JP6942099B2 - 被加工物の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー光の照射による被加工物の加工方法に関する。
固定された光源から被加工物にレーザー光を照射して、該被加工物に種々の加工を施す技術が知られている。例えば特許文献1には、移動するワークの立体面にレーザー加工を施す場合に、三次元的な加工対象面に二次元的な加工パターンを単に写像するのではなく、三次元的に面に一致させるように三次元的な加工データを生成することで、一層正確な加工を行う技術が提案されている。
前記の技術とは別に、本出願人は先に、レーザー光をXYZ軸方向に走査しながら照射し、レーザー光の照射軌跡が所望の図形を描くように制御して、被加工物に加工を行う技術を提案した(特許文献2参照)。
更に本出願人は先に、円筒ロールの周面に被加工物を配置した状態下に、円筒ロールの内部から該被加工物に向けてレーザー光を照射する方法において、レーザー光の照射点を、円筒ロールの周方向及び周方向と直交する方向の両方向に任意に移動させる技術を提案した(特許文献3参照)。
特開2008−009661号公報 特開2013−071282号公報 特開2015−008943号公報
ところで、固定されたレーザー光の光源からレーザー光を照射する従来の装置におけるレーザー光の走査制御機構は、レーザー光を単純な平面に向けて照射すること、すなわち照射対象物が二次元であることを前提としている場合が多い。したがって、レーザー光を照射する対象である被加工物が三次元の形状を有する場合には、照射位置の精度を高める目的で、被加工物の表面の位置情報を、二次元座標から三次元座標へと逐次変換しながらレーザー光を走査する必要がある。しかし、生産性を高める目的で被加工物の加工速度を高めようとした場合、前記の逐次座標変換を行うと、制御系への負荷が大きくなり、それが高速化の妨げとなってしまう。
したがって本発明の課題は、レーザー光の照射による被加工物の加工方法の改良にあり、更に詳しくはレーザー光の走査における制御負荷を軽減しつつ、三次元搬送面上を搬送される被加工物に対して高精度な加工を行うことにある。
本発明は、搬送面に沿って搬送される被加工物に、固定された光源から発せられたレーザー光を走査しながら照射して、該被加工物を加工する、被加工物の加工方法であって、
前記搬送面は、少なくとも一部に曲面部を有するか又は2つの平面が交差して形成される屈曲部を有し、
前記被加工物の加工に先立ち、前記搬送面におけるレーザー光の照射点群の各理論位置と、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置に対応する測定位置との関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置に対応する測定位置を該照射点群の各理論位置に補正することで、該搬送面におけるレーザー光の座標系を予め決定しておき、
前記座標系と、搬送中の前記被加工物の位置情報とに基づいて、所定のパターンにて該被加工物にレーザー光を照射する、被加工物の加工方法を提供することによって前記課題を解決したものである。
また本発明は、搬送面に沿って搬送される被加工物に、固定された光源から発せられたレーザー光を走査しながら照射する、レーザー光の照射方法であって、
前記搬送面は、少なくとも一部に曲面部を有するか又は2つの平面が交差して形成される屈曲部を有し、
前記被加工物へのレーザー光の照射に先立ち、前記搬送面におけるレーザー光の照射点群の各理論位置と、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置に対応する測定位置との関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置に対応する測定位置を該照射点群の各理論位置に補正することで、該搬送面におけるレーザー光の座標系を予め決定しておき、
前記座標系と、搬送中の前記被加工物の位置情報とに基づいて、所定のパターンにて該被加工物にレーザー光を照射する、レーザー光の照射方法を提供するものである。
更に本発明は、少なくとも一部に樹脂材を含む複数枚のシートが重ねられた帯状のシート積層体を搬送面に沿って搬送しつつ、該シート積層体に、固定された光源から発せられたレーザー
