[第1実施例]
図1は第1実施例の画像形成装置10の外観構成の一例を斜め上方から見た斜視図である。図2は図1に示す画像形成装置10を左側面から見た側面図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である画像形成装置10は、画像形成部12と画像読取部14との間に胴内排紙部16が形成される胴内排紙型の画像形成装置であって、画像読取部14の前面側に別ユニットとして設けられる操作ユニット18を備える。後述するように、画像形成装置10は、画像読取部14で読み取った画像データ等に基づいて、所定の用紙(記録媒体)に対して多色または単色の画像を形成し、画像形成された用紙を胴内排紙部16に排出する。この第1実施例では、画像形成装置10は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
なお、この発明では、ユーザの立ち位置に対向する面、つまり操作ユニット18が設けられる側の面を前面(正面)として画像形成装置10およびその構成部材の前後方向(奥行方向)を規定し、画像形成装置10およびその構成部材の左右方向(横方向)は、ユーザから画像形成装置10を見た状態を基準として規定する。
先ず、画像形成装置10の基本構成について説明する。図1および図2に示すように、画像形成装置10は、画像形成部12と、画像形成部12の上方に設けられる画像読取部14とを備える。
画像形成部12の筐体は、右側上部に形成される第1連結筐体12aと奥側上部に形成される第2連結筐体12bとを含み、これら第1連結筐体12aおよび第2連結筐体12bによって画像読取部14が支持される。これにより、画像読取部14の下面側には、画像形成済みの用紙が収容される胴内空間である胴内排紙部16が形成される。
画像形成部12は、露光ユニット、現像器、感光体ドラム、帯電器、中間転写ベルト、転写ローラおよび定着ユニット等を備える。画像形成部12は、その下方に配置される給紙カセット20等から搬送される用紙に対して電子写真方式によって画像を形成する。すなわち、画像形成部12は、帯電器および露光ユニット等によって画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム上に形成し、現像器によって、感光体ドラム上の静電潜像をトナーにより顕像化する。また、感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルトおよび転写ローラ等によって用紙に転写し、用紙に転写されたトナー像を定着ユニットによって熱定着させる。その後、画像形成済みの用紙を第1連結筐体12aに形成される排紙口22から胴内排紙部16に排出する。なお、用紙上に画像を形成するための画像データは、画像読取部14で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等である。
画像読取部14は、透明材によって形成される原稿載置台を上面に有する筐体24を備える。この筐体24内には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等が設けられる。画像読取部14は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
胴内排紙部16は、底面および天面が画像形成部12の筐体および画像読取部14の筐体24によって区画され、右側面および背面が第1連結筐体12aおよび第2連結筐体12bによって区画される。つまり、胴内排紙部16の前面側および左側面側は、開口している。また、胴内排紙部16には、排紙口22から排出される画像形成済みの用紙を受ける排紙トレイ26が設けられる。
また、画像読取部14の上面には、奥側に配置されるヒンジ等を介して、原稿押えカバー30が開閉自在に取り付けられる。この原稿押えカバー30には、原稿載置トレイ32に載置された原稿を画像読取部14の画像読取位置に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF(自動原稿送り装置)34が設けられる。
さらに、画像読取部14の筐体24は、原稿押えカバー30の前面よりも前方に突出する筐体突出部24aを有する。つまり、筐体24の前端部は、原稿押えカバー30の前面よりも前方に突出している。そして、この画像読取部14の筐体24の前面側に、操作ユニット18が設けられる。筐体突出部24a(筐体24)の上面であり、筐体24の右端部には、主電源ボタン56が設けられる。この第1実施例では、この主電源ボタン56は、画像形成装置10を正面から見た場合に、後述するホームキー52および節電キー54と直線上に並ぶ位置に配置される。また、主電源ボタン56は、押しボタン式のハードウェアキーである。
