JP6942279B1 - 座屈拘束ブレース - Google Patents
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Abstract
Description
近年のSDGs(Sustainable Development Goals)への取り組みの一環として、木材の利用促進が求められている。座屈拘束ブレースの分野では、拘束管に木材を使用する商品が市場に出始めている(例えば、特許文献1参照)。
<2>上記<1>に係る座屈拘束ブレースでは、前記芯材に対して、前記芯材の板幅方向の第1側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第1スペーサーと、前記芯材に対して、前記板幅方向の第2側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第2スペーサーと、を更に備え、前記継ぎ材は、前記芯材および前記第1スペーサーに対して前記板幅方向の第1側に配置された第1化粧木と、前記芯材および前記第2スペーサーに対して前記板幅方向の第2側に配置された第2化粧木と、を備えている構成を採用してもよい。
<3>上記<1>または<2>に係る座屈拘束ブレースでは、前記第1拘束材と前記第2拘束材とを締結する締結部材を更に備えている構成を採用してもよい。
<4>本発明の一態様に係る座屈拘束ブレースは、板状の鋼製の芯材と、前記芯材に対して、前記芯材の板厚方向の第1側に配置された木製の第1拘束材と、前記芯材に対して、前記板厚方向の第2側に配置された木製の第2拘束材と、前記第1拘束材と前記第2拘束材とを締結する締結部材と、を備え、前記第1拘束材および前記第2拘束材それぞれには、各拘束材を前記板厚方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記締結部材は、前記第1拘束材と前記第2拘束材とを前記板厚方向に貫通し、前記締結部材の前記板厚方向の第1側の端部が、前記第1拘束材の前記貫通孔に配置され、前記締結部材の前記板厚方向の第2側の端部が、前記第2拘束材の前記貫通孔に配置され、前記第1拘束材および前記第2拘束材それぞれの前記貫通孔に配置され、前記締結部材を前記板厚方向から覆う木目栓を更に備えている。
<5>上記<3>または<4>に係る座屈拘束ブレースでは、前記芯材に対して、前記芯材の板幅方向の第1側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第1スペーサーと、前記芯材に対して、前記板幅方向の第2側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第2スペーサーと、を更に備え、前記締結部材は、前記第1拘束材と、前記第1スペーサーまたは前記第2スペーサーと、前記第2拘束材と、を前記板厚方向に貫通して締結する構成を採用してもよい。
<6>上記<3>から<5>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記締結部材は、頭部が前記第1拘束材の表面に配置され、軸部が前記第1拘束材と前記第2拘束材とを前記板厚方向に貫通し、前記軸部の先端が前記第2拘束材の表面から突出するボルトと、前記先端に嵌め込まれて前記第2拘束材の表面に配置され、前記頭部との間で前記第1拘束材および前記第2拘束材を前記板厚方向に挟むナットと、前記第1拘束材の表面と前記頭部との間、および、前記第2拘束材の表面と前記ナットとの間にそれぞれ配置された付勢部材と、を備えている構成を採用してもよい。
<7>上記<2>または<5>に係る座屈拘束ブレースでは、前記第1スペーサーおよび前記第2スペーサーはいずれも、前記芯材の材軸方向に複数配置されている構成を採用してもよい。
<8>上記<1>から<7>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記第1拘束材および前記第2拘束材のうちの少なくとも一方は、前記芯材の板幅方向に積層された複数の木板を備えている構成を採用してもよい。
以下、図1から図4を参照し、本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレース10を説明する。
図1から図4に示すように、座屈拘束ブレース10は、芯材20と、拘束材30と、スペーサー40と、化粧木50(継ぎ木)と、締結部材60と、を備えている。
芯材20は、板状である。芯材20は、材軸方向Yに長く、板幅方向Zに短い。以下では、芯材20の材軸方向Yを単に材軸方向Yといい、板幅方向Zを単に板幅方向Zといい、板厚方向Xを単に板厚方向Xという。
芯材20における材軸方向Yの中央が狭幅部21であり、材軸方向Yの端部が広幅部22であることで、芯材20における材軸方向Yの中央(狭幅部21)が塑性化し易い領域となり、塑性化領域が前記中央に限定される。
広幅部22と補強リブ24にはそれぞれ、ボルト孔が開設されている。座屈拘束ブレース10は、ボルト孔に差し込まれる図示しないボルトによって、構造物(建物)に取り付けられる。
