JP6941979B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は積層体およびその製造方法に関するものである。
壁材等の建築材料として蓄熱材が用いられることが知られている。特許文献1には、炭素原子数10以上の高級α−オレフィンと、他のオレフィンとを共重合して得られる結晶性高級αオレフィン重合体が蓄熱材に用いられることが記載されている。
特開2005−75908号公報(2005年3月24日公開)
蓄熱材を壁材の一部として用いる場合、蓄熱材からなるシートを、石膏ボードへ取り付け、壁紙と接着する、という施工方法が考えられる。しかしながら、前記重合体からなるシートは壁紙との接着性が十分ではなかった。
上記の課題を解決するために、以下の何れかのものを提供する。
1) 示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピーが30J/g以上である重合体(1)を含む蓄熱層(1)、前記蓄熱層(1)に隣接し、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)からなる中間層(2)、および、前記中間層(2)に隣接し、紙からなる基材層(3)を有する積層体。
2) 前記蓄熱層(1)が、前記重合体(1)と、前記重合体(2)とを含有し、前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、前記重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、前記重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である1)に記載の積層体。
3) 前記重合体(1)が、エチレンに由来する構成単位(A)と、下記式(1)で示される構成単位(B)とを有し、下記式(2)で示される構成単位及び下記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)とを有してもよく、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)の数が70%以上99%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が1%以上30%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(B)の数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(C)の数が0%以上99%以下である重合体である1)または2)に記載の積層体。
Figure 0006941979

(式(1)中、
Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、Lは、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、Lは、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、Lは炭素原子数14以上30以下のアルキル基を表し、L、L、及びLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
Figure 0006941979

(式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、Lは、炭素原子数1以上8以下のアルキレン基を表し、Lは、水素原子、エポキシ基、―CH(OH)―CHOH、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または炭素原子数1以上4以下のアルキルアミノ基を表し、Lの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(2)の上側、その右側が式(2)の下側に対応する。)
Figure 0006941979

4) 前記重合体(1)が、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)とを有し、さらに前記構成単位(C)を有してもよい重合体であって、該重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が90%以上である重合体である3)に記載の積層体。
5) 前記重合体(1)の下記式(I)で定義される比Aが0.95以下である1)〜4)のいずれかに記載の積層体。
A=α/α (I)
[式(I)中、αは、光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより重合体の絶対分子量と固有粘度を測定し、絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−I)
(式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
式(I)中、αは、光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)の絶対分子量と固有粘度を測定し、絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−II)
(式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体およびポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量と固有粘度の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。)]
6) 前記重合体(1)が、架橋されている重合体である1)〜5)のいずれかに記載の積層体。
7) 前記重合体(1)のゲル分率が20重量%以上である(ただし、重合体(1)の重量を100重量%とする)1)〜6)のいずれかに記載の積層体。
8) 前記重合体(2)が、エチレンに由来する構成単位を含む重合体である1)〜7)のいずれかに記載の積層体。
9) 前記蓄熱層(1)を有する成形体と、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体の中間層(2)と
を加熱接着する工程を含む1)〜8)のいずれかに記載の積層体の製造方法。
本発明は、蓄熱層を有する積層体であって、壁紙との接着性に優れる積層体、および当該積層体の製造方法を提供する。
〔1.積層体〕
本発明の積層体は示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピーが30J/g以上である重合体(1)を含む蓄熱層(1)、前記蓄熱層(1)に隣接し、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)からなる中間層(2)、および、前記中間層(2)に隣接し、紙からなる基材層(3)を有する。以下において、融解エンタルピーをΔHと表記することがある。まず、積層体の各材料について、以下に説明する。
<重合体(1)>
前記重合体(1)は、示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体である。10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測されるΔHは、好ましくは50J/g以上であり、さらに好ましくは70J/g以上である。また、前記ΔHは、通常200J/g以下である。
本明細書において、「融解エンタルピー」とは、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線の10℃以上60℃未満の温度範囲内の部分をJIS K7122−1987に準拠した方法により解析して得られる融解熱である。前記重合体(1)中の下記構成単位(B)の数と、下記構成単位(B)の下式(1)中のLの炭素原子数を調整することにより、前記ΔHを上記の範囲内にすることができる。
[示差走査熱量測定方法]
示差走査熱量計により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)150℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で150℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から150℃まで昇温する。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とする。
前記重合体(1)の融解ピーク温度は、好ましくは10℃以上60℃以下である。
本明細書において、重合体の融解ピーク温度とは、上記示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる融解ピークの頂点の温度であり、融解吸熱量が最大となる温度である。前記融解曲線にJIS K7121−1987により定義される融解ピークが複数ある場合には、融解吸熱量が最大の融解ピークの頂点の温度を融解ピーク温度とする。
前記重合体(1)中の下記構成単位(B)の数と、下記構成単位(B)の下式(1)中のLの炭素原子数を調整することにより、前記重合体(1)の融解ピーク温度を調整することができる。その結果、前記重合体(1)を含む蓄熱層(1)の蓄熱性能等を調整することができる。
前記重合体(1)の一つの態様として、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する構成単位を含む重合体が挙げられる。
前記重合体(1)は、下記式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体であることが好ましい。
Figure 0006941979

(式(1)中、
Rは水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
は炭素原子数14以上30以下のアルキル基を表す。)
(なお、L、L、及びLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
Rは、好ましくは、水素原子である。
は、好ましくは、―CO―O―、―O―CO―、または―O―であり、より好ましくは―CO―O―または―O―CO―であり、さらに好ましくは、―CO―O―である。
は、好ましくは、単結合、―CH―、―CH―CH―、または―CH―CH―CH―であり、より好ましくは、単結合である。
は、好ましくは、単結合、―O―CO―、―O―、―NH―、または―N(CH)―であり、より好ましくは、単結合である。
式(1)におけるLは、蓄熱層(1)の構成材料である前記重合体(1)の成形加工性が良好であるように、炭素原子数14以上30以下のアルキル基である。炭素原子数14以上30以下のアルキル基としては、炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基、および炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基が挙げられる。Lは、好ましくは、炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくは炭素原子数14以上24以下の直鎖アルキル基であり、さらに好ましくは炭素原子数16以上22以下の直鎖アルキル基である。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基としては、例えばn−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、およびn−トリアコンチル基が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基としては、例えばイソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基、イソヘンエイコシル基、イソドコシル基、イソトリコシル基、イソテトラコシル基、イソペンタコシル基、イソヘキサコシル基、イソヘプタコシル基、イソオクタコシル基、イソノナコシル基、およびイソトリアコンチル基が挙げられる。
式(1)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979


Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979
式(1)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、好ましくは以下のものである。
Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979

式(1)におけるR、L、L及びLの組み合わせとして、以下のものも好ましい。
Rが水素原子、L、L及びLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基であるか、
Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−CO−O−であり、LおよびLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基である。
式(1)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、より好ましくは以下のものである。
Figure 0006941979
式(1)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、さらに好ましくは以下のものである。
Figure 0006941979
前記構成単位(B)は、好ましくは、n−ヘキサデセンに由来する構成単位、n−オクタデセンに由来する構成単位、n−エイコセンに由来する構成単位、n−ドコセンに由来する構成単位、n−テトラコセンに由来する構成単位、n−ヘキサコセンに由来する構成単位、n−オクタコセンに由来する構成単位、n−トリアコンテンに由来する構成単位、n−ドトリアコンテンに由来する構成単位、n−テトラデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ペンタデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタデシルアクリレートに由来する構成単位、n−オクタデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ノナデシルアクリレートに由来する構成単位、n−エイコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘンエイコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ドコシルアクリレートに由来する構成単位、n−トリコシルアクリレートに由来する構成単位、n−テトラコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ペンタコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタコシルアクリレートに由来する構成単位、n−オクタコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ノナコシルアクリレートに由来する構成単位、n−トリアコンチルアクリレートに由来する構成単位、n−テトラデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ペンタデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−オクタデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ノナデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−エイコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘンエイコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ドコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−トリコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−テトラコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ペンタコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−オクタコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ノナコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−トリアコンチルメタクリレートに由来する構成単位、n−ビニルテトラデシレートに由来する構成単位、n−ビニルヘキサデシレートに由来する構成単位、n−ビニルオクタデシレートに由来する構成単位、n−ビニルエイコシレートに由来する構成単位、n−ビニルドコシレートに由来する構成単位、n−テトラデシルビニルエーテルに由来する構成単位、n−ヘキサデシルビニルエーテルに由来する構成単位、n−オクタデシルビニルエーテルに由来する構成単位、n−エイコシルビニルエーテルに由来する構成単位、またはn−ドコシルビニルエーテルに由来する構成単位である。
