JP6933009B2 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
従来、画像を表す光(以降、画像光)を車両のウインドシールド等の投影部材に投射することによって、運転席に着座している乗員(以降、ドライバ)から見て車両前方となる位置に、画像を虚像表示するヘッドアップディスプレイ(以降、HUD:Head-Up Display)装置がある。
また、特許文献1には、照度センサを用いて車両の前方の明るさ(以降、前方照度)と、上方の明るさ(以降、上方照度)をそれぞれ検出し、前方照度と上方照度のうち何れか高い方の照度に基づいて画像の表示輝度を決定する構成が開示されている。
特開2007−94130号公報
走行する周囲の環境によっては、上方照度と前方照度との間に差が生じることがある。例えば、晴天の昼間にトンネルに進入する直前のシーンでは、上方照度は相対的に高い値をとる一方、トンネル内部の照度を示す前方照度は相対的に低い値をとる。
そのように、上方照度に対して前方照度が相対的に低い値を取っている状況において、特許文献1のように相対的に高い方の照度(つまり上方照度)に合わせて表示輝度を制御すると、HUD装置による表示が明るすぎてドライバに眩しさを感じさせてしまう恐れが生じる。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、画像の表示輝度をより適切に設定可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することにある。
その目的を達成するためのヘッドアップディスプレイ装置は、車両で用いられ、画像を表す光を投影部材に投射することにより、画像を運転席の前方の所定領域に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、車両上方の照度を検出するように配置されている照度センサである上方照度センサの検出結果を上方照度として取得する上方照度取得部(F2)と、車両前方の所定領域の照度を検出するように配置されている照度センサである前方照度センサの検出結果を前方照度として取得する前方照度取得部(F3)と、画像の表示輝度の目標値である目標輝度を決定する目標輝度設定部(F4)と、目標輝度設定部が決定した目標輝度で画像を表示する輝度調整部(F5)と、を備え、目標輝度設定部は、上方照度取得部が取得した上方照度と前方照度取得部が取得した前方照度との差の絶対値が所定の乖離閾値以上である場合には、所定のブレンド係数を用いて前方照度と上方照度とを混合した値である混合照度を算出し、その算出した混合照度に基づいて画像の表示輝度を決定する一方、上方照度と前方照度との差の絶対値が乖離閾値未満である場合には、上方照度又は前方照度に基づいて画像の表示輝度を決定するように構成されている。
上方照度に対して前方照度が相対的に低い値を取っている状況では、上方照度と前方照度との間に所定の乖離閾値以上の差が生じる。そのように上方照度と前方照度との間に所定の乖離閾値以上の差が生じている場合、上記の構成によれば、所定のブレンド係数を用いて前方照度と上方照度とを混合してなる混合照度に基づいて目標輝度を決定する。
混合照度は、上方照度と前方照度とを所定の比率で混ぜてなるため、混合照度は、上方照度と前方照度の中間的な値となる。故に、混合照度は、上方照度よりも低い値となる。その結果、目標輝度は、上方照度のみに基づいて表示輝度を決定する場合に比べて、低い値に設定される。具体的には、上方照度のみに基づいて表示輝度と、前方照度のみに基づいて決定される表示輝度の中間的な輝度に設定される。
このような構成によれば、上方照度に対して前方照度が相対的に低い値を取っている場合に、ドライバに眩しさを感じさせてしまう恐れを低減することができる。つまり、画像の表示輝度をより適切に設定することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
HUD装置1の概略的な構成を示すブロック図である。 HUD装置1が虚像表示する画像の一例を示す図である。 上方照度センサ4及び前方照度センサ5の取り付け姿勢を示す図である。 上方照度センサ4及び前方照度センサ5の検出角度範囲の一例を示す図である。 前方照度センサ5の取り付け姿勢と、検出軸方向に存在する路面領域との関係について説明するための図である。 HUD制御部11の構成を概略的に表したブロック図である。 上方照度Suと目標輝度Lとの対応関係の一例を示す図である。 残余距離Drstとブレンド係数βとの関係を示す図である。 輝度調整処理について説明するためのフローチャートである。 実施形態の作動及び効果を説明するための図である。 HUD装置1の構成の変形例を示す図である。 HUD装置1の構成の変形例を示す図である。 HUD制御部11の構成の変形例を示すである。 同一種類の情報を複数の表示態様で表示する場合の表示態様の一例を示した図である。 変形例4における輝度調整処理について説明するためのフローチャートである。 補正処理について説明するためのフローチャートである。 補正量ΔLと色付加画素数Nとの関係の一例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明に係るヘッドアップディスプレイ(以降、HUD:Head-Up Display)装置1の概略的な構成の一例を示す図である。HUD装置1は、四輪自動車等の車両に搭載されており、当該車両に搭載されている画像信号源2、車速センサ3、上方照度センサ4、及び前方照度センサ5のそれぞれと、車両内に構築された車載ネットワークを介して接続されている。
なお、HUD装置1と画像信号源2との接続態様は適宜設計されればよく、例えば、HUD装置1と画像信号源2とは、映像信号線用の専用線で接続されていても良い。種々の車載センサ(例えば上方照度センサ4)との接続態様も同様である。例えば上方照度センサ4とは、電気的に直接接続されていても良い。車速センサ3とは車両に搭載されている電子制御装置(以降、ECU:Electronic Control Unit)を介して間接的に接続されていても良い。また、HUD装置1とセンサとの通信態様は無線通信であっても良い。
HUD装置1は、概略的には、車両のウインドシールド上の所定の投射領域に画像光を投射することで、図2に示すように運転席前方の所定領域に画像10を虚像表示するものである。画像10の表示位置は運転席に着座している乗員の目と投射領域とを結ぶ線の車両前方延長線上となる。ウインドシールドは、車両のフロント側のウインドシールドである。ウインドシールドは、例えば2枚のガラスとその中間に設けられる中間膜とから形成された合わせガラスを用いて実現されればよい。ウインドシールドが請求項に記載の投影部材に相当する。なお、投影部材は、コンバイナ等のハーフラミラーとして機能する部材であっても良い。
ここでの画像光とは、画像10としての虚像を形成する光を指す。このHUD装置1によって、運転席に着座している乗員(以降、ドライバ)は、HUD画像10と車両の前景とを重畳して視認することができる。便宜上、以降では、ドライバによって知覚される画像10のことをHUD画像10と記載する。
HUD画像10が示す情報の種類は適宜設計されれば良い。図2では一例として、交差点などでの進行方向を示す画像(いわゆるターンバイターンとしての画像)とした態様を例示している。もちろん、他の態様としてHUD画像10は、車両走行時における車両情報としての走行速度、エンジン回転数、エンジン冷却水温、およびバッテリ電圧等の何れか1又は複数を示す画像としても良い。また、車両用ナビゲーションシステムにおける地図画像としてもよい。さらには、高度運転支援機能を提供するシステムや、自動運転機能を提供するシステムの作動状態を表す画像とすることもできる。
