JP6929481B1 - 配光制御装置、配光制御方法及び配光制御プログラム - Google Patents

配光制御装置、配光制御方法及び配光制御プログラム Download PDF

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    • B60Q1/04Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor the devices being primarily intended to illuminate the way ahead or to illuminate other areas of way or environments the devices being headlights

Abstract

状態判定部(1021)は、現在の状態が、車両が走行する車線の線形を車両のドライバーが認識しにくい状態であるか否かを判定する。配光パターン選択部(1022)は、状態判定部(1021)により現在の状態がドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、ドライバーが車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンを選択する。配光制御部(103)は、配光パターン選択部(1022)により選択された認識向上配光パターンで照射するように前照灯の配光を制御する。

Description

本開示は、車両の前照灯の配光の制御に関する。
従来より、ADB(Adaptive Driving Beam)制御と呼ばれる技術が種々提案されている。ADB制御では、ADB制御を行う車両が、前方にある前方車両(先行車及び対向車)の位置を検出し、前方車両が所在する位置に光が照射されないようにハイビームの照射パターンを制御する。このようにすることで、前方車両に対するグレアを抑制することができる。
ADB制御においては、車両前方カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)等の検出手段による前方車両の検出結果とADB制御を行う車両の走行状態に基づいて、現状況に適した配光パターンが選択される。そして、選択された配光パターンが形成されるように車両用灯具が制御される。このようなADB制御は、車両の遠方視認性確保と前方車両へのグレア低減の両立に有効である。
夜間走行時の視認性は走行環境に大きく左右される。例えば、アスファルトに雨水が溜まった状態の湿潤路面では、路面の反射率が高まる。このため、路面より正反射する光が増加し、ドライバー側に戻る光が減少する。この結果、正反射光の増加による他車両へのグレアと、ドライバー側に戻る光の減少に伴う視認性の低下が起こる。特に、水溜まりが発生することと路面が暗くなることに伴って、車線の視認性が低下し、ドライバーが車線の線形を認識することが困難となる。他に、車両周辺が暗く、路肩近傍にある電柱、デリネータ等の路肩設置物が判別し難い場合においてドライバーの車線の線形を認識する能力が低下する。
例えば、特許文献1では、悪天候状態(降雨、降雪、積雪のうちのいずれか一つ)を判別可能な天候判別手段と、天候判別手段が悪天候状態を判別した場合に、照射範囲を通常時に対して狭くする配光制御手段とを備える車両用前照灯装置が開示されている。そして、特許文献1では、車両用前照灯装置が、ドライバーが注視する領域の周囲からの反射光による眩惑を防止し、ドライバーの負担を軽減することが開示されている。
特開2016−068793号公報
特許文献1の車両前照灯装置は、悪天候状態のときに照射範囲を通常時に対して狭くする。しかしながら、悪天候状態でなくてドライバーが車線の線形を認識しにくいことがある。また、照射範囲を狭くしたとしても、必ずしもドライバーが車線の線形を認識しやすい配光が得られるとは限らない。
本開示は、以上に鑑みたものであり、ドライバーが車線の線形を認識しにくいときに、ドライバーが車線の線形を認識しやすい配光を実現することを主な目的とする。
本開示に係る配光制御装置は、
車両の前照灯の配光を制御する配光制御装置であって、
現在の状態が、前記車両が走行する車線の線形を前記車両のドライバーが認識しにくい状態であるか否かを判定する状態判定部と、
前記状態判定部により前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンを選択する配光パターン選択部と、
前記配光パターン選択部により選択された前記認識向上配光パターンで照射するように前記前照灯の配光を制御する配光制御部とを有する。
本開示によれば、ドライバーが車線の線形を認識しにくいときに、ドライバーが車線の線形を認識しやすい配光を実現することができる。
実施の形態1に係る車両の構成例を示す図。 実施の形態1に係る配光制御装置の構成例を示す図。 実施の形態1に係る配光制御装置の動作例を示すフローチャート。 実施の形態1に係る状態判定処理及び配光パターン選択処理の例を示すフローチャート。 実施の形態1に係る通常配光の例と車線強調配光の例を示す図。 実施の形態1に係る周辺環境判定処理の例を示すフローチャート。 実施の形態1に係る通常配光の例と路肩上方強調配光の例を示す図。 実施の形態1に係るドライバー状態判定処理の例を示すフローチャート。 実施の形態1に係る光照射範囲決定処理の例を示すフローチャート。 実施の形態1に係る光照射範囲の例を示す図。 実施の形態1に係る配光情報生成処理の例を示すフローチャート。 実施の形態6に係る配光制御装置の構成例を示す図。 実施の形態6に係る配光パターン選択処理の例を示すフローチャート。 実施の形態7に係る配光制御装置の構成例を示す図。 実施の形態7に係る配光パターン選択処理の例を示すフローチャート。
以下、実施の形態を図を用いて説明する。以下の実施の形態の説明及び図面において、同一の符号を付したものは、同一の部分又は相当する部分を示す。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る車両10の構成例を示す。
なお、図1では、本実施の形態の説明に必要な要素のみを示している。つまり、車両10は、エンジン、トランスミッション、ブレーキ等を備えるが、これらは本実施の形態の説明に必要がないため、図1では図示を省略している。
図1に示すように、車両10は、配光制御装置100、前照灯(左)110、前照灯(右)120、センサ群130、高精度ロケータ141、地図データベース142、ドライバーモニタリング装置143、車外通信装置144、統合制御装置150及びHUD160を備える。
センサ群130は、1つ以上のセンサである。図1では、センサ群130には、車載カメラ131、レーダー装置132、舵角センサ133、車速センサ134が含まれる。
車載カメラ131は、車両10の前方を撮影する。車載カメラ131により撮影された車両10の前方の画像を配光制御装置100が分析することで、車両10の前方の物体の種別(車両、歩行者、障害物(動物及び落下物など))、車両の種別(先行車、対向車)、形状(乗用車、トラックなど)、車両10と物体との距離及び方向を算出することができる。
レーダー装置132は、車両10の周囲に存在する物体と車両10との距離、及び、物体が位置する方向を計測する。
舵角センサ133は、操舵の向きを計測する。
車速センサ134は、車両10の速度を計測する。
高精度ロケータ141は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの測位信号に基づいて、車両10の現在位置を高精度に算出する。本実施の形態では、高精度ロケータ141は、車両10の絶対位置(緯度、経度)を算出するものとする。
地図データベース142は、地図情報を記憶する媒体である。地図データベース142に記憶された地図情報は、道路の車線の位置、路肩の位置、歩道の位置、車線の属性(右折専用車線など)、道路に設置された標識の情報などを含む高精度な地図情報である。
ドライバーモニタリング装置143は、ドライバーの状態を監視する。ドライバーモニタリング装置143は、例えば、室内カメラ、ハンドルセンサー、シートセンサで構成される。
室内カメラは、ドライバーの視線、顔の向き、姿勢を検知する。ハンドルセンサーは、ドライバーの心拍を検知する。シートセンサは、脈拍を検知する。
配光制御装置100は、ドライバーモニタリング装置143の監視結果に基づき、ドライバーの覚醒度、集中度、体調などを推定することができる。