図1に示すように、拘束材30は、第1拘束材31と、第2拘束材32と、を備えている。第1拘束材31および第2拘束材32は、芯材20を板厚方向Xに拘束し、芯材20の面外変位(板厚方向Xへの変位)を規制する。第1拘束材31は、芯材20に対して、板厚方向Xの第1側に配置されている。第2拘束材32は、芯材20に対して、芯材20の板厚方向Xの第2側に配置されている。
第1拘束材31および第2拘束材32はいずれも、芯材20の狭幅部21よりも材軸方向Yに長く、かつ、芯材20の全長よりも材軸方向Yに短い。芯材20の広幅部22は、第1拘束材31および第2拘束材32から材軸方向Yに張り出している。
第1拘束材31および第2拘束材32はいずれも、芯材20に密接(面接触)している。第1拘束材31において板厚方向Xの第2側を向く面が、芯材20において板厚方向Xの第1側を向く面に密接している。第2拘束材32において板厚方向Xの第1側を向く面が、芯材20において板厚方向Xの第2側を向く面に密接している。
スペーサー40は、第1スペーサー41と、第2スペーサー42と、を備えている。第1スペーサー41および第2スペーサー42は、芯材20を板幅方向Zに拘束し、芯材20の面内変位(板幅方向Zへの変位)を規制する。第1スペーサー41は、芯材20に対して、板幅方向Zの第1側に配置されている。第2スペーサー42は、芯材20に対して、芯材20の板幅方向Zの第2側に配置されている。
材軸方向Yに直交する断面視において、第1スペーサー41および第2スペーサー42はいずれも、板厚方向Xよりも板幅方向Zに長い矩形状である。第1スペーサー41および第2スペーサー42はいずれも、芯材20の狭幅部21よりも板幅方向Zに狭い。
化粧木50は、第1化粧木51と、第2化粧木52と、を備えている。第1化粧木51および第2化粧木52は、芯材20(スペーサー40)を板幅方向Zから覆う。第1化粧木51および第2化粧木52は、芯材20に対して板幅方向Zにずらされた状態で、第1拘束材31と第2拘束材32との間に配置されている。
締結部材60は、第1拘束材31と、第1スペーサー41または第2スペーサー42と、第2拘束材32と、を締結する。本実施形態では、締結部材60は、ボルト61と、ナット62と、付勢部材63と、を備えている。ボルト61およびナット62は、第1貫通孔36および第2貫通孔45の数に応じて複数設けられている。
ボルト61は、頭部64と、軸部65と、を備えている。頭部64は、第1拘束材31の表面に配置される。図示の例では、頭部64と第1拘束材31の表面との間には、付勢部材63が配置されている。
いずれにしても、第1スペーサー41の厚さおよび第2スペーサー42の厚さがいずれも、芯材20の厚さ以下であることで、第1拘束材31および第2拘束材32が芯材20に密接することを、第1スペーサー41および第2スペーサー42が阻害し難い。
付勢部材63が、第1拘束材31の表面とボルト61の頭部64との間、および、第2拘束材32の表面とナット62との間にそれぞれ配置されている。したがって、第1拘束材31の表面と頭部64との間に配置された付勢部材63が、第1拘束材31を芯材20に向けて付勢する。かつ、第2拘束材32の表面とナット62との間に配置された付勢部材63が、第2拘束材32を芯材20に向けて付勢する。これにより、第1拘束材31および第2拘束材32と芯材20とが一層密接し易くなる。また、仮に第1拘束材31や第2拘束材32が乾燥に伴って収縮したとしても、第1拘束材31や第2拘束材32と、芯材20と、の間に隙間が生じるのを抑制することができる。
ところで、エンジニアードウッドでは、その積層方向に直交する方向である幅方向の大きさ(エンジニアードウッドの幅)について、製作上の都合により制限が生じる。そのため、エンジニアードウッドの幅は一定値(例えば、210mm)以下となる。よって、例えば、エンジニアードウッドの幅方向が、芯材20の板幅方向Zと一致する場合、芯材20の幅が前記一定値よりも大きい場合には、複数のエンジニアードウッドを芯材20の板幅方向Zに並べて二次接着させる必要が生じる。
これに対して、この座屈拘束ブレース10のように、エンジニアードウッドの幅方向ではなく積層方向が、芯材20の板幅方向Zと一致する場合、芯材20の幅に応じて、単に、エンジニアードウッドにおける木板(ラミナ33)の積層数を変更すればよい。よって、例えば、座屈拘束ブレース10の製造コストを抑えること等ができる。
本実施形態では、締結部材60が、第1拘束材31と、第1スペーサー41または第2スペーサー42と、第2拘束材32と、を締結する。これにより、芯材20の面内座屈を第1スペーサー41や第2スペーサー42によって効果的に拘束することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る座屈拘束ブレース10を、図5から図8を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示す座屈拘束ブレース10Bでは、第1貫通孔36に座繰り36a(大径部)が設けられている。ボルト61は、図1から図4に示す座屈拘束ブレース10におけるボルト61よりも、板厚方向Xに短い。ボルト61の頭部64、ナット62および付勢部材63は、座繰り36aに収容されている。木栓90は、座繰り36aに嵌め込まれている。