HUD装置1は、ウインドシールドの下端部から車室内後方、さらには下方に延出されるインストゥルメントパネル20に収容されている。なお、インストゥルメントパネル20の上面には、HUD装置1が射出する画像光を通過させる開口部が設けられている。開口部には透光性を有する防塵カバーが設けられている。
画像信号源2は、HUD画像10(例えば経路案内画像)の元となる画像信号を出力する装置である。ここでの画像信号とは静止画のデータや映像信号である。画像信号源2は、例えばナビゲーション装置や、自動運転機能を提供する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)などである。車速センサ3は、自車両の走行速度(つまり車速)を検出するセンサである。車速センサ3は、現在の車速を示すデータをHUD装置1に逐次出力する。
上方照度センサ4は、車両上方の明るさ(つまり上方照度)Suを検出する照度センサである。上方照度センサ4は例えばフォトトランジスタ又はフォトダイオード等を用いて実現される。上方照度センサ4は、図3に示すように、検出角度範囲φuの中心(以降、検出軸)Axuが車両上方を向くように、インストゥルメントパネル20の上面部に設置されている。
照度センサにとっての検出角度範囲φとは、検出軸方向から光が入射した場合の出力レベルを基準(つまり100%)とした場合に、出力レベルが所定の閾値(例えば50%)以上となる光の入射角度の範囲を指す。検出角度範囲φが広いほど、光の入射方向に由来する出力レベルの減衰が小さいことを意味する。
本実施形態では一例として、上方照度センサ4として、相対的に検出角度範囲φuが相対的に広角となるように構成された照度センサを用いられている。具体的には、図4に示すように検出軸に対してなす角度が45度以下となる範囲が検出角度範囲φuとなるように構成されているものとする。
なお、本実施形態では上方照度センサ4は、検出軸方向が車両の高さ方向と平行(つまり鉛直上向き)となる姿勢で配置されているものとするが、これに限らない。検出軸方向が車両高さ方向に対して所定角度(例えば30度程度)車両前側に傾いた姿勢で取り付けられていても良い。検出軸方向が車両水平面よりもある程度(例えば45度以上)上側に向いた姿勢で取り付けられていれば良い。上方照度センサ4は、バックミラーや、ウインドシールドの上端部付近に搭載されていても良い。上方照度センサ4は、検出結果としての上方照度Suを示す信号をHUD装置1に逐次出力する。
前方照度センサ5は、車両前方の所定領域の明るさ(つまり前方照度)Sfを検出する照度センサである。前方照度センサ5は例えばフォトトランジスタ又はフォトダイオード等を用いて実現される。前方照度センサ5は、図3に示すように、検出角度範囲φfの中心(以降、検出軸)Axfが車両前方を向くように、バックミラー40に取り付けられている。もちろん、前方照度センサ5の取り付け姿勢や取り付け位置は適宜設計されれば良く、上述した態様に限らない。前方照度センサ5は、ウインドシールドの上端部付近や、インストゥルメントパネル30の上面部、フロントバンパ等に取り付けられていても良い。
本実施形態の前方照度センサ5は一例として、相対的に検出角度範囲φfが相対的に狭角な照度センサとする。具体的には、前方照度センサ5は、図4に示すように、検出軸に対してなす角度が5度以下となる範囲が検出角度範囲φfとなるように構成されている照度センサとする。前方照度センサ5は、検出結果としての前方照度Sfを示す信号をHUD装置1に逐次出力する。
また、前方照度センサ5は、検出軸が車両水平面に対して所定角度(例えば3度)下方に傾いた姿勢で配置されているものとする。これにより、前方照度センサ5は図5に示すように、前方照度センサ5の取付位置から所定の検出距離Dxだけ前方に位置する路面領域の明るさを検出可能となる。検出距離Dxは前方照度センサ5の取り付け高さと、検出軸の車両水平面に対する傾き角(いわゆるピッチ角)に基づいて定まる。具体的には、仮に前方照度センサ5の取り付け高さH=1.6m、検出軸のピッチ角θ=3度である場合には、検出距離DxはH/tanθ=1.6/0.035=45.7mとなる。
HUD装置1は、図1に示すようにHUD制御部11と表示器12とを備える。HUD制御部11は、画像信号源2や上方照度センサ4等からの入力に基づいて表示器12の作動を制御する構成である。HUD制御部11は、表示器12とデータ通信可能に又は電気的に接続されている。HUD制御部11は、コンピュータとして構成されている。すなわち、HUD制御部11は、種々の演算処理を実行するCPU111、揮発性のメモリであるRAM112、不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ113、入出力ポートとしてのI/O114、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備える。CPU111は例えばマイクロプロセッサ等を用いて実現されればよい。I/O114は、HUD制御部11が例えば画像信号源2等といったHUD装置1の筐体外部に設けられた構成とデータの入出力をするためのインターフェースである。I/O114は、ICやデジタル回路素子、アナログ回路素子などを用いて実現されればよい。
フラッシュメモリ113には、通常のコンピュータをHUD制御部11として機能させるためのプログラム(以降、HUD制御プログラム)等が格納されている。なお、上述のHUD制御プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよく、その具体的な格納媒体は、フラッシュメモリ113に限らない。CPU111がHUD制御プログラムを実行することは、HUD制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。HUD制御部11は、CPU111がHUD制御プログラムを実行することによって、種々の機能を提供する。
例えばHUD制御部11は、表示器12の作動を制御して、画像信号源2から入力された画像信号に対応する画像光を所定の輝度で出力させる。その他、HUD制御部11が備える種々の機能については別途後述する。
表示器12は、HUD制御部11から入力される信号に対応する、所定の情報を示す画像光を出射する構成である。表示器12としては、例えば、液晶パネルにバックライトからの光を透過させることで画像光を出力する装置(いわゆる液晶プロジェクタ)を用いることができる。また、表示器12は、レーザ光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナを用いて2次元方向に走査させることによって画像を表示する方式のプロジェクタ(いわゆるレーザプロジェクタ)であっても良い。さらには、デジタルミラーデバイスを用いたDLP(Digital Light Processing:登録商標)プロジェクタなど、周知のプロジェクタを採用しても良い。
なお、表示器12から射出された画像光は、凹面鏡や平面鏡等の光学部材を介してウインドシールドに投射されるように構成されていても良い。つまり、HUD装置1は、図示しない凹面鏡や平面鏡等といったミラー部材、及びレンズ等を備えていても良い。
<HUD制御部11の機能について>
HUD制御部11は、CPU111がフラッシュメモリ113に格納されている表示制御プログラムを実行することで図6に示す種々の機能を提供する。すなわち、HUD制御部11は機能ブロックとして、車速取得部F1、上方照度取得部F2、前方照度取得部F3、目標輝度設定部F4、及び輝度調整部F5を備える。
