JP2015166710A - 蓄電部材状態推定装置、電池パック、電動車両、蓄電装置および蓄電部材状態推定方法 - Google Patents

蓄電部材状態推定装置、電池パック、電動車両、蓄電装置および蓄電部材状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】開回路電圧を高精度に推定する蓄電部材状態推定装置、電池パック、電動車両、蓄電装置および蓄電部材状態推定方法を提供する。【解決手段】取得された蓄電部材2の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器110と、前記蓄電部材110の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器120と、前記パラメータ算出器110によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器120によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器130とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、蓄電部材状態推定装置、電池パック、電動車両、蓄電装置および蓄電部材状態推定方法に関する。より詳しくは、蓄電部材の状態を推定する蓄電部材状態推定装置、電池パック、電動車両、蓄電装置および蓄電部材状態推定方法に関する。
従来から、蓄電部材の開回路電圧(OCV)に基づいて蓄電部材の状態を推定する技術が提案されていた。例えば、特許文献1では、電圧センサによって検出される蓄電装置の端子間電圧すなわちOCVに応じた充電状態(SOC)を、予め作成された端子間電圧とSOCの関係データに基づいて算出する蓄電システムが提案されている。この蓄電システムでは、関係データとして、放電電流値の積算値と充電電流値の積算値との大小関係に応じて2つの関係データを選択的に用いてSOCを算出している。
特開2013−158087号公報
開回路電圧は、充放電の履歴を考慮して精度良く推定したい。
本開示は、開回路電圧を高精度に推定する蓄電部材状態推定装置、電池パック、電動車両、蓄電装置および蓄電部材状態推定方法を提供する。
本開示に係る蓄電部材状態推定装置は、取得された蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器とを備えるものである。
前記パラメータは、前記蓄電部材の電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向、前記蓄電部材の平均電流および前記電流が流れる頻度が高い方向が切り替わってからの充放電容量の少なくとも1つを含んでもよい。
前記ヒステリシス補正器は、前記パラメータに対応する前記開回路電圧の補正量を算出するヒステリシス補正量算出器と、前記ヒステリシス補正量算出器によって算出された前記補正量に基づいて前記ヒステリシス補正後の開回路電圧を算出する第2の開回路電圧算出器と、を備えてもよい。
この場合、前記ヒステリシス補正量算出器は、前記蓄電部材の電流値、温度および充電状態推定値の少なくとも1つに更に対応する前記補正量を算出してもよい。
または、前記蓄電部材状態推定装置は、前記パラメータ、前記蓄電部材の電流値、温度および充電状態推定値の少なくとも1つに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧が前記ヒステリシス補正の対象として有効であるか否かを判定する開回路電圧有効性判定器を更に備え、前記ヒステリシス補正器は、前記開回路電圧有効性判定器によって有効と判定された開回路電圧に対する前記ヒステリシス補正を行ってもよい。
もしくは、前記蓄電部材状態推定装置は、前記ヒステリシス補正後の開回路電圧に基づいて前記蓄電部材の充電状態値を算出する充電状態算出器を更に備えてもよい。
この場合、蓄電部材状態推定装置は、前記充電状態算出器によって算出された前記充電状態値に基づいて前記蓄電部材の開回路電圧カーブを算出する開回路電圧カーブ算出器を更に備えてもよい。
この場合、前記パラメータは、前記蓄電部材の電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向を含み、前記開回路電圧カーブ算出器は、前記ヒステリシス補正後の開回路電圧、前記パラメータ算出器によって算出された前記電流が流れる頻度が高い方向および前記充電状態算出器によって算出された充電状態値を記憶する記憶器と、前記記憶器に記憶された情報に基づいて、前記電流が流れる頻度が高い方向の違いに応じた2つの開回路電圧カーブを作成する開回路電圧カーブ作成器と、を備えてもよい。
または、前記蓄電部材状態推定装置は、前記開回路電圧カーブ算出器によって算出された前記開回路電圧カーブに基づいて前記蓄電部材の劣化状態値を算出する劣化状態算出器を更に備えてもよい。
前記蓄電部材状態推定装置は、通信によって取得された少なくとも電流値を含む前記蓄電部材の状態の測定結果に基づいて、前記ヒステリシス補正および前記ヒステリシス補正後の開回路電圧に基づく前記蓄電部材の状態値の算出を行ってもよい。
本開示に係る電池パックは、二次電池と、蓄電部材状態推定装置と、を備え、前記蓄電部材状態推定装置は、取得された前記二次電池の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、前記二次電池の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器とを備えるものである。
本開示に係る電動車両は、蓄電部材と、蓄電部材状態推定装置と、前記蓄電部材から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、を備え、前記蓄電部材状態推定装置は、取得された前記蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器と、を備えるものである。
本開示に係る蓄電装置は、蓄電部材と、蓄電部材状態推定装置と、を備え、前記蓄電部材状態推定装置は、取得された前記蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器とを備えるものである。
本開示に係る蓄電部材状態推定方法は、取得された蓄電部材の開回路電圧に対して、取得された前記蓄電部材の電流値に基づいて算出されたパラメータに基づいて、前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行う。
本開示によれば、開回路電圧を高精度に推定することができる。
本開示の第1の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第1の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 開回路電圧のヒステリシスを示す開回路電圧カーブのグラフである。 充放電の履歴に応じた開回路電圧のヒステリシスの変化を示す開回路電圧カーブのグラフであり、Aは、充電途中から放電に切り替えた状態を示し、Bは、充電途中から放電に切り替えた後の放電途中から充電に切り替えた状態を示すグラフである。 ヒステリシス補正を示す模式図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電部材状態推定装置におけるパラメータ算出器の構成例を示すブロック図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電部材状態推定装置におけるヒステリシス補正器の構成例を示すブロック図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例として、平均電流、ΔQ及び温度に対応付けられたヒステリシス補正の補正量が記述されたテーブルを示す模式図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例として、平均電流、ΔQ及び温度に対応付けられたヒステリシス補正の補正値の関数を示す模式図である。 本開示の第2の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第3の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 ΔQに基づく開回路電圧の有効性判定を示す模式図である。 本開示の第3の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第4の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第4の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第5の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第5の実施形態の蓄電部材状態推定装置におけるOCVカーブ算出器の構成例を示すブロック図である。 本開示の第5の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第5の実施形態の第1の変形例の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第5の実施形態の第1の変形例の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第6の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第6の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の第7の実施形態の蓄電部材状態推定装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の第7の実施形態の蓄電部材状態推定装置の動作例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態の電池パックの構成例を示す回路構成図である。 本開示の実施形態の電動車両の構成例を示すブロック図である。 本開示の実施形態の蓄電装置の構成例を示すブロック図である。
