図1、図2A、及び、図2Bを用いて、マルチプロジェクションシステムの構成例を説明する。図1に示すように、マルチプロジェクションシステム1は複数のプロジェクタPJと複数の遮光板10とを備える。プロジェクタPJは画像IMをスクリーンSRNに投影する。図1では2台のプロジェクタPJが水平方向に配置されている状態を示している。2台のプロジェクタPJを区別するため、左側のプロジェクタPJをプロジェクタPJaとし、右側のプロジェクタPJをプロジェクタPJbとする。
遮光板10はプロジェクタPJとスクリーンSRNとの間に配置されている。遮光板10はプロジェクタPJごとに配置されている。プロジェクタPJaに対応する遮光板10を遮光板10aとし、プロジェクタPJbに対応する遮光板10を遮光板10bとする。
図2A、及び、図2Bでは、スクリーンSRNに表示される投影画像の明るさを濃淡で示している。なお、図2A、及び、図2Bでは、投影画像を見やすくするためにプロジェクタPJa及びPJb、及び、スクリーンSRNのみを示している。
図2Aに示すように、プロジェクタPJaは画像IMaをスクリーンSRNに投影する。図1に示すように、遮光板10aは、画像IMaの一部の領域を遮光するようにプロジェクタPJaに対応して配置されている。具体的には遮光板10aは、画像IMaの右側の領域が遮光板10aにかかるように配置されている。従って、プロジェクタPJaは遮光板10aによる影を画像IMaの一部としてスクリーンSRNに投影する。
スクリーンSRNに投影される画像IMaは、遮光板10aにかかる領域が遮光板10aによる影の領域に対応する。画像IMaの右側の領域は、遮光板10aによって遮光される度合いが右端に向かって大きくなる。従って、スクリーンSRNに投影される画像IMaは、遮光板10aによる影の度合いが右端に向かって大きくなる。そのため、スクリーンSRNに投影される画像IMaは、右側の領域IMRaが右端に向かって連続的に暗くなる。スクリーンSRNに投影された画像IMaを投影画像PIMaとする。
図2Aに示すように、プロジェクタPJbは画像IMbをスクリーンSRNに投影する。図1に示すように、遮光板10bは、画像IMbの一部の領域を遮光するようにプロジェクタPJbに対応して配置されている。具体的には遮光板10bは、画像IMbの左側の領域が遮光板10bにかかるように配置されている。従って、プロジェクタPJbは遮光板10bによる影を画像IMbの一部としてスクリーンSRNに投影する。
スクリーンSRNに投影される画像IMbは、遮光板10bにかかる領域が遮光板10bによる影の領域に対応する。画像IMbの左側の領域は、遮光板10bによって遮光される度合いが左端に向かって大きくなる。従って、スクリーンSRNに投影される画像IMbは、遮光板10bによる影の度合いが左端に向かって大きくなる。そのため、スクリーンSRNに投影される画像IMbは、左側の領域IMRbが左端に向かって連続的に暗くなる。スクリーンSRNに投影された画像IMbを投影画像PIMbとする。
図1または図2Bに示すように、プロジェクタPJaとプロジェクタPJbとは、投影画像PIMaの右側の領域IMRaと投影画像PIMbの左側の領域IMLbとが重なるように、画像IMaと画像IMbとをスクリーンSRNに投影する。
即ち、マルチプロジェクションシステム1は、複数の投影画像PIMにおいて遮光板10により遮光させる一部の領域同士、具体的には投影画像PIMaにおいて遮光板10aにかかる領域IMRaと投影画像PIMbにおいて遮光板10bにかかる領域IMLbとが重なるように、複数のプロジェクタPJa及びPJbが投影する画像IMa及びIMbをマルチ投影画像MPIMとしてスクリーンSRNに表示する。
従って、マルチプロジェクションシステム1は、遮光板10a及び10bにより投影画像PIMaと投影画像PIMbとの重なり領域の明るさがそれ以外の領域の明るさと同じになるように光学的エッジブレンディング処理されたマルチ投影画像MPIMをスクリーンSRNに表示させることができる。
[第1実施形態]
図3を用いて、プロジェクタPJの構成例を説明する。図3に示す第1実施形態のプロジェクタ100は、図1、図2A、及び、図2Bに示すプロジェクタPJ(PJa及びPJb)に相当する。プロジェクタ100は、光源101と、蛍光体102と、ダイクロイックミラー120と、レンズ131〜137と、反射ミラー141〜143と、位相差板103と、偏光変換素子150とを備える。第1実施形態において位相差板103を第1の位相差板とする。
さらにプロジェクタ100は、ダイクロイックミラー105及び106と、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bと、画像表示素子108R、108G、及び、108Bと、色合成プリズム109と、絞り110と、投射レンズ111とを備える。第1実施形態では、ダイクロイックミラー120を第1のダイクロイックミラーとし、ダイクロイックミラー105を第2のダイクロイックミラーとし、ダイクロイックミラー106を第3のダイクロイックミラーとする。
光源101は、複数の青色レーザ素子BLが配列されたアレイ構造を有する青色レーザ光源である。光源101は複数の青色レーザ素子BLから青色レーザ光をそれぞれ射出する。青色レーザ光はs偏光またはp偏光の直線偏光である。図3は、青色レーザ光がs偏光の直線偏光である場合を示している。青色レーザ光はダイクロイックミラー120に照射される。第1実施形態では、光源101を第1の照明光源とし、青色レーザ光を第1の照明光とする。また、s偏光を第1の偏光とし、p偏光を第2の偏光とする。
ダイクロイックミラー120は、青色レーザ光の偏光方向がダイクロイックミラー120に対してs偏光となる向きに配置されている。ダイクロイックミラー120は、青色レーザ光に対してs偏光を反射し、p偏光を透過する光学特性を有する。レンズ131は例えば集光レンズである。光源101から射出された青色レーザ光はダイクロイックミラー120により反射され、さらにレンズ131により集光されて蛍光体102に照射される。
蛍光体102は蛍光層と反射面とを有する。蛍光層は、光源101から照射された光のエネルギ、具体的には光源101から照射された青色レーザ光のエネルギ強度に応じた強度の赤色帯域の成分と緑色帯域の成分とを含む黄色照明光を生成する。反射面は、蛍光層を透過した青色レーザ光と蛍光層により生成された黄色照明光とを反射する。
第1実施形態では、蛍光体102を第2の照明光源とし、黄色照明光を第2の照明光とする。従って、プロジェクタ100は、複数の照明光源として第1の照明光源である光源101(青色レーザ素子BL)と第2の照明光源である蛍光体102とを有する。
蛍光体102により生成された蛍光である黄色照明光は、レンズ131を介してダイクロイックミラー120に照射される。青色レーザ光の一部は、蛍光体102により拡散されて複数の偏光が混ざったランダム偏光となり、レンズ131を介してダイクロイックミラー120に照射される。即ち、ダイクロイックミラー120は、青色レーザ光及び黄色照明光の光路上に配置されている。ダイクロイックミラー120は、黄色照明光を透過する光学特性を有する。
図4Aはダイクロイックミラー120の構成例を示している。図4Aは、ダイクロイックミラー120を光源101とは反対側から見た状態、即ち、図3においてダイクロイックミラー120を下側から見た状態を示している。ダイクロイックミラー120は、特定偏光反射領域120Rと透過領域120Tとを有する。
特定偏光反射領域120Rは、青色レーザ光におけるs偏光を反射し、青色レーザ光におけるp偏光と黄色照明光とを透過させる。透過領域120Tは青色レーザ光におけるs偏光とp偏光とを含む全ての偏光と黄色照明光とを透過させる。
特定偏光反射領域120Rは青色レーザ素子BLの光軸BLA上に配置されている。特定偏光反射領域120Rは、青色レーザ光の光束幅よりも大きい面積となるように形成されている。従って、複数の青色レーザ素子BLから射出された全ての青色レーザ光は、ダイクロイックミラー120によりレンズ131に向けて反射する。さらに青色レーザ光は、レンズ131により集光され、蛍光体102に照射される。
特定偏光反射領域120Rは、蛍光体102からレンズ131を介して照射される拡散光の光束幅よりも小さい面積となるように形成されている。蛍光体102から特定偏光反射領域120Rに照射される青色レーザ光のうち、p偏光成分は特定偏光反射領域120Rを透過し、s偏光成分は特定偏光反射領域120Rにより反射され、光源101へ戻される。蛍光体102から透過領域120Tに照射される青色レーザ光は、透過領域120Tを透過する。ダイクロイックミラー120を透過した青色レーザ光を青色照明光とする。
