JP6924634B2 - 電動工具 - Google Patents
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Description
ケースは、ケース上部の下面から下方へ棒状に突出する突起を有しており、その突起の下端部は、フック状に形成されている。
そして、スイッチSは、その後端部がケースの突起と接触し、その後端部の下面が突起のフック部に掛かることで、ケースに固定される。
即ち、突起は部品の配置に合わせて設けられる必要があり、又部品の着脱時において一旦退くために弾性や待避スペースを有する必要があるところ、複数の突起を互いに隣接する部品に合わせて形成することは、配置や弾性や待避スペースについて配慮を要して複雑であるし、それぞれの配置や待避スペースの確保により省スペース化が困難である。
そこで、本発明の主な目的は、互いに隣接した複数の部品がコンパクトに固定される電動工具を提供することである。
又、本発明の別の主な目的は、複数の部品を固定するための構造が簡単に設けられる電動工具を提供することである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記弾性部は、柱状であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、前記弾性部は、四角柱状であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明において、前記部品のうち少なくとも1つは、電子部品であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記発明において、互いに突出する方向の異なった前記係止部のうちの一方の当該方向における前記弾性部の前記係止部以外の部分の寸法と、他方の当該方向における前記弾性部の前記係止部以外の部分の寸法とが同等であることを特徴とするものである。
又、本発明の別の主な効果は、複数の部品を固定するための構造が簡単に設けられる電動工具が提供されることである。
以下、本発明の実施の第1形態が適宜図面に基づいて説明される。
図1は、第1形態に係る、電動工具の一例であるグラインダ1の左側面図であり、図2は、グラインダ1の縦中央断面図であり、図3は、図2の前部拡大図である。図2,図3において、配線等の一部内部機構が省略されている。
図1,図2における左がグラインダ1の前であり、これらの図における上がグラインダ1の上であるが、被加工物や作業状況ないし部材の移動等に応じ、方向は適宜変化し得る。
本体部2ないし出力部4の外郭は、ハウジング6となっている。
ハウジング6は、本体部2前部の外郭となる筒状の本体ハウジング8と、その後に配置され本体部2後部の外郭となる有底筒状のリアカバー10と、本体ハウジング8の前に配置される円盤状のベアリングリテーナ11と、ベアリングリテーナ11の前に配置されるギヤハウジング12と、その下に配置されるベアリングリテーナ14を有している。ギヤハウジング12及びベアリングリテーナ14は、出力部4の外郭となっている。
リアカバー10内には、ケース16が配置されている。リアカバー10の後面下部には、ネジ16aが、前後方向を向き、ケース16に形成されたネジ穴部16bのネジ穴に達する状態で入れられている。
ベアリングリテーナ11とギヤハウジング12は、本体ハウジング8の前部に対して、共通する複数(4本)のネジ12aによって固定されている。
ベアリングリテーナ14は、ギヤハウジング12の下部に対して、複数(4本)のネジ14aによって固定されている。
本体ハウジング8の前部の上下には、排気口(図示略)が複数開けられており、リアカバー10の右中央には、吸気口10aが複数開けられている。
モータ20は、本体ハウジング8に対して固定される円筒状のステータ22と、ステータ22の内側に配置されるロータ24を備えている(インナーロータ)。
ステータ22は、筒状の電磁石(コイル)である。
ロータ24は、回転軸(ロータ軸)であるモータ軸30と、モータ軸30に一体に固定された複数の鉄心溝を有する回転子鉄心32と、その鉄心溝に挿入された複数のコイル34と、を有する。
モータ軸30の前端部には、ピニオン36が一体に固定されており、その後側には、モータ軸30を回転可能に支持するモータ前軸受38が配置されている。モータ前軸受38は、ベアリングリテーナ11の中央部に取り付けられている。
