JP6937117B2 - 研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用パッドに関するものであり、さらに、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する工程で使用される研磨パッドに関する。
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、年々集積化が進んでおり、それに伴い大規模集積回路の製造技術も高密度化が進んでいる。さらに、この高密度化に伴い、半導体デバイス製造箇所の積層数も増加している。その積層数の増加により、従来は問題とならなかった積層にすることによって生ずる半導体ウェハ主面の凹凸が問題となっている。その結果、例えば非特許文献1に記載されるように、積層することによって生じる凹凸に起因する露光時の焦点深度不足を補う目的で、あるいはスルーホール部の平坦化による配線密度を向上させる目的で、化学機械研磨技術を用いた半導体ウェハの平坦化が検討されている。一般に化学機械研磨装置は、被処理物である半導体ウェハを保持する研磨ヘッド、被処理物の研磨処理をおこなうための研磨パッド、前記研磨パッドを保持する研磨定盤から構成されている。そして、半導体ウェハの研磨処理は研磨剤と薬液からなるスラリーを用いて、半導体ウェハと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウェハ表面の層の突出した部分が除去されてウェハ表面の層を滑らかにするものである。半導体ウェハと研磨パッドの相対速度及び荷重にほぼ比例している。そのため、半導体ウェハの各部分を均一に研磨加工するためには、半導体ウェハにかかる荷重を均一にする必要がある。
半導体ウェハの主面に形成された絶縁層等を研磨加工する場合、研磨パッドが柔らかいと、局所的な平坦性は悪くなってしまう。この様なことからショアA硬度で80度以上の発泡ポリウレタンシートが主に使用されている。また、半導体ウェハにかかる荷重を均一にする必要があるために、研磨層の下のクッション層が4psiを超える所定の圧力を受けたときに6ミクロン/psi以上の歪定数を有する弾性材料を使用すること(特許文献1参照。)、または4psi〜20psiの範囲で選択された圧縮力がかかった時にだいたい1psiの圧縮力に対して250psiより大きい水圧モジュールを持つこと(特許文献2参照。)が紹介されている。これらの物性を満足できるクッション層として、気泡状中空体(連通されているか独立されているかは問わない)やダウ社のPolitexやSubaなどが紹介されている。しかしながら、主にショアA硬度が80度以上の発泡ポリウレタンパッドとこれらのクッション層の組み合わせによる積層研磨パッドでは、要求される、凹凸の平坦性と半導体ウェハにかかる荷重の均一性を表わすウェハ面内均一性の両立を果たすことができないという問題点があった。
特表平5−505769号公報 特開平6−21028号公報
日経マイクロデバイス、1994年、7月号、50〜57頁
そこで本発明の目的は、上記従来技術の背景に鑑み、研磨用パッドに関するものであり、さらに、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する工程で使用される研磨パッドにおいて、凹凸を平坦化する平坦性と半導体ウェハのウェハ面内均一性を両立することが可能な好適な研磨パッドを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、本発明の研磨パッドは、マイクロゴムA硬度が70度以上の発泡ポリウレタンシートを含む研磨層と、20質量%以上30質量%以下のポリウレタン系エラストマーを含有し平均単繊維径が3.0μm以上8.0μm以下の極細繊維束の不織布からなるクッション基材層との間に、弾性率が5.0MPa以上17.0MPa以下の材料からなる厚み70μm以上150μm以下の接着剤層が介在する構造を有することを特徴とする研磨パッドである。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、発泡ポリウレタンシートのマイクロゴムA硬度が80度以上である。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記接着剤層の弾性率が7.0MPa以上15.0MPa以下の材料からなり、前記接着剤層の厚みが90μm以上130μm以下である。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記不織布の圧縮率が2%以上8%以下である。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記不織布の厚みが0.5mm以上1.2mm以下である。
本発明によれば、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する工程で使用される研磨パッドにおいて、凹凸を平坦化する平坦性と半導体ウェハのウェハ面内均一性を両立することが可能な好適な研磨パッドが得られる。
本発明の研磨パッドは、マイクロゴムA硬度が70度以上の独立気泡を有する発泡ポリウレタンシートを含む研磨層と、平均単繊維径が3.0μm以上8.0μm以下の極細繊維束からなる不織布に、20質量%以上30質量%以下のポリウレタン系エラストマーが含有されたクッション基材層との間に弾性率が5.0MPa以上17.0MPa以下の材料からなる接着剤層(厚み70μm以上150μm以下)が介在するた構造を有することを特徴とする研磨パッドである。
まず本明細書でいうマイクロゴムA硬度について説明する。この硬度は高分子計器(株)製マイクロゴム硬度計MD−1で評価した値を指す。マイクロゴム硬度計MD−1は、従来の硬度計では測定が困難であった薄物・小物の試料の硬さ測定を実現するもので、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作されているためその測定値は、スプリング式ゴム硬度計A型の硬度と一致した値が得られる。マイクロゴム硬度計MD−1は、押針寸法が直径0.16mm円柱形で高さが0.5mmの大きさのものである。荷重方式は、片持ち梁形板バネで、ばね荷重は、0ポイントで2.24mN、100ポイントで33.85mNである。針の降下速度は10〜30mm/secの範囲をステッピングモータで制御して測定する。通常の研磨パッドは、研磨層または硬質層の厚みが5mmを切るので、スプリング式ゴム硬度計A型では薄すぎる為に評価できないので、該マイクロゴム硬度計MD−1で評価できる。
本発明の研磨パッドは、マイクロゴムA硬度で70度以上であり、好ましくは80度以上、さらに好ましくは85度以上である。マイクロゴムA硬度が70度に満たない場合は、半導体基板の局所的凹凸の平坦性が不良となる恐れがある。研磨層には、独立気泡を有する発泡ポリウレタンシートを含む。独立気泡を有する発泡ポリウレタンシートのポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなる。イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリウレタンの技術分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。低分子量ポリオールや低分子量ポリアミン等の配合量は特に限定されず、製造される研磨層に要求される特性により適宜決定される。
ポリウレタン樹脂発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の含有比率は、各々の分子量や研磨層の所望物性などにより種々変更し得る。所望する研磨特性を有する研磨層を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタン樹脂の物理的特性が優れており好適である。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法などが挙げられる。
特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、ポリウレタン樹脂発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン樹脂発泡体を得ても良い。
前記ポリウレタン樹脂発泡体が独立気泡を有する場合は、独立気泡の平均気泡径は、30〜100μmであることが好ましく、より好ましくは30〜80μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後のウェハの平坦性が低下する傾向にある。
前記ポリウレタン樹脂発泡体の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面強度が低下し、被研磨材の平坦性が低下する傾向にある。また、1.0より大きい場合は、研磨層表面の気泡数が少なくなり、平坦性は良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
