JP6930602B2 - 異常判定装置、異常判定方法、及びプログラム - Google Patents

異常判定装置、異常判定方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は異常判定装置、異常判定方法、及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関し、特に、異常の有無を判定する異常判定装置、異常判定方法、及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
所定の処理を行う装置又はシステムが正常に動作しているか否かを判定すること、すなわち、装置又はシステムから得られる信号に異常が発生しているか否かを判定することは重要である。このような判定に関連する技術として、例えば、次のような技術がある。
特許文献1には、マハラノビス距離を利用した診断装置が開示されている。この診断装置は、マハラノビス距離が所定の閾値以内か否かによって製品が所望の品質を満たしているか否かを判定する。
また、非特許文献1には、ニューラルネットワーク(newral networks)を利用した多相なパイプラインの送油監視方法(monitoring oil flow in multiphase pipelines)が開示されている。この監視方法は、結合確率分布関数(joint probability density function)の推定値(estimates)に対する閾値基準(threshold criterion)を用いることにより、ネットワークの妥当性確認(network validation)を行う。
特開2009−200208号公報
C.M.Bishop 「Novelty detection and neural network validation」 IEEE Proceedings―Vision,Image and Signal Processing, Vol.141, No.4, August 1994
しかしながら、特許文献1に開示された診断装置によって製品が所望の品質を満たしているか否かを判定する場合、所定の閾値を適切に設定することは難しい。その第1の理由は、マハラノビス距離が任意の正の実数値を取りうるため、予めマハラノビス距離の値の範囲を想定して適切な閾値を設定することが難しいからである。また、第2の理由は、対象とする基準空間(マハラノビス空間)が変化すると、適切な閾値も変化するため、異なる製造設備や異なる製品の品質を判断する場合、1つ1つの製造設備や製品に対して、異なる閾値を個別に設定する必要が生じるからである。
また、非特許文献1に開示された監視方法を用いてネットワークの妥当性確認を行ったとしても、閾値基準を適切に設定することは難しい。その理由は、結合確率分布関数の推定値が変化すると、適切な閾値も変化するため、ネットワークの性能を向上するなどの理由でネットワークの学習(train)を行う度に閾値基準を設定しなおす必要があるからである。
そこで、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、異常が発生しているか否かを容易に判定することができる異常判定装置、異常判定方法、及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
第1の態様にかかる異常判定装置は、信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う変換手段と、前記変換手段による変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定手段とを備え、前記変換関数が単調関数である。
第2の態様にかかる異常判定方法では、信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行い、前記変換処理による変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定し、前記変換関数が単調関数である。
第3の態様にかかるプログラムは、信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う変換ステップと、前記変換ステップによる変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定ステップとをコンピュータに実行させ、前記変換関数が単調関数である。
上述の態様によれば、異常が発生しているか否かを容易に判定することができる異常判定装置、異常判定方法、及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
実施形態の概要にかかる異常判定装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態1にかかる異常判定装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態1にかかる異常判定装置における処理の一例の流れを示すフローチャートである。 実施形態1にかかる異常判定部の判定基準についてまとめた表である。 実施形態1にかかる異常判定装置における処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。 実施形態2にかかる異常判定装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態2にかかる異常判定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 KS検定の統計量D、Dを模式的に表した図である。 実施形態2にかかる異常判定部における判定結果Aおよび判定結果Bの組み合わせによる異常の判定動作の一例をまとめた表である。 実施形態3にかかる異常判定装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態3にかかる異常判定装置における関数生成についての処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態4にかかる異常判定装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態4にかかる異常判定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 式(12)で表される変換関数f(x)の性質を説明するための図である。 式(25)における積分区間を模式的に表す図である。 各実施形態にかかる異常判定装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
<実施形態の概要>
実施形態の説明に先立って、本発明にかかる実施形態の概要を説明する。図1は、実施形態の概要にかかる異常判定装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、異常判定装置1は、変換部2と、異常判定部3とを備える。異常判定装置1は、例えば、任意の所定の処理を行う装置又はシステム(以下、判定対象機器と称す)による所定の処理が、正常状態であるか異常(故障)状態であるかを判定するための装置である。
変換部2は、信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う。なお、この変換関数は、単調関数である。すなわち、変換関数は、単調増加関数又は単調減少関数である。例えば、前記信号は、判定対象機器が所定の処理を実行する際に出力する信号であり、前記異常度は、この出力された信号についての異常度合いを示す指標値である。すなわち、変換部2は、例えば、判定対象機器が所定の処理を実行する際に出力する信号についての異常度合いを示す指標値を、所定の確率分布に従う確率変数値に変換する。以下、この所定の確率分布のことを、特定確率分布と称すことがある。
異常判定部3は、変換部2による変換結果を用いて、異常度のサンプルの異常の有無を判定する。すなわち、異常判定部3は、信号の異常度のサンプルが異常を示すサンプルであるか否かを判定する。異常度についてのサンプルに異常が発生しているということは、信号に異常が発生していることを意味する。このため、異常判定部3は、信号に、異常が発生しているか否かを判定するともいえる。言い換えると、異常判定部3は、当該信号を出力した判定対象機器の処理に異常が発生しているか否かを判定するともいえる。
異常判定装置1によれば、変換部2により、信号の異常度を示す値は、所定の確率分布(特定確率分布)に従う確率変数値に変換される。すなわち、信号の異常度を示す値は、値域及び分布が予め特定された確率変数値に変換される。このため、信号の分布に依存することなく、異常の有無についての判定を行うことができる。すなわち、異常判定装置1によれば、信号に異常が発生しているか否かを容易に判定することができる。
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態について説明する。図2は、実施形態1にかかる異常判定装置101の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、異常判定装置101は、関数記憶部102と変換部103と異常判定部104とを有する。なお、変換部103は図1の変換部2に相当し、異常判定部104は図1の異常判定部3に相当する。