モータ軸30の後端部には、モータ軸30を回転可能に支持するモータ後軸受40が配置されている。モータ後軸受40の外輪は、モータ後軸受ケース42を介して、ケース16(の前部に形成された有底円筒状の軸受保持部16c)に保持されている。他方、モータ後軸受40の内輪は、モータ軸30の後端部に圧入されており、更にその前側に接触するクリップ43により位置決めされている。
ファン44の外方には、本体ハウジング8に形成された上述の排気口が配置されている。
ファンコア46とピニオン36の間に、モータ前軸受38の内輪が配置されている。
ケース16の上後部には、電源コード50の端部が、ネジ50a及びコード押さえ50bを介して固定されている。電源コード50の端縁は、コードカバー52により覆われている。
スイッチボックス56は、直方体状のスイッチボックス本体60と、スイッチボックス本体60から突出した押下可能なボタン61と、を有している。
スイッチボックス本体60の上面中央には、左右に延びており周辺部分に対して上方に突出する上リブ60aが形成されており、スイッチボックス本体60の下面中央には、左右に延びており周辺部分に対して下方に突出する下リブ60bが形成されている。
スイッチボックス56は、ボタン61が押下される毎に、コントローラ57を介して、モータ20のオンオフを切り替える。
コントローラ57は、ブロック状の部材であり、直方体状のコントローラケース62内に、モータ20やスイッチボックス56を制御するための複数の素子が入れられている。
コントローラケース62からは、複数(2個)の端子63が突出しており、コントローラ57(の素子)は、各端子63を介して、電源コード50、モータ20(各コイル34)、及びスイッチボックス56と、図示されない配線により電気的に接続されている。
箱状部16dの前下壁部64は、後下壁部66より下方に配置されている。
前下壁部64と後下壁部66との間には、弾性部68が配置されている。弾性部68は、ケース16の左壁部70から右方へ突出した柱状であり、弾性を有している。弾性部68は、前下壁部64後辺部の上方であって、後下壁部66の前方に配置されており、後下壁部66の前方への仮想延長面に含まれるように形成されている。
弾性部68は、正方形の断面を有する四角柱であり、第1フック部68aを除く前後方向の寸法と、第2フック部68bを除く上下方向の寸法が、互いに同等である。
後壁部78の下方に広がる仮想延長面は、弾性部68における第1フック部68aを除く前面を含んでいる。
前上壁部74の中央部には、左右に延びる上溝80が形成されており、前下壁部64の中央部には、左右に延びる下溝82が形成されている。
上げ底左壁部84は、スイッチボックス設置スペースSSを避けている。又、後下受け部88及び後下壁部66は、面状に連続しており、後下受け部88後部と後下壁部66後部との間に、上げ底左壁部84が立てられている。
スイッチボックス本体60の後面であってボタン61の上方の部分は、後壁部78と接触している。他方、スイッチボックス本体60の後面であってボタン61の下方の部分は、弾性部68の前面に接触している。スイッチボックス本体60の右面後辺部には、弾性部68の第1フック部68aが掛かっている。スイッチボックス本体60は、第1フック部68aと左壁部70とで挟まれることで、ケース16に取り付けられる。
スイッチボックス本体60の上リブ60aは、前上壁部74の上溝80に入り、下リブ60bは、前下壁部64の下溝82に入る。
ボタン61は、後方へ突出している。
尚、スイッチボックス本体60の前面は、配線スペースの確保等のため、前壁部72から離れている。
コントローラケース62の下面には、後下受け部88の前後方向に向いた部分の上面、及び弾性部68の上面が接触する。コントローラケース62の右面中央部には、弾性部68の第2フック部68bが掛かっている。コントローラケース62は、第2フック部68bと上げ底左壁部84(及びスイッチボックス本体60)とで挟まれることで、ケース16に取り付けられる。
端子63は、右方へ突出し、更に下方へ突出している。
スライダ90は、本体ハウジング8の前端部左側外面において、前後にスライド可能に設けられている。スライダ90の下部は、本体ハウジング8内に入っており、スライドアーム機構とつながっている。
スライダ90が前に押されると、スライドアーム機構がボタン61を押下する。スライダ90の前方へのスライド量に応じ、ボタン61の押下量が変化する。スライダ90は、直接、あるいはスライドアーム機構を介して、後方に付勢されている。