車外通信装置144は、車両10外のネットワークを介して、車両10外の各種機器と通信を行う。
例えば、車外通信装置144は、サーバ装置、路側器、他車両または車両10の保守点検で利用される診断器などと通信を行う。
配光制御装置100は、車外通信装置144を用いることで、路側器、他車両等と通信し、車両10のセンサ群130では検知できない障害物の情報を取得することができる。
統合制御装置150は、センサ群130、高精度ロケータ141、地図データベース142、ドライバーモニタリング装置143、車外通信装置144で取得された情報を用いて車両10全体の動作を制御する。
HUD(Head−Up Display)160は、ドライバーの前方の視野に重畳して情報を表示する透過型の表示装置である。HUD160は、統合制御装置150の指示に基づいて、フロントガラスなどに情報を表示することができる。
配光制御装置100は、前照灯(左)110及び前照灯(右)120の配光を制御する。
配光制御装置100は、ネットワークを介して、センサ群130、高精度ロケータ141、地図データベース142、ドライバーモニタリング装置143、車外通信装置144、前照灯(左)110及び前照灯(右)120と通信する。
ネットワークは車両10内のネットワークである。ネットワークを介して行われる通信では、LIN(Local Interconnect Network)、CAN(Controller Area Network)、Ethernet(登録商標)、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)などの通信プロトコルが利用される。
なお、配光制御装置100の動作手順は、配光制御方法に相当する。
前照灯(左)110及び前照灯(右)120は、車両10の前方を照射する照明装置であり、複数の分割領域に対して選択的に光照射可能な配光可変型の前照灯である。分割領域は、少なくとも水平方向に分割されており、垂直方向に分割されても構わない。ここで、前照灯の分割領域のことを「前照灯分割領域」と称する。
前照灯(左)110及び前照灯(右)120は、複数の前照灯分割領域を照らす光源を備えており、LED(Light Emitting Diode)光源、DMD(Digital Micromirror Device)などで構成される。
また、前照灯(左)110及び前照灯(右)120は、それぞれ、LED光源又はDMDを駆動するドライバー装置も有する。
図2は、配光制御装置100の構成例を示す。
配光制御装置100は、コンピュータである。
図2に示すように、配光制御装置100は、ハードウェアとして、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903及び通信インタフェース904を備える。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
プロセッサ901は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)であり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ901はCPU(Central Processing Unit)である。
主記憶装置902は、揮発性の記憶装置である。主記憶装置902は、メモリ又はメインメモリとも呼ばれる。例えば、主記憶装置902はRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶装置903は、不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置903は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリである。
通信インタフェース904は、ネットワークを介して通信を行うためのインタフェースであり、ネットワークに接続される。例えば、通信インタフェース904は、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
配光制御装置100は、機能構成として、情報取得部101、情報解析部102及び配光制御部103を備える。これらの要素はソフトウェアで実現される。
補助記憶装置903には、情報取得部101、情報解析部102及び配光制御部103を実現する配光制御プログラムが記憶されている。
配光制御プログラムは、補助記憶装置903から主記憶装置902にロードされる。そして、プロセッサ901が配光制御プログラムを実行する。
図2は、プロセッサ901が配光制御プログラムを実行している状態を模式的に表している。
情報取得部101は、車両状態情報取得部1011、車両周辺情報取得部1012及びドライバー状態情報取得部1013で構成される。
車両状態情報取得部1011は、車両10内のネットワークより車両状態情報を取得する。車両状態情報は、車両の状態(挙動)を示す。
車両周辺情報取得部1012は、車両10内のネットワークより車両周辺情報を取得する。車両周辺情報は、車両の周辺の状態(環境)を示す。
ドライバー状態情報取得部1013は、車両10内のネットワークよりドライバー状態情報を取得する。ドライバー状態情報は、ドライバー状態(行動)を示す。
情報解析部102は、状態判定部1021及び配光パターン選択部1022で構成される。
状態判定部1021は、現在の状態が、車両10が走行する車線の線形をドライバーが認識しにくい状態であるか否かを判定する。車線の線形とは、車両10の進行方向での車線の形状である。より具体的には、車両10が走行する車線の側線の進行方向での形状である。側線は、例えば、路側の白線である。また、車両10が走行する車線が左右の少なくともいずれか一方で同じ進行方向又は逆の進行方向の他の車線と接している場合は、側線には他の車線との境界線も含まれる。
例えば、状態判定部1021は、車両周辺情報に基づき、車線の路面の状態を解析し、車線の路面が濡れていると推定した場合に、現在の状態がドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であると判定する。
また、状態判定部1021は、車両周辺情報に基づき、車両10の周囲の明るさを解析し、車両10の周囲の明るさが不足していると推定した場合に、現在の状態がドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であると判定してもよい。
更に、状態判定部1021は、車両状態情報及びドライバー状態情報に基づき、ドライバーの状態を解析し、ドライバーの集中力が不足していると推定した場合に、現在の状態がドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であると判定してもよい。
なお、状態判定部1021により行われる処理は、状態判定処理に相当する。
配光パターン選択部1022は、状態判定部1021により現在の状態がドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、ドライバーが車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンを選択する。つまり、配光パターン選択部1022は、認識向上配光パターンとして、ドライバーが車線の線形を認識しにくい状態でないときに選択される配光パターンである通常配光パターンよりも車線の外縁への照射が多い配光パターンを選択する。
例えば、配光パターン選択部1022は、認識向上配光パターンとして、通常配光パターンよりも車線の側線への照射が多い配光パターン(以下、車線強調パターンという)を選択する。また、配光パターン選択部1022は、認識向上配光パターンとして、通常配光パターンよりも車線の路肩の上方への照射が多い配光パターン(以下、路肩上方強調パターンという)を選択することもある。
なお、配光パターン選択部1022により行われる処理は、配光パターン選択処理に相当する。
配光制御部103は、照射領域算出部1031、光照射範囲算出部1032及び配光情報生成部1033で構成される。
なお、照射領域算出部1031、光照射範囲算出部1032及び配光情報生成部1033で行われる処理を配光制御処理という。
照射領域算出部1031は、配光パターン選択部1022により選択された配光パターンに基づき、照射領域を算出する。
ここで、「照射領域」は、光を照射して強調したい領域のことである。
光照射範囲算出部1032は、照射領域算出部1031により算出された照射領域に基づき、光照射範囲を算出する。
