以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のシステムとして、移動端末1により、近距離無線通信を経て信号処理装置2を経由し操作対象の電動遮蔽装置8を操作可能とするシステムについて説明する。
(システム)
図1は、本実施形態のシステムとして、移動端末1により信号処置装置2を経て屋内の操作対象の電動遮蔽装置8を操作可能とするシステムの概略構成を示すブロック図である。
移動端末1は、タッチパネル式の表示画面を有し、操作者による所定種類のタッチ操作(スワイプ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作、フリック操作、所定回数のタップ操作、及びロングタップ操作を含む)を検出し、そのタッチ操作に予め関連付けた動作を行うよう構成され、例えばスマートフォンやタブレット等とすることができる。特に、本実施形態の移動端末1は、無線ルーター3に対する通信経路6で示すWi−Fi等の近距離無線通信を介して、この無線ルーター3に有線又は無線LANの通信経路4を経て接続される信号処理装置2と相互通信接続可能となっている。尚、無線ルーター3は、通信経路5を経て屋外からの接続又は屋外への接続を許容しており、信号処理装置2は、インターネット等のネットワーク上の一機器として接続されている。
そして、信号処理装置2は、移動端末1により、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするためのWebサーバとして構成され、固有のWebアドレスを有している。即ち、移動端末1は、当該Webアドレスによって信号処理装置2に通信接続すると、Webサーバとして構成される信号処理装置2から、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)が提示される。このため、移動端末1は、Webサーバ機能を有する信号処理装置2を経て、電動遮蔽装置8を操作するためのWeb端末として機能するようになっている。
従って、本実施形態の移動端末1は、操作メニューを含むアプリケーションを予め記憶しておく必要はなく、移動端末1の負荷の増大を避けることができる。そして、信号処理装置2は、移動端末1のタッチパネル式の表示画面上に、当該信号処理装置2との接続を確立するためのWebアドレスへと誘導する起動アイコンを記憶し表示可能とするよう、登録設定させる機能を有する。
また、信号処理装置2は、詳細に後述するが、ユーザ認証(ユーザID及びパスワード)に基づいてユーザを認証して判別し、ユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定を保持し、尚且つユーザ毎に所定回数分の操作履歴を管理して、その各種設定及び操作履歴を当該UI上で移動端末1に提示できるようになっている。
従って、本実施形態のシステムでは、移動端末1単位で信号処理装置2に登録するものではなく、ユーザ単位で信号処理装置2に登録するものとなっており、ユーザが他の移動端末を利用したいときも、同じ各種設定及び操作履歴での操作が可能となり、利便性を向上させたものとなっている。
電動遮蔽装置8は、例えば電動で開閉動作する、縦型又は横型ブライド、ロールスクリーン、カーテンレール、たくし上げカーテン、或いはプリーツスクリーンなどとすることができ、図1に示す例では、代表的に横型ブライドとロールスクリーンが各間仕切り領域(例えば、リビング、寝室、部屋A、…)に1以上設けられている。
移動端末1の操作を基に、信号処理装置2からの無線信号により動作する電動遮蔽装置8には、その無線信号を受信し、無線信号内の操作に係るコマンドに応じた動作を行わせるための制御ユニット80が設けられている。
制御ユニット80には当該電動遮蔽装置8における遮蔽材の開閉動作を操作可能とする有線スイッチ82が有線接続され、尚且つ制御ユニット80は通信経路9で示す無線信号通信で遠隔操作可能とするリモートコントローラ81と無線接続可能となっている。この無線信号は、2.4GHzの周波数で双方向通信可能な信号としている。尚、本実施形態に係る無線信号は、後述する図3に示す信号フォーマットで構成されている。
リモートコントローラ81及び有線スイッチ82は、それぞれ当該電動遮蔽装置8における遮蔽材の開動作を操作する開ボタン(図示“△”)、開動作を操作する閉ボタン(図示“▽”)、及びその開閉動作の停止を操作する停止ボタン(図示“□”)を有する。
従って、制御ユニット80を備える電動遮蔽装置8は、それぞれリモートコントローラ81、有線スイッチ82、及び移動端末1の操作を基に、遮蔽材の開動作を操作することができるようになっている。尚、図示する例では、個々の電動遮蔽装置8に対し個々のリモートコントローラ81を図示しているが、1つのリモートコントローラ81で、複数の電動遮蔽装置8を操作可能とする構成とすることもできる。例えば、電動遮蔽装置8及びリモートコントローラ81に固有のIDを割り当て、これらのIDを基に、複数の電動遮蔽装置8を識別して個別に、或いは複数の電動遮蔽装置8を一括してグループ操作できるように設定すればよい。
ここで、制御ユニット80を備える電動遮蔽装置8は、移動端末1の操作を基に、通信経路7で示す信号処理装置2からの無線信号により操作することができるが、この信号処理装置2と電動遮蔽装置8における制御ユニット80との相互通信接続に係る無線信号は、詳細に後述するが、移動端末1からの操作に係るコマンドであるか、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであるかを識別しつつ、リモートコントローラ81からの無線信号と共通の信号フォーマットで構成されている。
このため、制御ユニット80は、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを、共通のアンテナで受信可能とするだけでなくその後の処理経路を共通化でき、動作の安定化、及び低コスト化に有利になる。
更に、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを共通の信号フォーマットで構成するとともに、これらの無線信号内のコマンドで、移動端末1からの操作に係るコマンドであるか、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであるかを識別可能としているため、移動端末1による操作の拡張性を高めることに寄与し、リモートコントローラ81の機能を超える操作を移動端末1による操作に持たせることが実現され、利便性の高いものとなる。
以下、より具体的に、本実施形態に係る移動端末1、信号処理装置2、及び電動遮蔽装置8における制御ユニット80の構成と、その動作を説明する。
(信号処理装置)