図10に示す座屈拘束ブレース10Cでは、ドリフトピン80における板厚方向Xの第1側の端部が、第1拘束材31の第1貫通孔36に配置されている。ドリフトピン80における板厚方向Xの第2側の端部が、第2拘束材32の第1貫通孔36に配置されている。そして木栓90が、第1拘束材31および第2拘束材32それぞれの第1貫通孔36に配置されている。木栓90は、ドリフトピン80を板厚方向Xから覆っている。
これらの変形例に係る座屈拘束ブレース10B、10Cによれば、木栓90が、締結部材60を板厚方向Xから覆っている。したがって、第1拘束材31や第2拘束材32から締結部材60が露出することがなく、座屈拘束ブレース10B、10Cの意匠性を高めることができる。
なお締結部材60が、ボルト61、ナット62および付勢部材63を含む第1締結部材と、ドリフトピン80を含む第2締結部材と、を複数ずつ混合して備えていてもよい。
20 芯材
31 第1拘束材
32 第2拘束材
41 第1スペーサー
42 第2スペーサー
50 化粧木(継ぎ木)
61 ボルト
62 ナット
64 頭部
65 軸部
80 ドリフトピン
90 木栓
X 板厚方向
Y 材軸方向
Z 板幅方向
Claims (8)
- 板状の鋼製の芯材と、
前記芯材に対して、前記芯材の板厚方向の第1側に配置された木製の第1拘束材と、
前記芯材に対して、前記板厚方向の第2側に配置された木製の第2拘束材と、
前記芯材に対して前記芯材の板幅方向にずらされた状態で、前記第1拘束材と前記第2拘束材との間に配置され、前記第1拘束材および前記第2拘束材に接着された継ぎ材と、を備えている、座屈拘束ブレース。 - 前記芯材に対して、前記芯材の板幅方向の第1側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第1スペーサーと、
前記芯材に対して、前記板幅方向の第2側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第2スペーサーと、を更に備え、
前記継ぎ材は、
前記芯材および前記第1スペーサーに対して前記板幅方向の第1側に配置された第1化粧木と、
前記芯材および前記第2スペーサーに対して前記板幅方向の第2側に配置された第2化粧木と、を備えている、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記第1拘束材と前記第2拘束材とを締結する締結部材を更に備えている、請求項1または2に記載の座屈拘束ブレース。
- 板状の鋼製の芯材と、
前記芯材に対して、前記芯材の板厚方向の第1側に配置された木製の第1拘束材と、
前記芯材に対して、前記板厚方向の第2側に配置された木製の第2拘束材と、
前記第1拘束材と前記第2拘束材とを締結する締結部材と、を備え、
前記第1拘束材および前記第2拘束材それぞれには、各拘束材を前記板厚方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記締結部材は、前記第1拘束材と前記第2拘束材とを前記板厚方向に貫通し、
前記締結部材の前記板厚方向の第1側の端部が、前記第1拘束材の前記貫通孔に配置され、
前記締結部材の前記板厚方向の第2側の端部が、前記第2拘束材の前記貫通孔に配置され、
前記第1拘束材および前記第2拘束材それぞれの前記貫通孔に配置され、前記締結部材を前記板厚方向から覆う木目栓を更に備えている、座屈拘束ブレース。 - 前記芯材に対して、前記芯材の板幅方向の第1側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第1スペーサーと、
前記芯材に対して、前記板幅方向の第2側に配置され、厚さが前記芯材の厚さ以下である第2スペーサーと、を更に備え、
前記締結部材は、前記第1拘束材と、前記第1スペーサーまたは前記第2スペーサーと、前記第2拘束材と、を前記板厚方向に貫通して締結する、請求項3または4に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記締結部材は、
頭部が前記第1拘束材の表面に配置され、軸部が前記第1拘束材と前記第2拘束材とを前記板厚方向に貫通し、前記軸部の先端が前記第2拘束材の表面から突出するボルトと、
前記先端に嵌め込まれて前記第2拘束材の表面に配置され、前記頭部との間で前記第1拘束材および前記第2拘束材を前記板厚方向に挟むナットと、
前記第1拘束材の表面と前記頭部との間、および、前記第2拘束材の表面と前記ナットとの間にそれぞれ配置された付勢部材と、を備えている、請求項3から5のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記第1スペーサーおよび前記第2スペーサーはいずれも、前記芯材の材軸方向に複数配置されている、請求項2または5に記載の座屈拘束ブレース。
- 前記第1拘束材および前記第2拘束材のうちの少なくとも一方は、前記芯材の板幅方向に積層された複数の木板を備えている、請求項1から7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
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