬送されたか否かを検出する。検出部は、被加圧部材W1が剥離領域A2まで搬送されたことを検出すると、制御部63に信号を送信する。制御部63は、検出部から信号を受信すると、被加圧部材W1が剥離領域A2まで搬送された時点で吹付ロール62が吹付位置に位置するように吹付ロール62を待機位置から吹付位置に上昇させる。
第1ロール65の軸方向の両端には、気体供給部64が接続されている。気体供給部64は、第1ロール65の内周面65cにより区画された内部空間S65に気体を常時供給する。第1ロール65は、第1ロール65を外周面65bから内周面65cまで径方向に貫通し、第1ロール65の内部空間S65と連通する第1孔部65aを有する。第1ロール65の軸方向における第1孔部65aの寸法は、第2フィルム32の短手方向の寸法とほぼ同じである。第1孔部65aは、第1ロール65の軸方向の中央に存在する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、第1孔部65aは、第1ロール65の周方向に対向する一対の内側面B1,B2を有する。一方の内側面B1において第1ロール65の外周面65b側に存在する外周端辺B1aは、頂点部Pに位置し、他方の内側面B2において第1ロール65の外周面65b側に存在する外周端辺B2aは、搬送方向において頂点部Pよりも下流に位置する。第1孔部65aの一対の内側面B1,B2によって形成される角度α(以下、第1孔部65aの角度αという)は、本実施形態では20度である。なお、角度αは、10〜45度の範囲で適宜変更してよく、10〜30度であるのが好ましい。また、図7に示すように、第1孔部65aは、第1ロール65の軸方向に対向する一対の内側面C1,C2を有する。内側面B1,B2,C1,C2によって囲まれる空間を第1孔部65aの内部空間S65aとする。内部空間S65aの体積は、第1ロール65の内部空間S65の体積よりも小さい。
第2ロール66は、図示しないモータによって回転される。第2ロール66は、上下方向の上側部分が搬送方向の上流から下流に向かう方向に回転する。第2ロール66の回転によって被加圧部材W1を搬送方向に送り出す速度を送り出し速度とする。第2ロール66の回転速度は、送り出し速度が吸着搬送コンベア53による被加圧部材W1の搬送速度と一致するように設定されている。
第2ロール66は、第2ロール66を外周面66bから内周面66cまで径方向に貫通する複数の第2孔部66aを全周に有する。第2ロール66の周方向に沿った第2孔部66aの断面形状は、円形状である。各第2孔部66aの内部空間S66aの体積は、第1孔部65aの内部空間S65aの体積よりも小さい。本実施形態の第2孔部66aは、第2ロール66の軸方向、すなわち被加圧部材W1の短手方向に5つ配置されている。第2ロール66の軸方向に並ぶ5つの第2孔部66aのうち、最外に位置する第2孔部66aの外縁同士の距離は、第2フィルム32の短手方向の寸法とほぼ同じである。よって、第2ロール66の軸方向に並ぶ5つの第2孔部66aは、第2フィルム32と対向する。
また、図8(a)及び図8(b)に示すように、吹付ロール62(第2ロール66)の周方向において、隣り合う第2孔部66aの中心軸Lの間に形成される角度βは、第1ロール65の第1孔部65aの角度αよりも小さい。このため、第2ロール66の回転角度に依らず、常に一部(本実施形態では第2ロール66の周方向に2個、軸方向に5個の計10個)の第2孔部66aが第1ロール65の第1孔部65aと周方向に重なる。つまり、第2ロール66が常時回転している状態で、複数の第2孔部66aのうち一部の第2孔部66aが第1孔部65aの内部空間S65aと径方向に常に連通している。複数の第2孔部66aのうち第1孔部65aと連通している一部の第2孔部66aの内部空間S66aの体積の合計は、第1孔部65aの内部空間S65aの体積よりも小さい。