また、図示は省略するが、画像形成装置10の所定位置には、画像形成装置10の各部位の動作を制御する制御部が設けられる。制御部は、CPU、メモリおよび通信モジュール等を備え、ユーザによる操作ユニット18への入力操作などに応じて、画像形成装置10の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置10に種々の動作を実行させたり、通信可能に接続された機器との間でデータを送受信したりする。
図3は操作ユニット18に設けられる操作部を説明するための図解図である。操作ユニット18は、操作装置または操作パネルなどとも呼ばれ、横長の矩形板状に形成される。この操作ユニット18は、その上面(操作パネル上面)をユーザが目視し易いように、前側下がりに傾斜して設けられる。ただし、操作ユニット18は、その上端部を軸に回動可能に画像読取部14の筐体に取り付けられる。
操作ユニット18の上面には、タッチパネルディスプレイ50、ホームキー52および節電キー54が設けられ、ホームキー52および節電キー54は、タッチパネルディスプレイ50の右方に縦に並んで設けられる。この第1実施例では、操作ユニット18の上面のうち、タッチパネルディスプレイ50が設けられる領域を第1操作領域R1と呼び、ホームキー52および節電キー54が設けられる領域であって、第1操作領域R1以外の領域を第2操作領域R2と呼ぶことがある。
図2に示すように、操作ユニット18は、上面を構成するパネル部材18aおよびタッチパネルディスプレイ50を含む操作ユニット18の電気的な部品(コンポーネント)を収容する筐体18bを含む。パネル部材18aは筐体18bの開口を塞ぐように設けられる。ただし、タッチパネルディスプレイ50の表示部および操作部(タッチ操作部)はパネル部材18aの開口(1802、1822:図4(A)、(B)参照)から露出するように設けられる。
タッチパネルディスプレイ50は、液晶表示パネルに圧電センサ等が積層されて構成されるタッチパネル一体型液晶表示装置であり、操作ユニット18の上面の周縁部分を除く略全面に設けられる。このタッチパネルディスプレイ50には、各種設定や印刷指示などをユーザから受け付けるためのソフトウェアキーの画像、スキャンした画像(プレビュー画像)、外部のコンピュータおよび記憶媒体から受信(取得)した画像(入力画像)、および各種のメッセージ等が表示される。
なお、タッチパネルとしては、圧電センサを用いた表面弾性波方式のみならず、静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式および赤外線方式などの他の方式のものを用いることもできる。
ホームキー52および節電キー54は、静電容量方式のスイッチを用いたハードウェアキー(操作スイッチまたは操作キー)である。ホームキー52は、タッチパネルディスプレイ50にホーム画面を表示するためのキーである。ただし、ホーム画面とは、メインメニューを表示する画面(基本画面)であり、コピー、プリント、ファクシミリおよびスキャンの各機能を選択するためのキーの画像および各機能に関する設定画面を表示するためのキーの画像が表示される。
たとえば、図3に示すように、ホームキー52は操作ユニット18の上面の短手方向の中央に配置される。また、ホームキー52の操作部ないし表示部(以下、「表示部」と呼ぶ)52aは、節電キー54の操作部ないし表示部(以下、「表示部」と呼ぶ)54aよりも広い(大きい)。これは、ホームキー52は、節電キー54に比べて操作頻度が高いからである。
節電キー54は、画像形成装置10を通常状態(通常モード)から省電力状態(省電力モード)に移行(設定)する、または、省電力状態から通常状態に移行(復帰)させるためのキーである。ここで、省電力状態とは、画像形成装置10のCPUおよび通信モジュール以外のコンポーネントへの電力供給をオフ(停止)した状態であり、画像形成装置10の消費電力を所定の値以下に抑えられる。ただし、主電源がオフされると、CPUおよび通信モジュールを含むすべてのコンポーネントへの電力供給が停止される。また、主電源がオンされると、すべてのコンポーネントへの電力供給がオン(開始)される。この状態が、画像形成装置10の通常状態(通常モード)である。たとえば、節電キー54は操作ユニット18の上面においてホームキー52の上方に配置される。また、節電キー54の表示部54aは、ホームキー52の表示部52aよりも狭い(小さい)。節電キー54は、ホームキー52に比べて操作頻度が低く、また、誤操作を防止するためである。
