JP6937499B2 - 情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法およびコンテナ荷役システム - Google Patents

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本発明はコンテナ荷役方法およびコンテナ荷役システムに係り、特に情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法およびコンテナ荷役システムに関する。
一般に、国際競争力強化を図る上で、コンテナターミナルやコンテナ輸送の機能向上を図ることは重要な課題となっている。特に、ヤード内の荷役作業の効率化を図ることが喫緊の課題とされている。
従来、コンテナターミナル内での荷役作業で、特許文献1に記載されているように、作業効率の点から初期配列状態から目標配列状態に持っていく作業をコンピュータ処理できるようにしたものが提案されている。これは確かにコンテナターミナル内での処理において有効であるが、搬送車両との兼ね合いを考慮していない。
特開2003−276850号
実際の現場では、搬送車両が到着してから荷繰り作業を開始し、搬送コンテナを準備するまでに時間がかかるなどの問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に着目し、情報通信技術の活用により、ターミナル全体の処理能力向上を目指すもので、特にヤード内荷役の効率化を目的としている。
上記目的を達成するため、事前に登録情報により、車両の概ねの貨物受取時間を把握しつつ、ターミナル手前にETC路側機を設置するなどして、ターミナル側で到着直前に車両を改めて把握することで、ヤード内の荷役効率化を図ろうとするものである。
より具体的には、本発明に係る情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法は、コンテナ搬出入に際して、紐付けされたコンテナ情報、車両情報、PS(ポートセキュリティ)カード情報を港湾情報システムに事前登録しておき、コンテナ情報と車両情報の各情報を有する搬送車両の走行位置情報を検知し、ネットを介して前記港湾情報システムと接続されたターミナルオペレーションシステム(TOS)に予め入力されている貨物のコンテナ番号と前記事前に入力されている搬送すべきコンテナのコンテナ番号との照合をなし、一致したコンテナ番号を有するコンテナを荷役対象コンテナとし、前記搬送車両の走行位置情報から求められる前記搬送車両のターミナル到着時間に合わせて荷繰り作業を行わせることを特徴とする。
また、本発明に係る情報通信技術を活用したコンテナ荷役システムは、コンテナ搬出入に際して、紐付けされたコンテナ情報、車両情報、PS(ポートセキュリティ)カード情報を事前登録する港湾情報システムと、前記港湾情報システムにネットを介して接続されたターミナルオペレーションシステム(TOS)と、搬送すべきコンテナ番号を有する前記搬送車両の位置情報を検知し前記港湾情報システムに伝達する車両識別装置とを有し、前記TOSには予め入力されている貨物のコンテナ番号と前記事前に入力されているコンテナ情報の搬送すべきコンテナ番号との照合をなす判別手段が設けられ、前記TOSは前記判別手段により一致したコンテナ番号を荷役対象コンテナとし、前記搬送車両の位置情報から求められる前記搬送車両の到着時間に合わせて荷繰り作業を行わせることを特徴とする。
この発明によれば、事前登録情報により車両の概ねの貨物受取時間を把握しつつ、ターミナル手前の各路上にETC路側機を設置するなどして、ターミナル側で到着直前に車両を改めて把握することで、事前荷繰りの時間を確保し、ヤード内荷役の効率化を図ることができ、搬送車両のヤード内滞留時間の削減が可能となる。
本発明に係る情報通信技術を活用したコンテナ荷役システムの全体概要図である。 事前登録データである。 PSカードの正面図である。
以下に、本発明に係る情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法およびコンテナ荷役システムの具体的実施例につき、図面を参照して、詳細に説明する。なお、以下の実施例は1例に過ぎないものである。
実施例に係る情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法およびコンテナ荷役システムは、リアルタイム情報の共有・活用によりセキュリティを確保しつつ、ヤード内荷役の効率化を図ろうとするものである。