研磨層のウェハと接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、またウェハとの吸着によるウェハの破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。研磨層の形状は特に制限されず、円形状であってもよく、長尺状であってもよい。研磨層の大きさは使用する研磨装置に応じて適宜調整することができるが、円形状の場合には直径は30〜150cm程度であり、長尺状の場合には長さ5〜15m程度、幅60〜250cm程度である。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.5〜2.5mm程度であることが好ましい。発泡ポリウレタンシートの具体例として、ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体を一体化したシートを挙げることができる。このポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートの対称として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができるがこれに限定されるわけではない。ポリヒドロキシとしてポリオールが代表的であるが、ポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。この中で、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとの組み合わせで得られるポリウレタンが成形性に優れ、汎用的に使用されているので好ましい。このビニル化合物とは、炭素−炭素二重結合のビニル基を有する化合物である。具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。その中で好ましいビニル化合物は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチル(α−エチル)アクリレート、エチル(α−エチル)アクリレート、プロピル(α−エチル)アクリレート、ブチル(α−エチル)アクリレートである。ここでのビニル化合物から重合される重合体とは、上記ビニル化合物を重合して得られる重合体であり、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリメチル(α−エチル)アクリレート、ポリエチル(α−エチル)アクリレート、ポリプロピル(α−エチル)アクリレート、ポリブチル(α−エチル)アクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリイソデシルメタクリレート、ポリ(n−ラウリルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチルメタクリレート)、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリフマル酸、ポリフマル酸ジメチル、ポリフマル酸ジエチル、ポリフマル酸ジプロピル、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ジメチル、ポリマレイン酸ジエチル、ポリマレイン酸ジプロピル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(N−メチルマレイミド)、ポリ(N−エチルマレイミド)、ポリ(N−イソプロピルマレイミド)、ポリ(N−フェニルマレイミド)等が挙げられる。この中で、好ましい重合体としてポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリイソブチルメタクリレート、ポリメチル(α−エチル)アクリレート、ポリエチル(α−エチル)アクリレート、ポリプロピル(α−エチル)アクリレート、ポリブチル(α−エチル)アクリレートが研磨層の硬度を高くでき、平坦化特性を良好にできる。ここでのビニル化合物から重合される重合体の含有率が30重量%以上50重量%以下であることが好ましい。含有率が30重量%に満たない場合は、研磨層の硬度が低くなる恐れがある。含有率が50重量%を越える場合は、パッドの有している弾力性が損なわれる恐れがある。研磨層中のポリウレタンまたはビニル化合物から重合される重合体の含有率は、研磨パッドを熱分解ガスクロマトグラフィ/質量分析手法で測定することが可能である。本手法で使用できる装置は、熱分解装置としてダブルショットパイロライザー“PY−2010D”(フロンティア・ラボ社製)を、ガスクロマトグラフ/質量分析装置として“TRIO−1”(VG社製)を挙げることができる。ここでの「ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体が一体化して含有される」とは、ポリウレタンの相とビニル化合物から重合される重合体の相とが分離された状態で含有されていないという意味であるが、定量的に表現すると、パッドの中で研磨機能を本質的に有する層の色々な箇所をスポットの大きさが50μmの顕微赤外分光装置で観察した赤外スペクトルがポリウレタンの赤外吸収ピークとビニル化合物から重合される重合体の赤外吸収ピークを有しており、色々な箇所の赤外スペクトルがほぼ同一であるという意味である。ここで使用される顕微赤外分光装置として、SPECTRA−TECH社製の“IRμs”を挙げることができる。この様な発泡ポリウレタンシートの作成方法として、密度が0.5〜0.95[g/cm]の範囲にある軟質発泡ポリウレタンシートにビニル化合物を膨潤させた後、軟質発泡ポリウレタンシート内でビニル化合物を重合させる方法は、ポリウレタンとビニル化合物から重合される重合体が一体化して含有される発泡ポリウレタンシートを作成でき、得られた研磨層で平坦性を小さくできるので好ましい。
平均単繊維径が3.0μm以上8.0μm以下の極細繊維束からなる不織布に、20質量%以上30質量%以下のポリウレタン系エラストマーが含有されたクッション基材の中で、極細繊維(束)を形成するポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィド(PPS)等を挙げることができる。ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは融点が高いものが多く、耐熱性に優れており好ましく用いられる。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートおよびポチトリメチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、ポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン12等を挙げることができる。
また、極細繊維(束)を構成するポリマーには、他の成分が共重合されていても良いし、粒子、難燃剤および帯電防止剤等の添加剤を含有させても良い。
極細繊維束を構成する極細繊維の平均単繊維径は、3.0μm以上8.0μm以下であることが重要である。平均単繊維径を8.0μm以下とすることにより、本クッション基材層を用いて研磨層と接着剤で積層した研磨パッドで研磨した時のウェハの面内均一性を良好とすることができる。その理由としては、積層研磨パッドにおいては研磨対象のウェハと接触させる側の面に発泡ポリウレタンシートを研磨層として接触させる訳であるが、繊維は直接には研磨対象と接触しないが、研磨パッド用クッション基材を構成する繊維を平均単繊維径8.0μm以下とすることにより、積層研磨パッドとして用いる際に研磨対象面のウェハにかかる応力を均一なものとすることができるためと推測する。一方、平均単繊維径を3.0μm以上とすることにより、ウェハの処理枚数を多くすることができる。さらに好ましい極細繊維の平均単繊維径は、3.5μm以上6.0μm以下である。
また、極細繊維(束)の平均単繊維径CVは、0.1〜10%の範囲であることが好ましい。ここでいう極細繊維(束)の平均単繊維径CVとは、極細繊維の単繊維径の標準偏差を平均単繊維径で割った値を百分率[%]で表示したものであり、この値が小さいほど単繊維径が均一であることを示す。
平均単繊維径CVを10%以下とすることにより、極細繊維の単繊維径が均一となり、起毛面の均一性が保たれるので、研磨層とクッション基材層との間の接着力の面内斑が少なくできるので好ましい。平均単繊維径CVは、低いほど好ましいが、実質的に0.1以上となる。
所望の平均単繊維径CVを得るには、特公昭44−18369号公報等に記載の公知の海島型複合用口金を用いて、海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する高分子相互配列体を形成する方式等の手法を用いることができる。この方式では、溶融ポリマーが均一に分散されるように分配板の分配孔数等を調整し、かつ複合単繊維中の極細繊維の繊維径を均一にすべく適正な口金背面圧となるように口金寸法を調整した海島型パイプ口金を用いて、複合紡糸する方法が一般的である。
極細繊維束の形態としては、極細繊維同士が多少離れていてもよいし、部分的に結合していてもよいし、凝集していてもよい。ここで、結合とは、化学的な反応や物理的な融着等によるものを指し、凝集とは、水素結合等の分子間力によるものを指す。
クッション基材層に用いられる不織布の繊維絡合体においては、上記に定義される極細繊維よりも太い繊維が混合されていてもよい。ここでいう、太い繊維の繊維径としては、10μmから40μmのものが好ましく用いられるが、特に限定されるものではない。太い繊維が混合されることにより、研磨パッド用基材の強度が補強され、またクッション性等の特性を向上させることができる。このような極細繊維よりも太い繊維を形成するポリマーとしては、前述の極細繊維を構成するポリマーと同様のものを採用することができる。極細繊維よりも太い繊維の不織布に対する混合量としては、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下とすることにより、研磨パッド用基材表面の平滑性を維持することができる。また、前記の太い繊維は、研磨性能の観点から表面に露出していないことが好ましい。
実施例の測定方法においても後述するように、繊維径が8.0μmを超える繊維が混在している場合には、当該繊維は極細繊維に該当しないものとして平均繊維径の測定対象から除外するものとする。
クッション基材層に用いられる繊維絡合体である不織布としては、短繊維をカードおよびクロスラッパーを用いて積層繊維ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータジェットパンチを施して得られる短繊維からなる不織布や、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られる長繊維からなる不織布、および抄紙法で得られる不織布などを適宜採用することができる。なかでも、短繊維からなる不織布やスパンボンド不織布は、後述するような極細繊維束の態様をニードルパンチ処理により得ることができる。ここでいう、不織布の厚みは、1.0mm以上4.0mm以下の範囲であることが好ましい。また、密度は0.15g/cm以上0.60g/cm以下の範囲であることが好ましい。
