〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1〜図5に基づいて説明すると、以下の通りである。
図1は、本実施形態を含む各実施形態に係る操作表示システム100の構成を示すブロック図である。図2は、操作表示システム100の制御系を中心とした構成を示すブロック図である。
まず、操作表示システム100の概要について説明する。
図1に示すように、操作表示システム100(表示システム)は、プログラマブル表示器1とリモート端末装置2(端末装置)と、LAN(Local Area Network)3と、制御機器4と、デバイス5とを備えている。プログラマブル表示器1およびリモート端末装置2は、LAN3(ネットワーク)を介した通信を相互に行なうことができるように、LANケーブルまたは無線LANルータ等を介してLAN3に接続されている。
プログラマブル表示器1は、専用のOS(Operating System)を実装した組み込み機器であり、プログラマブル表示器1の各種の機能を実現するためのHMI(Human Machine Interface)プログラムを実行する機能を備えている専用機である。プログラマブル表示器1は、工場などの厳しい環境に適合するように、防塵性、防滴性、耐振動性などを高めた専用のコンピュータである。
リモート端末装置2は、プログラマブル表示器1に対して離れた場所から、プログラマブル表示器1が保持するデータを表示したり、プログラマブル表示器1に対して操作したりする端末装置である。リモート端末装置2を構成する機器としては、タブレット端末のような携帯型の機器が好適であるが、パーソナルコンピュータのような機器であってもよい。
リモート端末装置2は、同形式表示モードと異形式表示モードとで、プログラマブル表示器1が蓄積している蓄積データに基づく情報(蓄積情報)を表示する。蓄積データについては、後に詳しく説明する。
同形式表示モードは、プログラマブル表示器1が表示している画面と同じ形式の共通画面(第1画面)で蓄積情報を表示する表示モードである。ここで、形式とは、ファイル形式ではなく、画面を構成する各要素の配置(画面レイアウト)のような外観上の形式である。同形式表示モードでは、リモート端末装置2が、プログラマブル表示器1が表示している蓄積情報と同じ蓄積情報を共通画面に表示する。異形式表示モードは、リモート端末装置2に固有(独自)の専用画面(第2画面)で蓄積情報を表示する表示モードである。異形式表示モードでは、リモート端末装置2が、プログラマブル表示器1が表示している蓄積情報と同じか、あるいは、プログラマブル表示器1が表示している蓄積情報と一部もしくはすべて異なる蓄積情報を専用画面に表示する。また、異形式表示モードでは、リモート端末装置2が、プログラマブル表示器1が表示している蓄積情報よりも多くの蓄積情報を表示することができる。
専用画面は、蓄積情報を表示するように構成されたリモート端末装置2に専用に構成された画面であり、共通画面とは異なる各種の表示形態で蓄積情報を表示できるものが予め用意されている。この専用画面は、定型の部分と、文字、数値などの蓄積情報を表示する部分とを有している。
同形式表示モードにおいて、リモート端末装置2は、表示している共通画面上で操作(タッチ操作など)が行われると、タッチ操作された位置の座標(座標データ)をプログラマブル表示器1に送信する。プログラマブル表示器1は、その座標に基づいて自身が表示している画面上の座標に換算する演算をして、リモート端末装置2で行われた操作を上記画面上での操作に置き替える。
まず、プログラマブル表示器1のハードウェア構成について説明する。
図1に示すように、プログラマブル表示器1は、CPU(Central Processing Unit)11と、メインメモリ12と、ROM(Read Only Memory)13と、ユーザメモリ14と、データメモリ15と、表示メモリ16と、タッチパネル17と、表示パネル18と、インターフェース部19と、ネットワーク通信部20とを備えている。
CPU11は、プログラマブル表示器1のHMI機能を実現するためのHMIプログラムを実行する処理装置である。具体的には、CPU11は、HMIプログラムの実行に際して、メインメモリ12、ユーザメモリ14、データメモリ15、表示メモリ16、タッチパネル17などからデータを受け取り、当該データに対して演算または加工を施した結果を、メインメモリ12、ユーザメモリ14、表示パネル18などに出力する。
メインメモリ12は、プログラマブル表示器1における主記憶装置を構成するメモリであり、DRAM(Dynamic Random Access Memory)によって構成される。
ROM13は、プログラマブル表示器1の起動時やリセット時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)などの、プログラマブル表示器1の動作に不可欠なプログラムを記憶している。
ユーザメモリ14は、図2に示すように、ユーザが作成したデータ、例えば後述するHMI画面を表示するための画面データを記憶する大容量の記憶装置であり、FEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)などで構成されている。FEPROMは、書き替え可能な読み出し専用のフラッシュメモリであり、一般のパーソナルコンピュータにおけるハードディスクドライブの役割を果たす。フラッシュメモリは、可動部を持たず、かつ衝撃に強いので、劣悪な周囲環境でも安定して動作する。
データメモリ15は、プログラマブル表示器1およびリモート端末装置2に表示される各種のデータを記憶するメモリである。データメモリ15に記憶されるデータとしては、制御機器4から取得したアラームデータ、ロギングデータ(サンプリングデータ)およびトレンドデータ、上位のホストシステムなどから取得した制御機器4に与えるレシピデータなどが挙げられる。データメモリ15は、このような各種のデータを蓄積データとして蓄積している。蓄積データは、文字データ、数値データといったデータであり、バイナリ形式またはテキスト形式のデータである。
