JP6931892B2 - 磁気共鳴装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は磁気共鳴装置および磁気共鳴方法に関し、より詳細には、オプトエレクトロメカニクスに基づいた磁気共鳴信号の測定装置および測定方法に関する。
核磁気共鳴(NMR: Nuclear Magnetic Resonance)装置は、試料を分析する装置であり、静磁場空間内に配置されている試料に励起高周波を照射して、試料内に含まれている測定対象の原子核から放出される核磁気共鳴信号を検出する装置である。照射する励起高周波の周波数は、印加する静磁場の大きさと、試料内の観測対象の核スピンの種類とに応じて決定されており、核磁気共鳴が起こる周波数は共鳴周波数と呼ばれている。
一般的に、このような核磁気共鳴現象により得られる信号は、取り扱うエネルギーが極めて微小であることから、本質的に微弱な信号である。したがって、核磁気共鳴装置において高感度化は重要な課題となっている。
下記特許文献1には、送信コイルと受信コイルとの間の電磁気的な結合の影響を抑えることにより、検出感度を向上させた核磁気共鳴装置用プローブが開示されている。
下記特許文献2には、ディジタル直交ロックイン検出方法により、核磁気共鳴信号の受信を高感度に行う方法が開示されている。
下記特許文献3および下記非特許文献1には、ナノメカニカルトランスデューサにより電波を光学的に検出方法が開示されている。
特開2007−322361号公報 特開2007−3458号公報 米国特許出願公開第2016/0011044号明細書
T. Bagci et al., "Optical detection of radio waves through a nanomechanical transducer", Nature, 2014年3月, Vol. 507, No. 6, pp.81-85
核磁気共鳴信号の測定において、信号の強度には例えばスピン濃度やラーモア周波数が関係しており、信号の線幅(分解能)には例えば四極子相互作用や核−電子スピン相互作用が関係している。核磁気共鳴信号の測定の難易度を、信号強度に関連する縦方向の問題と、信号の線幅に関連する横方向の問題とに分離して考えると、特許文献1および2に記載のこれまでの技術は、いずれも縦方向の問題だけを解決する要素技術である。
核磁気共鳴信号の感度向上には、信号の検出に関連する様々な要素技術を、感度に悪影響を与えないように互いに組み合わせる必要があり、これまでの要素技術に組み合わせることが可能な新たな要素技術が求められている。
特許文献3および非特許文献1には、電波を光学的に検出するための部品またはモジュールとしてナノメカニカルトランスデューサが開示されている。しかしながら、特許文献3および非特許文献1はいずれも、試料を分析する装置一式として磁気共鳴装置を開示するものではない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、磁気共鳴信号を高感度に検出する新たな要素技術を備えた磁気共鳴装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、以下に示す態様を含む。
(項1)
試料に印加するための磁場を発生する磁場発生部と、
励起高周波を発生する励起高周波発生部と、
前記磁場内に配置されている前記試料に、前記励起高周波を照射する送信コイルと、
前記励起高周波によって励起された前記試料が発生する磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、
前記磁気共鳴信号の電圧を、容量結合性の膜の振動に変換する電気機械トランスデューサと、
光の干渉に基づいて前記膜の振動を測定する振動測定部と、
を備える、磁気共鳴装置。
(項2)
前記励起高周波の周波数と前記膜の振動数とに基づいて、前記磁気共鳴信号を取得する検波部をさらに備える、項1に記載の磁気共鳴装置。
(項3)
前記電気機械トランスデューサに印加するための駆動高周波を発生する駆動高周波発生部をさらに備え、
前記検波部が、前記励起高周波の周波数と、前記膜の振動数と、前記駆動高周波の周波数とに基づいて、前記磁気共鳴信号を取得する、項2に記載の磁気共鳴装置。
(項4)
前記励起高周波の周波数が一定であり、
前記磁場発生部が、共鳴磁場強度を含む所定の範囲にわたって前記磁場の強度を掃引する、項1から3のいずれかに記載の磁気共鳴装置。
(項5)
前記受信コイルが超伝導コイルである、項1から4のいずれかに記載の磁気共鳴装置。
(項6)
前記磁場の強度が一定であり、
前記励起高周波発生部が、共鳴周波数を含む所定の範囲にわたって前記励起高周波の周波数を掃引する、項1から3のいずれかに記載の磁気共鳴装置。
(項7)
前記電気機械トランスデューサが、容量結合性の前記膜と、前記膜と離隔して配置された複数の電極とを備え、
前記磁気共鳴信号の電圧を前記膜の振動に変換する、項1から6のいずれかに記載の磁気共鳴装置。
(項8)
前記振動測定部が、マイケルソン干渉計、ファブリ・ペロー干渉計およびマッハ・ツェンダー干渉計のいずれかである、項1から7のいずれかに記載の磁気共鳴装置。
(項9)
前記磁気共鳴信号が、核磁気共鳴法、電子スピン共鳴法、および磁気共鳴画像法のいずれかによる信号である、項1から8のいずれかに記載の磁気共鳴装置。
(項10)
磁場内に配置されている試料に、励起高周波を照射するステップと、
前記励起高周波によって励起された前記試料が発生する磁気共鳴信号を受信するステップと、
前記磁気共鳴信号の電圧を、容量結合性の膜の振動に変換するステップと、
光の干渉に基づいて前記膜の振動を測定するステップと、
を含む、磁気共鳴方法。
本発明によると、磁気共鳴信号を高感度に検出する新たな要素技術を備えた磁気共鳴装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴信号の検出原理を説明するためのコイル配置を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置の概略ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置が備える電気機械トランスデューサ42の模式図である。 本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置における核磁気共鳴方法のフローチャートである。 NMR信号が駆動高周波発生部6へ逆流することを防止するための回路構成の一例を概略的に示す模式図である。 図5に示す伝送線路の長さと静電容量C′との関係を説明するための模式図である。 振動測定部5の他の構成例を概略的に示す模式図である。 オプトメカニクスNMR実験に用いた装置の概略的な構成を示す模式図である。 (a)は通常の電気的な方法により検出したNMR信号であり、(b)はオプトメカニクスにより検出したNMR信号である。 光変換されたNMR信号を取得するための構成の一例を示す模式図である。 1パルス実験による時間領域のNMR信号(FID信号)である。 図11に示すFID信号をフーリエ変換して得られたNMRスペクトルである。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明および図面において、同じ符号は同じまたは類似の構成要素を示すこととし、よって、同じまたは類似の構成要素に関する説明を省略する。
