3次元プリンターは、種類の異なる粉末または粉末状の造形材料から3Dオブジェクトを形成してよい。3Dオブジェクトを製造する3Dプリンターのコストは、造形材料のコストに関連していてよい。かくして、3Dプリンターについては、造形材料としてリサイクル材料を使用する要望があってよい。リサイクルされた造形材料には、例えば、3D印刷プロセスに際して使用されたが、3D印刷プロセスの間に固化されなかった造形材料が含まれてよい。こうした非固化造形材料は、3D印刷プロセスが一旦完了した場合に回収されてよく、そして「リサイクル造形材料」と呼ばれて他の3D印刷プロセスに再使用されてよい。幾つかの用途については、製品の純度、強度、および特定の場合には仕上げといった理由から、新品の材料の使用に利点があることがある。幾つかの用途については、例えば低コストと3Dオブジェクトに許容できる性質との間の妥協として、新品造形材料とリサイクル造形材料の混合物が使用されてよい。例えば幾つかの例では、約20%の新品造形材料と約80%のリサイクル造形材料を用いることは、経済的観点および品質的観点の両方から許容されてよい。新品造形材料およびリサイクル造形材料の他の性質が、造形材料の性質および許容可能なオブジェクトの品質特性に応じて使用されてよい。
造形材料は乾式の、または実質的に乾式の粉末であってよい。3次元印刷の例においては、造形材料は約5から約400マイクロメートルの間、約10から約200マイクロメートルの間、約15から約120マイクロメートルの間、または約20から約70マイクロメートルの間の、体積基準の平均断面粒子径を有してよい。適切な体積基準の平均断面粒子径の範囲の他の例には、約5から約70マイクロメートル、または約5から約35マイクロメートルが含まれる。本願で使用するところでは、体積基準の粒子径とは、粉末粒子と同じ体積を有する球の大きさである。平均粒子径は、容器内にある体積基準の粒子径の殆どが、言及した大きさまたは大きさの範囲内であることを示すことを意図している。しかしながら、造形材料は言及した範囲外の粒子径を含んでいてもよい。例えば粒子径は、約10から約500マイクロメートルの間、または約10から約200マイクロメートルの間、または約15から約150マイクロメートルの間の厚さを有する造形材料層を分配することを容易にするように選択されてよい。製造システムの1つの例は、約40から約60マイクロメートルの間の体積基準の平均断面粒子径を有する造形材料を含む造形材料容器を使用して、約80マイクロメートルの厚さの粉末材料層を分配するように予め設定されてよい。付加製造装置はまた、異なる層厚を有する粉末層を形成するように構成または制御されてよい。
本願で記載するように、造形材料は例えば、幾つかの種類の造形材料の中でも特に、半結晶性熱可塑性材料、金属材料、プラスチック材料、複合材料、セラミック材料、ガラス材料、樹脂材料、またはポリマー材料であることができる。さらに造形材料は、各粒子が複数の層を含む多層構造を包含していてよい。幾つかの例においては、造形材料粒子の中心はガラスビーズであってよく、可塑性のバインダーを含む外側層を有し、他の粒子と凝集して構造体を形成する。繊維のような他の材料を含有させて、異なる性質、例えば強度をもたらすようにしてよい。
幾つかの3Dプリンターについて、リサイクル材料と新品材料を造形材料として混合するために、ユーザーは3Dプリンターの外部に余分のフロアスペースと設備を使用してよい。ユーザーはまた、3Dプリンターから印刷された3Dオブジェクトを取り出すについて、周辺資源に依存してよい。しかしながら、造形材料の混合および取り出しのために、プリンターの外部に専用の資源を使用することは、コスト、空間要求、および漏出のリスクを増大しうる。さらに、混合、追加、および取り出しについて造形材料の手作業による取り扱いを行うことは、造形材料の2次汚染を招来しうる。
本願に記載の例は、造形材料の取り扱いを容易にする、例えば3Dプリンター用の供給ステーションを提供する。この供給ステーションは、供給ステーションの中に挿入された造形材料容器から、内部のまたは一体式の材料取り扱いシステムへの、新品造形材料またはリサイクル造形材料の追加をもたらす。供給ステーションは平行な水平軸に沿って配置されて、造形材料を移動するのに使用する搬送システムに用いられる空間を下げ、そして例えば垂直軸に沿って設けられてよい供給ステーションと比較して、容器の取り扱いを容易にする。
本願で使用するところでは、水平とは、供給ステーションが、3Dプリンターが載置されている表面に対して実質的に平行であることを示している。これは表面に対して平行から約5度以下、表面に対して平行から約10度以下、または表面に対して平行から約20度以下であってよい。さらに、3Dプリンターは作動するために完全に水平である必要はないが、しかし水平から約5度以内、水平から約10度以内、または水平から約20度以内の非平行な表面上に配置されている場合に作動するものであってよい。
この材料取り扱いシステムは、リサイクル材料および新品材料を混合して、3D印刷プロセスにおいて使用される造形材料混合物を提供してよい。本願に記載の3Dプリンターはまた、3D印刷プロセスの終わりに当たり、余剰のまたは非固化造形材料の回収をもたらしてよい。回収された材料は、将来の造形プロセスにおいて使用するために、プリンター内に保持されてよい。幾つかの例においては、回収された材料は造形材料容器内へと移動されてよく、これは次いで貯蔵、リサイクル、または後の使用のために、3Dプリンターから取り出されてよい。
図1は実施例による、3Dプリンター100の図である。この3Dプリンター100は、例えば造形プラットフォーム上において、造形材料から3Dオブジェクトを生成するために使用されてよい。造形材料は粉末であってよく、そしてプラスチック、金属、ガラス、または特にプラスチック被覆ガラス粉末といった被覆材料を含んでいてよい。
このプリンター100は、造形材料を保持する内部材料容器のための区画102を覆うカバーまたはパネルを有していてよい。材料容器は3D印刷のために、造形材料をフィーダーを介して内部搬送システム内へと送出してよい。プリンター100は、フィーダーの動作を調節するためのコントローラを有していてよく、造形材料における材料の特定の比率を含めて、造形材料の所望の組成を維持する。内部材料容器は、区画102に対するユーザーのアクセスを介して取り出し可能であってよい。プリンター100はハウジングと、造形材料を取り扱うためのハウジング内部の部品とを有していてよい。プリンター100は、上部表面104、蓋106、およびドアまたはアクセスパネル108を有している。アクセスパネル108は、3Dプリンター100の作動の間はロックされてよい。プリンター100は、未融合のまたは余剰の造形材料をプリンター100の造形材料エンクロージャーから回収する回収材料容器のような、追加の内部材料容器のための区画110を含んでいてよい。
本願で詳細に説明するように、造形材料は供給ステーション内へと水平に挿入した造形材料容器を通じて、3Dプリンターへと追加しまたは除去してよい。供給ステーションは、新たな造形材料を追加するための新品供給ステーション112、およびリサイクル造形材料を追加するためのリサイクル供給ステーション114を含んでいてよい。実施例において説明されているように、リサイクル供給ステーション114はまた、例えば回収材料容器から回収造形材料を積み下ろすために使用されてよい。1つの例においては、単一の供給ステーションを用意して、そしてこれを新たな造形材料を追加し、プリンターからリサイクル造形材料を取り出すという両方のために使用してよい。
幾つかの例においては、3Dプリンター100は、選択的な融合プロセスにおいて、または装飾のような他の目的で使用するための印刷液体を使用してよい。印刷液体を用いる3Dプリンター100の例については、3D印刷のために印刷液体を受け取り供給するための、印刷液体システム116が含まれてよい。この印刷液体システム116は、着脱式の印刷液体カートリッジ120を受容し固定するための、カートリッジ受容アセンブリ118を含んでいる。印刷液体システム116は、カートリッジ受容アセンブリ118内へと挿入された印刷液体カートリッジ120から収集した印刷液体を保持するための、幾つかの容器またはリザーバを有するリザーバアセンブリ122を含んでいてよい。印刷液体は容器またはリザーバから3D印刷プロセスへと、例えば、造形材料エンクロージャーおよび造形プラットフォームの上方の印刷アセンブリまたはプリントバーへと供給されてよい。
3Dプリンター100はまた、プリンター100のコンピューティングシステムまたはコントローラと関連している、ユーザーの制御パネルまたは制御インタフェース124を含んでいてよい。制御インタフェース124およびコンピューティングシステムまたはコントローラは、プリンター100の制御機能を提供してよい。3Dプリンター100における3Dオブジェクトの製造は、コンピュータ制御の下にあってよい。製造されるオブジェクトのデータモデルおよび自動化された制御が、積層製造および付加製造を指令してよい。データモデルは、例えば、コンピュータ支援設計(CAD)モデル、類似のモデル、または他の電子的ソースであってよい。図29に関して説明するように、コンピュータシステムまたはコントローラは、ハードウェアプロセッサおよびメモリを有していてよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、CPU、ASIC、プリンター制御カード、または他の回路であってよい。メモリは、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含んでいてよい。コンピュータシステムまたはコントローラは、メモリに記憶されプロセッサによって実行されてプリンター100の動作を指令し、本願に記載の種々の技術を容易なものとする、ファームウェアまたはコード、例えば命令、ロジックその他を含んでいてよい。
図2は実施例による、新品フィーダー204を通して搬送システム206内へと新たな造形材料を送出する内部の新品材料容器202を有する、3Dプリンター200の概略図である。類似した参照番号の付された項目は、図1に関して記載した如きである。プリンター200は、リサイクル造形材料をリサイクルフィーダー210を介して搬送システム206へと送出するための、リサイクル材料容器208を含んでいてよい。プリンター200は、フィーダー204、210の作動を調節するためのコントローラを有していてよく、3D印刷のための造形材料の組成および送出速度を維持する。さらにプリンター200は、回収材料216を回収フィーダー214を介して搬送システム206内へと送出するための回収材料容器212を含んでいてよい。搬送システム206は、造形材料を3D印刷のために供給してよい分配容器218へと、造形材料を移送してよい。図示の例においては、分配容器218は3Dプリンター200の上部部分に配置されている。さらにまた、この概略図においては明確化のため、造形材料用の搬送システム206は3Dプリンター200の外側に描かれているが、搬送システム206はプリンター200のハウジングの内部にある。
3Dプリンター200は、造形材料エンクロージャー222に関連する造形プラットフォーム220上において、造形材料から3Dオブジェクトを形成してよい。この3D印刷は、造形材料から3Dオブジェクトを生成させるために、選択的積層焼結(SLS)、選択的加熱焼結(SHS)、電子ビーム溶融(EBM)、加熱融合、および融合材、または他の3D印刷および付加製造(AM)テクノロジーを含んでいてよい。回収される造形材料224、例えば、固化されなかったまたは余剰の造形材料は、造形材料エンクロージャー222から回収されてよい。回収された造形材料224は処理されて、回収材料容器212に戻されてよい。
さらに、プリンター200は、水平軸またはほぼ水平な軸に沿ってユーザーが挿入した造形材料容器を保持するための、新品供給ステーション112およびリサイクル供給ステーション114を含んでいてよい。供給ステーション112および114は、3D印刷用の新品造形材料またはリサイクル造形材料を、新品材料容器202およびリサイクル材料容器208へとそれぞれ供給してよい。さらに、搬送システム206は、回収材料216をリサイクル供給ステーション114に戻してよい。回収材料216は、リサイクル供給ステーション114に挿入された造形材料容器へと追加されることによって積み下ろされてよく、またはリサイクル供給ステーション114を介してリサイクル材料容器208へと転送されてよい。