関数記憶部102は、信号の異常度の数値を所定の確率分布(特定確率分布)に従う確率変数に変換する単調な変換関数を表すパラメータを予め記憶する。信号は、例えば、判定対象機器が所定の処理を実行中に出力する信号である。信号は、具体的には、例えば、音声波形、振動波形、電流波形、電圧波形、通信の呼量、ログデータ等であってもよい。また、異常度の数値は、例えば、前記信号から抽出した特徴量であってもよいし、前記特徴量が正常値から特徴量空間においてどの程度離れているかを表す距離(ユークリッド距離、マハラノビス距離、等)であってもよい。また、異常度の数値は、前記特徴量が正常値と特徴量空間においてどの程度近いかを表す類似度(相関係数、等)であってもよい。また、前記異常度は、前記信号が発生する確からしさを表す量(尤度関数(確率密度関数)、等)であってもよい。つまり、前記異常度は、信号の尤度であってもよい。
なお、特定確率分布は、任意の分布であればよく、例えば、一様分布であってもよい。特定確率分布が一様分布である場合、例えば、異常度が平均u、標準偏差vの正規分布に従うとき、前記変換関数として、以下の式(1)に記載された関数を用いることができる。
Figure 0006930602
ここで、関数Φ(x)は、標準正規分布の累積分布関数である。この場合、関数記憶部102は、パラメータuおよびvを予め記憶する。
変換部103は、関数記憶部102に予め記憶されたパラメータによって規定される関数(すなわち、例えば、式(1))を用いて変換処理を行う。
また、異常判定部104は、変換部103による変換結果と閾値とを用いて、異常の有無を判定する。
次に、図3を参照しながら、異常判定装置101における処理の一例について詳細に説明する。図3は、実施形態1にかかる異常判定装置101における処理の一例の流れを示すフローチャートである。
まず、変換部103は、異常度のサンプルを取得する(ステップ101(S101))。変換部103は、例えば、異常判定装置101が他の装置等から受信した異常度のサンプルを取得してもよいし、異常判定装置101の記憶装置に記憶された異常度のサンプルを取得してもよい。なお、変換部103によって取得される前に、異常度は、信号値に基づいて算出されている。異常度の算出は、異常判定装置101により行われてもよいし、他の装置により行われてもよい。異常判定装置101により異常度の算出が行われる場合、例えば、異常判定装置101は、判定対象機器の出力した信号から所定の異常度を算出する異常度算出部を有してもよい。
次に、変換部103は、関数記憶部102に予め記憶されたパラメータによって規定される変換関数を用いて、ステップ101で取得した信号の異常度x1を特定確率分布に従う確率変数の値に変換する(ステップ102(S102))。例えば、特定確率分布が一様分布であり、異常度x1が平均u、標準偏差vの正規分布に従う場合、変換部103は、式(1)に従って異常度x1を確率変数y1に変換する。
次に、異常判定部104は、ステップ102で得られた確率変数を閾値aと比較することにより、異常の有無を判定する(ステップ103(S103))。すなわち、異常判定部104は、サンプルに変換関数を適用して得られた変換結果と閾値とを比較することにより異常の有無を判定する。ステップ103では、異常度x1の異常時の振る舞い、および、変換関数fの性質に応じて、図4に示すように、異常判定部104は、以下の4つの基準のうちのいずれかの基準によって異常の有無を判定する。
異常度x1が異常時に増加する値であり、変換関数fが単調増加関数である場合(すなわち、図4の表の(1)の場合)、異常判定部104は、確率変数y1が閾値aに比して大きいときに異常と判定する。
異常度x1が異常時に増加する値であり、変換関数fが単調減少関数である場合(すなわち、図4の表の(2)の場合)、異常判定部104は、確率変数y1が閾値aに比して小さいときに異常と判定する。
異常度x1が異常時に減少する値であり、変換関数fが単調増加関数である場合(すなわち、図4の表の(3)の場合)、異常判定部104は、確率変数y1が閾値aに比して小さいときに異常と判定する。
異常度x1が異常時に減少する値であり、変換関数fが単調減少関数である場合(すなわち、図4の表の(4)の場合)、異常判定部104は、確率変数y1が閾値aに比して大きいときに異常と判定する。
例えば、変換関数が式(1)におけるf(x)である場合、f(x)は単調増加関数であるから、異常度が異常時に減少する値である場合には、異常判定部104は、確率変数の値f(x)が閾値aに比して小さいときに異常と判定する。
最後に、異常判定部104は、ステップ103により判定した異常の有無を出力する(ステップ104(S104))。異常判定部104は、例えば、判定結果をディスプレイなどに表示出力してもよいし、他の装置に判定結果を送信してもよい。
次に、図5を参照しながら、実施形態1にかかる異常判定装置101における処理の別の一例について詳細に説明する。図5は、実施形態1にかかる異常判定装置101における処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。なお、図5において、図3と同様の動作を行うステップは同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
ステップ101の後、変換部103は、関数記憶部102に予め記憶されたパラメータによって規定される変換関数の逆関数を用いて、閾値aを変換(逆変換)する(ステップ105(S105))。例えば、特定確率分布が一様分布であり、異常度x1が平均u、標準偏差vの正規分布に従う場合、変換部103は、下記式(2)に従って閾値aを変換する。
Figure 0006930602
ここで、関数Φ−1(x)は、標準正規分布の累積分布関数の逆関数である。
ステップ105の後、異常判定部104は、ステップ105により変換された閾値f−1(a)と異常度x1を比較することにより、異常の有無を判定する(ステップ106(S106))。すなわち、異常判定部104は、閾値に変換関数の逆関数を適用して得られた変換結果と、サンプルとを比較することにより異常の有無を判定する。ステップ106においても、ステップ103と同様に、変換関数の性質に応じた判定が行われる。すなわち、図4に示すように、異常判定部104は、以下の4つの基準のうちのいずれかの基準によって異常の有無を判定する。
異常度x1が異常時に増加する値であり、変換関数fが単調増加関数である場合(すなわち、図4の表の(1)の場合)、異常判定部104は、異常度x1が変換された閾値f−1(a)に比して大きいときに異常と判定する。
異常度x1が異常時に増加する値であり、変換関数fが単調減少関数である場合(すなわち、図4の表の(2)の場合)、異常判定部104は、異常度x1が変換された閾値f−1(a)に比して小さいときに異常と判定する。
異常度x1が異常時に減少する値であり、変換関数fが単調増加関数である場合(すなわち、図4の表の(3)の場合)、異常判定部104は、異常度x1が変換された閾値f−1(a)に比して小さいときに異常と判定する。
異常度x1が異常時に減少する値であり、変換関数fが単調減少関数である場合(すなわち、図4の表の(4)の場合)、異常判定部104は、異常度x1が変換された閾値f−1(a)に比して大きいときに異常と判定する。
上述の2つのフローチャート(図3及び図5のフローチャート)の動作において、異常の判定に必要となる閾値aは、特定確率分布のみに依存し、信号の分布や異常度x1の分布に依存しない。すなわち、信号に異常が含まれる確率が同じであるならば、信号や異常度x1の分布が異なる場合においても、同一の特定確率分布および閾値aを用いた同一の基準により異常を判定することができる。これは、例えば、複数の信号が1つの判定対象機器から発せられている場合などのように、それぞれの信号が異常である確率が同一であると見込まれる場合には、それぞれの信号の異常判定に同一の閾値を用いることが可能であることを意味する。つまり、個別に閾値を設定する必要が無いため、特に有効である。
また、異常度として確率密度関数(尤度関数)やマハラノビス距離を用いる場合において、信号の分布(確率密度関数)やマハラノビス空間が変化することで、異常度の値が変化してしまったとしても、信号の分布やマハラノビス空間の変化の前後で同一の特定確率分布を用いることにより、同一の閾値を用いて異常判定を行うことができる。このため、ため、信号の分布やマハラノビス空間が変化するたびに閾値を設定し直す必要が無い。
なお、閾値は、例えば、信号に異常が含まれている既知の確率(判定対象機器の処理に異常が発生していると見込まれる既知の確率)又は信号が正常である(異常が含まれていない)既知の確率(判定対象機器の処理が正常であると見込まれる既知の確率)と、特定確率分布とから決定することができる。信号に異常が含まれていると見込まれる確率は、例えば、判定対象機器の処理の過去の異常発生率であってもよい。判定対象機器の過去の異常発生率とは、判定対象機器において実際に発生した異常回数から算出される発生確率であり、判定対象機器の処理(すなわち、信号)の異常の既知の発生確率である。判定対象機器の過去の異常発生率は、具体的には、例えば、異常が発生した処理の回数を、観測した全処理の回数で割った値である。信号が正常である(異常が含まれていない)と見込まれる確率は、例えば、判定対象機器の処理の過去の正常率であってもよい。判定対象機器の処理の過去の正常率は、過去の異常発生率をpfailとすると、1−pfailで表される確率である。例えば、特定確率分布が一様分布である場合、確率変数f(x1)の値が閾値aよりも小さくなる確率はaとなる。この場合、変換関数fの性質が図4の表における(2)又は(3)の場合、あらかじめ、閾値aとして、信号に異常が含まれていると見込まれる確率を設定することができる。このため、例えば、過去の異常発生率の値を閾値aとして設定すればよいため、閾値設定のための特段の処理が必要ない。また、変換関数fの性質が図4の表における(1)又は(4)の場合、あらかじめ、信号が正常である(異常が含まれていない)と見込まれる確率として閾値aを設定することができる。このため、例えば、過去の正常率(異常が発生しない確率)の値を閾値aとして設定すればよいため、閾値設定のための特段の処理が必要ない。
