以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1〜図16は、本発明の一実施の形態及びその変形例を説明するための図である。このうち、図1〜5は、筋力補助装置の一具体例を着用者とともに示している。
図1〜図5に示すように、本実施の形態に係る筋力補助装置10は、着用者Hの体にアシスト力を出力して着用者Hの動作を補助する装置である。筋力補助装置10は、装着具(第2装着具)40と、装着具40にアシスト力を供給する力発生部20と、を有している。図示された具体例において、装着具40は、着用者Hの体に巻き付けられるようにして装着される。そして、本実施の形態の装着具40には、装着された状態での着用者Hに対するずれ等の移動や変形を効果的に防止する工夫がなされている。これにより、この装着具40を有する筋力補助装置10によれば、アシスト力を効率的に着用者Hに作用させることが可能となる。
着用者Hとして、例えば、工場内での作業者、建設現場での作業者、農作業者、介護作業者、介護を受ける者、リハビリ中の患者等が想定される。しかしながら、種々の分野において特に制限されることなく、本実施の形態による筋力補助装置10及び装着具40は適用され得る。
以下、図示された具体例を参照しながら、一実施の形態に係る筋力補助装置10について説明する。以下の説明で用いる「上」、「下」、「左」、「右」等は、起立した筋力補助装置10の着用者Hを基準とした「上」、「下」、「左」、「右」を指すものとする。また、「幅方向」とは、「左右方向」と一致する。
図1〜図5に示された筋力補助装置10は、人体の第1部分P1に取り付けられる第1装着具30と、人体の第2部分P2に取り付けられる第2装着具40と、を有している。このうち、第2装着具40に対して、ずれ等の移動や変形を防止するための工夫がなされている。また、第1装着具30及び第2装着具40の間には、アクチュエータ21,22を含む力発生部(力供給装置)20が設けられている。アクチュエータ21,22の駆動により、第1装着具30及び第2装着具40に力(アシスト力とも呼ぶ)が作用する。これにより、第1装着具30及び第2装着具40は相対移動する。このとき、アクチュエータ21,22からの駆動力は、第1装着具30が取り付けられた第1部分P1と第2装着具40が取り付けられた第2部分P2との相対動作を補助する力として、着用者Hに伝達供給される。
図1〜図5に示された例において、第1装着具30は、上半身の上部、より具体的には、背中の上部または肩部に取り付けられている。一方、第2装着具40は、着用者Hの人体のうちの、胴、とりわけ腰部に取り付けられている。この筋力補助装置10は、腰及び脊椎を屈曲部位とする第1部分P1及び第2部分P2の相対動作を補助する。とりわけ図示された例において、筋力補助装置10は、力発生部20からのアシスト力の出力によって、つまりアクチュエータ21,22の駆動によって、第2装着具40及び第1装着具30を相対動作させることで、図3に示された上体を前に倒して前屈みになった状態から図5に示された上体を持ち上げる動作(背中の伸展動作)を補助する。だし、筋力補助装置10は、以下の説明に限られず、肘、首、腰、股、手首、足首、膝等を屈曲部位(可動部)とする人体の動作を補助するようにしてもよい。
以下、筋力補助装置10の各構成要素である、第1装着具30、第2装着具40及び力発生部20について順に詳述していく。
まず、第1装着具30について説明する。図1〜図5に示すように、第1装着具30は、着用者の第1部分P1に装着可能な第1装着部材32を有している。第1装着部材32は、後述する力発生部20の第1ベース部材27と固定されている。すなわち、第1装着部材32は、第1ベース部材27を人体上に固定するための部材である。図示された例において、第1装着部材32は、第1ベース部材27を人体の上部、とりわけ肩甲骨に対面する位置に保持している。したがって、第1装着部材32は、第1装着具30のうちの力発生部20の第1ベース部材27と直接接続する部位となる。すなわち、力発生部20から第1装着部材32に力が加えられる。第1ベース部材27を介して第1装着部材32に加えられた力は、着用者Hの人体に伝達される。
第1装着部材32は、柔軟な材料、例えば縫製品からなっている。第1装着部材32は、第1ベース部材27を安定して人体上に取り付けることを可能にするよう、構成されている。図示された例において、第1装着部材32は、両肩上および両脇下を通過する四本のベルト状の部分を有している。このような第1装着部材32は、着用者Hの体との間に大きな隙間を形成することなく、着用者Hの体に密着することができる。このような第1装着部材32は、力発生部20から力が出力された際に、その変形や人体上での位置ずれを効果的に抑制することができる。したがって、第1ベース部材27を介して加えられる力を、第1装着部材32を介して、高効率で着用者Hの体に伝達させることができる。
次に、第2装着具40について説明する。図1〜図5に示すように、第2装着具40は、着用者の第2部分P2に装着可能な第2装着部材50を有している。第2装着部材50は、後述する力発生部20の第2ベース部材28と固定されている。すなわち、第2装着部材50は、第2ベース部材28を人体上に固定するための部材である。図示された例において、第2装着部材50は、第2ベース部材28を人体の腰部上に保持している。したがって、第2装着部材50は、第2装着具40のうちの力発生部20の第2ベース部材28と直接接続する部位となる。すなわち、力発生部20から第2ベース部材28に力が加えられる。第2ベース部材28を介して第2装着部材50に加えられた力は、着用者Hの体に伝達される。
第2装着部材50は、腰部上において胴を周回するようにして着用者Hの体に取り付けられる。このような第2装着部材50は、着用者Hの体からの脱落を効果的に防止することができる。ここで、図6〜図9は、第2装着具40の第2装着部材50を示す図面である。このうち、図6及び図7は、環状(周状)となる前の展開された状態で第2装着部材50を示す斜視図である。図8は、環状となっている第2装着部材50を示す斜視図であり、図9は、環状となっている第2装着部材50を模式的に示す平面図である。
図1〜図5に示すように、着用者Hの体が、環状となっている第2装着部材50を貫通する。環状となっている第2装着部材50を着用者Hの体(図示された例では、胴の腰部)が貫通する貫通方向DPは、多くの場合、図示された例のように第2装着部材50の周方向DCに垂直または概ね垂直となる。
本実施の形態による第2装着部材50は、主たる構成要素として、接続部53、固定部60及び変形抑制部55を有している。接続部53は、力発生部20と接続する部分、部材または部品である。固定部60は、接続部53を着用者Hの体に固定するための部分、部材または部品である。変形抑制部55は、力発生部20が発生した力の反力による固定部60の変形を抑制する部分、部材または部品である。図6〜図8に示された具体例において、第2装着部材50は、湾曲維持部65、固定手段70X,70Y及び連結手段75を更に有している。以下、第2装着部材50の各構成要素について順に説明していく。
接続部53は、その背面側に第2ベース部材28を取り付けられる。接続部53は、平板状の部材として形成され得る。接続部53は、金属や樹脂を用いて形成され、高い剛性を付与される。図示された例において、接続部53は、金属製の接続主部材53Aとして構成されている。図8に示すように、接続部53をなす接続主部材53Aの着用者Hに対面するようになる面は、貫通方向DPにおいて湾曲している。接続主部材53Aは、貫通方向DPにおける中央部において、着用者Hに向けて膨出している。接続主部材53Aは、貫通方向DPにおける両端において、着用者Hから離間するようになっている。また、図8に示すように、接続主部材53Aは、周方向DCに貫通した貫通穴53aを形成されている。貫通穴53aは、貫通方向DPに細長い偏平した穴となっている。この貫通穴53aには、変形抑制部55をなす板材55A及び固定部60をなすベルト材60Aが挿入されて貫通している。なお、図示された例では、変形抑制部55及び固定部60が、共通する貫通穴53aを通過しているが、これに限られず、変形抑制部55及び固定部60が、別々の貫通穴を通過するようにしてもよい。また、接続主部材53Aには、複数の締結穴53bが設けられている。図示しない螺子やボルト等の締結具が、この締結穴53bを貫通して板材55A及びベルト材60A、更には力発生部20の第2ベース部材28を、接続主部材53Aに固定する。
