JP6936111B2 - 電池ケース本体の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、角形電池ケースに用いられる電池ケース本体の製造方法に関し、さらに詳しくいえば、一端が開口するとともに他端が閉鎖された角筒状であり、かつ一端開口が閉鎖部材により塞がれて、たとえばリチウムイオン二次電池の角形電池ケースとして用いられる電池ケース本体の製造方法に関する。
この明細書及び特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
また、この明細書において、「板」という用語には、箔も含むものとする。
さらに、この明細書において、板状体の厚さ方向に対して垂直な方向を板状体の面方向というものとする。
リチウムイオン二次電池は、他の二次電池よりもエネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能であり、小型化が比較的容易である等の優れた特性を有しており、ハイブリッド車両(HV)、プラグインハイブリッド車両(PHV)、電気車両(EV)、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デジタルカメラなど多種多様な用途に使用されている。
ところで、リチウムイオン二次電池は、充放電時の電池反応や電池の内部抵抗によって発熱し、高温になると電極材料同士の副反応によって劣化が進行するため、温度上昇を抑制する必要がある。
リチウムイオン二次電池を冷却する冷却装置として、たとえば特許文献1記載の冷却装置が提案されている。特許文献1記載の冷却装置は、頂壁外面が平坦な伝熱面となっているとともに、内部に冷媒が流通する冷媒通路を有する金属製冷却部材を備えており、リチウムイオン二次電池が冷却部材の伝熱面上に、シリコン樹脂などの合成樹脂からなる熱伝導シートを介して載置され、冷却部材の冷媒通路を流れる冷媒から冷却部材の頂壁及び熱伝導シートを介してリチウムイオン二次電池に伝わる冷熱によってリチウムイオン二次電池が冷却されるようになっている。
上述したような冷却装置により冷却されるリチウムイオン二次電池の電池ケースは、優れた伝熱性を有することが求められており、特許文献1には、リチウムイオン二次電池の電池ケースとして、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属製のものを用いることが記載されている。
しかしながら、最近では、リチウムイオン二次電池を効率良く冷却するために、電池ケースの熱伝導性をさらに向上させることが求められている。
特許第6020942号公報
この発明の目的は、上記実情に鑑みてなされたものであって、特許文献1記載の電池ケースに比べて熱伝導性が向上した角形電池ケースに用いられる電池ケース本体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)一端が開口するとともに他端が閉鎖された角筒状であり、かつ角形電池ケースに用いられる電池ケース本体を製造する方法であって、
炭素粒子とバインダとを含有する塗工液を、アルミニウム箔の塗工予定面全体のうちの一部分に塗工して乾燥することにより、前記アルミニウム箔の前記塗工予定面に炭素粒子層が部分的に形成された塗工箔を得る工程と、
複数の前記塗工箔を積層して積層体を得るとともに当該積層体を加熱することにより前記複数の塗工箔を接合一体化し、一部がアルミニウムと炭素粒子とが複合化された複合材からなるとともに残部がアルミニウムからなるブランクを得る工程と、
前記ブランクにプレス加工を施して塑性変形させた後に仕上げ加工を施すことにより、一端が開口するとともに他端が閉鎖された角筒状に成形する工程とを含む電池ケース本体の製造方法。
2)製造すべき電池ケース本体が、4つの側壁部からなる側壁および側壁の一端に一体に設けられた底壁よりなり、側壁の各側壁部と底壁とが丸みを有する部分円筒状の第1連接部を介して連なり、側壁の隣り合う側壁部同士が丸みを有する部分円筒状の第2連接部を介して連なり、さらに側壁の隣り合う2つの側壁部と底壁とが部分球面状の第3連接部を介して連なっており、前記ブランクにおける第2連接部および第3連接部を形成する部分がアルミニウムからなるとともに、側壁の全側壁部、底壁および全第1連接部のうちの少なくとも一部を形成する部分が前記複合材からなる上記1)記載の電池ケース本体の製造方法。
3)前記ブランクにおいて、前記第2連接部および前記第3連接部に加えて、側壁の対向する1対の側壁部、および当該両側壁部と底壁との間の2つの第1連接部を形成する部分がアルミニウムからなり、側壁の残りの2つの側壁部、底壁および残りの2つの第1連接部を形成する部分が前記複合材からなる上記2)記載の電池ケース本体の製造方法。
4)前記ブランクにおいて、前記第2連接部および前記第3連接部を形成する部分のみがアルミニウムからなり、側壁の全側壁部、底壁および全第1連接部を形成する部分が前記複合材からなる上記2)記載の電池ケース本体の製造方法。
5)前記ブランクにおいて、前記第2連接部および前記第3連接部に加えて、側壁の全側壁部および全第1連接部を形成する部分がアルミニウムからなり、底壁を形成する部分のみが前記複合材からなる上記2)記載の電池ケース本体の製造方法。
6)前記ブランクが方形であり、当該ブランクに絞り加工およびしごき加工を含むプレス加工、またはインパクト加工からなるプレス加工を施した後、形成された耳をトリミングする仕上げ加工を施す上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
7)前記ブランクが楕円形であり、当該ブランクに絞り加工およびしごき加工を含むプレス加工、またはインパクト加工からなるプレス加工を施した後、形成された耳をトリミングする仕上げ加工を施す上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