一般に、核磁気共鳴現象により核磁気共鳴信号を取得する場合には、掃引する測定パラメータの違いにより、フーリエ変換型および静磁場掃引型の2つの態様がある。フーリエ変換型の態様では、試料に印加する、量子化軸を規定している磁場の強度は一定に保ったまま、試料に照射する励起高周波の周波数を、核磁気共鳴が起こる周波数である共鳴周波数を含む所定の範囲にわたって掃引する。磁場掃引型の態様では、試料に照射する励起高周波の周波数は一定に保ったまま、試料に印加する、量子化軸を規定している磁場の強度を、核磁気共鳴が起こる磁場強度である共鳴磁場強度を含む所定の範囲にわたって掃引する。本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴信号の検出では、磁場掃引型の核磁気共鳴を行う。
<検出原理>
本発明では、キャビティ・オプトメカニクスに基づいた電気機械トランスデューサを用いて、核磁気共鳴信号を、容量結合性の膜の振動に変換して測定する。
[受信コイルに発生する電圧(V)]
図1は、本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴信号の検出原理を説明するためのコイル配置を示す模式図である。
試料S内の核スピンの量子化軸を規定する磁場BをZ方向とし、送信コイル31の軸をX方向とし、受信コイル41の軸をY方向とする。送信コイル31に一定の周波数ωの高周波信号を連続的に送信する。このとき試料位置に発生する磁場を、2Bcosωt=B[exp(iωt)+exp(−iωt)]と表す。このとき、受信コイル41に発生する電圧Vに寄与する信号成分は、
・核磁気共鳴信号(V
・送信信号のリーク(V
である。
これに加えて、リーク信号Vを相殺すべく、
・補償信号(V
を受信コイル41に印加する。さらに、電気機械トランスデューサでの電気−機械結合のために、
・駆動信号(V
も印加する。すなわち、受信コイル41の両端の間の電圧Vは、
Figure 0006931892
で与えられる。
[核磁気共鳴信号(V)]
核磁気共鳴信号Vは、受信コイル41のループを貫く核磁化に起因する磁束Φの時間微分で与えられる。すなわち、
Figure 0006931892
受信コイル41の形状に依存する複雑な議論を避けるために、コイルはひと巻きで直径Dとする。すると磁束Φは核磁化のy成分Mを用いて、
Figure 0006931892
で与えられる。Mは、回転座標系における定常状態の核磁化
Figure 0006931892
を用いて、
Figure 0006931892
と書けるので、(3)式より、
Figure 0006931892
となる。また、定常状態の核磁化の成分はBloch方程式から求めることができる:
Figure 0006931892
ここでγは磁気回転比、Tは縦緩和時間、Tは横緩和時間、Δωは共鳴オフセット周波数である。上式は、飽和が無視できる条件下では、それぞれ
Figure 0006931892
と単純化される。
静磁場Bのもとでの核スピンの歳差運動周波数ωはω=−γBであり、ΔωはΔω=ω−ωで与えられる。共鳴条件が満たされているとき、
Figure 0006931892
となる。このとき核磁気共鳴信号Vの電圧は、
Figure 0006931892
で与えられる。
[リーク信号(V)と補償信号(V)]
リーク信号Vは、送信コイル31が発する磁力線が受信コイル41のループを貫く成分Φ[Wb]の時間微分で与えられる。すなわち、
Figure 0006931892
リーク磁束Φは小さいほど望ましい。しかし、送信コイル31と受信コイル41とを直交させて配置しても、現実的にはリーク磁束を完全にゼロにすることは不可能である。
Figure 0006931892
Aは送受信コイルの形状および配置によって決まるパラメータであり、面積の次元を有する。ここからリーク電圧が、
Figure 0006931892
と求まる。
一定の周波数ωの高周波を連続的に照射する態様で核磁気共鳴信号を取得するとき、受信コイル41に生じる電圧は、
Figure 0006931892
となる。
Figure 0006931892
の場合、電気機械トランスデューサ42内に構成されている容量素子を通して光検出される信号の大部分は、リーク信号Vによる寄与であり、微弱な核磁気共鳴信号Vはそこに摂動が加わる程度の大きさである。そこで、V=−Vとなるように補償信号Vを受信コイル41に加えることで、リーク信号Vの影響を打ち消すと、微弱な核磁気共鳴信号Vを取得することができる。
[信号検出手順]
一定の周波数ωの高周波信号を送信コイル31に送りつつ、受信コイル41に駆動信号V及び補償信号Vを送る。静磁場が核スピンの共鳴条件を満たすときに発生する(7)式の核磁気共鳴信号は、電気機械トランスデューサ42内に備えられている容量結合性の膜M上において、周波数が薄膜Mの固有振動数ωに変換される。すなわち、核磁気共鳴信号が容量結合性の薄膜Mの変位となって現れる。この薄膜Mの変位を、例えばレーザーを用いた光干渉計で検出する。この薄膜変位の測定を様々な強度の静磁場のもとで行い、薄膜変位の静磁場強度依存性をプロットすると、核磁気共鳴信号のスペクトルが得られる。
<装置の構成>
図2は、本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置の概略ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置は、試料Sに印加するための磁場Bを発生する磁場発生部1と、励起高周波を発生する励起高周波発生部2と、磁場B内に配置されている試料Sに励起高周波を照射する送信部3と、励起高周波によって励起された試料Sが発生する磁気共鳴信号を受信して、磁気共鳴信号の電圧を、容量結合性の膜Mの振動に変換する受信部4と、光の干渉に基づいて膜の振動を測定する振動測定部5と、駆動高周波を発生する駆動高周波発生部6と、周波数ωの励起高周波と、周波数ωの膜の振動による光の干渉信号と、周波数ωの駆動高周波とに基づいて、複素磁気共鳴信号を取得する検波部7とを備える。
[磁場発生部]
磁場発生部1は、直流電源11と、メインコイル12と、電圧掃引部13とを備える。
