以下、本発明の実施形態を説明する。
(1)第1実施形態の構成:
(2)電磁弁制御処理:
(3)第1実施形態の動作:
(4)水栓システムの回路構成の他の例:
(5)まとめ:
(1)第1実施形態の構成:
図1は、本実施形態に係る水栓システム1の概略を断面的に示した図である。水栓システム1は、対象物(人体や物体等)を検出して自動的な吐水を行うものであり、洗面台に備え付けられる洗面器2に対して吐水を行う。
洗面器2は、洗面カウンタ3の上面に設けられる。洗面カウンタ3上には、洗面器2のボール面2aに対して水を吐出するためのスパウトを構成する水栓4が設けられる。水栓4は、水を吐出する吐水口4aを有し、この吐水口4aから吐出される水が洗面器2のボール面2a内に吐出されるように設けられる。
水栓4が吐水口4aから吐出する水は、給水路5により供給される。給水路5は、水道管等の給水源から供給される水を吐水口4aへと導く。洗面器2には、排水路6が接続されている。排水路6は、吐水口4aから洗面器2のボール面2a内に吐水された水を排出する。
水栓システム1は、電磁弁7と、センサ部11と、制御コントローラ部12と、電源部13と、を備える。センサ部11と制御コントローラ部12と電源部13はそれぞれ分離されており、センサ部11は水栓4の内部に収容され、電磁弁7と制御コントローラ部12と電源部13は、洗面台の下側に収容される。
センサ部11と制御コントローラ部12は、接続ケーブル8で接続されており、制御コントローラ部12と電源部13は電源線L5とグランド線L6で接続されている。電源部13は電源線L5とグランド線L6と制御コントローラ部12と接続ケーブル8を介してセンサ部11に電源電圧を供給し、センサ部11は、接続ケーブル8を介して制御コントローラ部12を制御する。
電磁弁7は、給水路5に設けられ、給水路5の開閉を行う。電磁弁7が開くと、給水路5から供給される水が吐水口4aから吐出される吐水状態となり、電磁弁7が閉じると、給水路5から供給される水が吐水口4aから吐出されない止水状態となる。
電磁弁7は、制御コントローラ部12に接続されており、制御コントローラ部12は、電磁弁7を駆動して開/閉動作を制御する。電磁弁7は、制御コントローラ部12からの制御信号に従って電気的に制御され、給水路5の開閉を行う。このように、電磁弁7は、吐水口4aから吐水される水の給水路5を開閉する給水バルブとして機能する。
電磁弁7は、いわゆるラッチングソレノイドバルブと称される自己保持型電磁弁であり、ソレノイドコイルへの一方向への通電によって閉状態から開状態に動作(開動作)し、その後ソレノイドコイルへの通電を遮断しても開状態を保持し、ソレノイドコイルへの他方向への通電によって開状態から閉状態に動作(閉動作)し、その後ソレノイドコイルへの通電を遮断しても閉状態を保持する。
センサ部11は、吐水口4aに接近する対象物(手など)を検出する。この吐水口4aの吐水先が、センサ部11の検知領域となる。センサ部11は、伝播波を送信し、送信した伝播波を受けた人体等の対象物から反射した伝播波を受信することにより、対象物の位置や動き等を検出する。
なお、以下では、センサ部11の伝播波として赤外線を例に取り説明を行うが、センサ部11が用いる伝播波として、例えば、マイクロ波、ミリ波、超音波、可視光等を用いてもよいし、他の周波数の電波を伝播波に用いてもよい。また、マイクロ波を用いる場合は、センサ部11としてマイクロ波ドップラーセンサを用いてもよい。
センサ部11は、水栓4の吐水口4a近くの内部に設けられ、洗面台の使用者側(図1において左側)に向けて伝播波を送信するように配置される。これにより、センサ部11は、吐水口4aに人体が近づいてきたことや、吐水口4aに近づいた人体から吐水口4aに向けて手が差し出されたこと等を検出することができる。
センサ部11は、制御コントローラ部12に接続される。制御コントローラ部12は、センサ部11の出力する信号を入力されており、この信号に基づいて対象物の位置や動き等を検知する。そして、その検知結果に基づいて電磁弁7を制御する。
制御コントローラ部12は、センサ部11の出力する信号に基づいて電磁弁7の開/閉動作を制御する。このため、制御コントローラ部12には、センサ部11からの出力信号が入力される。また、制御コントローラ部12は、電磁弁7に対して制御信号を出力する。
次に、本実施形態の水栓システム1の電気的構成について具体的な回路例を挙げつつ説明する。図2は、本実施形態の水栓システム1の電気的構成の概略を説明するためのブロック図であり、図3は、本実施形態の水栓システム1の回路構成の1例を示す要部回路図である。
図2に示すように、センサ部11は、センサ111及び制御部112を備えており、制御コントローラ部12は、駆動部121を構成する駆動制御部21や、弁駆動部22と、電源遮断検出部23を備えており、電源部13は、電源部を構成する電源回路131を備えている。
センサ111は、赤外線を投光する投光素子、赤外線を受光する受光素子、及び物体検知処理部を備えている。物体検知処理部は、投光素子や受光素子の投光及び受光タイミングを制御したり、受光素子の受光した光信号に基づく物体検知を行ったりする。物体検知処理部は、対象物を検知すると検知信号を制御部112に出力する。
制御部112は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、入出力インターフェイス等の各種機能部分を備え、これら各種機能部分が、データ通信用のバス等により互いに通信可能に接続されている。
制御部112は、入出力インターフェイスとして、少なくとも、駆動制御部21に対して開指令信号S1を入出力するための入出力インターフェイスと、閉指令信号S2を入出力するための入出力インターフェイスを有する。
制御部112は、メモリとして、少なくとも、CPUが演算処理を行う際にワークエリアとして利用するメモリと、各種の情報を記憶するための不揮発性メモリと、CPUが水栓システム1を制御するために実行する制御プログラムを記憶するためのメモリと、を有する。これらメモリは、別々に用意してもよいし、単一のメモリを共用してもよい。
センサ部11と制御コントローラ部12とは、所定の接続ケーブルで接続されている。当該所定の接続ケーブルは、制御コントローラ部12がセンサ部11へ供給する電源を伝送するための電源ラインL5とGNDラインL6、及び、センサ部11が制御コントローラ部12へ出力する開指令信号S1を伝送するための第1信号ラインL1と閉指令信号S2を伝送するための第2信号ラインL2、の計4本の信号線により構成されている。