次に、実施形態1にかかる異常判定装置101に関する効果について説明する。異常判定装置101によれば、サンプルに異常が生じているか否かを容易に推定することができる。
この理由は、第一に、サンプルに変換関数を適用して得られる確率変数が所定の確率分布(すなわち、特定確率分布)に従うため、確率変数の値域が予め判明しているため、容易に閾値を設定することができるからである。
また、第二に、複数の異なる種類の信号についてのサンプルが得られた場合でも、信号に異常が含まれる確率が同じであるならば、1つの閾値を用いてそれぞれのサンプルに異常が生じているかを判定することができるからである。これは、それぞれのサンプルに変換関数を適用した確率変数が所定の同一の確率分布(すなわち、特定確率分布)に従うことに起因する。
また、第三に、信号の分布が変化することで異常度の値が変化してしまう場合においても、信号の分布が変化する前後で同一の特定確率分布を用いることで、信号の分布が変化する前後で同一の閾値を用いることができるからである。つまり、信号の分布が変化するたびに閾値を設定しなおす必要が無いからである。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。実施形態1では、異常度を閾値と比較することによって判定対象機器の処理が異常であるか否かを判定した。すなわち、実施形態1では、異常度の変化として顕現化する異常を検出できる。これに対し、実施形態2では、取得された異常度の分布が、判定対象機器の処理が正常である場合の異常度の分布と異なるか否かによって判定を行う。これにより、異常度の分布の変化として顕現化する異常を検出できる。以降の説明においては、本実施形態にかかる特徴的な部分を中心に説明し、上述した実施形態1と同様な構成及び処理については、同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図6は、実施形態2にかかる異常判定装置201の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、異常判定装置201は、関数記憶部102と、変換部203と、異常判定部204を有する。すなわち、異常判定装置201は、変換部103が変換部203に置き換わり、異常判定部104が異常判定部204に置き換わった点で、実施形態1にかかる異常判定装置101と異なっている。なお、変換部203は図1の変換部2に相当し、異常判定部204は図1の異常判定部3に相当する。
変換部203は、関数記憶部102に予め記憶されたパラメータによって規定される関数を用いて変換処理を行う。変換部203は、異常度の複数のサンプルのそれぞれを、確率変数の値に変換する。
また、異常判定部204は、変換部203による変換により得られた複数の確率変数値が所定の確率分布(特定確率分布)に適合しているか否かを判定することで、前記複数のサンプルに異常が生じているか否かを判定する。ここで、異常判定部204は、統計検定(より詳細には、統計的仮説検証)を用いることにより、変換部203による変換により得られた複数の確率変数値が特定確率分布に適合しているか否かを判定する。つまり、異常判定部104は、所定の閾値により、異常の有無を判定したが、異常判定部204は、異常度の複数のサンプルに変換関数を適用して得られた分布と、特定確率分布とが一致していることを統計検定により判定することにより異常の有無を判定する。
次に、図7を参照しながら、異常判定装置201における処理について詳細に説明する。図7は、実施形態2にかかる異常判定装置201における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、変換部203は、異常度の複数のサンプルx、・・・、xを取得する(ステップ201(S201))。なお、実施形態1と同様、変換部203は、例えば、異常判定装置201が他の装置等から受信した異常度のサンプルを取得してもよいし、異常判定装置201の記憶装置に記憶された異常度のサンプルを取得してもよい。また、変換部203によって取得される前に、異常度は、信号値に基づいて算出されている。異常度の算出は、異常判定装置201により行われてもよいし、他の装置により行われてもよい。異常判定装置201により異常度の算出が行われる場合、例えば、異常判定装置201は、判定対象機器の出力した信号から所定の異常度を算出する異常度算出部を有してもよい。
次に、変換部203は、関数記憶部102に予め記憶されたパラメータによって規定される変換関数を用いて、ステップ201で取得した複数の異常度x、・・・、xを確率変数の値y、・・・、yにそれぞれ変換する(ステップ202(S202))。
次に、異常判定部204は、ステップ202で算出された複数の確率変数が特定確率分布に適合しているか否かを任意の予め定められた統計的仮説検証に基づき判定する。これにより、異常判定部204は、ステップ201で取得された複数のサンプルに異常が生じているか否かを判定する(ステップ203(S203))。
上述の統計的仮説検証は、たとえば、コルモゴロフ・スミルノフ検定(KS検定)であってもよい。KS検定は、確率変数の分布が所定の確率分布と同一であることを帰無仮説とする統計的仮説検証である。帰無仮説が棄却されるか否かを判定することで、確率変数が所定の確率分布に適合しているか否かを判定することができる。
上述の通り、関数記憶部102に記憶されたパラメータにより規定される変換関数は、信号の異常度の分布を特定確率分布に変換する関数である。ここで、この変換関数が、正常時の信号の異常度の分布(すなわち、判定対象機器の処理が正常である時に出力される信号の異常度の分布)を特定確率分布に変換する関数であるとする。この場合、信号が正常な場合、複数の異常度をそれぞれ変換した確率変数y、・・・、yの分布は、特定確率分布と一致しているはずである。このため、確率変数y、・・・、yと特定確率分布に対するKS検定の帰無仮説が棄却された場合、確率変数y、・・・、yの分布が特定確率分布と一致していないことがわかる。従って、信号に異常が発生していると判定することができる。
以下、特に限定されないが、特定確率分布が区間[0,1]上の一様分布であった場合を例に、異常判定部204の動作を説明する。
複数のサンプルをx(n=1,・・・,N)とし、xに変換関数を適用して得られた確率変数をy=f(x)とする。このとき、yの累積確率P(y)は、以下の式(3)によって表される。ここで、記号|A|は、集合Aの要素数を表す。
Figure 0006930602
一方、一様分布の累積確率P(y)は、以下の式(4)によって表される。
Figure 0006930602
このとき、KS検定の検定統計量は、以下の2つの式(5)によって表される。
Figure 0006930602
図8は、KS検定の統計量D、Dを模式的に表した図である。曲線211は、yを変化させたとき点(P(y),P(y))の描く軌跡により得られる図形である。P(y)およびP(y)はともに単調増加関数で値域が[0,1]であるため、始点が点(0,0)、終点が点(1,1)の曲線である。直線212(破線)は、点(0,0)および点(0,1)を通る直線である。直線213(破線)は、直線212と平行で曲線211と共通部分をもつ直線のうち、切片が最大となるものである。KS検定の統計量Dは直線213の正の切片である。直線214(破線)は、直線212と平行で曲線211と共通部分をもつ直線のうち、切片が最低となるものである。KS検定の統計量Dは直線214の負の切片である。
確率変数の分布が一様分布と同一である場合、P(y)=P(y)であることが期待される。したがって、確率変数の分布が一様分布と同一である場合、直線213および直線214は直線212に近づくことが期待される。つまり、DおよびDの値はゼロに近づく。したがって、DおよびDの値が閾値Kよりも大きい場合、帰無仮説が棄却され、異常判定部204において、確率変数の分布と一様分布が同一ではない(異常が発生している)と判定される。ここで、閾値Kの値は、信号や異常度の分布によらず、一定の値を用いることができる。なお、閾値Kの値は、有意水準に基づいて決定される値であるため、容易に設定可能である。
ここで、実施形態1にかかる異常判定装置101の異常判定部104の判定による結果を判定結果Aと称し、上述した異常判定部204の判定による結果を判定結果Bと称すこととする。判定結果Aと判定結果Bの組み合わせにより、最終的な判定結果が得られるような構成が採用されてもよい。すなわち、実施形態2にかかる異常判定装置201の異常判定部204は、実施形態1にかかる異常判定部104の動作と同様の判定処理による判定結果Aと上述した異常判定部204の判定処理による判定結果Bを組み合わせることにより異常を判定してもよい。
