A:第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る情報システム100の構成を例示するブロック図である。情報システム100は、例えばインターネット等の通信網300を介して複数の端末装置50の各々と通信可能なコンピュータシステムである。複数の端末装置50の各々は、例えば携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末である。
情報システム100は、管理端末10と再生システム20と制御システム30と収録システム41と配信システム42とを具備する。管理端末10と再生システム20と収録システム41とは、各種のイベントが実施される施設200内に設置される。施設200は、複数の出場者が特定のスポーツにより競技するイベント(以下「競技イベント」という)が実施される競技場である。なお、通常は施設200内の多数の観客が競技イベントを観覧するが、例えば感染症の蔓延防止等の種々の事情により、施設200内に観客が存在しない状況で競技イベント(すなわち無観客試合)が実施される場合がある。なお、制御システム30または配信システム42を施設200内に設置してもよい。
管理端末10は、施設200内に所在する管理者Aが使用する端末装置である。例えば、携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末が管理端末10として利用される。管理者Aは、施設200内で競技イベントを観覧しながら、当該競技イベントの進行に並行して管理端末10を操作可能である。なお、管理端末10の機能を制御システム30に搭載してもよい。管理者Aは、例えば、情報システム100を運営する組織の従業者、または、競技イベントの出場者を応援するサポーターから選出されたコールリーダーである。
再生システム20は、施設200内に設置された音響設備で構成される音響システムであり、施設200内に音響を再生する。再生システム20は、例えば、施設200内の相異なる場所に設置された複数の放音装置(例えばスピーカ装置)を具備する。なお、再生システム20と制御システム30とを単体の装置として構成してもよい。再生システム20は「出力装置」の一例である。
制御システム30は、再生システム20による音響の再生を制御するコンピュータシステムである。具体的には、制御システム30は、再生システム20に各種の効果音を再生させる。効果音は、競技イベントに関する演出用の音響である。例えば、競技イベントの出場者に関する応援歌の歌唱音および楽器音、多数の観客が発声する歓声、競技イベントで発生する事象(例えば出場者のミス)に対する落胆時に観客が発音する溜息音等が、効果音として例示される。競技イベントの出場者は、再生システム20が再生する効果音を聴取可能である。以上のように再生システム20が効果音を再生することで、施設200内に観客が存在しない状況または観客が少ない状況でも、恰も多数の観客が競技イベントを観覧しているかのような雰囲気を施設200内に生成できる。図1に例示される通り、管理端末10と再生システム20と制御システム30とは、施設200内における効果音の再生を制御する演出制御システム400として機能する。なお、再生システム20を演出制御システム400の要素から除外してもよい。
収録システム41は、施設200内で実施される競技イベントを収録する。具体的には、収録システム41は、競技イベントの映像を撮像する撮像装置と、競技イベントの音響を収音する収音装置とを具備する。収音装置が収音する音響は、施設200内の出場者または観客が発音した音響に加えて、再生システム20が再生する効果音を含む。撮像装置が撮像する映像と収音装置が収音する音響とで構成される動画Vが収録システム41により生成される。なお、動画Vのデータ形式は任意である。
配信システム42は、収録システム41が収録した動画Vを含むコンテンツCを複数の端末装置50に配信する。具体的には、配信システム42は、競技イベントの進行に並行して実時間的に各端末装置50にコンテンツCを配信(すなわちストリーミングによるライブ配信)する。配信システム42は、収録システム41が収録した動画Vに対して、例えば解説または字幕等の画像の合成または画質の調整等の各種の画像処理を実行することでコンテンツCを生成する。
複数の端末装置50の各々は、配信システム42が配信するコンテンツCを再生する。各端末装置50の利用者Uは、当該端末装置50を携行して施設200の外側(例えば自宅)に位置する。各利用者Uは、端末装置50が再生するコンテンツCを、競技イベントの進行に並行して視聴する。ただし、競技イベントの実際の進行に対して端末装置50によるコンテンツCの再生は遅延する。例えば、利用者UがコンテンツCの視聴により競技イベント内の特定の事象(例えば得点シーン)を認識する時点は、施設200内の競技イベントにおいて当該事象が実際に発生した時点に対して遅延した関係にある。
以上の説明から理解される通り、管理者Aは、競技イベントを施設200内で遅延なく観覧するのに対し、各利用者Uは、競技イベントの進行に対して遅延したコンテンツCを視聴する。競技イベントの進行に対するコンテンツCの再生の遅延時間は、例えば、収録システム41と配信システム42との間の通信環境、配信システム42がコンテンツCを配信する端末装置50の総数、または、配信システム42がコンテンツCを生成するための画像処理の所要時間等の種々の要因に依存する。
図2は、管理端末10の構成を例示するブロック図である。管理端末10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と表示装置14と操作装置15とを具備する。なお、管理端末10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
制御装置11は、管理端末10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置12は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置12を構成してもよい。なお、管理端末10に着脱される可搬型の記録媒体、または管理端末10が通信網300を介して書込および読出を実行できる記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置12として利用してもよい。
通信装置13は、通信網300を介して制御システム30と通信する。通信装置13と制御システム30とは通信線500を介して接続される。図1に例示される通り、通信装置13は、制御システム30との間で通信線500を介した有線通信を実行する。ただし、通信装置13と制御システム30との間で無線通信が実行されてもよい。例えば、通信装置13は、制御システム30との間でBluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信を実行する。
図2の表示装置14は、制御装置11による制御のもとで画像を表示する。表示装置14は、例えば液晶パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)パネル等の表示パネルで構成される。操作装置15は、管理者Aからの指示を受付ける入力機器である。操作装置15は、例えば、管理者Aが操作する複数の操作子、または、表示装置14と一体に構成されたタッチパネルである。
図3は、管理端末10と制御システム30と端末装置50との各々の機能的な構成を例示するブロック図である。管理端末10の制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(指示受付部111および送信処理部112)を実現する。
指示受付部111は、複数の効果音のうち施設200内に再生させるべき効果音を選択する指示(以下「第1指示」という)Q1を管理者Aから受付ける。送信処理部112は、指示受付部111が受付けた第1指示Q1を示す第1指示データD1を通信装置13から制御システム30に送信する。例えば、第1指示データD1は、管理者Aが第1指示Q1により選択した効果音の識別情報を含むデータである。
図4は、管理端末10の制御装置11が第1指示Q1に関して実行する処理(以下「指示受付処理」という)Saの手順を例示するフローチャートである。指示受付処理Saは、例えば競技イベントの開始とともに管理者Aからの指示に応じて開始され、競技イベントの進行に並行して継続される。
