JP6942884B2 - プラスチック偏光レンズおよびその製造方法 - Google Patents
プラスチック偏光レンズおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6942884B2 JP6942884B2 JP2020512237A JP2020512237A JP6942884B2 JP 6942884 B2 JP6942884 B2 JP 6942884B2 JP 2020512237 A JP2020512237 A JP 2020512237A JP 2020512237 A JP2020512237 A JP 2020512237A JP 6942884 B2 JP6942884 B2 JP 6942884B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin substrate
- curable composition
- substrate
- polarizing film
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/04—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
- G02B1/041—Lenses
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/00009—Production of simple or compound lenses
- B29D11/00413—Production of simple or compound lenses made by moulding between two mould parts which are not in direct contact with one another, e.g. comprising a seal between or on the edges
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/00634—Production of filters
- B29D11/00644—Production of filters polarizing
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/0073—Optical laminates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/0091—Complexes with metal-heteroatom-bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/16—Nitrogen-containing compounds
- C08K5/34—Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
- C08K5/3412—Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having one nitrogen atom in the ring
- C08K5/3415—Five-membered rings
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/20—Filters
- G02B5/22—Absorbing filters
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/10—Filters, e.g. for facilitating adaptation of the eyes to the dark; Sunglasses
- G02C7/108—Colouring materials
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/12—Polarisers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2101/00—Use of unspecified macromolecular compounds as moulding material
- B29K2101/12—Thermoplastic materials
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2105/00—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
- B29K2105/0005—Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing compounding ingredients
- B29K2105/0032—Pigments, colouring agents or opacifiyng agents
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C2202/00—Generic optical aspects applicable to one or more of the subgroups of G02C7/00
- G02C2202/16—Laminated or compound lenses
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Description
プラスチックレンズ材料の表面に偏光フィルムを配置した偏光レンズとしては、特許文献1に記載のレンズを挙げることができる。
プラスチックレンズ材料の内部に偏光フィルムを配置したサンドイッチ構造の偏光レンズとしては以下の文献に記載されている。
プラスチックレンズ材料の内部に偏光フィルムを配置したサンドイッチ構造の偏光レンズにおいては、容易に製造できることから、樹脂組成物に色素を混合し、当該組成物からプラスチックレンズ材料を調製することが好ましい。しかしながら、特許文献4〜8に記載の技術は、レンズの対眼面側に位置するレンズ基材のみに色素を含むことを許容するものであり、所望の度数に合わせてレンズ基材を研磨した場合、膜厚に差が生じるため、色むらが生じることがあった。
[1] 熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの対物面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第1樹脂基板と、
前記偏光フィルムの対眼面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第2樹脂基板と、
を備え、
前記第1樹脂基板を構成する1層および前記第2樹脂基板を構成する1層に有機色素化合物を含み、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の濃度は前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の濃度よりも高い、プラスチック偏光レンズ。
[2] 前記第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)および最大厚み(R1−max)と、前記第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)および最大厚み(R2−max)とが下記式を満たす、[1]に記載のプラスチック偏光レンズ。
式: R1−min/R1−max>R2−min/R2−max
[3] 前記第1樹脂基板の厚みは略均一である、[2]に記載のプラスチック偏光レンズ。
[4] 前記第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は前記第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)よりも小さい、[2]または[3]に記載のプラスチック偏光レンズ。
[5] 前記第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)および最大厚み(R1−max)が0.1mm〜4.0mmであり、前記第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)および最大厚み(R2−max)が0.1mm〜17.0mmである、[2]〜[4]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
[6] 前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量aに対する、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量bの比(b/a)は、2/1〜100/1である、[1]に記載のプラスチック偏光レンズ。