以下、本開示を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する複数の実施形態は、本開示の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本開示の範囲が狭く解釈されることはない。また、各実施形態において、互いに対応する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施形態
(蓄電部材の電流から算出されたパラメータに基づいて開回路電圧のヒステリシス補正を行う蓄電部材状態推定装置の例)
2.第2の実施形態
(電流高頻度方向、平均電流及びΔQをパラメータとし、温度を加味したヒステリシス補正の補正量を算出する蓄電部材状態推定装置の例)
3.第3の実施形態
(補正前の開回路電圧のヒステリシス補正の有効性を判定する蓄電部材状態推定装置の例)
4.第4の実施形態
(充電状態値を推定する蓄電部材状態推定装置の例)
5.第5の実施形態
(開回路電圧カーブを推定する蓄電部材状態推定装置の例)
6.第5の実施形態の第1の変形例
(開回路電圧カーブに基づいて充電状態値の推定精度を改善する蓄電部材状態推定装置の例)
7.第6の実施形態
(劣化状態値を推定する蓄電部材状態推定装置の例)
8.第7の実施形態
(通信によって蓄電部材の状態の測定結果を取得する蓄電部材状態推定装置の例)
9.第8の実施形態
(蓄電部材状態推定装置を備える電池パックの例)
10.第9の実施形態
(蓄電部材状態推定装置を備える電動車両の例)
11.第10の実施形態
(蓄電部材状態推定装置を備える蓄電装置の例)
<1.第1の実施形態>
[装置の構成例]
図1は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。蓄電部材状態推定装置100は、図1に示すように、大別して、パラメータ算出器110と、第1のOCV算出器120と、ヒステリシス補正器130とを備える。
[パラメータ算出器110]
パラメータ算出器110は、蓄電部材2の電流値を取得する構成である。パラメータ算出器110は、図1に示すように、電流読み取り器3によって読み取られた蓄電部材2の電流値が直接又は間接的に入力される構成であってもよいが、これに限定されない。パラメータ算出器110は、取得された電流値に基づいてパラメータを算出する構成である。
パラメータは、後述するヒステリシス補正に適用可能であれば具体的な態様は限定されず、蓄電部材2の充放電の履歴を反映した種々のパラメータを採用してもよい。
パラメータ算出器110の具体的な態様は限定されない。例えば、パラメータ算出器110は、電子回路を含んでいてもよい。この場合、電子回路は、デジタル回路を含んでいてもよい。この場合、パラメータ算出器110は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサなどを備えていてもよい。パラメータ算出器110が実行するプログラムすなわち蓄電部材状態推定プログラムは、ROM(Read Only Memory)などの記憶装置に保存されていてもよい。パラメータ算出器110は、蓄電部材状態推定プログラムを実行する際に、RAMなどの記憶装置を作業領域として用いてもよい。
蓄電部材2の種類や個数や接続方式などの具体的な態様も限定されない。蓄電部材2は、二次電池やハイブリッドキャパシタなどであってもよい。二次電池は、リチウムイオン二次電池などであってもよい。リチウムイオン二次電池は、正極材料にオリビン型リン酸鉄を用いたリチウムイオン二次電池などであってもよい。
電流読み取り器3の具体的な態様も限定されない。例えば、電流読み取り器3は、蓄電部材2の電路に接続された電流測定回路などによって具現化してもよい。電流読み取り器3は、パラメータ算出器110に接続されていて、パラメータ算出器110に電流値を出力してもよい。または、電流読み取り器3は、不図示の使用履歴記憶器に接続されていて、電流値を使用履歴記憶器に履歴情報の一部として記録してもよい。この場合、パラメータ算出器110は、使用履歴記憶器に記憶された電流値を読み込んでもよい。
[第1のOCV算出器120]
第1のOCV算出器120は、蓄電部材2の電圧値を取得する構成である。第1のOCV算出器120は、図1に示すように、電圧読み取り器4によって読み取られた蓄電部材2の電圧値が直接又は間接的に入力される構成であってもよい。第1のOCV算出器120は、取得された電圧値に基づいて蓄電部材2の開回路電圧(以下、OCVと称する)を算出する構成である。以下、第1のOCV算出器120によって算出されるOCVを、補正前OCVと称する。第1のOCV算出器120は、補正前OCVの算出に電流値を用いてもよい。
補正前OCVの具体的な算出方法は限定されない。例えば、蓄電部材2の電流値0Aの状態における電圧データに基づいて補正前OCVを算出してもよい。より具体的には、第1のOCV算出器120は、時間をカウントしながら一定時間分の電流値0Aの状態における電圧データを蓄積し、時間0秒からの電圧降下量を次の数式1でフィッティングしてもよい。
Figure 2015166710
但し、数式1において、tは時間であり、A、Bはフィッティングパラメータである。そして、第1のOCV算出器120は、時間0秒のときの電圧からAだけ減じた値を補正前OCVの算出値としてもよい。
第1のOCV算出器120の具体的な態様は限定されない。例えば、第1のOCV算出器120は、パラメータ算出器110と一体又は別体の電子回路を含んでもよい。第1のOCV算出器120は、蓄電部材状態推定プログラムを実行することによって補正前OCVの算出機能を実現してもよい。
電圧読み取り器4の具体的な態様も限定されない。例えば、電圧読み取り器4は、蓄電部材2に並列接続された電圧測定回路などによって具現化してもよい。電圧読み取り器4は、第1のOCV算出器120に接続されていて、第1のOCV算出器120に電圧値を出力してもよい。または、電圧読み取り器4は、不図示の使用履歴記憶器に接続されていて、電圧値を使用履歴記憶器に履歴情報の一部として記録してもよい。この場合、第1のOCV算出器120は、使用履歴記憶器に記憶された電圧値を読み込んでもよい。
[ヒステリシス補正器130]
ヒステリシス補正器130は、パラメータ算出器110によって算出されたパラメータが入力される構成である。ヒステリシス補正器130は、第1のOCV算出器120によって算出された補正前OCVが入力される構成である。ヒステリシス補正器130は、入力されたパラメータに基づいて、入力された補正前OCVのヒステリシス(以下、OCVヒステリシスと称する)による誤差を低減するヒステリシス補正を行う構成である。ここで、OCVヒステリシスとは、後述のように、充電の頻度(換言すれば、充電電流の積算値)が放電の頻度(換言すれば、放電電流の積算値)よりも高い場合と放電の頻度が充電の頻度よりも高い場合とで、OCVカーブの形状が異なることを言う。ヒステリシス補正器130は、ヒステリシス補正後のOCV(以下、補正後OCVと称する)を、後段に出力する構成である。
ヒステリシス補正の具体的な態様は限定されない。例えば、ヒステリシス補正器130は、パラメータ算出器110によって算出されたパラメータを引数としてテーブルを参照することや、該パラメータを関数に代入することなどによって、パラメータに対応するヒステリシス補正の補正量を算出してもよい。そして、ヒステリシス補正器130は、算出された補正量に基づいて、第1のOCV算出器120によって算出された補正前OCVを補正してもよい。
ヒステリシス補正器130の具体的な態様は限定されない。例えば、ヒステリシス補正器130は、パラメータ算出器110または第1のOCV算出器120もしくはこれらの双方と一体又は別体の電子回路を含んでもよい。ヒステリシス補正器130は、蓄電部材状態推定プログラムを実行することによってヒステリシス補正機能を実現してもよい。
[装置の動作例]
図2は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図2に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。図2の動作例の開始のトリガは限定されず、例えば、蓄電部材状態推定装置100の稼働開始などをトリガとしてもよい。ただし、本開示に係る蓄電部材状態推定方法は、蓄電部材状態推定装置100以外の構成で具現化されてもよい。
先ず、図2のステップ1(S1)では、第1のOCV算出器120により、補正前OCVを算出する。
次いで、ステップ2(S2)において、パラメータ算出器110により、蓄電部材2の電流値に基づいてパラメータを算出する。ステップ2(S2)は、ステップ1(S1)と前後が入れ替わってもよく、または、ステップ1(S1)と同時でもよい。
