以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理システム、システム、情報処理方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本実施の形態の情報処理システムを会議システムに適用した例を説明する。適用可能なシステムは会議システムに限られるものではなく、たとえば複数の情報端末を含む第1のグループで共有される共有情報を、複数の情報端末を含む第2のグループで参照する他のシステムに適用してもよい。
また、以下では、第1の会議(第1のグループ)で使用された共有情報である会議資料をネットワーク上の記憶部に保存しておき、第1の会議の参加者とは異なる参加者を含むメンバで開催される第2の会議(第2のグループ)で記憶部に保存された会議資料の一部を使用する場合を例に挙げる。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態による情報処理システムの構成の一例を模式的に示す図である。情報処理システム1は、情報処理サーバ10、仲介機20、情報端末30、プロジェクタ40、電子黒板50、MFP(Multifunction Peripheral)60、カードリーダ70を備える。情報処理サーバ10、仲介機20、プロジェクタ40、電子黒板50、MFP60、カードリーダ70は、ネットワーク80を介して接続されている。仲介機20はたとえばアクセスポイントであり、仲介機20が発する電波の届く範囲を「結界」と称する場合がある。仲介機20は、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)などの無線通信技術を利用して、結界に存在する情報端末30(会議参加者が利用する情報端末30)をネットワーク80に接続するための仲介手段である。仲介機20、プロジェクタ40、電子黒板50、MFP60およびカードリーダ70は、たとえば会議室ごとに設けられている。
説明の便宜上、図1では、1台の情報端末30が例示されているが、これに限らず、仲介機20を介してネットワーク80に接続される情報端末30の台数は任意である。また、図1の例では、情報処理システム1に含まれる機器として、プロジェクタ40、電子黒板50、MFP60、カードリーダ70を例に挙げているが、これらに限らず、情報処理システム1に含まれる機器の種類および台数は任意に変更可能である。要するに、情報処理システム1は、情報処理サーバ10から受け付けたデータの処理を実行する1以上の機器を含む形態であればよい。
情報処理サーバ10は、情報処理装置の一例であり、会議全体の管理、データの管理(保存または削除等)、機器(プロジェクタ40、電子黒板50、MFP60、カードリーダ70等)への出力制御などを行う。図2は、第1の実施の形態による情報処理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報処理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、機器I/F105およびネットワークI/F108を有し、これらはバス109で互いに接続されている。また、機器I/F105には、表示部106および操作部107が接続されている。
CPU101は演算手段であり、情報処理サーバ10全体の動作を統括的に制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)のほかに、各種の制御プログラムまたはアプリケーション・プログラム等が格納される。
機器I/F105は、表示部106および操作部107の各々をバス109に接続するためのインタフェースである。表示部106は、各種の情報を表示するための視覚的ユーザインタフェースであり、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)などで構成される。操作部107は、キーボードまたはマウス等、ユーザが情報処理サーバ10に対して各種の情報を入力するためのユーザインタフェースである。ネットワークI/F108は、情報処理サーバ10をネットワーク80に接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F108は、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースなどの従来から用いられている任意の方式に従ったインタフェースとすることができる。
図3は、第1の実施の形態による情報処理サーバの機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。情報処理サーバ10は、通信部11と、会議参加者関連データ記憶部12と、会議資料関連データ記憶部13と、コントローラ14と、を備える。通信部11は、ネットワーク80上の他の機器との間で、データの送受信を制御し、送信部に対応する。
会議参加者関連データ記憶部12は、ユーザ情報121と、会議参加者情報122と、を記憶し、第2の記憶部に対応する。ユーザ情報121は、情報処理システム1にアクセス可能なユーザ(所持者)と、このユーザが所持する情報端末30と、を対応付ける情報である。図4は、第1の実施の形態によるユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報121は、ユーザIDと、氏名と、端末情報と、を含む。氏名は、情報処理システム1にアクセス可能なユーザの氏名である。ユーザIDは、ユーザを一意に識別する識別情報である。端末情報は、ユーザが所持している情報端末30を示す情報である。端末情報は、たとえば情報端末30を一意に識別することができるMAC(Media Access Control)アドレスなどを用いることができる。なお、ユーザが複数の端末を所持している場合には、1つのユーザIDに対して複数の端末情報を関連付けることができる。
会議参加者情報122は、会議と参加者とを対応付ける情報である。図5は、第1の実施の形態による会議参加者情報の一例を示す図である。会議参加者情報122は、会議IDと、会議参加者と、を含む。会議IDは、会議を識別する識別情報である。第1の実施の形態では、第1の会議について会議IDが付されるものとする。会議参加者は、会議IDで識別される会議への参加者であり、ユーザ情報121に登録されているユーザから選択される。なお、図5では、会議参加者として氏名を登録する場合を示しているが、ユーザIDであってもよい。
会議資料関連データ記憶部13は、会議資料131と、会議資料管理情報132と、を記憶し、第1の記憶部に対応する。会議資料131は、第1の会議で使用される資料であり、テキスト文書もしくはスライドなどの文書データ、画像データ、映像データまたは音声データなどのコンピュータで読み取り可能な形式のデータである。たとえば、個々の会議資料131は、ファイルで構成され、ファイル名によって識別される。
会議資料管理情報132は、会議資料関連データ記憶部13に記憶されている会議資料131と第1の会議とを対応付けるとともに、第1の会議の会議参加者以外の者(以下、非参加者ともいう)に対する会議資料131の閲覧の可否が規定された情報である。第1の実施の形態では、会議資料管理情報132では、ファイル単位で非参加者に対する閲覧の可否が設定される場合を説明する。
図6は、第1の実施の形態による会議資料管理情報の一例を示す図である。会議資料管理情報132は、会議IDと、ファイル名と、マスク情報と、を含む。会議IDは、会議を一意に識別するための識別情報であり、図5の会議参加者情報122で説明したものと同じである。ファイル名は、会議資料関連データ記憶部13に記憶される会議資料131に付されたファイル名である。マスク情報は、ファイル名で指定されたファイルについてマスクするか否かを規定する情報である。ここでは、第2の会議の参加者への閲覧を制限したいファイルについては、マスク情報に「all」が設定され、第2の会議の参加者に閲覧させてもよいファイルについては、マスク情報には何も設定されない。
コントローラ14は、情報処理サーバ10全体の制御と、ネットワーク80に接続される他の機器の制御と、を行う。コントローラ14は、会議資料管理部141と、マスク情報追加部142、受付部143、マスク情報判定部144、決定部145、会議参加者管理部146と、機器制御部147と、を備える。
会議資料管理部141は、会議資料関連データ記憶部13内の会議資料関連データを管理する。会議資料管理部141は、会議資料管理情報132に、会議資料関連データ記憶部13に記憶された会議資料131と使用される会議との関連を登録する。
マスク情報追加部142は、会議参加者によって設定されたマスク情報を会議資料管理情報132中の対応するレコードに登録する。
受付部143は、会議参加者の情報端末30から会議資料131の利用を望む会議IDの指定を受け付ける。
さらに、マスク情報判定部144は、受付部143で受け付けた会議IDに対応付けられた会議資料についてのマスク情報の有無を判定する。これは、会議資料管理情報132を参照して、指定された会議IDに対応付けられたファイルにマスク情報が設定されているか否かを判定することによって行われる。
決定部145は、情報端末30の所持者に応じて読み出し可能なファイルを抽出した閲覧可能リスト(閲覧可能情報)を生成し、通信部11を介して会議参加者の情報端末30に送信する。具体的には、第2の会議の会議参加者に関して、会議資料管理情報132中のマスク情報に「all」が設定されているファイル名以外のファイル名を抽出し、このファイル名を閲覧可能リストに記載する。
たとえば、図6で会議ID「0001」の件について、第1の会議に参加していない第2の会議の参加者に対する会議資料131の読み出しの指示を受けた場合について説明する。会議ID「0001」に対応付けられたファイルは、「全社方針.ppt」、「補足資料.doc」、「方針の図.jpg」および「補足テキスト.txt」であるが、このうちマスク情報に「all」が設定されていない「全社方針.ppt」および「補足テキスト.txt」を会議資料管理部141は閲覧可能リストとして抽出する。なお、第1の会議の参加者に関して会議資料131の読み出しの指示を受けた場合には、マスク情報に関係なく、指定された会議IDに対応するファイル名が閲覧可能リストに記載される。
会議参加者管理部146は、会議参加者関連データ記憶部12内の会議参加者データを管理する。会議参加者管理部146は、第1の会議が開催される際に、会議参加者情報122に、会議IDと会議参加者とを登録する。第1の会議の会議参加者が、たとえば、会議室に設置されたカードリーダ70で自身の保持するIDカードを読み込ませると、会議参加者管理部146は、カードリーダ70から受け取ったIDカードに含まれるユーザIDと、会議室を識別する情報と、から会議参加者情報122に会議参加者の情報を登録する。
機器制御部147は、通信部11を介して、ネットワーク80に接続されている、仲介機20、情報端末30、プロジェクタ40、電子黒板50、MFP60およびカードリーダ70などの機器の動作を制御する。たとえば、機器制御部147は、プロジェクタ40への映像投影または電子黒板50への映像表示の制御や、情報端末30に表示させる情報の制御を行う。また、機器制御部147は、通信部11を介してMFP60にスキャン動作を実行させる指示を送信し、その結果得られるデータを会議資料131として会議資料関連データ記憶部13に保存する。さらに、機器制御部147は、カードリーダ70で各ユーザのIDカードが読み込まれると、その情報を会議参加者管理部146に渡す。
また、機器制御部147は、情報端末30に会議資料131を提供する場合には、会議資料管理部141に会議資料131の提供を要求した情報端末30の端末情報を渡し、その結果得られる閲覧可能リストにしたがって、会議資料関連データ記憶部13から会議資料131を取得し、通信部11を介して情報端末30に送信する。
