JP6941330B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
一般に、ステアリング機構を備えた草刈り機では、車輪の角度を大きく変化させることで急旋回することができるように構成されているため、車輪を移動(角度変化)させるためのスペースを確保する必要がある。そうすると、このような草刈り機では、車体が比較的大型化してしまい、その結果、作業空間の狭い圃場(例えば、樹体等の障害物が多い場所)で効率よく作業をおこなうことができない、といった問題が生じる。
一方、スキッドステア機構を備えた草刈り機では、左右の車輪を互いに逆回転させることで急旋回できるように構成されているため、左右の車輪をそれぞれ独立して駆動する必要があり、駆動機構が複雑になる、といった問題がある。
すなわち、この「接触態様」では、操向体の接地面が被接地面に接地したとしても、被接地面に対して制動力がほとんど作用しないため、走行車輪によって規定される「所定方向」(例えば、直進方向)に沿って、車体を円滑に走行させることが可能である。
また、この「接触態様」では、被接地面に対して、走行車輪に加え、操向体の接地面も接地させることが可能なため、この点、車体を安定的に走行させることができるものといえる。
すなわち、この「制動態様」では、例えば、単に、被接地面に対する制動力を増減することによって車体の旋回する旋回半径を調整する(車体を「急旋回走行」および「緩旋回走行」させる)ことができるため、操向性能を確実に向上させることが可能である。
また、この「制動態様」では、「接触態様」において、操向体の接地面が被接地面に接触している場合、すぐさま、車体の走行方向を「所定方向」とは異なる方向に変更することが可能なため、この点、走行安定性を保持したまま、レスポンスよく旋回走行させることができるものといえる。
図3に示すように、刈刃部6は、車体2の底面部から下方に立設される回動軸6aと、回動軸6aに固定される円状の回転板6bと、回転板6bの外周端部から径方向外側に向けて突設されるとともに径方向に等間隔に配置される複数(本実施形態では「4個」)の金属刃6cとを有している。
刈刃部6がこのように構成されているため、第1駆動装置4を駆動すると、上記所定距離(例えば、30mm)よりも長い草は、その距離となるように、金属刃6cによって刈られることになる。
図1、図2および図4〜図9に示すように、操向装置10は、左右一対の左側操向機構10Lおよび右側操向機構10Rと、左側操向機構10Lおよび右側操向機構10Rを連結する連結部材20と、連結部材20を揺動自在に駆動する第2駆動装置(例えば、モータ)30とを有している。なお、左側操向機構10Lおよび右側操向機構10Rは左右対称に設けられているため、以下において、右側操向機構10Rの構成について説明し、必要がある場合を除き、左側操向機構10Lについては左側であることを示す「L」の字句を付してその説明を省略する。
下側アーム13Rは、金属部材からなり、下方が開口する断面コ字状または断面中空柱状に形成された本体部13ARを有している。下側アーム13Rの固定端部側は、上側アーム12Rと同様に、扇状に形成され、一対の起立片17R,17Rの間に挟み込まれた状態で、上側アーム12Rの下方で、支持用ピン等によって回動自在に軸支されている。
上下移動アーム14Rは、金属部材からなり、主に、左側が開口する断面コ字状または断面中空柱状に形成されている。
上下移動アーム14Rの上端部側は、上側アーム12Rおよび下側アーム13Rが平行に配置された状態で、これらの自由端部側にそれぞれ回動自在に支持されている。
連結アーム15Rおよびロック片16Rは、何れも、金属部材からなり、板状に形成されている。
図4および図7に示すように、連結アーム15Rは、その上端部側が後側延設片13bRの先端部側に回動自在に支持される一方、その下端部側が後述するロック片16Rに設けられる貫通ピン16bRの後側部分によって回動自在に支持される。
ロック片16Rは、その下端部側に上下方向に延びる長孔16aRと、その上端部側に前後方向に貫通するように設けられる貫通ピン16bRとを有している。
ロック片16Rは、上下移動アーム14Rおよび連結アーム15Rに組み付けられた状態で、貫通ピン16bRの前側部分と後側部分とがそれぞれ上下移動アーム14Rの長孔14AbRと連結アーム15Rの貫通孔とに挿通されるとともに、上下移動アーム14Rのロック片案内ピン14AaRが長孔16aRに挿通されるようになっている。
操向体18Rは、金属部材からなり、地面Gに接地可能な外周面18AaRを有する略円柱状の補助車輪18ARと、外周面18AaRから径方向外側に向けて突出する複数(本実施形態では「8個」)の棒状に形成された突出部18BRとを有している。また、操向体18Rは、操向装置10が車体2に組み付けられた状態で、右側の走行車輪3よりも車幅方向外側に配置される。なお、上記外周面18AaRと、補助車輪18ARと、突出部18BRとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「接地面」と、「補助車輪」と、「突出部」とに該当する。
本実施形態では、4個の走行車輪3が「平坦」な地面Gに接地し、かつ、操向装置10が作動していない状態(図4の状態)で、右側の補助車輪18AR(外周面18AaR)および左側の補助車輪18AL(外周面18AaL)が、地面Gに接地する高さ位置に配置される。
