JP2017152785A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴーストや縦縞等の画質の劣化が目立ちにくい表示装置を提供する。【解決手段】本発明の表示装置1は、透過型のスクリーン2と、複数の投射装置PJ1〜PJ9と、複数の視点において、各投射装置から投射された画像光の一部により形成される部分画像が一つの全体画像として視認されるように、視点に対応した第1の画像信号から投射装置に対応した第2の画像信号を再構成する画像信号再構成部と、第1の画像信号の輝度レベルもしくは第2の画像信号の輝度レベルに応じて、隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを制御前の輝度レベルよりも低下させるように、第2の画像信号を制御する制御装置3と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置に関する。
観察者が複数の視点位置からその視点位置に応じた異なる画像を視認することが可能な表示装置が従来から知られている。この種の表示装置として、例えば下記の特許文献1に、複数の指向性画像を表示可能なスクリーンと、指向性画像をスクリーンに投射する複数のプロジェクターと、を備えた表示装置が開示されている。
特許文献1の表示装置では、第1の表示領域に位置する観察者は第1のプロジェクターからの指向性画像を視認し、第2の表示領域に位置する観察者は第2のプロジェクターからの指向性画像を視認する。したがって、各プロジェクターが異なる画像を投射することにより、異なる表示領域に位置する観察者は異なる画像を視認することができる。さらに、特許文献1には、一つの指向性画像の中心で輝度を最大とし、当該指向性画像に隣接する指向性画像の中心で輝度を閾値以下とし、その間を線形に結んだ輝度特性とすることにより、観察者の視点が移動しても画像が不自然に変化しないようにできる、と記載されている。
ところで、予め設定した複数の視点位置に対応した画像を、水平に並置した複数のプロジェクターに対応させて短冊状に分割した後、プロジェクター毎に再合成した画像を生成し、異方性拡散スクリーンに投射することで、複数の視点位置から異なる画像を観察できるようにした表示装置が提案されている。
この種の表示装置において、各プロジェクターが生成する像はスクリーン上の所定の場所に投射される。この場合、観察者が見る画像は、視点位置から各プロジェクターの投射瞳を中心として、スクリーンの拡散特性で決まる縦長の分割画像が横方向に並んだものになる。この場合、例えば画像の端部でゴーストが生じる、 画像の形状によってゴーストが生じる、等の課題があった。また、比較的大きい画像の中央部分で縦縞が目立ちやすい、という課題があった。
上述したように、特許文献1には、観察者の視点が移動しても画像を不自然に見せないための手法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の表示装置はプロジェクターと表示領域(視点)とが1対1で対応している点で、元の画像を複数に分割した後、分割した複数の画像を再合成する方式の上記の表示装置とは、構成が大きく異なる。したがって、特許文献1の手法は、上記の表示装置に採用できるものではない。また、画像の位置によって輝度を調整しただけでは、上記の課題を解決することができない。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ゴーストや縦縞などによる画質の劣化が目立ちにくい表示装置の提供を目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の表示装置は、被投射面の面内において互いに直交する2つの方向を第1方向および第2方向としたとき、前記第1方向における拡散角が前記第2方向における拡散角よりも大きい特性を有する透過型のスクリーンと、前記スクリーンの光入射側に設けられ、前記被投射面に画像光をそれぞれ投射する複数の投射装置と、前記スクリーンの光射出側に前記第2方向に沿って設定された複数の視点において、前記複数の投射装置の各々からそれぞれ投射された前記画像光の一部により形成される部分画像が前記第2方向に複数並んだ一つの全体画像として視認されるように、前記視点に対応した第1の画像信号から前記投射装置に対応した第2の画像信号を再構成する画像信号再構成部と、前記第1の画像信号の輝度レベルもしくは前記第2の画像信号の輝度レベルに応じて、隣接する2つの前記部分画像の境界近傍の輝度レベルを制御前の輝度レベルよりも低下させるように、前記第2の画像信号を制御する制御装置と、を備える。
本発明の一つの態様の表示装置においては、制御装置が、画像信号再構成部から出力された第2の画像信号の輝度レベルに応じて、隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを制御前の輝度レベルよりも低下させるように、第2の画像信号を制御する。これにより、第2の画像信号による画像の端部や形状によってゴーストが目立ちやすいような場合、あるいは画像の中央で縦縞が目立ちやすいような場合でも、輝度レベルの低下によって部分画像の境界におけるゴースト、縦縞などの画質の低下を視認しにくくなる。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記制御装置は、マスク信号を用いた前記第2の画像信号のマスク処理を行うことにより、前記隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを低下させてもよい。
この構成によれば、簡易な画像処理を用いて、部分画像の境界近傍の輝度レベルを低下させることができる。
この構成によれば、簡易な画像処理を用いて、部分画像の境界近傍の輝度レベルを低下させることができる。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記制御装置は、前記画像信号再構成部から出力された前記第2の画像信号に基づいて、前記第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出部と、前記輝度レベル検出部の検出結果に基づいて、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に低く、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に高くする輝度制御部と、を備えていてもよい。