図2は、本発明による一実施形態の移動端末1、及び信号処理装置2の概略構成を示すブロック図である。上述したように、移動端末1は、無線ルーター3に対し通信経路6で示すWi−Fi等の近距離無線通信が可能であり、この無線ルーター3に有線又は無線の通信経路4を経て接続される信号処理装置2と相互通信接続可能となっている。
そして、信号処理装置2は、移動端末1により、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするためのWebサーバとして構成され、固有のWebアドレスを有し、移動端末1は、当該Webアドレスによって信号処理装置2に通信接続すると、Webサーバとして構成される信号処理装置2から、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)が提示されるWeb端末として機能する。
図2に示すように、信号処理装置2は、制御部21、通信部22,24、及び記憶部23を備え、制御部21は、UI提示制御部211、ユーザ登録管理部212、ユーザ別設定管理部213、ユーザ別操作履歴管理部214、デバイス別状態情報管理部215、及びデバイス操作用無線信号処理部216を有している。
ここで、信号処理装置2はコンピューターで構成させることができる。当該コンピューターに、制御部21の各機能を実現させるためのプログラムは、当該コンピューターの内部又は外部のメモリ(図示せず)に記憶される(当該メモリは記憶部23と共有にしてもよい)。コンピューターに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部21の各機能を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部21の各機能に相当する処理を当該コンピューターに実現させることができる。
通信部22は、無線ルーター3を介して移動端末1との相互通信を行う機能部であり、移動端末1をWeb端末として機能させて、移動端末1からの操作に対応する処理を制御部21の制御によって可能とする通信接続を行う。
通信部24は、制御部21の制御によって電動遮蔽装置8に備えられる制御ユニット80との相互通信を行う機能部であり、上述したように、リモートコントローラ81からの無線信号と共通の信号フォーマットで、尚且つ操作に係るコマンドをリモートコントローラ81のコマンドとは区別可能な態様で識別可能に構成された無線信号により、制御ユニット80との通信接続を行う。
尚、信号処理装置2の設置当初の電源投入時に、制御部21は、屋内の種々の電動遮蔽装置8に備えられる制御ユニット80との相互通信接続を試み、通信可能となった種々の電動遮蔽装置8に対し個々を識別するIDを自動的に割り当て(或いは予め設定されるIDを読み出し)、個々を識別するデバイス番号、デバイス種類(横型ブラインド、ロールスクリーン等)、及び操作可能内容(開閉に係る開度(開閉度合)やチルト、タイマー制御等)の情報を取得して、外部編集可能に記憶部23に記憶する。ここで、信号処理装置2が用いる電動遮蔽装置8のIDは、信号処理装置2自身が管理するのに用いる識別子であるため、グループ操作可能としたリモートコントローラ81で用いる電動遮蔽装置8のIDと一致させる必要はない。
外部編集として、例えば、デバイス番号1には「リビングA」、デバイス番号2には「リビングB」等のUI表示を可能とする分かりやすいデバイス名称を付与することができる。また、本実施形態の信号処理装置2は、ユーザ単位での種々の電動遮蔽装置8を動作設定できるため、ユーザ毎に異なるデバイス名称を付与することもできる。この外部編集のために、当該移動端末1におけるタッチパネル式の表示画面に、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示した際に、当該編集可能な編集メニュー欄を設けるか、又は、信号処理装置2自体に外部編集可能なキーボードや操作パネル等を設けるか、或いはネットワーク上に接続されるコンピューターにより当該外部編集を行えるように信号処理装置2が構成される。
UI提示制御部211は、移動端末1におけるタッチパネル式の表示画面に、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示する機能部である。移動端末1に提示されるUIについては後述する。
ユーザ登録管理部212は、移動端末1に提示したUIを介してユーザ認証を行うためのユーザID及びパスワードをユーザに設定させ、記憶部23に記憶保持して管理する機能部である。ユーザ認証は、UI提示制御部211の一機能としてユーザ認証用UIを提示して行われ、ユーザ登録管理部212によって管理するユーザID及びパスワードが利用される。
ユーザ別設定管理部213は、移動端末1に提示したUIを介してユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、後述する図6(a)に例示するユーザ別の設定管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に設定内容を提示可能とする機能部である。
ユーザ別操作履歴管理部214は、ユーザ毎に所定回数分の操作履歴を管理して、後述する図6(b)に例示するユーザ別の操作履歴管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に所定回数分の操作履歴を提示可能とする機能部である。
デバイス別状態情報管理部215は、通信確立時の移動端末1に対し、その通信確立時における全ての操作可能な電動遮蔽装置8における遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を、各電動遮蔽装置8の制御ユニット80から取得し(後述する図5(a)参照)、後述する図5(b)に例示する電動遮蔽装置8別(即ちデバイス別)の状態情報管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上にデバイス別の状態情報を提示可能とする機能部である。
また、デバイス別状態情報管理部215は、通信確立後の移動端末1におけるUI上の操作要求に応じて、操作対象の電動遮蔽装置8についてのみ、遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を、当該電動遮蔽装置8の制御ユニット80から取得し、当該電動遮蔽装置8の状態情報管理テーブルを更新し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に当該操作要求に係るデバイスの状態情報を提示可能とする機能も有する。
デバイス操作用無線信号処理部216は、移動端末1に提示したUIを介してユーザの操作に係るコマンドを含む操作対象の電動遮蔽装置8用(即ちデバイス用)の無線信号を生成し、通信部24により当該無線信号を出力する機能部である。