制御部112の出力する開指令信号S1は、第1信号ラインL1を介して駆動制御部21に入力され、制御部112の出力する閉指令信号S2は、第2信号ラインL2を介して駆動制御部21に入力される。
なお、開指令信号S1とは、電磁弁7を開弁するための開駆動の実行を駆動制御部21に対して指令するための信号であり、閉指令信号S2とは、電磁弁7を閉弁するための閉駆動の実行を駆動制御部21に対して指令するための信号である。
また、駆動制御部21は、第3信号ラインL3及び第4信号ラインL4を介して弁駆動部22と接続されている。第3信号ラインL3は、駆動制御部21と弁駆動部22との間で開駆動信号S3を伝送する信号ラインであり、第4信号ラインL4は、駆動制御部21と弁駆動部22との間で閉駆動信号S4を伝送する信号ラインである。
なお、開駆動信号S3とは、電磁弁7を開弁するための開弁動作の実行を弁駆動部22に対して指令するための信号であり、閉駆動信号S4とは、電磁弁7を閉弁するための閉弁動作を弁駆動部22に対して指令するための信号である。
なお、以下では、これら信号S1〜S4の出力状態は、アクティブ/非アクティブという語を用いて説明する。アクティブな開指令信号S1とは、駆動制御部21に対して電磁弁7の開駆動を指令する信号を意味し、非アクティブな開指令信号S1とは、駆動制御部21に対して電磁弁7の開駆動を指令しない信号を意味する。また、アクティブな閉指令信号S2とは、駆動制御部21に対して電磁弁7の閉駆動を指令する信号を意味し、非アクティブな閉指令信号S2とは、駆動制御部21に対して電磁弁7の閉駆動を指令しない信号を意味する。
また、アクティブな開駆動信号S3とは、電磁弁7を開弁させる駆動を指令する駆動信号を意味し、非アクティブな開駆動信号S3とは、電磁弁7を開弁させる駆動を指令しない駆動信号を意味する。また、アクティブな閉駆動信号S4とは、電磁弁7を閉弁させる駆動を指令する駆動信号を意味し、非アクティブな閉駆動信号S4とは、電磁弁7を閉弁させる駆動を指令しない駆動信号を意味する。
駆動制御部21は、弁駆動部22の開駆動を制御する開駆動制御回路211と、弁駆動部22の閉駆動を制御する閉駆動制御回路212とを備える。開駆動制御回路211は、制御部112から入力される開指令信号S1に基づいて開駆動信号S3を生成して弁駆動部22に出力する開駆動制御を行う。閉駆動制御回路212は、制御部112から入力される閉指令信号S2に基づいて閉駆動信号S4を生成して弁駆動部22に出力する閉駆動制御を行う。
開駆動制御回路211は、例えば、開指令信号S1をアクティブローの論理信号とし、開駆動信号S3をアクティブハイの論理信号とした場合、開指令信号S1の論理を反転した信号を生成して出力する回路で構成することが出来る。図3には、このような回路の一例として、論理を反転した信号を生成して出力するトランジスタ(図では電界効果トランジスタ)回路を例示してある。
図3に示す例では、開駆動制御回路211は、弁駆動部22がH型のブリッジ回路であるため、N型のFETとP型のFETを駆動することにより電磁弁7のソレノイドコイルの開方向(後述)に電流を流すようになっている。このため、N型のFETのゲートには、開駆動信号S3をそのまま印加しているが、P型のFETのゲートには、開駆動信号S3の論理を反転回路にて論理反転させた電圧を印加するようになっている。
このように、開指令信号S1のアクティブ論理と開駆動信号S3のアクティブ論理とでハイ/ロー反転した構成としておくことにより、電源遮断検出部23が後述のように第1信号ラインL1と第3信号ラインL3を制御する際に、電源遮断検出入力部213にローレベルの論理信号を出力すれば済むようになる。これにより、開駆動制御回路の回路構成を簡素化することができる。
閉駆動制御回路212は、例えば、閉指令信号S2をアクティブローの論理信号とし、閉駆動信号S4をアクティブハイの論理信号とした場合、閉指令信号S2の論理を反転した信号を生成して出力する回路で構成することが出来る。図3には、このような回路の一例として、論理を反転した信号を生成して出力するトランジスタ(図では電界効果トランジスタ)回路を例示してある。
図3に示す例では、閉駆動制御回路212は、弁駆動部22がH型のブリッジ回路であるため、N型のFETとP型のFETを駆動することにより電磁弁7のソレノイドコイルの閉方向(後述)に電流を流すようになっている。このため、N型のFETのゲートには、閉駆動信号S4をそのまま印加しているが、P型のFETのゲートには、閉駆動信号S4の論理を反転回路にて論理反転させた電圧を印加するようになっている。
なお、ここで説明した開指令信号S1と開駆動信号S3の論理関係、及び閉指令信号S2と閉駆動信号S4の論理関係は一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能であることは言うまでも無い。
弁駆動部22は、第3信号ラインL3を介して開駆動信号S3を入力されると電磁弁7を開弁するための開駆動を行い、第4信号ラインL4を介して閉駆動信号S4を入力されると電磁弁7を閉弁させるための閉駆動を行う。これにより、弁駆動部22は、電磁弁7の開/閉状態を、駆動制御部21の開閉駆動に応じた状態に変更し、ひいては制御部112の開閉指令に応じた状態に変更する事が出来る。
図3において、弁駆動部22は、4つのトランジスタ(図では電界効果トランジスタ)を用いたH型のブリッジ回路により、電磁弁7のソレノイドコイルを負荷として駆動する構成になっている。なお、H型のブリッジ回路には、誘導性負荷であるソレノイドコイルの逆起電力対策として、各トランジスタと並列にダイオードを配置してある。
この弁駆動部22は、駆動制御部21から入力される開駆動信号S3によって電磁弁7のラッチングソレノイドのソレノイドコイルに一方向(開方向)の電流を流し、駆動制御部21から入力される閉駆動信号S4によって電磁弁7のラッチングソレノイドのソレノイドコイルに他方向(閉方向)の電流を流す。これにより、電磁弁7は、ソレノイドコイルに流れる電流の方向に応じた開/閉動作を行い、給水路5を開閉する。
電源部13は、AC/DCコンバータの構成とされ、商用電源等の外部電源から入力される交流電源ACを用いて所望の電圧の直流電源を生成する。図3に示す回路では、トランス131aが交流電源ACから生成する二次電圧をダイオードブリッジ回路131bとコンデンサ131cを用いて整流・することにより直流電源を生成する。このようにして生成された直流電源は、水栓システム1を構成する各部に供給される。