図示された例において、変形抑制部55は、板材55Aを有しており、固定部60は、ベルト材60Aを有している。板材55A及びベルト材60Aは、共に、長手方向を有する扁平した部材である。板材55A及びベルト材60Aは、その長手方向が一致するようにして、積層されている。板材55A及びベルト材60Aは、重ねられた状態で、接続主部材53Aの貫通穴53aを貫通して延びている。板材55A及びベルト材60Aの長手方向が、第2装着部材50の長手方向DLを画成している(図6及び図7参照)。そして、第2装着部材50が環状となった状態において、板材55A及びベルト材60Aの長手方向は、第2装着部材50の周方向DCを画成している(図8参照)。
変形抑制部55をなす板材55Aは、後述する弾性変形可能な板状部56X,56Yを構成する。板材55Aは、薄い板状の部材である。板材55Aは、例えば金属や樹脂で作製され、薄板状を維持する剛性を有している。板材55Aは、板ばねとして機能することができる。板材55Aの板面は、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPと平行となる。そして、板材55A(変形抑制部55)は、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPと平行な軸線を中心として弾性曲げ変形可能、言い換えると弾性的に湾曲可能となっている。すなわち、この板材55Aを含んでなる変形抑制部55は、着用者Hの体に密着する方向には変形可能となっている。したがって、着用者Hの体と変形抑制部55(第2装着部材50)との間に隙間を効果的に小さくすることができる。
その一方で、板材55Aは、その板面に沿った弾性剪断変形に対して高剛性を有する。したがって、板材55Aは、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPに沿った弾性剪断変形に対して高剛性を有し、このような剪断変形を規制する。また、板材55Aは、その板面に垂直な軸線を中心とした曲げ変形に対しても高剛性を有する。したがって、板材55Aは、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPと垂直な軸線を中心とした曲げ変形に対しても高剛性を有し、このような曲げ変形を規制する。つまり、この板材55Aを含んでなる変形抑制部55は、着用者Hの体に密着する方向と交差する方向には、着用者Hの体に密着する方向よりも変形しにくくなっている。
なお、板材55A及び変形抑制部55は、外力が加えられていない状態で平板状であるようにしてもよい。板材55A及び変形抑制部55は、外力が加えられていない状態で湾曲していないようにしてもよい。或いは、板材55A及び変形抑制部55は、外力が加えられていない状態で、その長手方向に垂直で且つその板面と平行な軸線を中心として湾曲していてもよい。
図10には、変形抑制部55をなす板材55Aの一例が示されている。板材55Aには、接続部53に挿入された状態で接続部53の締結穴53bと対面する位置に、図示しない締結具に貫通される貫通穴55aが形成されている。また、板材55Aは、その長手方向に離間して、二つの長穴55bを形成されている。図6及び図7に示すように、板材55Aが接続部53に保持された状態で、一方の長穴55bは、板材55Aのうちの接続部53よりも一側となる部分に位置し、他方の長穴55bは、板材55Aのうちの接続部53よりも他側となる部分に位置している。
固定部60をなすベルト材60Aは、柔軟な部材である。図示された例において、接続主部材53A及び板材55Aとともに、図示しない締結具によって貫通され、接続主部材53Aに保持されるようになる。固定部60をなすベルト材60Aは、例えば布等の縫製品として作製された、薄いベルト状の部材である。偏平状のベルト材60Aは、偏平状の板材55Aと平行に重ねられている。柔軟なベルト材60Aは、板材55Aの変形にともなって変形可能である。図示された例において、ベルト材60Aは、板材55Aよりも長い。ベルト材60Aは、板材55Aの両端からそれぞれ外方に延び出している。ベルト材60Aは、第2装着部材50が環状となった場合に、板材55Aよりも内周側に位置する。ここで内周側とは、第2装着部材50が環状となった場合に、人体に近接する側のことである。
図6〜図8に示すように、ベルト材60Aの一側の端部には、連結手段75が設けられている。連結手段75は、ベルト材60Aの他側部分を保持可能となっている。連結手段75がベルト材60Aの他側部分を保持および固定することで、第2装着部材50が環状に維持される。連結手段75は、例えばバックル等の連結具によって構成され得る。
次に、湾曲維持部65について説明する。湾曲維持部65は、変形抑制部55を湾曲した状態に維持する部分、部材または部品である。図示された例において、第2装着部材50は、接続部53の両側にそれぞれ位置する第1湾曲維持部65X及び第2湾曲維持部65Yを含んでいる。図示された例において、湾曲維持部65は、外力が加えられていない様態でも湾曲した状態を維持する湾曲部材65Aを含んでいる。この湾曲部材65Aは、偏平かつ湾曲した部材である。湾曲部材65Aの湾曲の軸線は、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPと平行となる。この例において、変形抑制部55は、湾曲維持部65によって、貫通方向DPと平行な軸線を中心として湾曲した状態に維持される。
湾曲部材65Aは、板材55A上に設けられている。湾曲部材65Aの長さは、板材55Aの長さよりも短い。第1湾曲維持部65Xをなす湾曲部材65Aは、板材55Aのうちの接続主部材53Aよりも一側に位置する部分上に設けられている。第2湾曲維持部65Yをなす湾曲部材65Aは、板材55Aのうちの接続主部材53Aよりも他側に位置する部分上に設けられている。湾曲部材65Aは、板材55Aと重ねて配置されている。板材55Aは、その長手方向において、湾曲部材65Aに沿って延びるようになる。湾曲部材65Aは、板材55Aを湾曲した状態に維持する。すなわち、板材55Aは、湾曲部材65Aの湾曲した形状に沿うようにして、湾曲する。
湾曲部材65Aは、板材55Aの長手方向に直交する方向に沿った両縁をそれぞれ保持する第1縁保持部67a及び第2縁保持部67bを有するようにしてもよい。第1縁保持部67aは、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPにおける一方の側(例えば図示された例では鉛直方向における上側)に位置する板材55Aの縁を湾曲した経路に沿うよう保持する。第2縁保持部67bは、第2装着部材50が環状となった場合に、貫通方向DPにおける他方の側(例えば図示された例では鉛直方向における下側)に位置する板材55Aの縁を湾曲した経路に沿うよう保持する。
図示された例において、湾曲部材65Aは、筒状の部材として形成され、一対の開口66を有している。すなわち、湾曲部材65Aは、両端で開口した通過孔を有している。板材55Aは、ベルト材60Aとともに、湾曲部材65Aを一対の開口66の間で貫通している。開口66は、板材55A及びベルト材60Aの形状に対応して、偏平している。第2装着部材50が環状となった場合に、この開口66は貫通方向DPに沿って細長く延びる。また、図示された例において、湾曲部材65Aの着用者Hの体に対面する側には、組立や軽量化等の少なくともいずれかを目的として抜き穴68が形成されている。
