JP6925834B2 - 地盤凍結工法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤に構造物を建設するための地盤改良法の一つである、地盤凍結工法に関するものである。
地盤凍結工法は、地盤に構造物を建設するための地盤改良法の一つである。地盤凍結工法では、対象地盤を掘削して設けた掘削孔に凍結管を配管し、この凍結管内に送液した冷却液を循環させて凍土を造成する。地盤中の土壌は、地盤に含まれる水分とともに徐々に凍結し凍土となり、凍結管の周囲の地盤から年輪状に徐々に凍土が成長し、やがて円柱状の凍土柱となる。このようにして造成された凍土柱は、隣接する凍結管の周囲に生じた別の凍土柱と相互に連結し、板状の凍土壁を構築する。
このようにして構築された凍土壁は、地下水を遮断する。また、このような凍土壁は、コンクリート並みの強度と耐圧性を発揮することができる。そのため、凍土壁により囲まれて地下水の流れが遮断されたエリアでの構造物の建設が可能となる。
しかしながら、福島第一原発の遮水壁等のように、広範囲に凍土壁を構築する場合、地下水流の影響が課題となっている。例えば、地下水の流速(限界流速)が、2.0m/日を超えるような地盤(例えば、『社団法人日本建設機械化協会編、地盤凍結工法ー計画・設計から施工までー』等を参照)では、地下水が持ち込む熱により、凍土柱が相互に連結することが難しくなり、凍土壁に未凍結箇所が生じるという問題があった。さらに、未凍結箇所の周囲に凍土壁が構築されつつある場合、未凍結箇所に地下水が回り込み、地下水流が一点に集中することにより流速が増大して、凍結が妨げられるという問題もあった。
そこで、地下水の流速が速い地盤において凍土壁を構築する際には、様々な改良法が検討されている。例えば、複数の凍結管の間の地盤に薬液を注入する等して土壌の透水係数を小さくする土質改良方法、施工箇所の上下流側に揚水井戸を設置して地下水を汲み上げ、地下水流速を相対的に小さくする方法や、凍結管の列数を増加させて複数の凍結管の間のピッチを小さくする方法、冷却液の温度を低下させる方法等が提案されている。
ただ、薬液注入による方法では、地下水流によって薬液が流されてしまうことがあり、十分な有効性が発揮できないだけでなく、流された薬液の拡散による環境汚染が問題となることがあった。地盤凍結工法では、一般に、施工後の原状回復が求められることから、このような薬液の拡散、環境汚染は好ましくなかった。
一方、揚水井戸を設置する方法では、地盤凍結工法による施工期間中、ポンプ等を用いて、揚水井戸から常時地下水を汲み上げ続ける必要があった。また、凍結管の列数を増加する方法や冷却液の温度を低下させる方法では、増設した凍結管への冷却液の送液と、冷却液の温度低下および低温維持のために、消費電力が増大し、施工コストも増大するという問題があった。
このような問題点を踏まえ、特許文献1の地盤凍結工法では、掘削孔に配管された冷却管の周囲に、特殊な組成の凍結用材料を用いて伝熱部を形成する方法が提案されている。
特許文献1の提案では、土質系の粉体材料を基材とし、この基材よりも熱伝導性が高い熱伝導性材料が混合された液体と、流動性を増加させる分散材とを練り混ぜて凍結用材料が形成されている。この凍結用材料には、金属または炭素を熱伝導性材料として混合することも提案されている。このような提案によれば、凍結用材料が高い流動性および熱伝導性を有するとともに、凍結時に放出される水の凍結潜熱が少なくなることにより、凍結対象である地盤を短時間で凍結させることができるとされている。
特開2008−69246号公報
しかしながら、特許文献1の地盤凍結工法においても、地下水の流速が速い地盤の凍結については全く検討されておらず、適用可能な地盤が限られるという問題があった。また、凍結用材料に含まれる金属が地盤の構成土壌中に残留するため、必ずしも環境汚染の少ない工法であるとは言い難い側面があった。
さらにまた、地下水位は降水量と密接に関わるため、季節変動することが知られており、一般に、夏期に水位が高く、冬に水位が低下する。そのため、冬期においては、凍結地盤工法で施工する深度の地盤中に地下水が存在しない場合がある。あるいは、砂層や砂礫地盤等のように水はけが良好で、地下水の少ない地盤が知られている。このような、地下水の少ない、あるいは存在しない地盤においては、地盤凍結工法を適用することが不可能であった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、地下水流の流速が速い地盤や地下水の少ない、あるいは存在しない地盤であっても地盤凍結工法の適用を可能とし、しかも原状回復工程により建設工事の完了後に優れた環境修復性を発揮する工法を実現することを課題とする。