配光情報生成部1033は、各照射領域の明るさと光軸制御量を決定する。
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係る配光制御装置100の動作例を説明する。
図3は、本実施の形態に係る配光制御装置100の動作の流れを示す。
ステップS11において、情報取得部101が情報を取得する。
より具体的には、車両状態情報取得部1011が車両状態情報を取得し、車両周辺情報取得部1012が車両周辺情報を取得し、ドライバー状態情報取得部1013がドライバー状態情報を取得する。
前述したように、車両状態情報は、車両の状態(挙動)を示す情報である。例えば、車両状態情報は、前照灯(左)110及び前照灯(右)120への入力状態、車両10の速度、ハンドル舵角、ハンドル操舵速度及び車両10の位置などを示す。
また、車両周辺情報は、車両10の周辺の環境を示す情報である。車両周辺情報は、走行環境情報と障害物情報とを含む。走行環境情報は、車両10の走行環境を示す情報である。走行環境情報は、天候、時間帯、道路標識、路肩設置物(デリネータ、ガードレール、電柱など)、車線位置、周囲の明るさ、走行道路の属性(一般道、自動車専用道路など)、道路周辺の属性(市街地、郊外など)、路面状態(乾燥、湿潤、積雪など)などを示す。障害物情報は、車両の周囲に存在する障害物を示す情報である。障害物情報は、前方車両、後方車両、歩行者、動物及び落下物などの障害物を示す。
ドライバー状態情報は、ドライバー状態を示す情報である。ドライバー状態情報には、ドライバーの視線、顔の向き、姿勢、心拍、脈拍などが示される。また、ドライバー状態情報に、ドライバーの視線位置(視線の停留時間)の情報が含まれていてもよい。
次に、ステップS12において、情報解析部102が状態の判定及び配光パターンの選択を行う。
より具体的には、状態判定部1021が、車両状態情報と車両周辺情報とドライバー状態情報とを用いて、現在の状態が、車両10が走行する車線の線形をドライバーが認識しにくい状態であるか否かを判定する。
更に、状態判定部1021の判定結果に基づき、配光パターン選択部1022が配光パターンを選択する。つまり、配光パターン選択部1022は、通常配光パターン及び認識向上配光パターンのいずれかを選択する。
次に、ステップS13において、配光制御部103が光照射範囲を決定する。
より具体的には、照射領域算出部1031が、ステップS12で選択された配光パターンと車両状態情報と車両周辺情報とを用いて、照射領域を算出する。また、光照射範囲算出部1032が、照射領域を照射する光照射範囲を算出する。
次に、ステップS14において、配光情報生成部1033が配光情報を生成する。
より具体的には、配光情報生成部1033が、ステップS13で算出された光照射範囲に配光を行うために、前照灯分割領域の明るさと光軸制御量を決定する。
図4は、図3に示すステップS12(状態判定処理及び配光パターン選択処理)の詳細を示す。
ステップS121において、状態判定部1021が、路面状態を判定する。
具体的には、状態判定部1021は、車両周辺情報に含まれる路面状態情報より路面が湿潤状態か否かを判定する。
路面が湿潤状態の場合は、状態判定部1021は、現在、車線の線形の認識が困難な状態にあると判定する(ステップS122でYES)。つまり、状態判定部1021は、現在の状態が、ドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であると判定する。
現在、車線の線形の認識が困難な状態にあると状態判定部1021に判定された場合は、処理はステップS123に移行する。一方、路面が湿潤状態ではなく、車線の線形の認識が困難な状態にはないと状態判定部1021に判定された場合は、処理はステップS124に移行する。
ステップS123では、状態判定部1021の車線の線形の認識が困難な状態にあるとの判定結果に基づき、配光パターン選択部1022が、配光パターンとして車線強調パターンを選択する。車線強調パターンは、前述の通り、車線の側線の路面照度を高める配光パターンである。
図5は、通常配光パターンに従った配光例と車線強調パターンに従った配光例を示す。
図5の(a)は、通常配光パターンに従った通常配光の例を示す。
図5の(b)は、車線強調パターンに従った車線強調配光の例を示す。
車線強調配光(図5の(b))では、通常配光(図5の(a))と比較して、車線の両側線(路側の白線と他の車線との境界線)への配光が追加されている。
図4のステップS123で配光パターン選択部1022が車線強調パターンを選択する理由は以下の通りである。
路面が湿潤状態の場合、道路上の水溜まりの影響により、道路のアスファルト面や側線部分の輝度が低下する。この結果、ドライバーが車線の線形を視認することが難しくなる。
本事象を解決するために、配光パターン選択部1022は、車線の側線近傍の路面照度を高めるようにスポット的に照射する配光パターン(車線強調パターン)を選択する。車線強調パターンに従った配光(車線強調配光)によりアスファルト面に対する側線部分の輝度が強まることで、輝度コントラストが大きくなる。この結果、側線が際立って見え、車線の線形に対するドライバーの認識を高めることができる。
図4に戻り、ステップS124では、状態判定部1021が周辺環境を判定する。
具体的には、状態判定部1021は、車両周辺情報に示される走行道路の属性、道路周辺の属性、周囲の明るさにより、車両10の周辺の環境を判定する。
ステップS124の周辺環境判定処理の詳細を図6を参照して説明する。
まず、ステップS1241において、状態判定部1021は、走行道路の属性より、車両10が「自動車専用道路」を走行しているか否かを判定する。
車両10が「自動車専用道路」を走行している場合は、ステップS1242において、状態判定部1021は、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定する。
一方、車両10が「自動車専用道路」を走行していない場合は、処理がステップS1243に進む。
ステップS1243では、状態判定部1021は、道路周辺の属性より、車両10が「市街地」を走行しているか否かを判定する。
車両10が「市街地」を走行している場合は、ステップS1242において、状態判定部1021は、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定する。
一方、車両10が「市街地」を走行していない場合は、処理がステップS1244に進む。
ステップS1244では、周囲の明るさが規定値(例えば、周辺照度が1000ルクスなど)以上か否かを判定する。
周囲の明るさが規定値以上である場合は、ステップS1242において、状態判定部1021は、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定する。
一方、周囲の明るさが規定値未満である場合は、ステップS1245において、状態判定部1021は、現在、車線の線形の認識が困難な状態にあると判定する。
図6の例では、状態判定部1021は、車両10が自動車専用道路又は市街地を走行している場合は、街灯により一定の明るさが保たれていると判定する。一方、車両10が、自動車専用道路又は市街地を走行していない場合は、明るさが不足しており、ドライバーが車線の線形を認識することが難しいと判定する。
図6の例では、状態判定部1021は、ステップS1241及びステップS1243において車両10が自動車専用道路又は市街地を走行しているか否かを判定するが、ステップS1241及びステップS1243を省略してもよい。つまり、状態判定部1021は、ステップS1244のみを行って、車両10の周囲の明るさが十分であるか否かのみを判定するようにしてもよい。
図4に戻って、ステップS125において車線の線形の認識が困難ではない場合、すなわち、状態判定部1021がステップS1242で車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定した場合は、処理がステップS127に進む。
一方、ステップS125において車線の線形の認識が困難である場合、すなわち、状態判定部1021がステップS1245で車線の線形の認識が困難な状態にあると判定した場合は、ステップS126において、配光パターン選択部1022が、配光パターンとして路肩上方強調パターンを選択する。路肩上方強調パターンは、前述の通り、車線の路肩の上方への照射が多い配光パターンである。路肩上方強調パターンでは、路肩近傍設置物(電柱など)を多く照射することができる。
