JP6922989B2 - 重金属処理剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重金属処理剤に関すると共に、重金属処理剤の製造方法にも関する。より詳細には、本発明は、液相中の重金属を除去するための重金属処理剤に関すると共に、かかる重金属処理剤を製造する方法にも関する。
重要な資源として水は欠かすことができないものであり、生活用水および工業用水のみならず、農業用水および雑用水などとして広く利用されている。特に循環資源でもある水は、その利用の結果として生じる排水などが環境に戻される。
水利用に際し、水質汚濁・汚染などは特に問題とされ、所望の水を得るべく必要な処理が行われる。水中に含まれる重金属は、その種類および濃度によって所望の水用途に適さず、また、そもそも人体などに有害性を示すものが多く、水中から重金属を除去または低減することが求められる。例えば、工場排水に含まれる重金属は毒性が強いものが多く体内に蓄積されると中毒症状などがもたらされる虞がある。よって、環境基本法等では排水基準が定められている。生活用水については、飲用を前提とした水道水などがあり、特に厳しい水質基準が定められている。このため、重金属を除去・低減するための浄水処理など各種処理が行われる。
あくまでも一つの例示にすぎないが、マンガンは、鉄などとともに水中に含まれ得る重金属であって、地下水などの天然水などに一般的に含まれている。水中のマンガンが過度に増すと、異臭味および/または着色化の問題を引き起こすので、マンガンを除去するための浄水処理がなされ得る。
特公昭47−33631号公報 特許第3953970号公報
本願発明者は、従前の重金属処理では克服すべき課題が依然あることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者は見出した。
重金属の一般的な処理として、水中に溶解している重金属を沈殿法、共沈法、硫化物法などで処理する方法の他には、処理剤との接触作用などで重金属を除去する方法がある。特に後者の接触を通じて重金属を除去する処理法では、処理剤と水中の重金属との互いの接触が重要であるところ、処理剤が必ずしも十分な除去性能を呈するといえないことを本願発明者は見出した。
具体的には、処理剤との接触を通じて重金属の除去を行ったとしても、除去効率、特に処理剤の単位重量当たりの除去効率が好適であるといえない場合があることを見出した。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、除去効率(特に処理剤の単位重量当たりの除去効率)がより好適な重金属処理剤を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された重金属処理剤およびその製造方法の発明に至った。
本発明では、第一遷移金属元素を含んで成る化合物が担持された活性炭を有して成り、液相用の処理剤である重金属処理剤が提供される。
また、本発明では、重金属処理剤の製造方法も提供される。かかる本発明の製造方法は、金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させる工程を含んで成り、かかる接触工程に用いる金属化合物における金属が第一遷移金属となっており、接触工程に用いる極性溶媒が3.5以上のSnyderの極性パラメータを有することを特徴とする。
本発明の重金属処理剤は、液相中の重金属に対する除去効率、特に処理剤の単位重量当りの除去効率がより好適となっている。また、本発明の重金属処理剤では、第一遷移金属元素がより強固に活性炭に担持されており、特に第一遷移金属元素を含んで成る化合物がより強固に活性炭に担持されているので、繰り返しの使用により適している。
活性炭の細孔を模式的に示した断面図 本発明の製造方法の技術思想を表した模式図 本発明の1つの例示として、活性炭に担持されたオキシ水酸化マンガンの重金属除去機構(図3(A))、ならびに、活性炭に担持されたオキシ水酸化鉄、オキシ水酸化コバルトおよびオキシ水酸化ニッケルの重金属除去機構(図3(B))を模式的に示した図
以下、本発明に係る重金属処理剤およびその製造方法を詳細に説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図示する内容は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
(本発明の重金属処理剤)
本発明の重金属処理剤は、好適に組み合わされた構成要素から成っている。より具体的には、本発明に係る液相系使用の重金属処理剤は、第一遷移金属が担持された活性炭から少なくとも構成されており、好ましくは第一遷移金属元素を含んで成る化合物およびかかる化合物が担持された活性炭から少なくとも構成されている。
本発明の重金属処理剤は、好ましくは第一遷移金属の化合物といった“無機物”が活性炭の“有機物”に担持された処理剤となっていることを特徴の1つとする。つまり、当業者の一般認識からすると相互の接合または固定化などの点で相性が互いに良くないと考えられていた「金属無機物および活性炭有機物」が本発明の重金属処理剤(特に水などの液相系使用の重金属処理剤)における構成要素となっている。
本明細書で説明される「重金属処理剤」とは、広義には、重金属の除去または低減が求められる対象物と共に使用され、かかる対象物中に含まれる重金属をその対象物から除去処理または低減処理するための処理剤のことを指している。狭義には、「重金属処理剤」は、重金属の除去または低減が求められる水などの液体と接触させることで、その液体中に含まれる重金属を当該液体から除去または低減できる固形状処理剤を意味している。
また、本明細書でいう「重金属処理剤」における“重金属”とは、広義には、除去または低減が求められる処理対象物中に含まれる金属成分を指している。狭義には、「重金属」は、除去または低減が求められる水などの液体中に含まれている金属成分であって、好ましくは比重(水の密度を1とした場合の比重)が4以上となる金属成分のことを指している。したがって、あくまでも例示にすぎないが、本発明の重金属処理剤で除去対象となる重金属としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、Cr(クロム)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)から成る群から選択される少なくとも1種の金属などを挙げることができる。
本発明の重金属処理剤は、活性炭に担持された第一遷移金属元素を少なくとも有する。好ましくは、本発明の重金属処理剤は、活性炭に担持された「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を少なくとも有する。換言すれば、本発明の好適な重金属処理剤では、ベース材となる活性炭に対して「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が固着されている。ここでいう「固着」とは、活性炭と「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」との間の相互の親和性などに好ましくは起因して「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が活性炭に存在していると考えられ得る態様を実質的に意味している。よって、本明細書でいう「担持」および「固着」といった用語は、活性炭の外表面および/または細孔の近傍に第一遷移金属元素、好ましくは「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在している態様を少なくとも包含しており、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が活性炭の外表面および/または細孔に直接取り付けられている態様のみを必ずしも意味するものではない。また、本発明における「担持」および「固着」は、活性炭の表面および/または細孔の少なくとも一部に第一遷移金属元素、好ましくは「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在していればよく、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が表面および細孔の全体にわたって必ずしも存在していなくてもよい。但し、好ましい態様では、活性炭の外表面および細孔内の全体に及んで「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在し、かかる化合物が活性炭に特に偏在なく担持されている。
「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」は、好ましくは、第一遷移金属元素を構成要素に含んだ無機化合物である。より好ましくは、本発明における「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」は、第一遷移金属元素を構成元素として含んだ物質であって、共有結合および/またはイオン結合などの化学結合を介して第一遷移金属元素が他の構成元素と結合して成る無機化合物を指している。これは、本発明の重金属処理剤につき、そのベース材となる活性炭を定性分析すれば、第一遷移金属元素の存在を同定できることを意味している。あくまでも例示であるが、本発明の重金属処理剤をICP(誘導結合プラズマ、Inductively Coupled Plasma)の発光分光分析に付すと、活性炭上に存在する第一遷移金属元素が同定され得る。また、そのような第一遷移金属元素につき、活性炭に担持された化合物は、例えばX線回折など、当業者にとって常套的な分析化学手法を用いて把握することができる。
本発明の重金属処理剤では、活性炭のベース材に第一遷移金属元素が少なくとも担持されている。好ましくは本発明の重金属処理剤では、活性炭のベース材に担持された化合物中に第一遷移金属元素が含まれている。換言すれば、活性炭上に存在し得る遷移金属元素は、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、Cr(クロム)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)から成る群から選択される少なくとも1種である。これらの金属元素は、元素周期表で同一周期(特に第4周期)に位置付けられる。それゆえ、本発明の重金属処理剤では、活性炭ベース材に担持された化合物を構成する金属元素が第4周期の遷移元素になっているといえる。
