JP4622547B2 - 発泡成形用金型及び発泡成形方法 - Google Patents

発泡成形用金型及び発泡成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4622547B2
JP4622547B2 JP2005025136A JP2005025136A JP4622547B2 JP 4622547 B2 JP4622547 B2 JP 4622547B2 JP 2005025136 A JP2005025136 A JP 2005025136A JP 2005025136 A JP2005025136 A JP 2005025136A JP 4622547 B2 JP4622547 B2 JP 4622547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
mold
molding
chamber
foam molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005025136A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006212814A (ja
Inventor
孝行 乙倉
稔 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2005025136A priority Critical patent/JP4622547B2/ja
Publication of JP2006212814A publication Critical patent/JP2006212814A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4622547B2 publication Critical patent/JP4622547B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形に用いる発泡成形用金型及び発泡成形方法に関する。
スチレン系樹脂に代表される発泡性熱可塑性樹脂粒子を用いた熱可塑性樹脂の型内発泡成形は、予め所定倍率まで発泡させた該熱可塑性樹脂粒子を金型内に導入し、蒸気にて加熱、発泡融着させたのち、冷却し、金型より取出し所望形状の成形品を得る方法が一般的である。
上記熱可塑性樹脂の型内発泡成形に用いる一般的な金型を、図1、図2、図3を用いてさらに詳しく説明すると次のようになる。
発泡成形用金型は、凹金型1と凸金型3とを備えている。凹金型1は、成形機の固定ダイプレート10に固定され、凸中型11を備えている。一方、凸金型3は、成形機の移動ダイプレート30に固定され、凹中型31を備えている。成形加工時には、凸金型3が、成形機のシリンダー52により移動ダイプレート30と共に移動し、図2に示すように、凹金型1と凸金型3が組み合わさることで、凹中型11と凸中型31とが組み合わさり、発泡性熱可塑性樹脂粒子で満たされる空間である成形室51が形成される。凹中型11および凸中型31の背面側には、それぞれ蒸気室15、35が設けられている。蒸気室15,35は、それぞれフレーム13、33、中型11、31が取付けられたセンタープレート12、32およびバックプレート14、34にて形成されている。蒸気室15、35には、それぞれ蒸気流入口16、36および冷却水流入口17、37も設けられている。冷却水流入口17、37には、蒸気室15、35内に延びる給水管18、38が取付けられ、給水管18、38側面部には枝状に延びる多数の細管19、39が、給水管18、38の長さ方向に間隔をあけて接続され、さらに該細管19、39の先端には、冷却水噴霧用のノズル20、40が、中型11、31の背面側へ向けて、それぞれ取付けられている。また、蒸気室15、35の下方には、ドレーン排出口22、42が設けられている。その他、図示していないが、凹中型11の背部には、発泡性熱可塑性樹脂粒子を金型外部より成形室51に導入するための充填機および成形体離型用のエジェクトピンが設けられている。
以上のように構成された発泡成形用金型を用いた発泡成形は、蒸気室15、13に通ずる蒸気配管23、43に設けられた蒸気バルブ24、44を開いて蒸気を蒸気流入口16、36から蒸気室15、35へ導入し、さらに凹凸中型11、31に設けられた蒸気孔11a、31aより成形室51に導入することで、図示していない充填機により成形室51内に導入された発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱し、発泡融着させることにより、成形室51内に所望の成形体を形成し、次いで給水管18、38に冷却水を供給してノズル20、40から凹凸中型11、31の背面に噴霧し、成形室51内の成形体を冷却する。また、必要に応じて金型内を減圧して冷却する場合もある。冷却完了後、凹凸金型1、3を分割面より開き、成形体を金型から取出すことにより所望の形状の発泡成形体を得る。
しかし、上記成形工程において金型内に導入された蒸気は、成形室51内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱するだけでなく、同時に、その他の部位、即ち蒸気室15、35を形成している中型11、31、センタープレート12、32、フレーム13、33およびバックプレート14、34も加熱している。また、成形室51内の成形体を冷却する際には、蒸気室内のノズル20、40から噴霧される水により中型11、31、センタープレート12、32、フレーム13、33およびバックプレート14、34、さらには蒸気室15、35に通ずる蒸気配管23、43および該蒸気配管23、43に設けられた蒸気バルブ24、44も同時に冷却される。これらの部位のうち、中型11、13以外は成形体品質になんら関与せず、加熱による昇温、冷却による降温を繰り返す度に、蒸気の熱エネルギーを無駄に消費することになる。このため、発泡性熱可塑性樹脂粒子が発泡し、相互に融着して成形体を形成するのに必要な熱エネルギーは、導入された蒸気による熱エネルギーの数〜十数%にすぎず、残りの熱エネルギーは、前述のように成形体品質と関係のない、例えば蒸気室15、35を形成するセンタープレート12、32、フレーム13、33及びバックプレート14、34や配管などを加熱するのに費やされ、導入された蒸気がドレーン水として排棄される。