図7は、通常配光パターンに従った配光例と路肩上方強調パターンに従った配光例を示す。
図7の(a)は、通常配光パターンに従った通常配光の例を示す。図7の(a)の通常配光は図5の(a)の通常配光と同じである。
図7の(b)は、路肩上方強調パターンに従った路肩上方強調配光の例を示す。
路肩上方強調配光(図7の(b))では、通常配光(図7の(a))と比較して路肩上方への配光が追加されている。
図4のステップS126において配光パターン選択部1022が路肩上方強調パターンを選択する理由は以下の通りである。
車両10が走行している環境が自動車専用道路又は市街地のように街灯により一定の明るさが保たれる環境ではない場合は、周囲の明るさが足りず側線の視認性が落ちる。また、周辺の明るさが足りないと路肩設置物の視認性も低い。このため、ドライバーの車線の線形を認識する能力も低下してしまう。
本事象を回避するために、配光パターン選択部1022は、路肩近傍位置で前照灯(ロービーム)のカットオフラインの上方をスポット的に照射する配光パターン(路肩上方強調パターン)を選択する。路肩上方強調パターンに従った配光(路肩上方強調配光)により路肩近傍設置物(電柱など)をより明るく照らすことで、路肩近傍設置物が際立って見え、車線の線形に対するドライバーの認識を高めることができる。
図4に戻り、ステップS127において、状態判定部1021がドライバーの状態を判定する。
具体的には、状態判定部1021は、ドライバー状態情報に含まれる視線位置(視線の停留時間)、車両状態情報に含まれるハンドル舵角の情報より、ドライバーの状態を判定する。
ステップS127のドライバー状態判定処理を図8を参照して説明する。
まず、ステップS1271において、状態判定部1021は、ドライバーの視線位置の情報より、ドライバーの視線移動の頻度を判定する。
そして、視線移動の頻度が閾値よりも多くない場合は、状態判定部1021は、ステップS1272において、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定する。
一方、視線移動の頻度が閾値よりも多い場合は、状態判定部1021は、ステップS1273において、ハンドル操舵速度の標準偏差を算出する。そして、ハンドル操舵速度の標準偏差が閾値よりも大きくない場合は、状態判定部1021は、ステップS1272において、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定する。
一方、ハンドル操舵速度の標準偏差が閾値よりも大きい場合は、処理がステップS1274に進む。
ステップS1274では、状態判定部1021は、ドライバーの集中度を判定する。
例えば、状態判定部1021は、ドライバーの顔の向き、姿勢、心拍数、脈拍数等に基づいて、ドライバーの集中度を判定する。状態判定部1021は、ドライバーの集中度を任意の方法で判定することができる。
ドライバーの集中度が通常の場合は、状態判定部1021は、ステップS1272において、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定する。
一方、ドライバーの集中度が通常ではない場合、すなわち、ドライバーの集中力が不足している場合は、状態判定部1021は、ステップS1275において、現在、車線の線形の認識が困難な状態にはあると判定する。
このように、ドライバーの視線移動が少ない(視線の停留時間が長い)場合、または、ハンドル操作が不安定(ハンドル操舵速度の標準偏差が大きい)な場合などにおいて、状態判定部1021は、ドライバーの車線の線形を認識する能力が低下していると判定する。
図4に戻って、ステップS128において車線の線形の認識が困難ではない場合、すなわち、状態判定部1021がステップS1272で車線の線形の認識が困難な状態にはないと判定した場合は、ステップS129において、配光パターン選択部1022が、配光パターンとして通常配光パターンを選択する。
一方、ステップS128において車線の線形の認識が困難である場合、すなわち、状態判定部1021がステップS1275で車線の線形の認識が困難な状態にあると判定した場合は、ステップS126において、配光パターン選択部1022が、配光パターンとして路肩上方強調パターンを選択する。
次に、図9及び図10を参照して、図3のステップS13(光照射範囲決定処理)を説明する。
ステップS131において、照射領域算出部1031は、ステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターンであるか、通常配光パターン以外の配光パターンであるかを判定する。
ステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターンである場合は、処理がステップS135に進む。一方、ステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターン以外である場合は、処理がステップS132に進む。
ステップS132では、照射領域算出部1031が、車両10の速度が規定値(例えば、時速15km〜時速80kmの間)内であるか否かを判定する。
車両10の速度が規定値内であれば、処理がステップS133に進む。
一方、車両10の速度が規定値外であれば、処理がステップS135に進む。
このように、照射領域算出部1031が車両10の速度に基づく判定を行うことで、低速走行時の車線強調配光又は路肩上方強調配光に伴う周辺交通参加者へのグレアを防止することができる。更に、高速走行時の車線強調配光又は路肩上方強調配光に伴う遠方視認性の低下を防止することができる。
ステップS133では、照射領域算出部1031が、車両周辺情報より、車両10が走行している車線の両端(右側と左側)の車両10を基準とする水平方向の相対位置である車線位置を取得する。
まず、照射領域算出部1031は、高精度ロケータ141で求めた車両10の絶対位置と地図データベース142に保持されている地図情報を用いて車線位置を求めることができる。また、照射領域算出部1031は、車載カメラ131により撮影された画像を解析して車線位置を求めてもよい。
次に、照射領域算出部1031は、車両10の速度より、ドライバーが注視する領域を決定する。一般的には、ドライバーは1秒〜3秒後の走行位置の周辺を注視すると言われている。このため、照射領域算出部1031は、例えば、車両10の速度より、1秒〜3秒後の走行位置を求めてドライバーの注視領域を決定する。車両10が時速60kmで走行している場合は、注視領域の開始位置は車両10の前方約17メートルの位置であり、注視領域の終端位置は車両10の前方約50メートルの位置である。この例では、照射領域算出部1031は、車両10の前方約17メートルの位置から車両10の前方約50メートルの位置までを注視領域として決定する。
また、照射領域算出部1031は、ドライバーモニタリング装置143で取得したドライバーの視線移動の情報より、現在のドライバーの視認位置を求めて注視領域を決定してもよい。
なお、車両10が曲路走行を行う可能性がある。
照射領域算出部1031は、地図データベース142に保持されている地図情報から車両10が曲路走行を行うか否かを判定することができる。また、照射領域算出部1031は、車載カメラ131により撮影された画像を解析して車両10が曲路走行を行うか否かを判定してもよい。照射領域算出部1031は、これらのいずれかの方法で車線の曲率を求め、求めた曲率を利用して、ドライバーの注視領域を決定する。
また、照射領域算出部1031は、ハンドル舵角量を利用してドライバーの注視領域を決定してもよい。
この場合は、照射領域算出部1031は、車両状態情報より、車速の情報及びハンドル舵角の情報を取得する。そして、照射領域算出部1031は、過去周期と現周期との値の差から、車速及びハンドル舵角の時間当たりの変化量を求める。そして、照射領域算出部1031は、求めた車速及びハンドル舵角の時間当たりの変化量を用いて、高精度ロケータ141で求めた現在の車両10の位置から、将来の車両10の位置を求める。
そして、照射領域算出部1031は、将来の車両10の位置からドライバーの注視領域を決定する。
照射領域算出部1031は、例えば、将来の車両10の位置として1秒後の車両10の位置と3秒後の車両10の位置を推定する。そして、照射領域算出部1031は、1秒後の車両10の位置を注視領域の開始位置に指定し、3秒後の車両10の位置を注視領域の終端位置に指定する。この方法では、照射領域算出部1031は、車速及びハンドル舵角の時間当たりの変化量と時間(本例では1秒と3秒)とを用いて注視領域を決定する。