蛍光体102からレンズ131を介してダイクロイックミラー120に照射される黄色照明光は、特定偏光反射領域120R、及び、透過領域120Tを透過する。図4Bに示すように、ダイクロイックミラー120は、特定偏光反射領域120Rが青色レーザ素子BLの光軸BLA上にそれぞれ配置され、特定偏光反射領域120R以外の領域を透過領域120Tとする構成としてもよい。
ダイクロイックミラー120は、ガラス板またはプリズム等の透明材料の所定の領域に例えば誘電体多層膜を形成することにより作製することができる。誘電体多層膜が形成されている領域が特定偏光反射領域120Rとなる。誘電体多層膜を構成する誘電体の材質及び膜厚に応じて特定偏光反射領域120Rの光学特性を設定することができる。
図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、及び、図8Bを用いて、青色照明光、及び、黄色照明光がダイクロイックミラー120を透過した位置Paにおける青色照明光と黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光との明るさの分布について説明する。なお、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、及び、図8Bは、ダイクロイックミラー120が図4Aに示す形状を有する場合を示している。
図5Aは、位置Paにおいて、黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図5Bは、図5Aに示すA1−A1における赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。赤色照明光は黄色照明光に含まれる赤色帯域の成分により構成され、緑色照明光は黄色照明光に含まれる緑色帯域の成分により構成されている。
黄色照明光はダイクロイックミラー120の特定偏光反射領域120R、及び、透過領域120Tを透過する。従って、位置Paでは、図5Aまたは図5Bに示すように、赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は均一である。位置Paにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度をBR1とする。
図6Aは、図5Aに対応し、青色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図6Bは、図6Aに示すA2−A2における青色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図7Aは、図6Aに対応し、青色照明光におけるs偏光の明るさの分布を濃淡で示している。図7Bは、図7Aに示すA3−A3における青色照明光のs偏光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図8Aは、図6Aに対応し、青色照明光におけるp偏光の明るさの分布を濃淡で示している。図8Bは、図8Aに示すA4−A4における青色照明光のp偏光の明るさの分布を光強度の分布として示している。
青色照明光におけるs偏光は、ダイクロイックミラー120の透過領域120Tを透過し、特定偏光反射領域120Rでは反射する。そのため、青色照明光におけるs偏光は、結果的に特定偏光反射領域120Rにより遮光される。従って、位置Paでは、青色照明光におけるs偏光は、図7Aに示すように、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が遮光され、かつ、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光におけるs偏光は、図7Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR1よりも小さい光強度BR2(BR2<BR1)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR2よりも小さい光強度BR3(BR2>BR3=0)を有する。
青色照明光におけるp偏光は、ダイクロイックミラー120の特定偏光反射領域120R、及び、透過領域120Tを透過する。従って、位置Paでは、図8Aに示すように、青色照明光におけるp偏光は赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、明るさ(光強度)の分布が均一である。即ち、青色照明光におけるp偏光は、図8Bに示すように、位置Paでは、赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR1よりも小さい光強度BR4(BR4<BR1)を有する。
従って、図7A及び図7Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するs偏光と図8A及び図8Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するp偏光とを含む青色照明光は、図6Aに示すように、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光と同じ明るさであり、かつ、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光は、図6Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR1と同じ光強度BR5(BR5=BR1)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR5よりも小さい光強度BR6(BR6<BR5)を有する。位置Paにおける青色照明光の光強度BR5と光強度BR6との差分を光強度差BRDaとする。
図3に示すレンズ132及び133は例えばフライアイレンズである。図3に示すように、ダイクロイックミラー120を透過した青色照明光、及び、黄色照明光は、反射ミラー141により反射する。さらに青色照明光、及び、黄色照明光は、レンズ132及び133によって、画像表示素子108R、108G、及び108Bに照射される赤色照明光、緑色照明光、青色照明光の照明分布を均一化する。
位相差板103は、青色照明光、及び、黄色照明光の光路上においてダイクロイックミラー120と偏光変換素子150との間に配置されている。図3は、位相差板103がレンズ132とレンズ133との間に配置されている状態を一例として示している。位相差板103は直線偏光を円偏光に変換する方向に配置されている。位相差板103は例えばλ/4位相差板である。
図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、及び、図12Bを用いて、青色照明光、及び、黄色照明光が位相差板103を透過した位置Pbにおける青色照明光と黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光との明るさの分布について説明する。図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、及び、図12Bは、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、及び、図8Bにそれぞれ対応する。
図9Aは、黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図9Bは、図9Aに示すA5−A5における赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。位置Pbでは、図9Aに示すように、赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は均一である。図9Bに示すように、位置Pbにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度をBR7とする。
図10Aは、図9Aに対応し、青色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図10Bは、図10Aに示すA6−A6における青色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図11Aは、図10Aに対応し、青色照明光におけるs偏光の明るさの分布を濃淡で示している。図11Bは、図11Aに示すA7−A7における青色照明光のs偏光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図12Aは、図10Aに対応し、青色照明光におけるp偏光の明るさの分布を濃淡で示している。図12Bは、図12Aに示すA8−A8における青色照明光のp偏光の明るさの分布を光強度の分布として示している。
