JP6932997B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トレンチゲート型の半導体装置及びその製造方法に関する。
トレンチゲート型の半導体装置は、平面型に対してセルピッチの縮小によるオン抵抗の低減が期待できるが、トレンチの底面に高電界が発生し、ゲート絶縁膜の絶縁破壊によるブレークダウンが生じる懸念がある。
そこで、トレンチの底部の耐圧を確保するために、トレンチの底面のゲート絶縁膜を厚くすることが検討されている。トレンチの底面のゲート絶縁膜を厚くする方法としては、トレンチの底面及び側面に酸化膜を形成した後に、トレンチの下部に誘電体微粒子を充填する方法が提案されている(特許文献2参照。)。また、高密度プラズマ化学気相成長(HDP−CVD)法によりトレンチの底面のみに酸化膜を堆積する方法が提案されている(特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、トレンチに充填した誘電体微粒子の隙間が生じる課題がある。また、特許文献3に記載の方法では、HDP−CVD法によりトレンチの底面のみに酸化膜を形成することは実際的に困難である。
特開2016−76553号公報 特許第4791723号 特許第5243671号
上記課題に鑑み、本発明は、トレンチの底面側のゲート絶縁膜の厚さを選択的に容易に厚くすることができるトレンチゲート型の半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、(a)第1導電型のドリフト層と、(b)ドリフト層の上面側に配置された第2導電型のベース領域と、(c)ベース領域の上部に配置され、ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域と、(d)第1主電極領域及びベース領域を貫通するトレンチ側面のベース領域が露出する表面に少なくとも設けられたゲート絶縁膜と、(e)トレンチの底面側にトレンチの下部を埋め込むようにゲート絶縁膜に接して設けられ、ゲート絶縁膜より比誘電率の小さい焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜と、(f)トレンチ内のトレンチ底部埋込絶縁膜の上方にゲート絶縁膜を介して埋め込まれたゲート埋込電極と、(g)ドリフト層の下面側に配置された第2主電極領域とを備えることを特徴とする半導体装置であることを要旨とする。
本発明の他の態様は、(a)第1導電型のドリフト層の上面側に第2導電型のベース領域を形成する工程と、(b)ベース領域を貫通するトレンチを形成する工程と、(c)トレンチの少なくとも側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、(d)トレンチを埋めるように感光性樹脂膜を塗布する工程と、(e)塗布した感光性樹脂膜を途中まで露光してトレンチの下部に非感光領域を残存させる工程と、(f)感光した感光性樹脂膜を現像して選択的に除去する工程と、(g)残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜を形成する工程と、(h)トレンチ内のトレンチ底部埋込絶縁膜の上方にゲート絶縁膜を介してゲート埋込電極を埋め込む工程と、(i)ベース領域の上部に、ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法であることを要旨とする。
本発明の他の態様は、(a)第1導電型のドリフト層の上面側に第2導電型のベース領域を形成する工程と、(b)ベース領域を貫通するトレンチを形成する工程と、(c)トレンチを埋めるように感光性樹脂膜を塗布する工程と、(d)塗布した感光性樹脂膜を途中まで露光してトレンチの下部に非感光領域を残存させる工程と、(e)感光した感光性樹脂膜を現像して選択的に除去する工程と、(f)残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜を形成する工程と、(g)トレンチの少なくとも側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、(h)トレンチ内のトレンチ底部埋込絶縁膜の上方にゲート絶縁膜を介してゲート埋込電極を埋め込む工程と、(i)ベース領域の上部に、ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、トレンチの底面側のゲート絶縁膜の厚さを選択的に容易に厚くすることができるトレンチゲート型の半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る半導体装置の一例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図2に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図3に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図4に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図5に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図6に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図7に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図8に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図9に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明するための図10に引き続く工程断面図である。 本発明の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の一例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の一例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置の一例を示す要部断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る半導体装置の一例を示す要部断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る半導体装置の他の一例を示す要部断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る半導体装置の他の一例を示す要部断面図である。