ただし、図示された例に限られず、抜き穴68が、図11に示すように、第2装着部材50の長手方向DLにおける湾曲部材65Aに全長に亘って設けられるようにしてもよい。図11に示された湾曲部材65Aは、板材55A及びベルト材60Aの一方の側縁に沿って延びる第1縁保持部67aと、板材55A及びベルト材60Aの他方の側縁に沿って延びる第2縁保持部67bと、一対の縁保持部67a,67bを連結する連結部67cと、を有している。この湾曲部材65Aは、着用者Hの体に対面する側に開放されている。さらに、図7や図8等に示された例では、板材55A及びベルト材60Aが、共通する通過孔及び開口66を通過しているが、これに限られず、板材55A及びベルト材60Aが、別々の通過孔及び開口66を通過するようにしてもよい。
また、図示された例において、湾曲維持部65(湾曲部材65A)は、第2装着部材50の長手方向DLに沿って、変形抑制部55(板材55A)及び固定部60(ベルト材60A)に対して移動可能となっている。すなわち、湾曲維持部65は、その内部に変形抑制部55及び固定部60が挿通した状態で、変形抑制部55及び固定部60の長手方向に移動可能となっている。湾曲維持部65(湾曲部材65A)の位置を変化させることで、変形抑制部55(板材55A)のうちの湾曲維持部65に沿って湾曲させる領域を変化させることができる。
また、第2装着部材50は、湾曲維持部65(湾曲部材65A)を変形抑制部55(板材55A)に対して固定するための固定手段70X,70Yを有している。第1固定手段70Xは、第1湾曲維持部65Xを変形抑制部55(板材55A)に対して固定する。第2固定手段70Yは、第2湾曲維持部65Yを変形抑制部55(板材55A)に対して固定する。固定手段70X,70Yは、湾曲維持部65X,65Y上に設けられた固定具71を有している。固定具は、例えば湾曲維持部65X,65Y(湾曲部材65A)に保持された螺子、ボルト、クリップ等の締結具として構成され得る。湾曲維持部65X,65Yに保持された固定具71が、例えば変形抑制部55をなす板材55Aの長穴55bに対して噛み合い等により固定されることで、湾曲維持部65X,65Yを変形抑制部55に対して固定することができる。
以上のように構成された第2装着部材50を含む第2装着具40は、次に説明するようにして、着用者Hの体に装着することができる。まず、着用者Hの体の大きさに応じて、湾曲維持部65X,65Y(湾曲部材65A)を変形抑制部55(板材55A)に対して位置決めする。具体的には、湾曲維持部65X,65Yが着用者Hの脇腹に対面する位置に配置されるように、湾曲維持部65X,65Yを位置決めする。次に、接続部53(接続主部材53A)を背中にあてるようにして、着用者Hの後方で第2装着具40を保持する。その後、第2装着部材50を着用者Hの腰回りに周回させる。次に、固定部60(ベルト材60A)の一側の端部に固定された連結手段75によって、固定部60(ベルト材60A)の他側部分を保持する。連結手段75が固定部60の他側部分を保持および固定することで、第2装着部材50が環状に維持される。
以上のようにして、第2装着具40を着用者Hの体に取り付けることができる。着用者Hに装着される際、第2装着部材50が着用者Hの腰回りに沿うように、変形抑制部55(板材55A)は弾性変形して湾曲する。したがって、第2装着部材50と着用者Hの体との間における隙間の形成を効果的に抑制することができる。また、第2装着部材50の湾曲維持部65X,65Y(湾曲部材65A)は、着用者Hの脇腹に対面する位置に配置される。これにより、曲率半径が最も小さくなる脇腹部分においても、第2装着部材50は着用者Hの体に沿って湾曲した状態に維持される。
次に、力発生部20について詳述する。上述したように、力発生部20は、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22を有している。図示された力発生部20は、第1装着具30と接続する第1ベース部材27と、第2装着具40と接続する第2ベース部材28と、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22の間に位置する可動部材26と、を更に有している。
第1ベース部材27は、例えば樹脂や金属等からなり、或る程度の剛性を有した板状の部材となっている。第2ベース部材28も、同様に、例えば樹脂や金属等からなり、或る程度の剛性を有している。図示された例において、第1ベース部材27及び第2ベース部材28は、板状の部材となっている。第1ベース部材27は、第1装着具30の第1装着部材32に取り付けられている。また、第2ベース部材28は、第2装着具40の第2装着部材50に取り付けられている。
可動部材26は、第2ベース部材28に動作可能に接続している。可動部材26は、その下端において第2ベース部材28に接続している。図示された例において、可動部材26は、水平方向を中心とした揺動軸線を中心として、第2ベース部材28に対して揺動可能となっている。第1装着具30に接続した第1ベース部材27と可動部材26との間に、第1アクチュエータ21が設けられている。第2装着具40に接続した第2ベース部材28と可動部材26との間に、第2アクチュエータ22が設けられている。
第1アクチュエータ21は、長手方向を有し、その全長を変化させることができる。第1アクチュエータ21は、両端間の長さを変化させることができる伸縮部材21aを有している。とりわけ図示された例において、第1アクチュエータ21は、その両端間を引き寄せる力、すなわち引っ張り力を出力する。したがって、第1アクチュエータ21は、引っ張り力に対して或る程度の剛性を呈するよう構成されている。図示された第1アクチュエータ21は、引っ張り力に対して或る程度の剛性を呈する伸縮部材21aと、伸縮部材21aの両端にそれぞれ接続した接続具21bと、を有している。
第1アクチュエータ21は、その上端側となる一方側において、接続具21bを介して第1ベース部材27に接続している。第1アクチュエータ21は、その下端側となる他方側において、接続具21bを介して可動部材26に接続している。とりわけ図示された第1アクチュエータ21の可動部材26への接続位置JPは、可動部材26のうちの、第2ベース部材28に対する揺動軸線から離間した上端近傍の部分に接続している。
なお、図2に示すように、図示された筋力補助装置10は、単一の第1アクチュエータ21を有している。しかしながら、筋力補助装置10は、幅方向に並べて配置された複数の第1アクチュエータ21を有するようにしてもよい。
接続具21bは、例えば、金属や皮革からなり、或る程度の引っ張り強度を有している。すなわち、接続具21bは、伸縮部材21aから出力される引っ張り力によって大きく伸びてしまうことなく、当該引っ張り力を装着具30,40に伝達することができる。具体例として、接続具21bは、カラビナのような開閉式のフックにより構成される。カラビナのような開閉式のフックは、複数連結したとしても、引っ張り力に対して有効に抗することができる。また、接続具21bを介した第1アクチュエータ21の装着具30,40への取り付けを容易に行うことができる。さらに、開閉式のフックの数量を変化させることで、着用者の身体に応じて第1アクチュエータ21の長さ容易に調節することができる。