そして、照射領域算出部1031は、上記のいずれかの方法により決定した注視領域の距離にある車線位置を照射領域に指定する。つまり、照射領域算出部1031は、車両10が走行している車線の、注視領域に沿った両端の間の領域を照射領域に指定する。
ステップS134では、光照射範囲算出部1032が、光照射範囲を算出する。
つまり、光照射範囲算出部1032は、ステップS133で決定した照射領域に配光を行うための光照射範囲を算出する。このように、光照射範囲算出部1032は、認識向上配光パターン(車線強調パターン又は路肩上方強調パターン)で照射する光照射範囲を車両10の速度に応じて決定し、決定した光照射範囲を照射するように前照灯(左)110及び前照灯(右)120を制御する
ステップS135では、光照射範囲算出部1032が、光照射範囲を初期状態に設定する。
図10は照射領域と光照射範囲の関係を示す。なお、図10では、図の簡略化のために左側の光照射範囲のみを示している。
図10において、点Oは車両10の中心位置を示す。また、点Cは注視領域の開始位置を示す。また、点Dは注視領域の終端位置を示す。点Aと点Bは注視領域と車線が交差する点である。
ここで、光照射範囲(左側)は、点Oと点A、点Bがなす角度(∠AOCと∠BOD)の範囲になる。
光照射範囲算出部1032は、光照射範囲(右側)も同様の考え方で決定する。
次に、図11を参照して、図3のステップS14の配光情報生成処理を説明する。
ステップS141において、配光情報生成部1033が、図3のステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターンであるか否かを判定する。
図3のステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターンである場合は、処理がステップS145に進む。
一方、図3のステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターンでない場合は、処理がステップS142に進む。
ステップS142では、配光情報生成部1033は、車両10の速度が規定値以内であるか否かを判定する。
車両10の速度が規定値以外である場合は、処理がステップS145に進む。
一方、車両10の速度が規定値以内である場合は、処理がステップS143に進む。
ステップS143では、配光情報生成部1033は、前照灯分割領域の明るさを決定する。
ここで、配光情報生成部1033は、前照灯(左)110及び前照灯(右)120の各々の前照灯分割領域の照射範囲を表す情報として、左限角度と右限角度を予め記憶しているものとする。配光情報生成部1033は、図9のステップS134で決定した光照射範囲の角度と前照灯(左)110及び前照灯(右)120の各々の光照射範囲の角度とを比較し、点灯対象となる前照灯分割領域を決定する。例えば、配光情報生成部1033は、点灯対象となる前照灯分割領域の明るさを最大光量の80%、点灯対象とならない前照灯分割領域の明るさを最大光量の0%(つまり消灯)と設定する。前照灯分割領域の明るさは予め実験などを通じて値を決めておく。
ステップS144では、配光情報生成部1033は、光軸制御量を決定する。
光軸制御量は、車線強調パターンと路肩上方強調パターンとで異なる値となる。配光情報生成部1033は、車線強調パターンでは路面照度が高まる配光になるように光軸を制御する。一方、路肩上方強調パターンでは、配光情報生成部1033は、ロービームの照射範囲よりも上方部分の明るさが高まる配光になるように光軸を制御する。
光照射範囲に対する配光として、ハイビームを利用する場合で考える。ハイビームの照射範囲は上方を向いているため、路面を照らすには適していない。そこで、配光情報生成部1033は、光軸を下方に下げることにより路面を照らすように光軸制御量を決定する。光軸を下方に下げるための制御量(光軸を下げる角度)は、予め実験などを通じて決定しておく。例えば、光軸を下げた場合の照射範囲を測定しておき、配光情報生成部1033は、本照射範囲と光照射範囲の関係などから光軸を下方に下げるための制御量を決定する。例えば、配光情報生成部1033は、車両10の速度と光軸制御量の関係式(近似式)を記憶しておき、車両10の速度に基づき光軸制御量を決定する。
なお、配光情報生成部1033は、ハイビームではなく、光照射範囲へ配光可能な専用光源が用いられている場合は、専用光源を用いる場合の光軸制御量を決定する。
図3のステップS12で選択された配光パターンが通常配光パターンである場合、または車両10の速度が規定値以外である場合は、ステップS145において、配光情報生成部1033が、前照灯分割領域の明るさと光軸制御量を初期状態に設定する。
配光情報生成部1033は、ステップS143〜ステップS145で求めた各前照灯分割領域の明るさ、光軸制御量に基づいて、前照灯(左)110及び前照灯(右)120の制御を行う。車両用前照灯における、各光源の点灯方法、光軸の制御(レベリングモータ制御)方法は既知であるため、説明を割愛する。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態によれば、ドライバーが車線の線形を認識しにくいときに、ドライバーが車線の線形を認識しやすい配光を実現することができる。
より具体的には、本実施の形態では、車線の線形の認識が困難な状況下において、車線の側線又は路肩設置物といった車線の線形の認識を高める効果のある物に強調して光を照射することで車線の線形を際立てることができる。この結果、ドライバーの車線の線形の認識を高めることができ、夜間又は悪天候時の安全走行に寄与することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、光照射範囲算出部1032が車両10の速度に基づいて光照射範囲を算出する。本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、天候情報を用いて光照射範囲を算出する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
光照射範囲算出部1032は、車両周辺情報より天候情報を取得する。天候情報に示される天候が大雨、降雪、霧などの悪天候である場合は、光照射範囲算出部1032は、図9のステップS134において車両10の速度に基づいて算出した光照射範囲よりも車両10側に狭めた範囲を光照射範囲と設定する。
つまり、本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、認識向上配光パターン(車線強調パターン又は路肩上方強調パターン)で照射する光照射範囲を車両10の所在位置の現在の天候に応じて決定し、決定した光照射範囲を照射するように前照灯(左)110及び前照灯(右)120を制御する。
本実施の形態によれば、雨滴などによる光の拡散反射などに伴うドライバーへのグレアを低減しつつ、ドライバーの車線の線形への認識を高めることができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、光照射範囲算出部1032が車両10の速度に基づいて光照射範囲を算出する。本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、障害物情報を用いて光照射範囲を算出する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
光照射範囲算出部1032は、車両周辺情報の障害物情報に含まれる周辺車両の所在位置及び/又は歩行者の所在位置を取得する。取得した周辺車両の所在位置及び/又は歩行者の所在位置が図9のステップS134において算出した光照射範囲に含まれる場合に、光照射範囲算出部1032は、周辺車両の所在位置及び/又は歩行者の所在位置を光照射範囲から除外する。
つまり、本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、光照射範囲に移動体(周辺車両及び/又は歩行者)が存在するか否かを判定し、光照射範囲に移動体が所在する場合に、光照射範囲の移動体が所在する領域を照射しないように前照灯(左)110及び前照灯(右)120を制御する。
本実施の形態によれば、ドライバーの車線の線形への認識を高めるとともに、周辺交通者へのグレアを低減することができる。
実施の形態4.
