JP6928887B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板に関する。
近年、電子機器や通信機、パーソナルコンピューター等に広く用いられている半導体パッケージの高機能化、小型化が進むに従い、半導体パッケージ用の各部品の高集積化や高密度実装化が近年益々加速している。それに伴い、半導体素子と半導体プラスチックパッケージ用プリント配線板との熱膨張率の差によって生じる半導体プラスチックパッケージの反りが問題となっており、様々な対策が講じられてきている。
その対策の一つとして、プリント配線板に用いられる絶縁層の低熱膨張化が挙げられる。これは、プリント配線板の熱膨張率を半導体素子の熱膨張率に近づけることで反りを抑制する手法であり、現在盛んに取り組まれている(例えば、特許文献1〜3参照)。
半導体プラスチックパッケージの反りを抑制する手法としては、プリント配線板の低熱膨張化以外にも、積層板の剛性を高くすること(高剛性化)や積層板のガラス転移温度を高くすること(高Tg化)が検討されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
特開2013−216884号公報 特許第3173332号公報 特開2009−035728号公報 特開2013−001807号公報 特開2011−178992号公報
しかしながら、上記従来技術においては、曲げ強度に優れる他、その上さらにめっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率にも優れるという点については、未だ検討の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率に優れる硬化物を与える樹脂組成物、並びに、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、特定のエポキシ樹脂と、シアン酸エステル化合物とを組み合わせて用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
キレート形成能を有する官能基を有するエポキシ樹脂(A)と、
シアン酸エステル化合物(B)と、を含有し、
前記キレート形成能を有する官能基が、−P(=O)−O−P(=O)−で表される基、及び−C(=O)−C−C(=O)−で表される基の少なくとも1種以上を含む
樹脂組成物。
〔2〕
前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、100〜600g/eqである、
〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
前記エポキシ樹脂(A)の含有量が、樹脂固形分100質量部に対して、1〜90質量部である、
〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕
充填材(C)をさらに含有する、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔5〕
前記充填材(C)の含有量が、樹脂固形分100質量部に対して、50〜1600質量部である、
〔4〕に記載の樹脂組成物。
〔6〕
前記エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂、マレイミド化合物、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物からなる群のうち、いずれか1種以上をさらに含有する、
〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
〔7〕
基材と、
該基材に含浸又は塗布された〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の樹脂組成物と、を有する、
プリプレグ。
〔8〕
少なくとも1枚以上積層された〔7〕に記載のプリプレグと、
該プリプレグの片面又は両面に配された金属箔と、を有する、
金属箔張積層板。
〔9〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、
樹脂シート。
〔10〕
絶縁層と、該絶縁層の表面に形成された導体層と、を有し、
前記絶縁層が、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、
プリント配線板。
本発明によれば、曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率に優れる硬化物を与える樹脂組成物、並びに、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、本実施形態において、「樹脂固形分」とは、特に断りのない限り、樹脂組成物における、充填材及び溶剤を除いた成分をいい、「樹脂固形分100質量部」とは、樹脂組成物における充填材及び溶剤を除いた成分の合計が100質量部であることをいうものとする。
〔樹脂組成物〕
本実施形態の樹脂組成物は、キレート形成能を有する官能基を有するエポキシ樹脂(A)と、シアン酸エステル化合物(B)と、を含有する。
と、を含有する。
〔キレート形成能を有する官能基を有するエポキシ樹脂(A)〕
エポキシ樹脂(A)としては、キレート形成能を有する官能基と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。このようなエポキシ樹脂(A)を用いることにより、得られる硬化物の曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率がより向上する。その理由は、以下に限定されないが、キレート形成能を有する官能基がめっき金属とキレート結合を形成することにより、めっきピール強度がより向上し、また、キレート形成能を有する官能基が、曲げ強度、ガラス転移温度、重量減少率の向上にも寄与するものと考えられるがその詳細については明らかとなっていない。
キレート形成能を有する官能基としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基及びカルボニル基からなる、少なくとも1種以上が挙げられる。このなかでも、カルボキシル基、リン酸基がより好ましく、−C(=O)−C−C(=O)−で表される基、−P(=O)−O−P(=O)−で表される基がさらに好ましい。このような官能基を有することにより、得られる硬化物の曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率がより向上する傾向にある。なお、キレート形成能を有する官能基は、エポキシ樹脂(A)の基本骨格、側鎖又は末端のいずれに存在してもよい。
エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは100〜600g/eq.であり、より好ましくは125〜400g/eq.であり、さらに好ましくは150〜300g/eq.である。エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率がより向上する傾向にある。なお、エポキシ当量は、JIS−K7236に準拠して測定することができる。