指示受付処理Saが開始されると、指示受付部111は、図5の選択画面Gaを表示装置14に表示させる(Sa11)。選択画面Gaは、複数の効果音の何れかを管理者Aが選択するための画像である。具体的には、選択画面Gaには、相異なる効果音に対応する複数の操作画像Waが配置される。各操作画像Waは、操作装置15を利用して管理者Aが操作可能なソフトウェアボタンである。図5の「チャント(応援歌)」は、競技イベントの出場者に関する応援歌の歌唱音および楽器音を意味する。「歓声(大)」は、競技イベントのうち特に盛上がる場面(例えば得点シーン)において観客が発声する歓声音を意味する。「歓声(小)」は、「歓声(大)」と比較して小規模な歓声音を意味する。「落胆」は、観客が落胆時に発音する溜息音を意味する。
管理者Aは、競技イベントを観覧しながら操作装置15を操作することで、複数の効果音の何れかを選択画面Gaから選択可能である。具体的には、管理者Aは、競技イベントの状況に応じた適切な時点において、複数の効果音のうち現在の状況に対して適切な効果音を選択する。例えば、競技イベントにおいて出場者が得点を獲得した場合、管理者Aは選択画面Gaから「歓声(大)」を選択する。また、競技イベントにおいて出場者がミスした場合、管理者Aは選択画面Gaから「落胆」を選択する。指示受付部111は、効果音を選択する第1指示Q1を管理者Aから受付けたか否かを判定する(Sa12)。
指示受付部111が管理者Aから第1指示Q1を受付けた場合(Sa12:YES)、送信処理部112は、第1指示Q1を示す第1指示データD1を通信装置13から制御システム30に送信する(Sa13)。他方、指示受付部111が第1指示Q1を受付けない場合(Sa12:NO)、第1指示データD1の送信(Sa13)は実行されない。なお、管理端末10から制御システム30に送信される第1指示データD1と、制御システム30から各端末装置50に送信される第1指示データD1とが同一である必要は必ずしもない。
制御装置11は、指示受付処理Saの終了が管理者Aから指示されたか否かを判定する(Sa14)。例えば競技イベントが終了した場合に、管理者Aは指示受付処理Saの終了を指示する。指示受付処理Saの終了が指示されない場合(Sa14:NO)、第1指示Q1の受付(Sa12:YES)を条件とした第1指示データD1の送信(Sa13)が反復される。他方、管理者Aから終了が指示された場合(Sa14:YES)、制御装置11は指示受付処理Saを終了する。
図6は、制御システム30の構成を例示するブロック図である。制御システム30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33とを具備する。なお、制御システム30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
制御装置31は、制御システム30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置31は、CPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより構成される。通信装置33は、通信線500を介して管理端末10と通信する。また、通信装置33は、通信網300を介して各端末装置50と通信する。なお、管理端末10と通信する通信機器と、端末装置50と通信する通信機器とにより通信装置33を構成してもよい。
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置32は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。なお、制御システム30に着脱される可搬型の記録媒体、または制御システム30が通信網300を介して書込および読出を実行できる記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置32として利用してもよい。
記憶装置32は、相異なる効果音に対応する複数の音響信号Xを記憶する。各効果音の音響信号Xは、当該効果音の波形を表す信号である。各音響信号Xは、事前に収録または合成されたうえで記憶装置32に記憶される。音響信号Xは、例えばMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)等の任意の形式で表現される。また、記憶装置32には、演出制御システム400を利用する複数の端末装置50の各々について識別情報が登録される。
図3に例示される通り、制御システム30の制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(受信処理部311,指示管理部312,出力制御部313)を実現する。
受信処理部311は、管理端末10から送信された第1指示データD1を通信装置33により受信する。また、受信処理部311は、各端末装置50から送信された第2指示データD2を通信装置33により受信する。各端末装置50から送信される第2指示データD2は、当該端末装置50に対する利用者Uからの指示(以下「第2指示」という)Q2を示すデータである。第2指示Q2は、第1指示データD1が示す効果音(すなわち管理者Aが選択した効果音)を端末装置50の利用者Uが選択する指示である。なお、第2指示データD2の詳細については後述する。
指示管理部312は、管理者Aによる第1指示Q1を契機として、受信処理部311が受信した第1指示データD1を通信装置33により各端末装置50に送信する。端末装置50は、第1指示データD1の受信により、第2指示Q2を有効に受付可能な状態となる。すなわち、指示管理部312は、各端末装置50に対する利用者Uからの第2指示Q2を有効化する。出力制御部313は、受信処理部311が受信した第1指示データD1または第2指示データD2に応じて再生システム20による効果音の再生を制御する。
図7は、制御システム30の制御装置31が効果音の再生に関して実行する処理(以下「出力制御処理」という)Sbの手順を例示するフローチャートである。出力制御処理Sbは、前述の指示受付処理Saと同様に、例えば競技イベントの開始とともに開始され、競技イベントの進行に並行して継続的に実行される。
出力制御処理Sbが開始されると、受信処理部311は、第1指示データD1を通信装置33により管理端末10から受信したか否かを判定する(Sb11)。受信処理部311が第1指示データD1を受信した場合(Sb11:YES)、指示管理部312は、当該第1指示データD1を通信装置33から各端末装置50に送信する(Sb12)。第1指示データD1は、記憶装置32に登録された各端末装置50を宛先として送信される。
また、第1指示データD1を受信した場合(Sb11:YES)、出力制御部313は、第1指示データD1が示す効果音を再生システム20に再生させる(Sb13)。具体的には、出力制御部313は、記憶装置32に記憶された複数の音響信号Xのうち第1指示データD1が示す効果音に対応する音響信号Xを再生システム20に供給することで、当該効果音を再生システム20に再生させる。すなわち、管理者Aが選択画面Gaから選択した効果音が再生システム20により施設200内に再生される。受信処理部311が第1指示データD1を受信しない場合(Sb11:NO)、第1指示データD1の送信(Sb12)と効果音の再生(Sb13)とは実行されない。なお、第1指示データD1の送信(Sb12)と効果音の再生(Sb13)との順序を逆転してもよい。
以上の説明から理解される通り、管理者Aによる第1指示Q1を契機として、再生システム20による効果音の再生が開始される。前述の通り、管理者Aは競技イベントを遅延なく観覧するから、競技イベントの進行に対して遅延のない適切な時点において、当該競技イベントの状況に応じた適切な効果音が施設200内に再生される。例えば、競技イベントにおいて出場者が得点を獲得した直後に、効果音「歓声(大)」の再生が開始され、競技イベントにおいて出場者がミスした直後に、効果音「落胆」の再生が開始される。なお、複数の効果音のうち効果音1の再生中に管理者Aが他の効果音2を選択した場合、効果音1と効果音2とが施設200内に重複して再生される。