本発明の地盤凍結工法は、上記のとおりの課題を解決するために、地盤を掘削して設ける掘削孔に凍結管を配管し、この凍結管内に送液した冷却液をもって凍土部を造成し、この凍土部を連結して凍土壁を構築する地盤凍結工法であって、少なくとも以下の工程<1><2><3>を含むことを特徴とする地盤凍結工法。
<1>地盤の掘削孔において注入管を介して高吸水性ポリマー含有液を注入管周囲の地盤中に注入し、高吸水性ポリマー混合土部を造成する工程;
<2>前記掘削孔に凍結管を配管し、この凍結管内に冷却液を送液し、前記高吸水ポリマー混合土部の凍土部を造成する工程;
<3>前記<1><2>の工程を複数の所定位置において同時または順次行い、前記凍土部を連結させて凍土壁を構築する工程。
また、本発明の地盤凍結工法では、前記工程<1>において、掘削孔の形成時に前記地盤の土と、前記高吸水性ポリマーを注入管の攪拌翼により混合攪拌して前記高吸水性ポリマー混合土部を造成することが好ましく考慮される。
さらに、本発明の地盤凍結工法では、前記地盤が、砂質地盤、砂礫地盤、季節変動により地下水の水位が低下した地盤および地下水面より上方の地盤からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく考慮される。
また、本発明の地盤凍結工法では、前記高吸水性ポリマー含有液がデンプン系、セルロース系および合成ポリマー系からなる群より選択される少なくとも1種である高吸水性ポリマー粒子を含有することが好ましく考慮される。
さらに、本発明の地盤凍結工法では、前記高吸水性ポリマー含有液が、膨潤度調整剤を含有していることが好ましく考慮される。
また、本発明の地盤凍結工法では、前記膨潤調整剤が電解質を含有し、この電解質が一価の金属塩であることが好ましく考慮される。
さらに、本発明の地盤凍結工法は、上記の地盤凍結工法での、工程<3>の凍土壁構築工程に続いて、以下の原状回復工程<4><5>を含むことを特徴とする。
<4>前記凍土壁および前記凍土部を融解させた後、前記掘削孔に前記注入管を配管し、この注入管内を介して分離剤を注入管周囲の地盤中に注入し、前記高吸水性ポリマー粒子が取り込んでいる水分を放出させる工程;
<5>前記注入管を前記掘削孔から撤去する工程。
また、本発明の地盤凍結工法では、前記分離剤が電解質を含有し、この電解質が二価以上の多価金属塩であることが好ましく考慮される。
本発明によれば、地下水流の流速が速い地盤や地下水の少ない、あるいは存在しない地盤であっても地盤凍結工法の適用を可能とし、しかも原状回復工程により、建設工事の完了後に優れた環境修復性を発揮することができる。
(a)(b)は、本発明の地盤凍結工法を模式的に示した概略工程断面図および平面図である。 (a)(b)は、本発明の地盤凍結工法の原状回復工程を模式的に示した概略工程断面図および平面図である。 高吸水ポリマー含有液の電気伝導率と高吸水性ポリマー粒子の吸水倍率との関係を示したグラフである。 膨潤度調整剤であるNaClの濃度(質量%)と高吸水ポリマー含有液の電気伝導率との関係を示したグラフである。 高吸水ポリマー含有液中の自由水率とファンネル粘性(流動性)の関係を示したグラフである。 難透水層形成を計測する装置を示した概略図である。 図6の装置を用いて行った難透水層形成試験の結果を示すグラフである。
以下に、本発明の地盤凍結工法について図面に沿って詳細に説明する。
図1(a)(b)は、本発明の地盤凍結工法を模式的に示した概略工程断面図および平面図である。
本発明の地盤凍結工法は、地盤を掘削して設ける掘削孔に凍結管を配管し、この凍結管内に送液した冷却液をもって凍土部を造成し、この凍土部を連結して凍土壁を構築する地盤凍結工法であって、少なくとも以下の工程<1><2><3>を含む。
すなわち、<1>地盤1の掘削孔2において注入管3を介して高吸水性ポリマー含有液4を注入管3周囲の地盤中に注入し、高吸水性ポリマー混合土部5を造成する工程;<2>掘削孔2に凍結管6を配管し、この凍結管6内に冷却液7を送液し、高吸水ポリマー混合土部5の凍土部5aを造成する工程;<3><1><2>の工程を複数の所定位置において同時または順次行い、凍土部5aを連結させて凍土壁5bを構築する工程を含んでいる。
図1(a)に示すように、地盤凍結工法の工程<1>では、凍結対象地盤となる地盤1を凍結するにあたり、掘削孔2を掘削した後、この掘削孔2に注入管3を配管し、注入管3内に高吸水性ポリマー含有液4を注入する。
本発明の地盤凍結工法では、対象地盤1は、砂質地盤、砂礫地盤、季節変動により地下水の水位が低下した地盤および地下水面より上方の地盤からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく考慮される。