位相差板103は、直線偏光である青色照明光を円偏光に変換する。位相差板103は、青色照明光を円偏光に変換することにより、図11A及び図12Aに示すように、青色照明光におけるs偏光とp偏光とを同じ明るさ(光強度)の分布にすることができる。青色照明光におけるs偏光、及び、p偏光は、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が透過領域120Tに対応する領域よりもさらに暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光におけるs偏光は、図11Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR7よりも小さい光強度BR8(BR8<BR7)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR8よりも小さい光強度BR9(BR9<BR8)を有する。
青色照明光におけるp偏光は、図12Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR7よりも小さい光強度BR10(BR10<BR7)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR10よりも小さい光強度BR11(BR11<BR10)を有する。
従って、図11A及び図11Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するs偏光と図12A及び図12Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するp偏光とを含む青色照明光は、図10Aに示すように、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光と同じ明るさであり、かつ、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光は、図10Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR7と同じ光強度BR12(BR12=BR7)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR12よりも小さい光強度BR13(BR13<BR12)を有する。位置Pbにおける青色照明光の光強度BR12と光強度BR13との差分を光強度差BRDbとする。
位置Pbにおいて、青色照明光におけるs偏光の光強度BR8及びBR9とp偏光の光強度BR10及びBR11とをそれぞれ同じ値にすることが好ましい。青色照明光がダイクロイックミラー120を透過した位置Paと位相差板103を透過した位置Pbとでは、光強度差BRDaと光強度差BRDbとはほぼ同じ値である。
図3に示すように、偏光変換素子150は、位相差板103を透過した青色照明光、及び、黄色照明光の光路上に配置されている。位相差板103を透過した青色照明光、及び、黄色照明光は偏光変換素子150に入射する。
図13は、偏光変換素子150の構成例を示している。偏光変換素子150は、偏光ビームスプリッタ151と位相差板152とを有する。第1実施形態において位相差板152を第2の位相差板とする。偏光ビームスプリッタ151は、s偏光及びp偏光のいずれか一方を反射し、他方を透過させる。図13は、偏光ビームスプリッタ151がs偏光を反射し、p偏光を透過させる状態を示している。
位相差板152はs偏光及びp偏光のいずれか一方を他方に変換する。図13は、位相差板152がs偏光をp偏光に変換する状態を示している。位相差板152は例えばλ/2位相差板である。ダイクロイックミラー120の特定偏光反射領域120Rと偏光変換素子150の位相差板152とは対応している。
図14A、図14B、図15A、図15B、図16A、図16B、図17A、及び、図17Bを用いて、青色照明光、及び、黄色照明光が偏光変換素子150を透過した位置Pcにおける青色照明光と黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光との明るさの分布について説明する。位置Pcは照明瞳の位置に相当する。図14A、図14B、図15A、図15B、図16A、図16B、図17A、及び、図17Bは、図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、及び、図12Bにそれぞれ対応する。
図14Aは、黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図14Bは、図14Aに示すA9−A9における赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。黄色照明光は偏光変換素子150によってp偏光に揃えられる。照明瞳(位置Pc)では、図14Aに示すように、赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は均一である。図14Bに示すように、照明瞳における赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度をBR14とする。
図15Aは、図14Aに対応し、照明瞳(位置Pc)における青色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図15Bは、図15Aに示すA10−A10における青色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図16A及び図17Aは、図15Aに対応し、青色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図16Bは、図16Aに示すA11−A11における青色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図17Bは、図17Aに示すA12−A12における青色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。
図16A及び図16Bは図11A及び図11Bに対応する。図16A及び図16Bに示す青色照明光の明るさ(光強度)の分布は、偏光変換素子150に入射する青色照明光におけるs偏光の明るさ(光強度)の分布に対応している。図17A及び図17Bは図12A及び図12Bに対応する。図17A及び図17Bに示す青色照明光の明るさ(光強度)の分布は、偏光変換素子150に入射する青色照明光におけるp偏光の明るさ(光強度)の分布に対応している。
図13に示すように、偏光変換素子150はp偏光を透過させる。偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるp偏光は、図17Aに示すように、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が透過領域120Tに対応する領域よりも暗い明るさ(光強度)の分布を有して偏光変換素子150を透過する。
即ち、偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるp偏光は、図17Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR14よりも小さい光強度BR19(BR19<BR14)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR19よりも小さい光強度BR20(BR20<BR19)を有して偏光変換素子150を透過する。
図13に示すように、偏光変換素子150は、偏光変換素子150に入射したs偏光を偏光ビームスプリッタ151内で反射させることにより、s偏光の光軸を反射方向にシフトさせる。偏光変換素子150は、s偏光を位相差板152によりp偏光に変換する。従って、青色照明光は偏光変換素子150によってp偏光に揃えられる。
図16A及び図16Bに示すように、偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるs偏光は、図11A及び図11Bに示す明るさ(光強度)の分布が偏光変換素子150によって反射方向にシフトした明るさ(光強度)の分布を有するp偏光の青色照明光となって偏光変換素子150から射出される。
偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるs偏光は、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が透過領域120Tに対応する領域よりも暗い明るさ(光強度)の分布を有するp偏光の青色照明光となって偏光変換素子150から射出される。
