JP6926733B2 - 石炭灰及び石炭灰を含むセメント組成物 - Google Patents

石炭灰及び石炭灰を含むセメント組成物 Download PDF

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Description

本発明は、石炭灰及びそれを用いたセメント組成物に関する。
昨今の電力需要の増加に伴って発電所の稼働率が上昇し、特に火力発電所における石炭の燃焼に起因して発生するフライアッシュ(石炭灰)の発生量は年々増加している。その一方で、国内の埋め立て地が逼迫していることから、火力発電所から発生した石炭灰を廃棄物として廃棄することは困難となりつつある。石炭灰の再利用方法として、セメント用混合材として石炭灰を用いる方法が着目されており、セメントへの石炭灰の混合量を増加させることは環境負荷低減の観点から益々重要となっている。
現在のポルトランドセメントの標準規格であるJIS R5210:2009では、ポルトランドセメントに混合できるフライアッシュ等の少量混合材の混合量は5質量%以下とすることが規定されている。一方、石炭灰のセメント中への混合量を増加させると、セメントの強度発現性が低下するという問題が生じる。
石炭灰混合量の増加に伴うセメントの強度発現低下を解決する方法として、フライアッシュを更に灰化し微粉砕することで未燃炭素量を低減させる方法(特許文献1)や超微粉砕したフライアッシュを使用する方法(特許文献2)が提案されている。
その他の方法として、フリーライム量等(特許文献3)や、粒度分布及び比表面積等(特許文献4)といった石炭灰の物性値から強度発現性を計算式により予測し、強度発現性に優れた石炭灰を選別利用する方法が提案されている(特許文献3及び4)。
特開平11−11999号公報 特開平11−322399号公報 特開2009−121988号公報 特開2011−133344号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、回収したフライアッシュを改質する工程が更に必要となり、生産コストが増大する。
また、特許文献3及び4に記載の方法では、強度発現性に優れた石炭灰を計算値により選別評価しているため、計算値による選別条件を満たさないがセメントに使用可能な石炭灰が除外され、取りこぼしが生じてしまう。その結果、セメントとして使用可能な石炭灰は少なくなり、石炭灰の再利用を目的としてセメントへの石炭灰混合量を増加させることは困難となる。
セメントへの石炭灰混合量を増加した場合でも、セメントの高い強度を発現可能な石炭灰をより多く確保する為には、上記の従来技術とは異なる観点から、石炭灰の物性を選別評価できる方法が望まれている。
そこで発明者は上記課題を解決すべく検討した結果、石炭灰の円形度が低い粒子を特定量使用することによって、石炭灰の混合量を増加させてセメントに添加した場合であっても、強度発現性に優れる石炭灰と、それをセメントに混合することによって強度発現性に優れるセメント組成物とを提供できることを見出した。
本発明は、円形度が0.8以下である粒子を10%以上含む石炭灰を提供するものである。
また本発明は、円形度が0.8以下である粒子を10%以上含む石炭灰を含むセメント組成物を提供するものである。
本発明によれば、円形度が低い石炭灰を使用することにより、JIS規格に規定されている少量添加材としての混合割合(5質量%以下)を超えて石炭灰を添加しても、強度発現性に優れたセメント組成物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。まず、本発明の石炭灰について説明する。
本発明で用いられる石炭灰は、石炭の燃焼によって生成したものであれば特に限定されない。例えば、石炭火力発電所にて石炭を燃焼した際に生成する灰であって、電気集塵機等で回収されるフライアッシュや、燃焼ボイラから落下採取されるクリンカアッシュ等を用いることができる。廃棄物低減の観点から、クリンカアッシュと比較して生成量が多いフライアッシュが、本発明の石炭灰として好適に用いられる。
本発明における石炭灰は、電気集塵機等で回収されたものをそのまま使用してもよく、あるいは回収された石炭灰を更に分級又は粉砕して改質したものを使用してもよい。また電気集塵機に設けられている複数の回収段区のうち、いずれかの段区に個別に回収されている石炭灰をそのまま使用することもできる。