そこで、従来より、成形体品質に関係のない蒸気室内面に対し、3〜7mm肉厚程度のゴムライング加工を施し、蒸気室内面の断熱性を高め、無駄な加熱や冷却を低減することが実施されている。使用されるゴムライニングの材質としては、安価であり、またライニング加工のし易さより、ブチルゴム(IIR)が一般的に用いられている。しかしながら、ブチルゴムの耐熱性は、最高100〜120℃程度であり、例えばスチレン系発泡性熱可塑性樹脂粒子の成形に用いられる蒸気の最高温度110℃前後では使用上限に近く、さらにはオレフィン系発泡性熱可塑性樹脂粒子においては蒸気の最高温度が150℃前後にも達するので、使用限度を超える温度域での使用となる。このため、ゴムライニングが早期劣化を引き起こして剥離してしまい、その用をなさなくなり易いことが知られている。このゴムライニングの劣化、剥離は、単に蒸気室内面の断熱性能を低下させるだけでなく、剥離したゴムがドレーン配管を詰まらせる、劣化したゴムが中型の蒸気孔に詰まる、さらには中型の蒸気孔に詰まったゴム(黒色)が白色成形体を汚す、といった問題を発生させるおそれがあるため、工業的に使用する上では大きな課題を残している。さらに、一般にブチルゴムを金型内面に被覆する処理は、ゴムそのものが比較的容易に扱えるとはいえ、技能を要する作業であるため、被覆処理費用が高くなる傾向があり、生産コストの面からも低減が求められている。
また、センタープレート(内型取付板)と中型(内型)との取付面に、シリーコンゴムなどの断熱材を配置し、熱伝導を軽減する方法も提案されている(特許文献1参照。)。この方法では、断熱材によってフレーム等から金型への熱移動を軽減できるため、冷却時の中型の温度上昇は抑えることが可能である。しかし、蒸気の熱エネルギーを浪費する蒸気室の加熱は抑えられず、熱容量としては、ほとんど変化がないため、1サイクル中に使用する蒸気量の削減効果はほとんど見出すことが出来ない。また、センタープレートと中型との間に断熱材を挟むと、金型分割面から中型までの距離が変わるために成形品高さ方向(金型の型開き方向)の大きさが変化する。このため、既存の金型に適用するには、金型の改造費が必要となり、コスト面の課題も有する。
また、蒸気室内に飛散防止プレートを設け、冷却水のバックプレートへの跳ね返りを軽減する方法も提案されている(特許文献2参照。)。この方法では、飛散防止プレートの設置空間が必要となるが、既存の金型は、蒸気の過剰使用を防止するため、可能な限り蒸気室を小さくしている場合も多い。そのため、既存の金型の蒸気室に飛散防止プレートを設置する空間を確保することは容易ではない。また、飛散防止プレートにアルミニウムのような比熱が比較的大きい物質を使用すると、成形体品質に関係ないにも関わらず、蒸気室内に存在する飛散防止プレート自体が熱エネルギーを浪費して逆効果になりかねない。
さらに、発泡成形金型の成形室(成形空間)内面に、アクリルウレタンなどを焼き付けたり、エポキシ樹脂などをコーティングしたりして断熱材層を形成し、該断熱材層を介して成形加熱ゾーンと成形冷却ゾーンを形成することで、金型全体を加熱したり冷却したりすることなく発泡性熱可塑性樹脂粒子だけを加熱融着させる方法も提案されている(特許文献3参照。)。しかし、この方法では、中型の成形室側の面を薄い断熱材層にて被覆するため、成形品の表面美麗性が著しく損なわれる。このため、成形品の表面美麗性が必須となるような土産品用の箱、魚箱、野菜箱等の成形には使用できない。また、既存の金型に適用するには、前記断熱材層の厚みにより製品寸法が変わることに対処するため、金型に大きな改造を余儀なくされるので、コスト面の課題も大きい。
また、蒸気室の内壁を断熱するために、珪酸塩や酸化物や炭酸塩などの無機充填剤で充填し、硬化したエポキシ樹脂でコーティングする方法も提案されている(特許文献4参照。)。しかし、この方法では、前記コーティング層の断熱性が十分とは言い難く、目的とする熱エネルギーの浪費防止効果はそれほど顕著ではない。
本出願人は、上記のような、発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形における、熱エネルギー浪費防止策として、先に、蒸気室の内面を、中空シリカ粒子を含有するシリコーン樹脂で被覆した発泡成形用金型を提案している(特許文献5参照。)。この発泡成形用金型によれば、中空シリカ粒子を含有するシリコーン樹脂により蒸気室内面に断熱層が形成されて、蒸気室を構成している各部材の発泡成形時の加熱、冷却時における温度変化が少なく、従来に較べて、使用蒸気量を低減することができた。しかし、前記シリコーン樹脂は、揮発性有機溶媒を含有することから、作業者への影響、着火の危険性などを改善することが望まれる。
また、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂が、断熱材として建築物の外壁や屋根へ塗布する目的で使用されている(特許文献6参照。)。しかし、この断熱材の場合には、その性質上、塗布後の熱硬化工程はない。
特開平5−212810号公報(第2〜4頁、第1図) 特開平8−142091号公報(第1〜3頁、第1図) 特開2000−62031号公報(第6〜7頁、第1図) 特開2003−236872号公報(第2〜3頁、第1図) 特開2004−148779号公報(第4〜6頁、第1図) 特開2002−105385号公報
本発明は、前記のような発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形における、熱エネルギー浪費防止策について更に検討を重ね、前記中空シリカ粒子含有シリコーン樹脂を用いた場合に較べて、製作または既存金型の改良がさらに容易であり、安全で、かつ低コスト実施でき、しかも耐久性に優れた発泡成形用金型を提供せんとするものである。
