JP6643179B2 - 構造物の水底着底判断方法および水底着底判断システム - Google Patents

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本発明は、構造物の水底着底判断方法に関し、さらに詳しくは、構造物を水底に据え付けるときに構造物の水底に対する着底具合を精度よく判断することができる構造物の水底着底判断方法および水底着底判断システムに関するものである。
一般的に、ケーソン等の構造物を水底に据え付けるときには、構造物を曳船等によって目標位置付近まで搬送し、この構造物を起重機船によって吊り上げて目標位置の上方に移動させる。次いで、この構造物の内部に水を注水する等して、徐々に沈下させて構造物を目標位置に着底させている(例えば、特許文献1参照)。
この構造物は、沈下させている間は波やうねり等の影響を受けて動揺する。そのため、目標位置とのずれを小さくして構造物を水底に据え付けるためには、構造物が着底し始めた時(或いは着底し始める直前)に最終的な位置調整を行なうことが好ましい。しかしながら、従来、構造物の水底に対する着底具合は作業員の感覚や勘に頼って把握していた。それ故、作業員のスキルの差によってバラツキが生じていて、精度よく着底具合を把握することが困難であった。
特開2015−34373号公報
本発明の目的は、構造物を水底に据え付けるときに構造物の水底に対する着底具合を精度よく判断することができる構造物の水底着底判断方法および水底着底判断システムを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の構造物の水底着底判断方法は、水中に吊り下げた構造物を下方移動させて水底に据え付ける際に、前記構造物の水底に対する着底具合を判断する構造物の水底着底判断方法であって、前記構造物の動揺データを逐次検知し、前記動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行って処理後データを取得し、この処理後データと予め設定している閾値との比較に基づいて、演算装置により前記構造物の前記水底に対する着底具合を判断することを特徴とする。
本発明の構造物の水底着底判断システムは、水中に吊り下げた構造物を下方移動させて水底に据え付ける際に、前記構造物の水底に対する着底具合を判断する構造物の水底着底判断システムであって、前記構造物の動揺データを逐次検知する動揺センサと、前記動揺データが逐次入力される演算装置とを備えて、この演算装置により前記動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行って処理後データを取得し、この処理後データと前記演算装置に入力されている閾値との比較に基づいて、前記構造物の前記水底に対する着底具合を判断する構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、構造物を水底に据え付ける際に逐次検知した動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行って処理後データを取得する。これにより、動揺データに含まれているノイズとなる撹乱データが排除されて、着底判断に有益なデータを抽出することができる。そして、この処理後データと予め設定している閾値とを演算装置を用いて定量的に比較するので構造物の水底に対する着底具合を従来に比して精度よく把握することができる。
動揺データとしては例えば、構造物に設置された傾斜計により検知される傾斜データまたはGPS装置により検知される上下位置データを用いる。これらのデータは、逐次検知するには比較的容易である。
撹乱データを是正するデータ処理としては例えば、動揺データの自己相関の平均を算出するデータ処理を用いる。或いは、動揺データを高速フーリエ変換して周波数分析をするデータ処理を用いる。これらのデータ処理を採用することで、撹乱データを効果的に是正することができ、着底具合を精度よく把握するのに有利になる。
閾値は、構造物を据え付ける水域の有義波周期および有義波高に基づいて設定するとよい。構造物の実際の動揺状態はその水域の有義波周期および有義波高に大きく影響を受ける。そのため、その水域の有義波周期および有義波高に基づいて閾値を設定することで、構造物の水底に対する着底具合を精度よく把握するのに有利になる。
本発明を用いて構造物を水底に据え付ける状況を縦断面視で例示する説明図である。 図1のA−A断面図である。 傾斜データと傾斜データの自己相関の平均を算出した処理後データのそれぞれの時間推移を例示するグラフ図である。 上下位置データと上下位置データを高速フーリエ変換して周波数分析をした処理後データのそれぞれの時間推移を例示するグラフ図である。 傾斜データと傾斜データを高速フーリエ変換して周波数分析をした処理後データのそれぞれの時間推移を例示するグラフ図である。 上下位置データと上下位置データの自己相関の平均を算出した処理後データのそれぞれの時間推移を例示するグラフ図である。
以下、本発明の構造物の水底着底判断方法(以下、着底判断方法)および構造物の水底着底判断システム(以下、着底判断システム)を図に示した実施形態に基づいて説明する。
本発明は、図1で例示するように、水中に吊り下げたケーソン等の構造物4を下方移動させて水底Bに据え付ける際に、構造物4の水底Bに対する着底具合を判断する。本願図中のX方向は構造物4の幅方向、Y方向は構造物4の奥行き方向、Z方向は上下方向を示している。
図1〜図3に例示する本発明の着底判断システム1は、構造物4の動揺データを逐次検知する動揺センサ2と、動揺センサ2が取得した動揺データが逐次入力される演算装置3とを備えている。この実施形態では、起重機船に搭載されたクレーン5によって吊り具6を介して構造物4を吊り下げている。構造物4には、構造物4の内部に水を注水するポンプ7が設置されている。
構造物4の動揺データとは、構造物4の水中における動揺(振れや上下動)を数量化して示す時系列データである。具体的には、例えば、構造物4の傾斜角度の変動を検知して得られる傾斜データや、構造物4の上下変位(高さの変動)を検知して得られる上下位置データ等である。動揺センサ2の種類としては、例えば、傾斜計2aやGPS装置2b等を採用する。
構造物4に設置する動揺センサ2は、一種類を単数または複数にすることも、複数種類をそれぞれ単数または複数にすることもできる。構造物4の動揺をより精度よく検知するには複数種類の動揺センサ2を構造物4に設置することが望ましく、一種類の動揺センサ2を用いるならば複数にするとよい。動揺センサ2として傾斜計2aを用いる場合には、複数の傾斜計2aをそれぞれ測定方向を変えて設置するとよい。例えば、傾斜計2の測定方向を構造物4の幅方向(X方向)や、奥行き方向(Y方向)などに設定するとよい。動揺センサ2としてGPS装置2bを用いる場合には、例えば、複数のGPS装置2bを間隔をあけて配置する。或いは、1台のGPS装置2bを構造物4の上面での重心位置に配置する。
この実施形態では、図2に示すように、構造物4上に傾斜計2aとGPS装置2bの二種類の動揺センサ2を設置している。傾斜計2aは、構造物4の幅方向(X方向)と、奥行き方向(Y方向)にそれぞれ測定方向を設定して2台設置している。GPS装置2bは、構造物4の上面における中央部近傍に1台設置している。
演算装置3としては、コンピュータ等を例示できる。この実施形態では、演算装置3を起重機船に配置している。それぞれの動揺センサ2と、演算装置3とは無線で接続されている。
次に、着底判断システム1を用いて構造物4の水底Bに対する着底具合を判断する方法を図1〜図3を参照して説明する。
構造物4を水底Bに据え付けるときには、まず、構造物4を曳船等によって目標位置付近まで搬送する。そして、構造物4を起重機船に搭載されたクレーン5および吊り具6によって吊り上げて目標位置の上方に移動させる。次いで、図1で例示するように、構造物4の内部にポンプ7で水を注水するとともに、クレーン5を操作して構造物4を下方移動させて徐々に沈下させる。
本発明では、この水中に吊り下げた構造物4を下方移動させる際に、動揺センサ2(傾斜計2aとGPS装置2b)によって構造物4の動揺データ(傾斜データと上下位置データ)を逐次検知する。それぞれの動揺センサ2が検知した動揺データは、逐次演算装置3に入力する。動揺センサ2による動揺データの取得間隔は1Hzよりも短い間隔に設定するとよい。この実施形態では、動揺データの取得間隔を1Hzとし、1秒毎の動揺データを逐次演算装置3に無線で送信している。
演算装置3ではまず、入力された複数の動揺データの中から、構造物4の動揺の挙動を明確に示す代表データを選択する。具体的には、例えば、構造物4のピッチング(縦揺れ)やローリング(横揺れ)が大きく、構造物4の傾きの変動が大きい場合には、傾斜計2aによって検知した傾斜データの中から傾斜角度の変動幅が大きい傾斜データを代表データとして選択する。構造物4の上下動が大きい場合には、GPS装置2bによって検知した上下位置データの中から上下変位の大きい上下位置データを選択する。どの動揺データを選択するかは、作業員が演算装置3に表示された動揺データを見て人為的に選択してもよいし、演算装置3が動揺データの数値変動の大きさを比較して機械的に選択してもよい。以下の説明では、代表データとして傾斜データを選択した場合を例示する。
演算装置3に入力された傾斜データをグラフ上にプロットすると、図3の実線で示すような推移となる。図3の横軸は経過時間を示しており、縦軸は傾斜角度を示している。図3の上方に記載されているLbは構造物4が着底する前の時間範囲を示しており、Laは構造物4が着底した後の時間範囲を示している。
構造物4は、水底Bに着底する前の状態では、据え付ける水域の波の影響を受けて、その水域における有義波周期に相関して周期的に動揺する。例えば、構造物4を据え付ける水域の有義波周期が3〜10秒程度であれば、構造物4は有義波周期より若干長い5〜15秒程度の周期で動揺する。そのため、構造物4の傾斜データは、構造物4が着底する前の状態では、ある程度一定の時間間隔(周期)で上下に振幅する推移を示す。
一方、構造物4をより下方移動させて、構造物4が水底Bに着底し始めると構造物4の周期的な動揺は収まる。後述するが、上下位置データの場合にも同様の推移を示す。そのため、動揺データから構造物4が周期的な動揺をしているかどうかを捉えることができれば、構造物4の水底Bに対する着底具合を判断することが可能となる。
しかしながら、構造物4は、波の不規則なうねりや構造物4の内部への注水作業等の様々な影響を受ける。それ故、構造物4の動揺データの生データには、構造物4の周期的な動揺の他に様々な外的要因による撹乱データ(ノイズ)が含まれている。そのため、構造物4の動揺データから直接的に構造物4が周期的な動揺をしているかどうかを判断することは難しい。
そこで、本発明では、演算装置3において、動揺センサ2で検知した動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行なう。そして、動揺データに含まれているノイズとなる撹乱データを排除した処理後データを取得する。この演算装置3によるデータ処理は、動揺センサ2により動揺データを検知しつつ逐次行う。
この実施形態では、構造物4の動揺の周期における傾斜データの自己相関の平均を算出することにより、構造物4の動揺の周期における波形の類似性を定量化するデータ処理を行う。より詳しくは、構造物4を下方移動させている各時間において、下記(1)式および(2)式から傾斜データの自己相関の平均を算出する。
Figure 0006643179
Figure 0006643179
ここで、Rtはt秒の自己相関、Xはi番目の傾斜データである。上記の(1)式および(2)式では、自己相関の平均を算出する時間から60秒前までの60個のデータを用い、構造物4の動揺の周期を5秒〜15秒とした場合を例示している。
自己相関の平均を算出する際に用いるデータ数は、構造物4が着底したかどうかの判断の精度を高める上では多くすることが好ましい。一方で、用いるデータ数を少なくするほど、構造物4が着底するタイミングと演算装置3が着底判断するタイミングとのタイムラグを小さくできる。そのため、算出する際に用いるデータ数は、着底判断の精度と判断に要する時間の兼ね合いを考慮して適宜決定するとよい。構造物4の動揺の周期は、据え付ける水域の有義波周期よりも若干長い周期となるため、その水域の有義波周期から推定することができる。
演算装置3よって算出した処理後データをグラフ上にプロットすると、図3の破線で示すような推移となる。この破線に対する縦軸は自己相関の平均を示している。この処理後データは、傾斜データの構造物4の動揺の周期における波形の類似性の度合を示している。自己相関の平均が大きいほど、傾斜データの構造物4の動揺の周期における波形の類似性が高いことを示しており、自己相関の平均が0に近づくほど傾斜データの構造物4の動揺の周期における波形の類似性が低いことを示している。
つまり、自己相関の平均の数値がある程度大きい数値で推移している間は、構造物4が周期的に動揺していることを示す。一方、自己相関の平均の数値が0に近づくと、構造物4の周期的な動揺が収まっていることを示す。図3を参照して、構造物4が水底Bに着底する前と着底し始めた後とを比較すると、構造物4が着底する前では自己相関の平均は、上下変位するが常にある程度高い数値を維持することがわかる。一方、構造物4が着底し始めると、自己相関の平均は0に近い数値まで下がり、そのまま0に近い数値を維持した状態となる。
本発明では、この処理後データに対して構造物4が着底したと判断する基準となる閾値を予め設定しておき、処理後データと閾値との比較に基づいて、演算装置3により構造物4の水底Bに対する着底具合を判断する。具体的には、処理後データの自己相関の平均が閾値よりも大きい間は、構造物4が着底する前であると判断し、自己相関の平均が閾値以下となったときに構造物4が着底し始めたと判断する。即ち、処理後データと閾値とが交わる点Pが構造物4が着底したと判断するタイミングとなる。
閾値は、構造物4を据え付ける水域の有義波周期および有義波高に基づいて設定するとよい。構造物4の実際の動揺状態はその水域の有義波周期および有義波高に大きく影響を受ける。そのため、その水域の有義波周期および有義波高に基づいて閾値を設定することで、構造物4の水底Bに対する着底具合を精度よく把握するのに有利になる。
閾値は、例えば、予め構造物4を下降移動させる前に、ある程度の時間継続して処理後データを取得する。そして、その取得した処理後データにおける自己相関の平均の最小値を閾値とすることにより、簡易的に設定することもできる。
そして、構造物4の据え付け作業においては、演算装置3が構造物4が着底したと判断した時点で、構造物4の下方移動を停止し、構造物4が水底Bに着底し始めた上下位置で構造物4の最終的な位置調整を行う。位置調整を終えたら、再度構造物4の下方移動を開始し、構造物4を水底Bに完全に着底させる。
このように、本発明によれば、構造物4を水底Bに据え付ける際に逐次検知した動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行って処理後データを取得する。これにより、動揺データに含まれているノイズとなる撹乱データが排除されて、着底判断に有益なデータを抽出することができる。そして、この処理後データと予め設定している閾値とを演算装置3を用いて定量的に比較するので構造物4の水底Bに対する着底具合を従来に比して精度よく把握することができる。
従来のように、作業員の感覚や勘に頼る必要がないため、作業員のスキルの差によって施工精度にバラツキが生じることもない。また、本発明を利用すれば、構造物4が着底し始めた高さ位置で最終的な位置調整を行なうことが可能となるので、構造物4の据え付けを精度よく行うことができる。
この実施形態では、撹乱データを是正するデータ処理として、上述した動揺データの自己相関の平均を算出するデータ処理を用いているので、動揺データに対して撹乱データを効果的に是正することができる。また、自己相関の平均を算出するのに要する計算量は少ないため、データ処理に要する時間を短縮できる。それ故、動揺センサ2によって検知したタイミングから処理後データを取得して閾値と比較するまでのタイムラグを小さくすることができる。そのため、リアルタイムで構造物4の水底Bに対する着底具合を精度よく把握するのに有利である。
この実施形態では、構造物4に複数種類の動揺センサ2を設置して、複数の動揺データを取得しているので、構造物4の動揺の挙動を明確に示す動揺データを取得するのに有利になる。一種類の動揺センサ2で動揺データを取得する場合に比して、構造物4の水底Bに対する着底具合を精度よく把握するのに有利になる。
上記で示した実施形態では、複数の動揺データから代表データを選択し、その代表データのみをデータ処理する方法を例示したが、例えば、複数の動揺データをそれぞれデータ処理を行い、複数の処理後データの判断を総合的に評価して、構造物4の水底Bに対する着底具合を判断することもできる。
本発明は、この実施形態で例示したようなクレーン5を用いる据え付け方法の他にも、様々な据え付け方法に採用することができるので、非常に汎用性が高い。例えば、構造物4を周辺の構造体や船舶に設置されたウインチと接続し、構造物4の水平方向の移動はウインチの操作によって行い、上下方向の移動は構造物4内への注水によって行う据え付け方法がある。この据え付け方法では、クレーン5を用いる場合に比して、構造物4の上下位置を把握し難いため、構造物4の着底判断が非常に困難である。それ故、本発明を適用することは、極めて有益である。
本発明では、図4に例示するように、構造物4の動揺データとして、GPS装置2によって検知される上下位置データを用いることもできる。また、撹乱データを是正するデータ処理として、動揺データを高速フーリエ変換して周波数分析をするデータ処理を用いることもできる。
演算装置3に入力された上下位置データをグラフ上にプロットすると、図4の実線で示すような推移となる。図4の横軸は経過時間を示しており、縦軸は高さ位置を示している。
この実施形態では、上下位置データを高速フーリエ変換(FFT)して周波数分析をするデータ処理を行う。より詳しくは、まず上下位置データを高速フーリエ変換により上下位置データからノイズを取り除く、そして、高速フーリエ変換したデータで各時間における構造物4の動揺の周期における周波数成分の2乗和(分散)を算出する。この実施形態では、算出する時間から64秒前までの64個のデータを用い、構造物4の動揺の周期を5秒〜15秒とした場合を例示している。算出する際に用いるデータの個数は、着底判断の精度と判断に要する時間の兼ね合いを考慮して適宜決定することができる。ただし、高速フーリエ変換を用いるので、算出する際に用いるデータの個数は2の乗数個とする。