次いで、ステップ3において、ヒステリシス補正器130により、ステップ1(S1)において算出された補正前OCVに対して、ステップ2(ST2)において算出されたパラメータに基づくヒステリシス補正を行って、処理を終了する。
本実施形態の蓄電部材状態推定装置100によれば、ヒステリシス補正を行うことで、充放電の履歴を考慮してOCVを精度良く推定することができる。
ここで、OCVすなわち十分緩和した開放電圧は、蓄電部材の状態を捉える特性値として大変有効であり、SOCや蓄電部材の劣化状態(SOH)の推定に用いることができる。SOCを推定する方法としては、図3に示すように、予め取得されているSOCとOCVとの対応関係を示すカーブ(以下、参照OCVカーブと称する)を参照することによって、推定又は実測されたOCVに対応するSOCを推定する方法がある。図3に示すように、OCVカーブは、充電の頻度が放電の頻度よりも高い場合(一点鎖線のカーブ)と、放電の頻度が充電の頻度よりも高い場合(二点鎖線のカーブ)とで形状が大きく異なる。この現象を、OCVヒステリシスと称する。SOCを精度良く推定するためには、充電の頻度と放電の頻度との大小関係に応じて参照OCVカーブを使い分ける必要がある。図3の例で言えば、充電の頻度が相対的に高い場合には、一点鎖線で示される第1の参照OCVカーブc1を参照し、放電の頻度が相対的に高い場合には、二点鎖線で示される第2の参照OCVカーブc2を参照することになる。また、SOHを推定する方法としては、推定又は実測されたOCVカーブの形状に対して、予め取得された参照OCVカーブの形状を収縮やシフトなどによって変えながらフィッティングをかけることによってSOHを推定する方法がある。
しかしながら、OCVヒステリシスは、充放電履歴に応じて大きさが変化し、状況によって正確にOCVが得られる場合とそうでない場合があることが確認された。
具体的には、図4Aに示すように、完全放電状態から充電が放電よりも高い頻度で行われ続ける場合や、完全充電状態から放電が充電よりも高い頻度で行われ続ける場合には、実際のOCVカーブCは参照OCVカーブc1とほぼ重なる。このような場合には、OCVから正確にSOCおよびSOHを推定することができるので、OCVは、正確なSOCおよびSOHの推定に寄与し得る高精度すなわち正確性が高い値となる。
一方、蓄電部材2の用途、特に車載用途や大型蓄電用途などでは、完全充電状態または完全放電状態になるタイミングが限られるため、上述のように常時正確にOCVを推定もしくは実測することは難しい。従って、実際は、充電が放電よりも高い頻度で行われる状態(すなわち、充電が支配的な状態)と放電が充電よりも高い頻度で行われる状態(すなわち、放電が支配的な状態)とが頻繁に切り替わることが殆どである。このように、完全充電又は完全放電状態に至る前に充放電のうちの頻度が高い状態が一方から他方に遷移する過程(以下、遷移過程と称する)では、OCVが一方の参照OCVカーブ側から他方の参照OCVカーブ側へ非線形な形状を呈しながら連続的に変化する。図4Aに示すように、遷移過程では、実際のOCVカーブCの形状が参照OCVカーブc2の形状と大きく異なる。このため、遷移過程において得られるOCVをそのまま参照OCVカーブc2に対応付けてSOCを推定しようとする場合には、たとえ参照OCVカーブc2がOCVヒステリシスを考慮したものであると雖もSOC及びSOHの推定誤差は大きくなる。また、図4Aに示すように、遷移過程後の充放電のうちの頻度が高い状態が暫く切り替わっていない過程(以下、非遷移過程と称する)においても、実際のOCVカーブCと参照OCVカーブc2が乖離している状態が続く。このため、非遷移過程において得られるOCVをそのまま参照OCVカーブc2に対応付けてSOCを推定しようとする場合にも、SOC及びSOHの推定誤差が生じることになる。更に、図4Bに示すように、充放電のうちの頻度が高い状態が複数回切り替わる場合も同様に、遷移過程と非遷移過程を辿るため、OCVをそのまま用いる場合には、SOC及びSOHの推定誤差が生じることになる。このように、遷移過程および非遷移過程で得られるOCVは、SOCおよびSOHの推定誤差を招くため、精度が悪い値となる。
これに対し、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、上記の如くヒステリシス補正を行うことで、補正前OCVを補正後OCVに修正することができるので、SOCやSOHの高精度な推定に寄与し得る高精度なOCVを推定することができる。例えば、図5に示すように、遷移過程において補正前OCVが得られたとしても、これを補正後OCVに変更して参照OCVカーブc2に対応付けることができるので、補正前OCVを適用した場合に得られる不正解SOCではなく、正解SOCを得ることができる。
<2.第2の実施形態>
[装置の構成例]
図6および図7は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図1の蓄電部材状態推定装置100に対して、パラメータ算出器110およびヒステリシス補正器130の構成が更に特定されている。以下、詳細に説明する。
図6に示すように、本実施形態のパラメータ算出器110は、平均電流算出器111と、電流方向判定器112と、ΔQ算出器113とを備える。図7に示すように、本実施形態のヒステリシス補正器130は、ヒステリシス補正量算出器131と第2のOCV算出器132とを備える。
[平均電流算出器111]
平均電流算出器111は、蓄電部材2の電流値と、時間情報とが入力される構成である。平均電流算出器111は、入力された電流値と時間情報とに基づいて平均電流値を算出する構成である。図6に示すように、時間情報は、時間読み取り器5によって読み取られたものであってもよい。平均電流値の算出の所要時間すなわち平均電流値が何時間分の電流値の平均であるのかは限定されない。
時間読み取り器5の具体的な態様は限定されず、例えば、プロセッサの計時ブロックなどの種々の態様を採用することができる。時間読み取り器5は、平均電流算出器111に接続されていて、平均電流算出器111に時間情報を出力してもよい。または、時間読み取り器5は、不図示の使用履歴記憶器に接続されていて、時間情報を使用履歴記憶器に履歴情報の一部として記録してもよい。この場合、平均電流算出器111は、使用履歴記憶器に記憶された時間情報を読み込んでもよい。
[電流方向判定器112]
電流方向判定器112は、平均電流算出器111によって算出された平均電流値が入力される構成である。電流方向判定器112は、入力された平均電流値に基づいて、蓄電部材2を流れる電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向(以下、電流高頻度方向と称する)を判定する構成である。電流方向判定器112は、平均電流値に基づいて電流高頻度方向を判定できるのであれば、頻度自体を算出することは必ずしも要しない。電流高頻度方向の判定結果は、電流が蓄電部材2に流れ込む方向すなわち充電であるか、又は、電流が蓄電部材2から流れ出る方向すなわち放電であるかを示す情報となる。電流高頻度方向の判定期間は限定されず、例えば、平均電流値の算出の所要時間であってもよい。電流方向判定器112は、平均電流値が正の値をとる場合に電流高頻度方向を充電方向と判定し、平均電流値が負の値をとる場合に電流高頻度方向を放電方向と判定してもよいが、これに限定されない。本開示は、電流方向判定器112が、電流積算値などの平均電流値以外のパラメータに基づいて電流高頻度方向を判定することを除外しない。電流積算値を用いる場合、充電側の電流積算値が放電側の電流積算値よりも大きい場合には電流高頻度方向が充電方向であると判定し、放電側の電流積算値が充電側の電流積算値よりも大きい場合には電流高頻度方向が放電方向であると判定すればよい。
[ΔQ算出器113]
ΔQ算出器113は、電流方向判定器112による電流高頻度方向の判定結果が入力される構成である。ΔQ算出器113は、入力された電流高頻度方向の判定結果に基づいて、電流高頻度方向が切り替わってからの充放電容量(以下、ΔQと称する)[Ah]を算出する構成である。ΔQは、電流高頻度方向が放電から充電に切り替わった場合には、充電に切り替わってからの充電容量である。また、ΔQは、電流高頻度方向が充電から放電に切り替わった場合には、放電に切り替わってからの放電容量である。ΔQ算出器113は、ΔQの算出に、電流値および時間情報(例えば、電流の時間積分など)を更に用いてもよい。
[ヒステリシス補正量算出器131]
ヒステリシス補正量算出器131は、パラメータ算出器110によって算出されたパラメータすなわち平均電流値、電流高頻度方向およびΔQが入力される構成である。ヒステリシス補正量算出器131は、入力されたパラメータに基づいて、ヒステリシス補正の補正量(以下、ヒステリシス補正量と称する)を算出する構成である。ヒステリシス補正量算出器131は、蓄電部材2の温度などのパラメータ算出器110の算出結果以外のパラメータも、ヒステリシス補正量の算出に用いてもよい。図7には、温度読み取り器6で読み取られた蓄電部材2の温度がヒステリシス補正量算出器131に入力される態様が示されているが、本開示はこれに限定されない。温度読み取り器6は、温度測定回路などによって具現化してもよい。温度読み取り器6は、ヒステリシス補正量算出器131に接続されていて、ヒステリシス補正量算出器131に温度を出力してもよい。または、温度読み取り器6は、不図示の使用履歴記憶器に接続されていて、温度を使用履歴記憶器に履歴情報の一部として記録してもよい。この場合、ヒステリシス補正量算出器131は、使用履歴記憶器に記憶された温度を読み込んでもよい。