ある好適な態様では、第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から成る群から選択される金属元素となっている。つまり、ベースの有機多孔質材となる活性炭に担持された「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」の第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、および銅(Cu)から成る群から選択される金属元素となっている。このような第一遷移金属元素が活性炭に含まれており、特に第一遷移金属元素が活性炭担持の化合物の構成元素となっていると、除去または低減の対象となる水などの液体中に含まれた金属成分を除去し易くなり、特には活性炭に担持された元素と同種の金属(すなわち、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、Cr(クロム)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から成る群から選択される少なくとも1種の重金属)を水などの液体中から除去または低減し易くなる。例えば、本発明の重金属処理剤では、第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)から成る群から選択される金属元素となっていてよい。つまり、有機多孔質ベース材となる活性炭に担持された「第一遷移金属を含んで成る化合物」の第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)から成る群から選択される金属元素となっていてよい。かかる場合、少なくとも同種の金属となるマンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)および/またはニッケル(Ni)の重金属を水などの液体中から除去または低減できる。
上記第一遷移金属元素が例えばマンガン(Mn)である場合、本発明の重金属処理剤は、少なくともマンガンが活性炭に担持されており、好ましくは「マンガン元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭から少なくとも構成されている。また、例えば上記第一遷移金属元素が鉄(Fe)である場合、本発明の重金属処理剤は、少なくとも鉄が活性炭に担持されており、好ましくは「鉄元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭から少なくとも構成されている。同様にして、例えば上記第一遷移金属元素がコバルト(Co)である場合、本発明の重金属処理剤は、少なくともコバルトが活性炭に担持されており、好ましくは「コバルト元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭から少なくとも構成されている。例えば上記第一遷移金属元素がニッケル(Ni)である場合、本発明の重金属処理剤は、少なくともニッケルが活性炭に担持されており、好ましくは「ニッケル元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭から少なくとも構成されている。そして、例えば上記第一遷移金属元素が銅(Cu)である場合、本発明の重金属処理剤は、少なくとも銅が活性炭に担持されており、好ましくは「銅元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭から少なくとも構成されている。
本発明の重金属処理剤では、被担持材として活性炭が用いられている。つまり、本発明の重金属処理剤は、処理剤の大部分(処理剤の見掛け体積の大部分)を成すベース材として有機炭素材を含んで成る。
活性炭は、細孔(特に微細孔)を有する有機多孔質体である。それゆえ、本発明では好ましくは「第一遷移金属を含んで成る無機化合物」と「有機多孔質体」とから組み合わされたハイブリッド型の重金属処理剤(特に水などの液相で使用される重金属処理剤)が供されている。
本発明に係る重金属処理剤の活性炭は、細孔を備えており、かかる細孔が、いわゆるミクロ孔(またはマイクロ孔)、メソ孔およびマクロ孔の少なくとも1つの範疇に入るものであってよい。あくまでも例示にすぎないが、本発明において活性炭の多孔質体を構成する孔の直径は、0.01nm〜500nmの範囲あるいは0.1nm〜250nmもしくは0.1nm〜50nmの範囲であってよい。
本発明において活性炭の形態は、種々の形態であってよく、例えば粉末状、粒状、繊維状および/または柱形状(例えば円柱状)などであってよい。活性炭は、重金属処理剤のベース材に相当するので、処理剤の全体形態を形造っている。よって、本発明の重金属処理剤もまた、好ましくは粉末状、粒状、繊維状、柱形状(例えば円柱状)などの形態を有する。
本発明に係る重金属処理剤の活性炭の種類は、上述の細孔が供されるものであれば特に限定されるものでなく、例えばいわゆる薬品賦活またはガス賦活の活性炭であってよい。活性炭自体の原料も、最終的に活性炭として上述の細孔が供されるものであれば特に限定されるものでなく、木炭、ヤシ殻炭、石炭(例えば亜炭、褐炭、瀝青炭および/または無煙炭など)、オガ屑、木材チップ、草炭(例えばビート)、石炭ピッチならびに石油ピッチから成る群から選択される原料であってよい(なお、繊維状活性炭については、レーヨン、アクリロニトリルおよび/またはフェノールが原料となっていてもよい)
ある好適な態様の重金属処理剤では、第一遷移金属、好ましくは「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が活性炭の細孔に少なくとも存在している。つまり、好ましくは活性炭自体の表面積増大に寄与する細孔内に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が少なくとも設けられている。“少なくとも”ゆえ、細孔内のみならず、その外側となる活性炭の外表面に対して「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在していてよい。
好ましくは、本発明の重金属処理剤では、活性炭10のミクロ孔12、メソ孔14およびマクロ孔16の少なくとも1つに「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在している(図1参照)。より好ましくは、活性炭10の少なくともミクロ孔12およびメソ孔14の双方、少なくともメソ孔14およびマクロ孔16の双方、または、少なくともミクロ孔12およびマクロ孔16の双方に第一遷移金属、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在している。更に好ましくは、活性炭10のミクロ孔12、メソ孔14およびマクロ孔16の全てに第一遷移金属、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在している。本明細書において「ミクロ孔」、「メソ孔」および「マクロ孔」といった用語は、国際純正応用化学連合:IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)の分類に従ったものを意味している。より具体的には、本発明において「ミクロ孔」は細孔サイズが2nm以下の細孔を意味し、「メソ孔」は細孔サイズが2nm(2nm含まず)〜50nm(50nm含まず)の細孔を意味し、また、「マクロ孔」は細孔サイズが50nm以上の細孔を意味している。なお、かかる細孔サイズは、ガス吸着法又は水銀圧入法で測定されるサイズを指しており、特にマクロ孔については水銀圧入法で測定される細孔サイズを意味し、メソ孔およびミクロ孔はガス吸着法で測定される細孔サイズを意味している。
特に活性炭の細孔の内部(すなわち、ミクロ孔、メソ孔およびマクロ孔の少なくとも1つ)にまで至るように「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が存在することによって、より多くの「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭がもたらされ得る。これは、単位重量当りでより多くの第一遷移金属、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が含まれた重金属処理剤となることを意味している。後述するように、活性炭に担持された第一遷移金属、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」自体は、水などの液体中の重金属に対して親和性が高く、重金属を処理剤に結合又は引き寄せる等の作用で液体中から重金属を除去または減少させるのに資する。よって、単位重量当りでより多くの「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を含んだ重金属処理剤となっていることは、処理剤の単位重量でより多くの重金属を除去または低減できることを意味している。したがって、本発明の重金属処理剤は、より向上した除去効率(処理剤の単位重量当りで捉えた場合の除去効率)を有し得る。
ある好適な態様に従った重金属処理剤では、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が金属水酸化物となっている。ここでいう金属水酸化物とは、好ましくは水酸基(OH基)を有する形態を指している。また、場合によっては、金属水酸化物は、水酸基(OH基)を有する形態のみならず、水和物形態を有するものも指している。より具体的には、本発明における「金属水酸化物」とは、好ましくは例えばMOH、M(OH)またはM(OH)などで代表される化合物を指している。また、場合によっては、本発明における「金属水酸化物」とは、例えばMOH、M(OH)またはM(OH)などで代表される化合物のみならず、例えばMO・HO,MO・HO、M・HOなどで代表される酸化物の水和物をも包含し、さらには、例えばMONa、M(ONa)またはM(ONa)3、MOK、M(OK)またはM(OK)などで代表される塩や、例えばMO・NaO,MO・NaO、M・NaO、MO・KO,MO・KO、M・KOなどで代表される酸化物の塩として解される化合物をも包含していてもよい(M:第一遷移金属元素)。換言すれば、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」のある例示としては、上記で挙げた具体的な化合物を含んでいてよいといえる。
換言すれば、好適な本発明の重金属処理剤では、“第一遷移金属元素の金属水酸化物”が活性炭ベース材に担持されている。“第一遷移金属元素の金属水酸化物”を備えた重金属処理剤の場合、除去または低減が求められる水などの液体中の金属成分がより除去・低減されやすくなる。特に、活性炭に担持されている元素と同種の金属、すなわち、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、Cr(クロム)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から成る群から選択される少なくとも1種の重金属が水などの液体中からより効率的に除去または低減され易くなる。特定の理論に拘束されるわけではないが、これは、OH基(水和物に起因したOH基をも含む)が、水などの液体中の重金属に対して活性基として好適に働き、かかるOH基またはその近傍に重金属が結合する又は引き寄せられる作用がもたらされ得るからと考えられる。