研磨パッドに用いられるクッション基材層は、前記の繊維絡合体である不織布が20質量%以上30質量%以下のポリウレタン系エラストマーを含有している必要がある。ポリウレタン系エラストマーを含有させることによって、バインダー効果により極細繊維がクッション基材層から抜け落ちるのを防止し、起毛時に均一な立毛を形成することが可能となる。また、ポリウレタン系エラストマーを含有させることによって、クッション基材層にクッション性を付与し、それを用いる研磨パッドの厚みに優れた均一性を付与する。ポリウレタンやポリウレタン・ポリウレアエラストマーなどのポリウレタン系エラストマーが使用可能である。
ポリウレタン系エラストマーのポリオール成分としては、ポリエステル系、ポリエーテル系およびポリカーボネート系のジオール、もしくはこれらの共重合物を用いることができる。また、ジイソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート、脂環式イソシアネートおよび脂肪族系イソシアネートなどを使用することができる。
ポリウレタン系エラストマーの重量平均分子量は、好ましくは50,000〜300,000である。重量平均分子量を50,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは150,000以上とすることにより、クッション基材層の強度を保持し、また極細繊維の脱落を防ぐことができる。また、重量平均分子量を300,000以下、より好ましくは250,000以下とすることにより、ポリウレタン溶液の粘度の増大を抑えて極細繊維層への含浸を行いやすくすることができる。
クッション基材層において、ポリウレタン系エラストマーの含有率は、20質量%以上30質量%以下である。含有率が20質量%に満たない場合は、良好なウェハの処理枚数が少なくなる。また、含有率が30質量%を超える場合は、ウェハの面内均一性が不良となる。ポリウレタン系エラストマーの含有率のより好ましい範囲は、21質量%以上28質量%以下である。
前記ポリウレタン系エラストマーを繊維絡合体である不織布に付与する際に用いられる溶媒としては、N,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等を好ましく用いることができる。また、ポリウレタン系エラストマーとしては、水中にエマルジョンとして分散させた水系ポリウレタンを用いることもできる。
溶媒にポリウレタン系エラストマーを溶解したポリウレタン系エラストマー溶液に、繊維絡合体(不織布)を浸漬する等して、ポリウレタン系エラストマーを繊維絡合体に付与し、その後、乾燥することによってポリウレタン系エラストマーを実質的に凝固し固化させる。乾燥にあたっては、繊維絡合体およびポリウレタン系エラストマーの性能が損なわない程度の温度で加熱してもよい。
このようにして得られたクッション基材層の起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて行うことができる。特に、サンドペーパーを用いることにより、均一かつ緻密な立毛を形成することができる。
また、ポリウレタン系エラストマーには、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤および防臭剤などの添加剤が配合されていてもよい。
クッション基材には、不織布に上述したポリウレタン系エラストマーを付与後、さらに毛羽落ち防止のための樹脂として、他のエラストマーを付与してもよい。他のエラストマーとしては、上述したポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマー等が好ましく用いられる。
ポリウレタン系エラストマーの付着量としては、0.5質量%以上6.0質量%以下とすることにより、十分な毛羽落ち防止機能が得ることができる。また、エラストマーの付着量を6.0質量%以下とすることにより、クッション基材層の圧縮特性を維持することができる。エラストマーの付着量のより好ましい範囲は、1.0質量%以上5.0質量%以下である。
クッション基材の圧縮率は、初期荷重50[g/cm]をかけた時の初期厚みT0[mm]と荷重300[g/cm]をかけた時の荷重後厚みT1[mm]から(T0−T1)/T0×100[%]で計算される値である。本圧縮率は、2%以上8%以下が好ましい。圧縮率が2%を下回ると、クッション基材が硬く柔軟性が低下することから接着剤と剥離してしまう。また、研磨パッド使用時のウェハ面内均一性が不良である恐れがある。圧縮率が8%を超えると、クッション基材が柔らかすぎてパッドとしての円盤状の形状保持が難しい。また、研磨パッド使用時の平坦化特性が不良となる恐れがある。さらに好ましくは、圧縮率は3%以上7%以下である。
研磨パッドに用いられるクッション基材層の後述する補強層を除く部分の目付は、好ましくは100g/m以上600g/m以下である。この目付を100g/m以上、より好ましくは150g/m以上とすることにより、クッション基材層の形態安定性と寸法安定性に優れ、研磨加工時のクッション基材層の伸びによる加工ムラおよびスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。一方、この目付を600g/m以下、より好ましくは300g/m以下とすることにより、研磨パッドの取扱い性が容易となり、また、研磨パッドのクッション性を適度に抑え、研磨加工時における押付圧を抑えることができる。
また、クッション基材層の後述する補強層を除く部分の厚さは、好ましくは0.1mm以上10mm以下である。この厚さを0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上とすることにより、クッション基材層の形態安定性と寸法安定性に優れ、研磨加工時のクッション基材層の厚み変形による加工ムラ、およびスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。一方、クッション基材層の厚さを10mm以下、より好ましくは5mm以下とすることにより、研磨加工時の押付圧を十分に伝播させることができる。
また、研磨パッドに用いられるクッション基材層は、独立気泡を有する発泡ポリウレタンシートを有する研磨層と接着剤を介して接合する面の他方の面に、補強層を有することも好ましい態様である。補強層を設けることにより、研磨パッドの形態安定性・寸法安定性に優れ、加工ムラおよびスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。積層する方法については、特に限定されるものではないが、熱圧着法やフレームラミ法が好適に用いられる。補強層とシート状物との間に接着剤層を設けるいずれの方法を採用してもよく、接着剤層としては、ポリウレタン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエン(NBR)、ポリアミノ酸およびアクリル系接着剤などゴム弾性を有するものが好適に使用される。コストや実用性を考慮すると、NBRやSBRのような接着剤が好ましく用いられる。接着剤の付与方法としては、エマルジョンやラテックス状態でシート状物に塗布する方法が好適に用いられる。
補強層としては、織物、編物、不織布(紙を含む)およびフィルム状物(プラスチックフィルムや金属薄膜シートなど)等を採用することができる。
研磨パッドに用いられるクッション基材層は、発泡ポリウレタンシートを含む研磨層と接着剤を介して接合する面の表面に、起毛処理が施され立毛を有してもよい。
次に、研磨パッドに用いられるクッション基材層を製造する方法について説明する。
極細繊維束が絡合してなる不織布のような繊維絡合体を得る手段としては、極細繊維発生型繊維を用いることが好ましい。極細繊維から直接繊維絡合体を製造することは困難であるが、例えば、海成分と島成分からなる極細繊維発生型繊維から繊維絡合体を製造し、この繊維絡合体における極細繊維発生型繊維から海成分を除去し島成分からなる極細繊維を発生させることにより、極細繊維束が絡合してなる繊維絡合体(不織布)を得ることができる。
極細繊維発生型繊維としては、溶剤溶解性の異なる2成分の熱可塑性樹脂を海成分と島成分とし、海成分を溶剤などを用いて溶解除去することによって、島成分を極細繊維とする海島型繊維や、2成分の熱可塑性樹脂を繊維断面に放射状または多層状に交互に配置し、各成分を剥離分割することによって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維などを採用することができる。
海島型繊維には、海島型複合用口金を用い海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する海島型複合繊維や、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸繊維などがあるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点、また十分な長さの極細繊維が得られシート状物の強度にも資する点から、海島型複合繊維が好ましく用いられる。
海島型繊維の海成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、およびポリ乳酸等を用いることができる。
海成分の溶解除去は、弾性重合体であるポリウレタン系エラストマーを付与する前、ポリウレタン系エラストマーを付与した後、または起毛処理後のいずれのタイミングで行ってもよい。
不織布を得る方法としては、前述のとおり、繊維ウェブをニードルパンチやウォータジェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法および抄紙法などを採用することができ、なかでも、前述のような極細繊維束の態様とする上で、ニードルパンチやウォータジェットパンチなどの処理を経る方法が好ましく用いられる。
ニードルパンチ処理に用いられるニードルにおいて、ニードルバーブ(切りかき)の数は好ましくは1〜9本である。ニードルバーブを1本以上とすることにより効率的な繊維の絡合が可能となる。一方、ニードルバーブを9本以下とすることにより繊維損傷を抑えることができる。
ニードルバーブのトータルデプスは、好ましくは0.04〜0.09mmである。トータルデプスを0.04mm以上とすることにより、繊維束への十分な引掛かりが得られるため効率的な繊維絡合が可能となる。一方、トータルデプスを0.09mm以下とすることにより繊維損傷を抑えることが可能となる。