ここで、図8は、ヒステリシス補正量算出用の参照データの一例として、パラメータに対応付けられたヒステリシス補正量のテーブルを示す。図8Aは、電流高頻度方向が放電すなわち電流の符号が負である場合のテーブルである。図8Bは、電流高頻度方向が充電すなわち電流の符号が正である場合のテーブルである。各テーブルのヒステリシス補正量ΔV[V]は、平均電流値、ΔQおよび温度(ここでは、T=T)に対応付けられている。ヒステリシス補正量は、更に、SOCの推定値にも対応付けられていてもよい。ヒステリシス補正量算出器131は、パラメータに対応するヒステリシス補正量を図8のテーブルを参照して一義的に抽出することによってヒステリシス補正量を算出してもよい。ヒステリシス補正量算出器131は、パラメータに一致するヒステリシス補正量がテーブル中に存在しない場合には、線形補間等の補間処理によってヒステリシス補正量を算出してもよい。
図9は、ヒステリシス補正量算出用の参照データの図8以外の例として、パラメータに対応付けられたヒステリシス補正量の関数を示す。図9の関数は、横軸をΔQ、縦軸をヒステリシス補正量ΔVとした温度Tにおける平均電流値(ItA)ごとの関数となっている。ヒステリシス補正量算出器131は、パラメータを図9の関数に代入することによってヒステリシス補正量を算出してもよい。ヒステリシス補正量の算出は、テーブルまたは関数を参照して行うことに限定されない。ヒステリシス補正量算出用の参照データは、ヒステリシス補正量算出器131が記憶していてもよく、または、ヒステリシス補正量算出器131以外の記憶器に記憶されていてもよい。
また、ヒステリシス補正量算出器131は、ヒステリシス補正量算出用の参照データを、任意の方法で推定したSOHに基づいて数値を変更して用いてもよい。数値の変更方法としては、例えば充電容量が10%減少した際にはテーブルの各値を1.1倍する等の方法が挙げられるが、本開示はこれに限定されない。
[第2のOCV算出器132]
第2のOCV算出器132は、ヒステリシス補正量算出器131によって算出されたヒステリシス補正量が入力される構成である。第2のOCV算出器132は、入力されたヒステリシス補正量を用いて補正後OCVを算出する構成である。補正後OCVの算出は次の数式2にしたがってもよい。
Figure 2015166710
但し、式中のVaは、補正後OCVである。Vbは補正前OCVである。ΔVはヒステリシス補正量である。
第2のOCV算出器132は、算出された補正後OCVを後段に出力する構成である。補正後OCVの算出は、補正前OCVにヒステリシス補正量を加算することに限定されない。
[装置の動作例]
図10は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図10に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本実施形態では、図2のステップ2(S2)の具体例として、ステップ21(S21)〜ステップ23(S23)の一連の工程を実行する。また、本実施形態では、図2のステップ3(S3)の具体例として、ステップ31(S31)およびステップ32(S32)の一連の工程を実行する。
具体的には、ステップ21(S21)では、平均電流算出器111により、電流値および時間情報などに基づいて、蓄電部材2の平均電流値を算出する。
ステップ22(S22)では、電流方向判定器112により、ステップ21(S21)において算出された平均電流値に基づいて電流高頻度方向を判定する。
ステップ23(S23)では、ΔQ算出器113により、ステップ22(S22)において判定された電流高頻度方向に基づいて、電流高頻度方向すなわち充放電の切り替わりを検知し、切り替わり後に取得される電流値および時間情報などに基づいてΔQを算出する。
ステップ31(S31)では、ヒステリシス補正量算出器131により、ステップ21(S21)〜ステップ23(S23)において算出された各パラメータおよび必要に応じたその他のパラメータ(温度など)に基づいて、ヒステリシス補正量を算出する。
ステップ32(S32)では、第2のOCV算出器132により、ステップ31(S31)において算出されたヒステリシス補正量に基づいて補正後OCVを算出する。
本実施形態によれば、図1の蓄電部材状態推定装置100と同様の効果を奏することができ、または、平均電流値、電流高頻度方向またはΔQなどといったOCVヒステリシスの変化を反映したパラメータに基づくことで、ヒステリシス補正の精度を向上させることができる。なお、ヒステリシス補正量が対応付けられたパラメータは、平均電流値、電流高頻度方向およびΔQの全てではなく、少なくとも1つであってもよい。また、これ以外にヒステリシス補正量が更に対応付けられたパラメータは、蓄電部材2の電流値、温度およびSOC推定値の少なくとも1つであってもよい。これらの場合にも、ヒステリシス補正の精度を向上させることができる。
<3.第3の実施形態>
[装置の構成例]
図11は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図1の蓄電部材状態推定装置100に対して、構成が追加されている。
具体的には、図11に示すように、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図1の構成に加え、OCV有効性判定器140を備える。
[OCV有効性判定器140]
OCV有効性判定器140は、パラメータ算出器110によって算出されたパラメータおよび第1のOCV算出器120によって算出された補正前OCVが入力される構成である。OCV有効性判定器140は、入力されたパラメータに基づいて、入力された補正前OCVがヒステリシス補正の対象として有効であるか否かの判定(以下、OCV有効性判定と称する)を行う構成である。そして、OCV有効性判定器140は、OCV有効性判定の結果を示すOCV有効性フラグを、補正前OCVに対応付ける構成である。例えば、OCV有効性判定器140は、補正前OCVが有効である場合には、該補正前OCVのデータに対応付けてOCV有効性フラグを「1」にセットしてもよいが、これに限定されない。また、OCV有効性判定器140は、補正前OCVが有効でない場合には、該補正前OCVのデータに対応付けてOCV有効性フラグを「0」にセットしてもよいが、これに限定されない。OCV有効性フラグのセットは、OCV有効判定器140内またはOCV有効判定器140外の記憶領域を用いて行ってもよい。
ヒステリシス補正器130は、OCV有効性フラグを読むことで有効な補正前OCVを検知し、検知された有効な補正前OCVを対象としてヒステリシス補正を行う構成である。ヒステリシス補正器130は、補正前OCVが有効でない場合には、有効な補正前OCVが検出されるまでヒステリシス補正を待機する構成である。
OCV有効性判定の具体的な態様は限定されない。例えば、OCV有効性判定器140は、図12に示すようにΔQに基づくOCV有効性判定を行う場合には、ΔQが閾値ΔQthを超えたか否かを判定基準とし、ΔQが閾値ΔQthを超えた場合に、有効である旨のOCV有効性フラグを出力してもよい。この場合、誤差が乗りやすい遷移過程の開始当初の補正前OCVをヒステリシス補正の対象から除外することができるので、ヒステリシス補正の精度を更に向上させることができる。OCV有効性判定は、ΔQに基づく場合に限定されない。OCV有効性判定は、ΔQ以外のパラメータ算出器110の算出結果や、電流値、温度およびSOC推定値の少なくとも1つに基づいて行ってもよい。
OCV有効性判定器140の具体的な態様は限定されない。例えば、OCV有効性判定器140は、パラメータ算出器110、第1のOCV算出器120およびヒステリシス補正器130の少なくとも1つと一体又は別体の電子回路を含んでもよい。OCV有効性判定器140は、蓄電部材状態推定プログラムを実行することによってOCV有効性判定機能を実現してもよい。
[装置の動作例]
図13は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図13に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本実施形態では、図2に対して工程が追加されている。具体的には、図13に示すように、本実施形態では、図2のステップ2(S2)とステップ3(S3)との間において、ステップ4(S4)を実行する。ステップ4(S4)では、OCV有効性判定器140により、OCV有効性判定を行う。そして、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ3(S3)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ1(S1)に戻る。
本実施形態によれば、図1の蓄電部材状態推定装置100と同様の効果を奏することができ、または、ヒステリシス補正の精度を更に向上させることができる。
<4.第4の実施形態>
[装置の構成例]
図14は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図1の蓄電部材状態推定装置100に対して構成が追加されている。