実施の形態1では、実施の形態1では、配光情報生成部1033が、車両10が走行している車線の両側の光照射範囲の明るさを、同じ明るさに設定する。本実施の形態では、車両10が曲路を走行する場合に、配光情報生成部1033が、車線の内側の照度が車線の外側の照度よりも高くなるように明るさを設定する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
ドライバーはカーブ(曲路)に進入してからカーブを抜けるまでの間のほとんどにおいて、タンジェントポイント(視点を通る直線とカーブ内側との接点)を注視していると言われている。光照射範囲算出部1032は、ドライバーのこのような特性に合わせてカーブ内側の状況がより分かり易くなるように光照射範囲を決定する。また、配光情報生成部1033は、カーブ内側を明るく、カーブ外側が暗くなるように明るさを設定する。
つまり、本実施の形態では、配光情報生成部1033は、光照射範囲算出部1032により決定された光照射範囲が車線の曲路部分に該当するか否かを判定し、光照射範囲が車線の曲路部分に該当する場合に、車両10の進行方向での車線の内側の照度が車両10の進行方向での車線の外側の照度よりも高くなるように前照灯(左)110及び前照灯(右)120を制御する。
本実施の形態によれば、ドライバーが注視する方向が他の領域よりも明るくなることで、ドライバーの車線の線形への認識を高めることができる。
実施の形態5.
本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、道路標識の位置に基づき光照射範囲を算出する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、高精度ロケータ141で求めた車両10の絶対位置と地図データベース142で保持している地図情報により、車両10の進行方向に存在する道路標識の位置を取得する。また、光照射範囲算出部1032は、車載カメラ131で撮影した画像を解析して道路標識の位置を取得してもよい。
そして、取得した道路標識が一時停止の道路標識であり、図3のステップS12で選択された配光パターンが車線強調パターンである場合に、光照射範囲算出部1032は、道路標識位置付近の車線領域を光照射範囲に含める。
つまり、本実施の形態では、光照射範囲算出部1032は、図9のステップS134において算出した光照射範囲の外に一時停止の道路標識が存在するか否かを判定し、光照射範囲の外に一時停止の道路標識が存在する場合に、ステップS134において算出した光照射範囲に加えて当該道路標識を照射するように前照灯(左)110及び前照灯(右)120を制御する。
なお、ここでは、一例として一時停止の道路標識を説明したが、他の種類の道路標識(例えば、進入禁止の道路標識)が照射されるように光照射範囲を拡張してもよい。
本実施の形態によれば、ドライバーが停止線の位置への認識を高めることができ、ドライバーの進行方向に対する認識を高めることができる。
また、光照射範囲算出部1032は、表示装置(例えば、HUD160)に表示するイメージ画像との関係で光照射範囲を決定してもよい。以下では、HUD160に道路標識のイメージ画像を表示する例を説明する。
光照射範囲算出部1032は、車両周辺情報より道路標識を検知した場合、統合制御装置150を介してHUD160に道路標識のイメージ画像を道路標識の位置に合わせて表示するよう指示する。HUD160は、指示に従い、道路標識のイメージ画像を道路標識の位置に合わせて表示する。HUD160へのイメージ画像の表示方法は既知であるため説明を割愛する。
図3のステップS12で選択された配光パターンが車線強調パターン又は路肩上方強調パターンである場合に、配光情報生成部1033は、図9のステップS134において算出した光照射範囲に道路標識が存在しHUD160に道路標識のイメージ画像が道路標識の位置に合わせて表示されるか否かを判定する。光照射範囲に道路標識が存在しHUD160に道路標識のイメージ画像が道路標識の位置に合わせて表示される場合は、配光情報生成部1033は、HUD160上の道路標識のイメージ画像への視認性を高めるために、道路標識への照射を抑えるように前照灯(左)110及び前照灯(右)120を制御する。このように道路標識への照射を抑えることでHUD160に表示する道路標識のイメージ画像への視認性を高めることができる。
以上のような制御を行うことで、ドライバーが道路標識への認識を高めることができ、ドライバーの進行方向に対する認識を高めることができる。
実施の形態6.
本実施の形態では、車両10の前方を撮影した画像を解析して得られた車線の側線の輝度コントラスト値が閾値よりも低い場合に、配光パターン選択部1022が、認識向上配光パターンを選択する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
***構成の説明***
図12は、本実施の形態に係る配光制御装置100の構成例を示す。
図2と比較して、図12では、輝度コントラスト値算出部104が追加されている。輝度コントラスト値算出部104も配光制御プログラムにより実現される。
また、本実施の形態では、図1に示す車載カメラ131は、車両10の前方の輝度情報を取得可能である。
輝度コントラスト値算出部104は、車載カメラ131が取得した輝度情報より車両10の前方の輝度値を取得する。そして、輝度コントラスト値算出部104は、車線の側線の輝度値とアスファルト面の輝度値より、車線の側線の輝度コントラスト値を算出する。
本実施の形態では、上述のように、車載カメラ131が輝度情報を取得可能なことを前提にする。車載カメラ131が輝度情報を取得できない場合は、輝度コントラスト値算出部104が車載カメラ131により撮影された車両10の前方の画像の画素値から輝度値を推定し、推定により得られた輝度値を用いて輝度コントラスト値を算出してもよい。例えば、事前に画素値と輝度値との対応関係を評価しておき、画素値と輝度値との間の変換テーブルを生成し、変換テーブルを補助記憶装置903に格納しておく。輝度コントラスト値算出部104は、変換テーブルを用いて画素値から輝度値を推定する。
本実施の形態では、配光パターン選択部1022は、車線の側線の輝度コントラスト値が閾値よりも低い場合に、認識向上配光パターンを選択する。
***動作の説明***
図13は、本実施の形態に係る動作例を示す。
ステップS41において、図4に示した動作(ステップS121〜ステップS129)が行われた後に、ステップS42において、配光パターン選択部1022は、ステップS41で選択された配光パターンが通常配光パターンであるか否かを判定する。
ステップS41で選択された配光パターンが通常配光パターンでない場合は、処理が終了する。
一方、ステップS41で選択された配光パターンが通常配光パターンである場合は、処理がステップS43に進む。
ステップS43では、配光パターン選択部1022が輝度コントラスト値算出部104に輝度コントラスト値の算出を指示し、輝度コントラスト値算出部104が車載カメラ131により取得された輝度情報から車線の側線の輝度コントラスト値を算出する。
次に、ステップS44において、配光パターン選択部1022が、車線の側線の輝度コントラスト値が閾値より小さいか否かを判定する。閾値は、例えば、雨天夜間走行時において側線(白線)を視認可能と評価した際の輝度コントラスト値である。
側線の輝度コントラスト値が閾値より小さい場合は、ドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であるため、配光パターン選択部1022は、ステップS45において、車線強調パターンを選択する。
側線の輝度コントラスト値が閾値より小さくない場合は、ステップS46において、配光パターン選択部1022は、引き続き通常配光パターンを選択する。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態によれば、路面が湿潤状態以外の状態でもドライバーが側線を認識しにくい場合は、側線を強調する配光を行うことで、側線のコントラストを高め、ドライバーの車線の線形への認識を高めることができる。
実施の形態7.