メインコイル12は、空間的に均質な磁場Bを発生させる、例えばヘルムホルツ型またはソレノイド型のコイルである。磁場Bにより試料S内の核スピンの量子化軸が規定される。電圧掃引部13は、磁場掃引型の核磁気共鳴を行うための構成であり、メインコイル12が発生する磁場Bの強度を、共鳴磁場強度を含む所定の範囲にわたって掃引する。共鳴磁場強度は、試料Sに照射される励起高周波の周波数と、試料S内の観測対象の核スピンの種類とに応じて決定されている。
[励起高周波発生部]
励起高周波発生部2は、高周波発生源21と、スイッチ22と、増幅器23,24と、変調器25と、分配器26,27とを備える。励起高周波は、試料Sを励起させるための振動磁場エネルギーを与えるための信号であり、励起高周波の周波数ωは、ω=(LC)−0.5に設定されている。ここで、LおよびCは、受信部4に構成されているLC並列共振回路のインダクタンスLおよび静電容量Cであることから、励起高周波の周波数ωは、受信部4に構成されているLC並列共振回路の電気的な共振周波数ωである。
高周波発生源21によって生成された励起高周波は、増幅器23で増幅されて送信部3に入力される。スイッチ22は、送信部3への励起高周波の入力タイミングを制御する。また、高周波発生源21からの励起高周波は、増幅器24で増幅されて、検波処理のために検波部7の直交検波器74にも入力される。
また、励起高周波は、増幅器24で増幅された後、変調器25にて振幅および位相が調整され、駆動高周波発生部6にて駆動高周波と合成された後、受信部4の位相分配器46に入力される。変調器25は補償信号Vを生成するための構成であり、補償信号Vは、受信コイル41に発生する、送信信号(励起高周波)のリーク信号Vを打ち消すために、受信コイル41に印加される。
[送信部]
送信部3は、送信コイル31と、コンデンサ32,33,34とを備える。
励起高周波発生部2からの励起高周波は、送信コイル31から試料Sに照射される。送信コイル31とコンデンサ32とは、本実施形態ではLC並列共振回路を構成している。コイルとコンデンサとの配置としては、並列共振および直列共振があり、コンデンサの配置としては、バランス型および非バランス型がある。バランス型のコンデンサ配置とは、コイルに対して左右対称にコンデンサを配置することによって、コイルに発生する電位差を小さくする手法である。本実施形態では、コンデンサ32は、バランス型の並列共振を実現するための回路素子である。コンデンサ33,34は、本実施形態では可変コンデンサであり、コンデンサ34が、回路の共振整合用の構成である。
[受信部]
受信部4は、受信コイル41と、電気機械トランスデューサ42と、コンデンサ43,44,45と、位相分配器46とを備える。
磁気共鳴信号は、励起高周波によって励起された試料Sに含まれる原子核のスピン(核スピン)によって生じる。核スピンは磁場の成分を有しており、受信コイル41を貫く核スピンの磁場成分が時間的に変化することにより、受信コイル41に誘導起電力が生じる。この時間的に変化する誘導起電力が磁気共鳴信号であり、磁気共鳴信号の電圧が、電気機械トランスデューサ42を介して、電気機械トランスデューサ42が備える容量結合性の膜Mの共振振動に変換される。後述するように、電気機械トランスデューサ42は、所定の静電容量Cを有する容量素子を構成に含んでおり、受信コイル41と電気機械トランスデューサ42とコンデンサ43とは、本実施形態ではLC並列共振回路を構成している。
受信コイル41は、本実施形態では高温超伝導(HTS: High Temperature Superconducting)コイルであり、高いQ値の共振回路を実現している。コンデンサ43は、本実施形態では受信コイル41の浮遊容量を意味し、受信コイル41を自己共振で使用する。コンデンサ44,45は回路の共振整合用の構成であり、本実施形態では可変コンデンサである。
位相分配器46は、入力側が駆動高周波発生部6に接続され、出力側が電気機械トランスデューサ42に並列に接続されており、駆動高周波発生部6からの駆動高周波の信号を所定の位相差で分配する。駆動高周波は、電気機械トランスデューサ42における電気−機械結合のために入力される信号である。位相分配器46は、本実施形態では180°ハイブリッドジャンクションである。
図3は、本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置が備える電気機械トランスデューサ42の模式図である。(a)は概略斜視図であり(b)は断面図である。
本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置が備える電気機械トランスデューサ42は、共振器キャビティ421と、共振器薄膜422と、金属膜423と、平面電極424と、基板425とを備える。本実施形態では、電気機械トランスデューサ42は、公知の半導体製造技術に基づいて作製された、キャビティ・オプトメカニクスに基づくナノスケールの電気機械トランスデューサであり、公知のMEMS(Micro Electro Mechanical System)トランスデューサのメンブレン表面に導電性の膜が形成され、この導電性の膜に対向する位置に平面電極が形成されている構造を有する。導電性の膜には駆動用の高周波電圧が印加されている。例示的には、共振器キャビティ421はシリコン(Si)製であり、共振器薄膜422はシリコン窒化膜(SiN)であり、金属膜423はアルミニウム(Al)製であり、平面電極424は金(Au)製であり、基板425はガラス(シリカ)製である。金属膜423および平面電極424に用いる金属はこれら例示するものに限定されず、種々の金属を用いることができる。例えば金属膜423を金(Au)製とし、平面電極424をアルミニウム(Al)製としてもよい。
共振器薄膜422は、ナノスケールのメンブレンであり、共振器キャビティ421のキャビティ部底面に配置されている。平面電極424に対向する側の共振器薄膜422の表面には金属膜423が積層されており、共振器薄膜422と金属膜423とが容量結合性の膜Mを構成している。本実施形態では、電気機械トランスデューサ42は真空容器(図示せず)内に配置されており、例えば気密コネクタを用いて受信コイル41およびコンデンサ43,44,45と電気的に接続されている。真空容器内の圧力は、大気圧よりも低い圧力、好ましくは真空に保たれている。電気機械トランスデューサ42を真空中に配置することにより、大気中の気体分子による共振器薄膜422の振動の減衰を防ぐことができる。図中の符号Loptは振動測定部5からの測定光であり、真空容器に設けられた光学窓を通じて電気機械トランスデューサ42に入射する。