スピンドル96は、モータ軸30と略90°の角度を有するよう、上下方向を向くように配置されている。即ち、スピンドル96(出力部4の出力軸)は、モータ軸30に対して略90°の角度を有しており、グラインダ1は、アングル工具(アングル電動工具)となっている。
スピンドル96の上部はギヤハウジング12内に配置され、中央部はベアリングリテーナ14内に配置され、下部はベアリングリテーナ14から露出している。
スピンドル96の上端部は、ギヤハウジング12に固定されたスピンドル上軸受100内に入っている。スピンドル96の中央部は、ベアリングリテーナ14に固定されたスピンドル下軸受104内に入っている。
スピンドル96の下端部には、クランプ106が設けられている。クランプ106には、円盤状の砥石(先端工具,図示略)が装着される。ベアリングリテーナ14の下部には、砥石の周囲(後半)に配置可能なホイールカバー108が取り付けられる。尚、図4において、砥石非装着時にクランプ106の一部又は全部を覆って保護するクランプカバー110が示されている。
即ち、作業者は、電源コード50を電源に接続し、スライダ90を前方にスライドしていくと、スライドアーム機構によりスイッチボックス56のボタン61が押され、グラインダ1において、電源コード50からの電力供給によるモータ20の駆動が、コントローラ57の制御のもとで行われる。
コントローラ57の制御により、ロータ24(モータ軸30)が回転し、モータ軸30の回転により、ファン44が回転して各排気口から空気が排気され、各吸気口10aや、ハウジング6における隙間から、各排気口への空気の流れが形成される。空気の流れによって、モータ20を始めとするグラインダ1の内部機構が冷却される。
作業者は、スライダ90の前方へのスライドを解除していくと、図示されないスライドアーム機構によるスイッチボックス56のボタン61の押下が解除されていき、グラインダ1において、モータ20への電力供給が停止されてモータ20が停止される。
スイッチボックス56は、ケース16に取り付けられる際、弾性部68が製造者の手等からの外力により後方に倒され、第1フック部68aが引っ掛からない状態で、スイッチボックス設置スペースSSに入れられる。更に、弾性部68への外力が解除されて、弾性による後方に倒されない通常位置への復帰が許容され、当該通常位置において、スイッチボックス56に第1フック部68aが掛かる。取り付けられたスイッチボックス56の取り外しも、取り付けと同様に、第1フック部68aを待避させることで行える。
又、コントローラ57も、スイッチボックス56と同様に、弾性部68を下方に倒して第2フック部68bを待避させることで、取り付けられ、あるいは取り外される。
弾性部68の共通化により、スイッチボックス56を係止するための第1弾性部、及びコントローラ57を係止するための第2弾性部がそれぞれ別の箇所において立てられる場合に比べ、弾性部の数が半減して、その分省スペースとなる。
又、強度確保や防塵性確保等の観点から、ケース16の最外部を箱形状に可及的に近づけることが考慮される場合も存在し、かような場合にはケース16の最外部(前下壁部64及び後下壁部66等)の内面から内方に突出するように弾性を呈する弾性部68が設けられるところ、かような考慮を要する弾性部68の設置が1箇所で済むため、強度確保や防塵性確保について配慮された、複数の部品(スイッチボックス56及びコントローラ57)を取り付けるための構造が、より一層シンプルになる。
更に、スイッチボックス56及びコントローラ57の着脱時に操作すべき箇所が弾性部68の1箇所となるため、複数の部品の着脱において操作すべき箇所を複数把握する必要がなく、その分着脱作業が容易になる。
又、弾性部68は、棒状の突起である。よって、弾性を有し省スペースである弾性部68が簡単に設置される。
更に、スイッチボックス56及びコントローラ57は、電材である。よって、電材がコンパクトに又簡単に取り付けられる。