なお、HUD制御部11が備える機能ブロックの一部又は全部は、一つ或いはハードウェアとして実現されてもよい。ハードウェアとして実現される態様には、1つ又は複数のICを用いて実現される態様も含まれる。また、HUD制御部11が備える機能ブロックの一部又は全部は、CPU111によるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
車速取得部F1は、車速センサ3から出力される自車両の走行速度を示すデータを逐次取得する。上方照度取得部F2は、上方照度センサ4から逐次出力される上方照度Suを示すデータを逐次取得する。前方照度取得部F3は、前方照度センサ5から逐次出力される前方照度Sfを示すデータを逐次取得する。
目標輝度設定部F4は、上方照度取得部F2が取得する上方照度Suや、前方照度取得部F3が取得する前方照度Sfに基づいて、HUD画像10の目標とする表示輝度である目標輝度Lを設定する構成である。目標輝度設定部F4の詳細な作動については別途フローチャートを用いて説明するが、概略的には次の通りである。まず、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が所定の閾値(以降、乖離閾値)Th未満である場合には、上方照度Suに応じてHUD画像10の目標輝度Lを決定し、その決定した目標輝度Lとなるように表示器12に対して制御信号を出力する。
なお、上方照度Suに対応する目標輝度Lは、予め用意されている上方照度−輝度テーブルを用いて決定すれば良い。上方照度−輝度テーブルは、図7に示すように、上方照度Suに応じた目標輝度Lを示すデータである。基本的には、上方照度Suが高いほど目標輝度Lもまた高くなるように設定されている。なお、目標輝度Lには、下限値(以降、下限輝度)と上限値(以降、上限輝度)が設定されているものとする。
また、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th以上である場合には、所定のブレンド係数βを用いて上方照度Suと前方照度Sfとを混合した値である混合照度Sbに基づいて目標輝度Lを決定する。具体的には、下記式1に基づいて混合照度Sbを算出する。
Sb=β・Su+(1−β)・Sf ・・・式1
そして、上記式1で求めた混合照度Sbに対して、照度を目標輝度Lへと対応させるための所定の変換係数αを乗じることで、目標輝度Lを決定する。つまり、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th以上である場合には、下記の式2によって目標輝度Lを決定する。
L=α・Sb=α{β・Su+(1−β)・Sf} ・・・式2
以上で用いられるブレンド係数βは、上方照度Suと前方照度Sfとを混ぜ合わせる際の比率を決定するパラメータとして機能する。ブレンド係数βの具体的な値は、後述するβ調整部F42によって動的に変更(換言すれば調整)される。ただし、ブレンド係数βには、設定可能な値の範囲(換言すれば最小値と最大値)が予め設定されているものとする。ブレンド係数βが取りうる値域は0<β<1を充足する範囲で適宜設計されれば良い。ここでは一例としてブレンド係数βが設定可能な値の範囲は、0.2≦β≦1に設定されているものとする。なお、ブレンド係数βの最小値は、ここでは0.2とするがこれに限らず、具体的な値は適宜設計されれば良い。また、ここではブレンド係数βの最大値を0.95に設定するが、その具体的な値は1よりも小さい範囲において適宜設計されればよく、例えば0.9や0.8などとしても良い。
目標輝度設定部F4は、上記の式2によって算出された目標輝度Lが下限輝度を下回る場合には目標輝度Lは下限輝度に設定するとともに、式2によって算出された目標輝度Lが上限輝度を上回る場合には目標輝度Lは上限輝度に設定する。なお、他の態様として式2には、目標輝度Lが下限輝度以上の値をとるための所定の定数項が付加されていても良い。
目標輝度設定部F4は、上方照度Suや前方照度Sfに応じてHUD画像10の表示輝度を調整するためのより細かい構成(換言すればサブ機能)として、残余距離算出部F41とβ調整部F42を備える。
残余距離算出部F41は、車両周辺(例えば側方)の照度が所定の暗晦閾値Sd未満になると想定される領域である暗晦領域までの残り距離である残余距離Drstを逐次算出する構成である。暗晦領域とは例えばトンネル内部の道路である。また、山陰や木陰となっている道路なども、暗晦領域に該当しうる。暗晦領域とは自車両の前方だけでなく、車両側方の照度も暗晦閾値Sd以下となる領域に相当する。
自車両の走行路において暗晦領域となっている区間のうち、最も自車両側の地点を暗化地点と称する。暗化地点とは、例えば、トンネルの入口や、山陰や木陰となっている道路区間の自車両側の端部である。暗晦閾値Sdの具体的な値は、トンネル内部等の照度を想定して、適宜設計されればよい。以降では便宜上、暗晦領域としてトンネル内部を想定して説明する。
本実施形態の残余距離算出部F41は、上方照度Suのレベルや、前方照度Sfのレベルに基づいて、暗化地点を検出し、暗化残余距離を算出する。具体的には次の通りである。まず前提として本実施形態の前方照度センサ5は、図5を用いて説明したように、自車両よりも所定の検出距離Dx前方の路面領域からの光量を検出するように配置されている。そのため、晴天の昼間においては、暗化地点(例えばトンネル入口)までの残り距離が検出距離Dxを切ったタイミングで、前方照度センサ5の出力(つまり前方照度Sf)は暗晦閾値Sd未満となる。一方、晴天の昼間においては、自車両がトンネル外部に位置する限り、上方照度Suは暗晦閾値Sd以上となることが期待される。
故に、本実施形態の残余距離算出部F41は、上方照度Suが暗晦閾値Sd以上であって且つ、前方照度Sfが暗晦閾値Sd未満となった場合に、残余距離Drstは検出距離Dxであると判定する。また、前方照度Sfが暗晦閾値Sd未満となった時点(以降、暗晦領域検出時点)からの経過時間と、自車両の車速に基づいて、現在の残余距離Drstを逐次算出する。例えば、所定の単位時間毎に、車速取得部F1が取得している現在の車速に単位時間を乗じた値を単位走行距離として算出し、前回算出した残余距離Drstから単位走行距離を減算した値を、現在の残余距離Drstとして採用する。なお、上方照度Suが暗晦閾値Sd以上でない場合など、残余距離Drstを算出できない状況となっている場合には、便宜上、残余距離Drstにはその最大値である検出距離Dxが代入されているものとする。
残余距離算出部F41が算出した残余距離DrstはRAM等に保存される。なお、前方照度センサ5の出力レベルはトンネル入口までの残り距離が所定の検出距離Dxを切ったタイミングで急落する一方、上方照度センサ4の出力レベルは前方照度センサ5の出力レベルが低下した以降においても、暫くは相対的に高い値で維持される。上方照度センサ4は、車両上方の照度を検出するように搭載されているためである。上方照度Suが暗晦閾値Sd未満となる場合とは、例えばトンネル等の暗晦領域に自車両が進入した場合である。すなわち、自車両がトンネルに進入するまでは、上方照度Suと前方照度Sfに差が生じている状態が継続する。
β調整部F42は、残余距離算出部F41が算出する残余距離Drstに基づき、ブレンド係数βとして設定可能な所定範囲の中で、ブレンド係数βの値を調整する構成である。β調整部F42は残余距離Drstが小さいほど、ブレンド係数βを小さい値に設定する。例えば図8の実線で示すように、残余距離Drstが0に近づくにつれてブレンド係数βの値を最大値から最小値へと直線的に小さくしていく。そのような構成は、残余距離Drstが小さくなるにつれて混合照度Sbにおいて前方照度Sfに由来する成分の割合が大きくなるようにブレンド係数βを設定する構成に相当する。すなわち、β調整部F42が請求項に記載の混合比率調整部に相当する。