具体的には、図14に示すように、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図1の構成に加えて、SOC算出器150を備える。
[SOC算出器150]
SOC算出器150は、ヒステリシス補正器130から出力された補正後OCVが入力される構成である。SOC算出器150は、入力された補正後OCVに基づいてSOCを算出すなわち推定する構成である。SOCの算出は、補正後OCVを図3に示した参照OCVカーブに対応付けることによって行ってもよい。参照OCVカーブは、SOC算出器150が記憶しておいてもよく、または、SOC算出器150以外の記憶器に記憶されていてもよい。
SOC算出器150の具体的な態様は限定されない。例えば、SOC算出器150は、パラメータ算出器110、第1のOCV算出器120およびヒステリシス補正器130の少なくとも1つと一体又は別体の電子回路を含んでもよい。SOC算出器150は、蓄電部材状態推定プログラムを実行することによってSOC算出機能を実現してもよい。
[装置の動作例]
図15は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図15に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本実施形態では、図2に対して工程が追加されている。具体的には、図15に示すように、本実施形態では、図2のステップ3(S3)の後に、ステップ5(S5)を実行する。ステップ5(S5)では、SOC算出器150により、補正後OCVおよび参照OCVカーブを用いてSOCを算出する。
本実施形態によれば、高精度な補正後OCVを用いることで、たとえ遷移過程および非遷移過程(図4参照)のいずれの過程にある場合においても、図5に示したような正解SOCを適切に推定することができる。
<5.第5の実施形態>
[装置の構成例]
図16は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図14の蓄電部材状態推定装置100に対して構成が追加されている。
具体的には、図16に示すように、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図14の構成に加えて、OCVカーブ算出器160を備える。
[OCVカーブ算出器160]
OCVカーブ算出器160は、ヒステリシス補正器130から出力された補正後OCVが入力される構成である。OCVカーブ算出器160は、SOC算出器150によって推定されたSOCが入力される構成である。OCVカーブ算出器160は、入力された補正後OCVおよびSOCに基づいてOCVカーブ(以下、推定OCVカーブと称する)を算出する構成である。
OCVカーブ算出器160のより具体的な構成を図17に示す。図17に示すように、OCVカーブ算出器160は、OCVプロット記憶器161とOCVカーブ作成器162とを備える。
[OCVプロット記憶器161]
OCVプロット記憶器161は、ヒステリシス補正器130から補正後OCVが入力される構成である。OCVカーブ算出器160は、SOC算出器150からSOCが入力される構成である。OCVカーブ算出器160は、パラメータ算出器110によって算出された電流高頻度方向が入力される構成である。OCVプロット記憶器161は、入力された補正後OCVとSOCと電流高頻度方向とをOCVプロットとしてセットで記憶する構成である。OCVカーブ算出器160は、OCVプロットを、電流高頻度方向に応じて充電および放電の2つに分けて記憶する構成である。
[OCVカーブ作成器162]
OCVカーブ作成器162は、OCVプロット記憶器161に記憶されたOCVプロットに基づいて推定OCVカーブを作成する構成である。具体的には、OCVカーブ作成器162は、電流高頻度方向が正のOCVプロットに基づいて、充電側の推定OCVカーブを作成する。また、OCVカーブ作成器162は、電流高頻度方向が負のOCVプロットに基づいて、放電側の推定OCVカーブを作成する。すなわち、OCVカーブ作成器162は、電流高頻度方向の違いに応じた2つの推定OCVカーブを作成する構成である。
OCVカーブ算出器160の具体的な態様は限定されない。例えば、OCVカーブ算出器160は、パラメータ算出器110、第1のOCV算出器120、ヒステリシス補正器130およびSOC算出器150の少なくとも1つと一体又は別体の電子回路を含んでもよい。OCVカーブ算出器160は、蓄電部材状態推定プログラムを実行することによって推定OCVカーブの算出機能を実現してもよい。
[装置の動作例]
図18は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図18に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本実施形態では、図15に対して工程が追加されている。具体的には、図18に示すように、本実施形態では、図15のステップ5(S5)の後に、ステップ6(S6)を実行する。ステップ6(S6)では、OCVカーブ算出器160により、補正後OCV、電流高頻度方向およびSOCに基づいて、推定OCVカーブを算出する。なお、ステップ6(S6)は、ステップ1(S1)〜ステップ5(S5)が閾値回数繰り返されることによって十分な個数のOCVプロットが取得されたことを契機として行ってもよいが、これに限定されない。
本実施形態によれば、図14の蓄電部材状態推定装置100と同様の効果を奏することができ、または、高精度な補正後OCVおよびこれに基づいて高精度に推定されたSOCに基づいて、OCVカーブを高精度に推定することができる。また、電流高頻度方向を考慮した2つのOCVカーブを得ることで、OCVカーブの推定精度を更に向上させることができる。
<6.第5の実施形態の第1の変形例>
[装置の構成例]
図19は、本変形例の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。本変形例の蓄電部材状態推定装置100は、図16の蓄電部材状態推定装置100に対して、SOC算出器150の構成が更に特定されている。
具体的には、図19に示すように、本変形例の蓄電部材状態推定装置100は、OCVカーブ算出器160が、推定OCVカーブをSOC算出器150に出力する構成である。SOC算出器150は、OCVカーブ算出器160から入力された推定OCVカーブを、参照OCVカーブ(図3参照)として用いる構成である。SOC算出器150は、入力された推定OCVカーブそのものを参照OCVカーブとして用いてもよく、または、推定OCVカーブを加工したものを参照OCVカーブとして用いてもよい。SOC算出器150は、推定OCVカーブまたはこれを加工したものを、現在用いられている参照OCVカーブに替わって新たに用いられる参照OCVカーブとして指定してもよい。この指定は、参照OCVカーブとして用いることを示すフラグを、推定OCVカーブまたはこれを加工したものに対応付けて記録することによって行ってもよいが、これに限定されない。
[装置の動作例]
図20は、本変形例の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図20に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本変形例では、図18に対して工程が追加されている。具体的には、図20に示すように、本変形例では、図18のステップ6(S6)の後に、ステップ7(S7)を実行する。ステップ7(S7)では、SOC算出器150により、ステップ6(S6)において算出された推定OCVカーブを、SOCの算出に新たに用いる参照OCVカーブとして設定する。
本実施形態によれば、図16の蓄電部材状態推定装置100と同様の効果を奏することができ、又は、推定OCVカーブを参照OCVカーブに利用できるので、蓄電部材2が劣化してOCVカーブが変化した場合においても、SOCを正確に推定することができる。さらに、正確なSOCの推定によってより正確なOCVプロットが算出され、ひいては、正確なOCVカーブを算出することができるため、永続的に高精度なSOC推定およびSOH推定を実現することが可能となる。
<7.第6の実施形態>
[装置の構成例]
図21は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の構成例を示すブロック図である。本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図16の蓄電部材状態推定装置100に対して構成が追加されている。
具体的には、図21に示すように、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図16の構成に加えて、SOH算出器170を備える。
[SOH算出器170]
SOH算出器170は、OCVカーブ算出器160による推定OCVカーブの算出結果が入力される構成である。SOH算出器170は、入力された推定OCVカーブに基づいてSOHを算出する構成である。SOH算出器170は、参照OCVカーブの形状を収縮やシフトなどによって変えながら推定OCVカーブにフィッティングをかけることによってSOHを推定してもよいが、本開示はこれに限定されない。
SOH算出器170の具体的な態様は限定されない。例えば、SOH算出器170は、パラメータ算出器110、第1のOCV算出器120、ヒステリシス補正器130、SOC算出器150およびOCVカーブ算出器160の少なくとも1つと一体又は別体の電子回路を含んでもよい。SOH算出器170は、蓄電部材状態推定プログラムを実行することによってSOH算出機能を実現してもよい。