つぎに、情報処理システム1で使用される情報端末30の構成について説明する。図7は、第1の実施の形態による情報端末のハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。情報端末30は、たとえばスマートフォン、タブレットまたは携帯可能なパーソナルコンピュータなどの可搬型の多機能デバイス(スマートデバイス)で構成される。図7に示されるように、情報端末30は、CPU301、RAM302、ROM303、HDD304、機器I/F305および無線通信I/F308を有し、これらはバス309で互いに接続されている。また、機器I/F305には、表示部306および操作部307が接続されている。
CPU301は演算手段であり、情報端末30全体の動作を統括的に制御する。RAM302は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU301が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM303は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD304は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS、各種の制御プログラム、またはアプリケーション・プログラム等が格納される。
機器I/F305は、表示部306および操作部307の各々をバス309に接続するためのインタフェースである。表示部306は、各種の情報を表示するための視覚的ユーザインタフェースであり、たとえばLCDなどで構成される。操作部307は、キーボードおよびマウス等、ユーザが情報端末30に対して各種の情報を入力するためのユーザインタフェースである。情報端末30がスマートフォンまたはタブレットである場合には、操作部307は表示部306と一体的に構成されたタッチパネルとなる。無線通信I/F308は、情報端末30が仲介機20と無線通信を行うためのインタフェースである。
図8は、第1の実施の形態による情報端末の機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。説明の便宜上、図8では、第1の実施の形態に関する機能を主に例示しているが、情報端末30が有する機能は、これらに限られるものではない。図8に示されるように、情報端末30は、操作制御部31、表示制御部32、無線通信制御部33およびクライアントアプリケーション34を有する。
操作制御部31は、操作部307を介して入力された操作信号を取得し、クライアントアプリケーション34等の情報端末30において動作するモジュールに入力する。操作制御部31は、ユーザによる操作を受け付ける機能を有していると考えることもできる。
表示制御部32は、クライアントアプリケーション34のGUI(Graphical User Interface)等、情報端末30に関する各種の情報を表示部306に表示する制御を行う。
無線通信制御部33は、無線通信I/F308を介して他の機器との通信を制御する。たとえば無線通信制御部33は、無線通信I/F308を介して入力される情報を取得すると共に、他の機器に対して送信すべき情報を、無線通信I/F308を介して送信する。
クライアントアプリケーション34は、情報端末30において各種の機能を提供するソフトウェアモジュールであり、それぞれの機能に対応したソフトウェア・プログラムによって構成される。会議システムを利用するための専用アプリケーションもクライアントアプリケーション34に含まれる。
図9は、第1の実施の形態によるクライアントアプリケーションにより提供される機能の一例を示す図である。説明の便宜上、図9の例では、本実施の形態に係る機能のみを例示しているが、クライアントアプリケーション34により提供される機能はこれに限られるものではない。図9に示されるように、クライアントアプリケーション34は、マスク設定部341と、読出ファイル指定部342とを有する。
マスク設定部341は、情報処理サーバ10の会議資料関連データ記憶部13内の会議資料131に対するマスク情報の設定を行う。具体的には、第2の会議の参加者への閲覧を制限したい第1の会議の会議資料131のマスク範囲を、情報処理サーバ10に対して指示する。
読出ファイル指定部342は、会議資料関連データ記憶部13内の会議資料131を読み出す際に、会議IDを指定して、閲覧可能リストを情報処理サーバ10に要求する。この際、第1の会議の会議参加者であるか非参加者であるかを指定することで、第1の会議の会議参加者であって、第2の会議にも参加するユーザに、第2の会議の他の参加者と同じ会議資料131を閲覧させることができる。また、読出ファイル指定部342は、情報処理サーバ10から取得した閲覧可能リスト中から閲覧する会議資料131を選択し、選択した会議資料131を表示させるように情報処理サーバ10に対して指示する。なお、読出ファイル指定部342は、会議資料131を表示させる対象、すなわち、情報端末30、プロジェクタ40、電子黒板50などの機器を選択することも可能である。
つぎに、情報処理システム1の動作について説明する。図10は、第1の実施の形態による会議資料管理情報でのマスク情報の設定手順の一例を示すフローチャートであり、図11は、第1の実施の形態による情報端末でのマスク情報生成時の表示画面の一例を示す図である。
ここでは、第1の会議でプロジェクタ40に投影されているまたは電子黒板50に表示されているファイルが、会議参加者が有する情報端末30にも表示されているものとする。たとえば、会議参加者の情報端末30の表示部306には、ファイル表示画面501が表示される。ファイル表示画面501には、ファイルの内容を表示するファイル表示領域502と、ファイル表示領域502に表示されているファイルのマスク情報の設定を行う「別会議参照時のマスク設定」ボタン503と、が設けられている。
「別会議参照時のマスク設定」ボタン503が会議参加者によって押されると、マスク設定部341は、マスク範囲指定画面511を表示部306に表示する。マスク範囲指定画面511中の「本ファイル」ボタン512は、ファイル表示画面501に表示されているファイルをマスクする範囲として選択するものである。会議参加者によって、マスク範囲指定画面511中の「本ファイル」ボタン512が押されると、マスク設定部341は、ファイル表示画面501に表示されているファイルをマスクするマスク情報の設定の指示を、情報処理サーバ10へと送信する(ステップS11)。
情報処理サーバ10のマスク情報追加部142は、マスク情報の設定の指示を受信すると(ステップS12)、会議参加者が出席している会議の会議IDと、その時点で情報端末30または電子黒板50に表示されているまたはプロジェクタ40に投影されているファイルのファイル名と、を特定する(ステップS13)。会議IDは、たとえば、会議参加者管理部146によって、指示を受けた情報端末30の端末情報からユーザ情報121と会議参加者情報122とを参照することによって取得される。ファイル名は、たとえば、その時点で情報端末30に送信しているファイルを機器制御部147に問い合わせることで取得される。
その後、情報処理サーバ10のマスク情報追加部142は、会議資料管理情報132中の特定された会議IDとファイル名とを有するレコードを取得し、このレコードのマスク情報に「all」を設定する(ステップS14)。マスク情報の設定が完了すると、通信部11は、情報端末30にマスク情報の設定完了通知を送信する(ステップS15)。情報端末30は、マスク情報の設定完了通知を受信する(ステップS16)。情報端末30の表示部306には、マスク設定完了通知画面521が表示される。マスク設定完了通知画面521には、マスク設定された対象ファイル名が表示される。以上によって、処理が終了する。
以上の処理によって、たとえば、図6の会議資料管理情報132では、会議ID「0001」の「補足資料.doc」と「方針の図.jpg」がマスク対象に選択されたことを示している。
なお、上記した説明では、プロジェクタ40に投影または電子黒板50に表示されているファイルを対象としてマスク情報を設定していたが、会議資料関連データ記憶部13中の会議資料131を選択して個別に設定することも可能である。
第2の会議で会議資料131を表示する処理手順について説明する。図12は、第1の実施の形態による会議資料の送信処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図13は、第1の実施の形態による閲覧可能リストの取得処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図14は、会議資料の送信処理における情報端末の表示画面の一例を示す図である。
まず、情報端末30の表示部306には、会議ID入力画面601が表示される。会議ID入力画面601には、会議ID入力領域602と、「入力完了」ボタン603と、が配置される。第2の会議の参加者は、会議ID入力領域602に、参照したい会議IDを入力し、「入力完了」ボタン603を押す。これによって、情報端末30の読出ファイル指定部342は、第2の会議の会議資料131の作成の基となる第1の会議の会議資料131を読み出す指示を、無線通信制御部33を介して情報処理サーバ10に送信する(ステップS31)。指示には、第1の会議の会議IDが含まれる。
情報処理サーバ10の受付部143は、指示を受信し(ステップS32)、決定部145は、指示から会議IDを取得し(ステップS33)、閲覧可能リスト取得処理を実行する(ステップS34)。
閲覧可能リスト取得処理について、図13を参照して説明する。マスク情報判定部144と決定部145は、取得した会議IDに関連付けされた各ファイル名で特定されるファイルに対して、以下のステップS52〜S54の処理を実行する(ステップS51)。なお、ここでは、第2の会議での会議資料131の閲覧を前提としており、指示には、たとえばマスクされた会議資料131の読み出しを指示する情報も含まれている。
まず、マスク情報判定部144は、会議資料管理情報132中の取得した会議IDを有する1つのファイル名に関して、マスク情報を取得する(ステップS52)。ついで、マスク情報判定部144、は、取得したマスク情報が「all」であるかを判定する(ステップS53)。マスク情報が「all」ではない場合(ステップS53でNoの場合)には、決定部145は、判定対象のファイル名を閲覧可能リストの選択肢に加える(ステップS54)。その後、またはステップS53でマスク情報が「all」である場合(ステップS53でYesの場合)には、判定対象のファイルについての処理が終了する。このステップS52〜S54の処理が取得した会議IDに対応付けられたそれぞれのファイル名に対して実行され、閲覧可能リスト取得処理が終了する。
図12のフローチャートに戻り、通信部11は、閲覧可能リストを情報端末30へと送信する(ステップS35)。情報端末30の読出ファイル指定部342は、閲覧可能リストを受信すると(ステップS36)、閲覧可能リストを表示部306に表示する(ステップS37)。
たとえば、閲覧可能リストは、図14に示されるような閲覧可能リスト表示画面611の形で表示部306に表示される。閲覧可能リスト表示画面611には、上記の処理で選択されたファイル名のボタン612,613が示される。図6の会議資料管理情報132の会議ID「0001」が選択された例では、マスク情報に「all」が設定されていない「全社方針.ppt」ボタン612と「補足テキスト.txt」ボタン613とが表示される。
第2の会議の参加者によって、閲覧可能リスト表示画面611中のファイル名のボタン612,613が押されると、読出ファイル指定部342は、情報処理サーバ10に、選択されたファイルの閲覧要求を送信する(ステップS38)。
情報処理サーバ10の機器制御部147は、閲覧要求を受信すると(ステップS39)、閲覧要求に含まれるファイルを会議資料関連データ記憶部13から取得し、通信部11を介して、抽出したファイルを情報端末30へと送信する(ステップS40)。これによって、情報端末30の表示部306には、ファイルが表示される(ステップS41)。たとえば、ステップS38で、閲覧可能リスト表示画面611の「全社方針.ppt」ボタン612が押された場合には、図14に示されるように、ファイル表示画面621には、「全社方針.ppt」ファイルが表示される。