複数の平面電極424は、共振器薄膜422から所定の距離dだけ離隔して基板425の表面に配置されている。複数の平面電極424と容量結合性の膜Mとが、所定の静電容量Cを有する容量素子を構成している。平面電極424の接続端子には、受信コイル41からの受信信号と、位相分配器46からの駆動高周波信号とが接続されている。電気機械トランスデューサ42内に構成されている、所定の静電容量Cを有するこの容量素子は、受信コイル41およびコンデンサ43と共にLC並列共振回路の一部を構成している。すなわち、LC並列共振回路のインダクタンスLは、受信コイル41のインダクタンスであり、LC並列共振回路の静電容量Cは、コンデンサ43の静電容量をCとすると、C=C+Cである。例示的には、Cは約80pF、Cは約0.5pFである。
また、駆動高周波信号の周波数ωは、受信コイル41と電気機械トランスデューサ42とコンデンサ43とが構成しているLC並列共振回路の電気的な共振周波数ωと、電気機械トランスデューサ42が備える容量結合性の膜Mの機械的な共振周波数ωとの差に設定されている。駆動高周波信号と受信コイル41からの磁気共鳴信号とは、その差周波(difference frequency)に相当するうなり信号を生成する。うなり信号の周波数が、容量素子と容量結合した膜Mの機械的な共振周波数と一致すると、膜Mの共振振動が誘起される。このように、電気機械トランスデューサ42は、磁気共鳴信号を、容量結合性の膜Mの共振振動に変換するトランスデューサ(変換器)として機能する。
[振動測定部]
振動測定部5は、本実施形態では公知の光干渉計であり、具体的にはマイケルソン干渉計である。振動測定部5は、電気機械トランスデューサ42が備えている容量結合性の膜Mの変位を測定対象とする。公知のマイケルソン干渉計の例示的な構成として、振動測定部5は、光源51と、ビームスプリッタ(ハーフミラー)52と、反射鏡53と、光検出器54とを備える。
光源51は、コヒーレントな測定光を照射する。ビームスプリッタ52は、測定光を反射光と透過光とに分割する。反射光は反射鏡53において反射され、ビームスプリッタ52を透過して光検出器54に入射する。透過光は電気機械トランスデューサ42の容量結合性の膜Mにおいて反射され、ビームスプリッタ52において反射されて光検出器54に入射する。
ここで、容量結合性の膜Mと平面電極424との間の距離dが変化していると、反射光と透過光との間に生じた光路差により、干渉光には位相差が生じる。したがって、光検出器54において干渉光の干渉縞を測定することにより、容量結合性の膜Mと平面電極424との間の距離dの変化を測定、すなわち容量結合性の膜Mが振動することにより生じる位置の変化を測定する。光検出器54は、測定により得た容量結合性の膜Mの振動数ωを含む信号を、後段の検波部7に出力する。光検出器54の出力は、本実施形態ではアナログ信号である。
[駆動高周波発生部]
駆動高周波発生部6は、高周波発生源61と、スイッチ62と、増幅器63,64と、分配器65と、合成器66とを備える。駆動高周波は、電気機械トランスデューサ42における電気−機械結合のために出力する信号であり、駆動高周波の周波数ω=励起高周波の周波数ω−容量結合性の膜Mの機械的な共振周波数ωに設定されている。
高周波発生源61によって生成された駆動高周波は、増幅器63で増幅されて受信部4の位相分配器46に入力される。スイッチ62は、受信部4への駆動高周波の入力タイミングを制御する。また、高周波発生源61からの駆動高周波は、増幅器64で増幅されて、検波処理のために検波部7の混合器72にも入力される。
[検波部]
検波部7は、帯域通過フィルタ71,73と、混合器72と、直交検波器74と、データ取得部75と、増幅器76とを備える。
振動測定部5からの、容量結合性の膜Mの振動数ωを含む信号は、帯域通過フィルタ71でノイズ除去された後、増幅器76で増幅されて混合器72の一方の入力端子に入力される。混合器72の他方の入力端子は、駆動高周波発生部6の増幅器64の出力端子に接続されており、混合器72は、振動測定部5からの振動数ωを含む信号と、駆動高周波発生部6からの駆動高周波(周波数ω)とを混合した混合信号を出力する。
混合器72からの混合信号は、帯域通過フィルタ73でノイズ除去された後、直交検波器74の一方の入力端子に入力される。直交検波器74の他方の入力端子(参照端子)は、励起高周波発生部2の増幅器24の出力端子に接続されており、直交検波器74は、混合器72からの混合信号と、励起高周波発生部2からの励起高周波(周波数ω)とに基づいて直交検波を行い、磁気共鳴信号の信号成分を抽出する。直交検波器74で検波された磁気共鳴信号の信号成分は、磁気共鳴信号のスペクトルデータとしてデータ取得部75に記録される。本実施形態では、直交検波器74は公知のディジタル・ロックインアンプであり、データ取得部75は公知のパーソナルコンピュータ(PC)である。
<装置の動作手順>
図4は、本発明の実施の形態に係る核磁気共鳴装置における核磁気共鳴方法のフローチャートである。
以下のステップでは、磁場掃引型の核磁気共鳴を行う場合を例示する。ステップS1〜ステップS5の測定中、磁場Bおよび励起高周波は印加および照射したままの状態とし、磁場発生部1の電圧掃引部13が、共鳴磁場強度を含む所定の範囲にわたって磁場Bの強度を掃引する。
ステップS1では、送信部3が、磁場B内に配置されている試料Sに、一定周波数の励起高周波を照射する。磁場Bは磁場発生部1によって発生されており、励起高周波は励起高周波発生部2によって発生されている。ここで、電圧掃引部13が掃引する磁場Bの強度が共鳴磁場強度に一致すると、試料Sは励起して磁気共鳴信号を発生する。
ステップS2では、受信部4の受信コイル41が、試料Sが発生する磁気共鳴信号を受信する。
ステップS3では、受信部4の電気機械トランスデューサ42が、磁気共鳴信号の電圧を、容量結合性の膜の共振振動に変換する。
ステップS4では、振動測定部5が、光の干渉すなわち干渉光の位相差に基づいて膜の振動を測定する。
ステップS5では、検波部7が、励起高周波の周波数と、膜の振動数と、駆動高周波の周波数とに基づいて、磁気共鳴信号を取得する。
上記したステップS1〜ステップS5の測定中、電圧掃引部13は、共鳴磁場強度を含む所定の範囲にわたって磁場Bの強度を掃引している。すなわち、磁場Bの強度の時間変化を横軸とし、容量結合性の膜の振動による位置の変化(磁気共鳴信号の強度に対応する)を縦軸とする磁気共鳴信号のスペクトルデータを取得することができる。
<発明による効果>
以上、本発明によると、磁気共鳴信号を高感度に検出する新たな要素技術として、オプトエレクトロメカニクスに基づいた磁気共鳴装置を提供することができる。本発明では、キャビティ・オプトメカニクスに基づいた電気機械トランスデューサ42を用いて、磁気共鳴信号を、容量結合性の膜Mの共振振動に変換して測定している。これにより、磁気共鳴信号の感度を向上(約5〜10倍程度)させることが可能となる。これは、信号強度に関連する縦方向の問題を解決する要素技術である。
