JP6941579B2 - 車体部品 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の車体部品に関するものである。
自動車等の車両において、その車体に用いられる車体部品として、例えば骨格部品や補強部品が使用されている。骨格部品は車体の骨格となるものであり、補強部品は、車両の操縦安定性、振動抑制、騒音抑制、衝突時の変形抑制等のため、骨格の強度を補強するものである。
車体部品を製造する場合、金属製板材に対する切断加工によってブランク材を得る工程と、当該ブランク材を所定の形状に成形する工程とを経る。また、成形後に、トリミングを行う工程を経ることもある。ブランク材を得る工程やトリミングを行う工程では、複数段階のプレス切断加工がされたり、プレス切断加工とレーザ切断加工とが組み合わされたりすることが一般的である。その場合、前段加工における切断ラインと後段加工における切断ラインとが交わるつなぎ部には、凹状をなす加工痕が形成される。複数段階のプレス切断加工が行われる場合、この加工痕は一般にマッチングと呼ばれる。このような加工痕は、前段加工と後段加工との加工誤差によって部品の外縁部に段差が生じることを防ぐために形成される。従前、長尺状をなす車体部品では、加工痕は外縁部のうちの長辺部分に形成されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−101604号公報
このように凹状をなす加工痕が長辺部に形成されている構成において、その車体部品に衝突等によって外力が作用すると、加工痕に応力が集中することとなる。そのため、部品材料として引張り強度が比較的高い高張力鋼板を使用したり、熱間プレス加工による成形方法を採用したりして車体部品の強度を向上させても、加工痕が設けられているために、十分な衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができない。
そこで、本発明は、複数段階の切断加工によって形成される加工痕が外縁部に形成されていても、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる車体部品を得ることを主たる目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明では、長尺状に形成された車体部品であって、長手方向に延びるハット部と、複数段階の打ち抜き加工による製造時において外縁部のうち短辺部に形成されたマッチングと、を有することを特徴とする。
第2の発明では、長尺状に形成された車体部品であって、長手方向に延びるハット部と、レーザ切断加工を含む複数段階の切断加工による製造時において外縁部のうち短辺部に形成されたレーザ加工痕と、を有することを特徴とする。
第3の発明では、引張強度が1600MPa〜2100MPaの高張力鋼板により形成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、車体部品の長辺部ではなく短辺部にマッチングが設けられているため、衝突等による外力が作用しても、マッチングに応力が集中することが回避される。これにより、衝突等の外力が作用しても、衝突エネルギー吸収性能が急激に低下することなく安定的に維持することができる。
第2の発明によれば、車体部品の長辺部ではなく短辺部にレーザ加工痕が設けられている。レーザ加工痕とは、例えば、レーザ照射によるピアス痕、レーザ切断開始痕、レーザ切断終了痕等のレーザ切断加工に伴う痕跡であり、車体部品の外縁部において凹状をなすように形成されている。凹状をなすレーザ加工痕が短辺部に設けられているため、衝突等による外力が作用しても、この凹状部分に応力が集中することが回避される。これにより、衝突等の外力が作用しても、衝突エネルギー吸収性能が急激に低下することなく安定的に維持することができる。
マッチングやレーザ加工による痕跡が車体部品の長辺部に設けられた場合に、当該マッチングに対して応力が集中することによって生じる衝突エネルギー吸収性能の急激な低下は、引張強度が1600MPa〜2100MPaの高張力鋼板を用いた場合に生じる。そのため、第3の発明では、この範囲の引張強度を有する高張力鋼板が用いられているため、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持できるという効果は顕著となる。
