JP6942956B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、短距離走行を行う頻度が多くても優れた転がり抵抗性能を発揮する空気入りタイヤの製造方法に関する。
一般的に、空気入りタイヤの転がり抵抗は、タイヤ温度が高いほど低くなることが知られている。一方で、空気入りタイヤのサイドウォール部は、タイヤの他の部位に比べてゴムゲージが薄く、且つ、外気に触れ易いことから放熱が生じ易い傾向があり、走行時にも充分な温度上昇が見込めず、このことが空気入りタイヤの転がり抵抗の更なる低減を妨げているという問題がある。特に、市街地を走行する場合のように、短距離で発進、加速、停止を繰り返す場合、タイヤ温度が充分に上昇せず、タイヤが潜在的に有する本来の転がり抵抗を充分に発揮することができない傾向がある。
このような問題に対して、例えば特許文献1は、サイドウォール部を構成するゴム層3をタイヤ幅方向内側に配置される内層3aと、この内層3aのタイヤ幅方向外側に配置されて高断熱性のゴムで構成された外層3bとで構成することを提案している。この提案では、高断熱性のゴムからなる外層3bがサイドウォール部からの放熱を抑制することができ、タイヤ温度を高めて本来の転がり抵抗を発揮させるには有利になる。しかしながら、この方法では、タイヤの基本的な機能(走行性能等)に関与する部位(サイドウォール部)の一部が従来と異なる材料(カーボンブラック配合の少ない高断熱性のゴムや、スポンジ状のゴム)で構成されるため、タイヤの基本的な機能(安全走行に関わる耐傷性能などの走行性能等)が損なわれることが懸念される。つまり、この構造(特に、高断熱性のゴムからなる外層3b)を一般的なタイヤ構造に単純に適用することはできず、タイヤ構造自体や他の部位の材質等にも修正が必要になる可能性があった。そのため、タイヤの基本的な機能を損なうことなく、タイヤ温度(サイドウォール部の温度)の効果的な上昇を可能にし、転がり抵抗の低減を可能にする汎用性の高い対策が求められている。
特開2009‐166526号公報
本発明の目的は、短距離走行を行う頻度が多くても優れた転がり抵抗性能を発揮する空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、加硫後の前記空気入りタイヤの前記サイドウォール部の外表面に、後付けされる追加部材として直径10μm〜100μmの粒子状中空体と基材となる粘着剤との複合材である粘着性バルーンからなり断熱性を有するコーティング層を形成し、前記コーティング層の厚さtを0.1mm〜0.8mmに設定し、且つ、前記コーティング層を構成するコーティング材のヤング率Eと前記コーティング層の厚さtとの積Etを50N/m〜500N/mに設定することを特徴とする。
本発明では、上述のようにサイドウォール部の外表面に断熱性を有するコーティング層が形成されるので、このコーティング層によりサイドウォール部が保温されて、走行時にタイヤ温度(サイドウォール部の温度)の効率的な上昇を図ることができ、転がり抵抗を効果的に低減することができる。特に、このコーティング層が存在することで、タイヤ温度(サイドウォール部の温度)を短時間で優れた転がり抵抗が発揮される温度まで上昇することができ、転がり抵抗を効率的かつ効果的に低減するには有利になる。このとき、コーティング層は加硫後の空気入りタイヤに対して任意で後付けされる付加的な追加部材として設けられるので、コーティング層はタイヤの保温(即ち、転がり抵抗の低減)のみに寄与して、タイヤ本体の基本的な機能には寄与せず、タイヤ本体の基本的な機能はタイヤ本体のみで担保される。即ち、このコーティング層を用いたとしても、タイヤの基本的な性能に影響を与えることがなく、これを確実に維持することができる。また、このコーティング層は保温(即ち、転がり抵抗の低減)のみに寄与する追加部材であるので、既存のタイヤに必要に応じて適用することが可能であり汎用性にも優れる。
本発明では、コーティング層の厚さtが1.0mm未満であることが好ましい。このようにコーティング層が充分に薄いことで、コーティング層が存在することによるタイヤ本体への影響を抑えることができ、タイヤの基本的な性能を維持するには有利になる。
本発明では、コーティング層を構成するコーティング材の熱伝導率λが0.1W/(m・K)未満であることが好ましい。このような材質を用いることで、サイドウォール部を確実に保温することが可能になり、効果的に転がり抵抗を低減するには有利になる。尚、本発明において、熱伝導率λとは、熱線(プローブ)法(JIS R2616)の規定に基づいて算出されるものとする。
本発明では、コーティング層を構成するコーティング材のヤング率Eとコーティング層の厚さtとの積Etが1000N/m以下であることが好ましい。このようにコーティング層の特性を限定することで、コーティング層がサイドウォール部の変形等に追従し易くなり、コーティング層が存在することによるタイヤ本体への影響を抑えることができ、タイヤの基本的な性能を維持するには有利になる。尚、本発明において、ヤング率Eとは、JIS K7100により定められるところの標準雰囲気中におけるヤング率である。