なお、他の態様としてβ調整部F42は、図8の一点鎖線で示すように曲線的に変更しても良い。残余距離Drstに応じたブレンド係数βの値は予め設定されていれば良い。残余距離Drstが0に近づくにつれてブレンド係数βの値を最大値から最小値へと直線的に小さくしていく構成は、残余距離Drstとブレンド係数βとの関係を1次関数で対応付けた構成に相当する。
輝度調整部F5は、HUD画像10の表示輝度が目標輝度設定部F4によって設定されている目標輝度Lと一致するように、換言すれば目標輝度LでHUD画像10が表示されるように、表示器12の作動を制御する。表示輝度の調整自体は、表示器12のタイプに応じた周知の方法によって実現されればよい。例えば表示器12が液晶プロジェクタである場合には表示器12が備えるバックライトの輝度を調整すればよい。また、表示器12に出力する画像データ自体の色調を調整することで、HUD画像10の表示輝度を調整しても良い。表示器12がレーザプロジェクタである場合にはレーザ光源の出力レベル(換言すれば発光量)を調整すればよい。
<輝度調整処理>
次に図9に示すフローチャートを用いて、HUD制御部11が実施する輝度調整処理について説明する。図9に示すフローチャートは、図示しない車載電源からHUD装置1に電力が供給されている間、逐次(例えば100ミリ秒毎に)実行されれば良い。なお、輝度調整処理の実行条件は適宜設計されるべき項目であってこれに限らない。例えば、HUD画像10を表示している場合にのみ輝度調整処理を逐次実行するように構成されていても良い。輝度調整処理の実行間隔もまた適宜設計されるべき項目である。
まずステップS101では上方照度取得部F2が上方照度センサ4から上方照度Suを取得するとともに、前方照度取得部F3が前方照度センサ5から前方照度Sfを取得してステップS102に移る。ステップS102では目標輝度設定部F4が、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値を算出し、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が所定の乖離閾値Th以上であるか否かを判定する。
このステップS102で使用される乖離閾値Thは、晴天時の昼間に自車両がトンネルに進入する直前において観測される上方照度Suと前方照度Sfとの差に基づいて決定される。前述の通り、晴天の昼間において前方照度センサ5の出力レベルはトンネル入口までの残り距離が所定の検出距離Dxを切ったタイミングで暗晦閾値Sd未満となる一方、上方照度センサ4の出力レベルはトンネルに自車両が進入するまでは相対的に高いレベルに維持される。乖離閾値Thはそのように車両周辺が、車両前方が車両上方に対して所定の閾値以上暗い環境であることを検出又は判定するためのパラメータである。
上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th未満である場合にはステップS102を否定判定してステップS103に移る。一方、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th以上である場合にはステップS102を肯定判定してステップS104に移る。
なお、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th以上となる場合とは、逆説的に、晴天時の昼間において、トンネル入口までの残り距離が検出距離Dx未満であることを意味している。すなわち、ステップS102が肯定判定される場合には、残余距離算出部F41によって残余距離Drstが算出されていることが期待される。
ステップS103では目標輝度設定部F4が、前方照度Sfは用いずに、上方照度Suに基づいて目標輝度Lを決定してステップS106に移る。上方照度Suに基づいて目標輝度Lを決定する方法の一例については図7を用いて上述した通りである。
ステップS104では残余距離算出部F41が算出している最新の残余距離Drstを読み出してステップS105に移る。なお、もしステップS104を実行する時点において残余距離Drstが算出されていない場合には、残余距離Drst=Dxとみなして次のステップS105に移ればよい。
ステップS105では目標輝度設定部F4が前述の式2を用いて目標輝度Lを算出する。すなわち、ステップS101で取得した現在の上方照度Su、前方照度Sf、及び、現在の残余距離Drstに応じて定まるブレンド係数βを式1に代入することで定まる混合照度Sbに基づいて、目標輝度Lを決定する。ステップS105が完了するとステップS106に移る。
ステップS106ではHUD制御部11が、HUD画像10を目標輝度Lで表示するための制御信号を表示器12に出力して本フローを終了する。なお、本フロー開始時点でのHUD画像10の表示輝度がステップS103又はステップS105で決定した目標輝度Lと一致している場合には、現在の表示輝度を維持すればよい。つまり、本フロー開始時点でのHUD画像10の表示輝度がステップS103又はステップS105で決定した目標輝度Lと一致している場合には、ステップS106は省略可能である。
<実施形態の作動及び効果>
例えば晴天時の昼間、トンネル入口に向かって走行している状況(以降、暗晦領域接近状況)においては、上方照度センサ4の出力レベルと、前方照度センサ5の出力レベルとの間に大きな差が生じることがある。具体的には、自車両がトンネル入口の手前に位置し、かつ、前方照度センサ5がトンネル内部の照度を検出するような状況となっている場合には、上方照度Suは相対的に高い値をとる一方、トンネル内部の照度を示す前方照度Sfは相対的に低い値をとる。
図10は、自車両がトンネルに進入する過程における上方照度センサ4と前方照度センサ5とのそれぞれの出力レベルの推移を概念的に表した図であって、横軸は時間の経過を表しており、縦軸は出力レベルを表している。図10の(A)が前方照度センサ5の出力レベルの推移を表しており、(B)が上方照度センサ4の出力レベルの推移を表している。
上方照度センサ4は、車両上方の照度を検出するように搭載されているため、暗晦領域検出時点Tfで前方照度センサ5の出力レベルが低下した以降においても、暫くは出力レベルを相対的に高い値で維持される。上方照度Suが暗晦閾値Sd未満となる場合とは、例えばトンネル等の暗晦領域に自車両が進入した場合である。すなわち、自車両がトンネルに進入するまでは、図10に示すように上方照度Suと前方照度Sfに所定の差が生じた状態が継続する。なお、図10に示すTfは、トンネル入口(つまり暗化地点)までの残り距離が検出距離Dxを切り、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th以上となったタイミングを表しており、Tuは、自車両がトンネルに進入したタイミングを表している。
このような暗晦領域接近状況において、特許文献1のように、前方照度と上方照度のうち何れか高い方の照度に基づいて画像の表示輝度を決定すると、HUD装置による表示が明るすぎてドライバに眩しさを感じさせてしまう恐れが生じる。特許文献1の構成では、トンネル内部の暗い領域を視認しているドライバに対して、上方照度に合わせた輝度で画像表示するためである。