また、デバイス操作用無線信号処理部216は、通信部24を介して操作対象の電動遮蔽装置8からの応答信号(当該無線信号と共通の信号フォーマットとすることができ、上記の状態情報を含めることができる)を受信したときは、デバイス別状態情報管理部215を機能させるよう動作させる機能を有する。
(移動端末)
また、図2に示すように、移動端末1は、制御部11、及び通信部12を備え、制御部11はUI提示部111を有している。UI提示部111は、ユーザ登録部112、ユーザ別デバイス動作指定設定部113、指定設定済みデバイス動作操作部114、操作履歴別操作部115、デバイス動作強制停止操作部116、及びデバイス操作部117を有している。
ここで、移動端末1はコンピューターで構成させることができる。当該コンピューターに、制御部11の各機能を実現させるためのプログラムは、当該移動端末1の内部のメモリ(図示せず)に記憶される。コンピューターに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部11の各機能を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部11の各機能に相当する処理を当該コンピューターに実現させることができる。
通信部12は、無線ルーター3を介して信号処理装置2との相互通信を行う機能部であり、信号処理装置2はWebサーバとして構成され、移動端末1をWeb端末として機能させる通信接続を行う。
UI提示部111は、信号処理装置2におけるUI提示制御部211の制御によって、移動端末1におけるタッチパネル式の表示画面に、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示させる機能部である。
ユーザ登録部112は、移動端末1に提示されたUIを介してユーザ認証を行うためのユーザID及びパスワードをユーザに設定させ、信号処理装置2におけるユーザ登録管理部212の制御によって管理させる機能部である。
ユーザ別デバイス動作指定設定部113は、移動端末1に提示されたUIを介してユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、信号処理装置2におけるユーザ別設定管理部213の制御によって管理させる機能部である。
ユーザ別デバイス動作指定設定部113による各種設定として、複数の電動遮蔽装置8の操作を個別に行う“個別操作”、グループ指定した複数の電動遮蔽装置8の操作を一括して行う“グループ操作”、ユーザが所望する指定の電動遮蔽装置8の指定の操作を行う“お気に入り操作”、並びに指定した電動遮蔽装置8に対し所定時刻になると指定した動作を行う“タイマー操作”等に関する設定がある。後述するが、これらの設定はユーザ単位で設定できるようになっている。
指定設定済みデバイス動作操作部114は、信号処理装置2におけるユーザ別設定管理部213の制御によって移動端末1に提示されたUIを介して、ユーザ別デバイス動作指定設定部113により指定設定したデバイス動作(即ち、“お気に入り操作”)を操作指示可能とする機能部である。
操作履歴別操作部115は、信号処理装置2におけるユーザ別操作履歴管理部214の制御によって移動端末1に提示されたUIを介して、操作履歴に基づくデバイス動作(本願明細書中、“操作履歴操作”と称する)を操作指示可能とする機能部である。
デバイス動作強制停止操作部116は、遮蔽材の状態が動作中である際に、そのデバイス動作を強制停止させる機能部である。尚、ユーザはUI上で電動遮蔽装置8が動作中であるか否かを把握できない場合でも、ユーザは電動遮蔽装置8が動作中であるか否かを電動遮蔽装置8の直接的な目視で把握できる。ただし、UI上でも後述するデバイス操作時点で電動遮蔽装置8の状態情報が反映されて把握できる。
デバイス操作部117は、移動端末1に提示されたUIを介して複数の電動遮蔽装置8の操作を個別に行う“個別操作”、ユーザ別デバイス動作指定設定部113の設定機能でグループ指定した複数の電動遮蔽装置8の操作を一括して行う“グループ操作”、及び指定した電動遮蔽装置8に対し所定時刻になると指定した動作を行う“タイマー操作”等を選択的に操作可能とする機能部である。
そして、信号処理装置2は、図2に示すユーザ別設定管理部213により、移動端末1に提示したUIを介してユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、図6(a)に例示するように、ユーザ毎の“個別操作”、“グループ操作”、“お気に入り操作”、及び“タイマー操作”の各種設定を示すユーザ別の設定管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に設定内容を提示可能とする。
また、信号処理装置2は、図2に示すユーザ別操作履歴管理部214により、ユーザ毎に例えば3回分の操作履歴を管理して、図6(b)に例示するユーザ別の操作履歴管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に当該3回分の操作履歴を提示可能とする。
このように、信号処理装置2は、移動端末1により、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするためのWebサーバとして構成され、移動端末1は、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)が提示されるWeb端末として機能する。
そして、制御ユニット80を備える電動遮蔽装置8は、移動端末1の操作を基に信号処理装置2からの無線信号により操作することができる。
(無線信号の信号フォーマット)
この信号処理装置2と電動遮蔽装置8における制御ユニット80との相互通信接続に係る無線信号は、図3に示すように、移動端末1からの操作に係るコマンドであるか、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであるかを識別しつつ、リモートコントローラ81で用いる無線信号と共通の信号フォーマットで構成されている。
図3は、本発明による一実施形態の信号処理装置2と操作対象の電動遮蔽装置8との間で送受信する無線信号の信号フォーマットの概略構成を例示する図である。図3に例示する無線信号の信号フォーマットは、17バイト(1st〜17th)の予め定められた信号長で構成され、通信制御に係る通信制御領域と、前記操作対象の電動遮蔽装置の操作内容を指定するコマンド領域とを含み、具体的には信号名称として、“Start”, “Length”, “MsgID”, “MsgNo” , “DstID”, “SrcID”, “COM0”, “COM1” , “COM2” , “Reserve”からなる。