より具体的に説明すると、本実施形態では、補助車輪18AR,18ALは、作業車1が「直進走行」をした際にその走行方向が変更されない程度の接地力(押圧力)で地面Gに接触(以下、便宜上、「軽接触」と称す)するように配置されている。
連結部材20は、第1連結部材21Aと、第1連結部材21Aに接続される右側第2連結部材21BRおよび左側第2連結部材21BLとを有している。
第1延設部21Aaは、その下端部が取付板2Aに対して支持用ピン等により回動自在に軸支される。
第2延設部21Abは、その上端縁のほぼ全域にわたって、円状のギア31と噛み合うギアが形成されている。
なお、本実施形態において、第2駆動装置30の回動軸には、ギア31と同軸上に設けられたウォームホイール(図示省略)と噛み合う円筒状のウォーム30aが取り付けられ、第2駆動装置30の回動軸が所定方向に回転すると、その駆動力が、ウォーム30a、ウォームホイール、ギア31および第2延設部21Abのギアといった順に伝達されて、第1連結部材21Aが左右方向に揺動されるように構成されている。
長孔21BaRに挿通される上側アーム12Rの連結部材支持用ピン12cRは、作業車1が「直進走行」している状態(図4の状態)で、長孔21BaRの右側の開口周縁に当接する位置に配置されるようになっている(図5参照)。
このため、本実施形態では、連結部材支持用ピン12cRが長孔21BaRの右側の開口周縁に当接している状態で、補助車輪18ARが地面Gの凸部に接触すると、連結部材支持用ピン12cRが左側へ向けて移動することになるため、ある程度、その段差を吸収することが可能となっている。この点、本実施形態では、補助車輪18ARによる地面Gの押圧によって生じる、作業車1の意図しない旋回を抑制することができるものといえる。また、連結部材支持用ピン12cRが長孔21BaRの右側の開口周縁に接している状態で、補助車輪18ARが地面Gの凹部上を移動しようとしても、補助車輪18ARが下方へ移動しないため、「直進走行」する作業車1の走行状態に影響を与えることがほとんどない。
図4に示すように、本実施形態では、作業車1が「平坦」な地面G上に停車している状態で、4個の走行車輪3が、地面Gに接地されるほか、補助車輪18AR,18ALも、複数の突出部18BR,18BLの一部が地面Gに突き刺さった状態で地面Gに接地されるようになっている。なお、この状態では、上述したように、補助車輪18AR(外周面18AaR)および補助車輪18AL(外周面18AaL)が地面Gに「軽接触」するように配置される。なお、補助車輪18AR(補助車輪18AL)が地面Gに「軽接触」する態様(補助車輪18AR,18ALによる押圧力が地面Gにほとんど作用しない態様)が、特許請求の範囲に記載の「接触態様」に該当する。
その後、操向装置10の移動が停止されると(第1連結部材21Aが「第1傾斜位置P2」に配置されると)、地面Gには、左側に位置する前後の走行車輪3,3、および、右側の補助車輪18ARが接地された状態となる。なお、上記操向体18Rが地面Gを押圧している状態が、特許請求の範囲に記載の「制動態様」に該当する。
すなわち、この状態では、右側の補助車輪(遊動輪)18ARが地面Gを押圧しながら回転するため、作業車1の車幅方向右側には、「比較的弱め」のブレーキ力(制動力)が地面Gに作用しているものといえる。その結果、作業車1は、地面Gに接地している左側の走行車輪(駆動輪)3,3が駆動することによって、右方向へ緩やかに旋回されるようになる(図10(b)参照)。
その後、操向装置10の移動が停止されると(第1連結部材21Aが「第2傾斜位置P3」に配置されると)、作業車1を「緩旋回走行」させる場合と同様に、地面Gには、左側に位置する前後の走行車輪3,3と右側の操向体18R(補助車輪18AR)のみが接地された状態となる。
この場合、第2駆動装置30(例えば、電動モータ)の回転量を制御することにより、右側操向機構10R(左側操向機構10L)の上下方向の移動量を可変的にすればよい。また、第2駆動装置30の回転量を制御する場合、作業車1の走行速度に応じて、その回転量を決定(例えば、走行速度が速い場合、回転量を少なく(大きく)する)ようにすることも可能である。
また、電磁ブレーキ等を採用した場合、操向装置10の駆動(右側操向機構10Rおよび左側操向機構10Lの上下移動)に応じて電磁ブレーキ等のオン・オフするスイッチを設けてもよく、測距センサや近接センサ等の検知結果に応じて電磁ブレーキ等の駆動を制御することも可能である。この場合、操向体18R(操向体18L)を所定の位置まで下降させた状態で、コントローラ50による制御によって旋回半径が調整(例えば、緩旋回および急旋回の切り換え)されるように構成することも可能である。
さらに、このような旋回半径の調整は、上述したような補助車輪18AR(補助車輪18AL)の制動をオン・オフのみの制御でおこなう場合に限られず、その他の手法でおこなうことも可能である。
旋回半径の調整をその他の手法でおこなう場合として、例えば、上記実施形態において金属部材で一体的に形成したロック片16R,16Lに代えて、上端部側を弾性変形しにくい部材(厚板状の金属部材等)および下端部側を弾性変形しやすい部材(薄板状の金属部材などのバネ部材やプラスチック等)といった複数の部材で形成した板状のロック片を採用することが考えられる。このようなロック片を用いれば、突出部18BR(突出部18BL)に対するロック片の当接量(下方への移動量)に応じて補助車輪18AR(補助車輪18AL)の制動力を調整することが可能である。