表示メモリ16は、表示パネル18に表示される画面を構成する画像データを後述する表示制御部102が画素単位で展開するVRAM(Video RAM)である。なお、表示メモリ16に高速動作が要求されない場合は、メインメモリ12の一部に表示メモリ16に代わる領域を設けてもよい。
タッチパネル17は、表示パネル18上に配置されており、表示パネル18に表示された画面上でのタッチ操作を受け入れて、タッチ操作信号を入力信号として出力する。
表示パネル18は、ユーザメモリ14に記憶されている画面データに基づいたHMI画面を表示する。表示パネル18としては、液晶表示パネル、EL(Electro-Luminescence)表示パネルなどの平板型表示パネルが用いられる。
インターフェース部19は、制御機器4と通信可能に接続するための接続部である。インターフェース部19は、シリアルインターフェース、LAN(Local Area Network)などの各種のインターフェースを装備している。
ネットワーク通信部20は、LAN3を介して行われるネットワーク通信の機能を有している。
制御機器4は、PLC(Programmable Logic Controller)、温度調節計、インバータなどの機器であり、プログラマブル表示器1と通信する機能を備えている。制御機器4は、デバイス5との間でデータの授受を行なう。デバイス5としては、センサ、スイッチのような入力機器や、アクチュエータ、リレー、電磁弁、表示器のような出力機器が用いられる。
続いて、リモート端末装置2のハードウェア構成について説明する。
リモート端末装置2は、専用のOS(Operating System)を実装した通信端末装置であり、以下のように、アプリケーションプログラムを実行する環境を備えている。
図1に示すように、リモート端末装置2は、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)23と、補助メモリ24と、表示パネル25(表示部)と、タッチパネルを26と、ネットワーク通信部27とを備えている。
CPU21は、リモート端末装置2のシステムプログラムを実行する処理装置である。具体的には、CPU21は、システムプログラムの実行に際して、補助メモリ24、タッチパネル26などからデータを受け取り、当該データに対して演算または加工を施した結果を、補助メモリ24、表示パネル25などに出力する。
ROM23は、システムプログラムの他、リモート端末装置2の起動時やリセット時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)などの、リモート端末装置2の動作に不可欠なプログラムを記憶している。
補助メモリ24は、リモート端末装置2が保持すべき各種のデータ、プログラムなどを記憶するために設けられている。補助メモリ24は、例えばフラッシュメモリによって構成されている。
表示パネル25は、リモート端末装置2の基本操作を実現するための画面、アプリケーションプログラムが実行された結果として表示される画面などを表示するために設けられている。表示パネル25としては、液晶表示パネル、EL表示パネルなどの平板型表示パネルが用いられる。
タッチパネル26は、表示パネル25上に配置される入力装置である。タッチパネル26は、表示パネル25に表示された画面上でのタッチ操作を受け入れて、タッチ操作信号を入力信号として出力する。
ネットワーク通信部27は、LAN3を介して行われるネットワーク通信の機能を有している。
引き続いて、プログラマブル表示器1のシステム構成について説明する。
図2に示すように、プログラマブル表示器1は、制御機能を有する部分としてHMI制御部101を含んでいる。
HMI制御部101は、HMIプログラムがCPU11によって実行されることで実現される、HMI機能を有する部分である。
ここで、HMI機能とは、ユーザの入力操作に応じた制御機器4への指示の発生と、制御機器4からの各種データの取得と、取得した当該各種データの表示および上記入力操作の受け付けを行うためのHMI画面の表示とを含む機能である。HMI制御部101は、HMI機能として、HMI画像の表示を制御する表示制御部102と、ユーザの操作入力および制御機器4が保持するデータの変化に基づいて各部を制御する動作制御部103とを有している。また、HMI制御部101は、リモート端末装置2の表示を制御するリモート表示制御部104を有している。
HMI画面は、制御機器4に接続されたデバイス5の状態を表示したり、タッチパネル17への操作を受け付けたりするための各種のオブジェクトを含む画面である。HMI画面に設けられるオブジェクトとしては、ランプ部品、データ表示器部品、スイッチ部品などの各種の部品画像が用意されている。このようなHMI画面を表示するための画面データは、PC(パーソナルコンピュータ)6に設けられた画面作成部61(画面作成プログラム)を用いてユーザによって作成されて、ユーザメモリ14に保存されている。
表示制御部102は、画面データに基づいて表示パネル18にHMI画面を表示させる制御処理を行う。また、表示制御部102は、データメモリ15に記憶されている蓄積データに基づく情報を、HMI画面に反映させる処理を行う。例えば、表示制御部102は、HMI画面において、上述のランプ部品を点灯・消灯させたり、上述のデータ表示器部品にデータを表示させたりする処理を行う。また、表示制御部102は、上記操作指示に応じてHMI画面の状態を変化させる処理を行う。例えば、表示制御部102は、上述のスイッチ部品を操作する上記操作指示を受けて、当該スイッチ部品の表示状態(色、形状など)を変化させる処理を行う。さらに、表示制御部102は、ユーザの操作に応じてHMI画面の切り替え処理を行なう。
各部品には、上記のような処理を行うための処理内容が設定されている。表示制御部102は、部品に設定された処理内容を解釈して、処理を実行する。