また、制御コントローラ部12へ供給された直流電源は、抑制手段234によって電気的に縁切りされる。このようにして縁切りされた直流電源は、レギュレータ242にて所望の電圧に調整され、センサ部11に供給される。これにより、制御部112を構成するCPU等は、安定した駆動電圧を得ることが出来る。
なお、蓄電部241は、電源が遮断された直後に、少なくとも、電磁弁7の閉駆動を1回行うのに十分な電荷を蓄積している。これにより、電源が遮断された後であっても、一定時間の間は、電磁弁7の閉駆動を行う事が出来るようになっている。また、電源が遮断された直後の蓄電部241の電圧は、少なくとも、制御部112の駆動電圧以上になっている。これにより、電源が遮断された後も一定時間の間は、蓄電部241によって制御部112へ駆動電圧が供給されることとなる。蓄電部241は、例えば、アルミ電解コンデンサや電気二重層コンデンサや充電池である。
ただし、電磁弁7の駆動に蓄電部241の電気エネルギーを用いると、蓄電部241における電圧が低下して、蓄電部241によって供給される電圧が制御部112の駆動電圧を下回る可能性がある。そこで、本実施形態においては、電源遮断検出部23を設けて電磁弁制御処理を行うことにより、このような状況を回避できるようになっている。
電源遮断検出部23は、電源部13から供給される電源の状態を監視しており、電源部13からの電源の供給が遮断されたことを検知すると、制御部112に対して、電源が遮断されたことを通知するための遮断検出出力を行う。
なお、ここで言う電源の遮断とは、電力会社からの商用電源自体の供給が停止したり、ブレーカの遮断動作によって本装置への商用電源の供給が停止したりするといった、一般的に言う停電を含むことはもちろん、商用電源のコンセントから本装置のプラグが抜けることで本装置に対するAC電源の供給が停止する場合や、電源部13の不具合や、制御コントローラ部12と電源部13との接続が解除されることにより、電源部13から電源が供給されなくなる場合も含む。ただし、上述したように、電源が遮断されたときも、蓄電部241から水栓システム1の各部への電源供給は行われる。
図3において、電源遮断検出部23は、電源部13からの電源供給の有無で遮断信号をアクティブ/非アクティブに切り替えるスイッチ部231と、入力される電圧値の降下又は上昇に基づいて前記遮断信号をアクティブ/非アクティブに切り替える電圧監視部232とを有し、制御コントローラ部12は第3の抑制手段(図3ではダイオード)を有し、電気エネルギーがスイッチ部231に供給されることを抑制することを特徴としている。
また、第3の抑制手段によって、制御コントローラ部12から電源部13への電気エネルギーの供給を抑制するようにしてもよい。そうすることで、電源の遮断が発生したとき、エネルギーの逆流を防止することができ、電源部13の破壊防止をすることも可能となる。
スイッチ部231は、抑制手段234の入力(図3ではダイオードのアノード側)に接続され、入力端子部233の電圧を監視し、入力端子部233の電圧が有る場合は、遮断検出出力を行わず、入力端子部233の電圧がない場合は遮断検出出力を行う。
電圧監視部232は、抑制手段234の出力(図3ではダイオードのカソード側)に接続され、蓄電部241の電圧を監視し、蓄電部241の電圧が所定電圧よりも高い場合は、遮断検出出力を行わず、蓄電部241の電圧が所定電圧以下になると遮断検出出力を行う。
所定電圧とは、蓄電部241の電圧が、電磁弁7を少なくとも1回は閉駆動することが可能な電気エネルギー量に相当する電圧値のことを示している。より望ましくは、電磁弁7の閉駆動の処理を実行するまでセンサ部11や制御コントローラ部12が動作継続できるエネルギー量も含めた方がよい。
より具体的には、図3に示すように、スイッチ部231は、トランジスタ231bを備えており、トランジスタ231bのベースには、抑制手段234の入力(図3ではダイオードのアノード側)と入力端子部233が接続されている。このトランジスタ231bは、コレクタがFET231aのゲートに接続され、エミッタがグランドに接続され、エミッタとベースが保護抵抗231cにより接続されている。また、FET231aのドレインには、電源遮断検出入力部213が接続されており、ソースには、グランドが接続されている。
電圧監視部232は、第1端子232bと第2端子232cを有するロジックIC232aを備えている。ロジックIC232aの第1端子232bには、抑制手段234の出力(図3ではダイオードのカソード側)と蓄電部241が接続されており、第2端子232cには、電源遮断検出入力部213が接続されている。
以上のように構成された電源遮断検出部23は、入力端子部233の電圧が有る場合、トランジスタ231bのベースに入力する電圧が当該トランジスタ231bのターンオン電圧より大きくなるためFET231aのゲートにローレベルの電圧信号を入力し、入力端子部233の電圧が無い場合、トランジスタ231bのベースに入力する電圧が当該トランジスタ231bのターンオン電圧より小さくなるためFET231aのゲートにハイレベルの電圧信号を入力する。
このとき、FET231aは、当該FET231aのゲートに対して、ローレベルの電圧信号が入力されている間は、電源遮断検出入力部213にハイレベルの電圧信号を入力し、当該FET231aのゲートに対して、ハイレベルの電圧信号が入力されている間は、電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧信号を入力する。
すなわち、入力端子部233への電源が遮断されていない時は、FET231aのゲートにローレベルの電圧信号が入力されるため、FET231aは、当該FETのドレインからハイレベルの電圧を出力し、入力端子部233への電源が遮断されると、FET231aのゲートにハイレベルの電圧信号が入力されるため、FET231aは、当該FETのドレインから電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧を出力する。
また、電圧監視部232においても、電源が遮断されていない時、つまり、蓄電部241の電圧が電圧監視部232の所定電圧よりも高い時は、第2端子232cからハイレベルの電圧を出力し、電源が遮断された時、つまり、蓄電部241の電圧が電圧監視部232の所定電圧以下の時は、第2端子232cから電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧を出力する。