以上の処理を実行すると、受信処理部311は、通信装置33により各端末装置50から第2指示データD2を受信したか否かを判定する(Sb14)。受信処理部311が第2指示データD2を受信した場合(Sb14:YES)、出力制御部313は、再生システム20が再生している効果音の音響特性を制御する(Sb15)。具体的には、出力制御部313は、第2指示データD2が示す効果音の音量を増加させる。例えば、出力制御部313は、受信処理部311が受信した第2指示データD2の総数(以下「指示数」という)に応じて効果音の音量を制御する。例えば、出力制御部313は、効果音の音量を指示数に応じた増加量だけ増加させる。すなわち、指示数が大きいほど音量の増加量は増加する。効果音の音量の変化の軌跡は任意であるが、例えば所定の時間をかけて音量を経時的に増加させる構成が想定される。なお、複数の効果音が重複して再生されている場合、当該複数の効果音のうち第2指示データD2が示す効果音の音量が増加する。なお、例えば「声援」と「溜息」のように意味合いが反対である効果音が利用者Uにより指示された場合に、第2指示Q2により選択した利用者Uが多い効果音の音響特性を制御してもよい。
制御装置31は、出力制御処理Sbの終了が指示されたか否かを判定する(Sb16)。例えば競技イベントが終了した場合に、制御システム30の運営者が出力制御処理Sbの終了を指示する。出力制御処理Sbの終了が指示されない場合(Sb16:NO)、第1指示Q1を契機とした第1指示データD1の送信(Sb12)および効果音の再生開始(Sb13)と、第2指示Q2を契機とした効果音の制御(Sb15)とが反復される。出力制御処理Sbの終了が指示された場合(Sb16:YES)、制御装置31は出力制御処理Sbを終了する。
図8は、端末装置50の構成を例示するブロック図である。端末装置50は、制御装置51と記憶装置52と通信装置53と再生装置54と操作装置55とを具備する。なお、端末装置50は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
制御装置51は、端末装置50の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置51は、CPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
記憶装置52は、制御装置51が実行するプログラムと制御装置51が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置52は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置52を構成してもよい。なお、端末装置50に着脱される可搬型の記録媒体、または端末装置50が通信網300を介して書込および読出を実行できる記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置52として利用してもよい。
通信装置53は、通信網300を介して情報システム100(具体的には制御システム30および配信システム42)と通信する。例えば、通信装置53は、配信システム42から配信されるコンテンツCを受信する。
再生装置54は、制御装置51による制御のもとで、映像と音響とを再生する。例えば、再生装置54は、通信装置53が受信するコンテンツCを再生する。再生装置54は、表示装置541と放音装置542とを具備する。表示装置541は、制御装置51による制御のもとで画像を表示する。例えば、表示装置541はコンテンツCの映像を表示する。表示装置541は、例えば液晶パネルまたは有機ELパネル等の表示パネルで構成される。放音装置542は、制御装置51による制御のもとで音響を再生する。例えば、放音装置542はコンテンツCの音響を再生する。
操作装置55は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。操作装置55は、例えば、利用者Uが操作する複数の操作子、または、表示装置541と一体に構成されたタッチパネルである。
図3に例示される通り、端末装置50の制御装置51は、記憶装置52に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(再生制御部511,受信処理部512,指示受付部513,送信処理部514)を実現する。再生制御部511は、通信装置53が配信システム42から受信したコンテンツCを再生装置54に再生させる。
受信処理部512は、制御システム30から送信された第1指示データD1を通信装置53により受信する。指示受付部513は、効果音を選択する第2指示Q2を利用者Uから受付ける。送信処理部514は、指示受付部513が受付けた第2指示Q2を示す第2指示データD2を通信装置53から制御システム30に送信する。例えば、第2指示データD2は、利用者Uが第2指示Q2により選択した効果音の識別情報を含むデータである。
図9は、端末装置50の制御装置51が第2指示Q2に関して実行する処理(以下「指示受付処理」という)Scの手順を例示するフローチャートである。指示受付処理Scは、例えば競技イベントの開始とともに利用者Uからの指示に応じて開始され、競技イベントの進行に並行して継続的に実行される。指示受付処理Scに並行して再生制御部511によるコンテンツCの再生が実行される。
指示受付処理Scが開始されると、指示受付部513は、図10の選択画面Gbを表示装置541に表示させる(Sc11)。選択画面Gbは、複数の効果音の何れかを利用者Uが選択するための画像である。具体的には、選択画面Gbには、前述の選択画面Gaと同様に、相異なる効果音に対応する複数の操作画像Wbが配置される。各操作画像Wbは、操作装置55を利用して利用者Uが操作可能なソフトウェアボタンである。
前述の通り、管理者Aは、複数の効果音のうち任意の効果音を選択画面Gaから選択可能である。すなわち、選択画面Gaの複数の操作画像Waは有効状態に維持される。操作画像Waの有効状態は、管理者Aによる選択を受付可能な状態である。選択画面Gaとは対照的に、端末装置50の選択画面Gbにおける複数の操作画像Wbは、初期的には無効状態に設定される。操作画像Wbの無効状態は、利用者Uによる選択を受付けない状態である。すなわち、指示受付部513は、無効状態の操作画像Wbに対する利用者Uからの操作を無視する。
他方、管理者Aが第1指示Q1により効果音を選択した場合、図11に例示される通り、選択画面Gbの複数の操作画像Wbのうち、第1指示Q1で選択された効果音に対応する操作画像Wbが、選択的に有効状態に設定される。操作画像Wbの有効状態は、利用者Uによる選択を受付可能な状態である。すなわち、第1指示Q1で選択された効果音を選択する第2指示Q2が有効化される。図11においては、効果音「チャント(応援歌)」の操作画像Wbが有効状態に変更され、他の操作画像Wbが無効状態に維持された状態が例示されている。有効状態の操作画像Wbと無効状態の操作画像Wbとは表示態様が相違する。例えば、無効状態の操作画像Wbはグレーアウト表示されるのに対し、有効状態の操作画像Wbは特定の色相で表示される。
受信処理部512は、第1指示データD1を通信装置53により制御システム30から受信したか否かを判定する(Sc12)。受信処理部512が第1指示データD1を受信した場合(Sc12:YES)、指示受付部513は、図10および図11を参照して前述した通り、選択画面Gbの複数の操作画像Wbのうち第1指示データD1が示す効果音に対応する操作画像Wbを有効状態に設定する(Sc13)。例えば、指示受付部513は、当該操作画像Wbを無効状態の表示態様から有効状態の表示態様に変更する。
以上の説明から理解される通り、複数の効果音のうち管理者Aが選択した効果音を利用者Uが選択する第2指示Q2が、第1指示データD1の受信により有効化される。例えば、競技イベントにおいて出場者が得点を獲得した場合に管理者Aが第1指示Q1により効果音「歓声(大)」を選択すると、当該効果音「歓声(大)」を選択する第2指示Q2が有効化される。また、競技イベントにおいて出場者がミスした場合に管理者Aが第1指示Q1により効果音「落胆」を選択すると、当該効果音「落胆」を選択する第2指示Q2が有効化される。以上の説明から理解される通り、第1指示データD1は、端末装置50に対する利用者Uからの第2指示Q2を有効化するためのデータである。