なお、ここでは、情報端末30の表示部306にファイルが表示される場合を示したが、たとえば閲覧可能リスト表示画面611にファイルを表示させる機器を設定することで、プロジェクタ40または電子黒板50などの他の機器にも表示させるようにすることができる。以上によって、処理が終了する。
図12と図13で示されるように、第1の会議で利用された会議資料131を第2の会議で読み出す場合には、マスク情報の有無を調べるが、第1の会議において第1の会議の会議資料131を読み出す場合には、マスク情報の有無を調べる必要はなく、全ての会議の資料が読み出される。
第1の実施の形態では、第1の会議で使用される会議資料131のうち、第2の会議で閲覧を制限したいものをファイル単位で選択し、その結果をマスク情報として、会議IDにファイル名を関連付けした会議資料管理情報132に記録した。そして、第2の会議では選択した会議IDに関連付けしたファイルのうち、マスク設定がされていないファイルのみを閲覧可能リストに加え、閲覧可能リストに掲載されたもののみが、第2の会議の参加者の情報端末30または第2の会議の参加者が閲覧する電子黒板50に表示され、あるいは第2の会議の参加者が閲覧するプロジェクタ40に投影される。その結果、第1の会議の参加者が閲覧したファイルの第1の会議に参加していない第2の会議の参加者による閲覧を制限することができる。また、第2の会議の参加者に送信するファイルは、第1の会議で使用されたファイルであるので、第2の会議用にファイルが生成されない。その結果、情報処理システム1に保存される会議資料131の容量が大きくなってしまうことを防ぐことができる。つまり、情報処理サーバ10に保存される会議資料の容量を増やすことなく、第2の会議で参照できる範囲を制限することができるという効果を有する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、第1の会議で使用された会議資料のうち、第2の会議で閲覧を制限したいものをファイル単位で指定した。第2の実施の形態では、第2の会議で閲覧を制限したいものをファイル中のページ単位で指定する場合について説明する。
図15は、第2の実施の形態による情報処理サーバの機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。第2の実施の形態による情報処理サーバ10では、会議資料関連データ記憶部13が、一時会議ファイル133をさらに記憶する。一時会議ファイル133は、マスク対象となるファイルをコピーしたものについてページ単位でマスクしたものであり、一時ファイルに対応する。
また、会議資料関連データ記憶部13の会議資料管理情報132のマスク情報には、ファイル単位またはページ単位でマスクする範囲が設定される。図16は、第2の実施の形態による会議資料管理情報の一例を示す図である。この図に示されるように、会議資料管理情報132のマスク情報では、ファイル単位のマスクの指定に加えて、ページ単位のマスクの指定が可能になっている。ページ単位でマスクを指定する場合には、たとえば「page=3,4,5」のように、マスクしたいページを示すページ情報がマスク情報に指定されることになる。
また、コントローラ14は、一時ファイル生成部148と、一時ファイル保存部149と、一時ファイル削除部150と、をさらに有する。一時ファイル生成部148は、情報端末30など他の機器に会議資料131を送信する際に、ページ単位でマスクした一時会議ファイル133を生成する。一時ファイル保存部149は、一時ファイル生成部148で生成された一時会議ファイル133を、会議資料関連データ記憶部13に保存する。一時ファイル削除部150は、第2の会議が終了した後に、会議資料関連データ記憶部13中の一時会議ファイル133を削除する。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。また、第2の実施の形態による情報端末30の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。さらに、第2の実施の形態による情報処理サーバ10と情報端末30のハードウェア構成も第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
つぎに、情報処理システム1の動作について説明する。図17は、第2の実施の形態によるマスク情報の設定処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図18は、第2の実施の形態による情報端末でのマスク情報の設定画面の一例を示す図である。
ここでも、図18に示されるように、情報端末30の表示部306には、ファイル表示画面501が表示されている。ファイル表示画面501中のファイル表示領域502には、プロジェクタ40に投影されているものまたは電子黒板50に表示されているものと同じファイルが表示されている。この状態で、「別会議参照時のマスク設定」ボタン503が会議参加者によって押されると、情報端末30のマスク設定部341は、図18に示されるマスク範囲指定画面511を表示部306に表示する。さらに、この状態で、会議参加者によって「表示中のページ」ボタン513が押されると、マスク設定部341は、ファイル表示画面501のファイル表示領域502に表示されていたページに対するマスク情報の設定の指示を情報処理サーバ10に送信する(ステップS71)。
情報処理サーバ10のマスク情報追加部142は、マスク情報の設定の指示を受信すると(ステップS72)、情報端末30の所持者が出席している会議の会議IDと、その時点で情報端末30または電子黒板50に表示されているファイルあるいはプロジェクタ40に投影されているファイルのファイル名およびページと、を特定する(ステップS73)。ついで、マスク情報追加部142は、会議資料管理情報132中から特定された会議IDとファイル名とを有するレコードのマスク情報を取得する(ステップS74)。
マスク情報追加部142は、取得したマスク情報にページ情報の記載があるかを判定する(ステップS75)。マスク情報にページ情報の記載がない場合(ステップS75でNoの場合)には、マスク情報にステップS73で特定したページ情報を設定する(ステップS76)。たとえば、あるファイルの3ページ目がマスク対象である場合には、設定するマスク情報は「page=3」となる。
また、マスク情報にページ情報の記載がある場合(ステップS75でYesの場合)には、マスク情報追加部142は、マスク情報にステップS73で特定したページのページ情報を追加で設定する(ステップS77)。たとえば、あるファイルのマスク情報にページ情報として「page=1」が設定されており、このファイルにさらに3ページ目をマスク対象として追加する場合には、マスク情報は「page=1,3」となる。
その後、通信部11は、情報端末30にマスク情報の設定完了通知を送信し(ステップS78)、情報端末30は、マスク情報の設定完了通知を受信する(ステップS79)。情報端末30の表示部306には、図18に示されるように、マスク設定完了通知画面521が表示される。マスク設定完了通知画面521には、マスク設定された対象ファイル名と対象ページとが表示される。以上によって、処理が終了する。
第2の会議で会議資料131を表示する処理手順については、図12で説明したものと同様である。ただし、閲覧可能リスト取得処理が第1の実施の形態と異なる部分があるので、以下では、閲覧可能リスト取得処理について説明する。図19は、第2の実施の形態による閲覧可能リスト取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理サーバ10は、会議IDを取得すると、会議資料管理情報132中の取得した会議IDに関連付けされた各ファイル名に対して、以下のステップS92〜S97の処理を実行する(ステップS91)。なお、ここでは、第2の会議での会議資料131の閲覧を前提としており、図12のステップS32で取得した指示には、たとえばマスクされた会議資料131の読み出しを指示する情報も含まれている。
まず、マスク情報判定部144は、会議資料管理情報132中の取得した会議IDを有する1つのファイル名に対して、マスク情報を取得し(ステップS92)、取得したマスク情報が「all」であるかを判定する(ステップS93)。マスク情報が「all」ではない場合(ステップS93でNoの場合)には、マスク情報判定部144は、マスク情報にページ情報の記載があるかを判定する(ステップS94)。
マスク情報にページ情報の記載がない場合(ステップS94でNoの場合)には、決定部145は、判定を行ったファイル名を閲覧可能リストの選択肢に加える(ステップS95)。また、マスク情報にページ情報の記載がある場合(ステップS94でYesの場合)には、一時ファイル生成部148は、ファイル名で指定されるファイルについて、ページ情報に記載されたページを削除した一時会議ファイル133を生成し、一時ファイル保存部149は、生成した一時会議ファイル133を会議資料関連データ記憶部13に保存する(ステップS96)。つまり、対象となるファイルのコピーに対してマスクしたものを一時会議ファイル133として、会議資料関連データ記憶部13に保存する。そして、決定部145は、閲覧可能リストに、生成した一時会議ファイル名を加える(ステップS97)。
その後、またはステップS76でマスク情報が「all」である場合(ステップS93でYesの場合)には、判定対象のファイルについての処理が終了する。このステップS92〜S97の処理が取得した会議IDを有するそれぞれのファイル名に対して実行される。
図16の会議資料管理情報132に基づいて閲覧可能リストが生成される場合を例に挙げて、会議資料の送信処理での情報端末30の表示処理について説明する。図20は、第2の実施の形態による会議資料の送信処理における情報端末の表示画面の一例を示す図である。
図20に示されるように、会議ID入力画面601の会議ID入力領域602に会議IDを入力し、「入力完了」ボタン603を押すと、閲覧可能リスト表示画面611が情報端末30の表示部306に表示される。閲覧可能リスト表示画面611には、「全社方針.ppt」ボタン612、「補足資料.doc」ボタン614および「補足テキスト.txt」ボタン613が表示される。ここで、「補足資料.doc」ボタン614に関連付けられるファイルは、3〜5ページがマスクされた一時会議ファイル133である。そのため、「補足資料.doc」ボタン614が押された場合には、会議資料131中の「補足資料.doc」ではなく、一時会議ファイル133中の「補足資料.doc」が読み出されることになる。図20のファイル表示画面621では、一時会議ファイル133中の「補足資料.doc」が読み出された場合を示している。
第2の実施の形態では、会議資料131中の第2の会議で閲覧を制限したい部分を、ページ単位で選択し、その結果をマスク情報として、会議IDにファイル名を関連付けした会議資料管理情報132に記録した。そして、第2の会議では選択した会議IDに関連付けしたファイルのうち、ページ単位でマスク設定されているものについては、マスク情報に基づいてマスクしたファイルを一時会議ファイル133として生成し、閲覧可能リストに加えた。第2の会議の参加者は、閲覧可能リストから閲覧するファイルを選択する。これによって、第1の会議の1つのファイルに、第2の会議の参加者への閲覧を制限したいページと、閲覧させたいページと、が混在する場合でも、第2の会議の参加者に閲覧させたい部分のみを開示することができるという効果を有する。
また、第2の会議が終了した後に、一時会議ファイル133を削除するので、会議システムに保存される会議資料131の容量が大きくなってしまうことを防ぐことができるという効果も有する。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1の会議で使用された会議資料のファイル中の閲覧を制限したい部分について、ページ単位で指定する場合を説明した。第3の実施の形態では、ファイル中の閲覧を制限したい部分の領域を指定する場合について説明する。