電気集塵機に設けられている回収段区から個別に回収された石炭灰は、平均粒径、表面積、含有成分などの物性がそれぞれ異なることが知られている。一般的に、電気集塵機を通過する排気ガス下流側の段区で回収された石炭灰は、排気ガス上流側の段区で回収された石炭灰と比較して、平均粒径が小さく、ブレーン比表面積が大きく、且つ未燃炭素含有量が少ないことが知られている。本発明では、後述する円形度及びブレーン比表面積を満たす石炭灰を特段の改質を必要とせずに簡便に得る観点から、電気集塵機の排気ガス下流側の段区で個別回収された石炭灰をそのまま使用することが好ましい。
本発明における石炭灰は、その粒子形状として、円形度が異なる粒子を特定の割合で含んでいることを特徴の一つとしている。円形度とは、粒子を平面視したときの形状が真円に近いか否かを示す尺度である。円形度は、評価対象の粒子を平面視したときの面積(S)及び周囲長(L)から、以下の式(1)により算出することができる。
円形度=4πS/L・・・(1)
身近な図形を例に挙げると、式(1)から算出される真円の円形度は1.00であり、正方形の円形度は0.79、正三角形の円形度は0.60である。つまり、円形度が高い(1に近い)粒子の形状は真円に近いことを示し、円形度が低い(1から遠ざかる)粒子の形状は歪であることを示す。このように、本発明の石炭灰は、円形度の高低を見積もることによって、本発明に好適に用いられる石炭灰の粒子形状を判断、選別することができる。
本発明における石炭灰は、その円形度が0.8以下である粒子を石炭灰中の全粒子数に対する粒子数の割合で10%以上含むことが好ましく、20%以上70%以下含むことがより好ましく、25%以上70%以下含むことが更に好ましく、28%以上60%以下含むことが一層好ましい。また、円形度が0.6以上0.7以下である粒子を石炭灰中の全粒子数に対する粒子数の割合で1%以上含むことが好ましく、10%以上含むことがより好ましく、また20%以下含むことが好ましい。更に、円形度が0.5以下の粒子を10%以下含むことが好ましく、2%以上5%以下含むことがより好ましく、2.4%以上4%以下含むことが更に好ましい。これらの円形度を有する石炭灰を用いることによって、石炭灰の混合量を多くした場合でもセメント組成物の充填性及び強度発現性を向上させることができる。
本発明における石炭灰は、その円形度が0.8以下である粒子を石炭灰中の全粒子数に対する粒子数の割合で10%以上含むことを前提として、更に円形度が0.8超である粒子を石炭灰中の全粒子数に対する粒子数の割合で80%以上、特に83%以上含んでいることが好ましい。この場合においても、上述のとおり、石炭灰の混合量を多くした場合におけるセメント組成物の充填性及び強度発現性を向上させることができる。
円形度が0.8以下である粒子を含む石炭灰をセメント組成物に使用した場合に、石炭灰の混合量を増やしても強度発現性が向上する理由は明らかではないが、発明者らは以下のように推測している。
円形度が0.8超である粒子のみを含む石炭灰をセメント組成物に使用した場合、石炭灰の粒子の大多数が球形に近い粒子であることに起因して、石炭灰粒子間又は石炭灰粒子と他の原料との間に空隙が生じやすくなってしまい、セメント組成物の充填性を高めることができなくなる。それに対して、本発明の石炭灰である、円形度が0.8以下である粒子を所定量含む石炭灰をセメント組成物に使用した場合、石炭灰の粒子が歪な形状を有する粒子であることに起因して、歪な石炭灰粒子が石炭灰粒子間又は石炭灰粒子と他の原料との間に生じた空隙を埋めるように入り込み、全体として密な構造を形成する。その結果、硬化時の充填性及び強度発現性を向上させることができる。
上述の形状を有する石炭灰は、石炭の燃焼によって生じたものを粉砕又は分級することで得ることができる。また、粉砕した石炭灰と分級した石炭灰とを混合して使用してもよい。石炭灰の粉砕方法は特に限定されず、例えばボールミル、ジェットミル、ロッドミル、ブレードミル等の機器を使用することができる。セメント組成物の作製時における混合の利便性の観点から、ボールミルにより石炭灰を粉砕することが好ましい。上述した円形度を達成するためには、例えば、ボールミルを用いる場合には、回転数50〜100rpmで50〜120分間粉砕すれば良い。またこのような処理を加えることで、石炭灰のブレーン比表面積を好適な範囲とすることもできる。石炭灰のブレーン比表面積については後述する。
石炭灰の分級方法も特に限定されず、例えば空気分級、静電分級、篩い分級等の方法により、所望の粒度分布を有する石炭灰を分離、作製することができる。上述した円形度を達成するためには、例えば、空気分級機を用いる場合には、回転数3000〜4000rpm、風量1〜5m/minで分級すれば良い。またこのような処理を加えることで、石炭灰のブレーン比表面積を好適な範囲とすることもできる。石炭灰のブレーン比表面積については後述する。