エポキシ樹脂(A)の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは1〜90質量部であり、好ましくは10〜80質量部であり、より好ましくは20〜70質量部であり、さらに好ましくは30〜60質量部である。エポキシ樹脂(A)の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率がより向上する傾向にある。
(エポキシ樹脂(A)の製造方法)
エポキシ樹脂(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、フェノール性またはアルコール性水酸基と、キレート形成能を有する官能基と、を有する化合物のフェノール性またはアルコール性水酸基を周知の方法でグリシジルエーテル化する方法が挙げられる。
その他、エポキシ樹脂(A)としては、市販のものを用いることもできる。市販されているものとしては、特に限定されないが、例えば、アデカ社製ADEKA EP−49−23P、EP−49−10等が挙げられる。エポキシ樹脂(A)は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
〔シアン酸エステル化合物(B)〕
シアン酸エステル化合物(B)としては、以下に限定されないが、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006928887
上記式(1)中、Ar1は、ベンゼン環、ナフタレン環又は2つのベンゼン環が単結合したものを表す。複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい。Raは各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜12のアリール基とが結合された基を示す。Raにおける芳香環は置換基を有していてもよく、Ar1及びRaにおける置換基は任意の位置を選択できる。pはAr1に結合するシアナト基の数を示し、各々独立に1〜3の整数である。qはAr1に結合するRaの数を示し、Ar1がベンゼン環のときは4−p、ナフタレン環のときは6−p、2つのベンゼン環が単結合したもののときは8−pである。tは平均繰り返し数を示し、0〜50であり、他のシアン酸エステル化合物は、tが異なる化合物の混合物であってもよい。Xは、複数ある場合は各々独立に、単結合、炭素数1〜50の2価の有機基(水素原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。)、窒素数1〜10の2価の有機基(例えば−N−R−N−(ここでRは有機基を示す。))、カルボニル基(−CO−)、カルボキシ基(−C(=O)O−)、カルボニルジオキサイド基(−OC(=O)O−)、スルホニル基(−SO2−)、2価の硫黄原子又は2価の酸素原子のいずれかを示す。
上記式(1)のRaにおけるアルキル基は、直鎖もしくは分枝の鎖状構造、及び、環状構造(例えばシクロアルキル基等)のいずれを有していてもよい。
また、一般式(1)におけるアルキル基及びRaにおけるアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、又はシアノ基等で置換されていてもよい。
アルキル基の具体例としては、以下に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、以下に限定されないが、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o−,m−又はp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、及びo−,m−又はp−トリル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、以下に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(1)のXにおける炭素数1〜50の2価の有機基の具体例としては、以下に限定されないが、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、ビフェニルイルメチレン基、ジメチルメチレン−フェニレン−ジメチルメチレン基、フルオレンジイル基、及びフタリドジイル基等が挙げられる。該2価の有機基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、シアノ基等で置換されていてもよい。
上記式(1)のXにおける窒素数1〜10の2価の有機基の例としては、以下に限定されないが、イミノ基、ポリイミド基等が挙げられる。
また、上記式(1)中のXの有機基として、例えば、下記式(2)又は下記式(3)で表される構造であるものが挙げられる。
Figure 0006928887
(上記式(2)中、Ar2はベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基又はビフェニルテトライル基を示し、uが2以上の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。Rb、Rc、Rf、及びRgは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、トリフルオロメチル基、又はフェノール性ヒドロキシ基を少なくとも1個有するアリール基を示す。Rd及び、Reは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、又はヒドロキシ基のいずれか一種から選択される。uは0〜5の整数を示す。)
Figure 0006928887
(式(3)中、Ar3はベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基又はビフェニルテトライル基を示し、vが2以上の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ri、及びRjは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、又はシアナト基が少なくとも1個置換されたアリール基を示す。vは0〜5の整数を示すが、vが異なる化合物の混合物であってもよい。)
さらに、一般式(1)中のXとしては、下記式で表される2価の基が挙げられる。
Figure 0006928887
(上記式中、zは4〜7の整数を示す。Rkは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
一般式(2)のAr2及び一般式(3)のAr3の具体例としては、一般式(2)に示す2個の炭素原子、又は一般式(4)に示す2個の酸素原子が、1,4位又は1,3位に結合するベンゼンテトライル基、上記2個の炭素原子又は2個の酸素原子が4,4’位、2,4’位、2,2’位、2,3’位、3,3’位、又は3,4’位に結合するビフェニルテトライル基、及び、上記2個の炭素原子又は2個の酸素原子が、2,6位、1,5位、1,6位、1,8位、1,3位、1,4位、又は2,7位に結合するナフタレンテトライル基が挙げられる。