磁気共鳴信号の感度が向上すると、従来の磁気共鳴装置では測定が困難であった核種を含む試料についても磁気共鳴信号の測定が可能となる。また、感度が向上すると、従来よりも微量な試料での分析が可能となる。
さらに、本発明では、磁場掃引型の核磁気共鳴とすることにより、核スピン数が1以上の核種に対しても核磁気共鳴信号の測定が可能となり、感度の向上と併せて、原理上、周期表上の全ての原子を測定対象とすることが可能となる。これは、信号線幅に関連する横方向の問題を解決する要素技術である。
さらに、本発明では、磁場掃引型の核磁気共鳴とすることにより、受信コイル41に高温超伝導コイルを用いることが可能となる。これにより、受信部4において高いQ値の共振回路を実現することが可能となる。高いQ値の共振回路が実現されると、試料Sに含まれる原子核のスピンによって受信コイル41に誘起される誘導起電力が増大し、容量結合性の膜Mの振動と受信コイル41との関係を示す結合定数が増大する。これにより、オプトエレクトロメカニクスによる信号の変換効率も向上する。これにより、感度を向上(約10倍程度)させることが可能となる。これは、信号強度に関連する縦方向の問題を解決する要素技術である。共振回路のQ値が高くなると、測定周波数の帯域幅が制限されるという代償が発生するものの、本実施形態では、磁場掃引型の核磁気共鳴とすることにより、この代償による問題を解決することが可能となる。共鳴周波数が固定された場合であっても、磁場掃引型の核磁気共鳴であれば、核スピンの量子化軸を規定する磁場Bの強度を、共鳴条件を満たす範囲を含むように時間的に変化させることができ、核磁気共鳴信号を検出することができるからである。
<付記事項>
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、磁場掃引型の核磁気共鳴を行っているが、周波数掃引型のフーリエ変換型の核磁気共鳴を行ってもよい。この場合、磁場発生部1の電圧掃引部13に代えて、励起高周波発生部2に周波数掃引部を設けて、周波数掃引部が、試料に照射する励起高周波の周波数を、共鳴周波数を含む所定の範囲にわたって掃引すればよい。周波数掃引部の一例としては、例えばファンクションジェネレータが挙げられる。ファンクションジェネレータは、任意の周波数および波形を有する高周波信号を発生する手段である。
上記実施の形態では、駆動高周波信号の周波数ωは、受信部4内に構成されているLC並列共振回路の電気的な共振周波数ωと、電気機械トランスデューサ42が備える容量結合性の膜Mの機械的な共振周波数ωとの差に設定されているが、LC並列共振回路の共振周波数ωと容量結合性の膜Mの共振周波数ωとが同調されている場合には、電気機械トランスデューサ42の駆動信号として、高周波信号に代えて直流信号を入力することができる。この場合、高周波発生源61は単なる直流電源となり、直流信号はコンデンサ44,45を通過することができないことから、直流電源からの直流電圧は、コンデンサ44,45を介さずに、受信コイル41と電気機械トランスデューサ42とコンデンサ43とが構成するLC並列共振回路に並列に接続される。一方で、変調器25からの補償信号Vcは、高周波信号でありコンデンサ44,45を通過することができることから、コンデンサ44,45を介して上記したLC並列共振回路に並列に接続することができる。位相分配器46および混合器72は不要となる。
上記実施の形態では、振動測定部5は光干渉計であり、具体的にはマイケルソン干渉計であるが、振動測定部5は、例えばファブリ・ペロー干渉計およびマッハ・ツェンダー干渉計といった、マイケルソン干渉計以外の他の光干渉計であってもよい。
上記実施の形態では、核磁気共鳴(NMR)法による信号の測定を一例として、オプトエレクトロメカニクスに基づく信号の測定装置および測定方法を説明しているが、受信コイルに生じる誘導起電力による高周波信号を測定している限り、測定対象の信号は核磁気共鳴法による信号に限らず、電子スピン共鳴(ESR)法による信号や、磁気共鳴画像(MRI)法といった、他の磁気共鳴法による信号であってもよい。
上記実施の形態では、データ取得部75は直交検波器74に直接的に接続されているが、データ取得部75の接続態様はこれに限定されず、データ取得部75は、直交検波器74とは異なる場所に配置されて、例えばインターネット等の通信手段により直交検波器74と通信可能に接続されていてもよい。
上記実施の形態では、電気機械トランスデューサ42は平面電極424を備えているが、電極の表面形状は平面に限定されない。例えば電極の表面に突部(または突起)を設けることにより表面に起伏を形成してもよい。突部の立体形状も限定されず、例えば円柱、角柱、円錐、角錐、円錐台(frustum of circular cone)、および角錐台(frustum of pyramid)等の種々の立体形状とすることができる。
上記実施の形態では、受信コイル41は高温超伝導コイルであるが、受信コイル41は、高いQ値の共振回路を実現することができればよく、例えば超伝導コイルであってもよい。
上記実施の形態では、受信コイル41はコンデンサ43と直接接続されているが、受信コイル41自身が持つ電気容量(浮遊容量)を利用してもよい。この場合、コンデンサ43を併用してもよいし、コンデンサ43を省略してもよい。また、受信コイル41に対して複数のコンデンサ43を直列に、受信コイル41の両端に接続してもよい。
上記実施の形態では、受信コイル41は電気機械トランスデューサ42と直接接続されているが、受信コイル41と電気機械トランスデューサ42との接続の態様はこれに限定されない。例えば、受信コイル41と電気機械トランスデューサ42とは、追加のコンデンサを介して(すなわち電場による結合を介して)接続されてもよい。具体的には、受信コイル41の一方の端子と電気機械トランスデューサ42の一方の端子との間に追加の第1のコンデンサを直列に接続し、受信コイル41の他方の端子と電気機械トランスデューサ42の他方の端子との間に追加の第2のコンデンサを直列に接続してもよい。
また例えば、受信コイル41と電気機械トランスデューサ42とは、追加のコイルを介して(すなわち磁場による結合を介して)接続されてもよい。具体的には、受信コイル41の両端にコンデンサを追加する、もしくは受信コイル41を自己共振させ閉回路とする。受信コイル41に磁場による結合が生じるように追加のコイルを配置し、追加のコイルを電気機械トランスデューサ42に接続してもよい。送信部3が備える送信コイル31と、コンデンサ32,33,34とについても上記した受信コイル41と同様である。すなわち、送信コイル31は、これらコンデンサと直接接続されてもよく、追加のコンデンサまたは追加のコイルを介して接続されてもよい。