8)前記炭素粒子が、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子および炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1種類からなる上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
9)前記複合材が、アルミニウムマトリックスおよびアルミニウムマトリックス中に分散した炭素粒子からなる上記1)〜8)のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
10)前記複合材が、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料中に前記炭素粒子が面方向に分散した複数の炭素粒子分散層と、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料で形成された複数のアルミニウム層とを有し、前記炭素粒子分散層と前記アルミニウム層とが、前記複合材の厚さ方向に交互に積層状に配列されている上記9)記載の電池ケース本体の製造方法。
上記1)〜10)の方法により製造された電池ケース本体を用いた電池ケースによれば、ケース本体の側壁及び底壁の全体のうち少なくとも一部が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されることにより形成された複合材からなるので、複合材からなる部分の熱伝導性が、アルミニウム単体からなるものに比べて向上する。したがって、前記複合材からなる部分の電池ケース本体外面側を向いた部分を、伝熱器に熱的に接触させておくことによって、伝熱器からの冷熱または温熱を、複合材を経て電池ケース内部に収納された発電要素に効率良く伝えることが可能になる。その結果、電池の発電要素を冷却する場合、発電要素を効率良く冷却することができる。これとは逆に、電池の発電要素を適正温度まで加熱する必要がある場合、発電要素を効率良く適正温度に加熱することができる。
しかも、一部がアルミニウムと炭素粒子とが複合化された複合材からなるとともに残部がアルミニウムからなるブランクを、炭素粒子とバインダとを含有する塗工液を、アルミニウム箔の塗工予定面全体のうちの一部分に塗工して乾燥することにより、前記アルミニウム箔の前記塗工予定面に炭素粒子層が部分的に形成された塗工箔を得た後に、複数の前記塗工箔を積層して積層体を得るとともに当該積層体を加熱してバインダを除去することにより前記複数の塗工箔を接合一体化することによりつくることができるので、比較的安価に製造することができる。さらに、ブランクにおける後工程のプレス加工の際の塑性変形の度合いが高い部分を、成形性の高いアルミニウムで形成しておくことによって、熱伝導性に優れているものの伸びが小さい前記複合材を有する電池ケース本体を低コストで簡単に製造することができる。
上記1)の方法により製造すべき電池ケース本体が、4つの側壁部からなる側壁及び側壁の一端に一体に設けられた底壁よりなり、側壁の各側壁部と底壁とが丸みを有する部分円筒状の第1連接部を介して連なり、側壁の隣り合う側壁部同士が丸みを有する部分円筒状の第2連接部を介して連なり、さらに側壁の隣り合う2つの側壁部と底壁とが部分球面状の第3連接部を介して連なっている場合、プレス加工を施す際の塑性変形の度合いが高いのは、ブランクにおける第2連接部及び第3連接部を形成する部分であるが、この場合であっても、上記2)の方法によれば、ブランクにおける第2連接部となる部分及び第3連接部を形成する部分がアルミニウムからなるので、低コストで簡単にプレス加工を施すことができる。
上記3)の方法により製造された電池ケース本体を備えた電池ケースによれば、電池の温度調節を効率良く行うことができる。すなわち、電池は、伝熱器の上に載せられることが一般的であるが、この場合、伝熱器に接触する底壁の少なくとも一部と、電池の中央部の近くに存在する対向する1対の側壁部とが複合材により形成されていると、電池と伝熱器との間での伝熱は、底壁と両側壁部を介して行われることになり、伝熱経路が増えて電池の温度調節を効率良く行うことができる。
上記4)の方法により製造された電池ケース本体を備えた電池ケースによれば、電池ケース本体の側壁の全側壁部及び底壁を介して伝熱器から熱が伝わるので、発熱の度合いが高く高温になりやすい電池の中央部への冷熱の伝熱、及び熱が伝わりにくい電池の中央部への温熱の伝熱を効率良く行うことができる。
上記5)の方法により製造された電池ケース本体を備えた電池ケースによれば、電池の温度調節を効率良く行うことができる。すなわち、電池は、伝熱器の上に載せられることが一般的であるが、この場合、伝熱器に接触する底壁のみが複合材により形成されていると、伝熱器と電池との間での伝熱が阻害されることはなく、電池の温度調節を効率良く行うことができる。しかも、必要最小部分を複合材で形成しておくだけなので、材料コストが安くなる。
上記7)の方法によれば、ブランクに絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工、またはインパクト加工からなるプレス加工を施した際に形成される耳の量が少なくなるので、耳をトリミングする仕上げ加工を比較的簡単に行うことができる。
上記8)の方法によれば、用いられる複合材の熱伝導率を向上させることができ、その結果複合材の熱伝導率を確実に向上させることができる。また、複合材におけるアルミニウムと炭素粒子との複合化を確実に行うことができる。
上記9)の方法によれば、用いられる複合材のアルミニウムマトリックス中での炭素粒子の偏りが少なくなり、複合材の熱伝導性の均一化が図られる。
上記10)の方法によれば、用いられる複合材の炭素粒子分散層と前記アルミニウム層とが、前記複合材の厚さ方向に交互に積層状に配列されているので、炭素粒子分散層の厚みをなるべく薄くしつつ、炭素粒子分散層の数を多くすることが可能になり、複合材の熱伝導率を効果的に高めることができる。