最後に、上記したように、第1の材料および第2の材料を含む造形材料は、粉末であってよい。粉末は、大きさの分散が小さな、ビーズまたは他の形状の小さな固体のような、流動し空気流で搬送されてよい粒状材料であってよい。本願で使用するところでは、造形材料としての用語「粉末」は、例えば、粉末化された、または粉末状の材料を示し、3D印刷ジョブにおいて積層され、エネルギー源を介して焼結され、または融合剤を介して、または融合剤およびエネルギー源を介して融合されてよい。幾つかの例においては、造形材料は、溶剤バインダーのような化学的バインダーまたは反応促進剤を使用して、ある形状に形成されてよい。造形材料は例えば、幾つかの種類の造形材料の中でも特に、半結晶性熱可塑性材料、金属材料、プラスチック材料、複合材料、セラミック材料、ガラス材料、樹脂材料、またはポリマー材料であることができる。
図3は実施例による、3Dプリンター300のブロック図である。類似した参照番号の付された項目は、図1および図2に関して記載した如きである。この図面に示されているように、材料の流れは、別途参照番号を付されていてよい搬送ラインまたは導管に沿って置かれた、参照番号付きの矢印によって示されている。この例においては、3Dプリンター300は、ロータリーフィーダー、オーガー、またはスクリューフィーダーのようなフィーダー204を介して、第1の空気圧搬送システムのような搬送システム302へと新品材料を送出する、新品材料容器202を有していてよい。フィーダー204は、新品材料を搬送システム302の導管内へと落下させてよい。フィーダー204は材料の送出を計量または規制してよく、または別の仕方で新品材料容器202から第1の搬送システム302内への新品材料の所望量の分配を容易にする。加えて、3Dプリンター300は、リサイクル材料をフィーダー210を通じて第1の搬送システム302内へと送出するリサイクル材料容器208を含んでいてよい。
新品材料容器202は、重量センサー304および充填レベルセンサー306を有していてよい。同様に、リサイクル材料容器208は重量センサー308および充填レベルセンサー310を有していてよい。プリンター300のコントローラ312は、図29に関して説明されるように、重量センサー304および308によって提供される材料送出量または速度の指示に応じて、フィーダー204および210の動作を調節してよい。コントローラはフィーダー204および210の動作を調節して、新品材料とリサイクル材料の所望の比率を維持してよい。本願に記載の例では、コントローラ312は、造形材料容器からの造形材料の送出、または造形材料容器への造形材料の積み下ろしを制御してよい。
3Dプリンター300は、水平軸に沿って新たな造形材料を円筒形ケージに追加するために造形材料を保持する、新品供給ステーション112を含んでいてよい。新品材料容器302は、新品供給ステーション112によって保持された造形材料容器から、新たな造形材料を受け取ってよい。本願で記載するように、新品供給ステーション112は、造形材料容器が存在するかどうかを判定(決定)し、そして造形材料容器からの造形材料の送出を制御するために、幾つかのセンサーおよびアクチュエータを含んでいてよい。センサーは、新品供給ステーション112および造形材料容器の重量を判定するために使用されてよい、重量測定装置314を含んでいてよい。アクチュエータは、造形材料を新品材料容器202へと送出するための第1の角度方向へと円筒形ケージを回転させるためのモーター316を含んでいてよい。
円筒形ケージの回転数を使用して、造形材料容器から予想された量の造形材料を送出するよう制御してよい。したがって、モーター316はステッピングモーターー、サーボモーター、または回転数および回転速度を制御するよう使用されてよい他の種類のモーターであってよい。幾つかの例においては、パルス幅変調またはパルス周波数変調を使用したモーターのような、制御された速度を有するモーターを、回転数をカウントするセンサーと共に使用してよい。例えば、本願で記載するようなベース位置センサーを使用して、回転数をカウントしてよい。
3Dプリンター300は、リサイクル材料のための造形材料容器を保持するリサイクル供給ステーション114を含んでいてよい。新品供給ステーション112について記載したように、リサイクル供給ステーション114は、造形材料容器が存在するかどうかを判定し、そして造形材料容器から例えばリサイクル材料容器へのリサイクル造形材料の配送を制御するために、幾つかのセンサーおよびアクチュエータを含んでいてよい。センサーは、リサイクル供給ステーション114および造形材料容器の重量を判定するために使用されてよい、重量測定装置318を含んでいてよい。アクチュエータは、造形材料をリサイクル材料容器208へと送出するための第1の角度方向へと円筒形ケージを回転させるためのモーター320を含んでいてよい。リサイクル供給ステーション114はまた、円筒形ケージを第1の角度方向とは反対の第2の角度方向へと回転させて、回収材料またはリサイクル材料を造形材料容器に追加する。
新品供給ステーション112およびリサイクル供給ステーション114はまた、本願でより詳細に説明する機能を提供するための、幾つかの他のセンサーおよびアクチュエータ322を含んでいてよい。これら他のセンサーおよびアクチュエータ322は、特に、造形材料容器が供給ステーション内に固定されているかどうかを判定するラッチセンサー、および造形材料容器がベース位置にあるかどうかを判定する位置センサーを含んでいてよい。本願で使用するところでは、ベース位置は、供給ステーション112または114へと挿入した後の、造形材料容器の初期位置である。ベース位置においては、支持構造体上にあるセンサーおよびアクチュエータ322が、円筒形ケージと相互作用してよい。さらに、センサーおよびアクチュエータ322は、特に、造形材料容器上のバルブを作動させるため、例えばバルブを開放または閉鎖するための、または読み取りヘッドを造形材料容器上の情報チップへと前進させるためのアクチュエータを含んでいてよい。
本願で記載するように、プリンター300は、回収材料216を回収フィーダー214を介して第1の搬送システム302内へと送出する、回収材料容器212を含んでいてよい。回収材料容器212は、重量センサー324および充填レベルセンサー326を含んでいてよい。したがって、造形材料328は、リサイクル材料容器208からのリサイクル材料および新品材料容器202からの新品材料に加えて、回収材料容器212からの回収材料216を含んでいてよい。
搬送空気は第1の搬送システム302を通って流れてよい。フィルター付きマニホルドまたは開放導管のような空気取入口が、第1の搬送システム302用の搬送空気として、空気(例えば周囲の空気)を受容し、引き込み、および/または濾過する。この空気はまた、以下で記載する第2の搬送システムのために使用されてよい。第1の搬送システム302は、造形材料328、例えば容器202および208それぞれからの新品材料とリサイクル材料の混合物を搬送してよい。幾つかの場合には、造形材料328はまた回収材料216を含んでいてよい。図示の例においては、第1の搬送システム302は、分配容器332と関連するセパレーター330へと造形材料328を移送してよい。分配容器332は供給ホッパーであってよい。セパレーター330は、サイクロン、スクリーン、フィルター、その他を含んでいてよい。セパレーター330は、搬送空気334を造形材料328から分離してよい。
搬送空気334が分離された後に、造形材料328は分配容器332へと流動してよい。フィーダー336が造形材料を分配容器332から受容し、そして造形材料を造形材料取り扱いシステム338へと3D印刷のために送出してよい。分配容器332は、充填レベルセンサー340を有していてよい。充填レベルセンサー340は、分配容器332内の造形材料のレベルまたは高さを測定し表示してよい。
第1の搬送システム302は、造形材料328を分流バルブ342を介して転送してよい。転送された材料344は、サイクロン、フィルター等といったセパレーター348を通して、代替容器346へと送られてよい。この代替容器346は、転送された材料344をフィーダー350および分流バルブ352を介して、供給ステーション114にある造形材料容器、またはリサイクル材料容器208の何れかへと送出してよい。本願の例に記載されているように、分流バルブ352は、造形材料容器からリサイクル造形材料を分配するように使用されるバルブ機構の一部分であってよい。
分流バルブ342による造形材料328のリサイクル材料344としてのこの転送は、例えば造形材料328が主としてリサイクル材料または回収材料216である場合に生じてよい。これは、例えば材料を分流バルブ352を介して造形材料容器へと転送することにより、材料を積み下ろすために行われてよい。他の例においては、リサイクル材料344は分流バルブ352によってリサイクル材料容器208へと送られてよい。他の材料容器と同様に、代替容器346は充填レベルセンサー354を有していてよい。
代替容器346と関連しているセパレーター348は、搬送空気356を造形材料328から除去してよい。搬送空気356が造形材料328から除去された後に、造形材料328はセパレーター348から代替容器346内へと放出されてよい。図示の例においては、セパレーター348からの搬送空気356はY字継手継手358へと流れてよく、そこで搬送空気356は、分配容器332と関連するセパレーター330からの搬送空気334と組み合わせられる。Y字継手358は、2つの入口と1つの出口を有する導管継手であってよい。組み合わせられた搬送空気360はY字継手358から、第1の搬送システム302の動力部品362によって引き出され、そして環境へと、またはさらなる処理のために追加設備へと放出364されてよい。幾つかの例においては、組み合わせられた搬送空気360は、動力部品362によって引き出されるに際して、フィルター366を通って流動してよい。フィルター366は放出364が行われる前に、搬送空気360から粒子を取り除いてよい。
動力部品362は、造形材料を移送するために第1の搬送システム302において搬送空気に動力を適用する。動力部品362は、送風機、排出機、放出機、真空ポンプ、圧縮機、または他の動力部品であってよい。第1の搬送システム302は全体として空気圧搬送システムであるから、動力部品は典型的には、遠心送風機、ファン、軸流送風機、およびその他といった送風機を含んでいてよい。
3D印刷については、上記したように、分配容器332は造形材料328をフィーダー336を介して造形材料取り扱いシステム338へと送出してよい。フィーダー336および造形材料取り扱いシステム338は、所望量の造形材料328を造形プラットフォーム368を横切って、例えば層をなして提供してよい。造形材料取り扱いシステム338は、造形材料を造形材料エンクロージャー370内の造形プラットフォーム368へと適用するために、供給装置、剤投与装置、造形材料アプリケーターまたは粉末拡延装置、その他を含んでいてよい。プリンター300は、造形プラットフォーム368上の造形材料328から3Dオブジェクトを形成してよい。
3Dオブジェクトが造形プラットフォーム368上で完成または実質的に完成した後、真空マニホルド372が余剰の造形材料を造形材料エンクロージャー370から第2の搬送システム374内へと、回収材料として除去してよい。幾つかの例においては、第2の搬送システム374は使用されない。例えば、余剰の造形材料は3Dオブジェクトと共に積み下ろしされ、または独立型の真空装置によって除去されてよい。
第2の搬送システム374が使用される場合には、それは回収材料をサイクロンまたはフィルター376を介して搬送して、回収材料を搬送空気378から分離してよい。搬送空気378は、第2の搬送システム374の動力部品380を通じて放出される。搬送空気378から粒子を除去するために、フィルターが含まれていてよい。動力部品380は送風機、ファン、排出機、放出機、真空ポンプ、または他の種類の動力部品であってよい。この例においては、回収材料はサイクロンまたはフィルター376から送出されてふるい382に入ってよく、そこにおいて3Dオブジェクト中へと取り込まれなかった固化した造形材料のような、大きな粒状物が除去されてよい。ふるい382は、ふるい382における固形材料のレベルまたは高さを監視する充填レベルセンサー384を有していてよい。