対して、本実施形態の構成によれば、トンネル入口までの残り距離(つまり残余距離)Drstが所定の検出距離Dx未満となり、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値Th以上となった時点以降においては、上方照度Suと前方照度Sfとを所定のブレンド係数βに応じた比率で混合した混合照度Sbに応じて目標輝度Lを決定する。
混合照度Sbは、上方照度Suと前方照度Sfとを所定の比率で混ぜてなるため、上方照度Suよりも小さく、かつ、前方照度Sfよりも大きい値となる。つまり混合照度Sbは、上方照度Suと前方照度Sfの中間的な値となる。その結果、目標輝度L自体も、相対的に高い出力レベルとなっている上方照度Suのみに基づいて表示輝度を決定する構成に比べて低い値に設定される。故に、本実施形態の構成によれば、特許文献1のように何れか高い方の照度に基づいて画像の表示輝度を決定する構成に比べて、ドライバに眩しさを感じさせてしまう恐れを低減することができる。つまり、画像の表示輝度をより適切に設定することができる。
また、本実施形態の構成によれば、残余距離Drstが小さくなるにつれて、ブレンド係数βの値を小さくする。つまり、図10の(C)に示すように、自車両がトンネル入口に近づくにつれてブレンド係数βが徐々に小さくなり、混合照度Sbにおける前方照度Sfに由来する成分が占める割合が徐々に大きくなる。その結果、混合照度Sb自体も徐々に小さい値になっていき、目標輝度Lも小さくなっていく。その結果、自車両がトンネル入口に近づくにつれてHUD画像10が徐々に暗くしていき、最終的には、自車両がトンネルに進入するタイミングでの目標輝度Lを、トンネル内部の明るさに適合した輝度に設定することができる。
このようにブレンド係数βを残余距離Drstに応じて動的に変更する構成によれば、HUD画像10の表示輝度を急激に変化させてしまう恐れを低減できる。また、HUD画像10の表示輝度を急激に変化させることによってドライバに違和感や煩わしさを与えてしまう恐れを低減できる。すなわち、画像の表示輝度をより一層適切に設定することができる。
なお、以上では便宜上、上方照度センサ4にとっての暗晦閾値と、前方照度センサ5にとっての暗晦閾値のそれぞれに対して同一の符号Sdを付与して記載した。しかしながら、上方照度センサ4にとっての暗晦閾値と、前方照度センサ5にとっての暗晦閾値とが同一の値である必要はない。換言すれば、上方照度センサ4にとっての暗晦閾値と、前方照度センサ5にとっての暗晦閾値とは異なる値であってもよい。上方照度センサ4の暗晦閾値は、上方照度センサ4の検出能力や出力レンジに応じて適宜決定されればよい。前方照度センサ5の暗晦閾値は、前方照度センサ5の検出能力や出力レンジに応じて適宜決定されればよい。各種照度センサの暗晦閾値は、自車両が暗晦領域に存在する場合の出力レベルを実試験/シミュレーションした結果に基づいて設定されれば良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。また、実施形態や種々の変形例は適宜組み合わせて実施することもできる。
なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では、暗晦領域検出時点からの経過時間及び自車両の車速に基づいて残余距離Drstを推定する構成を開示したが、これに限らない。図11に示すようにHUD装置1が、後述するロケータ6と接続されている場合には、当該ロケータ6から出力されるデータに基づいて、残余距離Drstを逐次算出しても良い。
ロケータ6は、自車両の現在位置を逐次検出するとともに、自車両の現在位置周辺の地図データを、現在位置を示す位置情報と対応付けて逐次出力する装置である。ロケータ6は、例えばGNSS受信機61、慣性センサ62、地図データベース(以下、DB)63を用いて実現されている。GNSS受信機61は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する測位衛星から送信される航法信号を受信することで、当該GNSS受信機61の現在位置を逐次(例えば100ミリ秒毎に)検出するデバイスである。慣性センサ62は、例えば3軸ジャイロセンサ及び3軸加速度センサである。地図DB63は、道路の接続関係等を示す地図データを記憶している不揮発性メモリである。地図データは、例えば、複数の道路が交差、合流、分岐する地点(以降、ノード)に関するノードデータと、その地点間を結ぶ道路(以降、リンク)に関するリンクデータを有する。リンクデータには、トンネル区間を示す情報としてトンネルの入口や出口の位置を示す情報も収録されている。
ロケータ6は、GNSS受信機の測位結果、慣性センサでの計測結果、及び、地図データを組み合わせることにより、自車両Hvの現在位置及び、自車両が走行している道路(以降、走行路)を逐次特定する。そして、特定した現在位置を示す車両位置データをHUD装置1に逐次提供する。自車両の現在位置は、例えば緯度、経度、高度によって表現されれば良い。
また、ロケータ6は、地図DB63から現在位置を基準として定まる所定範囲の地図データ(以降、周辺地図データ)を読み出し、HUD装置1に提供する。走行路がトンネルを通過する場合、周辺地図データには、トンネルの入口の位置を示す情報(以降、トンネル位置情報)も含まれているものとする。なお、地図データは、外部サーバ等から広域通信網を介して取得する構成としてもよい。また、ロケータ6は上述した機能を備えていればよく、自車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、そのナビゲーション装置をロケータ6として利用してもよい。
そして、本変形例1における残余距離算出部F41は、ロケータ6からトンネル入口の場所を示すデータが提供されている場合、当該トンネル入口までの残り距離を逐次算出する。すなわち、本変形例1における残余距離算出部F41は、現在位置を示す位置情報と地図データとを用いて残余距離Drstを逐次算出する。
このような構成によれば、GNSS受信機61が現在位置を測位できている状況においては上述した実施形態よりも精度よく残余距離Drstを算出することができる。なお、前述の実施形態の構成によれば、GNSS受信機61が現在位置を測位できていない状況においても残余距離Drstを算出できるといった利点がある。
もちろん、HUD装置1は、変形例1の構成と実施形態の構成を組み合わせた構成(以降、複合構成)となっていても良い。つまり、GNSS受信機61が測位演算できている場合にはロケータ6の出力データを用いて残余距離を算出する一方、GNSS受信機61が測位演算できない場合には暗晦領域検出時点Tfからの経過時間に基づいて残余距離Drstを算出する構成としてもよい。なお、GNSS受信機61が現在位置を測位できない状況とは、測位衛星からの電波が山やビルなどによって遮蔽され、GNSS受信機61による測位衛星の補足数が4機未満となっている場合などである。トンネルが設けられている道路の周りには山が存在し、測位衛星からの電波の受信状況が良好であるとは限らない。そのような事情を鑑みると、実施形態の構成や複合構成が好ましい。
[変形例2]
上述した実施形態では、ブレンド係数βを残余距離Drstに応じてブレンド係数βの値を動的に調整する制御態様を開示したがこれに限らない。ブレンド係数βの値は0よりも大きく1よりも小さい任意の値(例えば0.5や0.6)に固定されていても良い。そのような構成によれば、残余距離Drstを算出するための一連の演算処理を省略することができるため、HUD装置1での演算負荷を低減することができる。
[変形例3]
上方照度Suと前方照度Sfに基づいて目標輝度Lを決定する方法は、式2を用いて算出する方法に限らない。上方照度−輝度テーブルと同様に、混合照度Sbに応じた目標輝度Lを示すテーブルを予め用意しておき、当該テーブルを用いて目標輝度Lを決定しても良い。