前記重合体(1)は、2種類以上の前記構成単位(B)を有していてもよく、例えば、n−エイコシルアクリレートに由来する構成単位と、n−オクタデシルアクリレートに由来する構成単位とを有する重合体であってもよい。
前記重合体(1)は、該重合体(1)融解ピーク温度以上における、積層体の形状保持性と、該重合体(1)の成形加工性が良好であるように、エチレンに由来する構成単位(A)を有する重合体であることが好ましい。前記構成単位(A)は、エチレンを重合することにより形成される構成単位であり、前記構成単位(A)は、重合体中で分岐構造を形成していてもよい。
前記重合体(1)は、好ましくは、式(1)で示される構成単位(B)と、エチレンに由来する構成単位(A)とを有する重合体である。
前記重合体(1)は、下記式(2)で示される構成単位及び下記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)を有していてもよい。
Figure 0006941979

(式(2)中、
Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、炭素原子数1以上8以下のアルキレン基を表し、
は、水素原子、エポキシ基、―CH(OH)―CHOH、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または炭素原子数1以上4以下のアルキルアミノ基を表す。)
(なお、Lの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(2)の上側、その右側が式(2)の下側に対応する。)
Figure 0006941979
式(2)において、Rは、好ましくは、水素原子である。
式(2)において、Lは、好ましくは、―CO―O―、―O―CO―、または―O―であり、より好ましくは―CO―O―または―O―CO―であり、さらに好ましくは、―CO―O―である。
式(2)において、Lとしての炭素原子数1以上8以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、1−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、n−ペンチレン基、n−へキシレン基、n−ヘプタレン基、n−オクチレン基、および2−エチル−n−へキシレン基が挙げられる。
は、好ましくは、メチレン基、エチレン基、およびn−プロピレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
式(2)において、Lとしての炭素原子数1以上4以下のアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基が挙げられる。
式(2)において、Lは、好ましくは、水素原子、エポキシ基、または―CH(OH)―CHOHであり、より好ましくは水素原子である。
式(2)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0006941979

Figure 0006941979


Figure 0006941979

Figure 0006941979
式(2)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、好ましくは以下のものである。
Figure 0006941979

Figure 0006941979

Figure 0006941979
式(2)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、より好ましくは以下のものである。
Figure 0006941979
式(2)におけるR、L、L及びLの組み合わせは、さらに好ましくは以下のものである。
Figure 0006941979
式(2)で示される構成単位としては、例えば、プロピレンに由来する構成単位、ブテンに由来する構成単位、1−ペンテンに由来する構成単位、1−ヘキセンに由来する構成単位、1−ヘプテンに由来する構成単位、1−オクテンに由来する構成単位、アクリル酸に由来する構成単位、メタクリル酸に由来する構成単位、ビニルアルコールに由来する構成単位、メチルアクリレートに由来する構成単位、エチルアクリレートに由来する構成単位、n−プロピルアクリレートに由来する構成単位、イソプロピルアクリレートに由来する構成単位、n−ブチルアクリレートに由来する構成単位、イソブチルアクリレートに由来する構成単位、sec−ブチルアクリレートに由来する構成単位、tert−ブチルアクリレートに由来する構成単位、メチルメタクリレートに由来する構成単位、エチルメタクリレートに由来する構成単位、n−プロピルメタクリレートに由来する構成単位、イソプロピルメタクリレートに由来する構成単位、n−ブチルメタクリレートに由来する構成単位、イソブチルメタクリレートに由来する構成単位、sec−ブチルメタクリレートに由来する構成単位、tert−ブチルメタクリレートに由来する構成単位、ビニルホルメートに由来する構成単位、ビニルアセテートに由来する構成単位、ビニルプロピオネートに由来する構成単位、ビニル(n−ブチレート)に由来する構成単位、ビニル(イソブチレート)に由来する構成単位、メチルビニルエーテルに由来する構成単位、エチルビニルエーテルに由来する構成単位、n−プロピルビニルエーテルに由来する構成単位、イソプロピルビニルエーテルに由来する構成単位、n−ブチルビニルエーテルに由来する構成単位、イソブチルビニルエーテルに由来する構成単位、sec−ブチルビニルエーテルに由来する構成単位、tert−ブチルビニルエーテルに由来する構成単位、グリシジルアクリレートに由来する構成単位、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレートに由来する構成単位、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートに由来する構成単位、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートに由来する構成単位、および3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレートに由来する構成単位が挙げられる。
式(3)で示される構成単位は、無水マレイン酸に由来する構成単位である。
前記重合体(1)は、2種類以上の前記構成単位(C)を有していてもよく、例えば、メチルアクリレートに由来する構成単位と、エチルアクリレートに由来する構成単位と、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位とを有する重合体であってもよい。
前記重合体(1)は、好ましくは、式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体である。
式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体としては、
前記構成単位(B)からなる重合体(1)、
前記構成単位(B)と前記構成単位(A)とを有する重合体(1)、
前記構成単位(B)と前記構成単位(C)とを有する重合体(1)、及び
前記構成単位(B)と前記構成単位(A)と前記構成単位(C)とを有する重合体(1)
が挙げられる。
前記構成単位(B)からなる重合体(1)としては、
Rが水素原子であり、L、L、およびLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)からなる重合体、及び
Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−CO−O−であり、LおよびLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)からなる重合体
が挙げられる。
前記構成単位(B)と前記構成単位(A)とを有する重合体(1)としては、
Rが水素原子であり、L、L、およびLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)と、前記構成単位(A)とを有し、該重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)の合計数が90%以上である重合体、及び
Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−CO−O−であり、LおよびLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)と、構成単位(A)とを有し、さらに前記構成単位(C)を有してもよい重合体であって、該重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)の合計数が90%以上である重合体
が挙げられる。
ΔHを大きくするという観点からは、重合体(1)は、該重合体に含まれる前記構成単位(B)と前記構成単位(A)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(B)の数が50%より多く80%以下である重合体が好ましい。
成形加工性の観点からは、重合体(1)は、該重合体に含まれる前記構成単位(B)と前記構成単位(A)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(B)の数が10%以上50%以下である重合体が好ましい。
前記構成単位(B)と前記構成単位(C)とを有する重合体(1)としては、
Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−CO−O−であり、LおよびLが単結合であり、Lが炭素原子数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)と、Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−CO−O−であり、Lがメチレン基であり、Lが水素原子である式(2)で示される構成単位(C)とを有する重合体が挙げられる。この場合、該重合体に含まれる前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(B)の数が80%以上である重合体が好ましい。
前記重合体(1)において、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)の数が0%以上99%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(B)の数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(C)の数が0%以上99%以下である。
前記重合体(1)における前記構成単位(A)の数は、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、該重合体(1)を含む蓄熱層(1)の形状保持性が良好であるように、好ましくは70%以上99%以下であり、より好ましくは80%以上97.5%以下であり、さらに好ましくは85%以上92.5%以下である。前記重合体(1)における前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数は、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、該重合体(1)を含む蓄熱層(1)の形状保持性が良好であるように、好ましくは1%以上30%以下であり、より好ましくは2.5%以上20%以下であり、さらに好ましくは7.5%以上15%以下である。
前記重合体(1)における前記構成単位(B)の数は、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、1%以上100%以下であり、該重合体(1)を含む蓄熱層(1)の蓄熱性能が良好であるように、好ましくは60%以上100%以下であり、より好ましくは80%以上100%以下である。前記重合体(1)における前記構成単位(C)の数は、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、0%以上99%以下であり、該重合体(1)を含む蓄熱層(1)の蓄熱性能が良好であるように、好ましくは、0%以上40%以下であり、より好ましくは0%以上20%以下である。
前記構成単位(A)の数、前記構成単位(B)の数、および前記構成単位(C)の数は、周知の方法により13C核磁気共鳴スペクトル(以下、13C−NMRスペクトル)またはH核磁気共鳴スペクトル(以下、H−NMRスペクトル)の各構成単位に帰属されるシグナルの積分値から求められる。
前記重合体(1)が、後述のとおり、前記式(2)で示される構成単位及び前記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)を有し、エチレンに由来する構成単位(A)を有してもよい重合体(以下、前駆重合体(1)と称する)と、後述の少なくとも1種の化合物(α)とを反応させる方法により製造されたものである場合は、前記構成単位(A)の数、前記構成単位(B)の数、および前記構成単位(C)の数は、例えば以下の方法により求められる。
前駆重合体(1)がエチレンに由来する構成単位(A)を含む場合は、まず、前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(A)および前記構成単位(C)の数を求める。13C−NMRスペクトルから求める場合は、例えば該スペクトルから前記構成単位(A)および前記構成単位(C)のダイアッド(AA、AC、CC)の数を求め、下式に代入することにより、前記構成単位(A)および前記構成単位(C)の数を求める。なお、AAは、構成単位(A)−構成単位(A)ダイアッド、ACは、構成単位(A)−構成単位(C)ダイアッド、CCは、構成単位(C)−構成単位(C)ダイアッドである。
構成単位(A)の数=100−構成単位(C)の数
構成単位(C)の数=100×(AC/2+CC)/(AA+AC+CC)
前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(C)と、前記化合物(α)とが反応することにより、前記重合体(1)における前記構成単位(B)が形成されるので、前記反応による前記構成単位(C)の転化率を以下の方法により求める。
前駆重合体(1)の前記構成単位(C)の側鎖に含まれる特定の炭素に帰属されるシグナルの積分値(以下、積分値Y)と、重合体(1)の構成単位(B)の側鎖に含まれる特定の炭素に帰属されるシグナルの積分値(以下、積分値Z)を下式に代入し転化率を求める。
転化率=Z/(Y+Z)
前駆重合体(1)と化合物(α)との反応では、前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(A)は変化しないため、重合体(1)に含まれる構成単位(A)の数と前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(A)の数は同じとする。重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数は、前駆重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数と前記転化率の積として求められる。重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数は、前駆重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数と重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数の差として求められる。
前記重合体(1)の製造方法としては、例えば、前駆重合体(1)と、少なくとも1種の化合物(α)、すなわち、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するアルコール、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するアミン、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するアルキルハライド、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するカルボン酸、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するカルボン酸アミド、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するカルボン酸ハライド、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するカルバミン酸、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するアルキル尿素、及び炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有するイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応させる方法、および前記構成単位(B)の原料となるモノマーを重合する方法、及びエチレンと前記構成単位(B)の原料となるモノマーを共重合する方法が挙げられる。前記化合物(α)のアルキル基は、例えば、直鎖アルキル基または分岐アルキル基であってもよいが、直鎖アルキル基が好ましい。