この発明の方法で製造された電池ケース本体を有する電池ケースが用いられた角形リチウムイオン二次電池を示す斜視図である。 図1の角形リチウムイオン二次電池の電池ケースの電池ケース本体を示す一部切り欠き斜視図である。 図2の電池ケース本体の側壁の少なくとも一部を形成する複合材を示す拡大断面図である。 図2に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの平面図である。 図4に示すブランクにプレス加工を施すことにより得られた電池ケース本体の半製品を示す斜視図である。 図5に示す半製品に仕上げ加工を施す方法を示す斜視図である。 図4に示すブランクをつくる方法における塗工箔を得る工程を説明する概略図である。 塗工箔の条材の概略断面図である。 塗工箔の条材を切断する方法を示す概略図である。 積層体の概略側面図である。 複数の塗工箔を加圧加熱焼結装置により接合一体化する場合の概略図である。 図2に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す平面図である。 図1の角形リチウムイオン二次電池の電池ケースの電池ケース本体の第1の変形例を示す一部切り欠き斜視図である。 図13に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの平面図である。 図13に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す平面図である。 図1の角形リチウムイオン二次電池の電池ケースの電池ケース本体の第2の変形例を示す一部切り欠き斜視図である。 図16に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの平面図である。 図16に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す平面図である。 図1の角形リチウムイオン二次電池の電池ケースの電池ケース本体の第3の変形例を示す一部切り欠き斜視図である。 図19に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの平面図である。 図19に示す電池ケース本体を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す平面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による電池ケースをリチウムイオン二次電池に用いたものである。
以下の説明において、全図面を通じて同一物及び同一部分には同一符号を付す。
図1はこの発明の方法で製造された電池ケース本体が用いられた電池ケースを有する角形リチウムイオン二次電池を示し、図2はこの発明の方法で製造された電池ケース本体を示し、図3は電池ケース本体の少なくとも一部を形成する複合材の詳細な構成を示す。また、図4〜図11は電池ケース本体の製造方法を示す。
図1において、角形リチウムイオン二次電池100は、角形電池ケース101と、電池ケース101内に収納された発電要素(図示略)とよりなり、上端面に1対の端子102が突出状に設けられている。
電池ケース101は、上端が開口するとともに下端が閉鎖された角筒状の電池ケース本体103と、電池ケース本体103の上端部にレーザー溶接法などにより接合されて電池ケース本体103の上端開口を閉鎖するアルミニウム製閉鎖部材104とよりなる。
図2に示すように、電池ケース101の電池ケース本体103は、上下両端が開口した角筒状の側壁105と、側壁105の下端(一端)に一体に設けられて側壁105の下端開口を閉鎖する底壁106とよりなる。
電池ケース本体103の側壁105は、互いに対向しかつ上下両辺の長さが側壁105の上下方向の高さよりも長くなっている2つの側壁部107aからなる第1側壁部対107と、互いに対向しかつ上下両辺の長さが側壁105の上下方向の高さよりも短くなっている他の2つの側壁部108aからなる第2側壁部対108とを有しており、側壁105の両側壁部対107,108の各側壁部107a,108aと底壁106とが丸みを有する部分円筒状の第1連接部109を介して連なり、側壁105の隣り合う2つの側壁部107a,108aが丸みを有する部分円筒状の第2連接部110を介して連なり、さらに側壁105の隣り合う2つの側壁部107a,108aと底壁106とが部分球面状の第3連接部111を介して連なっている。
図2に網掛けが付されているように、側壁105の第1側壁部対107の2つの側壁部107a、当該両側壁部107aと底壁106との間の第1連接部109、及び底壁106が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されることにより形成された複合材60によって形成され、側壁105の第2側壁部対108の2つの側壁部108a、当該両側壁部108aと底壁106との間の第1連接部109、全第2連接部110及び全第3連接部111がアルミニウムによって形成されている。
図2に示す電池ケース本体103を備えたリチウムイオン二次電池100において、第1側壁部対107の一方の側壁部107a、同他方の側壁部107a、及び底壁106のうちの少なくともいずれか1つが、リチウムイオン二次電池100の発電要素に熱を伝える際の伝熱部となっている。
図3に示すように、複合材60は、アルミニウムマトリックス63、及びアルミニウムマトリックス63中に分散した炭素粒子1を含むものであり、アルミニウムマトリックス63を構成するアルミニウム材料中に炭素粒子1が面方向に分散した複数の炭素粒子分散層61と、アルミニウムマトリックス63を構成するアルミニウム材料で形成された複数のアルミニウム層62と、上下両端の端部アルミニウム層64とを積層状に備えている。
炭素粒子分散層61とアルミニウム層62は、複合材60の厚さ方向の全体に亘って交互に積層された状態に配列されている。各炭素粒子分散層61において、炭素粒子1はアルミニウムマトリックス63中において複合材60の面方向に分散しており、複合材60の厚さ方向には殆ど分散していない。各アルミニウム層62中には炭素粒子1は実質的に存在していない。そして、複数の炭素粒子分散層61と複数のアルミニウム層62とが、たとえば焼結複合化により接合一体化されている。炭素粒子分散層61の厚さは、限定されるものではないが、1〜100μmであることが好ましい。アルミニウム層62の厚さは限定されるものではないが、5〜200μmであることが好ましい。複合材60の上下両端の端部アルミニウム層64のうちのいずれか一方は、たとえば焼結により接合一体化されたアルミニウム板65からなる。なお、下端の端部アルミニウム層64は必ずしも必要としない。