動作制御部103は、タッチパネル17に対するユーザのタッチによる入力操作に応じた操作指示を発生する。この操作指示としては、制御機器4の起動・停止指示、制御機器4に与える制御データの変更、画面の切り替えなどがある。また、動作制御部103は、制御機器4のデータの変化に応じた制御指示を発生する。この制御指示としては、画面の切り替えなどがある。
リモート表示制御部104は、前述の同形式表示モードにおいて、表示メモリ16に保持されている画像データをリモート端末装置2に送信するようにネットワーク通信部20を制御する。より詳しくは、リモート表示制御部104は、例えば、ビットマップ形式の画像データを非同期で圧縮して出力するという処理を繰り返し行う(例えば1秒間に1フレーム以上)。
リモート表示制御部104は、前述の異形式表示モードにおいて、表示すべき蓄積情報の蓄積データをリモート端末装置2に提供する。また、リモート表示制御部104は、リモート端末装置2から送信された操作位置の座標に基づいて、自身が表示している画面上の部品画像が操作されたと認識して、専用画面での表示を行うようにリモート端末装置2に指示する。また、リモート表示制御部104は、ユーザメモリ14に記憶されている専用画面データを必要に応じて(リモート端末装置2から要求された場合)リモート端末装置2に提供する。
専用画面データ(第2画面データ)は、専用画面を表示するために用いられるテンプレートのデータであり、アプリケーションプログラム、画面データなどの形態で提供される。アプリケーションプログラムは、専用画面を表示するためのプログラムである。例えば、アプリケーションプログラムは、蓄積情報をグラフ表示するといったグラフ表示プログラムのように、蓄積情報を特定の表示形態で表示するプログラムである。画面データは、プログラマブル表示器1で画面を表示するために用いられる画面データと必ずしも同じファイル形式でなくてもよく、リモート端末装置2の表示解像度に合わせて作成されていてもよい。
さらに、リモート端末装置2のシステム構成について説明する。
図2に示すように、リモート端末装置2は、制御機能を有する部分として制御部201を含んでいる。制御部201は、プログラマブル表示器1との通信を制御するとともに、プログラマブル表示器1から取得したデータに基づいて画面の表示を制御する。制御部201は、これらの制御機能を実現するために、画面表示制御部202と、送受信制御部203(座標通知部)とを有している。
画面表示制御部202は、表示パネル25に表示されている画面上で行われてタッチパネル26によって検出されたタッチ操作を必要に応じて画面に反映させる。また、画面表示制御部202は、同形式表示モードにおいて、プログラマブル表示器1から送信された圧縮された画像データを伸長して表示パネル25に与える。また、画面表示制御部202は、異形式表示モードにおいて、プログラマブル表示器1から提供された蓄積データに基づいて、自身が保持する専用画面データまたはプログラマブル表示器1から提供された専用画面データを用いて、文字情報、数値情報などの蓄積情報を専用画面で表示する処理を行う。
送受信制御部203は、同形式表示モードおよび異形式表示モードにおいて、タッチパネル26によって検出されたタッチ操作の位置を表す座標(座標データ)をプログラマブル表示器1に提供する。また、送受信制御部203は、異形式表示モードにおいて、プログラマブル表示器1から提供された専用画面データを補助メモリ24に記憶させる。
送受信制御部203は、同形式表示モードにおいて、プログラマブル表示器1から提供された共通画面の共通画像データを補助メモリ24に書き込む。また、送受信制御部203は、異形式表示モードにおいて、プログラマブル表示器1から提供された蓄積データを補助メモリに書き込む。
以上のように構成される操作表示システム100の同形式表示モードおよび異形式表示モードにおける動作について説明する。
図3は、操作表示システム100におけるプログラマブル表示器1およびリモート端末装置2の状態の遷移を示す図である。図4の(a)は、画面301を表示した状態のプログラマブル表示器1を示す図である。図4の(b)は、プログラマブル表示器1に表示されている画面301と同じ形式のウインドウ401(第1画面)を表示した状態のリモート端末装置2を示す図である。図5の(a)は、アラーム画面303を表示した状態のプログラマブル表示器1を示す図であり、図5の(b)はアラーム画面303と異なる形式のアラーム画面403を表示した状態のリモート端末装置2を示す図である。
なお、以下には、アラーム画面403(第2画面)をリモート端末装置2に表示させる例について説明する。しかしながら、本実施形態は、これに限らず、サンプリングデータ、レシピデータまたはトレンドデータを表示する専用画面をリモート端末装置2に表示させることにも適用できる。
まず、図3に示すように、スイッチの操作によって実行される2つの画面表示動作(第1画面表示動作および第2画面表示動作)を予め設定(付与)しておく(ステップS1)。第1画面表示動作は、スイッチが操作されることによって表示する画面を切り替える動作である。第2画面表示動作(動作設定)は、リモート端末装置2で専用画面を表示する動作である。
ここで、図4の(a)に示すように、プログラマブル表示器1が、表示パネル18に画面301(HMI画面)を表示しているものとする。この画面301は、アラーム部品302を含んでいる。アラーム部品302は、スイッチ部品であり、タッチ操作されるとアラームについての情報を含むアラーム画面に切り替えて表示する処理内容が第2画面表示動作として予め設定されている。このような処理内容は、前述の画面作成部61によってユーザの所望となるように設定される。
リモート端末装置2は、この状態で、プログラマブル表示器1と通信可能になるように接続する(ステップS2)。