本発明者らは、中空シリカ粒子を含有するシリコーン樹脂を用いて蒸気室内面に断熱層を設ける代わりに、揮発性有機溶剤を含有することのない、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性樹脂水溶液を用い、かつ断熱層を蒸気室内面などに強固に密着させ、剥離の生じないようにするためには、公知技術にはない塗布後の熱硬化工程を設けることにより、熱硬化型水溶性樹脂水溶液を用いても、充分、蒸気室内面などに強固に付着、密着して、長期の成形操作によっても剥離のおそれのない、耐久性の高い被覆層を得ることが可能であると知見を得て、本願発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子を、金型中に一対の中型で構成された成形室空間内に導入し、ついで成形室空間背面側に設けられた蒸気室より成形室空間内に蒸気を導入して成形室空間内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱し、発泡融着させた後、冷却し、金型より取出し、所望形状の成形品を得る発泡成形に用いる発泡成形用金型であって、前記中型における蒸気室内面側を除く蒸気室内面の一部又は全面に、更に、必要により前記蒸気室に通ずる蒸気配管の内側、該蒸気配管の表面、該蒸気配管に設けた蒸気バルブの内側、該蒸気バルブの表面から選ばれる1以上に、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性樹脂水溶液を熱硬化させた被覆層を形成したことを特徴とする発泡成形用金型である。
好ましくは、前記被覆層は、蒸気室を形成するところのフレーム側蒸気室内面、バックプレート側蒸気室内面、およびセンタープレート側蒸気室内面から選ばれる1以上の蒸気室内面の一部又は全面に形成する。
前記熱硬化型水溶性樹脂水溶液としては、熱硬化型水溶性アクリル樹脂水溶液が特に好ましい。また、前記アルミノ珪酸ソーダガラスの含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、その粒径は好ましくは5〜120μmである。さらに、前記被覆層の厚みは、0.1mm以上7.0mm以下であることが好ましい。
本発明に係る発泡成形用金型は、蒸気室内面を断熱材で被覆して、成形時に使用する蒸気量を削減する金型技術において、前記断熱材として、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性樹脂水溶液を熱硬化させた被覆層を形成することにより、更に、必要により蒸気室に通ずる蒸気配管やそれに設けた蒸気バルブの内側や表面に前記被覆層を形成することにより、蒸気の使用量を削減することが出来ただけでなく、従来に較べて、よりいっそう安全、かつ容易に被覆層を施工することが可能となり、非常に低コストで、目的とするエネルギー浪費防止効果を奏する発泡成形用金型を作製することができる。また、新規に製作する金型のみならず、現行使用している既存金型に現場施工にて被覆層を形成することができ、既存の金型を、エネルギー浪費防止効果を有する金型に容易に改造することができ、工業的価値が高い。さらに、水溶性の樹脂を使用しているため、安全性も高い。熱硬化型水溶性樹脂のなかでも、特に、アクリル樹脂は150℃程度の耐熱を有し、耐水蒸気性、耐候性も有しているため、長期の使用や屋外における長期保管に対する劣化も起こりにくい。
本発明の発泡成形用金型による成形に使用される発泡性熱可塑性樹脂粒子の素材としては、特に限定はなく、発泡成形に用いられる熱可塑性樹脂であれば任意の素材からなるものが使用できる。その中でも、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂が好ましく、これらに発泡剤を含有させたものが用いられる。
ポリスチレン系樹脂としては、一般的な発泡性ポリスチレン樹脂だけでなく、例えば、スチレンまたはメチルスチレンを50%以上含有してなるポリスチレン系樹脂、例えば、ハイインパクトポリスチレン系樹脂、スチレンにブタジエン、メチルメタクリレート、無水マレイン酸等の1以上を共重合させた共重合樹脂等が挙げられ、これらは、単独、又は2種以上の組み合わせとして用いられる。これらのポリスチレン系樹脂の中でも発泡性ポリスチレン樹脂が、コストや性能面で最も多用されており好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体で代表されるエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体で代表されるプロピレン系樹脂が挙げられる。これらは単独または2種以上の混合物として用いられる。また、これらは架橋、無架橋のいずれでも良い。これらの中でも、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンまたはこれらの2種以上の混合樹脂が、発泡性および成形性に優れる点で望ましい。
本発明の発泡成形用金型の基本的構造は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の成形に用いられている公知の構成でよく、特に限定はない。本発明では、このような公知の構成の金型における蒸気室側内面の少なくとも一部に、さらには、必要により前記蒸気室に蒸気を供給する蒸気配管や該蒸気配管に設けられた蒸気バルブの内側や表面に、粒径が5〜120μm、より好ましくは10〜50μmで中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性樹脂を塗布し、これを熱硬化させて被覆層を形成したものである。例えば、従来の技術の欄で詳細に説明した金型1、3を用いて説明すると、図1に示すように、蒸気室15、35の内面、即ち、フレーム13、33の蒸気室側内面、バックプレート14、34の蒸気室側内面またはセンタープレート12、32の蒸気室側内面の蒸気室内面の一部又は全部に被覆層50を形成する。また、フレーム13、33の蒸気室側内面とバックプレート14、34の蒸気室側内面とにわたって被覆層50を形成することも好ましい。さらには、センタープレート12、32の蒸気室側内面、フレーム13、33の蒸気室側内面、バックプレート14、34の蒸気室側内面の全てに被覆層50を形成することがさらに好ましい。また、必要により、蒸気配管23、43や蒸気バルブ24、44の内側や表面に前記被覆層を設けても良い。しかし、蒸気室51を形成する中型11、31の蒸気室側内面に被覆層を形成すると、被覆層の断熱性能のため中型11、31へ充分な熱エネルギーの供給が出来ず、成形室51内の発泡性熱可塑性樹脂粒子の発泡力が弱まり、成形体表面の外観性が低下するおそれがある。また、冷却の際も同様に、被覆層の断熱性能のため中型11、31が冷えず、成形体表面の発泡力が低下しにくくなり、中型11,31から発泡体を取り出すに十分な発泡力になるまでの冷却時間が延びる傾向がある。このため、蒸気室51を形成する中型11、31の蒸気室側内面は、被覆部位として好ましくない。