複合材60に用いられる炭素粒子の種類は限定されるものではないが、なるべく高い熱伝導率を有するもの、即ち高熱伝導性のものを用いることが望ましい。特に、炭素粒子としては、天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子が用いられることが好ましい。天然黒鉛粒子としては、鱗片状黒鉛粒子等が用いられる。人造黒鉛粒子としては、等方性黒鉛粒子、異方性黒鉛粒子、熱分解黒鉛粒子等が用いられる。炭素粒子が天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子である場合、平均粒子径が10μm以上3mm以下の天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子が好適に用いられる。
また、複合材60の炭素粒子としては、炭素繊維、カーボンナノチューブ及びグラフェンからなる群より選択される少なくとも一種が用いられることもある。 炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維などが用いられる。
カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標))等が用いられる。炭素粒子が炭素繊維である場合、平均繊維長が10μm以上2mm以下の短炭素繊維が特に好適に用いられる。炭素粒子がカーボンナノチューブである場合、平均長さが1μm以上10μm以下のカーボンナノチューブが特に好適に用いられる。
電池ケース本体103の製造方法について、図4〜図11を参照して説明する。
電池ケース本体103は、図4に示すようなブランク80に絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工を施すことにより、図5に示すような耳82を有する角筒状の半製品81を成形し、その後、図6に示すように、半製品81にトリミングを含む仕上げ加工を施して耳82を有する一定長さ部分を切除することにより製造される。
ブランク80は方形状であって、側壁105の第1側壁部対107の2つの側壁部107a、当該両側壁部107aと底壁106との間の第1連接部109、及び底壁106を形成する第1部分83(網掛けを付した部分)が複合材60からなり、側壁105の第2側壁部対108の2つの側壁部108a、当該両側壁部108aと底壁106との間の第1連接部109、全第2連接部110及び全第3連接部111を形成する第2部分84がアルミニウムからなる。
ブランク80の製造方法は、図7に示すように、アルミニウム箔10の塗工予定面10aに炭素粒子層11が部分的に形成された塗工箔12を得る工程Aと、複数の塗工箔12が積層された状態の積層体15を形成する工程Bと、積層体15を加熱することにより複数の塗工箔12を接合一体化する工程Cと、を含む。
塗工箔12を得る工程Aでは、塗工箔12は、所定の塗工液5をアルミニウム箔10の塗工予定面10a全体のうちの一部分に塗工し乾燥することにより得られる。
アルミニウム箔10は複合材60のアルミニウムマトリックス63を形成するものである。アルミニウム箔10は高い熱伝導率を有しており、得られる複合材60の熱伝導率を高めることができる。
アルミニウム箔10の厚さは限定されるものではなく、5〜500μmであることが望ましく、10〜50μmであることが特に望ましい。
図7においては、アルミニウム箔10としてアルミニウム箔10の帯状条材10A(即ち帯状の長尺なアルミニウム箔10)が用いられている。塗工液5が部分的に塗工されるアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aは、アルミニウム箔10の条材10Aの厚さ方向の両側の表面のうち片側の表面である。
塗工液5は、炭素粒子1とバインダ2とバインダ2用溶剤3とを混合状態に含有するものであり、例えば次のようにして得られる。
すなわち、図7に示すように、塗工液5は、炭素粒子1とバインダ2と溶剤3とを混合容器41内に入れこれらを撹拌混合器42により撹拌混合することにより、得られる。なお必要に応じて、塗工液5には分散剤(図示せず)、表面調整剤(図示せず)などが添加される。
炭素粒子1としては例えば、鱗片状黒鉛粉末などの鱗片状黒鉛粒子を使用できる。
炭素粒子1の平均粒径を「d」とすると、dは100μm以上であることが好ましい。その理由は、dが100μm以上であることにより複合材60の内部において炭素粒子1とアルミニウムマトリックス63との間の界面熱抵抗を確実に小さくすることができ、これにより複合材60の熱伝導率を確実に高めることができるからである。dの上限は限定されるものではないが1000μmであることが望ましい。その理由は、塗工液5の塗工時における炭素粒子1の割れを確実に抑制できるからである。
炭素粒子1の平均アスペクト比は限定されるものではない。しかるに、一般に炭素粒子1のアスペクト比が大きい方が炭素粒子1の熱伝導率は高いことから、炭素粒子1の平均アスペクト比はなるべく大きい方が望ましく、30以上であることが特に望ましい。平均アスペクト比の望ましい上限は限定されるものではないが100であることが望ましい。その理由は、塗工液5の塗工時における炭素粒子1の割れを確実に抑制できるからである。
ここで、炭素粒子1の粒径とは、電子顕微鏡等の観察手段で観察される炭素粒子1の面方向の円相当直径を意味する。炭素粒子1の平均粒径dは、多数の炭素粒子1の中から任意に選択された100個の炭素粒子1の粒径の算術平均で算出される。また、炭素粒子1の厚さは電子顕微鏡等の観察手段で観察して測定される。炭素粒子1の平均厚さは、多数の炭素粒子1の中から任意に選択された 100個の炭素粒子1の厚さの算術平均で算出される。炭素粒子1の平均アスペクト比は炭素粒子1の「平均粒径/平均厚さ」により算出される。