大きな粒状物が分離された後に、回収された造形材料は回収材料容器212に入ってよい。幾つかの例においては、回収材料は、サイクロンまたはフィルター376、ふるい382、および回収材料容器212を迂回して、点線396によって示されているように、第1の搬送システム302の導管へと流入してよい。3Dプリンター300の容器、搬送システム、および関連設備は、圧力センサーおよび温度センサーその他のような機器を含んでいてよい。
3Dプリンター300は、航空宇宙(例、航空機)、機械部品、医療機器(例、インプラント)、自動車部品、ファッション製品、構造化および導電性金属、セラミック、およびその他のためのプロトタイプまたは製品として、オブジェクトを製造してよい。1つの例では、3Dプリンター300によって形成された3Dオブジェクトは機械部品であり、金属またはプラスチックであってよく、そして他の製造技術、例えば、特に射出成形またはブロー成形によって生成された機械部品と等価または類似であってよい。
本願において提示される例は、造形材料を3Dプリンターの内外へと移動させるための供給ステーションを説明している。この材料は造形材料容器に入れて供給されてよく、この容器は新たな造形材料と共に購入されてよく、空になった場合はリサイクル造形材料について使用されてよい。さらに融通性を持たせるべく、3Dプリンターから積み下ろされる造形材料を収納するため、造形材料容器は空のときに購入してよい。これは、3Dプリンターに使用される造形材料の種類を変更する場合に都合がよい。
これらの機能を果たすために、造形材料容器は、供給ステーション内の固定支持構造に支持された円筒形ケージに水平に、または実質的に水平に固定されてよい。供給ステーションは、造形材料容器の端部中央にあるバルブを、そのバルブを水平軸に沿って外側へとスライドさせることによって開放してよい。供給ステーションは次いで、円筒形ケージを水平軸の周囲で適切な方向に回転させることにより、材料を造形材料容器の内外へと移動させてよい。円筒形ケージの第1の角度方向への回転は、造形材料を造形材料容器から分配するために使用されてよく、これに対して円筒形ケージの第2の、または反対向きの角度方向への回転は、造形材料を造形材料容器へ戻るよう追加するために使用されてよい。これらの動作は、図4Aおよび図4Bを参照してより詳細に説明する。
図4Aおよび図4Bは実施例による、3Dプリンター用の供給ステーション112および114の概略図である。類似した参照番号の付された項目は、図1および図3に関して記載した如きである。図4Aにおいて、新品供給ステーション112はリサイクル供給ステーション114よりも僅かに高い位置に配置されていてよいが、これ新品供給ステーション112はリサイクル材料を造形材料容器に追加するようには構成されておらず、したがって新品供給ステーション112の上側にスペースをそれほど必要としないからである。対照的に、リサイクル供給ステーション114はリサイクル造形材料404を分配し、または回収された造形材料406を受容してよい。図4Aに示された、例えば新品供給ステーション112がより高い位置にある、供給ステーション112および114の角度のついた配置は、供給ステーション112および114を相互により近く配置することを可能にしてよく、3Dプリンターにおける空間をさらに節約する。
供給ステーション112および114の各々は、円筒形ケージ410を保持する固定支持構造408を有している。駆動モーター409が使用されて、円筒形ケージ410をそれぞれの供給ステーション112または114において回転させてよい。リサイクル供給ステーション114については、造形材料を造形材料容器から分配し、または造形材料を造形材料容器に追加するために、駆動モーター409は円筒形ケージ410を何れの角度方向に回転させてもよい。
供給ステーション112および114の両方において、円筒形ケージ410は平坦表面412を有している。造形材料容器414は対応する平坦表面416を底部に有し、この底部は円筒形ケージ410の平坦表面412上に載置されている。従って、造形材料容器414は、リサイクル供給ステーション114について図4Bに示されているように、水平軸420に沿って供給ステーション内へと挿入418されてよい。平坦表面412は、供給ステーション112または114内において、造形材料容器414をベース位置に配向させる。ベース位置は、読み取りヘッド422を造形材料容器414に設けられた情報チップ424と整列させるのを助ける。
造形材料容器414が供給ステーション112または114に挿入されるに際しては、ラッチ機構426がラッチ428を解放して、造形材料容器414にある対応する凹部430に係合させてよい。ラッチ428が係合したことが、ラッチセンサー432によって判定されたなら、読み取りモーター434によって、読み取りヘッド422が情報チップ424に向けて前進されてよい。情報チップ424が読み取りまたは書き込みを行っている間に、円筒形ケージ410をベース位置に保持するために、ブレーキ436を使用してよい。本願に記載する幾つかの例においては、ブレーキ436は、読み取りヘッド422が情報チップ424に向けて移動されている間に適用されてよい。円筒形ケージ410がベース位置にあるという判定は、位置センサー438によって行われてよい。情報チップ424上にある情報が、造形材料容器414内にある材料の種類が間違っているといった問題点を示す場合には、造形材料容器414の取り出しを可能にするために、ラッチモーター440を使用して、ラッチ428を後退させ解除してよい。
情報チップ424上の情報が、材料の種類が正しいことを示す場合には、造形材料容器414は計量してよい。これは供給ステーション112または114にある歪みゲージ442を使用して行ってよい。固定支持構造408は、プリンター内に、枢動ロッド444を使用して設けてよい。枢動ロッド444は、固定支持構造408が歪みゲージ442に対して載置されることを許容してよい。本願で記載するように、造形材料容器414内の造形材料は均一でない場合があり、そのため、円筒形ケージ410はモーター409を使用して前後に揺動されてよく、各々の側が高い点において停止されて、歪みゲージ442から読み取りが行われる。これらの読み取りは平均されて、固定支持構造408についての重量が判定されてよく、次いでこれが使用されて造形材料容器414の重量が判定されてよい。造形材料容器414の重量が、情報チップ424から読み取られる予想される重量に合致しない場合には、円筒形ケージ410はベース位置に戻され、そしてラッチモーター440がラッチ428を後退および解除して、造形材料容器414の取り出しを可能にしてよい。例においては、測定重量に対する予想重量の合致は、約5%の範囲内、約10%の範囲内、または約15%の範囲内にあってよい。合致についての誤差の範囲は、関連する材料に基づいて選択されてよく、例えば自己凝集率が高い材料は臨界角が大きく、重量測定における誤差の増大がもたらされる。この場合は、より高い誤差範囲を選択することがより適切である。逆に、容易に流動する材料は非常に低い臨界角を有していてよく、重量測定はより正確になり、合致についてより小さな誤差範囲を選択することにつながる。このことは、造形材料容器に追加された材料の種類を確認することが恐らく可能でない、3Dプリンターの外部から造形材料で再充填された造形材料容器の使用を妨げてよい。このことは、非互換性の、または不適切な造形材料が3Dプリンターに使用されることを防止するのに役立つ。
新品供給ステーション112は、造形材料容器414上のオーガーバルブ448を開放するための、分配バルブ機構446を有している。造形材料容器414を保持している円筒形ケージを、例えば時計回り方向に回転させることは、次いで新たな造形材料402を造形材料容器414から分配させるために使用されてよい。造形材料容器414が回転されると、造形材料容器414内に成形された螺旋状の差し込み溝450が、造形材料を造形材料容器414の前面に向けて移動させてよい。造形材料容器414内に配置されたアルキメデススクリュー452は、材料を造形材料容器414の側壁からヘッド454の中央にあるオーガーバルブ448へと搬送してよい。オーガーバルブ448は次いで、材料を分配バルブ機構446へと搬送してよい。例えば造形材料容器414の設定された回転数によって判定されるところにより、所望量の材料が分配されたならば、分配バルブ機構446はオーガーバルブ448を閉鎖してよい。
同様に、リサイクル供給ステーション114は分流バルブ機構456を有している。この分流バルブ機構456は材料を分配する場合、新品供給ステーション112の分配バルブ機構446に類似の仕方で動作してよい。しかしながら、分流バルブ機構456はまた、造形材料容器414への回収造形材料406の積み下ろしを許容してよい。分流バルブ機構456が造形材料容器414上にあるオーガーバルブ448を開放した場合、分流バルブは回収造形材料406をオーガーバルブ448へと差し向けてよい。造形材料容器414を保持している円筒形ケージは、分配機能とは反対向きの方向に、例えば反時計回り方向に回転されてよい。オーガーバルブ448は材料をアルキメデススクリュー452へと搬送し、これは材料を造形材料容器414の側壁へと差し向ける。造形材料容器414にある溝は、材料をアルキメデススクリュー452から造形材料容器414内へと戻すよう搬送するのを補助してよい。
さらに、積み下ろし機能は、分配機能よりも速い回転速度において実行されてよい。例えば、分配機能は造形材料容器414を保持している円筒形ケージ410を第1の角度方向に、毎分約60回転(rpm)、45rpm、30rpm、またはそれ未満で回転することによって行われてよい。これに対し、積み下ろし、すなわち再充填機能は、造形材料容器414を保持している円筒形ケージ410を第2の角度方向に、約90rpm、120rpm、またはより高速で回転することによって行われてよい。
分流バルブ機構456はまた、造形材料容器414を迂回するために使用されてよい。例えば、分流バルブ機構456がオーガーバルブ448について閉鎖位置にある場合、分流バルブはライン458によって示されているように、回収造形材料406をリサイクル供給ステーション114を通過して、図2に関して記載したように、リサイクル材料容器208内へと差し向けてよい。
図4Aおよび図4Bに関して記載された構造的特徴のより詳細な例が、以下の図面に示されている。これらの図面は、詳細な構造を含んでいる実施のための例を提供するものであるが、特許請求の範囲は実施例に示された構造に限定されるものではなく、同じ動作を実施する他の構造を包含することが留意される。例えば、円筒形ケージ410は、他の幾何学的プロファイルを有するケージによって置き換えてよい。さらに、幾つかの例においては、造形材料容器414は円筒形ケージ410を使用することなく、直接的に回転させてよい。
図5は実施例による、3Dプリンター用の供給ステーション112および114の正面図の図面である。類似した参照番号の付された項目は、図1、図3、および図4に関して記載した如きである。図5は、円筒形ケージ410の平坦表面412から上方へと突出する作用表面502を示している。作用表面502は、分配バルブ機構446または分流バルブ機構456に近接して、供給ステーション112または114の背面に向けて配置されている。図4をも参照すると、造形材料容器414が供給ステーション112または114の内部に挿入されると、造形材料容器414の正面下側の表面が作用表面502に接触する。造形材料容器414をさらに挿入すると作用表面502が移動され、ラッチ428が解放されて造形材料容器414を供給ステーション112または114に固定する。
リサイクル供給ステーション114について説明されているように、モーター409は円筒形ケージ410へと、双方向ベルトテンショナー506を通された駆動ベルト504を介して結合されていてよい。双方向ベルトテンショナー506は、モーター409が円筒形ケージ410を何れかの方向に、例えば、造形材料容器414から材料を分配するために第1の角度方向508に、または造形材料容器414に材料を追加するために第2の角度方向510に回転させることを許容する。こうした動作のためのこれらの角度方向508および510は、造形材料容器414の設計に応じて、図示された角度方向から逆にされてよい。類似の結合が新品供給ステーション112に使用されるが、それは固定支持構造408の一部分512によって覆い隠されている。供給ステーション112および114の両方について、各々の角度方向508および510において造形材料容器414を前後に回転させることは、本願で記載するように、例えば造形材料容器414における安息角を補償すべく、造形材料容器414内の材料を計量するために使用されてよい。