ドアインパクトビームを示す平面図。 図1におけるA−A断面図。 ドアインパクトビームの製造方法の概略を説明する説明図。 性能評価試験装置の概要を示す図。 比較例3及び比較例4の性能特性を示すグラフ。 実施例1及び比較例1の性能特性を対比して示すグラフ。 実施例2及び比較例2の性能特性を対比して示すグラフ。 ドアインパクトビームを製造する別形態の製造方法の概略を説明する説明図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の車体部品は、自動車等の車両における骨格部品であるドアインパクトビームとして具体化されている。なお、これ以外の骨格部品や補強部品等の車体部品であってもよく、他の適用例としては、バンパーリンフォース、アンダーランプロテクタ、クロスメンバ、フロアーリンフォース、ベルトラインリンフォース、ルーフリンフォース、サイドシル等がある。
(ドアインパクトビームの構成)
はじめに、ドアインパクトビームの構成について説明する。図1は、ドアインパクトビーム10を示している。ドアインパクトビーム10は、引張強度TSが1600MPa以上、好ましくは1800MPaとなる高張力鋼板が用いられ、プレス加工によって成形されている。図1に示すように、ドアインパクトビーム10は、全体として左右方向に延びる長尺状をなし、その長手方向に延びる本体部11を備えている。なお、上下左右は図1に示す平面図を基準とし、これ以降の説明でも同様とする。
本体部11は、図2に示すように、長手方向に延びるハット形状を有しており、一対の膨出部22を有している。本体部11はハット部に相当する。膨出部22が設けられた部分では、波形の断面形状を有している。膨出部22の上下両側には、それぞれフランジ部21が設けられている。膨出部22及びフランジ部21が設けられた形状によって、本体部11の強度が高められている。
図1に戻り、本体部11の左右両端部には、ブラケット部12が設けられている。ブラケット部12には、ドアインパクトビーム10を車体に組み付けるための取付け部(図示略)が設けられている。ブラケット部12の右端縁部23及び左端縁部24には、それぞれに一対のマッチング25が設けられている。
なお、ドアインパクトビーム10の外縁部は、本体部11の上縁部11a及び下縁部11bと、ブラケット部12の上縁部12a及び下縁部12bと、ブラケット部12の右端縁部23及び左端縁部24とよりなる。そのうち、ブラケット部12の右端縁部23及び左端縁部24がそれぞれ短辺部に相当する。
マッチング25は、複数段階のプレス切断加工される工程を経てドアインパクトビーム10が製造されることから、前段加工と後段加工との加工誤差によって右端縁部23及び左端縁部24に段差が生じることを防ぐために形成される。マッチング25は、図1に拡大して示すように、四角形状をなす凹状に形成されている。
(ドアインパクトビームの製造方法)
次に、本実施形態のドアインパクトビーム10の製造方法について、図3を参照しながら説明する。
なお、ドアインパクトビーム10のような車体部品を製造する製造方法としては、背景技術において説明したように、金属製板材に対する切断加工によってブランク材を得る工程と、当該ブランク材を所定の形状に成形する工程とを有する。本実施形態のドアインパクトビーム10は、この2つの工程の他に、成形後のトリミングを行う工程を有している。そして、このトリミング工程において複数段階のプレス切断加工がされ、その際に、マッチング25が形成される。以下では、マッチング25が形成されるトリミング工程について説明する。
トリミング工程に至る前の製造工程において、図3(a)に示す、トリミングよってドアインパクトビーム10を得る前の被トリム部品30が形成されている。被トリム部品30は、ブランク材が熱間プレス加工されることにより、ドアインパクトビーム10となる製品部分31と切除部分32とを有している。なお、本実施形態の製造方法における熱間プレス加工には、ダイクエンチ工法が採用されている。ダイクエンチ工法とは、プレス成形を受ける鋼板を例えば800℃〜1100℃まで加熱し、その高温状態でプレス成形することにより、相対的に低温の金型によって成形と同時に急冷による焼入れが行われる工法である。この工法により、素材となる鋼板の引張強度を向上させることができる。この工法が採用されていることにより、ドアインパクトビーム10は、引張強度が1600MPa、好ましくは1800MPa以上となる高張力鋼板によって形成される。
被トリム部品30の切除部分32を切除するトリミング工程では、プレス切断加工によって製品部分31から切除部分32を切断する。プレス切断加工を行う装置は、せん断加工を行う一般的なプレス加工装置(図示略)が用いられる。概要を説明すると、当該プレス加工装置は、被トリム部品30を支持する下側支持具と、切断刃を有する上側加工具とを有している。上側加工具が下側支持具から離間した状態で被トリム部品30を下側支持具にセットし、その後、上側加工具を下側支持具に向けて接近させて切除部分32を製品部分31から切断する。