前記前駆重合体(1)は、前記重合体(1)を製造するための原料であり、前駆重合体(1)は式(1)で示される構成単位(B)を含まない。前記前駆重合体(1)は、前記構成単位(A)、前記構成単位(B)、および前記構成単位(C)のいずれにも該当しない構成単位を含んでもよい。
前記前駆重合体(1)は、好ましくは、前記構成単位(A)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)の数が0%以上99%以下であり、前記構成単位(C)の合計数が1%以上100%以下である。より好ましくは、前記構成単位(A)の数が70%以上99%以下であり、前記構成単位(C)の合計数が1%以上30%以下である。
前記重合体(1)における前記構成単位(B)の形成方法としては、例えば前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(C)と、前記化合物(α)とを反応させる方法、および前記構成単位(B)の原料となるモノマーを重合する方法またはエチレンと前記構成単位(B)の原料となるモノマーを共重合する方法が挙げられる。前記化合物(α)のアルキル基は、直鎖アルキル基が好ましい。なお、モノマーを重合する方法には、アゾ化合物などの重合開始剤を用いてもよい。前記アゾ化合物としてはアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
前記前駆重合体(1)として、例えばアクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、ビニルアルコール重合体、メチルアクリレート重合体、エチルアクリレート重合体、n−プロピルアクリレート重合体、n−ブチルアクリレート重合体、メチルメタクリレート重合体、エチルメタクリレート重合体、n−プロピルメタクリレート重合体、n−ブチルメタクリレート重合体、ビニルホルメート重合体、ビニルアセテート重合体、ビニルプロピオネート重合体、ビニル(n−ブチレート)重合体、メチルビニルエーテル重合体、エチルビニルエーテル重合体、n−プロピルビニルエーテル重合体、n−ブチルビニルエーテル重合体、無水マレイン酸重合体、グリシジルアクリレート重合体、グリシジルメタクリレート重合体、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート重合体、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−n−プロピルアクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−プロピルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体、エチレン−ビニルホルメート共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−ビニルプロピオネート共重合体、エチレン−ビニル(n−ブチレート)共重合体、エチレン−メチルビニルエーテル共重合体、エチレン−エチルビニルエーテル共重合体、エチレン−n−プロピルビニルエーテル共重合体、エチレン−n−ブチルビニルエーテル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート共重合体、およびエチレン−3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート共重合体が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアルコールとして、例えばn−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−ヘプタデシルアルコール、n−オクタデシルアルコール、n−ノナデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、n−ヘンエイコシルアルコール、n−ドコシルアルコール、n−トリコシルアルコール、n−テトラコシルアルコール、n−ペンタコシルアルコール、n−ヘキサコシルアルコール、n−ヘプタコシルアルコール、n−オクタコシルアルコール、n−ノナコシルアルコール、およびn−トリアコンチルアルコールが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアルコールとして、例えばイソテトラデシルアルコール、イソペンタデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、イソヘプタデシルアルコール、イソオクタデシルアルコール、イソノナデシルアルコール、イソエイコシルアルコール、イソヘンエイコシルアルコール、イソドコシルアルコール、イソトリコシルアルコール、イソテトラコシルアルコール、イソペンタコシルアルコール、イソヘキサコシルアルコール、イソヘプタコシルアルコール、イソオクタコシルアルコール、イソノナコシルアルコール、およびイソトリアコンチルアルコールが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアミンとして、例えばn−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−ヘンエイコシルアミン、n−ドコシルアミン、n−トリコシルアミン、n−テトラコシルアミン、n−ペンタコシルアミン、n−ヘキサコシルアミン、n−ヘプタコシルアミン、n−オクタコシルアミン、n−ノナコシルアミン、およびn−トリアコンチルアミンが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアミンとして、例えばイソテトラデシルアミン、イソペンタデシルアミン、イソヘキサデシルアミン、イソヘプタデシルアミン、イソオクタデシルアミン、イソノナデシルアミン、イソエイコシルアミン、イソヘンエイコシルアミン、イソドコシルアミン、イソトリコシルアミン、イソテトラコシルアミン、イソペンタコシルアミン、イソヘキサコシルアミン、イソヘプタコシルアミン、イソオクタコシルアミン、イソノナコシルアミン、およびイソトリアコンチルアミンが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアルキルハライドとして、例えばn−テトラデシルヨージド、n−ペンタデシルヨージド、n−ヘキサデシルヨージド、n−ヘプタデシルヨージド、n−オクタデシルヨージド、n−ノナデシルヨージド、n−エイコシルヨージド、n−ヘンエイコシルヨージド、n−ドコシルヨージド、n−トリコシルヨージド、n−テトラコシルヨージド、n−ペンタコシルヨージド、n−ヘキサコシルヨージド、n−ヘプタコシルヨージド、n−オクタコシルヨージド、n−ノナコシルヨージド、およびn−トリアコンチルヨージドが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアルキルハライドとして、例えばイソテトラデシルヨージド、イソペンタデシルヨージド、イソヘキサデシルヨージド、イソヘプタデシルヨージド、イソオクタデシルヨージド、イソノナデシルヨージド、イソエイコシルヨージド、イソヘンエイコシルヨージド、イソドコシルヨージド、イソトリコシルヨージド、イソテトラコシルヨージド、イソペンタコシルヨージド、イソヘキサコシルヨージド、イソヘプタコシルヨージド、イソオクタコシルヨージド、イソノナコシルヨージド、およびイソトリアコンチルヨージドが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルボン酸として、例えばn−テトラデカン酸、n−ペンタデカン酸、n−ヘキサデカン酸、n−ヘプタデカン酸、n−オクタデカン酸、n−ノナデカン酸、n−エイコサン酸、n−ヘンエイコサン酸、n−ドコサン酸、n−トリコサン酸、n−テトラコサン酸、n−ペンタコサン酸、n−ヘキサコサン酸、n−ヘプタコサン酸、n−オクタコサン酸、n−ノナコサン酸、およびn−トリアコンタン酸が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルボン酸として、例えばイソテトラデカン酸、イソペンタデカン酸、イソヘキサデカン酸、イソヘプタデカン酸、イソオクタデカン酸、イソノナデカン酸、イソエイコサン酸、イソヘンエイコサン酸、イソドコサン酸、イソトリコサン酸、イソテトラコサン酸、イソペンタコサン酸、イソヘキサコサン酸、イソヘプタコサン酸、イソオクタコサン酸、イソノナコサン酸、およびイソトリアコンタン酸が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルボン酸アミドとして、例えばn−テトラデカン酸アミド、n−ペンタデカン酸アミド、n−ヘキサデカン酸アミド、n−ヘプタデカン酸アミド、n−オクタデカン酸アミド、n−ノナデカン酸アミド、n−エイコサン酸アミド、n−ヘンエイコサン酸アミド、n−ドコサン酸アミド、n−トリコサン酸アミド、n−テトラコサン酸アミド、n−ペンタコサン酸アミド、n−ヘキサコサン酸アミド、n−ヘプタコサン酸アミド、n−オクタコサン酸アミド、n−ノナコサン酸アミド、およびn−トリアコンタン酸アミドが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルボン酸アミドとして、例えばイソテトラデカン酸アミド、イソペンタデカン酸アミド、イソヘキサデカン酸アミド、イソヘプタデカン酸アミド、イソオクタデカン酸アミド、イソノナデカン酸アミド、イソエイコサン酸アミド、イソヘンエイコサン酸アミド、イソドコサン酸アミド、イソトリコサン酸アミド、イソテトラコサン酸アミド、イソペンタコサン酸アミド、イソヘキサコサン酸アミド、イソヘプタコサン酸アミド、イソオクタコサン酸アミド、イソノナコサン酸アミド、およびイソトリアコンタン酸アミドが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルボン酸ハライドとして、例えばn−テトラデカン酸クロリド、n−ペンタデカン酸クロリド、n−ヘキサデカン酸クロリド、n−ヘプタデカン酸クロリド、n−オクタデカン酸クロリド、n−ノナデカン酸クロリド、n−エイコサン酸クロリド、n−ヘンエイコサン酸クロリド、n−ドコサン酸クロリド、n−トリコサン酸クロリド、n−テトラコサン酸クロリド、n−ペンタコサン酸クロリド、n−ヘキサコサン酸クロリド、n−ヘプタコサン酸クロリド、n−オクタコサン酸クロリド、n−ノナコサン酸クロリド、およびn−トリアコンタン酸クロリドが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルボン酸ハライドとして、例えばイソテトラデカン酸クロリド、イソペンタデカン酸クロリド、イソヘキサデカン酸クロリド、イソヘプタデカン酸クロリド、イソオクタデカン酸クロリド、イソノナデカン酸クロリド、イソエイコサン酸クロリド、イソヘンエイコサン酸クロリド、イソドコサン酸クロリド、イソトリコサン酸クロリド、イソテトラコサン酸クロリド、イソペンタコサン酸クロリド、イソヘキサコサン酸クロリド、イソヘプタコサン酸クロリド、イソオクタコサン酸クロリド、イソノナコサン酸クロリド、およびイソトリアコンタン酸クロリドが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルバミン酸として、例えばn−テトラデシルカルバミン酸、n−ペンタデシルカルバミン酸、n−ヘキサデシルカルバミン酸、n−ヘプタデシルカルバミン酸、n−オクタデシルカルバミン酸、n−ノナデシルカルバミン酸、n−エイコシルカルバミン酸、n−ヘンエイコシルカルバミン酸、n−ドコシルカルバミン酸、n−トリコシルカルバミン酸、n−テトラコシルカルバミン酸、n−ペンタコシルカルバミン酸、n−ヘキサコシルカルバミン酸、n−ヘプタコシルカルバミン酸、n−オクタコシルカルバミン酸、n−ノナコシルカルバミン酸、およびn−トリアコンチルカルバミン酸が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルバミン酸として、例えばイソテトラデシルカルバミン酸、イソペンタデシルカルバミン酸、イソヘキサデシルカルバミン酸、イソヘプタデシルカルバミン酸、イソオクタデシルカルバミン酸、イソノナデシルカルバミン酸、イソエイコシルカルバミン酸、イソヘンエイコシルカルバミン酸、イソドコシルカルバミン酸、イソトリコシルカルバミン酸、イソテトラコシルカルバミン酸、イソペンタコシルカルバミン酸、イソヘキサコシルカルバミン酸、イソヘプタコシルカルバミン酸、イソオクタコシルカルバミン酸、イソノナコシルカルバミン酸、およびイソトリアコンチルカルバミン酸が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアルキル尿素として、例えばn−テトラデシル尿素、n−ペンタデシル尿素、n−ヘキサデシル尿素、n−ヘプタデシル尿素、n−オクタデシル尿素、n−ノナデシル尿素、n−エイコシル尿素、n−ヘンエイコシル尿素、n−ドコシル尿素、n−トリコシル尿素、n−テトラコシル尿素、n−ペンタコシル尿素、n−ヘキサコシル尿素、n−ヘプタコシル尿素、n−オクタコシル尿素、n−ノナコシル尿素、およびn−トリアコンチル尿素が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアルキル尿素として、例えばイソテトラデシル尿素、イソペンタデシル尿素、イソヘキサデシル尿素、イソヘプタデシル尿素、イソオクタデシル尿素、イソノナデシル尿素、イソエイコシル尿素、イソヘンエイコシル尿素、イソドコシル尿素、イソトリコシル尿素、イソテトラコシル尿素、イソペンタコシル尿素、イソヘキサコシル尿素、イソヘプタコシル尿素、イソオクタコシル尿素、イソノナコシル尿素、およびイソトリアコンチル尿素が挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するイソシアネートとして、例えばn−テトラデシルイソシアネート、n−ペンタデシルイソシアネート、n−ヘキサデシルイソシアネート、n−ヘプタデシルイソシアネート、n−オクタデシルイソシアネート、n−ノナデシルイソシアネート、n−エイコシルイソシアネート、n−ヘンエイコシルイソシアネート、n−ドコシルイソシアネート、n−トリコシルイソシアネート、n−テトラコシルイソシアネート、n−ペンタコシルイソシアネート、n−ヘキサコシルイソシアネート、n−ヘプタコシルイソシアネート、n−オクタコシルイソシアネート、n−ノナコシルイソシアネート、およびn−トリアコンチルイソシアネートが挙げられる。
前記炭素原子数14以上30以下の分岐アルキル基を有するイソシアネートとして、例えばイソテトラデシルイソシアネート、イソペンタデシルイソシアネート、イソヘキサデシルイソシアネート、イソヘプタデシルイソシアネート、イソオクタデシルイソシアネート、イソノナデシルイソシアネート、イソエイコシルイソシアネート、イソヘンエイコシルイソシアネート、イソドコシルイソシアネート、イソトリコシルイソシアネート、イソテトラコシルイソシアネート、イソペンタコシルイソシアネート、イソヘキサコシルイソシアネート、イソヘプタコシルイソシアネート、イソオクタコシルイソシアネート、イソノナコシルイソシアネート、およびイソトリアコンチルイソシアネートが挙げられる。
前駆重合体(1)がエチレンに由来する構成単位(A)を含む場合は、前記前駆重合体(1)の製造時に原料として用いるエチレンの反応性比をr1、および前記構成単位(C)を形成するモノマーの反応性比をr2とした場合の反応性比の積r1r2は、該前駆重合体(1)を含む蓄熱層(1)の形状保持性が良好であるように、好ましくは0.5以上5.0以下であり、より好ましくは0.5以上3.0以下である。
エチレンの反応性比r1は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(A)である重合体にエチレンが結合する反応速度をk11、末端が構成単位(A)である重合体に構成単位(C)を形成するモノマーが結合する反応速度をk12とするときに、式r1=k11/k12で定義される値である。前記反応性比r1は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、
末端が構成単位(A)である重合体がエチレンまたは構成単位(C)を形成するモノマーのどちらとより反応しやすいかを表す指標である。r1が大きいほど、末端が構成単位(A)である重合体はよりエチレンと反応しやすく、構成単位(A)の連鎖が生成しやすい。
構成単位(C)を形成するモノマーの反応性比r2は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(C)である重合体にエチレンが結合する反応速度をk21、末端が構成単位(C)である重合体に構成単位(C)を形成するモノマーが結合する反応速度をk22として、r2=k22/k21で定義される値である。前記反応性比r2は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(C)である重合体がエチレンまたは構成単位(C)を形成するモノマーのどちらとより反応しやすいかを表す指標である。r2が大きいほど、末端が構成単位(C)である重合体はより構成単位(C)を形成するモノマーと反応しやすく、構成単位(C)の連鎖が生成しやすい。
反応性比の積r1r2は、文献「Kakugo,M.;Naito,Y.;Mizunuma,K.;Miyatake, T. Macromolecules,1982,15,1150」に記載された方法により算出される。本発明においては、積r1r2は、前駆重合体(1)の13C核磁気共鳴スペクトルから算出される前記構成単位(A)と前記構成単位(C)の各二連子AA、AC、CCの数を以下に示す式に代入することにより得られる。