[装置の動作例]
図22は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図22に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本実施形態では、図18に対して工程が追加されている。具体的には、図22に示すように、本実施形態では、図18のステップ6(S6)の後に、ステップ8(S8)を実行する。ステップ8(S8)では、SOH算出器170により、ステップ6(S6)において算出された推定OCVカーブに基づいてSOHを算出する。
本実施形態によれば、図16の蓄電部材状態推定装置100と同様の効果を奏することができ、または、高精度な推定OCVカーブを用いることで、SOHを高精度に推定することができる。
<8.第7の実施形態>
[装置の構成例]
本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、図14の蓄電部材状態推定装置100に対して構成が更に特定されている。具体的には、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100は、通信によって取得された少なくとも電流値を含む蓄電部材2の状態の測定結果に基づいて、ヒステリシス補正および補正後OCVに基づく蓄電部材2の状態値の算出を行う構成である。
より具体的な構成例を図23に示す。図23に示すように、蓄電部材状態推定装置100は、通信器180を備える。パラメータ算出器110は、通信器180を介して、蓄電部材2の電流情報を通信によって受信する。そして、パラメータ算出器110は、受信情報に基づいてパラメータを算出する。また、第1のOCV算出器120は、通信器180を介して、蓄電部材2の電圧情報を通信によって受信する。そして、第1のOCV算出器120は、受信情報に基づいて補正前OCVを算出する。このようにして算出されたパラメータおよび補正前OCVが、ヒステリシス補正器130によるヒステリシス補正およびSOC算出器150によるSOCの算出に用いられる。
蓄電部材状態推定装置100は、蓄電部材2と隔離された位置に存在してもよい。蓄電部材状態推定装置100は、ネットワークを介して蓄電部材2側の構成と通信接続されてもよい。ネットワークは、外部ネットワーク等であってもよい。外部ネットワークは、インターネット等であってもよい。蓄電部材状態推定装置100は、インターネット上のサーバなどであってもよい。蓄電部材状態推定装置100による蓄電部材2の情報の受信形態は限定されず、如何なるルートを経て蓄電部材2の情報が蓄電部材状態推定装置100に受信されようと本開示の範囲内である。通信器180の通信方式等の具体的な態様も限定されない。蓄電部材2側にも、蓄電部材2の状態の測定結果を蓄電部材状態推定装置100に送信する通信器を設置してもよい。
[装置の動作例]
図24は、本実施形態の蓄電部材状態推定装置100の動作例を示すフローチャートである。図24に示す動作例は、本開示に係る蓄電部材状態推定方法の一実施形態である。
本実施形態では、図15のステップ1(S1)の前に、ステップ9(S9)を実行する。具体的には、ステップ9(S9)では、通信器180により、蓄電部材2の状態の測定結果を受信する。受信のトリガは限定されない。例えば、蓄電部材状態推定装置100側から蓄電部材2側に蓄電部材2の情報を要求し、蓄電部材2側が要求に応答する構成でもよく、または、常時もしくは定期的に蓄電部材2側から蓄電部材状態推定装置100側に蓄電部材2の情報が送信される構成でもよい。
本実施形態によれば、図14の蓄電部材状態推定装置100と同様の効果を奏することができ、または、複数の場所に存在する蓄電部材2の状態を単一の蓄電部材状態推定装置100によって推定することも可能となる。
<9.第8の実施形態>
図25は、図1の蓄電部材状態推定装置100を電池パック800に適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パック800は、蓄電部材状態推定装置100、蓄電部材2の一例である二次電池21および充放電回路810を備える。
蓄電部材状態推定装置100は、パラメータ算出器110、第1のOCV算出器120およびヒステリシス補正器130が、制御回路101に組み込まれている。また、蓄電部材状態推定装置100は、メモリ102を有している。このメモリ102は、RAMやROMからなり、例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等からなるものであってもよい。メモリ102には、制御回路101に蓄電部材状態推定装置100としての機能を実行させるためのプログラムやデータなどが記憶されている。この他にも、メモリ102には、制御回路101で演算された数値や、製造工程の段階で測定された蓄電部材2の初期状態における内部抵抗値などが予め記憶され、また適宜、書き換えが可能とされていてもよい。
また、蓄電部材状態推定装置100は、電流測定回路103、電圧測定回路104および温度測定回路106を備える。電流測定回路103は、二次電池21の電流値を測定し、測定結果を制御回路101に出力する。電流測定回路103の具体的な態様は限定されず、例えば、二次電池21の電路に接続された電流センサやアナログフロントエンドなどによって構成されてもよい。電圧測定回路104は、二次電池21の端子電圧を測定し、測定結果を制御回路101に出力する。電圧測定回路104の具体的な態様は限定されず、例えば、二次電池21に並列接続された電圧センサやアナログフロントエンドなどによって構成されてもよい。温度測定回路106は、二次電池21の温度を測定し、測定結果を制御回路101に出力する。温度測定回路106の具体的な態様は限定されず、例えば、二次電池21に設置されたサーミスタやアナログフロントエンドなどによって構成されてもよい。
蓄電部材状態推定装置100は、推定された二次電池21の電池状態又はこれに基づく算出値すなわち他の電池状態のデータを、不図示の表示装置に出力してもよい。表示装置は、蓄電部材状態推定装置100から入力されたデータに基づいて、電池状態を示す画像を表示してもよい。画像は、電池残量レベルを表示する画像であってもよいが、これに限定されない。表示装置は、電池パック800に備えられてもよく、または、電池パック800に接続される機器に備えられてもよい。
図25の構成では、二次電池21が複数配置されている。具体的には、図25の構成では、二次電池21の並列接続ブロックが、複数直列接続されている。電圧測定回路104は、各並列接続ブロックの電圧を測定してもよい。温度測定回路106は、各二次電池21のすべての温度を測定してもよく、または、代表的な1又は複数の二次電池21の温度を測定してもよい。各二次電池21の接続の態様は、図25に示す態様に限定されない。
充放電回路810は、正極端子811と、負極端子812と、両極端子811、812間に配線された電源ライン813と、電源ライン813上に配置された充電制御スイッチ814および放電制御スイッチ815とを有する。また、充放電回路810は、各スイッチ814、815に並列接続されたダイオード816、817を有する。
充電時には、正極端子811が充電器の正極端子に接続され、負極端子812が充電器の負極端子に接続され、充電が行われる。また、放電時には、正極端子811が負荷の正極端子に接続され、負極端子812が負荷の負極端子に接続され、放電が行われる。負荷の具体的な態様は限定されない。例えば、負荷は、電池パック800とともに電子機器を構成する機器本体部であってもよい。電子機器は、ノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナーおよび信号機などであってもよい。
充電制御スイッチ814に並列接続されたダイオード816は、正極端子811から二次電池21の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子812から二次電池21の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。一方、放電制御スイッチ815に並列接続されたダイオード817は、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。尚、図25の構成では、+側にスイッチ814、815を設けているが、−側に設けてもよい。
充電制御スイッチ814は、制御回路101からの充電制御信号COに基づいて、オン状態またはオフ状態に制御される。充電制御スイッチ814のオフ状態においては、ダイオード816を介することによって放電のみが可能となる。
放電制御スイッチ815は、制御回路101からの放電制御信号DOに基づいて、オン状態またはオフ状態に制御される。放電制御スイッチ815のオフ状態においては、ダイオード817を介することによって充電のみが可能となる。
充電制御スイッチ814は、電圧が過充電検出電圧となった場合にオフされてもよい。また、充電制御スイッチ814は、充電時に大電流が流れた場合にもオフされてもよい。また、放電制御スイッチ815は、電圧が過放電検出電圧となった場合にオフされてもよい。また、放電制御スイッチ815は、放電時に大電流が流れた場合にもオフされてもよい。