電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧が出力されると、抵抗211aを経由して、第1信号ラインL1をアクティブに制御する。実際には、第1信号ラインL1を同じローレベルの論理状態に制御する。
なお、ロジックIC232aは、遅延回路232a1を内蔵しており、電源遮断検出部23が電源の遮断を検出したときに第2端子232cから出力するローレベルの論理信号を、所定時間だけ延長して出力する機能を有する。すなわち、電源部13からの電源が遮断されて第2端子232cからローレベルの論理信号の出力を開始すると、その後、電源の遮断が解消しても、所定時間が経過するまで第2端子232cからローレベルの論理信号の出力を継続する。
この所定時間は、制御部112が電磁弁7を開弁させるために実行する吐水制御に要する時間よりも十分に長い時間に設定されている。例えば、電磁弁7のソレノイドが閉状態から開状態に変化するのに十分な時間が約20msである場合には、吐水制御に要する時間は、これに応じて例えば約20msとなる、このとき、遅延回路232a1によって延長される所定時間は、この20msよりも十分に長い、例えば100ms等に設定される。
これにより、制御部112が第1信号ラインL1にアクティブの開指令信号S1(ローレベル)を出力している期間に、電源遮断検出部23が遮断検出出力を行った場合であっても、制御部112が第1信号ラインL1に対するアクティブの開指令信号S1の出力を終了した後まで第1信号ラインL1をローレベルに維持する。
すなわち、吐水制御中に電源の遮断が発生した場合であっても、電源遮断検出部23は、制御部112が吐水制御を終了するまで第1信号ラインL1をアクティブに維持する事になる。これにより、電源の遮断が発生した時に、制御部112に電源の遮断を確実に通知し、制御部112が、電源の遮断の発生を確実に検知する事が出来る。
また、抑制手段234の入力(図3ではダイオードのアノード側)にスイッチ部231を配置することで、蓄電部241から入力端子部233への電気エネルギーの供給を抑制することができるため、電源遮断時において、即座に電源遮断を検出することができ、抑制手段234の出力(図3ではダイオードのカソード側)に電圧監視部を配置することで、緩やかな電源降下時において、電磁弁7の閉駆動を少なくとも1回行うのに必要な電気エネルギーを下回る前に電源遮断を検出することができる。
以上のように、本実施形態の水栓システム1は、対象物の検知を行うセンサ部11と、 吐水口4aへの給水路5を開閉する自己保持型の電磁弁7と、電磁弁7の開駆動及び閉駆動のアクティブ/非アクティブを制御する駆動部121を備えた制御コントローラ部12と、駆動部121に対して電磁弁7の開閉を指令する制御部112と、センサ部11と電磁弁7と制御コントローラ部12とに電源を供給する電源部13と、電源部13の電源の遮断を検出して遮断信号を出力する電源遮断検出部23と、電磁弁7を駆動するための電気エネルギーを蓄電する蓄電部241とを備え、制御部112はセンサ部11に設けられ、電源遮断検出部23と蓄電部241は、制御コントローラ部12に設けられることを特徴とする水栓システムであり、センサ部11が検出信号に基づいて制御コントローラ部12を制御することにより、電磁弁7の開/閉動作を制御する。これにより、吐水口4aに接近する対象物の検出結果(洗面台の使用者の動き等)に応じた吐水を行う。
(2)電磁弁制御処理:
次に、以上の構成を利用して行われる電磁弁の制御に係る処理を、図4を参照しつつ説明する。図4は、電磁弁制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、電磁弁制御処理は、水栓システム1に対する電源供給が開始されると開始され、水栓システム1に対して正常な電源が供給されている間は、継続的に実行される。
電磁弁制御処理が開始されると、制御部112は、開指令信号S1と閉指令信号S2を非アクティブとする(S100)。これにより、電磁弁制御処理が開始された直後に電磁弁7の開/閉動作は行われず、電磁弁7は現在の開/閉状態を維持することになる。
なお、本実施形態においては、水栓システム1の起動時には、電磁弁7は閉弁されている。本実施形態に係る電磁弁制御処理によれば、水栓システム1が停止する前に電磁弁7が確実に閉弁されているためである。従って、ステップS100が行われる前後で電磁弁7は閉弁状態を維持することとなる。
次に、制御部112は、センサ111を駆動して吐水口4a付近にある物体検知を行う(S105)。これにより、制御部112は、センサ111の検知領域内の物体の有無を検知することができる。
次に、制御部112は、吐水口4aから吐水中であるか否かを判断する(S110)。なお、制御部112は、吐水制御(S120)や止水制御(S130,S155)の実行状況をメモリに記憶しており、直前に吐水制御と止水制御のいずれを実行したか参照することにより、吐水中であるか止水中であるか判断することができる。
ステップS110において吐水中と判断した場合は(S110:Yes)、次に、センサ111が物体を検知しているか否か判断する(S125)。ここで、ステップS105の物体検知により物体を検知していた場合は(S125:No)、ステップS130の止水制御をスキップして吐水状態を継続し、ステップS105の物体検知により物体を検知していなかった場合は(S125:Yes)、止水制御を実行して吐水を停止させる(S130)。
止水制御は、第2信号ラインL2の閉指令信号S2をアクティブにした後、所定の待機時間の後、閉指令信号S2を非アクティブにすることにより行われる。この所定の待機時間としては、電磁弁7のソレノイドが開状態から閉状態に変化するのに十分な時間とし、例えば、電磁弁7のソレノイドが開状態から閉状態に変化するのに十分な時間が約20msである場合には、前記所定の待機時間はこれに応じて例えば約20msとする。
ステップS110において止水中と判断した場合(S110:No)、次に、センサ111が物体を検知しているか否か判断する(S115)。ここで、ステップS105の物体検知により物体を検知していた場合は(S115:Yes)、吐水制御を実行して吐水を開始させ(S120)、ステップS105の物体検知により物体を検知していなかった場合は(S115:No)、ステップS120の吐水制御をスキップして止水状態を継続する。