トリミング工程は、前段階のプレス切断加工工程(前段加工)と、後段階のプレス切断加工工程(後段加工)との2段階の工程を有している。この2段階の工程により、切除部分32を2段階に分けて切除する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、前段加工による切除では、切除部分32のうち、製品部分31の短手方向の両側で長手方向に延びる第1切除部分33を切除する。この第1切除部分33の切除を行う切断ラインを、図3(a)に示すように第1切断ラインL1とする。この切除により、ドアインパクトビーム10の上側では、本体部11の上縁部11aからブラケット部12の上縁部12aを経て左右の端縁部23,24の上側端部23a,24aに至るまでが切除される。同様に、下側では、本体部11の下縁部11bからブラケット部12の下縁部12bを経て左右の端縁部23,24の下側端部23b,24bに至るまでが切除される。前段加工を終えた段階では、左右の端縁部23,24には、第2切除部分34が残されている。
次いで、後工程による切除では、切除部分32のうち第2切除部分34を切除する。この第2切除部分34の切除を行う切断ラインを、図3(a)に示すように第2切断ラインL2とする。この切除により、ドアインパクトビーム10の左右の端縁部23,24では、前段加工によって切断されずに残っていた部分が切除される。その結果、切除部分32がすべて切除されて製品部分31が残り、ドアインパクトビーム10が得られる。
ここで、前段加工と後段加工とで未切断の箇所が生じることを防ぐため、図3(a)に示すように、第1切断ラインL1と第2切断ラインL2とは互いに交わるように設定される。この両ラインL1,L2が交わった部分をつなぎ部26とすると、つなぎ部26には、前段加工と後段加工との加工誤差を防ぐため、マッチング25を形成する。図3(c)に一部のつなぎ部26aについて拡大して示すように、マッチング25は、第1切断ラインL1によって凹状をなすように形成される。第2切断ラインL2は、マッチング25の開口部分に至るまで延長されている。
このような前段加工及び後段加工を経て切除部分32が切除されるため、左右の端縁部23,24にそれぞれ一対のマッチング25が設けられたドアインパクトビーム10が得られる。そして、このようなドアインパクトビーム10は、上記の製造方法によって好適に製造される。
次に、本実施形態のドアインパクトビーム10の実施例について、性能評価を行った。なお、本発明はこの実施例に限定されない。実施例との比較のため、比較例についても同様に性能評価を行った。性能評価は、三点曲げ試験装置40を用いて、垂直荷重に対するドアインパクトビームの反力の大きさを評価する方法によって行った。
図4に示すように、三点曲げ試験装置40は、800mmの間隔を隔てた一対の支柱41と、両支柱41の中央上方に設けられた押圧具42とを有している。支柱41及び押圧具42のそれぞれの先端部は弧状をなすように形成されており、支柱41の先端部の半径R1は25mm、押圧具42の先端部の半径R2は150mmとなっている。試験時には、両支柱41の間に、評価対象Tとなるドアインパクトビームを、両支柱41の中央部に本体部11の中心部が配置されるように架け渡す。その上で、押圧具42を用いて測定対象の中心部(押圧点)に上から下へ垂直荷重をかける。
実施例1として、引張強度TSが1800MPaの高張力鋼板によって形成されるとともに、左右の端縁部23,24(短辺部)にマッチング25が設けられたドアインパクトビーム10を用いた。
実施例2として、引張強度TSが2000MPaの高張力鋼板によって形成されるとともに、左右の端縁部23,24(短辺部)にマッチング25が設けられたドアインパクトビーム10を用いた。
比較例1として、実施例1と同じく引張強度TSが1800MPaの高張力鋼板によって形成されている一方で、マッチング25については、従来技術と同じく本体部11の上縁部11a及び下縁部11b(長辺部)に形成されたものを用いた。
比較例2として、実施例2と同じく引張強度TSが2000MPaの高張力鋼板によって形成されている一方で、マッチング25については、従来技術と同じく本体部11の上縁部11a及び下縁部11b(長辺部)に形成されたものを用いた。
比較例3及び比較例4は、引張強度TSが1500MPaの高張力鋼板によって形成されるとともに、長辺部及び短辺部にそれぞれマッチング25が設けられたものを用いた。このうち、マッチング25が長辺部に設けられたものを比較例3とし、短辺部に設けられたものを比較例4とした。