一般式(2)のRb、Rc、Rd、Re、Rf及びRg、並びに一般式(3)のRi、Rjにおけるアルキル基及びアリール基は、上記一般式(1)におけるものと同義である。
上記一般式(1)で表されるシアナト置換芳香族化合物の具体例としては、以下に限定されないが、シアナトベンゼン、1−シアナト−2−,1−シアナト−3−,又は1−シアナト−4−メチルベンゼン、1−シアナト−2−,1−シアナト−3−,又は1−シアナト−4−メトキシベンゼン、1−シアナト−2,3−,1−シアナト−2,4−,1−シアナト−2,5−,1−シアナト−2,6−,1−シアナト−3,4−又は1−シアナト−3,5−ジメチルベンゼン、シアナトエチルベンゼン、シアナトブチルベンゼン、シアナトオクチルベンゼン、シアナトノニルベンゼン、2−(4−シアナフェニル)−2−フェニルプロパン(4−α−クミルフェノールのシアネート)、1−シアナト−4−シクロヘキシルベンゼン、1−シアナト−4−ビニルベンゼン、1−シアナト−2−又は1−シアナト−3−クロロベンゼン、1−シアナト−2,6−ジクロロベンゼン、1−シアナト−2−メチル−3−クロロベンゼン、シアナトニトロベンゼン、1−シアナト−4−ニトロ−2−エチルベンゼン、1−シアナト−2−メトキシ−4−アリルベンゼン(オイゲノールのシアネート)、メチル(4−シアナトフェニル)スルフィド、1−シアナト−3−トリフルオロメチルベンゼン、4−シアナトビフェニル、1−シアナト−2−又は1−シアナト−4−アセチルベンゼン、4−シアナトベンズアルデヒド、4−シアナト安息香酸メチルエステル、4−シアナト安息香酸フェニルエステル、1−シアナト−4−アセトアミノベンゼン、4−シアナトベンゾフェノン、1−シアナト−2,6−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,2−ジシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナト−2−tert−ブチルベンゼン、1,4−ジシアナト−2,4−ジメチルベンゼン、1,4−ジシアナト−2,3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジシアナト−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3−ジシアナト−5−メチルベンゼン、1−シアナト又は2−シアナトナフタレン、1−シアナト4−メトキシナフタレン、2−シアナト−6−メチルナフタレン、2−シアナト−7−メトキシナフタレン、2,2’−ジシアナト−1,1’−ビナフチル、1,3−,1,4−,1,5−,1,6−,1,7−,2,3−,2,6−又は2,7−ジシアナトシナフタレン、2,2’−又は4,4’−ジシアナトビフェニル、4,4’−ジシアナトオクタフルオロビフェニル、2,4’−又は4,4’−ジシアナトジフェニルメタン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3−ジメチルブタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)オクタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルペンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルペンタン、4,4−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2,4−トリメチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−シアナトフェニル)ビフェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−シアナト−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−シアナトフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジクロロエチレン、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニル、4,4−ジシアナトベンゾフェノン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−プロペン−1−オン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィド、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、4−シアナト安息香酸−4−シアナトフェニルエステル(4−シアナトフェニル−4−シアナトベンゾエート)、ビス−(4−シアナトフェニル)カーボネート、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(フェノールフタレインのシアネート)、3,3−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(o−クレゾールフタレインのシアネート)、9,9’−ビス(4−シアナトフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレン、トリス(4−シアナトフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1,3−トリス(4−シアナトフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス(4−シアナトフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,1,2,2−テトラキス(4−シアナトフェニル)エタン、テトラキス(4−シアナトフェニル)メタン、2,4,6−トリス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−6−(N−メチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス(N−4−シアナト−2−メチルフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−3−シアナト−4−メチルフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−4−シアナトフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−4−シアナト−2−メチルフェニル)−4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタルイミド、トリス(3,5−ジメチル−4−シアナトベンジル)イソシアヌレート、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−(4−メチルフェニル)−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)フタルイミジン、1−メチル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オン、及び、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オンが挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される化合物の別の具体例としては、以下に限定されないが、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂(公知の方法により、フェノール、アルキル置換フェノール又はハロゲン置換フェノールと、ホルマリンやパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物とを、酸性溶液中で反応させたもの)、トリスフェノールノボラック樹脂(ヒドロキシベンズアルデヒドとフェノールとを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フルオレンノボラック樹脂(フルオレノン化合物と9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類を酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂及びビフェニルアラルキル樹脂(公知の方法により、Ar4−(CH2Y)2(Ar4はフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示す。以下、この段落において同様。)で表されるようなビスハロゲノメチル化合物とフェノール化合物とを酸性触媒若しくは無触媒で反応させたもの、Ar4−(CH2OR)2で表されるようなビス(アルコキシメチル)化合物とフェノール化合物とを酸性触媒の存在下に反応させたもの、又は、Ar4−(CH2OH)2で表されるようなビス(ヒドロキシメチル)化合物とフェノール化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの、あるいは、芳香族アルデヒド化合物とアラルキル化合物とフェノール化合物とを重縮合させたもの)、フェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、キシレンホルムアルデヒド樹脂とフェノール化合物とを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、ナフタレンホルムアルデヒド樹脂とヒドロキシ置換芳香族化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フェノール変性ジシクロペンタジエン樹脂、ポリナフチレンエーテル構造を有するフェノール樹脂(公知の方法により、フェノール性ヒドロキシ基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシナフタレン化合物を、塩基性触媒の存在下に脱水縮合させたもの)等のフェノール樹脂を、上述と同様の方法によりシアネート化したもの等、並びにこれらのプレポリマー等が挙げられる。
上記したシアン酸エステル化合物(B)は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
この中でも、フェノールノボラック型シアン酸エステル化合物、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、キシレン樹脂型シアン酸エステル化合物、アダマンタン骨格型シアン酸エステル化合物が好ましく、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物が特に好ましい。
ナフトールアラルキル型シアン酸エステルの具体例としては、式(4)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステルが挙げられる。このようなナフトールアラルキル型シアン酸エステルを用いることにより、熱膨張係数がより低い硬化物が得られる傾向にある。
Figure 0006928887
(式(4)中、R6は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、このなかでも水素原子が好ましい。また、式中、n2は1以上の整数を表す。n2の上限値は、通常は10であり、好ましくは6である。)
ここで、シアン酸エステル化合物(B)の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは1〜90質量部であり、好ましくは10〜80質量部であり、より好ましくは20〜70質量部であり、さらに好ましくは30〜60質量部である。シアン酸エステル化合物の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の曲げ強度、めっきピール強度、曲げ弾性率、及び熱伝導率がより向上する傾向にある。
〔充填材(C)〕
本実施形態の樹脂組成物は、充填材(C)を更に含んでもよい。充填材(C)としては、特に限定されないが、例えば、無機充填材及び有機充填材が挙げられる。充填材(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカ等のシリカ類;ホワイトカーボン等のケイ素化合物;チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物;硫酸バリウム等の金属硫酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水和物;酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物;ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛等の亜鉛化合物;アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E−ガラス、A−ガラス、NE−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、M−ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラス等が挙げられる。
また、有機充填材としては、特に限定されないが、例えば、スチレン型パウダー、ブタジエン型パウダー、アクリル型パウダーなどのゴムパウダー;コアシェル型ゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー;シリコーンゴムパウダー;シリコーン複合パウダーなどがあげられる。
このなかでも、シリカ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベーマイトからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このような充填材(C)を用いることにより、得られる硬化物の熱膨張係数がより低下する傾向にある。
ここで、充填材(C)の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは50〜1600質量部であり、より好ましくは60〜1000質量部であり、さらに好ましくは70〜1000質量部であり、特に好ましくは80〜800質量部である。充填材(C)の含有量が上記範囲内であることにより、得られる硬化物の熱膨張係数がより一層低下する傾向にある。
〔シランカップリング剤及び湿潤分散剤〕
本実施形態の樹脂組成物は、シランカップリング剤や湿潤分散剤をさらに含んでもよい。
シランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系化合物;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン系化合物;N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等のカチオニックシラン系化合物;フェニルシラン系化合物等が挙げられる。シランカップリング剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
湿潤分散剤としては、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されないが、例えば、ビッグケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK−110、111、118、180、161、BYK−W996、W9010、W903等が挙げられる。
〔その他の成分〕
本実施形態の樹脂組成物は、上記成分の他、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、上記エポキシ樹脂(A)以外のその他のエポキシ樹脂、マレイミド化合物、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
〔その他のエポキシ樹脂〕
その他のエポキシ樹脂としては、上記エポキシ樹脂(A)以外であって1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このなかでも、エポキシ樹脂が、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂からなる群より選択される一種以上であることが好ましい。
〔マレイミド化合物〕
マレイミド化合物としては、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル)プロパン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、フェニルメタンマレイミド、ノボラック型マレイミド化合物、ビフェニルアラルキル型マレイミド及びこれらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーが挙げられる。
このなかでも、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ノボラック型マレイミド化合物、及びビフェニルアラルキル型ビスマレイミドが好ましい。
〔フェノール樹脂〕
フェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有するフェノール樹脂であれば、一般に公知のものを使用でき、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールE型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、ビスフェノールS型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、グリシジルエステル型フェノール樹脂、アラルキルノボラック型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、多官能フェノール樹脂、ナフトール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、多官能ナフトール樹脂、アントラセン型フェノール樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、ポリオール型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、フェノール基含有シリコーン樹脂類等が挙げられるが、特に制限されるものではない。これらのフェノール樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔オキセタン樹脂〕
オキセタン樹脂としては、一般に公知のものを使用でき、その種類は特に限定されない。その具体例としては、オキセタン、2−メチルオキセタン、2,2−ジメチルオキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3,3’−ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、ビフェニル型オキセタン、OXT−101(東亞合成製商品名)、OXT−121(東亞合成製商品名)等が挙げられる。これらのオキセタン樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔ベンゾオキサジン化合物〕
ベンゾオキサジン化合物としては、1分子中に2個以上のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型ベンゾオキサジンBA−BXZ(小西化学製商品名)ビスフェノールF型ベンゾオキサジンBF−BXZ(小西化学製商品名)、ビスフェノールS型ベンゾオキサジンBS−BXZ(小西化学製商品名)等が挙げられる。これらのベンゾオキサジン化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
〔重合可能な不飽和基を有する化合物〕
重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものを使用でき、その種類は特に限定されない。その具体例としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価又は多価アルコールの(メタ)アクリレート類;ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類;ベンゾシクロブテン樹脂;(ビス)マレイミド樹脂等が挙げられる。これらの不飽和基を有する化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
〔硬化促進剤〕
本実施形態の樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール類;過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチル−ジ−パーフタレートなどの有機過酸化物;アゾビスニトリルなどのアゾ化合物;N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジメチルピリジン、2−N−エチルアニリノエタノール、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルピペリジンなどの第3級アミン類;フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどのフェノール類;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄などの有機金属塩;これら有機金属塩をフェノール、ビスフェノールなどの水酸基含有化合物に溶解してなるもの;塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの無機金属塩;ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイドなどの有機錫化合物などが挙げられる。これらのなかでも、トリフェニルイミダゾールが硬化反応を促進し、ガラス転移温度、熱膨張率が優れる傾向にあるため、特に好ましい。
〔溶剤〕
本実施形態の樹脂組成物は、溶剤をさらに含んでもよい。溶剤を含むことにより、樹脂組成物の調製時における粘度が下がり、ハンドリング性がより向上するとともに後述する基材への含浸性がより向上する傾向にある。
溶剤としては、樹脂組成物中の樹脂成分の一部又は全部を溶解可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;プロピレングリコールモノメチルエーテル及びそのアセテートなどが挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、各成分を順次溶剤に配合し、十分に攪拌する方法が挙げられる。この際、各成分を均一に溶解或いは分散させるため、攪拌、混合、混練処理などの公知の処理を行うことができる。具体的には、適切な攪拌能力を有する攪拌機を付設した攪拌槽を用いて攪拌分散処理を行うことで、樹脂組成物に対する充填材(C)の分散性を向上させることができる。上記の攪拌、混合、混練処理は、例えば、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、又は、公転又は自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
また、本実施形態の樹脂組成物の調製時においては、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。有機溶剤の種類は、樹脂組成物中の樹脂を溶解可能なものであれば、特に限定されない。その具体例は、上述したとおりである。
〔用途〕
本実施形態の樹脂組成物は、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板として好適に用いることができる。以下、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板について説明する。
〔プリプレグ〕
本実施形態のプリプレグは、基材と、該基材に含浸又は塗布された、上記樹脂組成物と、を有する。プリプレグの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、本実施形態における樹脂成分を基材に含浸又は塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で1〜30分加熱するなどして半硬化(Bステ−ジ化)させることで、本実施形態のプリプレグを作製することができる。
樹脂組成物(充填材(C)を含む。)の含有量は、プリプレグの総量に対して、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、さらに好ましくは40〜80質量%である。樹脂組成物の含有量が上記範囲内であることにより、成形性がより向上する傾向にある。
基材としては、特に限定されず、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを、目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。基材を構成する繊維の具体例としては、特に限定されないが、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス、球状ガラス、NEガラス、Lガラス、Tガラスなどのガラス繊維;クォーツなどのガラス以外の無機繊維;ポリパラフェニレンテレフタラミド(ケブラー(登録商標)、デュポン(株)製)、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド(テクノーラ(登録商標)、帝人テクノプロダクツ(株)製)などの全芳香族ポリアミド;2,6−ヒドロキシナフトエ酸・パラヒドロキシ安息香酸(ベクトラン(登録商標)、(株)クラレ製)、ゼクシオン(登録商標、KBセーレン製)などのポリエステル;ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(ザイロン(登録商標)、東洋紡績(株)製)、ポリイミドなどの有機繊維が挙げられる。これらのなかでも低熱膨張率の観点から、Eガラスクロス、Tガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス、及び有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これら基材は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
基材の形状としては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。織布の織り方としては、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、綾織り等が知られており、これら公知のものから目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。また、これらを開繊処理したものやシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好適に使用される。基材の厚さや質量は、特に限定されないが、通常は0.01〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。とりわけ、強度と吸水性との観点から、基材は、厚み200μm以下、質量250g/m2以下のガラス織布が好ましく、Eガラス、Sガラス、及びTガラスのガラス繊維からなるガラス織布がより好ましい。
〔樹脂シート〕
本実施形態の樹脂シートは、樹脂組成物を含む。樹脂シートとは、薄葉化の1つの手段として用いられるもので、例えば、樹脂組成物をシート状に成形してなるものを含む。樹脂シートとしては、支持体と、該支持体上に配された、上記樹脂組成物と、を有する。樹脂シート(積層樹脂シート)や、上記支持体等を使用することなくシート状に成形された、樹脂シート(単層樹脂シート)を含む。樹脂シートの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、上記積層樹脂シートは、金属箔やフィルムなどの支持体に、直接、樹脂組成物を塗布及び乾燥して製造することができる。単層樹脂シートは、本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、シート状のキャビティを有する金型内に供給し乾燥する等してシート状に成形することで、得ることができる。また、単層樹脂シートは、上記積層樹脂シートから、支持体を剥離又はエッチングすることにより、得ることもできる。
支持体としては、特に限定されないが、各種プリント配線板材料に用いられている公知の物を使用することができる。例えばポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリカーボネートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルム等の有機系のフィルム基材、アルミニウム箔、銅箔、金箔などの導体箔、ガラス板、SUS板、FPR等の板状の無機系フィルムが挙げられる。その中でも電解銅箔、PETフィルムが好ましい。
塗布方法としては、例えば、本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、バーコーター、ダイコーター、ドクターブレード、ベーカーアプリケーター等で支持体上に塗布する方法が挙げられる。
積層樹脂シートは、上記樹脂組成物を支持体に塗布後、半硬化(Bステージ化)させたものであることが好ましい。具体的には、例えば、上記樹脂組成物を銅箔などの支持体に塗布した後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる方法などにより半硬化させ、積層樹脂シートを製造する方法などが挙げられる。支持体に対する樹脂組成物の付着量は、積層樹脂シートの樹脂厚で1〜300μmの範囲が好ましい。
〔金属箔張積層板〕
本実施形態の金属箔張積層板は、少なくとも1枚以上積層された上記プリプレグと、該プリプレグの片面または両面に配された金属箔とを有する。すなわち、本実施形態の金属箔張積層板は、上記プリプレグと、金属箔とを積層して硬化して得られるものである。
導体層は、銅やアルミニウムなどの金属箔とすることができる。ここで使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されないが、圧延銅箔や電解銅箔などの公知の銅箔が好ましい。また、導体層の厚みは、特に限定されないが、1〜70μmが好ましく、より好ましくは1.5〜35μmである。
金属箔張積層板の成形方法及びその成形条件は、特に限定されず、一般的なプリント配線板用積層板及び多層板の手法及び条件を適用することができる。例えば、金属箔張積層板の成形時には多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機などを用いることができる。また、金属箔張積層板の成形において、温度は100〜350℃、圧力は面圧2〜100kgf/cm2、加熱時間は0.05〜5時間の範囲が一般的である。さらに、必要に応じて、150〜350℃の温度で後硬化を行うこともできる。また、上述のプリプレグと、別途作成した内層用の配線板とを組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
〔プリント配線板〕
本実施形態のプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含み、前記絶縁層が、上記樹脂組成物を含む。上記の金属箔張積層板は、所定の配線パターンを形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。そして、上記の金属箔張積層板は、半導体パッケージ用プリント配線板として、有効に用いることができる。
本実施形態のプリント配線板は、具体的には、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、上述の金属箔張積層板(銅張積層板等)を用意する。金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を施し、次いでその内層回路表面に上述のプリプレグを所要枚数重ね、更にその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアを除去するためデスミア処理が行われる。その後この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、更に外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成し、プリント配線板が製造される。
上記の製造例で得られるプリント配線板は、絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された導体層とを有し、絶縁層が上述した本実施形態の樹脂組成物を含む構成となる、すなわち、上述のプリプレグ(基材及びこれに添着された上述の樹脂組成物)、金属箔張積層板の樹脂組成物層(上述の樹脂組成物からなる層)が、上述の樹脂組成物を含む絶縁層を構成することになる。
また、金属箔張積層板を用いない場合には、上記プリプレグ、上記積層樹脂シート、又は上記樹脂組成物からなるものに、回路となる導体層を形成しプリント配線板を作製してもよい。この際、導体層の形成に無電解めっきの手法を用いることもできる。
本実施形態のプリント配線板は、半導体パッケージ用プリント配線板として、有効に用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔合成例1〕1−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN)の合成
反応器内で、α−ナフトールアラルキル樹脂(SN495V、OH基当量:236g/eq.、新日鐵化学(株)製)300g(OH基換算1.28mol)及びトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)、水1205.9gを、撹拌下、液温−2〜−0.5℃に保ちながら、溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液2)を10分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄し、水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられてことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)331gを得た。得られたSNCNの質量平均分子量Mwは600であった。また、SNCNの赤外吸収スペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。
〔実施例1〕
合成例1により得られたSNCN(シアネート当量256g/eq.)50質量部、エポキシ樹脂(EP−49−10P、(株)ADEKA社製、エポキシ当量240g/eq.)50質量部、溶融シリカ(SC2050MB、(株)アドマテックス製,平均粒子径0.5μm)100質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業(株)製)0.10質量部を混合してワニスを得た。なお、用いたエポキシ樹脂は、キレート形成能を有する官能基として、−P(=O)−O−P(=O)−で表される基を有するものであった。