r1r2=AA[CC/(AC/2)]
前記反応性比の積r1r2は、共重合体のモノマー連鎖分布を表す指標である。前記r1r2が1に近いほど、共重合体のモノマー連鎖分布はランダム性が高く、前記r1r2が0に近いほど、共重合体のモノマー連鎖分布は交互共重合体性が高く、前記r1r2が1より大きいほど、共重合体のモノマー連鎖分布はブロック共重合体性が高い。
JIS K7210に準拠して温度190℃、荷重21Nで測定される前記前駆重合体(1)のメルトフローレートは、好ましくは、0.1g/10分以上500g/10分以下である。
前記前駆重合体(1)の製造方法としては、配位重合法、カチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法が挙げられ、好ましくはラジカル重合法であり、より好ましくは、高圧下でのラジカル重合法である。
前記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の前記化合物(α)とを反応させる際の反応温度は、通常40℃以上250℃以下である。本反応は、溶媒存在下で行ってもよく、溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、およびキシレンが挙げられる。また本反応において副生成物が生じる場合には、反応を促進させるために、副生成物を減圧留去しながら反応を行ってもよく、副生成物を溶媒とともに共沸させ、気化された副生成物と溶媒とを冷却し、副生成物と溶媒とを含む留出液を副生成物層と溶媒層とに分液し、回収された溶媒のみを還流液として反応系内に戻しながら反応を行ってもよい。
また、前記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の前記化合物(α)との反応は、前記前駆重合体(1)と、前記化合物(α)とを溶融混練しながら行ってもよい。また溶融混練しながら前記前駆重合体(1)と、前記化合物(α)とを反応させた際に副生成物が生じる場合には、反応を促進させるために、副生成物を減圧留去しながら反応を行ってもよい。溶融混練に用いられる溶融混練装置として、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーなどの装置が挙げられる。溶融混練装置の温度は、好ましくは100℃以上250℃以下である。
前記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の前記化合物(α)とを反応させる際に、反応を促進させるために触媒を添加してもよい。触媒としては、例えばアルカリ金属塩や4族金属錯体が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。4族金属錯体としては、例えばオルトチタン酸テトラ(イソプロピル)、オルトチタン酸テトラ(n−ブチル)、およびオルトチタン酸テトラオクタデシルが挙げられる。触媒の添加量は、反応に用いられる前記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の前記化合物(α)との合計量100重量部に対して、0.01重量部以上50重量部以下であることが好ましく、より好ましくは、0.01重量部以上5重量部以下である。
前記重合体(1)は、該重合体(1)の融解ピーク温度以上における積層体の形状保持性と、該重合体(1)の成形加工性が良好であるように、好ましくはエチレンに由来する構成単位(A)を有する。さらに該重合体(1)のブロー成形性や発泡成形性が良好であるように、より好ましくは、エチレンに由来する構成単位(A)が重合体中で分岐構造を形成しており、さらに好ましくは、該分岐構造は該分岐構造による高分子鎖の絡み合いが可能な程度に長い長鎖分岐構造である。
前記重合体(1)の下記式(I)で定義される比Aは、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.80以下である。
A=α/α (I)
[式(I)中、αは、
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより重合体の絶対分子量と固有粘度を測定し、
絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−I)
(式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
式(I)中、αは、
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)の絶対分子量と固有粘度を測定し、
絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−II)
(式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体およびポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量と固有粘度の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。)]
光散乱検出器により得られたデータから絶対分子量を求め、粘度検出器により固有粘度([η])を求めるにあたっては、Malvern社のデータ処理ソフトOmniSEC(version4.7)を利用し、文献「Size Exclusion Chromatography,Springer(1999)」を参考にして計算を行う。
前記ポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)は、分岐を含まない高密度ポリエチレンである。前記式(I−I)および式(I−II)は、重合体の固有粘度と分子量の相関を表すMark−Hauwink−Sakuradaの式と称され、前記αが小さいほど、分岐構造による高分子鎖の絡み合いの数が多い。前記ポリエチレン標準物質1475aは、分岐構造を形成していないため、分岐構造による高分子鎖の絡み合いは生じない。前記ポリエチレン標準物質1475aのαに対するαの比である前記Aが小さいほど、重合体中で前記構成単位(A)が形成している長鎖分岐構造の量が多い。
光散乱検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより測定される前記重合体(1)の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜1,000,000であり、より好ましくは、50,000〜750,000、さらに好ましくは、100,000〜500,000である。
なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体(1)の重量平均分子量の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。
前記重合体(1)の流動の活性化エネルギー(E)は、成形加工時の押出負荷をより低減する観点から、好ましくは40kJ/mol以上であり、より好ましくは50kJ/mol以上であり、さらに好ましくは60kJ/mol以上である。また、押出成形により得られる成形体の外観が良好であるように、Eは、好ましくは100kJ/mol以下であり、より好ましくは90kJ/mol以下であり、さらに好ましくは80kJ/mol以下である。Eの大きさは、主に重合体中の長鎖分岐数に依存する。長鎖分岐をより多く含む重合体は、Eがより高い。
重合体の流動の活性化エネルギー(E)は、以下に示す方法で求められる。まず、90℃、110℃、130℃、150℃、170℃の温度の中から、170℃を含む3つ以上の温度について、それぞれの温度(T、単位:℃)における重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線を測定する。前記溶融複素粘度−角周波数曲線は、溶融複素粘度(単位:Pa・秒)の対数を縦軸、角周波数(単位:rad/秒)の対数を横軸とする両対数曲線である。次に、170℃以外の各温度で測定された溶融複素粘度−角周波数曲線について、それぞれ、170℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重なり合うように、角周波数をa倍、溶融複素粘度を1/a倍する。aは、170℃以外の各温度で測定された溶融複素粘度−角周波数曲線が、170℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重なり合うように適宜定められる値である。
前記aは、一般にシフトファクターと称され、溶融複素粘度−角周波数曲線の測定温度により異なる値である。
次に、それぞれの温度(T)において、[ln(a)]と[1/(T+273.16)]とを求め、[ln(a)]と[1/(T+273.16)]とを下記(II)式で最小二乗法近似し、式(II)を表す直線の傾きmを求める。前記mを下記式(III)に代入し、Eを求める。
ln(a)=m(1/(T+273.16))+n・・・(II)
=|0.008314×m|・・・(III)
:シフトファクター
:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T:温度(単位:℃)
上記計算には、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、TAインスツルメント社製 Ochestratorが挙げられる。
上記方法は、以下の原理に基づく。
異なる温度で測定された溶融複素粘度−角周波数曲線(両対数曲線)は、各温度の曲線をそれぞれ所定量、水平移動することによって1本の親曲線(マスターカーブと称する)に重なり合うことが知られており、これは、「温度−時間重ね合わせ原理」と称されている。そして、該水平移動量はシフトファクターと称され、シフトファクターは温度に依存した値であり、シフトファクターの温度依存性は上記式(II)及び(III)で表されることが知られており、式(II)及び(III)はアレニウス型方程式と称されている。
[ln(a)]と[1/(T+273.16)]とを上記(II)式で最小二乗法近似するときの相関係数は、0.9以上となるようにする。
上記の溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製 ARESなど。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.2〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。測定は窒素雰囲気下で行われる。また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000重量ppm)配合することが好ましい。
前記重合体(1)の歪硬化の強さを表す伸張粘度非線形指数kは、例えばTダイフィルム加工時のネックインが小さい、得られるフィルムの厚みむらが小さい、発泡成形時に破泡しにくい、といった優れた成形性という観点から、好ましくは0.85以上であり、より好ましくは0.90以上であり、更に好ましくは0.95以上である。重合体の歪硬化とは、該重合体に歪をかけた際、ある歪量以上で伸張粘度が急激に増大することを意味する。また、指数kは、前記重合体(1)や、当該重合体(1)を含む本発明の樹脂組成物を所望の形状に成形する容易さ、という観点から、2.00以下であることが好ましく、より好ましくは1.50以下であり、更に好ましくは1.40以下であり、更により好ましくは1.30以下であり、特に好ましくは1.20以下である。
伸張粘度非線形指数kは、以下に示す方法で求められる。
110℃の温度および1秒-1の歪速度で重合体を一軸伸張したときの伸長時間tにおける粘度η1(t)と、110℃の温度および0.1秒-1の歪速度で重合体一軸伸張したときの伸長時間tにおける粘度η0.1(t)を求める。任意の同じ伸長時間tにおける前記η1(t)と前記η0.1(t)を下記式に代入し、α(t)を求める。
α(t)=η1(t)/η0.1(t)
α(t)の対数(ln(α(t)))を伸張時間tに対してプロットし、tが2.0秒から2.5秒の範囲において、ln(α(t))とtを下記式で最小二乗法近似する。下記式を表す直線の傾きの値がkである。
ln(α(t))=kt
上記式で最小二乗法近似するのに用いた相関関数r2が0.9以上の場合のkを採用する。
上記の一軸伸張したときの粘度の測定は、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製ARES)を用い、窒素雰囲気下で行われる。
伸張粘度測定において、長鎖分岐を有する重合体は、高歪み領域で伸張粘度が線形領域からはずれ急激に上昇する性質、いわゆる歪硬化性を有する。歪硬化性を有する重合体の場合には、α(t)の対数(ln(α(t)))は、ln(l/l)に比例して増加することが知られている(ここで、lおよびlはそれぞれ伸張時間0およびtでの試料の長さである)[参考文献:小山清人、石塚修;繊維学会誌,37,T−258(1981)]。歪硬化性のない重合体の場合には、任意の伸張時間に対してα(t)は1となり、α(t)の対数(ln(α(t)))を伸張時間に対してプロットした直線の傾きkは0となる。歪硬化性を有する重合体の場合には、特に高歪領域において、該直線プロットの傾きkが0とはならない。本発明においては、歪硬化性の度合いを表すパラメータとして非線形パラメータα(t)の対数(ln(α(t)))を伸張時間に対してプロットした直線の傾きをkとして定義する。
前記重合体(1)は、未反応の化合物(α)、または反応を促進させるために添加した触媒との混合物を形成していてもよい。該混合物に含まれる未反応の化合物(α)の含有量は、重合体のガラスや金属などの基板への固着を抑えるために、重合体100重量部に対して3重量部未満であることが好ましい。
前記重合体(1)は、架橋されている重合体でもよく、架橋されていない重合体でもよい。
一つの態様において、前記重合体(1)は、架橋されていない重合体(以下、重合体(α)と称する)である。
重合体(α)は、後述する重合体のゲル分率が20重量%未満である。
重合体(α)は、重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
<架橋されている重合体>
一つの態様において、前記重合体(1)は架橋されている。すなわち、前記重合体(1)の分子の少なくとも一部が分子間で共有結合により連結されている。
重合体(1)を架橋する方法としては、電離性放射線を照射して架橋する方法や有機過酸化物を用いて架橋する方法が挙げられる。
重合体(1)に電離性放射線を照射し、架橋を行う場合には、通常、あらかじめ所望の形状に成形された前記重合体(α)に電離性放射線を照射する。成形には、公知の方法を用いることができ、押出成形、射出成形、プレス成形が好ましい。電離性放射線を照射する成形体は、樹脂成分として前記重合体(1)のみを含む成形体でもよく、前記重合体(1)と、重合体(1)とは異なる重合体とを含む成形体でもよい。後者の場合は、重合体(1)とは異なる重合体としては、後述の重合体(2)が挙げられる。該成形体が重合体(1)と重合体(2)を含有する場合は、重合体(1)と重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であることが好ましい。
電離性放射線としては、例えばα線、β線、γ線、電子線、中性子線、およびX線が挙げられ、コバルト−60のγ線、または電子線が好ましい。重合体(1)を含む成形体がシート状である場合には、電離性放射線は該シート状成形体の少なくとも一面から照射すればよい。
電離性放射線の照射は、電離性放射線照射装置を用いて行われ、照射量は、通常5〜300kGyであり、好ましくは10〜150kGyである。前記重合体(1)は、通常と比べて低い照射量で高い架橋度の重合体を得ることができる。
電離性放射線の照射によって架橋されている重合体(1)を得る場合には、電離性放射線を照射する成形体が架橋助剤を含むことにより、より架橋度の高い架橋されている重合体(1)を得ることができる。架橋助剤は、重合体(1)の架橋度を高め、機械的特性を向上するためのものであり、分子内に二重結合を複数持つ化合物が好ましく用いられる。
架橋助剤としては、例えば、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびアリルメタクリレートを挙げることができる。また、これらの架橋助剤は、複数を組み合せて使用してもよい。
架橋助剤の添加量は、電離性放射線を照射する成形体に含まれる重合体(1)と、該重合体(1)とは異なる重合体の合計重量を100重量部とするときに、0.01〜4.0重量部であることが好ましく、0.05〜2.0重量部であることがより好ましい。
有機過酸化物を用いて架橋する方法としては、例えば、前記重合体(α)と有機過酸化物を含む樹脂組成物を、加熱を伴う成形方法によって、重合体(α)を架橋する方法が挙げられる。加熱を伴う成形方法としては、押出成形、射出成形、およびプレス成形が挙げられる。重合体(α)と有機過酸化物を含む樹脂組成物は、樹脂成分として重合体(1)のみを含んでもよく、重合体(1)と、該重合体(1)とは異なる重合体とを含んでもよい。
重合体(α)と有機過酸化物を含む樹脂組成物が、重合体(1)とは異なる重合体を含有する場合は、該重合体としては、後述の重合体(2)が挙げられ、重合体(1)と重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であることが好ましい。
