JP6941482B2 - 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法 - Google Patents

誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6941482B2
JP6941482B2 JP2017109407A JP2017109407A JP6941482B2 JP 6941482 B2 JP6941482 B2 JP 6941482B2 JP 2017109407 A JP2017109407 A JP 2017109407A JP 2017109407 A JP2017109407 A JP 2017109407A JP 6941482 B2 JP6941482 B2 JP 6941482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
sample
fixing plate
dielectric property
dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017109407A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018205065A (ja
Inventor
哲 馬路
哲 馬路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2017109407A priority Critical patent/JP6941482B2/ja
Publication of JP2018205065A publication Critical patent/JP2018205065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6941482B2 publication Critical patent/JP6941482B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Description

本発明は、誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法に関するものである。
誘電体の比誘電率や誘電正接といった誘電特性を測定する方法としては、例えば、スプリットポスト誘電体(SPDR)共振器法、空胴共振器法、ファブリペロー共振器法、円板共振器法等が知られている。
特許文献1には、SPDR共振器法に用いられる測定治具として、SPDR共振器を保持する支持部と、測定試料の少なくとも2か所を保持する保持ユニットと、保持ユニットに保持された測定試料の位置を調整する調整手段と、を備える測定治具が開示されている。この測定治具によれば、フィルム状またはシート状の測定試料に適用した場合でも、再現性の高い測定が可能になる。
一方、このSPDR共振器法は、一般に1GHz〜20GHz程度のマイクロ波帯における誘電特性の測定に用いられるが、近年、マイクロ波帯よりも高周波の領域であるミリ波帯の電波を活用する取り組みが進んでいる。このため、ミリ波帯における誘電特性の測定においても、再現性の高い測定を可能にする測定治具の実現が求められている。
特開2016−114431号公報
ミリ波帯における誘電特性の測定には、例えば円板共振器法が用いられる。
しかしながら、従来の円板共振器法では、測定試料の形状によって測定誤差が大きくなる場合があるという問題が知られている。このため、かかる問題を解消し、精度の高い測定を可能にすることが求められている。
本発明の目的は、誘電特性を高精度に測定し得る誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) 円板共振器法により試料の誘電特性を測定するために用いられる測定治具であって、
互いに対向し前記試料を挟持し得る第1の導体および第2の導体と、
前記試料中に設けられ、円形の板状をなす第3の導体と、
前記第1の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第1の固定板と、
前記第2の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第2の固定板と、
前記第1の固定板と前記第2の固定板とを連結する連結手段と、
を有し、
前記第1の導体の前記試料側の面と、前記第2の導体の前記試料側の面と、の離間距離が、部分的に異なっており、
前記第1の導体の前記試料側の面および前記第2の導体の前記試料側の面の少なくとも一方は、凸面であり、
前記凸面の曲率半径は、前記第3の導体の直径の1000倍以上であることを特徴とする誘電特性測定治具。
(2) 円板共振器法により試料の誘電特性を測定するために用いられる測定治具であって、
互いに対向し前記試料を挟持し得る第1の導体および第2の導体と、
前記試料中に設けられる第3の導体と、
前記第1の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第1の固定板と、
前記第2の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第2の固定板と、
前記第1の固定板と前記第2の固定板とを連結する連結手段と、
前記第1の固定板と前記第2の固定板との間に介挿され、離間距離を規制するスペーサーと、
を有し、
前記第1の導体の前記試料側の面と、前記第2の導体の前記試料側の面と、の離間距離が、部分的に異なっており、
前記スペーサーと前記第1の固定板との間および前記スペーサーと前記第2の固定板との間に、合計で、前記スペーサーの長さの1/50以下の高さの隙間を有していることを特徴とする誘電特性測定治具。
(3) 円板共振器法により試料の誘電特性を測定するために用いられる測定治具であって、
互いに対向し前記試料を挟持し得る第1の導体および第2の導体と、
前記試料中に設けられる第3の導体と、
前記第1の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第1の固定板と、
前記第2の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第2の固定板と、
前記第1の固定板と前記第2の固定板とを、前記第1の導体および前記第2の導体よりも外側において連結する連結手段と、
を有し、
前記第1の導体と前記第2の導体とが対向する範囲のうち、外側部分における、前記第1の導体の前記試料側の面と、前記第2の導体の前記試料側の面と、の離間距離が、前記範囲のうち、内側部分における前記離間距離に比べて大きくなっていることを特徴とする誘電特性測定治具。
(4) 前記第1の導体および前記第2の導体の構成材料は、銅単体、銅合金、アルミニウム単体、アルミニウム合金、銀合金およびニッケル合金のうちのいずれかを含む記()に記載の誘電特性測定治具。