受信コイル41と接続対象との間の接続態様、送信コイル31と接続対象との間の接続態様、駆動高周波発生部6と接続対象との間の接続態様、および電気機械トランスデューサ42と接続対象との間の接続態様も上記実施の形態に限定されない。受信コイル41、送信コイル31、駆動高周波発生部6、および電気機械トランスデューサ42のそれぞれは、接続対象と直接接続してもよいし、追加のコンデンサを介して(すなわち電場による結合を介して)接続されてもよいし、追加のコイルを介して(すなわち磁場による結合を介して)接続されてもよい。さらに、接続対象との間に、種々の位相分配器および/または種々の周波数フィルタ回路等を適宜接続してもよい。位相分配器は、例えば180°ハイブリッドジャンクションおよび90°ハイブリッドジャンクションであり、周波数フィルタ回路は、例えばハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、およびバンドストップフィルタである。
上記実施の形態では、メインコイル12はヘルムホルツ型またはソレノイド型のコイルであるが、メインコイル12の態様はこれらに限定されない。空間的に概ね均質な磁場Bを発生させることができる限り、メインコイル12には様々なタイプのコイルを使用することができる。
上記実施の形態では、送信部3においてコンデンサ32が送信コイル31に接続されているが、コンデンサ32は任意の構成である。また、コンデンサ32は、送信コイル31に対して並列に接続されているが、直列に接続されてもよい。
上記実施の形態では、コンデンサ43は受信コイル41の浮遊容量であるが、コンデンサ43と受信コイル41との関係はこれに限定されない。コンデンサ43は、受信コイル41の浮遊容量ではなく追加のコンデンサであってもよい。または、追加のコンデンサと、受信コイル41の浮遊容量であるコンデンサ43との両方を、受信コイル41に接続してもよい。
上記実施の形態では、駆動高周波発生部6と電気機械トランスデューサ42とが、位相分配器46およびコンデンサ44,45を介して電気的に接続されているが、駆動高周波発生部6と電気機械トランスデューサ42との間の接続態様はこれに限定されない。意図しない信号の混入や逆流を防ぐために、駆動高周波発生部6と電気機械トランスデューサ42とは、種々の電気的な素子を介して電気的に接続されてもよい。電気的な素子は、例えば、電場の結合を発生させるコンデンサ(容量素子)、磁場の結合を発生させる複数のコイル(誘導素子)、抵抗素子、位相分配器、および周波数フィルタ回路が挙げられる。駆動高周波発生部6と電気機械トランスデューサ42とは、これら例示した電気的な素子のいずれか一つを介して、またはこれら例示した複数の電気的な素子の組合せを介して、電気的に接続されてもよい。
駆動高周波信号は、NMR信号を受信するLC共振回路と電気機械トランスデューサ42とを電気的に結合させるために用いられる。しかしながら、駆動高周波発生部6からLC共振回路へノイズが混入したり、NMR信号が駆動高周波発生部6へ漏洩したりするため、駆動高周波信号は測定装置の性能を低下させる要因ともなる。例えば、駆動高周波信号の周波数ωを中心とした両側の周波数帯には、位相雑音信号が存在する。一方、LC共振回路の電気的な共振周波数ωと駆動高周波信号の周波数ωとは、容量結合性の膜Mの機械的な共振周波数ωしか離れていないため、上記した位相雑音信号がLC共振回路に混入してしまう。また、NMR信号の周波数ωと駆動高周波信号の周波数ωとでも、容量結合性の膜Mの機械的な共振周波数ωしか離れていない同じ高周波のため、NMR信号の一部が駆動高周波発生部6へ逆流してしまう。上記したように、駆動高周波発生部6と電気機械トランスデューサ42とを、種々の電気的な素子を介して電気的に接続すると、このような問題を解消または低減することが可能となり好ましい。
NMR信号が駆動高周波発生部6へ逆流することを防止するための回路構成の一例を、図5に示す。図5に示す回路構成によると、伝送線路47の長さを調整することにより、回路の実効的なキャパシタンスを調整することが可能となるため、共振器薄膜422と並列に接続していた、共振周波数調整用のトリマキャパシタを取り除いて回路を単純にすることも可能となる。
図5に示す回路構成では、受信コイル41の両端に伝送線路47を接続して引き延ばしている。信号発生時には伝送線路47に定在波が生じる。定在波の波長は、光速をNMR周波数(LC共振回路の周波数)で除算した値に相当する。伝送線路47に誘電体を用いる場合には、波長短縮率(典型的には約67%)を考慮することが好ましい。
伝送線路47の長さlを微調整して、ちょうど定在波が節になる点A(null point)において回路を分岐させる。波線で囲む分岐回路8において、駆動周波数ωdでインピーダンス整合が達成されるように、キャパシタ81,82,83を適宜追加する。定在波の節で分岐したことにより、NMR信号は波線で囲む分岐回路8に漏れることはない。また、分岐先においてどのような回路を組もうとも、NMR信号には影響がない。
さらに、定在波の節で分岐した先にも伝送線路47を伸ばして、電気機械トランスデューサ42に接続している。図6に示すように、伝送線路47の長さをlとすると、伝送線路47を含めた正味のキャパシタンス(より正確にはインピーダンス)は、長さlに依存する。損失を無視した近似では、長さlを変化させることにより、静電容量C´(l)はゼロから無限大にわたって可変である。したがって、伝送線路47の長さlの値を適切に選ぶことにより、LC回路の共振周波数をNMR周波数に合わせることが可能となる。
上記実施の形態では、振動測定部5は公知の光干渉計であり、マイケルソン干渉計として実現されているが、振動測定部5の構成はこれに限定されず、電気機械トランスデューサ42が備えている容量結合性の膜Mの変位を、種々の方法で測定することができる。
振動測定部5は、例えば図7に例示する構成とすることができる。例示する振動測定部5′は、光検出器54と、無偏光ビームスプリッタ55と、偏光ビームスプリッタ56と、1/4波長板57aと、1/2波長板57bと、スクリーン58とを備える。振動測定部5′では、偏光ビームスプリッタ56の手前に設置した1/2波長板57bの角度により、偏光ビームスプリッタ56において直進する光と分岐する光との割合を調整することができる。偏光ビームスプリッタ56と1/2波長板57bとの組合せは、2つの光検出器54の手前にもそれぞれ設置して、光検出器54に入射するビーム強度を調整することができる。
例示する振動測定部5′では、光源自体の変動の影響を避けるために、偏光レーザビームを用いて差動で光検出を行う。すなわち、同じ型式の光検出器54を2台用いて、一方の光検出器54は、電気機械トランスデューサ42に入射するビームから分岐した光を検出し、他方の光検出器54は、電気機械トランスデューサ42から戻ってくる光を検出するように構成した。これら2つの光検出器54の出力信号を差動増幅器に接続し、2つの信号差を増幅することにより、光源の揺動の影響を排除して、電気機械トランスデューサ42において散逸する光の強度に比例した信号を得ることができる。