被覆層50は、一般に塗料のスプレー塗布等で用いられるスプレー噴霧あるいはハケ等による塗布と乾燥および熱硬化にて形成される。即ち、必要に応じて塗布面の油分をアルコール類などで排除した後、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性アクリル樹脂を、例えばLPガス、フロンあるいは圧縮空気など一般に用いられる噴射用高圧ガスにて対象部位に向けてスプレー噴射するか、あるいはハケ等で塗りつけることで対象面に塗布した後、常温下にて6〜24時間乾燥させる。その後、高温雰囲気下に暴露しアクリル樹脂を熱硬化させることにより、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂が熱硬化した被覆層50を形成する。該熱硬化の際の温度、時間は、一概には決められないが、例えば70℃の時は20時間以上、150℃の時は2時間以上が好ましい。なお、アクリル樹脂の特性上、150℃を超える温度での熱硬化は好ましくない。いずれの場合においても、被覆層50の形成には熟練技能を必要とせず、また大掛かりな加工設備を必要としないため、専門加工メーカーへの委託の必要がなく、既存の金型への施工もきわめて簡便に行うことができる。なお、被覆層50の熱硬化にあたっては、前記のような高温雰囲気下の加熱硬化などに代えて、電子線硬化、電磁波(マイクロ波)硬化などの手段を採用してもよい。
本発明で使用する熱硬化型水溶性樹脂は、アルミノ珪酸ソーダガラスの他、顔料、分散剤、粘着剤などを含んでいても良い。前記アルミノ珪酸ソーダガラスは、中空ビーズ構造(中空シリカ)である。該中空シリカは、珪酸(SiO2)を主成分とする中空略球形状をしたもので良く、その平均粒径が5〜120μm、好ましくは10〜50μmのものを使用するのが良い。熱硬化型水溶性樹脂に含まれるアルミノ珪酸ソーダガラスの平均粒径が大きすぎると、スプレー噴霧時にノズルに詰まりやすいことが問題となり、逆に小さすぎると断熱性能が低下する傾向がある。
被覆層である熱硬化した熱硬化型水溶性樹脂中に含まれる中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスの割合は、重量比にて5〜50%が好ましく、断熱性及び金型内面への接着性を考慮すると10〜20%がさらに好ましい。
被覆層50を構成する熱硬化型水溶性樹脂は、断熱材の耐浸水性、耐久性を確保するものであり、前記樹脂を含むことで耐熱層50は耐浸水性に優れ、また亀裂が生じることはなく、耐久性にも優れている。熱硬化型水溶性樹脂として用いられるエマルジョンとしては、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、エポキシエマルジョンなどがある。これらのなかでも、特に、熱硬化型水溶性樹脂として、アクリルエマルジョン、即ち熱硬化型水溶性アクリル樹脂を使用した場合には、被覆層50が耐熱性に優れるとともに、優れた耐浸水性、耐久性を確保することができる。中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダ含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂としては、例えば、(株)日進産業製「シスターコート」(登録商標)が好ましい。
被覆層50の膜厚は0.1〜7mmが望ましいが、被覆層の剥離やひび割れを考慮すると1〜3mmの膜厚とすることがさらに好ましい。
また、金属面との中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性樹脂の間に中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスが混入されていない熱硬化型水溶性樹脂層を一層挟み込むことにより被覆層の密着性がより向上されるため、なお好ましい。
さらに、被覆金属及び被覆層を構成する熱硬化型水溶性樹脂に応じたプライマーを用いることで、被覆層の密着性をさらに向上させても良い。
このように、成形体の加熱に直接的になんら関わりのないセンタープレート12,32、フレーム13,33、バックプレート14,34の内面、さらに必要に応じて蒸気配管23、43、蒸気バルブ24、44の内側や表面に被覆層50を形成することで、蒸気加熱による金型温度上昇を抑え、逆に水冷時には金型温度低下を抑えることができる。なお、蒸気配管23、43、蒸気バルブ24、44の表面のみに被覆層50を形成したときには、放熱ロスを減少させるので、その分、蒸気使用量が減る。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
図4に示すような発泡成形金型を用いて、蒸気室65、75の内面に被覆層80を形成し、被覆層の有無による蒸気使用量の変化を調べた。図4に示す発泡成形金型は、図5に示す発泡ポリスチレン製魚箱を成形するための金型であり、1成形サイクルにて6個の成形体を得ることが出来る量産機用の金型である。金型の材質はアルミ合金であり、寸法は図中に示す通りである。6が凹金型であり、7が凸金型である。凹金型6は、6つの中型61、センタープレート62、バックプレート63およびフレーム64で構成されている。フレーム64の片側に、中型61を6つ固着したセンタープレート62を固着し、他側にバックプレート63を固着することで、蒸気室65を形成している。一方、凸金型7も同様に、6つの中型71、センタープレート72、バックプレート73およびフレーム74によって構成され、フレーム74の片側に中型71を6つ固着したセンタープレート72を固着し、他側にバックプレート73を固着することで、蒸気室75を形成している。