バインダ2は、炭素粒子1にアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aへの付着力を付与して炭素粒子1が塗工予定面10aから脱落するのを抑制するためのものである。バインダ2は通常、有機樹脂等の樹脂からなる。具体的には、バインダ2として、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂などを使用できる。
溶剤3はバインダ2を溶解するものである。具体的には、溶剤3として、親水性溶剤(例:イソプロピルアルコール、水)、有機溶剤などを使用できる。
撹拌混合器42としては、ディスパー、プラネタリーミキサー、ビーズミルなどを使用できる。
塗工液5をアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに塗工するための塗工方法は限定されるものではない。好ましくは、塗工液5の塗工は、図7に示すように、アルミニウム箔10の条材10Aを巻き出す巻出しロール31とアルミニウム箔10の条材10Aを巻き取る巻取りロール32とを用いたロールtoロール方式により行われる。
さらに、同図では、巻出しロール31と巻取りロール32との間に、三本ロール型のオフセット印刷装置20と乾燥装置としての乾燥炉35とがアルミニウム箔10の条材10Aの送り方向Fに並んで設置されている。
オフセット印刷装置20は、塗工液5をアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに塗工するものであり、三本ロールとして、インキロール21、転写ロール22及びバックアップロール23を備えており、更に、インキパンとしての塗工液パン25などを備えている。
インキロール21はその周面21aの周方向の一部が塗工液パン25内の塗工液5に漬けられた状態に配置されている。転写ロール22の周面22aは平滑に形成されている。転写ロール22の回転方向はアルミニウム箔10の条材10Aの送り方向Fと同じ方向に設定されている。バックアップロール23は転写ロール22と対向して配置されている。
オフセット印刷装置20では、パン25内の塗工液5は、インキロール21の回転によりインキロール21の周面21aから転写ロール22の周面22aに供給付着されたのち転写ロール22の回転によりアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに転写塗工される。
乾燥炉35は、オフセット印刷装置20に対してアルミニウム箔10の条材10Aの送り方向Fの下流側に設置されており、アルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに塗工された塗工液5を加熱乾燥することで塗工液5中の溶剤3を塗工液5から蒸発除去するものである。
巻出しロール31から巻き出されたアルミニウム箔10の条材10Aは、オフセット印刷装置20の転写ロール22とバックアップロール23との間と、乾燥炉35とを順次通過したのち巻取りロール32に巻き取られる。
塗工液5は、アルミニウム箔10の条材10Aが転写ロール22とバックアップロール23との間を通過する際に、転写ロール22によってアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに塗工される。
塗工液5を塗工する前には、アルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aを部分的に樹脂シート等からなるマスキングシート(図示せず)で覆い、この状態で塗工液5の塗工を行う。これにより、塗工形5が塗工予定面10aにおけるマスキングシートで覆われていない部分に塗工される。
その後、塗工予定面10aに塗工された塗工液5は、乾燥炉35を通過することによって塗工液5から溶剤3が蒸発除去される。次いで、塗工予定面10aからマスキングシートを除去する。これにより、アルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに部分的に炭素粒子層11が形成され、すなわち塗工箔12の条材12Aが得られる。塗工予定面10aにおける炭素粒子層11が形成された部分は、塗工予定面10aにおける塗工液5が塗工された部分、すなわち塗工予定面10aにおけるマスキングシートで覆われていなかった部分である。
上述したような三本ロール型のオフセット印刷装置20による塗工液5の塗工方法では、転写ロール22の周面22aがアルミニウム箔10の条材10Aの塗工予定面10aに当接したとき、転写ロール22の周面22a上の塗工液が塗工予定面10aに付着する。そして、転写ロール22の周面22aが塗工予定面10aから離れることにより、塗工液5が塗工予定面10aに転写塗工される。その際に図8に示すように塗工液5中の炭素粒子1同士が重ならないように塗工液5が塗工予定面10aに塗工されることが望ましい。その理由について以下に説明する。
すなわち、炭素粒子1同士が重なった状態で塗工液5が塗工予定面10aに塗工された場合、塗工液5を乾燥炉(乾燥装置)35により乾燥することにより、炭素粒子1同士が重なった状態の炭素粒子層が塗工予定面10aに形成される。このような炭素粒子層を有する塗工箔の条材では、接合一体化する工程Cにおいて複数の塗工箔を良好に接合一体化することが非常に困難である。そこで、複数の塗工箔を良好に接合一体化できるようにするため、図8に示すように塗工液5中の炭素粒子1同士が重ならないように塗工液5が塗工予定面10aに塗工されることが良い。
塗工予定面10a上に塗工される単位面積当たりの炭素粒子1の塗工量は限定されない。特に、炭素粒子1の塗工量が1〜80g/mになるように塗工液5が塗工予定面10aに塗工されることが望ましい。その理由は次のとおりである。
炭素粒子1の塗工量が1g/m未満の場合、炭素粒子1による複合材60の熱伝導率を高める効果が小さい。