光を走査しながら照射して、該シート積層体を加工することで、複数枚のシートの縁部が重なった状態で融着したシール縁部を有するシート融着体を製造する方法であって、
前記搬送面は、少なくとも一部に曲面部を有するか又は2つの平面が交差して形成される屈曲部を有し、
前記シート積層体の加工に先立ち、前記搬送面におけるレーザー光の照射点群の各理論位置と、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置に対応する測定位置との関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置に対応する測定位置を該照射点群の各理論位置に補正することで、該搬送面におけるレーザー光の座標系を予め決定しておき、
前記座標系と、搬送中の前記シート積層体の位置情報とに基づいて、所定のパターンにて該シート積層体にレーザー光を照射する、シート融着体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、レーザー光の走査に起因する制御負荷を軽減しつつ、搬送面にレーザー光の座標系を予め決定し、その座標系と搬送中の被加工物の位置情報とに基づいて、三次元搬送面上に搬送される被加工物に対して高精度なレーザー加工を行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつの製造方法の工程の一部を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明を実施するために好適に用いられる加工装置の一実施形態を示す斜視図である。 図3は、図2における要部の概略図である。 図4は、レーザー光を曲面に照射するときに本発明で行う座標変換方法を示す模式図である。 図5は、図2に示す加工装置の制御方法を示す模式図である。 図6は、本発明の適用の対象となる搬送面の一例を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の方法をシート融着体の製造に適用した例が示されている。同図に示す加工装置は、シート融着体の一例としてのパンツ型使い捨ておむつの製造に好適に用いられるものである。以下の実施形態では、シート融着体、すなわち複数枚のシートの縁部が重なった状態で融着したシール縁部を有するシート融着体として、一対のサイドシール部を有する外装体を具備するパンツ型使い捨ておむつを例にとり本発明を説明する。
本実施形態における製造の対象であるパンツ型使い捨ておむつは、図1に示すとおり、帯状のシート積層体10を含んで構成されるおむつ連続体10Aを製造する工程と、図2に示すレーザー式加工装置20を用いて、溶断によりおむつ連続体10Aを個々のおむつ1に分断する工程とを有する製造方法によって製造することができる。シート積層体10は、少なくとも一部に樹脂材を含む複数枚のシートが重ねられてなるものである。おむつ1は、一対のサイドシール部4,4を有している。おむつ連続体10Aは、複数の使い捨ておむつが連なった構成を有しており、より具体的には、サイドシール部が形成されていないパンツ型使い捨ておむつの前駆体が一方向に連なって構成されている。
本実施形態の方法においては、図1に示すとおり、原反ロール(図示せず)から連続的に供給される帯状の外層シート31と、原反ロール(図示せず)から連続的に供給される帯状の内層シート32の間に、ウエストギャザーを形成するウエスト部弾性部材5、胴回りギャザーを形成する胴回り部弾性部材6及びレッグギャザーを形成するレッグ部弾性部材7を、所定の伸長率に伸長させた伸長状態で各々複数本配する。レッグ部弾性部材7は、シートの流れ方向と直交して往復運動する公知の揺動ガイド(図示せず)を介して、所定の脚周りパターンを形成しながら配される。また、帯状の外層シート31及び帯状の内層シート32には、それらを重ね合わせる前に、両シート31,32のいずれか一方又は双方の対向する面の所定部位に、接着剤塗工機(図示せず)によりホットメルト型接着剤を塗工する。なお、ウエスト部弾性部材5及び胴回り部弾性部材6等の弾性部材が、両シート31,32における、サイドシール部4の形成予定部分(溶断予定部分)を跨ぐように伸長状態で配されている場合、その分断後の該弾性部材の大幅な縮みや該弾性部材の抜け等の不都合を回避するために、該部分及びその近傍に接着剤を塗工しておくことが好ましい。ウエスト部弾性部材5及び胴回り部弾性部材6には、両シート31,32間に配される前に、接着剤塗工機(図示せず)によりホットメルト型接着剤を間欠的に塗工してもよい。