以下において、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本明細書において、「第1主電極領域」とは、電界効果トランジスタ(FET)や静電誘導トランジスタ(SIT)においてソース領域又はドレイン領域のいずれか一方となる半導体領域を意味する。絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)においてはエミッタ領域又はコレクタ領域のいずれか一方となる半導体領域を、静電誘導サイリスタ(SIサイリスタ)やゲートターンオフサイリスタ(GTO)においてはアノード領域又はカソード領域のいずれか一方となる半導体領域を意味する。「第2主電極領域」とは、FETやSITにおいては上記第1主電極領域とはならないソース領域又はドレイン領域のいずれか一方となる半導体領域を、IGBTにおいては上記第1主電極領域とはならないエミッタ領域又はコレクタ領域のいずれか一方となる領域を、SIサイリスタやGTOにおいては上記第1主電極領域とはならないアノード領域又はカソード領域のいずれか一方となる領域を意味する。即ち、「第1主電極領域」がソース領域であれば、「第2主電極領域」はドレイン領域を意味する。「第1主電極領域」がエミッタ領域であれば、「第2主電極領域」はコレクタ領域を意味する。「第1主電極領域」がアノード領域であれば、「第2主電極領域」はカソード領域を意味する。
以下の実施形態の説明では、第1導電型がn型、第2導電型がp型の場合について例示的に説明するが、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をp型、第2導電型をn型としても構わない。また、本明細書及び添付図面においては、nやpに上付き文字で付す+及び−は、+及び−の付記されていない半導体領域に比してそれぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。更に、以下の説明で「第1導電型」及び「第2導電型」の限定を加えた部材や領域は、特に明示の限定がなくても半導体材料からなる部材や領域を意味していることは、技術的にも論理的にも自明である。
更に、以下の説明において「上面」「下面」等の「上」「下」の定義は、図示した断面図上の単なる表現上の問題であって、例えば、半導体装置の方位を90°変えて観察すれば「上」「下」の呼称は、「左」「右」になり、180°変えて観察すれば「上」「下」の呼称の関係は逆になることは勿論である。
<半導体装置の構造>
本発明の実施形態に係る半導体装置としてトレンチゲートを有する絶縁ゲート型FET(MISFET)を説明する。本発明の実施形態に係る半導体装置は、図1に示すように、第1導電型(n型)のドリフト層2と、ドリフト層2の上面側に配置された第2導電型(p型)のベース領域3a,3bと、ベース領域3a,3bの上部に配置され、ドリフト層2よりも高不純物密度の第1導電型(n型)の第1主電極領域(ソース領域)4a,4bとを備える。
ベース領域3a,3bの上部には、ソース領域4a,4bに接するようにベース領域3a,3bよりも高不純物密度の第2導電型(p型)のベースコンタクト領域5a,5bが設けられている。ソース領域4a,4bの上面からドリフト層2に至るようにソース領域4a,4b及びベース領域3a,3bを貫通してトレンチ12が設けられている。トレンチ12の底面及び側面にはゲート絶縁膜(61,63)が設けられ、トレンチ12内にゲート絶縁膜(61,63)を介してゲート埋込電極7が埋め込まれている。
ゲート埋込電極7上には層間絶縁膜8を介して第1主電極(ソース電極)9が紙面の奥に位置するゲート表面電極(図示省略)と分離して配置されている。ソース電極9は、ソース領域4a,4b及びベースコンタクト領域5a,5bに接する。ドリフト層2の下面側には、ドリフト層2に接するように第2導電型(n型)の第2主電極領域(ドレイン領域)1が配置されている。本発明の実施形態に係る半導体装置は、図1に示した構造を単位セル構造として備え、この単位セル構造が周期的に複数個配列されてマルチチャネル構造をなす。
本発明の実施形態においては、ドレイン領域1は炭化珪素(SiC)からなる半導体基板(SiC基板)で構成され、ドリフト層2はSiCからなるエピタキシャル層(SiC層)で構成されるものとする。ドレイン領域1及びドリフト層2としては、SiCの他にもシリコン(Si)や、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンド又は窒化アルミニウム(AlN)等のSiの禁制帯幅1.1eVよりも広い半導体材料がそれぞれ使用可能である。室温における禁制帯幅は3C−SiCでは2.23eV、4H−SiCでは3.26eV、6H−SiCでは3.02eV、GaNでは3.4eV、ダイヤモンドでは5.5eV、AlNでは6.2eVの値が報告されている。禁制帯幅が2.0eV以上のワイドバンドギャップ半導体がドレイン領域1及びドリフト層2等として使用可能であるが、LED等では2.5eV以上の禁制帯幅を「ワイドバンドギャップ」として定義される場合が多い。本発明ではワイドバンドギャップ半導体の禁制帯幅を、3C−SiCの室温における禁制帯幅2.23eVを基準として説明する。
ソース領域4a,4b及びベース領域3a,3bを深さ方向に貫通するトレンチ12は、その底部がドリフト層2に到達する。トレンチ12の幅は例えば0.5μm〜1μm程度、トレンチ12の深さは例えば1μm〜2μm程度が、本発明の効果を奏する上で好ましい。しかし本発明のトレンチ12の幅や深さがこれらの値に限定されるものではないことは、以下の説明から理解できるであろう。図1ではトレンチ12の底面が曲面である場合を例示するが、トレンチ12の底面が平面であってもよい。トレンチ12の底部の電界集中を緩和するために、トレンチ12の底部にp型のウェル領域(図示省略)が配置されていてもよい。本発明の実施形態においては、平面パターン上、各単位セル構造のトレンチ12がストライプ状に配列されているものとするが、これに限定されない。例えばトレンチ12が矩形の平面パターンや六角形等の多角形の平面パターンを有していてもよい。