本発明における石炭灰の粒子形状の評価方法は特に限定されないが、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像の解析結果から、円形度を算出することにより評価することができる。SEMの倍率も特に限定されないが、石炭灰の粒径が1μm以下の粒子も含めて測定する観点から、1000倍以上の倍率で行うことが好ましい。石炭灰の粒子形状の具体的な評価方法は、後述の実施例に詳述する。
本発明における石炭灰の形状は上述のとおりであるところ、その粒度分布に関しては、レーザ回折式粒度分布測定法又は画像解析によって測定された平均粒径が1μm以上10μm以下である粒子を50体積%以上含むことが好ましく、60体積%以上90体積%以下含むことがより好ましく、70体積%以上90体積%以下含むことが更に好ましい。このような範囲の粒度分布を有する石炭灰を用いることで、硬化初期及び長期の強度発現性を向上させることができる。石炭灰の粒度分布は、レーザ回折式粒度分布測定法にて測定する場合、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、品番SALD−2200)を用いて測定することができる。また、石炭灰の粒度分布を画像解析によって測定する場合は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した石炭灰粒子の画像を解析して測定することができる。
本発明における石炭灰のブレーン比表面積は、5000cm/g以上であることが好ましく、5000cm/g以上10000cm/g以下であることがより好ましく、7000cm/g以上9000cm/g以下であることが更に好ましい。このようなブレーン比表面積を有する石炭灰を使用することによって、石炭灰と後述するセメントとの反応性を向上させ、強度発現性を高めることができる。ブレーン比表面積は、JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に従い、ブレーン空気透過装置を用いて測定することができる。
次に、本発明の石炭灰を含むセメント組成物及びその製造方法を説明する。本発明のセメント組成物は、上述の石炭灰に加えて、結合剤を含むものである。また本発明のセメント組成物は、更に石灰石及び/又は他の成分を含むことができる。
本発明におけるセメント組成物における石炭灰の含有量は、石炭灰をより多くセメントに含有させて有効利用する観点から、0.1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、1質量%以上25質量%未満であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが更に好ましく、5質量%超10質量%以下であることが一層好ましい。
本発明のセメント組成物に含まれる結合剤は、セメントを含むものである。結合剤に用いられるセメントは特に限定されず、例えばJIS R 5210に規定されるポルトランドセメントを使用することができる。
セメントの製造方法も特に限定されず、例えばセメントクリンカ(以下、クリンカともいう。)に石膏を添加して、ボールミル等により粉砕、混合して製造することができる。クリンカ及び石膏の配合比は、本発明のセメント組成物に要求される性状に応じて適宜調節することができる。また石炭灰の添加方法も特に限定されない。例えば、クリンカ、石膏及び石灰石からなる群より選ばれる1種以上と石炭灰とを同時にミルで混合粉砕し、後から残りの材料を加えてセメントを製造することができる。また、セパレーター部分で石炭灰を個別で投入してもよいし、粉砕されたセメントと石炭灰とを直接混合してもよい。セパレーター部分で石炭灰を個別に投入すると、セパレーターの回転数を調節することにより、任意の粗さの石炭灰をミル側に戻して粉砕し、石炭灰の粒度・円形度の分布を制御することができるので好ましい。
クリンカの原料及び製造方法についても特に限定されるものではなく、例えば石灰石、高炉スラグ、石炭灰、下水汚泥、建設発生土、珪石、銅がらみ、粘土等のクリンカの製造に通常使用されている原料を、ロータリーキルン等の一般的なセメント焼成設備で焼成し、その焼成物を本発明に用いられるクリンカとすることができる。