“Start”は、無線信号の開始を本システム固有に示す値が設定され、本例では0x0F5Aとする。この値は、リモートコントローラ81で用いる無線信号と共通とする。
“Length” は、無線信号の送信バイト数を示す値が設定され、本例では0x10とする。この値は、リモートコントローラ81で用いる無線信号と共通とする。
“MsgID” は、無線信号の送信コマンドの重複チェック用のメッセージ識別子を示す値が設定され、本例では0x11とする。この値は、リモートコントローラ81で用いる無線信号と共通とする。
“MsgNo” は、送信毎に数値を変更して、前回送信したコマンドとの識別を可能とする任意のメッセージ番号を示す値が設定され、例えば前回コマンドに割り当てた初期番号に対しインクリメントした値とする。この値の設定方法は、リモートコントローラ81で用いる無線信号と共通とする。
“DstID” は、送信先のIDが設定される。例えば、信号処理装置2から或るIDを持つ操作対象の電動遮蔽装置8をターゲットデバイスとして無線信号を送信するとき、そのターゲットデバイスのIDが設定される。この値の設定方法は、リモートコントローラ81で用いる無線信号と共通とする。
“SrcID” は、送信元のIDが設定される。例えば、移動端末1と信号処理装置2との通信接続が確立され信号処理装置2から或るIDを持つ操作対象の電動遮蔽装置8をターゲットデバイスとして無線信号を送信するとき、無線ルーター3が自動的に割り当てた、移動端末1を識別するためのIDが設定される。この値の設定方法は、リモートコントローラ81からの送信であればリモートコントローラ81のIDが設定され、実質的にリモートコントローラ81で用いる無線信号と共通となる。
“COM0” は、如何なるコマンドであるかを識別するための値が設定される。例えば、デバイス設定、デバイス操作、デバイス状態要求、遮蔽材の開度(開閉度合)やチルトの動作指定等の随意予め定めたコマンド種別の値が設定される。この値によって、移動端末1からの操作に係るコマンドであるか、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであるかを識別できるようにしている。
“COM1” は、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであれば登録されているグループを指定する値が設定され、移動端末1からの操作に係るコマンドであれば遮蔽材の開度(開閉度合)を示す値が設定される。
“COM2” は、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであれば、いずれのボタンが押されたかを示す値(上述した例では、開ボタン、閉ボタン、及び停止ボタンとしているが、これ以外にもチルトのUP/DOWNや、複数種のチルト速度設定、自動動作等のボタンを含めてもよい)が設定され、移動端末1からの操作に係るコマンドであれば遮蔽材のチルト量(角度)を示す値が設定される。
ただし、移動端末1からの操作に係るコマンドにおいても、リモートコントローラ81で可能な操作の全てのコマンドを包含させることもできる。
“Reserve” は、将来の拡張性を持たせるためのリザーブとして設けられ、本例ではNULLが設定される。
この図2に示す無線信号であれば、制御ユニット80は、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを、共通のアンテナで受信可能とするだけでなくその後の処理経路を共通化でき、動作の安定化、及び低コスト化に有利になる。
更に、移動端末1による操作の拡張性を高めることに寄与し、リモートコントローラ81の機能として実現可能な“個別操作”、“グループ操作”、及び“タイマー操作”以外にも、ユーザ毎に設定される“お気に入り操作”や、ユーザ後の操作履歴に基づく“操作履歴操作”等を移動端末1による操作に持たせることが実現され、利便性の高いものとなる。
(制御ユニット)
図4は、本発明による一実施形態の電動遮蔽装置8が備える制御ユニット80の概略構成を示すブロック図である。ここでは、電動遮蔽装置8として遮蔽材(スラット)の開閉と、そのスラットの角度(即ち、チルト量)を電動により制御可能な横型ブラインド用のものを例に説明する。制御ユニット80には、当該電動遮蔽装置8における遮蔽材の開閉動作を操作可能とする有線スイッチ82が有線接続され、尚且つ通信経路9で示す無線信号通信で遠隔操作可能とするリモートコントローラ81が無線接続可能となっている。
電動式の横型ブラインドは、スラットのチルト量及び昇降位置を制御可能なモーター(図示せず)、及びスラットのチルト量及び昇降高さを認識するためのエンコーダー(図示せず)を備えている。
制御ユニット80は、操作対象とする電動遮蔽装置8のそれぞれに設けられ、制御部801、有線スイッチ通信制御部802、記憶部803、通信部804、駆動部805、及びパルス信号受信部806を備える。また、制御部801は、無線信号解析実行部8011、開度制御部8012、チルト量制御部8013、状態情報管理部8014、及び有線操作信号解析実行部8015を備える。
有線スイッチ通信制御部802は、電動遮蔽装置8毎に設けられる有線スイッチ82から操作信号を受信して制御部801に送信し、制御部801により当該操作信号に対応する動作を実行する機能部である。例えば、有線スイッチ82は、電動遮蔽装置8として構成される横型ブラインドについて、操作者によってスラットのチルト量や遮蔽材の昇降位置を指定可能なスイッチボタンを有し、開ボタン、閉ボタン、及び停止ボタンの操作で、操作者によって指定されたチルト量や遮蔽材の昇降位置に関する操作信号を有線スイッチ通信制御部802に出力することができる。
当該操作信号を受信した制御部801は、有線操作信号解析実行部8015により、指定されるチルト操作や昇降操作を実行するよう動作する。より具体的には、有線操作信号解析実行部8015は、有線スイッチ82を経て操作者によって指定される任意のチルト量・昇降位置について、開度制御部8012又はチルト量制御部8013を機能させる。開度制御部8012は、当該有線スイッチ82の操作信号を基に、対応する昇降位置となるよう駆動部805を介して当該昇降モーター(図示せず)を制御しスラットを昇降させる。チルト量制御部8013は、当該有線スイッチ82の操作信号を基に、対応するチルト量となるよう駆動部805を介して当該モーター(図示せず)を制御しスラットを回動させる。尚、スラットのチルト量と昇降位置を別個のモーターで構成することもでき、これら各モーターを個別に駆動する駆動部を設けるよう構成してもよい。この場合、高段階のチルト量の制御のためにステッピングモーターを利用することもできる。