〔実施例2〕
エポキシ樹脂(EP−49−10P)に代えて、エポキシ樹脂(EP−49−23、(株)ADEKA社製、エポキシ当量175g/eq.)を50質量部用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ワニスを得た。なお、用いたエポキシ樹脂は、キレート形成能を有する官能基として、−C(=O)−C−C(=O)−で表される基を有するものであった。
〔比較例1〕
エポキシ樹脂(EP−49−10P)に代えて、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000FH、エポキシ当量320g/eq.)を50質量部用い、オクチル酸亜鉛(日本化学産業(株)製)の使用量を0.12質量部としたこと以外は、実施例1と同様の操作により、ワニスを得た。
〔銅張積層板の製造方法〕
以上のようにして得られたワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて150℃、5分間加熱乾燥し、樹脂組成物50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグ2枚又は8枚を重ね、両面に12μm厚の電解銅箔(3EC−M3−VLP、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力30kg/cm2、温度220℃で150分間真空プレスを行い、絶縁層厚さ0.8mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
〔めっきピール強度〕
上記で得られた絶縁層厚さ0.2mmの銅張り積層板の表層にある銅箔をエッチングにより除去し、得られた絶縁層を40℃のアルカリ水溶液(1N−水酸化ナトリウム水溶液)に5分間浸漬した(デスミア処理)。アルカリ水溶液から取り出した絶縁層を水洗した後、上村工業社製の無電解銅めっきプロセス(使用薬液名:MCD−PL、MDP−2、MAT−SP、MAB−4−C、MEL−3−APEA ver.2)にて、約0.5μmの無電解銅めっきをその絶縁層に施し、130℃で1時間の乾燥を行った。続いて、電解銅めっきをめっき銅の厚みが20μmになるように施し、180℃で1時間の乾燥を行った。こうして、厚さ0.1mmの絶縁層上に厚さ20μmの導体層(めっき銅)が形成されたプリント配線板の試験片を作製し、無電解めっきピール(デスミア処理有)の評価に供した。また、上記工程からアルカリ水溶液による処理を除いた工程によって導体層を形成したプリント配線板の試験片を作製し、無電解めっきピール(デスミア処理無)の評価に供した。
上記のようにして得られた試験片を用い、JIS C6481に準じて、めっきピール強度(接着力)を3回測定し、平均値を求めた。電解銅めっき後の乾燥で膨れた試験片に関しては、膨れていない部分を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
〔曲げ強度〕
銅張積層板の銅箔を除去した試験片を使用し、JIS K6911に準じてオートグラフ試験機(株)島津製作所製AG−Xplus)を用いて、試験片の両端部分を支点で支えて両端支持ばりとし、その中央部に上部から集中荷重を加えたときの最大曲げ応力を測定し、曲げ強度を得た。
〔曲げ弾性率〕
銅張積層板の銅箔を除去した試験片を使用し、JIS K6911に準じてオートグラフ試験機(株)島津製作所製AG−Xplus)を用いて、弾性限度内の荷重たわみ曲線の直線部における曲げ応力に対する試験片の変形抵抗度を単位ひずみ当たりの曲げ応力で測定し、曲げ弾性率を得た。
〔熱伝導率〕
得られた銅箔張積層板の密度を測定し、また、比熱をDSC(TA Instrumen社製、Q100型)により測定し、さらに、キセノンフラッシュアナライザ(Bruker社製、製品名「LFA447Nanoflash」)により熱拡散率を測定した。そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m3)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m2/S)×1000
Figure 0006928887
本実施形態の樹脂組成物は、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板の材料として産業上の利用可能性を有する。

Claims (10)

  1. キレート形成能を有する官能基を有するエポキシ樹脂(A)と、
    シアン酸エステル化合物(B)と、を含有し、
    前記キレート形成能を有する官能基が、−P(=O)−O−P(=O)−で表される基、及び1つの炭素原子を介して、2つのカルボニル基が結合した基(−C(=O)−C−C(=O)−で表される基の少なくとも1種以上を含む、
    樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、100〜600g/eqである、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)の含有量が、樹脂固形分100質量部に対して、1〜90質量部である、
    請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 充填材(C)をさらに含有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記充填材(C)の含有量が、樹脂固形分100質量部に対して、50〜1600質量部である、
    請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂、マレイミド化合物、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物からなる群のうち、いずれか1種以上をさらに含有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 基材と、
    該基材に含浸又は塗布された請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物と、を有する、
    プリプレグ。
  8. 少なくとも1枚以上積層された請求項7に記載のプリプレグと、
    該プリプレグの片面又は両面に配された金属箔と、を有する、
    金属箔張積層板。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、
    樹脂シート。
  10. 絶縁層と、該絶縁層の表面に形成された導体層と、を有し、
    前記絶縁層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、
    プリント配線板。
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