(5) 前記連結手段を複数備える上記(3)または(4)に記載の誘電特性測定治具。
(6) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の誘電特性測定治具を備えることを特徴とする誘電特性測定装置。
(7) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の誘電特性測定治具を用いて前記試料の誘電特性を測定することを特徴とする誘電特性測定方法。
本発明によれば、誘電特性を高精度に測定することができる。
また、本発明によれば、誘電特性を高精度に測定し得る誘電特性測定治具および誘電特性測定装置が得られる。
本発明の誘電特性測定治具の第1実施形態を示す断面図であって、導体に荷重を加えていない状態を表す図である。 図1に示す誘電特性測定治具の平面図である。 図1に示す誘電特性測定治具において導体に荷重を加えている状態を表す図である。 図1に示す誘電特性測定治具のうち上導体(第1の導体)のみを取り出して図示したものである。 図1に示す誘電特性測定治具のうち上導体(第1の導体)のみを取り出して図示した平面図および側面図である。 図4に示す上導体および下導体の変形例である。 図1に示す誘電特性測定治具の変形例を示す図である。 図1に示す誘電特性測定治具の変形例を示す図である。 本発明の誘電特性測定治具の第2実施形態を示す断面図であって、導体に荷重を加えていない状態を表す図である。 本発明の誘電特性測定装置の実施形態を示す図である。 従来の誘電特性測定治具の一例を示す断面図であって、導体に荷重を加えていない状態を表す図である。 従来の誘電特性測定治具の一例を示す断面図であって、導体に荷重を加えている状態を表す図である。
以下、本発明の誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
[誘電特性測定治具]
本発明の誘電特性測定治具は、円板共振器法により試料の誘電特性を測定する際に用いられる治具である。なお、この誘電特性測定治具は、特にマイクロ波帯やミリ波帯の周波数で平板試料の面に対する電界の向きが垂直である場合の誘電特性の測定において好適に用いられる。
このような誘電特性測定治具は、従来、測定対象試料の形状によっては測定誤差が大きくなる場合があるという課題を抱えていた。具体的には、測定対象試料が薄板状をなしている場合、比誘電率の測定値が真値に比べて小さくなってしまう傾向がある。
図11は、従来の誘電特性測定治具の一例を示す断面図であって、導体に荷重を加えていない状態を表す図である。また、図12は、従来の誘電特性測定治具の一例を示す断面図であって、導体に荷重を加えている状態を表す図である。
図11に示すように、従来の誘電特性測定治具9は、互いに対向し試料101、102を挟持する上導体921および下導体922と、試料101と試料102との間に設けられる中導体923と、上導体921の上側に設けられる上固定板931と、下導体922の下側に設けられる下固定板932と、を有している。
また、図11に示す誘電特性測定治具9は、上固定板931と下固定板932とを互いに締結する締結手段94を備えている。この締結手段94は、上固定板931および下固定板932に連続して挿通された棒ねじ941と、棒ねじ941の両端部にそれぞれ螺合したナット942と、を備えている。棒ねじ941の両端部に設けたナット942同士を近づけるように締めることで、試料101、102に対して、前述した上導体921、下導体922および中導体923を固定することができる。
また、図11に示す誘電特性測定治具9は、上固定板931および上導体921を貫通するように設けられ試料101、102を励振する送信アンテナ951、および、下固定板932および下導体922を貫通するように設けられ試料101、102を透過した電磁波を受信する受信アンテナ952を備えている。
送信アンテナ951には、図示しない同軸ケーブルの一端が接続されている。一方、この同軸ケーブルの他端は、図示しないネットワークアナライザー等の電磁波発生手段の出力ポートに接続されている。
また、受信アンテナ952にも、図示しない同軸ケーブルの一端が接続されている。一方、この同軸ケーブルの他端は、図示しないネットワークアナライザー等の電磁波検出手段の入力ポートに接続されている。
電磁波発生手段から送信アンテナ951に印加された電磁波は、試料101、102を透過し、受信アンテナ952から取り出されて電磁波検出手段によって検出される。このようにして検出された電磁波を有限要素法やモード整合法等の解析手法によって解析することにより、試料101、102の比誘電率や誘電正接等の誘電特性を求めることができる。
ここで、試料101、102の誘電特性を測定する際には、前述したように、締結手段94を用いて試料101、102を上導体921と下導体922との間に挟み込む。また、試料101と試料102との間には、中導体923が介挿され、試料内電極として作用する。
ところが、本発明者が鋭意検討した結果、従来の誘電特性測定治具9では、締結手段94によって上固定板931と下固定板932との間を締結すると、上固定板931および下固定板932の意図しない歪みを招くことが明らかとなった。
具体的には、図12に示すように、上固定板931のうち、締結手段94によって締結されている部分が下方へ曲がるように歪む。一方、下固定板932のうち、締結手段94によって締結されている部分は上方へ曲がるように歪む。
また、このような上固定板931の歪みにつられて、上導体921は上に凸の形状に湾曲する。一方、下固定板932の歪みにつられて、下導体922は下に凸の形状に湾曲する。このような湾曲が生じると、上導体921の中央部が盛り上がって、上導体921と試料101との間に、図12に示すような隙間991が生じる。また、下導体922の中央部が下がって、下導体922と試料102との間に、図12に示すような隙間992が生じる。
このような隙間991、992は、試料101、102に対する電界の印加経路を阻害することになるため、求められる試料101、102の誘電特性が真値から乖離することとなる。すなわち、測定される誘電特性の精度が低下することとなる。
かかる課題に鑑み、本発明者は、さらに検討を重ね、導体に対して後述する非平面構造を採用することによって課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
<第1実施形態>
図1は、本発明の誘電特性測定治具の第1実施形態を示す断面図であって、導体に荷重を加えていない状態を表す図である。また、図2は、図1に示す誘電特性測定治具の平面図である。また、図3は、図1に示す誘電特性測定治具において導体に荷重を加えている状態を表す図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1、3中の上方を「上」、下方を「下」という。また、図1、3は、図2に示すA−A線断面図に相当する。また、図2では、透視される上導体21および中導体23の外縁を破線で示している。