表2に示す条件にて、ポリスチレン発泡粒子[株式会社カネカ製「カネパールNSG MB」(登録商標)、発泡倍率60倍]を用い、成形および評価を行った。
評価は以下の方法で実施した。
蒸気使用量:
1サイクルの蒸気消費量を、図示しないフレーム上部の蒸気流入口から約4m上流側の蒸気配管部蒸気流量計[横河電気株式会社製渦流量計YEWFLO(100A)]にて測定した。
施工容易性:
被覆層を施工する際、熟練技能者が必要か否かに付き以下の基準で評価した。
○:特に技能を必要としない場合。
×:被覆加工に熟練技能者が必要な場合。
施工日数:
一般的な企業の就業時間を8時間とした場合に蒸気室内面の被覆作業に要する日数。(即ち、例えば樹脂の塗布に3時間、自然乾燥に8時間、高温乾燥(熱硬化)に2時間必要だとすれば、合計13時間の実作業時間であるが、8時間を超える5時間分の作業は翌日になるので、2日の施工日数とした。)
被覆密着耐久性:
50,000ショットの成形を終了した時点において、目視で蒸気室内面から被覆層が剥離しているか否かを以下の基準にて判断した。
○:剥離が見られない場合。
×:剥離が見受けられる場合。
成形体の汚れ:
50,000ショットの成形中に、蒸気室面より剥離した被覆樹脂が蒸気孔等を通して成形後の成形体表面に付着したか否かを以下の基準にて判断した。
無し:付着が見られない場合。
有り:付着が見られた場合。
施工費用:
1金型施工に必要な断熱被膜の材料費に、被膜層形成作業費を加えたものを施工費用とした。作業費は、1人の人間が1時間作業したとき、2,500円かかるものとした。ただし、施工に特殊技能を有し、専門施工業者に加工を依頼したものは、実際に支払った金額を施工費用とした。
安全施工性:
断熱材中に、揮発性有機溶剤が多量に含まれ、施工中に人体に悪影響を及ぼす可能性が高い場合、また小さな火種により着火が生じる危険性がある場合を「安全施工性×」とし、断熱材中に揮発性有機溶剤がほとんど含まれず、人体への影響の可能性や着火の危険性が極めて少ない場合を「安全施工性○」とした。
(実施例1)
実施例1では、図4に示す蒸気室73、75の内面に中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂[(株)日進産業製「シスターコート」(登録商標)]を被覆層80として被覆した。主たる成分表を表1に示す。被覆場所は、バックプレート63,73の内面、フレーム64,74の内面である。
Figure 0004622547
塗布の方法については、被覆場所の汚れを十分落とした後、さらに油分を中性洗剤によって落としたうえで、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂を刷毛塗りし、膜厚にして約2mmに均一塗布した。その後、約7時間常温下にて自然乾燥した。次いで、約150℃の雰囲気下にて約3時間の高温乾燥を経て、アクリル樹脂を熱硬化させ、被覆作業を完了した。
該金型にて表2の実施例1に示す成形条件(抜粋)にて成形した結果を表3に示す。
Figure 0004622547
Figure 0004622547
1サイクルでの蒸気使用量は5.70kgであった。蒸気室内面に全く被覆をしていない比較例1と比べて、蒸気使用量は1.13kg削減された。また、断熱被覆していない金型(比較例1)と同一成形条件にて成形を行ったため、金型へ奪われる蒸気熱量が少なくなった分、成形品は加熱過剰ぎみになることが確認された。
中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂の被覆作業は、発泡成形体成形工場内にて、特殊技能を有しない作業者ですべて完了できた。
施工日数は、2日であり、比較例2、3より2日短く、比較例3、4とほぼ同等の作業工数で済んだ。
施工費用は、汚れ落としや油膜落とし、さらに塗装作業に必要な作業時間が約5時間/人(2,500円/人・時間)であったこと、また1金型に必要な断熱材が約10L(48,000円/18L缶)であったことから、約39千円/型が必要であった。比較例2、3よりも361千円安く施工が出来た。また、比較例3、4よりも12千円安く施工が出来た。
また、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂中には、揮発性有機溶剤がほとんど含まれず、水溶性であるため、断熱材の取り扱いが容易な上に、イソパラフィン系炭化水素溶剤を主成分とする比較例4、5のヒートガードペイントを用いる場合のような、静電気着火等に対する安全対策も必要なかった。
(実施例2)
実施例1では、成形品が加熱過剰であったため、実施例1と同一(断熱被膜)金型にて、表2の実施例2に示すような成形条件に変更し、成形条件の適正化を図った。
その結果、表3に示すように、1サイクルでの蒸気使用量は5.31kgとなり、蒸気室内面に全く被覆をしていない比較例1に比較すると、蒸気使用量は1.52kg削減された。また、実施例1より、さらに0.39kg削減された。
さらに、実施例2の条件にて、連続成形を行ったところ、50,000ショット使用後、剥離等の発生は観察されず、蒸気削減量を維持した。また、成形品の汚れも観測されなかった。
(比較例1)
図4に示す金型にて蒸気室内面に全く被覆しない場合について、成形および評価を実施した。結果を表3に示す。1サイクルでの蒸気使用量が6.83kgであった。蒸気使用量は実施例1に対して1.13kg増えた。また、実施例2に対しては、1.52kg増えた。
(比較例2)
図4に示す金型にて蒸気室内面に中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂の代わりに5mm厚のブチルゴムを被覆して、成形および評価を実施した。被覆部位については、実施例1と同様でフレーム内面とバックプレート内面である。