第1ロール65の内部空間S65は、第1孔部65aの内部空間S65a、及び第1孔部65aに重なる第2ロール66の第2孔部66aの内部空間S66aによって、吹付ロール62の外部に連通する。上述したように、各内部空間S65,S65a,S66aの体積は、第1ロール65の内部空間S65、第1孔部65aの内部空間S65a、第1孔部65aに連通している一部の第2孔部66aの内部空間S66aの順に段階的に小さくなる。このため、気体供給部64により第1ロール65の内部空間S65に気体が供給されると、各内部空間S65,S65a,S66aにおける気体の圧力は、第1ロール65の内部空間S65、第1孔部65aの内部空間S65a、第1孔部65aに連通している一部の第2孔部66aの内部空間S66aの順に段階的に高くなる。よって、吹付ロール62は、第1ロール65の第1孔部65aと周方向に重なる第2ロール66の第2孔部66aから第2フィルム32の第2面32bに向けて、圧力が最も高くなった状態の気体を噴射する。なお、吹付ロール62が上述の待機位置にあるとき、第2ロール66の第2孔部66aから噴射された気体は、被加圧部材W1(第2フィルム32の第2面32b)まで到達せず、第2フィルム32の第2面32bに吹き付けられない。
図6に示すように、剥離工程は、剥離装置60の剥離部67によって行われる。剥離部67は、搬送方向において吹付ロール62よりも下流、かつ上下方向において被加圧部材W1の下側に配置される。本実施形態の剥離部67は、ロボットアームである。
図8(a)に示すように、吸着搬送コンベア53による被加圧部材W1の搬送を開始する前、待機位置に位置する吹付ロール62の第2ロール66は回転しているとともに、気体供給部64によって、各内部空間S65,S65a,S66aの内部に気体が供給されている。このため、気体は、角度αの範囲で第2孔部66aから吹付ロール62の外部に噴射されている。
吸着搬送コンベア53による搬送を開始する。第1吸着搬送コンベア53aには、第2搬送部52bから搬送された被加圧部材W1が受け渡される。第1吸着搬送コンベア53aは、被加圧部材W1の上面を吸着しつつ搬送方向の下流へ搬送する。
そして、被加圧部材W1が剥離領域A2まで搬送されたことを検出部が検出すると、検出部は制御部63に信号を送信する。制御部63は、検出部から信号を受信すると、図8(b)に示すように、吹付ロール62を待機位置から吹付位置に上昇させる。吹付ロール62は、被加圧部材W1が剥離領域A2まで搬送された時点で吹付位置に位置する。すると、第2孔部66aから噴射された気体は、被加圧部材W1の第2フィルム32に吹き付けられ、第2フィルム32が有する孔を通過して、第2フィルム32の第1面32aとリチウム箔22の第2面22bとの間に入り込む。気体は、リチウム箔を通過し難いため、リチウム箔22から第2フィルム32を浮かせるように作用する。これにより、第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32を剥離しやすい状態となる。また、第2ロール66が回転することで、被加圧部材W1は搬送方向の下流に搬送される。その後、第2ロール66が更に回転すると、被加圧部材W1と対向している第2孔部66aは、角度αの範囲から外れる。
剥離工程では、剥離部67は、第2フィルム32の搬送方向の下流側の端部を把持する。一方、第2吸着搬送コンベア53bは、第1フィルム31及びリチウム箔22を搬送方向の下流側に搬送する。このため、第2フィルム32は、第1フィルム31及びリチウム箔22から剥離される。
図6に示すように、圧延後剥離工程により第2フィルム32が剥離されると、第1フィルム31がベースフィルム21になる。これにより、ベースフィルム21と、ベースフィルム21の片面に存在するリチウム箔22とを有する層状シート20が完成する。なお、ベースフィルム21は、第1フィルム31であったことから複数のボイドを含む多孔質構造を有する。また、ベースフィルム21において、リチウム箔22と対向する第1面21aは、第1フィルム31の第1面31aと同一の面であり、ベースフィルム21において、ベースフィルム21の厚さ方向で第1面21aと反対側の第2面21bは、第1フィルム31の第2面31bと同一の面である。
第2吸着搬送コンベア53bは、層状シート20の上面、すなわちベースフィルム21の第2面21bを吸着しつつ搬送方向の下流へ搬送する。なお、制御部63は、第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32が剥離された後、吹付ロール62を待機位置に下降させる。
次に、層状シート20を用いて、電極材料16の活物質層12の表面にドープ層15を形成する工程について説明する。第1活物質層12aの表面にドープ層15を形成する場合を説明するが、第1活物質層12aの表面にドープ層15を形成した後、第2活物質層12bについても同様にドープ層15を形成する。
図3(b)に示すように、ドープ層15を形成する工程は、電極材料配置工程、加圧工程、及び加圧後剥離工程を含む。本実施形態の電極製造用フィルムの剥離装置及び剥離方法は、圧延後剥離工程に用いられる。