リモート端末装置2がプログラマブル表示器1に接続すると、プログラマブル表示器1においてリモート表示制御部104が起動し、プログラマブル表示器1が表示している画面301の画像データを圧縮して出力するというサーバ的な機能が有効になる。これにより、リモート表示制御部104は、ネットワーク通信部20を制御して、リモート端末装置2に対して画像データ(共通画面データ)を送信するという動作を繰り返し行う(ステップS3)。リモート表示制御部104は、プログラマブル表示器1とリモート端末装置2との接続が切断されると、画像データの送信動作を停止する。
リモート端末装置2は、受信した画像データに基づいて画面を表示し続ける(ステップS4)。このとき、画面表示制御部202は、ネットワーク通信部27が受信した画像データを伸長して表示パネル25に出力する動作を繰り返して行う。これにより、表示パネル25は、図4の(b)に示すように、画面301と同じ形式のウインドウ401を表示し続ける。ウインドウ401は、アラーム部品302に対応するアラーム部品402(操作部品)を含んでいる。画面表示制御部202は、ウインドウ401が表示されているとき、何が表示されているかを認識しておらず、プログラマブル表示器1から送信されてきた画像データに基づいてウインドウ401の表示を制御している。同形式表示モードにおいては、このようにして表示動作が実行される。
リモート端末装置2の表示パネル25の解像度は、プログラマブル表示器1の表示パネル18の解像度より高い(例えば1.5倍)。表示パネル18の解像度と、リモート端末装置2に表示されるウインドウ401の解像度とは同じである。従って、ウインドウ401は、表示パネル25の表示面全体ではなく、一部に小さく表示される。
また、ステップS4において、リモート端末装置2は、アラーム部品402をタッチする操作が行われると、タッチパネル26からタッチされた位置の座標データ(1点または2点)を取得してプログラマブル表示器1に送信する。このとき、送受信制御部203は、当該座標データをプログラマブル表示器1に送信するようにネットワーク通信部27を制御する。送受信制御部203は、アラーム部品402がタッチされたことは認識していない。しかしながら、送受信制御部203は、ウインドウ401にスイッチ部品があるか否かに関わらず、ウインドウ401内のタッチされた位置の座標データをプログラマブル表示器1に必ず送信するように、ネットワーク通信部27を制御する。
プログラマブル表示器1において、リモート表示制御部104は、リモート端末装置2から送信された座標データの座標を画面301上の座標に換算した座標が画面301におけるアラーム部品302の操作範囲にあれば、アラーム部品402が操作されたと認識する(ステップS5)。また、ステップS5において、プログラマブル表示器1は、アラーム部品402が操作されたと認識すると、専用画面を用いた表示を行う指示と、データメモリ15に記憶されている蓄積データのうち表示すべき情報に関する蓄積データとをリモート端末装置2に送信する。また、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2が必要とすれば、ユーザメモリ14に記憶されている専用画面データのファイルをリモート端末装置2に送信する。このとき、リモート表示制御部104は、上記の指示、蓄積データおよびファイルを送信するようにネットワーク通信部20を制御する。
リモート端末装置2において、送受信制御部203は、ネットワーク通信部27によって受信された、蓄積データと、専用画面データとを補助メモリ24に書き込む。また、送受信制御部203は、ネットワーク通信部27によって受信されたプログラマブル表示器1の指示を画面表示制御部202に伝える。画面表示制御部202は、上記の指示に従って、専用画面で蓄積データに基づいて、文字、数値などの情報(蓄積情報)を表示パネル25に表示させる(ステップS6:異形式表示モード)。
プログラマブル表示器1は、ステップS5において、アラーム部品402が操作されたと認識すると、アラーム部品302がタッチ操作されたときと同じようにして、表示している画面を切り替える動作を行う。これにより、図5の(a)に示すように、プログラマブル表示器1は、表示パネル18に、アラーム画面303(切替画面)を画面301から切り替えて表示させる。
一方、リモート端末装置2は、表示パネル25に、アラーム画面303とは異なる形式のアラーム画面403を専用画面として表示させる。アラーム画面303は、操作のための各種のボタンが下部に配置されている。このようなアラーム画面303が同形式表示モードにおいてリモート端末装置2に表示されるとき、アラーム画面303に対応するウインドウが図4の(b)に示すウインドウ401のように小さく表示されるので、アラーム情報が小さく表示されてしまう。このように、リモート端末装置2が、プログラマブル表示器1と比べて、より多くの情報を表示できるにも関わらず、文字情報、数値情報などがプログラマブル表示器1で表示可能な量しか表示することができない。また、情報量を多くするために、プログラマブル表示器1で表示するフォントサイズなどを小さくすると、フォントによってはリモート端末装置2での表示が粗くなって、文字などが読みづらくなる。
これに対し、図5の(b)に示すように、アラーム画面403は、アラーム表示のための専用画面によって構成されている。より具体的には、アラーム画面403は、アラームの各項目を含む必要最小限の表示事項を含み、それ以外の領域は、文字などの蓄積情報をプログラマブル表示器1が表示する蓄積情報と関係なく表示するために確保されている。これにより、表示される情報は、バイナリ形式またはテキスト形式の蓄積データに基づいて、表示パネル25の解像度で鮮明に表示される。具体的には、アラーム画面403は、表示解像度の高い表示パネル25に表示されるために構成されており、図5の(a)に示すアラーム画面303と比べて、より多くのアラーム情報を鮮明に表示することができる。また、アラーム画面403は、アラーム画面303が1行で表される1つのアラーム情報を完全に表示できないのに対し、1つのアラーム情報を完全に表示することができる。また、アラーム画面403は、リモート端末装置2が例えばタブレット端末で構成される場合、スワイプの操作などによってスクロールすることができる。