読み取りおよびブレーキ機構514もまた図5において看取される。これについては図20から図26を参照して詳細に説明する。
図6は実施例による、3Dプリンター用の供給ステーション112および114の斜視図の図面である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図6においては、ラッチ428は供給ステーション112および114の両者において、円筒形ケージ410の平坦表面412から上方に延びているのが看取されうる。これは、ラッチ428が造形材料容器414を供給ステーション112または114に固定するために取る位置である。
図7は実施例による、造形材料容器414の側面図の図面である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。これは、造形材料容器414がどのような外観であるかの1つの例である。供給ステーション112および114の設計に応じて、造形材料容器414には他の構成が使用されてよい。この例においては、造形材料容器414内へと成形された螺旋450の設計が、供給ステーション112および114内への挿入に対して造形材料容器414が時計回りの角度方向に回転されるにつれて、造形材料をヘッド454に向けて移動させるのを助ける。
幾つかの例においては、新品供給ステーション112について使用される造形材料容器414は、リサイクル供給ステーション114について使用される造形材料容器414とは異なっていてよい。この容器は、新品材料容器202に対するリサイクル造形材料404の追加、またはリサイクル材料容器208に対する新たな造形材料402の追加を防止するように使用されてよい。本願で記載するように、情報チップ424の使用は、同様にこれを防止するのに役立ちうる。
造形材料容器414は、任意の種類の材料から形成されてよい。この材料には、高密度ポリエチレン(HDPE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびその他が含まれていてよい。オーガーバルブ448およびアルキメデススクリュー452を含む、造形材料容器414のヘッド454は、造形材料容器414の本体と同じまたは異なる材料から作成されてよい。
造形材料容器414は、数ある技術の中でも、ブロー成形、回転成形、または3D印刷によって形成されてよい。オーガーバルブ448およびアルキメデススクリュー452を含む、造形材料容器414のヘッド454の部品は、数ある技術の中でも、射出成形、3D印刷、または機械加工によって形成されてよい。本願で記載する幾つかの例においては、造形材料容器414、造形材料容器454のヘッド、または両者が、高密度ポリエチレンから作成される。
図8は実施例による、造形材料容器414の底面図の図面である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この造形材料容器414の底面図は、図1に関して記載した供給ステーション112および114の平坦表面412に係合してよい、対応する平坦表面416を示している。この底面図はまた、ラッチ428に係合して造形材料容器414を供給ステーション112または114に固定する凹部430を示している。
造形材料容器を供給ステーション112または114と整列させることに加えて、この平坦な底部416はまた、造形材料容器414の貯蔵を容易にする。造形材料容器414は、転動させることなしに平坦な底部上に載置されてよい。
図9は実施例による、造形材料容器414の断面図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図9に示されているように、造形材料容器414のヘッド454はアルキメデススクリュー452を含んでおり、造形材料容器が水平軸420の周囲で回転904されるにつれて、造形材料容器414の側壁902と造形材料容器414の中心にあるオーガーバルブ448との間で材料を搬送する。オーガーバルブ448は、造形材料容器414の内部と造形材料容器414の外部との間で、例えば分配バルブ機構446へ、または分流バルブ機構456の内外へと、造形材料を搬送するように構成されている。
図10は実施例による、造形材料容器414の正面部分の断面図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。オーガーバルブ448の正面は、オーガーバルブ448が水平軸420に沿って造形材料容器414の内外へと移動することを可能にする、取付箇所1002を有している。これは造形材料を分配または受容するために、造形材料容器414を開放することを可能にする。
図11は実施例による、造形材料容器の正面においてオーガーバルブ448に係合するバルブ機構の断面図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この例では、バルブ機構はリサイクル供給ステーション114の分流バルブ機構456である。しかしながら、新品供給ステーション112の分配バルブ機構446にも同様の機構が含まれていてよい。
引張機構1102がオーガーバルブ448の取付箇所1002に係合している。モーターに結合されたスクリューのような作用機構1104、または他の電力アクチュエータが、オーガーバルブ448を造形材料容器414の内外へと水平軸420に沿って移動させてよい。引張機構1102は取付箇所1002を緊密に把持したり、または別の仕方で係合したりせず、取付箇所1002、従ってオーガーバルブ448が、造形材料容器414と共に回転することを許容する。
図12は実施例による、造形材料を3Dプリンター用の供給ステーションにおいて造形材料容器との間で移動させるための方法1200のブロック図である。この方法1200は、造形材料容器が供給ステーションにラッチされた場合にブロック1202で開始される。
例においては、造形材料容器の平坦な底部は、供給ステーションにある円筒形ケージの平坦表面と整列されてよい。造形材料容器は次いで水平軸に沿って供給ステーション内部へと、そして作用表面と接触するように摺動されてよい。造形材料容器がさらに供給ステーション内部へと押し込まれると、作用表面は内側へと押され、ラッチを解放して平坦表面から上方へと延在させる。ラッチは造形材料容器の平坦な底部にある凹部と係合し、造形材料容器を供給ステーションに固定する。
ブロック1204において、造形材料容器の一方の端部の中央にあるバルブは、例えば引張機構によって係合される。ブロック1206において、バルブは、例えば造形材料容器の中心を走る水平軸に沿って造形材料容器から部分的に外側へと摺動させることにより、開放されてよい。
ブロック1208において、造形材料容器は第1の角度方向において連続的に回転されてよく、造形材料をアルキメデススクリューを介して、例えば造形材料容器の側壁または縁部からバルブへと搬送する。本願で記載するように、バルブはアルキメデススクリューから造形材料を受け取り、それを造形材料容器の外側へと搬送するように構成された、オーガーバルブであってよい。ブロック1210において、造形材料は造形材料容器からバルブを介して分配される。
図13は実施例による、造形材料容器414を円筒形ケージ410内に固定するためのラッチ機構426を説明する、水平軸420に沿って整列された円筒形ケージ410の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。
本願で記載するように、造形材料容器414は円筒形ケージ410内へと摺動されるにつれて、例えば円筒形ケージ410の背面1302の付近において、作用表面502と接触する。造形材料容器414により作用表面に対してさらに圧力が加えられると、バネ負荷されたロッド1304が移動され、そしてロック機構1306をラッチ428から引き出す。ラッチ428はバネ負荷されていてよく、そして一旦解放されると、円筒形ケージ410内へと上方に移動してよい。ラッチ428は円筒形ケージ410内で上方に移動するとき、本願で記載するように造形材料容器414にある凹部に係合してよい。
ラッチ428を後退させて造形材料容器414を円筒形ケージ410から解除するために、解除機構1308が使用されてよい。解除機構1308は解除機構を駆動するために、ラッチモーター440を含んでいてよい。モーターに結合されたギア1310が、離脱ロッド1316上のアタッチメント1314に係合する歯止め1312を駆動してよい。離脱ロッド1316が歯止め1312によって引っ張られると、ラッチ428は、例えば平坦表面412の下側で、円筒形ケージ410の底部に引っ込められた初期位置へと戻る。ロック機構1306は次いで、ラッチ428と再係合してよく、それをその場でロックし、そして造形材料容器414が円筒形ケージ410から取り出されることを可能にする。
ラッチ428が解放された場合、フラグ1318は初期位置からラッチ位置へと移動されてよい。ラッチセンサー432を使用して、フラグ1318の状態変化を検出してよく、造形材料容器414が円筒形ケージ410に固定されていることが判定される。
ロック機構1306は、円筒形ケージ410の平坦表面412の下側に構成されていてよい。解除機構1308は、この図には示していない固定支持構造408に設けられる。従って、円筒形ケージ410がベース位置にある場合に、歯止め1312は離脱ロッド1316上のアタッチメント1314に係合してよい。円筒形ケージ410が回転している間、歯止め1312はアタッチメント1314に係合しない。
円筒形ケージ410がベース位置にあるか否かの判定は、位置センサー438によって行われてよい。この例において、位置センサー438は、円筒形ケージ内の平坦表面412から延びている金属製タブ1320が光ビームを遮断しているかどうかを判定する、光センサーであってよい。他の例においては、光センサーに加えて、またはこれに代えて、他のセンサーが使用されてよい。例えば、位置センサーは、円筒形ケージ410上に設けられた磁石を検出するホール効果センサー、円筒形ケージ410上に設けられた反射性表面を検出する光学センサー、およびその他であってよい。
図14は実施例による、ラッチ機構426を説明するための、水平軸420に沿った円筒形ケージ410の底面図の別の図面である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図14は、例えば造形材料容器を円筒形ケージ410内に固定するために、ラッチ428が解放された後のラッチ機構426の別の側面を提供している。作用表面502は、円筒形ケージ410の開口1402から離れるように押し戻されている。本願で記載するように、ラッチ機構426は円筒形ケージ410と共に回転し、例えば位置センサー438によって判定されるところの、ベース位置にあるラッチセンサー432と相互作用する。ラッチ機構426は図15に示すように、円筒形ケージ410を取り外すことによって、より明瞭に看取できる。
図15は実施例による、ラッチ428を解放する前のラッチ機構426の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図15においては、ロック機構1306がラッチ428と係合している。ロック機構1306は、ラッチ428の前面において溝1502内に収まるパネルであってよい。
ラッチ428は、バネ負荷された枢動軸1504によって支持されていてよい。作用表面502が押し戻し1506されると、バネ負荷されたロッド1304はロック機構1306をラッチ428内にある溝1502から引き出す。これはラッチ428が上方1508へと、例えば円筒形ケージ410内へと動き、造形材料容器414にある凹部430と係合することを可能にし、造形材料容器414を円筒形ケージ410に固定する。ラッチが解放位置にあるラッチ機構426は、図16Aおよび図16Bを参照して説明される。
図16Aおよび図16Bは実施例による、ラッチ428が解放された後のラッチ機構426の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この例においてはラッチ428は単一の構造であるが、上方1508へと動いて造形材料容器414に係合する2つの突起1604を有している。ラッチ428が解放されると、フラグ1318もまた、上方1602に向かって動かされてよい。これはフラグ1318をラッチセンサー432から外れるようにしてよく、造形材料容器414が円筒形ケージ410内にラッチされたことを示す。幾つかの例においては、この機能は逆にしてよく、例えば造形材料容器414が所定位置にラッチされた場合に、フラグは検出可能な位置に配置されてよい。