好ましくは、金属水酸化物は、オキシ水酸化物である。つまり、本発明のある好適な態様の重金属処理材では、活性炭ベース材に担持された“第一遷移金属元素の金属水酸化物”がオキシ水酸化物となっている。ここでいう「オキシ水酸化物」は、第一遷移金属から成る塩基性塩としての化合物のうち、第一遷移金属元素と結合している独立の酸素原子(O2−とみなしうるもの)を有する水酸化物を指している。あくまでも例示にすぎないが、第一遷移金属元素がマンガン(Mn)である場合を例にとると、MnO(OH)で表される水酸化物が活性炭に担持されていることが好ましい。また、第一遷移金属元素が鉄(Fe)である場合を例にとると、FeO(OH)で表される水酸化物が活性炭に担持されていることが好ましく、第一遷移金属元素がコバルト(Co)である場合を例にとると、CoO(OH)で表される水酸化物が活性炭に担持されていることが好ましく、さらには、第一遷移金属元素がニッケル(Ni)である場合を例にとると、NiO(OH)で表される水酸化物が活性炭に担持されていることが好ましい。このようなオキシ水酸化物が活性炭に担持された重金属処理剤の場合、除去または低減が求められる水などの液体中の金属成分がより除去・低減されやすくなる。特に、活性炭に担持されている元素と同種の金属、すなわち、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、Cr(クロム)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から成る群から選択される少なくとも1種の重金属が水などの液体中からより効率的に除去または低減され易くなる。特定の理論に拘束されるわけではないが、活性炭に担持されたオキシ水酸化物におけるOH基が、水などの液体中の重金属に対して活性基としてより効果的に働き、かかるOH基またはその近傍に重金属が結合する作用がより効果的となるからである(例えば、OH基の水素原子と水中の重金属とが置換されて重金属が処理剤に吸着されるような効果が奏され得る)。
本発明に係る重金属処理剤は、特に液相用の処理剤である。つまり、本発明の重金属処理剤は、液相中で用いる重金属処理剤であって、その液相に含まれる重金属を除去または低減するために用いる重金属処理剤である。換言すれば、本発明に従った好適な重金属処理剤は、排ガス処理剤などの気相系で用いる処理剤ではない。あくまでも“液相用”ゆえ、本発明の重金属処理剤は、好ましくは土壌や固形廃棄物などの固形物に対して直接的に用いる処理剤でもないといえる。かかる説明から分かるように、本発明でいう「液相用」といった用語は、重金属が除去または低減される処理対象が水などの液体であって、それに対して直接的または間接的に供される処理剤であることを意味している。よって、本発明の重金属処理剤は、“液体使用処理剤”と称すこともできる。
本発明は、好適には金属無機物(特に第一遷移金属から成る金属無機物)と活性炭有機物とから構成された液相用の重金属処理剤といった点で特徴を有する。つまり、当業者の一般認識からすると相互の接合・固定化などの点で互いに相性が良くないものと考えられていた金属無機物および活性炭有機物から構成されており、かかるユニークな構成が本発明の“液相使用の重金属処理剤”を成している。
好ましくは本発明の液相系使用の処理剤は、それを構成する第一遷移金属元素と同種の重金属(すなわち、第一遷移元素の重金属)を液相中から除去または低減するための重金属処理剤となっている。このような液相処理剤では、活性炭に担持された「第一遷移金属を含んで成る化合物」は液相中の重金属に対して活性ポイントを有するように効果的に働くことになり得、かかる活性ポイントまたはその近傍に重金属を結合させる又は引き寄せておく作用がより効果的に奏され得る。
特に好ましくは、液相系使用の処理剤は水処理剤である。つまり、本発明の重金属処理剤は、水中で用いる重金属処理剤であって、その水中に含まれる重金属を除去または低減するために用いる重金属処理剤である。例えば、水の浄化処理剤として本発明の重金属処理剤が用いられ得る。好ましくは、水に含まれる第一遷移金属を除去または低減する水用第一遷移金属除去剤として本発明の重金属処理剤を用いてよい(あくまでも例示にすぎないが、水中のマンガンを除去または低減する水中マンガン除去剤として用いてよい)。
(本発明の重金属処理剤の製造方法)
本発明の製造方法は、上述の重金属処理剤を得るための方法である。かかる製造方法は、複数の原料を好適に組み合わせて用いることを特徴とする。より具体的には、本発明の製造方法は、第一遷移金属、活性炭および極性溶媒から少なくとも構成される原料の組合せを含んでいる。
具体的には、本発明の製造方法は、
金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させる工程
を含んで成り、
金属化合物における金属が第一遷移金属となっており、極性溶媒が3.5以上のSnyderの極性パラメータを有している。
かかる製造方法では、金属化合物(特に第一遷移金属の化合物)と極性溶媒(特に3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)と活性炭とを互いに接触させることを通じて、第一遷移金属を活性炭に担持させる、好ましくは第一遷移金属を含んで成る化合物を活性炭に担持させるといった特徴を有する(図2参照)。つまり、好ましくは第一遷移金属を含んで成る化合物としての“無機物”を、活性炭の“有機物”に担持させる。この点、本発明の製造方法では、当業者の一般認識からすると相互の接合または固定化などの点で相性が良くないものと考えられている「金属無機物と活性炭有機物との組合せ」を積極的に用いて、重金属処理剤(特に液相系で用いられる重金属処理剤)を得ることを特徴としている(“活性炭”というものは、特に水中有機物に対しては吸着効果があると当業者に通常考えられている)。
本発明で用いる極性溶媒は、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する液状体である。少なくともかかる極性パラメータを有する極性溶媒に起因して、第一遷移金属を含んで成る化合物の活性炭への担持が促進される。
本明細書でいう「Snyderの極性パラメータ」とは、L. R. Snyder, J. Chromatogr., 第32巻、223頁(1974年); J. Chromatogr. Sci., 第16巻、223頁で説明されている極性パラメータである。
かかる極性パラメータの極性溶媒を用いると、好ましくは活性炭の細孔内に第一遷移金属元素を設けることができる。特に活性炭の細孔内に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を好適に設けることができる。つまり、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒を介在させて、金属化合物(特に第一遷移金属の化合物と活性炭とを接触させると、活性炭の表面積増大に寄与する細孔内に対して「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を設けることができる。これは、特定の理論に拘束されるわけではないが、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒が、活性炭と第一遷移金属元素との間、好ましくは活性炭と「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」との間でバインダー的な役割を果たすことが要因として考えられる。換言すれば、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒を用いない場合、活性炭の細孔内に第一遷移金属元素、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を実質的に設けることができない又は多く設けることができない一方、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒を用いることで、活性炭の細孔内に第一遷移金属元素、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を実質的に設けることができる又は多く設けることができるといえる。例えば、本発明では活性炭のミクロ孔、メソ孔およびマクロ孔の少なくとも1つに第一遷移金属元素を設けることができ、好ましくは「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を設けることができる。
また、そのように、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒を用いると、より強固に第一遷移金属元素を活性炭に担持できる。好ましくはより強固に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を活性炭に担持できる。特定の理論に拘束されるわけではないが、これも3.5以上のSnyderに起因した上記極性溶媒のバインダー的な作用が関係していると考えられる。換言すれば、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒を用いない場合、第一遷移金属元素、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を活性炭により強固に担持させることができず、その一方で3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒を用いることで、第一遷移金属元素、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を活性炭により強固に担持させることができる。
より具体的には、本発明で用いる極性溶媒は、水、エーテル類、アルコール類、ケトン類、酢酸エステル類、アミド類、ニトリル類およびハロゲン化炭化水素類からなるから成る群から選択される3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する溶媒であってよい。すなわち、単体溶媒としてSnyderが3.5以上の極性パラメータを有する溶媒を用いることのみならず、それら媒体の種々の組合せから成る混合溶媒としてSnyderが3.5以上の極性パラメータを有する溶媒を用いてもよい。本発明で用いる溶媒に関して「Snyderの極性パラメータ」は、上述したようにL. R. Snyder, J. Chromatogr., 第32巻、223頁(1974年); J. Chromatogr. Sci., 第16巻、223頁で説明される極性パラメータのことを指している。例えば、本発明では、極性パラメータとしてSnyderのパラメータ値が知られている溶媒の中から「3.5以上のSnyderの極性パラメータ値を有する溶媒」を選択して使用してよい。あくまでも例示であるが、簡易的にはWako Analytical Circle No. 11 [平成29年7月21日検索]、インターネット、〈URL:http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/info/chroma〉に記載されているSnyderの極性パラメータ値を基準に選択してもよい。
あくまでも例示にすぎないが、本発明で用いる「3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒」は、接触工程に供する活性炭の細孔表面を全て満たすことができる量またはそれよりも多い量用いることが好ましい。つまり、接触工程に用いられる活性炭の全細孔容積以上の量に相当する極性溶媒を用いて接触工程を実施することが好ましい。