この構成によれば、輝度レベル検出部によって第2の画像信号の輝度レベルが検出される。輝度制御部は、輝度レベル検出部の検出結果に基づいて、隣接する2つの部分画像に対応する輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に境界近傍のマスク信号の輝度レベルを相対的に低くし、前記輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合には境界近傍のマスク信号の輝度レベルを相対的に高くする。これにより、画像信号の輝度レベルに適応したマスク信号が得られる。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記輝度レベル検出部は、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの平均値を検出してもよい。
この構成によれば、第2の画像信号の高周波成分による影響を受けることなく、部分画像の幅程度の期間での輝度変化に対応して第2の画像信号を制御することができる。
この構成によれば、第2の画像信号の高周波成分による影響を受けることなく、部分画像の幅程度の期間での輝度変化に対応して第2の画像信号を制御することができる。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記制御装置は、前記画像信号再構成部に入力される前記第1の画像信号のうち、所定の周波数帯域の前記第1の画像信号を通過させるバンドパスフィルターと、前記バンドパスフィルターからの出力に基づいて、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に低く、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に高くする輝度制御部と、を備えていてもよい。
この構成によれば、バンドパスフィルターを透過した所定の周波数帯域の第1の画像信号により第1の画像信号の輝度レベル変化が検出される。輝度制御部は、バンドパスフィルターからの出力に基づいて、隣接する2つの部分画像に対応する輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に境界近傍のマスク信号の輝度レベルを相対的に低くし、前記輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合には境界近傍のマスク信号の輝度レベルを相対的に高くする。これにより、画像信号の輝度レベルに適応したマスク信号が得られる。
本発明の一つの態様の表示装置において、前記バンドパスフィルターは、前記部分画像の時間幅の2倍の逆数に相当する周波数成分近傍の前記第1の画像信号を通過させる特性を有していてもよい。
この構成によれば、第1の画像信号の高周波成分による影響を受けることなく、部分画像の幅程度の期間での輝度変化に対応して第1の画像信号を制御することができる。
この構成によれば、第1の画像信号の高周波成分による影響を受けることなく、部分画像の幅程度の期間での輝度変化に対応して第1の画像信号を制御することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図13を用いて説明する。
図1および図2は、第1実施形態の表示装置を示す平面図であり、図によって示す光路が異なっている。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図13を用いて説明する。
図1および図2は、第1実施形態の表示装置を示す平面図であり、図によって示す光路が異なっている。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1および図2に示すように、表示装置1は、スクリーン2と、複数の投射装置PJ1〜PJ9と、制御装置3と、を備える。複数の投射装置PJ1〜PJ9は、スクリーン2の光入射側に設けられている。複数の投射装置PJ1〜PJ9の各々は、スクリーン2の被投射面2Aに向けて画像光Lをそれぞれ投射する。本実施形態では、投射装置PJ1〜PJ9の数を9台とするが、投射装置PJ1〜PJ9の数は必ずしも9台に限ることはなく、適宜変更が可能である。
スクリーン2の光射出側には、複数の視点S1〜S9が設定されている。したがって、観察者は、複数の視点S1〜S9のうちのいずれか一つの視点に位置したときに、その視点に対応した画像を視認することができる。画像として例えば任意の建築物が表示されていたとすると、観察者がスクリーン2に向かって右側の視点、例えば視点S1に位置しているとき、右側から見た建築物の画像を見ることができ、観察者がスクリーン2に向かって左側の視点、例えば視点S9に位置しているとき、左側から見た建築物の画像を見ることができる。本実施形態では、視点の数を9とするが、視点の数は必ずしも9に限ることはなく、適宜変更が可能である。
スクリーン2は、図1および図2の紙面に垂直な被投射面を有する透過型のスクリーンである。以下、被投射面2Aの面内において図1および図2の紙面に垂直な方向を垂直方向(X方向)と称し、被投射面2Aの面内において垂直方向に垂直な方向を水平方向(Y方向)とする。被投射面2Aに垂直な方向を投射方向(Z方向)と称する。
本実施形態の垂直方向は特許請求の範囲の第1方向に相当し、本実施形態の水平方向は特許請求の範囲の第2方向に相当する。
本実施形態の垂直方向は特許請求の範囲の第1方向に相当し、本実施形態の水平方向は特許請求の範囲の第2方向に相当する。
スクリーン2は、垂直方向における光の拡散角が水平方向における光の拡散角よりも大きい特性、いわゆる異方性拡散性を有している。例えば、垂直方向における拡散角は60度程度と広いのに対し、水平方向における拡散角は1度程度と非常に狭く設定されている。
複数の投射装置PJ1〜PJ9は、水平方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。また、複数の視点S1〜S9は、水平方向に沿って等間隔に並ぶように設定されている。
最初に、一つの視点とスクリーン2上に投射された画像との関係を説明する。