図9(a)及び図9(b)に示すように、電極材料配置工程は、シート状部材としての電極材料16と電極製造用フィルムとしてのベースフィルム21の間に、リチウムシートとしてのリチウム箔22を挟んだ状態となるように、層状シート20及び電極材料16を配置する工程である。すなわち、層状シート20と電極材料16とを、リチウム箔22の第2面22bと第1活物質層12aの表面とが対向するように重ねて配置する。このとき、電極材料16は、第1活物質層12aの全面がリチウム箔22の第2面22bと対向するように配置される。また、電極材料16の長手方向及び短手方向は、層状シート20の長手方向及び短手方向と一致する。
リチウム箔22において、第1活物質層12aと対向する部分を対向部22cとし、第1活物質層12aと対向しない部分を余剰部22dとする。また、層状シート20、及び層状シート20のリチウム箔22に重ねられた電極材料16をまとめて、層状部材としての電極複合体W2とする。
図10に示すように、加圧工程は、電極複合体W2を加圧する工程である。加圧工程には、電極複合体W2を加圧する加圧装置71と、電極複合体W2を搬送する搬送装置72とが用いられる。加圧装置71は、一対の加圧ロール71a,71bを備える。一対の加圧ロール71a,71bは、図示しないモータによって回転する。一対の加圧ロール71a,71bは、上下方向に対をなす。一方の加圧ロール71aは、他方の加圧ロール71bよりも上側に配置される。一方の加圧ロール71aの回転方向は、他方の加圧ロール71bの回転方向と逆方向である。一対の加圧ロール71a,71bによって挟まれた領域を加圧領域A1bとする。搬送装置72は、加圧装置71よりも搬送方向の上流に配置された第1搬送部72aと、加圧装置71よりも搬送方向の下流に配置された第2搬送部72bとを備える。第1搬送部72a及び第2搬送部72bは、例えば、ベルトコンベアである。電極複合体W2の長手方向は、搬送方向に沿っている。また、電極複合体W2は、電極材料16の第2活物質層12bが上側、ベースフィルム21の第2面21bが下側になるように搬送される。
電極複合体W2は、第1搬送部72aによって加圧領域A1bまで搬送され、一対の加圧ロール71a,71b間を通過する。このとき、層状シート20のリチウム箔22は、一対の加圧ロール71a,71bによって、電極材料16の第1活物質層12aに対して押圧される。これにより、電極材料16の第1活物質層12aの表面と層状シート20のリチウム箔22の対向部22cとの密着性が向上する。加圧装置71が電極複合体W2に与える荷重は、第1活物質層12aの表面とリチウム箔22の対向部22cとの密着性が向上し、かつ第1及び第2活物質層12a,12bが破損しない程度の大きさに設定されている。電極複合体W2は、第2搬送部72bによって後工程(加圧後剥離工程)に搬送される。
図11に示すように、加圧後剥離工程は、電極複合体W2を搬送しながら、電極材料16から層状シート20のベースフィルム21を剥離する工程である。なお、加圧後剥離工程には、上述の圧延後剥離工程に用いられる剥離装置60と同じものを用いることができる。よって、剥離装置60の詳細な説明については、「圧延工程」を「加圧工程」に、「被加圧部材W1」を「電極複合体W2」に、「リチウム箔22」を「第1活物質層12a」に、「第2フィルム32」を「ベースフィルム21」に読み換えることで省略する。
加圧後剥離工程では、吹付ロール62は、電極複合体W2が剥離領域A2まで搬送された時点で吹付位置に位置する。すると、第2孔部66aから吹付ロール62の外部に噴射された気体は、電極複合体W2のベースフィルム21の第2面21bに吹き付けられる。吹き付けられた気体は、ベースフィルム21が有する孔を通過するとともにリチウム箔22の第1面21aに吹き付けられ、ベースフィルム21の第1面21aとリチウム箔22の第1面22aとの間に入り込み、リチウム箔22からベースフィルム21を浮かせるように作用する。これにより、リチウム箔22の対向部22cの第1面22aからベースフィルム21を剥離しやすい状態となる。また、第2ロール66が回転することで、電極複合体W2は搬送方向の下流に搬送される。その後、第2ロール66が更に回転すると、電極複合体W2と対向している第2孔部66aは、角度αの範囲から外れる。
剥離工程では、剥離部67は、ベースフィルム21の搬送方向の下流側の端部を把持する。一方、第2吸着搬送コンベア53bは、電極材料16を搬送方向の下流側に搬送する。このため、ベースフィルム21は、電極材料16から剥離される。