図1に示す誘電特性測定治具1は、互いに対向する電極対であって試料101、102を挟持する上導体21(第1の導体)および下導体22(第2の導体)と、試料101と試料102との間(試料中)に設けられる中導体23(第3の導体)と、上導体21の上側(試料101側とは反対側)に設けられる上固定板31(第1の固定板)と、下導体22の下側(試料102側とは反対側)に設けられる下固定板32(第2の固定板)と、を有している。
このうち、上導体21、下導体22および中導体23は、それぞれ板状または箔状をなしている。なお、以下の説明では、上導体21の主面の法線上からこの主面を見る視界のことを単に「平面視」という。
上固定板31および下固定板32の平面視形状は、特に限定されず、円形や多角形等であってもよいが、本実施形態では四角形である。また、上導体21および下導体22の平面視形状も、特に限定されず、円形や多角形等であってもよいが、本実施形態では四角形である。
また、上導体21は上固定板31よりも小さく、下導体22は下固定板32よりも小さくなっている。このため、平面視において、上固定板31は上導体21より外側にはみ出し、下固定板32は下導体22より外側にはみ出すこととなる。その結果、このはみ出した部分を、後述する締結手段4によって締結することにより、上固定板31と下固定板32との間に、上導体21、下導体22および中導体23を挟み込むとともに、試料101、102を挟持することができる。
一方、中導体23の平面視形状は、特に限定されないが、本実施形態では円形である。
また、中導体23は上導体21や下導体22よりも小さくなっている。そして、後述する送信アンテナ51と受信アンテナ52とを結ぶ線上に中導体23の中心が一致するように配置されている。
また、図1に示す誘電特性測定治具1は、上固定板31と下固定板32とを互いに締結する締結手段4を備えている。この締結手段4は、上固定板31および下固定板32に連続して挿通された棒ねじ41と、棒ねじ41の両端部にそれぞれ螺合したナット42と、を備えている。棒ねじ41の両端部に設けたナット42同士を近づけるように締めることで、上固定板31と下固定板32との距離が縮まるため、試料101、102に対して、前述した上導体21、下導体22および中導体23を固定することができる。
なお、上固定板31は貫通孔311を備え、下固定板32は貫通孔321を備えている。棒ねじ41は、これらの貫通孔311と貫通孔321とに連続して挿通されることにより、ナット42を伴って上固定板31と下固定板32との距離を規制することができる。
また、締結手段4の数は、特に限定されないが、2個以上であるのが好ましく、3個以上16個以下であるのがより好ましい。このような複数の箇所において締結することにより、締結部位が均等になるため、上固定板31と下固定板32との距離をより均等に規制することができる。
また、締結手段4の配置は、平面視において、送信アンテナ51を中心にしたときの同一円周上の位置であるのが好ましく、送信アンテナ51を中心にした回転対称の関係を満たす位置であるのがより好ましい。これにより、締結部位がより均等になるため、上固定板31と下固定板32との距離をさらに均等に規制することができる。
また、図1に示す誘電特性測定治具1は、上固定板31および上導体21をそれぞれ貫通するように設けられた送信アンテナ51、および、下固定板32および下導体22をそれぞれ貫通するように設けられた受信アンテナ52を備えている。
すなわち、図1に示す上固定板31は、送信アンテナ51を貫通するアンテナ挿入孔312を備えており、このアンテナ挿入孔312に送信アンテナ51が挿入されている。また、図1に示す上導体21も、送信アンテナ51を貫通するアンテナ挿入孔211を備えており、このアンテナ挿入孔211に送信アンテナ51が挿入されている。
一方、図1に示す下固定板32は、受信アンテナ52を貫通するアンテナ挿入孔322を備えており、このアンテナ挿入孔322に受信アンテナ52が挿入されている。また、図1に示す下導体22も、受信アンテナ52を貫通するアンテナ挿入孔221を備えており、このアンテナ挿入孔221に受信アンテナ52が挿入されている。
送信アンテナ51は、上導体21を介して試料101、102を励振させ、受信アンテナ52は、下導体22を介して試料101、102を透過した電磁波を受信する。
なお、送信アンテナ51の先端は、試料101の上面に接していてもよいし、上面から離れていてもよい。
同様に、受信アンテナ52の先端は、試料102の下面に接していてもよいし、下面から離れていてもよい。
送信アンテナ51には、図示しない同軸ケーブルの一端が接続されている。一方、この同軸ケーブルの他端は、図示しない電磁波発生手段(例えばネットワークアナライザー等)に接続されている。
また、受信アンテナ52にも、図示しない同軸ケーブルの一端が接続されている。一方、この同軸ケーブルの他端は、図示しない電磁波検出手段(例えばネットワークアナライザー等)に接続されている。
電磁波発生手段から上導体21に印加された電磁波は、試料101、102を透過し、受信アンテナ52から取り出されて電磁波検出手段によって検出される。このようにして検出された電磁波を有限要素法やモード整合法等の解析手法によって解析することにより、試料101、102の比誘電率や誘電正接等の誘電特性を求めることができる。
ここで、図1に示す誘電特性測定治具1は、前述したように上固定板31と下固定板32とを互いに締結する締結手段4(連結手段)と、上導体21(第1の導体)の下面210(試料101側の面)と下導体22(第2の導体)の上面220(試料102側の面)との離間距離が部分的に異なっている非平面構造と、を含んでいる。
図4は、図1に示す誘電特性測定治具1のうち上導体21(第1の導体)のみを取り出して図示したものである。また、図5は、図1に示す誘電特性測定治具1のうち上導体21(第1の導体)のみを取り出して図示した平面図および側面図である。
前述した非平面構造は、図4に示すように、下に凸の形状をなす下面210と、上に凸の形状をなす上面220と、で構成されている。「下に凸の形状」とは、図5に示すように、平面視における中央部が最も下方に位置し、外縁部に向かうにつれて徐々に上方に変位する非平面のことをいう。また、「上に凸の形状」とは、図5とは反対に、平面視における中央部が最も上方に位置し、外縁部に向かうにつれて徐々に下方に変位する非平面のことをいう。なお、これらの非平面は、互いに傾きが異なる面同士を連結させた不連続面であってもよいし、傾きが連続的に変化してなる湾曲面であってもよい。
このような下面210と上面220とを対向させると、これらの面同士の離間距離は部分的に異なることとなる。すなわち、上導体21の内側部分における上導体21の下面210と下導体22の上面220との離間距離S1に比べて、上導体21の外側部分における上導体21の下面210と下導体22の上面220との離間距離S2が大きくなっている(図4参照)。