ところで、同形式表示モードでは、蓄積データの変更がプログラマブル表示器1のみで行われるため、リモート端末装置2側の操作情報としてタッチ位置の座標データを送信すればよかった。これに対し、異形式表示モードでは、プログラマブル表示器1から提供された蓄積データをリモート端末装置2においても変更することができる。このため、リモート端末装置2側で蓄積データが変更されても、その変更がプログラマブル表示器1の蓄積データに反映されないと、両者の蓄積データ間に不一致が生じる。一方、異形式表示モードにおいて、プログラマブル表示器1側において蓄積データが変更された場合、リモート端末装置2側では蓄積データが変更されない。この場合も、両者の蓄積データ間に不一致が生じる。
このような不都合を回避するため、リモート端末装置2は、蓄積データを変更した場合、送受信制御部203が、変更された蓄積データがどの蓄積データであるかを、ネットワーク通信部27を介してプログラマブル表示器1に通知する。また、プログラマブル表示器1は、蓄積データを変更した場合、リモート表示制御部104が、変更された蓄積データがどの蓄積データであるかを、ネットワーク通信部20を介してリモート端末装置2に通知する。これにより、リモート端末装置2およびプログラマブル表示器1は、相手側の蓄積データの変更についての通知に基づいて、蓄積データを常に最新の状態に維持することができる。
また、制御機器4の制御データの値を変更する場合、リモート端末装置2は、専用画面において、当該値を表示している領域がタッチされて数値が変更されると、当該領域に関する情報をプログラマブル表示器1に送信する。この情報は、制御機器4において変更の対象となる値を格納しているメモリのアドレス、値の種別(ビット、ワード、32ビットワード)、データ形式(8bit Dec,8bit Hexなど)、入力値などが挙げられる。プログラマブル表示器1は、上記の情報を受けて、制御データの値を変更する。
また、専用画面データとしてアプリケーションプログラムを用いて専用画面を構成する場合、グラフ表示などの視覚的効果の高い多様な表示形態を実現することができる。これにより、生産データ、温度などの機械の状態を示すデータなどのロギングデータを表示させる場合は、表形式だけでなく、グラフなどの形態で表示させてもよい。プログラマブル表示器1は、ロギングデータを表示する場合、単なる数値の羅列として表示するだけであるが、リモート端末装置2は、本来備えている多彩なグラフィック機能を活かした形態で表示を行うことができる。
また、リモート端末装置2が、独自の形式の専用画面を専用画面データを用いて表示する。これにより、リモート端末装置2は、ユーザの好みに応じた専用画面で情報を表示することができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について図1、図2、図4および図6に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、本実施形態において、実施形態1における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
本実施形態の操作表示システム100は、図1および図2に示すように構成されている。ただし、本実施形態において、プログラマブル表示器1のリモート表示制御部104は、表示している画面が前述の第2画面表示動作が設定されたスイッチを含む場合、そのスイッチの位置についての座標データをリモート端末装置2に提供する。また、本実施形態において、リモート端末装置2の送受信制御部203(通知要求部)は、プログラマブル表示器1から提供された座標データを補助メモリ24に記憶させる。また、リモート端末装置2は、専用画面データのファイルを補助メモリ24に保持していることもあるが、保持していないこともある。専用画面データのファイルが補助メモリ24に保持されていない場合、送受信制御部203は、リモート端末装置2に表示された共通画面において第2画面表示動作が設定されたスイッチがタッチ操作されたときに、必要とするファイルをプログラマブル表示器1に要求する。
以上のように構成される操作表示システム100の同形式表示モードおよび異形式表示モードにおける動作について説明する。
図6は、本実施形態の操作表示システム100におけるプログラマブル表示器1およびリモート端末装置2の状態の遷移を示す図である。
まず、図6に示すように、スイッチの操作によって実行される第1画面および第2画面表示動作を予め設定しておく(ステップS1)。リモート端末装置2は、この状態で、プログラマブル表示器1と通信可能になるように接続する(ステップS2)。
リモート端末装置2がプログラマブル表示器1に接続すると、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2に対して画像データを送信するという動作を繰り返し行う(ステップS3a)。また、ステップS3aにおいて、プログラマブル表示器1は、プログラマブル表示器1に表示されている画面が第2画面表示動作を設定されたスイッチを含んでいる場合、そのスイッチの位置についての座標データをリモート端末装置2に送信する。このとき、リモート表示制御部104は、表示制御部102から取得した画面に関する情報に基づいて当該画面が第2画面表示動作を設定されたスイッチを含んでいると判定すると、その判定結果をネットワーク通信部20に送信させる。