ゲート絶縁膜(61,63)厚さは例えば20nm〜150nm程度である。ゲート絶縁膜(61,63)は、トレンチ12の側面側に第1ゲート絶縁膜61と第2ゲート絶縁膜63の積層構造で構成されている。トレンチ12の底部にかかる電界強度を十分に抑制するためには、トレンチ12の底面側の絶縁膜の厚さをトレンチ12の側面側よりも例えば5倍以上厚くすることが好ましい。このため、トレンチ12の底部においては、第1ゲート絶縁膜61と第2ゲート絶縁膜63の間に焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62が挟み込まれている。
すなわち、トレンチ12の底部には、第1ゲート絶縁膜61、トレンチ底部埋込絶縁膜62及び第2ゲート絶縁膜63の3層構造のトレンチ内誘電体膜(61,62,63)を構成して、トレンチ12の底部にかかる電界強度を抑制している。このためトレンチ12の底部の3層構造の絶縁膜の厚さは、例えば100nm〜750nm程度となるが、トレンチ12が深い場合には750nm程度以上でもかまわない。
第1ゲート絶縁膜61は、トレンチ12の底面及び側面に連続して設けられ、トレンチ底部埋込絶縁膜62の下面側でトレンチ12の底面に接する。第1ゲート絶縁膜61は、トレンチ12の側面のベース領域3a,3bが露出する表面の位置からトレンチ12の底面までを含む、トレンチ12の内面の全面に設けられている。トレンチ底部埋込絶縁膜62は、第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63に接してトレンチ12の下部に埋め込まれている。第2ゲート絶縁膜63は、第1ゲート絶縁膜61の上面に、トレンチ12の側面のベース領域3a,3bが露出する表面の位置からトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面にまで延長して設けられている。第2ゲート絶縁膜63は、トレンチ底部埋込絶縁膜62の上面を被覆し、ゲート埋込電極7に接している。
第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63としては、シリコン酸化膜(SiO膜)の他、SiO膜より比誘電率の大きなストロンチウム酸化物(SrO)膜、シリコン窒化物(Si)膜、アルミニウム酸化物(Al)膜、マグネシウム酸化物(MgO)膜、イットリウム酸化物(Y)膜、ハフニウム酸化物(HfO)膜、ジルコニウム酸化物(ZrO)膜、タンタル酸化物(Ta)膜、ビスマス酸化物(Bi)膜のいずれか1つの単層膜或いはこれらの複数を積層した複合膜等が採用可能である。第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63は、互いに同一の材料で構成されていてもよく、互いに異なる材料で構成されていてもよい。
第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63のそれぞれの厚さは例えば10nm〜75nm程度である。第1ゲート絶縁膜61の厚さは、第2ゲート絶縁膜63の厚さと同一であってもよく、第1ゲート絶縁膜61の厚さが第2ゲート絶縁膜63よりも厚くても又は薄くてもよい。第1ゲート絶縁膜61の厚さを第2ゲート絶縁膜63よりも厚くする場合は、第1ゲート絶縁膜61の厚さを例えば15nm〜100nm程度にしてもよい。
トレンチ底部埋込絶縁膜62は、感光性樹脂膜(感光性樹脂溶液)を焼成してなる焼成絶縁膜である。感光性樹脂膜としては、スピンコート法等で塗布可能であり、ポジ型の感光性を有し、焼成することで絶縁膜となる材料が使用可能である。感光性樹脂膜としては、例えば「スピンオングラス(SOG)膜」と呼ばれる感光性塗布ガラス膜が使用可能である。塗布ガラス膜の成分となるSOG液は、塗布ガラス膜となるシロキサン成分と溶媒としてのアルコール成分などから調整される。この溶液をスピンコート法等により基板上に塗布し、熱処理で溶媒などを蒸発させ、膜を硬化するとSOG絶縁膜が形成される。SOGとは、これら溶液と形成される膜の総称である。 SOGは、シロキサンの構造により、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー(MSQ)、水素化シルセスキオキサンポリマー(HSQ)、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー(HOSP)等に分類される。
本発明の実施形態に係るポジ型感光性樹脂膜は、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が異なる少なくとも2種類以上のポリシロキサン、ジアゾナフトキノン誘導体、光酸発生剤、及び溶剤を含有するポジ型感光性シロキサン組成物等が好ましい。高い耐熱性を有するポリシロキサンとして、架橋点としてシラノール基を有するシルセスキオキサン等が好ましい。シラノール基は加熱によってシロキサン結合を形成して高い耐熱性を付与することができる。シルセスキオキサンは低温硬化及びパターンの安定性に優れている。籠型及びラダー型と呼ばれるシルセスキオキサンは、クラック耐性が高い。一般に、籠型シルセスキオキサン及びラダー型シルセスキオキサンは、フリーのシラノール基が少ないためアルカリ現像液に対する溶解性が低い。従って、本発明の実施形態に係るポジ型感光性樹脂膜としては、例えばアルカリ現像液に対する溶解性が低いシロキサンとアルカリ現像液に対する溶解性が高いシロキサンとを組み合わせて使用することが可能である。
トレンチ底部埋込絶縁膜62は、熱酸化法又は化学気相成長法等により形成される第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63よりも膜密度が低く、機械的強度が弱い。熱酸化膜の比誘電率は3.5〜4.2程度であるが、SOG膜の比誘電率を2.1〜3.0程度とすることができるので、トレンチ底部埋込絶縁膜62を構成している焼成絶縁膜の比誘電率は第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63よりも低い。トレンチ底部埋込絶縁膜62がSOG膜の焼成絶縁膜である場合、トレンチ底部埋込絶縁膜62の弾性率を6GPa〜15GPa程度、硬度を0.7GPa〜1.5GPa程度とすることができる。またトレンチ底部埋込絶縁膜62がSOG膜の焼成絶縁膜である場合、透過型電子顕微鏡(TEM)像の観察からは2nm〜10nm程度の微少空孔がほぼ均一に分散している。