図16Bにおいては、離脱ロッド1316が、ラッチ428においてカム1608または傾斜面上に置かれる交差部片1606に取着されていることが看取される。歯止め1312が離脱ロッド1316を後方1610へと引っ張ると、交差部片1606はカム1608を上方へと摺動し、ラッチ428を下向きに引っ張る。ラッチ428上にある溝1502がラッチ機構1306に到達したなら、バネ負荷されたロッド1304はラッチ機構1306を溝1502に押し戻す。ラッチ428が下方1612に引っ張られると、造形材料容器414は解放される。
図17は実施例による、造形材料容器を3Dプリンター用の供給ステーションに固定するための方法のブロック図である。この方法は、ブロック1702において、造形材料容器が供給ステーションにある円筒形ケージ内へと挿入された場合に開始される。造形材料容器は作用表面と接触するまで、円筒形ケージ内部へと摺動されてよい。ブロック1704において、造形材料容器は作用表面に対して押され、作用表面が移動するように力をかける。
ブロック1706において、作用表面が移動されると、ラッチは支持表面から解放されて、造形材料容器を固定する。本願で記載するように、ラッチは円筒形ケージ内の平坦表面から上方へと解放されて、造形材料容器の底部表面にある凹部に係合してよい。
図18は実施例による、造形材料容器414上にある情報チップ424を読み取るための読み取り機構514を説明するための、水平軸420に沿った円筒形ケージ410の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図面を簡単にするために、他の図面に関して記載した構造は参照符号を付されていない場合がある。情報チップ424は図26に関して説明するように、不揮発性の、または非一時的な、機械読み取り可能なメモリであってよい。情報チップ424は、例えば3Dプリンターの外部で不正確な材料識別子または重量を書き込むといった、不正確な状況の下での書き込みを防止するための、符号化技術のようなセキュリティ機構を含んでいてよい。
読み取り機構514は、図4に関して記載したように、造形材料容器414上の情報チップ424を読み取るための、読み取りヘッド422を含んでいてよい。読み取りヘッド422は、情報チップ424の上側表面にあるコンタクトパッドと電気的な接触を形成するための、バネコンタクト1802を有していてよい。
読み取りヘッド422は、読み取りヘッド422を情報チップに関して、例えば情報チップ424に向かってまたは離れるように移動させるために、読み取りモーター434、またはステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーター、およびその他のような、他の動力アクチュエータを保持するための、プラットフォーム1804上に設けられてよい。ブレーキ436は、円筒形ケージ410をその場に保持することにより、読み取りヘッド422が情報チップ424に接触している間、造形材料容器414の回転を阻止してよい。ブレーキ436はバネ負荷されたパネルであってよく、円筒形ケージ410に沿った凹部1808に挿入され、円筒形ケージ410の回転を阻止するよう設計された突起1806を有する。
ブレーキアクチュエータ1810は、プラットフォーム1804に結合されてよく、そして読み取りヘッド422と共に移動してよい。ブレーキアクチュエータ1810は傾斜面1812を含んでいてよく、これは読み取りヘッドが円筒形ケージ410および円筒形ケージ410内に固定された造形材料容器414から引き離されるにつれて、ブレーキ436の突起1806を円筒形ケージ410の凹部1808から持ち上げる。ブレーキアクチュエータ1810が読み取りヘッド422と共に、円筒形ケージ410および円筒形ケージ410内に固定された造形材料容器414に向けて前方へと移動されると、傾斜面1812はブレーキ436の突起1806が円筒形ケージ410の凹部1808に係合することを可能にする。
図19は実施例による、造形材料容器414を保持している円筒形ケージ410の断面図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。情報チップ424は、例えばオーガーバルブ448の近傍で、造形材料容器414のヘッド454の外側表面1902上に設けられていてよい。
図20は実施例による、読み取りヘッド422、プラットフォーム1804、ブレーキ436、およびブレーキアクチュエータ1810を説明するための、読み取り機構514の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この例においては、読み取りヘッド422は後退されており、従ってブレーキアクチュエータ1810の傾斜面1812はブレーキ436の突起1806を持ち上げている。よって、円筒形ケージ410はこの位置において、自由に回転することが可能である。
読み取りヘッド422を情報チップと整列させるために、V字形構造2002が使用されてよい。これは、V字形構造2002が造形材料容器上のタブに重なる際に行われてよい。これについては、図23に関してさらに説明する。
図21は実施例による、読み取りヘッド422が図20に関して説明した後退位置にある状態での、読み取り機構514および造形材料容器414の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この例においては、ブレーキ436が後退されれば、円筒形ケージ410は造形材料容器414を自由に回転させることができる。これについては、図22に関してさらに説明する。
図22は実施例による、読み取りヘッドが後退位置にある状態での、読み取り機構514の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図22に示されているように、ブレーキアクチュエータ1810の傾斜面1812が、ブレーキ436を円筒形ケージ410から離れるように保持している。これは、突起1806が円筒形ケージ410の凹部1808と係合することを妨げ、円筒形ケージ410が自由に回転することを可能にする。
この図面はまた、円筒形ケージ410を固定支持構造408中に支持するために使用されてよい、ローラー2202を説明している。このローラー2202は、円筒形ケージ410が固定支持構造408の内部で回転することを可能にする。
図23は実施例による、読み取りヘッド422が読み取り位置にある状態での、読み取り機構および造形材料容器414の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。
読み取り機構514は、読み取りヘッド422を情報チップ424と整列させるための、整列要素を含んでいてよい。この例においては、整列要素は整列スロット2302を含んでおり、これは造形材料容器414のヘッド454上にある整列タブ2304と係合する。図示されているように、整列スロット2302はV字形構造2002を含んでおり、これは整列タブ2304に重なり、整列スロット2302の背後で細長い開口2306内へと差し向けられている。
読み取り機構514が読み取りヘッド422を読み取り位置に有するとき、ブレーキが係合して造形材料容器414の動きを阻止してよいが、これについてはさらに図24を参照して説明する。
図24は実施例による、読み取りヘッドが読み取り位置にある状態での、読み取り機構の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図24に示されているように、ブレーキアクチュエータ1810の傾斜面1812はブレーキ436から離れるように動かされ、ブレーキ436が円筒形ケージ410に向けて移動することが可能になる。このことは突起1806が円筒形ケージ410の凹部1808に係合することを許容し、円筒形ケージ410が回転することを阻止する。
図25は実施例による、造形材料容器上にある情報チップを読取るための方法2500のブロック図である。この方法2500はブロック2502において、造形材料容器が供給ステーションに固定されたことを検出することで開始される。本願で記載するように、これはラッチに関連するフラグが移動したことを検出することによって行われてよい。
ブロック2504において、造形材料容器がベース位置にあるか否かについて判定が行われる。本願で記載するように、このことは、円筒形ケージの位置に関連するタブを検出することによって行われてよい。
ブロック2506において、ブレーキが適用されてよく、造形材料容器がベース位置に保持されて回転が阻止される。このことは、読み取りヘッドが造形材料容器上の情報チップに向けて動かされるに際して、ブレーキを円筒形ケージに適用することによって行われてよい。ブロック2508においては、読み取りヘッドが前進されて、情報チップと電気的に接触される。
ブロック2510においては、情報が情報チップと交換されてよい。このことは、造形材料容器について予想される重量、造形材料容器内の造形材料の識別子、およびその他といったパラメータを、情報チップから読み出すことを含んでいてよい。造形材料容器についての新たな重量、造形材料容器から分配される造形材料の予想量、造形材料容器に追加される造形材料の予想量、またはこれらの任意の組み合わせといったパラメータが、情報チップに書き込まれてよい。
情報チップとの情報交換が完了したならば、読み取りヘッドは情報チップとの接触から引っ込められてよい。ブレーキは、例えば読み取りヘッドが後方に移動されるにつれて、造形材料容器から解除されてよい。
図26は実施例による、造形材料容器に取着された、非一時的な機械読み取り可能な媒体2600のブロック図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。非一時的な機械読み取り可能な媒体は、造形材料容器に取着された情報チップ424であってよい。例えばプリンターの制御システムにあるプロセッサ2602が、矢印2604によって示されているように、読み取り機構514を介して、非一時的な機械読み取り可能な媒体にアクセスしてよい。
非一時的な機械読み取り可能な媒体2600は、所定量の造形材料を造形材料容器から分配し、所定量の造形材料を造形材料容器に追加し、およびその他といったような造形材料手順を実行するよう、プロセッサ2602に指示するためのコード2606を含んでいてよい。これはまた、造形材料を造形材料容器内で使用するための特別の指令、例えば、他の種類の造形材料、または融合剤、融合設定、およびその他といった、その造形材料について使用されてよい条件を含んでいてよい。さらに、この造形材料手順は、プリンターによって手順が決定された後に、非一時的な機械読み取り可能な媒体2600へと書き込まれてよい。造形材料手順を情報チップに書き込むことは、手順の最中に電力喪失が生じた場合に、バックアップをもたらしてよい。
非一時的な機械読み取り可能な媒体2600はまた、造形材料容器についてのパラメータを含んでいてよい。これは、造形手順が実行される前に、挿入された造形材料容器の予想重量を提供する、初期重量パラメータ2608であってよい。このパラメータには、造形材料が造形材料容器から分配されまたは追加された後の造形材料容器の予想重量を提供する、最終重量パラメータ2610が含まれていてよい。
非一時的な機械読み取り可能な媒体2600には、他のパラメータおよび手順も記憶されていてよい。例えば、非一時的な機械読み取り可能な媒体2600は、造形材料容器内の造形材料についての材料の種類を含んでいてよい。非一時的な機械読み取り可能な媒体2600にはコードを記憶させて、材料の種類と予想された材料の種類との間の不一致に応答するように、プロセッサを指示してよい。これらの手順はコントローラによって3Dプリンターに記憶された手順を代替してよく、または追加されるものであってよい。
図27は実施例による、3Dプリンター用の供給ステーションを作動させるための方法2700のブロック図である。この方法2700は3Dプリンターがジョブ命令を受け取った場合に、ブロック2702において開始される。これらは特に、3Dプリンターの制御パネルから3Dプリンターの制御システムへと入力され、ネットワークを介して送信または取得され、または記憶装置から読み出されてよい。記憶装置は、USBドライブ、光学ドライブ、造形材料容器の情報チップ、およびその他を含んでいてよい。