[7] 前記有機色素化合物は、下記一般式(1)
で表されるテトラアザポルフィリン化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
[8] 前記有機色素化合物は、前記第1樹脂基板に5〜100ppm含まれる、[1]〜[7]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
[9] 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板を構成する層は、同一でも異なっていてもよく、ポリ(チオ)ウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンから選択される少なくとも一種を含むよりなる群から選択される樹脂を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
[10] 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板を構成する少なくとも1層は、ポリ(チオ)ウレタンからなる、[9]に記載のプラスチック偏光レンズ。
[11] 有機色素化合物を含む第1樹脂基板を調製する工程と、
前記第1樹脂基板よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2樹脂基板を調製する工程と、
熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムの対物面側に位置する面に、前記第1樹脂基板を貼り合わせるとともに、該偏光フィルムの対眼面側に位置する面に、前記第2樹脂基板を貼り合わせる工程と、
を含み、プラスチック偏光レンズの製造方法。
[12] 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板を構成する層は、同一でも異なっていてもよく、ポリ(チオ)ウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンよりなる群から選択される樹脂を含む、[11]に記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
[13] レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムとの間を、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、
プラスチック偏光レンズの製造方法。
[14] レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムとの間を、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記第1硬化性組成物層を半硬化する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
半硬化の前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、
プラスチック偏光レンズの製造方法。
[15] 前記第1硬化性組成物層を半硬化する前記工程は、
前記第1モールド基板の前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記偏光フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる工程である、[14]に記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
[16] レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と偏光フィルムとの間を、粘度が1,000〜100,000mPa・sの有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、プラスチック偏光レンズの製造方法。
[17] レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の外縁と、熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムの外縁と、レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、第1モールド基板の該形成面と、前記第2モールド基板の該形成面とから離隔した状態で、前記偏光フィルムを固定する工程と、
前記偏光フィルムと前記第1モールド基板との間の空隙に、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を注入する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間の空隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
前記第1硬化性組成物および前記第2硬化性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチック偏光レンズを取り出す工程と、
を含む、
プラスチック偏光レンズの製造方法。
[18] 前記有機色素化合物は、下記一般式(1)
で表されるテトラアザポルフィリン化合物である、[11]〜[17]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
[19] 前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量aに対する、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量bの比(b/a)は、2/1〜100/1である、[11]〜[18]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
[20] 前記有機色素化合物は、前記第1樹脂基板に5〜100ppm含まれる、[11]〜[19]のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
本発明において、対物面とはJIS 7330に記載の「前面」を意味し、対眼面とはJIS 7330に記載の「後面」を意味する。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの対物面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第1樹脂基板と、
前記偏光フィルムの対眼面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第2樹脂基板と、
を備え、前前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板のうち少なくとも前記第1樹脂基板を構成する1層に有機色素化合物を含み、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の濃度は前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の濃度よりも高い。
プラスチック偏光レンズ等に用いられる偏光フィルムは、熱可塑性樹脂から構成することができる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリビニル系樹脂等を挙げることができる。成形加工性の観点から、熱可塑性ポリビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル、が好ましく、耐水性の観点から、熱可塑性ポリエステルが好ましい。
本実施形態においては、入手が容易であり、成形加工性に優れるポリビニルアルコール、またはポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
偏光フィルムは乾燥、安定化のため加熱処理を施したうえで使用してもよい。
第1樹脂基板は、偏光フィルムの対物面側に位置する面に積層されており、1層または2層以上からなる。第1樹脂基板を構成する少なくとも1層は、有機色素化合物を含む。第1樹脂基板が2層以上からなる場合、各々の層に含まれる樹脂は同一でも異なっていてもよい。対物面側に位置する第1樹脂基板を構成する樹脂層は、全体に亘って層厚が略等しく、そのため有機色素化合物が含まれていても、レンズ基材に色むらが生じず外観に優れる。
第1樹脂基板の厚さは0.1〜4.0mm程度であり、全体に亘って第1樹脂基板の厚みは略均一である。
有機色素化合物としては、テトラアザポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、メロシアニン化合物、メチン化合物等を挙げることができる。
樹脂としては、ポリ(チオ)ウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリアリル、ポリウレタンウレア、ポリエン−ポリチオール重合体、開環メタセシス重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種を用いることができ、ポリ(チオ)ウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンから選択される少なくとも一種をより好ましく用いることができる。これらの材料は透明性が高い材料であり、光学材料用途に好適に用いることができる。なお、これらの材料は単独であっても、これらの複合材料であっても良い。なお、ポリ(チオ)ウレタンは、ポリウレタンまたはポリチオウレタンを意味する。
本実施形態において、第1樹脂基板を構成する層は、樹脂または第1硬化性化合物を硬化させた層を含み、少なくともその1層に前記有機色素化合物を含む。
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。ポリイソシアネート化合物としては、これらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
本実施形態において、ポリオール化合物として、トリメチロールプロパンプロポキシレートを用いることが好ましい。
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、3,4−チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物等を挙げることができる。ポリチオール化合物としては、これらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
ビス(2,3−エピチオプロピル)エーテル、ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;および、
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物等を挙げることができる。ポリエピチオ化合物としては、これらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
本実施形態において、ポリエピチオ化合物として、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドを用いることが好ましい。
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート;
等を挙げることができる。ポリ(メタ)アクリレートとしては、これらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
本実施形態の第1硬化性組成物には、ポリ(メタ)アクリレートを樹脂として含むことができる。
本実施形態の第1硬化性組成物には、ポリオレフィンを樹脂として含むことができる。
水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物;
一級および二級アミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物等が挙げられる。また、その他、4−ビニル−1−シクロヘキサンジエポキシドなどのビニルシクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、これらから選択される少なくとも一種を用いることができる。
第1硬化性組成物に含まれるモノマーとしては、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物の組み合わせ、ポリイソシアネート化合物およびポリチオール化合物の組み合わせ、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物およびポリチオール化合物の組み合わせ、ポリエピチオ化合物およびポリチオール化合物の組み合わせであることが好ましい。
組成物中の各成分の混合順序や混合方法は、各成分を均一に混合することができれば特に限定されず、公知の方法で行うことができる。公知の方法としては、例えば、添加物を所定量含むマスターバッチを作製して、このマスターバッチを溶媒に分散・溶解させる方法などがある。例えばポリウレタン樹脂の場合、ポリイソシアネート化合物に添加剤を分散・溶解させてマスターバッチを作製する方法などがある。
本実施形態において、ポリウレタンおよびポリチオウレタンを得る際には、重合触媒を用いても良いし、用いなくてもよい。
内部離型剤としては、酸性リン酸エステルを用いることができる。酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルを挙げることができ、それぞれ単独または2種類以上混合して使用することできる。
また、第1硬化性組成物には、得られる樹脂の光学物性、耐衝撃性、比重等の諸物性の調節及び、当該組成物の粘度やポットライフの調整を目的に、樹脂改質剤を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物を用いることができる。ヒンダードアミン系化合物は、市販品としてChemtura社製のLowilite76、Lowilite92、BASF社製のTinuvin144、Tinuvin292、Tinuvin765、ADEKA社製のアデカスタブLA−52、LA−72、城北化学工業社製のJF−95等を挙げることができる。
ブルーイング剤としては、可視光領域のうち橙色から黄色の波長域に吸収帯を有し、樹脂からなる光学材料の色相を調整する機能を有するものが挙げられる。ブルーイング剤は、さらに具体的には、青色から紫色を示す物質を含む。
本実施形態において、第2樹脂基板は、前記偏光フィルムの対眼面側に位置する面に積層されており、1層または2層以上からなる。第2樹脂基板を構成する層に含まれる樹脂は、第1樹脂基板で例示された樹脂を挙げることができる。第2樹脂基板が2層以上からなる場合、各々の層に含まれる樹脂は同一でも異なっていてもよい。
また、第2樹脂基板を構成する少なくとも1層は、有機色素化合物を含んでいてもよく、有機色素化合物含む場合は第1樹脂基板で例示された有機色素化合物を含むことができる。第1樹脂基板および第2樹脂基板に含まれる有機色素化合物は同一でも異なっていてもよい。本実施形態においては、第2樹脂基板全体として、第1樹脂基板の有機色素化合物の濃度よりも低い濃度となるように有機色素化合物を含む。
式: R1−min/R1−max>R2−min/R2−max
本実施形態においては、R2−minとR2−maxとの差が大きく、上記式を満たすレンズであっても、レンズ基材の色むらの発生が抑制され外観に優れる。
有機色素化合物が、第1樹脂基板および第2樹脂基板のいずれにも含まれる場合、第2樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量aに対する、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量bの比(b/a)は、2/1〜100/1、好ましくは、3/1〜50/1、より好ましくは5/1〜20/1である。前記範囲内で、所望の透過度が得られるよう、全有機色素化合物の添加量は、適宜調整することができる。
本実施形態においては、本発明の効果の観点から、第2樹脂基板は前記有機色素化合物を含まないことが特に好ましい。
コーティング層は、単層であってもよく、複数のコーティング層が積層されていてもよい。両面にコーティング層を備える場合、それぞれの面に同様なコーティング層を備えていても異なるコーティング層を備えていてもよい。
前記偏光フィルムの対物面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第1樹脂基板と、
前記偏光フィルムの対眼面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第2樹脂基板と、を備え、
前記第1樹脂基板を構成する1層に有機色素化合物を含み、前記第2樹脂基板には有機色素化合物を含まないことが好ましい。
このようなプラスチック偏光レンズは、レンズ基材の色むらの発生がより抑制され外観にさらに優れるとともに、色素を廃棄する必要がないため製造コストを大きく抑制することができる。
第1樹脂基板は有機色素化合物を5〜100ppm、好ましくは7〜70ppm含むことができる。
本発明態におけるプラスチック偏光レンズの製造方法としては、以下の態様を挙げることができる。
1.有機色素化合物を含む第1樹脂基板(第1レンズ基材)および前記第1樹脂基板よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2樹脂基板(第2レンズ基材)を製造し、偏光フィルムの両面上に貼り合わせる方法
2.有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介してモールドと偏光フィルムとを所定距離離隔した状態で配置し、次いでモールドのキャビティ内に前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入し、硬化させる方法
3.モールドと偏光フィルムの両面との間に形成された2つのキャビティ内に、各々有機色素化合物を含む第1硬化性組成物と、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入し、硬化させる方法
以下、実施の形態毎に説明する。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は、
有機色素化合物を含む第1樹脂基板を調製する工程と、
前記第1樹脂基板よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2樹脂基板を調製する工程と、
熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムの対物面側に位置する面に、前記第1樹脂基板を貼り合わせるとともに、該偏光フィルムの対眼面側に位置する面に、前記第2樹脂基板を貼り合わせる工程と、を含む。
第1樹脂基板または第2樹脂基板は、所定の形状となるように上述の第1硬化性組成物または第2硬化性組成物を硬化成形することにより得ることができる。
第1樹脂基板または第2樹脂基板を偏光フィルムに貼り合わせるには、従来公知の方法で行うことができる。
本実施形態においては、上述の効果の観点から、第2樹脂基板は有機色素化合物を含まないことが好ましい。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程(1):レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムとの間を、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる。
工程(2):前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する。
工程(3):前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入する。
工程(4):前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する。
工程(5):前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す。
以下、第2実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法を、さらに第2a〜第2d実施形態により説明する。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の形成面上に、所定量の有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を載置する。
工程b:第1硬化性組成物を、偏光フィルムで形成面の全面に亘って押し広げ、第1硬化性組成物層を介して第1モールド基板と前記偏光フィルムとを所定距離離隔させる。
工程c:第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、レンズの他方の面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように第2モールド基板を配置する。
工程d:第1硬化性組成物層を半硬化し、半硬化層を形成する。
工程e:前記偏光フィルムと第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入する。
工程f:第1硬化性組成物の半硬化層と、注入された第2硬化性組成物を硬化して、前記偏光フィルムの両面上に基材層を形成する。
工程g:固定部材、第1モールド基板および第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す。
まず、レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の形成面上に、所定量の第1硬化性組成物を載置する。
第1モールド基板は、一般的にガラスから構成されている。
第1モールド基板の形成面は、所定の曲面形状を有する凹面である。本実施形態において、形成面が、レンズの対物面(凸面)を形成するための凹面である例によって説明する。なお、形成面が、レンズの対物面(凹面)を形成するための凸面であってもよい。
第1硬化性組成物を、前記偏光フィルムで形成面の全面に亘って押し広げて第1硬化性組成物層14aを形成し、第1硬化性組成物層14aを介して第1モールド基板と前記偏光フィルムとを所定距離離隔させる。
第1モールド基板と前記偏光フィルムとが所定距離離隔していることは、目視により容易に確認される。
第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように第2モールド基板を配置する。
第2モールド基板は、一般的にガラスから構成されている。第1モールド基板と同一でも異なっていてもよい。
これにより、前記偏光フィルムと第2モールド基板と固定部材とにより囲繞された間隙が形成される。
第1硬化性組成物を半硬化し、半硬化層を形成する。
これにより、前記偏光フィルムを位置決めすることができる。半硬化は、熱あるいは紫外線で、前記偏光フィルムの位置が動くことのない状態まで硬化させることを言う。
本工程においては、具体的に、前記第1モールド基板の前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記偏光フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる。
前記偏光フィルムと第2モールド基板との間隙に、所定の手段により、第2硬化性組成物を注入する。第2硬化性組成物が有機色素化合物を含む場合は、第1硬化性組成物と同一の組成であっても異なる組成であってもよい。第2硬化性組成物が有機色素化合物を含まない場合、有機色素化合物以外の組成は第1硬化性組成物と同一の組成であっても異なる組成であってもよい。なお、本実施形態においては、本発明の効果の観点から、第2硬化性組成物は有機色素化合物を含まないことが好ましい。
第1硬化性組成物の半硬化層と、注入された第2硬化性組成物を硬化して、前記偏光フィルムの両面に基材層を形成する。
硬化は、熱あるいは紫外線によって行われる。熱硬化の場合は、低温から80〜150℃へ6〜50時間かけて徐々に昇温するのが一般的である。
硬化終了後、固定部材、第1モールド基板および第2モールド基板を取り外して、フィルムの両側に基材層と基材層が積層したプラスチックレンズを得る。
得られたレンズは、必要に応じ、歪みの緩和等を目的として、離型したレンズを加熱してアニール処理が施される。アニール温度は通常80〜150℃の範囲、好ましくは90〜130℃の範囲である。アニール時間は、通常0.5〜10時間の範囲、好ましくは1〜6時間の範囲である。
以上の工程により、プラスチック偏光レンズを製造することができる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の形成面上に、所定量の有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を載置する。
工程b:レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の形成面上に、スペーサーを載置する。
工程c:第1硬化性組成物を、偏光フィルムで形成面の全面に亘って押し広げ、第1硬化性組成物層を介して第1モールド基板と前記偏光フィルムとを所定距離離隔させる。
工程d:第1モールド基板の外縁と、スペーサーの外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、フィルムと所定距離離隔して対向するように第2モールド基板を配置する。
工程e:第1硬化性組成物層を半硬化し、半硬化層を形成する。
工程f:前記偏光フィルムと第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入する。
工程g:第1硬化性組成物の半硬化層と、注入された第2硬化性組成物を硬化して、フィルムの両面に基材層を形成する。
工程h:固定部材、第1モールド基板および第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す。
工程a、工程c、工程d、工程e、工程f、工程gおよび工程hは、第2a実施形態と同様であり、説明を省略する。
レンズの対物面を形成するための形成面上に、フィルムの位置決めをより正確にするためのスペーサーを載置することが好ましい。
スペーサーは、レンズの対物面を形成するための形成面の外周縁に沿って載置することで、より確実に前記偏光フィルムを位置決めすることができる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面上に、粘度が1,000〜100,000mPa・sの有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を載置する。
工程b:前記第1硬化性組成物を、偏光フィルムで前記形成面の全面に亘って押し広げ、形成された第1硬化性組成物層を介して該第1モールド基板と前記偏光フィルムとを所定距離離隔させる。
工程c:前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの他方の面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する。
工程d:前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入する。
工程e:前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に基材層を形成する。
工程f:前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す。
工程b、工程c、工程d、工程e、工程fは、工程番号が異なる以外は第2a実施形態と同様であり、説明を省略する。
当該工程では、後工程にて前記偏光フィルムが動かないという観点と得られるレンズの面精度などの性能から、粘度が1,000〜100,000mPa・sの第1硬化性組成物を用いることができ、好ましくは2,000〜80,000mPa・s、より好ましくは3,000〜50,000mPa・s、特に好ましくは4,000〜30,000mPa・sとすることができる。第1硬化性組成物の粘度は、B型粘度計で測定される20℃における粘度である。なお、粘度が上記範囲にある第1硬化性組成物を用いる以外は、第2a実施形態の工程aと同様の成分を用い、同様の操作にて実施することができる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズ表面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面上に、粘度が1,000〜100,000mPa・sの有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を載置する。
工程b:前記第1モールド基板の前記形成面上に、スペーサーを載置する。
工程c:前記第1硬化性組成物を、偏光フィルムで形成面の全面に亘って押し広げ、前記第1硬化性組成物層を介して前記第1モールド基板と前記偏光フィルムとを所定距離離隔させる。
工程d:前記第1モールド基板の外縁と、前記スペーサーの外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する。
工程e:前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入する。
工程f:前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物を硬化して、前記偏光フィルムの両面に基材層を形成する。
工程g:前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す。
工程aおよび工程eは第2c実施形態と同様であり、工程b、工程c、工程d、工程f、工程gは、第2b実施形態と同様であり、説明を省略する。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の外縁と、熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムの外縁と、レンズの対眼面を形成するための形成面を有する前記第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、第1モールド基板の該形成面と、前記第2モールド基板の該形成面とから離隔した状態で、偏光フィルムを固定する。
工程b:前記偏光フィルムと前記第1モールド基板との間の空隙に、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を注入する。
工程c:前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間の空隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含んでいてもよい第2硬化性組成物を注入する。
工程d:前記第1硬化性組成物および前記第2硬化性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する。
工程e:前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチック偏光レンズを取り出す。
本工程においては、偏光フィルムの両面が、各々、第1モールド基板のレンズの対物面を形成するための形成面と、第2モールド基板のレンズの対眼面を形成するための形成面とフィルム面と並行となるように、固定部材で第1モールド基板と第2モールド基板と偏光フィルムを固定する。偏光フィルムと第1モールド基板との間、偏光フィルムと第2モールド基板との間には、各々空隙が形成される。空隙の最も間隙の狭い離間距離aは、0.2〜2.0mm程度である。
工程bおよび工程cは、実施形態2aの工程eと同様に行うことができるが、工程bおよび工程cは同時に行ってもよく、工程bの後に工程cを行ってもよく、工程cの後に工程bを行ってもよく、工程bおよび工程cの注入速度を変えてもよい。
工程dは、実施形態2aの工程fと同様な条件で行うことができる。工程eは、実施形態2aの工程gと同様に行うことができる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法においては、実施形態の各工程を適宜組み合わせることができる。
例えば、有機色素化合物を含む第1樹脂基板を調製した後、偏光フィルムの対物面側に位置する面に貼り合わせ、次いで偏光フィルムの他方の面に第2硬化性組成物を注型重合することにより第2樹脂基板を形成し、偏光レンズを得ることができる。その逆に、第2樹脂基板を調製した後、偏光フィルムの対眼面側に位置する面に貼り合わせ、次いで他方の面に有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を注型重合することにより第1樹脂基板を形成し、偏光レンズを得ることができる。
例えば、偏光フィルムの対物面側に位置する面に有機色素化合物を含まない樹脂基板を貼り合わせ、次いで当該樹脂基板上に、さらに予め準備しておいた有機色素化合物を含む樹脂基板を貼り合わせることにより第1樹脂基板を形成することができる。これらの工程の順番はこの逆であってもよい。さらに、これらの工程を適宜複数回実施することにより、第1樹脂基板を多層化することができる。
または、偏光フィルムの対物面側に位置する面に有機色素化合物を含まない樹脂基板を貼り合わせ、次いで樹脂基板上に有機色素化合物を含む硬化性組成物をコートまたは注型重合することにより第1樹脂基板を形成することができる。これらの工程の順番はこの逆であってもよい。さらに、これらの工程を適宜複数回実施することにより、第1樹脂基板を多層化することができる。
さらに、偏光フィルムの対物面側に位置する面に有機色素化合物を含まない硬化性組成物を注型重合することにより樹脂基板を形成し、次いで樹脂基板上に有機色素化合物を含む硬化性組成物をコートまたは注型重合することにより第1樹脂基板を形成することができる。これらの工程の順番はこの逆であってもよい。さらに、これらの工程を適宜複数回実施することにより、第1樹脂基板を多層化することができる。
第2樹脂基板が2層以上である場合、上記と同様に積層することができる。なお、第2樹脂基板を構成する樹脂基板または硬化性組成物は、有機色素化合物を含まなくてもよい。
<硬化性組成物1の調製>
m−キシリレンジイソシアネート50.6重量部、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル− 1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンとの混合物49.4重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.01重量部、離型剤としてZelecUN(登録商標、Stepan社製)0.15重量部、有機色素化合物としてPD−311S(山本化成社製)0.005重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb709(シプロ化成社製)1.50重量部を攪拌して溶解させた後、減圧下で脱泡処理して、硬化性組成物1を準備した。
有機色素化合物としてPD−311S(山本化成社製)を0.002重量部使用した以外は硬化性組成物1の調整と同様に操作して硬化性組成物2を準備した。
有機色素化合物としてPD−311S(山本化成社製)を0.001重量部使用した以外は硬化性組成物1の調整と同様に操作して硬化性組成物3を準備した。
有機色素化合物としてPD−311S(山本化成社製)を0.0002重量部使用した以外は硬化性組成物1の調整と同様に操作して硬化性組成物4を準備した。
有機色素化合物としてPD−311S(山本化成社製)を使用しない以外は硬化性組成物1の調整と同様に操作して硬化性組成物5を準備した。
有機色素化合物としてPD−311S(山本化成社製)を0.003重量部使用した以外は硬化性組成物1の調整と同様に操作して硬化性組成物6を準備した。
ポリビニルアルコール製偏光フィルムを、熱風循環式オーブンを用いて100℃の温度で0.5時間加熱した。加熱されたフィルム体に吸湿させて、ガラス型を用いて6C(カーブ)の湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断した後、温度80℃、圧力30torrの条件で乾燥させて附形偏光フィルムを得た。
セミフィニッシュド偏光レンズの対眼面を切削研磨して得られた偏光レンズは以下の基準で評価した。
外観(色むら):目視にて評価し、色むらを全く感じないものを◎、色の濃淡を感じることができるものの極めて弱く感じるものを〇、色の濃淡をやや感じるものを△、色の濃淡を強く感じるものを×とした。
コントラスト:晴れた日に屋外にてこのレンズを通して赤や緑のある風景を被験者5名にて見た。裸眼で見た時と比較して、被験者全員が、赤と緑のコントラストが上がってくっきりと見えると評価したものを◎、被験者3名以上が赤と緑のコントラストが上がってくっきりと見えると評価したものを〇、赤と緑のコントラストが上がってくっきりと見えると評価した被験者が1〜2名のものを△、赤と緑のコントラストが上がってくっきりと見えると評価した被験者がいなかったものを×とした。
レンズの対物面を形成するためのガラス製第1モールド基板の形成面上に、硬化性組成物1を3μmのテフロン製フィルターを通して注入し、第1モールド基板の形成面の外周縁に沿って、リング状スペーサーを載置し、それらの上に附形偏光フィルムを載置し、さらにその上に偏光フィルムと離隔するようにガラス製第2モールド基板を載置した。次いで、第1モールド基板の外縁と第2モールド基板の外縁を覆うようにテープで巻くことにより、これらを固定した 。この状態で30℃に14時間放置して硬化性組成物1を半硬化させた。ついで、附形偏光フィルムと第2モールド基板との間隙内が満たされるように、3μmのテフロン製フィルターを通して硬化性組成物5を注入した。このレンズ注型用鋳型を熱風循環式オーブンの中に置き、30時間かけて110℃に昇温した。徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出し、レンズ注型用鋳型からテープ、第1モールド基板および第2モールド基板を外してベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、全て(高価な有機色素化合物を含有しない)硬化性組成物5が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスはゼロであった。
硬化性組成物の注入量と対眼面の樹脂の切削研磨から算出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0.28mg、0mgであった。
硬化性組成物1の代わりに硬化性組成物2を、硬化性組成物5の代わりに硬化性組成物4を使用した以外は参考例1と同様に行い、ベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、(高価な有機色素化合物の含有量が2ppmと極めて低い)硬化性組成物4が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスは0.09mgであり廃棄量はわずかであった。
参考例1と同様に算出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0.11mg、0.02mgであった。
硬化性組成物1の代わりに硬化性組成物4を使用した以外は参考例1と同様に行い、ベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、全て(高価な有機色素化合物を含有しない)硬化性組成物5が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスはゼロであった。
参考例1と同様に算出した出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0.01mg、0mgであった。
[有機色素化合物を含有しないレンズの作製]
硬化性組成物5を2枚のガラス製モールド及びプラスチック製のガスケットからなる型に注入し、これを熱風循環式オーブンに入れて、30時間かけて110℃に昇温した。徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出し、ガラス製モールド及びプラスチック製のガスケットを外してレンズを得た。
[偏光レンズの作製]
レンズの対物面を形成するためのガラス製第1モールド基板の形成面上に、硬化性組成物3を3μmのテフロン製フィルターを通して注入し、第1モールド基板の形成面の外周縁に沿って、リング状スペーサーを載置した。それらの上に附形偏光フィルムを載置し、再度、偏光フィルムの上に硬化性組成物3を3μmのテフロン製フィルターを通して注入し、さらに硬化性組成物3上に、予め前述のようにして作製した有機色素化合物を含有しないレンズを載置した。次いで、第1モールド基板の外縁と白レンズの外縁を覆うようにテープで巻くことにより、これらを固定した 。このレンズ注型用鋳型を熱風循環式オーブンの中に置き、30時間かけて110℃に昇温した。徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出し、レンズ注型用鋳型からテープ、第1モールド基板を外してベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、全て(高価な有機色素化合物を含有しない)硬化性組成物5が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスはゼロであった。
硬化性組成物の注入量と対眼面の樹脂の切削研磨から算出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0.06mg、0.06mgであった。
[プライマー層の形成]
硬化性組成物1の代わりに硬化性組成物5を使用した以外は参考例1と同様に行い、ベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。そのセミフィニッシュド偏光レンズを洗浄、乾燥した後、アセトンで表面を脱脂した。次いで湿気硬化型ポリウレタン樹脂TS−SC−P(トクヤマ社製)をスピンコートして室温で5分乾燥させた。
[有機色素化合物含有樹脂の調製]
UV硬化型ウレタンアクリレート樹脂 ユニディックV−4001EA(DIC社製)100重量部に、光重合開始剤としてIrgacure184(BASF社製)3重量部、レベリング剤L7001(東レ・ダウコーニング社製)0.6重量部、有機色素化合物PD−311S(山本化成社製)0.35重量部を加え、撹拌混合して有機色素化合物含有樹脂を得た。
[有機色素化合物樹脂膜の形成及び偏光レンズの作製]
次に前途で調製した有機色素化合物含有樹脂約2gをスピンコーターを用いて、先程乾燥させたセミフィニッシュド偏光レンズの対物面にスピンコートして有機色素化合物樹脂の塗膜を形成した。
次に、有機色素化合物樹脂の塗膜により対物面がコートされたセミフィニッシュド偏光レンズに、メタルハライドランプでUV光を照射して塗膜を硬化させた。その後、さらに100℃で1時間の加熱処理を行うことで対物面に有機色素化合物含有樹脂膜を積層したセミフィニッシュド偏光レンズを得た。膜厚は40μmであった。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、全て(高価な有機色素化合物を含有しない)硬化性組成物5が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスはゼロであった。
参考例1と同様に算出した対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量は0mgであった。対物面側に形成されたコート層の有機性色素化合物含有量は7mgであった。
硬化性組成物1の代わりに硬化性組成物5を、硬化性組成物5の代わりに硬化性組成物1を使用した以外は参考例1と同様に行い、ベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、(高価な有機色素化合物を50ppm含有する)硬化性組成物1が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスは2.28mgであり廃棄量が大きかった(実施例2の約25倍)。
参考例1と同様に算出した出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0mg、0.57mgであった。
硬化性組成物1の代わりに硬化性組成物2を、硬化性組成物5の代わりに硬化性組成物2を使用した以外は参考例1と同様に行い、ベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、(高価な有機色素化合物を20ppm含有する)硬化性組成物2が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスは0.9mgであり廃棄量が大きかった(実施例2の約10倍)。
参考例1と同様に算出した出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0.11mg、0.2mgであった。
硬化性組成物1の代わりに硬化性組成物6を、硬化性組成物5の代わりに硬化性組成物6を使用した以外は参考例1と同様に行い、ベースカーブ6.0、中心厚10mmのセミフィニッシュド偏光レンズを得た。
次いで、対眼面を切削研磨して度数−4.0D、中心厚2.0mmの偏光レンズとした。第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は0.8mm、第1樹脂基板の最大厚み(R1−max)は0.8mm、第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)は1.2mm、第2樹脂基板の最大厚み(R2−max)は6.9mmであった。評価結果を表1に示した。
切削研磨において廃棄された樹脂は、(高価な有機色素化合物を30ppm含有する)硬化性組成物6が硬化したものであり、高価な有機色素化合物のロスは1.35mgであり廃棄量が大きかった(実施例2の約15倍)。
参考例1と同様に算出した出した対物面と対眼面を形成する樹脂基板中の有機性色素化合物含有量はそれぞれ0.17mg、0.32mgであった。
Claims (20)
- 熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの対物面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第1樹脂基板と、
前記偏光フィルムの対眼面側に位置する面に積層された少なくとも1層からなる第2樹脂基板と、
を備え、
前記第1樹脂基板を構成する1層および前記第2樹脂基板を構成する1層に有機色素化合物を含み、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の濃度は前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の濃度よりも高い、プラスチック偏光レンズ。 - 前記第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)および最大厚み(R1−max)と、前記第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)および最大厚み(R2−max)とが下記式を満たす、請求項1に記載のプラスチック偏光レンズ。
式: R1−min/R1−max>R2−min/R2−max - 前記第1樹脂基板の厚みは略均一である、請求項2に記載のプラスチック偏光レンズ。
- 前記第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)は前記第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)よりも小さい、請求項2または3に記載のプラスチック偏光レンズ。
- 前記第1樹脂基板の最小厚み(R1−min)および最大厚み(R1−max)が0.1mm〜4.0mmであり、前記第2樹脂基板の最小厚み(R2−min)および最大厚み(R2−max)が0.1mm〜17.0mmである、請求項2〜4のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
- 前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量aに対する、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量bの比(b/a)は、2/1〜100/1である、請求項1に記載のプラスチック偏光レンズ。
- 前記有機色素化合物は、下記一般式(1)
で表されるテトラアザポルフィリン化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。 - 前記有機色素化合物は、前記第1樹脂基板に5〜100ppm含まれる、請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
- 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板を構成する層は、同一でも異なっていてもよく、ポリ(チオ)ウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンから選択される少なくとも一種を含むよりなる群から選択される樹脂を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
- 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板を構成する少なくとも1層は、ポリ(チオ)ウレタンからなる、請求項9に記載のプラスチック偏光レンズ。
- 有機色素化合物を含む第1樹脂基板を調製する工程と、
前記第1樹脂基板よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2樹脂基板を調製する工程と、
熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムの対物面側に位置する面に、前記第1樹脂基板を貼り合わせるとともに、該偏光フィルムの対眼面側に位置する面に、前記第2樹脂基板を貼り合わせる工程と、
を含み、プラスチック偏光レンズの製造方法。 - 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板を構成する層は、同一でも異なっていてもよく、ポリ(チオ)ウレタン、ポリスルフィド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリオレフィンよりなる群から選択される樹脂を含む、請求項11に記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
- レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムとの間を、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、
プラスチック偏光レンズの製造方法。 - レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムとの間を、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記第1硬化性組成物層を半硬化する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
半硬化の前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、
プラスチック偏光レンズの製造方法。 - 前記第1硬化性組成物層を半硬化する前記工程は、
前記第1モールド基板の前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記偏光フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる工程である、請求項14に記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。 - レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面と偏光フィルムとの間を、粘度が1,000〜100,000mPa・sの有機色素化合物を含む第1硬化性組成物層を介して所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記偏光フィルムの外縁と、前記レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記偏光フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、プラスチック偏光レンズの製造方法。 - レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の外縁と、熱可塑性樹脂からなる偏光フィルムの外縁と、レンズの対眼面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆い、第1モールド基板の該形成面と、前記第2モールド基板の該形成面とから離隔した状態で、前記偏光フィルムを固定する工程と、