伸縮部材21aは、図示された例において、流体注入型アクチュエータ(いわゆる人工筋肉型アクチュエータ)として構成されている。流体注入型アクチュエータは、バルーンアクチュエータとも呼ばれる。力発生部20は、圧力源23を更に有している(図1参照)。流体注入型アクチュエータは、圧力源23から供給される流体により膨張可能又は拡径可能な部材として、密閉材料(気密材料または液密材料)、例えば軟質塩化ビニール等の樹脂材料やゴムから作製されている。図4及び図5の比較から理解され得るように、伸縮部材21aは、圧力源23から流体を供給されて膨張することで、その全長を短縮させることができる。伸縮部材21aの短縮により収縮力を発揮し、この収縮力が、第1装着具30及び第2装着具40に引っ張り力として作用する。ただし、伸縮部材21aは、流体注入型アクチュエータに限られることなく、ラック及びピニオンの組み合わせ、ボール螺子、カム機構、リンク機構等を含む電動アクチュエータ、流体圧シリンダー、ばね等を、伸縮部材21aとして用いることができる。
次に第2アクチュエータ22について説明する。図示された例において、第2アクチュエータ22は、第2ベース部材28と可動部材26との間に設けられている。第2アクチュエータ22は、第2ベース部材28と可動部材26とに接続している。第2アクチュエータ22が動作することにより、可動部材26が第2ベース部材28及び第2ベース部材28が固定された第2装着具40に対して揺動することができる。第2アクチュエータ22の駆動によって可動部材26が第2装着具40に対して揺動すると、第1アクチュエータ21の可動部材26への接続位置JPは、第2ベース部材28及び第2装着具40から後方に離間することができる。
第2アクチュエータ22は、第2アクチュエータ22は、圧力源23(図2参照)から供給される流体により膨張可能な部材として、密閉材料(気密材料または液密材料)、例えば軟質塩化ビニール等の樹脂材料やゴムから作製されている。一具体例として、第2アクチュエータ22を樹脂製またはゴム製のベローズによって形成することができる。
ただし、第2アクチュエータ22は、図示された例に限られず、種々の構成を採用することができる。例えばWO2016/140361A1に記載された構成を、第2アクチュエータ22として採用することができる。具体的には、ラック及びピニオンの組み合わせ、ボール螺子、カム機構、リンク機構等を含む電動アクチュエータ、流体圧シリンダー、ばね等を、第2アクチュエータ22として用いることができる。また、可動部材26の第2ベース部材28に対する相対動作も、揺動に限られることなく並進動作等、可動部材26が第2ベース部材28及び第2装着具40から後方に離間し得る種々の動作を採用することができる。
なお、図示された例において、圧力源23(図2参照)は、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22の両方に流体を供給することができる。圧力源23から供給される流体として気体や液体を用いることができる。流体注入型アクチュエータからなる第1アクチュエータ21との組み合わせにおいては、圧力源23から気体が供給されることが好ましい。なお、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22が、別々の圧力源から流体を供給されるようにしてもよい。また、第1アクチュエータ21及び第2アクチュエータ22の少なくとも一方が電動アクチュエータとして構成されている場合には、当該アクチュエータへの流体供給を不必要とすることができる。
圧力源23からの流体の供給および供給停止は、制御器15によって、制御される。制御器15は、例えば、圧力源23から各アクチュエータ21,22までの流路に設けられた制御弁の動作を制御することによって、圧力源23からの流体の供給および供給停止を制御することができる。制御器15は、筋力補助装置10に取り付けられたセンサや、筋力補助装置10の着用者からの操作に基づき、圧力源23からの流体の供給および供給停止を制御する。
なお、筋力補助装置10に取り付けられるセンサとしては、変位センサ、速度センサ、加速度センサが例示される。変位センサ、速度センサ、加速度センサのいずれかの検出結果を演算することにより、例えば、第2装着具40及び第1装着具30の相対変位、第2装着具40及び第1装着具30の相対速度、第2装着具40及び第1装着具30の相対加速度、及び、第2装着具40及び第1装着具30の相対ジャークを特定することができる。
制御器15は、一例として、演算手段としてのCPU、アシスト力を制御するためのプログラム及びパラメータを記憶するROM、及び、入力手段やセンサからの入力値や演算結果を一時的に記憶するRAMやROM等の記憶手段を含むマイクロコンピュータと、外部と接続できるI/Oと、を有するようにしてもよい
次に、以上のような構成からなる筋力補助装置10の動作について説明する。
上述したように、図示された筋力補助装置10は、第1装着具30及び第2装着具40を相対動作させることで、腰および脊椎を屈曲部位(可動部)とする着用者Hの第1部分P1及び第2部分P2の相対動作を補助する。とりわけ、筋力補助装置10は、図3に示された前屈みになって荷物Bを把持した状態から図5に示された荷物Bを持ったまま上体を持ち上げる動作を補助する。このときの筋力補助装置10の動作について以下に説明する。
図示された例では、図3に示すように前屈みになって荷物を把持した状態において、制御器15からの制御信号により、第2アクチュエータ22に圧力源23から流体が供給され、力発生部(力供給装置)20の第2アクチュエータ22が動作を開始する。この結果、図4に示すように、可動部材26が、第2装着具40に固定された第2ベース部材28から後方にから離間するように動作する。
第1アクチュエータ21は、可動部材26の上端部分に接続している。そして、第1アクチュエータ21の可動部材26への接続位置JPは、第2アクチュエータ22の駆動による可動部材26の動作によって、着用者Hの体および第2ベース部材28から後方に離間するように動作する。
次に、第1アクチュエータ21が動作を開始する。具体的には、制御器15からの制御によって、圧力源23から第1アクチュエータ21に流体が供給され、図5に示すように第1アクチュエータ21が膨張する。この第1アクチュエータ21の膨張によって、第1アクチュエータ21が短縮する。第1アクチュエータ21の短縮は、第1装着具30に固定された第1ベース部材27を可動部材26に向けて引き寄せるように、第1装着具30及び第2装着具40に作用する。この結果、第1アクチュエータ21から出力された駆動力が、第1装着具30を第2装着具40に対して動作させ、第1装着具30が取り付けられた体の上方部分P1を持ち上げる動作を補助する。
この例において、第1アクチュエータ21の短縮に先立ち、第2アクチュエータ22が膨張する。したがって、第1アクチュエータ21の動作開始前に、第1アクチュエータ21の長手方向が、着用者Hの背中に対して、或いは、第1ベース部材27と第2ベース部材28とを結ぶ方向に対して、より傾斜するようになる。このような第1アクチュエータ21の傾斜は、アクチュエータ21からの出力が、上体を立ち上げるためのより大きなモーメントを引き起こすことになる。すなわち、人体の第1部分P1及び第2部分P2の相対動作の補助に第1アクチュエータ21からの出力を効率的に使用することが可能となる。
なお、図4に示された例では、第1アクチュエータ21の動作の前に第2アクチュエータ22だけが動作している状況において、第1装着具30の第1ベース部材27と可動部材26との間で第1アクチュエータ21が既に張った状態となっている。この状態からの第2アクチュエータ22の更なる膨張動作によって、人体の第1部分P1及び第2部分P2の相対動作を補助することができる。
以上の動作説明では、第2アクチュエータ22がまず動作し、その後に、第1アクチュエータ21が動作する例を示したが、この例に限られない。上述した例と異なり、第1アクチュエータ21が、第2アクチュエータ22の前に動作するようにしてもよい。この例によれば、第1アクチュエータ21の動作時と第2アクチュエータ22の動作時に、人体の第1部分P1及び第2部分P2の相対動作が補助されるようになる。さらに、第1アクチュエータ21の動作と第2アクチュエータ22の動作とが並行して実施されるようにしてもよい。