トレンチ底部埋込絶縁膜62の上面はSOG膜を焼成する前は露光光の透過距離が一定であるので、平坦であるが、絶縁膜を焼成することにより下側に凸となる。一方、トレンチ12の底部の断面形状が下側に凸となる形状であるので、トレンチ底部埋込絶縁膜62は、その上面及び下面が下側に凸となる曲面を有する三日月形の端面形状を有する。トレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さは、トレンチ12の幅方向において中央部が最も厚く、中央部から離れるにつれて薄くなっている。トレンチ12の幅方向の中央部におけるトレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さは例えば80nm〜730nm程度であり、露光時の光量を調整することにより適宜、露光光の透過深さを設定して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さを調整可能である。ただし、トレンチ12が深い場合等であれば730nm程度以上でもかまわない。
ゲート埋込電極7は、トレンチ12内のトレンチ底部埋込絶縁膜62の上方(上面側)に第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63を介して設けられている。ゲート埋込電極7の材料としては、例えばn型不純物を添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)が使用可能である。ソース電極9及びゲート表面電極の材料としては、例えばアルミニウム(Al)や、Al−Si、Al−銅(Cu)、Al−Cu−Si等のAl合金が使用可能である。ドレイン電極10としては、例えば金(Au)からなる単層膜や、Al、ニッケル(Ni)、Auの順で積層された金属膜が使用可能であり、更にその最下層にモリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属板を積層してもよい。
本発明の実施形態に係る半導体装置の動作としては、ドレイン電極10に正電圧を印加し、ゲート埋込電極7に閾値以上の正電圧を印加すると、ベース領域3a,3bのゲート埋込電極7側に反転層(チャネル)が形成されてオン状態となる。オン状態では、ドレイン電極10からドレイン領域1、ドリフト層2、ベース領域3a,3bの反転層及びソース領域4a,4bを経由してソース電極9へ電流が流れる。一方、ゲート埋込電極7に印加される電圧が閾値未満の場合、ベース領域3a,3bに反転層が形成されないため、オフ状態となり、ドレイン電極10からソース電極9へ電流が流れない。
本発明の実施形態に係る半導体装置によれば、トレンチ12の下部に埋め込んでいるトレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さを調整してゲート埋込電極7の直下の誘電体膜の厚さを任意に選択することが容易である。ゲート埋込電極7の直下の誘電体膜の厚さを厚くすることにより、トレンチ12の底部の電界集中が緩和できるので、本発明の実施形態に係る半導体装置の耐圧を向上することができる。更に、トレンチ底部埋込絶縁膜62を挟むように第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63を設けることにより、ゲート埋込電極7の周辺の誘電体膜(トレンチ内誘電体膜)の絶縁性や信頼性を向上させることができる。
<半導体装置の製造方法>
次に、図2〜図11を用いて、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を、トレンチゲート型MISFETの場合を一例に説明する。なお、以下に述べるトレンチゲート型MISFETの製造方法は一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
まず、窒素(N)等のn型不純物が添加されたn型の半導体基板(SiC基板)を用意する。このn型SiC基板をドレイン領域1として、ドレイン領域1の上面に、n型のドリフト層2をエピタキシャル成長させる。引き続き、ドリフト層2の上面側から、Al等のp型不純物イオンを多段イオン注入する。その後、熱処理を行うことにより注入されたp型イオンを活性化させ、図2に示すようにp型のベース領域3を形成する。なお、ベース領域3はドリフト層2の上面にエピタキシャル成長してもよい。
次に、ドリフト層2上にフォトレジスト膜11を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜11をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜11をマスクとして用いて、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング等により、図3に示すように、ベース領域3a,3bを貫通してドリフト層2の上部に達するトレンチ12を選択的に形成する。その後、フォトレジスト膜11をウェット処理等で除去する。なお、ドリフト層2上に酸化膜を形成し、フォトレジスト膜によって酸化膜をパターニングした後、酸化膜をマスクとして用いてドライエッチングによりトレンチ12を形成してもよい。
次に、図4に示すように、熱酸化法等により、トレンチ12の底面及び側面とベース領域3a,3bの上面に第1ゲート絶縁膜61を形成する。SiCを熱酸化してSiO膜を形成する場合、例えば酸素雰囲気中において1000℃程度で熱処理を行ってもよい。或いは、低圧CVD(LPCVD)法等により高温酸化膜(HTO膜)を第1ゲート絶縁膜61として堆積してもよい。
次に、図5に示すように、第1ゲート絶縁膜61の上面に、感光性SOG液等の感光性樹脂膜(感光性樹脂溶液)62xをスピン塗布し、トレンチ12に充填させる。そして、熱処理(ベーキング)で感光性樹脂膜62xに含まれていた溶媒などを蒸発させる。更に、感光性樹脂膜62xをフォト・リソグラフィ技術によってパターニングする。即ち、感光性樹脂膜62xが感光する所定の波長の露光光を照射して感光性樹脂膜62xの全面を露光し、露光光の透過距離を選定して、感光性樹脂膜62xを途中まで露光してトレンチ12の下部に非感光領域を残存させる。感光性樹脂膜62xが紫外線に感光するのであれば、露光光としては、例えば、エキシマレーザーから出射される紫外線を採用できる。この際、露光光の光量を調整して露光光の透過距離を選択することにより、感光性樹脂膜62xが感光される深さを制御して、トレンチ12の下部に残存させる感光性樹脂膜62xの非感光領域厚さを制御する。露光光の光量を増加させるほど、露光光の透過距離が増大するので感光性樹脂膜62xが深く露光される。