結果を表3に示す。表2の比較例1と同一条件で成形した結果、蒸気使用量が5.10kgであり、比較例1に対して1.73kg削減された。
また、断熱被覆していない金型(比較例1)と同一成形条件(比較例2)にて成形を行ったため、金型へ奪われる蒸気熱量が少なくなった分、成形品は加熱過剰ぎみになることが確認された。
施工容易性については特殊技能者が必要なためライニング専門メーカーに依託せざるを得ず、簡便な施工を施せなかった。さらに、ライニング専門メーカーにおける施工日数は、ブラスト作業、プライマー塗布作業、ゴム被覆作業に3日要し、加硫作業に1日要したため、合計4日かかり、実施例1、実施例2に比べて2日余分にかかった。実際には、ライニングメーカーと成形工場の間の輸送日数が必要なため、6日を要した。
(比較例3)
比較例2では、成形品が加熱過剰であったため、比較例2と同一(断熱被膜)金型にて、表2の比較例3に示すような成形条件に変更し、成形条件の適正化を図った。その結果、表4に示すように、1サイクルでの蒸気使用量は4.84kgとなり、蒸気室内面に全く被覆をしていない比較例1に比較すると、蒸気使用量は1.99kg削減された。また、成形条件の最適化により、比較例2よりさらに、0.26kg削減された。
さらに、比較例3の条件にて、連続成形を行ったところ、30,000ショットを超えたあたりから成形品にブチルゴムの粉末が蒸気孔を通して付着し、黒ずみ、商品価値を失うトラブルが発生した。
また、50,000ショット使用後、部分的にブチルゴムの剥離が観察され、剥離した一部がドレーン排出口に溜まっており、ドレーン水の流れが絞られていた。その時の蒸気使用量も5.80kgと初期状態が維持出来なかった。
(比較例4)
図4に示す金型にて蒸気室内面に、中空シリカビーズ含有シリコーン樹脂[ファインケミカルジャパン(株)製「ヒートガードペイント」(登録商標)]を膜厚2mmに被覆して、成形および評価を実施した。被覆部位については、実施例1と同様でフレーム内面とバックプレート内面である。被覆した中空シリカビーズ含有シリコーン樹脂の主たる成分表を表4に示す。
Figure 0004622547
塗布の方法については、被覆場所の汚れを十分落とした後、さらに油分を中性洗剤によって落とし、中空シリカビーズ含有シリコーン樹脂を刷毛塗りし、膜厚にして約2mmに均一塗布した。その後、約7時間常温下にて自然乾燥した。次いで、約160℃の雰囲気下にて約2時間の高温乾燥を経て、シリコーン樹脂を硬化させ、被覆作業を完了した。
結果を表3に示す。表2の比較例1と同一条件で成形した結果、蒸気使用量が5.43kgであり、比較例1に対して1.40kg削減された。
また、断熱被覆していない金型(比較例1)と同一成形条件(比較例4)にて成形を行ったため、金型へ奪われる蒸気熱量が少なくなった分、成形品は加熱過剰ぎみになることが確認された。
50,000ショット使用後、剥離等の発生は観察されず、蒸気削減量を維持した。
さらに、中空シリカ含有熱硬化型シリコーン樹脂の被覆作業についても、発泡成形体成形工場内にて、特殊技能を有しない作業者ですべて完了できた。
(比較例5)
比較例4では、成形品が加熱過剰であったため、比較例4と同一(断熱被膜)金型にて、表2の比較例5に示すような成形条件に変更し、成形条件の適正化を図った。
その結果、表3に示すように、1サイクルでの蒸気使用量は5.13kgとなり、蒸気室内面に全く被覆をしていない比較例1に比較すると、蒸気使用量は1.70kg削減された。比較例4からは、さらに0.30kg削減された。
さらに、連続成形を行ったところ、50,000ショット使用後、剥離等の発生は観察されず、蒸気削減量を維持した。
(比較例6)
実施例1、2で使用した中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラス含有の熱硬化型水溶性アクリル樹脂は、(株)日進産業製「シスターコート」(登録商標)である。該断熱材は、基本的に建築物の外壁や屋根へ塗布することを目的に販売されている。したがって、その性質上、断熱材塗布後、加熱硬化させる工程はない。そこで、実施例1あるいは2の断熱施工手順の加熱硬化工程を省いて施工を完了させて評価を行った。
その結果、表3に示すように蒸気削減効果は、実施例2と同一最適化条件では、実施例2と同等であったが、連続成形を行ったところ、1,000ショット以内で、ほぼ全面が剥離する結果となった。
以上の実施例、比較例の結果からあきらかなように、発泡成形用金型は、発泡成形における蒸気の使用量を削減することが出来、また、施工が容易で、非常に低コストで作製でき、しかも水溶性樹脂を使用しているため、断熱施工時の安全性も高い。さらに、アクリル樹脂は、150℃程度の耐熱を有し、耐水蒸気性、耐候性も有しているため、長期の使用や屋外における長期保管時の劣化も起こりにくい。
本発明の実施の形態における発泡成形用金型の概略断面図である。 図1の金型の嵌合作動状態図である。 図1のIII−III線断面図である。 (a)は本発明の一実施態様における発泡成形用金型の概略断面図、(b)は同発泡成形用金型の凹型金型のバックプレート側の側面図である。 本発明の一実施態様における発泡成形用金型で製作した発泡成形体の斜視図である。
符号の説明
1:凹金型、3:凸金型、6:凹金型、7:凸金型、10:固定ダイプレート、11:凹中型、12:センタープレート、13:フレーム、14:バックプレート、15:蒸気室、16:蒸気流入口、17:冷却水流入口、18:給水管、19:細管、20:ノズル、22:ドレーン排出口、23:蒸気配管、24:蒸気バルブ、30:移動ダイプレート、31:凸中型、32:センタープレート、33:フレーム、34:バックプレート、35:蒸気室、36:蒸気流入口、37:冷却水流入口、38:給水管、39:細管、40:ノズル、42:ドレーン排出口、43:蒸気配管、44:蒸気バルブ、50:被覆層、51:成形室、52:シリンダー、61:中型、62:センタープレート、63:バックプレート、64:フレーム、65:蒸気室、71:中型、72:センタープレート、73:バックプレート、74:フレーム、75:蒸気室、80:被覆層。