即ち、偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるs偏光は、図16Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR14よりも小さい光強度BR17(BR17<BR14)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR17よりも小さい光強度BR18(BR18<BR17)を有するp偏光の青色照明光となって偏光変換素子150から射出される。
従って、偏光変換素子150によってp偏光に揃えられた青色照明光は、図15Aに示すように、透過領域120Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光と同じ明るさであり、かつ、特定偏光反射領域120Rに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、偏光変換素子150から射出される青色照明光は、図15Bに示すように、透過領域120Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR14と同じ光強度BR15(BR15=BR14)を有し、特定偏光反射領域120Rに対応する領域では透過領域120Tに対応する領域の光強度BR15よりも小さい光強度BR16(BR16<BR15)を有する。照明瞳(位置Pc)における青色照明光の光強度BR15と光強度BR16との差分を光強度差BRDcとする。
プロジェクタ100及びプロジェクタ100を用いたマルチプロジェクションシステム1では、光源101を構成する複数の青色レーザ素子BLから射出される青色照明光を位相差板103によって直線偏光から円偏光に変換し、さらに偏光変換素子150によって青色照明光におけるp偏光を透過させ、s偏光の光軸をシフトさせる。
従って、プロジェクタ100及びマルチプロジェクションシステム1によれば、照明瞳(位置Pc)における青色照明光の光強度差BRDcを、位置Pa及びPbにおける青色照明光の光強度差BRDa及びBRDbよりも小さくすることができるので、青色照明光の明るさのばらつきを低減することができる。
図3に示すように、ダイクロイックミラー105は、偏光変換素子150を透過した青色照明光、及び、黄色照明光の光路上に配置されている。偏光変換素子150によってP偏光に揃えられた青色照明光、及び、黄色照明光は、レンズ134を介してダイクロイックミラー105に照射される。レンズ134は例えば集光レンズである。ダイクロイックミラー105は、入射した青色照明光と黄色照明光とを分離する。
ダイクロイックミラー105によって分離された黄色照明光YLLは、反射ミラー142により反射する。ダイクロイックミラー106は黄色照明光YLLの光路上に配置されている。反射ミラー142により反射した黄色照明光YLLはダイクロイックミラー106に照射される。ダイクロイックミラー106は、分離波長を分離境界として、入射した光を反射と透過によって分離する。
ダイクロイックミラー106は、黄色照明光YLLを、赤色帯域の成分を含む赤色照明光RLLと緑色帯域の成分を含む緑色照明光GLLとに分離する。図3では、ダイクロイックミラー106は、入射した黄色照射光YLLに対して緑色照明光GLLを反射し、赤色照明光RLLを透過させることにより、緑色照明光GLLと赤色照明光RLLとに分離する。ここで、緑色照明光GLLの反射率と赤色照明光RLLの透過率は、分離波長を境界として短波長側が反射率100%、長波長側が透過率100%になる。
分離波長の付近の波長では、緑色照明光GLLの反射率と赤色照明光RLLの透過率が小さくなるため、分離境界には、分離波長を中心とした幅があると言える。この分離境界の幅によって、赤色照明光RLLには緑色の波長帯域の成分が含まれ、緑色照明光GLLには赤色の波長帯域の成分が含まれる。分離境界の幅がないことが光エネルギの利用効率の観点で理想的である。
ダイクロイックミラー106によって分離された赤色照明光RLLは、レンズ135を介して反射型偏光板107Rに照射される。ダイクロイックミラー106によって分離された緑色照明光GLLは、レンズ136を介して反射型偏光板107Gに照射される。ダイクロイックミラー105によって分離された青色照明光BLLは、反射ミラー143により反射し、レンズ137を介して反射型偏光板107Bに照射される。
反射型偏光板107R、107G、及び、107Bは、s偏光及びp偏光のいずれか一方を反射し、他方を透過させる。図3は、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bがs偏光を反射し、p偏光を透過させる状態を示している。反射型偏光板107R、107G、及び、107Bとしてワイヤグリッドを用いてもよい。p偏光である赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLは、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bをそれぞれ透過し、画像表示素子108R、108G、及び、108Bにそれぞれ照射される。
画像表示素子108Rは、赤色の成分の画像データに基づいて赤色照明光RLLを光変調し、s偏光の赤色画像光RMLを生成する。画像表示素子108Gは、緑色の成分の画像データに基づいて緑色照明光GLLを光変調し、s偏光の緑色画像光GMLを生成する。画像表示素子108Bは、青色の成分の画像データに基づいて青色照明光BLLを光変調し、s偏光の青色画像光BMLを生成する。即ち、画像表示素子108Rは赤色画像用光変調素子として機能し、画像表示素子108Gは緑色画像用光変調素子として機能し、画像表示素子108Bは青色画像用光変調素子として機能する。
画像表示素子108R、108G、及び、108Bによって生成された赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLは、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bによってそれぞれ反射し、色合成プリズム109に照射される。色合成プリズム109は、赤色画像光RML、及び、青色画像光BMLを反射し、緑色画像光GMLを透過させることにより、赤色画像光RMLと緑色画像光GMLと青色画像光BMLとを合成する。
色合成プリズム109により合成された赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLは、図1または図3に示すように、絞り110及び投射レンズ111を介してスクリーンSRN等へ投射される。これにより、プロジェクタ100は、赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLが合成されたフルカラーの画像IMをスクリーンSRN等に表示する。
図3に示すように、絞り110の位置Pdは投射瞳の位置に相当する。照明瞳と投射瞳とは共役の関係を有する。従って、投射瞳の位置に相当する位置Pdにおける赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLの明るさの分布は、照明瞳の位置に相当する位置Pcにおける赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLの明るさの分布に対応する。
位相差板103が配置されていない状態を比較例とする。比較例では、投射瞳の位置に相当する位置Pdにおける赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLの明るさの分布は、位置Paにおける赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLの明るさの分布に対応する。
従って、プロジェクタ100及びマルチプロジェクションシステム1によれば、青色照明光BLLを位相差板103によって円偏光に変換し、さらに偏光変換素子150によって青色照明光のs偏光の光軸をシフトさせることにより、比較例に対して投射瞳における青色画像光BLLの明るさのばらつきを低減することができる。
よって、プロジェクタ100及びマルチプロジェクションシステム1によれば、投射瞳における青色画像光BLLの明るさのばらつきを低減することにより、遮光板10によって生じる色分布を低減することができる。プロジェクタ100及びマルチプロジェクションシステム1によれば、プロジェクタ100が複数の照明光源である青色レーザ素子BLと蛍光体102とを有する場合において、マルチ投影画像の品位の悪化を抑制することができる。
[第2実施形態]
図18を用いて、プロジェクタPJの構成例を説明する。図18に示す第2実施形態のプロジェクタ200は、図1、図2A、及び、図2Bに示すプロジェクタPJ(PJa及びPJb)に相当する。図18は図3に対応する。説明をわかりやすくするために、第1実施形態のプロジェクタ100と同じ構成部には同じ符号を付す。