掘削孔2の孔径としては、例えば、φ600mm程度が例示されるが、掘削に用いるシャフトの直径や注入管3および凍結管6の直径に応じて適宜変更することが可能である。
注入管3としては、例えば、耐食性を備えるステンレス鋼管等が用いられる。
注入管3はその側壁面に貫通孔31を複数有しており、注入管2内に送液された高吸水性ポリマー含有液4を、前記貫通孔を通じて掘削孔2の孔壁を構成する土壌粒子およびその土壌粒子間の空隙に注入可能とされている。貫通孔31は、常時開放状態であってもよいし、開閉自在な蓋等によって覆われている態様であってもよい。
また、注入管3としては、後述の凍結管6を用いることも可能である。この場合、凍結管6には冷却液7を送液、循環させる必要があることから、上記のように、開閉自在な蓋等によって覆われた貫通孔を有するステンレス鋼管等を用いることが好ましく考慮される。
本発明の地盤凍結工法では、工程<1>において、掘削孔の形成時に前記地盤の土と、前記高吸水性ポリマーを注入管の攪拌翼により混合攪拌して前記高吸水性ポリマー混合土部を造成することが好ましく考慮される。
この場合、注入管3としては、例えば、その先端部等に貫通孔31を有するとともに側面に攪拌羽等を有し、回転自在な管としてもよい。このような注入管3を用いると、地盤1内において、貫通孔31からの高吸水性ポリマー含有液4と土壌粒子との混合攪拌とを同時に行うことができ、均一なポリマー混合土5を効率よく造成することができる。
高吸水性ポリマー含有液4は、少なくとも、水と、吸水して膨潤した高吸水性ポリマー粒子を含有するものである。本発明者らは、これまでに、地盤掘削用膨潤高吸水性ポリマー安定組成物及びこれを用いた施工法を提案しており、この提案で使用している高吸水性ポリマー粒子を応用することができる(特開2013−57061号公報参照)。
具体的には、前記高吸水性ポリマー粒子は、架橋構造をもつ親水性のポリマーであって、自重の10倍〜500倍程度の吸水性を有し、圧力をかけても水分を放出しにくいという特徴を備える。また、本明細書中において、「高吸水性ポリマー粒子」の用語は、吸水し、膨潤した後であっても、個々の粒子が粒状の形態を保っていることを意味する。そのため、高吸水性ポリマー粒子の用語には、複数の吸水性ポリマー分子が独立した粒子形態を維持することができず、糊状の高分子を形成するものは包含されず、除外される。前記高吸水性ポリマー粒子の吸水量は、JIS K 7223で定義づけられており、吸水量の測定方法についても前記JIS K 7223の記載に基づいて行われる。
本発明の凍結地盤工法に用いられる前記高吸水性ポリマー粒子の種類は、上記の条件を満足するものであれば特に制限されることなく用いることができ、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく考慮される。
上記の高吸水性ポリマー粒子の中でも、合成ポリマー系のポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子は、性能とコストの両面に優れているため、特に好適に用いることができる。
ポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子は、アクリル酸ナトリウム(CH2=CH−COONa)に架橋剤を加えて、軽度に架橋させた3次元網目構造を持ったアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物のゲルである。架橋剤としては、従来公知のものを用いることができる。
前記ポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子は、水を吸収するとカルボキシル基がゲル中にナトリウムイオンを解離し、純水ならば自重の100〜1000倍にも達する膨潤度を生み出すことが知られている。
このようなポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子としては、例えば、Geosap(三洋化成工業社製)等が例示される。Geosapの場合、吸水倍率が自重の450倍程度であり、高吸水性ポリマー含有液4の流動性が良好で、しかも砂礫層の空隙を確実に目詰めすることできる。
また、ポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子は、アクリル酸ナトリウムに対して架橋剤を多く配合することで、得られるゲルは硬くなり、その吸水量は減少する。また、架橋剤の配合を少なくすると、得られるゲルは柔らかくなり、その吸水量は増大する
さらに、特殊なポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子として、架橋剤により重合させた高吸水性ポリマー粒子の表面をさらに架橋させた、シェルとコアの二重構造を有するポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子の利用が例示される。