Claims (9)

  1. 発泡性熱可塑性樹脂粒子を、金型中に一対の中型で構成された成形室空間内に導入し、ついで成形室空間背面側に設けられた蒸気室より成形室空間内に蒸気を導入して成形室空間内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱し、発泡融着させた後、冷却し、金型より取出し、所望形状の成形品を得る発泡成形に用いる発泡成形用金型であって、前記中型における蒸気室内面側を除く蒸気室内面の一部又は全面に、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性樹脂水溶液を熱硬化させてなる被覆層を形成したことを特徴とする発泡成形用金型。
  2. 前記蒸気室に通ずる蒸気配管の内側、該蒸気配管の表面、該蒸気配管に設けた蒸気バルブの内側、該蒸気バルブの表面から選ばれる1以上に前記被覆層を形成してなる請求項1記載の発泡成形用金型。
  3. 前記被覆層を、蒸気室を形成するところのフレーム側蒸気室内面、バックプレート側蒸気室内面、およびセンタープレート側蒸気室内面から選ばれる1以上の蒸気室内面の一部又は全面に形成した請求項1又は2に記載の発泡成形用金型。
  4. 前記熱硬化型水溶性樹脂水溶液が、熱硬化型水溶性アクリル樹脂水溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形用金型。
  5. 前記アルミノ珪酸ソーダガラスの粒径が5〜120μmである請求項1〜4のいずれかに記載の発泡成形用金型。
  6. 前記アルミノ珪酸ソーダガラスの含有量が5〜50重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の発泡成形用金型。
  7. 前記被覆層の厚みが0.1mm以上7.0mm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の発泡成形用金型。
  8. 発泡性熱可塑性樹脂粒子を、金型中に一対の中型で構成された成形室空間内に導入し、ついで成形室空間背面側に設けられた蒸気室より成形室空間内に蒸気を導入して成形室空間内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱し、発泡融着させた後、冷却し、金型より取出し、所望形状の成形品を得る発泡成形に用いる発泡成形用金型における、前記中型の蒸気室内面側を除く蒸気室内面の一部又は全面に、更に必要により前記蒸気室に通ずる蒸気配管該蒸気配管に設けた蒸気バルブの少なくとも一方の表面に、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性樹脂水溶液を塗布し、乾燥させた後、熱硬化させて被覆層を形成することを特徴とする発泡成形用金型における断熱加工方法。
  9. 発泡性熱可塑性樹脂粒子を、金型中に一対の中型で構成された成形室空間内に導入し、ついで成形室空間背面側に設けられた蒸気室より成形室空間内に蒸気を導入して成形室空間内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱し、発泡融着させた後、冷却し、金型より取出し、所望形状の成形品を得る発泡成形方法であって、前記金型として、前記中型における蒸気室内面側を除く蒸気室内面の一部又は全面に、更に必要により前記蒸気室に通ずる蒸気配管該蒸気配管に設けた蒸気バルブの少なくとも一方の表面に、中空ビーズ構造のアルミノ珪酸ソーダガラスを含む熱硬化型水溶性樹脂水溶液を塗布し、乾燥後、熱硬化させて前記蒸気室内面に被覆層を形成した金型を用い、この金型の成形室空間内に発泡性熱可塑性樹脂粒子を導入し、成形することを特徴とする発泡成形方法。
JP2005025136A 2005-02-01 2005-02-01 発泡成形用金型及び発泡成形方法 Expired - Fee Related JP4622547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005025136A JP4622547B2 (ja) 2005-02-01 2005-02-01 発泡成形用金型及び発泡成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005025136A JP4622547B2 (ja) 2005-02-01 2005-02-01 発泡成形用金型及び発泡成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006212814A JP2006212814A (ja) 2006-08-17
JP4622547B2 true JP4622547B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=36976428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005025136A Expired - Fee Related JP4622547B2 (ja) 2005-02-01 2005-02-01 発泡成形用金型及び発泡成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4622547B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018079811A (ja) * 2016-11-17 2018-05-24 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤの製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5047643B2 (ja) * 2007-01-30 2012-10-10 株式会社カネカ 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
CN101535022A (zh) 2007-08-20 2009-09-16 戴伸株式会社 泡沫树脂成型机的蒸汽室、泡沫树脂造型机、以及用于泡沫树脂成型的方法