炭素粒子1の塗工量が80g/mを超える場合、炭素粒子1同士が5〜10層程度重なり、その結果塗工箔を積層して積層体15を形成し、積層体15を加熱して複数の塗工箔12を接合一体化する工程Cにおいて、炭素粒子の重なり部分にアルミニウムが入り込まず、接合が不十分になる虞があることから、塗工液5を塗工予定面10aに塗工し得る炭素粒子1の塗工量の望ましい上限は約80g/mである。複数の塗工箔12の接合が不十分であると、複合材60の熱伝導率の向上も見込めず、また深絞りなどの塑性変形を伴う加工が困難になる。
したがって、炭素粒子1の塗工量が1〜80g/mになるように塗工液5が塗工予定面10aに塗工されることにより、複数の塗工箔12を良好に接合一体化することができて、複合材60の熱伝導率を確実に高めることができる。
さらに、塗工液5の塗工が三本ロール型のオフセット印刷装置20により行われることにより、炭素粒子1同士が重ならないように塗工液5を塗工予定面10aに容易に且つ確実に塗工することができる。その理由は次のとおりである。
すなわち、三本ロール型のオフセット印刷装置20では、インキロール21の周面21aから転写ロール22の周面22aに付着する塗工液5の量は、インキロール21の周面21aに付着した塗工液5の量よりも少なく、また、インキロール21−転写ロール22間の加圧条件を変更することにより容易に調節可能である。このことから、インキロール21の周面21aに付着する塗工液5の量と、インキロール21−転写ロール22間の加圧条件とをそれぞれ適切に調節することにより、塗工液5を塗工予定面10aに薄く塗工することができる。そのため、炭素粒子1同士が重ならないように塗工液5を塗工予定面10aに容易に且つ確実に塗工することができる。
また、炭素粒子1同士が重ならないように塗工液5を確実に塗工するには、塗工装置として、グラビア印刷装置を用いても良い。
一方、その他の一般的な塗工装置として、インクジェット、ナイフコーター、ダイコーター、スプレーコーター、カーテンコーター等が知られているが、このような塗工装置では、フィラーとしての炭素粒子1が大きすぎるため、塗工液5を塗工予定面10aに薄く塗工することが困難であり、その結果、炭素粒子1同士が重なるように塗工液5が塗工され易い。したがって、炭素粒子1同士が重ならないように塗工液5を塗工するには、塗工装置として、上述した三本ロール型のオフセット印刷装置20又はグラビア印刷装置を用いることが望ましい。
図9に示すように、積層体15を形成する工程Bでは、巻取りロール32から巻き解られた塗工箔12の条材12Aを切断機39により所定形状に切断する。これにより、塗工箔12の条材12Aから所定形状(例:略四角形状)の塗工箔12を複数切り出す。
次いで、図10に示すように複数の塗工箔12を積層することにより、複数の塗工箔12が積層された状態の積層体15を形成する。この積層体15はプリフォーム(焼結素材)として用いられるものである。この積層体15では、積層体15を構成する複数の塗工箔12は、塗工箔12における炭素粒子層11が形成された部分が重なるように且つ塗工箔12における炭素粒子層11が形成されていない部分が重なるように積層されている。
積層体15を形成するための塗工箔12の積層枚数は限定されるものではなく、所望する複合材60の厚さなどに対応して設定され、例えば10〜1000枚である。
積層体15の塗工箔12を接合一体化する工程Cでは、積層体15を加圧加熱焼結装置などによって所定の焼結雰囲気(例:非酸化雰囲気)中にて加熱することにより焼結し、これにより複数の塗工箔12を一括して接合一体化(詳述すると焼結一体化)する。
積層体15の焼結方法は、真空ホットプレス法、放電プラズマ焼結法(SPS法)、熱間静水圧焼結法(HIP法)、圧延法などから選択される。なお、放電プラズマ焼結法はパルス通電焼結法とも呼ばれている。
具体的には、図11に示すように、例えば、加圧加熱焼結装置(例:真空ホットプレス装置、放電プラズマ焼結装置)50の焼結室51内に積層体15およびアルミニウム板65(図3参照)を配置し、そして焼結装置50によって所定の焼結雰囲気中にて積層体15を塗工箔12の積層方向(即ち積層体15の厚さ方向)に加圧しながら所定の焼結条件で加熱することにより積層体15を焼結し、これにより複数の塗工箔12を一括して接合一体化(焼結一体化)するとともに、アルミニウム板65を接合一体化(焼結一体化)する。その結果、図3に示す態様の複合材60が得られる。
積層体15への加圧は、例えば、焼結装置50に備えられた一対のパンチ52、52で積層体15をその厚さ方向に挟んで加圧することにより行われる。
積層体15を焼結するための積層体15の加熱温度、即ち積層体15の焼結温度は限定されるものではなく、通常、アルミニウム箔10を形成するアルミニウム材料の融点以下であり、特に、アルミニウム材料の融点と当該融点よりも約50℃低い温度との間の温度に設定されることが望ましい。その理由は、積層体15を確実に焼結できる(即ち複数の塗工箔12を確実に接合一体化できる)からである。具体的には、アルミニウム箔10が例えばアルミニウム箔である場合、積層体15の焼結温度は550〜620℃に設定されることが望ましい。
ここで、積層体15の焼結温度とは、複数の塗工箔12を接合一体化する温度(即ち複数の塗工箔12を焼結一体化する温度)を意味する。
積層体15中に存在するバインダ2は、この工程Cでの積層体15への加熱により積層体15から除去される。詳述すると、積層体15中に存在するバインダ2は、この工程Cにおいて積層体15の温度が略室温から積層体15の焼結温度まで上昇するように積層体15を加熱する途中で昇華又は分解等により消失して積層体15から除去される。
積層体15が上述のように加熱されることにより、塗工箔12における炭素粒子層11が形成された部分では、アルミニウム箔10のアルミニウム材料の一部が炭素粒子層11内に浸透して炭素粒子層11内に存在する微細な空隙(例:炭素粒子層11中の炭素粒子1間の隙間)に充填されて、当該空隙が略消滅する。これにより、複合材60の密度が上昇するとともに複合材60の強度が向上する。
また、アルミニウム箔10のアルミニウム材料の一部が炭素粒子層11内に浸透することによって、塗工箔12における炭素粒子層11が形成された部分では、炭素粒子層11中の炭素粒子1は複合材60のアルミニウムマトリックス63中に複合材60の面方向に分散した状態になり、炭素粒子層11は、図3に示す複合材60の炭素粒子分散層61になる。また、アルミニウム箔10は複合材60のアルミニウム層62になる。