この非平面構造によって試料101、102と中導体23とが挟持されると、図1に示すように締結手段4が非締結状態にあるとき、試料101と上導体21の外縁部との間や試料102と下導体22の外縁部との間には隙間が存在している。一方、図3に示すように締結手段4が締結状態にあるとき、上導体21および下導体22が試料101、102の表面に沿って歪む。その結果、図3に示すように、試料101と上導体21との間や試料102と下導体22との間の隙間が消失し、良好に密着する。このようにして試料101、102に電界が確実に印加されることになるため、試料101、102の誘電特性の測定値をより真値に近づけることができる。その結果、測定値の高精度化を図ることができる。
換言すれば、非締結状態において下面210と上面220との間に設定される隙間は、締結状態において上固定板31や下固定板32が歪むときの歪み分を吸収する緩衝空間となり得る。このため、上固定板31や下固定板32が歪んだとしても、それにつられて上導体21や下導体22の中央部が試料101や試料102から浮き上がるように歪むことが抑制される。その一方、上導体21や下導体22の外縁部では、隙間が設定されている分だけ歪み易くなり、その隙間を埋めるようにして下面210や上面220が歪むこととなる。その結果、上記のように隙間が消失し、良好に密着することとなる。
このような非平面構造は、上導体21の内側部分に対して確実に荷重を加えることができる。すなわち、図1に示す上導体21の下面210および下導体22の上面220は、締結手段4で締結される前の状態を示しているが、この状態における下面210および上面220は、締結に伴う歪みを加味した形状にあらかじめ設定されている。つまり、締結手段4の締結によって上導体21および下導体22が歪むため、その歪んだ後において下面210および上面220がそれぞれ図3に示すような平面になるように、歪み量を加味した形状に下面210および上面220があらかじめ設定されている。このため、従来の誘電特性測定治具9のように、試料101と上導体21との間や試料102と下導体22との間に隙間が残ることが抑制され、誘電特性の測定値が真値から著しく乖離するのを防止することができる。
なお、締結後の下面210および上面220は、必ずしも平面でなくてもよい。例えば、試料101、102の表面が非平面である場合には、下面210および上面220がその表面に沿うように歪んでいればよい。
また、非平面構造は、前述したように、上導体21の下面210と下導体22の上面220との離間距離が部分的に異なっており、歪んだ後に隙間を消失させ得る構造であれば、上記の構造に限定されない。
一方、上導体21(第1の導体)の下面210(試料101側の面)が、図1に示すような下に凸の形状、すなわち凸面であることにより、締結手段4による締結に伴って下面210が平面になり易くなる。これは、締結手段4によって上固定板31が締結されると、上固定板31の外縁部が下方に引っ張られるように歪み、それに伴って上導体21の下面210の外縁部も下方に引っ張られることになるからである。また、下面210が歪む際には、下面210の中央部(凸面の頂点)から外縁部に向かって徐々に歪みが進むため、介在する空気が排出され易くなる。その結果、空気の残存が抑制され、上導体21と試料101との密着性をより高めることができる。
また、下導体22(第2の導体)の上面220(試料102側の面)が、図1に示すような上に凸の形状、すなわち凸面であることにより、上記と同様、締結手段4による締結に伴って上面220が平面になり易くなる。これは、締結手段4によって下固定板32が締結されると、下固定板32の外縁部が上方に引っ張られるように歪み、それに伴って下導体22の上面220の外縁部も上方に引っ張られることになるからである。また、上面220が歪む際には、上面220の中央部(凸面の頂点)から外縁部に向かって徐々に歪みが進むため、介在する空気が排出され易くなる。その結果、空気の残存が抑制され、下導体22と試料102との密着性をより高めることができる。
なお、下面210および上面220の形状は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、一方が凸面であって、他方が平面であってもよい。
また、前述したように、中導体23(第3の導体)は、円形の板状をなしている。
このとき、上導体21の下面210における凸面は、特に湾曲面であるのが好ましく、その曲率半径は、中導体23の直径の1000倍以上であるのが好ましく、2000倍以上100000倍以下であるのがより好ましい。凸面の曲率半径を前記範囲内に設定することにより、締結手段4による締結に伴って上導体21の下面210を歪ませたとき、試料101との間に隙間が残り難くなり、良好な密着性を確保することができる。その結果、誘電特性をより高精度に測定することができる。
なお、曲率半径が前記下限値を下回ると、上導体21の下面210の外縁部と試料101との間の隙間が小さくなり過ぎるため、締結手段4による締結の強さによっては、上固定板31が歪むのを許容するだけの十分な緩衝空間を確保することができないおそれがある。一方、曲率半径が前記上限値を上回ると、上導体21の下面210の外縁部と試料101との間の隙間が大きくなり過ぎるため、締結手段4の締結の強さによっては、締結手段4による締結後においても隙間を埋め切れなかったり、締結が不安定になったりして、高精度の測定が阻害されるおそれがある。
同様に、下導体22の上面220における凸面は、特に湾曲面であるのが好ましく、その曲率半径は、中導体23の直径の1000倍以上であるのが好ましく、2000倍以上100000倍以下であるのがより好ましい。凸面の曲率半径を前記範囲内に設定することにより、締結手段4による締結に伴って下導体22の上面220を歪ませたとき、試料102との間に隙間が残り難くなり、良好な密着性を確保することができる。その結果、誘電特性をより高精度に測定することができる。
なお、曲率半径が前記下限値を下回ると、下導体22の上面220の外縁部と試料102との間の隙間が小さくなり過ぎるため、締結手段4による締結の強さによっては、下固定板32が歪むのを許容するだけの十分な緩衝空間を確保することができないおそれがある。一方、曲率半径が前記上限値を上回ると、下導体22の上面220の外縁部と試料102との間の隙間が大きくなり過ぎるため、締結手段4の締結の強さによっては、締結手段4による締結後においても隙間を埋め切れなかったり、締結が不安定になったりして、高精度の測定が阻害されるおそれがある。
なお、上固定板31および下固定板32の構成材料は、それぞれ十分な機械的強度を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、工具鋼、機械構造用合金鋼のようなFe系合金、真鍮のようなCu系合金、アルミニウム合金等の金属材料、アルミナ、ジルコニアのようなセラミックス材料等が挙げられる。また、上固定板31の構成材料と下固定板32の構成材料は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであるのが好ましい。