前述の通り、競技イベントの進行に対してコンテンツCの再生は遅延する。他方、第1指示Q1の発生から第1指示データD1が端末装置50に到達するまでの時間は、コンテンツCの再生の遅延時間と比較して充分に短い。したがって、競技イベント内で発生する特定の事象をコンテンツCの視聴により利用者Uが認識する時点に先立ち、当該事象の発生の直後に、第1指示Q1を契機として第2指示Q2が有効化される。なお、複数の効果音のうち効果音1の再生中に管理者Aが他の効果音2を選択した場合、選択画面Gbにおいて効果音1に対応する操作画像Wbと効果音2に対応する操作画像Wbとが並列に有効状態に設定される。すなわち、利用者Uが効果音1および効果音2の何れかを選択できる状態となる。
指示受付部513は、有効状態の操作画像Wbを選択する第2指示Q2を利用者Uから受付けたか否かを判定する(Sc14)。指示受付部513が利用者Uから第2指示Q2を受付けた場合(Sc14:YES)、送信処理部514は、第2指示Q2を示す第2指示データD2を通信装置53から制御システム30に送信する(Sc15)。他方、指示受付部513が第2指示Q2を受付けない場合(Sc14:NO)、第2指示データD2の送信(Sc15)は実行されない。
制御装置51は、指示受付処理Scの終了が利用者Uから指示されたか否かを判定する(Sc16)。例えば競技イベントが終了した場合に、利用者Uは指示受付処理Scの終了を指示する。指示受付処理Scの終了が指示されない場合(Sc16:NO)、第1指示データD1の受信を条件とした第2指示Q2の有効化(Sc13)と、第2指示Q2の受付を条件とした第2指示データD2の送信(Sc15)とが反復される。他方、利用者Uから終了が指示された場合(Sc16:YES)、制御装置51は指示受付処理Scを終了する。
以上に説明した通り、第1実施形態においては、競技イベントの進行に並行して発生する第1指示Q1を契機として、再生システム20による効果音の再生が開始される。したがって、競技イベントの進行に対して遅滞なく、施設200内において効果音の再生を開始することが可能である。第1実施形態では特に、施設200内で競技イベントを観覧する管理者Aが第1指示Q1を付与するから、競技イベント内の適切な時点で効果音の出力を開始できる。また、利用者Uによる第2指示Q2が第1指示Q1を契機として有効化され、有効化された第2指示Q2を契機として再生中の効果音の音量が制御される。したがって、競技イベントの進行に対するコンテンツCの配信の遅延が比較的に大きい環境のもとで利用者UがコンテンツCを視聴する状況でも、競技イベントの進行に対して過度な遅延なく、各利用者Uからの第2指示Q2を施設200内の効果音に反映させることが可能である。
また、第1実施形態においては、選択画面Gbに表示された複数の効果音のうち、第1指示Q1により選択された効果音について、当該効果音を選択する第2指示Q2が選択的に有効化される。したがって、競技イベントの進行に対して遅延が少ない時点で、多数の利用者Uによる第2指示Q2が施設200内の効果音に一斉に反映される。したがって、各利用者Uが一体感を知覚し得る効果的な応援に複数の利用者Uが施設200の外側から参加できるという格別の効果が実現される。利用者U間の一体感は、前述のチャント(応援歌)等の効果音について特に重要である。また、第1指示Q1を契機として第2指示Q2が有効化される構成によれば、複数の効果音のうち第1指示Q1により選択されていない効果音(例えば競技イベントの状況に対して適切ではない効果音)を利用者Uが誤選択する可能性を低減できるという利点もある。
第1実施形態においては、施設200内に再生される効果音の音量が利用者Uからの第2指示Q2に応じて制御される。したがって、施設200内における効果音の受聴者(例えば競技イベントの出場者)が、第2指示Q2を付与する利用者Uの規模等、競技イベントのコンテンツCに関する視聴の状況を聴覚的に把握できる。
なお、例えば競技イベントを収録したコンテンツCを複数の端末装置50に配信するだけの構成では、競技イベントが実施される施設200以外の場所において当該競技イベントを視聴する利用者Uの反応(例えば出場者に対する声援)が施設200内に伝達されない。第1実施形態によれば、各端末装置50の利用者Uの反応が施設200内の効果音に反映されるから、競技イベントに寄与できる利用者Uを増加させることが可能である。
B:第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号と同様の符号を使用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図12は、第2実施形態において端末装置50の表示装置541に表示される選択画面Gbの模式図である。図12に例示される通り、第2実施形態の選択画面Gbは、領域R1と領域R2とを含む。領域R1には、第1実施形態と同様に、相異なる効果音(以下「第1効果音」という場合がある)に対応する複数の操作画像Wbが配置される。他方、領域R2には、相異なる効果音(以下「第2効果音」という場合がある)に対応する複数の操作画像Wcが配置される。利用者Uは、操作装置55を操作することで領域R2内の複数の操作画像Wcの何れかを選択することが可能である。図12に第2効果音として例示された「歓声」は、観客が発声する歓声を意味する。「拍手」は、観客による拍手で発音される拍手音を意味する。「指笛」は、指笛により発音される指笛音を意味する。また、「落胆」は、観客が落胆したときに発音する溜息音を意味する。領域R1に提示される第1効果音と領域R2に提示される第2効果音とは同種および異種の何れでもよい。制御システム30の記憶装置32は、各第1効果音を表す音響信号Xに加えて、各第2効果音を表す音響信号Xを記憶する。
領域R1内の複数の操作画像Wbについては、第1実施形態と同様に、管理者Aによる第1指示Q1で選択された第1効果音に対応する操作画像Wbが選択的に有効状態に設定される。他方、領域R2内の複数の操作画像Wcは、第1指示Q1の有無に関わらず有効状態に維持される。すなわち、利用者Uは、複数の操作画像Wcの何れかを常に操作可能である。指示受付部513は、領域R1内の複数の操作画像Wbの何れかを選択する第2指示Q2のほか、領域R2内の複数の操作画像Wcの何れかを選択する指示(以下「第3指示」という)Q3を利用者Uから受付ける。第3指示Q3は、複数の第2効果音の何れかを選択する指示である。利用者Uは、コンテンツCを視聴しながら操作装置55を操作することで、領域R2内の所望の効果音を任意の時点で選択できる。
図13は、第2実施形態において端末装置50の制御装置51が実行する指示受付処理Scの手順を例示するフローチャートである。指示受付部513は、図12に例示した選択画面Gbを表示装置541に表示させる(Sc21)。第1実施形態と同様に、第1指示データD1の受信(Sc22:YES)を条件として第2指示Q2が有効化され(Sc23)、第2指示Q2の受付(Sc24)を条件として第2指示データD2が制御システム30に送信される(Sc25)。
指示受付部513は、領域R2内の何れかの操作画像Wbを選択する第3指示Q3を利用者Uから受付けたか否かを判定する(Sc26)。指示受付部513が利用者Uから第3指示Q3を受付けた場合(Sc26:YES)、送信処理部514は、第3指示Q3を表す第3指示データD3を通信装置53から制御システム30に送信する(Sc27)。第3指示データD3は、例えば、利用者Uが第3指示Q3により選択した第2効果音の識別情報を含むデータである。他方、指示受付部513が第3指示Q3を受付けない場合(Sc26:NO)、第3指示データD3の送信(Sc27)は実行されない。指示受付処理Scの終了が利用者Uから指示されるまで以上の処理が反復される点(Sc28:NO)は第1実施形態と同様である。
図14は、第2実施形態において制御システム30の制御装置31が実行する出力制御処理Sbの手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、第1指示データD1の受信(Sb21:YES)を条件として各端末装置50に対する第1指示データD1の送信(Sb22)と効果音の再生(Sb23)とが実行され、第2指示データD2の受信(Sb24:YES)を条件として効果音が制御される(Sb25)。