なお、主電源ボタン56がオン/オフされることにより、画像形成装置10の主電源がオン/オフされる。
図4(A)は操作ユニット18のパネル部材18aを構成する第1パネル部材180を上面から見た上面図であり、図4(B)は操作ユニット18のパネル部材18aを構成する第2パネル部材182を上面から見た上面図である。
パネル部材18aは、第1パネル部材180と第2パネル部材182の二層で構成され、第1パネル部材180は第2パネル部材182を覆うように設けられる。第1パネル部材180の表面は、パネル部材18a(操作ユニット18)の上面を構成し、平滑面である。
図4(A)に示すように、第1パネル部材180は、フレーム1800を含み、このフレーム1800は、ポリカーボネートのような樹脂で形成される。ただし、フレーム1800は、ポリカーボネートのような樹脂に代えて、ガラスで形成されてもよい。フレーム1800には、タッチパネルディスプレイ50の表示部および操作部と同じまたは略同じ大きさの開口1802が形成される。
また、フレーム1800には、一部を除いて着色剤が分散され、その表面は暗色(たとえば、黒色または褐色)である。つまり、フレーム1800は、可視光に対する透過性が低い半透明にされる。着色剤が分散されない一部は、ホームキー52の図形(図柄)を表示する部分であり、無色透明または無色半透明にされる。ただし、フレーム1800は、所定以上の輝度を有する光に対しては、或る程度の透過性を有する。
また、フレーム1800の表面には、ホームキー52および節電キー54を示す文字列が白色で印刷される。この第1実施例では、各キーの左上の領域に、各キー示す文字列が表示(印刷)される。
さらに、節電キー54の表示部54aを構成する第1表示部540上には、当該節電キー54を示す図形(図柄)を示す第2表示部542が設けられる(印刷される)。この第2表示部542は、後述するように、光を透過する透過性を有していない、または透過性をほとんど有していない。
図面では分かり難いが、ホームキー52の表示部52aおよび節電キー54の表示部54aは、裏面側に凹むすり鉢状の凹部形状に形成される。
図4(B)に示すように、第2パネル部材182は、フレーム1820を含み、このフレーム1820は、ポリカーボネートのような樹脂で形成される。フレーム1820には、タッチパネルディスプレイ50の表示部および操作部と同じまたは略同じ大きさの開口1822が形成される。また、フレーム1820には、着色剤が混在され、その全体が灰色のような暗色である。したがって、フレーム1820は、光を透過する透過性を有していない、または、透過性をほとんど有していない。図面では分かり難いが、第2パネル部材182は第1パネル部材180に重ねるように嵌め込まれるため、フレーム1820は、フレーム1800の厚みの分だけフレーム1800よりも小さい。
また、フレーム1820には、矩形の開口1824および1826が開口1822の右方に縦に並んで形成される。この開口1824および1826は、主として、ホームキー52および節電キー54にバックライトを照射するために形成される。
図示は省略するが、フレーム1820の裏面側であり、開口1824および1826の近傍には、発光体として機能する導光板544(図5(A)、(B)および図6(B)参照)等の部品を装着するための機構が形成される。ただし、この機構は、筐体18b側に設けられても良い。
図5(A)は導光板544、基板546および2つのLED548の各々の外観構成を斜め上方から見た斜視図であり、図5(B)は図5(A)に示した基板546に導光板544を載せた状態を示す図解図である。
図5(A)に示すように、導光板544は、所定の厚みを有する平板状に形成される。図示は省略するが、導光板544の底面には凹凸が形成され、後述するLED548によって側面から照射される光を上方に反射する。つまり、基板546、導光板544およびLED548は、ホームキー52および節電キー54のバックライトとして機能する。基板546は、導光板544よりも平面が少し大きい平板状に形成され、その上面の中央部に静電容量方式のスイッチを構成する電極(図示せず)が領域546aの範囲内に設けられる。静電容量方式のスイッチは、電極間の静電容量の変化に応じてオン/オフされ、電極間の静電容量の変化を検出する検出回路を備えている。また、基板546の上面側には、2つのLED548が領域546aを挟み、互いに照射面が対向するように、実装される。2つのLED548の距離(間隔)は、導光板544の幅と同じまたは略同じに設定される。