図9は、異常判定部204における判定結果Aおよび判定結果Bの組み合わせによる異常の判定動作の一例をまとめた表である。異常判定部204は、たとえば、判定結果Aまたは判定結果Bの少なくとも一方が異常を示す結果である場合(図9の(b)、(c)、及び(d))、異常と判定する。また、異常判定部204は、たとえば、判定結果A及び判定結果Bの両方が正常を示す結果である場合(図9の(a))、正常と判定する。
ここで、実施形態1における判定結果Aは、1つの異常度のサンプルから異常の有無を判定するものであるのに対し、実施形態2における判定結果Bは、複数の異常度の分布から異常の有無を判定するものであると解釈することができる。例えば、複数の異常度x、・・・、xが時系列データである場合、判定結果Aは、一瞬の間に発生する異常の有無を精度よく判定する。その一方、時間的に連続して徐々に発生する異常の場合、1つの時刻を切り出して異常か判断することは難しいため、判定結果Aは、判定の精度が落ちる。また、判定結果Bは時間的に連続して徐々に発生する異常の有無を精度よく判定する一方で、まれに発生する一瞬の異常を判定する場合には精度が落ちる。このため、判定結果Aおよび判定結果Bを組み合わせて判定を行うことで、様々な時間スケールで発生する異常を精度よく判定することができる。
次に、実施形態2にかかる異常判定装置201に関する効果について説明する。異常判定装置201によれば、サンプルに異常が生じているか否かを容易に推定することができる。この理由は、統計的確率検定における閾値(たとえば、KS検定における閾値K)は、信号や異常度の分布によらず、一定の値を用いることができるため、容易に設定することができるためである。
また、異常判定装置201によれば、より高い精度で異常判定を行うことができる。この理由は、図9を参照して前述したように、様々な時間スケールで発生する異常を精度よく判定することができるからである。
<実施形態3>
次に、実施形態3について説明する。以降の説明においては、本実施形態にかかる特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した実施形態1と同様な構成については、同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図10を参照しながら、実施形態3にかかる異常判定装置301が有する構成について詳細に説明する。図10は、実施形態3にかかる異常判定装置301の構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、異常判定装置301は、関数記憶部102、異常判定部104を有する点で異常判定装置101と類似しているが、関数生成部302を新たに有する点と、変換部103の代わりに変換部303を有する点で異常判定装置101と異なる。なお、変換部303は図1の変換部2に相当し、異常判定部104は図1の異常判定部3に相当する。
関数生成部302は、異常度を特定確率分布に従う確率変数に変換する単調な変換関数を表すパラメータを生成する。また、変換部303は、変換部103と同様、関数記憶部102に記憶されたパラメータによって規定される関数を用いて変換処理を行うが、変換部303による処理の詳細については後述する。
図11は、実施形態3にかかる異常判定装置301における関数生成についての処理の流れを示すフローチャートである。
まず、異常判定装置301の関数生成部302は、異常度のサンプルを複数取得する(ステップ301(S301))。ここでは、実施形態2で判定されるような異常度の分布が変化するような定常的な異常が判定対象機器の処理に発生している時に得られるサンプルではなく、判定対象機器の処理が所定の確率で異常となる判定対象機器の動作時に得られるサンプルを取得する。なお、実施形態1と同様、関数生成部302は、例えば、異常判定装置301が他の装置等から受信した異常度のサンプルを取得してもよいし、異常判定装置301の記憶装置に記憶された異常度のサンプルを取得してもよい。また、関数生成部302によって取得される前に、異常度は、信号値に基づいて算出されている。異常度の算出は、異常判定装置301により行われてもよいし、他の装置により行われてもよい。異常判定装置301により異常度の算出が行われる場合、例えば、異常判定装置301は、判定対象機器の出力した信号から所定の異常度を算出する異常度算出部を有してもよい。
次に、関数生成部302は、ステップ301で取得された複数の異常度のサンプルをもとに、異常度の数値を特定確率分布に従う確率変数に変換する単調な変換関数を表すパラメータを生成する(ステップ302(S302))。
そして、関数生成部302は、生成したパラメータを関数記憶部102に保存する(ステップ303(S303))。
これにより、関数記憶部102には、変換部303の変換に必要なパラメータが記憶される。変換部303は、実施形態1の変換部103と同様、実施形態1で示したフローチャートに沿って、処理を行う。
なお、関数生成部302がステップS301で取得する異常度は、上述した変換部103がステップS101において取得する異常度と同一であっても良いし、異なっていてもよい。また、特定確率分布は、一様分布であっても良いし、別の任意の確率分布であっても良い。
異常度xが、確率変数yの特定確率分布(累積分布関数F)とは異なる、ある別の確率分布(累積分布関数F)に従う場合、異常度xを確率変数yに変換する単調増加関数は一意に定まる。このような関数は、以下の式(6)によって得られる。
Figure 0006930602
また、同様に、累積分布関数Fに従う異常度xを累積分布関数Fに従う確率変数yに変換する単調減少関数も一意に定まる。このような関数は、以下の式(7)によって得られる。
Figure 0006930602
関数生成部302は、複数の異常度のサンプルを用いることで、fAまたはfDを表すパラメータを推定し、関数記憶部102に記憶する。また、変換部303は、関数記憶部102に記憶されたパラメータを用いることで、fAまたはfDによる変換もしくは逆変換を行う。
特定確率分布が連続領域[0,1]の一様分布である場合において、異常度の分布が正規分布に従う場合を例に、関数生成部302の動作を説明する。特定確率分布が連続領域[0,1]の一様分布であり、異常度が平均u、標準偏差vの正規分布に従う場合、変換関数として、実施形態1に記載のf(x)を用いることができる。この場合、関数生成部302は、複数の異常度のサンプルx,・・・,xの平均および標準偏差を求め、それぞれをパラメータu,vとして関数記憶部102に記憶する。また、変換部303は、実施形態1における変換部103と同様の動作により、異常度を変換、または、閾値を逆変換する。
次に、特定確率分布が、0,・・・,Nの離散一様分布である場合を例に、関数生成部302および変換部303の動作を説明する。この場合、複数の異常度のN個の値x(n=1,・・・,N)に対し、変換関数として、以下の式(8)で表されるf(x)を用いればよい。
Figure 0006930602
この変換関数f(x)の値は、x,・・・,xを昇順に並べ換えた数列xi(1),・・・,xi(N)に、順序を保って値xを挿入するとき、何番目の次に挿入されるか(先頭に挿入される場合は0番目、xi(1)とxi(2)の間に挿入される場合はi(1)番目、末尾に挿入される場合はN番目、等)を表していると考えられる。したがって、サンプルxがx,・・・,xと同一の分布から得られていると仮定した場合、xの値が数列xi(1),・・・,xi(N)の何番目に挿入されるかは同様に確からしいといえる。このため、f(x)の値の分布は0,・・・,Nに一様に分布することが期待される。また、変換関数f(x)は単調増加関数である。
この変換関数f(x)を実現するため、関数生成部302は、異常度のN個の値x(n=1,・・・,N)をたとえば昇順に並べ換え、並べ替えられた異常度の値xi(1),・・・,xi(N) を、順序を保持したまま、関数のパラメータとして関数記憶部102に記憶する。また、変換部303は、挿入位置を、たとえば、二分探索によって計算することにより、関数f(x)の値を計算しても良い。
二分探索では、xが数列xi(1),・・・,xi(N)の何番目に挿入されるかを探索する際、例えば、[N/2]番目の値xi([N/2])をxと比較する。ここで、[N/2]は、N/2を超えない最大の整数である。xi([N/2])≧xである場合、xはxi(1),・・・,xi([N/2])の間に挿入されるため、数列xi(1),・・・,xi([N/2])に対して再帰的に同様の処理を繰り返す。また、xi([N/2])<xである場合、xはxi([N/2]),・・・,xi(N)の間に挿入されるため、xi([N/2]),・・・,xi(N)に対して再帰的に同様の処理を繰り返す。変換部303は、このような再帰的な処理を数列の長さが0となるまで繰り返すことで、xを挿入する位置を求め、関数f(x)の値として返す。二分探索は再帰のたびに数列の長さが約半分となるため、平均してlogN回の再帰を行うことにより、f(x)の値を計算することができる。