上記実施例1,2及び比較例1〜4のそれぞれについて行った性能評価の結果を示すグラフを図5〜図7に示す。これらの図は、垂直荷重に対するドアインパクトビームの反力の大きさ(荷重)と、押圧点におけるドアインパクトビームに対する押し込み量(ストローク)との関係を示している。図5に示すグラフは比較例3及び比較例4の性能特性を示しており、比較例3のグラフはC3で示し、比較例4のグラフについてはC4で示す。図6に示すグラフは実施例1及び比較例1の性能特性を示しており、図中、実施例1のグラフはE1で示し、比較例1のグラフについてはC1で示す。図7に示すグラフは実施例2及び比較例2の性能特性を示しており、図中、実施例2のグラフはE2で示し、比較例2のグラフについてはC2で示す。
図5のグラフに示されているように、引張強度TSが1500MPaの高張力鋼板が用いられた場合、マッチング25が長辺部及び短辺部のいずれに形成されていても、ほぼ同じ測定結果が得られた。すなわち、押し込み当初からストローク量の増大に伴って略直線的に荷重が増加し、その後、荷重増加の程度は緩やかとなって80mmのあたりのストローク量で荷重は最大値(15.3〜15.4KN程度)に達する。さらにストローク量が増大すると、荷重は緩やかに低下する。この関係から、引張強度TSが1500MPaの高張力鋼板を用いたドアインパクトビームでは、マッチング25が設けられる位置にかかわらず、衝突エネルギーの吸収性能が急激に低下する現象は見られない。
これに対し、図6のグラフに示されているように、引張強度TSが1800MPaの高張力鋼板が用いられた場合、マッチング25が短辺部に設けられた実施例1と長辺部に設けられた比較例1とでは大きく異なる結果が得られた。すなわち、比較例1の場合、当初はストローク量の増大に伴って荷重が増加するものの、ストローク量が60mmに達するとドアインパクトビームの破断によって荷重が急激に低下し、零となる。一方、実施例1では、比較例3及び4と比較して、引張強度が高まったことにより荷重の最大値が19.5KNまで高まり、荷重とストロークとの関係は同じ傾向を示した。このような相違は、長辺部にマッチング25が形成された比較例1では、マッチング25が設けられた部分に局所的に応力が集中する一方、実施例1ではそのような応力集中が生じていないことが原因となっている。このように、引張強度TSが1800MPaの高張力鋼板を用いた実施例1では、側面衝突時に本体部11の変形量が増大しても、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる。
このような傾向は、引張強度TSが2000MPaの高張力鋼板が用いられた場合でも、図7のグラフに示されているように、同様に得られた。すなわち、比較例2では、当初はストローク量の増大に伴って荷重が増加するものの、ストローク量が56mmに達するとドアインパクトビームの破断によって荷重が急激に低下して零となる。一方、実施例2では、実施例1と比較して、引張強度が高まったことにより荷重の最大値が21.7KNまで高まり、荷重とストロークとの関係は実施例1と同じ傾向を示した。したがって、引張強度TSが2000MPaの鋼板を用いた実施例2でも、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる。
以上より、本実施形態のドアインパクトビーム10によれば、本体部11の上下縁部11a,11bではなく左右端縁部23,24の短辺部にマッチング25が設けられている。そのため、側面衝突時に本体部11の変形量が増大しても、衝突エネルギーの吸収性能が急激に低下することなく安定的に維持することができる。この効果は、ドアインパクトビーム10を形成する素材として、引張強度が1800MPa〜2000MPaの範囲の高張力鋼板を用いることにより顕著となる。
次に、ドアインパクトビーム10及びその製造方法は、上記実施の形態で説明した構成に限定されるものではなく、例えば以下のように実施してもよい。
(a)ドアインパクトビーム10において、図1に示した形状は、あくまで一般的な形状を一例として示したものであり、膨出部22が一つのハット形状を有する形状、一対の膨出部22が短手方向に一部拡げられた形状など、他の形状であってもよい。
(b)ドアインパクトビーム10において、左右の端縁部23,24に設けられたマッチング25は、一つであっても、3つ以上の複数であってもよい。マッチング25は、複数段階の切断加工を行う際に、各段階での切断箇所をどう設定するかによって変更され得る。
(c)ドアインパクトビーム10において、マッチング25の形状は上記実施形態のように四角形状ではなく、三角形状その他の角形状であってもよいし、円弧状など角形状以外の形状であってもよい。