MX2015012357A (es) * 2013-03-15 2016-04-28 Miller Herman Inc Componente de espuma en partículas que tiene una superficie texturizada.
KR20160117498A (ko) * 2014-02-03 2016-10-10 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 발포 수지 성형용 금형 및 그 제조 방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000129813A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Toray Ind Inc 断熱シート材及びその製造方法
JP2001220552A (ja) * 1999-11-29 2001-08-14 Dainippon Printing Co Ltd 断熱性層形成用塗料組成物、断熱性シート、および化粧断熱性シート
JP2002105385A (ja) * 2000-09-28 2002-04-10 Nisshin Sangyo:Kk 塗布式断熱材
JP2004148779A (ja) * 2002-11-01 2004-05-27 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 発泡成形用金型

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5820788A (ja) * 1981-07-24 1983-02-07 大日本インキ化学工業株式会社 耐熱性断熱材
JPH06297481A (ja) * 1993-04-12 1994-10-25 Sekisui Plastics Co Ltd 耐熱性発泡成形体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000129813A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Toray Ind Inc 断熱シート材及びその製造方法
JP2001220552A (ja) * 1999-11-29 2001-08-14 Dainippon Printing Co Ltd 断熱性層形成用塗料組成物、断熱性シート、および化粧断熱性シート
JP2002105385A (ja) * 2000-09-28 2002-04-10 Nisshin Sangyo:Kk 塗布式断熱材
JP2004148779A (ja) * 2002-11-01 2004-05-27 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 発泡成形用金型

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018079811A (ja) * 2016-11-17 2018-05-24 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006212814A (ja) 2006-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4622547B2 (ja) 発泡成形用金型及び発泡成形方法
US20040137160A1 (en) Method of finishing with heat insulation coating
KR100920020B1 (ko) 난연성 샌드위치 패널용 단열재 및 그 제조방법
WO2006084117A2 (en) Method for forming and bonding thermoformable composites
JP4181381B2 (ja) 発泡成形用金型
KR101645988B1 (ko) 건축용 프레임의 내단열재 피팅 방법 및 그에 따른 건축용 프레임
CN101387133A (zh) 聚苯板薄抹灰外墙外保温系统及其施工方法
KR101483276B1 (ko) 부동태 피막형 피복 강관
KR102166314B1 (ko) 준불연 몰딩
CN110439207B (zh) 一种环保内墙施工方法
JP2007001277A (ja) 発泡樹脂成形型の断熱法
CN210187127U (zh) 一种采用新型板贴技术的挡板
GB1560630A (en) Manufacture of foam mouldings from olefin polymers
CN104209256B (zh) 一种耐高温强化吸收纳米涂层的施工方法
CN105921304A (zh) 一种聚苯板表层防火材料的喷涂装置
US3538213A (en) Method of spray forming destructible forms
US10777982B2 (en) Electrical box
KR100617591B1 (ko) 복층 강관용 열경화성 상도용 분체도료 조성물 및 이를이용한 복층 강관의 도장방법
CN112355314A (zh) 一种用于制备金属粉末的耐用坩埚
JP2008156916A (ja) コンクリート用化粧型枠
JP3906454B2 (ja) 発泡耐火シート被覆工法
JP4590318B2 (ja) パウダースラッシュ成形機及びパウダースラッシュ成形方法
JPS61215034A (ja) ブロウ成形同時被覆法
KR20040103741A (ko) 파우더 슬라쉬 성형기 및 파우더 슬라쉬 성형 방법
CN117266476A (zh) 一种基于纳米新功能气凝胶的建筑墙体保温工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4622547

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees