JP6942590B2 - パンツタイプ使い捨て着用物品 - Google Patents

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Description

本発明は、パンツタイプ使い捨て着用物品に関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつや、パンツタイプ使い捨て生理用ナプキン、パンツタイプ使い捨ておむつカバー等のパンツタイプ使い捨て着用物品は、前身頃の両側部と後身頃の両側部とがそれぞれヒートシールや超音波シールにより溶着接合されたサイドシール部を有しており、このサイドシール部の形成により、ウエスト開口及び脚開口が予め形成されたものである。
このようなパンツタイプ使い捨ておむつにおいては、排泄後などにおいておむつを脱がす際、サイドシール部で前身頃と後身頃とを引き剥がし、おむつを身体から取り除くことが行われる。このため、サイドシール部には、装着中に破れないような剥離強度だけでなく、使用後の剥がし易さも求められており、従来から様々な技術が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
なお、以下では、装着中の剥離強度のことを、装着時剥離強度といい、サイドシール部を挟んで前身頃及び後身頃を180度反対方向に引っ張ったときの剥離強度を意味する。また、使用後にサイドシール部を引きはがす際の剥離強度のことを、使用後剥離強度といい、サイドシール部を手前にして前身頃のウエスト部及び後身頃のウエスト部を手でつかみ、左右に開く(図6矢印参照)ようにしてウエスト開口から脚開口に向かって引き剥がすときの剥離強度を意味する。また、周知のように、サイドシール部の引き剥がし(剥離)には、界面剥離の他、溶着部の周囲に沿う基材破壊も含まれる。
しかしながら、例えば特許文献1記載のパターンでは、剥離力の向きと溶着部の長手方向の傾斜角度とがほぼ一致するため、横裂けが起こりにくいものの、ウエスト開口側から脚開口側に向かうにつれて単位面積当たりの溶着面積が増加する。この結果、ウエスト開口側に十分な装着時剥離強度を確保すると、脚開口側の使用後剥離強度が過剰となり、使用後の引き剥がしが困難となるおそれがある。一方、使用後の引き剥がし容易性を重視して脚開口側の使用後剥離強度を抑えると、ウエスト開口側の装着時剥離強度が不足し、装着中にウエスト開口側が破れるおそれがある。
この点、特許文献2記載のものでは、単位面積当たりの溶着面積がサイドシール部の縦方向にほぼ一定であるため、装着時剥離強度は縦方向にほぼ一定となる。しかし、特許文献2記載のものでは、細長状の溶着部がジグザグに配列されており、溶着部が側方に向かって斜め上向きとなる領域では、側方に向かって斜め下向きとなる剥離力に対して、剥離の進行方向が逆向きになるため、力の加え方が難しくなり、円滑な引き剥がしが困難となるだけでなく、横裂けも発生しやすくなる。また、溶着部が側方に向かって斜め上向きとなる領域では、剥離力と直交する方向の溶着部の寸法が長くなるため、必要な剥離力も高くなり、この点も円滑な引き剥がしを困難にする。
特開2013−233383号公報 特開2003−24381号公報
そこで、本発明の主たる課題は、縦方向全体にわたり変化の少ない装着時剥離強度及び使用後剥離強度を有し、かつ円滑に引き剥がすことができるサイドシール部を備えたパンツタイプ使い捨て着用物品を提供することにある。
上記課題を解決したパンツタイプ使い捨て着用物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
前身頃の側部と後身頃の側部との溶着部が配列されたサイドシール部、並びにウエスト開口及び左右一対の脚開口を備えた、パンツタイプ使い捨て着用物品において、
前記サイドシール部は、3点以上の溶着部が側方に向かって斜め下方向に間隔を空けて並ぶ溶着部群が、縦方向に繰り返す部分であり、
前記溶着部はすべて面積が同一であり、
前記溶着部は、前記サイドシール部における同一の縦方向位置に一つのみ設けられており、
前記サイドシール部における前記溶着部の縦方向間隔はすべて同一であり、
前記溶着部群の溶着部数が、前記ウエスト開口側から前記脚開口側に向かうにつれて段階的に増加している、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
本パンツタイプ使い捨て着用物品のサイドシール部におけるドットパターンは、溶着部はすべて面積が同一であるとともに、サイドシール部における同一の縦方向位置に一つのみ設けられており、かつサイドシール部における溶着部の縦方向間隔はすべて同一である。よって、単位面積当たりの溶着面積がサイドシール部の縦方向にほぼ一定となるため、装着時剥離強度は縦方向にほぼ一定となり、装着中に特定箇所の剥離強度が弱いことにより破れる事態は発生しにくい。
また、溶着部群の溶着部数(一つの溶着部群に含まれる溶着部の総数)が、ウエスト開口側から脚開口側に向かうにつれて段階的に増加していると、溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角が段階的に増加する。よって、使用後にサイドシール部をウエスト開口から脚開口に向かって引き剥がす際、剥離力の向きが溶着部群の長手方向の傾斜角度に近くなること、及び個々の溶着部の剥離における力、時間、方向の変化が少ないことにより、横裂けが起こりにくいだけでなく、剥離力の変化が少なく、円滑な剥離が可能となる。
<第2の態様>
すべての前記溶着部群の幅方向寸法が同一である、
第1の態様パンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
このように、すべての溶着部群の幅方向寸法が同一であると、サイドシール部の側縁が縦方向に直線的になり、使用後にサイドシール部をウエスト開口から脚開口に向かって引き剥がす際、剥離位置がある溶着部群から他の溶着部群に移るときの、力の方向の変化がより少ないものとなり、より円滑な剥離が可能となるため好ましい。
<第3の態様>
前記溶着部の形状が円形である、
第1又は2の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
溶着部の形状が円形であると、個々の溶着部の剥離における力、時間、方向の変化が特に少ないため好ましい。
<第4の態様>
前記溶着部の形状が、前記溶着部群の両端部を結ぶ方向に沿う長軸を有する楕円形である、
第1又は2の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
溶着部の形状が、溶着部群の両端部を結ぶ方向に沿う長軸を有する楕円形であると、剥離力の方向が剥離の進行方向に近くなるため、より横裂けが起こりにくくなるだけでなく、同一溶着部群において剥離位置がある溶着部から他の溶着部に移るときの、力の方向の変化がより少ないものとなり、より円滑な剥離が可能となるため好ましい。
<第5の態様>
前記溶着部群を3群以上有し、
前記溶着部群の溶着部数が、前記ウエスト開口側から前記脚開口側に向かうにつれて段階的に2段階以上増加している、
第1〜4のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
このように溶着部群を多数設け、かつ溶着部群の溶着部数の増加段階数を2段階以上とすることにより、使用後にサイドシール部をウエスト開口から脚開口に向かって引き剥がす際、剥離位置がある溶着部群から他の溶着部群に移るときの、力の方向の変化がより少ないものとなり、より円滑な剥離が可能となるため好ましい。
<第6の態様>
前記溶着部の形状は、0.7〜1.5mm2の面積を有する円形又は正多角形であり、
前記溶着部の縦方向間隔は、0.5〜1mmであり、
すべての前記溶着部群の幅方向寸法が同一で、かつ3〜5mmであり、
前記溶着部群の溶着部数が、前記ウエスト開口側から前記脚開口側に向かうにつれて3から6、7又は8まで1〜5段階で増加している、
第1の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
溶着部のドットパターンの寸法等は適宜定めることができるが、乳幼児用途では概ね本態様の範囲内とするのが好ましい。これにより、溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角は、最もウエスト開口側の溶着部群では37〜45度程度となり、最も脚開口側の溶着部群では66〜72度程度となる。そしてその結果、使用後にサイドシール部をウエスト開口から脚開口に向かって引き剥がす際、剥離力の向きが溶着部群の長手方向の傾斜角度に特に近くなるため、より一層、円滑な剥離が可能となる。
以上のとおり、本発明によれば、縦方向全体にわたり変化の少ない装着時剥離強度及び使用後剥離強度を有し、かつ円滑に引き剥がすことができるサイドシール部を備えたものとなる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 (a)図1の5−5断面図、(b)図1の6−6断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 サイドシール部の正面図である。 図7の符号7部分の拡大図である。 サイドシール部の正面図である。 図9の符号8部分の拡大図である。 図9の符号9部分の拡大図である。 サイドシール部の要部拡大正面図である。
以下、パンツタイプ使い捨て着用物品の例としてのパンツタイプ使い捨ておむつについて、添付図面を参照しつつ詳説する。図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつ100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装体12と、外装体12に取り付けられた内装体200とを備えたものである。符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収し、保持する部分であり、外装体12は内装体200を装着者の身体に対して支持する部分である。
各構成部材は必要に応じて表裏少なくとも一方側に隣接する部材に接合される。この部材間の接合は、いずれか一方又は両方の部材に対して塗布されたホットメルト接着剤により行うことができる。ホットメルト接着剤の塗布パターンとしては、ベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)など、適宜のパターンを採用することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、コームガンやシュアラップ塗布などによりホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する起き上がりギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
起き上がりギャザー60を設ける場合、トップシート30の両側部は、液不透過性シート11と起き上がりギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び起き上がりギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の起き上がりギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、起き上がりギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向WDに折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔をあけて複数本固定してなるものである。起き上がりギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなる。この形態は面接触タイプの起き上がりギャザーであるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの起き上がりギャザー(図示略)も採用することができる。そして、突出部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールにより固定された前後固定部67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分とされ、この自由部分に前後方向LDに沿うギャザー弾性部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。ギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシートの間に防水フィルム64を介在させることもできる。
起き上がりギャザー60の自由部分に設けられるギャザー弾性部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、ギャザー弾性部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にもギャザー弾性部材63を配置しても良い。
起き上がりギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
以上の構成を有する起き上がりギャザー60は、ギャザー弾性部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において起き上がりギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、起き上がりギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
起き上がりギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図3に示すように、起き上がりギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、起き上がりギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1及び図2にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と起き上がりギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度(JIS K7224−1996高吸水性樹脂の吸水速度試験方法)が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装体)
外装体12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されてサイドシール部13が形成され、図6に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口WO及び脚を通すための左右一対の脚開口LOが形成されているものである。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト端縁から後身頃Bのウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装体12は、ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部13を有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部13を有する前後方向領域と間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側に延び出る部分がウエスト部Wとなる。これらの前後方向LDの寸法は、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。
外装体12における中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚周りに沿う部位となる。外装体12の括れの程度は適宜定めることができ、すっきりとした外観とするためには、外装体12の幅は最も幅が狭い部分で内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるようにしてもよい。
外装体12は、図1〜図5に示されるように、二枚のシート材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート材12Hはウエスト開口WOの縁までしか延在していないが、外側シート材12Sは内側シート材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート材12S,12Hとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、少なくとも一方、好ましくは両方に不織布が使用される。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。特に、外側シート材12Sとしてポリプロピレン(PP)又はそのコポリマー(例えばポリエチレンや、エチレンを共重合成分として配合したコポリマー)の不織布(以下、PP系不織布ともいう)を用いると、外面の手触りが柔軟となるため好ましい。また、内側シート材12Hとしては、ポリエチレン(PE)を鞘に、ポリプロピレン(PP)を芯成分にした芯鞘繊維(PE/PP)や、ポリエチレン(PE)を鞘に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を芯成分にした芯鞘繊維(PE/PET)を好適に用いることができる。
さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その繊維の繊度は1.7〜2.8dtex程度とするのが好ましく、また、坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
そして、外装体12には、胴周りに対するフィット性を高めるために、両シート材12S,12H間に糸ゴム等の細長状の弾性部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。弾性部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装体12の両シート材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる弾性部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装体12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、弾性部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト部Wにおける内側シート材12Hの内側面と外側シート材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性部材17が前後方向LDに間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向WDに沿って伸長された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に310〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bのウエスト下部Uにおける内側シート材12Hの外側面と外側シート材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、ウエスト下部弾性部材15,19が複数本、前後方向LDに間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向WDに沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下部弾性部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に310〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート材12Hの外側面と外側シート材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、中間部弾性部材16,18が複数本、前後方向LDに間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向WDに沿って伸長された状態で固定されている。
中間部弾性部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に310〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下部弾性部材15,19及び中間部弾性部材16,18が、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内装体200と外装体12との接合領域の全体を含む)を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向WDに必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性部材が一か所又は多数個所で細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。もちろんウエスト下部弾性部材及び中間部弾性部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、ウエスト下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、ウエスト下部弾性部材及び中間部弾性部材15,19,16,18の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
(外装体分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装体12により連続的に覆っているが、外装体が、装着者の胴周りのうち腹側を覆う腹側外装体と背側を覆う背側外装体とに分割されており、腹側外装体の幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装体の幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装体と背側外装体とが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における液不透過性シートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装体と背側外装体との間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装体を固定することもできる。股間部外装体としては、前述した外装体に用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装体も本発明の外装体に相当する。
(サイドシール部)
サイドシール部13は、前身頃Fの側部と後身頃Bの側部との溶着部14が配列された部分である。溶着部14の加工はヒートシールにより行うことも可能であるが、超音波シールを用いると、ヒートシールと比べて溶着部14の周囲への熱影響が少なく、サイドシール部13が柔軟に仕上がるため好ましい。
特徴的には、図7及び図8に示す例、並びに図9〜図11に示す例では、サイドシール部13は、3点以上の溶着部14が側方に向かって斜め下方向に間隔を空けて並ぶ溶着部群140が、縦方向YDに繰り返す部分となっている。また、溶着部14はすべて面積が同一であるとともに、サイドシール部13における同一の縦方向位置に一つのみ設けられており、かつサイドシール部13における溶着部14の縦方向間隔14dはすべて同一となっている。この結果、単位面積当たりの溶着面積がサイドシール部13の縦方向YDにほぼ一定となる。よって、装着時剥離強度は縦方向YDにほぼ一定となり、装着中に特定箇所の剥離強度が弱いことにより破れる事態は発生しにくい。
さらに、溶着部群140の溶着部数は、ウエスト開口WO側から脚開口LO側に向かうにつれて段階的に増加している。この結果、溶着部群140の両端を結ぶ方向と幅方向WDとの鋭角側交差角θが段階的に増加する。よって、使用後にサイドシール部13をウエスト開口WOから脚開口LOに向かって引き剥がす際、剥離力の向き(図7中に白抜き矢印で示す)が溶着部群140の長手方向の傾斜角度θに近くなること、及び個々の溶着部14の剥離における力、時間、方向の変化が少ないことにより、横裂けが起こりにくいだけでなく、剥離力の変化が少なく、円滑な剥離が可能となる。
溶着部群140の幅方向寸法140wは、溶着部群140毎に異なる寸法となっていてもよいが、図示例のように、すべての溶着部群140の幅方向寸法140wが同一であると、サイドシール部の側縁が縦方向に直線的になり、使用後にサイドシール部13をウエスト開口WOから脚開口LOに向かって引き剥がす際、剥離位置がある溶着部群140から他の溶着部群140に移るときの、力の方向の変化がより少ないものとなり、より円滑な剥離が可能となるため好ましい。
溶着部群140において、溶着部14は図示例のように直線的に並んでいることが望ましいが、側方に向かって斜め下方向に並ぶ限り、円弧状等の曲線方向に沿って並んでいていてもよい。
各溶着部14の形状は適宜定めることができ、三角形等の多角形、特に正多角形や、半円形、星形、楕円形等特に限定されないが、短径と長径との比が小さい方が好ましく、例えば長径が短径の1.5倍以下であることが好ましい。特に、溶着部14の形状が図示例のような円形であると、個々の溶着部14の剥離における力、時間、方向の変化が特に少ないため好ましい。また、溶着部14はすべて同一形状かつ同一寸法であることが好ましいが、すべて面積が同一である限り、複数種の形状の溶着部14が設けられていてもよい。例えば、一又は複数の溶着部群140ごとに溶着部14の形状を異なるものとすることができる。
また、図12に示すように、溶着部14の形状が、溶着部群140の両端部を結ぶ方向(図中二点鎖線で示す方向)に沿う長軸を有する楕円形であるのも好ましい。この場合、剥離力の方向が剥離の進行方向に近くなるため、より横裂けが起こりにくくなるだけでなく、同一溶着部群140において剥離位置がある溶着部14から他の溶着部14に移るときの、力の方向の変化がより少ないものとなり、より円滑な剥離が可能となる。
溶着部群140の溶着部数の増加段階数をnとしたとき、溶着部群140の最小数はn+1となり、溶着部数の同じ溶着部群140を複数設ける場合、溶着部群140の最小数は2n+1となる。溶着部群140の溶着部数の増加段階数は多いほど、使用後にサイドシール部13をウエスト開口WOから脚開口LOに向かって引き剥がす際、剥離位置がある溶着部群140から他の溶着部群140に移るときの、力の方向の変化がより少ないものとなり、より円滑な剥離が可能となる。よって、図7及び図8に示す例のように、溶着部群140の溶着部数がサイドシール部13を縦方向YDに三等分した時の中間領域で1段階増加するのも簡素で好ましいが、図9〜図11に示すように溶着部群140の溶着部数の増加段階数を2以上(図示例ではそう溶着部14数が3から7まで増加し、4段階となっている)とするのも好ましい。
溶着部14のドットパターンの寸法等は適宜定めることができるが、溶着部群140の両端を結ぶ方向と幅方向WDとの鋭角側交差角θが、最もウエスト開口WO側の溶着部群140では37〜45度程度となり、最も脚開口LO側の溶着部群140では66〜72度程度となるように設定することが望ましい。これにより、使用後にサイドシール部13をウエスト開口WOから脚開口LOに向かって引き剥がす際、剥離力の向きが溶着部群140の長手方向の傾斜角度θに特に近くなるため、より一層、円滑な剥離が可能となる。このようなドットパターンは、乳幼児用途の使い捨ておむつでは、概ね以下の寸法範囲とすることにより可能となる。
溶着部14の形状:円形又は正多角形
溶着部14の面積:0.7〜1.5mm2
溶着部の縦方向間隔14d:0.5〜1mm
溶着部群の幅方向寸法140w(すべての溶着部群140で同一):3〜5mm
溶着部群140の溶着部数:3から6、7又は8まで1〜5段階で増加
図7及び図8に示す例の寸法例を挙げると、以下のとおりである。
溶着部14の形状:円形(直径1.0mm)
溶着部14の面積:0.79mm2
溶着部の縦方向間隔14d:0.75mm
溶着部群140における溶着部14の配列:直線状
溶着部群の幅方向寸法140w(すべての溶着部群で同一):4.5mm
溶着部群140の溶着部数:3から7まで1段階で増加
溶着部数が3の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:1.75mm
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:45度
溶着部数が7の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:0.580mm
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:72度
図9〜図11に示す例の寸法例を挙げると、以下のとおりである。
溶着部14の形状:円形(直径1.0mm)
溶着部14の面積:0.79mm2
溶着部の縦方向間隔14d:0.75mm
溶着部群140における溶着部14の配列:直線状
溶着部群の幅方向寸法140w(すべての溶着部群140で同一):4.5mm
溶着部群140の溶着部数:3から7まで4段階で増加
溶着部数が3の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:1.75mm
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:45度
溶着部数が4の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:1.17mm
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:56度
溶着部数が5の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:0.875mm
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:63度
溶着部数が6の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:0.700mm:
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:68度
溶着部数が7の溶着部群140
・溶着部の幅方向中心間隔14x:0.580mm:
・溶着部群の両端を結ぶ方向と幅方向との鋭角側交差角θ:72度
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「表側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、パンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、10倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、サイドシール部を有するパンツタイプ使い捨て着用物品に利用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装体、12r…折り返し部分、12S…外側シート材、12H…内側シート材、13…サイドシール部、14…溶着部、14d…縦方向間隔、14x…幅方向中心間隔、140…溶着部群、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、F…前身頃、B…後身頃、W…ウエスト部、WO…ウエスト開口、LO…脚開口、WD…幅方向、LD…前後方向、YD…縦方向、θ…鋭角側交差角。

Claims (6)

  1. 前身頃の側部と後身頃の側部との溶着部が配列されたサイドシール部、並びにウエスト開口及び左右一対の脚開口を備えた、パンツタイプ使い捨て着用物品において、
    前記サイドシール部は、3点以上の溶着部が側方に向かって斜め下方向に間隔を空けて並ぶ溶着部群が、縦方向に繰り返す部分であり、
    前記溶着部はすべて面積が同一であり、
    前記溶着部は、前記サイドシール部における同一の縦方向位置に一つのみ設けられており、
    前記サイドシール部における前記溶着部の縦方向間隔はすべて同一であり、
    前記溶着部群の溶着部数が、前記ウエスト開口側から前記脚開口側に向かうにつれて段階的に増加している、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
  2. すべての前記溶着部群の幅方向寸法が同一である、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  3. 前記溶着部の形状が円形である、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  4. 前記溶着部の形状が、前記溶着部群の両端部を結ぶ方向に沿う長軸を有する楕円形である、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  5. 前記溶着部群を3群以上有し、
    前記溶着部群の溶着部数が、前記ウエスト開口側から前記脚開口側に向かうにつれて段階的に2段階以上増加している、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  6. 前記溶着部の形状は、0.7〜1.5mm2の面積を有する円形又は正多角形であり、
    前記溶着部の縦方向間隔は、0.5〜1mmであり、
    すべての前記溶着部群の幅方向寸法が同一で、かつ3〜5mmであり、
    前記溶着部群の溶着部数が、前記ウエスト開口側から前記脚開口側に向かうにつれて3から6、7又は8まで1〜5段階で増加している、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
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