又更に、第1フック部68aが弾性部68における他の部分から突出する方向は前方であり、第2フック部68bが弾性部68における他の部分から突出する方向は上方である。よって、第1フック部68aにより係止されるスイッチボックス56の設置スペース(スイッチボックス設置スペースSS)と、第2フック部68bにより係止されるコントローラ57の設置スペース(コントローラ設置スペースSC)とが、隣接位置に配置されてコンパクトになる。又、スイッチボックス56を着脱するときは弾性部68を後方に引き、コントローラ57を着脱するときは弾性部68を後方とは異なる下方に引けば良く、それぞれの着脱のために弾性部68を変形させる方向が異なることとなって、それぞれの着脱が行い易い。更に、弾性部68が金型で成形される場合であって、金型の抜き方向が弾性部68における第1フック部68a及び第2フック部68b以外の部分の方向と同様であるときには、第1フック部68aと第2フック部68bとが同じ方向で並ぶと金型が抜き難いところ、第1フック部68aと第2フック部68bとが違う方向で並ぶため、金型が抜き易くなり、金型の設計も容易となって、弾性部68の製造が行い易い。
加えて、第1フック部68aが突出する方向である前後方向における弾性部68の第1フック部68a以外の部分の寸法と、第2フック部68bが突出する方向である上下方向における弾性部68の第2フック部68b以外の部分の寸法とが同等である。よって、前後方向ないし上下方向において弾性部68の弾性力が同等となり、同様の操作力でスイッチボックス56及びコントローラ57が着脱される。
本発明の実施の第2形態に係るグラインダ201は、第1形態のグラインダ1と、ケースないしこれに装着される部品の組合せが異なることを除いて同様に成る。第1形態のグラインダ1と同様である部品や部分等については、同じ符号が用いられて適宜説明が省略される。
図7は、第2形態のグラインダ201の一部開蓋右側面図であり、図8は、図7のC−C線断面図であり、図9は、図7のD−D線断面図である。
コンデンサ258は、ブロック状の電材であって、コントローラ57と電気的に接続される。
箱状部216dは、第1形態の箱状部16dと同様に、前下壁部64及び後下壁部66を有している。
前下壁部64及び後下壁部66の間には、弾性部268が配置されている。弾性部268は、ケース16の左壁部70から右方へ突出し更に後方へ突出した柱状であり、左右に延びる柱状の弾性部基部268xと、弾性部基部268xの右端部から後方へ延びる柱状の弾性部先部268yとを有していて、弾性を呈している。弾性部基部268xは、弾性部先部268yと接続されることを除き、第1形態の弾性部68と同様である。
弾性部先部268yは、弾性部基部268xと同様に、正方形の断面を有する四角柱である。よって、弾性部基部268xに係る、第1フック部268aを除く前後方向の寸法と、第2フック部268bを除く上下方向の寸法と、弾性部先部268yに係る、第3フック部268cを除く左右方向の寸法とが、互いに同等である。
但し、第2形態に係るケース216のコントローラ設置スペースSCでは、第1形態に係る側面視で上下と前後に延びるL字状の後下受け部88に代えて、側面視で上下に延びるI字状の後受け部288が設けられている。
又、ケース216ないしその隣接部分における、弾性部先部268yの第3フック部268aより前の部分の下方は、後下壁部66の右壁266と、弾性部基部268xの後面上部と、コントローラ設置スペースSC(に設置されたコントローラ57)の下面と、リアカバー5の下部内面と、に囲まれている。かように囲まれた部分は、後方に開放されており、コンデンサ設置スペースSDとなっている。
更に、ケース216のコンデンサ設置スペースSDには、コンデンサ258が取り付けられている。
スイッチボックス本体60の右面後辺部には、弾性部268の第1フック部268aが掛かっている。スイッチボックス本体60は、第1フック部268aと左壁部70とで挟まれることで、ケース216に取り付けられる。
コントローラケース62の下面には、コンデンサ258の上面、及び弾性部268の上面が接触する。コントローラケース62の右面中央部には、弾性部268の第2フック部268bが掛かっている。コントローラケース62は、第2フック部268bと上げ底左壁部84(及びスイッチボックス本体60)とで挟まれることで、ケース216に取り付けられる。
コンデンサ258の左面は、後下壁部66の右壁266に接触している。コンデンサ258の後面右辺部には、弾性部268の第3フック部268cが係っている。コンデンサ258は、第3フック部268cと弾性部268の後面とで挟まれることで、ケース216に取り付けられる。