有機過酸化物によって架橋する場合には、重合体(α)と有機過酸化物を含む組成物に含まれる樹脂成分の流動開始温度以上の分解温度を有する有機過酸化物が好適に用いられ、好ましい有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジ−tert−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートなどを挙げることができる。
架橋されている重合体(1)は、必要に応じて、公知の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、およびフィラーが挙げられる。これらの添加剤は架橋する前に、重合体(1)と混練することにより添加することができる。
架橋されている重合体(1)は、好ましくはゲル分率が20重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上であり、最も好ましくは70重量%以上である。ゲル分率は、架橋されている重合体の架橋度を示すものであり、重合体のゲル分率がより高い、ということは、重合体がより多くの架橋構造を有し、より強固なネットワーク構造が形成されていることを意味する。重合体のゲル分率がより高いと、重合体は形状保持性がより高く、より変形しにくい。
なお、ゲル分率は、以下に記す方法で求められる。重合体約500mg、および金網(目開き:400メッシュ)で作製した空の網篭を秤量する。重合体を封入した網篭とキシレン(関東化学株式会社製 鹿特級又はその同等品:o-、m-、p-キシレンおよびエチルベンゼンの混合物、o−、m−、p−キシレンの合計重量が85重量%以上)50mLを100mL試験管に導入し、110℃で6時間加熱抽出を行う。抽出後、抽出残渣入り網篭を試験管から取り出し、真空乾燥機にて80℃で8時間減圧乾燥を行い、乾燥後の抽出残渣入り網篭を秤量する。ゲル重量は、乾燥後の抽出残渣入り網篭と空の網篭の重量差から算出する。ゲル分率(重量%)は以下の式に基づき算出する。
ゲル分率=(ゲル重量/測定試料重量)×100
積層体は、シート形状、板状およびフィルム状等の形状が挙げられ、前記蓄熱層(1)、前記中間層(2)および前記基材層(3)が、同一の形状を有する層の積層構造を有しているものであり得る。特に、壁材等の建築材料の一部として用いる場合、前記蓄熱層(1)、前記中間層(2)および前記基材層(3)が、それぞれシート状の積層体であることが好ましい。
<蓄熱層(1)>
本発明の積層体は、示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体(1)を含む蓄熱層(1)を有する。
一実施形態の蓄熱層(1)は、前記重合体(1)と、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)とを含有しており、前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、前記蓄熱層(1)に含まれる重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である。なお、前記蓄熱層(1)に含まれる重合体(1)および重合体(2)の含有量は、それぞれ、前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、重合体(1)の含有量が40重量%以上95重量%以下であり、重合体(2)の含有量が5重量%以上60重量%以下であることが好ましく、重合体(1)の含有量が50重量%以上90重量%以下であり、重合体(2)の含有量が10重量%以上50重量%以下であることがより好ましく、重合体(1)の含有量が60重量%以上85重量%以下であり、重合体(2)の含有量が15重量%以上40重量%以下であることがさらに好ましい。なお、重合体(2)については、<中間層(2)>に詳細に記載している。前記蓄熱層(1)に前記重合体(2)が用いられている場合、中間層(2)に用いる重合体(2)は前記中間層(1)に用いているものと同じであっても異なっていてもよい。
以下、前記重合体(1)と前記重合体(2)を含む蓄熱層(1)を構成する樹脂組成物を、以下、樹脂組成物(A)と称することがある。
重合体(1)は2種以上の重合体からなっていてもよく、重合体(2)は2種以上の重合体からなっていてもよい。
重合体(2)の示差走査熱量測定(DSC)によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度は、50℃以上180℃以下の範囲内にある。重合体(2)の融解ピーク温度は、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる融解ピークの頂点の温度であり、融解吸熱量が最大となる温度である。
重合体(2)のガラス転移温度は、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる中間点ガラス転移温度である。
[示差走査熱量測定方法]
示差走査熱量計により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)200℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で200℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から200℃まで昇温する。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とする。
蓄熱層(1)の厚みは通常、10μm以上200mm以下であるが、好ましくは100μm以上10mm以下、より好ましくは500μm以上5mm以下、さらに好ましくは1mm以上3mm以下である。
一実施形態において、蓄熱層(1)は非発泡体からなる非発泡層である。
<発泡層である蓄熱層(1)>
前記蓄熱層(1)は、前記重合体(1)と発泡剤とを含む樹脂組成物(以下、樹脂組成物(B)と称することがある)を発泡させ得られる発泡体からなる発泡層であってもよい。
発泡剤としては、物理発泡剤や熱分解型発泡剤が挙げられる。また複数の発泡剤を併用してもよい。前記樹脂組成物(B)は、重合体(1)とは異なる重合体を含んでもよい。前記樹脂組成物(B)が、重合体(1)とは異なる重合体を含有する場合は、該重合体としては、前記重合体(2)が挙げられる。樹脂組成物(B)が前記重合体(1)と前記重合体(2)を含有する場合は、前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であることが好ましく、重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下であることがより好ましい。
物理発泡剤としては、空気、酸素、チッソ、二酸化炭素、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、水、石油エーテル、塩化メチル、塩化エチル、モノクロルトリフルオルメタン、ジクロルジフルオルメタン、ジクロテトラフルオロエタンが挙げられ、この中でも二酸化炭素、窒素、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタンまたはイソペンタンが経済性、及び安全性の観点から好ましい。
熱分解型発泡剤としては、炭酸ナトリウム等の無機系発泡剤や、アゾジカルボンアミド、N,N−ジニトロペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミド等の有機系発泡剤が挙げられ、これらの中でもアゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドが経済性および安全性の観点から好ましく、成形温度範囲が広いことや、気泡が微細な発泡体が得られることから、アゾジカルボンアミドまたは炭酸水素ナトリウムを含有する発泡剤がより好ましい。
熱分解型発泡剤を用いる場合には、通常は分解温度が120〜240℃である熱分解型発泡剤が用いられる。分解温度が200℃より高い熱分解型発泡剤を使用する場合には、発泡助剤を併用することにより分解温度を200℃以下に下げることが好ましい。発泡助剤としては、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物;炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;塩化亜鉛等の金属塩化物;尿素;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ラウリン酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、二塩基性フタル酸鉛等の金属石鹸;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート等の有機錫化合物;三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛等の無機塩類を挙げることができる。
熱分解型発泡剤として、熱分解型発泡剤、発泡助剤および樹脂から構成されるマスターバッチを用いることができる。マスターバッチに用いられる樹脂の種類は特に限定はされないが、重合体(1)、重合体(2)、または、重合体(1)および(2)の少なくとも一方を含む樹脂組成物が好ましい。マスターバッチに含有される熱分解型発泡剤および発泡助剤の合計量は、該マスターバッチに含まれる樹脂を100重量%とするとき、通常5〜90重量%である。
より微細な気泡を有する発泡体を得るために、前記樹脂組成物(B)は、さらに発泡核剤を含むことが好ましい。発泡核剤としてはタルク、シリカ、マイカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、アルミノシリケート、クレー、石英粉、珪藻土類;ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンからなる粒径100μm以下の有機ポリマービーズ;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム等の有機酸金属塩;酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらを2種類以上組み合わせてもよい。
前記樹脂組成物(B)において、発泡剤の量は、用いる発泡剤の種類や製造する発泡体の発泡倍率に応じて適宜設定されるが、前記樹脂組成物(B)に含まれる樹脂成分の重量を100重量部とするときに通常1〜100重量部である。
前記樹脂組成物(B)は、必要に応じ、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、フィラー、滑剤、帯電防止剤、難燃剤などの添加剤を含有してもよい。
前記樹脂組成物(B)は、重合体(1)と発泡剤と、必要に応じ配合される他の成分とを溶融混練したものであることが好ましい。溶融混練する方法としては、例えば、重合体(1)と発泡剤等をタンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合装置で混合した後、更に単軸押出機や多軸押出機などにより溶融混練する方法、およびニーダーやバンバリーミキサーなどの混練装置で溶融混練する方法が挙げられる。
重合体(1)を含む発泡体の製造には、公知の方法を用いることができ、押出発泡成形、射出発泡成形、加圧発泡成形などが好適に用いられる。
本発明の発泡体が、架橋されている重合体(1)を含む場合には、該発泡体の製造方法としては、例えば、前記重合体(1)と発泡剤を含む樹脂組成物に電離性放射線を照射して、または架橋されている重合体(1)と発泡剤を溶融混練して、架橋されている重合体(1)と発泡剤を含む樹脂組成物(α)を製造する工程と、前記樹脂組成物(α)を加熱して発泡体を製造する工程とを含む方法(以下、方法(A)と称する)、ならびに、密閉された成形型内で、前記重合体(1)、発泡剤、および有機過酸化物を含む樹脂組成物、または架橋されている重合体(1)と発泡剤とを含む樹脂組成物を加熱しながら加圧して、架橋されている重合体(1)を含む樹脂組成物(β)を製造する工程と、成形型を開けて前記樹脂組成物(β)から発泡体を製造する工程とを含む方法(以下、方法(B)と称する)が挙げられる。
<発泡体の製造方法:方法(A)による製造方法>
前記方法(A)を以下に具体的に説明する。
前記方法(A)は、架橋されている重合体(1)と発泡剤を含む樹脂組成物(α)を製造する工程(以下、樹脂組成物(α)製造工程と称する)と、前記樹脂組成物(α)を加熱して発泡体を製造する工程(以下、発泡体製造工程と称する)とを含む。以下、各工程について説明する。
[樹脂組成物(α)製造工程]
架橋されている重合体(1)と発泡剤を含む樹脂組成物(α)を製造する樹脂組成物(α)製造工程において前記重合体(1)と発泡剤とを含む樹脂組成物に電離性放射線を照射して製造する場合、前記重合体(1)と発泡剤とを含む樹脂組成物に照射する電離性照射線としては、架橋されている重合体(1)の製造に用いられる電離性照射線が挙げられる。電離性放射線の照射方法や照射量は、架橋されている重合体(1)の製造時の照射方法や照射量として記載された方法や照射量と同じものが挙げられる。
前記重合体(1)と発泡剤を含む樹脂組成物は、通常、発泡剤の分解温度未満の温度で所望の形状に成形した後に電離性照射線を照射される。例えば、シートに成形する方法としては、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート状に成形する方法、およびTダイまたは環状ダイから溶融押出ししてシート状に成形する方法が挙げられる。
架橋されている重合体(1)と発泡剤の溶融混練は、通常、発泡剤の分解温度未満の温度で行われる。
[発泡体製造工程]
前記樹脂組成物(α)を加熱して発泡体を製造する発泡体製造工程において、加熱して発泡体を製造する方法としては、樹脂発泡体の公知の製造方法を適用することができ、縦型熱風発泡法、横型熱風発泡法、横型薬液発泡法等の前記樹脂組成物(α)を連続的に加熱発泡処理できる方法が好ましい。加熱温度は、発泡剤の分解温度以上の温度であり、発泡剤が熱分解型発泡剤である場合、好ましくは熱分解型発泡剤の分解温度から5〜50℃高い温度、より好ましくは熱分解型発泡剤の分解温度から10〜40℃高い温度、さらに好ましくは熱分解型発泡剤の分解温度から15〜30℃高い温度である。また、加熱時間は、発泡剤の種類や量などに応じて適宜選択することができるが、オーブンで加熱する場合には、通常3〜5分である。
<発泡体の製造方法:方法(B)による製造方法>
次に、前記方法(B)を以下に具体的に説明する。
前記方法(B)は、密閉された成形型内で、前記重合体(1)、発泡剤、および有機過酸化物を含む樹脂組成物、または架橋されている重合体(1)と発泡体を含む樹脂組成物を加熱しながら加圧して、架橋されている重合体(1)を含む樹脂組成物(β)を製造する工程(以下、樹脂組成物(β)製造工程と称する)と、成形型を開けて前記樹脂組成物(β)から発泡体を製造する工程(以下、発泡体製造工程と称する)とを含む。以下、各工程について説明する。
[樹脂組成物(β)製造工程]
樹脂組成物(β)製造工程において、成形型内で、前記重合体(1)、発泡剤、および有機過酸化物を含む樹脂組成物を加熱しながら加圧して、架橋されている重合体(1)を含む樹脂組成物(β)を製造する場合、有機過酸化物としては、本発明の架橋されている重合体の製造に用いることができる有機過酸化物が挙げられる。
成形型内で加熱しながら加圧される樹脂組成物は、あらかじめ、前記重合体(1)、発泡剤、および有機過酸化物、または架橋されている重合体(1)と発泡体を含む樹脂組成物を、前記発泡剤の分解温度未満であって、有機過酸化物の1分間半減期温度未満である温度で溶融混練した樹脂組成物であることが好ましい。
成形型内で前記重合体(1)、発泡剤、および有機過酸化物を含む樹脂組成物の場合、該樹脂組成物を加熱する温度は、前記有機過酸化物の1分間半減期温度以上であって、発泡剤の分解温度以上の温度が好ましい。
[発泡体製造工程]
成形型を開けて、前記樹脂組成物(β)から発泡体を製造する発泡体製造工程では、成形型を40℃以上100℃以下に冷却した後に成形型を開けることが好ましい。開けるときの成形型の温度は、前記樹脂組成物(β)の溶融粘度を高め、発泡時の膨張を促進させる観点から、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上である。また、発泡時のガス抜けを抑制する観点から、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは80℃以下である。
ただし、開けるのに適した成形型の温度は前記樹脂組成物(β)の粘度や融点、製造する発泡体のサイズによって異なるため、適宜調整することができる。
また、本発明の架橋されている重合体(1)を含む発泡体の発泡倍率や強度を高めるために、前記重合体(1)と発泡剤とを含む樹脂組成物は、さらに架橋助剤を含むことが好ましい。架橋助剤としては、本発明の架橋されている重合体(1)の製造に用いられる架橋助剤が挙げられる。前記重合体(1)、発泡剤および架橋助剤を含む樹脂組成物に含まれる架橋助剤の量は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分の重量を100重量部とするときに、0.01〜4.0重量部であること好ましく、0.05〜2.0重量部であることがより好ましい。
<中間層(2)>
