JP6927009B2 - 二次電池システムおよび二次電池のsoc推定方法 - Google Patents

二次電池システムおよび二次電池のsoc推定方法 Download PDF

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Description

本開示は、二次電池システムおよび二次電池のSOC推定方法に関し、より特定的には、二次電池のSOC−OCV特性(SOC−OCVカーブ)を用いてOCVからSOCを推定する技術に関する。
二次電池のSOCを高精度に推定することは、二次電池を適切に保護したり二次電池を十分に活用したりする上で重要である。二次電池のSOC推定の代表的手法として、二次電池のSOC−OCVカーブを用いてOCVからSOCを推定する手法が広く知られている。
二次電池のなかには、二次電池が満充電された状態から放電する際に得られるSOC−OCVカーブである放電曲線と、二次電池が完全放電された状態から充電する際に得られるSOC−OCVカーブである充電曲線とが顕著に乖離する系が存在する。このような充電曲線と放電曲線とが乖離することをSOC−OCVカーブに「ヒステリシス」が存在するとも言う。たとえば特開2015−166710号公報(特許文献1)は、ヒステリシスを考慮した上でOCVからSOCを推定する技術を開示する。
特開2015−166710号公報 特開2014−139521号公報 特開2011−097729号公報 特開2017−020855号公報
"In Situ Measurements of Stress-Potential Coupling in Lithiated Silicon", V. A. Sethuraman et al., Journal of The Electrochemical Society, 157 (11) A1253-A1261 (2010)
二次電池の状態(二次電池のOCVとSOCと組み合わせ)には、二次電池の使用履歴に応じて、二次電池の状態が充電カーブ上または放電カーブ上にプロットされる場合と、そうでない場合とが存在する。言い換えると、充電カーブまたは放電カーブを参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定することができる場合と、充電カーブまたは放電カーブを参照するだけではSOCを正確に推定することができない場合とがある。このことは、SOCの推定手法を二次電池の使用履歴に応じて適宜選択すべきことを意味する。特許文献1に開示された技術では、そのような選択をどのように行なうかの基準が明確でない点において、SOCの推定精度に向上の余地が存在する。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、二次電池のSOCとOCVとの対応関係を用いてOCVからSOCを推定する二次電池システムにおいて、SOCの推定精度を向上させることである。
また、本開示の他の目的は、二次電池のSOCとOCVとの対応関係を用いてOCVからSOCを推定するSOC推定方法において、SOCの推定精度を向上させることである。
(1)本開示のある局面に従う二次電池システムは、二次電池と、二次電池のSOCを推定する制御装置とを備える。制御装置は、二次電池が完全放電状態から満充電状態まで充電された場合の二次電池のSOC−OCV特性を示す充電曲線と、二次電池が満充電状態から完全放電状態まで放電された場合の二次電池のSOC−OCV特性を示す放電曲線とを用いて、二次電池のOCVから二次電池のSOCを推定する「SOC推定処理」を実行する。制御装置は、SOC推定処理において、放電から充電への切り替え時から二次電池に充電された電気量を示す第1の電気量と、充電から放電への切り替え時から二次電池から放電された電気量を示す第2の電気量の大きさが第2の基準電気量とを算出するように構成される。制御装置は、第1の電気量の大きさが第1の基準電気量を上回る場合、充電曲線を参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定する。制御装置は、第2の電気量の大きさが第2の基準電気量を上回る場合、放電曲線を参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定する。制御装置は、第1の電気量の大きさが第1の基準電気量を下回る場合、または、第2の電気量の大きさが第2の基準電気量を下回る場合には、二次電池のSOCとOCVとにより規定される領域のうち充電曲線と放電曲線とにより囲まれた領域内における二次電池のSOC−OCV特性を補完する所定の対応関係を用いることによって、二次電池のOCVからSOCを推定する。
(2)好ましくは、第1の電気量は、放電曲線上での放電から充電への切り替え時から二次電池に充電された電気量を示す。第2の電気量は、充電曲線上での充電から放電への切り替え時から二次電池から放電された電気量を示す。
(3)好ましくは、制御装置は、上記領域内において二次電池のSOCとOCVとの間に成立する線形近似関係を対応関係として用いることによって、二次電池のOCVからSOCを推定する。線形近似関係とは、SOCとOCVとの間に成立する厳密な線形関係に限定されず、わずかな非線形性を含むものの基本的には線形と見なせる関係であってもよい。
(4)好ましくは、制御装置は、線形関係における比例定数と、二次電池の温度と、二次電池のSOCとの間に成立する相関関係が格納されたメモリを含む。制御装置は、SOC推定処理を繰り返し実行し、二次電池の温度と、前回のSOC推定処理により推定された二次電池のSOCとから比例定数を算出する。
(5)好ましくは、制御装置は、線形関係における比例定数と、充放電の切り替え時における二次電池のSOCおよびOCVとを用いることによって、二次電池のOCVからSOCを推定する。
(6)好ましくは、制御装置は、SOC推定処理において、放電曲線上での放電から充電への切り替え時を基準時として、その基準時以降に二次電池から放電された電気量が二次電池に充電された電気量よりも大きい場合(放電過多である場合)は、放電曲線を参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定し、充電曲線上での充電から放電への切り替え時を基準時として、その基準時以降に二次電池に充電された電気量が二次電池から放電された電気量よりも大きい場合(充電過多である場合)は、充電曲線を参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定する。
(7)本開示の他の局面に従う二次電池のSOC推定方法においては、完全放電状態から満充電状態まで二次電池が充電された場合に取得される二次電池のOCVとSOCとの対応関係を示す充電曲線と、満充電状態から完全放電状態まで二次電池が放電された場合に取得される二次電池のOCVとSOCとの対応関係を示す放電曲線とが予め定められている。SOC推定方法は、第1〜第3のステップを含む。第1のステップは、放電から充電への切り替え時から二次電池に充電された電気量を示す第1の電気量の大きさが第1の基準電気量を上回る場合に、充電曲線を参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定するステップである。第2のステップは、充電から放電への切り替え時から二次電池から放電された電気量を示す第2の電気量の大きさが第2の基準電気量を上回る場合に、放電曲線を参照することによって二次電池のOCVからSOCを推定するステップである。第3のステップは、第1の電気量の大きさが第1の基準電気量を下回る場合、または、第2の電気量の大きさが第2の基準電気量を下回る場合には、二次電池のSOCとOCVとにより規定される領域のうち充電曲線と放電曲線とにより囲まれた領域内における二次電池のSOC−OCV特性を補完する所定の対応関係を用いることによって、二次電池のOCVからSOCを推定するステップである。
本発明者により発見された二次電池の挙動によれば、二次電池の充電が所定の電気量(第1の基準電気量)以上行なわれた場合には、二次電池のSOCにかかわらず、二次電池の状態(SOCとOCVとの組合せ)が充電曲線上にプロットされる。逆に、二次電池の放電が所定の電気量(第2の基準電気量)以上行なわれた場合にも、二次電池のSOCにかかわらず、二次電池の状態が放電曲線上にプロットされる。したがって、上記(1)の構成または上記(7)の方法によれば、これらの場合には、充電曲線または放電曲線を参照することによって、二次電池のOCVからSOCを高精度に推定することができる。
一方、第1の電気量が第1の基準電気量未満である場合、または、第2の電気量が第2の基準電気量未満である場合には、二次電池の状態は、充電曲線と放電曲線とにより囲まれた領域内にプロットされる。そのため、これらの場合には、上記(1)の構成または上記(7)の方法のように、当該領域内における二次電池のSOC−OCV特性を補完する所定の対応関係を用いることによって、二次電池のOCVからSOCを高精度に推定することができる。
上記(3)の構成によれば、二次電池のSOCとOCVとの間の線形近似関係を用いることによって、簡易な演算でSOCを推定することができる。
上記(4)の構成によれば、二次電池の温度およびSOCの影響が比例定数に反映される。これにより、比例定数の算出精度が向上し、その結果としてSOCの推定精度を一層向上させることができる。
上記(5)の構成によれば、上記(3)の構成と同様に線形近似関係が用いられるので、簡易な演算でSOCを推定することができる。
本開示によれば、SOCの推定精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る二次電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。 各セルの構成をより詳細に説明するための図である。 組電池の充放電に伴う表面応力の変化の一例を示す図である。 実施の形態1における組電池のSOC−OCVカーブのヒステリシスの一例を示す図である。 第1〜第3のSOC推定処理の概要を説明するための図である。 SOC推定処理の選択手法を説明するための概念図である。 第3の推定処理をより詳細に説明するための図である。 比例定数を算出するためのマップの一例を示す図である。 実施の形態1におけるSOC推定処理を説明するためのフローチャートである。 選択処理を示すフローチャートである。 フラグGがG=1である場合の処理を説明するための図である。 フラグGがG=2である場合の処理を説明するための図である。 第1の推定処理を示すフローチャートである。 第2の推定処理を示すフローチャートである。 第3の推定処理を示すフローチャートである。 実施の形態2における満充電容量算出処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本実施の形態に係る二次電池システムがハイブリッド車両(より特定的には、いわゆるプラグインハイブリッド車両)に搭載された構成を例に説明する。ただし、本実施の形態に係る二次電池システムは、ハイブリッド車両に限らず、走行用の組電池が搭載される車両全般(電気自動車、燃料電池車など)に適用可能である。さらに、本実施の形態に係る二次電池システムの用途は車両用に限定されず、たとえば定置用であってもよい。
[実施の形態1]
<二次電池システムの構成>
図1は、実施の形態1に係る二次電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。図1を参照して、車両1は、プラグインハイブリッド車両であって、二次電池システム2と、モータジェネレータ61,62と、エンジン63と、動力分割装置64と、駆動軸65と、駆動輪66とを備える。二次電池システム2は、組電池10と、監視ユニット20と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)30と、インレット40と、充電装置50と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
モータジェネレータ61,62の各々は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ61は、主として、動力分割装置64を経由してエンジン63により駆動される発電機として用いられる。モータジェネレータ61が発電した電力は、PCU30を介してモータジェネレータ62または組電池10に供給される。
モータジェネレータ62は、主として電動機として動作し、駆動輪66を駆動する。モータジェネレータ62は、組電池10からの電力およびモータジェネレータ61の発電電力の少なくとも一方を受けて駆動され、モータジェネレータ62の駆動力は駆動軸65に伝達される。一方、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、モータジェネレータ62は、発電機として動作して回生発電を行なう。モータジェネレータ62が発電した電力は、PCU30を介して組電池10に供給される。
エンジン63は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギーをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する内燃機関である。
動力分割装置64は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構(図示せず)を含む。動力分割装置64は、エンジン63から出力される動力を、モータジェネレータ61を駆動する動力と、駆動輪66を駆動する動力とに分割する。
組電池10は、複数のセル11(図2参照)を含む。本実施の形態において、各セルは、リチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池の電解質は、液系に限らず、ポリマー系であってもよいし全固体系であってもよい。
組電池10は、モータジェネレータ61,62を駆動するための電力を蓄え、PCU30を通じてモータジェネレータ61,62へ電力を供給する。また、組電池10は、モータジェネレータ61,62の発電時にPCU30を通じて発電電力を受けて充電される。
監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、組電池10に含まれる各セル11の電圧を検出する。電流センサ22は、組電池10に入出力される電流IBを検出する。充電時の電流IBは正であり、放電時の電流IBは負である。温度センサ23は、セル11毎の温度を検出する。各センサは、その検出結果をECU100に出力する。
なお、電圧センサ21は、たとえば直列接続された複数のセル11を監視単位として電圧VBを検出してもよい。また、温度センサ23は、隣接する複数のセル11を監視単位として温度TBを検出してもよい。このように、本実施の形態では、監視単位は特に限定されない。よって、以下では説明の簡略化のため、単に「組電池10の電圧VBを検出する」あるいは「組電池10の温度TBを検出する」と記載する。SOCおよびOCVについても同様に、組電池10を推定単位として記載する。
PCU30は、ECU100からの制御信号に従って、組電池10とモータジェネレータ61,62との間で双方向の電力変換を実行する。PCU30は、モータジェネレータ61,62の状態をそれぞれ別々に制御可能に構成されており、たとえば、モータジェネレータ61を回生状態(発電状態)にしつつ、モータジェネレータ62を力行状態にすることができる。PCU30は、たとえば、モータジェネレータ61,62に対応して設けられる2つのインバータと、各インバータに供給される直流電圧を組電池10の出力電圧以上に昇圧するコンバータ(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。
インレット40は、充電ケーブルを接続可能に構成されている。インレット40は、充電ケーブルを介して、車両1の外部に設けられた電源90からの電力供給を受ける。電源90は、たとえば商用電源である。
充電装置50は、電源90から充電ケーブルおよびインレット40を介して供給された電力を、ECU100からの制御信号に従って組電池10の充電に適した電力に変換する。充電装置50は、たとえばインバータおよびコンバータ(いずれも図示せず)を含んで構成されている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)100Aと、メモリ(より具体的にはROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))100Bと、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。ECU100は、監視ユニット20の各センサから受ける信号ならびにメモリ100Bに記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、組電池10のSOCを推定する「SOC推定処理」を実行する。そして、ECU100は、SOC推定処理の結果に応じて組電池10の充放電を制御する。SOC推定処理については後に詳細に説明する。なお、ECU100は、本開示に係る「制御装置」に相当する。
図2は、各セル11の構成をより詳細に説明するための図である。図2におけるセル11は、その内部を透視して示されている。
図2を参照して、セル11は、角型(略直方体形状)の電池ケース111を有する。電池ケース111の上面は蓋体112によって封じられている。正極端子113および負極端子114の各々の一方端は、蓋体112から外部に突出している。正極端子113および負極端子114の他方端は、電池ケース111内部において、内部正極端子および内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ接続されている。電池ケース111の内部には電極体115が収容されている。電極体115は、正極116と負極117とがセパレータ118を介して積層され、その積層体が捲回されることにより形成されている。電解液は、正極116、負極117およびセパレータ118等に保持されている。
正極116、セパレータ118および電解液には、リチウムイオン二次電池の正極、セパレータおよび電解液として従来公知の構成および材料をそれぞれ用いることができる。一例として、正極116には、コバルト酸リチウムの一部がニッケルおよびマンガンにより置換された三元系の材料を用いることができる。セパレータには、ポリオレフィン(たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン)を用いることができる。電解液は、有機溶媒(たとえばDMC(dimethyl carbonate)とEMC(ethyl methyl carbonate)とEC(ethylene carbonate)との混合溶媒)と、リチウム塩(たとえばLiPF)と、添加剤(たとえばLiBOB(lithium bis(oxalate)borate)またはLi[PF(C])等を含む。電解液に代えて、ポリマー系電解質を用いてもよいし、酸化物系、硫化物系などの無機系固体電解質を用いてもよい。
なお、セルの構成は特に限定されず、電極体が捲回構造ではなく積層構造を有するものであってもよい。また、角型の電池ケースに限らず、円筒型またはラミネート型の電池ケースも採用可能である。
従来、リチウムイオン二次電池の典型的な負極活物質は、炭素材料(たとえば黒鉛(グラファイト))であった。これに対し、本実施の形態では、シリコン系化合物(SiまたはSiO)が負極117の活物質として採用されている。シリコン系化合物を採用することで組電池10のエネルギー密度等を増加させることができるためである。その一方で、シリコン系化合物が採用された系では、SOC−OCV特性(SOC−OCVカーブ)にヒステリシスが顕著に現れ得る。その要因としては、以下に説明するように、充放電に伴う負極活物質の体積変化が考えられる。
<SOC−OCVカーブのヒステリシス>
負極活物質は、リチウムの挿入に伴い膨張し、リチウムの脱離に伴い収縮する。このような負極活物質の体積変化に伴い、負極活物質の表面や内部に応力が発生する。リチウムの挿入または脱離に伴うシリコン系化合物の体積変化量は、グラファイトの体積変化量よりも大きい。具体的には、リチウムが挿入されていない状態での最小体積を基準とした場合に、リチウムの挿入に伴うグラファイトの体積変化量(膨張率)が1.1倍程度であるのに対して、シリコン系化合物の体積変化量は最大で4倍程度である。そのため、負極活物質としてシリコン系化合物を採用した場合には、グラファイトを採用した場合と比べて、負極活物質の表面に発生する応力が大きくなる。以下、この応力のことを「表面応力」とも記載する。
一般に、単極電位(正極電位または負極電位)は、活物質表面の状態、より詳細には、活物質表面のリチウム量および表面応力により決定される。たとえば、負極活物質表面におけるリチウム量の増加に伴い、負極電位が低下することが公知である。シリコン系化合物のように大きな体積変化が生じる材料を採用すると、リチウム量の増減に伴う表面応力の変化量も大きくなる。ここで、表面応力にはヒステリシスが存在する。よって、表面応力およびそのヒステリシスの影響を考慮することで、負極電位を高精度に定義することが可能となる。そして、SOCとOCVとの関係を利用してOCVからSOCを推定する際に、そのように表面応力が考慮された負極電位を前提とすることで、SOCを高精度に推定することができる。
OCVとは、上述のように、組電池10の電圧が十分に緩和し、かつ、活物質内のリチウム濃度が緩和した状態での電圧を意味する。この緩和状態において負極表面に残留している応力は、負極活物質の内部に生じる応力と、負極活物質の体積変化に伴って周辺材料から負極活物質に働く反作用力と等を含む様々な力が系全体で釣り合ったときの応力と考えることができる。なお、周辺材料とは、バインダ、導電助剤など、活物質の周りに存在する物質である。
図3は、組電池10の充放電に伴う表面応力σの変化の一例を模式的に示す図である。図3において、横軸は組電池10のSOCを示し、縦軸は表面応力σを示す。表面応力σについては、負極活物質71の収縮時(組電池10の放電時)に発生する引っ張り応力を正方向で表し、負極活物質71の膨張時(組電池10の充電時)に発生する圧縮応力を負方向で表している。
図3には、まず、完全放電状態(SOC=0%の状態)から満充電状態(SOC=100%の状態)まで一定の充電レートで組電池10が充電され、その後、満充電状態から完全放電状態まで一定の放電レートで組電池10が放電された場合の表面応力σの変化の一例が模式的に示されている。
完全放電状態からの充電開始直後には、表面応力σ(の絶対値)が線形に増加する。この充電中のSOC領域(SOC=0%からSOC=Xまでの領域)では、負極活物質71の表面の弾性変形が起こっていると考えられる。これに対し、それ以降の領域(SOC=XからSOC=100%までの領域)においては、負極活物質71の表面が弾性変形を超えて塑性変形に至っていると考えられる。一方、組電池10の放電時においては、満充電状態からの放電開始直後の領域(SOC=100%からSOC=Yまでの領域)では負極活物質71の表面で弾性変形が起こり、それ以降の領域(SOC=YからSOC=0%までの領域)では負極活物質71の表面の塑性変形が起こっていると考えられる。なお、図3では、表面応力σのすべての変化を直線で示しているが、これは表面応力σの変化を模式的に示すものに過ぎず、実際には降伏後の塑性領域(塑性変形が起こるSOC領域)でも非線形的な変化が生じる(たとえば非特許文献1の図2参照)。
組電池10の充電継続時には、主に、負極活物質表面に圧縮応力が働き(表面応力σが圧縮応力となり)、表面応力σが発生していない理想状態と比べて、負極電位が低下するその結果、組電池10のOCVが上昇する。一方、組電池10の放電継続時には、主に、負極活物質表面に引っ張り応力が働き(表面応力σが引っ張り応力となり)、理想状態と比べて、負極電位が上昇する。その結果、組電池10のOCVが低下する。以上のメカニズムに従って、組電池10のSOC−OCVカーブには充放電に伴うヒステリシスが現れる。
図4は、実施の形態1における組電池10のSOC−OCVカーブのヒステリシスの一例を示す図である。図4および後述する図5〜図7において、横軸は組電池10のSOCを示し、縦軸は組電池10のOCVを示す。
図4には、組電池10を完全放電状態にしてから充電と休止(充電停止)とを繰り返すことで取得される曲線CHGと、組電池10を満充電状態にしてから放電と休止(放電停止)とを繰り返すことで取得される曲線DCHとが示されている。以下では、曲線CHG上のOCVを「充電OCV」と称し、曲線DCH上のOCVを「放電OCV」と称する。充電OCVと放電OCVとの乖離(シリコン系化合物では150mV程度)がヒステリシスを表している。
充電OCVは、以下のように取得することができる。まず、完全放電状態の組電池10を準備し、たとえば5%のSOCに相当する電気量(電荷量)を充電する。その電気量の充電後には充電を停止し、充電により生じた分極が解消されるまでの時間(たとえば30分間)、組電池10を放置する。その放置時間の経過後に組電池10のOCVを測定する。そして、充電後のSOC(=5%)と、測定されたOCVとの組合せ(SOC,OCV)を図中にプロットする。
続いて、次の5%のSOCに相当する電気量の充電(SOC=5%から10%までの充電)を開始する。充電が完了すると、同様に放置時間の経過後に組電池10のOCVを測定する。そして、OCVの測定結果から、SOCとOCVとの組合せを再びプロットする。その後、組電池10が満充電状態に至るまで同様の手順を繰り返す。このような測定を実施することによって充電OCVを取得することができる。
次に、組電池10が満充電状態から完全放電状態に至るまで、今度は組電池10の放電と放電停止とを繰り返しながら、5%刻みのSOCにおける組電池10のOCVを測定する。このような測定を実施することによって放電OCVを取得することができる。取得された充電OCVおよび放電OCVは、ECU100のメモリ100Bに格納されている。
充電OCVは各SOCにおけるOCVの最高値を示し、放電OCVは各SOCにおけるOCVの最低値を示している。そのため、組電池10の状態(すなわち、SOCとOCVとの組合せ)は、SOC−OCV特性図において、充電OCV上、放電OCV上、または、充電OCVと放電OCVとで囲まれた領域D内のいずれかにプロットされることになる。なお、領域Dの外周は、図3に模式的に示した平行四辺形の外周と対応している。
組電池10の状態P(OCVとSOCと組み合わせ)には、組電池10の使用履歴に応じて、状態Pが充電OCV上または放電OCV上にプロットされる場合と、そうでない場合とが存在する。言い換えると、充電OCVまたは放電OCVを参照することによって組電池10のOCVからSOCを推定することができる場合と、充電OCVまたは放電OCVを参照するだけではSOCを正確に推定することができない場合とがある。このことは、SOCの推定手法を組電池10の使用履歴に応じて適宜選択すべき(切り替えるべき)ことを意味する。そのような選択をどのように行なうべきかの基準(組電池10の使用履歴の基準)が明確でない場合には、十分に高精度にSOCを推定できない可能性がある。
そこで、本実施の形態において、EUC100は、複数のSOC処理(後述する第1〜第3のSOC推定処理)のなかから、いずれか1つのSOC推定処理を選択するように構成されている。そして、以下に説明するように、組電池10の使用履歴に応じて適切なSOC推定処理を選択することにより、SOCの推定精度を向上させることが可能になる。
<フラグ管理>
ECU100は、第1〜第3のSOC推定処理の選択に使用されるフラグFを管理している。フラグFは、F=1〜3のうちのいずれかの値を取り、ECU100内のメモリ100Bに不揮発的に記憶されている。
図5は、第1〜第3のSOC推定処理の概要を説明するための図である。m(mは自然数)回目の演算サイクルのSOC推定処理により判明した組電池10の状態(OCVとSOCとの組合せ)を「P(m)」と表す。図5Aでは、組電池10が充電され(たとえば、インレット40を介していわゆる外部充電が行なわれ)、組電池10の状態P(m)が充電OCV上にプロットされた例が示されている。
状態P(m)から組電池10の充電が継続された場合、(m+1)回目の演算サイクルにおける状態P(m+1)は、図5Bに示すように充電OCV上に維持される。このように、充電OCV上の状態Pから組電池10がさらに充電された場合、フラグFがF=1に設定される。F=1の場合には、第1の推定処理(図13参照)が実行される。
一方、図5Aに示した状態P(m)から組電池10が放電された場合には、図5Cに示すように、(m+1)回目の演算サイクルにおける状態P(m+1)は、充電OCVから外れ、充電OCVと放電OCVとの間にプロットされることになる。このように、充電OCVと放電OCVとの間(すなわち、領域D内)にプロットされた状態Pから組電池10が充電または放電された場合、フラグFは、F=3に設定される。この場合には、第3の推定処理(図15参照)が実行される。
その後、組電池10の放電が継続されると、たとえば(m+2)回目の演算サイクルにおいて、状態P(m+2)が放電OCVに到達する(図5D参照)。このように、放電OCV上の状態Pから組電池10がさらに放電された場合、フラグFは、F=2に設定される。そうすると、第2の推定処理(図14参照)が実行される。
<第1〜第3の推定処理の選択>
実施の形態1において第1〜第3の推定処理のなかから適切なSOC推定処理がどのように選択されるかについて、図6および図7を参照しながら、より詳細に説明する。
図6は、SOC推定処理の選択手法を説明するための概念図である。図6Aには、P(1)〜P(8)で示す状態の順に組電池10の充放電が行なわれた例が示されている(図中の矢印を参照)。より詳細には、まず、状態P(1)の組電池10が放電され、その放電が状態P(3)まで継続される。そして、状態P(3)において、放電から充電へとの切り替えが行なわれる。その後、状態P(8)に至るまで組電池10の充電が継続される。なお、図6Aでは図面が煩雑になるのを避けるため、P(1),P(3),P(6),P(8)の符号のみが付されている。
図5にて説明したように、放電OCV上の状態P(1)から組電池10がさらに放電された場合には、組電池の状態Pは、放電OCV上に維持される(状態P(2),P(3)参照)。そのため、フラグFをF=2に設定して第2の推定処理を実行し、放電OCVを参照してSOCを推定すればよい。同様に、充電OCV上の状態P(6)から組電池10がさらに充電された場合にも、組電池の状態Pは、充電OCV上に維持される(状態P(7),P(8)参照)。そのため、フラグFをF=1に設定して第1の推定処理を実行し、充電OCVを参照してSOCを推定すればよい。
その一方で、状態P(3)〜P(6)間のSOC推定では以下の2点が課題となる。第1の課題とは、組電池10の状態Pが充電OCVに到達したことをどのように判定すればよいのか、という課題である(状態P(6)参照)。第2の課題とは、組電池10の状態Pが充電OCV上にも放電OCV上にもプロットされない場合(状態P(4),P(5)参照)には、どのようにSOCを推定すればよいのか、という課題である。
ここで、本発明者は、下記の組電池10の挙動を実験により発見した。第1の課題に関し、本発明者は、放電から充電への切り替え時(状態P(3)参照)から組電池10に充電された電気量ΔAhを測定した。その結果、電気量ΔAhが所定量未満の場合には、組電池10の状態Pが充電OCVに到達していない可能性がある一方で、電気量ΔAhが所定量以上になると、たとえ放電OCV上からの充電であっても、状態Pが充電OCVに到達したとみなせることが分かった。ここで、「到達したとみなせる」とは、状態Pが充電OCVに完全に到達した場合だけでなく、状態PのOCVと充電OCVとの差がある量以下になり、「到達した」と近似可能な場合を含んでもよい。このような所定量(以下、「基準充電量X1」と称する)は、実験結果に基づいて以下のように設定することができる。
まず、図6Aのように組電池10のSOCが低SOC領域(SOCが約20%の領域)内である場合について、状態Pが充電OCVに到達するのに要する電気量ΔAh(上記所定量)を求める。そして、組電池10のSOCが中SOC領域(SOCが約50%の領域)内である場合(図6B参照)にも同様に、状態Pが充電OCVに到達するのに要する電気量ΔAhが実験により求められる。図6Cに示すように組電池10のSOCが高SOC領域(SOCが約80%の領域)内である場合についても同様である。
このように、様々なSOC領域で状態Pが充電OCVに到達するのに要する電気量ΔAhを実験的に求めると、当該電気量ΔAhが、たとえば、組電池10のSOCの数%に相当する程度の電気量であり、SOC領域にかかわらず、ほぼ一定であることが判明した。したがって、そのようにして求められた電気量ΔAhを基準充電量X1として設定することができる。そうすることにより、SOCにかかわらず、基準充電量X1として共通の値を用いることが可能になる。
ただし、当該電気量ΔAhには、SOC領域によって僅かな差異が存在し得るので、すべてのSOC領域での最大値を基準充電量X1として設定することが好ましい。あるいは、充放電の切り替え時のSOCと基準充電量X1との間の関係をマップとしてECU100のメモリ100Bに格納しておいてもよい。
このように、実験結果に基づいて基準充電量X1を設定し、放電から充電への切り替え時から放電されることなく組電池10に充電された電気量ΔAhと基準充電量X1とを比較することによって、状態Pが充電OCVに到達したか、あるいは、状態Pは充電OCVにまだ到達していない可能性があるかを判定することができる。
次に、第2の課題に関し、本発明者による実験の結果、組電池10の状態Pが充電OCV上にも放電OCV上にもプロットされていない場合には、OCVの変化量とSOCの変化量との間の関係を線形に近似できることが判明した。より具体的には、放電から充電への切り替え時からのOCV変化量ΔOCV(ヒステリシス)とSOC変化量ΔSOCとの間には、比例定数αを用いて下記式(1)のように表される近似式が成立する。
ΔOCV=α×ΔSOC ・・・(1)
このような線形性が現れる理由について説明する。充放電方向が切り替えられた直後の負極活物質71の表面では、図3にて説明したように、弾性変形が起こっていると考えられる。一般に、物質の弾性変形域内ではフックの法則が成り立ち、歪みが応力に正比例する。一方、OCV変化量ΔOCVと表面応力σとの間にも線形関係が成り立つ。この線形関係は、具体的には下記式(2)のように表される。
ΔOCV=k×Ω×σ/F ・・・(2)
式(2)では、1モルのリチウムが挿入された場合の負極活物質71の体積増加量がΩ(単位:m/mol)で示され、ファラデー定数がF(単位:C/mol)で示されている。kは、実験的に求められる定数である。上記線形関係を利用することにより、第3の推定処理を容易に実行することが可能になる。
図7は、第3の推定処理をより詳細に説明するための図である。図7に示すように、組電池10の状態Pは、充電OCV上にも放電OCV上にもない場合には、領域D内において直線L上にプロットされる。直線Lの比例定数(傾き)をαと記載する。
比例定数αは、負極活物質71(および周辺部材72)の機械的特性に応じて定まるパラメータであり、実験により求められる。より詳細には、比例定数αは、負極活物質71の温度(≒組電池10の温度TB)と、負極活物質71内のリチウム含有量(言い換えれば組電池10のSOC)とに応じて変化し得る。そのため、組電池10の温度TBおよびSOCの様々な組合せ毎に比例定数αを求め、マップMPを準備することが好ましい。
図8は、比例定数αを算出するためのマップMPの一例を示す図である。図8に示すようなマップMPが準備され、ECU100のメモリ100Bに予め格納されている。マップMPを参照することにより、組電池10の温度TB(温度センサ23により取得された値)とSOC(前回の演算サイクルでのSOCの推定結果)とから比例定数αを算出することができる。マップMPは、本開示に係る「相関関係」に相当する。
なお、マップMPは、温度TBおよびSOCのうちの一方のみと比例定数αとの相関関係を示すものであってもよい。また、図8ではマップMPを用いる例を説明するが、負極活物質71および周辺部材72の物性値(ヤング率など)から比例定数αを設定(もしくはシミュレーション予測)することも可能である。また、基準SOCREFを用いて比例定数αを算出してもよい。比例定数αとして固定値を用いてもよい。
図7に戻り、組電池10の充放電方向が放電方向から充電方向へと切り替えられた状態P(3)でのSOCおよびOCVは、いずれも、第2のSOC推定処理により推定されている。そのため、状態P(3)でのSOCを「基準SOCREF」と記載し、OCVを「基準OCVREF」と記載すると、比例定数α、基準SOCREFおよび基準OCVREFを下記式(3)に代入するとともに、組電池10のOCVを推定し、推定されたOCV(後述の推定OCVES)を式(3)に代入することによって、SOCを推定することができる。
α=(OCVES−OCVREF)/(SOC−SOCREF) ・・・(3)
このように、マップMPを用いることにより直線Lの比例定数αが求められる。そして、比例定数αについて成り立つ式(3)に基準SOCREF、基準OCVREFおよび推定OCVES)を代入することによって、組電池10のSOCを推定することができる。
なお、図6および図7では、組電池10の状態P(1)〜P(8)で示される特定の充放電が行なわれる場合を説明したが、これは一例に過ぎない。詳細な説明は繰り返さないが、図6および図7での説明と同様にすることで、組電池10の充放電方向によらず、組電池10のSOCを推定することが可能である。
<SOC推定処理の処理フロー>
図9は、実施の形態1におけるSOC推定処理を説明するためのフローチャートである。図9および後述する図16に示すフローチャートは、たとえば所定の演算周期が経過する度にメインルーチン(図示せず)から呼び出され、ECU100により繰り返し実行される。今回がn(nは2以上の自然数)回目の演算サイクルであるとし、今回の演算サイクルのパラメータにはnを付し、前回の演算サイクルのパラメータには(n−1)を付して互いに区別する。
また、図9〜図16に示すフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU100によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU100内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。なお、ECU100のメモリ100Bには、前回の演算サイクルで求められたフラグFとともに基準SOCREFおよび基準OCVREFが格納されている。
また、メモリ100Bには、フラグFとは異なるフラグGが格納されている。フラグGは、基準SOCREFおよび基準OCVREFの組合せ(基準点)と、充電OCVまたは放電OCVとの関係を管理するために用いられる。フラグGは、基準点が充電OCV(充電カーブCHG)上にある場合、G=1に設定される。一方、基準点が放電OCV(放電カーブDCH)上にある場合には、G=2に設定される。
図1および図9を参照して、S11において、ECU100は、組電池10のSOCを推定するための初期条件がすでに設定されているか否かを判定する。たとえば、車両1のイグニッションオン(IG−ON)操作が行なわれた直後には初期条件が設定されていない(S11においてNO)。そのため、ECU100は、処理をS12に進め、メモリ100Bに格納されたフラグFを読み出す。さらに、ECU100は、メモリ100Bから基準SOCREFおよび基準OCVREFを読み出し、基準SOCREFおよび基準OCVREFに基づいてフラグGを設定する(S13)。その後、処理は、S14に進められる。なお、図9に示す一連の処理の2回目以降の実行時には、初期条件はすでに設定されているとして(S11においてYES)、S12,S13の処理はスキップされる。
S20において、ECU100は、SOCの推定に用いられるフラグFを選択するための選択処理を実行する。選択処理については図10にて詳細に説明する。
S14において、ECU100は、選択処理により選択されたフラグFの値を判定する。上述のように、フラグF=1の場合、ECU100は、第1の推定処理を実行する(S100)。フラグF=2の場合、ECU100は、第2の推定処理を実行する(S200)。フラグF=3の場合、ECU100は、第3の推定処理を実行する(S300)。その後、処理はメインルーチンへと戻される。
図10は、選択処理を示すフローチャートである。図6では、一例として、基準点(基準SOC REFおよび基準OCVREFの組合せ)が放電OCV上に存在する場合に、放電から充電への切り替え時から組電池10に充電された電気量を「ΔAh」と記載する旨を説明した。以下では、充電OCV上または放電OCV上に存在する基準点を基準とし、組電池10に充電された電気量と、組電池10から放電された電気量とを、いずれも「ΔAh」と記載する。組電池10への充電量が放電量よりも大きい場合、ΔAh>0である。組電池10からの放電量が充電量よりも大きい場合、ΔAh<0である。組電池10の充電量と放電量とが等しい場合(あるいは組電池10の充放電が行なわれていない場合)、ΔAh=0である。
図1および図10を参照して、S21において、ECU100は、前回の演算サイクルで求められたフラグFを判定する。前回の演算サイクルで求められたフラグFが1または2である場合(S21においてF=1,2)、ECU100は、組電池10の充放電が切り替えられたか否かを判定する(S22)。より具体的には、ECU100は、電流センサ22から電流IBを取得し、前回の演算サイクルでの電流IBの符号(メモリ100Bに格納されたもの)と今回の演算サイクルでの電流IBの符号とを比較する。ECU100は、2つの符号が異なる場合に組電池10の充放電が切り替えられたと判定し、上記2つの符号が等しい場合には組電池10の充放電は切り替えられていないと判定する。
組電池10の充放電が切り替えられた場合(S22においてYES)、ECU100は、電気量ΔAhを算出するための電流積算値をリセットし、新たに電流積算を開始する(S23)。
その後、ECU100は、処理をS24に進め、フラグFを再び判定する。フラグFが1である場合(S24においてF=1)、図5にて説明したように、組電池10の充放電の切り替え(ここでは充電から放電への切り替え)に伴い、組電池10の状態Pは、充電OCV上から逸脱して充電OCVと放電OCVとの間の領域D内にプロットされる。この場合、ECU100は、フラグFをF=3に変更する。一方、フラグGについては、基準点が充電OCV上に存在することを示すG=1に設定する(S25)。
これに対し、フラグFが2である場合(S24においてF=2)、組電池10の充放電の切り替え(ここでは放電から充電への切り替え)に伴い、組電池10の状態Pは、放電OCV上から逸脱して充電OCVと放電OCVとの間の領域D内にプロットされる。この場合、ECU100は、フラグFをF=3に変更するとともに、フラグGについて、基準点が充電OCV上に存在することを示すG=2に設定する(S26)。その後、処理はS14(図9参照)に進められる。
S22にて組電池10の充放電が切り替えられていない場合(S22においてNO)、ECU100は、電流積算を継続する(S27)。その後、ECU100は、処理をS14に進める。この場合には、前回の演算サイクルで求められたフラグFの値(1または2)が今回の演算サイクルでも維持される。
S21にてフラグFが3である場合(S21においてF=3)、ECU100は、電流積算を継続し(S28)、フラグGが1であるか2であるかを判定する(S29)。フラグGが1である場合(S29においてG=1)、ECU100は、図11に示すフローチャートに処理を進める。一方、フラグGが2である場合(S29においてG=2)、ECU100は、図12に示すフローチャートに処理を進める。
図11は、フラグGがG=1である場合の処理を説明するための図である(なお、F=3である)。図11Aにフローチャートを示し、図11Bに上記フローチャートに対応するSOC−OCV特性図を示す。図12においても同様である。
図11Aを参照して、S31Aにおいて、ECU100は、電流積算により算出された電気量ΔAhが0以上であるか否かを判定する。電気量ΔAhが0以上であると見なせる場合(S31AにおいてYES)、ECU100は、組電池10の状態Pが充電OCV上にあると判定し、フラグFをF=1に変更する(S32A、図11BのΔAh≧0の領域を参照)。また、ECU100は、フラグGをG=1に維持する。
これに対し、電気量ΔAhが0未満と見なせる場合、すなわち電気量ΔAhが負である場合(S31AにおいてNO)、ECU100は、電気量ΔAhが所定の基準放電量−X2以下であるか否かをさらに判定する(S33A)。基準放電量−X2は、基準充電量X1と同様に実験的に定められるものであり、基準充電量X1のようにSOCの数%に相当する電気量(ただし、符号は逆)であってもよいし、それとは異なる電気量であってもよい。なお、X2>0である。
電気量ΔAhが基準放電量−X2以下と見なせる場合(S33AにおいてYES)、ECU100は、組電池10の放電により組電池10の状態Pが放電OCV上に到達したと判定し、フラグFをF=2に変更する(S34A、図11BのΔAh≦−X2の領域を参照)。また、ECU100は、フラグGをG=2に変更する。
S33Aにて電気量ΔAhが基準放電量−X2よりも大きいと見なせる場合(S33AにおいてNO)、ECU100は、組電池10の状態Pが充電OCV上にも放電OCV上にもない、すなわち領域D内にあると判定する(S35A、図11Bの−X2<ΔAh<0の領域を参照)。この場合、ECU100は、フラグFをF=3に維持する。また、ECU100は、フラグGをG=1に維持する。各フラグF,Gが1〜3のいずれかの値に設定されると、処理はS14(図9参照)に進められる。
図12は、フラグGがG=2である場合の処理を説明するための図である(なお、F=3である)。図12Aを参照して、S31Bにおいて、ECU100は、電流積算により算出された電気量ΔAh2が0以下である否かを判定する。電気量ΔAhが0以下と見なせる場合(S31BにおいてYES)、ECU100は、組電池10の状態Pが放電OCV上にあると判定し、フラグFをF=2に変更する(S32B、図12BのΔAh≦0の領域を参照)。また、ECU100は、フラグGをG=2に維持する。