スイッチボックス56は、ケース216に取り付けられる際、弾性部268の弾性部基部268xが製造者の手等からの外力により後方に倒され、第1フック部268aが引っ掛からない状態で、スイッチボックス設置スペースSSに入れられる。更に、弾性部268への外力が解除されて、弾性による通常位置への復帰が許容され、当該通常位置において、スイッチボックス56に第1フック部268aが掛かる。取り付けられたスイッチボックス56の取り外しも、取り付けと同様に、第1フック部268aを待避させることで行える。
又、コントローラ57は、スイッチボックス56と同様に、弾性部268の弾性部基部268xを下方に倒して第2フック部268bを待避させることで、取り付けられ、あるいは取り外される。
更に、コンデンサ258は、弾性部268の弾性部先部268yを、その前端部を中心として(あるいは更に弾性部基部268の左端部を中心として)右方に倒すことで、第3フック部268cを右方に待避させ、その状態で後方から出し入れすることで、取り付けられ、あるいは取り外される。
弾性部268の共通化により、スイッチボックス56を係止するための第1弾性部、コントローラ57を係止するための第2弾性部、及びコンデンサ258を係止するための第3弾性部がそれぞれ別の箇所において立てられる場合に比べ、弾性部の数が減少して、その分省スペースとなる。
又、強度確保や防塵性確保等の観点から、ケース216の最外部を箱形状に可及的に近づけることが考慮される場合も存在し、かような場合にはケース216の最外部の内面から内方に突出するように弾性を呈する弾性部268が設けられるところ、かような考慮を要する弾性部268の設置が1箇所で済むため、強度確保や防塵性確保について配慮された、複数の部品(スイッチボックス56、コントローラ57及びコンデンサ258)を取り付けるための構造が、より一層シンプルになる。
更に、スイッチボックス56、コントローラ57及びコンデンサ258の着脱時に操作すべき箇所が弾性部268の1箇所となるため、複数の部品の着脱において操作すべき箇所を複数把握する必要がなく、その分着脱作業が容易になる。
又、弾性部268は、棒状の突起である。よって、弾性を有し省スペースである弾性部268が簡単に設置される。
更に、スイッチボックス56、コントローラ57及びコンデンサ258は、電材である。よって、電材がコンパクトに又簡単に取り付けられる。
又更に、第1フック部268aが弾性部268における他の部分から突出する方向は前方であり、第2フック部268bが弾性部268における他の部分から突出する方向は上方であり、第3フック部268cが弾性部268における他の部分から突出する方向は左方である。よって、第1フック部268aにより係止されるスイッチボックス56の設置スペース(スイッチボックス設置スペースSS)と、第2フック部268bにより係止されるコントローラ57の設置スペース(コントローラ設置スペースSC)と、第3フック部268cにより係止されるコンデンサ258の設置スペース(コンデンサ設置スペースSD)とが、隣接位置に配置されてコンパクトになる。又、スイッチボックス56を着脱するときは弾性部268を後方に引き、コントローラ57を着脱するときは弾性部268を後方とは異なる下方に引き、コンデンサ258を着脱するときは弾性部268を後方や下方とは異なる右方へ引けば良く、それぞれの着脱のために弾性部268を変形させる方向が異なることとなって、それぞれの着脱が行い易い。更に、弾性部268が金型で成形される場合であって、金型の抜き方向が弾性部基部268xあるいは弾性部先部268yの方向と同様であるときに、金型が抜き易くなり、金型の設計も容易となって、弾性部268の製造が行い易い。
加えて、第1フック部268aが突出する方向である前後方向における弾性部268の第1フック部268a以外の部分の寸法と、第2フック部268bが突出する方向である上下方向における弾性部268の第2フック部268b以外の部分の寸法と、第3フック部268cが突出する方向である左右方向における弾性部268の第3フック部268c以外の部分の寸法とが同等である。よって、前後方向、上下方向ないし左右方向において弾性部268の弾性力が同等となり、同様の操作力でスイッチボックス56、コントローラ57及びコンデンサ258が着脱される。
本発明の実施の第3形態に係るグラインダ301は、第1形態のグラインダ1と、ケースが異なることを除いて同様に成る。第1形態のグラインダ1と同様である部品や部分等については、同じ符号が用いられて適宜説明が省略される。