<補足>
変形例1で述べたようにロケータ6の出力に基づいて残余距離Drstを算出するように構成されている場合や、変形例2で述べたようにブレンド係数βを一定値とする場合などでは、前方照度センサ5の出力レベルに応じてブレンド係数βを動的に変更しない。そのように前方照度センサ5の出力レベルに応じてブレンド係数βを動的に変更しない構成を採用する場合には、前方照度センサ5は上方照度センサ4と同様に相対的に検出角度範囲φが広角に設定された照度センサを採用することができる。つまり、前方照度センサ5は検出角度範囲φが広角な照度センサであってもよい。
ここでの広角な照度センサとは、検出角度範囲φの限界値が30度以上となっている照度センサとする。なお、検出角度範囲φの限界値とは、検出軸方向から光が入射した場合の出力レベルを基準(つまり100%)とした場合に、出力レベルが所定の閾値(例えば50%)以上となる光の入射角度の上限値に相当する。また、検出角度範囲φが狭角な照度センサとは、検出角度範囲φの限界値が10度以下に設定されている照度センサを指すものとする。
[変形例4]
HUD装置1は、図12に示すように、車両前方の照度を検出する照度センサとしての狭角前方照度センサ5A及び広角前方照度センサ5Bのそれぞれと接続されており、上方照度センサ4、狭角前方照度センサ5A、及び、広角前方照度センサ5Bのそれぞれの検出結果に基づいてHUD画像10の目標輝度Lを調整するように構成されていても良い。以下では、そのような構成を変形例4として開示する。
なお、以降における狭角前方照度センサ5Aとは、検出角度範囲φが相対的に狭角(例えば10度以下)に設定されている照度センサであって、かつ、検出軸が車両前方を向くように設定されている照度センサである。広角前方照度センサ5Bは、検出角度範囲φが相対的に広角(例えば30度以上)に設定されている照度センサであって、かつ、検出軸が車両前方を向くように設定されている照度センサである。狭角前方照度センサ5Aは、車両からある程度(例えば30m以上)離れた路面領域の照度を検出するように検出軸が車両水平面よりも下方に向いた状態で設置されていることが好ましい。
狭角前方照度センサ5Aは、検出結果(以降、狭角前方照度Sfn)を示すデータをHUD装置1に逐次出力する。広角前方照度センサ5Bもまた、検出結果(以降、広角前方照度Sfw)を示すデータをHUD装置1に逐次出力する。
変形例4におけるHUD制御部11は、図13に示すように、CPU111がフラッシュメモリ113に格納されている表示制御プログラムを実行することで図13に示す種々の機能を提供する。すなわち、変形例4におけるHUD制御部11は機能ブロックとして、車速取得部F1、上方照度取得部F2、狭角前方照度取得部F3A、広角前方照度取得部F3B、目標輝度設定部F4、輝度調整部F5、表示面積特定部F6、及び補正部F7を備える。
車速取得部F1及び上方照度取得部F2は前述の実施形態と同様の構成である。狭角前方照度取得部F3Aは、狭角前方照度センサ5Aから逐次出力される狭角前方照度Sfnを示すデータを逐次取得する。広角前方照度取得部F3Bは、広角前方照度センサ5Bから逐次出力される広角前方照度Sfwを示すデータを逐次取得する。
本変形例4における目標輝度設定部F4は、上方照度Su、狭角前方照度Sfn、及び広角前方照度Sfwの少なくとも何れか1つに基づいて、HUD画像10の表示輝度を調整する構成である。
目標輝度設定部F4の詳細な作動については別途フローチャートを用いて説明するが、概略的には次の通りである。まず、上方照度Suと狭角前方照度Sfnの差の絶対値が、所定の第1乖離閾値Th1未満である場合には、上方照度Suに応じてHUD画像10の目標輝度Lを決定する。ここでの第1乖離閾値Th1とは前述の実施形態における乖離閾値Thに相当するパラメータである。
また、上方照度Suと狭角前方照度Sfnの差の絶対値が第1乖離閾値Th1未満である場合には、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwの差の絶対値が所定の第2乖離閾値Th2未満であるか否かを判定する。第2乖離閾値Th2は、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwとが同じレベルであるか否かを判定するための閾値であって適宜設計されれば良い。
そして、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwの差の絶対値が第2乖離閾値Th2以上である場合には、広角前方照度Sfwに基づいて目標輝度Lを決定する。一方、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwの差の絶対値が第2乖離閾値Th2未満である場合には狭角前方照度Sfnに基づいて目標輝度Lを決定する。具体的には、狭角前方照度sfnを前述の実施形態における前方照度Sfと同様に取り扱い、式2を用いて目標輝度Lを決定する。
目標輝度設定部F4は、前述の実施形態と同様にサブ機能として、残余距離算出部F41及びβ調整部F42を備える。変形例4における残余距離算出部F41は、前述の実施形態における前方照度Sfの代わりに、狭角前方照度Sfnが暗晦閾値Sd未満となった時点を起算時点(換言すれば暗晦領域検出時点Tf)と見なして車速等に基づき残余距離Drstを算出する。もちろん、残余距離算出部F41は変形例1で述べた方法によって残余距離Drstを算出しても良い。
表示面積特定部F6は、HUD画像10として表示される画像の大きさ(換言すれば面積)を算出する構成である。HUD画像10の大きさは、例えば、HUD画像10として表示可能な領域のうち、実際に所定の情報を表すために無色透明以外の色情報が付加されている画像(換言すれば、HUD画像10を形成する画素)の数(以降、色付加画素数)によって表現されればよい。
表示面積特定部F6は、例えば表示器12に表示させる画像データを解析し、無色透明以外の色情報が付与されている画素の数をカウントすることで、表示面積としての色付加画素数を特定すれば良い。なお、表示面積は、HUD画像10として表示可能な領域を構成する全画素数Nalに占める色付加画素数の比率(以降、画像充填率)で表現されていても良い。
なお、表示器12がレーザプロジェクタである場合の表示面積とは、レーザ光をスキャンさせる範囲のうち、実際にレーザ光を照射させる部分の比率(つまり、レーザ光の充填率)に相当する。レーザ光の充填率が高いほど、つまり、表示面積が大きいほど、一回のスキャンでレーザ光を照射させる回数が多いことを意味する。
HUD画像10の表示面積は、HUD画像10として表示する情報(換言すればコンテンツ)によって異なる。例えば、輪郭の内側が所定の色で塗りつぶされている図形を表すHUD画像10よりも、車速等のテキスト情報を表すHUD画像10のほうが、表示面積は小さくなる。また、図14に示すように、同種のコンテンツであっても状況に応じて表示面積が異なるデザインが採用されるように構成されていてもよい。図14の(A)、(B)は何れもターンバイターンの表示態様の一例を表している。図14においてドット模様のハッチングが施されている領域が無色透明ではない色情報が付加されている領域を表している。図14に示す破線は、HUD画像10として表示可能な領域の輪郭を表している。本実施形態ではHUD画像10の表示態様(デザイン等)は、HUD画像10の元データの提供元である画像信号源2によって決定されるものとする。もちろん他の態様として、HUD画像10のデザインは、HUD制御部11が決定するように構成されていても良い。