また、上導体21、下導体22および中導体23の構成材料は、それぞれ十分な導電性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、銅単体または銅合金、アルミニウム単体またはアルミニウム合金、銀合金、ニッケル合金等が挙げられる。なお、銅単体は、特に誘電正接が小さい試料101、102の測定に適している。また、アルミニウム合金やニッケル合金は、高温下や加湿下における試料101、102の測定に適している。この他、絶縁性の基材の表面に前述した導電性を有する材料の被膜(めっき膜等)を形成した複合材料を用いるようにしてもよい。
また、上導体21の構成材料、下導体22の構成材料および中導体23の構成材料は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであるのが好ましい。
試料101、102の形状は、特に限定されないが、例えば平板状とされる。
試料101、102を構成する材料も、特に限定されないが、例えば樹脂材料、セラミックス材料、ガラス材料、またはこれらを含む複合材料等が挙げられる。
ここで、図6は、図4に示す上導体21および下導体22の変形例である。
図6に示す上導体21の下面210は、平面視において中央部に位置する湾曲面210aと、湾曲面210aの外縁部に位置する平坦面210bと、を含んでいる。すなわち、図6に示す下面210は、全体が湾曲面になっている図4とは異なり、一部のみが湾曲面になっている点で相違している。
一方、図6に示す下導体22の上面220は、平面視において中央部に位置する湾曲面220aと、湾曲面220aの外縁部に位置する平坦面220bと、を含んでいる。すなわち、図6に示す上面220は、全体が湾曲面になっている図4とは異なり、一部のみが湾曲面になっている点で相違している。
このような図6に示す上導体21および下導体22であっても、図1に示す上導体21および下導体22と同様の効果を奏する。
また、図7、8は、それぞれ図1に示す誘電特性測定治具1の変形例を示す図である。
図7に示す誘電特性測定治具1は、上固定板31と下固定板32の離間距離を規制するスペーサー81(規制手段)をさらに備えている。
このようなスペーサー81を設けることにより、締結手段4によって締結されたときに、上固定板31と下固定板32の離間距離が必要以上に狭まるのを防止することができる。これにより、上固定板31および下固定板32の意図しない歪みが防止され、従来の誘電特性測定治具9のように試料101と上導体21の中央部との間や試料102と下導体22の中央部との間に隙間が生じることが抑制される。その結果、誘電特性の測定値が真値から著しく乖離するのを防止することができる。
なお、スペーサー81の配置は、特に限定されないが、平面視において上導体21の外側であるのが好ましい。これにより、締結手段4の締結に伴って歪み易い部位の歪みを規制することができるので、上述した効果をより確実に享受することができる。
また、スペーサー81の形状も、特に限定されないが、本実施形態では円筒形状である。これにより、例えば締結手段4に含まれる棒ねじ41を挿通させるようにしてスペーサー81を配置することが可能になる。その結果、スペーサー81の位置ずれを容易に防止して、その機能を確実に発揮させることができる。また、スペーサー81を含む誘電特性測定治具1の組み立ても容易になる。
スペーサー81の構成材料は、十分な剛性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、工具鋼、機械構造用合金鋼のようなFe系合金、真鍮のようなCu系合金、アルミニウム合金等の金属材料、アルミナ、ジルコニアのようなセラミックス材料等が挙げられる。
また、スペーサー81の長さは、特に限定されないが、下導体22、試料102、中導体23、試料101および上導体21の5つの部材を積み重ねたときの厚さの総和より短くなるように設定されるのが好ましい。具体的には、スペーサー81の長さは、5つの部材の厚さの総和の95〜99.999%程度であるのが好ましく、97〜99.99%程度であるのがより好ましい。スペーサー81の長さをこのような範囲に設定することにより、締結手段4がその締結機能を発揮するのに必要なスペースを確保する一方、締結に伴う上固定板31や下固定板32の歪み量が大きくなり過ぎて前述した隙間が生じてしまうのを抑制することができる。その結果、熟練者でなくても、適度な荷重を加えつつ、高精度な測定を可能にするための作業を容易に行うことができる。
また、図8に示す誘電特性測定治具1は、スペーサー81と上固定板31の離間距離を規制する調整板82をさらに備えている。この調整板82は、上固定板31と下固定板32との間に介挿される装着状態と、介挿されない非装着状態と、を容易に選択し得るように設けられる。調整板82が装着された場合と装着されない場合とで、上固定板31と下固定板32の離間距離の規制長を容易に調整することができる。このため、試料101、102の厚さに応じて規制長を容易に最適化することができ、試料101、102を頻繁に取り換える場合でも誘電特性を高精度に測定することが可能になる。
なお、図8では、調整板82をスペーサー81と上固定板31との間に介挿しているが、介挿位置は特に限定されず、スペーサー81と下固定板32との間であってもよいし、双方であってもよい。
また、調整板82の形状は、特に限定されないが、本実施形態では平板状である。これにより、スペーサー81と上固定板31との間に調整板82を差し込むのみで、前述した装着状態をとることができ、またその後、調整板82を引き抜くだけで、前述した非装着状態をとることができる。
また、調整板82が挿入される隙間の高さは、スペーサー81の長さに応じて適宜設定されるが、スペーサー81の長さの1/50以下であるのが好ましく、1/10000以上1/30以下であるのがより好ましい。隙間の高さを前記範囲内に設定することにより、締結手段4がその締結機能を発揮するのに必要なスペースが確保される一方、締結に伴う上固定板31や下固定板32の歪み量が大きくなり過ぎてしまうことによる前述した不具合の発生を抑制することができる。その結果、熟練者でなくても、適度な荷重を加えつつ、高精度な測定を可能にするための作業を容易に行うことができる。また、この隙間の分だけ、対応可能な試料101、102の厚さに幅を持たせられるため、誘電特性測定治具1は、様々な厚さの試料101、102の高精度測定に対応可能なものとなる。
なお、調整板82が挿入される隙間とは、スペーサー81と上固定板31との間の隙間と、スペーサー81と下固定板32との間の隙間と、の合計をいう。
<第2実施形態>