そして、図1に示すとおり、一対のニップロール11,11の間に、ウエスト部弾性部材5、胴回り部弾性部材6及びレッグ部弾性部材7を伸長状態で挟み込んだ帯状の外層シート31及び帯状の内層シート32を送り込んで加圧することにより、帯状シート31,32間に複数本の弾性部材5,6,7が伸長状態で配された帯状の外装体3を形成する。また、この外装体3の形成工程においては、隣り合う2本の胴回り部弾性部材6,6間において帯状の外層シート31と帯状の内層シート32とを接合する複数の接合部(図示せず)を、凸ロール12とこれに対応するアンビルロール13等の接合手段を用いて形成する。
その後、必要に応じて、弾性部材プレカット手段(図示せず)を用いて、後述する吸収性本体2を配する位置に対応させて、複数本の胴回り部弾性部材6及び複数本のレッグ部弾性部材7を押圧して、収縮機能が発現されないように個々複数個に分断する。
次いで、図1に示すとおり、別工程で製造された吸収性本体2に予めホットメルト型接着剤等の接着剤を塗工し、該吸収性本体2を90度回転させて、帯状の外装体3を構成する内層シート32上に間欠的に供給して固定する。そして、図1に示すとおり、吸収性本体2が配置された帯状の外装体3におけるレッグ部弾性部材7で環状に囲まれた環状部の内側にレッグホールLO’を形成する。このレッグホール形成工程は、ロータリーカッター、レーザーカッター等の従来この種の物品の製造方法における手法と同様の手法を用いて実施することができる。
引き続いて、帯状の外装体3をその幅方向(外装体3の搬送方向Kと直交する方向)に折り畳む。より好適には、図1に示すとおり、帯状の外装体3の搬送方向Kに沿う両側部3a,3aを、吸収性本体2の長手方向両端部を覆うように折り返して吸収性本体2の長手方向両端部を固定した後、外装体3を吸収性本体2とともにその幅方向に二つ折りする。こうして、シート積層体10としてのおむつ連続体10Aが得られる。
このようにして得られたおむつ連続体10Aを、レーザー式加工装置20に搬送する。レーザー式加工装置20は、図2に示すとおり、外方を向く第1面21a及びそれと反対側に位置し且つ内方を向く第2面21bを有し、複数枚のシートが重ねられた帯状のシート積層体10をその長手方向にわたって第1面21a上に支持しながら一方向に回転することでシート積層体10を搬送する円筒状の円筒ロール21を備えている。またレーザー式加工装置20は、円筒ロール21の第2面21b側にレーザー光を走査可能な照射ヘッドとしてのレーザー光照射部35を備えている。更にレーザー式加工装置20は、円筒ロール21の回転に同期して円筒ロール21の回転方向Kに移動しながら、第1面21a上に支持されたシート積層体10を、第1面21aと対向する側から該第1面21a側に向かって押圧する複数の加圧ヘッド26を備えている。本実施形態においては、帯状のシート積層体10は、おむつ連続体10Aの一部をなす外装体連続体であるため、帯状のシート積層体10は、吸収性本体2が間欠配置されたおむつ連続体10Aとして、第1面21a上に支持されるとともに、円筒ロール21によって搬送される。おむつ連続体10Aは、導入ロール28によって方向転換されて第1面21a上に導入される。そしておむつ連続体10Aが、円筒ロール21の第1面21a上に支持された状態で、該おむつ連続体10Aにレーザー光30による加工が施され、それによって得られたおむつ1がガイドロール29を経て装置20外に送出される。
円筒ロール21は、図2に示すとおり、その周面部に、円筒ロール21の周方向に間欠的に設けられた複数の加圧部支持部材121を有している。加圧部支持部材121は円筒ロール21の周面部の一部を形成しており、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料又はセラミックス等の耐熱性を有する材料から形成されている。
加圧部支持部材121は、第2面21b側から照射されたレーザー光30の通過可能なスリット状の支持部材側開口部27を有している。支持部材側開口部27は、円筒ロール21の周方向と交差する方向に延びるスリット状の開口部であり、レーザー光透過部として機能する。具体的には、支持部材側開口部27は、平面視して矩形形状を有し、その長手方向を、帯状のシート積層体10及びおむつ連続体10Aの幅方向と一致する方向、好適には、円筒ロール21の回転軸の軸長方向と平行な方向に一致させて延びている。支持部材側開口部27は、円筒ロール21の周方向に所定間隔を置いて複数設けられている。