補正部F7は、目標輝度設定部F4が決定した目標輝度Lを、表示面積特定部F6が特定している表示面積によって補正する構成である。補正部F7の作動の詳細については別途後述する。
<輝度調整処理>
次に図15に示すフローチャートを用いて、変形例4のHUD制御部11が実施する輝度調整処理について説明する。図15に示すフローチャートは、図9に示すフローチャート同様に適宜設計される条件が充足されている場合に、所定の実行間隔で逐次開始されれば良い。
まずステップS201では上方照度Suや、狭角前方照度Sfn、広角前方照度Sfwを取得してステップS202に移る。このステップS201は上方照度取得部F2や、狭角前方照度取得部F3A、広角前方照度取得部F3Bによって実行される。
ステップS202では目標輝度設定部F4が、上方照度Suと狭角前方照度Sfnとの差の絶対値を算出し、上方照度Suと狭角前方照度Sfnとの差の絶対値が所定の第1乖離閾値Th1以上であるか否かを判定する。上方照度Suと狭角前方照度Sfnとの差の絶対値が第1乖離閾値Th1以上である場合にはステップS202を肯定判定してステップS204に移る。一方、上方照度Suと狭角前方照度Sfnとの差の絶対値が第1乖離閾値Th1未満である場合にはステップS202を否定判定してステップS203に移る。
ステップS203では目標輝度設定部F4が、狭角前方照度Sfn及び広角前方照度Sfwは用いずに、上方照度Suに応じた目標輝度Lを決定してステップS208に移る。上方照度Suに基づく目標輝度Lは、例えば図7に例示するような上方照度−輝度テーブルを用いて決定されれば良い。
ステップS204では目標輝度設定部F4が、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwとの差の絶対値を算出し、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwとの差の絶対値が所定の第2乖離閾値Th2以上であるか否かを判定する。狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwとの差の絶対値が第2乖離閾値Th2以上である場合にはステップS204を肯定判定してステップS205に移る。一方、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwとの差の絶対値が第2乖離閾値Th2未満である場合にはステップS204を否定判定してステップS206に移る。
ステップS205では目標輝度設定部F4が、上方照度Suと広角前方照度Sfwに基づいて目標輝度Lを決定する。例えば目標輝度設定部F4は、所定の静的ブレンド係数β’を用いて上方照度Suと広角前方照度Sfwとを混合した値である混合照度Sb’を算出し、当該混合照度Sb’に所定の変換係数αを乗じた値を目標輝度Lに設定する。すなわち、下記式3に基づいて目標輝度Lを設定する。
L=α・Sb’=α{β’・Su+(1−β’)・Sfw} ・・・式3
静的ブレンド係数β’の具体的な値は、0よりも大きく、且つ、1よりも小さい範囲において適宜設計されれば良い。例えばβ’は0.5に設定されているものとする。もちろん、β’は0.4や、0.6、0.7などに設定されていても良い。
なお、上方照度Suと広角前方照度Sfwに基づいて目標輝度Lを決定する方法は、上記式3を用いて算出する方法に限らない。上方照度−輝度テーブルと同様に、混合照度Sb’に応じた目標輝度Lを示すテーブルを予め用意しておき、当該テーブルを用いて目標輝度Lを決定しても良い。
ステップS206では、残余距離算出部F41が算出している最新の残余距離Drstを読み出してステップS207に移る。なお、ステップS206を実行する時点において残余距離Drstが算出されていない場合には、残余距離Drstは検出距離Dxであるとみなして次のステップS207に移ればよい。ステップS207では目標輝度設定部F4が前述の式2を用いて目標輝度Lを算出し、ステップS208に移る。
ステップS208では補正部F7が、ステップS203,S205,S207の何れかによって目標輝度設定部F4が決定した目標輝度Lを、表示面積特定部F6が特定している表示面積に応じて補正する構成である。概略的には補正部F7は、表示面積が大きいほど表示輝度が抑制されるように、目標輝度Lを小さい値へ補正する。
ここでは一例として図16に示すフローチャートに沿って補正処理を実行する。補正処理の最初のステップとしてのステップS301では表示器12に表示させる画像(以降、ベース画像)を解析し、色付加画素数Nを特定する。次に、ステップS302では、ベース画像において色情報が付加されている画素のみを母集団とした場合の画素毎の輝度の平均値Aveを算出する。そして、ステップS303では下記式4を用いて目標輝度Lを補正することで最終的な目標輝度Laを決定する。式4中のδは適宜設計される定数パラメータである。
La=L・Ave・Nal/N・δ ・・・式4
なお、ここでは一例として上記式4を用いて目標輝度Lを補正するものとするがこれに限らない。例えば下記式4aを用いて目標輝度Lを補正してもよい。
La=L・Ave・{1−δ・N/Nal} ・・・式4a
また、図17に示すような、色付加画素数Nと輝度の補正量ΔLとを対応付けたデータ(以降、補正用データ)を予め用意しておき、当該補正用データを用いて最終的な目標輝度Laを決定してもよい。その場合には、目標輝度設定部F4が算出した目標輝度Lに当該補正用データを用いて定まる補正量ΔLを加算した値を最終的な目標輝度La(つまりLa=L+ΔL)とすればよい。なお、図17中のNbは、補正量ΔLを0とする色付加画素数Nを表している。Nbは、全画素数Nalに1よりも小さい所定の係数(例えば0.4や、0.5、0.6等)を乗じた値とすればよい。Nbは、全画素数Nalの半分程度に設定されていることが好ましい。
補正処理が完了すると、呼び出し元である輝度調整処理に戻り、ステップS209を実行する。ステップS209では輝度調整部F5が、HUD画像10を目標輝度Lで表示するための制御信号を表示器12に出力して本フローを終了する。なお、本フロー開始時点でのHUD画像10の表示輝度がステップS208で決定した目標輝度Lと一致している場合には、現在の表示輝度を維持すればよい。つまり、本フロー開始時点でのHUD画像10の表示輝度がステップS208で決定した目標輝度Lと一致している場合には、ステップS209は省略可能である。
以上の構成によれば、並木道の樹木の影により短い周期で狭角前方照度Sfnの明暗が繰り返されるシーンにおいては、狭角前方照度Sfnと広角前方照度Sfwとの差の絶対値が第2乖離閾値Th2以上となり、ステップS205において狭角前方照度Sfnではなく、広角前方照度Sfwを用いて目標輝度Lが決定されることが期待できる。そのため、並木道の樹木の影により短い周期で狭角前方照度Sfnの明暗が繰り返されるシーンにおいて、HUD画像10の輝度を必要以上に暗くしてしまう恐れや、表示輝度が頻繁に切り替わることでHUD画像10をちらつかせてしまう恐れを低減できる。
また、本変形例4の構成においては、表示面積に応じて目標輝度Lを補正し、表示輝度を変化させる。発明者らは種々の試験をした結果、同じ輝度でHUD画像10を表示した場合であっても、表示面積が大きいほどドライバの視界に入る光量が大きくなり、ドライバに眩しさを感じさせてしまうことがあるといった知見を得た。表示面積による補正処理は上記の知見に基づいて導入された構成であって、表示面積が大きいほど、目標輝度Lをより小さい値に設定する。つまり、表示面積が大きいほど表示輝度が抑制されるように制御する。このような構成によれば、ドライバに眩しさを感じさせてしまう恐れをより一層低減することができる。