ニードルパンチのパンチング本数は、好ましくは1000本/cm以上4000本/cm以下である。パンチング本数を1000本/cm以上とすることにより、緻密性が得られ、高精度の仕上げを得ることができる。一方、パンチング本数を4000本/cm以下とすることにより、加工性の悪化、繊維損傷および強度低下を防ぐことができる。パンチング本数のより好ましい範囲は、1500本/cm以上3500本/cm以下である。
また、ウォータジェットパンチ処理を行う場合には、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。好適には、直径0.05〜1.0mmのノズルから、圧力1〜60MPaで水を噴出させると良い。
ニードルパンチ処理あるいはウォータジェットパンチ処理後の極細繊維発生型繊維からなる不織布の見掛け密度は、0.15g/cm以上0.35g/cm以下であることが好ましい。見掛け密度を0.15g/cm以上とすることにより、研磨パッドの形態安定性と寸法安定性に優れ、研磨加工時の加工ムラ、およびスクラッチ欠点の発生を抑えることができる。一方、見掛け密度を0.35g/cm以下とすることにより、ポリウレタン系エラストマーを付与するための十分な空間を維持することができる。
このようにして得られた極細繊維発生型繊維からなる不織布は、緻密化の観点から、乾熱処理もしくは湿熱処理、またはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい。また、カレンダー処理等により、極細繊維発生型繊維からなる不織布を厚み方向に圧縮してもよい。
極細繊維発生型繊維から易溶解性ポリマー(海成分)を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィンであれば、トルエンやトリクロロエチレン等の有機溶媒が用いられる。また、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に極細繊維発生型繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。
また、極細繊維発生型繊維から極細繊維を発生させる加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の公知の装置を用いることができる。上記の極細繊維発生加工は、立毛処理前に行なうことができる。
クッション基材層は、研磨パッド形成時の毛羽落ち防止のため、上述したポリウレタン系エラストマーを付与後、さらに他のエラストマーを付与してもよい。毛羽落ち防止樹脂としては、上述したポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマーが用いられる。
クッション基材の好ましい厚みは0.5mm以上1.2mm以下である。厚みを0.5mm以上とすることで被研磨基板を均一に研磨できる。また、厚みを1.2mm以下とすることでウェハ表面の欠陥発生を抑えることができる。
また、少ないエラストマー付量で、効率よく毛羽落ち防止させるため、およびクッション基材層の圧縮特性を維持するために、クッション基材層の表層部分のみにポリウレタン系エラストマー層を形成させることが好ましい態様である。クッション基材層上の表層部分のみにポリウレタン系エラストマー層を形成する方法としては、各種ポリウレタン系エラストマーを水系エマルジョン等の状態として、立毛後のクッション基材層に対し、ポリウレタン系エラストマーを通常の塗布等の方法で付与後に乾燥することが好ましい。その理由は、クッション基材層に塗布された水系ポリウレタンエマルジョンを、乾燥により厚み方向に積極的にマイグレーションさせることにより、ポリウレタン系エラストマーをクッション基材層の表層部分により多く付着することができるためである。
クッション基材層と発泡ポリウレタンシートを含む研磨層を接合する接着剤は弾性率が5.0MPa以上17.0MPa以下の材料からなり、厚みが70μm以上150μm以下であることが重要である。接着剤の弾性率が5.0MPa未満であれば、研磨層とクッション基材層にかかる剪断力により研磨層とクッション基材層とがずれを生じ、ウェハの処理枚数が少なくなるという問題が生じる恐れがある。弾性率が17.0MPaを超える場合は、ウェハに接触する研磨層表面にかかる研磨圧力が接着剤層を介してクッション基材層の厚み方向の変形が不十分となるためにウェハ面内均一性が不十分となる恐れがある。さらに好ましい弾性率の範囲は、7.0MPa以上15.0MPa以下である。弾性率が7.0MPa以上であると、より研磨層とクッション基材層にかかる剪断力による研磨層とクッション基材層とがずれを抑えることができるので、ウェハの処理枚数が多くなるので好ましい。弾性率が15.0MPa以下であると、ウェハに接触する研磨層表面にかかる研磨圧力が接着剤層を介してクッション基材層の厚み方向の変形が十分おこなわれるので、ウェハ面内均一性が十分良好であるので好ましい。接着剤層の厚みが70μm未満である場合は、研磨層とクッション基材層の間の接着力が研磨パッド面内で不十分な箇所が発生する恐れがある。接着剤層の厚みが150μmを超える場合は、ウェハに接触する研磨層にかかる研磨圧力が接着剤層を介してクッション基材層の厚み方向への変形が不十分で、ウェハ面内均一性が悪化する恐れがある。さらに好ましい接着剤層の厚みの範囲は、90μm以上130μm以下である。接着剤層の厚みが90μm以上である場合は、研磨層とクッション基材層の間の接着力が研磨パッド面内で十分に均一であるのでウェハ処理枚数が多くできるので好ましい。接着剤層の厚みが140μm以下である場合は、ウェハに接触する研磨層にかかる研磨圧力が接着剤層を介してクッション基材層の厚み方向への変形が十分できるので、ウェハ面内均一性が良好であるので好ましい。
クッション基材層と独立気泡を有する発泡ポリウレタンシートを含む研磨層を接合する接着剤は、具体的にはウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ゴム系等の各種接着剤等が挙げられる。接着剤の弾性率を所望の範囲に入れるために、接着剤と低弾性率の非接着剤の混合品でも適用が可能である。
各種接着剤の中で、ウレタン系接着剤の具体的商品名として、1液型ではトーヨーポリマー(株)製“ルビロン(登録商標)602”、“ルビロン(登録商標)603”、“ルビコート(登録商標)F−7”、“ルビラック(登録商標)603”、“ルビラック(登録商標)645E”、“ルビロン(登録商標)101”、“ルビロン(登録商標)エース”、“ルビロン(登録商標)202”、“ルビロン(登録商標)AAA”、“ルビロン(登録商標)R”、“ルビロン(登録商標)101SP”、“ルビロン(登録商標)フロアー503”、“ルビロン(登録商標)302”、“ルビロン(登録商標)155”、東亞合成(株)製“PU−3030D”、“PU−7000D”、セメダイン(株)製“UM700”、“UM700S”、“UM750”、“UM100”、“UM300HK”、“UM550”、“UM600”、“UM600V”、“UM600VL”、三井化学ポリウレタン(株)製“タケラック(登録商標)A367H”、“タケラック(登録商標)A369”、“タケネート(登録商標)A7”、“タケネート(登録商標)A19”等が挙げられる。
2液型の接着剤では、トーヨーポリマー(株)製“ルビロン(登録商標)KA−28、KB−28”、“ルビロン(登録商標)KA−38、KB48”、“ルビロン(登録商標)KA−42、KB−33”、“ルビロン(登録商標)KA−10、KB−33ME”、“NA−21、NB−29”、東亞合成(株)製“PU−62 A剤、PU−62 B剤”、“PU−9000、PU−171” 等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。エポキシ系接着剤の具体的商品名として、1液型では東亞合成(株)製“アロンマイティ(登録商標)AP−0786”、“アロンマイティ(登録商標)AP−3510” 、“アロンマイティ(登録商標)AP−3513”、セメダイン(株)製“EP−138”、“EP−170”、“EP−160NL”、2液型では東亞合成(株)製“アロンマイティ(登録商標)AP−205”、“アロンマイティ(登録商標)AP−209” 、“アロンマイティ(登録商標)AP−317”、セメダイン(株)製“EP−001”、“EP−007”、“EP−330”、溶液希釈型では東亞合成(株)製“アロンマイティ(登録商標)AS−60”、“アロンマイティ(登録商標)AS−310” 等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。アクリル系接着剤の具体的商品名として、東亞合成(株)製“アロンマイティ(登録商標)X−2100T”、セメダイン(株)製“Y−610” 、“Y−620” 等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。ゴム系接着剤として、セメダイン(株)製“521” 、“575”、日立化成ポリマー(株)製“ハイボン(登録商標)1420”等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