石膏の種類や製造方法は特に限定されず、例えば二水石膏や半水石膏、無水石膏等を使用することができる。
結合剤としてクリンカ及び石膏を含むセメントを用いる場合、そのブレーン比表面積は、1000cm/g以上8000cm/g以下であることが好ましく、2000cm/g以上5000cm/g以下であることがより好ましく、2500cm/g以上4500cm/g以下であることが更に好ましく、3000cm以上4000cm/g以下であることが特に好ましい。セメントのブレーン比表面積が1000cm/g未満であると、モルタル又はコンクリートの強度が低くなる傾向にあり、セメントのブレーン比表面積が8000cm/gを超えると、モルタル又はコンクリートの流動性が低下する傾向にある。ブレーン比表面積は、JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に従い、測定することができる。
本発明のセメント組成物における結合剤の含有量は、10質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、85質量%以上95質量%以下であることが更に好ましく、90質量%以上95質量%以下であることが一層好ましい。セメント組成物に含まれる結合剤の含有量がこのような範囲であれば、石炭灰の含有量に依存せず強度発現性を維持することができる。
本発明のセメント組成物には、更に石灰石が含まれていてもよい。本発明に用いられる石灰石は、主成分として炭酸カルシウムを含有していれば、その種類や製造方法に特に制限はない。
本発明のセメント組成物における石灰石の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上5質量%以下であることが更に好ましい。セメント組成物に含まれる石灰石の含有量がこのような範囲であれば、石炭灰の含有量に依存せず強度発現性を維持することができる。
本発明のセメント組成物には、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、細骨材、粗骨材、水、混和剤等が挙げられる。本発明のセメント組成物に細骨材、粗骨材、水及び/又は混和剤を加えることによって、セメントペーストやモルタル、コンクリートといった流動性を持つセメント組成物とすることができる。
細骨材としては、JIS A 5005「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の細骨材などを用いることができる。具体例として、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、硬質高炉スラグ細骨材、高炉スラグ細骨材、銅スラグ細骨材、及び電気炉酸化スラグ細骨材等を使用することができる。これらのうち一種を単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。本発明のセメント組成物における細骨材の含有量は、セメント組成物100質量部に対して、150質量部以上350質量部以下であることが好ましい。
粗骨材としては、例えば、JIS A 5005「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の粗骨材などを用いることができる。具体例として、砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材、及び電気炉酸化スラグ粗骨材等を使用することができる。これらのうち一種を単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。本発明のセメント組成物における粗骨材の含有量は、セメント組成物100質量部に対して、150質量部以上350質量部以下であることが好ましい。
混和剤としては、例えばAE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、消泡剤、収縮低減剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、増粘剤等を使用することができる。求められる性能に応じて、これらのうち一種を単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。本発明のセメント組成物における混和剤の含有量は、セメント組成物100質量部に対して、0質量部以上2質量部以下であることが好ましい。