図1に、一例として観察者が視点S5からスクリーン2を観察する場合を示す。観察者が視点S5からスクリーン2を観察すると、1台の投射装置の投射レンズの投射瞳を中心として、垂直方向については、1台の投射装置から投射される画像の全てが視認できる。これに対して、水平方向については、図2に画像光Lを破線で示すように、1台の投射装置から投射される画像のうち、スクリーン2の拡散角で決まる幅mの部分しか視認できない。そのため、観察者は、1台の投射装置から投射される画像については垂直方向に細長く短冊状に分割された一部の画像だけを視認することができる。以下、スクリーン2の全体に投射される画像が短冊状に分割された一部の画像のことを部分画像と称する。
図1に、一例として観察者が視点S5からスクリーン2を観察する場合を示す。観察者が視点S5からスクリーン2を観察すると、1台の投射装置の投射レンズの投射瞳を中心として、垂直方向については、1台の投射装置から投射される画像の全てが視認できる。これに対して、水平方向については、図2に画像光Lを破線で示すように、1台の投射装置から投射される画像のうち、スクリーン2の拡散角で決まる幅mの部分しか視認できない。そのため、観察者は、1台の投射装置から投射される画像については垂直方向に細長く短冊状に分割された一部の画像だけを視認することができる。以下、スクリーン2の全体に投射される画像が短冊状に分割された一部の画像のことを部分画像と称する。
図3は、一つの視点S5から見たスクリーン2上の全体画像Gを示す図である。
上述したように、観察者は、一つの視点において、1台の投射装置、例えば投射装置PJ5から投射される画像については部分画像しか視認できない。しかしながら、投射装置PJ5の隣の投射装置PJ4から投射される部分画像を、投射装置PJ5からの部分画像の隣に視認することができる。その他の投射装置についても同様である。したがって、図3に示すように、スクリーン2の右側から、投射装置PJ1による部分画像G51、投射装置PJ2による部分画像G52、…、投射装置PJ9による部分画像G59というように、全ての投射装置による複数の部分画像が隣り合って見える。すなわち、表示装置1は、スクリーン2の全体では、各投射装置からの9枚の部分画像が並んで形成された1枚の全体画像Gを表示することができる。観察者は、視点S5から全体画像Gを視認することができる。
上述したように、観察者は、一つの視点において、1台の投射装置、例えば投射装置PJ5から投射される画像については部分画像しか視認できない。しかしながら、投射装置PJ5の隣の投射装置PJ4から投射される部分画像を、投射装置PJ5からの部分画像の隣に視認することができる。その他の投射装置についても同様である。したがって、図3に示すように、スクリーン2の右側から、投射装置PJ1による部分画像G51、投射装置PJ2による部分画像G52、…、投射装置PJ9による部分画像G59というように、全ての投射装置による複数の部分画像が隣り合って見える。すなわち、表示装置1は、スクリーン2の全体では、各投射装置からの9枚の部分画像が並んで形成された1枚の全体画像Gを表示することができる。観察者は、視点S5から全体画像Gを視認することができる。
次に、1台の投射装置から投射される画像と視点の関係について説明する。
図2は、投射装置PJ5から投射される画像光Lの光路を示す図である。図4は、投射装置PJ5からスクリーン2上に投射される画像を示す図である。
図2に示すように、投射装置PJ5から射出された画像光Lは、スクリーン2の全体にわたって投射され、画像を形成する。ところが、スクリーン2の水平方向の光の拡散角が狭いため、投射装置PJ5による全体画像は全ての視点から視認できるわけではなく、一つの部分画像が一つの視点から視認され、他の部分画像が他の視点から視認されることになる。
図2は、投射装置PJ5から投射される画像光Lの光路を示す図である。図4は、投射装置PJ5からスクリーン2上に投射される画像を示す図である。
図2に示すように、投射装置PJ5から射出された画像光Lは、スクリーン2の全体にわたって投射され、画像を形成する。ところが、スクリーン2の水平方向の光の拡散角が狭いため、投射装置PJ5による全体画像は全ての視点から視認できるわけではなく、一つの部分画像が一つの視点から視認され、他の部分画像が他の視点から視認されることになる。
したがって、図4に示すように、投射装置PJ5においては、全体画像Fの右側から、視点S1用の部分画像F15、視点S2用の部分画像F25、…、視点S9用の部分画像F95というように、異なる視点用の部分画像を並べて一つの全体画像Fを構成する。このように、視点S1から視点S9の配列に対応した9枚の部分画像F15〜F95を合成した画像Fを生成して投射する。これにより、観察者は、視点毎に異なる画像を視認することができる。すなわち、図4の9枚の部分画像F15〜F95は、それぞれ図2の対応する視点S1〜S9から見える部分画像に対応している。
制御装置3は、複数の視点S1〜S9において、複数の投射装置PJ1〜PJ9の各々からそれぞれスクリーン2に投射された部分画像が水平方向に複数並んだ一つの全体画像として視認されるように、複数の投射装置PJ1〜PJ9に画像光Lを投射させる。
具体的には、画像ソースとして、任意の空間に複数の視点を配置し、視点毎に撮影機器で撮影した撮影像、映像、CG像などの元画像を予め準備しておく。制御装置3は、この元画像を短冊状に分割して複数の部分画像を作成し、複数の部分画像を再構成して各投射装置用の画像信号を生成する。これら画像信号を各投射装置PJ1〜PJ9に供給し、各投射装置PJ1〜PJ9から画像光Lを投射することにより、観察者は各視点S1〜S9から元画像と同等の画像を視認することができる。さらに、隣り合う視点S1〜S9間の間隔を眼間幅またはその整数分の一に設定しておけば、立体像を表示することができる。
図5は、スクリーン2の水平方向における拡散角αを説明するための図である。図6は、観察者の視角θを説明するための図である。以下、スクリーン2の水平方向における拡散角αを水平拡散角αと称する。
図5に示すように、スクリーン2に入射した画像光Lは、スクリーン2を透過した後、スクリーン2の水平拡散角αだけ拡散する。そのため、図6に示すように、視点Sが水平拡散角αの範囲内に位置すれば、観察者は視角θで示す範囲の画像を見ることができる。
図5に示すように、スクリーン2に入射した画像光Lは、スクリーン2を透過した後、スクリーン2の水平拡散角αだけ拡散する。そのため、図6に示すように、視点Sが水平拡散角αの範囲内に位置すれば、観察者は視角θで示す範囲の画像を見ることができる。
図7は、従来装置において、一つの視点S5から見た隣接する3つの部分画像を示す図である。