第2実施形態のプロジェクタ200は、第1実施形態のプロジェクタ100と比較して、ダイクロイックミラー120に対応するダイクロイックミラー220の構成、及び、ダイクロイックミラー220に対する光源101と蛍光体102との位置関係が異なる。
図18に示すように、プロジェクタ200は、光源101と、蛍光体102と、ダイクロイックミラー220と、レンズ131〜137と、反射ミラー141〜143と、位相差板103と、偏光変換素子150とを備える。第2実施形態において位相差板103を第1の位相差板とする。
さらにプロジェクタ200は、ダイクロイックミラー105及び106と、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bと、画像表示素子108R、108G、及び、108Bと、色合成プリズム109と、絞り110と、投射レンズ111とを備える。
第2実施形態では、ダイクロイックミラー220を第1のダイクロイックミラーとし、ダイクロイックミラー105を第2のダイクロイックミラーとし、ダイクロイックミラー106を第3のダイクロイックミラーとする。
光源101は複数の青色レーザ素子BLから青色レーザ光をそれぞれ射出する。青色レーザ光はs偏光またはp偏光の直線偏光である。図18は、青色レーザ光がp偏光の直線偏光である場合を示している。青色レーザ光はダイクロイックミラー220に照射される。第2実施形態では、光源101を第1の照明光源とし、青色レーザ光を第1の照明光とする。また、s偏光を第1の偏光とし、p偏光を第2の偏光とする。
ダイクロイックミラー220は、青色レーザ光の偏光方向がダイクロイックミラー220に対してs偏光となる向きに配置されている。ダイクロイックミラー220は、青色レーザ光に対してs偏光を反射し、p偏光を透過する光学特性を有する。光源101から射出された青色レーザ光はダイクロイックミラー220を透過し、さらにレンズ131により集光されて蛍光体102に照射される。
蛍光体102は蛍光層と反射面とを有する。蛍光層は、光源101から照射された光のエネルギ、具体的には光源101から照射された青色レーザ光のエネルギ強度に応じた強度の赤色帯域の成分と緑色帯域の成分とを含む黄色照明光を生成する。反射面は、蛍光層を透過した青色レーザ光と蛍光層により生成された黄色照明光とを反射する。
第2実施形態では、蛍光体102を第2の照明光源とし、黄色照明光を第2の照明光とする。従って、プロジェクタ200は、複数の照明光源として第1の照明光源である光源101(青色レーザ素子BL)と第2の照明光源である蛍光体102とを有する。
蛍光体102により生成された蛍光である黄色照明光は、レンズ131を介してダイクロイックミラー220に照射される。青色レーザ光の一部は、蛍光体102により拡散されて複数の偏光が混ざったランダム偏光となり、レンズ131を介してダイクロイックミラー220に照射される。即ち、ダイクロイックミラー220は、青色レーザ光及び黄色照明光の光路上に配置されている。ダイクロイックミラー220は、黄色照明光を反射する光学特性を有する。
図19Aはダイクロイックミラー220の構成例を示している。図19Aは、ダイクロイックミラー220を光源101とは反対側から見た状態、即ち、図18においてダイクロイックミラー220を下側から見た状態を示している。ダイクロイックミラー220は、特定偏光反射領域220Rと全反射領域220Tとを有する。
特定偏光反射領域220Rは、青色レーザ光におけるp偏光を透過させ、青色レーザ光におけるs偏光と黄色照明光とを反射する。全反射領域220Tは青色レーザ光におけるs偏光とp偏光とを含む全ての偏光と黄色照明光とを反射する。
特定偏光反射領域220Rは青色レーザ素子BLの光軸BLA上に配置されている。特定偏光反射領域220Rは、青色レーザ光の光束幅よりも大きい面積となるように形成されている。従って、複数の青色レーザ素子BLから射出された全ての青色レーザ光は、ダイクロイックミラー220を透過し、レンズ131に照射される。さらに青色レーザ光は、レンズ131により集光され、蛍光体102に照射される。
特定偏光反射領域220Rは、蛍光体102からレンズ131を介して照射される拡散光の光束幅よりも小さい面積となるように形成されている。蛍光体102から特定偏光反射領域220Rに照射される青色レーザ光のうち、s偏光成分は特定偏光反射領域220Rにより反射ミラー141に向けて反射する。蛍光体102から特定偏光反射領域220Rに照射される青色レーザ光のうち、p偏光成分は特定偏光反射領域120Rを透過し、光源101へ戻される。
蛍光体102から全反射領域220Tに照射される青色レーザ光は、全反射領域220Tにより反射ミラー141に向けて反射する。ダイクロイックミラー220により反射ミラー141に向けて反射した青色レーザ光を青色照明光とする。
蛍光体102からレンズ131を介してダイクロイックミラー220に照射される黄色照明光は、特定偏光反射領域220R、及び、全反射領域220Tにより反射ミラー141に向けて反射する。図19Bに示すように、ダイクロイックミラー220は、特定偏光反射領域220Rが青色レーザ素子BLの光軸BLA上にそれぞれ配置され、特定偏光反射領域220R以外の領域を全反射領域220Tとする構成としてもよい。
ダイクロイックミラー220は、ガラス板またはプリズム等の透明材料を用いて、特定偏光反射領域220Rとなる領域に例えば誘電体多層膜を形成し、全反射領域220Tとなる領域に例えば金属膜または誘電体多層膜等の反射膜を形成することにより作製することができる。誘電体多層膜を構成する誘電体の材質及び膜厚に応じて特定偏光反射領域120Rの光学特性を設定することができる。
図20A、図20B、図21A、図21B、図22A、図22B、図23A、及び、図23Bを用いて、青色照明光、及び、黄色照明光がダイクロイックミラー220により反射した位置Peにおける青色照明光と黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光との明るさの分布について説明する。なお、図20A、図20B、図21A、図21B、図22A、図22B、図23A、及び、図23Bは、ダイクロイックミラー220が図19Aに示す形状を有する場合を示している。
図18に示す位置Peは図3に示す位置Paに相当する。位置Peにおいて特定偏光反射領域220Rに対応する領域は位置Paにおいて特定偏光反射領域120Rに対応する領域に相当する。位置Peにおいて全反射領域220Tに対応する領域は位置Paにおいて透過領域120Tに対応する領域に相当する。
図20Aは、位置Peにおいて、黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図21Bは、図20Aに示すA21−A21における赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。赤色照明光は黄色照明光に含まれる赤色帯域の成分により構成され、緑色照明光は黄色照明光に含まれる緑色帯域の成分により構成されている。
黄色照明光はダイクロイックミラー220の特定偏光反射領域220R、及び、全反射領域220Tを反射する。従って、位置Peでは、図20Aまたは図20Bに示すように、赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は均一である。位置Peにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度をBR21とする。
図20A及び図20Bに示す赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は、図5A及び図5Bに示す赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布に相当する。位置Peにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR21は、位置Paにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR1に相当する。
図21Aは、図20Aに対応し、青色照明光の明るさの分布を濃淡で示している。図21Bは、図21Aに示すA22−A22における青色照明光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図22Aは、図21Aに対応し、青色照明光におけるs偏光の明るさの分布を濃淡で示している。図22Bは、図22Aに示すA23−A23における青色照明光のs偏光の明るさの分布を光強度の分布として示している。図23Aは、図21Aに対応し、青色照明光におけるp偏光の明るさの分布を濃淡で示している。図23Bは、図23Aに示すA24−A24における青色照明光のp偏光の明るさの分布を光強度の分布として示している。