受信処理部311は、第3指示データD3を通信装置33により各端末装置50から受信したか否かを判定する(Sb26)。受信処理部311が第3指示データD3を受信した場合(Sb26:YES)、出力制御部313は、第3指示データD3が示す第2効果音を再生システム20に再生させる(Sb27)。具体的には、出力制御部313は、記憶装置32に記憶された複数の音響信号Xのうち第3指示データD3が示す第2効果音に対応する音響信号Xを再生システム20に供給することで、当該第2効果音を再生システム20に再生させる。なお、各第2効果音を示す第3指示データD3を受信した回数が所定の閾値を上回る場合に当該第2効果音を再生システム20に再生させ、当該回数が閾値を下回る場合には第2効果音を再生させない構成も想定される。以上の説明から理解される通り、第2指示Q2は、第1指示Q1を契機として再生された第1効果音の音量の制御に利用されるのに対し、第3指示Q3は、第2効果音の再生開始の契機として利用される。出力制御処理Sbの終了が指示されるまで以上の処理が反復される点(Sb28:NO)は第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、管理者Aによる第1指示Q1の有無に関わらず、利用者Uは第3指示Q3により施設200内に第2効果音を再生させることが可能である。
なお、第2実施形態のように第1指示Q1に応じて領域R1内の操作画像Wbが選択的に有効状態に制御される第1動作モードのほかに、領域R1内の複数の操作画像Wbが強制的に無効状態に維持される第2動作モードにより端末装置50が動作する構成も想定される。第2動作モードにおいては、領域R2内の複数の操作画像Wcに対する操作のみが利用者Uに許容される。
C:第3実施形態
図15は、第3実施形態における制御システム30および端末装置50の各々の機能的な構成を例示するブロック図である。第3実施形態における演出制御システム400は、再生システム20と制御システム30とを具備する。すなわち、第3実施形態においては演出制御システム400から管理端末10が省略される。
第3実施形態の指示管理部312は、収録システム41が生成する動画Vを解析する。指示管理部312による動画Vの解析は、競技イベントの進行に並行して実行される。具体的には、指示管理部312は、競技イベントの動画Vを解析することで、競技イベント内で特定の事象が発生したか否かを判定する。特定の事象は、例えば得点シーンである。
指示管理部312は、動画Vを構成する音響に対する音声認識により得点シーンを特定する。例えば、指示管理部312は、施設200内に放音される解説音声の音声認識により「ゴール!」等の文字列が認識された場合に、得点シーンが発生したと判定する。また、指示管理部312は、動画Vを構成する映像に対する画像認識により得点シーンを特定する。例えば、指示管理部312は、競技イベントに参加する審判員の動画Vから、得点を意味する特定の動作が認識された場合に、得点シーンが発生したと判定する。指示管理部312は、以上に例示した特定の事象が発生した場合に第1指示Q1を発生する。すなわち、指示管理部312は、競技イベントの状況を解析した結果に応じて第1指示Q1を発生する。
図16は、第3実施形態における出力制御処理Sbの手順を例示するフローチャートである。出力制御処理Sbが開始されると、指示管理部312は、競技イベントの動画Vを解析する(Sb31)。指示管理部312は、動画Vの解析により、競技イベントにおいて特定の事象が発生したか否かを判定する(Sb32)。特定の事象が発生したと判定した場合(Sb32:YES)、指示管理部312は、第1指示Q1を発生する(Sb33)。第1指示Q1は、効果音の再生の指示である。第1指示Q1により指示される効果音は、動画Vの解析により特定された事象の種類に応じて複数の効果音から選択される。
また、特定の事象が発生したと判定した場合、指示管理部312は、第1実施形態におけるステップSb12と同様に、第1指示Q1を示す第1指示データD1を通信装置33から各端末装置50に送信する(Sb34)。また、出力制御部313は、第1実施形態におけるステップSb13と同様に、第1指示Q1が示す効果音を再生システム20に再生させる(Sb35)。他方、特定の事象が発生していない場合(Sb32:NO)、第1指示Q1の発生(Sb33)と第1指示データD1の送信(Sb34)と効果音の再生(Sb35)とは実行されない。第1実施形態と同様に、第2指示データD2の受信(Sb36:YES)を条件として効果音が制御され(Sb37)、出力制御処理Sbの終了が指示されるまで以上の処理が反復される(Sb38:NO)。他の構成および動作は第1実施形態と同様である。したがって、第3実施形態においては、競技イベントの状況を解析した結果に応じた効果音が再生システム20から施設200内に再生され、利用者Uからの第2指示Q2に応じて当該効果音の音量が制御される。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態においては、第1指示Q1を発生させる管理者Aを必要とすることなく、競技イベントの状況に応じた適切な時点において適切な効果音の再生を開始できる。なお、第1指示Q1の有無に関わらず有効な第3指示Q3を利用者Uから受付ける第2実施形態の構成を、第3実施形態に適用してもよい。
D:第4実施形態
図17は、第4実施形態における制御システム30および端末装置50の各々の機能的な構成を例示するブロック図である。第4実施形態における演出制御システム400は、第3実施形態と同様に、再生システム20と制御システム30とを具備する。すなわち、第4実施形態においては演出制御システム400から管理端末10が省略される。
第4実施形態における端末装置50は、再生制御部511と指示受付部513と送信処理部514とを具備する。再生制御部511は、第1実施形態と同様に、通信装置53が配信システム42から受信したコンテンツCを再生装置54に再生させる。
第4実施形態においては、選択画面Gbの複数の操作画像Wbが常に有効状態に維持される。指示受付部513は、選択画面Gbに提示される複数の効果音の何れかを選択する第2指示Q2を利用者Uから受付ける。送信処理部514は、指示受付部513が受付けた第2指示Q2を示す第2指示データD2を通信装置53から制御システム30に送信する。
図18は、第4実施形態における指示受付処理Scの手順を例示するフローチャートである。指示受付処理Scが開始されると、指示受付部513は、全部の操作画像Wbが有効状態に設定された選択画面Gbを表示装置541に表示させる(Sc41)。指示受付部513は、操作画像Wbを選択する第2指示Q2を利用者Uから受付けたか否かを判定する(Sc42)。指示受付部513が利用者Uから第2指示Q2を受付けた場合(Sc42:YES)、送信処理部514は、第2指示Q2を示す第2指示データD2を通信装置53から制御システム30に送信する(Sc43)。指示受付部513が第2指示Q2を受付けない場合(Sc42:NO)、第2指示データD2の送信(Sc43)は実行されない。指示受付処理Scの終了が指示されるまで以上の処理が反復される(Sc44:NO)。
図17に例示される通り、第4実施形態における制御システム30は、受信処理部311と出力制御部313とを具備する。受信処理部311は、各端末装置50から送信された第2指示データD2を通信装置33により受信する。出力制御部313は、受信処理部311が受信した第2指示データD2に応じて再生システム20による効果音の再生を制御する。
図19は、第4実施形態における出力制御処理Sbの手順を例示するフローチャートである。出力制御処理Sbが開始されると、受信処理部311は、通信装置33により各端末装置50から第2指示データD2を受信したか否かを判定する(Sb41)。第2指示データD2を受信した場合(Sb41:YES)、出力制御部313は、第2指示データD2について所定の条件(以下「再生条件」という)が成立したか否かを判定する(Sb42)。例えば、再生条件は、各端末装置50の利用者Uが各効果音を指示する頻度に関する条件である。例えば、出力制御部313は、所定の期間内に第2指示データD2を受信した回数(以下「指示回数」という)を効果音毎に集計し、指示回数が所定の閾値を上回る効果音について再生条件が成立したと判定する。指示回数は、所定の期間内における第2指示Q2の総回数である。なお、出力制御部313は、指示回数の増加率を効果音毎に算定し、当該増加率が所定の閾値を上回る効果音について再生条件が成立したと判定してもよい。