本発明の積層体は、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体を除く)である重合体(2)からなる中間層(2)を有する。なお、中間層(2)は、前記蓄熱層(1)に隣接している。なお、「隣接している」とは、積層体において一方の層と他方の層とが隙間なく密着した状態を意味している。
中間層(2)は、前記蓄積層(1)の何れか一方の面に隣接していてもよく、前記蓄積層(1)の両面に隣接していてもよい。
重合体(2)の示差走査熱量測定(DSC)によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度は、50℃以上180℃以下の範囲内にある。重合体(2)の融解ピーク温度は、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる融解ピークの頂点の温度であり、融解吸熱量が最大となる温度である。
重合体(2)のガラス転移温度は、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる中間点ガラス転移温度である。
[示差走査熱量測定方法]
示差走査熱量計により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)200℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で200℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から200℃まで昇温する。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とする。
融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にある重合体(2)としてはエチレンに由来する構成単位を有するものが挙げられる。具体的には、エチレンに由来する構成単位を50%より多く有し(但し該重合体を構成する構成単位の総量を100重量%とする)、融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にあるポリエチレン、プロピレンに由来する構成単位を50%より多く有し(但し該重合体を構成する構成単位の総量を100重量%とする)、融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にあるポリプロピレン(PP)が挙げられる。
前記融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にあるポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。
ガラス転移温度が50℃以上180℃以下の範囲内にある重合体(2)としては、例えば、環状オレフィン重合体(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。
重合体(2)としての前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに由来する構成単位とα−オレフィンに由来する構成単位とを有する共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン挙げられ、これらは単独でもよく、2種以上でもよい。α−オレフィンは、好ましくは、炭素原子数4〜8のα−オレフィンであり、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンである。
重合体(2)としての該高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、およびエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、860kg/m以上960kg/m以下である。
重合体(2)としての前記ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、下記のようなプロピレンランダム共重合体、および下記のようなプロピレン重合材料が挙げられる。ポリプロピレンにおけるプロピレンに由来する構成単位の含有量は、50重量%を超え100重量%以下である(但し、ポリプロピレンを構成する構成単位の総量を100重量%とする)。また、ポリプロピレンは、前記融解ピーク温度が100℃以上であることが好ましい。
前記プロピレンランダム共重合体とは、プロピレンに由来する構成単位と、エチレンに由来する構成単位及びα−オレフィンに由来する構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位とを有するランダム共重合体である。プロピレンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、およびプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が挙げられる。該α−オレフィンは、炭素原子数4〜10のα−オレフィンが好ましく、このようなα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状α−オレフィン、および3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の分岐状α−オレフィンが挙げられる。プロピレンランダム共重合体に含まれるα−オレフィンは、1種でも、2種以上でもよい。
プロピレン単独重合体およびプロピレンランダム共重合体の製造方法としては、公知のチーグラー・ナッタ系触媒、または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体等の公知の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、および気相重合法等の公知の重合法が挙げられる。
前記プロピレン重合材料は、プロピレン単独重合体成分(I)と、プロピレンに由来する構成単位および炭素原子数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位と、エチレンに由来する構成単位とを有するエチレン共重合体成分(II)とからなる重合材料である。
エチレン共重合体成分(II)における炭素原子数4以上のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、および2,2,4−トリメチル−1−ペンテンが挙げられる。炭素原子数4以上のα−オレフィンは、炭素原子数4以上20以下のα−オレフィンが好ましく、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンがより好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンがさらに好ましい。エチレン共重合体成分(II)に含まれる炭素原子数4以上のα−オレフィンは、1種でもよく、2種以上でもよい。
エチレン共重合体成分(II)として、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、およびプロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体が挙げられる。エチレン共重合体成分(II)はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
プロピレン重合材料は、重合触媒を用いて、多段重合により製造することができる。例えば、前段の重合工程でプロピレン単独重合体成分(I)を製造し、後段の重合工程でエチレン共重合体成分(II)を製造することにより、プロピレン重合材料を製造することができる。
プロピレン重合材料の製造に使用する重合触媒としては、プロピレン単独重合体およびプロピレンランダム共重合体の製造に使用される前記触媒が挙げられる。
プロピレン重合材料の製造の各重合工程における重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、スラリー重合法、および気相重合法が挙げられる。溶液重合法およびスラリー重合法で用いる不活性炭化水素溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンが挙げられる。これらの重合方法は、2つ以上組み合わせてもよく、バッチ式または連続式のいずれであってもよい。プロピレン重合材料の製造における重合方法は、連続式の気相重合、バルク重合と気相重合を連続的に行うバルク−気相重合が好ましい。
重合体(2)としての前記ポリプロピレンは、好ましくは、プロピレン単独重合体である。
前記中間層(2)に含まれる重合体(2)は、融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にある重合体であり、好ましくは、エチレンに由来する構成単位を50%より多く有し(但し該重合体を構成する構成単位の総量を100重量%とする)、融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にあるポリエチレンである。
中間層(2)に含まれる重合体(2)は一種でもよく、二種以上でもよい。
一実施形態において、中間層(2)は非発泡体からなる非発泡層である。
前記蓄熱層(1)および前記中間層(2)は、それぞれ、無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、結晶造核剤、顔料、吸着剤、金属塩化物、ハイドロタルサイト、アルミン酸塩、滑剤、シリコーン化合物などの添加剤を含んでもよい。また、添加剤を前記蓄熱層(1)および前記中間層(2)の何れか一方に含んでいてもよく、両方に含んでいてもよい。
該添加剤の配合量は、蓄熱層(1)を構成する樹脂組成物100重量部および前記中間層(2)を構成する樹脂組成物100重量部それぞれに対して、0.001重量部以上10重量部以下であることが好ましく、0.005重量部以上5重量部以下であることがより好ましく、0.01重量部以上1重量部以下であることがさらに好ましい。
前記蓄熱層(1)が添加剤を含む場合には、前記重合体(1)の製造時に使用する1つ以上の原料に該添加剤を予め配合してもよく、前記重合体(1)を製造した後に配合してもよい。また、前記重合体(2)の製造時に使用する1つ以上の原料に該添加剤を予め配合してもよく、前記重合体(2)を製造した後に配合してもよい。さらに前記重合体(1)と前記重合体(2)の何れかに配合してもよく、両方に該添加剤を配合してもよい。前記重合体(1)を製造した後に、該重合体に添加剤を配合する場合には、重合体を溶融混練しながら添加剤を配合することができる。また、前記重合体(2)を製造した後に、該重合体に添加剤を配合する場合には、重合体を溶融混練しながら添加剤を配合することができる。
無機フィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、および焼成カオリンが挙げられる。
有機フィラーとしては、例えば、繊維、木粉、およびセルロースパウダーが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、およびビタミン系酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリジアミン系紫外線吸収剤、アニリド系紫外線吸収剤、およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、およびベンゾエート系光安定剤が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタンやカーボンブラックが挙げられる。
吸着剤としては、例えば、酸化亜鉛や酸化マグネシウムのような金属酸化物が挙げられる。
金属塩化物としては、例えば、塩化鉄および塩化カルシウムが挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸、高級アルコール、脂肪族アミド、および脂肪族エステルが挙げられる。
中間層(2)の厚みは通常、1μm以上1mm以下であるが、好ましくは10μm以上100μm以下である。
<基材層(3)>
本発明の積層体は、紙からなる基材層(3)を有する。基材層(3)は、前記中間層(2)に隣接している。
紙からなる基材としては例えば、キャストコーテッド紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、上質紙、合成紙等が挙げられ、その用途、目的に応じて適宜使用することができる。
基材層(3)の厚みは通常、1μm以上1mm以下であるが、好ましくは10μm以上100μm以下である。
〔2.積層体の製造方法〕
一実施形態の積層体は、前記蓄熱層(1)を有する成形体と、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体の中間層(2)とを加熱接着する工程を含む製造方法によって得られる。
一実施形態において、本発明の積層体は、前記蓄熱層(1)を有する成形体を準備する工程と、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体を準備する工程と、前記蓄熱層(1)を有する成形体と、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体の中間層(2)とを加熱接着する工程と、を含んでいる。
<蓄熱層(1)を有する成形体>
一実施形態では、蓄熱層(1)を有する成形体はシート状である。
成形体がシート状である場合、前記蓄熱層(1)を有する成形体を準備する工程において、前記蓄熱層(1)を有するシートは、蓄熱層(1)を構成する樹脂組成物をシートに成形することによって得られる。例えば、シートに成形する方法としては、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート状に成形する方法、およびTダイまたは環状ダイから溶融押出ししてシート状に成形する方法が挙げられる。
<前記中間層(2)および基材層(3)を有する成形体>
一実施形態では、前記中間層(2)および基材層(3)を有する成形体はシート状である。
成形体がシート状である場合、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体を準備する工程において、前記中間層(2)および基材層(3)を有するシートは、例えば基材層(3)の片面に中間層(2)を押出ラミネート成形することによって得られる。押出ラミネート加工するための装置としては通常のT−ダイ方式の装置を用いることができる。ラミネートの厚さには特に制限はなく、目的に応じた厚さを適宜選択すれば良い。
前記蓄熱層(1)を有する成形体と、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体の中間層(2)とを加熱接着する工程としては、前記蓄熱層(1)を有する成形体と、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体を中間層(2)の面で重ね合わせ、前記基材層(3)の面からアイロン等の加熱された治具にて加熱接着する工程が挙げられる。
成形体がシート状である場合、前記蓄熱層(1)を有するシートと、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有するシートの中間層(2)とを加熱接着する工程としては、前記蓄熱層(1)を有するシートと、前記中間層(2)および前記基材層(3)を有するシートを中間層(2)の面で重ね合わせ、前記基材層(3)の面からアイロン等の加熱された治具にて加熱接着する工程が挙げられる。
本発明の積層体の使用形態の一つの態様としては、一般的な壁材中の石膏ボードと壁紙との間への使用が挙げられる。また、本発明の積層体の使用形態としては天井材または床材としての使用も挙げられる。
本発明の積層体が、蓄熱層(1)の片面のみに、前記蓄熱層(1)に隣接しており、前記重合体(2)からなる中間層(2)と、前記中間層(2)に隣接しており、紙からなる基材層(3)とを有する場合、前記壁材中の石膏ボードと壁紙との間への使用のための使用形態における積層体の施工方法としては、石膏ボードと前記積層体とを当該積層体の蓄熱層(1)の面で重ね合わせ、タッカーまたはビスなどで石膏ボードへ蓄熱層(1)を固定し、続いて、基材層(3)へ一般的な建材用接着剤を塗布し、さらに壁紙を積層させる方法が挙げられる。
また、本発明の積層体が、蓄熱層(1)の両面に、前記蓄熱層(1)に隣接しており、前記重合体(2)からなる中間層(2)と、前記中間層(2)に隣接しており、紙からなる基材層(3)とを有する場合、前記壁材中の石膏ボードと壁紙との間への使用のための使用形態における積層体の施工方法としては、石膏ボードへ一般的な建材用接着剤を塗布し、前記積層体の基材層(3)を面で重ね合わせ、基材層(3)を固定し、続いて、もう一方の基材層(3)へ一般的な建材用接着剤を塗布し、さらに壁紙を積層させる方法が挙げられる。
また、本発明の積層体は、例えば壁の最表層へ適用した場合、顔料を配合して着色でき、壁紙直下へ積層体を適用した場合、壁紙へ画鋲、釘またはタッカー等を使用した際に、従来のパラフィン系蓄熱材のようにパラフィンが漏洩する懸念もない。このように本発明の積層体は、壁紙との接着性に優れ、建築材料として好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明する。
[I]重合体に含まれるエチレンに由来する構成単位(A)、上記式(1)で示される構成単位(B)、上記式(2)で示される構成単位(C)の数(単位:%)