本発明の製造方法で用いる金属化合物は、第一遷移金属元素の化合物である。好ましくは、かかる第一遷移金属元素は、マンガン(Mn)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)および銅(Cu)から成る群から選択される金属元素である。つまり、極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)および活性炭に接触させる金属化合物が、マンガン(Mn)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)および銅(Cu)から成る群から選択される第一遷移金属元素の化合物であることが好ましい。これにより、少なくとも同種の金属となるマンガン(Mn)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)および/またはCu(銅)の重金属を水などの液体中から除去または低減できる重金属処理剤を得ることができる。例えば、本発明の製造方法で用いる第一遷移金属元素の化合物における第一遷移金属元素は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)から成る群から選択される金属元素であってよい。つまり、極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)および活性炭に接触させる金属化合物が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)から成る群から選択される第一遷移金属元素の化合物であってよい。これにより、少なくとも同種の金属となるマンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)および/またはニッケル(Ni)の重金属を水などの液体中から除去または低減できる重金属処理剤を得ることができる。このような化合物を用いると、その化合物に起因した第一遷移金属元素を活性炭に担持させることができ、特にその第一遷移金属元素を含んで成る化合物を活性炭に担持させることができる。これは、原料に含まれていた第一遷移金属元素に少なくとも起因する物質が活性炭に担持されることを意味している。
例えば、上記第一遷移金属元素がマンガン(Mn)である場合、本発明の製造方法ではマンガン化合物と極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)と活性炭とを互いに接触させることになる。これにより、マンガン元素を含んで成る化合物が担持された活性炭から少なくとも構成された重金属処理剤を最終的に得ることができる。用いられるマンガン化合物としては、例えば過マンガン酸カリウム(KMnO)、フッ化マンガン(MnF)、塩化マンガン(MnCl)、臭化マンガン(MnBr)、ヨウ化マンガン(MnI)、水酸化マンガン(Mn(OH))、硝酸マンガン(Mn(NO)、硫酸マンガン(MnSO)、酢酸マンガン(Mn(CHCOO))またはそれらの組合せなどであってよい。また、上記第一遷移金属元素が鉄(Fe)である場合、鉄化合物と極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)と活性炭とを互いに接触させることになる。これにより、鉄元素を含んで成る化合物が担持された活性炭から少なくとも構成された重金属処理剤を最終的に得ることができる。用いられる鉄化合物としては、例示にすぎないが塩化第二鉄(例えばFeCl)、フッ化鉄(FeF)、塩化第一鉄(FeCl)、臭化鉄(FeBr)、ヨウ化鉄(FeI)、水酸化鉄(Fe(OH))、硝酸鉄(Fe(NO)、硫酸鉄(FeSO)、酢酸鉄(Fe(CHCOO))、炭酸鉄(FeCO)、またはそれらの組合せなどであってよい。さらに、上記第一遷移金属元素がコバルト(Co)である場合、コバルト化合物と極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)と活性炭とを互いに接触させることになる。これにより、コバルト元素を含んで成る化合物が担持された活性炭から少なくとも構成された重金属処理剤を最終的に得ることができる。用いられるコバルト化合物としては、例示にすぎないが、塩化コバルト(CoCl)、臭化コバルト(CoBr)、ヨウ化コバルト(CoI)、水酸化コバルト(Co(OH))、硝酸コバルト(Co(NO)、硫酸コバルト(CoSO)、酢酸コバルト(Co(CHCOO))、炭酸コバルト(CoCO)、またはそれらの組合せなどであってよい。上記第一遷移金属元素がニッケル(Ni)である場合、ニッケル化合物と極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)と活性炭とを互いに接触させることになる。これにより、ニッケル元素を含んで成る化合物が担持された活性炭から少なくとも構成された重金属処理剤を最終的に得ることができる。用いられるニッケル化合物としては、例示にすぎないが、塩化ニッケル(NiCl)、臭化ニッケル(NiBr)、ヨウ化ニッケル(NiI)、水酸化ニッケル(Ni(OH))、硝酸ニッケル(Ni(NO)、硫酸ニッケル(NiSO)、酢酸ニッケル(Ni(CHCOO))、炭酸ニッケル(NiCO)、またはそれらの組合せなどであってよい。そして、上記第一遷移金属元素が銅(Cu)である場合、銅化合物と極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)と活性炭とを互いに接触させることになる。これにより、銅元素を含んで成る化合物が担持された活性炭から少なくとも構成された重金属処理剤を最終的に得ることができる。用いられる銅化合物としては、例示にすぎないがフッ化銅(CuF)、塩化銅(CuCl)、臭化銅(CuBr)、ヨウ化銅(CuI)、水酸化銅(Cu(OH))、硝酸銅(Cu(NO)、硫酸銅(CuSO)、酢酸銅(Cu(CHCOO))、炭酸銅(CuCO)、またはそれらの組合せなどであってよい。
ある好適な態様では、極性溶媒におけるSnyderの極性パラメータが3.5以上11.0以下となっている。これにより、活性炭の細孔内に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」をより効率的および/またはより多く設けることができ、あるいは、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を活性炭により強固に担持させることができる。例えば、極性溶媒(括弧内の値はSnyderの極性パラメータを示す。以降の記載も同様である)が、二塩化エチレン(3.5)、イソプロピルアルコール(3.9)、テトラヒドロフラン(4.0)、n−プロパノール(4.0)、クロロホルム(4.1)、エタノール(4.3)、酢酸エチル(4.4)、メチルエチルケトン(4.7)、ジオキサン(4.8)、アセトン(5.1)、メタノール(5.1)、アセトニトリル(5.8)、酢酸(6.0)、ジメチルホルムアミド(6.4)、エチレングリコール(6.9)、ジメチルスルホキシド(7.2)および水(10.2)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
例えば、極性溶媒におけるSnyderの極性パラメータが3.5以上7.0以下となっており、それゆえ、極性溶媒が、テトラヒドロフラン(4.0)、酢酸エチル(4.4)、ジオキサン(4.8)、アセトン(5.1)、メタノール(5.1)およびアセトニトリル(5.8)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。また、例えば、極性溶媒におけるSnyderの極性パラメータが3.5以上6.0以下となっており、それゆえ、極性溶媒が、テトラヒドロフラン(4.0)、酢酸エチル(4.4)、ジオキサン(4.8)、アセトン(5.1)、メタノール(5.1)およびアセトニトリル(5.8)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。更には、例えば、極性溶媒におけるSnyderの極性パラメータが3.5以上5.5以下となっており、それゆえ、極性溶媒が、テトラヒドロフラン(4.0)、酢酸エチル(4.4)、ジオキサン(4.8)、アセトン(5.1)およびメタノール(5.1)からなる群より選択される少なくとも1種であってよく、あるいは、極性溶媒におけるSnyderの極性パラメータが4.5以上5.5以下となっており、それゆえ、極性溶媒が、ジオキサン(4.8)、アセトン(5.1)およびメタノール(5.1)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
本発明の製造方法で用いる活性炭は、例えば粉末状、粒状、繊維状および/または柱形状(例えば円柱状)などであってよい。活性炭の種類は、細孔を備えるものであれば特に限定されるものでなく、例えばいわゆる薬品賦活またはガス賦活の活性炭であってよい。活性炭の由来となる原料も、特に限定されるものでなく、木炭、ヤシ殻炭、石炭(例えば亜炭、褐炭、瀝青炭および/または無煙炭など)、オガ屑、木材チップ、草炭(例えばビート)、石炭ピッチならびに石油ピッチから成る群から選択される原料であってよい(なお、繊維状の活性炭については、レーヨン、アクリロニトリルおよび/またはフェノールが原料となっていてもよい)。
好ましくは、本発明の製造方法で用いる活性炭10は、ミクロ孔12、メソ孔14およびマクロ孔16の少なくとも1つの細孔を含んでいる(図1参照)。このような活性炭を「3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒」および「第一遷移金属の化合物」と共に用いると、最終的には活性炭表面への担持化に加えて又はそれに代えて、活性炭の少なくともミクロ孔12およびメソ孔14の双方、少なくともメソ孔14およびマクロ孔16の双方、または、少なくともミクロ孔12およびマクロ孔16の双方に第一遷移金属元素、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を担持化させることができる。より好ましくは、活性炭10のミクロ孔12、メソ孔14およびマクロ孔16の全てに第一遷移金属元素、特に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を担持化できる。ここでいう「ミクロ孔」、「メソ孔」および「マクロ孔」といった用語は、上述したように国際純正応用化学連合(IUPAC)の分類に従ったものである。より具体的には、本発明の製造方法で用いる活性炭における「ミクロ孔」は細孔サイズ(特にガス吸着法で測定されるサイズ)が2nm以下の細孔を意味し、「メソ孔」は細孔サイズ(特にガス吸着法で測定されるサイズ)が2nm(2nm含まず)〜50nm(50nm含まず)の細孔を意味し、また、「マクロ孔」は細孔サイズ(特に水銀圧入法で測定されるサイズ)が50nm以上の細孔を意味している。