次に、本発明の誘電特性測定治具の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の誘電特性測定治具の第2実施形態を示す断面図であって、導体に荷重を加えていない状態を表す図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図9中の上方を「上」、下方を「下」という。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図9において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図9に示す誘電特性測定治具1は、上固定板31および下固定板32の構成が異なる以外、図1に示す誘電特性測定治具1と同様である。
すなわち、図9に示す上固定板31は、下に凸の形状をなす下面310を備えている。また、図9に示す下固定板32は、上に凸の形状をなす上面320を備えている。すなわち、本実施形態では、上導体21および下導体22のみではなく、上固定板31および下固定板32についても非平面構造になっている。
このような下面310と上面320とを対向させると、これらの面同士の離間距離は部分的に異なることとなる。すなわち、上導体21の内側における上固定板31の下面310と下固定板32の上面320との離間距離に比べて、上導体21の外側における上固定板31の下面310と下固定板32の上面320との離間距離が大きくなっている。
このような非平面構造は、上導体21の内側に対して確実に荷重を加えることができる。すなわち、図9に示す上固定板31の下面310および下固定板32の上面320は、締結手段4で締結される前の状態を示しているが、この状態における下面310および上面320は、締結に伴う歪みを加味した形状にあらかじめ設定されている。つまり、締結手段4の締結によって上固定板31や下固定板32が歪んだとしても、歪み後の下面310および上面320がそれぞれ図3に示すような平面になるように、歪み量を加味した形状に下面310および上面320があらかじめ設定されている。このため、従来の誘電特性測定治具9のように、試料101、102と導体との間に隙間が生じることが抑制され、誘電特性の測定値が真値から著しく乖離するのを防止することができる。
なお、締結後の下面310および上面320は、必ずしも平面でなくてもよい。例えば、変位量は相対的に少なくなる(例えば湾曲面の曲率が小さくなる)ものの、締結後も依然として前述した非平面を維持する(締結後も依然として湾曲面である)ように設定されていてもよい。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[誘電特性測定装置]
次に、本発明の誘電特性測定装置の実施形態について説明する。
本実施形態に係る誘電特性測定装置は、前述した実施形態に係る誘電特性測定治具を備える。
図10は、本発明の誘電特性測定装置の実施形態を示す図である。なお、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図10に示す誘電特性測定装置10は、誘電特性測定治具1と、ネットワークアナライザー11と、パーソナルコンピューター12と、を有する。誘電特性測定治具1とネットワークアナライザー11との間は、同軸ケーブル等を介して電気的に接続されている。また、ネットワークアナライザー11とパーソナルコンピューター12との間は、相互に通信可能になっている。
ネットワークアナライザー11は、その出力ポートから誘電特性測定治具1に対して電磁波を出力可能になっている。
誘電特性測定治具1では、電磁波の入力に応答して、所定のモードの電磁波が励振する。このようにして励振した電磁波は、ネットワークアナライザー11の入力ポートに入力され、検出されるようになっている。
ネットワークアナライザー11では、検出した電磁波をデジタル処理することによって、共振周波数、挿入損失、電力半値幅等のデータを取得し、これらのデータをパーソナルコンピューター12に出力するように構成されている。
パーソナルコンピューター12では、これらのデータや試料101、102に関する初期条件、誘電特性測定治具1に関する初期条件、温度、湿度等の環境条件等に基づいて、試料101、102の比誘電率、誘電正接等の誘電特性を算出する。
この算出は、例えば有限要素法やモード整合法等の公知の解析手法(例えば特開2004−177234号公報等に開示)によって行われる。
以上のような誘電特性測定装置10によれば、試料101、102の誘電特性を高精度に測定することができる。
なお、誘電特性測定装置10は、特にミリ波(30〜300GHz)という高周波帯において試料101、102の表面に垂直な方向における特性の測定を高精度に行うことができる点で有用である。このようなミリ波帯は、ミリ波レーダーのようなセンシング用途、高速通信、大容量通信のような通信用途、ミリ波カメラのようなセキュリティー用途への適用が今後拡大すると予想されている。そのような用途に用いられるデバイスの開発にあたっては、ミリ波帯においても高い性能を有する誘電体材料が求められているが、その誘電体材料の誘電特性を高精度に評価する際、誘電特性測定治具1および誘電特性測定装置10が有用である。
[誘電特性測定方法]
次に、本発明の誘電特性測定方法の実施形態について説明する。
本実施形態に係る誘電特性測定方法は、前述した実施形態に係る誘電特性測定治具を用いて誘電特性を測定する方法である。
具体的には、誘電特性測定治具1に取り付けられた試料101、102に対してネットワークアナライザー11の出力ポートから電磁波を入力する工程と、誘電特性測定治具1から出力された電磁波をネットワークアナライザー11の入力ポートに入力する工程と、検出した電磁波に関するデータをパーソナルコンピューター12に出力する工程と、電磁波に関するデータや初期条件等に基づいて誘電特性を算出する工程と、を有する。
以上のような誘電特性測定方法によれば、例えば薄板状の試料101、102であっても、その誘電特性を高精度に測定することができる。
以上、本発明を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の誘電特性測定治具および誘電特性測定装置は、前記実施形態に任意の要素が付加されたものであってもよいし、前記実施形態の要素が同様の機能を有する別の要素で代替されたものであってもよい。
また、本発明の誘電特性測定方法は、前記実施形態に任意の目的の工程が付加されたものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.試料の誘電特性の測定
(実施例1)
図1に示す誘電特性測定治具を用いて周波数13GHzにおける試料の誘電特性を測定した。なお、治具および試料の条件は以下の通りである。
<誘電特性測定治具の条件>
・上導体および下導体
構成材料 :銅単体
中心部厚さ :6mm
大きさ :100mm×100mm(正方形)
曲率半径 :中導体の直径の1500倍
・中導体