また、接着剤としては上述した通常の接着剤以外に環境、作業性の点から無溶剤型の加熱溶融型接着剤も好ましく使用される。加熱溶融型接着剤は、種類にもよるが70〜130℃程度の温度で接着剤を溶融させ被接着物の一方又は両方にロールコーター等で塗布し、粘着性のある間に接着し加圧処理等を施した後、接着剤が冷却固化することにより接着するものである。また、接着後に空気中や被着体の水分や湿気によって架橋反応して硬化し、接着強度が増大するものもある。加熱溶融型接着剤として具体的には、ポリエステル系、変性オレフィン系、ウレタン系のもの等が挙げられ、タイプも上述したとおり溶融接着後冷却硬化させるタイプ、溶融接着・冷却硬化後、さらに空気中の湿気と反応し架橋する2種のタイプが挙げられる。ポリエステル系加熱溶融型接着剤の具体的商品名としては、東亞合成(株)製“アロンメルト(登録商標)PESシリーズ”、変性オレフィン系加熱溶融型接着剤の具体的商品名としては、東亞合成(株)製“アロンメルト(登録商標)PPETシリーズ”、ウレタン系加熱溶融型接着剤の具体的商品名としては、東亞合成(株)製“アロンメルト(登録商標)Rシリーズ”、ヘンケル社製“QR4663”、“QR4635”、新田ゼラチン(株)製“ARX−1288C2”、“ARX−1288H”、“ARX−1311D”、“ARX−1270”、“ARX1255C1”、“ARX−1308A”、日立化成ポリマー(株)製、“ハイボン(登録商標)4812”、“ハイボン(登録商標)4820”、“ハイボン(登録商標)4830”、“ハイボン(登録商標)4832”、“ハイボン(登録商標)YR713−1W”、“ハイボン(登録商標)4820”、“ハイボン(登録商標)YR346−1”、三井化学ポリウレタン(株)製“MA−1102W”、“MA−1102S”、“MA−3002T”、“MA−3229”、“MA−1001”、“MA−0110S”、“MA−4008”、“MA−4013”、“MA−4100”、“MA−4014”、“MA−4015”、“MA−5002”、“MA−5203”、“MA−5214”、“MA−5215”、“MA−5310”、コニシ(株)製“KUM3150”、“KUM3150S”、“KUM3200”等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
最下層のクッション基材層の裏面には両面粘着テープを貼り合せることで最終研磨材製品とすることができる。両面粘着テープの具体的商品名としては、住友スリーエム(株)製“442JS”、日東電工(株)製“535A”、積水化学工業(株)製“5782W”、“5604TDM” 、(株)寺岡製作所製“751”、“758”、“777”、“782”、“761”、“7021”等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
研磨層、クッション基材層は、枚葉のシート状であっても、シートが連続的に巻かれたロール状であっても特に問題はない。
また、研磨層とクッション基材層の積層後、クッション基材層の反対側の面には研磨定盤固定用の両面粘着テープを貼り合わせることが好ましい。両面粘着テープの材質、貼り合わせ方法は上述したとおりであり特に限定されるものではない。
研磨パッドには、安定した研磨特性を得るために、上層の発泡ポリウレタンシートを有する研磨層の表面に、格子状溝、同心円溝が形成されていることが好ましい。また、研磨基板の表面状態を研磨中に観察することができる光学式終点検出機能付き研磨装置で使用する場合は、本研磨パッドの研磨基板が接触する位置に裏面から表面まで貫通する貫通孔をあけた形状でも使用できる。その際に、貫通孔には、透明性の高いアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂からなるブロック形状の樹脂板をはめ込んで使用する形態もありうる。
研磨パッドは、シリコンなど半導体基板上に形成される絶縁層の表面や金属配線の表面を機械的に平坦化する工程で使用される研磨パッドとして良好な平坦性とウェハ面内均一性が良好なものとして使用される。
以下、実施例にそってさらに本発明の詳細を説明する。本実施例において各特性は以下の方法で測定した。
[マイクロゴムA硬度]
高分子計器(株)(所在地:京都市上京区下立売室町西入)のマイクロゴム硬度計“MD−1”で測定する。
マイクロゴム硬度計“MD−1”の構成は下記のとおりである。
1.1センサ部
(1)荷重方式:片持ち梁形板バネ
(2)ばね荷重:0ポイント/2.24gf、100ポイント/33.85gf
(3)ばね荷重誤差:±0.32gf
(4)押針寸法:直径:0.16mm円柱形。 高さ0.5mm
(5)変位検出方式:歪ゲージ式
(6)加圧脚寸法:外径4mm 内径1.5mm
1.2センサ駆動部
(1)駆動方式:ステッピングモータによる上下駆動、エアダンパによる降下速度制御
(2)上下動ストローク:12mm
(3)降下速度:10〜30mm/sec
(4)高さ調整範囲:0〜67mm(試料テーブルとセンサ加圧面の距離)
1.3試料台
(1)試料台寸法:直径 80mm
(2)微動機構:XYテーブルおよびマイクロメータヘッドによる微動、ストローク:X軸、Y軸とも15mm
(3)レベル調整器:レベル調整用本体脚および丸型水準器
[タングステン配線の平坦性および面内均一性評価用テストウェハ]
酸化膜付き8インチシリコンウェハ(酸化膜厚:2μm)に10μm幅で深さが0.7μmの溝をスペースが10μm間隔で形成する。この上にスパッタ法でTiNを150Å形成して、タングステンを厚み8000Å形成して、タングステン配線の平坦性(ディッシング)および面内均一性評価用テストウェハを作成した。
[研磨パッドの作成と研磨機および平坦性と面内均一性と寿命の評価]
所望の発泡ポリウレタンシートを所望の厚みで作製し、該発泡ポリウレタンシートを含む研磨層を作成する。所望のクッション基材層を作成する。該研磨層と該クッション基材層を所望の接着剤で接合させ、裏面に両面テープ(3M社製、“442J”)を貼り合せて、本発泡ポリウレタンシートを含む研磨層を表面に幅2.0mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。本研磨パッドの一部を貫通させて、貫通した研磨層に相当する部分に硬質のポリウレタンの透明ブロックを挿入して、直径508mmサイズに裁断して終点検出可能な研磨パッドを作成した。この研磨パッドを研磨機(AMAT製、MIRRA−3400)の定盤に貼り付けた。セソール社製のダイヤモンドドレッサー(“80グリッドタイプ”)を用い、押しつけ圧力7lbf、ドレッサー回転数101rpm、定盤回転数108rpmで回転させ、純水を100cc/分で供給しながら20分間研磨パッドの初期ドレッシングを行った。タングステン配線の平坦性(ディッシング)および面内均一性評価用テストウェハを研磨機に設置し、キャボット社製スラリー(“SEMI−SPERSE W−2000”)を過酸化水素2%液と混合したタングステン研磨用スラリーを110cc/分で研磨パッド上に供給しながら、研磨圧力は4.9psi、定盤回転数108rpm、研磨ヘッド回転数106rpmで同方向に回転させ、終点検出器での反射光信号を見ながらタングステンが除去できたことを確認できた時点からさらに16秒間の過研磨をした後に研磨を停止する。得られた研磨後のテストウェハを洗浄・乾燥後、KLA―TENCOR社製のP−7プロファイラーで10μm幅のディッシングを評価した。ウェハの評価位置は、(X,Y)が(0mm,0mm)、(0mm,±50mm)、(0mm,±90mm)(±50mm,0mm)、(±90mm,0mm)の7か所であり、それぞれのディッシング量の平均値を平坦性の指標とし、それぞれのディッシング量の最大値と最小値の差を平均値で割り返した数字を100倍した数字を面内均一性の指標とした。8インチの酸化膜ウェハを用意しておき、上記の研磨条件で500枚研磨を実行して後、新しいタングステン配線の平坦性(ディッシング)および面内均一性評価用テストウェハを上記研磨条件で研磨をおこない、ディッシング量を測定箇所すべてで測定し、ディッシング量の平均値および最大値と最小値の差を平均値で割り返した数字を100倍した数字である面内均一性が初期のウェハの特性と変化がないかどうかで寿命の目安とした。
〔融点〕
パーキンエルマー社(Perkin Elmaer)製DSC−7を用いて2nd runでポリマーの溶融を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分で、サンプル量は10mgとした。
〔メルトフローレイト(MFR)〕
試料ペレット4〜5gを、MFR計電気炉のシリンダーに入れ、東洋精機製メルトインデクサー(S101)を用いて、荷重2160gf、温度285℃の条件で、10分間に押し出される樹脂の量[g/10分]を測定した。同様の測定を3回繰り返し、平均値をMFRとした。
〔極細繊維の平均単繊維径および平均単繊維径CV〕
研磨パッドの極細繊維を含む厚み方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)を用いて3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した50本の単繊維直径をμm単位で、有効数字3桁で測定した。ただし、これを3ヶ所で行い、合計150本の単繊維の直径を測定し、有効数字3桁目を四捨五入し平均値を有効数字2桁で算出した。繊維径が10μmを超える繊維が混在している場合には、当該繊維は極細繊維に該当しないものとして平均繊維径の測定対象から除外するものとする。また、極細繊維が異形断面の場合、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めた。これを母集団とした標準偏差値および平均値を算出した。該標準偏差値を該平均値で割った値を百分率[%]で表したものを平均単繊維径径CVとした。
〔クッション基材の圧縮率〕
クッション基材に初期荷重で50[g/cm]をかけて初期厚みT0[mm]を測定する。次に荷重を300[g/cm]をかけて荷重後厚みT1[mm]を測定する。圧縮率=(T0−T1)/T0×100[%]の計算式で算出された値である。
〔接着剤の弾性率〕
オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC−1250Aで、次の条件で測定した。
(5回測定の平均値)
・試験片形状:所定の厚みの幅20mm、試料長60mmの長方形
・初期チャック間距離 40mm
・試験速度:100cm/分
・歪が25%の時の弾性率を接着剤の弾性率とした。
[実施例1]
(クッション基材層)
(海成分と島成分)
融点260℃でMFR46.5のポリエチレンテレフタレート(PET)を島成分とし、融点85℃でMFR117のポリスチレンを海成分として用いた。
(紡糸・延伸)
上記の島成分と海成分を用い、16島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度285℃、島/海質量比率80/20、吐出量1.2g/分、ホールおよび紡糸速度1100m/分の条件で、複合繊維を溶融紡糸した。次いで、スチーム延伸によって2.8倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、カットして、複合繊維繊度が4.2dtex、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発生型繊維不織布)