その後、アルカリ水溶液等により現像すれば、感光した感光性樹脂膜62xが選択的に除去されて、現像後にトレンチ12の下部に非感光領域として感光性樹脂膜62xが残存する。すなわち、非感光領域である感光性樹脂膜62xがトレンチ12の深さ方向に選択的に残留するが、露光量を増加させるほど、非感光領域として残存する感光性樹脂膜62xの厚さは減少する。
現像後に図5に示した構造体を酸洗浄及び純粋洗浄をする。そして、例えばアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス雰囲気下、700℃〜900℃程度で30分間熱処理を行うことにより、感光性樹脂膜62x中の溶媒を揮発させ、感光性樹脂膜62xを焼成する。非感光領域として残存する感光性樹脂膜62xの上面は、焼成する前は露光光の透過距離が一定であるので、平坦であるが、絶縁膜を焼成することにより下側に凸となる断面形状になる。この結果、図6に示すように、トレンチ12の下部に焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62が形成される。トレンチ12の底部が下側に凸となる形状であるので、トレンチ底部埋込絶縁膜62は、その上面及び下面が下側に凸となる曲面を有する三日月形の断面形状になる。
次に、図7に示すように、LPCVD法等により、トレンチ12の側面及びトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面に高温酸化膜(HTO膜)等の第2ゲート絶縁膜63を減圧CVD等で堆積して形成する。第2ゲート絶縁膜63は、トレンチ12の側面のベース領域3a,3bが露出する表面の位置からトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面にまで延長されて、トレンチ底部埋込絶縁膜62を被覆する。第2ゲート絶縁膜63は、ベース領域3a,3bの上面に位置する第1ゲート絶縁膜61の上面にも堆積される。この結果、第1ゲート絶縁膜61、トレンチ底部埋込絶縁膜62及び第2ゲート絶縁膜63からなる積層構造のトレンチ内誘電体膜(61,62,63)が形成される。
次に、図8に示すように、CVD法等により、トレンチ内誘電体膜(61,62,63)を構成する第2ゲート絶縁膜63上にN等のn型不純物を添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)7xを堆積する。その後、ポリシリコン層7xをエッチバックすることにより、トレンチ12の内部にトレンチ内誘電体膜(61,62,63)を介してポリシリコン層7xを埋め込む。更に、指向性の高いドライエッチングにより、ポリシリコン層7xの上部を選択的に除去し、第2ゲート絶縁膜63を露出させる。そして、酸化膜とポリシリコンとのエッチング選択比を用いて、ベース領域3a,3bの上面側に露出した第1ゲート絶縁膜61及び第2ゲート絶縁膜63を選択的に除去するようにドライエッチングのエンドポイントを決定する。この結果、図9に示すように、ベース領域3a,3bの上面が露出する。
次に、ベース領域3a,3b上にフォトレジスト膜(図示省略)を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、N等のn型不純物イオンを多段イオン注入する。これと同時に、ポリシリコン層7xにもイオン注入される。その後、フォトレジスト膜をウェット処理等で除去する。更に、ベース領域3a,3b上に新たなフォトレジスト膜(図示省略)を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、Al等のp型不純物イオンを多段イオン注入する。この際、ポリシリコン層7xにp型不純物イオンがイオン注入されないように、ポリシリコン層7xの上をフォトレジスト膜でカバーしておいてもよい。その後、フォトレジスト膜をウェット処理等で除去する。引き続き、熱処理を行うことにより注入されたn型不純物及びp型不純物のイオンを活性化させ、図10に示すように、ベース領域3a,3bの上部にn型のソース領域4a,4b及びp型のベースコンタクト領域5a,5bを選択的に形成する。この熱処理工程においては、ポリシリコン層7xに注入されたn型不純物イオン等も活性化される。
なお、ソース領域4a,4b及びp型のベースコンタクト領域5a,5bを形成する順序はこれに限定されない。例えば、図2に示したp型のベース領域3を形成する工程の後、図3に示したトレンチ12を形成する工程の前に、n型のソース領域4a,4bとなるn型領域及びp型のベースコンタクト領域5a,5bを形成してもよい。そして、ソース領域4a,4bとなるn型領域及びベース領域3を貫通するようにトレンチ12を形成してもよい。
次に、CVD法等により、ゲート埋込電極7、ソース領域4a,4b及びp型のベースコンタクト領域5a,5b上にSiO膜等からなる層間絶縁膜8を堆積する。そして、層間絶縁膜8上にフォトレジスト膜13を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜13をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜13をマスクとして用いて、図11に示すように、ドライエッチングにより層間絶縁膜8をゲート埋込電極7上に残存するように選択的に除去してソースコンタクトホールを開孔する。図示を省略しているが、ソースコンタクトホールとは異なる箇所において、ゲート埋込電極7に接続されたゲート配線の一部が露出するように、ゲートコンタクトホールも層間絶縁膜8に開孔する。その後、フォトレジスト膜13をウェット処理等で除去する。
次に、スパッタ法又は蒸着法等により、図12に示すように、ソース領域4a,4b及びp型のベースコンタクト領域5a,5bの上面にAl等からなる金属層を全面に堆積する。そして、金属層上にフォトレジスト膜を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、ドライエッチングにより金属層をパターニングして、ソース電極9及びゲート表面電極のパターンを形成する。同様に、スパッタ法又は蒸着法等により、ドレイン領域1の下面にAu等からなるドレイン電極10を図1に示すように形成する。このようにして、本発明の実施形態に係る半導体装置が完成する。