図7は、例えば一つの視点S5から、投射装置PJ4からの部分画像、投射装置PJ5からの部分画像、投射装置PJ6からの部分画像が並んで見える様子を示している。例えば投射装置PJ6の場合、視点S4用の部分画像G46、視点S5用の部分画像G56、視点S6用の部分画像G66が並んで投射される。スクリーン2の光拡散特性Jが一つの部分画像の幅に一致するように設定されていれば、視点S5からは、水平方向に並んだ3つの部分画像のうち、視点S5用の部分画像G56のみが可視範囲Vとなる。他の投射装置PJ4,PJ5についても同様である。
図7は、例えば一つの視点S5から、投射装置PJ4からの部分画像、投射装置PJ5からの部分画像、投射装置PJ6からの部分画像が並んで見える様子を示している。例えば投射装置PJ6の場合、視点S4用の部分画像G46、視点S5用の部分画像G56、視点S6用の部分画像G66が並んで投射される。スクリーン2の光拡散特性Jが一つの部分画像の幅に一致するように設定されていれば、視点S5からは、水平方向に並んだ3つの部分画像のうち、視点S5用の部分画像G56のみが可視範囲Vとなる。他の投射装置PJ4,PJ5についても同様である。
このようにして、全体として見える像は、図7の下段に示すように、3つの部分画像G54,G55,G56が合成された1枚の画像である。この場合の輝度分布は、各投射装置からの画像に対してスクリーン2で決まる光拡散特性Jの合成となる。例えば、全ての部分画像が白表示であった場合には、図7の見える像の合成値J0として示すように合成される。そのため、合成された光拡散特性にリップルがある場合には、全体画像として縦線状の輝度ムラが発生する。
図8は、スクリーン2の光拡散特性Jが図7の場合よりも広く、可視範囲Vが各部分画像の幅を超えている場合を示している。
この場合、例えば投射装置PJ6からの部分画像については、視点S5用の部分画像G56だけでなく、部分画像G56に隣接する視点S4用の部分画像G46の一部、および視点S6用の部分画像G66の一部も、視点S5用の部分画像G56に比べればかなり暗いものの、並んで見える。本来見えるべき部分画像G56に隣接する部分画像G46,G66は、異なる視点用の部分画像であるため、類似した画像ではあるが、連続性がない。そのため、観察者にとってはゴーストGSとして視認される。
この場合、例えば投射装置PJ6からの部分画像については、視点S5用の部分画像G56だけでなく、部分画像G56に隣接する視点S4用の部分画像G46の一部、および視点S6用の部分画像G66の一部も、視点S5用の部分画像G56に比べればかなり暗いものの、並んで見える。本来見えるべき部分画像G56に隣接する部分画像G46,G66は、異なる視点用の部分画像であるため、類似した画像ではあるが、連続性がない。そのため、観察者にとってはゴーストGSとして視認される。
ここで、投射装置PJ4からの部分画像、投射装置PJ5からの部分画像、および投射装置PJ6からの部分画像は、図8の見える像として示した位置関係で合成される。そのため、隣接する投射装置からの視点S5用の部分画像の明るさにより、ゴーストGSの見え方が異なる。合成された3つの部分画像が連続的に明るい場合、例えば、全体として画像が比較的大きく、画像の中央部に位置する部分画像の場合には、全ての部分画像が明るいためにゴーストGSはほとんど見えない。これに対して、画像の端部に位置する部分画像であって、隣接する投射装置からの部分画像が暗い場合には、ゴーストGSが目立って見える。
このようにして、全ての視点S1〜S9について考えると、画像の端部、もしくは画像の幅が比較的狭く、例えば部分画像の幅に近い周期で明るい部分と暗い部分とが繰り返すような画像の場合、ゴーストが目立ちやすく、逆に比較的大きい像の端部以外の中央部分では、ゴーストは目立ちにくい。
また、以上の説明をスクリーン2の拡散角の観点から言い換えると、拡散角が狭い場合には比較的大きい像において縦縞が現れやすく、逆に拡散角が広い場合には端部もしくは幅が狭い画像にゴーストが現れやすい。
また、以上の説明をスクリーン2の拡散角の観点から言い換えると、拡散角が狭い場合には比較的大きい像において縦縞が現れやすく、逆に拡散角が広い場合には端部もしくは幅が狭い画像にゴーストが現れやすい。
以下、図3に示した視点毎の全体画像Gに対応した画像信号を第1の画像信号と称し、図4に示した投射装置毎の全体画像Fに対応した画像信号を第2の画像信号と称する。
そこで、第1実施形態の表示装置1において、制御装置3は、後述する画像信号再構成部10から出力された第2の画像信号の輝度レベルに応じて、隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを制御前の輝度レベルよりも低下させるように、第2の画像信号を制御する。具体的には、制御装置3は、マスク信号を用いた第2の画像信号のマスク処理を行うことにより、隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを低下させる。
そこで、第1実施形態の表示装置1において、制御装置3は、後述する画像信号再構成部10から出力された第2の画像信号の輝度レベルに応じて、隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを制御前の輝度レベルよりも低下させるように、第2の画像信号を制御する。具体的には、制御装置3は、マスク信号を用いた第2の画像信号のマスク処理を行うことにより、隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを低下させる。
図9は、制御装置3の回路構成を示すブロック図である。
図9に示すように、制御装置3は、画像信号再構成部10と、タイミング生成部11と、複数の表示制御部12と、を備えている。表示制御部12は、投射装置PJ1〜PJn毎に設けられている。表示制御部12は、輝度レベル検出部13と、遅延回路14と、特性変換部15と、輝度制御部16と、を備えている。輝度レベル検出部13は、輝度平均部17と、レジスタ18と、差分算出部19と、を備えている。制御装置3は、マスク信号を用いて画像信号のマスク処理を行う。
図9に示すように、制御装置3は、画像信号再構成部10と、タイミング生成部11と、複数の表示制御部12と、を備えている。表示制御部12は、投射装置PJ1〜PJn毎に設けられている。表示制御部12は、輝度レベル検出部13と、遅延回路14と、特性変換部15と、輝度制御部16と、を備えている。輝度レベル検出部13は、輝度平均部17と、レジスタ18と、差分算出部19と、を備えている。制御装置3は、マスク信号を用いて画像信号のマスク処理を行う。
輝度レベル検出部13は、画像信号再構成部10から出力された第2の画像信号に基づいて、第2の画像信号の輝度レベルを検出する。輝度制御部16は、輝度レベル検出部13の検出結果に基づいて、隣接する2つの部分画像に対応する輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に、隣接する2つの部分画像の境界近傍のマスク信号の輝度レベルを相対的に低くし、隣接する2つの部分画像に対応する輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合に、隣接する2つの部分画像の境界近傍のマスク信号の輝度レベルを相対的に高くする。
以下、縦縞、ゴースト等の画質劣化を低減させるための画像信号の生成方法について説明する。
視点に対応した第1の画像信号は、画像信号再構成部10に入力され、視点毎に対応した部分画像に対応する画像信号に分割された後、投射装置毎に対応する第2の画像信号に再構成される。再構成された第2の画像信号は、輝度制御部16によるマスク処理が施された後、対応する投射装置PJ1〜PJnに入力される。
視点に対応した第1の画像信号は、画像信号再構成部10に入力され、視点毎に対応した部分画像に対応する画像信号に分割された後、投射装置毎に対応する第2の画像信号に再構成される。再構成された第2の画像信号は、輝度制御部16によるマスク処理が施された後、対応する投射装置PJ1〜PJnに入力される。
輝度制御部16は、投射装置PJ1〜PJnの数だけ並列的に構成されており、マスク信号特性の輝度レベル(黒レベル)を制御する。
タイミング生成部11は、水平同期信号に基づいて、部分画像に同期した部分画像幅の周期を有するパルスを生成する。タイミング生成部11は、各表示制御部12に接続されている。
タイミング生成部11は、水平同期信号に基づいて、部分画像に同期した部分画像幅の周期を有するパルスを生成する。タイミング生成部11は、各表示制御部12に接続されている。
次に、輝度制御部16の動作について、図10、図11を用いて説明する。
図10は、投射装置PJ6のスクリーン上の投射像が視点S5からどのように見えるのかを示している。
図10に示すように、視点S5に位置する観察者からは、投射装置PJ5からの視点S5用の部分画像G56が可視範囲Vとして見える。さらに、可視範囲Vが視点S5用の部分画像G56の幅よりも広いため、隣接する視点S4用の部分画像G46の一部、および視点S6用の部分画像G66の一部が、光拡散特性J1の裾野に相当する暗い状態で、視点S5用の部分画像G56の隣に見えることになる。
図10は、投射装置PJ6のスクリーン上の投射像が視点S5からどのように見えるのかを示している。
図10に示すように、視点S5に位置する観察者からは、投射装置PJ5からの視点S5用の部分画像G56が可視範囲Vとして見える。さらに、可視範囲Vが視点S5用の部分画像G56の幅よりも広いため、隣接する視点S4用の部分画像G46の一部、および視点S6用の部分画像G66の一部が、光拡散特性J1の裾野に相当する暗い状態で、視点S5用の部分画像G56の隣に見えることになる。
ここで、輝度制御部16には、マスク特性MSKとして示すような、部分画像の境界を中心に緩やかに黒くなるような特性を有するマスク信号が準備されている。輝度制御部16において、投射装置PJ6に入力する第2の画像信号とマスク信号とが合成される。これにより、図10の下段に示すように、光拡散特性J1を光拡散特性J2に狭くすることと同様の作用が生じ、隣接する2つの部分画像の境界近傍を暗くすることができる。これにより、部分画像G46の一部および部分画像G66の一部は見えなくなり、縦縞、ゴーストなどの画質劣化を低減させることができる。
図11は、マスク特性MSKの黒レベルを変化させた状態における視点から見た部分画像の見え方を示す図である。
さらに、図11に示すように、輝度制御部16は、マスク特性MSKの黒レベルBLを変化させることにより、見掛け上の光拡散特性J1をJ2,J3と変化させ、合成特性の見掛け上の幅を変えることができる。
さらに、図11に示すように、輝度制御部16は、マスク特性MSKの黒レベルBLを変化させることにより、見掛け上の光拡散特性J1をJ2,J3と変化させ、合成特性の見掛け上の幅を変えることができる。
図12に、制御装置3の動作のタイミングチャートを示す。
図9における画像信号再構成部10の出力は、各投射装置PJ1〜PJnに対応して設けられた輝度制御部16に入力されるとともに、輝度平均部17にも入力される。輝度平均部17は、画像信号の1走査ライン毎に部分画像幅に対応した画像信号の輝度の平均値を求め、その値をレジスタ18に出力する。その結果、本来の画像信号が有する輝度レベルは、平均輝度として示されるように平坦化され、階段状の輝度レベルを示す。
図9における画像信号再構成部10の出力は、各投射装置PJ1〜PJnに対応して設けられた輝度制御部16に入力されるとともに、輝度平均部17にも入力される。輝度平均部17は、画像信号の1走査ライン毎に部分画像幅に対応した画像信号の輝度の平均値を求め、その値をレジスタ18に出力する。その結果、本来の画像信号が有する輝度レベルは、平均輝度として示されるように平坦化され、階段状の輝度レベルを示す。
輝度平均部17とレジスタ18からの出力は、差分算出部19に入力される。輝度平均部17からの出力とレジスタ18からの出力とは、部分画像幅だけ時間的にずれている。差分算出部19は、輝度平均部17からの出力とレジスタ18からの出力との差分の絶対値を出力する。差分算出部19からの出力は、遅延回路14を介して特性変換部15へ入力される。
図13に、特性変換部15の入出力特性の一例を示す。
図13の例では、入力値(差分値)が大きい程、出力値(マスク特性の黒レベル)が直線的に小さくなる特性を採用している。この場合、差分値が大きいということは、隣接する部分画像の輝度の平均値の差分が大きいことを意味する。したがって、この場合には、特性変換部15からの出力値は小さく、図12に符号Aで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベル)を低下させる。これにより、本実施形態の表示装置1では、ゴーストの発生を低減させることができる。逆に入力値(差分値)が小さいということは、隣接する部分画像の輝度の平均値の差が小さいことを意味する。この場合、特性変換部からの出力値を大きくし、図12に符号Bで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベルBL)をあまり低下させないようにする。
図13の例では、入力値(差分値)が大きい程、出力値(マスク特性の黒レベル)が直線的に小さくなる特性を採用している。この場合、差分値が大きいということは、隣接する部分画像の輝度の平均値の差分が大きいことを意味する。したがって、この場合には、特性変換部15からの出力値は小さく、図12に符号Aで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベル)を低下させる。これにより、本実施形態の表示装置1では、ゴーストの発生を低減させることができる。逆に入力値(差分値)が小さいということは、隣接する部分画像の輝度の平均値の差が小さいことを意味する。この場合、特性変換部からの出力値を大きくし、図12に符号Bで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベルBL)をあまり低下させないようにする。
ここで、図12に示すように、差分値に対応したマスク特性MSKの黒レベルBLを設定するが、輝度レベルから差分値の出力を得るまでに時間の遅れが生じる。そのため、遅延回路14において、投射装置PJ1〜PJnの1走査ラインから部分画像幅とマスク特性MSKの立下りの分、短い時間だけ遅延させ、検出した次の走査ラインで、マスク特性MSKの黒レベルBLの位置を輝度変化が生じている部分画像の境界の位置に一致させる。なお、実際の画像は、垂直方向の相関性が高いため、1走査ラインの遅延は無視しても問題ない。
なお、図13に示す特性変換部15の入出力特性は直線に限定されるものではなく、実際の見え方に応じて任意の特性に設定すればよい。
なお、図13に示す特性変換部15の入出力特性は直線に限定されるものではなく、実際の見え方に応じて任意の特性に設定すればよい。
このように、本実施形態の表示装置1においては、全体画像を構成する隣接する部分画像の輝度平均値の差分に応じて、第2の画像信号に合成するマスク信号の輝度レベル(黒レベルBL)を制御する。したがって、画像信号が画像の端部にあたるものであるか否か、もしくは画像の幅が比較的狭いものであるか否かを判断し、画像の端部もしくは画像の幅が比較的狭い場合には、ゴーストを目立ちにくくするとともに、比較的大きい画像の端部以外の中央部分では縦縞を目立ちにくくすることができる。
また、本実施形態においては、輝度レベル検出部13が輝度レベルの平均値を検出するため、画像信号の高周波成分による影響を受けることなく、部分画像の幅程度の輝度変化に対応して画像信号を適切に制御することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図14〜図17を用いて説明する。
第2実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、部分画像の境界での輝度レベルを低下させるための信号処理の手法が第1実施形態と異なる。
図14は、第2実施形態の表示装置の回路構成を示すブロック図である。
以下の図面において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態について、図14〜図17を用いて説明する。
第2実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、部分画像の境界での輝度レベルを低下させるための信号処理の手法が第1実施形態と異なる。
図14は、第2実施形態の表示装置の回路構成を示すブロック図である。
以下の図面において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図14に示すように、第2実施形態の表示装置において、制御装置20は、画像信号再構成部10と、バンドパスフィルター21と、タイミング変換部22と、表示制御部23と、を備えている。表示制御部23は、投射装置PJ1〜PJn毎に設けられている。表示制御部23は、特性変換部24と、輝度制御部25と、を備えている。制御装置20は、マスク信号を用いて画像信号のマスク処理を行う。
視点に対応した第1の画像信号は、画像信号再構成部10に入力され、視点毎に対応した部分画像に対応する画像信号に分割された後、投射装置PJ1〜PJn毎に対応する第2の画像信号に再構成される。再構成された第2の画像信号は、輝度制御部25によりマスク処理が施された後、対応する投射装置PJ1〜PJnに出力される。
輝度制御部25は、投射装置PJ1〜PJnの数だけ並列的に構成されており、マスク信号特性の輝度レベル(黒レベル)を制御する。視点毎の第1の画像信号は、それぞれに対応して設けられたバンドパスフィルター21に入力される。
図16は、バンドパスフィルター21の特性の一例を示す図である。
部分画像幅に近い時間幅の信号を検出できるように、バンドパスフィルター21は、部分画像幅の2倍の逆数の近傍が通過周波数に設定されている。例えば、図1および図3に示すように、投射装置PJ1〜PJ9が9台で構成され、各画像信号の水平走査周波数がfhの場合、部分画像の数はプロジェクターの台数に等しい9となるため、映像信号のブランキング期間を無視すると、中心周波数をfh×9/2とし、通過帯域幅をfh/2程度に設定すればよい。
部分画像幅に近い時間幅の信号を検出できるように、バンドパスフィルター21は、部分画像幅の2倍の逆数の近傍が通過周波数に設定されている。例えば、図1および図3に示すように、投射装置PJ1〜PJ9が9台で構成され、各画像信号の水平走査周波数がfhの場合、部分画像の数はプロジェクターの台数に等しい9となるため、映像信号のブランキング期間を無視すると、中心周波数をfh×9/2とし、通過帯域幅をfh/2程度に設定すればよい。
なお、この周波数は厳密である必要はなく、部分画像幅に近い幅を有する画像の存在を検出できるものであればよい。例えば、周波数の閾値を設定しておき、それを超えるレベルが画像の時間幅であるとして時間を測定してもよい。また、バンドパスフィルター21は、アナログ回路、デジタル回路のいずれで構成されていてもよい。
図15は、画像信号の一例を示すタイミングチャートである。
バンドパスフィルター21により画像信号の輝度レベルの高周波成分がカットされ、バンドパスフィルター21の出力が得られる。各投射装置PJ1〜PJnに入力される第2の画像信号は、画像信号再構成部10によって再構成されている。そのため、タイミング変換部22において、バンドパスフィルター21の出力は、対応した投射装置PJ1〜PJnの表示制御部12に割り振られ、対応する表示制御部12の特性変換部24に出力される。
なお、画像信号は視点毎に複数存在するために、バンドパスフィルター21の出力も複数同時に得られる。このとき、タイミング変換部22は、これらの複数の出力から最大値だけを特性変換部24に出力してもよいし、平均値を特性変換部24に出力するようにしてもよい。
バンドパスフィルター21により画像信号の輝度レベルの高周波成分がカットされ、バンドパスフィルター21の出力が得られる。各投射装置PJ1〜PJnに入力される第2の画像信号は、画像信号再構成部10によって再構成されている。そのため、タイミング変換部22において、バンドパスフィルター21の出力は、対応した投射装置PJ1〜PJnの表示制御部12に割り振られ、対応する表示制御部12の特性変換部24に出力される。
なお、画像信号は視点毎に複数存在するために、バンドパスフィルター21の出力も複数同時に得られる。このとき、タイミング変換部22は、これらの複数の出力から最大値だけを特性変換部24に出力してもよいし、平均値を特性変換部24に出力するようにしてもよい。
図17は、特性変換部24の入出力特性の一例を示す図である。
図17の例では、入力値(バンドパスフィルター21の出力)が大きい程、出力値(マスク特性の黒レベル)が直線的に小さくなる特性としている。この場合、差分値が大きいということは、隣接する部分画像の輝度レベルの差が大きいことを意味する。したがって、この場合には、特性変換部24からの出力値は小さく、図12に符号Cで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベルBL)を低下させる。これにより、第2実施形態の表示装置では、ゴーストの発生を低減させることができる。逆に入力値(バンドパスフィルター21の出力)が小さいということは、隣接する部分画像の輝度レベルの差が小さいことを意味する。この場合、特性変換部24からの出力値は大きくし、図15に符号Dで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベルBL)をあまり低下させないようにする。
図17の例では、入力値(バンドパスフィルター21の出力)が大きい程、出力値(マスク特性の黒レベル)が直線的に小さくなる特性としている。この場合、差分値が大きいということは、隣接する部分画像の輝度レベルの差が大きいことを意味する。したがって、この場合には、特性変換部24からの出力値は小さく、図12に符号Cで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベルBL)を低下させる。これにより、第2実施形態の表示装置では、ゴーストの発生を低減させることができる。逆に入力値(バンドパスフィルター21の出力)が小さいということは、隣接する部分画像の輝度レベルの差が小さいことを意味する。この場合、特性変換部24からの出力値は大きくし、図15に符号Dで示すように、マスク特性MSKの輝度レベル(黒レベルBL)をあまり低下させないようにする。
特性変換部24は、タイミング変換部22からの入力値が大きい場合、小さい出力値を輝度制御部25に出力する。このとき、図15に示すように、輝度制御部25は、部分画像幅に近い輝度変動成分が大きいと判断し、マスク特性MSKの黒レベルBLを低下させる。逆に、特性変換部24は、タイミング変換部22からの入力値が小さい場合、大きい出力値を輝度制御部25に出力する。このとき、輝度制御部25は、部分画像幅に近い輝度変動成分が少ないと判断し、マスク特性MSKの黒レベルBLをあまり低下させない。
なお、図17に示す特性変換部24の入出力特性は、直線に限定されるものではなく、実際の見え方により任意の特性に設定すればよい。
なお、図17に示す特性変換部24の入出力特性は、直線に限定されるものではなく、実際の見え方により任意の特性に設定すればよい。
第2実施形態においても、画像の端部もしくは画像の幅が比較的狭い場合に、ゴーストを目立ちにくくするとともに、比較的大きい画像の端部以外の部分で縦縞を目立ちにくくすることができ、画像劣化を抑えることができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図18〜図22を用いて説明する。
第3実施形態の表示装置の基本原理は第1実施形態と同様であり、スクリーンの構成と投射装置の配置が第1実施形態と異なる。
図18は、第3実施形態の表示装置の概略構成図である。図19は、表示装置の平面図である。図20は、スクリーンの斜視図である。
以下の図面において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第3実施形態について、図18〜図22を用いて説明する。
第3実施形態の表示装置の基本原理は第1実施形態と同様であり、スクリーンの構成と投射装置の配置が第1実施形態と異なる。
図18は、第3実施形態の表示装置の概略構成図である。図19は、表示装置の平面図である。図20は、スクリーンの斜視図である。
以下の図面において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図18に示すように、第3実施形態の表示装置31は、スクリーン32と、複数の投射装置PJと、制御装置33と、記憶装置34と、架台35と、を備える。架台35は、スクリーン32および複数の投射装置PJを支持するとともに、制御装置33および記憶装置34を収容する。記憶装置34は、例えば外部のLAN等を通じて入力された画像信号を記憶する。
図19および図20に示すように、スクリーン32は、仮想の中心軸Cを中心とする円筒状の形状を有する。すなわち、中心軸Cに垂直な平面で切断したスクリーン32の断面形状は円形である。スクリーン32は、中心軸Cが鉛直方向を向くように架台35の上に設けられている。スクリーン32は、例えばアクリル製の透明円筒36の外側に、異方性拡散シート37が貼り付けられた構成を有する。異方性拡散シート37は、透明円筒36の鉛直方向Vに広い拡散角を有し、円周方向Rに狭い拡散角を有する。複数の投射装置PJは、スクリーン32の下部に、画像光Lの光軸の水平方向が透明円筒36の中心軸C方向を向き、鉛直方向が斜め上方を向くように配置されている。
図21は、一つの投射装置と一つの視点位置との関係を示す図である。図22は、複数の投射装置と複数の視点位置との関係を示す図である。