通信部804は、上述した図3に例示する無線信号により、信号処理装置2又はリモートコントローラ81との相互通信を行う機能部であり、信号処理装置2又はリモートコントローラ81から受信した無線信号を制御部801に出力するとともに、当該無線信号の応答を要するときは(例えば、電動遮蔽装置8の状態情報)、制御部801によって生成される応答信号(当該無線信号と共通の信号フォーマットとすることができ、上記の状態情報を含めることができる)を、移動端末1へと通知される信号処理装置2、又はリモートコントローラ81に送信する機能を有する。通信部804は、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを、共通のアンテナ(図示せず)で受信することができる。
当該無線信号を受信した制御部801は、無線信号解析実行部8011により、当該無線信号に含まれるコマンド(図3参照)を解析し、指定されるチルト操作や昇降操作を実行するよう動作する。より具体的には、無線信号解析実行部8011は、開度制御部8012又はチルト量制御部8013を機能させる。開度制御部8012は、当該無線信号に含まれるコマンドを基に、対応する昇降位置となるよう駆動部805を介して当該昇降モーター(図示せず)を制御しスラットを昇降させる。チルト量制御部8013は、当該制御コマンドに対応するチルト量となるよう駆動部805を介して当該モーター(図示せず)を制御しスラットを回動させる。このように、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを、共通のアンテナで受信可能とするだけでなくその後の処理経路を共通化でき、動作の安定化、及び低コスト化に有利になる。
尚、制御部801は、スラットのチルト動作及び昇降動作の制御中、当該モーター(図示せず)のパルス数をカウントして制御中のチルト量を監視する機能、パルス信号受信部806を経て得られる当該チルト量及び昇降高さを認識可能とするエンコーダー(図示せず)からのパルス信号のパルス数をカウントして制御中の昇降位置を監視する機能を有する。
更に、制御部801は、スラットのチルト動作及び昇降動作の結果の現在状態を示す状態情報(遮蔽材の開度及びチルト量)を図5(a)に例示する状態情報管理テーブルとして記憶部803に保持し更新する。そして、移動端末1又はリモートコントローラ81からの要求に応じて、制御部801は、昇降高さ(開度)の状態及びスラットのチルトの状態を示す状態情報を含む応答信号をそれぞれに返信するよう構成される。また、制御部801は、昇降高さ(開度)の状態及びスラットのチルトの状態を示す状態情報の更新が為される度に信号処理装置2へ通知するよう構成することもできる。
これにより、信号処理装置2は、図2に示すデバイス別状態情報管理部215によって、通信確立時の移動端末1に対し、その通信確立時における全ての操作可能な電動遮蔽装置8における遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を、各電動遮蔽装置8の制御ユニット80から取得し管理することができる。例えば、図5(b)に例示するように、昇降高さ(開度)の状態及びスラットのチルトの状態を示す状態情報に関して電動遮蔽装置8別(デバイス別)の状態情報管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上にデバイス別の状態情報を提示可能である。
尚、本例の制御部801をコンピューターで構成させることができる。当該コンピューターに、制御部801の各機能を実現させるためのプログラムは、当該コンピューターの内部又は外部のメモリ(図示せず)に記憶される(当該メモリは記憶部803と共有にしてもよい)。コンピューターに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部801の各手段を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部801の機能に相当する処理をコンピューターで実現させることができる。
図4に示す制御ユニット80は、電動遮蔽装置8として遮蔽材(スラット)の開閉と、そのスラットの角度(即ち、チルト量)を電動により制御可能な横型ブラインドを例に説明したが、他の種類の電動遮蔽装置(例えばロールスクリーン)であれば、遮蔽材の昇降位置に関する機能部のみを設けることで、図4に示す制御ユニット80とほぼ同様に構成することができる。例えば、電動式のロールスクリーンには、チルト用の駆動手段を設ける必要はない。
また、種々の電動遮蔽装置8に設けられる制御ユニット80の記憶部803には、個々を識別するデバイス番号、デバイス種類(横型ブラインド、ロールスクリーン等)、及び操作可能内容(開閉に係る開度(開閉度合)やチルト、タイマー制御等)のデバイス情報を自身のIDと関連付けて保持されている。そして、信号処理装置2の設置当初の電源投入時に、信号処理装置2の制御部21の制御によって、屋内の種々の電動遮蔽装置8に備えられる制御ユニット80との相互通信接続を試みが為された時に、種々の電動遮蔽装置8に設けられる制御ユニット80の記憶部803に記憶されているデバイス情報が読み出され、当該信号処理装置2へと登録される。
(システム動作)
図7は、図1に示す本実施形態のシステムにおける一実施例の制御方法を示すフローチャートである。図8乃至図11に示す移動端末1におけるタッチパネル式の表示画面上に提示されるUIを参照しながら、本実施形態のシステムにおける一実施例の制御方法に基づく動作も併せて説明する。
まず、移動端末1は、Webサーバとして構成される信号処理装置2に対する固有のWebアドレスにアクセスして、信号処理装置2との通信を確立する(ステップS1)。ここで、信号処理装置2はデバイス別状態情報管理部215によって全ての操作可能な電動遮蔽装置8のデバイス情報について記憶部23に記憶保持して管理することで登録済みであり、移動端末1を利用するユーザは、信号処理装置2に対しユーザ登録済みである状態から説明する。
移動端末1が信号処理装置2との通信を確立すると、信号処理装置2は、UI提示制御部211及びユーザ登録管理部212によって、ユーザ認証用UIを提示し、ユーザID及びパスワードを基に、ユーザ認証を行う(ステップS2)。
ユーザ認証後、信号処理装置2は、ユーザ別設定管理部213によってユーザ別の各種設定を確認し、ユーザ別操作履歴管理部214によってユーザ毎に所定回数分の操作履歴を確認し、デバイス操作用無線信号処理部216による全ての操作可能な電動遮蔽装置8に対する無線信号の相互通信に基づき、現時点のデバイス別状態情報管理部215によって全ての操作可能な電動遮蔽装置8における遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を確認する(ステップS3,S4)。