核磁気共鳴分光器(NMR)を用い、以下に示す測定条件にて核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRスペクトル)を測定した。
<炭素核磁気共鳴(13C−NMR)測定条件>
装置:ブルカー・バイオスピン(株)製 AVANCEIII 600HD
測定プローブ:10mmクライオプローブ
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d=85/15(容積比)の混合液
試料濃度:100mg/mL
測定温度:135℃
測定方法:プロトンデカップリング法
積算回数:256回
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:テトラメチルシラン
<エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、およびメチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数>(単位:%)
上記の13C−NMR測定条件に従って得られたエチレン−メチルアクリレート共重合体の13C−NMRスペクトルについて、以下のa、b、c、dおよびeの範囲の積分値を求め、以下の式から求められる3種のダイアッド(EE、EA、AA)の含有量(数)から、エチレンに由来する構成単位(A)、およびメチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数を算出した。なお、EEは、エチレン−エチレンダイアッド、EAは、エチレン−メチルアクリレートダイアッド、AAは、メチルアクリレート−メチルアクリレートダイアッドである。
:28.1−30.5ppm
:31.9−32.6ppm
:41.7ppm
:43.1−44.2ppm
:45.0−46.5ppm
EE=a/4+b/2
EA=e
AA=c+d
構成単位(A)の数=100−構成単位(C)の数
構成単位(C)の数=100×(EA/2+AA)/(EE+EA+AA)
<メチルアクリレートに由来する構成単位(C)の式(1)で示される構成単位(B)への転化率(X)>(単位:%)
エチレン−メチルアクリレート共重合体と長鎖アルキルアルコールとを反応させて、エチレンに由来する構成単位(A)と式(1)で示される構成単位(B)とメチルアクリレートに由来する構成単位(C)とからなる重合体(1)を得た実施例において、上記の13C NMR測定条件に従って得られた該重合体の13C−NMRスペクトルについて、以下のfおよびgの範囲の積分値を求めた。次に、以下の式から、エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれるメチルアクリレートに由来する構成単位(C)が、重合体(1)の式(1)で示される構成単位(B)に転化した転化率(X)を算出した。
:50.6−51.1ppm
:63.9−64.8ppm
転化率(X)=100×g/(f+g
<重合体(1)に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、式(1)で示される構成単位(B)、メチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数>(単位:%) 重合体(1)に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、式(1)で示される構成単位(B)、メチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数は、それぞれ以下の式より算出した。
重合体(1)に含まれる構成単位(A)の数=エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる構成単位(A)の数
重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数=(エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる構成単位(C)の数)×転化率(X)/100
重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数=(エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる構成単位(C)の数)−(重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数)
<エチレン−α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、およびα−オレフィンに由来する構成単位(B)の数>(単位:%)
上記の13C−NMR測定条件に従って得られたエチレン−α−オレフィン共重合体の13C−NMRスペクトルについて、以下のa、b、c、d、d‘、e、f、g、h、iおよびjの範囲の積分値を求め、以下の式から求められる8種のトライアッド(EEE、EEL、LEE、LEL、ELE、ELL、LLE、LLL)の含有量(数)から、エチレンに由来する構成単位(A)、およびα−オレフィンに由来する構成単位(B)の数を算出した。なお、各トライアッドにおけるEはエチレン、Lはα−オレフィンを示している。
:40.6−40.1 ppm
:38.5−38.0 ppm
:36.3−35.8 ppm
:35.8−34.3 ppm
d‘:34.0−33.7 ppm
:32.4−31.8 ppm
:31.4−29.1 ppm
:27.8−26.5 ppm
:24.8−24.2 ppm
:23.0−22.5 ppm
:14.4−13.6 ppm
EEE=f/2−g/4−(n−7)×(b+c+d‘)/4
EEL+LEE=g−e
LEL=h
ELE=b
ELL+LLE=c
LLL=a−c/2(a−c/2<0のとき、LLL=d‘
なお上記nはα−オレフィンの平均炭素原子数を示す。
構成単位(A)の数=100×(EEE+EEL+LEE+LEL)/(EEE+EEL+LEE+LEL+ELE+ELL+LLE+LLL)
構成単位(B)の数=100−構成単位(A)の数
[II]未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物の含有量(単位:重量%)
各実施例の「重合体(1)の製造」において、得られる生成物は、該重合体(1)と未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物との混合物である。生成物中に含まれる未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物の含有量はガスクロマトグラフ(GC)を用いて以下の方法により測定した。該未反応の化合物の含有量は、得られた重合体(1)と未反応の化合物の合計の重量を100重量%としたときの値である。
[GC測定条件]
GC装置: 島津 GC2014
カラム : DB−5MS(60m、0.25mmφ、1.0μm)
カラム温度: 40℃に保持されたカラムを、10℃/分の速度で300℃まで昇温し、次に300℃で40分間保持する
気化室/検出器温度: 300℃/300℃(FID)
キャリアガス: ヘリウム
圧力: 220kPa
全流量 : 17.0mL/分
カラム流量: 1.99mL/分
パージ流量: 3.0mL/分
線速度 : 31.8cm/秒
注入方式/スプリット比: スプリット注入/6:1
注入量 : 1μL
試料調製方法: 8mg/mL(o−ジクロロベンゼン溶液)
(1) 検量線作成
[溶液調製]
9mLバイアル管に標品を5mg秤量し、そこに内部標準物質としてn−トリデカン100mgを秤量し、更に溶媒としてo−ジクロロベンゼン6mLを加え試料を完全に溶解させ、検量線作成用の標準溶液を得た。標品の量を25mg及び50mgに変更した以外は上記と同様にして、更に2つの標準溶液を調製した。
[GC測定]
検量線作成用の標準溶液を前項のGC測定条件で測定し、縦軸を標品と内部標準物質のGC面積比、横軸を標品重量と内部標準物質の重量比とした検量線を作成し、該検量線の傾きaを求めた。
(2) 試料(生成物)中の測定対象物(未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物)の含有量測定
[溶液調製]
9mLバイアル管に試料50mg、n−トリデカン100mgを秤量し、o−ジクロロベンゼン6mLを加え80℃にて試料を完全に溶解させ、試料溶液を得た。
[GC測定]
試料溶液を前項のGC測定条件で測定し、試料中の測定対象物の含量Pを下式に従って求めた。
:試料中の測定対象物の含量 (重量%)
:試料の重量 (mg)
IS:内部標準物質(IS)の重量 (mg)
:測定対象物のピーク面積カウント数
IS:内部標準物質(IS)のピーク面積カウント数
a:測定対象物の検量線の傾き
Figure 0006941979
[III]重合体(1)の物性評価方法
(1)融解ピーク温度(T、単位:℃)、10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH、単位:J/g)
示差走査熱量計(TAインスツルメンツ社製、DSCQ100)により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)150℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で150℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から150℃程度まで昇温した。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とした。前記融解曲線をJIS K7121−1987に準拠した方法により解析して融解ピーク温度を求めた。
融解エンタルピーΔH(J/g)は、前記融解曲線の10℃以上60℃未満の温度範囲内の部分をJIS K7122−1987に準拠した方法により解析して求めた。
(2)式(I)で定義される比A(単位:なし)
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC法)により、重合体(1)とポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)それぞれの絶対分子量と固有粘度を測定した。
GPC装置: 東ソー HLC−8121GPC/HT
光散乱検出器: Precision Detectors PD2040
差圧粘度計: Viscotek H502
GPCカラム: 東ソー GMHHR−H(S)HT×3本
試料溶液濃度: 2mg/mL
注入量 : 0.3mL
測定温度: 155℃
溶解条件: 145℃ 2hr
移動相 : オルトジクロロベンゼン(BHT0.5mg/mL添加)
溶出時流速: 1mL/分
測定時間: 約1時間
[GPC装置]
示差屈折計(RI)を装備したGPC装置として、東ソー社のHLC−8121GPC/HTを用いた。また、前記GPC装置に光散乱検出器(LS)として、Precision Detectors社のPD2040を接続した。光散乱検出に用いた散乱角度は90°であった。また、前記GPC装置に粘度検出器(VISC)として、Viscotek社のH502を接続した。LSおよびVISCはGPC装置のカラムオーブン内に設置し、LS、RI、VISCの順で接続した。LS、VISCの較正および検出器間の遅れ容量の補正には、Malvern社のポリスチレン標準物質であるPolycal TDS−PS−N(重量平均分子量Mw104,349、多分散度1.04)を1mg/mLの溶液濃度で用いた。移動相および溶媒には、安定剤としてジブチルヒドロキシトルエンを0.5mg/mLの濃度で添加したオルトジクロロベンゼンを用いた。試料の溶解条件は、145℃、2時間とした。流量は1mL/分とした。カラムは、東ソー社GMHHR−H(S) HTを3本連結して用いた。カラム、試料注入部および各検出器の温度は、155℃とした。試料溶液濃度は2mg/mLとした。試料溶液の注入量(サンプルループ容量)は0.3mLとした。NIST1475aおよびサンプルのオルトジクロロベンゼン中での屈折率増分(dn/dc)は、−0.078mL/gとした。ポリスチレン標準物質のdn/dcは0.079mL/gとした。各検出器のデータから絶対分子量および固有粘度([η])を求めるにあたっては、Malvern社のデータ処理ソフトOmniSEC(version4.7)を利用し、文献
「Size Exclusion Chromatography,Springer(1999)」を参考にして計算を行った。なお、屈折率増分とは、濃度変化に対する屈折率の変化率である。
以下の方法により、式(I)のαとαを求め、両者を式(I)に代入してAを求めた。
A=α/α (I)
αは、重合体(1)の絶対分子量の対数を横軸、重合体(1)の固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−I)
(式(I−I)中、[η]は重合体(1)の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
ポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量の対数を横軸、ポリエチレン標準物質1475aの固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−II)
(式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。)
[IV]原料
<構成単位(A)と構成単位(C)とを有する前駆重合体>
A−1:エチレン−メチルアクリレート共重合体
エチレン−メチルアクリレート共重合体A−1を以下のとおり製造した。
オートクレーブ式反応器にて、反応温度195℃、反応圧力160MPaで、ラジカル重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを用いて、エチレンとメチルアクリレートを共重合して、エチレン−メチルアクリレート共重合体A−1を得た。得られた共重合体A−1の組成およびMFRは以下のとおりであった。エチレンに由来する構成単位の数:87.1%(68.8重量%)、メチルアクリレートに由来する構成単位の数:12.9%(31.2重量%)、MFR(190℃、21Nで測定):40.5g/10分
<炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物>
B−1:カルコール6098(n−ヘキサデシルアルコール) [花王株式会社製]
B−2:カルコール8098(n−オクタデシルアルコール) [花王株式会社製]
B−3:n−オクタデシルメタクリレート [東京化成株式会社製]
<触媒>
C−1:オルトチタン酸テトラ(n−オクタデシル) [マツモトファインケミカル株式会社製]
<オレフィン重合体>
D−1:住友ノーブレンD101(プロピレン単独重合体、融点163℃)[住友化学株式会社製]
D−2:スミカセンL705(高圧法低密度ポリエチレン、融点106℃)[住友化学株式会社製]
<有機過酸化物及びアゾ化合物>
E−1:カヤヘキサAD−40C(2、5−ジメチル−2、5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、炭酸カルシウムおよび非晶質二酸化ケイ素を含む混合物)(1分間半減期温度:180℃) [化薬アクゾ株式会社製]
E−2:YP−50S(2、5−ジメチル−2、5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、非晶質二酸化ケイ素、無晶シリカ、および流動パラフィンを含む混合物)(1分間半減期温度:180℃) [化薬アクゾ株式会社製]
E−3:アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減期温度:65℃) [東京化成株式会社製]
<架橋助剤>
F−1:ハイクロスMS50(トリメチロールプロパントリメタクリレートおよび非晶質二酸化ケイ素の混合物) [精工化学株式会社製]
<酸化防止剤>
G−1:IRGANOX1010(ペンタエリトリトール=テトラキス[3−(3’、5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]) [BASF社製]
<加工熱安定剤>
H−1:IRGAFOS168(トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト) [BASF社製]
<加工機>
二軸押出機(1)
・バレル径D=75mm
・スクリュー有効長L/バレル径D=40
二軸押出機(2)
・バレル径D=15mm
・スクリュー有効長L/バレル径D=45
共押出ラミネータ(1)
・バレル径D=65mm
・スクリュー有効長L/バレル径D=32
〔参考例1〕
(1)構成単位(A)と構成単位(B)と構成単位(C)とからなる重合体(エチレン−n−ヘキサデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体)の製造
攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、A−1:100重量部、B−1:73.6重量部、C−1:0.8重量部加え、ジャケット温度を140℃に設定し12時間1kPa減圧下にて加熱攪拌を行い、重合体(cf1)(エチレン−n−ヘキサデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体)を得た。重合体(cf1)の物性値と評価結果を表1に示す。
〔参考例2〕