第3の実施の形態による情報処理サーバは、第2の実施の形態による情報処理サーバ10と同様の構成を有する。ただし、会議資料関連データ記憶部13の会議資料管理情報132のマスク情報には、ファイル単位およびページ単位でのマスクの指定に加えて、ページ内のマスクする領域を指定する領域指定情報の指定を行うことができる。
図21は、第3の実施の形態によるファイルでの領域の指定方法の一例を示す図である。たとえば、ファイルを構成する各ページ700の左上端を原点701とし、左上端から右上端に向かう方向をx軸正方向とし、左上端から左下端に向かう方向をy軸正方向とする座標系を用いて、マスクする領域710を指定する。領域710の指定方法は、任意の形式のものを用いることができるが、この実施の形態では、矩形状の領域を指定するものとして、「page=n & range=(x0, y0, Wx, Wy)」の形式を用いるものとする。ここで、nはファイル中のマスクする領域を含むページを示し、x0は開始位置のx座標を示し、y0はマスク領域の開始位置のy座標を示し、Wxはx軸方向の幅を示し、Wyはy軸方向の幅を示している。また、開始位置は、矩形状の領域710の左上端711であるとする。なお、この形式では、矩形状の領域710を指定しているが、矩形状ではなく、円形状、楕円形状、フリーエリアなど他の形式で設定するようにしてもよい。
図22は、第3の実施の形態による会議資料管理情報の一例を示す図である。この図のレコード812のマスク情報に領域指定情報を指定した例が示されている。すなわち、「補足資料.doc」の3ページ目の開始位置(100,150)を基準として、x軸方向の幅が50であり、y軸方向の幅が60である領域にマスクし、4ページ目の開始位置(20,50)を基準として、x軸方向の幅が10であり、y軸方向の幅が10である領域にマスクすることが指定されている。また、レコード811では、ページ単位でマスクが指定される場合が示され、レコード813では、ファイル単位でマスクが指定される場合が示されている。
また、一時ファイル生成部148は、マスク情報に領域指定情報が指定されている場合には、該当する会議資料131中のファイルの各ページを画像にした画像ファイルを生成し、画像ファイルに対して領域指定情報で指定された領域を消去した一時会議ファイル133を生成する。この一時会議ファイル133は、一時ファイル保存部149によって会議資料関連データ記憶部13に記憶される。
なお、他の構成は、第1および第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、第3の実施の形態による情報端末30の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。さらに、第3の実施の形態による情報処理サーバ10と情報端末30のハードウェア構成も第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
つぎに、情報処理システム1の動作について説明する。図23は、第3の実施の形態によるマスク情報の設定処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図24は、第3の実施の形態による情報端末でのマスク情報の設定画面の一例を示す図である。
ここでも、図24に示されるように、情報端末30の表示部306には、ファイル表示画面501が表示されている。ファイル表示画面501中のファイル表示領域502には、プロジェクタ40に投影されているものまたは電子黒板50に表示されているものと同じファイルが表示されている。この状態で、「別会議参照時のマスク設定」ボタン503が会議参加者によって押されると、情報端末30のマスク設定部341は、図24に示されるマスク範囲指定画面511を表示部306に表示する。
さらに、この状態で、会議参加者によって「範囲選択」ボタン514が押されると、マスク設定部341は、図24に示されるマスク領域設定画面531を表示部306に表示する。マスク領域設定画面531には、ページ表示領域532と、「やり直し」ボタン533と、「設定完了」ボタン534と、が設けられる。ページ表示領域532は、マスクする領域を会議参加者に選択させるための領域である。「やり直し」ボタン533は、ページ表示領域532で選択した領域のやり直しを行う指示を実行するボタンである。「設定完了」ボタン534は、ページ表示領域532で選択した領域をマスクする領域として設定する指示を実行するボタンである。
図24に示されるように、会議参加者がページ表示領域532でマスクする領域710を設定する。ここでは、2つの点535,536をタップすることで、2つの点535,536を対角とする矩形状のマスクする領域710が選択される。そして、「設定完了」ボタン534が押されると、マスク設定部341は、マスク領域設定画面531に表示されているページの選択された領域710に対してのマスク情報の設定の指示を、無線通信制御部33を介して情報処理サーバ10に送信する(ステップS111)。
情報処理サーバ10のマスク情報追加部142は、マスク情報の設定の指示を受信すると(ステップS112)、情報端末30の所持者が出席している会議の会議IDと、その時点で情報端末30または電子黒板50に表示されているファイルあるいはプロジェクタ40に投影されているファイルのファイル名およびページと、を特定する(ステップS113)。また、マスク情報追加部142は、マスク領域設定画面531で選択された領域710の開始位置のx座標とy座標、および領域710のx軸方向の幅とy軸方向の幅とを検出する(ステップS114)。これは、情報端末30のマスク領域設定画面531のページ表示領域532内で、タップ動作またはマウスによる選択動作によって選択された位置を情報処理サーバ10側で検出することによって行われる。あるいは、情報端末30のマスク設定部341がページ表示領域532内で選択された位置を検出して、その結果を情報処理サーバ10に送信してもよい。
その後、マスク情報追加部142は、会議資料管理情報132中から特定された会議IDとファイル名とを有するレコードのマスク情報を取得する(ステップS115)。マスク情報追加部142は、マスク情報にステップS113で特定したページと、ステップS114で取得した領域710の開始位置および幅と、を含む領域指定情報を設定する(ステップS116)。
その後、通信部11は、情報端末30にマスク情報の設定完了通知を送信し(ステップS117)、情報端末30は、マスク情報の設定完了通知を受信する(ステップS118)。情報端末30の表示部306には、図24に示されるように、マスク設定完了通知画面521が表示される。マスク設定完了通知画面521には、対象ファイル名の対象ページの一部にマスクを設定したことが表示される。以上によって、処理が終了する。
第2の会議で会議資料131を表示する処理手順については、図12で説明したものと同様である。ただし、閲覧可能リスト取得処理が第1の実施の形態と異なる部分があるので、以下では、閲覧可能リスト取得処理について説明する。図25は、第3の実施の形態による閲覧可能リスト取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理サーバ10は、会議IDを取得すると、会議資料管理情報132中の取得した会議IDに関連付けされた各ファイル名に対して、以下のステップS132〜S141の処理を実行する(ステップS131)。なお、ここでは、第2の会議での会議資料131の閲覧を前提としており、図12のステップS32で取得した指示には、たとえばマスクされた会議資料131の読み出しを指示する情報も含まれている。
まず、マスク情報判定部144は、会議資料管理情報132中の取得した会議IDを有する1つのファイル名に対して、マスク情報を取得し(ステップS132)、取得したマスク情報が「all」であるかを判定する(ステップS133)。マスク情報が「all」ではない場合(ステップS133でNoの場合)には、マスク情報にページ情報の記載があるかを判定する(ステップS134)。
マスク情報にページ情報の記載がない場合(ステップS134でNoの場合)には、マスク情報判定部144は、マスク情報に領域指定情報の記載があるかを判定する(ステップS135)。マスク情報に領域指定情報の記載がない場合(ステップS135でNoの場合)には、決定部145は、判定を行ったファイル名を閲覧可能リストの選択肢に加える(ステップS136)。
また、マスク情報に領域指定情報の記載がある場合(ステップS135でYesの場合)には、一時ファイル生成部148は、対象となるファイルの各ページを画像にした画像ファイルを生成する(ステップS137)。ついで、一時ファイル生成部148は、領域指定情報で指定されたページに対応する画像ファイルから、領域指定情報中のマスクする領域に対応する部分を消去する。これによって、領域指定情報で指定された部分がマスクされた画像ファイルからなる一時会議ファイル133が生成される。そして、一時ファイル保存部149は、生成した一時会議ファイル133を会議資料関連データ記憶部13に保存する(ステップS138)。その後、決定部145は、閲覧可能リストに、生成した一時会議ファイル名を加える(ステップS139)。
ステップS134でマスク情報にページ情報の記載がある場合(ステップS134でYesの場合)には、図19のステップS96〜S97の処理と同様に、ファイル名で指定されるファイルについて、ページ情報に記載されたページを削除して得られた一時会議ファイル133を会議資料関連データ記憶部13に保存し、閲覧可能リストに一時会議ファイル名を追加する(ステップS140〜S141)。
ステップS136、S139、S141の後、またはステップS133でマスク情報が「all」である場合(ステップS133でYesの場合)には、判定対象のファイルについての処理が終了する。このステップS132〜S141の処理が取得した会議IDを有するそれぞれのファイル名に対して実行される。
図22の会議資料管理情報132に基づいて閲覧可能リストが生成される場合を例に挙げて、会議資料の送信処理での情報端末30の表示処理について説明する。図26は、第3の実施の形態による会議資料の送信処理における情報端末の表示画面の一例を示す図である。
図26に示されるように、会議ID入力画面601の会議ID入力領域602に会議IDを入力し、「入力完了」ボタン603を押すと、閲覧可能リスト表示画面611が情報端末30の表示部306に表示される。閲覧可能リスト表示画面611には、「全社方針.ppt」ボタン612、「補足資料.doc」ボタン614および「補足テキスト.txt」ボタン613が表示される。ここで、「補足資料.doc」ボタン614に関連付けられるファイルは、3ページの一部と4ページの一部とがマスクされた一時会議ファイル133である。そのため、「補足資料.doc」ボタン614が押された場合には、会議資料131中の「補足資料.doc」ではなく、一時会議ファイル133中の「補足資料.doc」が読み出されることになる。図26に示されるファイル表示画面621では、図24に示されるマスク領域設定画面531のページ表示領域532内に表示されている内容と比較して、領域622の部分が白抜きになっている。
第3の実施の形態では、会議資料131のあるファイルのあるページ中の第2の会議で閲覧を制限したい部分を選択し、その結果を、会議IDにファイル名を関連付けした会議資料管理情報132に記録した。そして、第2の会議では選択した会議IDに関連付けしたファイルのうち、ページ内の一部の領域がマスク設定されているものについては、ファイルの各ページを画像にした画像ファイルに対してマスク処理を行って一時会議ファイル133を生成し、閲覧可能リストに加えた。これによって、ファイル中の1つのページに、第2の会議の参加者への閲覧を制限したい部分と、閲覧させたい部分と、が混在する場合でも、第2の会議の参加者に閲覧させたい部分のみを開示することができるという効果を有する。特に、ページ内の図形、グラフ、表、まとまった段落などをマスクする場合に有効である。