また、その他の手法として、上述したような電磁ブレーキ等をPWM制御して制動力を調整することも可能である。
また、上記実施形態では、操向装置10を車体2の後方側に設けたが、車体2の前後方向中央部など他の部分に設けることも可能である。同様に、操向体18R,18Lの配置位置についても、上記実施形態では、走行車輪3の車幅方向外側に設けたが、車幅方向内側に設けてもよい。
2 車体
2A 取付板
2B 支持板
3 走行車輪
3a ホイール
3b タイヤ
4 第1駆動装置
5 ミッション装置
6 刈刃部
6a 回動軸
6b 回転板
6c 金属刃
10 操向装置
10R 右側操向機構
10L 左側操向機構
11R,11L リンク機構
12R,12L 上側アーム
12AR,12AL 本体部
12aR,12aL 延設片
12bR,12bL 起立片
12cR,12cL 連結部材支持用ピン
13R,13L 下側アーム
13AR,13AL 本体部
13aR,13aL 前側延設片
13bR,13bL 後側延設片
14R,14L 上下移動アーム
14AR,14AL 本体部
14AaR,14AaL ロック片案内ピン
14AbR,14AbL 長孔
14BR,14BL 支持体
15R,15L 連結アーム
16R,16L ロック片
16aR,16aL 長孔
16bR,16bL 貫通ピン
17R,17L 起立片
18R,18L 操向体
18AR,18AL 補助車輪
18AaR,18AaL 外周面
18BR,18BL 突出部
18CR,18CL 回転軸
20 連結部材
21A 第1連結部材
21Aa 第1延設部
21Ab 第2延設部
21BR 右側第2連結部材
21BaR 長孔
21BL 左側第2連結部材
21BaL 長孔
30 第2駆動装置
30a ウォーム
31 ギア
50 コントローラ
51 リモコン
G 地面
P1 鉛直位置
P2 第1傾斜位置
P3 第2傾斜位置
θ1 第1角度
θ2 第2角度
Claims (8)
- 車体に走行車輪が設けられた作業車であって、
前記車体の走行方向を変更する操向装置を備え、
前記操向装置は、
前記車体の幅方向両側に一対設けられ、被接地面に接地可能な接地面が設けられた操向体と、
前記被接地面に対して制動力を作用させる制動機構と、を有し、
前記被接地面に対して前記接地面を前記車体の走行方向を変更しない程度に接触させる接触態様と、前記制動機構によって前記被接地面に制動力を作用させることにより前記車体の走行方向を変更させる制動態様との間で変化可能に構成され、
前記接触態様において、一対の前記操向体の各前記接地面が共に前記被接地面に接触する、
ことを特徴とする作業車。 - 前記制動機構は、前記操向体を上下方向に移動させる移動機構を含み、
前記制動態様は、前記移動機構によって前記操向体を前記被接地面に押圧させることにより前記被接地面に制動力を作用させる態様を含むことを特徴とする請求項1に記載の作業車。 - 前記制動態様は、前記被接地面に対する前記操向体の押圧量に応じて前記被接地面に対する制動力を可変させる態様を含むことを特徴とする請求項2に記載の作業車。
- 前記操向体は、前記被接地面上を転動可能な補助車輪であり、
前記制動態様は、前記補助車輪を制動することによって前記被接地面に制動力を作用させる態様を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の作業車。 - 前記補助車輪は、前記接地面から径方向外側に向けて突出する突出部を有し、
前記制動機構は、
前記突出部に対して当接する当接位置と離間する離間位置との間で移動自在な当接部材を有し、
前記当接部材を前記当接位置に移動させることにより前記補助車輪を制動することを特徴とする請求項4に記載の作業車。 - 前記制動機構は、各前記操向体に対応して一対設けられ、
前記制動態様において、前記操向装置は、一対の前記制動機構のうちの何れか一方のみが前記被接地面に対して制動力を作用させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の作業車。 - 前記走行車輪は、前記車体の幅方向両側に一対設けられ、
一対の前記操向体および前記制動機構は、それぞれ、一対の前記走行車輪に対応して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の作業車。 - 前記制動態様において、一対の前記操向体が連動し、一方の前記操向体と他方の前記操向体とが互いに異なる方向に移動することで前記作業車を旋回させる、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の作業車。
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JP2017183859A Active JP6941330B2 (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 作業車 |
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2017
- 2017-09-25 JP JP2017183859A patent/JP6941330B2/ja active Active
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