ところで、背景技術の欄でも説明したように、着用者Hの体に環状に巻き付けられるようにして装着される装着具が高剛性の材料から形成されている場合、装着具の体への密着が不十分となり、体と装着具との間に隙間が形成される。この装着具にアシスト力が作用すると、体に対する装着具のずれや傾斜が生じ、アシスト力の着用者への作用効率が低下する。例えば、装着具140と着用者Hとの間に大きな隙間が形成されていたとすると、図14に示すように、装着具140が着用者Hの体に対して回転しようとする。このとき、図14に示された装着具140の回転中心は、側面視において貫通方向DPに垂直な軸線A1となる。この回転軸線は、概ね、着用者Hの脇腹を通過して水平方向に延びる。
その一方で、この装着具140が柔軟な材料から形成されている場合、着用者Hの体と装着具140との間の隙間を小さくすることができる。ただし、この装着具140にアシスト力が作用すると、装着具140自体にねじれ等の変形が生じ、やはり、アシスト力の着用者Hへの伝達効率が低下する。具体的には、図15に示すように、装着具140は、その側方部分において、貫通方向DPに垂直となる軸線A2を中心として曲げ変形しようとする。また、図16に示すように、装着具140は、その側方部分において、貫通方向DPに剪断変形しようとする。
そして、これらの変形は、接続部から着用者Hの体を挟んで接続部53に対向する位置に至るまでの間の固定部における中間位置において、生じ易くなる。より厳密には、環状となった装着具140のうちの、力発生部で発生した力が加えられる作用位置APから周方向DCに周長の約1/4の長さだけずれた領域において生じ易い。すなわち、環状となった装着具140のうちの作用位置APと作用位置APに対向する(作用位置APから最も離間する)反対位置OPとの間の領域において、変形が生じ易くなる。上述した例では、作用位置APが背中にあることから後方位置となり、反対位置OPが前方位置となり、変形は脇腹近傍の側方領域において生じ易くなる。
なお、図14、並びに、後述する図15及び図16に示された例において、装着具140は、上述した実施の形態の第2装着具40と同様に、体の腰に巻き付けられて装着され、着用者Hの背中側に接続したアクチュエータ121から引っ張り力を受ける。そして、図14、及び、後述する図15及び図16は、装着具140及びアクチュエータ121を側方から模式的に示す側面図である。
一方、本実施の形態において、第2装着具40の第2装着部材50は、力発生部20が発生した力の反力による固定部60の変形を抑制する変形抑制部55を有している。この変形抑制部55は、接続部53から着用者Hの体を挟んで接続部53に対向する位置(反対位置)に至るまでの間の固定部60における中間位置MPX,MPYに配置されている。変形抑制部55は、弾性変形に可能な板状部56X,56Yを含んでいる。また、図示された例において、変形抑制部55は、接続部53の両側に設けられている。
表現を換えると、本実施の形態において、第2装着具40の第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、第1方向(一方向)D1に最も離間した第1中間位置(第1位置、中間位置)MPX及び第2中間位置(第2位置、中間位置)MPYの間に、力発生部20からの力を受ける作用位置APを有している。そして、第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、第1中間位置MPXを内包する周方向DCに沿った第1中間領域MAXに、第1板状部56Xを有している。また、第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、第2中間位置MPYを内包する周方向DCに沿った第2中間領域MAYに、第2板状部56Yを有している。ここで周方向DCに「中間位置を内包」とは、周方向DCに沿って中間位置の一側となる領域と周方向DCに沿って中間位置の他側となる領域との両方を含む、ことを意味している。
とりわけ図示された例では、第2装着具40の第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、その周長の1/4の長さだけ力発生部20からの力が作用する作用位置APから周方向DCにおける一側にずれた第1中間位置MPXを内包する第1中間領域MAXに、第1板状部56Xを有している。また、第2装着具40の第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、その周長の1/4の長さだけ作用位置APから周方向DCにおける他側にずれた第2中間位置MPYを内包する第2中間領域MAYに、第2板状部56Yを有している。
ここで、第1方向D1は、作用位置APと周方向DCに沿って作用位置APから最も離間する反対位置OPとを結ぶ第2方向D2と、大きな角度(例えば45°を超える角度)交差する方向であることが好ましく、第2方向D2と直交する方向であることが好ましい。図示された例において、第1方向D1は、第2方向D2と直交している。また、作用位置APは、周方向DCに沿って第1中間位置MPX及び第2中間位置MPYの中心または中心近傍に位置していることが好ましい。
この図示された例において、作用位置APは、第2装着具40のうちの第2ベース部材28と接続する位置となっている。作用位置APは、第2装着部材50の接続部53に位置している。そして、中間位置MPX,MPYは、着用者Hの最側部(最も側方に位置する部分)に対面する位置である。より具体的には、中間位置MPX,MPYは、多くの着用者Hにおいて曲率半径が最小となる脇腹の位置となっている。
また、中間領域MAX,MAYは、第2装着部材50の周方向DCに沿った領域である。中間領域MAX,MAYは、その周方向DCにおける端部以外の位置に、対応する中間位置MPX,MPYを含んでいる。すなわち、中間領域MAX,MAYは、着用者Hの脇腹の最側部と、最側部よりも前側および最側部よりも後側と、を含んでいる。そして、中間領域MAX,MAYは、作用位置APと反対位置OPとの間に位置し、図15及び図16を参照して説明したように力発生部20からの力の供給時に変形が生じ易くなる領域である。
図示された具体例において、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYに配置された変形抑制部55をなす第1板状部56X及び第2板状部56Yは、弾性部材として構成された単一の板材55Aによって一体的に形成されている。そして、板状部56X,56Yの板面は、概ね貫通方向DPと平行になっている。
したがって、装着時における環状の状態となっている第2装着部材50は、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYに配置された変形抑制部55をなす板状部56X,56Yによって、貫通方向DPと垂直な軸線A2(図15参照)を中心とした曲げ変形に対し高い剛性を有するようになる。これにより、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYにおける第2装着部材50(固定部60)の曲げ変形を効果的に規制することができる。同様に、装着時における環状の状態となっている第2装着部材50は、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYに配置された変形抑制部55をなす板状部56X,56Yによって、貫通方向DPに沿った剪断変形に対し高い剛性を有するようになる。これにより、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYにおける第2装着部材50(固定部60)の剪断変形を効果的に規制することができる。