本実施の形態では、配光パターン選択部1022は、ドライバーの視覚的顕著性マップを解析して得られたドライバーが車線の側線を注視する確率が閾値よりも低い場合に、認識向上配光パターンを選択する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
***構成の説明***
図13は、本実施の形態に係る配光制御装置100の構成例を示す。
図2と比較して、図13では、視覚的顕著性マップ生成部105が追加されている。視覚的顕著性マップ生成部105も配光制御プログラムにより実現される。
視覚的顕著性マップ生成部105は、車載カメラ131で撮影した車両10の前方の画像より視覚的顕著性マップを生成する。ここで、視覚的顕著性とは、人の注視の引き付けやすさを示す指標(人が注視する確率)である。そして、解析対象の画像から推定された各ピクセルを注視する確率である視覚的顕著性が表された画像を視覚的顕著性マップという。視覚的顕著性マップは、人が画像を見たときに注視しやすい部分を画像特徴量から推定する計算モデルを用いて生成される。本計算モデルについては、様々な手法が提案されており、既知であるため説明を割愛する。
本実施の形態では、配光パターン選択部1022は、視覚的顕著性マップ生成部105により生成されたドライバーの視覚的顕著性マップを解析して得られたドライバーが車線の側線を注視する確率が閾値よりも低い場合に、認識向上配光パターンを選択する。
***動作の説明***
図15は、本実施の形態に係る動作例を示す。
ステップS51において、図4に示した動作(ステップS121〜ステップS129)が行われた後に、ステップS52において、配光パターン選択部1022は、ステップS51で選択された配光パターンが通常配光パターンであるか否かを判定する。
ステップS51で選択された配光パターンが通常配光パターンでない場合は、処理が終了する。
一方、ステップS51で選択された配光パターンが通常配光パターンである場合は、処理がステップS53に進む。
ステップS53では、配光パターン選択部1022が視覚的顕著性マップ生成部105に視覚的顕著性マップの生成を指示し、視覚的顕著性マップ生成部105が車載カメラ131により撮影された画像から視覚的顕著性マップを生成する。
次に、ステップS54において、配光パターン選択部1022が、視覚的顕著性マップ生成部105により生成された視覚的顕著性マップを解析し、車線の側線が注視される確率を取得し、側線が注視される確率が閾値より小さいか否かを判定する。閾値は、例えば、雨天夜間走行時において側線(白線)を視認可能と評価した際の側線が注視される確率である。
側線が注視される確率が閾値より小さい場合は、ドライバーが車線の線形を認識しにくい状態であるため、配光パターン選択部1022は、ステップS55において、車線強調パターンを選択する。
側線が注視される確率が閾値より小さくない場合は、ステップS56において、配光パターン選択部1022は、引き続き通常配光パターンを選択する。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態によれば、路面が湿潤状態以外の状態でもドライバーが側線を認識しにくい場合は、側線を強調する配光を行うことで、側線のコントラストを高め、ドライバーの車線の線形への認識を高めることができる。
実施の形態8.
本実施の形態に係る配光制御装置100は、図示は省略するが、図12に示した輝度コントラスト値算出部104及び図14に示した視覚的顕著性マップ生成部105を有するものとする。
実施の形態1では、前照灯分割領域の明るさには、予め実験などを通じて決定された値が用いられる。
本実施の形態では、実験などを通じて決定された値を用いて認識向上配光パターン(車線強調パターン又は路肩上方強調パターン)で照射領域が照射された際に、輝度コントラスト値算出部104による輝度コントラスト値の算出、または、視覚的顕著性マップ生成部105による視覚的顕著性マップの生成が行われる。そして、配光情報生成部1033は、車線の側線の輝度コントラスト値、または、ドライバーが車線の側線を注視する確率に基づき、認識向上配光パターンで照射する際の明るさを調整する。
より具体的には、車線の側線の輝度コントラスト値、または、ドライバーが車線の側線を注視する確率が、それぞれの閾値よりも小さい場合は、配光情報生成部1033は、前照灯分割領域の明るさを強くする。一方で、車線の側線の輝度コントラスト値、または、ドライバーが車線の側線を注視する確率が、それぞれの閾値を大幅に上回る場合は、配光情報生成部1033は、前照灯分割領域の明るさを弱くする。
車線の側線の輝度コントラスト値の閾値は、実施の形態6に示したように、例えば、雨天夜間走行時において側線(白線)を視認可能と評価した際の輝度コントラスト値である。
また、ドライバーが車線の側線を注視する確率の閾値は、実施の形態7で示したように、例えば、雨天夜間走行時において側線(白線)を視認可能と評価した際の側線が注視される確率である。
本実施の形態によれば、ドライバーの車線の線形への認識を高めることができ、かつ、周辺交通者にグレアを与えない、適度な路面照度を実現することができる。
以上、実施の形態1〜8を説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。
あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。
あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
また、これらの実施の形態に記載された構成及び手順を必要に応じて変更してもよい。
***ハードウェア構成の補足説明***
最後に、配光制御装置100のハードウェア構成の補足説明を行う。
補助記憶装置903には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ901により実行される。
プロセッサ901はOSの少なくとも一部を実行しながら、配光制御プログラムを実行する。
プロセッサ901がOSを実行することで、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理、通信制御等が行われる。
また、情報取得部101、情報解析部102、配光制御部103、輝度コントラスト値算出部104及び視覚的顕著性マップ生成部105の処理の結果を示す情報、データ、信号値及び変数値の少なくともいずれかが、主記憶装置902、補助記憶装置903、プロセッサ901内のレジスタ及びキャッシュメモリの少なくともいずれかに記憶される。
また、配光制御プログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。そして、配光制御プログラムが格納された可搬記録媒体を流通させてもよい。
また、情報取得部101、情報解析部102、配光制御部103、輝度コントラスト値算出部104及び視覚的顕著性マップ生成部105の「部」を、「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。
また、配光制御装置100は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)である。
この場合は、情報取得部101、情報解析部102、配光制御部103、輝度コントラスト値算出部104及び視覚的顕著性マップ生成部105は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
10 車両、100 配光制御装置、101 情報取得部、102 情報解析部、103 配光制御部、104 輝度コントラスト値算出部、105 視覚的顕著性マップ生成部、110 前照灯(左)、120 前照灯(右)、130 センサ群、131 車載カメラ、132 レーダー装置、133 舵角センサ、134 車速センサ、141 高精度ロケータ、142 地図データベース、143 ドライバーモニタリング装置、144 車外通信装置、150 統合制御装置、160 HUD、901 プロセッサ、902 主記憶装置、903 補助記憶装置、904 通信インタフェース、1011 車両状態情報取得部、1012 車両周辺情報取得部、1013 ドライバー状態情報取得部、1021 状態判定部、1022 配光パターン選択部、1031 照射領域算出部、1032 光照射範囲算出部、1033 配光情報生成部。

Claims (15)