加圧ヘッド26は、上述した支持部材側開口部27に対応する位置で、溶断の対象物である帯状のシート積層体10、すなわちおむつ連続体10Aを、円筒ロール21に向けて加圧するために用いられる。加圧ヘッド26は、円筒ロール21の第1面21a側の位置に配置されている。詳細には、加圧ヘッド26は、上述した加圧部支持部材121の支持部材側開口部27上に支持された、おむつ連続体10Aを支持部材側開口部27側に向かって押圧するために用いられ、1つの支持部材側開口部27に対して1つの加圧ヘッド26が設けられている。図2に示すレーザー式加工装置20においては、加圧ヘッド26は複数個配置されている。各加圧ヘッド26は、円筒ロール21の回転軸の延長線上に回転軸を持ち、円筒ロール21に隣接して配置された第2円筒ロール25の周面に配置されている。第2円筒ロール25は、円筒ロール21と同期して回転する。
第2円筒ロール25が円筒ロール21と同期して回転することで、各加圧ヘッド26は、円筒ロール21の回転に同期して該円筒ロール21の回転方向に移動し、円筒ロール21の外周部を構成する加圧部支持部材121の回転方向と同方向に、且つ加圧部支持部材121の角速度と同速で、円筒ロール21の周面に沿って周回可能になっている。また各加圧ヘッド26は支持部24によって支持されており、第1面21aに対して接離動作が可能になっている。
レーザー光照射部35は、レーザー光30を自在に走査するガルバノスキャナを備えている。レーザー光照射部35は、図3に示すとおり、レーザー光30を円筒ロール21の回転軸と平行な方向に進退させる機構35a、レーザー光30が円筒ロール21の第1面21a上に支持された、おむつ連続体のシート積層体(図示せず)に当たる位置(照射点)を円筒ロール21の周方向に移動させる機構35b、及び円筒ロール21の周面上でレーザー光30のスポット径を一定にする調整機構35cを備えている。調整機構35cは集光レンズを備えている。レーザー光照射部は、このような構成を有することによって、レーザー光30の照射点を、円筒ロール21の周方向及び該周方向と直交する方向へ任意に移動させることができる。
本実施形態においては、レーザー光30を走査しながら照射することによってシート積層体10を溶着するのに先立ち、照射位置の座標変換を予め行っておく。座標変換を行う理由は次に述べるとおりである。従来、固定されたレーザー光の光源からレーザー光を照射する装置におけるレーザー光の走査制御機構は、照射対象物が二次元平面であることを前提としている場合が多い。本実施形態で用いるレーザー光照射部35も、レーザー光30の照射対象が元来単一平面基準の仕様になっていることが多い。したがって、レーザー光の照射対象物であるシート積層体10が、三次元の形状を有する物体である円筒ロール21の周面、すなわち搬送面に沿って搬送される場合には、照射位置の精度を高める目的で、シート積層体10の表面の位置情報を、二次元座標から三次元座標へと逐次座標変換しながらレーザー光30を走査する必要がある。しかし、おむつ1の生産性を高める目的でシート積層体10の加工速度を高めようとした場合、逐次座標変換を行うと、制御系への負荷が大きくなり、それが高速化の妨げとなってしまう。そこで本実施形態においては、レーザー光30を走査しながら照射することによってシート積層体10を溶着するのに先立ち、照射位置の座標変換を予め行っておき、制御負荷を軽減しつつ高精度な加工を可能としている。
上述の座標変換は具体的には以下に述べる方法で行うことが有利である。すなわち、シート積層体10の搬送面である円筒ロール21の第1面21aに、各種の記録媒体、例えば感熱紙などを配置する。この状態下に、レーザー式加工装置20を動作させて、所定のパターンでレーザー光30を走査しながら記録媒体に照射する。レーザー光30の照射パターンに特に制限はないが、レーザー光30の走査を一層高精度で行う観点から、例えば縦横に等間隔の正方形の格子状の照射パターンが得られるようにレーザー光30を照射することができる。なお、図2に示す円筒ロール21においては、支持部材側開口部27(図2参照)のみがレーザー光30を透過するので、格子状の照射パターンを得ることはできない。その場合には、円筒ロール21と同一の寸法を有し且つ周面の任意の位置にレーザー光30を照射することのできるモデル円筒ロール(図示せず)を用い、該モデル円筒ロールに記録媒体を配置して照射パターンを得ればよい。