水としては例えば、水道水、蒸留水又は脱イオン水などを使用すればよい。本発明のセメント組成物における水の含有量は、セメント組成物100質量部に対して、30質量部以上60質量部以下であることが好ましい。水の含有量が30質量部未満であると、所定のフレッシュ性状(流動性、空気量等)や成形性の確保が難しくなる傾向にあり、水の含有量が60質量部を超えると、圧縮強度や耐久性が低下する傾向にある。
本実施形態に係るセメント組成物の製造方法は、一般的な方法で行うことができる。例えば結合剤として、クリンカ及び石膏をボールミルに加えて粉砕してセメントを作製したあと、そのセメントに石炭灰及び石灰石を所定量加えてミキサ等により混合し、セメント組成物を製造することができる。これらの工程の順序は問わず、任意の工程から行うことができる。
本発明のセメント組成物には、必要に応じて、更に細骨材、粗骨材、水、化学混和剤等を添加してミキサに入れて練り混ぜることによって、モルタル又はコンクリートを製造することができる。練混ぜに使用するミキサは特に限定されず、モルタル用ミキサ、二軸強制練りミキサ、パン型ミキサ、グラウトミキサ等を使用することができる。
本発明の石炭灰は建築材料の製造原料として使用でき、本発明の石炭灰を含むセメント組成物は建築材料として、それぞれ好適に使用できる。このセメント組成物を、例えば水、細骨材及び化学混和剤と混合することで、強度発現性が向上したモルタルを容易に得ることができる。更に、この混和剤を、例えば結合剤、水、細骨材、粗骨材及び化学混和剤と混合することで、強度発現性が向上したコンクリートを容易に得ることができる。
以上のとおり、本発明の石炭灰によれば、円形度が低い歪な粒子であっても、高い強度発現が要求されるセメント組成物の原料として使用することができる。その結果、セメント組成物として使用可能な石炭灰の取りこぼしを少なくでき、石炭灰混合量の向上を可能にし、ひいては環境負荷の低減につながる。また、本発明のセメント組成物によれば、JIS規格の規定量以上に本発明の石炭灰を含む場合でも、強度発現性を効果的に向上させることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明の内容を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔1.石炭灰〕
実施例及び比較例においては、以下の石炭灰No.1〜4のいずれか一種を使用した。以下にこれらの石炭灰の製造方法を説明する。
(石炭灰No.1:EP灰)
発電所の電気集塵機によって捕集されたフライアッシュのうち、電気集塵機の排気ガス下流側に位置する回収段区である後段区(第3区)から直接回収した石炭灰を、石炭灰No.1とした。
(石炭灰No.2:粉砕灰)
発電所より受け入れた石炭灰250gを、鉄製の試験ボールミルを用いて、回転数80rpmで120分間粉砕し、これを石炭灰No.2とした。ボールミルのボール配合は個数割合で、10mmのボールを70部、20mmのボールを25部、30mmのボールを5部とした。石炭灰に対するボールの質量比は、1:17とした。
(石炭灰No.3:分級灰)
発電所より受け入れた石炭灰1000gを空気分級機(日清エンジニアリング株式会社製、ターボクラシファイアTC−15)により空気分級したものを、石炭灰No.3とした。分級条件は3500rpm、風量は2.5m/minとした。
(石炭灰No.4:JIS規格品)
JIS A6201:2008に規定されるフライアッシュII種の規格に適合するフライアッシュを、石炭灰No.4とした。
〔2.石炭灰の評価〕
以上に説明した石炭灰No.1〜4について、以下の項目(1)〜(4)に示す方法で各石炭灰の物性値及び粒子形状を評価した。
(1)石炭灰粒子の形状評価
石炭灰粒子の形状評価は、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製、TM3030型Microscope)を用いて撮影されたSEM画像の画像解析結果から円形度を求めることにより行った。評価対象の石炭灰をエタノールに分散させ、その分散液をカーボンテープに滴下した。エタノールを十分に乾燥させた後、これをサンプルとして、倍率1000倍でSEM画像の撮影を行った。
撮影した画像から画像解析装置を用いて、平面視における石炭灰粒子の面積及び周囲長を測定した。面積及び周囲長の測定点は300点〜500点を目安に行い、それらの算術平均値を用いた。面積平均値及び周囲長さ平均値から上述の式(1)を用いて円形度を求め、特定の円形度を満たす粒子数の石炭灰中の全粒子数に対する個数割合(%)を求めた。これらの結果を以下の表1に示した。