再生条件が成立したと判定した場合(Sb42:YES)、出力制御部313は、再生条件が成立した効果音を再生システム20に再生させる(Sb43)。すなわち、出力制御部313は、記憶装置32に記憶された複数の音響信号Xのうち再生条件が成立した効果音に対応する音響信号Xを再生システム20に供給する。第2指示データD2を受信しない場合(Sb41:NO)、または再生条件が成立しない場合(Sb42:NO)には、効果音の再生(Sb43)は実行されない。出力制御処理Sbの終了が指示されるまで以上の処理が反復される(Sb44:NO)。
第4実施形態によれば、各端末装置50の利用者Uによる第2指示Q2の頻度に関する指標(指示回数および増加率)に応じて効果音の再生が制御される。したがって、競技イベントのコンテンツCを視聴する利用者Uの盛上がりを、施設200内の効果音に反映させることが可能である。また、第4実施形態によれば、効果音の再生の開始の契機となる第1指示Q1を発生する必要がないという利点もある。ただし、再生条件の成立により第1指示Q1を発生してもよい。
E:第5実施形態
図20は、第5実施形態における管理端末10および制御システム30の機能的な構成を例示するブロック図である。第5実施形態における管理端末10の構成および機能は、第1実施形態と同様である。すなわち、管理端末10は、第1実施形態と同様の指示受付処理Saを実行することで、管理者Aから受付けた第1指示Q1を示す第1指示データD1を制御システム30に送信する。
第5実施形態における制御システム30は、受信処理部311と出力制御部313とを具備する。受信処理部311は、管理端末10から通信線500を介して第1指示データD1を受信する。また、受信処理部311は、各端末装置50から送信される通知データZを受信する。通知データZは、利用者Uの属性を表すデータである。具体的には、通知データZは、利用者Uの性別,年齢,年代,国籍,居住地等の属性を表す。各端末装置50は、例えば競技イベントの開始前に通知データZを制御システム30に送信する。出力制御部313は、第1実施形態と同様に第1指示データD1に応じて効果音を再生システム20に再生させる。また、第5実施形態の出力制御部313は、効果音の音量を、各端末装置50から受信した通知データZに応じて制御する。
図21は、第5実施形態における出力制御処理Sbの手順を例示するフローチャートである。出力制御処理Sbが開始されると、受信処理部311は、第1指示データD1を通信装置33により管理端末10から受信したか否かを判定する(Sb51)。受信処理部311が第1指示データD1を受信した場合(Sb51:YES)、指示管理部312は、第1指示データD1が示す効果音を再生システム20に再生させる(Sb52)。
第5実施形態の出力制御部313は、第1指示Q1により選択された効果音を、各端末装置50の利用者Uの属性に応じた音響特性により再生システム20に再生させる。具体的には、出力制御部313は、受信処理部311が受信した通知データZの個数(以下「利用者数」という)を利用者Uの属性毎に集計し、当該集計の結果に応じた音響特性の効果音を再生システム20に再生させる。
具体的には、複数の属性のうち利用者数が最大である属性に応じた音響特性の効果音が再生される。例えば、出力制御部313は、利用者数が最大である属性(性別)が女性である場合に、当該属性が男性である場合と比較して高音の効果音を再生させる。また、出力制御部313は、利用者数が最大である属性(年齢)が低いほど大音量の効果音を再生させる。他方、受信処理部311が第1指示データD1を受信しない場合(Sb51:NO)、効果音の再生(Sb52)は実行されない。出力制御処理Sbの終了が指示されるまで以上の処理が反復される(Sb53:NO)。なお、効果音の音響特性を変化させる方法は任意である。例えば、音響特性が相違する複数の音響信号Xのうち利用者Uの属性に応じた音響信号Xを再生システム20に選択的に供給する構成、または初期的な音響信号Xに対する音響処理により利用者Uの属性に応じた音響特性の音響信号Xを生成する構成が想定される。
第5実施形態によれば、競技イベントの進行に並行して発生する第1指示Q1を契機として、再生システム20による効果音の再生が開始される。したがって、競技イベントの進行に対して遅滞なく、施設200内において効果音の再生を開始することが可能である。また、利用者Uの属性に応じた音量の効果音が再生されるから、コンテンツCを視聴する利用者Uの属性の傾向(例えば何れの属性の利用者Uが多いのか)を施設200内の効果音に反映させることが可能である。
なお、以上の説明においては利用者Uの属性に応じた音量の効果音を再生したが、各端末装置50から通知データZを受信した回数(すなわち競技イベントを視聴する利用者Uの総数)に応じた音量の効果音を再生システム20に再生させてもよい。また、競技イベントの状況の解析により第1指示Q1を発生する第2実施形態の構成を、第5実施形態に適用してもよい。
また、各端末装置50に対する利用者Uからの第2指示Qを効果音に反映させる構成は、第5実施形態にも適用される。例えば、第5実施形態において、受信処理部311が各端末装置50から受信した第2指示データD2の総数(指示数)と各端末装置50の利用者Uの属性とに応じた効果音を、出力制御部313が再生システム20に再生させる構成が想定される。例えば、出力制御部313は、効果音の第1音響特性を指示数に応じて制御し、かつ、当該効果音の第2音響特性を利用者Uの属性に応じて制御する。第1音響特性と第2音響特性とは、効果音に関する相異なる特性である。例えば、第1音響特性は音量であり、第2音響特性は音高である。指示数と利用者Uの属性とに応じて効果音のひとつの音響特性(例えば音量)を制御してもよい。
F:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された複数の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)第1実施形態から第3実施形態においては、操作画像Wbを無効状態に設定することで当該操作画像Wbに対する第2指示Q2を無効化し、管理者Aが選択した効果音に対応する操作画像Wbを有効状態に制御することで当該操作画像Wbに対する第2指示Q2を有効化した。しかし、利用者Uからの第2指示Q2を端末装置50において一律に受付ける構成も想定される。具体的には、制御システム30の出力制御部313は、受信処理部311が受信した複数の第2指示データD2のうち、管理者Aが選択した効果音を示す第2指示データD2を効果音の音量に有効に反映させ、当該効果音以外の効果音を示す第2指示データD2は無視する。以上の例示から理解される通り、第2指示Q2の有効化は、利用者Uからの第2指示Q2を端末装置50において有効に受付ける処理のほか、制御システム30において第2指示Q2を効果音の音量に有効に反映させる処理も包含する。
(2)前述の各形態においては、施設200内に位置する管理者Aが第1指示Q1を発生したが、施設200外の管理者Aが第1指示Q1を発生してもよい。例えば、競技イベントのコンテンツCの視聴者が管理者Aとして第1指示Q1を発生してもよい。ただし、競技イベントの進行に対する効果音の再生の遅延を低減する観点からすると、管理者Aは、利用者UによるコンテンツCの視聴よりも小さい遅延のもとで競技イベントの進行を認識可能であることが望ましい。
(3)前述の各形態においては、第1指示Q1を表す第1指示データD1が管理端末10から制御システム30を経由して各端末装置50に送信される構成を例示したが、管理端末10から端末装置50に対して第1指示データD1を直接的に送信してもよい。例えば、管理端末10から送信された第1指示データD1が通信網300を介して各端末装置50に到達する構成も想定される。すなわち、制御システム30が第1指示データD1を中継する構成は必須ではない。なお、管理端末10から端末装置50に第1指示データD1が送信される構成においては、図3の指示管理部312が省略される。