上述の手順によってレーザー光30の照射パターンが得られた記録媒体を円筒ロール21又はモデル円筒ロールから取り外し、これを平面に展開する。そして、平面に展開した状態の記録媒体における照射パターンを、カメラやスキャナー等の画像読み取り装置を用いて読み取り、画像データを取得する。このようにして得られた画像データを画像処理して、格子の各交点の測定位置Pcを求める。この状態を概念的に図4に示す。同図において平面Pが記録媒体を平面に展開した状態に対応する。
以上の操作とは別に、図4に示すとおり、円筒ロール21又はモデル円筒ロールにレーザー光30を走査しながら照射して格子状の照射パターンを得たときの格子の各交点、すなわちレーザー光30の照射点群の各測定位置Pcの理論位置Cを求めておく。この理論位置Cは、円筒面に沿わせた記録媒体を取り外し、平面で画像を読み取った際に、所定のパターンと同様の格子状パターンが得られるときの座標位置である。
必要に応じ、フォーカス方向に関する情報(焦点距離)も格子状の照射パターンを得たときの格子の各交点、すなわちレーザー光30の照射点群の各理論位置Cに対して予め求めておくことが望ましい。つまり、本発明においては、搬送方向Kと直交する方向でのレーザー光30の照射位置、搬送方向Kに沿う方向でのレーザー光30の照射位置、及びレーザー光30の焦点位置の3つのパラメータについて、後述するとおり、レーザー光30の照射点群の各理論位置Cと、該理論位置Cに対応する測定位置Pcを、該照射点群の各理論位置Cに補正することが望ましい。レーザー光30の照射点群の各理論位置Cでの焦点距離は、光学シミュレーションを行うことで計算的に決めることができ、所定のパターンのレーザー痕の太さを計測することで確認する。なおレーザー光30の焦点距離には、焦点深度と呼ばれる、レーザー光30を集光した際にスポット径が同じ径とみなされる一定の許容範囲がある。したがって、レーザー光30の焦点距離は、そのまま光学シミュレーションの計算値を用いても運用上問題となる場合は少ない。
図4においては、円筒ロール21にレーザー光30を走査しながら照射して得られたパターンを平面に展開したものが実線で示されている。また、同図には、格子の理論位置Cを示すパターンが点線で示されている。これら実線と点線との対比から明らかなとおり、レーザー光30の照射対象が元来単一平面基準の仕様になっているレーザー光照射部35を用いて、非平面(複数平面を含む)の照射対象物にレーザー光30を照射する場合には、必然的に実際の照射パターンと理論照射パターンとの間にずれが生じる。そこで本発明においては、搬送面におけるレーザー光30の照射点群の各理論位置Cと、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置Cに対応する位置、すなわち交点Pcとの関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論位置Cに対応する測定位置Pcを、該照射点群の各理論位置Cに補正する。補正には、例えばガルバノスキャナのような照射エリア内の座標を指示し、その指示に合わせてレーザー光30を高精度に走査が可能なものを使って行うのが一般的である。以下に補正方法の一例を示す。最初に各交点の理論位置Cとそれに対応する測定位置Pcとの差分を算出し、それらが最小となるような近似曲線を各格子線(図4中の実線のことである。)に対して作成する。最適な近似曲線の種類は、その光学系や機械的な配置によって異なるが、例えば高次の多項式などが用いられる。当該多項式を用いた非線形最小自乗計算によって最適な近似曲線が得られる。続いて、搬送面におけるレーザー光30の照射座標をその近似曲線に沿った座標系に変換することで、測定位置Pcを理論位置Cに補正し、該搬送面におけるレーザー光30の座標系を予め決定する。このとき、近似曲線上の座標はそのまま近似曲線のデータを用いればよいが、格子線上にない点については、種々の方法で補間して決める。したがって、測定点数となる測定位置Pcは多い方が好ましい。つまり、正方形の格子の間隔は狭い方が好ましい。また、この一連の座標変換の操作は複数回行うことが好ましい。測定点数や測定・補正回数が増えるほど精度を高めることができるからである。
以上の操作に従う座標変換によって、シート積層体10の搬送面である円筒ロール21における第1面21aにおけるレーザー光30の座標系が予め決定される。このようにして決定された座標系に基づきレーザー光30の走査を行うには、円筒ロール21によって搬送中のシート積層体10の位置情報を取得しつつ、該位置情報と座標系とに基づき所定のパターンでレーザー光を走査しながら照射する。シート積層体10の位置情報の取得は例えば図5に示す様式で行うことができる。
図5に示すとおり、円筒ロール21は、サーボモータ40によって一方向に回転するようになっている。サーボモータ40からはエンコーダ信号が発生するようになっており、該エンコーダ信号はコントローラ41で受信されるようになっている。円筒ロール21における第1面21aに臨む位置にはセンサ42が設置されている。センサ42は、円筒ロール21に取り付けられているドグ(図示せず)を検知することで、加工開始信号を発生するようになっている。加工開始信号は、先に述べたコントローラ41で受信されるようになっている。
コントローラ41においては、センサ42からの加工開始信号と、サーボモータ40からのエンコーダ信号とを受信する。このとき、平面座標系から上述の搬送面に沿った座標系への座標変換が予め完了しているので、前記エンコーダ信号の情報は、搬送中の被加工物の位置情報に直結する。そして、前記加工開始信号とエンコーダ信号から搬送中のシート積層体10の位置情報を算出し、レーザー光照射部35を駆動させるためのドライバ43に送信される。位置情報を受信したドライバ43は、該位置情報及び上述の座標系に基づきレーザー光照射部35を駆動させ、レーザー光30を走査させる。
以上のとおりの制御によれば、二次元座標から三次元座標への座標変換が予め完了しているので、円筒ロール21の回転速度が増して、ドライバ43がレーザー光照射部35を駆動させるための指令を短時間で発しなければならない場合であっても、コントローラ41における制御負荷が軽減されるので、コントローラ41に加わる負荷が少ない状態で、高精度の加工が可能となる。このこととは対照的に、従来の方法では、エンコーダ信号に基づく位置情報を都度二次元座標に変換してからレーザー光を走査する必要があるか、又は座標系を都度三次元座標に変換する必要があるので、コントローラ41の制御系への負荷が大きくなり、それが高速化の妨げの一因となってしまうことがある。
また本実施形態によれば、予期し得ない何らかの要因によって円筒ロール21の回転速度に変動が生じた場合であっても、変換された座標系とエンコーダ信号からの位置情報に基づいて、レーザー光の走査を高精度で行うことが可能である。例えば図2においては、円筒ロール21は一般に等速回転運動をしており、レーザー光30はシート積層体10をその搬送方向Kと直交する方向に沿って直線的に走査されるところ、本実施形態の制御を行わない場合に円筒ロール21の回転速度に変動が生じるとレーザー光30の走査の軌跡が意図せず蛇行してしまう。特に、円筒ロール21には、該円筒ロール21の回転中に接離動作を行う加圧ヘッド26が複数備えられていることに起因して、円筒ロール21の回転速度に変動が生じやすい。しかし、本実施形態によれば、円筒ロール21の回転速度に変動が生じた場合であっても、レーザー光30の走査の軌跡は直線に保たれる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば前記の実施形態においては、被加工物であるシート積層体10の位置情報を、サーボモータ40からのエンコーダ信号から取得していたが、これに代えて、円筒ロール21の周面に設置されたリニアエンコーダ(図示せず)からのエンコーダ信号に基づきシート積層体10の位置情報を取得してもよい。円筒ロール21の周面に設置されたリニアエンコーダを用いることで、シート積層体10の位置検出の精度が一層高くなるので有利である。
また、前記実施形態においては、被加工物であるシート積層体10の搬送面が円筒の周面であったが、本発明の適用の対象となる搬送面は円筒の周面に限定されず、座標変換が可能である限り、少なくとも一部に曲面部を有する他の曲面であってもよい。更に本発明の適用の対象となる搬送面は曲面に限られず、例えば図6に示すとおり、2つの平面P1と平面P2とが交差して形成される屈曲部Bが、搬送方向Kと同方向に延びるか、又は搬送方向Kと交差するように延びる搬送面であってもよい。