リモート端末装置2は、受信した画像データに基づいて画面を表示し続ける(ステップS4a)。また、リモート端末装置2の送受信制御部203は、受信された座標データを補助メモリ24に記憶させる(ステップS4a)。また、ステップS4aにおいて、送受信制御部203は、例えば、図4の(b)に示すウインドウ401のアラーム部品402がタッチ操作されると、アラーム部品402がタッチ操作されたことを、ネットワーク通信部27を介してプログラマブル表示器1に通知する。このとき、送受信制御部203は、タッチパネル26から取得したタッチ位置の座標が、プログラマブル表示器1から提供された座標データの座標と一致すると、アラーム部品402をタッチする操作が行われたと判定する。また、ステップS4aにおいて、送受信制御部203は、リモート端末装置2が専用画面を表示するために必要なファイルを保持していない場合、当該ファイルをプログラマブル表示器1に要求する。
プログラマブル表示器1において、リモート表示制御部104は、リモート端末装置2からの、アラーム部品402のタッチ操作が行われたという通知を受けて、アラーム部品402が操作されたと認識する(ステップS5a)。また、ステップS5aにおいて、プログラマブル表示器1は、アラーム部品402が操作されたと認識すると、要求されたファイルと、データメモリ15に記憶されている蓄積データのうち表示すべき情報に関する蓄積データとをリモート端末装置2に送信する。
リモート端末装置2において、送受信制御部203は、ネットワーク通信部27によって受信された、蓄積データと、ファイルを補助メモリ24に書き込む。また、送受信制御部203は、文字、数値などの情報を、蓄積データに基づいて、要求に応じて取得したファイルによる専用画面で表示パネル25に表示させる(ステップS6a:異形式表示モード)。
このように、本実施形態の操作表示システム100では、プログラマブル表示器1は、表示している画面が第2画面表示動作を設定されたスイッチを含んでいる場合、そのスイッチの位置についての座標データを、予めリモート端末装置2に提供しておく。これに対し、リモート端末装置2は、その座標データに基づいて、リモート端末装置2が表示しているウインドウ401においてアラーム部品402がタッチ操作されたときに、そのことをプログラマブル表示器1に通知するとともに、ファイルを要求する。
これにより、リモート端末装置2は、アラーム部品402がタッチ操作されたことを認識することができる。それゆえ、リモート端末装置2は、専用画面による表示に必要なファイルなどをプログラマブル表示器1に要求するというように自発的に動作をすることができる。
また、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2からの通知に基づいて必要なデータをリモート端末装置2に送信する処理を行えばよい。それゆえ、プログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1のように、リモート端末装置2から受けた座標データに基づいて、アラーム部品402がタッチ操作されたことを認識するための演算処理を行う必要がない。従って、プログラマブル表示器1の処理の負担を軽減することができる。
また、ファイルをプログラマブル表示器1から取得するので、複数台のプログラマブル表示器1に対して、使用するファイルを適宜選択することもできる。例えば、リモート端末装置2が、あるプログラマブル表示器1に接続している場合、そのプログラマブル表示器1が提供するファイルを用い、リモート端末装置2が、他のプログラマブル表示器1に接続している場合、リモート端末装置2が保持するファイルを用いる。リモート端末装置2が用いるファイルを、接続するプログラマブル表示器1に応じてリモート端末装置2に設定しておく必要がない。リモート端末装置2では、プログラマブル表示器1のファイルを使用するか、リモート端末装置2のファイルを使用するかを、プログラマブル表示器1ごとに設定するだけである。
しかも、複数のオペレータが各自専用のリモート端末装置2を所有しており、各リモート端末装置2に所定のファイルで情報を表示する場合、プログラマブル表示器1から送信されたファイルを使用するようにしておけば、端末側の設定が不要になる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について図1、図2、図4および図7に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、本実施形態において、実施形態1および2における構成要素と同一または共通の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。ただし、同一の符号を付記した構成要素について、一部に異なる機能を有する構成要素については、適宜、当該機能について説明する。
本実施形態の操作表示システム100は、図1および図2に示すように構成されている。ただし、本実施形態において、プログラマブル表示器1のリモート表示制御部104は、実施形態2におけるリモート表示制御部104の機能に加え、表示している画面が前述の第2画面表示動作が設定されたスイッチを含む場合、専用画面の表示に必要なファイルをすべてリモート端末装置2に提供する。
また、実施形態2における送受信制御部203は、専用画面の表示に必要なファイルをプログラマブル表示器1に要求している。これに対し、本実施形態におけるリモート端末装置2の送受信制御部203は、プログラマブル表示器1から提供されたファイルを用いて専用画面による表示を行う。
なお、リモート端末装置2が専用画面データのファイルを補助メモリ24に保持している場合、プログラマブル表示器1のリモート表示制御部104は、ファイルをリモート端末装置2に提供しない。ただし、リモート端末装置2が一部のファイルを保持していても、すべてのファイルを保持していなければ、リモート表示制御部104が、リモート端末装置2に保持されていないファイルをリモート端末装置2に提供する。
以上のように構成される操作表示システム100の同形式表示モードおよび異形式表示モードにおける動作について説明する。
図7は、本実施形態の操作表示システム100におけるプログラマブル表示器1およびリモート端末装置2の状態の遷移を示す図である。
まず、図7に示すように、実施形態2と同様に、ステップS1の設定を行った後、リモート端末装置2は、プログラマブル表示器1と接続する(ステップS2)。