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、ページ中の任意の領域を指定する場合を説明した。しかし、ページ内に複数散在する用語をマスクする場合には、設定に手間がかかってしまう。そこで、第4の実施の形態では、ファイル内の特定の文字列パターンをマスクする場合について説明する。
第4の実施の形態による情報処理サーバは、第2〜第3の実施の形態による情報処理サーバ10と同様の構成を有する。ただし、会議資料関連データ記憶部13の会議資料管理情報132のマスク情報には、ファイル単位、ページ単位、ページ内の領域でのマスクの指定に加えて、ファイル内のマスクする文字列を示す文字列隠蔽情報、またはファイル内の置換する文字列を示す文字列置換情報の指定を行うことができる。
たとえば、文字列隠蔽情報として、「hide=”AAA”」(AAAは文字列)という表現を用いることができる。これによって、文字列「AAA」がファイル中に存在する場合には、「AAA」がマスクされることになる。また、「hide=”.*AAA.*”」とした場合には、文字列「AAA」を含む前後部分、たとえば「AAA」という文字列を含む行がマスク対象となる。
また、文字列置換情報として、「replace=”AAA”,”BBB”」(AAAは置換前文字列、BBBは置換後文字列)という表現を用いることができる。これによって、文字列「AAA」がファイル中に存在する場合には、文字列「BBB」に置換されることになる。また、この文字列の置換については、種々の変形を定義することができる。たとえば、置換前文字列中に記載した文字列を()(括弧)で囲み、これをたとえば「¥1」で表現するものと定義することもできる。このような定義を用いると、「replace=”(経常利益:)[0−9千万億]+円”,”¥1***”」という表現については、ファイル中の文字列「経常利益:CCC円」(CCCは任意の数値)が、文字列「経常利益:***」に置換されることになる。
図27は、第4の実施の形態による会議資料管理情報の一例を示す図である。この図のレコード821のマスク情報に、上記で定義した文字列隠蔽情報と文字列置換情報とが指定された例が示されている。
また、一時ファイル生成部148は、マスク情報に文字列隠蔽情報または文字列置換情報が指定されている場合には、会議資料131中の該当するファイルのコピーを生成し、このコピーファイルの該当する文字列をマスクしたもの、あるいは該当する文字列を置換したものを一時会議ファイル133として生成する。この一時会議ファイル133は、一時ファイル保存部149によって会議資料関連データ記憶部13に記憶される。
なお、他の構成は、第1〜第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、第4の実施の形態による情報端末30の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。さらに、第4の実施の形態による情報処理サーバ10と情報端末30のハードウェア構成も第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
つぎに、情報処理システム1の動作について説明する。図28は、第4の実施の形態によるマスク情報の設定処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図29は、第4の実施の形態による情報端末でのマスク情報の設定画面の一例を示す図である。
ここでも、図29に示されるように、情報端末30の表示部306には、ファイル表示画面501が表示されている。ファイル表示画面501中のファイル表示領域502には、プロジェクタ40に投影されているものまたは電子黒板50に表示されているものと同じテキストデータを含むファイルが表示されている。この状態で、「別会議参照時のマスク設定」ボタン503が会議参加者によって押されると、情報端末30のマスク設定部341は、図29に示されるマスク範囲指定画面511を表示部306に表示する。
さらに、この状態で、会議参加者によって「文字列指定」ボタン515が押されると、マスク設定部341は、図29に示される文字列設定画面541を表示部306に表示する。文字列設定画面541には、マスク文字列入力領域542と、置換前文字列入力領域543と、置換後文字列入力領域544と、キーボード545と、「入力完了」ボタン546と、が配置される。マスク文字列入力領域542は、マスクする文字列パターンを指定する領域である。置換前文字列入力領域543は、文字列の置換を行う場合の置換前の文字列パターンを指定する領域であり、置換後文字列入力領域544は、文字列の置換を行う場合の置換後の文字列パターンを指定する領域である。キーボード545は、マスク文字列入力領域542、置換前文字列入力領域543および置換後文字列入力領域544に文字列パターンを入力するための手段である。「入力完了」ボタン546は、マスク文字列入力領域542に入力された文字列パターンをマスクする文字列として設定する指示、あるいは置換前文字列入力領域543および置換後文字列入力領域544に入力された文字列パターンを置換する文字列として設定する指示を実行するボタンである。
ここでは、図29に示されるように、マスク文字列入力領域542に「.*社外秘.*」が設定され、置換前文字列入力領域543に「(経常利益:)[0−9千万億]+円」が入力され、置換後文字列入力領域544に「¥1***」が入力され、「入力完了」ボタン546が押されたものとする。マスク設定部341は、ファイル表示画面501に表示されているファイル中の選択された文字列パターンに対してのマスク情報の設定の指示を、無線通信制御部33を介して情報処理サーバ10に送信する(ステップS151)。
情報処理サーバ10のマスク情報追加部142は、マスク情報の設定の指示を受信すると(ステップS152)、情報端末30の所持者が出席している会議の会議IDと、その時点で情報端末30または電子黒板50に表示されているファイルあるいはプロジェクタ40に投影されているファイルのファイル名と、を特定する(ステップS153)。
ついで、マスク情報追加部142は、表示または投影中のファイルについての文字列隠蔽情報または文字列置換情報を取得する(ステップS154)。これは、ステップS152で受信した指示から、図29に示す文字列設定画面541の入力内容を抽出することで行われる。文字列隠蔽情報は、マスク対象の文字列であり、文字列置換情報は、置換前の文字列と置換後の文字列である。
その後、マスク情報追加部142は、会議資料管理情報132中から特定された会議IDとファイル名とを有するレコードのマスク情報を取得する(ステップS155)。ついで、マスク情報追加部142は、マスク情報にステップS154で取得した文字列隠蔽情報または文字列置換情報を設定する(ステップS156)。
その後、通信部11は、情報端末30にマスク情報の設定完了通知を送信し(ステップS157)、情報端末30は、マスク情報の設定完了通知を受信する(ステップS158)。情報端末30の表示部306には、図29に示されるように、マスク設定完了通知画面521が表示される。マスク設定完了通知画面521には、対象ファイル名に文字列隠蔽情報と文字列置換情報とを設定したことが表示される。以上によって、処理が終了する。
第2の会議で会議資料131を表示する処理手順については、図12で説明したものと同様である。ただし、閲覧可能リスト取得処理が第1の実施の形態と異なる部分があるので、以下では、閲覧可能リスト取得処理について説明する。図30は、第4の実施の形態による閲覧可能リスト取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理サーバ10は、会議IDを取得すると、会議資料管理情報132中の取得した会議IDに関連付けされた各ファイル名に対して、以下のステップS172〜S189の処理を実行する(ステップS171)。なお、ここでは、第2の会議での会議資料131の閲覧を前提としており、図12のステップS32で取得した指示には、たとえばマスクされた会議資料131の読み出しを指示する情報も含まれている。
マスク情報判定部144は、図25のステップS132〜S135の処理と同様に、会議資料管理情報132中の取得した会議IDを有する1つのファイル名に対してマスク情報を取得し、取得したマスク情報が「all」であるか、マスク情報にページ情報の記載があるか、マスク情報に領域指定情報の記載があるかを判定する(ステップS172〜S175)。
マスク情報に領域指定情報の記載がない場合(ステップS175でNoの場合)には、マスク情報判定部144は、マスク情報に文字列隠蔽情報または文字列置換情報の記載があるかを判定する(ステップS176)。マスク情報に文字列隠蔽情報または文字列置換情報の記載がない場合(ステップS176でNoの場合)には、決定部145は、判定を行ったファイル名を閲覧可能リストの選択肢に加える(ステップS177)。
また、マスク情報に文字列隠蔽情報または文字列置換情報の記載がある場合(ステップS176でYesの場合)には、一時ファイル生成部148は、ファイル名で指定されるファイルを複製し、一時ファイル保存部149は、一時会議ファイル133として会議資料関連データ記憶部13に保存する(ステップS178)。
ついで、一時ファイル生成部148は、マスク情報に含まれる各文字列隠蔽情報と各文字列置換情報に対して、以下のステップS180〜S182の処理を実行する(ステップS179)。
まず、一時ファイル生成部148は、取得した情報が文字列隠蔽情報であるかを判定する(ステップS180)。取得した情報が文字列隠蔽情報である場合(ステップS180でYesの場合)には、一時ファイル生成部148は、一時会議ファイル133に対して、取得した文字列隠蔽情報にマッチする文字列を削除する(ステップS181)。一方、取得した情報が文字列隠蔽情報ではない場合(ステップS180でNoの場合)、すなわち取得した情報が文字列置換情報である場合には、一時ファイル生成部148は、一時会議ファイル133に対して、取得した文字列置換情報の置換前文字列にマッチする文字列を置換後文字列に置換する(ステップS182)。
マスク情報に含まれるすべての文字列隠蔽情報と文字列置換情報に対して処理を行った後、一時ファイル保存部149は、文字列を削除したり置換したりした一時会議ファイル133を保存し(ステップS183)、決定部145は、一時会議ファイル名を閲覧可能リストに追加する(ステップS184)。
ステップS174でマスク情報にページ情報の記載がある場合(ステップS174でYesの場合)には、図19のステップS96〜S97の処理と同様に、対象のファイルについて、ページ情報に記載されたページを削除して得られた一時会議ファイル133を会議資料関連データ記憶部13に保存し、閲覧可能リストに一時会議ファイル名を追加する(ステップS185〜S186)。
ステップS175でマスク情報に領域指定情報がある場合(ステップS175でYesの場合)には、図25のステップS137〜S139の処理と同様に、ファイルの各ページを画像にした画像ファイルを生成し、領域指定情報のページに対応する画像ファイルから、領域指定情報中のマスクする領域に対応する部分を消去した一時会議ファイル133を、会議資料関連データ記憶部13に保存し、閲覧可能リストに、生成した一時会議ファイル名を加える(ステップS187〜S189)。
ステップS177、S184、S186、S189の後、またはステップS173でマスク情報が「all」である場合(ステップS173でYesの場合)には、判定対象のファイルについての処理が終了する。このステップS172〜S189の処理が取得した会議IDを有するそれぞれのファイル名に対して実行される。
図27の会議資料管理情報132に基づいて閲覧可能リストが生成される場合を例に挙げて、会議資料の送信処理での情報端末30の表示処理について説明する。図31は、第4の実施の形態による会議資料の送信処理における情報端末の表示画面の一例を示す図である。