本発明によって製造される空気入りタイヤの一例を示す子午線半断面図である。 走行距離・時間に対するサイドウォール部温度と転がり抵抗との関係を模式的に示す説明図である。 走行時間に対するサイドウォール部の温度および転がり抵抗の関係を示すグラフである。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の空気入りタイヤの製造方法によって製造される空気入りタイヤの一例を示す。この図1において、符号CLはタイヤ赤道を表わす。この空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とから構成される。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8(図示の例ではベルト層7の全幅を覆う2層のベルト補強層8)が設けられている。ベルト補強層8は例えばタイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。タイヤ内面にはインナーライナー層9が設けられている。このインナーライナー層9は空気透過防止性能を有するブチルゴムを主体とするゴム組成物や、空気透過防止性能を有する樹脂等(熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散した熱可塑性エラストマー組成物)で構成され、タイヤ内に充填された空気がタイヤ外に透過することを防いでいる。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にはトレッドゴム層10が配され、サイドウォール部2におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはサイドゴム層20が配され、ビード部3におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはリムクッションゴム層30が配されている。トレッドゴム層10は、物性の異なる2種類のゴム層(キャップトレッドゴム層、アンダートレッドゴム層)をタイヤ径方向に積層した構造であってもよい。
本発明の製造方法によって製造された空気入りタイヤは、上述の基本構造に加えて、サイドウォール部2の外表面の少なくとも一部にコーティング層40を備える。尚、このコーティング層40は、後述のようにサイドウォール部2を保温して空気入りタイヤの転がり抵抗を低減するためのものであり、サイドウォール部2の保温(転がり抵抗の低減)が求められる場合に任意で設けられるものである。
本発明は、このコーティング層40の施工方法に関するので、コーティング層40を除いた空気入りタイヤの基本的な構造は上述の構造に限定されるものではない。また、コーティング層40は後述のように加硫成形されたタイヤに後付けで施工されるので、コーティング層40を除いた空気入りタイヤの製造方法は特に限定されず、従来の一般的な方法で製造することができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、通常の方法で加硫を行った空気入りタイヤに対してコーティング層40を施工する。具体的には、空気入りタイヤを加硫した後、加硫後の空気入りタイヤのサイドウォール部2の外表面に、任意に後付けされる追加部材として断熱性を有するコーティング層40を形成する。
このようにコーティング層40を設けることで、断熱性を有するコーティング層40によってサイドウォール部2が保温されて、走行時にタイヤ温度(サイドウォール部2の温度)の効率的な上昇を図ることができる。転がり抵抗はタイヤ温度(サイドウォール部2の温度)によって変化し、タイヤ温度(サイドウォール部2の温度)が高いほど転がり抵抗は低減するので、コーティング層40が存在することで、効果的に転がり抵抗を低減することができる。具体的には、走行中のタイヤ温度は、通常は、図2(a)の実線で示すように、走行初期から徐々に上昇して、走行距離や走行時間が一定以上になると発熱と放熱が釣り合って略一定の温度に収束する。このようなタイヤ温度の変化に応じて、転がり抵抗は、図2(a)の一点鎖線で示すように、走行初期から徐々に低下して、タイヤ温度が一定になる頃になって初めてタイヤが潜在的に有する本来の低い転がり抵抗が発揮されるようになる。これに対して、本発明のコーティング層40が設けられた場合、サイドウォール部2の保温性が高まり、放熱が抑えられるので、図2(b)に示すように、タイヤ温度(図2(b)の実線)が従来(図2(b)の破線)よりも早く上昇するので、これに応じて転がり抵抗(図2(b)の一点鎖線)も従来(図2(b)の破線)よりも早く低下して、走行距離や走行時間が短くても、早い段階でタイヤが潜在的に有する本来の低い転がり抵抗が発揮されるようになる。
このとき、コーティング層40は加硫後の空気入りタイヤに対して任意で後付けされる付加的な追加部材として設けられるので、コーティング層40はタイヤの保温(即ち、転がり抵抗の低減)のみに寄与して、タイヤ本体の基本的な機能には寄与せず、タイヤ本体の基本的な機能はタイヤ本体のみで担保される。即ち、このコーティング層40を用いたとしても、タイヤの基本的な性能に影響を与えることがなく、タイヤの基本的な性能を確実に維持することができる。また、このコーティング層40は保温(即ち、転がり抵抗の低減)のみに寄与する追加部材であるので、既存のタイヤに必要に応じて適用することが可能であり汎用性にも優れる。