本発明の製造方法では、使用する原材料を水環境に付すことが好ましい。水は、例えば、蒸留水、純水、超純水もしくは脱イオン水等の精製水または水道水等であってよい。水環境に付すことの例示として、金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させた後で得られる活性炭を水に接触させてよい。かかる場合、典型的には、金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させて重金属処理剤前駆体を得る工程、および、その前駆体を水と接触させる工程が含まれ得る。これにより、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を担持した活性炭から成る重金属処理剤が得られることになる。特定の理論に拘束されるわけではないが、原料の第一遷移金属の化合物と水とが実質的に互いに反応することで「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」の形成がより積極的にもたらされ、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」に担持された活性炭の形成がより促進され得る。
また、付加的および/または代替的に、活性炭と金属化合物との接触工程における極性溶媒が水成分を含んでいてよい。かかる場合であっても、第一遷移金属元素を含んで成る化合物が担持された活性炭から成る重金属処理剤が得られる。水成分を含んで成る極性溶媒は、積極的に水を極性溶媒に加えることによって形成してよく、あるいは、極性溶媒が空気環境下に置かれるなどに起因して溶媒が空気中の水分を自然吸収して得られるものを用いてもよい。さらにいえば、活性炭と金属化合物と極性溶媒との接触工程に際してそれらの混合物に水を加えてもよい。これによっても、活性炭と金属化合物との接触工程における極性溶媒が水成分を含むことになる。そのような観点でいえば、極性溶媒との接触に用いる金属化合物が水溶液形態を有しているものでもよく、あるいは、極性溶媒との接触に用いる活性炭が水分を含んだものであってもよいといえる。
使用する原料が上記の如く水環境に付される場合、好ましくは「第一遷移金属元素を含んで成る金属水酸化物」が担持された活性炭から成る重金属処理剤を得ることができる。特定の理論に拘束されるわけではないが、原料として用いられる第一遷移金属の化合物に含まれる第一遷移金属と、水に起因する水酸基とが関係する反応が生じることで「第一遷移金属元素を含んで成る水酸化物」の形成がより積極的にもたらされ、これによって「第一遷移金属元素を含んで成る水酸化物」を担持した活性炭の形成がより促進され得る。本明細書において「金属水酸化物」とは、水酸基(OH基)を有する形態のみならず、水和物形態を有するものも含めて広く意味しているところ、そのような水酸基を有する第一遷移金属化合物および/または水和物形態の第一遷移金属化合物が担持された活性炭を本発明で得ることができる。
水環境に付す操作は、アルカリ条件下で行うことが好ましい。「第一遷移金属元素を含んで成る金属水酸化物」の生成がより促進され得るからである。金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させた後で水環境に付すに際しては、その水がアルカリ性を呈するようにしてよい。例えば、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カリウム(苛性カリ)、水酸化カルシウムおよび/または水酸化バリウムなどの塩基を溶解させた水を使用することで水環境に付してよい。換言すれば、金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させた後に得られる活性炭をアルカリ溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液および/または水酸化バリウム水溶液など)に接触させ、それによって、活性炭に担持化された「第一遷移金属元素を含んで成る金属水酸化物」を得てもよい。
ある好適な一態様では、活性炭に担持された金属水酸化物はオキシ水酸化物である。つまり、使用する原料を水環境に付することによって、重金属処理剤として「第一遷移金属元素を含んだオキシ水酸化金属」が担持された活性炭を得る。あくまでも例示にすぎないが、第一遷移金属元素がマンガン(Mn)である場合、マンガン化合物および極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)との接触後に得られる活性炭を水に接触させ、重金属処理剤としてMnO(OH)が担持化された活性炭を得てよい。同様にして、第一遷移金属元素が鉄(Fe)である場合、鉄化合物および極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)との接触後に得られる活性炭を水に接触させ、重金属処理剤としてFeO(OH)が担持化された活性炭を得てよい。同様にして、第一遷移金属元素がコバルト(Co)である場合、コバルト化合物および極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)との接触後に得られる活性炭を水に接触させ、重金属処理剤としてCoO(OH)が担持化された活性炭を得てよい。同様にして、第一遷移金属元素がニッケル(Ni)である場合、ニッケル化合物および極性溶媒(3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)との接触後に得られる活性炭を水に接触させ、重金属処理剤としてNiO(OH)が担持化された活性炭を得てよい。
本発明の製造方法は、種々の態様で具現化することができる。例えば、接触工程の後に得られる活性炭を乾燥処理に付してよい。つまり、金属化合物(特に第一遷移金属の化合物)および極性溶媒(特に3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)に対する接触処理後に得られる活性炭を乾燥に付してよい。これにより、活性炭に付着した余分な極性溶媒を気化除去させることができる。例えば、接触工程の後の活性炭を大気圧下で50〜200℃程度の乾燥温度の熱処理条件下に付してよい。あるいは、接触工程の後に得られる活性炭を減圧下または真空下に置いてもよい。減圧下または真空下に置く場合では、減圧度または真空度を極性溶媒の飽和蒸気圧以下に維持することによって極性溶媒を蒸発させる。必要に応じて「熱処理」と「減圧下または真空下」とを組み合わせてもよい。
本発明の製造方法における接触工程では、金属化合物を極性溶媒に溶解させて得られる金属化合物溶液を活性炭に接触させてもよい。つまり、金属化合物と極性溶媒とから接触用液体を調製し、次いで、かかる接触用液体と活性炭とを互いに接触させてよい。例えば、活性炭を容器に充填し、かかる活性炭充填容器に対して接触用液体を供すことで、本発明の製造方法の接触工程を実施してよい。
(より具体的な製法の例示)
あくまでも1つの例示にすぎないが、第一遷移金属元素がマンガン(Mn)となる場合、および、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒としてアセトンを用いる場合を例として、本発明の製造方法をより具体的に例示しておく。
まず、過マンガン酸カリウムとアセトンとから活性炭接触用の液体を調製する。例えば、撹拌処理に付すことを通じて過マンガン酸カリウムをアセトンに溶解させた溶液を調製し、かかる調製液体を活性炭と接触させる。より具体的には、粒状の活性炭を充填した容器に対して「過マンガン酸カリウムをアセトンに溶解させて得られる調製溶液」を供すことで接触処理を行ってよい。
接触処理後の活性炭は乾燥処理に付してよく、例えば真空乾燥に付してよい。次いで、接触処理後または乾燥処理後に得られる活性炭を水に対して接触させる。例えば接触処理後または乾燥処理後の活性炭を水に含浸させる操作を行うことで水接触を行ってよい。かかる含浸後においては、余分な水を濾過除去してよい。以上の工程を経ることによって、「マンガン元素を含んだ化合物」(好ましくはマンガンの水酸化合物、より好ましくはオキシ水酸化マンガン)と、それが担持された活性炭とから構成される重金属処理剤を得ることができる。
このようにして得られた重金属処理剤では、水中のマンガンを特に効果的に除去できる。例えば活性炭にオキシ水酸化マンガンが担持された重金属処理剤を水処理に用いると、特定の理論に拘束されるわけではないが図3(A)に示すような機構で水中のマンガンを吸着除去することができる。他の重金属処理剤でも同様である。例えば活性炭にオキシ水酸化鉄が担持された重金属処理剤を水処理に用いると、特定の理論に拘束されるわけではないが図3(B)に示すような機構で水中の鉄を吸着除去することができ得る。同様にして、活性炭にオキシ水酸化コバルトが担持された重金属処理剤を水処理に用いると、特定の理論に拘束されるわけではないが図3(B)に示すような機構で水中のコバルトを吸着除去することができ得る。同様にして、活性炭にオキシ水酸化ニッケルが担持された重金属処理剤を水処理に用いると、特定の理論に拘束されるわけではないが図3(B)に示すような機構で水中のニッケルを吸着除去することができ得る。
以上、本発明の各種態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく、特許請求の範囲に規定される範囲から逸脱することなく種々の変更が当業者によって為され得ることを理解されよう。
例えば、本発明では、その構成要素として活性炭が用いられているが、同様の有機系多孔質材と捉えることができる材料があれば、それを重金属処理剤のベース材として用いることができる。また、本発明に従って重金属処理剤として活性炭に担持された「第一遷移金属元素を含んで成る水酸化物」を得る場合では、“水”環境に付す(すなわち、水に接触させること)に代えて又はそれに加えて、エタノールまたはメタノールに代表される“アルコール類”環境に付す(すなわち、アルコール類と接触させること)を行ってもよい。
尚、上述のような本発明は、次の好適を包含し得る。
・第1態様:第一遷移金属元素の金属化合物と、3.5以上のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒と、活性炭とを互いに接触させることによって得られる重金属処理剤。
・第2態様:前記第1態様において、前記接触の後に得られる前記活性炭を水と接触させる、および/または、前記接触における前記極性溶媒が水成分を含有することを特徴とする重金属処理剤。
・第3態様:前記第1態様または第2態様において、前記極性パラメータが3.5以上11.0以下であることを特徴とする重金属処理剤。
・第4態様:前記第3態様において、前記極性溶媒が、水、エーテル類、アルコール類、ケトン類、酢酸エステル類、アミド類、ニトリル類およびハロゲン化炭化水素類から成る群から選択される溶媒であることを特徴とする重金属処理剤。
・第5態様:前記第1態様〜第4態様のいずれかにおいて、前記接触の後で得られる前記活性炭を乾燥処理に付すことを特徴とする重金属処理剤。
・第6態様:上記第1態様〜第5態様のいずれかにおいて、前記接触においては、前記金属化合物を前記極性溶媒に溶解させて得られる金属化合物溶液を、前記活性炭に対して接触させることを特徴とする重金属処理剤。
・第7態様:上記第1態様〜第6態様のいずれかにおいて、前記極性溶媒がアセトンであることを特徴とする重金属処理剤。