(d)ドアインパクトビーム10において、その外縁部全域において、複数段階の切断加工を経るために形成されるマッチング25等の凹部がそもそも設けられていないものを採用してもよい。この構成によっても、左右の端縁部23,24にマッチング25等の凹部が設けられたドアインパクトビーム10と同じく、局所的な応力が集中する凹部が長辺部に設けられないことから、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる。
(e)ドアインパクトビーム10の製造方法として、前段加工及び後段加工のうち少なくともいずれか一方について、プレス切断加工ではなくレーザ切断加工を採用してもよい。レーザ切断加工を用いた場合でも、前段加工における第1切断ラインL1と後段加工における第2切断ラインL2とが交わるつなぎ部26には、図1の拡大部分に二点鎖線で示すように、レーザ加工痕29が形成される。レーザ加工痕29は、マッチング25と同様に凹状をなしている。なお、このようなレーザ加工痕29は、図1の拡大部分だけでなく、マッチング25が設けられた全ての部分において、マッチング25に代わって形成される。
例えば、前段加工としてレーザ切断加工が行われる場合には、切断当初のピアッシングにより外縁部にはピアス痕の窪みがレーザ加工痕29として形成されることがある。また、後段加工としてレーザ切断加工が行われる場合には、ピアッシングが不要であっても、切断開始点や切断終了点には、レーザ照射によって切断ラインよりも内側へ窪んだレーザ切断開始痕やレーザ切断終了痕としてレーザ加工痕29が形成される。そこで、左右の端縁部23,24につなぎ部26を設けることにより、凹状をなすレーザ加工痕29が左右の端縁部23,24に設けられたドアインパクトビーム10を得ることができる。
(f)ドアインパクトビーム10の製造方法として、上記実施形態で説明したトリミング工程は必須ではなく、トリミング工程を経ない方法を採用してもよい。
上記実施形態のようにトリミング工程を有する場合もトリミング工程を有しない場合であっても、鋼板からブランク材を得る工程において、上記のようにプレス切断加工による前段加工と後段加工とを適用してもよい。この場合も、前段加工及び後段加工の少なくともいずれか一方において、プレス切断加工ではなくレーザ切断加工を採用してもよい。
(g)ドアインパクトビーム10の製造方法として、ブランク材を得る工程又はトリミング工程では、上記実施形態のように2段階で切断するのではなく、3段階以上の工程を経て切除部分32を切除するようにしてもよい。もっとも、この場合であっても、上記実施形態のように、左右の端縁部23,24にマッチング25が形成されるように切断ラインが設定される。
(h)ドアインパクトビームの製造方法として、ブランク材を得る工程やトリミング工程でマッチング25等の凹部が形成されない方法を採用してもよい。この方法を採用したトリミング工程の一例について、図8を参照しながら説明する。図8に示すように、この別形態の製造方法も、前段階のプレス切断加工工程(前段加工)と、後段階のプレス切断加工工程(後段加工)とを有する。この2つの工程により、図8(a)に示す被トリム部品30のうち切除部分32を2段階に分けて切除する。図8(b)に示すように、前段加工による切除で第1切除部分33を切除し、後段加工によって第2切除部分34を切除する点は上記実施形態と同じである。ただ、上記実施形態とは、前段加工によって切除されて残った第2切除部分34の形状が異なる。
図1に示すように、ドアインパクトビーム10は、ブラケット部12における上下の縁部12a,12bと、左右の端縁部23,24とで形成された角部27とを有している。これら各角部27は、それぞれ所定の半径を有する円弧状をなしている。別形態の製造方法では、図8(a)に示すように、この各角部27が形成される箇所に、第1切断ラインL1と第2切断ラインL2とが交わるつなぎ部28が設定される。
前段加工では、本体部11における上下の縁部11a,11bと、ブラケット部12における上下の縁部12a,12bに沿うように第1切断ラインL1が設定される。つなぎ部28における第1切断ラインL1は、図8(c)に一部のつなぎ部28aについて拡大して示すように、前段及び後段加工によって形成される角部27の半径に沿いながら途中で直線状をなして延びるように設定される。この切除により、図8(b)及び図8(c)に示すように、本体部11の上下の縁部11a,11bからブラケット部12の上下の縁部12a,12bまでと、角部27を形成する一部が切除される。続く後段加工では、後段加工によって形成される左右の端縁部23,24に沿うとともに、角部27の半径に沿いながら途中で直線状をなして延びる第2切断ラインL2が設定される。この切除により、左右の端縁部23,24と、角部27を形成する残りの部分が切除される。このような2つの切断ラインL1,L2が設定されることにより、マッチング25を設けることなくドアインパクトビーム10を得ることができる。