吐水制御は、第1信号ラインL1の開指令信号S1をアクティブにした後、所定の待機時間の後、開指令信号S1を非アクティブにすることにより行われる。この所定の待機時間としては、電磁弁7のソレノイドが閉状態から開状態に変化するのに十分な時間とし、例えば、電磁弁7のソレノイドが閉状態から開状態に変化するのに十分な時間が約20msである場合には、前記所定の待機時間はこれに応じて例えば約20msとする。
次に、制御部112は、第1信号ラインL1に接続されているポートの電圧を取得し、当該電圧がハイレベルとローレベルのいずれの論理状態を示しているか判断する(S135)。
ここで、制御部112は、ポートの電圧として開指令のアクティブを示すローレベルを検出した場合は(S135:Yes)、電源が遮断されたことを示す強制アクティブと判断してステップS140〜S160の処理を実行し、ポートの電圧がそれ以外の状態であれば(S135:No)、制御部112は、強制アクティブではないと判断してステップS105〜の処理を実行する。
ステップS135において第1信号ラインL1が、開指令のアクティブを示すローレベルの電圧である場合(S135:Yes)、制御部112は、センサ111を停止させる(S140)。これにより、コンデンサ131cに蓄えられている電気エネルギーの消費を極力抑制することが出来る。むろん、その他、電磁弁7の閉弁や制御部112を正常終了させるために必要な構成以外の構成についても、同様に停止することが出来る。
次に、制御部112の制御下において水栓システム1を正常終了させるための各種シャットダウン処理を実行する(S145)。
例えば、制御部112が、使用者の使用状況、検知情報、周囲環境の情報などを記憶・更新するような機能を備えている場合、これらの情報に係る処理を完結させるための処理を実行する。これにより、これらの情報の各種パラメータが電源の遮断によっても情報が揮発しない不揮発性メモリに記憶され、水栓システム1が動作再開したときに異常動作することを防止することができる。
また、例えば、センサ111を停止させる。これにより、センサ111が電力を消費しなくなり、コンデンサ131cに蓄積された電力の消費を抑制できる。また、その後、水栓システム1に再び電源供給されて動作開始したときに正常動作できるようになる。
制御部112は、止水制御を行った後、開指令信号S1がアクティブの状態が継続されているか否かを再び判定する(S160)。また、制御部112は、ステップS150において止水中と判定した場合には、止水制御を行うことなく、開指令信号S1がアクティブの状態が、継続されているか否かを再び判定する(S160)。
その後、ステップS160の処理を繰り返す中で、第1信号ラインL1が非アクティブを示すハイレベルに変化したことを検知した場合、すなわち電源の遮断が解消したことを検知した場合は(S160:No)、通常の電磁弁制御処理(S105〜S130)に復帰することになる。
これにより、瞬停等のように電源が短時間だけ遮断された場合には、水栓システム1を完全に停止させずに再び動作させることができるため、これまでメモリなどに記憶していた情報をリセット消去せずに済む。
むろん、ステップS140とステップS145の間に、所定の待機時間を設けて、この間に電源の遮断が解消された場合は、ステップS145〜S160の処理を行わずに、ステップS105〜の通常の吐止水を制御する処理に復帰するようにしてもよい。
このようにすると、センサ111等における消費電力を抑制した低消費電力状態にして電力消費を抑えつつ停電からの復帰を待機し、短時間の電源の遮断であれば、制御部112を正常終了させるための処理や電磁弁7の閉駆動を行わずに通常の電磁弁制御処理(S105〜S130)に復帰し、短時間で電源の遮断が復帰しない場合は、制御部112を正常終了させるための処理や電磁弁7の閉駆動を行うことになる。
以上説明したように、本実施形態に係る水栓システム1によれば、2本の信号線を用いて電磁弁7の閉駆動と開駆動を制御しつつ、電源部13における電源の遮断を検知することが出来る。
(3)第1実施形態の動作:
以上のように構成された水栓システム1の動作を、図5〜10を参照して説明する。図5〜10は、電磁弁制御処理が様々な状況下で実行されたときの水栓システム1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
(3−1)通常動作時:
図5は、電源の遮断が無い場合の水栓システム1の動作を示すタイミングチャートである。同図においては、電源の遮断は発生しておらず、物体の有無に応じて吐水と止水が行われている。
同図において、物体が検出されると(T1)、吐水制御が実行される(T1〜T2)。この吐水制御により、電磁弁7が開弁されるため、吐水口4aからの水の吐出が開始される。
その後、物体が無くなった事を検出すると(T3)、止水制御が実行される(T3〜T4)。この止水制御により、電磁弁7が閉弁されるため、吐水口4aからの水の吐出が停止される。
(3−2)吐水中に電源の遮断が発生:
図6は、吐水中に電源の遮断が発生した場合の水栓システム1の動作を示すタイミングチャートである。同図においては、吐水制御が完了してから止水制御が開始される前に電源の遮断が発生している(T7)。
同図においても、物体が検出されると(T5)、制御部112は、吐水制御を実行する(T5〜T6)。これにより、電磁弁7が開弁されるため吐水状態になり、吐水口4aからの水の吐出が開始される。
その後、吐水継続中に電源の遮断が発生するため、開指令信号S1が強制的に非アクティブからアクティブに変化する(T7)。同時に、開駆動信号S3も強制的に非アクティブに変化するが、もともと非アクティブであるため、図面上では論理状態が変化していない。
制御部112は、開指令信号S1が強制的にアクティブに変化したことを検知すると、止水制御を実行する(T7〜T8)。これにより、電磁弁7が閉弁されて止水状態となり、吐水口4aからの水の吐出が停止される。
以上説明したように、本実施形態に係る水栓システム1においては、吐水中に発生した電源の遮断を検知可能であり、制御部112は、電源の遮断が発生した時に、所望のタイミングで電磁弁7を閉駆動して止水状態に変化させることができる。
(3−3)吐水制御中に電源の遮断が発生:
図7は、吐水制御中に電源の遮断が発生した場合の水栓システム1の動作を示すタイミングチャートである。同図においては、吐水制御が開始されてから吐水制御が完了する前に電源の遮断が発生している(T10)。
同図においても、物体が検出されると(T9)、制御部112は、吐水制御を実行する(T9〜T11)。ただし、図7に示す例では、制御部112が吐水制御を行っている最中に電源の遮断が発生している(T10)。すなわち、開指令信号S1が非アクティブからアクティブに変化するとともに開駆動信号S3が非アクティブからアクティブに変化して(T9)、所定の待機時間の経過を待っているときに、電源の遮断が発生している(T10)。
電源の遮断が発生すると(T10)、開指令信号S1は、電源遮断検出部23によって強制的にアクティブにされるが、もともと制御部112がアクティブに制御している期間であるため、制御部112は、この時点では強制アクティブを検出できない。
同時に、開駆動信号S3も電源遮断検出部23によって強制的に非アクティブにされるため、本来よりも短時間で開駆動信号S3の吐水制御が中断される(T10)。ただし、電源の遮断が発生した時に、電磁弁7の開弁が完了しているか否かは不明であり、電磁弁7が閉弁したままの可能性もあるし電磁弁7が開弁されている可能性もある。
制御部112は、吐水制御における本来の待機期間が経過すると、第1信号ラインL1の開指令信号S1をアクティブから非アクティブに変化させる制御を行う(T11)。ただし、第1信号ラインL1は、電源遮断検出部23によって強制アクティブされているためアクティブのままである。
制御部112は、吐水制御が終了すると(T11)、第1信号ラインL1が接続されているポートの論理状態をチェックする。ここで、ポートの論理状態は、制御部112が制御した結果(非アクティブ)ではないアクティブになっているため、制御部112は、電源の遮断を検知し、止水制御を実行する(T12〜T13)。これにより、仮に吐水制御によって電磁弁7が開弁されていたとしても電磁弁7が閉弁されて止水状態となり、吐水口4aからの水の吐出が停止される。
以上のように、吐水制御中に電源の遮断が発生しても、電源遮断検出部23が開駆動信号S3を強制的に非アクティブに変化させて吐水制御を中断させるし、仮に電磁弁7が開弁されて吐水が開始された場合であっても、制御部112は吐水制御が終了した後にこれを検知して電磁弁7を止水状態に変化させるため、電源が遮断された後に吐水が継続されるおそれが無い。
(3−4)止水制御中に電源の遮断が発生
図8は、止水制御中に電源の遮断が発生した場合の水栓システム1の動作を示すタイミングチャートである。同図においては、吐水制御が完了した後、物体が検出されなくなったため止水制御が開始されているが、この止水制御の実行中に電源の遮断が発生している(T17)。
同図においては、物体が検出されると(T14)、制御部112は、吐水制御を実行する(T14〜T15)。これにより、電磁弁7が開弁されて吐水状態になり、吐水口4aからの水の吐出が開始される。
その後、物体が無くなった事を検出すると(T16)、止水制御が開始される(T16〜T18)。ただし、閉指令信号S2が非アクティブからアクティブに変化するとともに閉駆動信号S4が非アクティブからアクティブに変化して(T16)、所定の待機時間の経過を待っているときに、電源の遮断が発生している(T17)。
電源の遮断が発生すると(T17)、開指令信号S1は、電源遮断検出部23によって非アクティブから強制的にアクティブにされる。これにより、制御部112は、強制アクティブを検出する。
同時に、開駆動信号S3も電源遮断検出部23によって強制的に非アクティブにされるが(T17)、開駆動信号S3はもともと非アクティブであるため、同図においては、論理状態が変化していない。
このとき、制御部112は、閉指令信号S2や閉駆動信号S4の制御を変えず、通常の止水制御をそのまま継続する(T17〜T18)。これにより、電磁弁7が閉弁されて止水状態となり、吐水口4aからの水の吐出が停止される。
以上のように、止水制御中に電源の遮断が発生しても、制御部112はそのまま止水制御を継続して電磁弁7を止水状態に変化させるため、電源が遮断された後に吐水が継続されるおそれが無い。
(3−5)吐水中に電源の遮断が発生:
図9は、吐水中に電源の遮断が発生した場合における水栓システム1の動作の第2の例を示すタイミングチャートである。同図においては、吐水制御が完了してから止水制御が開始される前までに電源の遮断が発生している(T21)。なお、図9には、センサ駆動に係るタイミングチャートも併記してあり、電源の遮断を検出したときに、所定処理として、センサ駆動を停止する処理を行うようにしてある。
同図においても、物体が検出されると(T19)、制御部112は、吐水制御を実行する(T19〜T20)。これにより、電磁弁7が開弁されるため吐水状態になり、吐水口4aからの水の吐出が開始される。
その後、吐水継続中に電源が遮断されているため、開指令信号S1が強制的に非アクティブからアクティブに変化する(T21)。同時に、開駆動信号S3も強制的に非アクティブに変化するが(T21)、もともと非アクティブであるため、図面上では論理状態が変化していない。
制御部112は、開指令信号S1が強制的に非アクティブに変化したことを検知すると、止水制御を実行する前に、各種の処理(電磁弁制御処理におけるステップS140,S145の処理)を実行する(T21〜T22)。本タイミングチャートでは、各種の処理の1例としてセンサ駆動を停止する処理を行っている。これにより、制御部112は、各種の処理を十分な駆動電圧が供給されている状態で実行できる。
その後、各種の処理が完了した後で電磁弁7の駆動を伴う止水制御を実行することにより(T22〜T23)、電磁弁7が閉弁されて止水状態となり(T23)、吐水口4aからの水の吐出が停止される。
このように、電磁弁7の閉弁を行うタイミングを制御することにより、制御部112は、十分な駆動電圧を供給された状態で各種の処理を実行する事が出来る。よって、次に起動したときに水栓システム1が異常動作するおそれが無い。むろん、電源が遮断された後に吐水が継続されるおそれも無い。
(3−6)吐水中に電源の瞬停が発生:
図10は、吐水中に電源の瞬停が発生した場合における水栓システム1の動作を示すタイミングチャートである。同図においては、吐水制御が開始されてから吐水制御が完了するまでに電源の瞬停が発生している(T25〜T26)。なお、図10には、瞬停のタイミングを示すために、電源の遮断状態を示すタイミングチャートも併記してある。
