JP6994174B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
[1]シアン酸エステル化合物(A)、及び下記式(I)で表されるビスマレイミド化合物(B)を少なくとも含有する樹脂組成物。
[2]前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、前記樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対して、1~60質量部である[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記ビスマレイミド化合物(B)の含有割合が、前記ビスマレイミド化合物(B)の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で、0.05以上0.99以下である[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]上記式(I)で表されるビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキタセン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物よりなる群から選択される1種以上をさらに含有する[1]~[3]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[5]上記式(I)で表されるビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物をさらに含有し、前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記マレイミド化合物の含有割合が、前記マレイミド化合物の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で、0.1以上1.5以下である[1]~[3]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[6]充填材(C)をさらに含有する[1]~[5]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[7]前記充填材(C)の含有量が、前記樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対して、50~1600質量部である[6]に記載の樹脂組成物。
[9]少なくとも1枚以上の[8]に記載のプリプレグ、及び前記プリプレグの片面又は両面に配された金属箔、を少なくとも備える、金属箔張積層板。
[10]支持体、及び前記支持体の表面に設けられた、[1]~[7]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を少なくとも備える、樹脂シート。
[11]絶縁層、及び前記絶縁層の表面に設けられた導体層を少なくとも備え、前記絶縁層が、[1]~[7]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、プリント配線板。
本実施形態の樹脂組成物は、シアン酸エステル化合物(A)と、下記式(I)で表されるビスマレイミド化合物(B)とを少なくとも含有する。このように構成されているため、本実施形態の樹脂組成物は、電気特性、耐熱性及び熱伝導性において優れた物性バランスを発現することができる。
本実施形態における樹脂組成物に含まれるシアン酸エステル化合物としては、シアナト基(シアン酸エステル基)で少なくとも1個置換された芳香族部分を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。シアン酸エステル化合物を用いた樹脂組成物は、硬化物とした際に、ガラス転移温度、低熱膨張性、めっき密着性等に優れた特性を有する。
また、式(1)におけるアルキル基及びRaにおけるアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、又はシアノ基等で置換されていてもよい。
本実施形態における樹脂組成物に含まれるビスマレイミド化合物(B)としては、下記式(I)で表されるビスマレイミド化合物である。シアン酸エステル化合物を用いた樹脂組成物は、硬化物とした際に、ガラス転移温度、低熱膨張性、めっき密着性等に優れた特性を有する。
マレイミド化合物としては、分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、N-フェニルマレイミド、N-ヒドロキシフェニルマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5-ジエチル-4-マレイミドフェニル)メタン、下記式(4)で表されるマレイミド化合物、これらマレイミド化合物のプレポリマー、若しくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーが挙げられる。これらの中でも、2,2'-ビス{4-(4-マレイミドフェノキシ)-フェニル}プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン及び下記式(4)で表されるマレイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。このようなマレイミド化合物を含むことにより、得られる硬化物の物性バランスがより優れたものとなる傾向にある。同様の観点から、マレイミド化合物が、下記式(4)で表されるマレイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することがより好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエン等の二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂のなかでは、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が難燃性、耐熱性の面で好ましい。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有するフェノール樹脂であれば、一般に公知のものを使用できる。その具体例としては、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールE型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、ビスフェノールS型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、グリシジルエステル型フェノール樹脂、アラルキルノボラック型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、多官能フェノール樹脂、ナフトール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、多官能ナフトール樹脂、アントラセン型フェノール樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、ポリオール型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのフェノール樹脂の中では、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂が難燃性の点で好ましい。これらのフェノール樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキセタン樹脂としては、一般に公知のものを使用できる。例えば、オキセタン、2-メチルオキセタン、2,2-ジメチルオキセタン、3-メチルオキセタン、3,3-ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3-メチル-3-メトキシメチルオキセタン、3,3-ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2-クロロメチルオキセタン、3,3-ビス(クロロメチル)オキセタン、ビフェニル型オキセタン、OXT-101(東亞合成製商品名)、OXT-121(東亞合成製商品名)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのオキセタン樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベンゾオキサジン化合物としては、1分子中に2個以上のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができる。例えば、ビスフェノールA型ベンゾオキサジンBA-BXZ(小西化学製商品名)ビスフェノールF型ベンゾオキサジンBF-BXZ(小西化学製商品名)、ビスフェノールS型ベンゾオキサジンBS-BXZ(小西化学製商品名)、P-d型ベンゾオキサジン(四国化成工業製商品名)、F-a型ベンゾオキサジン(四国化成工業製商品名)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのベンゾオキサジン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものを使用できる。例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価又は多価アルコールの(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、及びベンゾシクロブテン樹脂、が挙げられるが、特に限定されるものではない。なお、上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを包含する概念である。これらの不飽和基を有する化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、熱膨張特性、寸法安定性、難燃性、熱伝導率、誘電特性等の観点から、充填材(C)をさらに含有することが好ましい。充填材(C)としては、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。特に、積層板用途において一般に使用されている充填材を、充填材(C)として好適に用いることができる。充填材(C)の具体例としては、以下に限定されないが、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の酸化物、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水和物、酸化モリブデンやモリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E-ガラス、A-ガラス、NE-ガラス、C-ガラス、L-ガラス、D-ガラス、S-ガラス、M-ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラス等無機系の充填材(C)の他、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型等のゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、並びにシリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダー等有機系の充填材(C)等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される1種又は2種以上が好適である。これらの充填材(C)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、硬化速度を適宜調節するための硬化促進剤を含有していてもよい。この硬化促進剤としては、シアン酸エステル化合物やエポキシ樹脂等の硬化促進剤として一般に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、アセチルアセトン鉄、オクチル酸ニッケル、オクチル酸マンガン等の有機金属塩類、フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール化合物、1-ブタノール、2-エチルヘキサノール等のアルコール類、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらのイミダゾール類のカルボン酸若しくはその酸無水類の付加体等の誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等のアミン類、ホスフィン系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホニウム塩系化合物、ダイホスフィン系化合物等のリン化合物、エポキシ-イミダゾールアダクト系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、又はアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N-ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、本実施形態の樹脂組成物は、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類等の種々の高分子化合物、難燃性化合物、並びに各種添加剤等を併用することができる。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。難燃性化合物の具体例としては、以下に限定されないが、4,4'-ジブロモビフェニル等の臭素化合物、リン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂、メラミン及びベンゾグアナミン等の窒素化合物、オキサジン環含有化合物、並びに、シリコーン系化合物等が挙げられる。また、各種添加剤としては、以下に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、流動調整剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられる。これらは、所望に応じて1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含有することができる。この場合、本実施形態の樹脂組成物は、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部が有機溶剤に溶解又は相溶した態様(溶液又はワニス)として用いることができる。有機溶剤としては、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部を溶解又は相溶可能なものであれば、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ系溶媒、乳酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類等の極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の無極性溶剤が挙げられる。これらの中でも、比較的に低沸点であり乾燥時の処理負担が小さく生産性が高められる等の観点から、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非環式脂肪族ケトン系溶剤が好ましい。これらの有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1-ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学(株)製)300g(OH基換算1.28mol)及びトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.5モル)、水1205.9gを、撹拌下、液温-2~-0.5℃に保ちながら、溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液2)を10分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)を331g得た。得られたSNCNの質量平均分子量Mwは600であった。また、SNCNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコに、10.01g(50.0mmol)の東京化成工業製の4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、および溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド120.0gを装入し、窒素ガスを通じながら攪拌溶解した。この溶液に、10.8g(110mmol)の無水マレイン酸を加え、室温にて一晩攪拌した。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.951g(5.00mmol)及び脱水共沸溶媒としてトルエン60gを装入し、共沸攪拌を6時間実施した。この際、トルエンと水との蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮した。ディーンスタークにトラップされた水とトルエンとを分離した後、トルエンのみ系内に還流し、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去した。
反応混合物を冷却後、エバポレーターにてトルエンを留去した。その後、得られた溶液を1%重曹水に投入して過剰に用いた無水マレイン酸およびp-トルエンスルホン酸を除去した。得られた粗生成物をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、メタノールを加えて再沈殿させ、析出物を濾取・乾燥した。この操作を3回繰り返し、4,4’-ビスマレイミドジフェニルエーテルを得た(収率70%)。