  1. 車両の前照灯の配光を制御する配光制御装置であって、
    前記車両のドライバーの状態を解析し、前記ドライバーの集中力が不足していると推定した場合に、現在の状態が前記車両が走行する車線の線形を前記ドライバーが認識しにくい状態であると判定する状態判定部と、
    前記状態判定部により前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンとして、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態でないときに選択される配光パターンである通常配光パターンよりも前記車線の路肩の上方への照射が多い配光パターンを選択する配光パターン選択部と、
    前記配光パターン選択部により選択された前記認識向上配光パターンで照射するように前記前照灯の配光を制御する配光制御部とを有する配光制御装置。
  2. HUD(Head−Up Display)が配置される車両の前照灯の配光を制御する配光制御装置であって、
    現在の状態が、前記車両が走行する車線の線形を前記車両のドライバーが認識しにくい状態であるか否かを判定する状態判定部と、
    前記状態判定部により前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンを選択する配光パターン選択部と、
    前記配光パターン選択部により選択された前記認識向上配光パターンで照射する光照射範囲を決定し、決定した前記光照射範囲に道路標識が存在し前記HUDに前記道路標識の位置に合わせて前記道路標識のイメージ画像が表示されるか否かを判定し、前記光照射範囲に道路標識が存在し前記HUDに前記道路標識の位置に合わせて前記道路標識のイメージ画像が表示される場合に、前記道路標識への照射を抑えるように前記前照灯の配光を制御する配光制御部とを有する配光制御装置。
  3. 車両の前照灯の配光を制御する配光制御装置であって、
    現在の状態が、前記車両が走行する車線の線形を前記車両のドライバーが認識しにくい状態であるか否かを判定する状態判定部と、
    前記状態判定部により前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定され、更に、前記ドライバーの視覚的顕著性マップを解析して得られた前記ドライバーが前記車線の側線を注視する確率が閾値よりも低い場合に、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンを選択する配光パターン選択部と、
    前記配光パターン選択部により選択された前記認識向上配光パターンで照射するように前記前照灯の配光を制御する配光制御部とを有する配光制御装置。
  4. 前記状態判定部は、
    前記車線の路面の状態を解析し、前記車線の路面が濡れていると推定した場合に、前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定する請求項2又は3に記載の配光制御装置。
  5. 前記状態判定部は、
    前記車両の周囲の明るさを解析し、前記車両の周囲の明るさが不足していると推定した場合に、前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定する請求項2又は3に記載の配光制御装置。
  6. 前記状態判定部は、
    前記ドライバーの視線移動及び前記ドライバーのハンドル操作の少なくともいずれかを解析して前記ドライバーの集中力が不足しているか否かを推定する請求項1に記載の配光制御装置。
  7. 前記配光制御部は、
    前記認識向上配光パターンで照射する光照射範囲を前記車両の速度に応じて決定し、決定した前記光照射範囲を照射するように前記前照灯を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  8. 前記配光制御部は、
    前記認識向上配光パターンで照射する光照射範囲を前記車両の所在位置の現在の天候に応じて決定し、決定した前記光照射範囲を照射するように前記前照灯を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  9. 前記配光制御部は、
    前記認識向上配光パターンで照射する光照射範囲を決定し、決定した前記光照射範囲に移動体が所在するか否かを判定し、前記光照射範囲に前記移動体が所在する場合に、前記光照射範囲の前記移動体が所在する領域を照射しないように前記前照灯を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  10. 前記配光制御部は、
    前記認識向上配光パターンで照射する光照射範囲を決定し、決定した前記光照射範囲が前記車線の曲路部分に該当するか否かを判定し、前記光照射範囲が前記車線の曲路部分に該当する場合に、前記車両の進行方向での前記車線の内側の照度が前記車両の進行方向での前記車線の外側の照度よりも高くなるように前記前照灯を制御する請求項1〜3のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  11. 前記配光制御部は、
    前記認識向上配光パターンで照射する光照射範囲を決定し、決定した前記光照射範囲の外に道路標識が存在するか否かを判定し、前記光照射範囲の外に前記道路標識が存在する場合に、前記光照射範囲に加えて前記道路標識を照射するように前記前照灯を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  12. 前記配光パターン選択部は、
    前記車両の前方を撮影した画像を解析して得られた前記車線の側線の輝度コントラスト値が閾値よりも低い場合に、前記認識向上配光パターンを選択する請求項1〜のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  13. 前記配光制御部は、
    既定の明るさ及び前記認識向上配光パターンで照射している際に前記車両の前方を撮影した画像を解析して得られた前記車線の側線の輝度コントラスト値、及び前記既定の明るさ及び前記認識向上配光パターンで照射している際の前記ドライバーの視覚的顕著性マップを解析して得られた前記ドライバーが前記車線の側線を注視する確率の少なくともいずれかに基づき、前記認識向上配光パターンで照射する際の明るさを調整する請求項1〜のいずれか一項に記載の配光制御装置。
  14. 車両の前照灯の配光を制御するコンピュータが、
    前記車両のドライバーの状態を解析し、前記ドライバーの集中力が不足していると推定した場合に、現在の状態が前記車両が走行する車線の線形を前記ドライバーが認識しにくい状態であると判定し、
    前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンとして、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態でないときに選択される配光パターンである通常配光パターンよりも前記車線の路肩の上方への照射が多い配光パターンを選択し、
    選択された前記認識向上配光パターンで照射するように前記前照灯の配光を制御する配光制御方法。
  15. 車両の前照灯の配光を制御するコンピュータに、
    前記車両のドライバーの状態を解析し、前記ドライバーの集中力が不足していると推定した場合に、現在の状態が前記車両が走行する車線の線形を前記ドライバーが認識しにくい状態であると判定する状態判定処理と、
    前記状態判定処理により前記現在の状態が前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態であると判定された場合に、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しやすくなる配光パターンである認識向上配光パターンとして、前記ドライバーが前記車線の線形を認識しにくい状態でないときに選択される配光パターンである通常配光パターンよりも前記車線の路肩の上方への照射が多い配光パターンを選択する配光パターン選択処理と、
    前記配光パターン選択処理により選択された前記認識向上配光パターンで照射するように前記前照灯の配光を制御する配光制御処理とを実行させる配光制御プログラム。
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