なお、上述した例では、関数生成部302は、異常度の値xi(1),・・・,xi(N) を、順序を保持したまま、関数のパラメータとして関数記憶部102に記憶するが、このとき、関数生成部302は、関数記憶部102に順序を保持する任意のデータ構造(たとえば、ソート済み配列、探索木、スキップリスト、等)を構成することで、異常度の値xi(1),・・・,xi(N) を、順序を保持したまま、関数記憶部102に記憶してもよい。また、関数生成部302が、上記のデータ構造として、関数記憶部102に探索木やスキップリストを構築する場合、変換部303は、二分探索の代わりに、上述のそれぞれのデータ構造に対応した検索アルゴリズム(探索木の検索アルゴリズム、スキップリストの検索アルゴリズム等)を用いることで関数f(x)の値を計算してもよい。
なお、上述した説明では、関数生成部302は、異常度の複数のサンプルを昇順に並べたときの順序関係をパラメータとして生成するが、降順に並べたときの順序関係をパラメータとして生成してもよいことは言うまでもない。このように、変換部303は、変換対象の異常度の順位を昇順又は降順による順序関係から算出することにより、確率変数値を計算する。
また、特定確率分布は、連続領域[0,N]における一様分布であっても良い。この場合、変換関数として、f(x)を補間したf(x)を用いればよい。この場合、関数生成部302は異常度のN個の値x(n=1,・・・,N)又は異常度の値の中から無作為に選んだN個の値x(n=1,・・・,N)を例えば昇順に並べ換えた数列xi(1),・・・,xi(N)をパラメータとして関数記憶部102に記憶する。また、変換部303は、まず、たとえば二分探索によって前述のf(x)の値(xが数列xi(1),・・・,xi(N)の何番目に挿入されるか)を取得する(この値をjとする)。次にxi(j)とxi(j+1)の間を、たとえば線形に補完することで、関数f(x)の値を計算する。すなわち、以下の式(9)によって、関数f(x)の値を計算する。
Figure 0006930602
このようにして得られた変換関数f(x)は単調増加であり、また、f(x)によって異常度から変換された確率変数の値は、連続領域[0,N]において一様に分布することが期待される。このように、変換部303は、離散的な順位を連続的な順位に修正することにより、確率変数値を計算してもよい。
また、特定確率分布は、前述の累積確率分布Fを用いて表される任意の確率分布であっても良い。前述の関数f(x)をNで除算した関数f(x)/Nの値は、連続領域[0,1]で一様に分布し、なおかつf(x)/Nは単調増加関数であるため、f(x)/Nは前述の異常度の累積分布関数F(x)の推定値であると考えられる。この場合、変換部303は、前述の関数f(x)によって得られた値をさらに変換することにより、前述の変換関数f(x)の推定値f(x)を計算してもよい。具体的には、変換部303は、以下の式(10)によって、変換関数f(x)を計算してもよい。なお、式(10)は、上記式(6)に対応しており、f(x)/Nは、式(6)におけるF(x)の推定値である。
Figure 0006930602
このような変換関数f(x)により変換された確率変数の値は、累積分布関数Fが表す所定の確率分布に従うことが期待される。したがって、変換部303は、変換対象の異常度の順位に所定の累積分布関数Fの逆関数F −1を適用することにより、確率変数値を計算してもよい。
このように、変換部303は、変換関数f(x)による変換に限らず、変換関数f(x)から導出される変換関数f(x)による変換を行ってもよい。変換関数f(x)は、特定確率分布が連続領域[0,N]の一様分布である場合に用いることが可能である。これに対し、変換関数f(x)から導出される変換関数f(x)は、特定確率分布が累積分布関数Fで表される任意の確率分布である場合に用いることができる。
上述のように、関数生成部302および変換部303により、異常度の値を任意の特定確率分布Fに従う確率変数の値へと変換する単調な変換関数を用いた異常判定を行うことができる。
次に、実施形態3にかかる異常判定装置301に関する効果について説明する。実施形態3にかかる異常判定装置301によれば、サンプルに異常が生じているか否かを容易に推定することができる。この理由は、実施形態1にて説明した理由と同様である。さらに、実施形態3にかかる異常判定装置301によれば、サンプルの異常判定に用いる変換関数を容易に生成することができる。この理由は、異常度の分布が不明であった場合においても、異常度のサンプルを用いることにより、異常度を任意の確率分布に従う確率変数へと変換する変換関数を生成することができるからである。
<実施形態4>
次に、実施形態4について説明する。以降の説明においては、本実施形態にかかる特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した実施形態1と同様な構成については、同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図12を参照しながら、実施形態4にかかる異常判定装置401が有する構成について詳細に説明する。図12は、実施形態4にかかる異常判定装置401の構成の一例を示すブロック図である。図12に示すように、異常判定装置401は、関数生成部302の代わりに関数生成部402を有し、変換部303の代わりに変換部403を有する点で、図10における異常判定装置301と異なる。なお、変換部403は図1の変換部2に相当し、異常判定部104は図1の異常判定部3に相当する。
関数生成部402は、関数生成部302と同様、異常度を特定確率分布に従う確率変数に変換する単調な変換関数を表すパラメータを生成する。ただし、関数生成部402は、信号の分布を推定し、推定された信号の分布のパラメータを用いて変換関数を特定することにより変換関数を生成する。なお、関数生成部402による処理の詳細については後述する。また、変換部403は、変換部103と同様、関数記憶部102に記憶されたパラメータによって規定される関数を用いて変換処理を行うが、変換部403による処理の詳細については後述する。
図13は、実施形態4にかかる異常判定装置401における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、関数生成部402は、信号のサンプルを複数取得する(ステップ401(S401))。ここでは、実施形態2で判定されるような異常度の分布が変化するような定常的な異常が判定対象機器の処理に発生している時に得られるサンプルではなく、判定対象機器の処理が所定の確率で異常となる判定対象機器の動作時に得られるサンプルを取得する。なお、関数生成部402は、例えば、異常判定装置401が他の装置等から受信した信号のサンプルを取得してもよいし、異常判定装置401の記憶装置に記憶された信号のサンプルを取得してもよい。
次に、関数生成部402は、ステップ401で取得された複数の信号のサンプルを元に、信号の分布(信号の分布のパラメータ)を推定する(ステップ402(S402))。
次に、関数生成部402は、ステップ402で推定された信号の分布に対応する変換関数を表すパラメータを計算する(ステップ403(S403))。
次に、関数生成部402は、ステップ403で取得された変換関数を表すパラメータを関数記憶部102に記憶する(ステップ404(S404))。
これにより、関数記憶部102には、変換部403の変換に必要なパラメータが記憶される。変換部403は、実施形態1の変換部103と同様、実施形態1で示したフローチャートに沿って、処理を行う。
なお、本実施の形態においても、異常度の算出は、異常判定装置401により行われてもよいし、他の装置により行われてもよい。異常判定装置401により異常度の算出が行われる場合、例えば、異常判定装置401は、判定対象機器の出力した信号から所定の異常度を算出する異常度算出部を有してもよい。
ここで、異常度は、信号の分布の尤度関数(確率密度関数)の値であっても良い。この場合において、異常判定装置401が異常度算出部を有するとき、異常度算出部は推定された信号の分布から異常度(すなわち、尤度関数の値)を算出してもよい。具体的には、この異常度算出部は後述する式(13)、式(17)、又は式(21)を用いて異常度を算出してもよい。また、特定確率分布は、一様分布であってもよいし、任意の分布であっても良い。異常度が尤度関数の値であり、特定確率分布が一様分布である場合、変換関数として以下の式(11)で定義される関数f(x)を用いることができる。
Figure 0006930602
ただし、p(z)は信号の分布の尤度関数(確率密度関数)である。つまり、p(z)は、信号の分布を表す。また、確率記号Pr[・]は、信号zが信号の分布p(z)からサンプルされた際に括弧[・]内の条件が満たされる確率である。上記式(11)で定義された変換関数f(x)は次のようにして具体的に求めることができる。
式(11)の右辺は、確率変数I[p(z)≦x]の期待値と等しい。ただし、指示関数I[・]は、括弧[・]内の条件が成り立つ場合は1の値を返し、そうでない場合はゼロの値を返す関数である。したがって、式(11)における変換関数f(x)の値は、以下の式(12)によって求めることができる。
Figure 0006930602