したがって、複合材60においては、炭素粒子分散層61とアルミニウム層62は、上述したように複合材30の厚さ方向の全体に亘って交互に積層された状態に配列する。
また、積層体15が上述のように加熱されることにより、塗工箔12における炭素粒子層11が形成されていない部分では、厚さ方向に互いに重なるアルミニウム箔10の部分が接合一体化(詳述すると焼結一体化)される。
こうして、一部が複合材60からなるとともに残部がアルミニウムからなるブランク80が得られる。
その後、上述したように、ブランク80に絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工を施すことにより、図5に示すような耳82を有する角筒状の半製品81を成形し、その後、図6に示すように、半製品81にトリミングを含む仕上げ加工を施して耳82を有する開口側の一定長さ部分を切除することによって、電池ケース本体103が製造される。
図12は図2に示す電池ケース本体103を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す。
図12に示すブランク80Aは、図4に示すブランク80の第1部分83および第2部分84の一部を切除することにより楕円形に成形したものである。この場合、ブランク80に絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工を施して作られる耳82を有する角筒状の半製品81における耳の高さを低くすることができる。
図13はこの発明の方法により製造される電池ケース本体の第1の変形例を示す。
図13に示す電池ケース本体120は、図13に網掛けが付されているように、側壁105の第2側壁部対108の2つの側壁部108a、当該両側壁部108aと底壁106との間の第1連接部109、及び底壁106が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されることにより形成された複合材60によって形成され、側壁105の第1側壁部対107の2つの側壁部107a、当該両側壁部107aと底壁106との間の第1連接部109、全第2連接部110及び全第3連接部111がアルミニウムによって形成されている。
図14は図13に示す電池ケース本体120を製造するのに用いられるブランクを示す。
図14において、ブランク85は方形状であって、側壁105の第2側壁部対108の両側壁部108a、当該両側壁部108aと底壁106との間の第1連接部109、及び底壁106を形成する第1部分86(網掛けを付した部分)が複合材60からなり、側壁105の第1側壁部対107の2つの側壁部107a、当該両側壁部107aと底壁106との間の第1連接部109、全第2連接部110及び全第3連接部111を形成する第2部分87がアルミニウムによって形成されている。
ブランク85の製造方法は、図4に示すブランク80の製造方法と同様であり、アルミニウム箔10の塗工予定面10aに炭素粒子層11が形成された塗工箔12を得る工程における塗工液5の塗工部分が異なるだけである。
図15は図13に示す電池ケース本体120を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す。
図15に示すブランク85Aは、図14に示すブランク85の第1部分86および第2部分87の一部を切除することにより楕円形に成形したものである。この場合、ブランク85に絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工を施して作られる耳を有する角筒状の半製品における耳の高さを低くすることができる。
図16はこの発明の方法により製造される電池ケース本体の第2の変形例を示す。
図16に示す電池ケース本体121は、図16に網掛けが付されているように、側壁105の両側壁部対107,108の各側壁部107a,108a、すべての側壁部107a,108aと底壁106との間の第1連接部109、及び底壁106が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されることにより形成された複合材60によって形成され、全第2連接部110及び全第3連接部111がアルミニウムによって形成されている。
図17は図16に示す電池ケース本体121を製造するのに用いられるブランクを示す。
図17において、ブランク90は方形状であって、側壁105の両側壁部対107,108の各側壁部107a,108a、すべての側壁部107a,108aと底壁106との間の第1連接部109、及び底壁106を形成する第1部分91(網掛けを付した部分)が複合材60からなり、全第2連接部110及び全第3連接部111を形成する第2部分92がアルミニウムからなる。
ブランク90の製造方法は、図4に示すブランク80の製造方法と同様であり、アルミニウム箔10の塗工予定面10aに炭素粒子層11が形成された塗工箔12を得る工程における塗工液5の塗工部分が異なるだけである。
図18は図16に示す電池ケース本体121を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す。
図18に示すブランク90Aは、図17に示すブランク90の第1部分91および第2部分92の一部を切除することにより楕円形に成形したものである。この場合、ブランク90Aに絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工を施して作られる耳を有する角筒状の半製品における耳の高さを低くすることができる。
図19はこの発明の方法により製造される電池ケース本体の第3の変形例を示す。
図19に示す電池ケース本体122は、図19に網掛けが付されているように、底壁106が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されることにより形成された複合材60によって形成され、側壁105の両側壁部対107,108の各側壁部107a,108a、及びすべての第1〜第3連接部109,11,111がアルミニウムによって形成されている。
