JP6929200B2 - 孔底状態評価装置及び孔底状態評価方法 - Google Patents

孔底状態評価装置及び孔底状態評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、孔底状態評価装置及び孔底状態評価方法に関する。
場所打ちコンクリート杭工事では、杭孔(削孔)の掘削時に安定液中に混入した土粒子が孔底に沈降し、軟泥状に緩く堆積したものをスライムと称している。スライムが孔底に多く残存した状態でコンクリートを打設すると、杭先端の支持力不足やコンクリートへのスライム混入によるコンクリートの強度の低下等の杭の品質の低下を招く恐れがあるため、コンクリートの打設に先立ちスライムを十分に除去することが杭の品質の確保のために極めて重要である。杭の品質の低下を招く有害なスライムを確実に除去するためには、孔底のスライムの堆積状態を正確に検知する手段が必要である。
非特許文献1に記載されているように、孔底のスライムの堆積状態の検知には、削孔の深度やコンクリート天端の測定に用いられる目盛付き検測テープを取り付けた重錘が一般に用いられている。非特許文献1に記載の方法では、まだ安定液中に土粒子が浮遊しており孔底にスライムが堆積していない状態である削孔の掘削終了直後に、目盛付き検測テープを取り付けた重錘を孔底に向けて吊り下げることにより、孔底の深度が測定される。次に、孔底のスライムの堆積状態を測定する時点のそれぞれにおいて、地上の同じ位置から目盛付き検測テープを取り付けた重錘を孔底に向けて吊り下げることにより、孔底の深度が測定される。スライムの堆積層の厚さは、掘削終了直後に測定された孔底の深度と、スライムの堆積状態を測定する時点で測定された孔底の深度との差として測定される。
しかし、削孔の孔底は凹凸や傾斜があることや削孔内の安定液の水流におり重錘が同じ位置に着底するとは限らないこと等の誤差要因が多いため、正確にスライムの堆積層の厚さを測定することが困難である。このため、スライムの除去が十分か否かの判定には、別途、重錘が孔底に着底する際の感触を根拠とすることが広く行われている。孔底付近で重錘の着底が数回繰り返され、着底の感触が明瞭に確認された場合に、スライムの除去が適切であると判定される。
また、特許文献1には、削孔の底部に沈降させられる重錘と、沈降した重錘に対し略鉛直方向に移動し、スライムが混入した孔内水の比重に応じた位置で重力と浮力とが釣り合って平衡を保つように構成されたフロートと、フロートの重錘に対する上下位置を測定する変位計測部とを備えた装置が開示されている。特許文献1の装置では、変位測定部により測定されたフロートの重錘に対する上下位置に基づいて、スライムの堆積層の厚さが測定される。
特許第5528642号公報
田中昌史,「スライム処理方法とスライム量の関係」,基礎工,株式会社総合土木研究所,2016年3月15日,Vol.44,No.3(通巻第512号),p.16‐19
ところで、重錘が孔底に着底する際の感触を根拠とする方法では、孔底の状態の評価結果が測定員の感覚に依存するため、孔底の状態の評価の客観性や再現性を担保することが難しい欠点がある。また、上記特許文献1の技術では、削孔される土壌の状態によってスライムが混入した孔内水の比重は異なるため、フロートの浮力やフロートの重錘に対する上下位置も変動し、土壌の状態の影響によって孔底の状態を精度良く評価することが難しいという欠点がある。
そこで本発明は、孔底の状態の評価の客観性や再現性を担保しつつ、孔底の状態をより精度良く評価することができる孔底状態評価装置及び孔底状態評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、削孔の孔底に向けて下降させられた重錘をその下端に吊り下げた吊下部材にかかる張力を測定する張力測定部と、経過時間に対する張力測定部により測定された張力の波形に基づいて、削孔の孔底の状態を評価する孔底状態評価部とを備えた孔底状態評価装置である。
この構成によれば、張力測定部により、削孔の孔底に向けて下降させられた重錘をその下端に吊り下げた吊下部材にかかる張力が測定され、孔底状態評価部により、経過時間に対する張力測定部により測定された張力の波形に基づいて、削孔の孔底の状態が定量的に評価されるため、評価結果が測定員の感覚に依存することが無く、孔底の状態の評価の客観性や再現性を担保することができる。また、張力の波形に基づいて孔底の状態が評価されるため、重錘に対するフロートの位置に基づいて堆積したスライムの厚みを測定する方法に比べて、土壌の状態による影響を減少させつつ孔底の状態をより精度良く評価することができる。
この場合、吊下部材を介して削孔における重錘の位置及び速度を制御する吊下制御部をさらに備えることが好適である。
この構成によれば、吊下制御部により、吊下部材を介して削孔における重錘の位置及び速度が制御されるため、張力の波形が安定し、孔底の状態をより精度良く評価することができる。
また、この場合、吊下制御部は、重錘を繰り返して上昇及び下降させることによって、重錘を削孔の孔底に複数回にわたって着底させ、孔底状態評価部は、第1回目の重錘の着底時における経過時間に対する張力の波形と、第n回目の重錘の着底時における経過時間に対する張力の波形とに基づいて(nは2以上の自然数)、削孔の孔底の状態を評価することが好適である。
この構成によれば、吊下制御部により、重錘を繰り返して上昇及び下降させることによって、重錘が削孔の孔底に複数回にわたって着底させられる。重錘の着底の回数が増すごとに経過時間に対する張力の波形は収束し、第1回目の重錘の着底時における経過時間に対する張力の波形と、第n回目の重錘の着底時における経過時間に対する張力の波形との差異は、孔底のスライムの量に相関が高い指標である。そのため、孔底状態評価部により、第1回目の波形と第n回目の波形とに基づいて、削孔の孔底の状態が評価されることにより、孔底の状態をより精度良く評価することができる。
一方、本発明は、削孔の孔底に向けて下降させられた重錘をその下端に吊り下げた吊下部材にかかる張力を測定する張力測定工程と、経過時間に対する張力測定工程により測定された張力の波形に基づいて、削孔の孔底の状態を評価する孔底状態評価工程とを備えた孔底状態評価方法である。
この場合、吊下部材を介して削孔における重錘の位置及び速度を制御する吊下制御工程をさらに備えることが好適である。
また、この場合、吊下制御工程では、重錘を繰り返して上昇及び下降させることによって、重錘を削孔の孔底に複数回にわたって着底させ、孔底状態評価工程では、第1回目の重錘の着底時における経過時間に対する張力の波形と、第n回目の重錘の着底時における経過時間に対する張力の波形とに基づいて(nは2以上の自然数)、削孔の孔底の状態を評価することが好適である。
本発明の孔底状態評価装置及び孔底状態評価方法によれば、孔底の状態の評価の客観性や再現性を担保しつつ、孔底の状態をより精度良く評価することができる。
第1実施形態の孔底状態評価装置を示す図である。 (A)は一般的な重錘を示す図であり、(B)は球形の重錘を示す図である。 第1実施形態の孔底状態評価方法を示すフローチャートである。 第1実施形態の孔底状態評価方法において、(A)は孔底にスライムが堆積していないときの経過時間に対する張力の波形を示すグラフであり、(B)は孔底にスライムが堆積しているときの経過時間に対する張力の波形を示すグラフである。 第2実施形態の孔底状態評価装置を示す図である。 第2実施形態の孔底状態評価方法を示すフローチャートである。 第3実施形態の孔底状態評価方法において、(A)は経過時間に対する張力の波形のグラフであり、(B)は経過時間に対する重錘の下降開始位置からの変位のグラフである。 第4実施形態の孔底状態評価装置を示す図である。 重錘の下降の速度を一定にした場合において、(A)は経過時間に対する張力の波形のグラフであり、(B)は経過時間に対する重錘の速度のグラフである。 第4実施形態の孔底状態評価方法において、(A)は経過時間に対する張力の波形のグラフであり、(B)は経過時間に対する重錘の速度のグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る孔底状態評価装置及び孔底状態評価方法について詳細に説明する。図1に示すように、場所打ちコンクリート杭工事において、地表面101に削孔102が掘削されている。削孔102の孔壁はケーシング103により覆われている。削孔102の掘削時に安定液105の中に混入した土粒子が沈降することにより、孔底104には軟泥状のスライム106が堆積している。本実施形態の孔底状態評価装置1Aは、例えば、削孔102へのコンクリートの打設に先立ち、スライム106が十分に除去されたか否か等の孔底104の状態を評価するために適用される。なお、削孔102の直径は、例えば、3m〜5mである。
本実施形態の孔底状態評価装置1Aでは、上記非特許文献1に記載された方法に用いられる重錘2Aと吊下部材3とをそのまま用いることができる。図2(A)に示すように、重錘2Aは、釣鐘型の形状を有する。吊下部材3は、その下端に重錘2Aを吊り下げる目盛付き検測テープやロープである。また、図2(A)のような一般的な釣鐘型の重錘2(A)の他に、削孔102が掘削される地盤の条件に応じて、図2(B)に示すような球形の重錘2Bなど、任意の形状及び材種の重錘が適用されてもよい。重錘2A,2Bは、例えば、1kg〜2kgの重さの錘を適用することができる。
図1に示すように、孔底状態評価装置1Aは、張力測定部4と孔底状態評価部7とを備える。張力測定部4は、削孔102の孔底104に向けて下降させられた重錘2Aをその下端に吊り下げた吊下部材3にかかる張力を測定する。張力測定部4は、例えば、ロードセル等を含む。張力測定部4は、その上端と下端とに吊下部材3が固定されるクリップ等の固定具5を有する。例えば、上記非特許文献1に記載された方法のように、測定員が削孔102の孔底104に向けて吊下部材3の下端に吊り下げられた重錘2Aを下降させ、重錘2Aが孔底104付近に到達した後に、吊下部材3が張力測定部4の上端及び下端の固定具5に迅速に固定されることにより、吊下部材3にかかる張力を測定することができる。張力測定部4は、ケーブル6を介して、測定された吊下部材3にかかる張力を孔底状態評価部7に送信する。
孔底状態評価部7は、経過時間に対する張力測定部4により測定された張力の波形に基づいて、削孔102の孔底104の状態を評価する。孔底状態評価部7は、例えば、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]、RAM[Random Access Memory]及びHDD[Hard disk drive]等を有するコンピュータである。孔底状態評価部7は、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、後述する孔底状態評価工程を実行する。また、HDDには、後述する孔底状態評価工程のための機械学習の学習データが記憶されている。
以下、本実施形態の孔底状態評価装置1Aを用いた孔底状態評価方法について説明する。まず、上記非特許文献1に記載された方法のように、測定員が削孔102の孔底104に向けて吊下部材3の下端に吊り下げられた重錘2Aを下降させる。図3に示すように、孔底状態評価装置1Aの張力測定部4により、削孔102の孔底104に向けて下降させられた重錘2Aをその下端に吊り下げた吊下部材3にかかる張力を測定する張力測定工程が行われる(S1)。
張力測定工程では、重錘2Aが孔底104付近に到達した後に、測定員が吊下部材3を保持した状態で、吊下部材3が張力測定部4の上端及び下端の固定具5に固定される。さらに、測定員により重錘2Aが下降させられ、削孔102の孔底104に着底させられる。張力測定工程では、張力測定部4により、重錘2Aの下降から孔底104への着底後の張力が測定される。
次に、孔底状態評価装置1Aの孔底状態評価部7により、経過時間に対する張力測定工程により測定された張力の波形に基づいて、削孔102の孔底104の状態を評価する孔底状態評価工程が行われる(S2)。以下、孔底状態評価工程の詳細について説明する。
図4(A)及び図4(B)は、重錘2Aが孔底104に着底する前後に測定される経過時間に対する張力の波形Wを示すグラフである。波形Wは、経過時間が少ない順にAゾーン、Bゾーン及びCゾーンに分類される。波形Wが経過時間軸に平行なAゾーンは、重錘2Aがスライム106にも孔底104にも全く接していない状態(重錘2Aは下降中である状態)を示す。波形Wが経過時間軸に対して下降するように傾斜したBゾーンは、重錘2Aがスライム106又は孔底104に部分的に接しているが完全に着底はしていない状態(重錘2Aは下降中である状態)を示す。波形Wが経過時間軸に対して平行なCゾーンは、重錘が完全に孔底104に着底した状態(重錘2Aは停止した状態)を示す。
孔底104にスライム106が堆積していない状態では、図4(A)に示すように、Bゾーンの時間は比較的に短くなり、Bゾーンにおける波形Wの勾配は比較的に急になる。一方、孔底104にスライムl06が堆積している状態では、図4(B)に示すように、Bゾーンの時間は比較的に長くなり、Bゾーンにおける波形Wの勾配は比較的に緩くなる。従って、孔底状態評価工程では、経過時間に対する張力の波形に基づいて、孔底状態評価部7は削孔102の孔底104の状態を評価することができる。
具体的には、例えば、孔底状態評価工程では、Bゾーンの時間が予め設定された閾値よりも長いとき又はBゾーンにおける波形Wの勾配が予め設定された閾値よりも緩やかであるときに、孔底状態評価部7は孔底104にスライム106が堆積していると評価することができる。波形Wの勾配は、例えば、Bゾーンの勾配の平均値とすることができる。
また、孔底状態評価工程では、孔底状態評価部7による機械学習によって、孔底104の状態が評価されてもよい。機械学習は、例えば、教師あり学習とし、同一条件で予め非特許文献1に記載されているような測定員による孔底104の状態の評価を行い(キャリブレーション)、本実施形態の孔底状態評価方法による評価が測定員による評価と一致するように、経過時間に対する張力の波形Wと孔底104の状態との相関関係を導いてもよい。機械学習では、削孔102が掘削された同じ土質の地盤ごとにデータが取得され、当該同じ土質の地盤ごとに孔底104の状態の評価が行われてもよい。
本実施形態では、孔底状態評価装置1Aの張力測定部4により、削孔102の孔底104に向けて下降させられた重錘2Aをその下端に吊り下げた吊下部材3にかかる張力が測定され、孔底状態評価装置1Aの孔底状態評価部7により、経過時間に対する張力測定部4により測定された張力の波形Wに基づいて、削孔102の孔底104の状態が定量的に評価されるため、評価結果が測定員の感覚に依存することが無く、孔底104の状態の評価の客観性や再現性を担保することができる。また、張力の波形Wに基づいて孔底104の状態が評価されるため、重錘2Aに対するフロートの位置に基づいて堆積したスライムの厚みを測定する方法に比べて、土壌の状態による影響を減少させつつ孔底104の状態をより精度良く評価することができる。
つまり、本実施形態によれば、孔底104のスライム106の状態を測定員の感覚に依らず、客観性及び再現性を担保して定量的に数値化して示すことができる。これにより、杭の品質低下に繋がる有害なスライム106を確実に検知することができるため、場所打ちコンクリート杭の品質を向上させることができる。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図5に示すように、本実施形態の孔底状態評価装置1Bは、吊下部材3を介して削孔102における重錘2Aの位置及び速度を制御する吊下制御部11をさらに備える。張力測定部4は、その下端に吊下部材3が固定されるクリップ等の固定具5を有し、その上端がアクチュエータ8により吊り下げられる。アクチュエータ8は、吊下部材3を介して重錘2Aを、例えば、0.2m〜2.0mの範囲で、特には0.3mの範囲で自在に上昇及び下降させる。
アクチュエータ8は、例えば、ステッピングモータ、AC(alternatingcurrent)サーボモータなどの高い制御性を有する電動モータを用いた電動アクチュエータである。アクチュエータ8は、固定冶具9を介してケーシング103に固定されている。アクチュエータ8はケーブル10により、吊下制御部11と接続されている。吊下制御部11は、ケーブル10を介してアクチュエータ8に制御信号を送信することにより、重錘2Aを任意の時間と速度との関係又は任意の時間と変位との関係に基づいて正確に上昇及び下降させる。
以下、本実施形態の孔底状態評価装置1Aを用いた孔底状態評価方法について説明する。まず、上記非特許文献1に記載された方法のように、測定員が削孔102の孔底104に向けて吊下部材3の下端に吊り下げられた重錘2Aを下降させる。図6に示すように、孔底状態評価装置1Bの吊下制御部11により、吊下部材3を介して削孔102における重錘2Aの位置及び速度を制御する吊下制御工程が行われる(S11)。
吊下制御工程では、重錘2Aが孔底104付近に到達した後に、吊下部材3が張力測定部4の下端の固定具5に固定される。吊下制御部11により制御されたアクチュエータ8によって、任意の時間と速度との関係又は任意の時間と変位との関係に基づいて重錘2Aが下降させられ、削孔102の孔底104に着底させられる。さらに、上記第1実施形態と同様の張力測定工程(S12)と、孔底状態評価工程(S13)とが行われる。
本実施形態によれば、吊下制御部11により、吊下部材3を介して削孔102における重錘2Aの位置及び速度が制御されるため、張力の波形Wが安定し、孔底104の状態をより精度良く評価することができる。つまり、本実施形態では、重錘2Aの上下動を人間の手の動きに替えてアクチュエータ8で再現することにより、孔底104の深度、削孔102が掘削された地盤の条件、重錘2Aの形状及び重量等の各種の測定条件に適した再現性の高い動作の制御が可能となる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、上記第2実施形態の孔底状態評価装置1Bが用いられ、吊下制御工程、張力測定工程及び孔底状態評価工程が行われる。吊下制御工程では、吊下制御部11は、重錘2Aを繰り返して上昇及び下降させることによって、重錘2Aを削孔102の孔底104に複数回にわたって着底させる。吊下制御工程では、吊下制御部11は、例えば、重錘2Aを同一位置から同一の速度で繰り返し下降させることによって、重錘2Aを孔底104に複数回にわたって着底させる。
孔底状態評価工程では、孔底状態評価部7は、第1回目の重錘2Aの着底時における経過時間に対する張力の波形Wと、第n回目の重錘2Aの着底時における経過時間に対する張力の波形Wとに基づいて(nは2以上の自然数)、削孔102の孔底104の状態を評価する。以下、本実施形態の孔底状態評価方法の原理について説明する。
図7(A)は、孔底104にスライム106が堆積している条件において、重錘2Aを同一位置から同一の速度で繰り返して着底させたときに計測された下降開始後の経過時間に対する張力の波形Wを示すグラフである。また、図7(B)は、下降開始後の経過時間に対する重錘2Aの下降開始位置からの変位(アクチュエータ8の下降開始位置からの変位)のグラフである。なお、アクチュエータ8の変位は、吊下制御部11によるアクチュエータ8の運動速度や移動量の制御データから求めることができる。
一般に孔底104にスライム106が堆積している条件で重錘2Aを繰り返し孔底104に着底させると、着底のたびに重錘2Aの下端に当接する部位のスライム106の一部が重錘2Aの下端に押しのけられ、重錘2Aの側方に移動する現象が見られる。着底の回数の増加に伴い、重錘2Aの下端が孔底104に近づき、重錘2Aの側方に移動するスライム106の量は徐々に減少するため、着底の回数の増加に伴い、重錘2Aの着底深度が増加しながら一定値に収束する現象が見られる。図7(A)の波形Wは上記現象に対応したもので、着底の回数が増加するにつれ、波形Wが右側に移動し、徐々に一定の位置において一定の波形Wに収束している。
図7(A)に破線で示すように、波形Wから重錘2Aが着底した時の経過時間を求めることができる。また、図7(B)に示すように、経過時間とアクチュエータ8の変位との関係から、重錘2Aが着底した時の重錘2Aの下降開始位置からの変位を求めることができる。重錘2Aが着底した時の重錘2Aの下降開始位置からの変位は、深度に換算可能である。
図7(B)は、第1回目の重錘2Aの着底時における着底深度と、波形W及び着底深度がほぼ収束してきた第n回目の重錘2Aの着底時における着底深度との差Δdを示している。Δdは、スライム106の量との相関が高い指標であり、スライム106の量が多い条件では大きく、スライム106の量が少ない条件では小さくなる。このため、例えば、Δdを指標としてスライム106の量を評価することが可能である。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、教師あり学習により、同じ土質の地盤ごとに同一条件で予め非特許文献1に記載されているような測定員による孔底104の状態の評価を行い、本実施形態の孔底状態評価方法による評価が測定員による評価と一致するように、同じ土質の地盤ごとにΔdと孔底104の状態との相関関係を導いてもよい。
なお、本実施形態では、必ずしも波形W及び着底深度が収束する第n回目まで重錘2Aを着底させる必要はなく、例えば、第n回目の着底で波形W及び着底深度が収束する条件において、同じ土質の地盤ごとに同一条件で第k回目まで重錘2Aを着底させ(kは2≦k<nを満たす自然数)、第1回目の重錘2Aの着底時における着底深度と、第k回目の重錘2Aの着底時における着底深度との差Δdを指標としてスライム106の量を評価してもよい。これにより、評価時間を短縮することが可能となる。この場合も、上記の教師あり学習により、同じ土質の地盤ごとに第k回目の重錘の着底時におけるΔdと孔底104の状態との相関関係を導いてもよい。
あるいは本実施形態では、Δdを指標とせず、第n回目の着底で波形W及び着底深度が収束するか否かに関わらず、上記の教師あり学習により、第1回目の重錘2Aの着底時における経過時間に対する張力の波形Wと、第n回目の重錘2Aの着底時における経過時間に対する張力の波形Wとの差異と、孔底104の状態との相関関係を導いてもよい。
本実施形態によれば、吊下制御部11により、重錘2Aを繰り返して上昇及び下降させることによって、重錘2Aが削孔102の孔底104に複数回にわたって着底させられる。重錘2Aの着底の回数が増すごとに経過時間に対する張力の波形Wは収束し、第1回目の重錘2Aの着底時における経過時間に対する張力の波形Wと、第n回目の重錘2Aの着底時における経過時間に対する張力の波形Wとの差異は、孔底104のスライム106の量に相関が高い指標である。そのため、孔底状態評価部7により、第1回目の波形Wと第n回目の波形Wとに基づいて、削孔102の孔底104の状態が評価されることにより、孔底104の状態をより精度良く評価することができる。
以下、本発明の第4実施形態について説明する。図8に示すように、本実施形態の孔底状態評価装置1Cは、上記第2実施形態の孔底状態評価装置1Bの構成に加えて、統合制御部14をさらに備える。統合制御部14は、ケーブル12により孔底状態評価部7に接続され、ケーブル13により吊下制御部11に接続されている。統合制御部14は、吊下制御部11によるアクチュエータ8の動作の制御と、孔底状態評価部7による張力測定部4の張力の測定の制御とを連携して制御するための統合制御装置(PLC:プログラマブルロジックコントローラ等)である。
統合制御部14により、波形Wから重錘2Aが着底しているか否か等の重錘2Aの状態を判定し、アクチュエータ8の動作を制御することができる。これにより、上記非特許文献1に記載の方法における熟練の測定員の繊細な手の動きと同様に重錘2Aの動きを細かく制御することができ、正確にスライム106を検知することができる。