図31に示されるように、会議ID入力画面601の会議ID入力領域602に会議IDを入力し、「入力完了」ボタン603を押すと、閲覧可能リスト表示画面611が情報端末30の表示部306に表示される。閲覧可能リスト表示画面611には、「全社方針.ppt」ボタン612、「補足資料.doc」ボタン614および「補足テキスト.txt」ボタン613が表示される。ここで、「補足テキスト.txt」ボタン613に関連付けられるファイルは、文字列の一部が削除および置換された一時会議ファイル133である。そのため、「補足テキスト.txt」ボタン613が押された場合には、会議資料131中の「補足テキスト.txt」ではなく、図31に示されるように、一時会議ファイル133中の「補足テキスト.txt」が読み出されることになる。図31に示されるファイル表示画面621では、図29に示されるファイル表示画面501のファイル表示領域502内に表示されている内容と比較して、領域623の文字列が削除され、また、領域624の文字列が置換されている。
第4の実施の形態では、会議資料131中の第2の会議で閲覧を制限したい文字列を、選択し、その結果を、会議IDにファイル名を関連付けした会議資料管理情報132に記録した。そして、第2の会議では選択した会議IDに関連付けしたファイルのうち、マスク設定されている文字列については、マスク情報に基づいてマスクしたファイルを一時会議ファイル133として生成し、閲覧可能リストに加えた。これによって、ファイル中の第2の会議の参加者への閲覧を制限したい部分と、閲覧させたい部分と、が混在する場合でも、第2の会議の参加者に閲覧させたい部分のみを開示することができるという効果を有する。
また、閲覧を制限したい文字列を他の文字列に置換することもできるので、第1の会議で行われた重要な情報を第2の会議の参加者に知られることがないという効果も有する。
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態では、ファイル中の文字列の隠蔽または置換についてマスク情報で設定する場合について説明した。第5の実施の形態では、マスク情報に定められた内容の成立条件を設定する場合について説明する。
第5の実施の形態による情報処理サーバは、第2〜第4の実施の形態による情報処理サーバ10と同様の構成を有する。ただし、会議資料関連データ記憶部13の会議資料131のマスク情報には、ファイル単位、ページ単位、ページ内の領域でのマスクの指定、文字列隠蔽情報または文字列置換情報の指定に加えて、これらのマスクまたは置換を成立させるマスク実行条件の指定を行うことができる。マスク実行条件とは、たとえば会議の種類、参加者の役職などによって、マスクの指定および文字列の置換を有効にするか否かを定めるものである。たとえば、マスク実行条件は、「トップシークレット」と「社外秘」とを含む。マスク情報で設定されたマスクの指定または文字列置換情報の指定に対して、「トップシークレット」または「社外秘」が設定される。
たとえば、マスク実行条件として、「&condition=”CCC”」(CCCは文字列)という表現を用いることができる。マスク実行条件は、第1〜第4の実施の形態のマスク情報に付加して記憶される。たとえば、「hide=”.*社外秘.*”&condition=”社外秘”」は、「社外秘」が含まれる行を、マスク実行条件で「社外秘」が選択された場合にマスクすることを示す。また、「replace=”(経常利益:)[0−9千万億]+円”,”\1***”&condition=”トップシークレット”」は、マスク実行条件で「トップシークレット」が選択された場合に、経常利益の金額を「***」に置換することを示す。
図32は、第5の実施の形態による会議資料管理情報の一例を示す図である。この図のレコード831のマスク情報に、上記で定義したマスク実行条件が付された文字列隠蔽情報および文字列置換情報が指定された例が示されている。
また、決定部145は、第2の会議でファイルを読み出す際に情報端末30側で設定される読み出し条件と会議資料管理情報132中のマスク実行条件とが一致するかを判定し、判定結果に基づいて設定されたマスクまたは置換を有効または無効にする。
図33は、第2の会議開催時に設定される読み出し条件と、会議資料管理情報中のマスク実行条件と、の組み合わせによるマスク情報の有効または無効の一例を示す図である。この図に示されるように、マスク情報でマスク実行条件が設定されていないものは、常に有効となる。また、読み出し条件と会議資料管理情報132中のマスク実行条件とが一致する場合に、読み出し条件と同じマスク実行条件を有するマスク情報は有効となる。さらに、読み出し条件で指定されなかったマスク実行条件を有するマスク情報は無効となる。
なお、他の構成は、第1〜第4の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、第5の実施の形態による情報端末30の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。さらに、第5の実施の形態による情報処理サーバ10と情報端末30のハードウェア構成も第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
つぎに、情報処理システム1の動作について説明する。ただし、マスク情報の設定処理については、第4の実施の形態の図28で説明したフローチャートとほぼ同様であるので、説明を省略し、情報端末30でのマスク情報の設定方法の一例について説明する。
図34は、第5の実施の形態による情報端末でのマスク情報の設定画面の一例を示す図である。まず、図29に示されるように、情報端末30の表示部306には、ファイル表示画面501が表示されている。ファイル表示画面501中のファイル表示領域502には、プロジェクタ40に投影されているものまたは電子黒板50に表示されているものと同じテキストデータを含むファイルが表示されている。この状態で、「別会議参照時のマスク設定」ボタン503が会議参加者によって押されると、情報端末30のマスク設定部341は、図34に示されるマスク範囲指定画面511を表示部306に表示する。
マスク範囲指定画面511には、「本ファイル」ボタン512、「表示中のページ」ボタン513、「範囲選択」ボタン514、「文字列指定ボタン」515のほかに、マスク実行条件選択領域516が設けられている。マスク実行条件として、「トップシークレット」と「社外秘」が設けられている。
マスク範囲指定画面511で、たとえばマスク実行条件として「トップシークレット」を選択した後、「文字列指定」ボタン515を選択することで、図34に示されるように、マスク設定部341は、文字列設定画面541を表示部306に表示する。図34に示されるように、マスク文字列入力領域542に「.*社外秘.*」が設定され、「入力完了」ボタン546が押されると、図29に示されるファイル表示画面501に表示されているファイルの選択された文字列パターンに対してのマスク情報の設定の指示が、情報処理サーバ10へと送信される。なお、この例では、文字列に対してマスク実行条件を指定する場合を示したが、ファイル、ファイル中のページ、選択された範囲に対してもマスク実行条件を指定することができる。
情報処理サーバ10では、マスク範囲指定画面511と文字列設定画面541で入力された内容を、会議資料関連データ記憶部13の会議資料管理情報132に保存する。情報処理サーバ10は、設定が完了すると、情報端末30に図34に示されるマスク設定完了通知画面521を表示する。マスク設定完了通知画面521には、対象ファイル名に文字列隠蔽情報を設定したこと、および文字列隠蔽情報が実施されるマスク実行条件を設定したことが表示される。以上によって、処理が終了する。
第2の会議で会議資料131を表示する処理手順についても、第4の実施の形態の図30で説明したフローチャートとほぼ同様であるので、説明を省略し、情報端末30での第2の会議の会議資料131の表示処理の手順の一例について説明する。図35は、第5の実施の形態による情報端末による会議資料の閲覧の様子を模式的に示す図である。ここでは、図32の会議資料管理情報132に基づいて閲覧可能リストが生成される場合を例に挙げる。
まず、情報端末30の表示部306には、図35に示される会議ID入力画面601が表示される。会議ID入力画面601には、会議ID入力領域602と「入力完了」ボタン603とのほかに、読み出し条件設定領域604が配置される。会議IDが入力され、読み出し条件が選択された後に、「入力完了」ボタン603が押されると、入力された内容が情報処理サーバ10へと送信される。ここでは、読み出し条件として、「トップシークレット」が選択されたものとする。
情報処理サーバ10は閲覧可能リストを生成し、情報端末30に、図35に示される閲覧可能リスト表示画面611が表示される。ここで、「補足テキスト.txt」ボタン613が押されると、図35に示されるファイル表示画面621が表示される。
図32のレコード831のマスク情報の第1の条件「hide=”.*社外秘.*”&condition=”社外秘”」について、マスク実行条件が「社外秘」であり、図35に示される会議ID入力画面601で設定された読み出し条件が「トップシークレット」であるので、両者は一致しない。図33から、第1の条件は無効となる。そのため、ファイル表示画面621の領域625には、[社外秘]が含まれる文字列が残されたままとなる。
レコード831のマスク情報の第2の条件「replace=”(経常利益:)[0−9千万億]+円”,”\1***”&condition=”トップシークレット”」について、マスク実行条件が「トップシークレット」であり、会議ID入力画面601で設定された読み出し条件が「トップシークレット」であるので、両者は一致する。図33から、第2の条件は有効となる。そのため、ファイル表示画面621の領域626には、経常利益が置換された状態となっている。
第5の実施の形態では、マスク情報中のマスク実行条件と、会議ファイルの表示時または投影時に設定される読み出し条件と、を比較して、マスク情報中にマスク実行条件が設定されていない場合には、マスク情報を有効とし、マスク情報中にマスク実行条件が設定されている場合で、マスク実行条件と読み出し条件とが一致する場合にマスク情報を有効とした。これによって、第2の会議で閲覧を制限したい箇所を選択する際に、選択箇所ごとに、「社外秘」、「トップシークレット」などのマスク実行条件を付すことができ、第2の会議の種類に応じた内容の会議資料131を送信することができるという効果を有する。たとえば、第2の会議の参加者が社員だけの場合には、「トップシークレット」を見せない、外部社員を含む場合には、「社外秘」、「トップシークレット」を見せない、という指定を容易に行うことができる。
(第6の実施の形態)
第5の実施の形態では、第2の会議の開催時に読み出し条件を設定していた。第6の実施の形態では、会議の参加者の属性に応じてアクセスする範囲を制限することができる場合について説明する。
図36は、第6の実施の形態による情報処理サーバの機能構成の一例を模式的に示すブロック図である。第6の実施の形態による情報処理サーバ10では、会議参加者関連データ記憶部12が、人事情報123と、アクセス可能権限情報124と、をさらに記憶する。人事情報123は、社員または外部社員の人事情報を格納したデータベースである。図37は、第6の実施の形態による人事情報の一例を示す図である。人事情報123は、参加者名と、役職と、を含む。
アクセス可能権限情報124は、ファイル読み出し時における役職ごとにファイルの内容へのアクセス可能権限を定めた情報である。図38は、第6の実施の形態によるアクセス可能権限情報の一例を示す図である。アクセス可能権限情報124は、役職と、アクセス可能権限と、を含む。ここでは、アクセス可能権限として、トップシークレットと社外秘とが設定されているものとする。たとえば、役職が役員の場合には、トップシークレットと社外秘とにアクセスできることを示している。そのため、役員の読み出し条件は設定されない。役職が社員の場合には、社外秘にアクセスすることができる。そのため、社員の読み出し条件には、トップシークレットが設定される。役職が外部社員の場合には、トップシークレットと社外秘とにアクセスすることができない。そのため、外部社員の読み出し条件には、トップシークレットと社外秘とが設定される。