関数生成部402は、信号の複数のサンプルを用いて信号の分布p(z)を推定する。次に、関数生成部402は、信号の分布p(z)に式(12)を介して対応している変換関数f(x)のパラメータを計算し、関数記憶部102に記憶する。なお、本実施の形態では、関数生成部402は、式(12)の最右辺に示される積分式を直接計算することにより変換関数f(x)を生成するのではない。本実施形態では、最右辺に示される積分式を式変形した数式(例えば後述する式(16))である予め定められた関数についてのパラメータを特定することにより、変換部403が用いる変換関数を生成する。すなわち、関数生成部402は、予め定められた関数のパラメータの値を特定することにより、当該関数及びパラメータにより規定される変換関数を生成する。そして、変換部403は、生成された変換関数を用いて変換処理を行う。
式(12)で表される変換関数f(x)の性質を、図14を参照してより詳細に説明する。式(12)の最右辺の積分の値は、図14における領域413(図14において塗りつぶされている領域)の面積に等しい。この領域413は、グラフ411と横軸p(z)=0の間に挟まれた領域であって、グラフ411が直線p(z)=x(破線412)よりも下方となるzの範囲の領域である。なお、グラフ411は、信号zの尤度関数p(z)のグラフである。このため、変換関数f(x)の値は、x≦0のときに最小値f(x)=0をとり、xが尤度関数p(z)の最大値以上であるときに最大値f(x)=1をとる、単調増加関数である。
また、式(12)の最右辺の積分は、異常度x=p(z)を変数とみなしたときの、xの累積分布関数であると解釈することもできる。このとき、累積分布関数の性質により、信号zが信号の確率分布に従うとき、f(x)は連続領域[0,1]上の一様分布に従う。
上記のように、関数f(x)は異常度の分布を連続領域[0,1]上の一様分布に変換する単調増加関数であるため、f(x)は、前述の異常度の分布の累積分布関数F(x)に他ならない。このため、累積分布関数F(x)をもつ任意の特定確率分布に対して、式(6)または式(7)のF(x)にf(x)を代入することにより、変換関数f(x)またはf(x)を求めることができる。この場合、関数生成部402は、前記信号の複数のサンプルをもとに、信号の分布p(z)を推定する。次に、関数生成部402は、分布p(z)に式(12)及び式(6)を介して対応する変換関数f(x)を表すパラメータを計算し、パラメータの値を関数記憶部102に記憶する。又は、関数生成部402は、分布p(z)に式(12)及び式(7)を介して対応する変換関数f(x)を表すパラメータを計算し、パラメータの値を関数記憶部102に記憶する。これにより、一様分布のみならず、任意の分布を特定確率分布として用いることができる。
ところで、ステップ402における信号の分布p(z)の推定には、パラメトリックな手法(最尤推定、最大事後確率(MAP: Maximum A Posteriori)推定、EM(Expectation Maximization)アルゴリズムなど)を用いても良いし、ノンパラメトリックな手法(カーネル密度推定、ヒストグラム法など)を用いても良いがこれに限らない任意の手法を用いて分布の推定を行ってもよい。
信号の分布は、たとえば正規分布であってもよく、この場合、関数生成部402が信号の分布を推定するにあたり、パラメトリックな手法の一例として、たとえば、最尤推定を用いることができる。以下、信号の分布が正規分布である場合の関数生成部402の動作の詳細を説明する。
信号の分布が正規分布である場合、尤度関数(確率密度関数)は、以下の式(13)で表される。
Figure 0006930602
この場合、信号の分布のパラメータは、平均μおよび分散σである。関数生成部402は、信号の複数のサンプルに対して尤度関数pnormal(z)の積を最大化するように、μおよびσを決定することで、信号の分布を推定する。そのようなμおよびσは、以下の式(14)の解として得られる。
Figure 0006930602
式(14)の解は、以下の2つの式(15)により求めることができる。すなわち、関数生成部402は、式(15)により、μおよびσを計算することにより信号の分布を推定する。
Figure 0006930602
信号の分布pnormal(z)に対応して式(12)により定まる変換関数fnormal(x)は、以下の式(16)により表される。なお、式(16)において、erfc(・)は相補誤差関数である。
Figure 0006930602
したがって、変換関数fnormal(x)を規定するパラメータはσである。このため、関数生成部402は、パラメータσを関数記憶部102に記憶する。
また、変換部403は、記憶されたパラメータσ及び式(16)を用いて異常度の変換(もしくは、閾値の逆変換)を行う。つまり、変換部403は、予め定められた数式である式(16)と、関数生成部402により値が特定されたパラメータσにより規定される変換関数を用いて、異常度の変換(もしくは、閾値の逆変換)を行う。なお、変換部403による変換を行うにあたり、式(16)も例えば関数記憶部102に予め記憶されている。このように、本実施の形態では、変換部403は、予め定められた数式と、関数生成部402により値が特定されたパラメータにより規定される変換関数を用いて、変換を行う。
ところで、信号は、複数の数値からなるベクトル量であっても良いし、信号の分布は、例えば、多変量正規分布であっても良い。この場合、関数生成部402が信号の分布を推定するにあたり、前述の正規分布の場合と同様に、最尤推定を用いることができる。以下、前記信号が複数の数値からなるベクトル量であり、かつ、前記信号の分布が多変量正規分布である場合における、関数生成部402の動作の詳細を説明する。
信号の分布が正規分布である場合、尤度関数(確率密度関数)は、以下の式(17)のように表される。
Figure 0006930602
ここで、信号zはD次元のベクトル量であり、信号の分布のパラメータは、平均μおよび共分散行列Σである。関数生成部402は、信号の複数のサンプルに対して尤度関数pmulti(z)の積を最大化するように、μおよびΣを決定することで、信号の分布を推定する。そのようなμおよびΣは、以下の式(18)の解として得られる。
Figure 0006930602
式(18)の解は、以下の2つの式(19)により求めることができる。すなわち、関数生成部402は、式(19)により、μおよびΣを計算することにより信号の分布を推定する。
Figure 0006930602
信号の分布pmulti(z)に対応して式(12)により定まる変換関数fmulti(x)は、以下の式(20)により表される。
Figure 0006930602
ここで、Dは信号ベクトルzの次元である。また、s≧0,t≧0で定義された関数G(s,t)=Γ(s,t)/Γ(s)は、第二種不完全ガンマ関数Γ(s,t)とガンマ関数Γ(s)の比である。この式(20)は、D=1のとき、式(16)と一致する。このことは、通常の正規分布が、1次元の多変量正規分布と一致することからも明らかである。
式(20)から明らかなように、変換関数fmulti(x)を規定するパラメータはΣである。このため、関数生成部402は、パラメータΣを関数記憶部102に記憶する。
また、変換部403は、記憶されたパラメータΣ及び式(20)を用いて異常度の変換(もしくは、閾値の逆変換)を行う。
また、信号の分布は、例えば、混合分布であっても良い。この場合、関数生成部402が信号の分布を推定するにあたり、パラメトリックな手法の一例として、たとえば、EMアルゴリズムを用いることができる。信号の分布が混合分布である場合、尤度関数(確率密度関数)は、以下の式(21)により表される。
Figure 0006930602
ここで、k=1,・・・,Kは混合分布の各モードを表し、πはモードkの混合比(混合確率)であり、pはモードkの確率分布の尤度関数、θはモードkの確率分布のパラメータの組である。特に限定されないが、モードkの確率分布が、たとえば尤度関数が式(17)で定義される多変量正規分布であった場合、パラメータの組θは平均と共分散行列の組θ=(μ,Σ)であり、尤度関数pは、以下の式(22)により表される。
Figure 0006930602
また、モードの確率分布はモード毎に異なっていても良いし、同じでも良い。また、モードの確率分布は、上述の多変量正規分布のように、多変量にわたる分布であっても良い。また、モードの確率分布は、さらに別の混合分布であってもよい。この場合、モードkの確率分布(混合分布)のパラメータの組θは、モードkの確率分布(混合分布)の各モードj=1,・・・,Jの混合比πkj、jの確率分布のパラメータθkjの組(πk1,・・・,πkJ,θk1,・・・,θkJ)である。このように、混合分布のモードの確率分布は任意の確率分布を用いてもよい。以降、混合分布のパラメータ(π,・・・,π,θ,・・・,θ)をまとめてθと書く。
以下、信号の分布が混合分布である場合に、関数生成部402が信号の分布をEMアルゴリズムに基づいて推定する動作を詳細に述べる。EMアルゴリズムは反復法の一種であり、混合分布のパラメータθを繰り返し改善することにより、尤度の値を最大化する。この意味で、EMアルゴリズムは近似的な最尤推定法の一種であるといえる。
EMアルゴリズムでは、前回の反復におけるパラメータθoldから、新しいパラメータθnewを以下の3つの式(23)により求める。
Figure 0006930602
ここでsは信号の各サンプルzが、混合分布を構成する分布のうち、どのモードの分布から生成されたかを表す潜在変数であり、サンプルzが混合kから生成された場合、s=kである。また、上記式におけるSに関する和は、n=1,・・・,Nに対するsの可能な全ての組み合わせ(K通り)についての和である。