青色照明光におけるs偏光は、ダイクロイックミラー220の特定偏光反射領域220R、及び、全反射領域220Tを反射する。従って、位置Peでは、図22Aに示すように、青色照明光におけるs偏光は赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、明るさ(光強度)の分布が均一である。即ち、青色照明光におけるs偏光は、図22Bに示すように、位置Peでは、赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR21よりも小さい光強度BR22(BR22<BR21)を有する。
図22A及び図22Bに示す青色照明光におけるs偏光の明るさ(光強度)の分布は、図8A及び図8Bに示す青色照明光におけるp偏光の明るさ(光強度)の分布に相当する。位置Peにおける青色照明光のs偏光の光強度BR22は、位置Paにおける青色照明光のp偏光の光強度BR4に相当する。
青色照明光におけるp偏光は、ダイクロイックミラー220の特定偏光反射領域220Rを透過し、全反射領域220Tでは反射する。そのため、青色照明光におけるp偏光は、位置Peにおいて特定偏光反射領域220Rに対応する領域には照射されない。従って、位置Peでは、青色照明光におけるp偏光は、図23Aに示すように、特定偏光反射領域220Rに対応する領域には照射されず、かつ、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光におけるp偏光は、図23Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR21よりも小さい光強度BR23(BR23<BR21)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR23よりも小さい光強度BR24(BR23>BR4=0)を有する。
図23A及び図23Bに示す青色照明光におけるp偏光の明るさ(光強度)の分布は、図7A及び図7Bに示す青色照明光におけるs偏光の明るさ(光強度)の分布に相当する。位置Peにおける青色照明光のp偏光の光強度BR23及びBR24は、位置Paにおける青色照明光のs偏光の光強度BR2及びBR3に相当する。
従って、図22A及び図22Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するs偏光と図23A及び図23Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するp偏光とを含む青色照明光は、図21Aに示すように、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光と同じ明るさであり、かつ、特定偏光反射領域220Rに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光は、図21Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR21と同じ光強度BR25(BR25=BR21)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR25よりも小さい光強度BR26(BR26<BR25)を有する。位置Peにおける青色照明光の光強度BR25と光強度BR26との差分を光強度差BRDeとする。
図21A及び図21Bに示す青色照明光の明るさ(光強度)の分布は、図6A及び図6Bに示す青色照明光の明るさ(光強度)の分布に相当する。位置Peにおける青色照明光の光強度BR25及びBR26は、位置Paにおける青色照明光の光強度BR5及びBR6に相当する。位置Peにおける青色照明光の光強度差BRDeは、位置Paにおける青色照明光の光強度差BRDaに相当する。
図18に示すように、ダイクロイックミラー220により反射した青色照明光、及び、黄色照明光は、さらに反射ミラー141により反射する。青色照明光、及び、黄色照明光は、レンズ132及び133によって、画像表示素子108R、108G、及び108Bに照射される赤色照明光、緑色照明光、青色照明光の照明分布を均一化する。
位相差板103は、青色照明光、及び、黄色照明光の光路上においてダイクロイックミラー120と偏光変換素子150との間に配置されている。図18は、位相差板103がレンズ132とレンズ133との間に配置されている状態を一例として示している。位相差板103は直線偏光を円偏光に変換する方向に配置されている。位相差板103は例えばλ/4位相差板である。
図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、及び、図12Bを用いて、青色照明光、及び、黄色照明光が位相差板103を透過した位置Pfにおける青色照明光と黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光との明るさの分布について説明する。図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、及び、図12Bは、図20A、図20B、図21A、図21B、図22A、図22B、図23A、及び、図23Bにそれぞれ対応する。
図18に示す位置Pfは図3に示す位置Pbに相当する。位置Pfにおいて特定偏光反射領域220Rに対応する領域は位置Pbにおいて特定偏光反射領域120Rに対応する領域に相当する。位置Pfにおいて全反射領域220Tに対応する領域は位置Pbにおいて透過領域120Tに対応する領域に相当する。
位置Pfでは、図9Aに示すように、赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は均一である。図9Bに示すように、位置Pfにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度をBR27とする。位置Pfにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR27は、位置Pbにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR7に相当する。
位相差板103は、直線偏光である青色照明光を円偏光に変換する。位相差板103は、青色照明光を円偏光に変換することにより、図11A及び図12Aに示すように、青色照明光におけるs偏光とp偏光とを同じ明るさ(光強度)の分布にすることができる。
青色照明光におけるs偏光、及び、p偏光は、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、特定偏光反射領域220Rに対応する領域が全反射領域220Tに対応する領域よりもさらに暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光におけるs偏光は、図11Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR27よりも小さい光強度BR28(BR28<BR27)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR28よりも小さい光強度BR29(BR29<BR28)を有する。位置Pfにおける青色照明光のs偏光の光強度BR28及びBR29は、位置Pbにおける青色照明光のs偏光の光強度BR8及びBR9に相当する。
青色照明光におけるp偏光は、図12Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR27よりも小さい光強度BR30(BR30<BR27)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR30よりも小さい光強度BR31(BR31<BR30)を有する。位置Pfにおける青色照明光のp偏光の光強度BR30及びBR31は、位置Pbにおける青色照明光のp偏光の光強度BR10及びBR11に相当する。
従って、図11A及び図11Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するs偏光と図12A及び図12Bに示す明るさ(光強度)の分布を有するp偏光とを含む青色照明光は、図10Aに示すように、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光と同じ明るさであり、かつ、特定偏光反射領域220Rに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、青色照明光は、図10Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR27と同じ光強度BR32(BR32=BR27)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR32よりも小さい光強度BR33(BR33<BR32)を有する。位置Pfにおける青色照明光の光強度BR32と光強度BR33との差分を光強度差BRDfとする。