したがって、図5(B)に示すように、導光板544は、基板546上であり、領域546aが設けられた位置に載せられる。このとき、導光板544は、2つのLED548で挟まれる。このように、導光板544が基板546に載せられた状態で、導光板544および基板546は、第1パネル部材180の裏面であり、導光板544の上面が節電キー54の表示部54aの裏面に近接するように、取り付けられる(図6(B)参照)。ホームキー52についても、同様に、導光板544および基板546が、第1パネル部材180の裏面であり、導光板544の上面が表示部52aの裏面に近接するように、取り付けられる。
図6(A)は導光板544が基板546に載せられた状態を上面から見た上面図であり、図6(B)は図6(A)のVIB−VIB線で示す位置で操作ユニット18を切った場合の第1パネル部材180の一部、導光板544、基板546およびLED548を示す断面図であり、図6(C)は節電キー54の第2表示部542を説明するための図解図であり、そして、図6(D)は第1パネル部材180の節電キー54の表示部54aの部分を裏面側から見た図解図である。ただし、図6(B)(図8(B)も同様)では、第2表示部542および印刷物550を表現するために、厚みを大きくして示してある。
図6(A)および図6(B)からも良く分かるように、導光板544は基板546の上面であり、電極が設けられる領域546a上に載せられ、2つのLED548の間に配置される。また、たとえば、導光板544の平面図形(平面形状)は、節電キー54の表示部54aの形状を示す円が内接する図形に設定される。2つのLED548は側面発光のLEDであり、たとえば白色の可視光を放射する。また、各LED548から光が放射される領域ないし範囲は上方から見た場合に扇形状である。したがって、少なくとも節電キー54の表示部54aを下方から照明することができる。
なお、ホームキー52の表示部52aは、節電キー54よりも表示部54aが大きいが、バックライトで照明されるのはホームキー52を示す図形の部分のみであり、この図形は節電キー54の表示部54aの大きさとほぼ同じであるため、節電キー54のバックライトとして機能する導光板544、基板546およびLED548と同じ構成を用いることにより、ホームキー52を示す図形を照明することができる。
図6(A)、(B)および(D)に示すように、節電キー54の表示部54aは、第1表示部540とそれに積層されて所定の図形を示す第2表示部542を含む。この第1実施例では、第2表示部542は、第1表示部540の内部(範囲内)であり、その上面に設けられる。上述したように、第1表示部540の色は、光の透過性を有する暗色である。この第1実施例では、第2表示部542は、月のマーク(図形)の印刷物であり、薄膜状に形成される。図6(C)に示すように、第2表示部542は二層で構成される。第2表示部542の表面側には、月のマークが銀色のインク(第1印刷物)542aで印刷され、第2表示部542の裏面側(インク542aの下側)には、月のマークが黒色のインク(第2印刷物)542bで印刷される。この黒色のインク542bは、第1表示部540を透過する光を透過させないまたはほとんど透過させない。したがって、第2表示部542は第1表示部540よりも光の透過性が低い。
また、図6(B)および図6(D)に示すように、第1パネル部材180の裏面には、表示部54aの周囲に、印刷物(透過防止部材)550が印刷される。この印刷物550は、光を透過させないまたはほとんど透過させない黒色のインクである。また、印刷物550は、第2パネル部材182に形成された開口1826と同じまたは開口1826よりも少し大きい大きさに形成される。したがって、導光板544から照射される光によって節電キー54の周囲が明るくなるのが防止される。
図7(A)は通常状態における操作ユニット18の上面の外観を示す図解図であり、図7(B)は省電力状態における操作ユニット18の上面の外観を示す図解図である。
図7(A)に示すように、通常状態では、タッチパネルディスプレイ50には、ユーザの操作に応じた各種の画面が表示される。図7(A)に示す例では、ホーム画面の一例が表示される。たとえば、ホーム画面では、上述したように、各機能および設定を実行するための複数のアイコンが表示される。
このとき、ホームキー52のバックライトは点灯されるため、ホームキー52を示す画像は明るく表示される。一方、節電キー54のバックライト(LED548)は消灯されるため、表示部54aの第1表示部540は暗い。ただし、第2表示部542には、第2表示部542の表面側に銀色のインク542aが印刷されるため、第2表示部542は第1表示部540よりも明るい。したがって、ユーザは、節電キー54であることおよびその位置を容易に認識することができる。