更に、サイドウォール部2は他物体への接触等で損傷を受け易い部位であり、その外表面に設けられたコーティング層40も外傷の影響を受けやすいが、コーティング層40はタイヤ本体とは機能上独立した後付けの追加部材であるので、損傷を受けた場合であっても容易にコーティング層40のみの補修や交換を行うことができる。
コーティング層40は上記のように断熱性を有してサイドウォール部2を保温することができればよいが、好ましくは、80km/hで30分以上の慣らし運転を行った後のサイドウォール部2(サイドゴム20)の温度を、コーティング層40を設けない場合よりも3℃以上高めることができる断熱性を有するとよい。このような断熱性を有することで、確実にサイドウォール部2を保温することができ、効果的に転がり抵抗を低減するには有利になる。尚、サイドウォール部2(サイドゴム20)の温度とは、サイドウォール部2の表面温度ではなく、断面中央付近の温度を示す。
このような特性のコーティング層40を構成するコーティング材としては、熱伝導率λが好ましくは0.1W/(m・K)未満、より好ましくは0.03W/(m・K)〜0.08W/(m・K)であるものを用いるとよい。空気入りタイヤに一般的に用いられるゴム組成物の熱伝導率λは、ゴム組成物がカーボンブラックを含む場合には例えば0.2W/(m・K)程度であり、ゴム組成物がカーボンブラックを含まない場合には例えば0.1W/(m・K)程度であるので、コーティング層40の熱伝導率λを前述の範囲に設定することで、コーティング層40の断熱性をタイヤ本体よりも充分に高めることができ、効果的にサイドウォール部2を保温することができる。
コーティング層40を構成するコーティング剤の熱伝導率λは、上述の範囲を満たしていればよいが、好ましくはタイヤ本体を構成するゴム組成物(特に、サイドウォール部2を構成するサイドゴム20)の熱伝導率λの1/2以下に設定するとよい。これにより、タイヤ本体の熱伝導率との対比から、効果的にタイヤ本体(サイドウォール部2)を保温することができる。
コーティング層40はサイドウォール部2の外表面に設けられるが、サイドウォール部2は走行中に大きく変形する部位である。そのため、コーティング層40の厚さtを好ましくは1.0mm未満、より好ましくは0.1mm〜0.8mmに設定して、コーティング層40がサイドウォール部2の変形に追従できるようにするとよい。このとき、コーティング層40の厚さtが1.0mmよりも大きいと、コーティング層40もタイヤ骨格の一部として機能してタイヤの基本的な性能に悪影響を及ぼす虞がある。
単にコーティング層40の厚さを上述の範囲に設定するだけでなく、コーティング層40を構成するコーティング材の弾性率(ヤング率)についても適切な範囲に設定することが、変形の大きいサイドウォール部2の外表面にコーティング層40を設けるうえでは有利である。特に、コーティング層40の物性や厚さによって、コーティング層40自体が構造物として転がり抵抗を悪化させる要因になり得るため、これを避けることが好ましい。そのため、コーティング層40を構成するコーティング材のヤング率Eと前記コーティング層の厚さtとの積Etを好ましくは1000N/m以下、より好ましくは50N/m〜500N/mに設定するとよい。このように積Etを設定することで、厚さと柔らかさのバランスを良好にすることができ、コーティング層40が構造物として転がり抵抗に与える影響を充分に小さくすることができる。
上述の特性を有するコーティング層40としては、例えば、ウレタン発泡体や、粘着性バルーンを用いることができる。これら材質であれば、熱伝導率λを充分に低減し、且つ、コーティング層40の厚さtを充分に薄くすることができる。
ウレタン発泡体を用いる場合、例えば、サイドウォール部2の外表面を構成するサイドゴム20(加硫ゴム)に対して接着性を有する発泡性ウレタンフォームを塗布し、発泡・硬化を行った後、発泡性ウレタンフォームを塗布した面の凹凸をサンドペーパー等で平坦に仕上げて、厚さを所定の範囲(前述の1mm未満)に調整することで、コーティング層40を形成することができる。このようなウレタン発泡体を用いる場合、ウレタン発泡体の発泡倍率は、例えば200%〜500%にするとよい。
粘着性バルーンとは、粘着剤を基材とする粒子状中空体(バルーン)の複合材であり、これを用いる場合、例えば、サイドウォール部2の外表面を構成するサイドゴム20(加硫ゴム)に対して、エチレン酢酸ビニル共重合体の水エマルジョン(ポリマー重量として100)に、平均直径30ミクロンの有機系中空バルーン(重量として100)を混合したペースト状液体を塗布し、乾燥させて、更には前記中空バルーンのみを打粉しているので形成されたコーティング層40の表面の粘着感は無くなっている。基材となる粘着剤としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系ポリマーを含む粘着剤等を用いることができる。粒子状中空体(バルーン)の直径は、例えば10μm〜100μmにするとよい。また、粒子状中空体(バルーン)は、基材となる粘着剤やゴムと同程度の硬度を有し、サイドウォール部2に追従して変形可能な有機系材質を用いることが好ましい。