・第8態様:上記第1態様〜第7態様のいずれかにおいて、前記第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)および銅(Cu)から成る群から選択される元素であることを特徴とする重金属処理剤。
・第9態様:上記第1態様〜第7態様のいずれかにおいて、前記第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)から成る群から選択される元素であることを特徴とする重金属処理剤。
・第10態様:上記第1態様〜第9態様のいずれかにおいて、前記第一遷移金属元素がマンガン(Mn)であることを特徴とする重金属処理剤。
・第11態様:重金属処理剤であって、第一遷移金属元素が担持された活性炭を有して成り、液相用である重金属処理剤。
本発明に関連して各種試験を実施した。
《活性炭に対する第一遷移金属化合物の担持性確認試験》
活性炭に対する「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」の担持特性に関して、以下の『溶解特性の確認試験』および『活性炭への担持化試験』を実施した。
『溶解特性の確認試験』
まず、極性溶媒と第一遷移金属との間の溶解性について確認試験を実施した。特に、極性パラメータに関する相関関係を調べるべく、Snyderの極性パラメータ値がそれぞれ異なった極性溶媒を用い、それらが第一遷移金属化合物に対して溶解特性を呈するかについて調べる試験を行った。
まず、Snyderの極性パラメータの点でそれぞれ異なる値を有する溶媒を用意した。具体的には、ヘキサン(和光純薬工業(株)製、品番:085−00416)、トルエン(和光純薬工業(株)製、品番:204−01866)、ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製、品番:135−02446)、テトラヒドロフラン/THF(和光純薬工業(株)製、品番:204−08745)、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製、品番:051−00356)、ジオキサン(和光純薬工業(株)製、品番:042−03766)、アセトン(和光純薬工業(株)製、品番:016−00346)、メタノール(和光純薬工業(株)製、品番:131−01826)、アセトニトリル(和光純薬工業(株)製、品番:014−00386)、N,N−ジメチルホルムアミド/DMF(和光純薬工業(株)製、品番:045−02916)、ジメチルスルホキシド/DMSO(和光純薬工業(株)製、品番:043−07216)、オルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水を用意した。
上記極性溶媒10mLの各々に対して、第一遷移金属化合物を約0.1g添加した。具体的には、室温(約25℃)および大気圧の条件下で極性溶媒10mLをビーカー(材質:硼珪酸ガラス、収容容積:50mL)に仕込んで第一遷移金属化合物を約0.1g添加し、約10分間撹拌した。その後、ビーカー内を外側から目視確認することによって、極性溶媒中に第一遷移金属化合物が完全に溶解したか否かを判断した。特に、添加前の第一遷移金属化合物の粉状態が極性溶媒中で残存していないか否かを目視確認することで溶解性を判定した。
結果を以下の表1に示す。表中の「Snyder極性パラメータ」は、L. R. Snyder, J. Chromatogr., 第32巻、223頁(1974年); J. Chromatogr. Sci., 第16巻、223頁で説明される極性パラメータである。
[表1]
Figure 0006922989
上記表1の結果から分かるように、Snyderの極性パラメータが3.5以上を有する極性溶媒では第一遷移金属化合物の溶解性を確認することができた。より具体的には、3.5以上11.0以下のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒は、第一遷移金属化合物を溶解させることが可能であることが分かった。
『活性炭への担持化試験』
上記試験で溶解性を確認することができた極性溶媒を用いて「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」の活性炭への担持化を確認する試験を行った。
具体的には、極性溶媒として用いたアセトン、水およびメタノールのそれぞれに第一遷移金属化合物を溶解させて得られる金属化合物溶液(化合物濃度:1〜4重量%)を、活性炭に接触させる処理を行い、それによる効果を調べた。
まず、上記極性溶媒と金属化合物(下記参照)との混合で得られる金属化合物溶液の約70gを活性炭100gに対して供することによって、活性炭と金属化合物溶液とを接触させた(つまり、活性炭と金属化合物と極性溶媒とを互いに接触させた)。用いた活性炭は、粒状活性炭(クラレケミカル製、品番:クラレコールGW40/20)であった。上記接触は、室温(約25℃)および大気圧の条件下で約10分間行い、その後に活性炭を70℃の温度条件下で真空乾燥機(アズワン製、型式AVO−250NB)で減圧乾燥に付し、「接触処理済み活性炭」を得た。
かかる「接触処理済み活性炭」は、少なくとも第一遷移金属元素が担持されていると考えられるところ、その担持化の有無を調べる試験を行った。具体的には、「接触処理済み活性炭」を酸性液に接触させ、それによって回収される酸性処理回収液の成分を調べた。酸性液は「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」をその液体中に溶解させる効果がある。よって、「接触処理済み活性炭」に少なくとも第一遷移金属元素が担持されていれば、酸性処理回収液中に第一遷移金属元素の成分が含まれることになる一方、「接触処理済み活性炭」に第一遷移金属元素がそもそも担持されていなければ、酸性処理回収液中に第一遷移金属元素の成分が存在しないことになる。実際に得られた酸性処理回収液を調べてみると、その液体中に第一遷移金属元素の成分が含まれていたことが分かり、「接触処理済み活性炭」には少なくとも第一遷移金属元素が担持されていることが分かった。
より具体的には、各「接触処理済み活性炭」を10g定量し、カラム(材質ポリプロピレン(PP)から成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に詰め、1N塩酸を10mL通液して回収した。第一遷移金属がMnの場合は回収液に100μLの67.5%硝酸(東京化成工業製、品番:N0806)および3mgのビスマス酸ナトリウム(和光純薬工業製、品番:198−01332)を加えて撹拌に付し、その溶液の色が赤紫色に着色したことでMnの担持を確認した。第一遷移金属がFeの場合は回収液に2−2’−ビピリジル(東京化成工業製、品番:B0468)を100mg加えて撹拌に付し、その溶液の色が赤色に着色したことでFeの担持を確認した。第一遷移金属がCoの場合は、回収液に28%アンモニア水溶液(和光純薬工業製、品番:010−03166)を2mL加えて撹拌に付し、その溶液の色が青緑色に着色したことでCoの担持を確認した。第一遷移金属がNiの場合は、回収液に硫化ナトリウム(和光純薬製、品番:195−15632)を100mg加えて撹拌に付し、その溶液に黒色沈殿が生じたことでNiの担持を確認した。第一遷移金属がCuの場合は回収液に28%アンモニア水溶液(和光純薬工業製、品番:010−03166)を2mL加えて撹拌に付し、その溶液の色が青色に着色したことでCuの担持を確認した。かかる担持化に関して、極性溶媒として又はそれとは別に水等が含まれていると、活性炭に担持化された第一遷移金属は、少なくともその水等との反応および/または酸化反応などに起因して化合物となっていることが考えられる。よって、上記の試験からは、第一遷移元素を含んで成る化合物の活性炭への担持化を把握することができた。
結果を以下の表2に示す。表中の担持性評価については、酸性処理回収液中に第一遷移金属元素の成分が含まれ、それゆえ「接触処理済み活性炭」に「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が担持されていることを確認できた場合が「○」の評価となっている。
[表2]
Figure 0006922989
上記表2の結果から分かるように、Snyderの極性パラメータが3.5以上を有する極性溶媒(特に3.5以上11.0以下のSnyderの極性パラメータを有する極性溶媒)から形成された金属化合物水溶液を用いると、「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」を活性炭に担持化できることが分かった。
《液相中重金属に対する除去効果の確認試験》
「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」が担持された活性炭を重金属処理剤として液相用途に用いた場合の効果を確認した。具体的には、以下の試験を実施して液相中の重金属に対する除去効果およびその再生効果を確認する試験を行った。
実施例として用いた重金属処理剤AおよびBは、以下のように調製した。
(重金属処理剤A)
ビーカーに1gの過マンガン酸カリウム(和光純薬工業製、品番:161−04185)および99gのアセトン(和光純薬工業(株)製、品番:016−00346)を仕込み、室温(約25℃)および大気圧の条件下でスターラー(アズワン製、型式RSH−1AN)を用いて約30分間撹拌に付すことによって、過マンガン酸カリウムがアセトンに溶解した処理溶液を得た。活性炭105g(クラレケミカル製、品番:クラレコールGW40/20)をカラム(材質ポリプロピレン(PP)から成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に詰め、得られた処理溶液を室温(約25℃)および大気圧の条件下で滴下することによって処理溶液を活性炭充填カラムに供し、10分間静置した。次いで、活性炭をバットに移し真空乾燥機(アズワン製、型式AVO−250NB)で70℃3時間乾燥させた。次いで、乾燥後の活性炭をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水に含浸させ、かかる超純水を流出除去した。以上の工程によって重金属処理剤Aを得た。
重金属処理剤Aにおいて担持化された「Mn元素を含んで成る化合物」のMn量(単位mg/g)は、Mn量=Mn分子量/KMnO分子量×担持したKMnO量/用いた活性炭量を計算することによって求めた(表3における「Mn担持量」)。このMn量は、その単位「mg/g」から分かるように、活性炭1g当たりのMn量(mg)を意味している。
(重金属処理剤B)