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、感光性樹脂膜62xを露光する光量を調整することにより、トレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さを調節することができる。したがって、トレンチ12の底面側の第1ゲート絶縁膜61、トレンチ底部埋込絶縁膜62及び第2ゲート絶縁膜63からなるトレンチ内誘電体膜(61,62,63)の各部の厚さを独立して調節することが容易にできる。
(第1の変形例)
本発明の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置は、図12に示すように、トレンチ内誘電体膜(61,62)が、第1ゲート絶縁膜61及びトレンチ底部埋込絶縁膜62を有し、図1に示した第2ゲート絶縁膜63を有さない点が、図1に示した本発明の実施形態に係る半導体装置と異なる。第1ゲート絶縁膜61は、トレンチ12の底面及び側面に連続して設けられ、トレンチ12の底面に接する。第1ゲート絶縁膜61は、トレンチ12の側面のベース領域3a,3bが露出する表面の位置からトレンチ12の底面までを含む、トレンチ12の内面の全面に設けられている。トレンチ底部埋込絶縁膜62は、トレンチ12の下部に設けられ、トレンチ底部埋込絶縁膜62の下面側が第1ゲート絶縁膜61に接し、トレンチ底部埋込絶縁膜62の上面側がゲート埋込電極7に接する。
本発明の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置によれば、本発明の実施形態に係る半導体装置と同様に、トレンチ内誘電体膜(61,62)がトレンチ12の下部にトレンチ底部埋込絶縁膜62を有する。これにより、トレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さを調整して、トレンチ12の底面側のトレンチ内誘電体膜(61,62)の厚さを独立に厚くすることが容易であり、トレンチ12の底部の耐圧を確保することができる。
本発明の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法において、トレンチ内誘電体膜(61,62)を形成する工程は、熱酸化法又はCVD法等によりトレンチ12の底面及び側面に第1ゲート絶縁膜61を形成する。そして、トレンチ12を埋めるように感光性樹脂膜(感光性樹脂溶液)を塗布し、感光性樹脂膜を途中まで露光してトレンチ12の下部に非感光領域を残存させる。そして、感光した感光性樹脂膜を現像して選択的に除去して、トレンチ12の下部に感光性樹脂膜を残存させる。引き続き、残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62をトレンチ12の底部に埋め込む。他の工程は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
(第2の変形例)
本発明の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置は、図13に示すように、トレンチ内誘電体膜(62,63)が、トレンチ底部埋込絶縁膜62及び第2ゲート絶縁膜63を有し、図1に示した第1ゲート絶縁膜61を有さない点が、図1に示した本発明の実施形態に係る半導体装置と異なる。トレンチ底部埋込絶縁膜62は、トレンチ12の底面に接するようにトレンチ12の下部に設けられている。第2ゲート絶縁膜63は、トレンチ底部埋込絶縁膜62の上面を被覆するように、トレンチ12の側面及びトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面に連続して設けられている。第2ゲート絶縁膜63は、トレンチ底部埋込絶縁膜62及びゲート埋込電極7に接している。
本発明の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置によれば、本発明の実施形態に係る半導体装置と同様に、トレンチ内誘電体膜(62,63)がトレンチ12の下部にトレンチ底部埋込絶縁膜62を有する。これにより、トレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さを調整して、トレンチ12の底面側のトレンチ内誘電体膜(62,63)を選択的に容易に厚くすることができ、トレンチ12の底部の耐圧を確保することができる。
本発明の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法において、トレンチ内誘電体膜(62,63)を形成する工程は、トレンチ12を埋めるように感光性樹脂膜を塗布し、感光性樹脂膜を途中まで露光してトレンチ12の下部に非感光領域を残存させる。感光した感光性樹脂膜を現像して選択的に除去し、トレンチ12の下部に感光性樹脂膜を残存させる。その後、残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62をトレンチ12の底部に埋め込む。更に、CVD法等により、トレンチ12の側面及びトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面に第2ゲート絶縁膜63を堆積する。第2ゲート絶縁膜63は、トレンチ12の側面のベース領域3a,3bが露出する表面の位置からトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面にまで延長されて設けられる。他の工程は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
(第3の変形例)
本発明の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置は、図14に示すように、トレンチ内誘電体膜(62,63)の第2ゲート絶縁膜63が、トレンチ12の側面のみに選択的に設けられ、トレンチ底部埋込絶縁膜62の上面に設けられていない点が、図13に示した本発明の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置と異なる。トレンチ12の下部において、トレンチ底部埋込絶縁膜62がゲート埋込電極7に接する。