演算装置3よって算出した処理後データをグラフ上にプロットすると、図4の破線で示すような推移となる。この破線に対する縦軸は周波数成分の2乗和(分散)を示している。図4を参照して構造物4が着底する前と構造物4が着底し始めた後とを比較すると、構造物4が着底する前では周波数成分の2乗和は、上下変位するが常にある程度高い数値を維持していることがわかる。一方、構造物4が着底し始めると、周波数成分の2乗和は0に近い数値まで下がり、そのまま0に近い数値を維持した状態となる。
この実施形態においても、先に示した実施形態と同様に、処理後データと予め設定している閾値との比較に基づいて、演算装置3により構造物4の水底Bに対する着底具合を判断する。閾値の設定の仕方についても、先に示した実施形態と同様である。
この実施形態では、撹乱データを是正するデータ処理として、動揺データを高速フーリエ変換して周波数分析をするデータ処理を用いているので、動揺データに対して撹乱データを効果的に是正することができる。また、高速フーリエ変換を用いることでデータ処理に要する計算量を大幅に削減することができるので、データ処理に要する時間を短縮することが可能となる。このことにより、動揺センサ2によって検知したタイミングから処理後データを取得して閾値と比較するまでのタイムラグを小さくすることができる。そのため、リアルタイムで構造物4の水底Bに対する着底具合を精度よく判断するのに有利である。
本発明では、先に示した実施形態に限らず、図5で例示するように、動揺データとして傾斜データを用いた場合に、動揺データを高速フーリエ変換して周波数分析をするデータ処理を用いることもできる。また、図6で例示するように、上下位置データを用いた場合に、動揺データの自己相関の平均を算出するデータ処理を用いることもできる。図3と図5は同じ実験におけるデータを用いている。図4と図6は同じ実験におけるデータを用いていて、図3、図5とは異なる実験におけるデータである。
本発明では、動揺データに対して撹乱データを効果的に是正できれば、上述した自己相関の平均を算出するデータ処理、高速フーリエ変換して周波数分析をするデータ処理とは異なるデータ処理を用いることもできる。現状では、様々なデータ処理を試した結果、撹乱データを是正するデータ処理としては、実施形態で例示した二種類のデータ処理が極めて有効であった。
1 構造物の水底着底判断システム
2 動揺センサ
2a 傾斜計
2b GPS装置
3 演算装置
4 構造物
5 クレーン
6 吊り具
7 ポンプ
B 水底

Claims (6)

  1. 水中に吊り下げた構造物を下方移動させて水底に据え付ける際に、前記構造物の水底に対する着底具合を判断する構造物の水底着底判断方法であって、
    前記構造物の動揺データを逐次検知し、前記動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行って処理後データを取得し、この処理後データと予め設定している閾値との比較に基づいて、演算装置により前記構造物の前記水底に対する着底具合を判断することを特徴とする構造物の水底着底判断方法。
  2. 前記動揺データとして、前記構造物に設置された傾斜計により検知される傾斜データまたはGPS装置により検知される上下位置データを用いる請求項1に記載の構造物の水底着底判断方法。
  3. 前記撹乱データを是正するデータ処理として、前記動揺データの自己相関の平均を算出するデータ処理を用いる請求項1または2に記載の構造物の水底着底判断方法。
  4. 前記撹乱データを是正するデータ処理として、前記動揺データを高速フーリエ変換して周波数分析をするデータ処理を用いる請求項1または2に記載の構造物の水底着底判断方法。
  5. 前記閾値を、前記構造物を据え付ける水域の有義波周期および有義波高に基づいて設定する請求項1〜4にいずれかに記載の構造物の水底着底判断方法。
  6. 水中に吊り下げた構造物を下方移動させて水底に据え付ける際に、前記構造物の水底に対する着底具合を判断する構造物の水底着底判断システムであって、
    前記構造物の動揺データを逐次検知する動揺センサと、前記動揺データが逐次入力される演算装置とを備えて、この演算装置により前記動揺データに対して撹乱データを是正するデータ処理を行って処理後データを取得し、この処理後データと前記演算装置に入力されている閾値との比較に基づいて、前記構造物の前記水底に対する着底具合を判断する構成にしたことを特徴とする構造物の水底着底判断システム。
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