同図においても、物体が検出されると(T24)、制御部112は、吐水制御を実行する(T24〜T27)。ただし、図10に示す例では、制御部112が吐水制御を行っている最中に電源の瞬停が発生している(T25〜T26)。すなわち、開指令信号S1が非アクティブからアクティブに変化するとともに開駆動信号S3が非アクティブからアクティブに変化して(T24)、所定の待機時間の経過を待っているときに、電源の遮断が発生している(T25)。
電源の遮断が発生すると(T25)、開指令信号S1は、電源遮断検出部23によって強制的にアクティブにされるが、もともと制御部112がアクティブに制御している期間であるため、制御部112は、この時点では強制アクティブを検出できない。
同時に、開駆動信号S3も電源遮断検出部23によって強制的に非アクティブにされるため、本来よりも短時間で開駆動信号S3の吐水制御が中断される(T25)。ただし、電源の遮断が発生した時に、電磁弁7の開弁が完了しているか否かは不明であり、電磁弁7が閉弁したままの可能性もあるし電磁弁7が開弁されている可能性もある。
ここで、図10に示す例では、制御部112の吐水制御における本来の待機時間が経過する前に電源の遮断が解除されるため、制御部112が本来の吐水制御を終えて第1信号ラインL1が接続されているポートの論理状態をチェックした時には、電源の遮断が解消されている。
ただし、電源遮断検出部23は、電源の遮断を検出すると、その後、電源の遮断が解除されても所定時間が経過するまで遮断検出出力を継続するようになっている(T26〜T30)。この所定時間は、上述したように、制御部112が電磁弁7を開弁させるために実行する吐水制御に要する時間よりも十分に長い時間に設定されている。
すなわち、制御部112が本来の吐水制御を終えて(T27)、第1信号ラインL1が接続されているポートの論理状態をチェックした時には、電源の遮断は解消されているものの、ポートの論理状態は、制御部112が制御した結果(非アクティブ)ではないアクティブになっている(T28)。
これにより、制御部112は、電源の遮断を検知し、止水制御を実行する(T28〜T29)。これにより、仮に吐水制御によって電磁弁7が開弁されていたとしても電磁弁7が閉弁されて止水状態となり、吐水口4aからの水の吐出が停止される。
つまり、吐水制御中に瞬停が発生しても、瞬停から電源が復帰した後も遮断検出出力が所定時間だけ継続する。これにより、制御部112は吐水制御が終了した後に瞬停を検知して、電磁弁7を止水状態に変化させて吐水を停止することができる。
以上の説明から、電源の遮断を検出する電源遮断検出部23は電源部13ではなく、制御コントローラ部12に設けてあるので、電源部13から電源遮断の信号を出力する必要が無い。また、電磁弁7の駆動に必要な電気エネルギーを溜めている蓄電部241も制御コントローラ部12に設けてあるので、電源遮断後も電磁弁7の閉駆動をして止水することができるため、電源として一般的な電源ユニット(ACアダプター等)を用いることができる。従って、電源部分を分離した場合でも、電源部分からの電線が電源とグランドの2本の電線のみで電源の遮断を検出でき、電磁弁7の閉駆動が可能な水栓システムが提供される。
また、電源が遮断したとき、電源の遮断を検出するスイッチ部231に対して、蓄電部241からの電気エネルギーへの供給が抑制される。仮に、第3の抑制手段がない場合、電源が遮断したとき、蓄電部241からスイッチ部231に対して電気エネルギーが抑制なく供給されるため、スイッチ部231が電源の遮断を的確に検出できなくなる。更には、蓄電部241の電気エネルギーは電磁弁7を駆動する目的であり、スイッチ部231への供給を抑制することで、電源遮断時でも電磁弁7を駆動するための電気エネルギーを確実に蓄積しておくことができる。
つまり、第3の抑制手段によって、スイッチ部231は電源遮断をより的確に検出できるとともに、電源遮断時でも電磁弁7を確実に閉通電して止水することができる。
また、電圧監視部232は電圧値の降下と上昇に基づいて検出することができるため、電圧値が安定していない状態でも安全に動作することが可能となる。具体的には、停電が発生して、電源部13の電圧が徐々に低下している状態がある。このとき、電圧監視部232は電圧が低下し始めたことを認識できるので、より早く停電状態を検出することができる。逆に、停電が解除されて電圧が徐々に上昇している状態においても、水栓システム1が安全に動作できる電圧に達するまでは停電状態を継続しておくことが可能となる。
更に、第3の抑制手段は、電気エネルギーが電圧監視部232へ供給されることを抑制しないように構成されているので、電圧監視部232は蓄電部241が溜めている電気エネルギーの電圧値をより正確に検出できるようになり、電磁弁7の駆動に必要な電圧値が確保されている場合は停電とは判断せずに、動作を継続することが可能となる。
具体的には、停電が発生して、電源部13の出力電圧が徐々に低下している場合が考えられる。このとき、スイッチ部231の動作としては、停電は発生しているが、電源部13の出力電圧は残っているため、スイッチ部231は停電とは判断しない。一方、電圧監視部232は第3の抑制手段があるため、電源部13の出力電圧ではなく、蓄電部241の電圧値を監視していることになる。よって、蓄電部241の電圧値が電磁弁7を駆動するために十分なエネルギー量に相当していれば、検出信号を出さずに動作継続することが可能となる。
このような状況としては、一時的な短時間の停電発生が想定される。つまり、一度は停電して電源部13の電圧が下がり始めるが、電磁弁7の駆動に影響が出る電圧まで降下してしまう前に停電解除されたときは、電磁弁7を閉駆動せずに動作を継続することができる。
(4)水栓システムの回路構成の他の例:
図11及び図12は、水栓システム1の回路構成の他の例を示す回路図である。本回路構成の実施形態に関して、これまで説明した水栓システムと機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図11に示す回路構成の例では、電源遮断検出部23は、電源部13からの電源供給の有無で前記遮断信号をアクティブ/非アクティブに切り替えるスイッチ部231を有し、 制御コントローラ部12は、電気エネルギーがスイッチ部231へ供給されることを抑制する第1の抑制手段(図11ではダイオード)を有することを特徴としている。