例えば、モードkの確率分布の尤度関数p(z|θ)、すなわちモードの分布p(z|θ)が、多変量正規分布である場合(すなわち、信号の分布が混合正規分布である場合)、式(23)の解は閉形式で表すことができ、以下の4つの式(24)により計算される。なお、混合分布のパラメータθは、上記定義の通り、θ=(π,・・・,π,θ,・・・,θ)である。ここで、各θは各モードの分布のパラメータで、混合正規分布の場合、上記定義の通り、θ=(μ,Σ)である。したがって、θ=(π,・・・,π,(μ,Σ),・・・,(μ,Σ))である。よって、θnew=(πnew ,・・・,πnew ,(μnew ,Σnew ),・・・,(μnew ,Σnew ))である。つまり、式(24)により、πnew 、μnew 、及び、Σnew を計算することにより、θnewが計算される。
Figure 0006930602
モードの分布が多変量でない通常の正規分布の場合も、1次元ベクトルを考えれば、全く同様に計算できる。
関数生成部402は、式(23)および式(24)によって前回の混合分布のパラメータの組θoldから新しい混合分布のパラメータθnewを計算してパラメータを更新する。関数生成部402は、これらのパラメータが収束するまで順次更新を繰り返す。関数生成部402は、以上説明したEMアルゴリズムによって混合分布のパラメータθを推定することにより、信号の分布を推定する。
信号の分布が混合分布である場合、信号の分布に式(12)を介して対応する変換関数fmix(x)は、以下の式(25)によって計算可能である。
Figure 0006930602
しかしながら、式(25)に現れる積分区間は複雑であるため、fmix(x)を厳密に計算することは困難である。このことを、図15を参照しながら詳しく説明する。図15は、式(25)における積分区間を模式的に表す図である。特に限定されないが、図15では説明のため、信号zは2次元のベクトル量であるとする。
図15では、信号z=(z,z)が点(z,z)に対応している。図15において、曲線421a、421b、及び421cなどの曲線は、尤度関数pmix(z)の等高線である。特に、曲線421aは等式pmix(z)=xによって表される等高線である。したがって、式(12)の右辺の積分範囲は、曲線421aよりも外側の領域422(ハッチングされた領域)である。図15に示されているように、混合分布の尤度関数pmix(z)は多峰性(multimodal)である。このため、混合分布の尤度関数pmix(z)はは、式(13)で表される正規分布の尤度関数や式(17)で表される多変量正規分布の尤度関数が単峰性(unimodal)であることに比べると、より複雑であるといえる。このため、一般に領域422で表される式(25)の積分範囲をzの閉形式で書き表すことは難しい。したがって式(25)の積分を直接計算することは難しい。
このような場合、関数生成部402は、以下に示す近似的な積分法により、変換関数を生成してもよい。また、このような場合、変換関数として、以下に示す近似された変換関数が用いられる。信号zに対応する異常度xに対して、変換関数fmix(x1)の下限近似値f mix(x)と、上限近似値f mix(x)を以下の式(26)のように定義する。
Figure 0006930602
ここで、異常度xは信号zの尤度関数の値x=pmix(z)であるから、式(21)より、k=1,・・・,Kについて、任意のzでπ(z)≦pmix(z)が成り立つ。したがって、積分区間の包含関係から、以下の式(27)に示す不等式が成り立つ。
Figure 0006930602
一方、変換関数fmix(x)の値の中間近似値f mix(x)を以下式(28)のように定義する。
Figure 0006930602
ここで、再び、式(21)より、任意のzについて、π(z)≦pmix(z)であるから、以下の式(29)の不等式が成り立つ。
Figure 0006930602
式(27)と式(29)を比較すると、fmix(x)と同様に下限近似値f mixと上限近似値f mixの間に挟まれているという意味で、f mix(x)はfmix(x)の近似になっているということがいえる。また、この近似は、混合分布の各モード(すなわち、混合分布を構成する各分布)が相互に重複する部分を持たない場合に正確となる。
式(28)の積分は、比較的容易に計算することができる。例えば、特に限定されないが、モードの確率分布が多変量正規分布である場合、式(28)に現れる積分は式(20)と同じ形となる。このため、以下の式(30)によって容易に計算することができる。
Figure 0006930602
同様に、一般に式(28)に現れる積分は、各モードの確率分布が信号の確率分布であるとした場合に積分法によって変換関数を生成する際に現れる積分と同じ形となる。したがって、各モードの確率分布として、正規分布、多変量正規分布、その他の式(12)の積分の計算が容易に可能となるあらゆる確率分布を用いた場合において、変換関数の近似値f mix(x)を容易に計算することができる。
すなわち、各モードkの尤度関数p(x|θ)について、式(12)と同様の形の以下の式(31)に示す積分が容易に計算可能であるとき、変換関数の近似値f mix(x)は次の式(32)によって計算される。
Figure 0006930602
Figure 0006930602
関数生成部402は、信号の分布として混合分布を用いる場合、信号の分布に対応する変換関数の近似f mixを表すパラメータθ,πを関数記憶部102に記憶する。すなわち、関数生成部402は、推定された信号の分布のパラメータを用いて、近似関数である変換関数を特定することにより変換関数を生成する。
変換部403は、関数記憶部102に記憶されたパラメータθ,πを用いることで、式(28)および式(30)によって異常度xを変換(もしくは閾値を逆変換)する。
ところで、関数生成部402は、サンプリング法によって信号の分布から変換関数f(x)、f(x)またはf(x)のパラメータを計算しても良い。この場合、関数生成部402は、推定した信号の分布から、乱数を用いてM個の信号zのサンプルz,・・・,zを作成する。次に、関数生成部402は、各信号z,・・・,zに対応する異常度x,・・・,xを計算する。ここで、異常度は尤度関数x=p(z)の値であってもよいし、これ以外の値(たとえば、マハラノビス距離等)であってもよい。なお、異常度の算出は、関数生成部402に限らず、異常判定装置401の異常度算出部(図示せず)によって行われてもよい。
このようにして生成された異常度x,・・・,xは、異常度の分布に従っていると考えられる。このため、関数生成部402は、実施形態3における関数生成部302と同様の処理を行うことにより、変換関数f(x)、f(x)またはf(x)を表すパラメータを計算する。すなわち、生成された異常度x,・・・,xを、実施形態3におけるステップ301で取得された複数の異常度のサンプルと捉えることで、実施形態3と同様に、変換関数を規定するパラメータを計算することができる。そして、変換部403は、実施形態3における変換部303と同様の処理を行うことにより、変換関数f(x)、f(x)またはf(x)による異常度の変換(もしくは閾値の逆変換)を行う。このようなサンプリング法は、信号の確率密度関数p(z)が複雑であるなどの理由により、前述の式(12)の計算が困難である場合などにおいて、特に有効である。
次に、実施形態4にかかる異常判定装置401に関する効果について説明する。実施形態4にかかる異常判定装置401によれば、サンプルに異常が生じているか否かを容易に推定することができる。この理由は、実施形態1にて説明した理由と同様である。さらに、実施形態4にかかる異常判定装置401によれば、サンプルの異常判定に用いる変換関数を容易に生成することができる。また、実施形態3にかかる異常判定装置301においては、変換関数を生成する際、異常度のサンプルを複数用いて変換関数を生成するため、大量の異常度のサンプルを用意する必要がある。これに対して、実施形態4にかかる異常判定装置401は、信号の分布を推定するため、推定された信号の分布から自由に任意の数のサンプル(信号のサンプル又は異常度のサンプル)を容易に生成することができる。このため、実際に取得すべきサンプル数としては、より少ないサンプル数で変換関数を生成することができる。
最後に、上述した各実施形態にかかる異常判定装置101、201、301又は401のいずれかを、計算処理装置(情報処理装置、コンピュータ)を用いて実現する場合のハードウェア資源の構成例について説明する。但し、異常判定装置101、201、301、401は、物理的または機能的に少なくとも2つの計算処理装置を用いて実現されてもよい。また、異常判定装置101、201、301、401は、専用の装置として実現されてもよい。
図16は、異常判定装置101、201、301又は401を実現可能な計算処理装置20のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。計算処理装置20は、メモリ21と、プロセッサ22と、入力装置23と、出力装置24と、通信インタフェース25とを有する。なお、計算処理装置20は、入力装置23、出力装置24、及び通信インタフェース25のいずれかを有さなくてもよい。
メモリ21は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ21は、プロセッサ22から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ22は、図示されていない入出力インタフェースを介してメモリ21にアクセスしてもよい。