3Dプリンターは命令を処理したならば、ブロック2704において供給ステーションのドアをロック解除してよい。例えば、図1に関して記載したように、ドア108は新品供給ステーション112およびリサイクル供給ステーション114の両方に対するアクセスを可能にしてよい。
ユーザーは供給ステーションを介して造形材料を追加するために、幾つかの動作を行ってよい。例えば、ブロック2706においてユーザーは、供給ステーションに通ずるロック解除されたドアを開放してよい。造形材料容器についての実装手順は、参照番号2708を付されたブロック群に示されている。
実装手順2708の一部として、ブロック2710において、ユーザーは所望の造形材料を保持している造形材料容器からキャップを取り外してよい。造形材料は、新品の造形材料、またはリサイクル造形材料であってよい。ブロック2712において、ユーザーは造形材料容器を供給ステーションに配向させてよい。例えば、造形材料容器の平坦な底部は、供給ステーション内の円筒形ケージの平坦表面上に載置されてよい。ブロック2714において、ユーザーは次いで、造形材料容器を装填してよい。1つの例においてはこれは、造形材料容器が作用表面に接触するまで、造形材料容器を供給ステーション内へと押し込むことによって行われてよい。ユーザーは次いで、造形材料容器が固定されるまで、造形材料容器を作用表面に対して押し入れてよい。
ブロック2716においては、作用表面が移動されるにつれて、ラッチが解放されて造形材料容器が固定される。このラッチの解放は3Dプリンターによって検出されてよく、そしてブロック2718において、読み取り機構が起動されてよい。3Dプリンター用のコントローラは、造形材料容器がベース位置、すなわち回転ホーム位置にあること、そしてラッチが固定されたことを確認してよい。ブロック2720においては、読み取り機構が読み取りヘッドを前進させて、造形材料容器上の情報チップと電気的に接続させてよい。
ブロック2722においては、情報チップが読み取られたか否か、そして取得された情報が造形材料容器を正確な種類の材料容器として識別しているか否かが判定される。例えば、情報チップの読み取りが失敗し、または識別が正しく行われず、または造形材料容器が正しくない造形材料を保持していることが識別された場合には、読み取り動作は失敗である。プロセス制御はブロック2724で再開され、そこにおいて読み取り機構は読み取りヘッドを情報チップから引っ込める。
ブロック2726においては、ラッチが後退されて造形材料容器を供給ステーションから解放してよい。次いでユーザーはブロック2728において、造形材料容器を供給ステーションから取り出してよく、そしてブロック2730において、キャップを造形材料容器に戻してよい。ユーザーは次いでブロック2732において、例えば次の造形材料容器について始めるようにブロック2710に戻ることにより、次の造形材料容器を装填するように指示されてよい。幾つかの例においては、ユーザーが挿入のための次の造形材料容器のキャップ外しに直接動くのであれば、指示は提供されない。
ブロック2722において読み取りがうまく行われたなら、ブロック2734において、特定の造形操作のためのすべての供給材料が実装されたか否かについて判定が行われる。例えばこれは、十分な量の新たな造形材料およびリサイクル造形材料がプリンターに追加されたかどうかを判定することを含んでいてよい。否であれば、プロセスの流れはブロック2732に戻り、次の供給分または融合液容器のような他の供給分が装填される。例えば造形のために、特に、新たな造形材料を保持した1つの造形材料容器、リサイクル造形材料を保持した1つの造形材料容器、および融合液を追加することが必要とされる場合には、ブロック2734における判定は、すべての材料が追加されるまで、ブロック2732へと続けてループバックしてよい。
ブロック2734においてすべての供給物が装填されたならば、ブロック2736においてユーザーは、供給ステーションのドアを閉じてよい。ブロック2738において、3Dプリンター用のコントローラは、供給ステーションのドアをロックしてよい。
ブロック2740において、3Dプリンター用のコントローラは、装填された造形材料容器の重量を測定してよい。本願の例において記載されているように、これは造形材料容器を保持している供給ステーションを支持する歪みゲージから複数回の読み取りを行うことによって実施されてよい。例えば、造形材料容器は、歪みゲージから第1の読み取りを行う前にベース位置から時計回りに所定の角度だけ回転されてよく、次いで歪みゲージから第2の読み取りを行う前にベース位置から同じ角度だけ反時計回りに回転されてよい。これは造形材料が造形材料容器の一方の側または他方の側に片寄って積み上がっている場合に、正確な読み取りを取得するために行われてよい。
この角度は、造形材料容器内の造形材料の種類についての、臨界安息角によって決定されてよい。臨界安息角は、その種類の造形材料が崩れることなく積み上がる、最も急峻な角度である。造形材料の種類に応じて、そして材料粒子の間の摩擦係数に応じて、この角度は0°と90°の間にあってよい。例えば、この角度はベース位置から何れの方向にも20°、ベース位置から何れの方向にも45°、ベース位置から何れの方向にも90°、またはこれらの間の任意の角度であってよい。2つの角度において取得された測定値は次いで、造形材料容器の重量を計算するために使用されてよい。
ブロック2742においては、情報チップから読み取られた予想重量が、造形材料容器について判定された重量と一致するかどうかについて判定が行われてよい。ブロック2742において重量が一致しない場合には、ユーザーにはメッセージで警告を行ってよく、そしてコントローラはブロック2746においてドアをロック解除してよい。ブロック2748においてユーザーはドアを開放してよく、そしてプロセスの流れはブロック2724に戻って、造形材料容器の取り出しが許容されてよい。
ブロック2743においては、造形材料を造形材料容器から分配し、または造形材料を造形材料容器に追加するための準備が行われてよい。例えば、新品材料容器、リサイクル材料容器、回収材料容器、およびその他における、造形材料のレベル、重量、または両者について測定が行われてよい。さらに、造形材料を造形材料容器に追加する前の重量から、リサイクル材料を保持している造形材料容器内の材料の量を判定してよい。
ブロック2744においては、読み取り機構が読み取りヘッドを前進させて、造形材料容器上にある情報チップとの電気的な接続が確立されてよい。本願で記載するように、造形材料容器がベース位置にあることの確認は、読み取りヘッドを前進させる前に行われてよい。ブロック2746においては、情報チップが読み取られて造形材料容器のパラメータが判定されてよく、または実行されようとする手順の情報チップへの書き込みが行われてよく、または両方が行われてよい。
手順を情報チップに書き込むことは、手順の間に3Dプリンターが電源喪失した場合に、バックアップを提供してよい。例えば、ブロック2748において、所定量の造形材料を分配するのに用いられた回転数が見積もられてよい。これは情報チップに書き込まれてよい。ブロック2750において、読み取りヘッドは、例えば造形材料容器上からブレーキを解除することにより、読み取り機構によって離脱されてよい。
ブロック2752においては、造形材料が分配されるかどうかについての確認が行われる。分配されるのであれば、プロセスの流れは分配手順2754へと進む。この分配手順はブロック2756で開始され、そこでは例えば情報チップを読み取ることにより、材料の特性がリフレッシュされてよい。ブロック2758においては、造形材料容器上のバルブが開放されてよく、例えばオーガーバルブが水平軸に沿って、造形材料容器から引き出されてよい。ブロック2760においては、造形材料が、例えば新品材料容器内またはリサイクル材料容器内へと、造形材料容器から分配されてよい。造形材料を造形材料容器から分配することは、本願で記載するように、造形材料容器を保持している円筒形ケージを回転することを包含していてよい。分配手順2754が完了したかどうかを判定するために、ブロック2762において、目的の容器が満充填であるか否かについての判定が行われてよく、または回転数が見積もられた回転数に達したか否かについての判定が行われてよい。否であれば、プロセスの流れはブロック2760へと戻り、分配手順2754が継続される。
分配手順2754が完了したならば、円筒形ケージの回転はブロック2764において停止されてよい。ブロック2766においては、例えばオーガーバルブを水平軸に沿って造形材料容器内部へと摺動して戻すことにより、造形材料容器上のバルブが閉じられてよい。ブロック2768においては、例えばブロック2740に関して説明したようにして、造形材料容器の重量測定がされてよい。ブロック2770においては、本願で記載するようにして読み取り機構が係合されてよい。ブロック2772において、情報チップの読み取りまたは書き込みが行われてよい。例えば、造形材料容器の新しい重量が、情報チップに書き込まれてよい。さらに、バックアップがもはや必要とされないであろうことから、完了した手順は情報チップから除去してよい。
ブロック2774においては、造形材料容器を満充填の造形材料容器と置き換えるべきか否かについての判定が行われてよい。置き換えるべきであれば、プロセスの流れはブロック2776へと進んで、造形作業、すなわち印刷ジョブが完了したか否かの判定が行われてよい。否であれば、プロセスの流れはブロック2746へと進んでよく、ドアがロック解除され、別の造形材料容器の挿入が許容される。仮にブロック2776において、ジョブが完了していると判定された場合には、プロセスの流れはブロック2702に進んでよく、別のジョブについてのジョブ命令を待つことになる。
もしもブロック2774において、造形材料容器を満充填の造形材料容器と置き換えるべきでないと判定された場合には、プロセスの流れはブロック2778へと進んでよく、造形材料容器を例えばリサイクル供給ステーションにおける空の容器と交換すべきかどうかが判定される。交換すべきであれば、この方法2700はブロック2776へと進んでよく、ジョブが完了したかどうかが判定される。否であれば、プロセスの流れはブロック2780へと進んでよく、造形材料を造形材料容器に追加するかどうかが判定される。
造形材料を造形材料容器に追加すべき場合には、ブロック2782において、回転方向が、造形材料容器に材料を追加するための角度方向に設定されてよい。本願に記載の例では、これはリサイクル供給ステーションについて行われる。回転方向が設定されたならば、プロセスの流れは充填手順2784へと進む。
充填手順2784はブロック2786において、造形材料容器上のバルブを開放することで開始されてよい。これは、ブロック2758に関して説明したようにして行われてよい。ブロック2788においては、造形材料容器は、造形材料が例えばオーガーバルブを介して追加されている間、追加方向に回転されてよい。ブロック2790においては、造形材料容器を保持している円筒形ケージの回転速度は、例えば実行された回転の数によって、造形材料容器が半分充填されたことが判定された場合に、増大されてよい。このことは、造形材料を造形材料容器の壁に向けて、そしてバルブから離れるように移動するのを支援してよい。ブロック2792においては、充填手順2784が完了したか否かについての判定が行われてよい。このことは特に、造形材料の追加を行ってきた容器が空であるか、所定の目標回転数に到達したか、または造形材料容器が満充填であるかを判定することによって、行われてよい。充填手順2784が完了したならば、プロセスの流れはブロック2764に進んでよく、そこで回転運動が停止される。
もしもブロック2780において、造形材料が造形材料容器に追加されないことが判定された場合には、プロセスの流れはブロック2794に進んでよい。ブロック2794においては、例えば回収材料容器からの回収造形材料が、造形材料容器を迂回して、リサイクル材料容器へと直接に追加されてよい。これは図31から図38に関して説明される、分流バルブ機構を使用して行われてよい。
図28は実施例による、供給ステーションを初期化するための方法2800のブロック図である。この方法2800は、造形材料容器が供給ステーション内に固定され、すなわちラッチされたことが検出された場合に、ブロック2802において開始されてよい。ブロック2804においては、読み取りヘッドが造形材料容器上の情報チップと係合する。ブロック2806においては、パラメータが情報チップから読み取られる。これらのパラメータには、特に、造形材料容器内にある造形材料の材料種、造形材料容器の予想重量、または造形材料容器についての手順が含まれていてよい。ブロック2808においては、造形材料容器内の造形材料の材料種が正しくない場合に、造形材料容器に対するラッチが解放されてよい。