また、コントローラ14は、読み出し条件取得部151をさらに有する。読み出し条件取得部151は、ファイルの閲覧要求があると、情報端末30のIDから、会議参加者情報122、人事情報123およびアクセス可能権限情報124を用いて、情報端末30の所持者のアクセス可能権限を取得する。また、読み出し条件取得部151は、取得したアクセス可能権限を用いて、読み出し条件を設定し、決定部145に渡す。なお、読み出し条件は、ファイルを読み出す際にかける制限であり、アクセス可能権限はファイル内の情報にアクセスが可能であるか否かを示すものである。そのため、会議資料管理部141は、ファイルの読み出しを行う場合に、取得したアクセス可能権限ではないものを読み出し条件とする。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。また、第6の実施の形態による情報端末30の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。さらに、第6の実施の形態による情報処理サーバ10と情報端末30のハードウェア構成も第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
情報処理システム1の動作については、第5の実施の形態で説明したものとほぼ同様であるが、第2の会議の会議資料131の送信の要求を受けた時の情報処理サーバ10での読み出し条件の決定処理が異なる。以下では、この異なる部分についての説明を行う。
図39は、第6の実施の形態による情報処理サーバでの読み出し条件設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報端末30側で、図14に示される会議ID入力画面601に会議IDが入力され、「入力完了」ボタン603が押され、入力された内容が情報処理サーバ10へと送信されたものとする。
情報処理サーバ10の受付部143は、会議IDと、会議IDを要求した情報端末30の端末情報(情報端末ID)と、を取得する(ステップS201)。ついで、読み出し条件取得部151は、読み出し条件をクリアする(ステップS202)。その後、第2の会議の各参加者に対して、以下のステップS204〜S205の処理を実行する(ステップS203)。
まず、読み出し条件取得部151は、端末情報に対応付けられる所持者のアクセス可能権限を取得する(ステップS204)。具体的には、読み出し条件取得部151は、会議参加者情報122を参照して端末情報に対応付けられた参加者名を取得し、人事情報123を参照して取得した参加者名の役職を取得し、そしてアクセス可能権限情報124を参照して取得した役職に対応付けられたアクセス可能権限を取得する。
その後、読み出し条件取得部151は、取得したアクセス可能権限から読み出し条件を設定する(ステップS205)。たとえば、読み出し条件のうち、アクセス可能権限で指定された条件ではない条件、すなわちアクセス可能でない条件にチェックを入れる。この読み出し条件の設定は、たとえば各参加者に対して関連付けされる。
以上のステップS204〜S205の処理を、各参加者に対して繰り返し実行した後、処理が終了する。
第6の実施の形態では、情報端末30から会議資料131の送信の要求がある場合に、情報端末30の端末情報からユーザ情報121と人事情報123とアクセス可能権限情報124とからアクセス可能権限を取得し、このアクセス可能権限から読み出し条件を設定した。これによって、第2の会議開催時に読み出し条件を設定しなくても、第2の会議の参加者の役職から自動的にマスク条件を設定することができるという効果を有する。
なお、上記した例における情報処理サーバ10を用いた形態は、さらにいわゆるクラウドサービス、ASP(Application Service Provider)などといったネットワークサービスにより提供される機能として実現可能である。また、当該サービスにおいて用いられる情報処理サーバ10が単一の筐体として実現することも、本発明で説明した機能によって一部分散して実現することも、いずれも適用可能である。
また、上記の実施の形態の情報処理サーバ10と情報端末30で実行される情報処理プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
さらに、本実施の形態の情報処理サーバ10と情報端末30で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態の情報処理サーバ10と情報端末30で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
さらにまた、本実施の形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上記した実施の形態の情報処理サーバ10で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部11、会議資料管理部141、マスク情報追加部142、受付部143、マスク情報判定部144、決定部145、会議参加者管理部146、機器制御部147、一時ファイル生成部148、一時ファイル保存部149、一時ファイル削除部150、読み出し条件取得部151)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から情報処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部11、会議資料管理部141、マスク情報追加部142、受付部143、マスク情報判定部144、決定部145、会議参加者管理部146、機器制御部147、一時ファイル生成部148、一時ファイル保存部149、一時ファイル削除部150、読み出し条件取得部151が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上記した実施の形態の情報端末30で実行される情報処理プログラムは、上述した各部(操作制御部31、表示制御部32、無線通信制御部33、クライアントアプリケーション34)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から情報処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、操作制御部31、表示制御部32、無線通信制御部33、クライアントアプリケーション34が主記憶装置上に生成されるようになっている。
図40は、プロジェクタのハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。図40に示されるように、プロジェクタ40は、CPU41と、記憶部42と、入力部43と、ネットワークI/F44と、投影部45とを備え、これらはバス46を介して接続される。
CPU41は、記憶部42に記憶されているプログラムを実行し、プロジェクタ40の動作を統括的に制御する。記憶部42は、CPU41が実行するプログラム、およびプログラムの実行に必要なデータを記憶するROMおよびHDD、並びにCPU41のワークエリアなどとして機能するRAMなどにより構成される。入力部43は、プロジェクタ40に対する各種入力を行うものであり、タッチパネル、およびキースイッチなどが挙げられる。ネットワークI/F44は、プロジェクタ40をネットワーク80に接続するためのインタフェースである。投影部45は、投影対象の画像データをスクリーンなどの投影対象物に投影する。投影部45は、たとえば投影レンズ等の投影用の光学系を含む。
図41は、電子黒板のハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。図41に示すように、電子黒板50は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、HDD54と、グラフィックスボード55と、ディスプレイ56と、検知装置57と、ネットワークI/F58とを備え、これらはバス59を介して接続される。
CPU51は、ROM52およびHDD54等に記憶されているプログラムをRAM53上に読み出して実行し、電子黒板50の動作を統括的に制御する。グラフィックスボード55は、ディスプレイ56に描画する描画データを処理する装置であり、画像イメージを保持するVRAM(Video RAM)およびディスプレイ56の接続端子を含む。ディスプレイ56は、グラフィックスボード55が生成した描画データを表示する表示装置である。
検知装置57は、物体が接触または接近したことを検知する検知装置である。検知装置57は、たとえば、物体(指または専用のスタイラスペン等)が接触することによって変化する静電容量を検知する静電容量センサを備えたタッチパネルが該当する。グラフィックスボード55は、検知装置57により接触位置座標または接近位置座標が検出されると、検出された接触位置座標または接近位置座標に基づいて描画画像(手書き画像)を描画し、その描画した画像を背景画像に重畳描画する。また、ネットワークI/F58は、電子黒板50をネットワーク80に接続するためのインタフェースである。
図42は、MFPのハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。図42に示すように、MFP60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、入力部64と、ネットワークI/F65と、エンジン部66とを備え、これらはバス67を介して接続される。
CPU61は、ROM62等に記憶されているプログラムをRAM63上に読み出して実行し、MFP60の動作を統括的に制御する。入力部64は、MFP60に対する各種入力を行うものであり、タッチパネル、およびキースイッチなどが挙げられる。ネットワークI/F65は、MFP60をネットワーク80に接続するためのインタフェースである。
エンジン部66は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、および、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理および通信以外の処理を行うハードウェアである。たとえば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部などを備えている。
(第7の実施の形態)
第1〜第6の実施の形態では、会議参加者が過去に参加した会議を考慮せずに閲覧可能リストを生成していた。第7の実施の形態では、第1の会議においてマスク設定された会議資料を第2の会議において閲覧する場合に、第1の会議と第2の会議との両方に参加する会議参加者の閲覧可能リストの利便性を向上させる手法について説明する。
第7の実施の形態による情報処理サーバは、図3に示す第1の実施の形態による情報処理サーバ10と同様の構成を有する。ただし、受付部143は、情報端末30から会議資料131の利用を望む会議IDの指定を受け付けるだけでなく、会議参加者を特定可能な情報を受信する。会議参加者を特定可能な情報とは、たとえば、会議参加者が所持(使用)する情報端末30の識別情報、会議参加者自身の識別情報等であり得る。決定部145は、会議参加者が第2の会議に参加する際の閲覧可能リストを生成する際に、当該会議参加者が第1の会議に参加したか否かを判定する。決定部145は、第2の会議の会議参加者が第1の会議に参加していた場合には、第1の会議においてマスク対象とされた情報を当該会議参加者の情報端末30に送信する。具体的には、決定部145は、当該会議参加者の情報端末30で閲覧可能なファイルを示す個人閲覧リストと、当該会議参加者の情報端末30以外の機器で閲覧可能なファイルを示す公開閲覧リストと、を含む閲覧可能リストを生成する。情報端末30以外の機器とは、当該会議参加者以外の会議参加者に情報を閲覧させる機器であり、たとえばプロジェクタ40、電子黒板50、MFP60等である。
ここでは、図5に示す会議参加者情報122における会議参加者「Aさん」が第2の会議に参加する際の閲覧可能リストを生成する場合を例として説明する。会議参加者「Aさん」は、会議ID「0001」が付された第1の会議と、会議ID「0002」が付された第2の会議との両方に参加している。例えば、第1の会議はマネジメント等に関する上級会議であり、第2の会議は一般社員等を対象とする通常会議であり、会議参加者「Aさん」は第1の会議における決定事項を第2の会議において説明する役割を担っている場合等が想定される。