上記の海島型複合繊維の原綿を用い、カード工程とクロスラッパー工程を経て、積層繊維ウェブを形成した。次いで、得られた積層繊維ウェブを、トータルバーブデプス0.08mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度6mm、パンチ本数3000本/cmでニードルパンチし、目付が815g/m、見掛け密度が0.225g/cmの極細繊維発生型繊維からなる不織布を作製した。
(ポリウレタンの含浸付与)
上記の極細繊維発生型繊維からなる不織布を、95℃の温度で熱水収縮処理させた後、ポリビニルアルコールを繊維質量に対し26質量%付与後、乾燥後、トリクロロエチレンを用いて海成分のポリスチレンを溶解除去後、乾燥し極細繊維束からなる不織布を得た。このようにして得られた極細繊維束からなる不織布に、ポリマージオールがポリエーテル系ジオール75質量%とポリエステル系ジオール25質量%とからなるポリウレタンを、極細繊維とポリウレタンの固形分質量比が22質量%となるように付与し、液温35℃の30%DMF水溶液でポリウレタンを凝固させ、約85℃の温度の熱水で処理し、DMFおよびポリビニルアルコールを除去した。その後、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁してシート基材を得た。得られたシート基材の半裁面を、バッフィング研削し半裁面に起毛を形成させた。
(毛羽落ち防止剤の付与)
上記のシート基材に、ニトリルブタジエンゴム(NBR)(日本ゼオン社製 Nipol LX511A)樹脂の8.5%溶液を、シート基材とNBRの固形分の質量比が3.1質量%となるように付与し、170℃の温度で乾燥しクッション基材を得た。得られたクッション基材は、極細繊維の平均単繊維径が4.4μm、平均単繊維径CV値が6.2%、厚さが0.90mm、目付が370g/m、見かけ密度が0.343g/cm、圧縮率が7.8%であった。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
トルエンジイソシアネート1250重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート300重量部、数平均分子量990のポリテトラメチレンエーテルグリコール2000重量部、ジエチレングリコール205重量部を入れ、75℃で6時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。 該プレポリマー110重量部、4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネート25重量部を重合容器内に加えて混合し、75℃に温度調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数700rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約10分間撹拌を行った。そこへ予め120℃に溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)45重量部を添加した。該混合液を約60秒間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、95℃で20時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。 約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(三菱マテリアル社製)を使用してスライスし、厚さ1.5mmポリウレタン発泡体ウレタンシートを得た。マイクロゴムA硬度は97度で、密度は0.8[g/cm]であった。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価110のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート55.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)7.9重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム6.2重量部、および、プロピレングリコール2.4重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例2(参考例)
(クッション基材層)
実施例1と同様の作成方法で厚みを0.60mmにしたものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価110のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート40.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)7.9重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム6.2重量部、および、プロピレングリコール2.4重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、実施例1で作成した樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、75μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、7.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例3(参考例)
(クッション基材層)
実施例1と同様の作成方法で厚みを0.51mmにしたものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成した樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、145μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例4]
(クッション基材層)
ポリウレタンを、極細繊維とポリウレタンの固形分質量比が23質量%となるように付与したこと以外は、実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維径が4.4μm、平均単繊維径CV値が6.2%、厚さが1.10mm、目付が375g/m、見かけ密度が0.347g/cm、圧縮率が6.9%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価110のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート75.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)7.9重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム6.2重量部、および、プロピレングリコール2.4重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、実施例1で作成した樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、15.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例5]
(クッション基材層)
ポリウレタンを、極細繊維とポリウレタンの固形分質量比が29質量%となるように付与したこと以外は、実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維径が4.4μm、平均単繊維径CV値が6.2%、厚さが1.19mm、目付が379g/m、見かけ密度が0.351g/cm、圧縮率が2.2%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成した樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、90μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例6]
(クッション基材層)
紡糸工程において、36島/ホールの海島型複合口金を用いて、極細繊維の平均単繊維径を3.1μmとしたこと以外は実施例4と同じに実施して、繊維径CV値が5.2%、厚さが1.20mm、目付が370g/m、見かけ密度が0.343g/cm、圧縮率5.4%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例7]
(クッション基材層)
紡糸工程において、36島/ホールの海島型複合口金を用いて極細繊維の平均単繊維径を3.6μmとし、ポリウレタンを研磨パッド用基材中のポリウレタンの固形分質量比が26質量%となるように付与したこと以外は実施例4と同様にして、繊維径CV値が5.4%、厚さが0.95mm、目付が368g/m、見かけ密度が0.341g/cm、圧縮率が5.2%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成した樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、130μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例8]
(クッション基材層)
極細繊維の平均単繊維径を5.3μmとしたこと以外は、実施例4と同様にして、平均単繊維径CV値が5.5%、厚さが0.65mm、目付が373g/m、見かけ密度が0.345g/cm、圧縮率が4.9%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例9]
(クッション基材層)