つまり、本実施の形態によれば、装着時における環状の状態となる第2装着部材50の変形に起因したアシスト力の伝達効率の低下を効果的に回避することができる。
また、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYに配置された変形抑制部55をなす板状部56X,56Yは、貫通方向DPと平行な軸線を中心とした弾性曲げ変形を許容され、着用者Hの体に沿うようにして湾曲することができる。したがって、本実施の形態による第2装着部材50は、まず、着用者Hの体に沿うようにして着用者Hに装着され得る。そして、第2装着部材50と着用者の体との間の隙間を小さくすることができ、この点からまず、第2装着部材50の着用者に対するずれや移動を効果的に抑制することができる。
つまり、本実施の形態において、板状部56X,56Yを含む変形抑制部55は、着用者の体に密着する方向には変形可能である。その一方で、板状部56X,56Yを含む変形抑制部55は、着用者Hの体に密着する方向と交差する方向には当該密着する方向よりも変形しにくく構成されている。したがって、第2装着部材50の着用者に対するずれや移動を効果的に抑制することと、装着時における環状の状態となる第2装着部材50の変形に起因したアシスト力の伝達効率の低下を効果的に回避することと、の両方を実現することができる。
さらに、第2装着部材50の湾曲維持部65X,65Yを、着用者Hの脇腹に対面する位置に配置することもできる。これにより、曲率半径が最も小さくなる脇腹部分においても、第2装着部材50の変形抑制部55及び固定部60を着用者Hの体に沿って湾曲した状態に維持することができる。したがって、第2装着部材50と着用者Hの体との間における隙間の形成を効果的に抑制し、第2装着部材50のずれや移動を効果的に防止することができる。
加えて、図14に示された装着具140の回転は、第1中間領域MAX及び第2中間領域MAYにおける装着部材の着用者Hへの接触をともなう。そして、第2装着部材50が、着用者Hに接触して変形することで、装着具140は更に回転する。これに対して、本実施の形態による第2装着具40では、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を小さくすることができるので、そもそも図14に示された回転を生じにくくすることができる。加えて、このような回転における回転中心となりやすい中間位置MPX,MPYの両側に、上述したように板状形状に起因して変形しにくくなっている変形抑制部55(板状部56X,56Y)が設けられている。さらに、変形抑制部55をなす板状部56X,56Yは曲げ変形しており、この三次元形状によっても、着用者Hと接触した際の変形を効果的に防止することができる。これらのことから、本実施の形態によれば、装着時における環状の状態となる第2装着部材50の着用者Hに対する回転(傾斜)を効果的に防止することができる。
したがって、本実施の形態によれば、装着時における環状の状態となる第2装着部材50の着用者Hに対する相対移動に起因したアシスト力の伝達効率の低下を効果的に回避することができる。
なお、変形抑制部55をなす板状部56X,56Yは、変形の生じ易い中間領域MAX,MAYにおいて、湾曲して三次元形状を有することで、さらにその剛性を向上させる。この点から、貫通方向DPと垂直な軸線A2を中心とした曲げ変形(図15参照)や、貫通方向DPに沿った剪断変形(図16参照)を更に効果的に防止することができる。
以上に説明してきた一実施の形態において、第2装着具40は、着用者Hの体の動作を補助する力を発生する力発生部20と接続する接続部53と、接続部53を着用者Hの体に固定する固定部60と、力発生部20が発生した力の反力による固定部60の変形を抑制する変形抑制部55と、を有している。変形抑制部55は、接続部53から着用者Hの体を挟んで接続部53に対向する位置(反対位置OP)に至るまでの間の固定部60における中間位置に配置されている。とりわけ図示された例において、変形抑制部55は、接続部53の両側に配置されている。このような第2装着具40によれば、固定部60によって接続部53を安定して着用者Hの体に固定することができる。また、変形抑制部55によって、固定部60の変形を抑制することができる。とりわけ、変形抑制部55は、固定部60の変形が生じやすくなる中間位置MPX,MPYに位置していることから、固定部60の変形を効果的に防止することができる。したがって、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)や第2装着具40自体の変形が好適に防止されるので、アシスト力を着用者Hに効率的に伝達することできる。すなわち、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定部60は、接続部53から両側に延び出してそれぞれ接続部53に対向する位置(反対位置OP)まで延びるベルト材60Aを含んでいる。このような固定部60によれば、接続部53を安定して着用者Hの体に固定することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、変形抑制部55は、弾性変形により湾曲可能な板材55Aを含んでいる。このような変形抑制部55によれば、板材55Aが、中間領域MAX,MAYにおいて、貫通方向DPに沿った剪断変形および貫通方向DPに垂直な軸線A2を中心とした曲げ変形に対して高い剛性を有する。したがって、第2装着具40の第2装着部材50の剪断変形や曲げ変形を効果的に規制することができる。その一方で、板材55Aは、貫通方向DPと平行な軸線を中心として弾性曲げ変形することができる。したがって、着用者Hとの間の隙間を小さくするようにして、第2装着具40を着用者Hに装着することができる。これにより、アシスト力の作用時における装着具の体に対するずれや回転等の移動を効果的に抑制することができる。とりわけ、板材55Aが、中間位置MPX,MPYの両側を含む中間領域MAX,MAYに設けられているので、アシスト力の作用時における第2装着具40の体に対する回転を極めて効果的に抑制することができる。
また別の表現をすると、上述の一実施の形態において、第2装着具40の第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、一方向(第1方向)D1に最も離間した第1中間位置MPX及び第2中間位置MPYの間となる位置APに力発生部20から力を供給され、第1中間位置MPXを内包する周方向DCに沿った少なくとも一部の領域(第1中間領域)MAXに、湾曲した板状部56Xを含んでいる。とりわけ図示された例では、第2装着部材50は、装着時における環状の状態において、第2中間位置MPYを内包する周方向DCに沿った少なくとも一部の領域(第2中間領域)MAYにも、湾曲した板状部56Yを含んでいる。
このような第2装着具40によれば、板状部56X,56Yが、中間領域MAX,MAYにおいて、貫通方向DPに沿った剪断変形および貫通方向DPに垂直な軸線A2を中心とした曲げ変形に対して高い剛性を有する。したがって、第2装着具40の第2装着部材50の剪断変形や曲げ変形を効果的に規制することができる。その一方で、板状部56X,56Yは、貫通方向DPと平行な軸線を中心として弾性曲げ変形することができる。したがって、着用者Hとの間の隙間を小さくするようにして、第2装着具40を着用者Hに装着することができる。これにより、アシスト力の作用時における装着具の体に対するずれや回転等の移動を効果的に抑制することができる。とりわけ、板状部56X,56Yが、中間位置MPX,MPYの両側を含む中間領域MAX,MAYに設けられているので、アシスト力の作用時における第2装着具40の体に対する回転を極めて効果的に抑制することができる。