このシェルとコアの二重構造を有するポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子においては、外殻であるシェルの厚みが厚いほど硬質なゲルとなり、その吸水量は減少する。一方、シェルの厚みを薄くすると柔らかいゲルとなり、その吸水量は増大する。
また、上記のシェルとコアは、通常、エステル結合により架橋したものであるが、セルとコアの架橋が耐アルカリ性、耐電解質性に優れたエーテル結合により架橋したものであるポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子も存在する。本発明においては、エーテル結合によりシェルとコアが架橋したポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子を用いることがより好ましい。
上記の特性のほか、ポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子におけるナトリウムイオンの解離は、ゲルがおかれるpHや電解質濃度等の条件にも依存するため、使用条件に応じてその他の高吸水性ポリマー粒子を適宜選択して用いることができる。
高吸水性ポリマー含有液4は、地下トンネル工事などの大深度で使用することも想定されており、施工箇所まで加圧して送液される。この場合、高吸水性ポリマー含有液4中の高吸水性ポリマー粒子は、高圧下にさらされるため、加圧による水の保持力の低下が少なく、しかもポリマー粒子自体が変形しにくい架橋構造を持った高吸水性ポリマー粒子の選定が必要である。また、地下水の流速の早い粗い砂礫層の空隙を目詰めするために、膨潤後の粒径は3mm以下で、かつ粒度分布がより良好であることが望ましい。
なお、地盤1が砂礫層(砂礫地盤)である場合、地盤1中の土粒子間の間隙量が45〜50%であることが例示される。
本発明において、高吸水性ポリマー粒子として、ポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子を用いる場合は、上記の条件を満足するものであれば、特に制限されることなく用いることができるが、特に、シェルとコアの二重構造を有するポリアクリル酸ナトリウム高吸水性ポリマー粒子を上記の条件に調整したものを好適に用いることができる。
また、本発明では、高吸水性ポリマー含有液4が、膨潤度調整剤を含有していることが好ましく考慮される。さらにまた、この膨潤度調整剤は、電解質を含有しており、この電解質が一価の金属塩であることが好ましく考慮される。前記高吸水性ポリマー粒子の膨潤度は、純水中において最大となるが、膨潤度調整剤を含有する水溶液中では、膨潤度が低下する。このような高吸水性ポリマー粒子の特性に基づき、あらかじめ高吸水性ポリマー含有液4に膨潤度調整剤を添加することにより、前記高吸水性ポリマー粒子の膨潤を抑制し、粒径を小さく制御することができるとともに、高吸水性ポリマー含有液4の単位体積あたりに含有される前記高吸水性ポリマー粒子の含有量を増大させることができる。これにより、注入管や送液系を詰まらせることなく、施工箇所である地盤1まで前記高吸水性ポリマー粒子の含有量の高い高吸水性ポリマー含有液を送液することが可能となる。そして、地盤1内において、高吸水性ポリマー含有液4と地下水が接触することにより、高吸水性ポリマー含有液4中の電解質濃度が希釈され、前記高吸水性ポリマー粒子が所期の粒子径に膨潤して土壌粒子間の空隙の目詰め効果を発揮することができるようになる。
高吸水性ポリマー含有液4に添加することができる膨潤度調整剤としては、環境負荷が小さく、しかも高吸水性ポリマー粒子を劣化させにくい電解質を用いることが好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化カリウム等の一価の金属塩が好ましく考慮される。環境負荷の面や経済性の面を考慮すると、特に、前記電解質が塩化ナトリウムであることがより好ましい。このような膨潤度調整剤を用いることにより、高吸水性ポリマー粒子の膨潤度を適宜調整することが可能となる。
高吸水性ポリマー含有液4としては、例えば、前記高吸水性ポリマー粒子を純水により膨潤させた状態で、例えば、比重1.20以下、好ましくは比重0.95〜1.20の範囲に調整したものが例示される。
また、高吸水性ポリマー含有液4の粘性は、高吸水性ポリマー含有液4中の自由水率(%)に基づいて調整することができる。
また、高吸水性ポリマー含有液4には、掘削孔2の孔壁安定性の向上や、高吸水性ポリマー含有液4の粘性調整を目的として助剤を添加することができる。