前記偏光フィルムと前記第1モールド基板との間の空隙に、有機色素化合物を含む第1硬化性組成物を注入する工程と、
前記偏光フィルムと前記第2モールド基板との間の空隙に、前記第1硬化性組成物よりも薄い濃度で有機色素化合物を含む第2硬化性組成物を注入する工程と、
前記第1硬化性組成物および前記第2硬化性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの両面上に第1樹脂基板および第2樹脂基板を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチック偏光レンズを取り出す工程と、
を含む、
プラスチック偏光レンズの製造方法。 - 前記有機色素化合物は、下記一般式(1)
で表されるテトラアザポルフィリン化合物である、請求項11〜17のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。 - 前記第2樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量aに対する、前記第1樹脂基板の前記有機色素化合物の含有量bの比(b/a)は、2/1〜100/1である、請求項11〜18のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
- 前記有機色素化合物は、前記第1樹脂基板に5〜100ppm含まれる、請求項11〜19のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018071183 | 2018-04-02 | ||
JP2018071183 | 2018-04-02 | ||
PCT/JP2019/014482 WO2019194132A1 (ja) | 2018-04-02 | 2019-04-01 | プラスチック偏光レンズおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019194132A1 JPWO2019194132A1 (ja) | 2021-02-12 |
JP6942884B2 true JP6942884B2 (ja) | 2021-09-29 |
Family
ID=68100279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020512237A Active JP6942884B2 (ja) | 2018-04-02 | 2019-04-01 | プラスチック偏光レンズおよびその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20210041599A1 (ja) |
JP (1) | JP6942884B2 (ja) |
WO (1) | WO2019194132A1 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7035010B2 (en) * | 2002-03-14 | 2006-04-25 | Intercast Europe, S.P.A. | Polarized lenses with variable transmission |
US7506977B1 (en) * | 2008-04-18 | 2009-03-24 | Hopnic Laboratory Co., Ltd. | Plastic spectacles lens |
JP2011145341A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Talex Optical Co Ltd | 眼鏡用アリルジグリコールカーボネート樹脂製レンズ |
KR20150043556A (ko) * | 2010-08-12 | 2015-04-22 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 플라스틱 편광렌즈, 그 제조 방법 및 편광필름 |
EP2824504B1 (en) * | 2012-03-06 | 2017-02-08 | Mitsui Chemicals, Inc. | Plastic polarizing lens and process for producing same |
JP2015069045A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | タレックス光学工業株式会社 | 複合機能性偏光レンズ |
JP5873584B1 (ja) * | 2015-03-12 | 2016-03-01 | 株式会社ホプニック研究所 | プラスチックレンズの製造方法、フィルムの位置決め方法 |
-
2019
- 2019-04-01 WO PCT/JP2019/014482 patent/WO2019194132A1/ja active Application Filing
- 2019-04-01 JP JP2020512237A patent/JP6942884B2/ja active Active
- 2019-04-01 US US17/044,365 patent/US20210041599A1/en active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2019194132A1 (ja) | 2021-02-12 |
WO2019194132A1 (ja) | 2019-10-10 |
US20210041599A1 (en) | 2021-02-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2963457B1 (en) | Optical material, composition for use therein, and use thereof | |
EP2963456B1 (en) | Optical material and use thereof | |
US9857503B2 (en) | Optical material and use thereof | |
KR101849862B1 (ko) | 광학 재료 및 그 용도 | |
KR101821078B1 (ko) | 광학 재료용 중합성 조성물, 당해 조성물로부터 얻어지는 광학 재료 및 플라스틱 렌즈 | |
JP6325168B2 (ja) | プラスチックメガネレンズの製造方法、フィルムの位置決め方法 | |
CN108026241B (zh) | 成型体和光学材料用聚合性组合物 | |
KR20110091005A (ko) | 광학 재료용 중합성 조성물, 광학 재료 및 광학 재료의 제조 방법 | |
JPWO2019009230A1 (ja) | 光学材料用重合性組成物および成形体 | |
JP6942884B2 (ja) | プラスチック偏光レンズおよびその製造方法 | |
JP2016168829A (ja) | プラスチックレンズの製造方法、フィルムの位置決め方法および複合体 | |
JP2020094128A (ja) | フォトクロミック光学材料用組成物およびその用途 | |
JP6244092B2 (ja) | 光学材料およびその用途 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200824 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20200827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210323 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210519 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210817 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210908 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6942884 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |