JP6939138B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、感光体にトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上のトナー像を用紙に転写する画像形成装置が知られている。
また、中間転写ベルトとして、樹脂材料の基材層の上にゴム材料等による弾性層を備えた中間転写ベルトを用いることで、ベルトの弾性を利用して用紙との密着性が高められ、転写効率の向上を図ることが可能であることが知られている。
このような画像形成装置においては、画像濃度を調整するため、中間転写ベルト上で光学的にIDC(Image Density Control)センサーによって画像濃度を検知することが広く行われている。
画像濃度の検知は、ベルト面の反射率とトナー像の反射率の差を利用しているため、ベルト面に傷やフィルミング(紙粉などの付着)が発生し、ベルト面の反射率にムラが生じると、画像濃度の誤検知に繋がるおそれがある。特に、副走査方向(FD方向)のスジや濃度段差があると、検知中にベルトが蛇行した際などにトナー濃度の誤検知に繋がる。
しかしながら、弾性層を備えた中間転写ベルトは、表面が軟らかいので傷がつきやすく、紙粉等の異物が付着しやすいという特性を有するため、画像濃度を検知する際、ベルト表面の傷や紙粉フィルミングからIDCセンサーの誤検知が発生しやすく、そうした検知結果に基づいて階調補正等の画像処理が行われてしまうことで、所望の色調が得られないといった画像不良が発生するおそれがある。
そこで、画像形成装置においては、用紙への転写位置に対して、弾性層を備えた中間転写ベルトの周回方向下流側に、当該中間転写ベルトに接触するようにクリーニングブラシを設けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−198593号公報
しかしながら、上記特許文献1は、転写材の添加剤が固定されにくい性質を有する中間転写ベルトを選択することで異常画像の発生を抑える技術であり、クリーニングブラシのクリーニング性能について勘案されていない。
このため、クリーニングブラシの性能や当該ブラシの設置条件によっては、ベルト傷及び紙粉フィルミングが発生し、結果として画像不良が発生するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ベルト傷及び紙粉フィルミングの発生を抑制し、高品質な画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によれば、
表面に弾性層を有する中間転写体上に形成されたトナー像を用紙に転写して画像を形成する画像形成装置であって、
トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面に付着した付着物を清掃する剛体製のブレードである清掃手段と、
前記清掃手段よりも前記中間転写体の周回方向の上流側に設けられ、前記清掃手段の前に、トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面を清掃するブラシ部材と、
各部の処理動作を統括制御する制御部と、
を備え、
前記ブラシ部材は、ブラシの繊維がループ状に設けられたループブラシであり、
前記制御部は、前記記憶手段に記憶された前記中間転写体の駆動距離又はその代用値に応じて、前記ブラシ部材の回転数を、前記中間転写体との間の摩擦力が低くなる方向に変更することを特徴とする。
また、本発明によれば、
表面に弾性層を有する中間転写体上に形成されたトナー像を用紙に転写して画像を形成する画像形成装置であって、
トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面に付着した付着物を清掃する剛体製のブレードである清掃手段と、
前記清掃手段よりも前記中間転写体の周回方向の上流側に設けられ、前記清掃手段の前に、トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面を清掃するブラシ部材と、
前記ブレードの設置時点からの前記中間転写体の駆動距離又はその代用値を記憶しておく記憶手段と、
各部の処理動作を統括制御する制御部と、
を備え、
前記ブラシ部材は、ブラシの繊維がループ状に設けられたループブラシであって、前記中間転写体から付着物を回収する方向のバイアス電圧が印加されており、
前記制御部は、前記記憶手段に記憶された前記中間転写体の駆動距離又はその代用値に応じて、前記ブラシ部材に印加するバイアス電圧を、前記中間転写体から付着物を回収する力が小さくなる方向に変更することを特徴とする。
本発明によれば、ベルト傷及び紙粉フィルミングの発生を抑制し、高品質な画像を形成することができる。
本発明の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。 画像形成装置の制御構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施の形態におけるベルトクリーニング部の構成を示す図である。 ブラシ部材の拡大模式図である。 直毛ブラシとループブラシのベルト傷の発生状況を示すグラフである。 直毛ブラシとループブラシの紙粉フィルミングの発生状況を示すグラフである。 第2の実施の形態におけるベルトクリーニング部の構成を示す図である。 直毛ブラシとループブラシの外添剤の回収性を示すグラフである。 直毛ブラシとループブラシの外添剤の吐き出し性を示すグラフである。 第3の実施の形態におけるベルトクリーニング部の構成を示す図である。 ブラシの回転数の制御パターンの一例を示すグラフである。 ブラシへの印加バイアスの制御パターンの一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<第1の実施の形態>
[画像形成装置の構成]
まず、第1の実施の形態における画像形成装置の構成について説明する。
本実施の形態における画像形成装置100は、所謂タンデム方式のカラープリンターである。
図1は、画像形成装置100の概略構成図である。図2は、画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。
図1、2に示すように、画像形成装置100は、画像形成部10、センサーS、ベルトクリーニング部20、給紙部30、制御部41、操作部42、表示部43、記憶部44、通信部45等を備えて構成され、各部はバスにより接続されている。
画像形成部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム11Y,11M,11C,11K、帯電部12Y,12M,12C,12K、露光部13Y,13M,13C,13K、現像部14Y,14M,14C,14K、一次転写ローラー15Y,15M,15C,15K、感光体クリーニング部16Y,16M,16C,16Kと、中間転写体としての中間転写ベルト17と、二次転写ローラー18と、定着部19と、を備える。
帯電部12Y,12M,12C,12Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kを一様に帯電させる。
露光部13Y,13M,13C,13Kは、レーザー光源、ポリゴンミラー、レンズ等から構成され、各色の画像データに基づいて感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面をレーザービームにより走査露光して静電潜像を形成する。
現像部14Y,14M,14C,14Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上の静電潜像に各色のトナーを付着させ、現像を行う。
一次転写ローラー15Y,15M,15C,15Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト17上に逐次転写させる(一次転写)。すなわち、中間転写ベルト17上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
感光体クリーニング部16Y,16M,16C,16Kは、転写後の感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面上に残ったトナーを除去する。
中間転写ベルト17は、導電性を有する無端状のベルト部材であり、複数のローラー(駆動ローラー、テンションローラー、従動ローラー)により張架され、図1の矢印Aで示す方向に周回駆動される。なお、中間転写ベルト17の構成の詳細については後述する。
二次転写ローラー18は、中間転写ベルト17上に形成されたカラートナー像を、給紙部30から供給された用紙Pの一方の面上に一括して転写させる(二次転写)。
定着部19は、用紙P上に転写されたトナーを、加熱・加圧により用紙P上に定着させる。
センサーSは、例えば、IDC(Image Density Control)センサーなどの光学センサーが用いられ、中間転写ベルト17の周回方向において二次転写位置の下流に設置されている。
センサーSは、検知手段として、中間転写ベルト17の表面を検知するためにベルト表面に対向して配置されており、中間転写ベルト17上のトナー量を光学的に検知する。
そして、補正手段としての制御部41の制御により、非画像形成時に、画像形成部10によりベルト表面にトナーパッチが形成され、センサーSによるそのトナーパッチの検出値に基づいて、画像形成部10における作像条件が定期的に補正される。これにより、例えば、温度や湿度の経時的変化、或いは部品の交換等に伴い、形成される画像に濃度の変化が生じた場合にこれが補正され、画像濃度の安定化を図ることができる。
ベルトクリーニング部20は、二次転写ローラー18により用紙Pにカラートナー像が転写された後の中間転写ベルト17から、用紙Pに転写されずに残った残留トナーや紙粉等の付着物を除去し、中間転写ベルト17をクリーニングする。なお、ベルトクリーニング部20の構成の詳細については後述する。
給紙部30は、画像形成装置100の下部に備えられ、着脱可能な給紙カセット31を備えている。給紙カセット31に収容された用紙Pは、その最上部のものより1枚ずつ給紙ローラー32によって搬送経路に送り出されるようになっている。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、画像形成装置100の各部の処理動作を統括的に制御する。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、各種処理を実行する。
操作部42は、表示部43の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を制御部41に出力する。
表示部43は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
記憶部44は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理に関するデータ等を記憶する。
通信部45は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
[中間転写ベルトの構成]
次に、中間転写ベルト17の構成について説明する。
中間転写ベルト17は、少なくとも一層の弾性層を含む弾性中間転写ベルトである。
具体的には、中間転写ベルト17は、例えば、ポリイミド(PI)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂で構成された基材層の上に、アクリルニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)やクロロプレンゴム(CR)等のゴムからなる弾性層を形成した弾性ベルトなどを用いることができる。
このとき、中間転写ベルト17の搬送性や交換時の作業性を良好にするため、基材層の厚みを50〜100μm程度、エンボス紙等の表面に凹凸のある用紙Pに対する転写性を高めるため、弾性層の厚みを100〜500μm程度とすることが好ましい。
また、タック性を低減させるため、弾性層の表面に弾性層よりも硬度の高い表層を設けることも好ましく、例えば、弾性層の表面に2〜20μm程度の酸化処理層を設けたり、2〜20μm程度のフッ素樹脂などのコート層を設けたりすることも好ましい。
なお、中間転写ベルト17は、所望の転写性を有するものであれば良く、材質や厚みは上記したものに限定されない。
中間転写ベルト17の表面硬度(弾性層或いは表層の表面硬度)は、ナノインデンテーション法による表層硬度の測定において400MPa以下に設定するのが好ましい。
400MPaを超えると紙粉のフィルミングやベルト表面の傷に対しては強くなるが、用紙Pの凹凸追随性が確保できなくなり弾性層の効果が失われるためである。
なお、ナノインデンテーション法とは、試料の表面に所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成する過程において、試験力(圧子に負荷される力)と、押込み深さ(圧子の変位量)とを連続して計測し、得られた押込み曲線を解析することにより、材料の機械的性質を求める試験方法である。
[ベルトクリーニング部の構成]
次に、ベルトクリーニング部20の構成について説明する。
図3は、ベルトクリーニング部20の概略構成図である。
なお、ベルトクリーニング部20を構成する各部は、中間転写ベルト17の周回方向に対して交差する幅方向に沿って長尺状である。
図3に示すように、ベルトクリーニング部20は、ケーシングCAを備え、その内部に、例えば、清掃手段21と、ブラシ部材22と、フリッカー部材23と、などが備えられる。
また、中間転写ベルト17を介してケーシングCA(清掃手段21)と対向する位置には、ブレード対向ローラー24が備えられている。
また、中間転写ベルト17を介してブラシ部材22と対向する位置には、ブラシ対向ローラー25が備えられている。
清掃手段21は、例えば、ゴムブレード21a、ブレード保持部材21b及び付勢バネ21cを備えて構成されている。
ゴムブレード21aは、ゴム製の板体であって、その先端を、回転している中間転写ベルト17に当接させて、中間転写ベルト17に付着した付着物を掻き取って除去するためのものである。ゴムブレード21aは、ブレード保持部材21bにより、回転支点Gを中心に回転可能に保持されている。
ブレード保持部材21bは、その一端にゴムブレード21aを保持し、回転支点Gを中心に回転可能に構成されている。ブレード保持部材21bの他端には、付勢バネ21cが係合されており、そのバネの力によって中間転写ベルト17に対すゴムブレード21aの圧接力(当接圧)が得られるように構成されている。
付勢バネ21cは、例えば、引っ張りコイルバネであり、この付勢バネ21cによってブレード保持部材21bとゴムブレード21aは反時計回りに回転する力を与えられ、ゴムブレード21aが中間転写ベルト17に定圧圧接されることとなる。
このような定圧圧接方式(バネ荷重方式)とすることで、環境に依らず当接圧を適正に維持することができる。なお、定圧圧接方式を実現できるものであれば、引張りコイルバネ以外にも、圧縮コイルバネ等を用いても良い。
ブラシ部材22は、中間転写ベルト17の周回方向においてゴムブレード21aの上流側において、中間転写ベルト17に当接するように設けられている。
ブラシ部材22は、中間転写ベルト17の周回方向に対してカウンター方向に回転するブラシ体であり、中間転写ベルト17に付着した紙粉を除去し、紙粉がゴムブレード21aを通過する際にゴムブレード21aの当接圧力によって中間転写ベルト17に埋まり込むのを回避する役割を担う。即ち、ブラシ部材22は、中間転写ベルト17上のゴムブレード21aに突入する紙粉を除去し、ゴムブレード21aでの紙粉フィルミングを低減させるためのものである。
また、ブラシ部材22は、中間転写ベルト17上に付着した残留トナーやそこから離脱した外添剤の一部を回収する役割も担う。
図4は、ブラシ部材22の一部を示す拡大模式図である。
図4に示すように、ブラシ部材22としては、ブラシのパイル(繊維)の両端が基材に固定されてループ状となったループブラが用いられる。
ブラシ部材22のパイルの材質としては、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系などの材質が挙げられる。
また、ブラシ部材22のパイルの繊度としては、例えば、2〜10d(デニール)のものが好ましく用いられる。繊度が2dより低いと中間転写ベルト17との間の摩擦力が低くなりすぎ、回収性が不足する。繊度が10dより高いと中間転写ベルト17との間の摩擦力が高くなりすぎ、トルクアップに繋がる。
また、ブラシ部材22のパイルの密度としては、例えば、80〜200kF/inchのものが好ましく用いられる。密度が80kF/inchより低いと中間転写ベルト17との間の摩擦力が低くなりすぎ、回収性が不足する。密度が200kF/inchより高いと中間転写ベルト17との間の摩擦力が高くなりすぎ、トルクアップに繋がる。
また、ブラシ部材22のパイル長は、例えば、2〜5mm程度のものを用いることができる。また、中間転写ベルト17へのブラシ部材22の押込み量は、パイル長にもよるが、例えば、0.1〜3mm程度が好ましい。
図3に戻って、フリッカー部材23は、ブラシ部材22に接触可能な位置に設けられ、ブラシ部材22の回転方向に対してカウンター方向に回転し、ブラシ部材22が中間転写ベルト17から回収した紙粉やトナー、外添剤といった回収物をブラシ部材22から離脱させ、ブラシ部材22の表面の回収物付着量が、常に一定の基準値以下となるように維持するためのものである。
フリッカー部材23としては、例えば、アルミ製のローラーの表面をメッキ処理して高硬度化したローラー等を用いることができるが、所定のフリッキング機能を有するものであれば、フリッカー部材23の材質、物性、設定に特に限定はない。
また、フリッカー部材23にはスクレーパー23aが当接されており、ブラシ部材22から回収した回収物を逐次掻き落として、フリッカー部材23の表面に回収物が付着していない状態を保つ。
また、ケーシングCAの底部近傍には、ゴムブレード21aやブラシ部材22により中間転写ベルト17から除去された除去物を、ケーシングCAの外部に排出するためのスクリュー(図示省略)が備えられている。
ブレード対向ローラー24は、中間転写ベルト17を介して清掃手段21に対向する位置に配される。
ブレード対向ローラー24は、ゴムブレード21aの先端部から、中間転写ベルト17の周回方向の下流側1mm程度の位置に僅かにずらして配置されることが好ましい。
このように配置することで、ブレード対向ローラー24の微小な凹凸、又は、中間転写ベルト17の微小な凹凸により、ゴムブレード21aが持ち上げられ、微小凹凸部の左右がすり抜ける、所謂ホチキス状すり抜けが発生するのを抑制することができる。
ブラシ対向ローラー25は、中間転写ベルト17を介してブラシ部材22に対向する位置に配され、ブラシ部材22の付着物除去機能を良好に維持する。
[ベルトクリーニング部の作用]
次に、本実施の形態におけるベルトクリーニング部20の作用について説明する。
本実施の形態のベルトクリーニング部20では、先ず、ブラシ部材22が、中間転写ベルト17に対してカウンター回転し、中間転写ベルト17上の紙粉や残留トナー等の付着物が除去される。次いで、ゴムブレード21aにより、中間転写ベルト17上の付着物が掻き取られて除去される。
このように、ブラシ部材22及びゴムブレード21aにより、中間転写ベルト17上の付着物が除去されることとなる。
ここで、本実施の形態においては、ブラシ部材22としてループブラシが用いられている。これにより、一般的な直毛ブラシを用いた場合と比較して、ベルト傷や紙粉フィルミングの発生を抑えることができるようになっている。よって、ベルト面の反射率にムラが生じ難いため、センサーSによる画像濃度の誤検知が発生し難く、高品質な画像を形成することが可能となっている。
以下、一般的な直毛ブラシとループブラシの、ベルト傷や紙粉フィルミングの発生状況の違いについて説明する。
なお、以下の説明において比較のために用いた直毛ブラシとループブラシは、その材質、繊度及び密度が同一である。
図5は、直毛ブラシとループブラシそれぞれの、ベルト傷の発生状況を示すグラフである。図5では、ベルトとブラシ間の摩擦力を変えたときの、ブラシによるベルト傷の程度を、光沢度差によって評価している。また、一点鎖線は、ベルト傷が、センサー出力に影響しないと考えられるレベル(光沢度差2.5度)を示している。
なお、光沢度差は、20枚画像形成した後の、ベルト表面の0%の部分と100%の部分の光沢度差である。また、紙粉の出ないコート紙を使用し、紙粉フィルミングの影響を除いて傷による光沢差を評価した。
図6は、直毛ブラシとループブラシそれぞれの、紙粉フィルミングの発生状況を示すグラフである。図6では、ベルトとブラシ間の摩擦力を変えたときの、紙粉フィルミングの程度を、光沢度差によって評価している。また、一点鎖線は、紙粉フィルミングが、センサー出力に影響しないと考えられるレベル(光沢度差2.5度)を示している。
なお、光沢度差は、3枚画像形成した後の、ベルト表面の0%の部分と100%の部分の光沢度差である。また、紙粉が出やすい上質紙を用い、ブラシによるベルト傷の影響が少ない3枚画像形成時点にて紙粉フィルミングによる光沢差を評価した。
図5に示すように、ブラシによるベルト傷は、ベルトとブラシ間の摩擦力が高くなるほど発生しやすい。よって、ベルト傷の観点からは、ベルトとブラシ間の摩擦力は小さい状態でブラシを当接させたい。
一方、図6に示すように、紙粉フィルミングは、ベルトとブラシ間の摩擦力が低くなるほど発生しやすい。これは、ベルトとブラシ間の摩擦力が低くなるほどブラシによる紙粉回収能力が弱まるためと考えられる。よって、紙粉フィルミングの観点からは、ベルトとブラシ間の摩擦力は大きい状態でブラシを当接させたい。
従って、ベルト傷と紙粉フィルミングの両方を同時に満たすためのベルト及びブラシ間摩擦力を設定する必要がある。
直毛ブラシの場合、図5に示すように、ベルト傷を抑えるためには、ベルトとブラシ間の摩擦力は、概ね12N/m以下とする必要があり、図6に示すように、紙粉フィルミングを抑えるためには、ベルトとブラシ間の摩擦力は、概ね15N/m以上とする必要がある。
よって、直毛ブラシの場合、ベルト傷と紙粉フィルミングの両方を同時に満たすことはできず、センサーSの誤検知を回避することができない。
これに対して、ループブラシの場合、図5に示すように、ベルト傷を抑えるためには少なくとも20N以下に抑えられていれば良く、さらに大きい摩擦力に対しても余裕があることが予想される。また、図6に示すように、紙粉フィルミングを抑えるためには、ベルト及びブラシ間の摩擦力は、概ね8N/m以上とすれば良い。
よって、ループブラシの場合、ベルト傷と紙粉フィルミングの両方を同時に満たすためには8〜20Nの間にすれば良く、上限に関してはさらに高い摩擦力まで許容できることも予想でき、センサーSの誤検知を回避することができる。
また、ループブラシの場合、ベルト及びブラシ間の摩擦力を15N/m以上とすることで、紙粉フィルミングの発生をほぼ抑えることができ、かつブラシ傷の発生もほぼなくすことができるため、より好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、表面に弾性層を有する中間転写ベルト17の上に形成されたトナー像を用紙Pに転写して画像を形成する画像形成装置100であって、トナー像を用紙Pに転写した後の中間転写ベルト17に当接して中間転写ベルト17の表面に付着した付着物を清掃する清掃手段21と、清掃手段21よりも中間転写ベルト17の周回方向の上流側に設けられ、清掃手段21の前に、トナー像を用紙Pに転写した後の中間転写ベルト17に当接して中間転写ベルト17の表面を清掃するブラシ部材22と、を備え、ブラシ部材22は、ブラシの繊維がループ状に設けられたループブラシである。
このため、一般的な直毛ブラシを用いた場合と比較して、ベルト傷及び紙粉フィルミングの発生を抑えることができる。よって、ベルト面の反射率にムラが生じ難いため、センサーSによる画像濃度の誤検知が発生し難くなり、高品質な画像を形成することができる。
また、本実施の形態によれば、清掃手段21は、中間転写ベルト17に当接するゴムブレード21aを備え、ブラシ部材22と中間転写ベルト17の間の摩擦力は、15N/m以上である。
このため、ベルト傷及び紙粉フィルミングの発生をより確実に抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、中間転写ベルト17は、表面硬度が400MPa以下である。
このため、用紙Pの凹凸追随性を確保することができる。
また、本実施の形態によれば、中間転写ベルト17上のトナー量を光学的に検知するセンサーSと、センサーSによる検知値に基づいて、トナー像の作像条件を補正する補正手段と、
を備える。
このため、センサーSによる検知値に基づいてトナー像の作像条件が補正されることで、所望の色調を得ることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本実施の形態におけるベルトクリーニング部20Aの構成を示す図である。
本実施の形態のベルトクリーニング部20Aでは、第1の実施の形態におけるゴムブレード21aに代わりに、金属等の非弾性体材料から構成されたブレード(以下、剛体ブレードという)21dを用いている。
本実施の形態で用いる剛体ブレード21dとしては、例えば、その厚さが数十〜数百μm程度の、鉄やSUS(ステンレス鋼)の金属切片を用いることができる。
かかる剛体ブレード21dは、第1の実施の形態と同様に、ブレード保持部材21bに保持され、付勢バネ21cにより、中間転写ベルト17に対する圧接力が得られるように構成されている。
第1の実施の形態のベルトクリーニング部20のように、弾性層を有する中間転写ベルトにゴムブレードを組み合わせた場合、特に高温高湿環境下において、ベルトとブレードとの間の摩擦力が上昇し、ベルトの駆動トルクが上がったり、ブレードのメクレに繋がるおそれがあるところ、本実施の形態のように、剛体ブレードを用いることにより、上記した特に高温高湿環境下における問題を回避することができることとなる。
ここで、剛体ブレードを、弾性層を有する中間転写ベルトに組み合わせた場合、特に、ブレードに突入するトナーや外添剤の量が多い場合には、ブレード上流に外添剤の凝集物が成長し、それがクリーニング性を阻害するおそれが一般的に知られている。
この点について、本実施の形態においては、ブラシ部材22としてループブラシが設けられているため、上記した剛体ブレード使用時の外添剤凝集を抑制することができる。
以下、ループブラシによる外添剤凝集の抑制能力について説明する。
なお、以下の説明で比較のために用いた直毛ブラシとループブラシは、その材質、繊度及び密度が同一である。
図8は、直毛ブラシとループブラシそれぞれの、外添剤の中間転写ベルト17からの回収性を示すグラフである。図8では、中間転写ベルト17に対して3段階の供給量にて外添剤を供給し、直毛ブラシとループブラシそれぞれに付着した外添剤の付着量を測定した。
図9は、直毛ブラシとループブラシそれぞれの、外添剤の吐き出し性を示すグラフである。図9では、直毛ブラシとループブラシそれぞれに、3段階の供給量にて予め外添剤を含ませ、フリッカー部材と一定時間の摺擦させた後の、外添剤の残存量を測定した。残存外量の測定は、ブラシの一定面積を、フィルターを介したポンプによって吸引し、フィルターに付着した外添剤の量で評価した。
なお、ブラシ部材の回転方向はベルトに対しカウンター方向で表面速度比で1.0になるように回転数を設定した。フリッカー部材の回転方向はブラシ部材に対しカウンター方向で表面速度比で1.5になるように回転数を設定した。
また、直毛ブラシとループブラシそれぞれにおいて、ベルトとブラシ間の摩擦力は、ほぼ同一であった。
図8から、ループブラシの方が直毛ブラシより回収性が良いことが分かる。
また、図9から、ループブラシの方が直毛ブラシより残存量が少ないことが分かる。
即ち、ベルトに対する摩擦力がほぼ同一の条件において、ループブラシは、直毛ブラシと比較して、外添剤の回収性が高く、また、回収した外添剤を速やかにフリッカー部材に吐き出すことができることがわかる。
このため、比較的ブラシ表面がきれいに保たれることで、外添剤の回収性を維持しつつ、ブラシからベルトへの外添剤の再付着を回避することができることとなる。また、剛体ブレード21dに突入する外添剤量を効果的に低減することができる。
よって、ループブラシを用いることで、弾性中間転写ベルトに剛体ブレードを組み合わせた時に発生しやすい外添剤凝集による拭き残しが発生しにくくすることができる。
また、ループブラシを用いることで、低いトルクで外添剤の凝集を回避できるため、ベルト傷の発生を抑制する観点からもより好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ブラシ部材22としてループブラシを備え、かつ清掃手段21が中間転写ベルト17に当接する剛体ブレード21dを備えているため、剛体ブレード使用時に発生しやすい外添剤凝集を抑制しつつ、高温高湿環境下において、ベルトの駆動トルクが上がったり、ブレードが捲れるといった事態の発生を抑制することができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について、第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、本実施の形態におけるベルトクリーニング部20Bの構成を示す図である。
本実施の形態のベルトクリーニング部20Bでは、第2の実施の形態における剛体ブレード21dに、コート層21eを備えたものを用いている。
コート層21eは、剛体ブレード21dの基材となる金属切片よりも硬い材質であり、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、シリコンカーバイト(SiC)、亜鉛メッキやクロムメッキ等の金属メッキなどを用いることができる。
なお、コート層21eは、基材の表面全体を覆うように設けても良いが、剛体ブレード21dの、少なくとも中間転写ベルト17と当接する当接部に設けられていれば良い。
このようなコート層21eを設けることにより、ブレードの摩耗が低減され、ブレードの長寿命化を図ることができる。
ここで、剛体ブレード21dにこうしたコート層21eを設けた場合、エッジにアール形状が形成され、コート層21eを設けない場合よりも、エッジに外添剤の凝集が発生しやすくなることが一般的に知られている。このため、本実施の形態においては、制御部41により、ブラシ部材22に以下の3つの制御のいずれかを行うことで、凝集物の発生を回避している。
第1の制御としては、ブラシ部材22による中間転写ベルト17からのトナーや外添剤の回収力を強めるため、ブラシ部材22にトナーや外添剤を回収する方向のバイアス電圧を印加する。
これにより、中間転写ベルト17上の残留トナー量が多い場合でも、もともとのブラシ部材22(ループブラシ)の回収性の高さに加え、ブラシ部材22を通過した後にブレードに突入するトナー及び外添剤の量を十分に少なくでき、凝集物の発生を回避することができるようになる。
また、第2の制御としては、ブラシ部材22からのフリッカー部材23によるトナーや外添剤の回収力を強めるため、フリッカー部材23にトナーや外添剤を回収する方向のバイアス電圧を印加する。
これにより、もともとのブラシ部材22(ループブラシ)の吐き出し性の高さに加え、ブラシ部材22の表面の状態がより回収性の高い状態で維持されることとなり、ブラシ部材22の回収性の低下を回避でき、ブラシ部材22を通過した後にブレードに突入するトナーや外添剤の量を十分に少なくでき、凝集物の発生を回避することができるようになる。
また、第3の制御としては、上記のブラシ部材22に印加するバイアス電圧と、フリッカー部材23に印加するバイアス電圧を、組み合わせて用いる。
この場合、ブラシ部材22に印加するバイアスに対して、フリッカー部材23に印加するバイアス電圧がトナーを引き付ける電界を形成できるように設定する。例えば、トナーがマイナスの場合、ブラシ部材22にはプラスの電圧を印加し、フリッカー部材23にはブラシ部材22に印加した電圧より大きいプラスの電圧を印加する。
以上のように、本実施の形態によれば、上記第1、第2の実施の形態と同様の効果を得られるのは勿論のこと、剛体ブレード21dの中間転写ベルト17との当接部にはコート層21eが備えられ、ブラシ部材22には、中間転写ベルト17からトナーを回収する方向のバイアスが印加されている。
このため、外添剤の凝集を回避しつつ、ブレードの長寿命化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、ブラシ部材22に当接し、ブラシ部材22が中間転写ベルト17から回収したトナーを当該ブラシ部材22から吐き出させるフリッカー部材23を備え、フリッカー部材23には、ブラシ部材22からトナーを回収する方向のバイアス電圧が印加されている。
このため、より確実に外添剤の凝集を回避しつつ、ブレードの長寿命化を図ることができる。
<変形例>
なお、上記第2、第3の実施の形態にて述べた、剛体ブレード21d、或いは、コート層21eを備えた剛体ブレード21dにおける外添剤の凝集は、エッジのアール形状に起因して発生し、耐久時間(使用した累積時間)に伴ってエッジのアール形状が摩耗していくと、これに伴って次第に発生しにくくなる。
このため、制御部41により、耐久時間が多くなるに従い、ブラシ部材22の駆動条件を、緩和する方向に変更する制御を行うことも好ましい。
具体的には、例えば、ブラシ部材22の回転数を、耐久時間が多くなるに従い低下させる。その結果、ブラシ部材22と中間転写ベルト17との間の摺擦を低減でき、ブラシ部材22及び中間転写ベルト17の長寿命化を図ることができる。
また、ブラシ部材22に印加するバイアス電圧を、耐久時間が多くなるに従い低下させる。その結果、ブラシ部材22と中間転写ベルト17との間の放電を抑制でき、放電によって発生するオゾンで起こってしまうベルトのオゾン劣化を抑制することができる。
以下、具体的な制御について説明する。
図11は、上記した制御パターンの一例を示すグラフである。
図11において、横軸はブレード交換時点からのベルト駆動距離であり、縦軸はブラシ部材の回転数である。
かかる制御において、ブレードの設置時点からの中間転写ベルト17の駆動距離は、記憶手段としての記憶部44に記憶されていく。
そして、制御部41は、記憶部44に記憶された中間転写ベルト17の駆動距離が、予め設定された、アール形状が摩滅すると予想されるベルト駆動距離(摩滅予想値)に達するまで、徐々にブラシ回転数を中間転写ベルト17との間の摩擦力が低くなる方向に変更し、摩滅予想値に達したら、紙粉除去のために必要な最低限の回転数(最低限回転数)に維持する制御を行う。
具体的には、図11に示すとおり、ブレード交換直後(設置時点)は、エッジのアール形状が大きいため、ブラシ回転数は初期状態でも外添剤凝集が回避できる程度に高めに設定されている。
そして、ベルト駆動距離が増えるに従い、エッジのアール形状は摩耗していき当初必要としていたほどのブラシ回転数は必要なくなっていくため、徐々に回転数を低下させている。
また、エッジのアール形状が摩滅してしまったあとは、ブラシ部材は紙粉除去の役割のみを果たせばよいので、摩滅予想値に達した後は、紙粉除去のために必要な最低限回転数に維持される。
図12は、他の制御パターンの一例を示すグラフである。
図12において、横軸はブレード交換時からのベルト駆動距離であり、縦軸はブラシ部材に印加する印加バイアス(絶対値)である。
かかる制御において、ブレードの設置時点からの中間転写ベルト17の駆動距離は、記憶手段としての記憶部44に記憶されていく。
そして、制御部41は、記憶部44に記憶された中間転写ベルト17の駆動距離が、予め設定された摩滅予想値に達するまで、徐々にブラシ部材22に印加するバイアス電圧を、中間転写ベルト17から付着物を回収する力が小さくなる方向に変更し、摩滅予想値に達したら、ブラシバイアスの印加を停止する制御を行う。
具体的には、図12に示すとおり、ブレード交換直後(設置時点)は、エッジのアール形状が大きいため、ブラシバイアスの絶対値は初期状態でも外添剤凝集が回避できる程度に高めに設定されている。
そして、ベルト駆動距離が増えるに従い、エッジのアール形状は摩耗していき当初必要としていたほどのブラシバイアスは必要なくなっていくため、徐々にバイアスを低下させている。
また、エッジのアール形状が摩滅してしまったあとは、ブラシ部材は紙粉除去の役割のみを果たせばよいのでブラシバイアスは必要なくなるため、摩滅予想値に達した後は、ブラシバイアスの印加を停止する。
なお、トナー極性がマイナスの場合、ブラシ部材にはトナーや外添剤を回収するためプラスのバイアス電圧を印加することになるため、バイアスとしては初めプラスの高電圧を印加し、徐々にプラス電圧を下げていくことになる。
また、上記した図11及び図12の制御においては、制御の判断基準として、ベルト駆動距離を用いている。これは、駆動したベルト距離が剛体ブレード21dの摩耗を主として決めるため望ましいからである。
しかしながら、概ねベルト駆動距離に比例すると考えられる代用値として、例えば、ベルト駆動時間やプリント枚数などを用いても良い。
また、剛体ブレード21dの摩耗はブレードに突入するトナー量にも依存するため、画像パターンに含まれる画像部比率にも依存する。そのため、ベルト駆動距離あるいはベルト駆動距離の代用値に、さらに印字した画像部比率を考慮した補正係数を乗じた値を代用値として用意してそれに基づいて制御しても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜12及び比較例1〜12>
実施例1〜12として、ポリウレタン製ゴムブレードを用い、表Iに示すブラシ条件ののループブラシを用いた画像形成装置により画像形成を行い、ベルト傷と紙粉フィルミングの発生状況及びセンサー検知不良の発生状況を評価し、その結果を表Iに示した。
また、比較例1〜12として、表Iに示すブラシ条件の直毛ブラシを用い、実施例1〜12と同様にして画像形成を行い、実施例1〜12と同様にしてベルト傷と紙粉フィルミングの発生状況及びセンサー検知不良の発生状況を評価し、その結果を表Iに示した。
なお、用紙は、npi上質紙(日本製紙製)を用いた。
また、画像パターンとしては、副走査方向(FD方向)に沿ったYMCKの縦帯パターンを用い、縦帯パターンの境界がセンサーの検出位置に対応するように縦帯を配置し、光沢段差が生じた場合にセンサーの検知不良に繋がりやすいようにした。
また、中間転写ベルトとしては、PIの基材層に、NBRの弾性層を設けた二層構造のベルトを用いた。この中間転写ベルトの体積抵抗率は、10〜1014Ω・cmとなるように構成されており、その厚さは、基材層が80μm、弾性層が250μmの、全体として330μmのものを用いた。なお、ベルトに適度な導電性を持たせるため、上記樹脂中にカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤を適当量含有させた。
中間転写ベルトと各ブラシ間の摩擦力は、ベルトに対するブラシの押込み量を0.5〜1.1mmの間で変えることで変化させた。当該摩擦力は、中間転写ベルトの駆動モーターのトルクの値を、ブラシの長手方向の当接長さで割って、単位長当たりの摩擦力であるN/mの単位に換算した。
紙粉フィルミングの評価は、3枚画像形成した時点でのベルト表面の0%部と100%部の光沢度差を、GM−268Plus(コニカミノルタ社製)の測定角度60度で測定し、センサーの誤検知に繋がる基準として、光沢度差が2.5度以上あった場合には「×」、2.5度未満0.5度以上の場合には「○」、0.5度未満の場合には「◎」とした。
ベルト傷の評価は、20枚画像形成した時点でのベルト表面の0%部と100%部の光沢度差を、GM−268Plus(コニカミノルタ社製)の測定角度60度で測定し、センサーの誤検知に繋がる基準として、光沢度差が2.5度以上あった場合には「×」、2.5度未満0.5度以上の場合には「○」、0.5度未満の場合には「◎」とした。
なお、3枚画像形成時点で、紙粉フィルミングにより光沢度差が2.5度以上発生している場合は、20枚画像形成時点でベルト傷のみの光沢段差の評価が困難なため、その場合のみ別途用紙をコート紙に変えて20枚の画像形成を行い、その結果をベルト傷による光沢低下の結果とした。
センサーの検知不良の評価は、20枚画像形成後の中間転写ベルトで、IDCセンサーによるパッチ濃度検知を20回行い、検知されたγカーブの傾きバラつきが平均値に対し±5%以上の場合を検知不良発生として「×」とした。
Figure 0006939138
表Iから、直毛ブラシを用いた場合は、紙粉フィルミングかベルト傷のいずれかが必ず発生しており、それに伴ってセンサーの検知不良が発生している。
一方、ループブラシを用いた場合は、どの条件においてもベルト傷、紙粉フィルミングの発生が起こっておらず、センサーの検知不良も回避できている。特に、ベルト−ブラシ間摩擦力が15N/mを超える設定になっている条件では、ベルト傷や紙粉フィルミングによる光沢差が0.5度以下とほとんど光沢差がないレベルに抑えられており、センサーによる検知にほとんど悪影響を与えることがないと考えられる。
<実施例13〜24及び比較例13〜24>
実施例13〜24として、厚さ100μmのSUS(ステンレス)の板バネ材からなる剛体ブレードを用い、表IIに示すブラシ条件のループブラシを用いた画像形成装置により画像形成を行い、ベルト傷、拭き残しの発生枚数、及び拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況を評価し、その結果を表IIに示した。
また、比較例13〜24として、表IIに示すブラシ条件の直毛ブラシを用い、実施例13〜24と同様にして画像形成を行い、実施例13〜24と同様にしてベルト傷、拭き残しの発生枚数、及び拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況を評価し、その結果を表IIに示した。
なお、用紙は、OKトップコート紙(王子製紙製)を用いた。
また、画像パターンとしては、20枚まで、副走査方向(FD方向)に沿ったYMCKの縦帯パターンを用い、20枚終了後、全面ブルーベタ(シアンとマゼンタのベタ2色重ね)パターンに切り替えた。なお、画像パターンを切り替えることで、残トナーが多くなり、剛体ブレードに突入するトナー・外添剤量が増えることとなる。
ベルト傷の評価は、20枚終了時点でのベルト表面の0%部と100%部の光沢度差を、GM−268Plus(コニカミノルタ社製)の測定角度60度で測定し、センサーの誤検知に繋がる基準として、光沢度差が2.5度以上あった場合には「×」、2.5度未満0.5度以上の場合には「○」、0.5度未満の場合には「◎」とした。
拭き残しの発生枚数の評価は、全面ブルーベタパターンを1000枚連続形成した時点で、拭き残しの発生枚数をカウントすることで行った。
拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況の評価は、全面ブルーベタパターンを1000枚連続形成した時点で、剛体ブレードのニップ部を顕微鏡観察し、外添剤の凝集物が確認できた場合には「×(発生)」とし、確認できなかった場合には「○(なし)」とした。
Figure 0006939138
表IIから、直毛ブラシを用いた場合は、縦帯パターン耐久時のベルト傷かブルーベタ連続印字時の拭き残しのいずれかが必ず発生しており、直毛ブラシで両方の課題に対応するのは困難であることが分かる。
一方、ループブラシを用いた場合は、どの条件においてもベルト傷、拭き残しのいずれも発生が起こっておらず、弾性ベルトに剛体ブレードを組み合わせた構成においてループブラシを用いることで、様々な画像パターンを連続印字された場合でも不具合なく画像形成を行えることがわかる。
<実施例25〜27及び比較例25>
実施例25として、厚さ100μmのSUS(ステンレス)の板バネ材からなる剛体ブレードを用い、表IIIに示すブラシ条件のループブラシを用いた画像形成装置により画像形成を行い、拭き残しの発生枚数、及び拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況を評価し、その結果を表IIIに示した。
また、実施例26、27として、厚さ100μmのSUS(ステンレス)の板バネ材からなる剛体ブレードに、厚さ1μmのDLC膜のコート層を設けたものを用い、表IIIに示すブラシ条件のループブラシを用いて、表IIIに示す条件にてバイアスを印加して、画像形成を行い、拭き残しの発生枚数、及び拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況を評価し、その結果を表IIIに示した。なお、実施例26において、フリッカーバイアスはブラシと同電位にした。また、実施例27において、ブラシバイアスはブラシ対向ローラと同電位にした。
また、比較例25として、ブラシやフリッカーにバイアスを印加しない以外は、実施例26、27と同様にして、画像形成を行い、拭き残しの発生枚数、及び拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況を評価し、その結果を表IIIに示した。
なお、用紙は、OKトップコート紙(王子製紙製)を用いた。
また、画像パターンとしては、全面ブルーベタ(シアンとマゼンタのベタ2色重ね)パターンを用いた。
拭き残しの発生枚数は、全面ブルーベタパターンを3000枚連続形成した時点で、拭き残しの発生枚数をカウントすることで行った。
拭き残し評価時の外添剤凝集の発生状況の評価は、全面ブルーベタパターンを3000枚連続形成した時点で、剛体ブレードのニップ部を顕微鏡観察し、外添剤の凝集物が確認できた場合には「×(発生)」とし、確認できなかった場合には「○(なし)」とした。
Figure 0006939138
表IIIから、コート層がない場合(実施例25)は、拭き残しは発生しなかったが、同じブレードにコーティングを施したブレード(比較例25)に関しては2000枚程度連続印刷した段階で外添剤凝集に起因すると考えられる拭き残しが発生した。
一方、コーティングを施したブレードを用いた場合であっても、ブラシバイアスを+200V印加した条件(実施例26)、あるいはフリッカーバイアスを800V印加した条件(実施例27)では、拭き残しは発生していない。
このことから、バイアス印加の効果でベルトからブラシへのトナー及び外添剤の回収力が高まり、剛体ブレードに突入する外添剤量が減少し、ブレードのニップ部での外添剤凝集が回避できていることが確認できた。
100 画像形成装置
10 画像形成部
17 中間転写ベルト(中間転写体)
20、20A、20B ベルトクリーニング部
21 清掃手段
21a ゴムブレード
21b ブレード保持部材
21c 付勢バネ
21d 剛体ブレード
21e コート層
22 ブラシ部材
23 フリッカー部材
23a スクレーパー
24 ブレード対向ローラー
25 ブラシ対向ローラー
41 制御部(補正手段)
44 記憶部(記憶手段)
S センサー(検知手段)
P 用紙

Claims (7)

  1. 表面に弾性層を有する中間転写体上に形成されたトナー像を用紙に転写して画像を形成する画像形成装置であって、
    トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面に付着した付着物を清掃する剛体製のブレードである清掃手段と、
    前記清掃手段よりも前記中間転写体の周回方向の上流側に設けられ、前記清掃手段の前に、トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面を清掃するブラシ部材と、
    前記ブレードの設置時点からの前記中間転写体の駆動距離又はその代用値を記憶しておく記憶手段と、
    各部の処理動作を統括制御する制御部と、
    を備え、
    前記ブラシ部材は、ブラシの繊維がループ状に設けられたループブラシであり、
    前記制御部は、前記記憶手段に記憶された前記中間転写体の駆動距離又はその代用値に応じて、前記ブラシ部材の回転数を、前記中間転写体との間の摩擦力が低くなる方向に変更することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ブレードの前記中間転写体との当接部にはコート層が備えられ、
    前記ブラシ部材には、前記中間転写体から付着物を回収する方向のバイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 表面に弾性層を有する中間転写体上に形成されたトナー像を用紙に転写して画像を形成する画像形成装置であって、
    トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面に付着した付着物を清掃する剛体製のブレードである清掃手段と、
    前記清掃手段よりも前記中間転写体の周回方向の上流側に設けられ、前記清掃手段の前に、トナー像を用紙に転写した後の前記中間転写体に当接して前記中間転写体の表面を清掃するブラシ部材と、
    前記ブレードの設置時点からの前記中間転写体の駆動距離又はその代用値を記憶しておく記憶手段と、
    各部の処理動作を統括制御する制御部と、
    を備え、
    前記ブラシ部材は、ブラシの繊維がループ状に設けられたループブラシであって、前記中間転写体から付着物を回収する方向のバイアス電圧が印加されており、
    前記制御部は、前記記憶手段に記憶された前記中間転写体の駆動距離又はその代用値に応じて、前記ブラシ部材に印加するバイアス電圧を、前記中間転写体から付着物を回収する力が小さくなる方向に変更することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記ブレードの前記中間転写体との当接部にはコート層が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記ブラシ部材に当接し、前記ブラシ部材が前記中間転写体から回収した付着物を当該ブラシ部材から吐き出させるフリッカー部材を備え、
    前記フリッカー部材には、前記ブラシ部材から付着物を回収する方向のバイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記中間転写体は、表面硬度が400MPa以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記中間転写体上のトナー量を光学的に検知する検知手段と、
    前記検知手段による検知値に基づいて、トナー像の作像条件を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
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