この実施例は実入り貨物のコンテナターミナルからの搬出する場合に適用した例である。コンテナ貨物は、通常、船舶により搬送されてくるが、この情報は、図1に示すように、船社10を通じてコンテナターミナル12を管理しているターミナルオペレーションシステム(TOS)14に入ってくる。TOS14はコンテナターミナル12の全体の情報管理を行うところで、この一角に貨物情報16が入力される。この入力と同時に、船社10を通じて貨物到着案内18が海貨業者20や荷主22に伝達される。
また、貨物情報16を取得したTOS14は、TOS14とは別途に設けられた港湾情報システム24にネットにより接続され、一部の情報を共有している。この港湾情報システム24はクラウドサーバでありデータ蓄積をなしている。この港湾情報システム24には海貨業者20や荷主22が随時接続して、登録されている情報を取得可能となっている。
一方、実入り貨物到着案内18が海貨業者20から到着した場合、海貨業者20(あるいは荷主22)の陸運配車を担当する陸運26は、事前登録情報27を作成する。事前登録情報27は、準備作業として会社名、所在地、運転手名、PSカードID、車両ヘッド番号、ETC車載器番号などである。このような準備作業が終了したなら、前記貨物到着案内18に応じて、輸送する貨物の情報を登録する。これは搬出入日が確定した段階で登録するもので、搬出入予約日/時間枠、コンテナ番号、実入り/空(この実施例の場合、実入りを選択)、搬入/搬出(この実施例では搬出を選択)を記録する。そして、事前登録したコンテナが搬出可能であるかを確認する。これはTOS14に入力されているデータを港湾情報システム24によって照合させ(貨物情報のマッチングではTOS上で実施)、当該港湾情報システム24から確認することが出来る。そして、最終的に運転手、車両が確定した段階で、運転手名、車両ヘッド番号が入力されて終了する。この実例を図2に示す。そして、この事前登録情報27は港湾情報システム24に入力されているシートに書き込み、保存される。
このように事前登録情報27には、搬出入予約日/時間枠を含むコンテナ情報28とともに、使用車両のナンバー、ETC車載器管理番号等を含む車両情報30が作成される。同時に、その車両を運転する運転者を特定し、PSカード情報32を作成させる。このPSカード情報32には、図3に示されるように、氏名、所属企業、写真などが別途作成されたポートセキュリティデータから読み取り可能なPSカードID番号が記載される。コンテナ情報28,車両情報30,PSカード情報32は前述したように港湾情報システム24に事前登録される。
この状態から、陸運26では、搬出入予約日/時間枠に到達したら、運送に携わる事前に登録されている車両36を選択し、該当するPSカード情報32を持つ運転手が選ばれる。そしてコンテナターミナル貨物の搬出指示が行われる。
ところで、コンテナターミナル12に至る道路上には車両識別装置(ETC路側機)38が設けられている。この車両識別装置38は、車両36に搭載されたETC車載器管理番号から車両番号を調べ、どの位置にある車両識別装置38を通過したかを港湾情報システム24に送るようにしている。これにより、事前登録された車両36であることが明らかになる。
車両識別装置38で得られた車両36のETC車載器管理番号は直ちに港湾情報システム24に送られるが、車両識別装置38は港湾情報システム24から更にTOS14に自動送信し、事前登録情報よりコンテナ番号を調べ、事前に荷繰りするようにしている。車両識別装置38はコンテナターミナル12のゲートと離れた距離に設定され、ゲート到達時間(あるいは荷繰り箇所までの到達時間)までに荷繰り完了するように設定されている。荷繰りする時間は、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングの手法による解析によって行う。また、車両36が車両識別装置38を通過した時間からゲート到達時間も同様に、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングの手法による解析によって行えばよい。
繰り返しになるが、搬送すべきコンテナ番号、ETC車載器番号、搬出入予約日/時間枠を含むコンテナ情報28,車両情報30,PSカード情報32を事前に港湾情報システム24に登録しておく。そして、登録された内容と一致するコンテナ車両36を車両識別装置38で検知することにより、走行場所の位置が判明する。