(4)前述の各形態において例示した処理(Sa,Sb,Sc)を、競技イベントに出場する複数の出場者(出場チーム)の各々について並列に実行してもよい。例えば、管理者Aは、複数の出場者の何れかを指定したうえで第1指示Q1により効果音を選択する。制御システム30は、複数の出場者の各々について、管理者Aが当該出場者について第1指示Q1で選択した効果音を再生システム20に再生させる。なお、出場者毎に個別に用意された管理端末10を単数または複数の管理者Aが操作してもよい。他方、利用者Uは、競技イベントの複数の出場者のうち当該利用者Uが応援する出場者を事前に選択する。制御システム30は、複数の出場者の各々について、当該出場者を選択した利用者Uからの第2指示Q2に応じて当該出場者の効果音を制御する。
(5)前述の各形態においては、コンテンツCの受信および再生と、利用者Uからの第2指示Q2の受付との双方を、端末装置50が実行する構成を例示したが、第2指示Q2を受付ける端末装置50とは別個の再生機器によりコンテンツCを再生してもよい。再生機器は、配信システム42により配信されるコンテンツCを再生する。例えば、配信システム42が通信網300を介してコンテンツCを配信する構成においては、通信網300を介した通信が可能な情報端末(携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等)が再生機器として利用される。また、配信システム42がテレビ放送システムである構成においては、例えばテレビジョン受像機が再生機器として利用される。
(6)前述の各形態においては、各利用者Uからの第2指示Q2に応じて効果音の音量を制御したが、第2指示Q2に応じて制御される効果音の音響特性は音量に限定されない。例えば、効果音の音高,音質(音色)または残響特性等の各種の音響特性を第2指示Q2に応じて制御してもよい。また、効果音の音数も、第2指示Q2に応じて制御される音響特性の一例である。効果音の音数は、当該効果音を構成する音響成分の総数(例えば発声者または楽器等の発音源の総数)を意味する。
(7)前述の各形態においては、再生システム20に効果音を再生させたが、施設200内に出力される演出効果は、効果音の再生(すなわち音響効果)に限定されない。例えば、
施設200内に設置された映像表示システムを利用した映像効果を、演出制御システム400が制御してもよい。例えば、演出制御システム400は、第1指示Q1に応じて映像表示システムに所定の映像の表示を開始させ、第2指示Q2に応じて当該映像の内容または表示特性(例えば明度等)を制御する。
施設200内に設置された照明システムを利用した照明効果を、演出制御システム400が制御してもよい。例えば、演出制御システム400は、第1指示Q1に応じて照明システムに発光を開始させ、第2指示Q2に応じて発光パターンを制御する。発光パターンは、発光量または発光色の時間的な変化のパターンである。
また、例えば施設200内に設置された演出用の発煙システムを利用した演出効果を、演出制御システム400が制御してもよい。例えば、演出制御システム400は、第1指示Q1に応じて発煙システムに発煙を開始させ、第2指示Q2に応じて発煙パターンを制御する。発煙パターンは、発煙量または煙色の時間的な変化のパターンである。
以上の例示から理解される通り、「演出効果」は、施設200内で出力される任意の効果を意味する。再生システム20による効果音の再生、映像表示システムによる映像表示、照明システムによる発光、および発煙システムによる発煙は、「演出効果の出力」の例示である。また、再生システム20、映像表示システム、照明システムおよび発煙システムは、演出効果を出力する出力装置の例示である。演出制御システム400は、演出効果の出力を制御するためのコンピュータシステムとして表現される。
(8)端末装置50に表示される選択画面Gbに広告画像(例えばバナー広告)を表示してもよい。例えばコンテンツCの音響を利用した音響通信により各端末装置50に識別情報を送信し、当該識別情報に対応する広告画像を表示装置541に表示する構成が想定される。以上の構成によれば、コンテンツCを視聴する利用者Uに限定して広告画像を提示できる。また、端末装置50の位置を表す位置情報を利用して広告画像を表示してもよい。例えば、位置情報が示す位置が特定の範囲内にあることを条件として広告画像を表示装置541に表示する構成が想定される。位置情報の取得には、GPS(Global Positioning System)等の公知の測位技術が任意に採用される。
(9)指示受付処理Scを制御装置51に実行させるアプリケーションプログラム(以下「遠隔指示プログラム」という)に、端末装置50の利用者Uに課金する機能を搭載してもよい。例えば、利用者UがコンテンツCを視聴するための視聴料金を電子決済する機能を、遠隔指示プログラムに搭載してもよい。
また、競技イベントの出場者または運営者に利用者Uが提供する金銭(いわゆる投げ銭)を電子決済するための機能を、遠隔指示プログラムに搭載してもよい。また、競技イベントに関連する物品(例えば競技イベントの出場者のグッズ)の購入代金を電子決済するための機能を、遠隔指示プログラムに搭載してもよい。
以上に例示した決済機能による利用者Uの支払を契機として、制御システム30の出力制御部313が施設200内に演出効果を出力してもよい。また、出力制御部313は、利用者Uによる支払額に応じて演出効果を制御してもよい。例えば、支払額が多いほど、効果音の音量を増加させる構成、聴覚的に知覚し易い効果音を再生する構成、または、再生システム20を構成する複数の放音装置のうち特定の放音装置から効果音を再生する構成が想定される。以上の構成によれば、各利用者Uによる課金を促進できる。
(10)施設200内の所望の場所(以下「指定場所」という)を、利用者Uが端末装置50に対する操作で指定できる構成も想定される。指定場所は、例えば、施設200内に設置された複数の観客席の何れかである。出力制御部313は、例えば、再生システム20を構成する複数の放音装置のうち、各利用者Uによる指定場所の近傍の放音装置が再生する効果音の音響特性を、当該利用者Uからの第2指示Q2に応じて制御する。また、各利用者Uの指定場所の近傍で収録されたコンテンツCを、当該利用者Uの端末装置50に対して配信してもよい。施設200内の相異なる場所で収録された複数のコンテンツCの何れかを利用者Uが選択した場合に、当該コンテンツCが収録された場所が指定場所として自動的に選択される構成も想定される。例えば、端末装置50以外の再生機器によりコンテンツCが再生される状況では、当該コンテンツCの音響を利用した音響通信により、施設200内の特定の場所の識別情報が端末装置50に送信される。端末装置50は、音響通信により受信した識別情報に対応する場所を指定場所として認識する。
(11)前述の各形態においては、選択画面Gbに配置された操作画像Wbに対する操作を第2指示Q2として例示したが、利用者Uが第2指示Q2を付与する構成は以上の例示に限定されない。例えば、端末装置50に加速度センサが搭載されている場合、利用者Uが端末装置50を振る動作を第2指示Q2として加速度センサにより検出してもよい。例えば、複数の効果音のうち、加速度センサにより検出された振動パターンに応じた効果音を示す第2指示データD2が、各端末装置50から制御システム30に送信される。
(12)制御システム30が、演出制御システム400の利用状況に関する各種の情報を収集し、当該利用状況を表すデータ(以下「利用状況データ」という)を生成してもよい。利用状況は、例えば、演出制御システム400を利用する利用者Uの総数(利用者数)、受信処理部311が受信した第2指示データD2の総数(指示数)、または、各端末装置50の利用者Uの属性である。利用状況データは、複数の利用者Uが競技イベントの出場者を応援する状況を表すデータとも表現される。
制御システム30は、利用状況データを管理端末10に送信することで、当該利用状況データが表す情報を管理端末10の表示装置14に表示させる。例えば、利用者数(総数または属性毎の数値)または指示数(総数または属性毎の数値)が選択画面Gaに表示される。以上の構成によれば、演出制御システム400の利用状況(複数の利用者Uによる応援の状況)を管理者Aが把握できる。また、制御システム30は、複数の効果音の何れかを利用状況データに応じて選択して再生システム20に再生させてもよい。例えば、出場者のチャント(応援歌)を表す複数の効果音の何れかが利用状況データに応じて選択的に再生される。制御システム30は、利用状況データを各端末装置50に送信することで、当該利用状況データが表す情報を表示装置541に表示させてもよい。例えば、利用者数(総数または属性毎の数値)または指示数(総数または属性毎の数値)が選択画面Gbに表示される。