これに対し、電気量ΔAhが0よりも大きいと見なせる場合、すなわち、電気量ΔAhが正である場合(S31BにおいてNO)、ECU100は、電気量ΔAhが基準充電量X1以上であるか否かをさらに判定する(S33B)。
電気量ΔAhが基準充電量X1以上と見なせる場合(S33BにおいてYES)、ECU100は、組電池10の充電により組電池10の状態Pが充電OCV上に到達したと判定し、フラグFをF=1に変更する(S34B、図12BのΔAh≧X1の領域を参照)。また、ECU100は、フラグGをG=1に変更する。
S33Bにて電気量ΔAhが基準充電量X1未満と見なせる場合(S33BにおいてNO)、ECU100は、組電池10の状態Pが充電OCV上にも放電OCV上にもなく、領域D内にあると判定する(S35B、図12Bの0<ΔAh<X1の領域を参照)。この場合、ECU100は、フラグFをF=3に維持する。また、ECU100は、フラグGをG=2に維持する。
なお、基準点を基準として、正の電気量ΔAh(充電量)が本開示に係る「第1の電気量」に相当し、負の電気量ΔAh(放電量)が本開示に係る「第2の電気量」に相当する。また、基準充電量X1および基準放電量X2は、本開示に係る「第1の基準電気量」および「第2の基準電気量」にそれぞれ相当する。
図13は、第1の推定処理を示すフローチャートである。図1および図13を参照して、S101において、ECU100は、監視ユニット20内の各センサ(電圧センサ21、電流センサ22および温度センサ23)から組電池10の電圧VB、電流IBおよび温度TBを取得する。取得された各パラメータは、メモリ100Bに格納される。
S102において、ECU100は、組電池10のOCVを推定する(推定OCVESを取得する)。推定OCVESは、下記式(4)に従って算出することができる。式(4)では、組電池10の内部抵抗をRで表す。また、組電池10に生じた分極の影響を補正するための補正項をΣΔV(iは自然数)で表す。この補正項ΣΔVにより、正極活物質内および負極活物質内のリチウム拡散ならびに電解液内のリチウム塩拡散に由来して生じる分極を補正する。負極活物質内のリチウム拡散を考慮する際には、負極活物質内のリチウム濃度差と内部応力との両方の影響を考慮することが望ましい。補正項ΣΔVは、事前の予備実験に求められ、メモリ100Bに格納されているものとする。補正項ΣΔVも組電池10の充電時の値が正となるように定められる。
OCVES=VB−IB×R−ΣΔV ・・・(4)
S103において、ECU100は、充電OCVを参照することによって、推定OCVESからSOCを推定する。
S104において、ECU100は、S103にて推定されたSOCを基準SOCREFとしてメモリ100Bに格納する。また、ECU100は、S102にて推定されたOCVESを基準OCVREFとしてメモリ100Bに格納する。このように、第1の推定処理では、基準SOCREFおよび基準OCVREFが更新される。この場合には、フラグGはG=1に維持される。
図14は、第2の推定処理を示すフローチャートである。図14を参照して、第2の推定処理は、S203の処理にて充電OCVに代えて放電OCVが用いられる点、および、フラグGがG=2に維持される点以外は第1の推定処理と基本的に同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図15は、第3の推定処理を示すフローチャートである。図1および図15を参照して、S301,S302の処理は、第1の推定処理におけるS101,S102の処理(図13参照)とそれぞれ同等である。
S303において、ECU100は、前回の演算サイクルで算出されたSOC(n−1)をメモリ100Bから読み出す。
S304において、ECU100は、図8に示したマップMPを参照することによって、組電池10の温度TBおよび前回の演算サイクルでのSOC(n−1)から比例定数αを算出する。なお、組電池10の温度TBに関し、現時刻の温度TBをそのまま用いる以外に、予め定められた直前の所定期間内(たとえば30分間)の時間平均値を用いてもよい。また、マップMPを参照する際のSOCとしては基準SOCREFを用いてもよい。
S305において、ECU100は、第1の推定処理または第2の推定処理により求められた基準SOCREFおよび基準OCVREFと、S304の処理にて設定された比例定数αと、S302の処理にて取得された推定OCVESとを上記式(3)に代入する。これにより、今回の演算サイクルにおける組電池10のSOC(n)が算出される。算出されたSOC(n)は、次回の演算サイクルに備えてメモリ100Bに格納される(S306)。
以上のように、実施の形態1によれば、組電池10の挙動に関する知見に基づいて定められた選択処理を実行することにより、第1〜第3のSOC推定処理のうちの実行すべきSOC推定処理が選択される。これにより、組電池10の使用履歴(電気量ΔAh)に応じた適切なSOC推定処理を選択することができるので、組電池10のOCVからSOCを高精度に推定することができる。実施の形態1は、充放電に伴う体積変化量が大きく、ヒステリシスの影響が顕著に現れる活物質(シリコン系化合物)が負極117に採用される場合に特に有効である。
また、第3の推定処理においては、負極活物質71の弾性変形に由来する線形性(SOCとOCVとの間の線形近似関係)を利用して、式(3)で表される直線Lが算出される。直線Lを用いることにより、簡易な演算でSOCを推定することができるので、ECU100の演算負荷を低減することができる。
車両1のHV走行中には、車両駆動力を発生させるための組電池10の放電と、モータジェネレータ62の回生発電による充電とが繰り返され、組電池10の充放電方向が頻繁に切り替わる。そのため、組電池10の状態Pが充電OCV上または放電OCV上から外れ、領域D内に含まれる可能性が高い。したがって、第3の推定処理が実行される機会が多くなり、OCVとSOCとの間の線形近似関係を用いた演算が特に有用になる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、組電池10のSOC推定処理について説明した。実施の形態2においては、組電池10の劣化状態(SOH:State Of Health)を判定する処理、より具体的には、組電池10の満充電容量を算出する処理(満充電容量算出処理)について説明する。なお、実施の形態2に係る二次電池システムの構成は、実施の形態1に係る二次電池システム2の構成(図1参照)と同等である。
図16は、実施の形態2における満充電容量算出処理を説明するためのフローチャートである。図1および図16を参照して、S401において、ECU100は、電流センサ22を用いた電流積算を開始する。
S402において、ECU100は、実施の形態1と同様の1回目のSOC推定処理(図9参照)を実行する。1回目のSOC推定処理により推定されたSOCをS1と記載する。
満充電容量Cの高精度に推定するためには、1回目のSOC推定処理と2回目のSOC推定処理との間での組電池10の容量変化量(組電池10に充放電された電気量)ΔAhがある程度大きいことが望ましい。そのため、ECU100は、容量変化量ΔAhが所定量以上であるか否かを判定する(S403)。容量変化量ΔAhが所定量以上になると(S403においてYES)、ECU100は、2回目のSOC推定処理を実行するための条件が成立したとして、電流積算を停止し(S404)、2回目のSOC推定処理を実行する(S405)。2回目のSOC推定処理により推定されたSOCをS2と記載する。
S406において、ECU100は、2回のSOC推定処理の推定結果であるS1,S2と容量変化量ΔAhとを用いて、組電池10の満充電容量Cを算出する。より具体的には、満充電容量Cは、下記式(5)に従って算出することができる。
C=ΔAh/(S1−S2)×100 ・・・(5)
以上のように、実施の形態1にて説明したSOC推定処理に従ってSOCが推定され、その推定結果を用いて満充電容量Cが算出される。これにより、実施の形態1と同様にSOCを高精度に推定することができるため、満充電容量Cについても高精度に推定することが可能になる。組電池10の劣化が進むに従って各種パラメータ(比例定数α、基準充電量X1など)を変化させてもよい。
なお、図3および図4では、充放電に伴う体積変化量が大きな負極活物質として、シリコン系化合物が用いられる例について説明した。しかし、充放電に伴う体積変化量が大きな負極活物質はこれに限定されるものではない。本明細書において、「体積変化量が大きな負極活物質」とは、充放電に伴うグラファイトの体積変化量(約10%)と比較して体積変化量が大きな材料を意味する。そのようなリチウムイオン二次電池の負極材料としては、スズ系化合物(SnまたはSnOなど)、ゲルマニウム(Ge)系化合物または鉛(Pb)系化合物が挙げられる。
また、負極活物質71の例としてシリコン系化合物を上げたが、シリコン系化合物と他の材料との複合材料を用いてもよい。複合材料の例としては、シリコン系化合物とグラファイトとを含む複合材料、シリコン系化合物とチタン酸リチウムとを含む複合材料などが挙げられる。また、正極活物質の体積変化量が大きい場合には、正極由来のヒステリシスを考慮してもよい。
さらに、本開示に係る「SOC推定処理」を適用可能な二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されず、他の二次電池(たとえばニッケル水素電池)であってもよい。また、表面応力は、二次電池の正極側においても発生し得る。そのため、SOC推定に際して二次電池の正極側の表面応力を考慮に入れるために本開示に係る「SOC推定処理」を用いてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 二次電池システム、10 組電池、11 セル、20 監視ユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 PCU、40 インレット、50 充電装置、61,62 モータジェネレータ、63 エンジン、64 動力分割装置、65 駆動軸、66 駆動輪、71 負極活物質、72 周辺部材、100 ECU、100A CPU、100B メモリ、111 電池ケース、112 蓋体、113 正極端子、114 負極端子、115 電極体、116 正極、117 負極、118 セパレータ。

Claims (7)

  1. 二次電池と、
    前記二次電池が完全放電状態から満充電状態まで充電された場合の前記二次電池のSOC−OCV特性を示す充電曲線と、前記二次電池が前記満充電状態から前記完全放電状態まで放電された場合の前記二次電池のSOC−OCV特性を示す放電曲線とを用いて、前記二次電池のOCVから前記二次電池のSOCを推定するSOC推定処理を実行する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記SOC推定処理において、
    放電から充電への切り替え時から前記二次電池に充電された電気量を示す第1の電気量と、充電から放電への切り替え時から前記二次電池から放電された電気量を示す第2の電気量とを算出するように構成され、
    前記第1の電気量の大きさが第1の基準電気量を上回る場合、前記充電曲線を参照することによって前記二次電池のOCVからSOCを推定し、
    前記第2の電気量の大きさが第2の基準電気量を上回る場合、前記放電曲線を参照することによって前記二次電池のOCVからSOCを推定し、
    前記第1の電気量の大きさが前記第1の基準電気量を下回る場合、または、前記第2の電気量の大きさが前記第2の基準電気量を下回る場合には、前記二次電池のSOCとOCVとにより規定される領域のうち前記充電曲線と前記放電曲線とにより囲まれた領域内における前記二次電池のSOC−OCV特性を補完する所定の対応関係を用いることによって、前記二次電池のOCVからSOCを推定する、二次電池システム。
  2. 前記第1の電気量は、前記放電曲線上での放電から充電への切り替え時から前記二次電池に充電された電気量を示し、
    前記第2の電気量は、前記充電曲線上での充電から放電への切り替え時から前記二次電池から放電された電気量を示す、請求項1に記載の二次電池システム。
  3. 前記制御装置は、前記領域内において前記二次電池のSOCとOCVとの間に成立する線形近似関係を前記対応関係として用いることによって、前記二次電池のOCVからSOCを推定する、請求項1または2に記載の二次電池システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記線形近似関係における比例定数と、前記二次電池の温度と、前記二次電池のSOCとの間に成立する相関関係が格納されたメモリを含み、
    前記SOC推定処理を繰り返し実行し、前記二次電池の温度と、前回の前記SOC推定処理により推定された前記二次電池のSOCとから前記比例定数を算出する、請求項3に記載の二次電池システム。
  5. 前記制御装置は、前記線形近似関係における比例定数と、充放電の切り替え時における前記二次電池のSOCおよびOCVとを用いることによって、前記二次電池のOCVからSOCを推定する、請求項3に記載の二次電池システム。
  6. 前記制御装置は、前記SOC推定処理において、
    前記放電曲線上での放電から充電への切り替え時を基準時として、その基準時以降に前記二次電池から放電された電気量が前記二次電池に充電された電気量よりも大きい場合は、前記放電曲線を参照することによって前記二次電池のOCVからSOCを推定し、
    前記充電曲線上での充電から放電への切り替え時を基準時として、その基準時以降に前記二次電池に充電された電気量が前記二次電池から放電された電気量よりも大きい場合は、前記充電曲線を参照することによって前記二次電池のOCVからSOCを推定する、請求項1に記載の二次電池システム。
  7. 二次電池のSOC推定方法であって、
    前記二次電池が完全放電状態から満充電状態まで充電された場合の前記二次電池のSOC−OCV特性を示す充電曲線と、前記二次電池が前記満充電状態から前記完全放電状態まで放電された場合の前記二次電池のSOC−OCV特性を示す放電曲線とが予め定められており、
    前記SOC推定方法は、
    放電から充電への切り替え時から前記二次電池に充電された電気量を示す第1の電気量の大きさが第1の基準電気量を上回る場合に、前記充電曲線を参照することによって前記二次電池のOCVからSOCを推定するステップと、
    充電から放電への切り替え時から前記二次電池から放電された電気量を示す第2の電気量の大きさが第2の基準電気量を上回る場合に、前記放電曲線を参照することによって前記二次電池のOCVからSOCを推定するステップと、
    前記第1の電気量の大きさが前記第1の基準電気量を下回る場合、または、前記第2の電気量の大きさが前記第2の基準電気量を下回る場合には、前記二次電池のSOCとOCVとにより規定される領域のうち前記充電曲線と前記放電曲線とにより囲まれた領域内における前記二次電池のSOC−OCV特性を補完する所定の対応関係を用いることによって、前記二次電池のOCVからSOCを推定するステップとを含む、二次電池のSOC推定方法。
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