位置Pfにおける青色照明光の光強度BR32及びBR33は、位置Pbにおける青色照明光の光強度BR12及びBR13に相当する。位置Pfにおける青色照明光の光強度差BRDfは、位置Pbにおける青色照明光の光強度差BRDbに相当する。
位置Pfにおいて、青色照明光におけるs偏光の光強度BR28及びBR29とp偏光の光強度BR30及びBR31とをそれぞれ同じ値にすることが好ましい。青色照明光がダイクロイックミラー220を反射した位置Peと位相差板103を透過した位置Pfとでは、光強度差BRDeと光強度差BRDfとはほぼ同じ値である。
図3に示すように、偏光変換素子150は、位相差板103を透過した青色照明光、及び、黄色照明光の光路上に配置されている。位相差板103を透過した青色照明光、及び、黄色照明光は、図3及び図13に示す偏光変換素子150に入射する。ダイクロイックミラー220の特定偏光反射領域220Rと偏光変換素子150の位相差板152とは対応している。第2実施形態において位相差板152を第2の位相差板とする。
図14A、図14B、図15A、図15B、図16A、図16B、図17A、及び、図17Bを用いて、青色照明光、及び、黄色照明光が偏光変換素子150を透過した位置Pgにおける青色照明光と黄色照明光に含まれる赤色照明光、及び、緑色照明光との明るさの分布について説明する。位置Pgは照明瞳の位置に相当する。図14A、図14B、図15A、図15B、図16A、図16B、図17A、及び、図17Bは、図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、及び、図12Bにそれぞれ対応する。
図18に示す位置Pgは図3に示す位置Pcに相当する。位置Pgにおいて特定偏光反射領域220Rに対応する領域は位置Pcにおいて特定偏光反射領域120Rに対応する領域に相当する。位置Pgにおいて全反射領域220Tに対応する領域は位置Pcにおいて透過領域120Tに対応する領域に相当する。
黄色照明光は偏光変換素子150によってp偏光に揃えられる。照明瞳(位置Pg)では、図14Aに示すように、赤色照明光、及び、緑色照明光の明るさ(光強度)の分布は均一である。図14Bに示すように、照明瞳における赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度をBR34とする。位置Pgにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR34は、位置Pcにおける赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR14に相当する。
図13に示すように、偏光変換素子150はp偏光を透過させる。偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるp偏光は、図17Aに示すように、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、特定偏光反射領域220Rに対応する領域が全反射領域220Tに対応する領域よりも暗い明るさ(光強度)の分布を有して偏光変換素子150を透過する。
即ち、偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるp偏光は、図17Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR34よりも小さい光強度BR39(BR39<BR34)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR39よりも小さい光強度BR40(BR40<BR39)を有して偏光変換素子150を透過する。位置Pgにおける青色照明光のp偏光の光強度BR39及びBR40は、位置Pcにおける青色照明光のp偏光の光強度BR19及びBR20に相当する。
図13に示すように、偏光変換素子150は、偏光変換素子150に入射したs偏光を偏光ビームスプリッタ151内で反射させることにより、s偏光の光軸を反射方向にシフトさせる。偏光変換素子150は、s偏光を位相差板152によりp偏光に変換する。従って、青色照明光は偏光変換素子150によってp偏光に揃えられる。
図16A及び図16Bに示すように、偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるs偏光は、図11A及び図11Bに示す明るさ(光強度)の分布が偏光変換素子150によって反射方向にシフトした明るさ(光強度)の分布を有するp偏光の青色照明光となって偏光変換素子150から射出される。
偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるs偏光は、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗く、かつ、特定偏光反射領域220Rに対応する領域が全反射領域220Tに対応する領域よりも暗い明るさ(光強度)の分布を有するp偏光の青色照明光となって偏光変換素子150から射出される。
即ち、偏光変換素子150に入射した青色照明光におけるs偏光は、図16Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR34よりも小さい光強度BR37(BR37<BR34)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR37よりも小さい光強度BR38(BR38<BR37)を有するp偏光の青色照明光となって偏光変換素子150から射出される。
位置Pfにおける青色照明光のs偏光に対応する位置Pgにおける青色照明光のp偏光の光強度BR37及びBR38は、位置Pbにおける青色照明光のs偏光に対応する位置Pcにおける青色照明光のp偏光の光強度BR17及びBR18に相当する。
従って、偏光変換素子150によってp偏光に揃えられた青色照明光は、図15Aに示すように、全反射領域220Tに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光と同じ明るさであり、かつ、特定偏光反射領域220Rに対応する領域が赤色照明光、及び、緑色照明光よりも暗い明るさ(光強度)の分布となる。
即ち、偏光変換素子150から射出される青色照明光は、図15Bに示すように、全反射領域220Tに対応する領域では赤色照明光、及び、緑色照明光の光強度BR34と同じ光強度BR35(BR35=BR34)を有し、特定偏光反射領域220Rに対応する領域では全反射領域220Tに対応する領域の光強度BR35よりも小さい光強度BR36(BR36<BR35)を有する。照明瞳(位置Pg)における青色照明光の光強度BR35と光強度BR36との差分を光強度差BRDgとする。
位置Pgにおける青色照明光の光強度BR35及びBR36は、位置Pcにおける青色照明光の光強度BR15及びBR16に相当する。位置Pgにおける青色照明光の光強度差BRDgは、位置Pcにおける青色照明光の光強度差BRDcに相当する。
プロジェクタ200及びプロジェクタ200を用いたマルチプロジェクションシステム1では、光源101を構成する複数の青色レーザ素子BLから射出される青色照明光を位相差板103によって直線偏光から円偏光に変換し、さらに偏光変換素子150によって青色照明光におけるp偏光を透過させ、s偏光の光軸をシフトさせる。
従って、プロジェクタ200及びマルチプロジェクションシステム1によれば、照明瞳(位置Pg)における青色照明光の光強度差BRDgを、位置Pe及びPfにおける青色照明光の光強度差BRDe及びBRDfよりも小さくすることができるので、青色照明光の明るさのばらつきを低減することができる。
図18に示すように、偏光変換素子150によってP偏光に揃えられた青色照明光、及び、黄色照明光は、レンズ134を介してダイクロイックミラー105に照射される。ダイクロイックミラー105は、入射した青色照明光と黄色照明光とを分離する。
ダイクロイックミラー105によって分離された黄色照明光YLLは、反射ミラー142を反射し、ダイクロイックミラー106に照射される。ダイクロイックミラー106は、黄色照明光YLLを、赤色帯域の成分を含む赤色照明光RLLと緑色帯域の成分を含む緑色照明光GLLとに分離する。
ダイクロイックミラー106によって分離された赤色照明光RLLは、レンズ135を介して反射型偏光板107Rに照射される。ダイクロイックミラー106によって分離された緑色照明光GLLは、レンズ136を介して反射型偏光板107Gに照射される。ダイクロイックミラー105によって分離された青色照明光BLLは、反射ミラー143により反射し、レンズ137を介して反射型偏光板107Bに照射される。