続いて、信号処理装置2は、UI提示制御部211によって、移動端末1におけるタッチパネル式の表示画面に、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示する(ステップS5)。これにより、移動端末1はWeb端末として機能する。
このとき、移動端末1におけるタッチパネル式の表示画面にUI(トップ画面U1)を図8に示している。図8に示すトップ画面U1には、“お気に入り操作”に係る3つのメニュー表示U11‐1,U11‐2,U11‐3が提示され、そのうち2つ“お気に入り操作”に係る設定が当該ユーザによって既に為されていることを示している。この設定に関する操作例は後述するが、信号処理装置2におけるユーザ別設定管理部213の機能として図6(a)に例示するユーザ別の設定管理テーブルによって管理されており、移動端末1の指定設定済みデバイス動作操作部114によって操作指示可能に当該UI(トップ画面U1)に提示される。従って、ユーザが “お気に入り操作”に係る例えばメニュー表示U11‐1の“お気に入り1”をタッチ操作すると、その設定済みの“お気に入り操作”に係る無線信号が、対応する電動遮蔽装置8に対し送信され、その電動遮蔽装置8が“お気に入り操作”に設定されている動作を行う。
また、図8に示すトップ画面U1には、「最近の操作」として示す“操作履歴操作”に係る3つのメニュー表示U12‐1,U12‐2,U12‐3が提示される。このように提示される操作履歴は、信号処理装置2におけるユーザ別操作履歴管理部214の機能により図6(b)に例示するユーザ別の操作履歴管理テーブルによって管理されており、移動端末1の操作履歴別操作部115によって操作指示可能に当該UI(トップ画面U1)に提示される。従って、ユーザが“操作履歴操作”に係る例えばメニュー表示U12‐1をタッチ操作すると、その設定済みの“操作履歴操作”に係る無線信号が、対応する電動遮蔽装置8に対し送信され、その電動遮蔽装置8が“操作履歴操作”に対応する動作を行う。
また、図8に示すトップ画面U1には、デバイス動作強制停止操作部116の機能として、全ての操作可能な電動遮蔽装置8に対し、遮蔽材の状態が動作中である際に、そのデバイス動作を強制停止させるSTOPボタンU13が提示されている。尚、ユーザはUI上で電動遮蔽装置8が動作中であるか否かを把握できない場合でも、ユーザは電動遮蔽装置8が動作中であるか否かを電動遮蔽装置8の直接的な目視で把握できる。ただし、UI上でも後述するデバイス操作時点で電動遮蔽装置8の状態情報が反映されて把握できる。そして、当該トップ画面U1の提示時点でユーザが当該STOPボタンU13をタッチ操作すると、これに対応する無線信号が信号処理装置2から全ての操作可能な電動遮蔽装置8に対し送信され、各電動遮蔽装置8を強制停止させるようになっている。
また、図8に示すトップ画面U1には、“操作”ボタンU14、及び“設定”ボタンU15が提示され、“操作”ボタンU14がタッチ操作されると図9(a)に示す操作メイン画面U2に移行し、“設定”ボタンU15がタッチ操作されると図9(b)に示す設定メイン画面U3に移行する。
図9(a)に示す操作メイン画面U2には、各操作を実行するための操作画面(例えば図11参照)へと移行するための“個別操作” の操作ボタンU21−1、“グループ操作” の操作ボタンU21−2、“お気に入り操作” の操作ボタンU21−3、及び“タイマー操作” の操作ボタンU21−4と、図8に示すトップ画面U1へと戻るための“トップ”ボタンU22が提示される。
また、及び図9(b)に示す設定メイン画面U3には、各操作を設定するための設定画面(例えば図10参照)へと移行するための“個別操作”の設定ボタンU31−1、“グループ操作” の設定ボタンU31−2、“お気に入り操作” の設定ボタンU31−3、及び“タイマー操作” の設定ボタンU31−4と、図8に示すトップ画面U1へと戻るための“トップ”ボタンU32が提示される。
ここでは、ユーザが“設定”ボタンU15がタッチ操作して図9(b)に示す設定メイン画面U3に移行したとする。
図7を参照するに、移動端末1のユーザ別デバイス動作指定設定部113の機能により、ユーザによって図9(b)に示す設定メイン画面U3がタッチ操作されると、ユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ(ステップS6)、信号処理装置2におけるユーザ別設定管理部213の制御によって管理させる(ステップS7)。そして、信号処理装置2は、UI提示制御部211及びユーザ別設定管理部213の機能によって、当該UI上に設定内容を提示する。
この設定操作に関して、図9(b)に示す設定メイン画面U3にて、例えばユーザが“お気に入り操作” の設定ボタンU31−3をタッチ操作すると、図10(a)に示すお気に入り設定画面U4に移行する。
図10(a)に示すお気に入り設定画面U4には、操作可能な全ての電動遮蔽装置8(デバイス)の設定対象メニューU41−1〜U41−7と、図9(b)に示す設定メイン画面U3へと戻るための“設定メイン”ボタンU42と、図8に示すトップ画面U1へと戻るための“トップ”ボタンU43が提示される。
ここで、各設定対象メニューU41−1〜U41−7には、それぞれ直感的に理解しやすいデバイス種類(横型ブラインド、ロールスクリーン等)の表示P1が提示され、デバイス毎に、現在設定されている内容(ユーザ設定されていないときはデフォルト値)も提示される。また、各設定対象メニューU41−1〜U41−7には、チェックボックスP2が設けられ、チェックボックスP2にレ点チェックされたデバイスが、図8に示すトップ画面U1の“お気に入り操作”メニューに提示されるようになっている。
ユーザが、図10(a)に示すお気に入り設定画面U4にて設定対象メニューU41−1をタッチ操作すると、図10(b)に示すお気に入り指定デバイス設定画面U5へと移行する。
お気に入り指定デバイス設定画面U5には、デバイス名称や操作・設定可能内容が提示され、デバイス種類等のデバイス情報を示す表示欄U51−1と、ユーザが所望する設定を示す設定メニューU51−2,U51−3と、図10(a)に示すお気に入り設定画面U4へと戻るための“戻る”ボタンU52と、設定メニューU51−2,U51−3の設定内容を登録するための“登録”ボタンU53と、設定メニューU51−2,U51−3の設定操作を反映させずに最新の登録状態へと戻すための“キャンセル”ボタンU54が提示される。
本例では、「リビングA」の横型ブラインドについて、ユーザが所望する設定として、設定メニューU51−2には開度(昇降高さ)を数値設定可能とする数値設定欄P3、及びバー表示で設定可能とする設定バーP4が提示され、設定メニューU51−3にはチルト量を数値設定可能とする数値設定欄P5、及びバー表示で設定可能とする設定バーP6が提示される。