なお、上記車両識別装置38は、コンテナターミナル12に車両36が近接しつつある情報をTOS14に知らせるものであるが、これは以下に示すように、各種の対応が考えられる。第1にスマートフォンなどの端末のGPS機能を活用する方法が考えられる。端末のGPS機能を活用し、車両36の位置情報をコンテナターミナル12側、陸運業者側でリアルタイムに把握しようとするものである。これらの費用は安価かつ汎用的な端末を使用することができるため、導入が比較的容易である。また陸運26など業者側でも位置情報が分かるため、配車効率化の効果も期待できる。
第2は、通信機能付きのドライブレコーダーを用いる方法である。トライブレコーダーのGPS機能を活用し、車両36の位置情報をコンテナターミナル12側、陸運26などの事業者側でリアルタイムに把握することができる。急加速や急減速といった車両36の挙動データを取得することができ、陸運26側でも位置情報が分かるため、配車効率化の効果も期待できる。
さらに、第3にはSigfox(低価格・省電力・長距離伝送が特徴のSigfoxはIoTネットワークである。)などのLPWA(LPWA(LowPower Wide Area) またはLPWANとはなるべく消費電力を抑えて遠距離通信を実現する通信方式で、IoTの構成要素の1つとして注目されている。)を用いた方法である。IoT向け無線ネットワークを利用し、専用端末が定期的に発信する車両36の位置情報を、コンテナターミナル12側、陸運26などの事業者側で定期的に把握しようとするものである。このシステムを使用すると、登録者が多い場合には、データ通信費が安価になり、陸運側でも位置情報が分かるため、配車効率化の効果も期待することができる。
これらを用いて車両36の位置をコンテナターミナル12に至る道路で測定することにより、ターミナルゲート40に到着する時間が判明する。また、コンテナヤード内での荷繰り作業に適用することができる。
さらに、第4にはOCR(Optical Character Reader)を活用した車両番号識別カメラを用いる方式である。コンテナターミナル12に至る道路に車両番号識別カメラを設置し、道路を通過する車両36の車両情報30を識別することで、車両36の位置情報をコンテナターミナル12側、陸運業者側に共有しようとするものである。この手法の特徴としては、安価な車両識別カメラを設置する以外の初期投資は無く、陸運26への負担も無く車両の到達時間をコンテナターミナル12側に共有できる点にある。
これが入力情報として、港湾情報システム24からTOS14に入力されており、予め図2で示される登録情報から、入力されている貨物のコンテナ番号を含むコンテナ情報28と前記事前に入力されている搬送すべきコンテナ番号を含む貨物情報16が判別装置52により行われ、照合の結果が一致すれば、コンテナターミナル12内でのコンテナ位置から到着時間までにヤードクレーン54を用いた荷繰り作業を行うことができるのである。
また、前記港湾情報システム24に登録した搬出入予約日/時間枠にターミナルゲート40(あるいはコンテナターミナル12外の特定地点)に到着が見込まれる車両36はターミナルゲート40まで、予約専用(または予約優先)レーン46を通過する等、優先的にターミナルゲート手続きを行うことができる。なお、陸運ドライバー56はターミナルゲート40に設けたPSカードリーダ(あるいはコンテナターミナル12外の特定地点に設けたPSカードリーダ)にPSカード50をかざし、前記港湾情報システム24に登録された搬出入予約日/時間枠と、前記陸運ドライバー56はターミナルゲート40に設けたPSカードリーダ48(あるいはコンテナターミナル12外の特定地点に設けたPSカードリーダ)にPSカード50をかざした時間を電子的に照合し、照合の結果として情報が合致していることを1つの条件として、コンテナ搬出入車両は前記ターミナルゲートの通過を許可され、該当車両は優先的にターミナルゲート手続きを行うことを事後承認(あるいは事前承認)される。照合の結果として情報が合致してなければ車両36はターミナルゲート40までの予約専用(または予約優先)レーン46を通過する等の優先的なターミナルゲート手続きを認められず、前記港湾情報システム24に登録していない車両と同様にターミナルゲート手続きを行うことになる。
また、陸運ドライバー56はターミナルゲート40に設けたPSカードリーダ48にPSカード50をかざし、ヤード内行先指示書を受け取る。PSカードリーダ48を通じて入力されたPSカードIDから、事前登録されたPSカード情報32とコンテナ情報28が紐付され、管理しているTOS14がPSカード情報32との比較をなし、同時に船社10から入力されている貨物情報16との照合が行われる。このデータ処理により、搬出すべきコンテナの搬出先の受取場所の指示が為されるのである。