このようにして、本実施の形態によれば、第2装着具40自体の変形や第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)が好適に防止されるので、アシスト力を着用者Hに効率的に伝達することできる。すなわち、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、変形抑制部55をなす板状部56X,56Yは、体が装着時における環状の第2装着部材50を貫通する貫通方向DPと平行な軸線を中心として曲げ変形している。このような第2装着具40では、第2装着部材50を着用者Hに密着させるようにして、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を小さくすることができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、変形抑制部55をなす板状部56X,56Yの板面は、体が装着時における環状の第2装着部材50を貫通する貫通方向DPと平行となっている。このような第2装着具40では、貫通方向DPに沿った板状部56X,56Yの弾性剪断変形と、貫通方向DPと垂直な軸線A1を中心とした板状部56X,56Yの弾性曲げ変形と、を効果的に規制することができる。したがって、第2装着部材50の変形を効果的に抑制して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、第1中間領域MAXに位置する第1板状部56Xおよび第2中間領域MAYに位置する第2板状部56Yは、装着時における環状の第2装着部材50の周長の半分よりも長い長さを有する単一の板材55Aによって一体的に形成されている。このような第2装着具40によれば、第2装着部材50と体との間の隙間を小さくすることを可能としながら、更に、高剛性を付与されるようになる。これにより、第2装着部材50の変形を効果的に抑制して、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、板材55Aの板面は、体が装着時における環状の第2装着部材50を貫通する貫通方向DPと平行となっている。このような第2装着具40では、貫通方向DPに沿った板材55Aの剪断変形と貫通方向DPと垂直な軸線A2を中心とした板材55Aの弾性曲げ変形とを効果的に規制することができる。したがって、第2装着部材50の変形を効果的に抑制して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、第2装着部材50は、変形抑制部55を湾曲した状態に維持する湾曲維持部65を更に有している。より具体的には、第2装着部材50は、第1中間領域MAXに位置し変形抑制部55をなす第1板状部56X上に設けられ当該第1板状部56Xを湾曲した状態に維持する第1湾曲維持部65Xを有している。さらに図示された例において、第2装着部材50は、第2中間領域MAYに位置し変形抑制部55をなす第2板状部56Y上に設けられ当該第2板状部56Yを湾曲した状態に維持する第2湾曲維持部65Yも有している。このような第2装着具40によれば変形抑制部55をなす板状部56X,56Yを湾曲した状態に安定して維持することができる。したがって、第2装着部材50を着用者Hに密着させるようにして、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を小さくすることができる。また、湾曲維持部65X,65Yにより、第2装着部材50の剛性を改善することができる。これらにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)や第2装着具40自体の変形をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、各湾曲維持部65は、第2装着部材50の長手方向DLに沿って変形抑制部55をなす板状部56X,56Yに対して相対移動可能である。このような第2装着具40によれば湾曲維持部65X,65Yの位置を調節することで、第2装着部材50を着用者Hにより密着させるようにして、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を小さくすることができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。また、湾曲維持部65X,65Yの位置を調節することで、体格の異なる複数の着用者Hに対して同一の筋力補助装置10を適用することができ、しかも、筋力補助装置10から各着用者Hへアシスト力を高い効率で伝達することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、各湾曲維持部65X,65Yと当該湾曲維持部65X,65Yに対応する変形抑制部55(板状部56X,56Y)との相対位置を固定する固定手段70X,70Yが設けられている。このような第2装着具40によれば湾曲維持部65X,65Yを適切な位置に維持することで、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を安定して小さくすることができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、各湾曲維持部65X,65Yは、第2装着部材50の長手方向DLと垂直な方向における板状部56X,56Yの両縁をそれぞれ保持する第1縁保持部67a及び第2縁保持部67bを有している。このような第2装着具40によれば湾曲維持部65X,65Yを板状部56X,56Y上に安定して維持することができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)や第2装着具40自体の変形をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、各湾曲維持部65X,65Yは、第2装着部材50の長手方向DLに沿った両端で開口66した通過孔を有し、板状部56X,56Yが通過孔を貫通している。このような第2装着具40によれば湾曲維持部65X,65Yを板状部56X,56Y上に安定して維持することができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)や第2装着具40自体の変形をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。また、湾曲維持部65X,65Yをなす湾曲部材65Aの紛失等を効果的に防止することもできる。この点において、板状部56X,56Yが、湾曲維持部65X,65Yから取り外せないようになっていることが好ましい。
上述した一実施の形態の一具体例において、第2装着部材50は、第1中間領域MAXに位置する第1板状部56Xの周方向DCにおける一側に延出した柔軟な第1ベルト状部61Xと、第2中間領域MAYに位置する第2板状部56Yの周方向DCにおける他側に延出した柔軟な第2ベルト状部61Yと、を有し、第1ベルト状部61X及び第2ベルト状部61Yが接続されることで、第2装着部材50が環状となる。第1ベルト状部61X及び第2ベルト状部61Yは、固定部60を形成している。このような第2装着具40では、固定部60として柔軟なベルト状部61X,61Yを用いることで、第2装着部材50を着用者Hにより密着させるようにして、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を小さくすることができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、第2装着部材50は、第1中間領域MAXに位置する第1板状部56Xと重ねられて第1板状部56Xとともに第1湾曲維持部65Xによって保持された柔軟な第1ベルト状部61Xと、第2中間領域MAYに位置する第2板状部56Yと重ねられて当該第2板状部56Yとともに第2湾曲維持部65Yによって保持された柔軟な第2ベルト状部61Yと、を有し、第1ベルト状部61X及び第2ベルト状部61Yが接続されることで、第2装着部材50が環状となる。