図6に示すように、第1の会議の会議資料「全社方針.ppt」、「補足資料.doc」、「方針の図.jpg」および「補足テキスト.txt」のうち、「補足資料.doc」および「方針の図.jpg」のマスク情報には「all」が設定されている。そのため、第2の会議において第1の会議の会議資料を閲覧しようとする場合、たとえば第1の実施の形態においては、全ての会議参加者「Aさん」、「Fさん」、「Gさん」および「Hさん」が「補足資料.doc」および「方針の図.jpg」を閲覧できなくなる。しかし、会議参加者「Aさん」は、第1の会議に参加し、「補足資料.doc」および「方針の図.jpg」に対してマスク設定をする場に立ち会った人物であるため、会議参加者「Aさん」が第2の会議においてマスク設定されたファイル「補足資料.doc」および「方針の図.jpg」を閲覧することについては問題がない場合が多い。また、第2の会議中に会議参加者「Aさん」がマスク設定されたファイル「補足資料.doc」および「方針の図.jpg」を閲覧できることによって、第2の会議をスムーズに進行させることができる場合がある。そこで、第7の実施の形態においては、ある会議情報についてマスク設定を行った第1の会議に参加した会議参加者「Aさん」が、第2の会議において当該マスク設定された情報を閲覧できるように、閲覧可能リストを生成する。
図43は、第7の実施の形態による会議資料の送信処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図44は、第7の実施の形態による閲覧可能リストの取得処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図45は、会議資料の送信処理における情報端末の表示画面の一例を示す図である。
まず、会議参加者「Aさん」が所持する情報端末30の表示部306には、図45に示される会議ID入力画面601が表示される。ここでは、会議参加者「Aさん」は会議ID入力領域602に第1の会議に付された会議ID「0001」を入力し、「入力完了」ボタン603を押す。これによって、情報端末30の読出ファイル指定部342は、第2の会議の会議資料131の作成の基となる第1の会議の会議資料131を読み出す指示と、情報端末30に一意に割り当てられた端末情報(図4中a,b,c,…)とを、無線通信制御部33を介して情報処理サーバ10に送信する(ステップS191)。指示には、第1の会議の会議IDが含まれる。端末情報は、情報端末30に搭載された適宜なメモリに記憶されている。なお、端末情報は、会議参加者「Aさん」を特定可能な情報の一例であり、端末情報の代わりに、会議参加者「Aさん」に割り当てられたユーザID等が送信されてもよい。
情報処理サーバ10の受付部143は、指示および端末情報を受信し(ステップS192)、決定部145は、受信した指示から会議IDを取得し、図4に示すユーザ情報を利用して受信した端末情報からユーザIDを取得し(ステップS193)、閲覧可能リスト取得処理を実行する(ステップS194)。
閲覧可能リスト取得処理について、図44を参照して説明する。マスク情報判定部144と決定部145は、図5に示すような会議参加者情報122を参照し、取得したユーザIDに対応する会議参加者が第1の会議(会議ID「0001」)と第2の会議(会議ID「0002」)との両方に参加しているか否かを判定する(S201)。両方の会議に参加していない場合(S201でNoの場合)、すなわち第2の会議にのみ参加している場合には、図13に示す閲覧可能リスト取得処理S34が実行される。一方、両方の会議に参加している場合(S201でYesの場合)には、マスク情報判定部144と決定部145は、取得した会議IDに関連付けされた各ファイル名で特定されるファイルに対して、以下のステップS203〜S206の処理を実行する(ステップS202)。
まず、マスク情報判定部144は、会議資料管理情報132中の取得した会議IDを有する1つのファイル名に関して、マスク情報を取得する(ステップS203)。ついで、マスク情報判定部144は、取得したマスク情報が「all」であるかを判定する(ステップS204)。マスク情報が「all」ではない場合(ステップS204でNoの場合)には、決定部145は、判定対象のファイル名を個人閲覧リストと公開閲覧リストとの両方の選択肢に加える(ステップS205)。一方、マスク情報が「all」である場合(ステップS204でYesの場合)には、決定部145は、判定対象のファイル名を公開閲覧リストの選択肢にのみ加える(ステップS206)。このステップS203〜S206の処理が、取得した会議IDに対応付けられたそれぞれのファイル名に対して実行され、閲覧可能リスト取得処理が終了する。
図43のフローチャートに戻り、通信部11は、個人閲覧リストと公開閲覧リストとを含む閲覧可能リストを情報端末30へと送信する(ステップS195)。情報端末30の読出ファイル指定部342は、閲覧可能リストを受信すると(ステップS196)、閲覧可能リストを表示部306に表示する(ステップS197)。
たとえば、図45に示されるように、閲覧可能リストは、閲覧可能リスト表示画面611の形で表示部306に表示される。閲覧可能リスト表示画面611には、個人閲覧リスト651と公開閲覧リスト652とが表示されている。
個人閲覧リスト651は、第1の会議と第2の会議との両方に参加した会議参加者「Aさん」が所持する情報端末30の表示部306に表示可能なファイルを示している。図45に示す個人閲覧リスト651には、第1の会議の会議資料の全てが含まれている。図45に示す閲覧可能リスト表示画面611には、個人閲覧リスト651の選択肢として、「全社方針.ppt」ボタン615、「補足資料.doc」ボタン616、「方針の図.jpg」ボタン617および「補足テキスト.txt」ボタン618が表示されている。各ボタン615〜618は、情報端末30を所持する会議参加者「Aさん」による選択操作を受け付ける操作部となる。
公開閲覧リスト652は、会議参加者「Aさん」が所持する情報端末30以外の機器、すなわち、プロジェクタ40、電子黒板50またはMFP60に出力(投影、表示、印刷等を含む)可能なファイルを示している。図45に示す例においては、プロジェクタ40に投影可能なファイルが示されている。公開閲覧リスト652には、第1の会議の会議資料のうちマスク情報に「all」が設定されていないファイルのみが含まれている。図45に示す閲覧可能リスト表示画面611には、公開閲覧リスト652の選択肢として、「全社方針.ppt」ボタン619および「補足テキスト.txt」ボタン620が表示されている。各ボタン619,620は、情報端末30を所持する会議参加者「Aさん」による選択操作を受け付ける操作部となる。
図43のフローチャートに戻り、情報端末30のクライアントアプリケーション34は、閲覧可能リストを表示した後(ステップS197)、会議資料出力処理(ステップS198)を実行する。
図46は、第7の実施の形態による会議資料出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。クライアントアプリケーション34は、閲覧可能リスト表示画面611に対する会議参加者「Aさん」の入力操作を受け付ける(ステップS211)。会議参加者「Aさん」は、閲覧可能リスト表示画面611に表示された個人閲覧リスト651のボタン615〜618の中から情報端末30の表示部306に表示させたいファイルに対応するボタン、または公開閲覧リスト652のボタン619,620の中から機器(プロジェクタ40、電子黒板50またはMFP60)に出力させたいファイル(図45に示す例においてはプロジェクタ40に投影させたいファイル)に対応するボタンを選択する操作を行う。
クライアントアプリケーション34は、公開閲覧リスト652のファイルが選択されたか否かを判定する(ステップS212)。公開閲覧リスト652のファイルが選択された場合(ステップS212でYesの場合)(「全社方針.ppt」ボタン619または「補足テキスト.txt」ボタン620がタップされた場合)、選択されたファイルを機器に出力(プロジェクタ40に投影)するための処理(たとえば選択されたファイルをプロジェクタ40に送信する処理等)を行う(ステップS213)。これにより、第2の会議の参加者全員が機器に出力されたファイルを閲覧することが可能となる。このとき、マスク情報が「all」に設定されていないファイル(全社方針.pptまたは補足テキスト.txt)だけ機器に出力可能となる。
図45において、公開閲覧リスト652のファイルが選択された場合に情報端末30の表示部306に表示される公開プレビュー画面631の例が示されている。本例の公開プレビュー画面631には、機器に出力(プロジェクタ40に投影)されるファイルのプレビュー等が表示されている。
図46のフローチャートに戻り、公開閲覧リスト652が選択されなかった場合(ステップS212でNoの場合)、すなわち個人閲覧リスト651のファイルが選択された場合(「全社方針.ppt」ボタン615、「補足資料.doc」ボタン616、「方針の図.jpg」ボタン617または「補足テキスト.txt」ボタン618がタップされた場合)、選択されたファイルを情報端末30の表示部306に表示するための処理(たとえば選択されたファイルを情報処理サーバ10から受信する処理等)を行う(ステップS214)。これにより、第1の会議に参加した会議参加者「Aさん」は、第2の会議中に、マスク情報が「all」に設定されたファイルを含む全会議資料を情報端末30で閲覧することが可能となる。
図45において、個人閲覧リスト651のファイルが選択された場合に情報端末30の表示部306に表示される個人閲覧画面632の例が示されている。本例の個人閲覧画面632には、選択されたファイルの内容、「投影する」ボタン635等が表示されている。「投影する」ボタン635は、個人閲覧画面632に表示されている、マスク情報が「all」に設定されていないファイル(全社方針.pptまたは補足テキスト.txt)を機器に出力(プロジェクタ40に投影)するためのボタンである。従って、「投影する」ボタン635は、個人閲覧画面632にマスク情報が「all」に設定されたファイル(補足資料.docおよび方針の図.jpg)が表示されている場合には表示されない。
なお、ここでは、公開閲覧ファイルを出力する機器がプロジェクタ40である場合を例示したが、当該機器をユーザ(会議参加者「Aさん」等)が選択できるようになされてもよい。たとえば、閲覧可能リスト表示画面611に、公開閲覧ファイルを出力したい機器(プロジェクタ40、電子黒板50またはMFP60)を選択するボタン等を設けてもよい。
また、ここでは、第1の実施の形態のように、マスク情報の設定をファイル毎に行う場合についてのみ説明したが、マスク情報の設定は、第2〜第4の実施の形態のように、ページ、領域、文字列等により行われてもよい。
第7の実施の形態によれば、第1の会議と第2の会議との両方に参加した会議参加者は、第1の会議においてマスク設定された会議資料を、第2の会議中に自分の情報端末30で閲覧することが可能となる。また、第2の会議中において、マスク設定されていない会議資料をプロジェクタ40等の機器に出力し、この会議資料を第2の会議にのみ参加している会議参加者に閲覧させることが可能となる。これにより、複数の会議に参加する会議参加者が閲覧可能な情報、および1つの会議のみ参加する会議参加者が閲覧可能な情報を最適化することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。この新規な実施の形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更、及び組み合わせを行うことができる。この実施の形態及びその変形は発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。