紡糸工程において、16島/ホールの海島型複合口金を用いて極細繊維の平均単繊維径を5.9μmとし、シート基材とNBRの固形分の質量比が3.2質量%となるように付与したこと以外は、実施例4と同様にして、平均単繊維径CV値が5.6%、厚さが0.93mm、目付が373g/m、見かけ密度が0.345g/cmの圧縮率4.5%クッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例10]
(クッション基材層)
紡糸工程において、16島/ホールの海島型複合口金を用いて極細繊維の平均単繊維径を6.2μmとし、シート基材とNBRの固形分の質量比が3.3質量%となるように付与したこと以外は、実施例4と同様にして、平均単繊維径CV値が5.8%、厚さが0.73mm、目付が372g/m、見かけ密度が0.344g/cmの圧縮率4.2%研磨パッド用クッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例11]
(クッション基材層)
極細繊維の平均単繊維径を7.5μmとし、ポリウレタンを極細繊維とポリウレタンの固形分質量比が25質量%となるように付与し、シート基材とNBRの固形分の質量比が1.2質量%となるように付与したこと以外は、実施例4と同様にして、平均単繊維径CV値が6.2%、厚さが0.84mm、目付が368g/m、見かけ密度が0.341g/cm、圧縮率が3.5%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例12]
(クッション基材層)
極細繊維の平均単繊維径を7.9μmとし、シート基材とNBRの固形分の質量比が4.5質量%となるように付与したこと以外は、実施例11と同様にして、平均単繊維径CV値が6.1%、厚さが0.95mm、目付が374g/m、見かけ密度が0.346g/cm、圧縮率が3.1%の研磨パッド用クッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例13]
(クッション基材層)
紡糸工程において、吐出量を調整し紡糸速度を600m/分とし、ポリウレタンを研磨パッド用基材中のポリウレタンの固形分質量比が25質量%となるように付与し、シート基材とNBRの固形分の質量比が3.7質量%となるように付与したこと以外は、実施例12と同様にして、平均単繊維径CV値が11.2%、厚さが0.99mm、目付が374g/m、見かけ密度が0.346g/cm、圧縮率が3.1%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例14]
(クッション基材層)
実施例13と同じクッション基材層を使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
トルエンジイソシアネート900重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート250重量部、数平均分子量1500のポリテトラメチレンエーテルグリコール2000重量部、ジエチレングリコール180重量部を入れ、80℃で6時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。 該プレポリマー110重量部、4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネート20重量部を重合容器内に加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数800rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約10分間撹拌を行った。そこへ予め120℃に溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)35重量部を添加した。該混合液を約60秒間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、95℃で20時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。 約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(三菱マテリアル社製)を使用してスライスし、厚さ1.5mmポリウレタン発泡体ウレタンシートを得た。マイクロゴムA硬度は83度で、密度は0.8[g/cm]であった。
[実施例15]
(クッション基材層)
実施例13と同じクッション基材層を使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例14と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価70のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート35.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)5.0重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム3.9重量部、および、プロピレングリコール1.5重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、5.1MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例16]
(クッション基材層)
実施例13と同じクッション基材層を使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価150のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート75.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)10.7重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム8.4重量部、および、プロピレングリコール3.3重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、16.8MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例17]
(クッション基材層)
実施例1と同じクッション基材層を使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
ポリプロピレングリコール30重量部とジフェニルメタンジイソシアネート40重量部と水0.5重量部とトリエチルアミン0.3 重量部とシリコン整泡剤1.7重量部とオクチル酸スズ0.09重量部をRIM成形機で混合して、金型に吐出して加圧成型をおこない厚み2.2mmの発泡ポリウレタンシート(マイクロゴムA硬度=37度、密度:0.74[g/cm])を作成した。該発泡ポリウレタンシートをアゾビスイソブチルニトリル0.1重量部を添加したメチルメタアクリレートに15分間浸漬する。メチルメタアクリレートが膨潤した発泡ポリウレタンシートをガラス板に挟み込んで65℃で6時間加熱後、100℃で3時間加熱する。加熱後ガラス板から取り外して、50℃で真空乾燥をおこなう。得られた硬質発泡シートを両面研削して厚みが1.2mmの硬質の発泡ポリウレタンシートを作成する。得られた発泡ポリウレタンシートのマイクロゴムA硬度は93度、密度は0.81[g/cm] 、ポリメチルメタアクリレート含有率は40重量%であった。
(接着剤の作成)
実施例16と同じ接着剤を使用した。
(研磨パッドの作成)
上記硬質の発泡ポリウレタンシートと上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[実施例18]
(クッション基材層)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
トルエンジイソシアネート800重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート200重量部、数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール2000重量部、ジエチレングリコール205重量部を入れ、80℃で6時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。 該プレポリマー110重量部、4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネート15重量部を重合容器内に加えて混合し、75℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数700rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約10分間撹拌を行った。そこへ予め120℃に溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)30重量部を添加した。該混合液を約60秒間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、95℃で20時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。 約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(三菱マテリアル社製)を使用してスライスし、厚さ1.5mmポリウレタン発泡体ウレタンシートを得た。マイクロゴムA硬度は75度で、密度は0.7[g/cm]であった。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。さらに、500枚研磨後の平坦性および面内均一性の変化も少ないことから寿命も良好であることがわかる。
[比較例1]
(クッション基材層)
紡糸工程において極細繊維の平均単繊維径を2.8μmとしたこと以外は、実施例4と同様にして、平均単繊維径CV値が6.3%、厚さが0.90mm、目付が371g/m、見かけ密度が0.344g/cm、圧縮率が5.7%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。しかし、500枚研磨後の面内均一性の悪化が大きいことからから寿命が短いという問題がある。