図21および図22に示すように、投射装置PJ1〜PJ13は、予め設定した複数の視点S1〜S3に対応して全体画像を複数の部分画像に分割し、再構成した画像を投射する。観察者Mが視点位置から観察することで、元の画像を視認することができる。また、観察者Mの右眼と左眼が別の視点S1,S2に位置するように視点の位置を設定することで、立体視が可能である。
図21および図22に示すように、投射装置PJ1〜PJ13は、予め設定した複数の視点S1〜S3に対応して全体画像を複数の部分画像に分割し、再構成した画像を投射する。観察者Mが視点位置から観察することで、元の画像を視認することができる。また、観察者Mの右眼と左眼が別の視点S1,S2に位置するように視点の位置を設定することで、立体視が可能である。
第3実施形態においても、画像の端部もしくは画像の幅が比較的狭い場合に、ゴーストを目立ちにくくするとともに、比較的大きい画像の端部以外の部分で縦縞を目立ちにくくすることができ、画像劣化を抑えることができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
表示装置の各構成要素の配置、形状、数等の具体的な構成は、適宜変更が可能である。
表示装置の各構成要素の配置、形状、数等の具体的な構成は、適宜変更が可能である。
1,31…表示装置、2,32…スクリーン、2A…被投射面、3,20,33…制御装置、10…画像信号再構成部、12…表示制御部、13…輝度レベル検出部、16,25…輝度制御部、21…バンドパスフィルター、PJ,PJ1〜PJ13,PJn…投射装置、L…画像光、S1〜S9…視点。
Claims (6)
- 被投射面の面内において互いに直交する2つの方向を第1方向および第2方向としたとき、前記第1方向における拡散角が前記第2方向における拡散角よりも大きい特性を有する透過型のスクリーンと、
前記スクリーンの光入射側に設けられ、前記被投射面に画像光をそれぞれ投射する複数の投射装置と、
前記スクリーンの光射出側に前記第2方向に沿って設定された複数の視点において、前記複数の投射装置の各々からそれぞれ投射された前記画像光の一部によって形成される部分画像が前記第2方向に複数並んだ一つの全体画像として視認されるように、前記視点に対応した第1の画像信号から前記投射装置に対応した第2の画像信号を再構成する画像信号再構成部と、
前記第1の画像信号の輝度レベルもしくは前記第2の画像信号の輝度レベルに応じて、隣接する2つの前記部分画像の境界近傍の輝度レベルを制御前の輝度レベルよりも低下させるように、前記第2の画像信号を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記制御装置は、マスク信号を用いた前記第2の画像信号のマスク処理を行うことにより、前記隣接する2つの部分画像の境界近傍の輝度レベルを低下させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記制御装置は、
前記画像信号再構成部から出力された前記第2の画像信号に基づいて、前記第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出部と、
前記輝度レベル検出部の検出結果に基づいて、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に低く、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に高くする輝度制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。 - 前記輝度レベル検出部は、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの平均値を検出することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記制御装置は、
前記画像信号再構成部に入力される前記第1の画像信号のうち、所定の周波数帯域の前記第1の画像信号を通過させるバンドパスフィルターと、
前記バンドパスフィルターからの出力に基づいて、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に大きいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に低く、前記隣接する2つの部分画像に対応する前記輝度レベルの差が相対的に小さいと判断した場合に前記境界近傍の前記マスク信号の輝度レベルを相対的に高くする輝度制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。 - 前記バンドパスフィルターは、前記部分画像の時間幅の2倍の逆数に相当する周波数成分近傍の前記第1の画像信号を通過させることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016031184A JP2017152785A (ja) | 2016-02-22 | 2016-02-22 | 表示装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019203955A (ja) * | 2018-05-22 | 2019-11-28 | 株式会社Jvcケンウッド | プロジェクタ及びマルチプロジェクションシステム |
WO2019225052A1 (ja) * | 2018-05-22 | 2019-11-28 | 株式会社Jvcケンウッド | プロジェクタ及びマルチプロジェクションシステム |
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-
2016
- 2016-02-22 JP JP2016031184A patent/JP2017152785A/ja active Pending
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US11372321B2 (en) | 2018-05-22 | 2022-06-28 | Jvckenwood Corporation | Projector and multi-projection system |
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