(1)架橋されている樹脂組成物(架橋されているエチレン−n−ヘキサデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体とポリプロピレン単独重合体を含む樹脂組成物)の作製
参考例1(1)で得られた重合体(cf1):80重量部と、D−1:20重量部と、E−1:1.0重量部と、F−1:1.0重量部と、G−1:0.1重量部と、H−1:0.1重量部とを二軸押出機(1)を用いて、スクリュー回転数350rpm、吐出量200kg/hr、バレル前半部温度200℃、バレル後半部温度220℃、ダイス温度200℃で押出し、架橋されている樹脂組成物(cf2)を作製した。
(2)蓄熱層の作製
参考例2(1)で得られた架橋されている樹脂組成物(cf2)をキャビティサイズ50mm×50mm×3mmの金型を用いて、200℃で10分間、圧縮成形し、必要に応じて裁断することで架橋されている樹脂組成物(cf2)のシートからなる蓄熱層(cf2)を得た。
蓄熱層:50mm×50mm×3mm
〔参考例3〕
(1)構成単位(A)と構成単位(B)とからなる重合体(エチレン−α−オレフィン共重合体)の製造
減圧乾燥後、内部を窒素で置換した内容積5リットルの撹拌機付きオートクレーブに、α−オレフィンC2024(炭素原子数18、20,22,24、26のオレフィン混合物、イネオス社製)を706g含有するトルエン溶液1.4Lを加え、次いで、液量が3Lとなるようにトルエンを加えた。オートクレーブを60℃まで昇温した後、エチレンをその分圧が0.1MPaとなるように加え系内を安定させた。これに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.34mol/L,14.7ml)を投入した。次に、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(1.0mmol/13.4mL)、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(0.2mmol/L,7.5mL)を投入することにより重合を開始し、全圧を一定に保つようにエチレンガスをフィードした。
3時間経過後2mlのエタノールを添加し、重合を停止した。重合停止後、重合体を含有するトルエン溶液をアセトン中に添加することにより、エチレン−α−オレフィン共重合体(cf3)を析出させ、濾別した重合体(cf3)をさらにアセトンで2回洗浄した。
得られた重合体(cf3)を80℃で真空乾燥することにより、369gの重合体(cf3)が得られた。重合体(cf3)の物性値と評価結果を表1に示す。
〔参考例4〕
(1)架橋されている樹脂組成物(架橋されているエチレン−α−オレフィン共重合体とポリプロピレン単独重合体を含む樹脂組成物)の作製
参考例3(1)で得られた重合体(cf3):80重量部と、D−1:20重量部と、E−2:0.5重量部と、F−1:0.75重量部と、G−1:0.1重量部とを二軸押出機(2)を用いて、スクリュー回転数150rpm、吐出量1.8kg/hr、バレル前半部温度180℃、バレル後半部温度220℃、ダイス温度200℃で押出し、架橋されている樹脂組成物(cf4)を作製した。
(2)蓄熱層の作製
参考例4(1)で得られた架橋されている樹脂組成物(cf4)をキャビティサイズ50mm×50mm×3mmの金型を用いて、200℃で10分間、圧縮成形し、必要に応じて裁断することで架橋されている樹脂組成物(cf4)のシートからなる蓄熱層(cf4)を得た。
蓄熱層:50mm×50mm×3mm
〔参考例5〕
(1)構成単位(B)からなる重合体(n−オクタデシルメタクリレート単独重合体)の製造
減圧乾燥後、内部を窒素で置換した内容積300mLのフラスコに、B−3:126.7gを加え、内温を50℃に設定し加熱攪拌を行いB−3を完全に溶解させた。次いで、E−3:307.3mgを加え、内温を80℃に設定し80分加熱攪拌し、生成物を1000mLのエタノールで洗浄し、120℃で真空乾燥することにより、重合体(cf5)(n−オクタデシルメタクリレート単独重合体)を得た。重合体(cf5)の物性値と評価結果を表1に示す。
〔参考例6〕
(1)樹脂組成物(n−オクタデシルメタクリレート単独重合体とポリプロピレン単独重合体を含む樹脂組成物)の作製
参考例5(1)で得られた樹脂組成物(cf5):80重量部とD−2:20重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機製作所製 形式65C150)にて窒素雰囲気下、回転数80rpm、チャンバー温度200℃で5分間混練し、樹脂組成物(cf6)を作製した。
(2)蓄熱層の作製
参考例6(1)で得られた架橋されている樹脂組成物(cf6)をキャビティサイズ50mm×50mm×3mmの金型を用いて、200℃で10分間、圧縮成形し、必要に応じて裁断することで架橋されている樹脂組成物(cf6)のシートからなる蓄熱層(cf6)を得た。
蓄熱層:50mm×50mm×3mm
〔参考例7〕
(1)高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体の作製
共押出ラミネータ(1)を用いて、吐出量70〜80kg/hr、ライン速度:200〜300m/min、冷却ロール温度:20℃、バレル前半部温度220℃、バレル後半部温度330℃、ダイス温度330℃の条件で、溶融されたD−2をクラフト紙(50g/m)上に押出し、得られた高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体を以下のサイズに裁断し積層体(cf7)を作製した。
高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体:50mm×50mm
〔参考例8〕
(1)ポリプロピレン単独重合体からなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体の作製
ポリプロピレン単独重合体からなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(日本マタイ株式会社製)を以下のサイズに裁断し積層体(cf8)を作製した。
ポリプロピレン単独重合体からなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体:50mm×50mm
〔参考例9〕
(1)クラフト紙からなる基材層の作製
クラフト紙(50g/m)を以下のサイズに裁断しクラフト紙からなる基材層(cf9)を作製した。
クラフト紙からなる基材層:50mm×50mm
〔実施例1〕
(1)積層体の作製
参考例2の(2)で得られた蓄熱層(cf2)と、参考例7の(1)で得られた高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf7)を、中間層が蓄熱層に面し4角が合うように重ね合わせ、180℃に加熱されたアイロンにて加熱接着することで、積層体(ex1)を得た。
(2)積層体の接着性評価
実施例1の(1)で得られた積層体(ex1)を構成する積層体(cf7)の角の部分を掴み、180°の向きで蓄熱層(cf2)から引き剥がした。積層体(ex1)は強固に融着しておりクラフト紙からなる基材層が破断した。
〔実施例2〕
(1)積層体の作製
参考例7の(1)で得られた高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf7)を、参考例8の(1)で得られたポリプロピレン単独重合体からなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf8)へ変更すること以外は、実施例1(1)と同様にして行い、積層体(ex2)を得た。
(2)積層体の接着性評価
実施例1の(1)で得られた積層体(ex1)を、実施例2の(1)で得られた積層体(ex2)へ変更すること以外は、実施例1(2)と同様にして引き剥がした。積層体(ex2)は強固に融着しておりクラフト紙からなる基材層が破断した。
〔実施例3〕
(1)積層体の作製
参考例2の(2)で得られた蓄熱層(cf2)を、参考例4の(2)で得られた蓄熱層(cf4)へ変更すること以外は、実施例1(1)と同様にして行い、積層体(ex3)を得た。
(2)積層体の接着性評価
実施例1の(1)で得られた積層体(ex1)を、実施例3の(1)で得られた積層体(ex3)へ変更すること以外は、実施例1(2)と同様にして引き剥がした。積層体(ex3)は強固に融着しておりクラフト紙からなる基材層が破断した。
〔実施例4〕
(1)積層体の作製
参考例7の(1)で得られた高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf7)を、参考例8の(1)で得られたポリプロピレン単独重合体からなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf8)へ変更すること以外は、実施例3(1)と同様にして行い、積層体(ex4)を得た。
(2)積層体の接着性評価
実施例1の(1)で得られた積層体(ex1)を、実施例4の(1)で得られた積層体(ex4)へ変更すること以外は、実施例1(2)と同様にして引き剥がした。積層体(ex4)は強固に融着しておりクラフト紙からなる基材層が破断した。
〔実施例5〕
(1)積層体の作製
参考例2の(2)で得られた蓄熱層(cf2)を、参考例6の(2)で得られた蓄熱層(cf6)へ変更すること以外は、実施例2(1)と同様にして行い、積層体(ex5)を得た。
(2)積層体の接着性評価
実施例1の(1)で得られた積層体(ex1)を、実施例5の(1)で得られた積層体(ex5)へ変更すること以外は、実施例1(2)と同様にして引き剥がした。積層体(ex5)は強固に融着しておりクラフト紙からなる基材層が破断した。
〔比較例1〕
(1)積層体の作製
参考例7の(1)で得られた高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf7)を、参考例9の(1)で得られたクラフト紙からなる基材層(cf9)へ変更すること以外は、実施例1(1)と同様にして行い、積層体(ref1)を得た。
(2)積層体の接着性評価
比較例1の(1)で得られた積層体(ref1)の基材層の角の部分を掴み、180°の向きで蓄熱層から引き剥がした。基材層は破断することなく蓄熱層から剥離した。
〔比較例2〕
(1)積層体の作製
参考例7の(1)で得られた高圧法低密度ポリエチレンからなる中間層およびクラフト紙からなる基材層を有する積層体(cf7)を、参考例9の(1)で得られたクラフト紙からなる基材層(cf9)へ変更すること以外は、実施例3(1)と同様にして行い、積層体(ref2)を得た。
(2)積層体の接着性評価
比較例2の(1)で得られた積層体(ref2)の基材層の角の部分を掴み、180°の向きで蓄熱層から引き剥がした。基材層は破断することなく蓄熱層から剥離した。
Figure 0006941979
本発明は、壁材等の建築材料として利用することができる。

Claims (9)

  1. 示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピーが30J/g以上である重合体(1)を含む蓄熱層(1)、
    前記蓄熱層(1)に隣接し、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)からなる中間層(2)、および、
    前記中間層(2)に隣接し、紙からなる基材層(3)
    を有し、
    前記蓄熱層(1)の厚みが1mm以上であり、
    前記中間層(2)の厚みが10μm以上100μm以下である、積層体。
  2. 前記蓄熱層(1)が、前記重合体(1)と、前記重合体(2)とを含有し、
    前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%とするときに、前記重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、前記重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記重合体(1)が、エチレンに由来する構成単位(A)と、下記式(1)で示される構成単位(B)とを有し、下記式(2)で示される構成単位及び下記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)とを有してもよく、
    前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)の数が70%以上99%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が1%以上30%以下であり、
    前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%とするときに、前記構成単位(B)の数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(C)の数が0%以上99%以下である重合体である請求項1または2に記載の積層体。
    Figure 0006941979
    (式(1)中、
    Rは、水素原子またはメチル基を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
    は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
    は炭素原子数14以上30以下のアルキル基を表し、
    、L、及びLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
    Figure 0006941979
    (式(2)中、
    Rは、水素原子またはメチル基を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
    は、炭素原子数1以上8以下のアルキレン基を表し、
    は、水素原子、エポキシ基、―CH(OH)―CHOH、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または炭素原子数1以上4以下のアルキルアミノ基を表し、
    の化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(2)の上側、その右側が式(2)の下側に対応する。)
    Figure 0006941979
  4. 前記重合体(1)が、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)とを有し、さらに前記構成単位(C)を有してもよい重合体であって、該重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%とするときに、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が90%以上である重合体である請求項3に記載の積層体。
  5. 前記重合体(1)の下記式(I)で定義される比Aが0.95以下である請求項3または4に記載の積層体。
    A=α/α (I)
    [式(I)中、αは、
    光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより重合体の絶対分子量と固有粘度を測定し、
    絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
    log[η]=αlogM+logK (I−I)
    (式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
    式(I)中、αは、
    光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)の絶対分子量と固有粘度を測定し、
    絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
    log[η]=αlogM+logK (I−II)
    (式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。
    なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体およびポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量と固有粘度の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。)]
  6. 前記重合体(1)が、架橋されている重合体である請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記重合体(1)のゲル分率が20重量%以上である(ただし、重合体(1)の重量を100重量%とする)請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記重合体(2)が、エチレンに由来する構成単位を含む重合体である請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 前記蓄熱層(1)を有する成形体と、
    前記中間層(2)および前記基材層(3)を有する成形体の中間層(2)と
    を加熱接着する工程
    を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
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