(2)石炭灰粒子の粒度分布測定
石炭灰粒子の粒度分布は、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用いて測定した。平均粒径が1μm以上10μm以下である粒子の割合は、得られた粒度分布から、1μm未満の粒度の最大値における積算値から、10μm以上の粒度の最大値における積算値を引くことによって算出した。
Figure 0006926733
(3)ブレーン比表面積
ブレーン比表面積は、JIS R5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。これらの測定結果を以下の表2に示した。
(4)28日活性度指数
28日活性度指数は、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に記載の方法により測定した。すなわち、普通ポルトランドセメント337.5±1.5gに対して、評価対象の石炭灰を112.5±0.5g、標準砂を1350±5g、及び水を225±1g加えて作製した試験モルタルについて材齢28日の圧縮強さを測定した。基準モルタルとして、石炭灰を入れずに普通ポルトランドセメント450±2.0gで作製し、材齢28日の圧縮強さを測定した。基準モルタルの材齢28日の圧縮強さに対する、各試験モルタルの材齢28日の圧縮強さの割合(%)を、以下の表2に示した。
Figure 0006926733
表1に示すとおり、石炭灰No.1(EP灰)及び石炭灰No.2(粉砕灰)は、他の石炭灰と比較して、円形度が0.8以下の粒子の割合が多くなっていることが判る。
また表2に示すとおり、石炭灰No.1〜3を用いた28日活性度指数は、石炭灰No.4を用いた28日活性度指数よりも高く、強度が高く発現していることが判る。特に、石炭灰の円形度が0.8以下の粒子の割合が多くなるにつれて、28日活性度指数が高くなっていることが判る。
〔3.モルタル圧縮強さの測定〕
結合剤としてクリンカと石膏とを混合粉砕したセメントを用い、そのセメントに石炭灰及び石灰石を表3に示す配合で混合して、実施例、比較例及び参考例のセメント組成物を作製した。石灰石は325メッシュに分級した炭酸カルシウムを使用した。
Figure 0006926733
表3に示す配合で原料を混合したセメント組成物450gに水225g及び標準砂1350gを混合してモルタルを作製し、そのモルタル圧縮強さを測定した。セメント組成物のモルタル圧縮強さの試験は、JIS R 5210「ポルトランドセメント」に記載の方法に従って行った。参考例1のモルタルの圧縮強さを100としたときの各実施例及び各比較例のモルタルの圧縮強さの比を、以下の表4に示す。
〔4.評価〕
以下の表4に示すとおり、円形度が高い粒子が多い石炭灰No.4を使用した場合(比較例1及び2)と比較して、円形度が低い粒子が多い石炭灰No.1〜3の石炭灰を使用した場合(実施例1〜5)では、石炭灰混合割合の増加に依存せず、モルタル圧縮強さに優れていることが判る。特に、セメント組成物に石炭灰No.2及び3を使用した場合(実施例4及び5)では、石炭灰のブレーン比表面積は石炭灰No.1よりも低くなっているにもかかわらず、実施例1〜3並びに比較例1及び2と比較して、高い3日圧縮強さ及び7日圧縮強さが得られることが判る。
Figure 0006926733
このように、本発明の円形度が低い石炭灰、つまり歪な形状の粒子を所定量含んだ石炭灰をセメント組成物の原料とすることで、石炭灰混合割合を増加した場合でも強度発現性に優れたセメント組成物を得ることができる。

Claims (5)

  1. 円形度が0.8以下である粒子を10%以上含み、
    円形度が0.8超である粒子を80%以上含む、石炭灰。
  2. 円形度が0.6以上0.7以下である粒子を1%以上含む、請求項1に記載の石炭灰。
  3. 平均粒径が1μm以上10μm以下である粒子を50体積%以上含む、請求項1又は2に記載の石炭灰。
  4. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の石炭灰と、結合剤とを含むセメント組成物。
  5. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の石炭灰を1質量%以上15質量%以下含み、結合剤を85質量%以上95質量%以下含み、石灰石を5質量%以下含む、セメント組成物。
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