充電制御スイッチ814および放電制御スイッチ815としては、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを用いてもよい。この場合、ダイオード816、817は、MOSFETの寄生ダイオードであってもよい。スイッチ816、817としてPチャンネル型FETを使用した場合は、制御回路101は、スイッチ814、815のゲートに対して制御信号CO、DOを供給してもよい。また、スイッチ814、815は、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってオンされてもよい。すなわち、通常の充放電動作では、制御信号CO、DOをローレベルとしてもよい。そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号CO、DOをハイレベルとし、スイッチ814、815がオフ状態とされてもよい。
また、制御回路101は、二次電池21の検出温度に基づいて、異常発熱時に充放電制御を行ってもよい。
本実施形態によれば、蓄電部材状態推定装置100を備えることで、OCVを高精度に推定することができる電池パックを実現することができる。
<10.第9の実施形態>
図26は、本開示の蓄電部材状態推定装置100が適用されるハイブリッド車両900の構成の一例を概略的に示す。ハイブリッド車両900は、本開示の電動車両の一実施形態である。ハイブリッド車両900は、シリーズハイブリッドシステムを採用する。シリーズハイブリッドシステムは、エンジンで動かす発電機で発電された電力を用いて、電力駆動力変換装置によって走行する車である。ハイブリッド車両900は、エンジン901、発電機902、電力駆動力変換装置903、駆動輪904、車輪905、バッテリ22、車両制御装置906、各種センサ907、充電口908、充放電制御装置909および蓄電部材状態推定装置100を備える。バッテリ22は、蓄電部材2の一形態である。
ハイブリッド車両900は、電力駆動力変換装置903を動力源として走行する。電力駆動力変換装置903は、例えばモータであってもよい。充放電制御装置909は、バッテリ22と電力駆動力変換装置903とを接続してバッテリ22に蓄積された電力を電力駆動力変換装置903に放電させることで、電力駆動力変換装置903を作動させる。そして、この電力駆動力変換装置903の回転力が、駆動輪904に伝達される。なお、電力駆動力変換装置903としては、交流モータおよび直流モータのいずれも適用可能である。各種センサ907は、車両制御装置906を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度すなわちスロットル開度を制御したりする。各種センサ907には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれてもよい。
ハイブリッド車両900は、エンジン901の回転力が発電機902に伝えられ、その回転力によって電力が生成される。充放電制御装置909は、発電機902とバッテリ22とを接続して、発電機902により生成された電力をバッテリ22に蓄積させる。また、図示しない制動機構によってハイブリッド車両900が減速すると、減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置903に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置903により生成された回生電力をバッテリ22に蓄積することも可能である。さらに、バッテリ22は、充放電制御装置909を介してハイブリッド車両900の外部の電源に接続されることで、その電源から充電口908を入力口として供給された電力を蓄積することも可能である。
蓄電部材状態推定装置100は、バッテリ22の状態又はこれに基づく算出値すなわちバッテリ22の他の状態のデータを、表示のために不図示の車内の表示装置に出力してもよい。車内の表示装置は、車載器やインストルメントパネルの表示装置などであってもよいが、これらに限定されない。
なお、本開示の電動車両は、エンジンとモータの出力をいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータで走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても有効に適用可能である。さらには、本開示の電動車両は、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する車両に対しても有効に適用可能である。
本実施形態によれば、蓄電部材状態推定装置100を備えることで、OCVを高精度に推定することができる電動車両を実現することができる。
<11.第10の実施形態>
図27は、本開示の蓄電部材状態推定装置100が適用される蓄電装置1000の構成例を示す。蓄電装置1000は、例えば住宅やビルなどの建物に適用される。
図27に示すように、蓄電装置1000は、火力1011、原子力1012、水力1013などの集中型電力系統1010から、電力網1002、情報網1003、スマートメータ1004、パワーハブ1005等を介して、蓄電部材2に電力が供給される。これにより、蓄電部材2が充電される。また、蓄電部材2には、家庭内発電装置1006の独立電源からも電力が供給される。蓄電部材2に蓄積された電力は、例えば、冷蔵庫1021、エアコン1022、テレビ1023、風呂1024などの屋内の電力消費装置1020に供給される。また、蓄電部材2の電力は、例えば、電気自動車1031、ハイブリッドカー1032、電気バイク1033などの屋外の電力消費装置1030に供給される。
電力網1002は、直流給電、交流給電および非接触給電のいずれか一つ又は複数による電力供給を行う構成であってもよい。情報網1003は、Zigbee(登録商標)、PLC (Power Line Communications)、WiFi(登録商標)およびBlue tooth(登録商標)のいずれの通信方式を用いてもよい。スマートメータ1004は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。発電装置1006は、太陽電池や燃料電池などであってもよい。
また、図27に示すように、蓄電装置1000は、制御装置1040を備え、この制御装置1040は、本開示の蓄電部材状態推定装置100を含む。
また、図27に示すように、蓄電装置1000は、各種センサ1007を備える。各種センサ1007は、例えば、人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外センサなどであってもよい。各種センサ1007により取得された情報は、制御装置1040に送信される。
また、図27に示すように、蓄電装置1000は、サーバ1008を備える。サーバ1008は、制御装置1040と接続されている。サーバ1008は、住宅、電力会社およびサービスプロバイダーのいずれに管理されていてもよい。サーバ1008が送受信する情報は、例えば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報および電力取引に関する情報などであってもよい。これらの情報は、家庭内の電力消費装置1020(例えばテレビ)から送受信してもよいが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信してもよい。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビ、携帯電話機、PDAなどに、好適に表示されてもよい。また、蓄電部材状態推定装置100は、蓄電部材2の状態又はこれに基づく算出値すなわち蓄電部材2の他の状態のデータを、該状態の表示のために表示装置に出力してもよい。
制御装置1040は、蓄電部材状態推定装置100の機能に加え、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、制御装置1040は、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていてもよい。
本実施形態によれば、蓄電部材状態推定装置100を備えることで、OCVを高精度に推定することができる蓄電装置を実現することができる。
上述の各実施形態および変形例は、これらを適宜組み合わせてもよい。任意の1つの実施形態または変形例中のある構成部を、他の実施形態または変形例に追加したり、他の実施形態または変形例中の構成部と置換したりする場合も、本開示の範囲内である。
例えば、第3の実施形態を、第4〜第7の実施形態のいずれかと組み合わせてもよい。その場合、SOC算出器150は、OCV有効性判定器140の判定結果が否定的である場合に、ヒステリシス補正器130から補正後OCVが出力されないこと、又は、OCV有効性フラグが否定的であること等に基づき、SOCの算出を行わないことが望ましい。このようにすることで、SOCの推定誤差を未然に回避することができる。
各実施形態および変形例に記載された作用効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の作用効果があってもよい。本開示は、各実施形態および変形例に記載された複数の作用効果のいずれか一つを奏すればよい。
また、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
(1)取得された蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、