メモリ21は、プロセッサ22により実行される命令群を含むソフトウェア(コンピュータプログラム)などを格納するために使用される。また、関数記憶部102は、メモリ21により実現される。
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
プロセッサ22は、メモリ21からコンピュータプログラム(命令群)を読み出して実行することで、図2、図6、図10、又は図12における関数記憶部102以外の構成要素の処理を行う。プロセッサ22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)であってもよい。プロセッサ22は、複数のプロセッサを含んでもよい。
入力装置23は、例えばキーボードなどであり、情報の入力を受け付ける装置である。出力装置24は、例えばディスプレイなどであり、情報を出力する装置である。通信インタフェース25は、例えばネットワークインタフェースカード(NIC)であり、有線又は無線ネットワークを介して他の装置と通信するために使用されるインタフェースである。各実施の形態において、信号又は異常度が、通信インタフェース25を介して計算処理装置20に入力される。なお、これらは、入力装置23を介して計算処理装置20に入力されてもよい。また、異常判定部104又は204の判定結果は、出力装置24に出力されてもよい。また、この判定結果は、通信インタフェース25を介して他の装置に送信されてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記の実施形態の一部又は全ては、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う変換部と、
前記変換部による変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定部と
を備え、
前記変換関数が単調関数である
異常判定装置。
(付記2)
前記異常判定部は、所定の閾値により、異常の有無を判定する
付記1に記載の異常判定装置。
(付記3)
前記異常判定部は、前記サンプルに前記変換関数を適用して得られた前記変換結果と前記閾値とを比較することにより異常の有無を判定する
付記2に記載の異常判定装置。
(付記4)
前記異常判定部は、前記閾値に前記変換関数の逆関数を適用して得られた前記変換結果と、前記サンプルとを比較することにより異常の有無を判定する
付記2に記載の異常判定装置。
(付記5)
前記確率分布は一様分布であり、
前記閾値は前記信号に異常が含まれている、もしくは異常が含まれていない確率である
付記2乃至4のいずれかに一項に記載の異常判定装置。
(付記6)
前記異常判定部は、前記異常度の複数のサンプルに前記変換関数を適用して得られた分布と、前記確率分布とが一致していることを統計検定により判定することにより異常の有無を判定する
付記1に記載の異常判定装置。
(付記7)
前記統計検定は、コルモゴロフ・スミルノフ検定である
付記6に記載の異常判定装置。
(付記8)
前記変換関数を表すパラメータを生成する関数生成部をさらに有する
付記1乃至7のいずれか一項に記載の異常判定装置。
(付記9)
前記関数生成部は、前記異常度の複数のサンプルを降順または昇順に並べたときの順序関係を前記パラメータとして生成し、
前記変換部は、変換対象の前記異常度の順位を前記順序関係から算出することにより、前記確率変数値を計算する
付記8に記載の異常判定装置。
(付記10)
前記変換部は、離散的な前記順位を連続的な前記順位に修正することにより、前記確率変数値を計算する
付記9に記載の異常判定装置。
(付記11)
前記変換部は、前記順位に所定の累積分布関数の逆関数を適用することにより、前記確率変数値を計算する
付記9又は10に記載の異常判定装置。
(付記12)
前記異常度は、前記信号の分布の尤度関数である
付記1乃至11のいずれか一項に記載の異常判定装置。
(付記13)
前記異常度は、前記信号の分布の尤度関数であり、
前記関数生成部は、前記信号の分布を推定し、推定された前記信号の分布のパラメータを用いて前記変換関数を特定することにより前記変換関数を生成する
付記8に記載の異常判定装置。
(付記14)
前記関数生成部は、最尤推定もしくはEMアルゴリズムにより前記信号の分布を推定する
付記13に記載の異常判定装置。
(付記15)
前記関数生成部は、
推定した前記信号の分布から、乱数を用いて複数の信号のサンプルを作成し、
前記複数の信号のサンプルそれぞれの前記異常度を計算し、
計算した複数の前記異常度を降順または昇順に並べたときの順序関係を前記パラメータとして生成し、
前記変換部は、変換対象の前記異常度の順位を前記順序関係から算出することにより、前記確率変数値を計算する
付記13又は14に記載の異常判定装置。
(付記16)
前記信号の分布は混合分布であり、
前記関数生成部は、推定された前記信号の分布のパラメータを用いて、近似関数である前記変換関数を特定することにより前記変換関数を生成する
付記13又は14に記載の異常判定装置。
(付記17)
信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行い、
前記変換処理による変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定し、
前記変換関数が単調関数である
異常判定方法。
(付記18)
信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う変換ステップと、
前記変換ステップによる変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記変換関数が単調関数である
プログラム。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2017年12月5日に出願された日本出願特願2017−233083を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、例えば、異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定装置、異常判定方法などに適用可能であり、産業上の利用可能性を有する。
1 異常判定装置
2 変換部
3 異常判定部
20 計算処理装置
21 メモリ
22 プロセッサ
23 入力装置
24 出力装置
25 通信インタフェース
101 異常判定装置
102 関数記憶部
103 変換部
104 異常判定部
201 異常判定装置
203 変換部
204 異常判定部
301 異常判定装置
302 関数生成部
303 変換部
401 異常判定装置
402 関数生成部
403 変換部

Claims (6)

  1. 信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う変換手段と、
    前記変換手段による変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定手段と
    を備え、
    前記変換関数が単調関数であり、
    前記異常判定手段は、所定の閾値に前記変換関数の逆関数を適用して得られた前記変換結果と、前記サンプルとを比較することにより異常の有無を判定する
    異常判定装置。
  2. 前記確率分布は一様分布であり、
    前記閾値は前記信号に異常が含まれている、もしくは異常が含まれていない確率である
    請求項に記載の異常判定装置。
  3. 前記変換関数を表すパラメータを生成する関数生成手段をさらに有する
    請求項1又は2に記載の異常判定装置。
  4. 前記関数生成手段は、前記異常度の複数のサンプルを降順または昇順に並べたときの順序関係を前記パラメータとして生成し、
    前記変換手段は、変換対象の前記異常度の順位を前記順序関係から算出することにより、前記確率変数値を計算する
    請求項に記載の異常判定装置。
  5. 信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行い、
    前記変換処理による変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定し、
    前記変換関数が単調関数であり、
    前記異常の有無の判定では、所定の閾値に前記変換関数の逆関数を適用して得られた前記変換結果と、前記サンプルとを比較することにより異常の有無を判定する
    異常判定方法。
  6. 信号の異常度を所定の確率分布に従う確率変数値に変換する変換関数を用いた変換処理を行う変換ステップと、
    前記変換ステップによる変換結果を用いて、前記異常度のサンプルの異常の有無を判定する異常判定ステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記変換関数が単調関数であり、
    前記異常判定ステップでは、所定の閾値に前記変換関数の逆関数を適用して得られた前記変換結果と、前記サンプルとを比較することにより異常の有無を判定する
    プログラム。
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