[比較例2]
(クッション基材層)
紡糸工程において極細繊維の平均単繊維径を8.5μmとしたこと以外は、実施例4と同様にして、平均単繊維径CV値が6.5%、厚さが0.90mm、目付が365g/m、見かけ密度が0.338g/cm、圧縮率が5.0%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量の面内ばらつきが大きくので面内均一性が不良である。
[比較例3]
(クッション基材層)
ポリウレタンを研磨パッド用基材中のポリウレタンの固形分質量比が18質量%となるように付与し、シート基材とNBRの固形分の質量比が3.2質量%となるように付与したこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径CV値が6.2%、厚さが0.90mm、目付が362g/m、見かけ密度が0.335g/cmの圧縮率が8.2%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。しかし、500枚研磨後の面内均一性の悪化が大きいことからから寿命が短いという問題がある。
[比較例4]
(クッション基材層)
ポリウレタンを研磨パッド用基材中のポリウレタンの固形分質量比が32質量%となるように付与し、シート基材とNBRの固形分の質量比が3.3質量%となるように付与したこと以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維径CV値が6.2%、厚さが0.90mm、目付が379g/m、見かけ密度が0.351g/cm、圧縮率が1.9%のクッション基材層を作成した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量の面内ばらつきも大きく面内均一性が不良である。
[比較例5]
(クッション基材層)
実施例1と同様の作成方法で厚みを0.90mmにしたものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、62μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は不良で、ディッシング量の面内ばらつきも大きく面内均一性も不良であった。
[比較例6]
(クッション基材層)
実施例1と同様の作成方法で厚みを0.90mmにしたものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、155μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は不良で、ディッシング量の面内ばらつきも大きく面内均一性も不良であった。
[比較例7]
(クッション基材層)
実施例1で使用したのと同じものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価55のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート25.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)7.9重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム6.2重量部、および、プロピレングリコール2.4重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、4.8MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好で、ディッシング量の面内ばらつきも小さいので面内均一性も良好である。しかし、500枚研磨後の面内均一性の悪化が大きいことからから寿命が短いという問題がある。
[比較例8]
(クッション基材層)
実施例1で使用したのと同じものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
アジピン酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの反応より得られた水酸基価200のポリエステルジオール100重量部および4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート100.0重量部を80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これに、1,4−ブタンジオール(水酸基価1245)7.9重量部、ブロック剤としてε−カプロラクタム6.2重量部、および、プロピレングリコール2.4重量部を加え、120℃で4時間反応させてブロック化ウレタンプレポリマーを得た。得られたブロック化ウレタンプレポリマーを、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いで、このフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、17.4MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は不良で、ディッシング量の面内ばらつきも大きいので面内均一性も不良である。
[比較例9]
(クッション基材層)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
トルエンジイソシアネート700重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート150重量部、数平均分子量2500のポリテトラメチレンエーテルグリコール2000重量部、ジエチレングリコール205重量部を入れ、80℃で6時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。 該プレポリマー110重量部、4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネート12重量部を重合容器内に加えて混合し、75℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数700rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約10分間撹拌を行った。そこへ予め120℃に溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)25重量部を添加した。該混合液を約60秒間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、95℃で20時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。 約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(三菱マテリアル社製)を使用してスライスし、厚さ1.5mmポリウレタン発泡体ウレタンシートを得た。マイクロゴムA硬度は67度で、密度は0.7[g/cm]であった。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したものと同様のものを使用した。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は不良で、ディッシング量の面内ばらつきも大きいので面内均一性も不良である。
[比較例10]
(クッション基材層)
実施例1と同様の作成方法で厚みを0.43mmにしたものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は良好であるが、ディッシング量の面内ばらつきが大きく面内均一性が不良であった。
[比較例11]
(クッション基材層)
実施例1と同様の作成方法で厚みを1.25mmにしたものを使用した。
(発泡ポリウレタンシートの作成)
実施例1と同じものを使用した。
(接着剤の作成)
実施例1で作成したフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押し出し成形機で用いて、100μmの厚みのフィルム状に押し出し成形し、フィルム状接着剤を得た。本接着剤の弾性率は、9.0MPaであった。
(研磨パッドの作成)
上記発泡ポリウレタンシートを上記クッション基材層との間に上記接着剤を挟み込み120℃でプレス機で圧着させてさらに裏面側に両面テープ442Jを貼り合せ、硬質透明ポリウレタンブロックを一部貫通させたところにはめ込み、研磨層の表面に溝ピッチ15mm、溝幅2mm、溝深さ0.75mmのXY溝を形成して、508mmの研磨パッドを作成した。
得られた研磨パッドの評価結果は、表1に示すとおり、ディッシング量である平坦性は不良である。ディッシング量の面内ばらつきは小さく面内均一性は良好であった。
Figure 0006937117
本発明に係る研磨用パッドは、表面を機械的に平坦化する工程で広く利用可能である。

Claims (4)

  1. マイクロゴムA硬度が70度以上の発泡ポリウレタンシートを含む研磨層と、20質量%以上30質量%以下のポリウレタン系エラストマーを含有し平均単繊維径が3.0μm以上8.0μm以下の極細繊維束の不織布であって厚みが0.5mm以上1.2mm以下である不織布からなるクッション基材層との間に、弾性率が5.0MPa以上17.0MPa以下の材料からなる厚み90μm以上130μm以下の接着剤層が介在する構造を有することを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記発泡ポリウレタンシートのマイクロゴムA硬度が80度以上である、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記接着剤層が弾性率が7.0MPa以上15.0MPa以下の材料からな、請求項1または2記載の研磨パッド。
  4. 前記不織布の圧縮率が2%以上8%以下である、請求項1〜3記載の研磨パッド。
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