コーティング層40はタイヤ本体の基本的な性能(支える・転がる・曲がる・緩衝するなど)には寄与せず、タイヤの保温(転がり抵抗の低減)を目的として後付けされる追加部材であるので、既成のタイヤにユーザーの希望に応じてオプションとして付加することができる。このようなユーザーの希望に応じたオプションという観点から、コーティング層40に彩色や印刷を用いて装飾(記号・文字・模様などの標章)を設けて視覚的意味を付与したり、装飾性を高めるようにしてもよい。
このとき、コーティング層40はタイヤを保温して温度上昇を促進させるものであるので、前述の装飾の少なくとも一部が温度によって色彩が変化するようにしてもよい。これにより、タイヤの温度上昇(転がり抵抗の改善)の程度を視認することが可能になる。また、装飾部が変化することによる装飾性の向上や、視覚的意味の表現性の向上を図ることができる。
タイヤサイズが195/65R15であり、図1に示す基本構造を有する既存の空気入りタイヤのサイドウォール部の外表面にコーティング層を施工するにあたって、コーティング層の種類を表1のように設定して、従来例1、実施例1〜2の3種類の空気入りタイヤを試験した(尚、粘着性バルーンの代わりにウレタン発泡体を用いた実施例2は参考例である)
尚、従来例1はサイドウォール部の外表面にコーティング層を施工しない例である。また、粘着性バルーンを用いた実施例1では、サイドウォール部の外表面に対してエチレン酢酸ビニル共重合体の水エマルジョン(ポリマー重量として100)に、平均直径30ミクロンの有機系中空バルーン(重量として100)を混合したペースト状液体を塗布し、乾燥させて、更には前記中空バルーンのみを打粉してコーティング層を形成した。このコーティング層は厚さが約0.8mmで、同一材料から作成した厚さ20mmの試験サンプルを用いて測定した熱伝導率が0.12W/(m・K)であった。
ウレタン発泡体を用いた実施例2では、サイドウォール部の外表面に対して接着性を有する発泡性ウレタンフォームを塗布し、発泡・硬化を行った後、発泡性ウレタンフォームを塗布した面の凹凸をサンドペーパー等で平坦に仕上げて、厚さを1.0mmに調整することでコーティング層を形成した。このコーティング層は発泡倍率が約300%であり、同一材料から作成した厚さ20mmの試験サンプルを用いて測定した熱伝導率は0.04W/(m・K)であった。コーティング層を形成する気泡は0.2mm〜0.5mmあり、仕上げの際には気泡が破れることはあったが表面近くに限られている。
これら3種類の空気入りタイヤについて、リムサイズ6JJのホイールに組み付けて、半径854mmのドラムを備えた転がり抵抗試験機に装着し、初期温度5℃、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件にて30分間の走行試験を実施し、走行中のサイドウォール部の温度(断面内温度)と転がり抵抗を測定した。この測定値を用いて、走行時間に対する温度および転がり抵抗の関係を示すグラフ(図3)を作成した。図3において、破線が従来例1、実線が実施例1、一点鎖線が実施例2に対応する。また、図3の横軸の走行時間の単位は秒である。尚、転がり抵抗の値としては試験開始時の従来例1の転がり抵抗を100とする指数を用いた。
[図3]この測定結果に基づいて、30分走行後の従来例1に対する実施例1,2の温度
差と転がり抵抗差を算出して、表1に併せて示した。
Figure 0006942956
表1から明らかなように、コーティング層を設けた実施例1,2は、コーティング層を設けない場合よりもサイドウォール部の温度を高めることができ、それにより転がり抵抗を低減することができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
9 インナーライナー層
10 トレッドゴム層
20 サイドゴム層
30 リムクッションゴム層
40 コーティング層
CL タイヤ赤道

Claims (2)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、加硫後の前記空気入りタイヤの前記サイドウォール部の外表面に、後付けされる追加部材として直径10μm〜100μmの粒子状中空体と基材となる粘着剤との複合材である粘着性バルーンからなり断熱性を有するコーティング層を形成し、前記コーティング層の厚さtを0.1mm〜0.8mmに設定し、且つ、前記コーティング層を構成するコーティング材のヤング率Eと前記コーティング層の厚さtとの積Etを50N/m〜500N/mに設定することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記コーティング層を構成するコーティング材の熱伝導率λが0.1W/(m・K)未
    満であることを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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