図29は実施例による、3次元プリンターにある供給ステーションを作動させるためのコントローラ2900のブロック図である。このコントローラ2900は、3Dプリンター用のメインコントローラの一部、または供給ステーションと関連する別個のコントローラであってよい。
コントローラ2900はプロセッサ2902を含んでいてよく、これはマイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マルチスレッドプロセッサ、超低電圧プロセッサ、組み込みプロセッサ、または他の種類のプロセッサであってよい。プロセッサ2902は、プロセッサ2902および他の部品が単一の集積回路板上に形成されている集積型マイクロコントローラ、またはシステムオンチップ(SoC)のような単一の集積回路であってよい。例として、プロセッサ2902はQuarkTM、AtomTM、i3、i5、i7、またはMCUクラスのプロセッサのような、カリフォルニア州サンタクララのインテル社からのプロセッサを含んでいてよい。使用されてよい他のプロセッサは、カリフォルニア州サニーベールのアドバンスドマイクロデバイス社(AMD)、カリフォルニア州サニーベールのMIPSテクノロジー社からのMIPSベースの設計、アームホールディングスからのARMベースの設計から、またはそれらの顧客、ライセンシーまたは採用事業社から入手されてよい。このプロセッサには、アップル社からのA5−A10プロセッサ、クアルコム社からのSnapdragonTMプロセッサ、またはテキサスインスツルメンツ社からのOMAPTMプロセッサのようなユニットが含まれていてよい。
プロセッサ2902は、バス2906を経由してシステムメモリ2904と通信してよい。所与の量のシステムメモリを提供するために、幾つものメモリデバイスを使用してよい。メモリは、約2GBから約64GBの間、またはより大きな容量であってよい。システムメモリ2904は、スタティックRAM(SRAM)、または例えば、バッテリー、スーパーキャパシタ、またはハイブリッドシステムからのバックアップ電源を有するメモリモジュールのように、電源喪失から保護するため不揮発性メモリデバイスを使用して実施されてよい。
データ、アプリケーション、オペレーティングシステム、およびその他といった、情報の持続的な記憶は、バス2906によってプロセッサ2902に結合された、大容量記憶装置2908によって行われてよい。大容量記憶装置2908は、ソリッドステートドライブ(SSD)を使用して実施されてよい。大容量記憶装置2908に使用してよい他のデバイスには、SDカード、マイクロSDカード、xDピクチャーカード、およびその他のようなフラッシュメモリカード、並びにUSBフラッシュドライブが含まれる。幾つかの例においては、コントローラ2900は、USB接続、SDカードソケット、またはマイクロSDソケットのような、造形プラン、命令、およびその他を備えたすべてのメモリデバイスを挿入するための、アクセス可能なインタフェースを有していてよい。
幾つかの例においては、大容量記憶装置2908は、ハードディスクドライブ(HDD)またはマイクロHDDを使用して実施されてよい。特に抵抗変化型メモリ、相変化型メモリ、ホログラムメモリ、または化学的メモリのような、幾つもの他の技術を大容量記憶装置2908の例に使用してよい。
これらの構成部品は、バス2906を経由して通信してよい。バス2906は、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA)、拡張ISA(EISA)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクステンデッド(PCIx)、PCIエクスプレス(PCIe)、または幾つもの他の技術といった、さまざまな技術を含んでいてよい。バス2908は、例えばSoCベースのシステムで使用されている特許されたバス技術を含んでいてよい。特にI2Cインタフェース、I3Cインタフェース、SPIインタフェース、ポイントツーポイントインタフェース、およびパワーバスのような、他のバスシステムも含まれていてよい。ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)2910が含まれて、クラウド2912またはローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネットのようなネットワークとの通信をもたらしてよい。
バス2906はプロセッサ2902を、3Dプリンターにおける他のデバイスと接続するのに使用されるインタフェース2914および2916と結合してよい。例えば、図3および図4に関して説明したように、センサーインタフェース2914を使用して、造形材料容器が供給ステーションにラッチされたかを検出するためにラッチセンサー2916に結合し、また供給ステーション内のベース位置に造形材料容器があるかを検出するために位置センサー2918に結合してよい。実施例において存在してよい他のセンサーには、特に供給ステーション、新品材料容器、リサイクル材料容器、または回収材料容器のような、種々のコンテナまたは容器の重量を判定するための、重量センサー2920が含まれる。レベルセンサー2922がセンサーインタフェース2914に結合されて、特に新品材料容器、リサイクル材料容器、または回収材料容器のような種々の容器内における造形材料のレベルを監視してよい。
3Dプリンター内の種々のアクチュエータを制御するために、アクチュエータインタフェース2916が含まれていてよい。こうしたアクチュエータには、造形材料容器を供給ステーションから解放するためのラッチモーター2924、および読み取りヘッドを造形材料容器上の情報チップに近接させまたは離隔するように移動させる読み取りモーター2926が含まれていてよい。造形材料容器を保持する円筒形ケージを回転させるために、駆動モーター2928が使用されてよい。駆動モーター2928は、ステッピングモーター、サーボモーター、または供給された電力信号によって回転が制御される他の種類のモーターであってよく、全回転中の毎分の回転数をアクチュエータによって制御することを可能にする。幾つかの例においては、回転数を判定するためにセンサーを使用してよく、例えば新品供給ステーションまたはリサイクル供給ステーションにおける円筒形ケージの回転数を計数するために、位置センサー2918を使用してよい。アクチュエータインタフェース2916はまた、ドアロック2930へと結合されていてよく、これらは造形材料容器が動かされている場合のアクセスを防止するようドアをロックするために使用されてよい。
情報チップとインタフェースするために、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)2932が読み取りヘッド2934に結合されていてよい。2ワイヤ式のI2Cシリアルバスのような他の種類のインタフェースがまた、情報チップを読み取るために使用されてよい。幾つかの例においては、情報チップはRFIシステムを介してアクセスされてよい。
図示されてはいないが、種々の他の入力/出力(I/O)デバイスが、コントローラ2900の内部に存在し、またはこれと接続されていてよい。例えば、造形情報、動作指示、不正確な材料の警告、またはドア、造形材料容器、およびその他の状態に関するメッセージといった情報を示すために、ディスプレイパネルが含まれていてよい。状態についてユーザーに警告を行うために、警報を含めることができる。タッチスクリーンまたはキーパッドのような入力デバイスを含めて、新しい造形その他についての指令のような入力を受容させることができる。
大容量記憶装置2908は、本願で記載するように供給ステーションを制御するためのモジュールを含んでいてよい。大容量記憶装置2908内はコードのブロックとして示されているが、任意のモジュールを全体としてまたは部分的にハードワイヤード回路において、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)内に組み込んで実装してよいことが理解されよう。モジュールは一般に、図27に関して説明した機能を実装するために使用されてよい。
ディレクターモジュール2936は、供給ステーションおよび造形手順をセットアップするための、全体的な機能を実施してよい。これには、ジョブ命令を取得し、造形材料を分配または追加するのに必要とされる回転を見積もり、そしてリサイクル供給ステーションを通過してリサイクル材料容器内へと直接に回収造形材料を移動させるといった、より特定的な手順の1つには含まれない全体的な動作が含まれていてよい。
装填モジュール2938は、図27に関して記載した実装手順2708を実施してよい。これには、造形材料容器を供給ステーションに装填するために使用される動作、特に例えば造形材料容器が正しい種類の材料を含んでいるかを判定し、否であれば造形材料容器を拒絶するといった動作が含まれていてよい。
分配モジュール2940は、図27に関して記載した分配手順2754を実施してよい。これには、造形材料を造形材料容器から分配するために使用される動作、特に例えば分配手順2754の間における造形材料容器の回転数、および造形材料を受け入れる容器のレベルを監視するといった動作が含まれていてよい。
充填モジュール2942は、図27に関して記載した充填手順2784を実施してよい。これには、リサイクル供給ステーションにおいて造形材料容器に造形材料を追加するのに使用される動作が含まれていてよい。
例えば造形モジュール2944を含む、他の機能が存在していてよい。造形モジュール2944は、3Dオブジェクトを形成するための造形手順を指示してよい。
図30は実施例による、供給ステーションを初期化するためのコントローラの単純化されたブロック図である。類似した参照番号の付された項目は、図29に関して記載した如きである。この例においては、コントローラ2900はモジュールを実行するためのプロセッサ2902を含んでいる。造形材料容器が供給ステーション内部に固定されたことをラッチセンサー2916の1つによって判定した後に、造形材料容器のパラメータを確認するため、インストールモジュール2938が含まれていてよい。このインストールモジュール2938は、造形材料容器のパラメータが予想パラメータと一致するかどうかを判定してよく、そしてパラメータが予想パラメータと一致しない場合には、例えばラッチモーター2924の1つを作動させることによって、造形材料容器のラッチを解放する。
図31は実施例による、造形材料を造形材料容器またはリサイクル材料容器へと差し向けるための、リサイクル供給ステーション内の造形材料経路指定機構3100の図である。類似した参照番号の付された項目は、図3および図4に関して記載した如きである。この造形材料機構3100は、造形材料を異なる宛先に差し向けるための分流バルブ機構456を含んでいてよい。
分流バルブ機構456は、上部開口3104、底部開口3106、および正面開口3108を有するバルブ本体3102を有している。正面開口3108はリサイクル供給ステーションの背面に、例えば造形材料容器の挿入箇所の反対側に位置していてよく、そして造形材料容器に結合するように構成されている。幾つかの例においては、フィーダー350からの造形材料は、分流バルブ機構456の上部開口3104から入ってよい。引張機構1102が第1の位置、または閉鎖位置にある場合には、分流バルブ3110は造形材料を上部開口3104から底部開口3106へと差し向けてよい。他の例においては、引張機構1102が第2位置、または開放位置にあり、例えば造形材料容器のオーガーバルブを開放している場合には、分流バルブ3110は造形材料を上部開口3104から正面開口3108へと、造形材料容器に積み下ろしするように差し向けてよい。
図32は実施例による、リサイクル供給ステーションのための分流バルブ機構456の斜視図である。類似した参照番号の付された項目は、図4および図36に関して記載した如きである。この斜視図において、引張機構1102は第1の位置、または閉鎖位置において示されている。この位置において、上部開口3104を介して入った造形材料は、底部開口3106に差し向けられる。