図10は、第3形態のグラインダ301の一部開蓋右側面図であり、図11は、図10のE−E線断面図であり、図12は、図10のF−F線断面図である。
ケース316は、ネジ穴部16bと同様にネジ16aを受け入れるネジ穴部316bと、軸受保持部16cと同様の軸受保持部316cとの間において、右方へ開放した箱状部316dを有している。
箱状部316dは、第1形態と同様に上げ底左壁部84を有しており、上げ底左壁部84は、その前上部から右方に突出した前後方向の前上受け部386、及びその後下部から右方に突出した側面視L字状の後下受け部88とつながっている。
そして、箱状部316dは、第1形態の前上壁部74と同様である前上壁部374を備えている。但し、箱状部316dの外郭である前上壁部374は、それぞれ右面から左方へ延びる前後1対のスリット374aと、それらの間の弾性部368を有している。
弾性部368は、前上壁部374における他の部分と連続しており、当該他の部分における右面から右方へはみ出した柱状となっていて、弾性を呈している。
弾性部368は、正方形の断面を有する四角柱であり、第1フック部368aを除く上下方向の寸法と、第2フック部368bを除く前後方向の寸法が、互いに同等である。
他方、ケース316における、弾性部368の第1フック部368aより右の部分の後方は、左壁部70より右方に配置された上げ底左壁部84と、上げ底左壁部84とつながる前上受け部386及び後下受け部88と、に囲まれている。かように囲まれた部分は、右方に開放されており、コントローラ設置スペースSCとなっている。
スイッチボックス本体60の上面前辺部には、弾性部368の下面が接触している。スイッチボックス本体60の右面前辺部には、弾性部368の第1フック部368aが掛かっている。スイッチボックス本体60は、第1フック部368aと左壁部70とで挟まれることで、ケース16に取り付けられる。
コントローラケース62の前面には、弾性部368の後面が接触する。コントローラケース62の右面前辺部には、弾性部368の第2フック部368bが掛かっている。コントローラケース62は、第2フック部368bと上げ底左壁部84(及びスイッチボックス本体60)とで挟まれることで、ケース316に取り付けられる。
スイッチボックス56は、ケース316に取り付けられる際、弾性部368が製造者の手等からの外力により上方に倒され、第1フック部368aが引っ掛からない状態で、スイッチボックス設置スペースSSに入れられる。更に、弾性部368への外力が解除されて通常位置への復帰が許容され、当該通常位置において、スイッチボックス56に第1フック部368aが掛かる。取り付けられたスイッチボックス56の取り外しも、取り付けと同様に、第1フック部368aを待避させることで行える。
又、コントローラ57も、スイッチボックス56と同様に、弾性部368を前方に倒して第2フック部368bを待避させることで、取り付けられ、あるいは取り外される。
弾性部368の共通化により、スイッチボックス56を係止するための第1弾性部、及びコントローラ57を係止するための第2弾性部がそれぞれ別の箇所において立てられる場合に比べ、弾性部の数が半減して、その分省スペースとなる。
又、ケース316の最外部に係る前上壁部374に弾性部368が形成されるため、ケース316の最外部が箱形状からその分遠ざかることで第1形態や第2形態に比べて強度や防塵性が比較的に劣るものの、弾性部368が前上壁部374と一連に設けられて、最外部と別に設けられる第1形態や第2形態に比べて省スペースになるし、設計や製造も一層容易になる。
更に、スイッチボックス56及びコントローラ57の着脱時に操作すべき箇所が弾性部368の1箇所となるため、複数の部品の着脱において操作すべき箇所を複数把握する必要がなく、その分着脱作業が容易になる。
又、弾性部368は、棒状の突起である。よって、弾性を有し省スペースである弾性部368が簡単に設置される。
更に、第1フック部368aが弾性部368から突出する方向は下方であり、第2フック部368bが弾性部368から突出する方向は後方である。よって、第1フック部368aにより係止されるスイッチボックス56の設置スペース(スイッチボックス設置スペースSS)と、第2フック部368bにより係止されるコントローラ57の設置スペース(コントローラ設置スペースSC)とが、隣接位置に配置されてコンパクトになる。又、スイッチボックス56を着脱するときは弾性部368を上方に引き、コントローラ57を着脱するときは弾性部368を上方とは異なる前方に引けば良く、それぞれの着脱のために弾性部368を変形させる方向が異なることとなって、それぞれの着脱が行い易い。更に、弾性部368が金型で成形される場合であって、金型の抜き方向が弾性部368における第1フック部368a及び第2フック部368b以外の部分の方向と同様であるときに、金型が抜き易くなり、金型の設計も容易となって、弾性部368の製造が行い易い。