前記助剤としては、例えば、ベントナイト、おが屑、パルプ、ロックウール、繊維などの逸泥防止材または水溶性高分子等が例示される。これらは1種単独または2種以上を併用することができる。
さらに、高吸水性ポリマー含有液4には、酸性物質、塩基性物質および塩類等の電解質が混入した際に、高吸水性ポリマー含有液4の性状および品質の劣化の抑制や回復を可能とするための安定剤を添加することができる。
前記安定剤としては、希硫酸、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド等が例示される。また、前記安定剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどの炭酸水素塩が例示される。さらに、前記安定剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩等が例示される。これらは1種単独または2種以上を併用することができる。
このような組成の高吸水性ポリマー含有液4を掘削孔2内に注入する際には、まず、注入管3を地盤1に埋設する。地盤1に掘削孔2を掘削し、掘削孔2内に注入管3を配管する。そして、注入管3に高吸水性ポリマー含有液4を送液供給し、注入管3の前記貫通孔より、流動性を有する状態にある高吸水性ポリマー含有液4を地盤1中に注入する。
高吸水性ポリマー含有液4に塩を添加して、前記高吸水性ポリマー粒子の膨潤度を抑制している場合、地盤1内において、高吸水性ポリマー含有液4と地下水Wが接触して、含有液中の電解質濃度が低下するとともに、前記高吸水ポリマー粒子が自重の100倍以上に膨潤する。粒子径としては、0.5mm〜3mm程度に達する。
このようにして地盤1に注入された、膨潤度の高い状態の吸水ポリマー粒子が、地盤1内の土壌粒子間の空隙に充填される。そして、図1(a)下図の平面図に示したように、この土壌粒子間の空隙が前記高吸水性ポリマー粒子によって目詰めされたポリマー混合土5を形成し、地盤1の透水性を低下させることにより、地盤1における地下水Wの流速を低下させることができる。
上記工程<1>では、高吸水性ポリマー含有液4を地盤1に掘削した掘削孔2に配管した注入管3を介して、地盤1中に注入することにより、凍土壁5bを構築する箇所を直接ポリマー混合土部5に改良するので、改良範囲を小さくすることができる。そのため、従来の凍結地盤工法の補助工である薬液の注入による地質改良に比べて、環境負荷が小さく、しかも施工コストを抑制することが可能である。
また、本発明の凍結地盤工法は、高吸水性ポリマー含有液4を地盤1中に注入することにより、高吸水性ポリマー含有液4中の水分を凍結させることができるので、従来、凍結地盤工法を適用することが困難であった地下水Wのない地盤にも、凍結地盤工法を適用可能とする。例えば、地下水位は降水量と密接に関わるため、季節変動することが知られており、一般に、夏期に水位が高く、冬に水位が低下する。そのため、冬期においては、凍結地盤工法で施工する深度の地盤中に地下水が存在しない場合がある。本発明の凍結地盤工法では、上記のとおり地盤中に地下水がない時期であっても、高吸水性ポリマー含有液4中の水分を凍結させることで地盤を凍結させることが可能である。また、本発明の地盤凍結工法は、砂層や砂礫地盤等のように水はけが良好で、地下水の少ない地盤に適用することができる点において、従来の方法より優れている。
続いて、工程<2>として、掘削孔2に凍結管を配管し、この凍結管内に冷却液を送液し、高吸水性ポリマー混合土部5の凍土部5aを造成する。地盤1の凍結を行う際には、まず、図1(b)に示すように、凍結管6を地盤1に埋設する。掘削孔2に凍結管6を配管したら、凍結管6内に冷却液7を供給して地盤1およびポリマー混合土部5の凍結を開始する。凍結管6内に冷却液7を供給すると、図1(b)下図の平面図に示したように、凍結管6の周囲のポリマー混合土部5から凍結し始め、年輪状に凍土部5aが造成され、やがて凍土柱5cが形成される。ここで、ポリマー混合土部5には、前記高吸水性ポリマー粒子が拡散充填されているので、掘削孔2から離れた位置にある高吸水性ポリマー含有液4が注入されていない地盤と比較すると、透水性が低下しており、地下水Wの流速が速くても、その影響を受けることなく凍結させることができる。したがって、凍結管6の本数を増やしたり、冷却液7の温度を従来よりも低下させることなく、地盤1およびポリマー混合土5部を効率よく凍結させることができる。
また、前述のとおり、季節変動により地下水の水位が低下した地盤および地下水面より上方の地盤等の地下水量の少ない、あるいはほとんどない地盤であっても、地盤1中に充填された高吸水性ポリマー含有液4中の水分を凍結させることで地盤1を凍結させることが可能である。