また、前記実施形態においては、本発明の適用の対象となる被加工物として、パンツ型使い捨ておむつの前駆体であるシート積層体10を例に挙げたが、本発明の適用の対象となる被加工物はこれに限られず、レーザー光の照射による加工が可能な物品であれば本発明に適用可能である。
更に、上述の説明から明らかなとおり、本発明によれば、被加工物の加工方法だけでなく、レーザー光の照射方法及びシート融着体の製造方法も提供される。
1 パンツ型使い捨ておむつ(シート融着体)
2 吸収性本体
3 外装体
4 サイドシール部
5,6,7 弾性部材
10 シート積層体
10A おむつ連続体
20 レーザー式加工装置
21 円筒ロール
26 加圧ヘッド
27 スリット状の支持部材側開口部
30 レーザー光
35 レーザー光照射部
40 サーボモータ
41 コントローラ
42 センサ
43 ドライバ

Claims (6)

  1. 搬送面に沿って搬送される被加工物に、固定された光源から発せられたレーザー光を走査しながら照射して、該被加工物を加工する、被加工物の加工方法であって、
    前記搬送面は、少なくとも一部に曲面部を有するか又は2つの平面が交差して形成される屈曲部を有し、
    前記被加工物の加工に先立ち、前記搬送面におけるレーザー光の照射点群の各理論照射パターンと、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論照射パターンに対応する実際の照射パターンとの関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論照射パターンに対応する実際の照射パターンを該照射点群の各理論照射パターンに補正することで、該搬送面におけるレーザー光の座標系を予め決定しておき、
    前記座標系と、搬送中の前記被加工物の位置情報とに基づいて、所定のパターンにて該被加工物にレーザー光を照射する、被加工物の加工方法。
  2. 前記搬送面が円筒の周面である請求項1に記載の加工方法。
  3. 搬送面に沿って搬送される被加工物に、固定された光源から発せられたレーザー光を走査しながら照射する、レーザー光の照射方法であって、
    前記搬送面は、少なくとも一部に曲面部を有するか又は2つの平面が交差して形成される屈曲部を有し、
    前記被加工物へのレーザー光の照射に先立ち、前記搬送面におけるレーザー光の照射点群の各理論照射パターンと、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論照射パターンに対応する実際の照射パターンとの関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論照射パターンに対応する実際の照射パターンを該照射点群の各理論照射パターンに補正することで、該搬送面におけるレーザー光の座標系を予め決定しておき、
    前記座標系と、搬送中の前記被加工物の位置情報とに基づいて、所定のパターンにて該被加工物にレーザー光を照射する、レーザー光の照射方法。
  4. 前記搬送面が円筒の周面である請求項3に記載の照射方法。
  5. 少なくとも一部に樹脂材を含む複数枚のシートが重ねられた帯状のシート積層体を搬送面に沿って搬送しつつ、該シート積層体に、固定された光源から発せられたレーザー光を走査しながら照射して、該シート積層体を加工することで、複数枚のシートの縁部が重なった状態で融着したシール縁部を有するシート融着体を製造する方法であって、
    前記搬送面は、少なくとも一部に曲面部を有するか又は2つの平面が交差して形成される屈曲部を有し、
    前記シート積層体の加工に先立ち、前記搬送面におけるレーザー光の照射点群の各理論照射パターンと、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論照射パターンに対応する実際の照射パターンとの関係に基づき、該搬送面を平面に展開した展開平面における該照射点群の各理論照射パターンに対応する実際の照射パターンを該照射点群の各理論照射パターンに補正することで、該搬送面におけるレーザー光の座標系を予め決定しておき、
    前記座標系と、搬送中の前記シート積層体の位置情報とに基づいて、所定のパターンにて該シート積層体にレーザー光を照射する、シート融着体の製造方法。
  6. 前記搬送面が円筒の周面である請求項5に記載の製造方法。
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