図12に示すように、剥離工程では、ベースフィルム21とともにリチウム箔22の余剰部22dが電極材料16から除去される。これにより、電極材料16の第1活物質層12aの表面にリチウム箔22の対向部22cが貼り付けられたドープ層15が形成される。
第2吸着搬送コンベア53bは、負極電極10のドープ層15を吸着しつつ、負極電極10を搬送方向の下流へ搬送する。なお、制御部63は、電極材料16からベースフィルム21が剥離された後、吹付ロール62を待機位置に下降させる。
次に、本実施形態の効果を作用とともに記載する。
(1)層状シート20は、第1フィルム31及び第2フィルム32によって挟まれたリチウム箔前駆体23を加圧してリチウム箔22とした後、第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32が剥離されることで製造される。第1フィルム31及び第2フィルム32は、フィブリル化され、多孔質構造を有する。また、吹付部61の吹付ロール62は、第2フィルム32の第2面32bに気体を吹き付ける。吹き付けられた気体は、第2フィルム32が有する孔を通過し、第2フィルム32の第1面32aとリチウム箔22の第2面22bとの間に入り込み、リチウム箔22から第2フィルム32を浮かせるように作用する。これにより、リチウム箔22の第2面22bから第2フィルム32を剥離しやすい状態となる。よって、剥離部67により第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32が剥離される際に、第2フィルム32とともにリチウム箔22が第1フィルム31から剥離されることが抑制され、第2フィルム32の剥離不良を抑制できる。その結果、リチウム箔22に破れが生じることを抑制できる。
また、負極電極10のドープ層15は、層状シート20及び電極材料16を加圧して層状シート20のリチウム箔22と電極材料16の活物質層12との密着性を向上させた後、電極材料16から層状シート20のベースフィルム21が剥離されることで製造される。層状シート20のベースフィルム21は、フィブリル化され、多孔質構造を有する。また、吹付部61の吹付ロール62は、ベースフィルム21の第2面21bに気体を吹き付ける。吹き付けられた気体は、ベースフィルム21が有する孔を通過し、ベースフィルム21の第1面21aとリチウム箔22の第1面22aとの間に入り込み、リチウム箔22の対向部22cからベースフィルム21を浮かせるように作用する。これにより、リチウム箔22の対向部22cからベースフィルム21を剥離しやすい状態となる。よって、剥離部67により電極材料16からベースフィルム21が剥離される際に、ベースフィルム21とともにリチウム箔22の対向部22cが活物質層12から剥離されることが抑制され、ベースフィルム21の剥離不良を抑制できる。その結果、電極材料16の活物質層12の表面においてリチウム箔22が貼り付けられていない部分、すなわちドープ層15が形成されない部分が生じることを抑制できる。
(2)吸着搬送コンベア53及び吹付ロール62の回転により、被加圧部材W1を搬送しながら、第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32を剥離することができる。また、吹付ロール62が第2フィルム32の第2面32bに接触することで、吹付ロール62から噴射された気体が第2フィルム32の孔を通過せずに吹付ロール62の第2ロール66の外周面66bと第2フィルム32の第2面32bとの間から漏れ出すことを抑制できる。また、吹付ロール62では、第1ロール65の内部空間S65、第1孔部65aの内部空間S65a、第1孔部65aに連通している一部の第2孔部66aの内部空間S66aの順に段階的に体積が小さくなるため、吹付ロール62から噴射される気体の圧力は、最も体積の小さい第2孔部66aで最も高くなる。このため、第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32をより剥離しやすくなる。よって、第2フィルム32の剥離不良をより抑制できる。ドープ層15の形成工程における加圧後剥離工程でも同様の効果が得られる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 活物質層12及びドープ層15は、集電体11の片面に設けられていてもよい。
○ 未塗工部13は、負極タブ14のみから構成されていてもよい。
○ 集電体11の両面又は片面に存在する活物質層12の表面にドープ層15を形成した後で、負極電極10の形状に切断してもよい。この場合、長尺帯状の層状シート20を用いる。
○ 上記実施形態の層状シート20は、1枚のベースフィルム21と1枚のリチウム箔22とから構成されていたが、1枚のベースフィルム21と複数枚のリチウム箔22とから構成されていてもよい。この場合、ベースフィルム21の片面に全てのリチウム箔22が存在する。
○ 上記実施形態では、1枚の層状シート20を用いて1枚の負極電極10の片面にドープ層15を形成したが、1枚の層状シート20を用いて2枚以上の負極電極10の片面にドープ層15を形成してもよい。この場合、リチウム箔22の長手方向の寸法は、電極材料16の枚数分の長手方向の寸法よりも大きいものとする。
○ 第1フィルム31及び第2フィルム32の材料は、ePTFEに限定されない。例えば、ビニルポリマー、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、フルオロポリマー、PTFE縮合ポリマー、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリウレア、セルロース、セルロース誘導体、多糖類、ペクチンポリマー及び誘導体、アルギンポリマー及び誘導体、キチン及び誘導体、フェノール樹脂、アルデヒドポリマー、ポリシロキサン、それらの誘導体、コポリマー及びそれらをブレンドし展伸したものでもよい。
○ 圧延工程では、被加圧部材W1に対して加圧装置51を移動させてもよい。
○ リチウム箔前駆体23が圧延される方向は、被加圧部材W1の短手方向に沿う方向でもよい。
○ 加圧工程では、電極複合体W2に対して加圧装置71を移動させてもよい。
○ 電極複合体W2が加圧される方向は、電極複合体W2の短手方向に沿う方向でもよい。
○ 上記実施形態では、第1活物質層12aについて加圧工程及び加圧後剥離工程を行い、その後、第2活物質層12bについて加圧工程及び加圧後剥離工程を行っていたが、加圧工程及び加圧後剥離工程の順序はこれに限定されない。例えば、第1及び第2活物質層12a,12bについて同時に加圧工程を行った後、第1活物質層12aについて加圧後剥離工程を行い、その後、第2活物質層12bについて加圧後剥離工程を行ってもよい。
○ 上記実施形態では、電極複合体W2を搬送しながら吹付工程及び剥離工程を行ったが、電極複合体W2を搬送せずに吹付工程及び剥離工程を行ってもよい。
○ 吹付工程において吹付ロール62が噴射する気体は、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよい。
○ 吹付ロール62の第2ロール66における第2孔部66aの配置態様は、適宜変更してよい。例えば、第2孔部66aは、第2ロール66の外周面66bにおいて千鳥状に配置されてもよい。
○ 吹付部61(吹付ロール62)の構成は適宜変更してよい。例えば、吹付部61は、剥離領域A2において被加圧部材W1(電極複合体W2)の下側に固定配置された送風装置でもよい。この場合、被加圧部材W1(電極複合体W2)が剥離領域A2まで搬送されてきたときに気体を噴射するように吹付部61を制御してもよい。
○ 剥離部67の構成は適宜変更してよい。例えば、剥離部67は、第2フィルム32の第2面32bにおける搬送方向の下流側の端部を吸着して、第1フィルム31及びリチウム箔22から第2フィルム32を剥離してもよい。同様に、剥離部67は、ベースフィルム21の第2面21bにおける搬送方向の下流側の端部を吸着して、電極材料16からベースフィルム21を剥離してもよい。
○ 二次電池は、リチウムイオン二次電池以外の他の二次電池であってもよい。
○ 層状シート20は、二次電池以外の蓄電装置(例えばキャパシタ)が備える電極の製造に使用されてもよい。
10…電極としての負極電極、11…集電体、12…活物質層、16…シート状部材としての電極材料、21…電極製造用フィルムとしてのベースフィルム、21a…第1面、21b…第2面、22…リチウムシートとしてのリチウム箔、23…リチウムシートしてのリチウム箔前駆体、31…シート状部材としての第1フィルム、32…電極製造用フィルムとしての第2フィルム、32a…第1面、32b…第2面、53…搬送装置としての吸着搬送コンベア、60…剥離装置、61…吹付部、62…吹付ロール、63…制御部、64…気体供給部、65…第1ロール、65a…第1孔部、65b…外周面、65c…内周面、66…第2ロール、66a…第2孔部、66b…外周面、66c…内周面、67…剥離部、S65,S65a,S66a…内部空間、P…頂点部、B1…一方の内側面、B2…他方の内側面、B1a,B2a…外周端辺、C1,C2…内側面、W1…層状部材としての被加圧部材、W2…層状部材としての電極複合体。

Claims (5)

  1. 電極の製造過程で用いられる電極製造用フィルムとシート状部材との間にリチウムシートが挟まれた層状部材について、前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する電極製造用フィルムの剥離装置であって、
    前記電極製造用フィルムは、フィブリル化され、多孔質構造を有し、
    前記電極製造用フィルムにおいて前記リチウムシートと対向する第1面とは反対側の第2面に気体を吹き付ける吹付部と、
    前記吹付部による前記気体の吹き付け後に、前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する剥離部と、
    を備えることを特徴とする電極製造用フィルムの剥離装置。
  2. 前記層状部材を搬送する搬送装置を備え、
    前記吹付部は、
    前記搬送装置によって搬送される前記層状部材の前記電極製造用フィルムの下側に配置された円筒状の吹付ロールと、
    前記吹付ロールの位置を、前記吹付ロールの外周面の頂点部が前記電極製造用フィルムの第2面に接触する吹付位置と、前記吹付位置よりも下側であり、搬送される前記電極製造用フィルムに接触しない待機位置とに制御する制御部と、
    前記吹付ロールの内部空間に気体を常時供給する気体供給部と、
    を備え、
    前記吹付ロールは、内周面により区画された内部空間に前記気体供給部によって気体が供給される円筒状の第1ロールと、内周面が前記第1ロールの外周面と接し、前記第1ロールに対して常時回転する円筒状の第2ロールと、を有し、
    前記第1ロールは、前記第1ロールを外周面から内周面まで径方向に貫通し、前記第1ロールの内部空間と連通する第1孔部を有し、
    前記第1孔部は、前記吹付ロールの軸方向に対向する一対の内側面と、前記吹付ロールの周方向に対向する一対の内側面とを有し、
    前記吹付ロールの周方向に対向する一対の内側面のうち、一方の内側面の外周端辺は前記頂点部に位置し、他方の内側面の外周端辺は前記電極の搬送方向において前記頂点部よりも下流に位置し、
    前記第2ロールは、前記第2ロールを外周面から内周面まで径方向に貫通する複数の第2孔部を全周に有し、
    前記複数の第2孔部は、前記第2ロールが常時回転している状態で、前記複数の第2孔部のうち一部の第2孔部が前記第1孔部と常に連通しているように配置され、
    前記複数の第2孔部のうち前記第1孔部と連通している前記第2孔部の内部空間の体積の合計は、前記第1孔部の内部空間の体積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電極製造用フィルムの剥離装置。
  3. 前記シート状部材は、集電体と前記集電体の片面又は両面に存在する活物質層とを有する電極材料であり、
    前記リチウムシートは、リチウム箔である請求項1又は請求項2に記載の電極製造用フィルムの剥離装置。
  4. 前記シート状部材は、前記電極製造用フィルムと同一のフィルムであり、
    前記リチウムシートは、リチウム箔前駆体である請求項1又は請求項2に記載の電極製造用フィルムの剥離装置。
  5. 電極の製造過程で用いられる電極製造用フィルムとシート状部材との間にリチウムシートが挟まれた層状部材について、前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する電極製造用フィルムの剥離方法であって、
    前記電極製造用フィルムは、フィブリル化され、多孔質構造を有し、
    前記電極製造用フィルムにおいて前記リチウムシートと対向する第1面とは反対側の第2面に気体を吹き付ける吹付工程と、
    前記吹付工程後に前記シート状部材及び前記リチウムシートから前記電極製造用フィルムを剥離する剥離工程と、
    を備えることを特徴とする電極製造用フィルムの剥離方法。
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