本発明の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置によれば、本発明の実施形態に係る半導体装置と同様に、トレンチ内誘電体膜(62,63)がトレンチ12の下部にトレンチ底部埋込絶縁膜62を有するので、トレンチ底部埋込絶縁膜62の厚さを調整して、トレンチ12の底面側のトレンチ内誘電体膜(62,63)を選択的に容易に厚くすることができ、トレンチ12の底部の耐圧を確保することができる。
本発明の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置の製造方法において、トレンチ内誘電体膜(62,63)を形成する工程は、トレンチ12を埋めるように感光性樹脂膜を塗布し、感光性樹脂膜を途中まで露光してトレンチ12の下部に非感光領域を残存させる。感光した感光性樹脂膜を現像して選択的に除去し、トレンチ12の下部に感光性樹脂膜を残存させる。その後、残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62をトレンチ12の底部に埋め込む。更に、熱酸化法等により、トレンチ12の側面にのみ第2ゲート絶縁膜63を選択的に形成する。他の工程は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の実施形態においては、図1に示すようにトレンチ底部埋込絶縁膜62が三日月形状の断面形状を有する場合を例示したが、これに限定されない。既に述べたとおり、トレンチ底部埋込絶縁膜62の上面はSOG膜等の感光性樹脂膜を焼成する前は光の透過距離が一定(均一)であることを反映し平坦である。よって、焼成する条件を調整することにより、例えば図15に示すようにトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面を平坦にし、下面まで含めた全体の断面形状が半円形状となるように形成してもよい。或いは、図16に示すように、トレンチ12の底面が平面である場合には、トレンチ12の底面の形状に対応して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜62が矩形の断面形状を有していてもよい。特に、トレンチ12の底面が平面である場合には、感光性樹脂膜を焼成する後にもトレンチ底部埋込絶縁膜62の上面を平坦にすることは容易である。
本発明の実施形態においては、トレンチゲート型MISFETを例示したが、これに限定されず、半導体層の上に絶縁膜を介して電極が配置されているトレンチ構造を有するIGBT等の種々のトレンチ構造を有する半導体装置に適用可能である。
例えば、本発明の実施形態に係る半導体装置がIGBTの場合には、図17に示すように、第1導電型(n型)のドリフト層31と、ドリフト層31の上面側に配置された第2導電型(p型)のベース領域32a,32bと、ベース領域32a,32bの上部に配置され、ドリフト層31よりも高不純物密度の第1導電型(n型)の第1主電極領域(エミッタ領域)33a,33bとを備える。エミッタ領域33a,33bの上面からドリフト層31に至るように、エミッタ領域33a,33b及びベース領域32a,32bを貫通するトレンチ42が設けられている。トレンチ42の底面及び側面にはゲート絶縁膜(51,53)が設けられ、トレンチ42内にゲート絶縁膜(51,53)を介してゲート電極36が埋め込まれている。
ベース領域32a,32bの上部には、エミッタ領域33a,33b及びベース領域32a,32bに接するようにベース領域32a,32bよりも高不純物密度の第2導電型(p型)のベースコンタクト領域34a,34bが設けられている。ゲート電極36上には層間絶縁膜37を介して第1主電極(エミッタ電極)38がエミッタ領域33a,33b及びエミッタ領域34a,34bに接して配置されている。ドリフト層31の下面側には、第1導電型(p型)の第2主電極領域(コレクタ領域)40が配置されている。ドリフト層31とコレクタ領域40の間にはドリフト層31よりも高不純物密度のn型のフィールドストップ(FS)層39が配置されている。コレクタ領域40の下面側には、コレクタ領域40に接するように第2主電極(コレクタ電極)41が配置されている。
トレンチ42の底部には、図1に示した第1ゲート絶縁膜61、トレンチ底部埋込絶縁膜62及び第2ゲート絶縁膜63の3層構造を含むトレンチ内誘電体膜(61,62,63)と同様に、第1ゲート絶縁膜51、トレンチ底部埋込絶縁膜52及び第2ゲート絶縁膜53の3層構造を含むトレンチ内誘電体膜(51,52,53)を構成して、トレンチ42の底部にかかる電界強度を抑制している。
図17に示したIGBTの製造方法としては、例えば、n型のドリフト層31となる半導体基板を用意して、MISFETと同様にトレンチゲート構造を形成すればよい。更に、ドリフト層31の下面側にN等のn型不純物及びAl等のp型不純物を順次多段イオン注入して熱処理を行い、n型のFS層39及びp型のコレクタ領域40をそれぞれ形成すればよい。
本発明の実施形態においては、SiCを用いた半導体装置を例示したが、窒化ガリウム(GaN)又はダイヤモンド等の他のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体装置に適用することも可能である。また、ワイドバンドギャップ半導体に限定されず、シリコン(Si)を用いた半導体装置に適用することも可能である。
1…ドレイン領域(第2主電極領域)
2,31…ドリフト層
3,3a,3b,32a,32b…ベース領域
4a,4b…ソース領域(第1主電極領域)
5a,5b,34a,34b…ベースコンタクト領域
6,6x,6y,6z,35…ゲート絶縁膜
7…ゲート埋込電極
7x…ポリシリコン層
8,37…層間絶縁膜
9…ソース電極
10…ドレイン電極
11,13…フォトレジスト膜
12,42…トレンチ
33a,33b…エミッタ領域(第1主電極領域)
38…エミッタ電極
39…フィールドストップ層
40…コレクタ領域(第2主電極領域)
41…コレクタ電極
51,61…第1ゲート絶縁膜
52,62…トレンチ底部埋込絶縁膜
53,63…第2ゲート絶縁膜
62x…感光性樹脂膜

Claims (12)

  1. 第1導電型の炭化ケイ素からなるドリフト層と、
    前記ドリフト層の上面側に配置された第2導電型の炭化ケイ素からなるベース領域と、
    前記ベース領域の上部に配置され、前記ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の炭化ケイ素からなる第1主電極領域と、