なお、第2表示部542を設けずに、ホームキー52と同様に、第1パネル部材180の第1表示部540において節電キー54を示す画像の部分を無色透明または無色半透明にした場合には、バックライトが消灯されると、節電キー54の表示部54aが全体的に黒色に近くなり、第1表示部540と同化してしまい、視認するのが困難である。つまり、操作し難い。
一方、図7(B)に示すように、省電力状態では、タッチパネルディスプレイ50およびホームキー52のバックライトは消灯される。なお、図7(B)では、タッチパネルディスプレイ50およびホームキー52を分かり易く示すために、灰色で示してあるが、実際には、タッチパネルディスプレイ50の表示部およびホームキー52の画像領域は黒色に近い色となり、第1パネル部材180の表面と同系色である。したがって、操作ユニット18を少し離れた位置から見た場合には、タッチパネルディスプレイ50およびホームキー52は、周囲の色と同化し、視認するのが困難である。
また、省電力状態では、節電キー54のバックライトは点灯される。したがって、導光板544から上方に光が照射された場合に、表示部54aのうち、第1表示部540は光が透過され、明るく光るが、第2表示部542は光が透過されないまたはほとんど透過されない。このため、第2表示部542は、第1表示部540に比べて暗くなる。したがって、ユーザは、節電キー54であることおよびその位置を容易に認識することができる。
このように、節電キー54のバックライトが点灯および消灯されると、第1表示部540と第2表示部542の明暗が反転し、節電キー54を示す図形(月のマーク)が目立つようになっている。
第1実施例によれば、節電キー54のバックライトが点灯および消灯されると、第1表示部540と第2表示部542の明暗が反転するので、バックライトの点灯および消灯に拘わらず、節電キー54を示す図形を容易に視認することができる。したがって、操作性を向上させることができる。
なお、この第1実施例では、節電キー54を示す図形の第2表示部542を印刷し、その表面側を銀色のインク542aで構成するようにしたが、白色のインク542aで構成するようにしてもよい。ただし、銀色のインク542aが印刷されている方が、節電キー54のバックライトが点灯されている場合に、白色のインク542aが印刷されているよりも黒く(暗く)なり、視認し易い。また、銀色よりも黒色に近づけた場合には、バックライトが消灯されている場合に、インク542aが第1表示部540と同化してしまい、視認するのが困難である。
また、この第1実施例では、第2表示部542を銀色のインク542aと黒色のインク542bの二層で構成するようにしたが、光を透過させないように、銀色のインク542aだけで構成するようにしてもよい。このようにしても、実施例の効果を得ることができる。たとえば、銀色のインク542aを重ねて印刷することにより、第2表示部542が構成されてもよい。
さらに、この第1実施例では、第2表示部542を第1パネル部材180の上面に印刷するようにしたが、第2表示部542は第1パネル部材180の裏面(下面)に設けるようにしてもよい。かかる場合には、第1パネル部材180のうち、第2表示部542を印刷する部分が無色透明にされる。
さらにまた、この第1実施例では、第2表示部542を第1表示部540の上面に積層するようにしたが、第1表示部540の上面側に凹部を設け、この凹部に第2表示部542を設ける(埋め込む)ことにより、積層してもよい。ただし、第1表示部540の下面側に凹部を設け、この凹部に第2表示部542を設けるようにしてもよい。
また、この第1実施例では、第2表示部542を第1パネル部材180の上面に印刷するようにしたが、これに限定される必要は無い。表面が銀色であり、裏面が黒色であるシール部材を貼り付けるようにしてもよい。ただし、シール部材の厚みを大きくすることにより、光を透過しないまたは光をほとんど透過しないように構成し、少なくとも表面が銀色のシール部材を貼り付けるようにしてもよい。また、シール部材は、第1パネル部材180の裏面に貼り付けるようにしてもよい。かかる場合には、第1パネル部材180のうち、シール部材を貼り付ける部分が無色透明にされる。また、シール部材は、第1表示部540の上面または下面に凹部を設け、この凹部に貼り付けるようにしてもよい。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成装置10は、操作ユニット18の第2操作領域R2の一部に凹凸面を設けた以外は第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