加えて、第1フック部368aが突出する方向である上下方向における弾性部368の第1フック部368a以外の部分の寸法と、第2フック部368bが突出する方向である前後方向における弾性部368の第2フック部368b以外の部分の寸法とが同等である。よって、上下方向ないし前後方向において弾性部368の弾性力が同等となり、同様の操作力でスイッチボックス56及びコントローラ57が着脱される。
尚、本発明は、上記形態に限定されるものではない。例えば、上記形態は、次にそれぞれ示す変更例に、適宜変更することができる。
弾性部が4つ以上のフック部を有するようにして、1つの弾性部で4つ以上の部品が取り付けられても良い。
弾性部に係止される複数の部品は、スイッチボックス,コントローラ,コンデンサ以外の電材であっても良いし、全て電材である必要はなく、一部あるいは全部が電材以外の部品であっても良い。
係止部は、フック部に限られず、窪みに入る突起や、突起に入る窪み、ないしはこれらの組合せであっても良い。
ケースの材質は、合成樹脂を始めとする樹脂製であっても良いし、金属製であっても良いし、他の材質であっても良い。
弾性部は、ケース以外のハウジングに設けられても良く、即ちケース以外のハウジングと一体であっても良い。又、弾性部の各フック部の少なくとも何れかが、ケース以外のハウジングと一体であっても良い。
モータとスピンドルの間等に、モータのオフ時において回転する部材に対してブレーキをかけるブレーキ機構が設けられても良い。
ハウジングは、リアカバーが本体ハウジングと一体とされたり、本体ハウジングとベアリングリテーナとが共通化されたり、ギヤハウジングとベアリングリテーナとが共通化されたり、本体ハウジングとギヤハウジングが共通化されたり、一部あるいは全部を半割あるいは複数割としたり、ケースとリアカバーが一体化されたりする等、適宜変更可能である。
スイッチボックスのリブ及びそれが入る溝の一部又は全部が省略されたり、スイッチボックスがボタンの押し込み量に応じてモータ軸の速度を変える(例えば押し込み量が大きいほどモータ軸を速く回転させる)ものとされたり、各種の端子が板状ではなくブロック状とされたりする等、各種の機構,部材,部分の数量,形状や材質,取り付け態様,支持態様等は適宜変更されて良い。
グラインダは、商用電源に接続するためのコードを備えた商用電源駆動(AC)のものに限られず、バッテリ装着部を備えたバッテリ駆動(DC)のものであっても良い。
更に、本発明は、グラインダのみならず、サンダを始めとする他の電動工具に対して適用することができる。
Claims (5)
- 複数の部品が取り付けられるハウジングを備えており、
前記ハウジングは、弾性を有する弾性部を備えており、
前記弾性部は、複数の係止部を備えており、
複数の前記係止部のうちの少なくとも何れか2つは、互いに前記弾性部における他の部分から突出する方向が異なっており、互いに異なる前記部品を係止し、
少なくとも何れか2つの前記係止部に係止された各前記部品は、互いに接触し、前記弾性部の延在方向で並ぶ
ことを特徴とする電動工具。 - 前記弾性部は、柱状である
ことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。 - 前記弾性部は、四角柱状である
ことを特徴とする請求項2に記載の電動工具。 - 前記部品のうち少なくとも1つは、電子部品である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電動工具。 - 互いに突出する方向の異なった前記係止部のうちの一方の当該方向における前記弾性部の前記係止部以外の部分の寸法と、他方の当該方向における前記弾性部の前記係止部以外の部分の寸法とが同等である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の電動工具。
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