電気機械トランスデューサ42を用いたNMR信号の測定では、薄膜を用いた受信回路41のQ値が非常に高くなる。これは感度的には極めて有利である反面、その代償としてカバーできる周波数帯域幅が制限されることを意味する。その結果、観測される(時間領域の)NMR信号は、LC回路に誘起される信号とは異なる形状を示す。これは線形システムにおける過渡的応答の一例とみなすことができ、観測信号の形状と元々の信号の形状との関係は、系の応答関数で互いに関係づけられる。
線形システムにおいて、励起a(t)に対する応答b(t)は、コンボリューション(畳み込み)とよばれる数学的手続きを用いて
Figure 0006931892
と表すことができる。ここで、h(t)が系の振る舞いを特徴付ける応答関数、またはインパルス応答である。本発明のケースでは、a(t)が時間領域のNMR信号、b(t)が薄膜を介して光検出された信号、h(t)が薄膜の応答関数、となる。
ここで、h(t)を指数的に減衰する関数で近似する。薄膜の熱振動スペクトルがローレンツ型関数でよくフィットできるという実験事実があり、指数減衰関数のフーリエ変換がローレンツ関数になるため、この近似は妥当であると考えられる。なお本発明の場合、薄膜の熱振動スペクトルの線幅は、約100Hz程度である。そこでh(t)を
Figure 0006931892
と表すことにする。時定数Tは10ミリ秒のオーダーである。
溶液を測定対象とするNMRの場合、典型的なNMR信号もまた指数減衰関数であって、その時定数は通常記号Tを用いて表される。この場合、応答b(t)は2つの指数関数のコンボリューションとなり、解析的に求めることができる。
ケース1:T>T
Figure 0006931892
ここから、b(t)は時刻ゼロにおいてゼロであり、その後極大を迎える。その時刻tmaxは、
Figure 0006931892
で与えられる。さらにその後漸近的にゼロに近づいていく。
ケース2:T=T
Figure 0006931892
上記した結果から理解されることの一つとして、合成した指数減衰信号を送り込んで光検出信号を取得すると、信号が極大を迎える時刻tmaxから逆算して、薄膜の応答関数の時定数を決定することが可能となる[Eq.(4)]。
[実験1]
磁場Bの強度が約1テスラの永久磁石を用いて、42.7MHz帯におけるプロトン(H)NMRを実施した。
試料Sとして、内径1mmの試験管に入れた0.1mol/Lの硫酸銅水溶液を使用し、体積が約3mmの水に含まれるHのNMR実験を行なった。硫酸銅はHの緩和剤として働く。これにより、スペクトルを積算するための測定の繰り返しを、50ミリ秒の時間間隔で行うことができるようになった。試料が純水の場合には、測定の繰り返し間隔は10秒程度必要である。
図8に、オプトメカニクスNMR実験に用いた装置の概略的な構成を示す。Hスピンの励起用およびNMR信号の検出用に、コイル軸が互いに直交した2つのコイル送信コイル31および受信コイル41を用意した。送信コイル31および受信コイル41のそれぞれに対して、可変コンデンサを用いて、42.7MHzで共振する回路を構成した。両者の回路のアイソレーションは22.5dBであった。検出コイルの共振回路には、薄膜キャパシタを用いた。電気機械トランスデューサ42は真空容器内に配置した。共振器キャビティ421はシリコン(Si)製であり、共振器薄膜422はシリコン窒化膜(Si)製であり、金属膜423はアルミニウム(Al)製であり、平面電極424はアルミニウム(Al)製であり、基板425はシリカ製であった。光干渉計にはファブリ・ペロータイプを使用した。
なお、本実験にあたり、金(Au)製およびアルミニウム(Al)製の2種類の金属膜423を準備し、薄膜Mの共振周波数ωを確認した。金製の金属膜423を用いた際の共振周波数ωは、約180kHzであり、アルミニウム製の金属膜423を用いた際の共振周波数ωは、約435kHzであった。金よりもアルミニウムの方が軽い分、共振周波数が増加したと考えられる。核スピンの共鳴条件により、共振周波数ωが増大すると、共鳴条件を満たす静磁場Bの大きさも増大する。したがって、NMR信号の取得のし易さを考慮して、実験には、薄膜Mの共振周波数ωが増大するアルミニウム製の金属膜423を採用した。このような考察から、オプトメカニクスを用いたNMR信号の測定には、薄膜Mの共振周波数ωを増大させることができる軽い金属を金属膜423に用いることが好ましいという知見が得られた。
[1.電気的な方法によるNMR信号の検出]
まずは、以下に説明するように、通常の電気的検出が可能であることを確認した。
図8のPort Bに、+17dBmの強度を有するラジオ波のパルス照射を行い、Hスピンを励起した。90度パルス幅は110μsecであり、180度パルス幅は220μsecであった。
図8のPort Aに低雑音増幅器を接続し、パルス励起の直後にPort Aから出力されるHのNMR信号を増幅した。増幅した信号を、通常のNMR分光計のレシーバに送って確認した。受信コイル41側の共振回路に、−86.4dBmの強度を有するNMR信号が発生することを確認した。
さらに、パルスを2回に分けて照射した後、パルス間隔分の遅延の後に信号を検出するスピンエコー実験( E. L. Hahn, Spin Echoes. Physical Review, 80 (1950) 580-594)も行った。取得したスピンエコー信号を図9(a)に示す。
[2.オプトメカニクスを用いた光検出実験]
次に、図8のPort Aに接続していた低雑音増幅器を取り外し、Port Aに駆動信号源を接続した。このような接続により、Port Aはこれまでは出力ポートとして機能していたが、以降はPort Aは入力ポートとして機能する。Port Bはこれまでと同様に、励起パルスの入力ポートとして機能する。
駆動信号の周波数は、共振器薄膜422の機械的な固有振動数とNMRの共振周波数との和(もしくは差で合っても良い)に設定した。例えば本実験の場合、共振器薄膜422の機械的な固有振動数が435kHzであり、NMRの共振周波数が42.7MHzであったので、駆動信号の周波数を43.135MHzとした。駆動信号の典型的な強度は+10dBmであった。実験中、駆動信号は常にオンにしておいた。
上記した手続きによりHスピンエコーを発生させた。駆動信号をオンにしたことにより、スピンエコー信号は共振器薄膜の振動に変換されている。
薄膜振動の振幅を、光干渉計と光検出器54とを用いて検出した。光検出器54の出力端子からは、共振器薄膜422の固有振動数に相当する周波数の搬送波が振幅変調された信号が出力される。この振幅変調の包絡線が、スピンエコー信号に相当する。
[3.信号の取得]