前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、
前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器と
を備える蓄電部材状態推定装置。
(2)前記パラメータは、前記蓄電部材の電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向、前記蓄電部材の平均電流および前記電流が流れる頻度が高い方向が切り替わってからの充放電容量の少なくとも1つを含む(1)記載の蓄電部材状態推定装置。
(3)前記ヒステリシス補正器は、前記パラメータに対応する前記開回路電圧の補正量を算出するヒステリシス補正量算出器と、前記ヒステリシス補正量算出器によって算出された前記補正量に基づいて前記ヒステリシス補正後の開回路電圧を算出する第2の開回路電圧算出器と、を備える(1)又は(2)記載の蓄電部材状態推定装置。
(4)前記ヒステリシス補正量算出器は、前記蓄電部材の電流値、温度および充電状態推定値の少なくとも1つに更に対応する前記補正量を算出する構成の(3)記載の蓄電部材状態推定装置。
(5)前記パラメータ、前記蓄電部材の電流値、温度および充電状態推定値の少なくとも1つに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧が前記ヒステリシス補正の対象として有効であるか否かを判定する開回路電圧有効性判定器を更に備え、
前記ヒステリシス補正器は、前記開回路電圧有効性判定器によって有効と判定された開回路電圧に対する前記ヒステリシス補正を行う構成の(1)〜(4)のいずれか記載の蓄電部材状態推定装置。
(6)前記ヒステリシス補正後の開回路電圧に基づいて前記蓄電部材の充電状態値を算出する充電状態算出器を更に備える(1)〜(5)のいずれか記載の蓄電部材状態推定装置。
(7)前記充電状態算出器によって算出された前記充電状態値に基づいて前記蓄電部材の開回路電圧カーブを算出する開回路電圧カーブ算出器を更に備える(6)記載の蓄電部材状態推定装置。
(8)前記パラメータは、前記蓄電部材の電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向を含み、
前記開回路電圧カーブ算出器は、前記ヒステリシス補正後の開回路電圧、前記パラメータ算出器によって算出された前記電流が流れる頻度が高い方向および前記充電状態算出器によって算出された充電状態値を記憶する記憶器と、前記記憶器に記憶された情報に基づいて、前記電流が流れる頻度が高い方向の違いに応じた2つの開回路電圧カーブを作成する開回路電圧カーブ作成器と、を備える(7)記載の蓄電部材状態推定装置。
(9)前記開回路電圧カーブ算出器によって算出された前記開回路電圧カーブに基づいて前記蓄電部材の劣化状態値を算出する劣化状態算出器を更に備える(7)又は(8)記載の蓄電部材状態推定装置。
(10)通信によって取得された少なくとも電流値を含む前記蓄電部材の状態の測定結果に基づいて、前記ヒステリシス補正および前記ヒステリシス補正後の開回路電圧に基づく前記蓄電部材の状態値の算出を行う構成の、(1)〜(9)のいずれか記載の蓄電部材状態推定装置。
(11)コンピュータを、
取得された蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出する手段、
前記蓄電部材の開回路電圧を算出する手段、
算出された前記パラメータに基づいて、算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行う手段
として機能させるための蓄電部材状態推定プログラム。
100 蓄電部材状態推定装置
110 パラメータ算出器
120 第1のOCV算出器
130 ヒステリシス補正器
2 蓄電部材

Claims (14)

  1. 取得された蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、
    前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、
    前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器と
    を備える蓄電部材状態推定装置。
  2. 前記パラメータは、前記蓄電部材の電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向、前記蓄電部材の平均電流および前記電流が流れる頻度が高い方向が切り替わってからの充放電容量の少なくとも1つを含む請求項1記載の蓄電部材状態推定装置。
  3. 前記ヒステリシス補正器は、前記パラメータに対応する前記開回路電圧の補正量を算出するヒステリシス補正量算出器と、前記ヒステリシス補正量算出器によって算出された前記補正量に基づいて前記ヒステリシス補正後の開回路電圧を算出する第2の開回路電圧算出器と、を備える請求項1記載の蓄電部材状態推定装置。
  4. 前記ヒステリシス補正量算出器は、前記蓄電部材の電流値、温度および充電状態推定値の少なくとも1つに更に対応する前記補正量を算出する構成の請求項3記載の蓄電部材状態推定装置。
  5. 前記パラメータ、前記蓄電部材の電流値、温度および充電状態推定値の少なくとも1つに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧が前記ヒステリシス補正の対象として有効であるか否かを判定する開回路電圧有効性判定器を更に備え、
    前記ヒステリシス補正器は、前記開回路電圧有効性判定器によって有効と判定された開回路電圧に対する前記ヒステリシス補正を行う構成の請求項1記載の蓄電部材状態推定装置。
  6. 前記ヒステリシス補正後の開回路電圧に基づいて前記蓄電部材の充電状態値を算出する充電状態算出器を更に備える請求項1記載の蓄電部材状態推定装置。
  7. 前記充電状態算出器によって算出された前記充電状態値に基づいて前記蓄電部材の開回路電圧カーブを算出する開回路電圧カーブ算出器を更に備える請求項6記載の蓄電部材状態推定装置。
  8. 前記パラメータは、前記蓄電部材の電流の方向における電流が流れる頻度が高い方向を含み、
    前記開回路電圧カーブ算出器は、前記ヒステリシス補正後の開回路電圧、前記パラメータ算出器によって算出された前記電流が流れる頻度が高い方向および前記充電状態算出器によって算出された充電状態値を記憶する記憶器と、前記記憶器に記憶された情報に基づいて、前記電流が流れる頻度が高い方向の違いに応じた2つの開回路電圧カーブを作成する開回路電圧カーブ作成器と、を備える請求項7記載の蓄電部材状態推定装置。
  9. 前記開回路電圧カーブ算出器によって算出された前記開回路電圧カーブに基づいて前記蓄電部材の劣化状態値を算出する劣化状態算出器を更に備える請求項7記載の蓄電部材状態推定装置。
  10. 通信によって取得された少なくとも電流値を含む前記蓄電部材の状態の測定結果に基づいて、前記ヒステリシス補正および前記ヒステリシス補正後の開回路電圧に基づく前記蓄電部材の状態値の算出を行う構成の、請求項1記載の蓄電部材状態推定装置。
  11. 二次電池と、
    蓄電部材状態推定装置と、を備え、
    前記蓄電部材状態推定装置は、
    取得された前記二次電池の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、
    前記二次電池の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、
    前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器と
    を備える、電池パック。
  12. 蓄電部材と、
    蓄電部材状態推定装置と、
    前記蓄電部材から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、を備え、
    前記蓄電部材状態推定装置は、
    取得された前記蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、
    前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、
    前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器と
    を備える、電動車両。
  13. 蓄電部材と、
    蓄電部材状態推定装置と、を備え、
    前記蓄電部材状態推定装置は、
    取得された前記蓄電部材の電流値に基づいてパラメータを算出するパラメータ算出器と、
    前記蓄電部材の開回路電圧を算出する第1の開回路電圧算出器と、
    前記パラメータ算出器によって算出された前記パラメータに基づいて、前記第1の開回路電圧算出器によって算出された前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行うヒステリシス補正器と
    を備える、蓄電装置。
  14. 取得された蓄電部材の開回路電圧に対して、取得された前記蓄電部材の電流値に基づいて算出されたパラメータに基づいて、前記開回路電圧のヒステリシスによる誤差を低減するヒステリシス補正を行う蓄電部材状態推定方法。
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