図11に示すように、スイッチ部231は、トランジスタ231bを備えており、トランジスタ231bのベースには、抑制手段234の入力(図11ではダイオードのアノード側)と入力端子部233が接続されている。このトランジスタ231bは、コレクタがFET231aのゲートに接続され、エミッタがグランドに接続され、エミッタとベースが保護抵抗231cにより接続されている。また、FET231aのドレインには、電源遮断検出入力部213が接続されており、ソースには、グランドが接続されている。
以上のように構成された電源遮断検出部23は、入力端子部233の電圧が有る場合、トランジスタ231bのベースに入力する電圧が当該トランジスタ231bのターンオン電圧より大きくなるためFET231aのゲートにローレベルの電圧信号を入力し、入力端子部233の電圧が無い場合、トランジスタ231bのベースに入力する電圧が当該トランジスタ231bのターンオン電圧より小さくなるためFET231aのゲートにハイレベルの電圧信号を入力する。
このとき、FET231aは、当該FET231aのゲートに対して、ローレベルの電圧信号が入力されている間は、電源遮断検出入力部213にハイレベルの電圧信号を入力し、当該FET231aのゲートに対して、ハイレベルの電圧信号が入力されている間は、電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧信号を入力する。
すなわち、入力端子部233への電源が遮断されていない時は、FET231aのゲートにローレベルの電圧信号が入力されるため、FET231aは、当該FETのドレインからハイレベルの電圧を出力し、入力端子部233への電源が遮断されると、FET231aのゲートにハイレベルの電圧信号が入力されるため、FET231aは、当該FETのドレインから電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧を出力する。
また、スイッチ部231を抑制手段234の入力(図11ではダイオードのアノード側)に接続し、電源遮断時に蓄電部241からスイッチ部231への電気エネルギーの供給を抑制することで、電源遮断をより的確に検出できるとともに、電源遮断時でも電磁弁7を確実に閉通電することが出来る。
また、第1の抑制手段によって、制御コントローラ部12から電源部13への電気エネルギーの供給を抑制するようにしてもよい。そうすることで、電源の遮断が発生したとき、エネルギーの逆流を防止することができ、電源部13の破壊防止をすることも可能となる。
以上から、電源の遮断を検出する電源遮断検出部23は電源部13ではなく、制御コントローラ部12に設けてあるので、電源部13から電源遮断の信号を出力する必要が無い。また、電磁弁7の駆動に必要な電気エネルギーを溜めている蓄電部241も制御コントローラ部12に設けてあるので、電源遮断後も電磁弁7の閉駆動をして止水することができるため、電源として一般的な電源ユニット(ACアダプター等)を用いることができる。従って、電源部分を分離した場合でも、電源部分からの電線が電源とグランドの2本の電線のみで電源の遮断を検出でき、電磁弁7の閉駆動が可能な水栓システムが提供される。
図12に示す回路構成の例では、電源遮断検出部23は、入力される電圧値の降下又は上昇に基づいて前記遮断信号をアクティブ/非アクティブに切り替える電圧監視部232を有し、制御コントローラ部12は、電気エネルギーが電圧監視部232へ供給されることを抑制する第2の抑制手段(図12ではダイオード)を有することを特徴としている。
図12に示すように、電圧監視部232はロジックIC232aを備え、ロジックIC232aの第1端子232bは入力端子部233と第3の抑制手段234の入力(図12ではダイオードのアノード側)に接続されており、ロジックIC232aの第2端子232cは電圧遮断検出入力部213に接続されている。
このように接続された電圧監視部232は、電源が遮断されていない時、つまり、蓄電部241の電圧が電圧監視部232の所定電圧よりも高い時は、第2端子232cからハイレベルの電圧を出力し、電源が遮断された時、つまり、蓄電部241の電圧が電圧監視部232の所定電圧以下の時は、第2端子232cから電源遮断検出入力部213にローレベルの電圧を出力する。
また、電圧監視部232を抑制手段234の入力(図12ではダイオードのアノード側)に接続し、電源遮断時に蓄電部241から電圧監視部232への電気エネルギーの供給を抑制することで、電源遮断をより的確に検出できるとともに、電源遮断時でも電磁弁7を確実に閉通電することが出来る。
以上から、電源が遮断したとき、電源の遮断を検出する電圧監視部232に対して、蓄電部241からの電気エネルギーへの供給が抑制される。仮に、第2の抑制手段がない場合、電源が遮断したとき、蓄電部241から電圧監視部232に対して電気エネルギーが抑制なく供給されるため、電圧監視部232が電源の遮断を的確に検出できなくなる。更には、蓄電部241の電気エネルギーは電磁弁7を駆動する目的であり、電圧監視部232への供給を抑制することで、電源遮断時でも電磁弁7を駆動するための電気エネルギーをより確実に蓄積しておくことができる。
つまり、第2の抑制手段によって、電圧監視部232は電源遮断をより的確に検出できるとともに、電源遮断時でも電磁弁7を確実に閉通電して止水することができる。
また、電圧監視部232は電圧値の降下と上昇に基づいて検出することができるため、電圧値が安定していない状態でも安全に動作することが可能となる。具体的には、停電が発生して、電源部13の電圧が徐々に低下している状態がある。このとき、電圧監視部232は電圧が低下し始めたことを認識できるので、より早く停電状態を検出することができる。逆に、停電が解除されて電圧が徐々に上昇している状態においても、水栓システムが安全に動作できる電圧に達するまでは停電状態を継続しておくことが可能となる。
(5)まとめ:
以上説明したように、本実施形態に係る水栓システム1によれば、電源遮断検出部23は、電源の遮断時には、第1信号ラインL1の開指令信号S1をアクティブに制御する。これにより、電源の遮断時には、電磁弁7が開弁されることを回避しつつ、制御部112は、所望のタイミングで電磁弁の閉弁を行う事が出来る。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また,本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。