図10に、薄膜の振幅変調の包絡線すなわち光変換されたNMR信号を取得するための構成の一例を示す。
光検出器54の出力信号を低雑音増幅器76にて増幅した後、増幅した出力信号を周波数混合器72に送り込んだ。混合器72の局所発信(Local: LO)ポートには、分岐させた駆動信号(周波数ω)を入力した。混合器72の出力(Intermediate Frequency: IF)ポートからは、搬送波が電気共振回路の共振周波数(すなわちプロトンHのNMRの周波数)に変換された信号が出力された。NMR信号の情報、すなわち振幅変調の包絡線は維持されている。
HのNMR周波数の参照信号を用いて、直交検波器74により直交復調して、In-phase成分とQuadrature成分とをデータ取得部75により記録した。
[4.光検出NMR信号]
上記の手順によって、HのスピンエコーNMR信号の光検出に成功した。その結果を図9(b)に示す。
[実験2]
実験1に引き続き、実験1と同様の装置構成を用いて、実験1にて使用した試料と同じ試料Sに対して、単純な1パルス実験を行った。実験では、通常の電気的な検出と、オプトメカニクスを用いた光検出とを行った。
図11に、1パルス実験による時間領域のNMR信号(FID(free induction decay)信号)を示す。符号(a)で示す信号が、通常の電気的な検出によるFID信号であり、符号(b)で示す信号が、オプトメカニクスを用いた光検出によるFID信号である。積算回数はどちらも1000回である。図12に、図11に示すFID信号をフーリエ変換して得られたNMRスペクトルを示す。符号(a)で示す信号が、通常の電気的な検出によるNMRスペクトルであり、符号(b)で示す信号が、オプトメカニクスを用いた光検出によるNMRスペクトルである。なお、図11および図12では、信号のノイズレベルが等しくなるように縦軸を調整している。
図12に符号(b)で示すように、オプトメカニクスを用いた光検出によるNMRスペクトルによると、符号(a)で示す通常の電気的な検出によるNMRスペクトルよりも、線幅が細いNMRスペクトルが観測された。これは、薄膜Mの共振の帯域幅が狭く、オプトメカニクスを用いた光検出による信号がNMR共鳴線の一部分のみをカバーすることが要因であると考えられる。縦軸をノイズレベルで規格化して両スペクトルを比較したところ、薄膜Mの帯域内においては、オプトメカニクスを用いた光検出によるNMRスペクトル(b)は、通常の電気的な検出によるNMRスペクトル(a)よりも信号強度が強く、S/N比(すなわち感度)が向上していることが確認された。
1 磁場発生部
2 励起高周波発生部
3 送信部
4 受信部
5 振動測定部
6 駆動高周波発生部
7 検波部
11 直流電源
12 メインコイル
13 電圧掃引部
21 高周波発生源
22 スイッチ
23,24 増幅器
25 変調器
26,27 分配器
31 送信コイル
32,33,34 コンデンサ
41 受信コイル
42 電気機械トランスデューサ
421 共振器キャビティ
422 共振器薄膜
423 金属膜
424 平面電極
425 基板
43,44,45 コンデンサ
46 位相分配器
47 伝送線路
51 光源
52 スプリッタ(ハーフミラー)
53 鏡
54 光検出器
55 無偏光ビームスプリッタ
56 偏光ビームスプリッタ
57a 1/4波長板
57b 1/2波長板
58 スクリーン
61 高周波発生源
62 スイッチ
63,64 増幅器
65 分配器
66 合成器
71,73 帯域通過フィルタ
72 混合器
74 直交検波器
75 データ取得部(PC)
81,82,83 コンデンサ
S 試料
M 容量結合性の膜
L 測定光

Claims (9)

  1. 試料に印加するための磁場を発生する磁場発生部と、
    励起高周波を発生する励起高周波発生部と、
    前記磁場内に配置されている前記試料に、前記励起高周波を照射する送信コイルと、
    前記励起高周波によって励起された前記試料が発生する磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、
    前記磁気共鳴信号の電圧を、容量結合性の膜の振動に変換する電気機械トランスデューサと、
    光の干渉に基づいて前記膜の振動を測定する振動測定部と、
    前記励起高周波の周波数と前記膜の振動数とに基づいて、前記磁気共鳴信号を取得する検波部と、
    を備える、磁気共鳴装置。
  2. 前記電気機械トランスデューサに印加するための駆動高周波を発生する駆動高周波発生部をさらに備え、
    前記検波部が、前記励起高周波の周波数と、前記膜の振動数と、前記駆動高周波の周波数とに基づいて、前記磁気共鳴信号を取得する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  3. 前記励起高周波の周波数が一定であり、
    前記磁場発生部が、共鳴磁場強度を含む所定の範囲にわたって前記磁場の強度を掃引する、請求項1または2に記載の磁気共鳴装置。
  4. 前記受信コイルが超伝導コイルである、請求項1からのいずれかに記載の磁気共鳴装置。
  5. 前記磁場の強度が一定であり、
    前記励起高周波発生部が、共鳴周波数を含む所定の範囲にわたって前記励起高周波の周波数を掃引する、請求項1または2に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記電気機械トランスデューサが、容量結合性の前記膜と、前記膜と離隔して配置された複数の電極とを備え、
    前記磁気共鳴信号の電圧を前記膜の振動に変換する、請求項1からのいずれかに記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記振動測定部が、マイケルソン干渉計、ファブリ・ペロー干渉計およびマッハ・ツェンダー干渉計のいずれかである、請求項1からのいずれかに記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記磁気共鳴信号が、核磁気共鳴法、電子スピン共鳴法、および磁気共鳴画像法のいずれかによる信号である、請求項1からのいずれかに記載の磁気共鳴装置。
  9. 磁場内に配置されている試料に、励起高周波を照射するステップと、
    前記励起高周波によって励起された前記試料が発生する磁気共鳴信号を受信するステップと、
    前記磁気共鳴信号の電圧を、容量結合性の膜の振動に変換するステップと、
    光の干渉に基づいて前記膜の振動を測定するステップと、
    前記励起高周波の周波数と前記膜の振動数とに基づいて、前記磁気共鳴信号を取得するステップと、
    を含む、磁気共鳴方法。
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