図20は図19に示す電池ケース本体122を製造するのに用いられるブランクを示す。
図20において、ブランク95は方形状であって、底壁106を形成する第1部分96(網掛けを付した部分)が複合材60からなり、側壁105の全側壁部107a,108a、全第1連接部109、全第2連接部110及び全第3連接部111を形成する第2部分97がアルミニウムからなる。
ブランク95の製造方法は、図4に示すブランク80の製造方法と同様であり、アルミニウム箔10の塗工予定面10aに炭素粒子層11が形成された塗工箔12を得る工程における塗工液5の塗工部分が異なるだけである。
図21は図19に示す電池ケース本体122を製造するのに用いられるブランクの変形例を示す。
図21に示すブランク95Aは、図20に示すブランク80の第2部分97の一部を切除することにより楕円形に成形したものである。この場合、ブランク95Aに絞り加工及びしごき加工を含むプレス加工を施して作られる耳を有する角筒状の半製品81における耳の高さを低くすることができる。
この発明による方法は、たとえば角形リチウムイオン二次電池の電池ケースに電池ケース本体の製造に好適に用いられる。
1:炭素粒子
2:バインダ
5:塗工液
10:アルミニウム箔
10a:塗工予定面
11:炭素粒子層
12:塗工箔
15:積層体
60:複合材
80,80A,85,85A,90,90A,95,95A:ブランク
103,120,12,122:電池ケース本体
105:側壁
106:底壁
107a,108a:側壁部
109:第1連接部
110:第2連接部
111:第3連接部

Claims (10)

  1. 一端が開口するとともに他端が閉鎖された角筒状であり、かつ角形電池ケースに用いられる電池ケース本体を製造する方法であって、
    炭素粒子とバインダとを含有する塗工液を、アルミニウム箔の塗工予定面全体のうちの一部分に塗工して乾燥することにより、前記アルミニウム箔の前記塗工予定面に炭素粒子層が部分的に形成された塗工箔を得る工程と、
    複数の前記塗工箔を積層して積層体を得るとともに当該積層体を加熱することにより前記複数の塗工箔を接合一体化し、一部がアルミニウムと炭素粒子とが複合化された複合材からなるとともに残部がアルミニウムからなるブランクを得る工程と、
    前記ブランクにプレス加工を施して塑性変形させた後に仕上げ加工を施すことにより、一端が開口するとともに他端が閉鎖された角筒状に成形する工程とを含む電池ケース本体の製造方法。
  2. 製造すべき電池ケース本体が、4つの側壁部からなる側壁および側壁の一端に一体に設けられた底壁よりなり、側壁の各側壁部と底壁とが丸みを有する部分円筒状の第1連接部を介して連なり、側壁の隣り合う側壁部同士が丸みを有する部分円筒状の第2連接部を介して連なり、さらに側壁の隣り合う2つの側壁部と底壁とが部分球面状の第3連接部を介して連なっており、前記ブランクにおける第2連接部および第3連接部を形成する部分がアルミニウムからなるとともに、側壁の全側壁部、底壁および全第1連接部のうちの少なくとも一部を形成する部分が前記複合材からなる請求項1記載の電池ケース本体の製造方法。
  3. 前記ブランクにおいて、前記第2連接部および前記第3連接部に加えて、側壁の対向する1対の側壁部、および当該両側壁部と底壁との間の2つの第1連接部を形成する部分がアルミニウムからなり、側壁の残りの2つの側壁部、底壁および残りの2つの第1連接部を形成する部分が前記複合材からなる請求項2記載の電池ケース本体の製造方法。
  4. 前記ブランクにおいて、前記第2連接部および前記第3連接部を形成する部分のみがアルミニウムからなり、側壁の全側壁部、底壁および全第1連接部を形成する部分が前記複合材からなる請求項2記載の電池ケース本体の製造方法。
  5. 前記ブランクにおいて、前記第2連接部および前記第3連接部に加えて、側壁の全側壁部および全第1連接部を形成する部分がアルミニウムからなり、底壁を形成する部分のみが前記複合材からなる請求項2記載の電池ケース本体の製造方法。
  6. 前記ブランクが方形であり、当該ブランクに絞り加工およびしごき加工を含むプレス加工、またはインパクト加工からなるプレス加工を施した後、形成された耳をトリミングする仕上げ加工を施す請求項1〜5のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
  7. 前記ブランクが楕円形であり、当該ブランクに絞り加工およびしごき加工を含むプレス加工、またはインパクト加工からなるプレス加工を施した後、形成された耳をトリミングする仕上げ加工を施す請求項1〜5のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
  8. 前記炭素粒子が、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子および炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1種類からなる請求項1〜7のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
  9. 前記複合材が、アルミニウムマトリックスおよびアルミニウムマトリックス中に分散した炭素粒子からなる請求項1〜8のうちのいずれかに記載の電池ケース本体の製造方法。
  10. 前記複合材が、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料中に前記炭素粒子が面方向に分散した複数の炭素粒子分散層と、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料で形成された複数のアルミニウム層とを有し、前記炭素粒子分散層と前記アルミニウム層とが、前記複合材の厚さ方向に交互に積層状に配列されている請求項9記載の電池ケース本体の製造方法。
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