図8(A)は第2実施例における操作ユニット18の第2操作領域R2の表面を説明するための図解図であり、図8(B)は第2実施例における操作ユニット18の節電キー54が設けられる部分の一部断面を示す断面図である。
図8(A)に示すように、第2実施例では、第2操作領域R2の一部の領域が凹凸面にされる。図8(A)に示す例では、第2操作領域R2のうち、ホームキー52および節電キー54の中心を基準として、左側の領域R2aは平滑面のままであり、右側の領域R2bが凹凸面にされる。たとえば、領域R2bの表面には、上面から見た形状が四角形(正方形)の凹凸が縦横に直線上に並んで形成される。したがって、図8(B)に示すように、節電キー54の表示部54aの右側において、第1パネル部材180の表面が凹凸にされる。ただし、凹部または凸部の上面から見た形状は四角形で無くても良い。たとえば、凹部または凸部上面から見た形状は円形状でもよい。
このように、操作ユニット18の右端部の表面を凹凸面にするのは、操作ユニット18(パネル部材18a)の表面において、ユーザが触る頻度が高いと考えられる位置ないし領域であり、この部分において手垢などの汚れが付着するのを防止するためである。たとえば、手垢などの汚れが操作ユニット18のパネル部材18aの表面に付着した場合には、不衛生であり、また、白色に曇っているように見えるため、見栄えも悪い。
したがって、汚れの付着を防止することだけを考慮した場合には、第2操作領域R2の表面をすべて凹凸面にしてもよい。この場合、第1操作領域R1の表面(タッチパネルディスプレイ50の表示部を除く)についても凹凸面にしてもよい。この第2実施例において、領域R2bだけを凹凸面にしたのは、領域R2aと領域R2bの境界を手指の触覚で知覚することにより、手指を境界に沿って移動させれば、第2操作領域R2を見なくても、ホームキー52および節電キー54を操作することができるからである。したがって、領域R2aと領域R2bの境界は、ホームキー52および節電キー54の中心に設定される必要は無く、ホームキー52および節電キー54の表示部52a、54a上であれば中心以外に設定されてもよい。つまり、ホームキー52および節電キー54の表示部52a、54aの一部が凹凸面に掛かっていればよい。
第2実施例によれば、第2操作領域R2の一部に凹凸面を設けて、ホームキー52および節電キー54の表示部52a、54aの一部が凹凸面に掛かかるようにするので、手垢などの汚れが付着するのを防止するとともに、さらに操作性を向上させることができる。
[第3実施例]
第3実施例の画像形成装置10は、操作ユニット18の表面に形成される凹凸面の凹凸が曲線状に並んで形成される点が異なる以外は第2実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
図9は第3実施例における操作ユニット18の第2操作領域R2の表面を説明するための図解図である。
図9に示すように、第3実施例では、領域R2bにおいて、ホームキー52を中心に波紋が広がるように、凹凸が曲線状に並んで形成される。ただし、図9では、波紋を示すために、凹凸の詳細については省略してある。このため、ホームキー52のバックライトが消灯され、ホームキー52の表示部52aが暗くなっている場合であっても、凹凸によって形成された波紋を視認することにより、ホームキー52の位置を知ることができる。
第3実施例によれば、ホームキー52を中心に凹凸が波紋状に形成されるので、凹凸による手触りのみならず、視覚によって容易にホームキー52を認識することができる。
なお、第3実施例では、ホームキー52を中心に凹凸が波紋状に形成されるようにしてあるが、これに限定される必要はない。ホームキー52に代えて、節電キー54を中心に凹凸が波紋状に形成されるようにしてもよい。または、ホームキー52を中心とする波紋状の凹凸と、節電キー54を中心とする波紋状の凹凸を互いに干渉しないように形成するようにしてもよい。
なお、上述の各実施例では、操作ユニット18を備える電子機器の一例として、画像形成装置10を説明したが、これに限定される必要はない。ファクシミリ機能付きの電話機、カーナビゲーションシステム、カーオーディオ、コンポーネントオーディオ、ハードディスクレコーダ、DVD・ブルーレイレコーダおよびスマートフォンなどの他の電子機器の操作ユニットとして適用することもできる。
また、本明細書中で挙げた、具体的な構成は、いずれも単なる一例であり、実際の製品の仕様に応じて適宜変更可能である。