そして、本発明の地盤凍結工法は、工程<3>として、上記<1><2>の工程を複数の所定位置において同時または順次行い、凍土部5aを凍結させて凍土壁5bを構築する工程を含む。
すなわち、前記のとおり、凍結管6の周囲に形成された凍土柱5cが、隣接する他の凍土柱5cと連結し、凍土壁5bを構築する。このような凍土壁5bは、コンクリート並みの強度と耐圧性を発揮し、しかも地下水の流れWを遮断することができるので、凍土壁5bにより囲まれた領域においては、構造物の建設が可能となる。
また、本発明の地盤凍結工法は、前記のとおりの地盤凍結工法での、工程<3>の凍土壁構築工程に続いて、以下の原状回復工程<4><5>を含むことを特徴とする。
<4>凍土壁5bおよび凍土部5aを融解させた後、掘削孔2に注入管3を配管し、この注入管3内を介して分離剤8を注入管3周囲の地盤1中に注入し、前記高吸水性ポリマー粒子が取り込んでいる水分を放出させる工程;
<5>注入管3を掘削孔2から撤去する工程。
図2(a)(b)は、本発明の地盤凍結工法の原状回復工程について模式的に示した概略工程断面図および平面図である。
工程<4>においては、まず、冷却液の循環供給を停止させる。これにより、凍土壁5bおよび凍土部5aを構成する凍土は徐々に融解し、非凍結状態のポリマー混合土からなるポリマー混合土部5に戻る。
このポリマー混合土部5に対し、図2(a)に示したように、分離剤8を注入することにより、前記高吸水性ポリマー粒子の水を放出させ、土壌粒子間に空隙を作ることができ、地盤1の透水性を回復させることができる。
分離剤8は、電解質を含有することが好ましく考慮される。
ポリマー混合土5に分離剤8として電解質を注入すると、ポリマー混合土5中の前記高吸水性ポリマー粒子は、電解質の種類およびそれぞれの電解質の電解質濃度に応じて、取り込んでいる水を放出し、その体積を減少させる。
前記電解質としては、ポリマー混合土5に注入することにより水を放出させることができる電解質であれば特に制限されることなく用いることができる。例えば、水酸化カルシウム等の塩基性物質、塩化カルシウム等の塩類、塩酸、硫酸、硝酸、くえん酸等の酸性物質、およびこれらの酸性物質の塩等が例示される。これらの電解質は1種単独または2種以上を併用することができるが、中でも、前記電解質が水酸化カルシウム、塩化カルシウム等の二価の金属塩であることが、好ましく考慮される。環境負荷の面や経済性の面を考慮すると、特に、前記電解質が塩化カルシウムであることがより好ましい。
本発明の地盤凍結工法の原状回復工程の具体例としては、例えば、高吸水性ポリマー含有液4の成分組成が前記高吸水性ポリマー粒子0.2質量%、加重材4.8質量%、水95.0質量%である場合、例えば、通常の高吸水性ポリマー含有液4の0.2質量%以上、高比重の高吸水性ポリマー含有液4の場合0.3〜0.4質量%の塩化カルシウムを添加することにより、高吸水性ポリマー含有液4を、加重材および水分を放出した高吸水性ポリマー粒子を含む5質量%の固形物と、95質量%を占める塩化カルシウム水溶液とに分離することができる。なお、ここでいう95質量%は塩化カルシウム水溶液の質量%濃度を意味してはいない。
上記のメカニズムにより、ポリマー混合土5に対して、分離剤8を注入することで、図2(a)下図の平面図に示したように、ポリマー混合土5中の前記高吸水性ポリマー粒子から水分が放出されて、該高吸水性ポリマー粒子の体積および膨潤度が大きく低下する。そのため、前記高吸水性ポリマー粒子による土壌粒子の空隙の目詰め効果が低下し、地盤1の透水性が回復する。
なお、高吸水性ポリマー含有液4には、環境負荷の大きい重金属元素等は含まれていないため、水分を放出した高吸水性ポリマー粒子を、そのまま地中に放置しておいても、環境を汚染するおそれがほとんどない。また、前記高吸水性ポリマー粒子は、分離剤8と接触することにより、経時的に劣化して、やがては地中で分解される。このように、高吸水性ポリマー含有液4を固形物と液体に分離して廃棄することができる本発明の凍結地盤工法によれば、廃棄が容易になることは勿論、処理コストを非常に安価に抑えることができる。
続いて、工程<5>として、図2(b)に示したように、地盤1に設けた掘削孔2から注入管3を撤去する。注入管3の撤去後は、掘削孔2の堀屑の土砂等を用いて、埋め戻すことにより、施工対象である地盤1の原状回復は完了する。
このように、高吸水性ポリマー含有液4を、固形物と液体に分離して原状回復することができる本願発明の地盤凍結工法の原状回復工程によれば、環境修復性が優れていることはもちろん、処理コストを非常に安価に抑えることができる。
<1.高吸水性ポリマー含有液の基礎実験>
本発明の地盤凍結工法に用いられる高吸水性ポリマー含有液については、基礎実験から以下のとおりの性質が確認されている。