構成材料 :銅単体
厚さ :0.02mm
大きさ :直径30mm(真円)
・六角ボルト
構成材料 :ステンレス鋼
先端面の直径 :5mm
・締結手段
締め付けトルク:8N・m
<試料の条件>
形態 :樹脂フィルム
厚さ :111μm
大きさ :50mm×50mm(正方形)
(実施例2)
以下に示す条件が異なる以外、実施例1と同様にして試料の誘電特性を測定した。
<誘電特性測定治具の条件>
・上導体および下導体
曲率半径 :中導体の直径の5000倍
(実施例3)
以下に示す条件が異なる以外、実施例1と同様にして試料の誘電特性を測定した。
<誘電特性測定治具の条件>
・上導体および下導体
曲率半径 :中導体の直径の50000倍
(実施例4)
以下に示す条件が異なる以外、実施例1と同様にして試料の誘電特性を測定した。
<誘電特性測定治具の条件>
・上導体および下導体
曲率半径 :中導体の直径の100000倍
(実施例5)
以下に示す条件が異なる以外、実施例1と同様にして試料の誘電特性を測定した。
<誘電特性測定治具の条件>
・上導体および下導体
曲率半径 :中導体の直径の200000倍
(比較例)
図11に示す誘電特性測定治具を用いて試料の誘電特性を測定した。なお、実施例1で使用した治具と異なる条件のみ、以下に記載する。
・上導体および下導体
構成材料 :銅単体
中心部厚さ :6mm
大きさ :100mm×100mm(正方形)
曲率半径 :非曲面(平面)
(参考例)
空胴共振器法により試料の誘電特性を測定した。
2.測定結果
各実施例、比較例および参考例の各測定方法で測定した比誘電率(誘電特性)を比較した。
その結果、各実施例および参考例の各測定方法で測定した比誘電率は、3.79±0.02の範囲内に収まっていた。特に実施例2〜4および参考例の各測定方法で測定した比誘電率は、3.79±0.01の範囲内に収まっていた。
これに対し、比較例の測定方法で測定した比誘電率は、3.38であった。
以上のことから、本発明によれば、フィルムのような薄板試料であっても、誘電特性を高精度に測定し得ることが認められた。
1 誘電特性測定治具
4 締結手段
9 誘電特性測定治具
10 誘電特性測定装置
11 ネットワークアナライザー
12 パーソナルコンピューター
21 上導体
22 下導体
23 中導体
31 上固定板
32 下固定板
41 棒ねじ
42 ナット
51 送信アンテナ
52 受信アンテナ
81 スペーサー
82 調整板
94 締結手段
101 試料
102 試料
210 下面
210a 湾曲面
210b 平坦面
211 アンテナ挿入孔
220 上面
220a 湾曲面
220b 平坦面
221 アンテナ挿入孔
310 下面
311 貫通孔
312 アンテナ挿入孔
320 上面
321 貫通孔
322 アンテナ挿入孔
921 上導体
922 下導体
923 中導体
931 上固定板
932 下固定板
941 棒ねじ
942 ナット
951 送信アンテナ
952 受信アンテナ
991 隙間
992 隙間
S1 離間距離
S2 離間距離

Claims (7)

  1. 円板共振器法により試料の誘電特性を測定するために用いられる測定治具であって、
    互いに対向し前記試料を挟持し得る第1の導体および第2の導体と、
    前記試料中に設けられ、円形の板状をなす第3の導体と、
    前記第1の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第1の固定板と、
    前記第2の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第2の固定板と、
    前記第1の固定板と前記第2の固定板とを連結する連結手段と、
    を有し、
    前記第1の導体の前記試料側の面と、前記第2の導体の前記試料側の面と、の離間距離が、部分的に異なっており、
    前記第1の導体の前記試料側の面および前記第2の導体の前記試料側の面の少なくとも一方は、凸面であり、
    前記凸面の曲率半径は、前記第3の導体の直径の1000倍以上であることを特徴とする誘電特性測定治具。
  2. 円板共振器法により試料の誘電特性を測定するために用いられる測定治具であって、
    互いに対向し前記試料を挟持し得る第1の導体および第2の導体と、
    前記試料中に設けられる第3の導体と、
    前記第1の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第1の固定板と、
    前記第2の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第2の固定板と、
    前記第1の固定板と前記第2の固定板とを連結する連結手段と、
    前記第1の固定板と前記第2の固定板との間に介挿され、離間距離を規制するスペーサーと、
    を有し、
    前記第1の導体の前記試料側の面と、前記第2の導体の前記試料側の面と、の離間距離が、部分的に異なっており、
    前記スペーサーと前記第1の固定板との間および前記スペーサーと前記第2の固定板との間に、合計で、前記スペーサーの長さの1/50以下の高さの隙間を有していることを特徴とする誘電特性測定治具。
  3. 円板共振器法により試料の誘電特性を測定するために用いられる測定治具であって、
    互いに対向し前記試料を挟持し得る第1の導体および第2の導体と、
    前記試料中に設けられる第3の導体と、
    前記第1の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第1の固定板と、
    前記第2の導体の前記試料側とは反対側に設けられる第2の固定板と、
    前記第1の固定板と前記第2の固定板とを、前記第1の導体および前記第2の導体よりも外側において連結する連結手段と、
    を有し、
    前記第1の導体と前記第2の導体とが対向する範囲のうち、外側部分における、前記第1の導体の前記試料側の面と、前記第2の導体の前記試料側の面と、の離間距離が、前記範囲のうち、内側部分における前記離間距離に比べて大きくなっていることを特徴とする誘電特性測定治具。
  4. 前記第1の導体および前記第2の導体の構成材料は、銅単体、銅合金、アルミニウム単体、アルミニウム合金、銀合金およびニッケル合金のうちのいずれかを含む請求項3に記載の誘電特性測定治具。
  5. 前記連結手段を複数備える請求項3または4に記載の誘電特性測定治具。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の誘電特性測定治具を備えることを特徴とする誘電特性測定装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の誘電特性測定治具を用いて前記試料の誘電特性を測定することを特徴とする誘電特性測定方法。