第1ベルト状部61X及び第2ベルト状部61Yは、固定部60を形成している。このような第2装着具40では、固定部60として柔軟なベルト状部61X,61Yを用いることで、第2装着部材50を着用者により密着させるようにして、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間を小さくすることができる。とりわけ、湾曲維持部65X,65Yによって、ベルト状部61X,61Y及び板状部56X,56Yが積層された状態に維持されるので、固定部60をなす柔軟なベルト状部61X,61Yだけでなく、変形抑制部55をなす板状部56X,56Yも着用者により密着するようになる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者へのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、第1ベルト状部61X及び第2ベルト状部61Yは、装着時における環状の第2装着部材50の周長よりも長い長さを有する単一のベルト材60Aによって一体的に形成されている。このような第2装着具40では、単純な構成により、取り扱いを容易とすることができる。すなわち、着用者Hの体への装着および体からの取り外しを容易化することができる。また、第2装着部材50と着用者Hの体との間の隙間をより小さくすることができる。これにより、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)をより効果的に防止して、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を更に改善することができる。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
例えば、上述した一具体例において、変形抑制部55をなす板状部56X,56Yが、板材55Aの一部分として、一体的に形成されている例を示したがこの例に限られない。第1板状部56Xが、接続部53に一側から接続した第1の板材からなり、第2板状部56Yが、接続部53に他側から接続した第2の板材からなるようにしてもよい。この例において、第1板状部56Xをなす第1の板材および第2板状部56Yをなす第2の板材は、別体であってもよい。
さらには、図12に示すように、第2装着具40の第2装着部材50が、接続部53から一側に離間して位置する第1の変形抑制部55(第1板状部56X)と、接続部53から他側に離間して位置する第2の変形抑制部55(第2板状部56Y)と、を有するようにしてもよい。図12に示された例において、各変形抑制部55は、外力が加えられていない状態でも湾曲を維持する板状部であってもよいし、或いは、装着時の環状の状態において弾性変形するようなる板状部としてもよい。また、図12に示された例において、変形抑制部55をなす柔軟なベルト材60A上に、第1及び第2の変形抑制部55が設けられていてもよい。この例において、第1及び第2の変形抑制部55は、変形抑制部55をなす柔軟なベルト材60Aに対して周方向DCに相対移動可能となっていてもよい。或いは、ベルト材60Aが、各変形抑制部55の両端に接続されるようにしてもよい。すなわち、接続部53の各端部から、ベルト材60A、変形抑制部55およびベルト材60Aを順に含むベルト状の部品が延び出すようにしてもよい。さらに、図12に示す例においても、第2装着具40が、変形抑制部55を湾曲した状態に維持する湾曲維持部65を更に有するようにしてもよい。なお、図12に示された第2装着部材50は、環状になっているものの、着用者Hの体に向けて締め付けられる前であって、ベルト材60Aが緩んでいる状態にある。
また、上述した一具体例において、第1ベルト状部61X及び第2ベルト状部61Yが、板材55Aと積層して配置されたベルト材60Aの一部分として、一体的に形成されている例を示したがこの例に限られない。第1ベルト状部61Xが、第1板状部56Xの端部に接続して第1板状部56Xから一側に延び出す第1のベルト材からなり、第2ベルト状部61Yが、第2板状部56Yの端部に接続して第2板状部56Yから一側に延び出す第2のベルト材からなるようにしてもよい。この例において、第1ベルト状部61Xをなす第1のベルト材及び第2ベルト状部61Yをなす第2のベルト材は、別体であってもよい。
さらに、上述した一具体例において、ベルト状部61X,61Yが設けられている例を示したが、この例に限られない。図13に示すように、第1板状部56Xの一側端部に連結手段75が設けられ、この連結手段75が、第2板状部56Y又は第2ベルト状部61Yを保持するようにしてもよい。すなわち、図13に示された例において、第2装着具40の第2装着部材50は、接続部53と、接続部53を着用者Hの体に固定する変形抑制部55と、を有し、変形抑制部55が、着用者Hの体に密着する方向には変形可能であり、該密着する方向と交差する方向には当該密着する方向よりも変形しにくく構成されている。このような第2装着具40によっても、上述した実施の形態と同様に、第2装着具40の着用者Hの体に対する移動(ずれや回転)や第2装着具40自体の変形を効果的に防止して、力発生部20で発生した力を着用者Hに効率的に伝達することできる。
さらに、上述した一実施の形態において、湾曲維持部65X,65Yが、変形抑制部55をなす板材55A及び固定部60をなすベルト材60Aに対して第2装着部材50の長手方向DLに移動可能となっている例を示したが、この例に限られない。湾曲維持部65X,65Yが、変形抑制部55をなす板材55A及び固定部60をなすベルト材60Aに対して固定されていてもよい。
また、第2装着具40の第2装着部材50が、装着時における環状の状態において、一方向(第1方向)D1に最も離間した第1中間位置MPX及び第2中間位置MPYの間となる位置APに力発生部20から力を供給され、第1中間位置MPXを内包する周方向DCに沿った少なくとも一部の領域MAXに、外力が加えられていない状態で湾曲した、つまり湾曲した形状を維持する変形抑制部55(板状部56X,56Y)を含むようにしてもよい。さらに、第2装着部材50が、装着時における環状の状態において、第2中間位置MPYを内包する周方向DCに沿った少なくとも一部の領域MAYに、外力が加えられていない状態で湾曲した、つまり湾曲した形状を維持する変形抑制部55を含むようにしてもよい。この例において、第2装着部材50は、第2装着部材50の長手方向DLにおいて変形抑制部55と重なる位置に湾曲維持部65を有していてもよいし、有していなくてもよい。
このような第2装着具40によっても、変形抑制部55(板状部56X,56Y)が、中間領域MAX,MAYにおいて、貫通方向DPに沿った剪断変形および貫通方向DPに垂直な軸線A2を中心とした曲げ変形に対して高い剛性を有する。したがって、第2装着具40の第2装着部材50の剪断変形や曲げ変形を効果的に規制することができる。その一方で、変形抑制部55(板状部56X,56Y)が湾曲しているので、着用者Hとの間の隙間を小さくするようにして、第2装着具40を着用者Hに装着することができる。これにより、アシスト力の作用時における装着具の体に対するずれや回転等の移動を効果的に抑制することができる。とりわけ、湾曲した変形抑制部55(板状部56X,56Y)が、中間位置MPX,MPYの両側を含む中間領域MAX,MAYに設けられているので、アシスト力の作用時における第2装着具40の体に対する回転を極めて効果的に抑制することができる。すなわち、筋力補助装置10から着用者Hへのアシスト力の伝達効率を改善することができる。なお、この例においては、湾曲維持部65を省くことも可能である。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。