この接続の後、実施形態2と同じく、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2に画像データを送信するとともに、表示している画面が第2画面表示動作を設定されたスイッチを含んでいる場合、そのスイッチの位置についての座標データをリモート端末装置2に送信する(ステップS3b)。また、ステップS3bにおいて、プログラマブル表示器1は、専用画面による表示に必要な、リモート端末装置2が保持していないファイルをすべてリモート端末装置2に送信する。このとき、リモート表示制御部104は、ユーザメモリ14に記憶されている専用画面データのうち、リモート端末装置2が保持していない専用画面データをネットワーク通信部20に出力する。このため、リモート端末装置2は、自身が保持している専用画面データを予めプログラマブル表示器1に通知しておく。
リモート端末装置2は、受信した画像データに基づいて画面を表示し続ける(ステップS4b)。また、リモート端末装置2の送受信制御部203は、受信された座標データおよびファイルを補助メモリ24に記憶させる(ステップS4b)。また、ステップS4bにおいて、送受信制御部203(操作通知部)は、例えば、図4の(b)に示すウインドウ401のアラーム部品402がタッチ操作されると、アラーム部品402がタッチ操作されたことを、ネットワーク通信部27を介してプログラマブル表示器1に通知する。
プログラマブル表示器1において、リモート表示制御部104は、リモート端末装置2からの、アラーム部品402のタッチ操作が行われたという通知を受けて、アラーム部品402が操作されたと認識する(ステップS5b)。また、ステップS5bにおいて、プログラマブル表示器1は、アラーム部品402が操作されたと認識すると、データメモリ15に記憶されている蓄積データのうち表示すべき蓄積情報の蓄積データをリモート端末装置2に送信する。
リモート端末装置2において、送受信制御部203は、ネットワーク通信部27によって受信された蓄積データを補助メモリ24に書き込む。また、送受信制御部203は、文字、数値などの情報を、蓄積データに基づいて、予めプログラマブル表示器1から提供されたファイルによる専用画面で表示パネル25に表示させる(ステップS6a:異形式表示モード)。
このように、本実施形態の操作表示システム100では、プログラマブル表示器1は、表示している画面が第2画面表示動作を設定されたスイッチを含んでいる場合、そのスイッチの位置についての座標データを、予めリモート端末装置2に提供しておく。また、プログラマブル表示器1は、座標データと併せて、専用画面による表示に必要なファイルをすべてリモート端末装置2に提供しておく。これに対し、リモート端末装置2は、その座標データに基づいて、リモート端末装置2が表示しているウインドウ401においてアラーム部品402がタッチ操作されたときに、そのことをプログラマブル表示器1に通知する。
これにより、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2がプログラマブル表示器1と接続されたときに、座標データだけでなく、専用画面による表示に必要なファイルをすべてリモート端末装置2に送信する。これにより、リモート端末装置2は、プログラマブル表示器1とのやり取りを必要最小限にすることができる。
また、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2からの通知に基づいて必要なデータをリモート端末装置2に送信する処理を行えばよい。それゆえ、プログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1のように、リモート端末装置2から受けた座標データに基づいて、アラーム部品402がタッチ操作されたことを認識するための演算処理を行う必要がない。従って、プログラマブル表示器1の処理の負担を軽減することができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について図1、図4、図8および図9に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、本実施形態において、実施形態1および2における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。図8は、本実施形態に係る操作表示システム100Aの制御系を中心とした構成を示すブロック図である。
本実施形態の操作表示システム100A(表示システム)は、図1および図8に示すように構成されている。具体的には、図8に示すように、プログラマブル表示器1は、前述のHMI制御部101に代えてHMI制御部101Aを備えている。HMI制御部101Aは、前述のリモート表示制御部104に代えてリモート表示制御部104Aを有している。また、リモート端末装置2は、前述の制御部201に代えて、制御部201Aを備えている。制御部201Aは、前述の画面表示制御部202および送受信制御部203に代えて画面表示制御部202Aおよび送受信制御部203Aを有している。
図8に示すように、プログラマブル表示器1において、ユーザメモリ14は、図2に示すユーザメモリ14と異なり、専用画面データを記憶していない。これに対し、リモート端末装置2において、補助メモリ24(記憶部)は、プログラマブル表示器1から提供された専用画面データを記憶しているのではなく、予め専用画面データを記憶している。また、補助メモリ24は、設定データを記憶している。設定データは、リモート端末装置2において専用画面による表示をするという画面表示動作のデータであり、リモート端末装置2に表示される画面(共通画面)の個々について設定される。
以上のように構成される操作表示システム100Aの同形式表示モードおよび異形式表示モードにおける動作について説明する。
図9は、本実施形態の操作表示システム100Aにおけるプログラマブル表示器1およびリモート端末装置2の状態の遷移を示す図である。