このように、図9(b)に示す設定メイン画面U3から、例えば図10(a)に例示するお気に入り設定画面U4へと移行し、“お気に入り操作”として、ユーザが所望する設定を、ユーザ単位で登録することができる。
尚、図9(b)に示す設定メイン画面U3から、“個別操作”に関する設定画面へ移行したときも、図10(a),(b)に例示する設定画面とほぼ同様である。ただし、この場合、チェックボックスP2の提示は不要であり、提示されない。
また、図9(b)に示す設定メイン画面U3から、“グループ操作”に関する設定画面へ移行したときも、図10(a),(b)に例示する設定画面とほぼ同様である。ただし、この場合、チェックボックスP2の提示がグループ指定となる。
また、図9(b)に示す設定メイン画面U3から、“タイマー操作”に関する設定画面へ移行したときも、図10(a),(b)に例示する設定画面とほぼ同様である。ただし、この場合、チェックボックスP2の提示は不要であり、提示されず、図10(b)に例示する設定内容に対し、指定動作時刻の設定欄が設けられる。
このようにして、移動端末1のユーザ別デバイス動作指定設定部113の機能により、ユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、信号処理装置2は、ユーザ別設定管理部213の機能によって、当該UI上に設定内容を提示することができる。
図7を参照するに、移動端末1のUI上でユーザによってデバイス操作を行うタッチ操作が行われると、信号処理装置2は、デバイス操作用無線信号処理部216による操作対象の電動遮蔽装置8に対する無線信号の相互通信に基づき、デバイス別状態情報管理部215によって現時点の当該操作対象の電動遮蔽装置8における遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を確認する(ステップS9)。
ここで、操作対象の電動遮蔽装置8が動作中であれば、その旨をダイアログ表示やポップアップ表示等で移動端末1のUI上で通知する。このとき、ユーザは当該操作対象の電動遮蔽装置8が非動作中となるまで、ステップS8,S9の動作を繰り返すことができるが、上述したように、図8に示すトップ画面U1には、移動端末1のデバイス動作強制停止操作部116によって制御される、そのデバイス動作を強制停止させるSTOPボタンU13が提示されている。このため、ユーザが当該STOPボタンU13をタッチ操作することで、これに対応する無線信号が信号処理装置2から当該操作対象の電動遮蔽装置8に対し送信され、当該操作対象の電動遮蔽装置8を強制停止させることができる。
従って、操作対象の電動遮蔽装置8が動作中であれば、ユーザ操作に基づいて強制停止させる操作指示があるときは、信号処理装置2は、デバイス操作用無線信号処理部216によって、当該操作対象の電動遮蔽装置8を強制停止させる無線信号を生成して出力し(ステップS11)、当該操作対象の電動遮蔽装置8を強制停止させる(ステップS12)。
一方、操作対象の電動遮蔽装置8が非動作中であれば、信号処理装置2は、デバイス操作用無線信号処理部216によって、当該操作対象の電動遮蔽装置8に対し操作を実行させるコマンドを含む無線信号を生成し(ステップS11)、当該操作対象の電動遮蔽装置8における遮蔽材の操作を実行させる(ステップS12)。例えば、当該操作対象の電動遮蔽装置8が横型ブラインドであれば、移動端末1から開閉・チルトの実行の操作が可能であり、当該操作対象の電動遮蔽装置8がロールスクリーンであれば、移動端末1から開閉の実行の操作が可能である。
このデバイス動作の実行操作に関して、図9(a)に示す操作メイン画面U2にて、例えばユーザが“個別操作”の操作ボタンU21−1をタッチ操作すると、図11(a)に示す個別操作画面U6に移行する。
図11(a)に示す個別操作画面U6には、操作可能な全ての電動遮蔽装置8(デバイス)の操作対象メニューU61−1〜U61−7と、図9(a)に示す操作メイン画面U2へと戻るための“操作メイン”ボタンU62と、図8に示すトップ画面U1へと戻るための“トップ”ボタンU63が提示される。
ここで、各操作対象メニューU61−1〜U61−7には、それぞれ直感的に理解しやすいデバイス種類(横型ブラインド、ロールスクリーン等)の表示P1が提示される。また、また、設定対象メニューU61−1〜U61−7には、各電動遮蔽装置8の現在状態(信号処理装置2との接続時点の状態か、又は当該個別操作画面U6の提示時に状態情報の取得で更新される最新状態)が提示されるようになっている。
ユーザが、図11(a)に示す個別操作画面U6にて操作対象メニューU61−1をタッチ操作すると、図11(b)に示す個別指定デバイス設定画面U7へと移行する。
個別指定デバイス設定画面U7には、デバイス名称や操作・設定可能内容が提示され、デバイス種類等のデバイス情報を示す表示欄U71−1と、ユーザが所望する操作指示を示す操作指示メニューU71−2,U71−3と、図11(a)に示す個別操作画面U6へと戻るための“戻る”ボタンU72と、操作指示メニューU51−2,U51−3の操作指示を実行するための“実行”ボタンU73が提示される。
本例では、「リビングA」の横型ブラインドについて、ユーザが所望する設定として、操作指示メニューU71−2には開度(昇降高さ)を数値設定可能とする数値設定欄P3、及びバー表示で設定可能とする設定バーP4が提示され、操作指示メニューU71−3にはチルト量を数値設定可能とする数値設定欄P5、及びバー表示で設定可能とする設定バーP6が提示される。そして、“実行”ボタンU73のタッチ操作で、信号処理装置2は、対応するコマンドを含む無線信号を生成し、操作対象の電動遮蔽装置8へ送信する。
このように、図9(a)に示す操作メイン画面U2から、例えば図11(a)に例示する個別操作画面U62へと移行し、“個別操作”として、ユーザが所望する操作設定で、操作対象の電動遮蔽装置8を指定し遠隔操作することができる。
尚、図9(a)に示す操作メイン画面U2から、“グループ操作”に関する操作画面へ移行したときも、図11(a),(b)に例示する操作画面とほぼ同様である。ただし、この場合、図10(a),(b)に例示するようなチェックボックスP2の提示が為され、随意グループ指定することができる。
また、図9(a)に示す操作メイン画面U2から、“お気に入り操作”をタッチ操作したときは、図8に示すトップ画面U1に戻る。
また、図9(a)に示す操作メイン画面U2から、“タイマー操作”に関する操作画面へ移行したときは、タイマー操作”に関する設定画面へ移行する。
このようにして、移動端末1のタッチパネル式の表示画面上に、指定設定済みデバイス動作操作部114の機能としての“お気に入り操作”、操作履歴操作部115の機能としての“操作履歴操作”、デバイス操作部117の機能としての“個別操作”、“グループ操作”、及び“タイマー操作”、デバイス動作強制停止操作部116の機能としてデバイス動作を強制停止させる“STOP”操作がUIとして信号処理装置2から提示され、信号処理装置2は、デバイス操作用無線信号処理部216の機能によって、当該UI上の操作に対応するコマンドを含む無線信号が生成されて、操作対象のデバイス動作を実行させることができる。