例えば、図9(A)及び図9(B)に示すように、重錘2Aの下降開始直後から大きな速度で重錘2Aを下降させると、吊下部材3に作用する張力の波形Wが振動する現象が生じる。この張力の波形Wが振動する現象は、波形Wからスライム106の堆積の状態を評価する際にノイズとなり評価精度の低下を招く可能性があるため、張力の波形Wの振動が生じないように重錘2Aを下降させることが重要である。
そこで、例えば、図10(A)及び図10(B)に示すように、重錘2Aの下降開始後から徐々に重錘2Aの下降の速度を高めるなど、測定条件に応じて重錘2Aの速度を制御することにより、波形Wの振動を抑えることが可能である。このように本実施形態によれば、統合制御部14は、孔底状態評価部7を介して張力の波形Wの振動のレベルを測定及び評価し、吊下制御部11を介して張力の波形Wの振動が生じないようにアクチュエータ8の動作を制御することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
1A,1B,1C…孔底状態評価装置、2A,2B…重錘、3…吊下部材、4…張力測定部、5…固定具、6…ケーブル、7…孔底状態評価部、8…アクチュエータ、9…固定冶具、10…ケーブル、11…吊下制御部、12…ケーブル、13…ケーブル、14…統合制御部、101…地表面、102…削孔、103…ケーシング、104…孔底、105…安定液、106…スライム、W…波形。

Claims (3)

  1. 削孔の孔底に向けて下降させられた重錘をその下端に吊り下げた吊下部材にかかる張力を測定する張力測定部と、
    経過時間に対する前記張力測定部により測定された前記張力の波形に基づいて、前記削孔の前記孔底の状態を評価する孔底状態評価部と、
    を備え
    前記孔底状態評価部は、前記張力の前記波形を経過時間が少ない順にAゾーン、Bゾーン及びCゾーンに分類し、
    前記Aゾーンは、前記張力の前記波形が経過時間軸に対して平行であり、
    前記Bゾーンは、前記張力の前記波形が経過時間軸に対して下降するように傾斜しており、
    前記Cゾーンは、前記張力の前記波形が経過時間軸に対して平行であり、
    前記孔底状態評価部は、前記Bゾーンの時間が予め設定された閾値よりも長いとき及び前記Bゾーンにおける前記波形の勾配が予め設定された閾値よりも緩やかであるときのいずれかのときに、前記孔底にスライムが堆積していると評価する、孔底状態評価装置。
  2. 前記吊下部材を介して前記削孔における前記重錘の位置及び速度を制御する吊下制御部をさらに備えた、請求項1に記載の孔底状態評価装置。
  3. 孔底状態評価装置の張力測定部により、削孔の孔底に向けて下降させられた重錘をその下端に吊り下げた吊下部材にかかる張力を測定する張力測定工程と、
    孔底状態評価装置の孔底状態評価部により、経過時間に対する前記張力測定工程により測定された前記張力の波形に基づいて、前記削孔の前記孔底の状態を評価する孔底状態評価工程と、
    を備え、
    前記孔底状態評価工程では、前記張力の前記波形を経過時間が少ない順にAゾーン、Bゾーン及びCゾーンに分類し、
    前記Aゾーンは、前記張力の前記波形が経過時間軸に対して平行であり、
    前記Bゾーンは、前記張力の前記波形が経過時間軸に対して下降するように傾斜しており、
    前記Cゾーンは、前記張力の前記波形が経過時間軸に対して平行であり、
    前記孔底状態評価工程では、前記Bゾーンの時間が予め設定された閾値よりも長いとき及び前記Bゾーンにおける前記波形の勾配が予め設定された閾値よりも緩やかであるときのいずれかのときに、前記孔底にスライムが堆積していると評価する、孔底状態評価方法。
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