図9に示すように、リモート端末装置2は、各専用表示機能を実現するためのファイルを準備または指定しておく(ステップS11)。このとき、画面表示制御部202Aは、制御機器4が制御対象とする装置などに応じて、使用するファイルの候補をメインメモリ12にロードしておく。また、ステップS11において、画面表示制御部202Aは、プログラマブル表示器1に表示される画面のうち、リモート端末装置2において専用画面の表示を必要とする画面に対して、専用画面による表示をするという画面表示動作を設定する。このとき、画面表示制御部202Aは、専用画面の表示機能を表す機能名(アラーム表示機能、ログ表示機能など)を表示する。例えば、アラーム表示機能では、アラーム情報を1行ずつ詳細に表示し、ログ表示機能ではロギングデータを表形式で詳細に表示するというように、データ形式に応じて表示形態が異なる。従って、設定を必要とする画面をユーザに選択させることで上記の設定を行うことが可能である。
リモート端末装置2は、ステップS11の後、プログラマブル表示器1と接続するとともに、設定データをプログラマブル表示器1に送信する(ステップS12)。このとき、送受信制御部203A(設定通知部)は、補助メモリ24から読み出した少なくとも1つの設定データをネットワーク通信部27に送信させる。
プログラマブル表示器1のリモート表示制御部104Aは、受信した設定データをユーザメモリ14に記憶させる(ステップS13)。また、リモート表示制御部104Aは、ユーザメモリ14において、各設定データに基づいて、各専用画面表示機能の有効または無効を設定しておく。また、実施形態2と同じく、プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2に画像データを送信する。ここで、上記の専用画面表示機能は、例えば、専用のアラーム画面を表示するアラーム表示機能というように表示するデータの種類に応じて設けられた機能である。
リモート端末装置2は、受信した画像データに基づいて画面を表示し続ける(ステップS14)。また、ステップS14において、リモート端末装置2は、アラーム部品402をタッチする操作が行われると、図3のステップS4と同じく、タッチパネル26からタッチされた位置の座標データを取得してプログラマブル表示器1に送信する。
プログラマブル表示器1において、リモート表示制御部104Aは、リモート端末装置2からの座標データに基づいて、図3のステップS5と同じく、アラーム部品402が操作されたと認識する(ステップS15)。また、ステップS15において、プログラマブル表示器1は、アラーム部品402が操作されたと認識すると、アラーム部品402に対応する、ユーザメモリ14に記憶されている専用画面表示機能を特定し、この専用画面表示機能が有効であれば、専用画面表示機能をリモート端末装置2に通知する。さらに、ステップS15において、リモート表示制御部104Aは、データメモリ15に記憶されている蓄積データのうち表示すべき情報に関する蓄積データをリモート端末装置2に送信する。
リモート端末装置2において、送受信制御部203Aは、ネットワーク通信部27によって受信された蓄積データを補助メモリ24に書き込む。また、画面表示制御部202Aは、プログラマブル表示器1から通知された専用画面表示機能に対応したファイルを、補助メモリ24の設定データを参照して、メインメモリ12にロードされたファイルの候補から特定する。そして、画面表示制御部202Aは、文字、数値などの情報を、蓄積データに基づいて、特定したファイルによる専用画面で表示パネル25に表示させる(ステップS16:異形式表示モード)。
このように、本実施形態の操作表示システム100Aでは、リモート端末装置2において、設定データを予め作成し、プログラマブル表示器1に提供しておく。プログラマブル表示器1は、リモート端末装置2におけるタッチ位置の座標データに基づいて、設定データを参照して、専用画面表示機能を特定する。これに対し、リモート端末装置2は、その専用画面表示機能に対応したファイルを使用して専用画面による情報の表示を行う。
これにより、プログラマブル表示器1側では、画面データに画面表示動作を設定する必要がない。それゆえ、すでに作成された画面データに対して画面表示動作を設定するなどの作業が発生しないので、その作業の手間を省くことができる。従って、操作表示システム100Aを容易に導入することができる。
また、アラームは、あるビットの状態を監視したり(ビット監視)、あるデータが閾値を超えると異常とみなしたり(数値監視)というように、監視する対象が様々である。これに対し、専用画面の専用画面データが1種類しかない場合、蓄積データを表示する機能を当該専用画面データに対応する表示機能のみに限定する。例えば、リモート端末装置2が数値監視のアラームデータを表示する専用画面データのみを保持しているとする。この場合、リモート端末装置2において、数値監視のアラームデータを表示する画面に切り替えるスイッチがタッチされると、リモート端末装置2は、数値監視のアラーム表示用の専用画面データで各数値を表示する。しかしながら、リモート端末装置2において、ビット監視のアラームデータを表示する画面に切り替えるスイッチがタッチされると、リモート端末装置2は、専用画面による表示をせずに、プログラマブル表示器1が表示している画面と同じ形式のビット監視のための共通画面でアラームが生じたビットの状態を表示する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
プログラマブル表示器1のHMI制御部101,101Aおよびリモート端末装置2の制御部201,201Aは、それぞれCPU11,21を用いてプログラムによって実現される。プログラマブル表示器1およびリモート端末装置2は、CPU11,21が上記プログラムを当該プログラムが格納されている記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。