特に、図8に示すトップ画面U1に提示され操作指示可能とする“お気に入り操作”や“操作履歴操作”は、リモートコントローラ81には無い機能として拡張されたものであり、利便性が高いものとなっている。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した各実施形態の例では、従来技法における上述した種々の課題を解決するための手段を全て含む好適な例を代表して説明したが、種々の課題を個別に解決するように本発明に係る一実施形態の移動端末1、信号処理装置2、及び電動遮蔽装置8を構成することができる。
例えば、本発明に係る一実施形態の信号処理装置2は、リモートコントローラで操作可能な屋内の操作対象の電動遮蔽装置8を移動端末1から無線操作するために、当該移動端末1に対し近距離無線通信路(無線ルーター3を含む通信路)を経て接続され当該移動端末1からの操作指示に対応する無線信号を出力する装置として構成され、リモートコントローラ81のコマンドとは区別可能な態様で移動端末1からの操作指示に対応するコマンドを生成し、該コマンドを含みリモートコントローラ81で用いる無線信号と共通の信号フォーマットで構成された無線信号を生成するデバイス操作用無線信号処理部216と、該無線信号を用いて操作対象の電動遮蔽装置8と無線通信する通信部24と、を備える。
このため、特に操作対象の電動遮蔽装置8に設けられる制御ユニット80は、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを、共通のアンテナで受信可能とするだけでなくその後の処理経路を共通化でき、動作の安定化、及び低コスト化に有利になる。
更に、信号処理装置2からの無線信号と、リモートコントローラ81からの無線信号とを共通の信号フォーマットで構成するとともに、これらの無線信号内のコマンドで、移動端末1からの操作に係るコマンドであるか、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドであるかを識別可能としているため、移動端末1による操作の拡張性を高めることに寄与し、リモートコントローラ81の機能を超える操作を移動端末1による操作に持たせることが実現され、利便性の高いものとなる。
また、本発明に係る一実施形態の信号処理装置2は、屋内の操作対象の電動遮蔽装置8を移動端末1から無線操作するために、当該移動端末1に対し近距離無線通信路を経て接続され当該移動端末1からの操作指示に対応する無線信号を出力する装置として構成され、移動端末1に対しユーザ認証(ユーザID及びパスワード)に基づいてユーザを認証して判別し、当該操作対象の電動遮蔽装置の操作に係るユーザーインターフェースを提示制御し、ユーザーインターフェース(UI)に従うタッチ操作で、ユーザ毎に前記操作対象の電動遮蔽装置の操作に係る設定を登録保持し、ユーザが所望する指定の電動遮蔽装置8の指定の操作を行うユーザ毎に固有の操作を可能とするよう管理し、当該UI上に提示される当該ユーザ毎に固有の操作のタッチ操作で、当該ユーザ毎に固有の操作に対応するコマンドを含む無線信号を用いて操作対象の電動遮蔽装置8と無線通信するよう構成される。
従って、本実施形態のシステムでは、移動端末1単位で信号処理装置2に登録するものではなく、ユーザ単位で信号処理装置2に登録するものとなっており、ユーザが他の移動端末を利用したいときも、同じ設定での操作(お気に入り操作)が可能となり、利便性を向上させたものとなる。
また、本発明に係る一実施形態の信号処理装置2は、屋内の操作対象の電動遮蔽装置8を移動端末1から無線操作するために、当該移動端末1に対し近距離無線通信路を経て接続され当該移動端末1からの操作指示に対応する無線信号を出力する装置として構成され、移動端末1に対しユーザ認証(ユーザID及びパスワード)に基づいてユーザを認証して判別し、当該操作対象の電動遮蔽装置の操作に係るユーザーインターフェースを提示制御し、ユーザ毎に所定回数分の操作履歴を管理し、当該ユーザーインターフェース上に提示される当該所定回数分の操作履歴のタッチ操作で、当該操作履歴に基づく操作に対応するコマンドを含む無線信号を用いて操作対象の電動遮蔽装置8と無線通信するよう構成される。
従って、本実施形態のシステムでは、移動端末1単位で信号処理装置2に登録するものではなく、ユーザ単位で信号処理装置2に登録するものとなっており、ユーザが他の移動端末を利用したいときも、同じ設定での操作(操作履歴操作)が可能となり、利便性を向上させたものとなる。
そして、本発明に係る一実施形態の信号処理装置2は、移動端末1に対し、当該操作対象の電動遮蔽装置8に係るユーザーインターフェース(UI)を提示するよう構成しているため、移動端末1は、操作メニューを含むアプリケーションを予め記憶しておく必要がなくなり、移動端末1の負荷の増大を避けることができ、ユーザ単位の操作を可能とする上での動作の安定性、低コスト化、及び利便性を向上させたものとなる。
尚、上述した実施形態の例では、信号処理装置2におけるユーザ別操作履歴管理部213は、当該ユーザが過去に操作した、最新のものから所定回数分の操作履歴を管理し、UI提示制御部211は、その所定回数分の操作履歴に係る操作を可能とする操作画面をユーザーインターフェース(UI)上に提示する例を説明したが、このような操作履歴の管理及び提示に関して様々な変形例を適用できる。
例えば、信号処理装置2におけるユーザ別操作履歴管理部213は、当該ユーザがユーザ認証を経て操作する時刻、曜日、日にちのいずれか1つ以上を基準に、当該ユーザが過去に操作した、最新のものから所定回数分の操作履歴を管理し、UI提示制御部211は、該基準としたものが時刻であればその所定時間内(例えば前後1時間以内)に、該基準としたものが曜日であればその曜日に、該基準としたものが日にちであればその日にちに、該基準としたものが時刻、曜日、日にちのいずれか1つ以上の組み合わせであれば、その組み合わせに従って、対応する所定回数分の操作履歴に係る操作を可能とする操作画面をユーザーインターフェース(UI)上に提示する構成とすることもできる。例えば、当該ユーザがユーザ認証を経て操作する時刻として朝であれば、その朝の操作時刻に近い時刻(所定時間内)で電動遮蔽装置8の例えば過去に開動作をしていたときには開動作の履歴が、閉動作をしていたときには閉動作の履歴がUI上に提示され、使い勝手がより一層向上するようになる。そして、ユーザ別操作履歴管理部213は、時刻以外にも曜日や日にちを基準として履歴を管理し、UI提示制御部211によってUI上に提示することも可能である。