4,4’-ジアミノジフェニルエーテルに代えて、東京化成工業製の3,4’-ジアミノジフェニルエーテルを用いる以外は、合成例2と同様に操作して、3,4’-ビスマレイミドジフェニルエーテルを得た(収率70%)。
合成例1のナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN、シアネート基当量256g/eq.)50.0質量部、ノボラック型ビスマレイミド化合物(大和化成工業社製、BMI-2300、不飽和イミド基当量186g/eq.)35.0質量部、合成例2のビスマレイミド化合物(BMI-4,4’-BPE、不飽和イミド基当量180g/eq.)15.0質量部、エポキシシラン処理された溶融シリカ(アドマテックス製、SC2050MB)100.0質量部、2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業(株)製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業(株)製)0.125質量部をメチルエチルケトンに混合して、実施例1のワニスを得た。
得られた実施例1のワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて165℃、4分加熱乾燥し、樹脂組成物46質量%の実施例1のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね、両面に12μm銅箔(3EC-M3-VLP、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力40kg/cm2、温度220℃で80分間真空プレスを行い、厚さ0.8mmの実施例1の12μm銅張り積層板を得た。
合成例1のナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂(SNCN、シアネート基当量256g/eq.)50.0質量部、ノボラック型ビスマレイミド化合物(大和化成工業社製、BMI-2300、不飽和イミド基当量186g/eq.)35.0質量部、合成例3のビスマレイミド化合物(BMI-3,4’-BPE、不飽和イミド基当量180g/eq.)15.0質量部、エポキシシラン処理された溶融シリカ(アドマテックス製、SC2050MB)100.0質量部、2,4,5-Triphenylimidazole(東京化成工業(株)製)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(日本化学産業(株)製)0.150質量部をメチルエチルケトンに混合して、実施例2のワニスを得た。
得られた実施例2のワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて165℃、4分加熱乾燥し、樹脂組成物46質量%の実施例2のプリプレグを得た。このプリプレグ8枚を重ね、両面に12μm銅箔(3EC-M3-VLP、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力40kg/cm2、温度220℃で80分間真空プレスを行い、厚さ0.8mmの実施例2の12μm銅張り積層板を得た。
BMI-4,4’-BPEを使用せず、BMI-2300の使用量を50.0質量部に変更し、オクチル酸亜鉛の使用量を0.150質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、比較例1のワニスを得た。
得られた比較例1のワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて165℃、10分加熱乾燥し、樹脂組成物46質量%の比較例1のプリプレグを得た。比較例1のプリプレグ8枚を重ね、両面に12μm銅箔(3EC-M3-VLP、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力40kg/cm2、温度220℃で80分間真空プレスを行い、厚さ0.8mmの比較例1の12μmの銅張り積層板を得た。
得られた銅張り積層板を用いて、以下の評価を行った。
<誘電率(Dk)>
銅張り積層板の銅箔を除去した試験片(n=3)を使用し、空洞共振器摂動法(Agilent 8722ES,アジレントテクノロジー製)にて2GHz及び10GHzの誘電率を測定し、各々3回の平均値を求めた。
<誘電正接(Df)>
銅張り積層板の銅箔を除去した試験片(n=3)を使用し、空洞共振器摂動法(Agilent 8722ES,アジレントテクノロジー製)にて2GHz及び10GHzの誘電正接を測定し、各々3回の平均値を求めた。
得られた絶縁層厚さ0.8mmの銅箔張積層板をダイシングソーでサイズ12.7×30mmに切断後、表面の銅箔をエッチングにより除去し、測定用サンプルを得た。この測定用サンプルを用い、JIS C6481に準拠して動的粘弾性分析装置(TAインスツルメント製)でDMA法により、貯蔵弾性率E'、損失弾性率E''を測定し、E''及びtanδ(=E''/E')のピークの値をそれぞれTgとして耐熱性を評価した。
得られた絶縁層厚さ0.8mmの銅箔張積層板表面の銅箔をエッチングにより除去し、測定用サンプルを得た。得られたサンプルの密度を測定し、また、比熱をDSC(TA Instrumen Q100型)により測定し、さらに、キセノンフラッシュアナライザ(Bruker:LFA447 Nanoflash)により熱拡散率を測定した。次いで、厚み方向の熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m3)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m2/s)×1000
Claims (11)
- シアン酸エステル化合物(A)、
下記式(I)で表されるビスマレイミド化合物(B)、及び
下記式(I)で表されるビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物
を少なくとも含有し、
前記シアン酸エステル化合物(A)が、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物を含み、
前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記マレイミド化合物の含有割合が、前記マレイミド化合物の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で、0.1以上1.5以下である、
樹脂組成物。
- 前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、前記樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対して、1~60質量部である
請求項1に記載の樹脂組成物。 - 前記シアン酸エステル化合物(A)及び前記ビスマレイミド化合物(B)の含有割合が、前記ビスマレイミド化合物(B)の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で、0.05以上0.99以下である
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキタセン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、及び重合可能な不飽和基を有する化合物よりなる群から選択される1種以上をさらに含有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。 - 充填材(C)をさらに含有する
請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。 - 前記充填材(C)の含有量が、前記樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対して、50~1600質量部である
請求項6に記載の樹脂組成物。 - 基材、及び
前記基材に含浸又は塗布された、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を少なくとも備える、プリプレグ。 - 少なくとも1枚以上の請求項8に記載のプリプレグ、及び
前記プリプレグの片面又は両面に配された金属箔、
を少なくとも備える、金属箔張積層板。 - 支持体、及び
前記支持体の表面に設けられた、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を少なくとも備える、樹脂シート。 - 絶縁層、及び前記絶縁層の表面に設けられた導体層を少なくとも備え、
前記絶縁層が、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、
プリント配線板。
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