反射型偏光板107R、107G、及び、107Bは、s偏光及びp偏光のいずれか一方を反射し、他方を透過させる。図18は、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bがs偏光を反射し、p偏光を透過させる状態を示している。p偏光である赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLは、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bをそれぞれ透過し、画像表示素子108R、108G、及び、108Bにそれぞれ照射される。
画像表示素子108Rは、赤色の成分の画像データに基づいて赤色照明光RLLを光変調し、s偏光の赤色画像光RMLを生成する。画像表示素子108Gは、緑色の成分の画像データに基づいて緑色照明光GLLを光変調し、s偏光の緑色画像光GMLを生成する。画像表示素子108Bは、青色の成分の画像データに基づいて青色照明光BLLを光変調し、s偏光の青色画像光BMLを生成する。
画像表示素子108R、108G、及び、108Bによって生成された赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLは、反射型偏光板107R、107G、及び、107Bによってそれぞれ反射し、色合成プリズム109に照射される。色合成プリズム109は、赤色画像光RML、及び、青色画像光BMLを反射し、緑色画像光GMLを透過させることにより、赤色画像光RMLと緑色画像光GMLと青色画像光BMLとを合成する。
色合成プリズム109により合成された赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLは、図1または図18に示すように、絞り110及び投射レンズ111を介してスクリーンSRN等へ投射される。これにより、プロジェクタ200は、赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLが合成されたフルカラーの画像IMをスクリーンSRN等に表示する。
図18に示すように、絞り110の位置Phは投射瞳の位置に相当する。図18に示す位置Phは図3に示す位置Pdに相当する。照明瞳と投射瞳とは共役の関係を有する。従って、投射瞳の位置に相当する位置Phにおける赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLの明るさの分布は、照明瞳の位置に相当する位置Pgにおける赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLの明るさの分布に対応する。
位相差板103が配置されていない状態を比較例とする。比較例では、投射瞳の位置に相当する位置Phにおける赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLの明るさの分布は、位置Peにおける赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLの明るさの分布に対応する。
従って、プロジェクタ200及びマルチプロジェクションシステム1によれば、青色照明光BLLを位相差板103によって円偏光に変換し、さらに偏光変換素子150によって青色照明光のs偏光の光軸をシフトさせることにより、比較例に対して投射瞳における青色画像光BLLの明るさのばらつきを低減することができる。
よって、プロジェクタ200及びマルチプロジェクションシステム1によれば、投射瞳における青色画像光BLLの明るさのばらつきを低減することにより、遮光板10によって生じる色分布を低減することができる。プロジェクタ200及びマルチプロジェクションシステム1によれば、プロジェクタ200が複数の照明光源である青色レーザ素子BLと蛍光体102とを有する場合において、マルチ投影画像の品位の悪化を抑制することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
第1及び第2実施形態のプロジェクタ100及び200では、図13に示すように、偏光変換素子150は、位相差板152がs偏光の光路上に配置されている。図24に示すように、偏光変換素子150は、位相差板152がs偏光に替えてp偏光の光路上に配置されていてもよい。
この場合、偏光変換素子150は、偏光変換素子150に入射したs偏光を偏光ビームスプリッタ151内で反射させることにより、s偏光の光軸を反射方向にシフトさせる。偏光変換素子150は、p偏光を位相差板152によりs偏光に変換する。従って、偏光変換素子150から射出される青色照明光、及び、黄色照明光は、偏光変換素子150によってs偏光に揃えられる。
第1及び第2実施形態のプロジェクタ100及び200では、図3及び図18に示すように、ダイクロイックミラー120及び220は、特定偏光反射領域120R及び220R、及び、透過領域120T及び全反射領域220Tの長手方向が紙面の手前奥方向となるようにそれぞれ配置されている。偏光変換素子150では、ダイクロイックミラー120及び220に対応させて、図13に示すように、偏光ビームスプリッタ151がs偏光の光軸を紙面の左右方向にシフトさせ、かつ、位相差板152の長手方向が紙面の手前奥方向となるように配置されている。
ダイクロイックミラー120及び220は、特定偏光反射領域120R及び220R、及び、透過領域120T及び全反射領域220Tの長手方向が紙面の上下方向となるようにそれぞれ配置されていてもよい。具体的には、ダイクロイックミラー120は図4Aに示す状態に対して時計回りまたは半時計回りに90度回転させた状態となるように配置されていてもよい。ダイクロイックミラー220は図19Aに示す状態に対して時計回りまたは半時計回りに90度回転させた状態となるように配置されていてもよい。
偏光変換素子150は、ダイクロイックミラー120及び220に対応させて、偏光ビームスプリッタ151がs偏光の光軸を紙面の手前奥方向にシフトさせ、かつ、位相差板152の長手方向が紙面の左右方向となるように配置される。
この場合、偏光変換素子150は、図25に示すように、偏光変換素子150に入射したp偏光を偏光ビームスプリッタ151内で反射させることにより、p偏光の光軸を反射方向にシフトさせる。さらに偏光変換素子150は、p偏光を位相差板152によりs偏光に変換する。偏光変換素子150は、偏光変換素子150に入射したs偏光を透過させる。
従って、偏光変換素子150から射出される青色照明光、及び、黄色照明光は、偏光変換素子150によってs偏光に揃えられる。なお、偏光変換素子150よりも後段の各構成部は、青色照明光、及び、黄色照明光が偏光変換素子150によってp偏光に揃えられる場合に対して、s偏光及びp偏光に対する特性が逆になる。
また、図24と図25とを組み合わせた構成、即ち、偏光変換素子150において偏光ビームスプリッタ151がs偏光の光軸を図13に示す状態に対して紙面の手前奥方向にシフトさせ、かつ、位相差板152の長手方向が紙面の左右方向となるように配置され、かつ、位相差板152がs偏光に替えてp偏光の光路上に配置された構成としてもよい。
ダイクロイックミラー120及び220は、特定偏光反射領域120R及び220R、及び、透過領域120T及び全反射領域220Tの長手方向が図3及び図18に示す状態に対して紙面の上下方向となるようにそれぞれ配置される。
この場合、偏光変換素子150は、偏光変換素子150に入射したp偏光を偏光ビームスプリッタ151内で反射させることにより、p偏光の光軸を反射方向にシフトさせる。偏光変換素子150は、偏光変換素子150に入射したs偏光を位相差板152によりp偏光に変換する。従って、偏光変換素子150から射出される青色照明光、及び、黄色照明光は、偏光変換素子150によってp偏光に揃えられる。
本実施形態のプロジェクタ100では、光源101(青色レーザ素子BL)はs偏光の青色レーザ光を射出する構成としているが、p偏光の青色レーザ光を射出する構成としてもよい。その場合、各構成部のs偏光及びp偏光に対する特性は逆になる。
例えば、ダイクロイックミラー120は、青色レーザ光の偏光方向がダイクロイックミラー120に対してp偏光となる向きに配置され、青色レーザ光に対してp偏光を反射し、s偏光を透過する光学特性を有する。その場合、p偏光を第1の直線偏光とし、s偏光を第2の直線偏光とする。
本実施形態のプロジェクタ200では、光源101(青色レーザ素子BL)はp偏光の青色レーザ光を射出する構成としているが、s偏光の青色レーザ光を射出する構成としてもよい。その場合、各構成部のp偏光及びs偏光に対する特性は逆になる。
例えば、ダイクロイックミラー220は、青色レーザ光の偏光方向がダイクロイックミラー220に対してp偏光となる向きに配置され、青色レーザ光に対してp偏光を反射し、s偏光を透過する光学特性を有する。その場合、p偏光を第1の直線偏光とし、s偏光を第2の直線偏光とする。