    前記第1主電極領域及び前記ベース領域を貫通するトレンチ側面の前記ベース領域が露出する表面に少なくとも設けられたゲート絶縁膜と、
    前記トレンチの底面側に前記トレンチの下部を埋め込むように前記ゲート絶縁膜に接して設けられ、前記ゲート絶縁膜より比誘電率の小さい材料の焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜と、
    前記トレンチ内の前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上方に前記ゲート絶縁膜を介して埋め込まれたゲート埋込電極と、
    前記ドリフト層の下面側に配置された炭化ケイ素からなる第2主電極領域と、
    を備え
    前記トレンチの底面が下側に凸となる曲面であり、前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面及び下面が下側に凸となる曲面であり、前記トレンチ底部埋込絶縁膜の厚さが、前記トレンチの幅方向における中央部が最も厚く、前記中央部から離れるにつれて薄くなることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記トレンチ底部埋込絶縁膜には、透過型電子顕微鏡像の観察から認められる2nm〜10nmの微少空孔が分散していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ゲート絶縁膜が、前記側面の前記ベース領域が露出する表面の位置から前記底面までを含む、前記トレンチの内面の全面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記ゲート絶縁膜が、前記側面の前記ベース領域が露出する表面の位置から前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面にまで延長され前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面を被覆していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  5. 前記ゲート絶縁膜が、
    前記底面及び前記側面に設けられ、前記トレンチ底部埋込絶縁膜の下面側で前記底面に接する第1ゲート絶縁膜と、
    前記第1ゲート絶縁膜の上面に設けられ、前記側面の前記ベース領域が露出する表面の位置から前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面にまで延長し、前記ゲート埋込電極に接する第2ゲート絶縁膜と、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面が前記ゲート埋込電極に接することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記トレンチ底部埋込絶縁膜が前記底面に接することを特徴とする請求項1、2及び4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記ドリフト層がシリコンよりも禁制帯幅が広い半導体材料からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 第1導電型のドリフト層の上面側に第2導電型のベース領域を形成する工程と、
    前記ベース領域を貫通するトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチの少なくとも側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記トレンチを埋めるように感光性樹脂膜を塗布する工程と、
    前記塗布した感光性樹脂膜を途中まで露光して前記トレンチの下部に非感光領域を残存させる工程と、
    感光した前記感光性樹脂膜を現像して選択的に除去する工程と、
    前記残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜を形成する工程と、
    前記トレンチ内の前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上方に前記ゲート絶縁膜を介してゲート埋込電極を埋め込む工程と、
    前記ベース領域の上部に、前記ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 前記ゲート絶縁膜を第1ゲート絶縁膜として、
    該第1ゲート絶縁膜の上に、前記側面の前記ベース領域が露出する表面の位置から前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面にまで延長され前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上面を被覆する第2ゲート絶縁膜を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 第1導電型のドリフト層の上面側に第2導電型のベース領域を形成する工程と、
    前記ベース領域を貫通するトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチを埋めるように感光性樹脂膜を塗布する工程と、
    前記塗布した感光性樹脂膜を途中まで露光して前記トレンチの下部に非感光領域を残存させる工程と、
    感光した前記感光性樹脂膜を現像して選択的に除去する工程と、
    前記残存した感光性樹脂膜を焼成して焼成絶縁膜からなるトレンチ底部埋込絶縁膜を形成する工程と、
    前記トレンチの少なくとも側面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記トレンチ内の前記トレンチ底部埋込絶縁膜の上方に前記ゲート絶縁膜を介してゲート埋込電極を埋め込む工程と、
    前記ベース領域の上部に、前記ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記感光性樹脂膜がスピンオングラス膜であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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