(1)高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率と吸水倍率の関係
図3に示したように、高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率xと吸水倍率の逆数yとの間には、以下の関係式が成立する。
y=3×10−6+0.0016 (1)
ここで、x:高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率(μS/cm)
y:吸水倍率の逆数(1/倍)
上記の式(1)より、高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率を調製することにより、高吸水性ポリマー粒子の吸水率をコントロール可能であることが確認された。
(2)膨潤度調整剤の電解質濃度と電気伝導率の関係
膨潤度調整剤として、塩化ナトリウムNaClを用いた場合、NaCl濃度(質量%濃度)と電気伝導率の関係は、図4に示したように、ほぼ比例関係にある。NaCl濃度(質量%濃度)xと高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率yとの間には、以下の関係式が成立する。
y=17496.76x+43.83913 (2)
ここで、x:NaCl濃度(質量%濃度)
y:高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率(μS/cm)
上記の式(2)より、NaClの添加量を調整することにより、高吸水性ポリマー粒子の電気伝導率をコントロール可能であることが確認された。
(3)高吸水性ポリマー含有液の自由水率とファンネル粘性(流動性)の関係
ここで、ファンネル粘性とは、500mlの漏斗(ファンネル)型の容器に入れた試料液が500ml吐出されるのに要した流出時間(秒)によって粘性を測定するマーシュファンネル粘度計を用いて測定された粘度である。ファンネル粘性が適切な範囲に調整されていれば、土壌粒子間の空隙に高吸水性ポリマー含有液が拡散することが可能となり、土壌粒子間の空隙に高吸水性ポリマー粒子が浸入し、所期の目詰め効果を発揮することができる。
高吸水性ポリマー含有液のファンネル粘性(流動性)は、図5に示したように、高吸水性ポリマー粒子の吸水率の値によらず、高吸水性ポリマー含有液の自由水率に基づき調整することができる。例えば、図5に示したように、吸水性ポリマー含有液の自由水率が同じであれば、ファンネル粘性(流動性)は同等の値を示すことが確認された。そのため、高吸水性ポリマー含有液の自由水率を調整することにより、圧送機械に応じた高吸水性ポリマー含有液の圧送が可能である。
上記(1)〜(3)の結果より、高吸水性ポリマー粒子にあらかじめ吸水させる使用水または高吸水性ポリマー含有液の電気伝導率を調整し、高吸水性ポリマー含有液の自由水率を調整すれば、所定の吸水余力を残した高吸水性ポリマー粒子を、圧送機機械に応じた粘性(流動性)に調整して圧送することが可能となる。
<2.難透水層の形成試験と透水性回復試験>
難透水層の形成に関して、高吸水ポリマー含有液により掘削孔の壁面の周囲に難透水層ができることを以下の実験で確認した。
図6は、難透水層形成を計測する装置の概略図である。図6において、模擬地盤11は、厚さ200mmとし、砂層から砂礫地盤を想定し、試料土として2種類の珪砂(粒度が粗い珪砂1号と中粒な珪砂4号)を使用した。また、高吸水性ポリマー粒子(ポリアクリル酸ナトリウム:商品名Geosap、三洋化成工業社製)として、粒度の異なる2種類(乾燥状態で粗粒:粒径150〜710μm、細粒:20〜50μm)を使用した。
1)試料土の透水試験、2)試料土と吸水膨張した粗粒ポリマー、粗粒と細粒の高吸水性ポリマーあるいは細粒の高吸水性ポリマーを体積比で1:1で混合した試料土(ポリマー混合土)として透水試験を行った。上記2)の透水試験に引き続き、浸透する液体を水に代えて塩化カルシウムCaCl 1質量%溶液を使用して透水試験を行った。
この実験では、地盤中における難透水層の形成性を確認するために、第1のシリンダーA、第2のシリンダーBにコンプレッサー9により、300kN/mの拘束圧を加え、さらにシリンダーAには圧力水頭として20kN/mを加算し、合計320kN/mをコンプレッサー9により加えた。模擬地盤11中に浸透した浸透水10は、第1のシリンダーAと第2のシリンダーBとを連通する連通路を介して、第2のシリンダーB内部へと移動する。このようにして、第2のシリンダーB内部へと移動し、貯留された浸透水10の質量を電子はかり12で秤量し、貯留された浸透水10の質量を基に透水係数を算出した。