なお、課題を解決するための手段として記載した第1〜第3の発明の他に、本実施の形態から抽出され得る発明についてその効果を示しつつ説明する。
手段1.長尺状をなす車体部品の製造方法であって、
複数段階の打ち抜き加工又はレーザ切断加工を含む複数段階を経て鋼板を切断する第1工程と、
前記第1工程により得られた鋼板をハット形状に成形する第2工程と、
を備え、
前記第1工程では、当該工程によって形成される外縁部のうち車体部品の短辺部となる部位に、前段加工における第1切断ラインと後段加工における第2ラインとが交わるつなぎ部を設定するようにしたことを特徴とする車体部品の製造方法。
手段1の製造方法によれば、複数段階の切断加工に伴って形成されるマッチングやレーザ照射に伴って形成されるレーザ加工痕が外縁部のうち短辺部に設けられた車体部品が得られる。マッチングやレーザ加工痕が短辺部に設けられていることにより、長辺部にマッチングやレーザ加工痕が設けられている構成と異なり、側面衝突時にマッチングやレーザ加工痕へ応力が集中することを回避し、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる。
手段2.長尺状をなす車体部品の製造方法であって、
複数段階の打ち抜き加工又はレーザ切断加工を含む複数段階を経て鋼板を切断する第1工程と、
前記第1工程により得られた鋼板をハット形状に成形する第2工程と、
を備え、
前記第1工程では、当該工程によって形成される外縁部のうち車体部品の長辺部と短辺部とが交わる角部となる部位に、前段加工における第1切断ラインと後段加工における第2切断ラインとが交わるつなぎ部を設定するようにしたことを特徴とする車体部品の製造方法。
手段2の製造方法によれば、複数段階の切断加工に伴って形成されるマッチング、レーザ照射による切断によって形成されるレーザ加工痕が設けられていない車体部品が得られる。これにより、車体部品の長辺部にマッチングやレーザ加工痕が設けられている構成と異なり、側面衝突時にマッチングやレーザ加工痕へ応力が集中することを回避し、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる。
手段3.前記車体部品は、引張強度が1600MPa〜2100MPaの高張力鋼板により形成されており、前記工程では前記高張力鋼板が切断されることを特徴とする手段1又は2に記載の車体部品の製造方法。
マッチングやレーザ加工痕が長辺部に設けられていることが原因で生じる衝突エネルギー吸収性能の急激な低下は、引張強度が1600MPa〜2100MPaの高張力鋼板を用いた場合に生じる。そのため、手段3の製造方法によれば、この範囲の高張力鋼板を用いて手段1又は手段2の製造方法により車体部品を製造する場合に、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持できるという効果は顕著となる。
10…ドアインパクトビーム(車体部品)、11…本体部(ハット部)、23…右端縁部(短辺部)、24…左端縁部(短辺部)、25…マッチング、29…レーザ加工痕。

Claims (3)

  1. 長尺状に形成された車体部品であって、
    長手方向に延びるハット部と、
    複数段階の打ち抜き加工による外縁部の製造時において、前記外縁部のうち長辺部ではなく短辺部に形成されたマッチングと、
    を有し
    前記マッチングは、前後する打ち抜き加工の切断ラインが交わる部分において、打ち抜き加工時の加工誤差を防ぐべく前段階の打ち抜き加工時に形成された凹状をなすものであることを特徴とする車体部品。
  2. 長尺状に形成された車体部品であって、
    長手方向に延びるハット部と、
    レーザ切断加工を含む複数段階の切断加工による外縁部の製造時において、前記外縁部のうち長辺部ではなく短辺部に形成されたレーザ加工痕と、
    を有し、
    前記レーザ加工痕は、少なくとも一つの切断加工がレーザ切断加工である前後の切断段階の切断ラインが交わる部分において、レーザ切断の切断開始点又は切断終了点に形成された凹状の加工痕であることを特徴とする車体部品。
  3. 引張強度が1600MPa〜2100MPaの高張力鋼板により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体部品。
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