このように本実施例では、搬送すべきコンテナ番号、ETC車載器番号、搬出入予約日/時間枠を含むコンテナ情報28,車両情報30,PSカード情報32が、事前に港湾情報システム24に登録される。そして、登録された内容と一致するコンテナ車両36を車両識別装置38により検知することにより、走行場所の位置が判明する。
その後に、PSカード50の読み取りと合わせて港湾情報システム24に予め入力されている搬出入予約日/時間枠を含むコンテナ情報28と前記TOS14に事前に入力されている搬送すべきコンテナ番号を含む貨物情報16との電子的な情報の照合を行い、照合の結果として情報が合致していればターミナルゲート40の車両36の通過可否判断が円滑に行えるのである。
また、出入管理情報システム58の一部であるPSカードリーダ48へPSカード50をかざすことにより、制限区域に指定されている区域(コンテナターミナル)への入場の可否の判断に資する陸運ドライバー56の本人確認その他の措置を講じ、入場可能と判断された場合はターミナルゲート40の陸運ドライバー56の通過可否判断が円滑に行えるのである。
10………船社、12………コンテナターミナル、14………ターミナルオペレーションシステム(TOS)、16………貨物情報、18………貨物到着案内、20………海貨業者、22………荷主、24………港湾情報システム、26………陸運、27………事前登録情報、28………コンテナ情報、30………車両情報、32………PSカード情報、36………車両、38………車両識別装置、40………ターミナルゲート、42………一般車両通過ゲート、44………優先ゲート、46………予約専用(または予約優先)レーン、48………PSカードリーダ、50………PSカード、52………判別装置、54………ヤードクレーン、56………陸運ドライバー、58………出入管理情報システム。

Claims (3)

  1. コンテナ搬出入に際して、予め船社から貨物情報をターミナルオペレーションシステム(TOS)に入力するとともに、海貨業者あるいは荷主を介して陸運により紐付けされたコンテナ情報、車両情報、PS(ポートセキュリティ)カード情報を港湾情報システムに事前登録しておき、
    コンテナ情報と車両情報の各情報を有する搬送車両の走行位置情報を検知し、
    ネットを介して前記港湾情報システムと接続された前記ターミナルオペレーションシステム(TOS)に予め船社から入力されている貨物のコンテナ番号とPSカード情報により割り出された前記海貨業者あるいは荷主を介して陸運により事前に入力されている搬送すべきコンテナのコンテナ番号との照合をなし、
    一致したコンテナ番号を有するコンテナを荷役対象コンテナとし、前記搬送車両の走行位置情報から求められる前記搬送車両のターミナル到着時間に合わせて荷繰り作業を行わせること、
    を特徴とする情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法。
  2. 前記搬送車両の走行位置情報は、前記搬送車両側の発信手段、またはコンテナターミナルに至る道路に設置された車両識別装置を利用して取得することを特徴とする請求項1に記載の情報通信技術を活用したコンテナ荷役方法。
  3. コンテナ搬出入に際して、予め船社から貨物情報を入力するターミナルオペレーションシステム(TOS)と、
    コンテナ搬出入に際して、予め船社から海貨業者あるいは荷主を通じて陸運により紐付けされたコンテナ情報、車両情報、PSカード情報を事前登録する港湾情報システムと、
    前記TOSと港湾情報システムとは互いにネットを介して接続され、
    搬送すべきコンテナ番号を有する搬送車両の位置情報を検知し前記港湾情報システムに伝達する車両識別装置と、
    を有し、
    前記TOSには予め船社から入力されている貨物のコンテナ番号とPSカード情報により割り出された前記海貨業者あるいは荷主を介して陸運により事前に入力されているコンテナ情報の搬送すべきコンテナ番号との照合をなす判別手段が設けられ、
    前記TOSは前記判別手段により一致したコンテナ番号を荷役対象コンテナとし、前記搬送車両の位置情報から求められる前記搬送車両の到着時間に合わせて荷繰り作業を行わせること、
    を特徴とする情報通信技術を活用したコンテナ荷役システム。
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