上述したように、分流バルブ機構456は、可撓性カラー3204によってバルブ本体3102に取り付けられた上部摺動プレート3202を含んでいてよい。同様に、底部摺動プレート3206が別の可撓性カラー3208によって、バルブ本体3102に取り付けられてよい。摺動プレート3202および3206は、リサイクル供給ステーションが3Dプリンターに容易に装填または取り外しされることを可能にしてよく、保守を簡単にする。例えばリサイクル供給ステーションは、例えばワイヤーハーネスを取り外して分流バルブ機構456を不能化することにより、取り外してよい。リサイクル供給ステーションを3Dプリンターに保持する1つまたはより多くの固定具を取り外してよく、そしてリサイクル供給ステーションは滑り出されてよい。図2、図3、および図4に関して記載した新品供給ステーションを取り外すために、同様の構造および動作を使用してよい。
何れの供給ステーションも、リサイクル供給ステーションを3Dプリンターへと滑り入れ、摺動プレート3202および3206をフィーダー350およびリサイクル材料容器208と係合させることにより、3Dプリンター内に装填されてよい。供給ステーションをその場に保持するために1つまたはより多くの固定具を装着してよく、そして例えばワイヤーハーネスを接続することにより、供給ステーションのための残りのセンサーおよびアクチュエータと共に、バルブ機構が作動可能とされてよい。
図33は実施例による、リサイクル供給ステーションのための分流バルブ機構456の側部断面図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図31および図32については、引張機構1102は図33における第1の位置、または閉鎖位置に示されている。これは造形材料を上部開口3104から底部開口3106へと差し向ける。
この例においては、作用機構1104が水平軸420に沿って動くにつれて、分流ギア3202が回転されて分流バルブ3110内の分流フラップを動かし、造形材料を底部開口3106に差し向け、または他の例においては、正面開口3108へと差し向ける。
図34は実施例による、リサイクル供給ステーションのための分流バルブ機構456の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図34に示す例においては、オーガーバルブ448は水平軸420に沿って、開放位置へと引っ張られている。この第2の位置、または開放位置において、分流バルブ3110にある分流フラップ3402は造形材料を上部開口3104からオーガーバルブ448へと差し向け、正面開口3108を介して造形材料容器に追加されるようにする。
図35は実施例による、リサイクル供給ステーションのための分流バルブ機構456の別の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。ラックギア3502が作用機構1104に取着されていてよく、例えばラックアンドピニオン構成において分流ギア3302と係合し、そして作用機構1104が水平軸420に沿って移動するにつれて、分流フラップ3402を動かす。この例においては、オーガーバルブ448は水平軸420に沿って開放位置へと引っ張られており、上部開口3104を介して入ってくる造形材料を造形材料容器に追加するようオーガーバルブ448へと供給する位置へと、分流バルブ3402を動かす。
バルブモーター3504または他の動力付きアクチュエータ機構を使用して、作用機構1104を駆動してよい。バルブモーター3504は、ステッピングモーター、サーボモーター、またはアクチュエータ信号によって動作が精密に制御される他のモーターであってよい。幾つかの例においては、バルブモーター3504は単純なACまたはDC駆動モーターであってよく、作用機構1104を第1の位置と第2の位置の間で移動させる。
図36は実施例による、リサイクル供給ステーションのための分流バルブ機構456の別の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図36および図37は、第1の位置または閉鎖位置と、第2の位置または開放位置のそれぞれの比較を提示する。図36に示された例においては、作用機構1104はバルブ引張機構1102を閉鎖位置に移動させており、例えば造形材料容器が存在していればそれを閉鎖している。
この位置において、分流フラップ3402は、上部開口3104を介して入ってくる造形材料を底部開口3106に差し向けるように位置している。例えばこれは、図2に関して記載したように、回収材料216を回収材料容器212からリサイクル材料容器208へと移送するために使用されてよい。幾つかの例においては、造形材料が上部開口3104から底部開口3106に差し向けられているときに、造形材料容器は存在していない。
図37は実施例による、リサイクル供給ステーションのための分流バルブ機構456の別の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。
図37に示した例においては、例えばオーガーバルブを引っ張って造形材料容器を開放することにより、作用機構1104はバルブ引張機構1102を開放位置へと移動させている。この位置においては、分流フラップ3402は、上部開口3104を介して入ってくる造形材料を、造形材料容器に追加するため正面開口3108へと差し向けるように位置している。例えばこれは、図2に関して記載したように、回収材料216を回収材料容器212から造形材料容器へと移送するために使用されてよい。さらに、これはリサイクル材料をリサイクル材料容器208から積み下ろすために使用されてよい。
分流バルブ機構456の切除図はまた、造形材料容器に結合するために使用される、弾性シール3702を示している。この弾性シール3702は、シールリング3706の接触表面と接触させるように造形材料容器を方向付けるためのガイドリング3704を含んでいてよい。図39から図43に関してさらに説明するように、シールリング3706は、分流バルブ機構456と造形材料容器の間で搬送されるに際して、造形材料を保持するように構成されている。
図38は実施例による、リサイクル供給ステーションにおいて分流バルブ機構を作動させるための方法3800のブロック図である。この方法3800はブロック3802において、バルブ本体にある分流バルブが閉鎖位置へと動かされ、造形材料をリサイクルシステムからリサイクル材料容器へと分岐させた場合に開始されてよい。ブロック3804において、分流バルブは開放位置へと動かされてよく、造形材料をリサイクルシステムから造形材料容器に追加する。
図39は実施例による、造形材料容器414が自在に回転することを許容する、例えばバルブ機構の弾性シールにあるシールリング3706と接触している造形材料容器414のヘッド454の切除図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。円筒形ケージは造形材料容器414をシールリング3706と接触して回転させるが、バルブ機構はその場で固定されたままである。シールリング3706はバルブ機構および造形材料容器の間にシールされたチャネルを維持し、これは作動時にバルブ機構または造形材料容器の何れかに造形材料を保持するのを助け、造形材料が失われるのを防止し、または漏出の機会を低減させる。また図1、図4、および図37を参照すると、弾性シール3702は、新品供給ステーション112の分配バルブ機構446、またはリサイクル供給ステーション114の分流バルブ機構456、または両者において使用されてよい。
シールリング3706の材料は、例えば造形材料容器414がシールリング3706と接触して自在に回転することを可能にするために、シールリング3706の接触表面と造形材料容器414との間の摩擦係数が小さくなるように選択されてよい。シールリング3706の接触表面は、シールリング3706のバルク材料と同じか、または異なるものであってよい。
シールリング3706の接触表面、またはシールリング3706の全体について選択されてよい材料には、特に、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロンとPTFEのブレンド、ポリオキシメチレン(POM)、ポリウレタン、またはパーフルオロポリエーテルとのブレンドが含まれていてよい。これらの材料はシールリング3706を被覆するラミネーション中において、またはシールリング3706の全体を形成するために使用されてよい。さらに、造形材料容器414との低い摩擦係数および所望の寿命を達成するために、これらの材料の幾つもの組み合わせが使用されてよい。
ガイドリング3704を形成するために使用される材料は、造形材料容器が供給ステーションから取り出しおよび挿入されることから、長寿命および耐衝撃性をもたらすように選択されてよい。例えばガイドリング3704は、特に、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、または金属から形成されてよい。
図40は実施例による、シールリング3706およびガイドリング3704を取り外した後のバルブ機構の面4002の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この面4002は、シールリング3706の背面にある対応する特徴と係合するための、ノッチ4004またはバルブ機構の面4002上の他の特徴を含んでいてよい。これは、シールリング3706が造形材料容器と共に回転するのを防止するために使用されてよい。さらに図1から図4も参照すると、バルブ機構は新品供給ステーション112の分配バルブ機構446またはリサイクル供給ステーション114の分流バルブ機構456を含んでいてよい。
図41は実施例による、シールリング3706を説明する、バルブ機構の面4002の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この例においては、シールリング3706は、図40に関して説明したノッチ4004のようなバルブ機構上の対応する特徴に係合する、突起のようなシールリング3706の特徴を備えて、バルブ機構の面4002上に着座している。この図面においては、シールリング3706をその場に保持し、そして後に造形材料容器をシールリング3706と接触するように案内するために使用される、ガイドリングは取り除かれている。ガイドリング、およびシールリング3706の取り外しは、供給ステーションの正面から行われてよく、3Dプリンターまたは供給ステーションを余り分解せずに、シールリングを容易に交換できるようになっている。.
図42は実施例による、シールリング3706およびガイドリング3704の裏側の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。図42の例においては、シールリング3706の裏側にある突起4202が示されている。この突起4202はシールリング3706がバルブ機構の面4002に着座するに際して、ノッチ4004と整列されてよい。
図43は実施例による、シールリング3706およびガイドリング3704が装着されたバルブ機構の面4002の図である。類似した参照番号の付された項目は、これまでの図面に関して記載した如きである。この図においては、ガイドリング3706内に形成された案内タブ4302が、明確に看取される。案内タブ4302は挿入の間に造形材料容器と整列し、造形材料容器がシールリング3706と接触するよう差し向けられるのを助ける。造形材料容器が円筒形ケージ内の位置にラッチされたならば、造形材料容器はシールリング3706と接触状態にとどまる。
図44は実施例による、供給ステーション内で造形材料容器を封止するための方法4400のブロック図である。この方法はブロック4402において、造形材料容器が供給ステーションに挿入された場合に開始される。造形材料容器はガイドリングにより、シールリングと接触するよう案内される。ブロック4404において、造形材料容器はバルブ機構内で、シールリングと接触して固定される。ブロック4406において、造形材料容器はシールリングと接触状態で回転される。次いで材料は、バルブ機構内の造形材料容器との間で移送されてよく、その際にシールリングが造形材料が失われるのを防止する。
本技術は種々の修正を受けてよく、および代替的な形態とすることができ、上記した例は例示として示されているものである。この技術は本願に開示した具体的な例に限定されることを意図していないことが理解されよう。実際のところ、本技術は、本件の技術的範囲に包含されるすべての代替例、修正例、および均等物を含むものである。