JP2017109407A 2017-06-01 2017-06-01 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法 Active JP6941482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017109407A JP6941482B2 (ja) 2017-06-01 2017-06-01 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017109407A JP6941482B2 (ja) 2017-06-01 2017-06-01 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018205065A JP2018205065A (ja) 2018-12-27
JP6941482B2 true JP6941482B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=64955663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017109407A Active JP6941482B2 (ja) 2017-06-01 2017-06-01 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6941482B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7523332B2 (ja) 2020-11-30 2024-07-26 住ベリサーチ株式会社 円板共振器、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04102072A (ja) * 1990-08-22 1992-04-03 Fujikura Ltd フィルムの誘電特性測定方法
JP4065766B2 (ja) * 2002-11-26 2008-03-26 京セラ株式会社 誘電定数測定法
JP2005134185A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Kyocera Corp 測定用治具及び電気的物性値測定法並びに共振器
JP4247992B2 (ja) * 2003-12-12 2009-04-02 京セラ株式会社 半同軸共振器型測定治具及び誘電体薄膜の電気的物性値測定方法
US7026837B2 (en) * 2003-12-30 2006-04-11 Solid State Measurements, Inc. Method and apparatus for determining the dielectric constant of a low permittivity dielectric on a semiconductor wafer
JP4526968B2 (ja) * 2005-02-01 2010-08-18 アイカ工業株式会社 材料定数測定用治具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018205065A (ja) 2018-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010114164A1 (ja) ばね用線材、コンタクトプローブおよびプローブユニット
US10495678B2 (en) Testing method for sheet resistance and contact resistance of connecting point of sheet material
US10135420B2 (en) Quartz crystal blank and quartz crystal resonator unit
JP6941482B2 (ja) 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法
WO2018099633A1 (de) Messwertaufnehmer zum gleichzeitigen messen einer kraft, die sowohl dynamisch als auch statisch sein kann
EP3548856A1 (de) Messwertaufnehmer zum messen einer kraft
Bazilchuk et al. Electromechanical characterization of individual micron-sized metal coated polymer particles
US10009005B2 (en) Quartz crystal blank and quartz crystal resonator unit
US20180097503A1 (en) Quartz crystal blank and quartz crystal resonator unit
US9985604B2 (en) Quartz crystal blank and quartz crystal resonator unit
JP7047157B2 (ja) 誘電特性測定治具、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法
US20180212587A1 (en) Quartz crystal blank and quartz crystal resonator unit
US11262394B2 (en) Method for inspecting piezoelectric element
CN111197956A (zh) 一种应变测量系统和测试方法
JP4035024B2 (ja) 誘電定数測定法
TWI464409B (zh) 探針固持具、探針固持具與探針單元的製造方法
JP4485985B2 (ja) 誘電特性測定方法および導電率測定方法
US10361675B2 (en) Quartz crystal blank and quartz crystal resonator unit
JP5451509B2 (ja) 厚さ測定方法
JP7523332B2 (ja) 円板共振器、誘電特性測定装置および誘電特性測定方法
JP5409500B2 (ja) 厚さ測定方法
JP4526968B2 (ja) 材料定数測定用治具
WO2012029703A1 (ja) 入出力部材、素子収納用パッケージおよび半導体装置
JP2006266944A (ja) 誘電特性測定方法および誘電特性測定用治具
JP7218664B2 (ja) 表面導電率測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6941482

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250