上記実験から得られた、高吸水ポリマー含有液を充填した模擬地盤11の透水係数を図7に示す。
透水試験の結果、珪砂の透水係数は2.0〜4.75×10−2cm/sであるが、高吸水性ポリマー含有液を珪砂に混合すると、透水係数は珪砂1号、珪砂4号ともに10−5cm/sと小さくなり、難透水層が形成されることを確認した。ただし、珪砂1号と粗粒な高吸水性ポリマーの混合土である模擬地盤11の透水係数は、7.5×10−2cm/sであり、透水係数の低下は少なかった。このことは、対象土の粒度に適合するように高吸水性ポリマー粒子の粒度の調整が必要であることを示している。
次に、模擬地盤11に浸透水10として、塩化カルシウムCaCl 1質量%溶液を浸透させると、模擬地盤11の透水係数は大きくなり、おおよそ砂の透水係数に近くなる。これは高吸水性ポリマー粒子が塩化カルシウムCaClの作用により水を放出し、体積が減少することにより、土壌粒子間の間隙を目詰めすることができなくなり、水を通過させたことを示している。
<3.現場施工での確認>
本発明の地盤凍結方法の一実施形態を適用し、地下水Wの流れが約2.0m/日以上の地盤において、凍結地盤工法による施工を行ったところ、地下水Wの流れを遮断して凍土壁5bを構築できることが確認された。また、凍土壁5bにより地下水Wの流れが遮断されたエリアでの構造物の建設後、凍結管6内の冷却液7の循環を停止させて、凍土壁5bを融解させた後、掘削孔2に配管した注入管3より分離剤8として0.2質量%の塩化カルシウム水溶液を地盤1中に注入したところ、地盤1の透水性が回復し、地下水Wの流れも約2.0m/日以上に回復することが確認された。掘削孔2から土壌サンプルおよび地下水Wのサンプルを採集し、機器分析を行ったところ、化学物質等による汚染は認められず、環境負荷がほとんど見られないことが確認された。
1 地盤
2 掘削孔
3 注入管
4 高吸水性ポリマー含有液
5 ポリマー混合土部
5a 凍土部
5b 凍土壁
5c 凍土柱
6 凍結管
7 冷却液
8 分離剤
9 コンプレッサー
10 浸透水
11 模擬地盤
12 電子はかり
31 貫通孔
A、B シリンダー
W 地下水

Claims (7)

  1. 地盤を掘削して設ける掘削孔に凍結管を配管し、この凍結管内に送液した冷却液をもって凍土部を造成し、この凍土部を連結して凍土壁を構築する地盤凍結工法であって、少なくとも以下の工程<1><2><3>を含むことを特徴とする地盤凍結工法。
    <1>地盤の掘削孔において注入管を介して、少なくとも、水と、吸水して膨潤した自重の10倍〜500倍の吸水性を有する高吸水性ポリマー粒子と、該高吸水性ポリマー粒子の粒径を制御するための、一価の金属塩である電解質を含有する膨潤度調整剤とを含有する高吸水性ポリマー含有液を注入管周囲の地盤中に注入し、高吸水性ポリマー混合土部を造成する工程;
    <2>前記掘削孔に凍結管を配管し、この凍結管内に冷却液を送液し、前記高吸水ポリマー混合土部の凍土部を造成する工程;
    <3>前記<1><2>の工程を複数の所定位置において同時または順次行い、前記凍土部を連結させて凍土壁を構築する工程。
  2. 前記工程<1>において、掘削孔の形成時に前記地盤の土と、前記高吸水性ポリマーを注入管の攪拌翼により混合攪拌して前記高吸水性ポリマー混合土部を造成することを特徴とする請求項1に記載の地盤凍結工法。
  3. 前記地盤が、砂礫地盤、季節変動により地下水の水位が低下した地盤および地下水面より上方の地盤からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の地盤凍結工法。
  4. 前記高吸水性ポリマー含有液がデンプン系、セルロース系および合成ポリマー系からなる群より選択される少なくとも1種である高吸水性ポリマー粒子を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の地盤凍結工法。
  5. 請求項1または2に記載の地盤凍結工法での、工程<3>の凍土壁構築工程に続いて、以下の原状回復工程<4><5>を含むことを特徴とする地盤凍結工法。
    <4>前記凍土壁および前記凍土部を融解させた後、前記掘削孔に前記注入管を配管し、この注入管内を介して分離剤を注入管周囲の地盤中に注入し、前記高吸水性ポリマー粒子が取り込んでいる水分を放出させる工程;
    <5>前記注入管を前記掘削孔から撤去する工程。
  6. 前記分離剤が電解質を含有することを特徴とする請求項5に記載の地盤凍結工法。
  7. 前記電解質が二価以上の多価金属塩であることを特徴とする請求項6に記載の地盤凍結工法。
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