[変形例5]
上述した実施形態では、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が所定の乖離閾値未満である場合には、上方照度Suに基づいて目標輝度Lを決定する構成を開示したがこれに限らない。上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値未満である場合には、前方照度Sfに基づいて目標輝度Lを決定するように構成されていても良い。また、上方照度Suと前方照度Sfとの差の絶対値が乖離閾値未満である場合には、前方照度Sfと上方照度Suのうちの何れか高い方に基づいて目標輝度Lを決定するように構成されていても良い。
1 HUD装置(ヘッドアップディスプレイ装置)、2 画像信号源、3 車速センサ、4 上方照度センサ、5 前方照度センサ、5A 狭角前方照度センサ、5B 広角前方照度センサ、6 ロケータ、F1 車速取得部、F2 上方照度取得部、F3 前方照度取得部、F4 目標輝度設定部、F41 残余距離算出部、F42 β調整部(混合比率調整部)、F5 輝度調整部、F6 表示面積特定部、F7 輝度補正部

Claims (8)

  1. 車両で用いられ、画像を表す光を投影部材に投射することにより、前記画像を運転席の前方の所定領域に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    車両上方の照度を検出するように配置されている照度センサである上方照度センサの検出結果を上方照度として取得する上方照度取得部(F2)と、
    車両前方の所定領域の照度を検出するように配置されている照度センサである前方照度センサの検出結果を前方照度として取得する前方照度取得部(F3)と、
    前記画像の表示輝度の目標値である目標輝度を決定する目標輝度設定部(F4)と、
    前記目標輝度設定部が決定した前記目標輝度で前記画像を表示する輝度調整部(F5)と、を備え、
    前記目標輝度設定部は、
    前記上方照度取得部が取得した前記上方照度と前記前方照度取得部が取得した前記前方照度との差の絶対値が所定の乖離閾値以上である場合には、所定のブレンド係数を用いて前記前方照度と前記上方照度とを混合した値である混合照度を算出し、その算出した前記混合照度に基づいて前記画像の表示輝度を決定する一方、
    前記上方照度と前記前方照度との差の絶対値が前記乖離閾値未満である場合には、前記上方照度又は前記前方照度に基づいて前記画像の表示輝度を決定するように構成されているヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記上方照度が所定の暗晦閾値以上となっている場合に、車両側方の照度が前記暗晦閾値未満になると想定される領域である暗晦領域までの残余距離を推定する残余距離算出部(F41)と、
    前記残余距離算出部が推定する前記残余距離に基づいて前記ブレンド係数の値を調整する混合比率調整部(F42)と、を備え、
    前記混合比率調整部は、前記残余距離が小さくなるにつれて前記混合照度において前記前方照度に由来する成分の割合が大きくなるように前記ブレンド係数を設定するとともに、前記目標輝度設定部は前記混合比率調整部によって調整された前記ブレンド係数を用いて定まる前記混合照度に基づいて前記目標輝度を決定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記車両の走行速度を逐次取得する車速取得部(F1)を備え、
    前記前方照度センサは所定の検出距離、前記車両の前方に位置する路面の明るさを検出可能な姿勢で前記車両に設置されており、
    前記残余距離算出部は、前記前方照度が前記暗晦閾値未満となった場合に前記残余距離は前記検出距離であると判定するとともに、前記前方照度が前記暗晦閾値を下回った時点からの経過時間と前記車速取得部が逐次取得する前記走行速度に基づいて前記残余距離を逐次算出することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記目標輝度設定部は、前記上方照度と前記前方照度との差の絶対値が前記乖離閾値未満である場合には前記前方照度を用いずに、前記上方照度に基づいて前記画像の表示輝度を決定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記前方照度センサは検出角度範囲が所定の角度以下に設定された狭角前方照度センサであり、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置は、前記狭角前方照度センサよりも検出角度範囲が広く設定されている照度センサであって、前記車両の前方の照度を検出するように配置されている広角前方照度センサとも接続されており、
    前記前方照度取得部は、前記狭角前方照度センサの検出結果を狭角前方照度として取得するとともに、前記広角前方照度センサの検出結果を広角前方照度として取得し、
    前記上方照度が所定の暗晦閾値以上となっている場合に、前記上方照度が前記暗晦閾値未満になると想定される地点である暗晦地点までの残り距離である残余距離を推定する残余距離算出部(F41)と、
    前記残余距離算出部が推定する前記残余距離に基づいて前記ブレンド係数の値を調整する混合比率調整部(F42)と、を備え、
    前記目標輝度設定部は、前記上方照度と前記狭角前方照度との差の絶対値が前記乖離閾値としての第1乖離閾値以上であり、且つ、前記狭角前方照度と前記広角前方照度との差の絶対値が所定の第2乖離閾値未満である場合には、前記混合比率調整部によって調整される前記ブレンド係数を用いて前記狭角前方照度と前記上方照度とを混合してなる値を、前記混合照度として用いて前記目標輝度を決定し、
    前記混合比率調整部は、前記残余距離算出部が算出する前記残余距離が小さくなるにつれて前記混合照度において前記狭角前方照度に由来する成分の割合が大きくなるように前記ブレンド係数を逐次更新することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記目標輝度設定部は、前記上方照度と前記狭角前方照度との差の絶対値が前記第1乖離閾値以上であり、且つ、前記狭角前方照度と前記広角前方照度との差の絶対値が前記第2乖離閾値以上である場合には、所定の静的ブレンド係数を用いて前記広角前方照度と前記上方照度とを混合してなる値を前記混合照度として用いて前記目標輝度を決定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 請求項5又は6に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記目標輝度設定部は、前記上方照度と前記狭角前方照度との差の絶対値が前記第1乖離閾値未満である場合には、前記上方照度に基づいて前記画像の表示輝度を決定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記目標輝度設定部は、
    前記画像の大きさを示す表示面積を特定する表示面積特定部(F6)と、
    前記表示面積特定部が取得した前記表示面積に応じて前記目標輝度を補正する補正部(F7)と、を備えることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
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