(13)前述の各形態においては、複数の出場者がスポーツで競技する競技イベントを例示したが、演出効果が出力されるイベントの種類は以上の例示に限定されない。例えば、歌手またはダンサー等の実演者が実演する実演イベント(ライブ)、各種の物品を展示する展示イベント、または、学校や学習塾等の各種の教育機関が生徒に授業を提供する教育イベント、または専門家等の講演者が各種の題材について講演する講演イベント等、特定の目的で開催される各種の行事が「イベント」の概念に包含される。また、動画配信サイトにより配信される動画の作成者が自宅等の施設200内で自身の活動を実時間的に収録および配信(すなわち生放送)する場面を想定すると、当該活動も「イベント」の概念に包含される。以上の例示から理解される通り、イベントは、演出効果が出力される各種の興行を意味する。
(14)管理端末10の機能(例えば指示受付処理Sa)は、制御装置11を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。同様に、制御システム30の機能(例えば出力制御処理Sb)は、制御装置31を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置32に記憶されたプログラムとの協働により実現される。また、端末装置50の機能(例えば指示受付処理Sc)は、制御装置51を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置52に記憶されたプログラムとの協働により実現される。
以上に例示したプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
G:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
本開示のひとつの態様(態様1)に係る演出制御方法は、イベントの進行に並行して発生する第1指示を契機として、当該イベントが実施される施設に演出効果を出力し、前記イベントの収録により配信されるコンテンツを当該イベントの進行に並行して視聴する利用者による第2指示を、前記第1指示を契機として有効化し、前記有効化された第2指示を契機として前記演出効果を制御する。
以上の態様においては、イベントの進行に並行して発生する第1指示を契機として、演出効果が施設内に出力され、かつ、当該イベントのコンテンツを視聴する利用者による第2指示が有効化される。コンテンツの配信がイベントの進行に対して遅延する状況では、例えばイベントにおける特定の事象を利用者がコンテンツの視聴により認識する以前に、第1指示を契機として第2指示が有効化される。そして、有効化された第2指示を契機として演出効果が制御される。したがって、イベントの進行に対する配信の遅延が比較的に大きい環境のもとで利用者がコンテンツを視聴する状況でも、利用者からの第2指示を、イベントの進行に対して過度な遅延なく施設内の演出効果に反映させることが可能である。
「施設」は、イベントが実施される任意の施設である。具体的には、複数の出場者が特定のスポーツにより競技する競技イベントが実施される競技場、歌手またはダンサー等の実演者が実演する実演イベント(ライブ)が実施される音響ホールまたは野外ライブ会場、各種の物品を展示する展示イベントが実施される展示場、または、学校や学習塾等の各種の教育機関が生徒に授業を提供する教育イベントが実施される教育施設、または専門家等の講演者が各種の題材について講演する講演イベントが実施される講演施設等、屋内/屋外を問わない種々の場所が「施設」の概念に包含される。
「コンテンツ」は、利用者の端末装置に提供される情報(デジタルコンテンツ)である。例えば映像および音響の少なくとも一方を含む任意のコンテンツを利用者は視聴する。また、利用者がイベントのコンテンツを視聴する方法は任意である。例えば、利用者が第2指示を付与する端末装置を利用して当該利用者がコンテンツを視聴してもよいし、当該端末装置とは別個の装置(例えばテレビジョン受像機)を利用して利用者がコンテンツを視聴してもよい。
第2指示の「有効化」は、利用者からの第2指示を有効に受付可能な状態に制御することを意味する。例えば、利用者が第2指示のために操作する操作部を想定すると、利用者が当該操作部を操作できない無効状態から、利用者が当該操作部を操作可能な有効状態に、当該操作部の状態を変化させる処理が、「有効化」の具体例である。また、利用者による操作部に対する第2指示は常に受付ける構成において、利用者から受付けた第2指示を無視する無効状態から、当該第2指示を契機として演出効果を有効に制御する有効状態に、第2指示に対する処理を変化させる処理も、「有効化」の概念に包含される。
「演出効果」は、施設内に出力される演出的な効果である。例えば、施設の音響設備を利用した音響効果,施設の表示設備を利用した映像効果、または施設の照明設備を利用した照明効果等、施設内で知覚可能な各種の効果(典型的には視覚効果または聴覚効果)が「演出効果」の概念に包含される。
態様1の具体例(態様2)において、前記第1指示は、前記イベントの進行に並行して管理者により付与される。以上の態様によれば、利用者によるコンテンツの視聴よりも小さい遅延のもとでイベントの進行を認識可能な管理者からの第1指示を契機として、当該イベント内の適切な時点で演出効果の出力を開始できる。
「管理者」は、利用者によるコンテンツの視聴よりも小さい遅延(遅延がない状況を含む)のもとで当該イベントの進行を認識可能な者である。例えば、施設内でイベントを直接に(すなわち遅延なしで)観覧する観覧者、または、利用者がコンテンツを視聴する環境よりも小さい遅延のもとで当該コンテンツを視聴可能な利用者が、「管理者」に該当する。
態様1の具体例(態様3)において、前記イベントの状況を解析した結果に応じて前記第1指示を発生する。以上の態様によれば、第1指示を発生させる管理者を必要とすることなく、イベントの状況に応じた適切な時点において演出効果の出力を開始できる。
態様1から態様3の何れかの具体例(態様4)において、前記第1指示は、複数の演出効果の何れかを選択する指示であり、前記演出効果の出力においては、前記第1指示により選択された演出効果を出力し、前記第2指示の有効化においては、前記複数の演出効果のうち前記第1指示により選択された演出効果を選択する前記第2指示が有効化される。以上の態様においては、複数の演出効果のうちイベントの状況に応じた適切な演出効果を出力できる。また、複数の演出効果のうち第1指示により選択された演出効果を選択する第2指示が有効化される。したがって、実際のイベントの状況に対して適切ではない演出効果を利用者が誤選択する可能性を低減できる。
態様1から態様4の何れかの具体例(態様5)において、前記演出効果の出力は、前記施設に設置された再生システムによる効果音の再生であり、前記演出効果の制御においては、前記効果音の音響特性を制御する。以上の態様においては、施設内に再生される効果音の音響特性が利用者からの第2指示に応じて制御される。したがって、施設内における効果音の受聴者(例えばイベントの出演者)が、第2指示を付与する利用者の規模等、コンテンツの視聴の状況を聴覚的に把握できる。
態様1から態様5の何れかの具体例(態様6)において、前記利用者から第3指示が付与された場合に、前記第1指示の有無に関わらず、前記演出効果とは別の演出効果を前記施設に出力する。以上の態様においては、第1指示の有無に関わらず、利用者は第3指示により施設に演出効果を出力させることが可能である。
本開示のひとつの態様(態様7)に係る端末装置の動作方法は、イベントの進行に並行して発生する第1指示を契機として、当該イベントが実施される施設に演出効果を出力する演出制御システムと通信可能な端末装置が、前記第1指示を示す第1指示データを前記演出制御システムから受信した場合に、前記イベントの収録により配信されるコンテンツを当該イベントの進行に並行して視聴する利用者による第2指示を受付け、前記第2指示を受付けた場合に、前記演出効果を制御するための第2指示データを前記演出制御システムに送信する。
なお、本開示は、態様1から態様6の何れかに係る演出制御方法を実現する演出制御システム、または、当該演出制御方法をコンピュータシステムに実行させるプログラム、としても実現される。また、本開示は、態様7に係る動作方法を実現する端末装置、または、当該動作方法をコンピュータシステムに実行させるプログラム、としても実現される。