ビーカーに10gの過マンガン酸カリウム(和光純薬工業製、品番:161−04185)および990gのアセトン(和光純薬工業(株)製、品番:016−00346)を仕込み、室温(約25℃)および大気圧の条件下でスターラー(アズワン製、型式RSH−1AN)を用いて約30分間撹拌に付すことによって、過マンガン酸カリウムがアセトンに溶解した処理溶液を得た。活性炭130g(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)をカラム(材質ポリプロピレン(PP)から成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に詰め、過マンガン酸カリウム/アセトン溶液を室温(約25℃)および大気圧の条件下で滴下することによって処理溶液を活性炭充填カラムに加え、10分間静置した。次いで、この活性炭をバットに移し真空乾燥機(アズワン製、型式AVO−250NB)で70℃3時間乾燥させた。次いで、乾燥後の活性炭をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水に含浸させ、かかる超純水を流出除去した。以上の工程によって重金属処理剤Bを得た。
重金属処理剤Bにおいて担持化された「Mn元素を含んで成る化合物」のMn量(単位mg/g)は、Mn量=Mn分子量/KMnO分子量×担持したKMnO量/用いた活性炭量を計算することによって求めた(表3における「Mn担持量」)。このMn量は、その単位「mg/g」から分かるように、活性炭1g当たりのMn量(mg)を意味している。
[実施例1]
(重金属除去試験)
被検液として1000ppmのMnCl水溶液を用いた。かかるMnCl水溶液は、塩化マンガン四水和物(和光純薬工業製、品番:134−15302)をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水に溶解させることによって調製した。重金属処理剤Aをカラム(材質ポリプロピレン(PP)から成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に10gに充填し、かかる充填カラムに対して室温(約25℃)および大気圧の条件下で被検液を滴下することによって重金属除去試験を実施した。具体的には、重金属処理剤Aが充填されたカラムに対して約3mL/minの速度条件下で被検液を20mL滴下し、次いで、重金属処理剤Aに接触した後で得られる溶液を回収した。重金属処理剤Aによる被検液中のマンガンの除去効果を把握するため、回収溶液のマンガン濃度について求めた。
回収溶液のマンガン濃度は、吸光光度法で測定した。つまり、試薬を用いて回収溶液を呈色させ、その吸光度からマンガン濃度を算出した。具体的には、回収溶液100μLに4.90mLのオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水を加え、更に100μLの67.5%硝酸(東京化成工業製、品番:N0806)および3mgのビスマス酸ナトリウム(和光純薬工業製、品番:198−01332)を加えて撹拌に付した。これにより回収溶液中に含まれるMn2+をMn7+まで酸化させ、回収溶液を赤紫色に発色させた。かかる発色回収溶液について545nmの吸光度の測定を行い、Mn濃度レベルを間接的に把握した(表3における「Mn濃度(i)」)。吸光度の測定には、HITACHI製、型式U−1800の試験機を用いた。かかる吸光度(無次元)の値が高いほど、Mn濃度が高いことを示している一方、吸光度の値が低いほど、Mn濃度が低いことを示している。また、吸光度が“0”の場合は、回収溶液中にMnが存在していないことを示している。このような吸光度に関する事項は、以下の「Mn濃度(ii)」および「Mn濃度(iii)」についても同様である。
(再生効果の確認試験)
重金属処理剤Aの再生能を確認する試験を行った。まず、上記の重金属除去試験後に得られた“使用済み重金属処理剤A”を再生処理に付した。具体的には、使用済み重金属処理剤Aに対して1%次亜塩素酸ソーダ水溶液を通液し、これにより“再生処理された重金属処理剤A”を得た。かかる1%次亜塩素酸ソーダ水溶液は、次亜塩素酸ソーダ(大阪ソーダ製)をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水で希釈させることによって調製した。次亜塩素酸ソーダに起因して“使用済み重金属処理剤A”から除されたマンガン量を把握するため、次亜塩素酸ソーダの通液後に回収される回収溶液について、そのマンガン濃度を求めた。具体的には、かかる回収溶液に10%硫化ナトリウム(和光純薬製、品番:195−15632)を1mL加え、硫化マンガンを沈殿させ、600nmの吸光度を測定することで濁度からMn濃度を求めた(表3における「Mn濃度(ii)」)。かかる吸光度の測定には、HITACHI製、型式U−1800の試験機を用いた。
次いで、上記の重金属除去試験と同様の試験を再度行った。つまり、“再生処理された重金属処理剤A”をカラム(材質ポリプロピレン(PP)から成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に10gに充填し、かかる充填カラムに対して被検液を滴下して重金属除去試験を実施した。より具体的には、“再生処理された重金属処理剤A”が充填されたカラムに対して約3mL/minの速度条件下で被検液を20mL滴下し、重金属処理剤Aに接触した後の溶液を回収した。この“再生処理された重金属処理剤A”による被検液中のマンガンの除去効果を把握すべく、回収溶液のマンガン濃度を求めた(表3における「Mn濃度(iii)」)。かかるマンガン濃度の算出自体は、上記の重金属除去試験と同じである。
[実施例2]
「重金属処理剤Aの10gに代えて重金属処理剤Bを10g用いたこと」および「重金属除去試験および再生効果の確認試験における被検液の滴下量を20mLに代えて40mLとしたこと」以外は、実施例1と同じ「重金属除去試験」および「再生効果の確認試験」を行った。
[比較例1]
重金属処理剤Aの10gに代えてマンガン砂(株式会社トーケミ製、品番MS0)を10g用いたこと以外は、実施例1と同じ「重金属除去試験」を行った。なお、かかるマンガン砂におけるMn量(単位:mg/g)は、すなわち、活性炭1g当たりのMn量(mg)は、カタログ値から得た。
[比較例2]
重金属処理剤Aの10gに代えてフェロライトMC(株式会社トーケミ製、品番MC3)を10g用いたこと以外は、実施例1と同じ「重金属除去試験」を行った。なお、かかるフェロライトMCにおけるMn量(単位:mg/g)、すなわち、活性炭1g当たりのMn量(mg)は、カタログ値から得た。
上記実施例1〜2および比較例1〜2の結果を以下の表3に示す。
[表3]
Figure 0006922989
上記の重金属除去試験および再生効果の確認試験から以下の事項を理解することができた。
・本発明の実施例1および2では、従来技術の比較例1および2よりも除去効率、特に処理剤の単位重量当りの除去効率が高い。
・実施例1と実施例2とを比較すると、スケールアップした場合であっても本発明の処理剤の除去効果および再生能は変わらず維持される。
・従来技術の比較例1および2では、再生処理に起因して担持物が離脱するのに対して、本発明の実施例1および2では、再生処理に際して活性炭に担持されたマンガン化合物は離脱しにくい。すなわち、本発明の実施例1および2の重金属処理剤の方が「第一遷移金属元素を含んで成る化合物」がより強固に担持されている。(従来技術の比較例1および2については、次亜塩素酸ソーダの通液後に得られる回収溶液中のMn量が「被検液に当初含まれていたMn量」よりも多かった。一方、本発明の実施例1および2では、そのようなことはなかった。)
上記の実施例および比較例では、第一遷移金属元素が“マンガン”に基づくものであった。他の第一遷移金属元素に関しても同様の除去効果を奏するか否かについて確認試験を実施した。
(重金属処理剤C)
ビーカーに4.99gの塩化鉄(II)四水和物(和光純薬工業製、品番:099−00915)、16gのメタノール(和光純薬工業(株)製、品番:131−01826)及び29gのアセトン(和光純薬工業(株)製、品番:016−00346)を仕込み、室温(約25℃)および大気圧の条件下でスターラー(アズワン製、型式RSH−1AN)を用いて約30分間撹拌に付すことによって、塩化鉄(II)四水和物がメタノール/アセトン混合溶液に溶解した処理溶液を得た。そこに十分に乾燥させた活性炭20g(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)を加え、10分間静置した。次いで、この活性炭をロータリーエバポレーター(アズワン製、型式NA−2VGS)で40℃、3時間乾燥させた。次いで、10%水酸化ナトリウム溶液50mL(和光純薬工業(株)製、品番:191−11555)に含浸させ、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液10mL(和光純薬工業(株)製、品番:197−02206)を加え、1時間静置させたのちにオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水で流出除去した。以上の工程によって重金属処理剤Cを得た。
重金属処理剤Cにおいて担持化された「Fe元素を含んで成る化合物」のFe量(単位mg/g)は、Fe量=Fe分子量/FeCl・4HO分子量×担持したFeCl・4HO量/用いた活性炭量を計算することによって求めた(表4における「Fe担持量」)。
[実施例3]
被検液として1000ppmのFeCl水溶液を用いた。かかるFeCl水溶液は、塩化鉄(II)四水和物(和光純薬工業製、品番:099−00915)をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水に溶解させることによって調製した。重金属処理剤Cをカラム(材質PPから成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に5gに充填し、かかる充填カラムに対して室温(約25℃)および大気圧の条件下で被検液を滴下することによって重金属除去試験を実施した。具体的には、重金属処理剤Cが充填されたカラムに対して約3mL/minの速度条件下で被検液を30mL滴下し、次いで、重金属処理剤Cに接触した後で得られる溶液を回収した。重金属処理剤Cによる被検液中の鉄の除去効果を把握するため、回収溶液の鉄濃度について求めた。
回収溶液の鉄濃度は、吸光光度法で測定した。具体的には、回収溶液100μLに10mLのオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水を加え、更に10mgの(2、2−bipyridil)(東京化成工業製、品番:366−18−7)を加えて撹拌に付した。これにより回収溶液中に含まれる鉄(II)を赤色に発色させた。かかる発色回収溶液について524nmの吸光度の測定を行い、鉄濃度レベルを間接的に確認した。(表4における「鉄濃度」)。
吸光度の測定には、HITACHI製、型式U−1800の試験機を用いた。かかる吸光度(無次元)の値が高いほど、鉄濃度が高いことを示している一方、吸光度の値が低いほど、鉄濃度が低いことを示している。また、吸光度が“0”の場合は、回収溶液中に鉄が存在していないことを示している。
[比較例3]
重金属処理剤Cの5gに代えて活性炭(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)5g用いたこと以外は、実施例3と同じ「重金属除去試験」を行った。
上記実施例3および比較例3の結果を以下の表4に示す。
[表4]
Figure 0006922989
(重金属処理剤D)
ビーカーに6gの塩化コバルト(II)六水和物(和光純薬工業製、品番:030−03685)、16gのメタノール(和光純薬工業(株)製、品番:131−01826)及び22gのアセトニトリル(和光純薬工業(株)製、品番:014−00386)を仕込み、室温(約25℃)および大気圧の条件下でスターラー(アズワン製、型式RSH−1AN)を用いて約30分間撹拌に付すことによって、塩化コバルト(II)6水和物がメタノール/アセトニトリル混合溶液に溶解した処理溶液を得た。そこに十分に乾燥させた活性炭20g(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)を加え、10分間静置した。次いで、この活性炭をロータリーエバポレーター(アズワン製、型式NA−2VGS)で40℃、3時間乾燥させた。次いで、乾燥後の活性炭を10%水酸化ナトリウム溶液50mL(和光純薬工業(株)製、品番:191−11555)に含浸させ、次いで12%次亜塩素酸ナトリウム溶液10mL(和光純薬工業(株)製、品番:197−02206)を添加し、1時間静置させたのちにオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水で流出除去した。以上の工程によって重金属処理剤Dを得た。
重金属処理剤Dにおいて担持化された「Co元素を含んで成る化合物」のCo量(単位mg/g)は、Co量=Co分子量/CoCl・6HO分子量×担持したCoCl・6HO量/用いた活性炭量を計算することによって求めた(表5における「Co担持量」)。
[実施例4]
被検液として1000ppmのCoCl水溶液を用いた。かかるCoCl水溶液は、塩化コバルト六水和物(和光純薬工業製、品番:030−03685)をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水に溶解させることによって調製した。重金属処理剤Dをカラム(材質PPから成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に5gに充填し、かかる充填カラムに対して室温(約25℃)および大気圧の条件下で被検液を滴下することによって重金属除去試験を実施した。具体的には、重金属処理剤Dが充填されたカラムに対して約3mL/minの速度条件下で被検液を30mL滴下し、次いで、重金属処理剤Dに接触した後で得られる溶液を回収した。重金属処理剤Dによる被検液中のコバルトの除去効果を把握するため、回収溶液のコバルト濃度について求めた。
回収溶液のコバルト濃度は、吸光光度法で測定した。具体的には、回収溶液について510nmの吸光度を測定してCo濃度を求めた(表5における「Co濃度」)。かかる吸光度の測定には、HITACHI製、型式U−1800の試験機を用いた。
[比較例4]
重金属処理剤Dの5gに代えて活性炭(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)5g用いたこと以外は、実施例4と同じ「重金属除去試験」を行った。
上記実施例4および比較例4の結果を以下の表5に示す。
[表5]
Figure 0006922989
(重金属処理剤E)
ビーカーに5.99gの塩化ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業製、品番:141−08365)、16gのメタノール(和光純薬工業(株)製、品番:131−01826)及び29gのアセトン(和光純薬工業(株)製、品番:016−00346)を仕込み、室温(約25℃)および大気圧の条件下でスターラー(アズワン製、型式RSH−1AN)を用いて約30分間撹拌に付すことによって、塩化ニッケル(II)六水和物がメタノール/アセトン混合溶液に溶解した処理溶液を得た。そこに十分に乾燥させた活性炭20g(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)を加え、10分間静置した。次いで、この活性炭をロータリーエバポレーター(アズワン製、型式NA−2VGS)で40℃、3時間乾燥させた。次いで10%水酸化ナトリウム溶液50mL(和光純薬工業(株)製、品番:191−11555)に含浸させ、12%次亜塩素酸ナトリウム溶液10mL(和光純薬工業(株)製、品番:197−02206)を加え、1時間静置させたのちにオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水で流出除去した。以上の工程によって重金属処理剤Eを得た。
重金属処理剤Eにおいて担持化された「Ni元素を含んで成る化合物」のNi量(単位mg/g)は、Ni量=Ni分子量/NiCl・6HO分子量×担持したNiCl・6HO量/用いた活性炭量を計算することによって求めた(表6における「Ni担持量」)。
[実施例5]
被検液として1000ppmのNiCl水溶液を用いた。かかるNiCl水溶液は、塩化ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業製、品番:141−08365)をオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水に溶解させることによって調製した。重金属処理剤Eをカラム(材質PPから成る円筒形カラム、カラム内径20mm、カラム高さ60mm)に5gに充填し、かかる充填カラムに対して室温(約25℃)および大気圧の条件下で被検液を滴下することによって重金属除去試験を実施した。具体的には、重金属処理剤Eが充填されたカラムに対して約3mL/minの速度条件下で被検液を30mL滴下し、次いで、重金属処理剤Eに接触した後で得られる溶液を回収した。重金属処理剤Eによる被検液中のニッケルの除去効果を把握するため、回収溶液のニッケル濃度について求めた。
回収溶液のNi濃度は、吸光光度法で測定した。具体的には、回収溶液100μLに10mLのオルガノ製ピュアライトPRO−0100で精製した超純水を加え、更に10mgのジメチルグリオキシム(和光純薬工業製、品番:048−02962)を加えて撹拌に付した。これにより回収溶液中に含まれるNi(II)を赤色に発色させた。かかる発色回収溶液について520nmの吸光度の測定を行い、ニッケル濃度レベルを間接的に確認した。(表6における「ニッケル濃度」)。
吸光度の測定には、HITACHI製、型式U−1800の試験機を用いた。かかる吸光度(無次元)の値が高いほど、ニッケル濃度が高いことを示している一方、吸光度の値が低いほど、ニッケル濃度が低いことを示している。また、吸光度が“0”の場合は、回収溶液中にニッケルが存在していないことを示している。
[比較例5]
重金属処理剤Eの5gに代えて活性炭(クラレケミカル製:クラレコールGW40/20)5g用いたこと以外は、実施例5と同じ「重金属除去試験」を行った。
上記実施例5および比較例5の結果を以下の表6に示す。
[表6]
Figure 0006922989
上記の実施例3〜5およびそれに対する比較例から以下の事項を理解することができた。

・本発明の重金属処理剤における第一遷移金属元素が、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)であっても、マンガン(Mn)の場合と同様に重金属除去効果を奏することが分かった。

・具体的には、第一遷移金属元素として鉄(Fe)を含んで成る化合物が担持された活性炭を有して成る液相用の重金属処理剤では、その活性炭に担持された金属と同種の金属、すなわち、少なくとも鉄を液体から除去・低減できることが分かった。

・同様にして、第一遷移金属元素としてコバルト(Co)を含んで成る化合物が担持された活性炭を有して成る液相用の重金属処理剤では、その活性炭に担持された金属と同種の金属、すなわち、少なくともコバルトを液体から除去・低減できることが分かった。

・同様にして、第一遷移金属元素としてニッケル(Ni)を含んで成る化合物が担持された活性炭を有して成る液相用の重金属処理剤では、その活性炭に担持された金属と同種の金属、すなわち、少なくともニッケルを液体から除去・低減できることが分かった。
本発明に係る重金属処理剤は、重金属の除去または低減が求められる様々な分野に利用することができる。特に水処理の分野に用いることができ、生活用水および工業用水のみならず、農業用水および雑用水などとして所望の水を得るべく本発明の重金属処理剤は利用できる。
関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願第2017−175910号(出願日:2017年9月13日、発明の名称:「重金属処理剤および重金属処理剤の製造方法」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるものとする。

Claims (11)

  1. 重金属処理剤を製造する方法であって、
    金属化合物と極性溶媒と活性炭とを互いに接触させる接触工程
    を含んで成り、
    前記金属化合物に含まれる金属元素が第一遷移金属元素であり、前記極性溶媒が3.5以上7.0以下のSnyderの極性パラメータを有し、
    前記接触工程においては、前記金属化合物を前記Snyderの極性パラメータが3.5以上7.0以下となる前記極性溶媒に溶解させて得られる金属化合物溶液を前記活性炭に接触させ、前記第一遷移金属元素を前記活性炭に担持させる、重金属処理剤の製造方法。
  2. 前記重金属処理剤が水処理剤である、請求項1に記載の重金属処理剤の製造方法。
  3. 前記重金属処理剤が、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から成る群から選択される少なくとも1種の重金属を除去するための処理剤である、請求項1に記載の重金属処理剤の製造方法。
  4. 前記接触工程の後にて前記活性炭を乾燥処理に付す、請求項1〜3のいずれかに記載の重金属処理剤の製造方法。
  5. 前記極性溶媒がアセトンである、請求項1〜4のいずれかに記載の重金属処理剤の製造方法。
  6. 前記第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から成る群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の重金属処理剤の製造方法。
  7. 前記第一遷移金属元素が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)から成る群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の重金属処理剤の製造方法。
  8. 前記第一遷移金属元素がマンガン(Mn)である、請求項1〜7のいずれかに記載の重金属処理剤の製造方法。
  9. 前記重金属処理剤は、前記水処理剤を構成する前記第一遷移金属元素と同種の重金属を水中から除去または低減する該水処理剤である、請求項2に記載の重金属処理剤の製造方法。
  10. 前記活性炭の外表面および細孔内の双方に前記第一遷移金属元素が担持される、請求項1に記載の重金属処理剤の製造方法。
  11. 前記接触工程の後に得られる前記活性炭を水と接触させる、および/または、前記接触工程における前記極性溶媒が水成分を含有する、請求項1に記載の重金属処理剤の製造方法。
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