<実施形態1>
(表面実装機の全体構成)
図1から図11を参照して実施形態1を説明する。本実施形態では、図1に示す表面実装機1及び表面実装機1が備えるフィーダ型供給装置(部品供給装置の一例)40について例示する。本実施形態に係る表面実装機1は、基台10と、プリント基板(基板の一例)P1を搬送する搬送コンベア(搬送装置の一例)20と、プリント基板P1上に電子部品(部品の一例)E1を実装する部品実装装置30と、部品実装装置30に電子部品E1(図3参照)を供給するフィーダ型供給装置40等とを備えている。
基台10は、平面視長方形状をなすとともに上面が平坦とされる。また、基台10における搬送コンベア20の下方には、プリント基板P1上に電子部品E1を実装する際にそのプリント基板P1をバックアップするための図示しない複数のバックアップピン等が設けられている。以下の説明では、基台10の長辺方向(図1の左右方向)及び搬送コンベア20の搬送方向をX軸方向とし、基台10の短辺方向(図1の上下方向)をY軸方向とし、基台10の上下方向(図2の上下方向)をZ軸方向とする。
搬送コンベア20は、Y軸方向における基台10の略中央位置に配置され、プリント基板P1を搬送方向(X軸方向)に沿って搬送する。搬送コンベア20は、搬送方向に循環駆動する一対のコンベアベルト22を備えている。プリント基板P1は、両コンベアベルト22に架設する形でセットされる。プリント基板P1は、搬送方向の一方側(図1で示す右側)からコンベアベルト22に沿って基台10上の作業位置(図1の二点鎖線で囲まれる位置)に搬入され、作業位置で停止して電子部品E1の実装作業がされた後、コンベアベルト22に沿って他方側(図1で示す左側)に搬出される。
部品実装装置30は、基台10及び後述するフィーダ型供給装置40等の上方に設けられる一対の支持フレーム31と、ヘッドユニット32と、ヘッドユニット32を駆動するヘッドユニット駆動機構とから構成される。各支持フレーム31は、それぞれX軸方向における基台10の両側に位置しており、Y軸方向に延びている。支持フレーム31には、ヘッドユニット駆動機構を構成するX軸サーボ機構及びY軸サーボ機構が設けられている。ヘッドユニット32は、X軸サーボ機構及びY軸サーボ機構によって、一定の可動領域内でX軸方向及びY軸方向に移動可能とされている。
Y軸サーボ機構は、Y軸ガイドレール33Yと、図示しないボールナットが螺合されたY軸ボールねじ34Yと、Y軸サーボモータ35Yとを有している。各Y軸ガイドレール33Yには、ボールナットに固定されたヘッド支持体36が取り付けられている。Y軸サーボモータ35Yが通電制御されると、Y軸ボールねじ34Yに沿ってボールナットが進退し、その結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体36、及び次述するヘッドユニット32がY軸ガイドレール33Yに沿ってY軸方向に移動する。
X軸サーボ機構は、X軸ガイドレール(不図示)と、図示しないボールナットが螺合されたX軸ボールねじ34Xと、X軸サーボモータ35X(図4参照)とを有している。X軸ガイドレール33Xには、その軸方向に沿ってヘッドユニット32が移動自在に取り付けられている。X軸サーボモータ35Xが通電制御されると、X軸ボールねじ34Xに沿ってボールナットが進退し、その結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット32がX軸ガイドレール33Xに沿ってX軸方向に移動する。
ヘッドユニット32は、後述するフィーダ型供給装置40によって供給される電子部品E1を取り出してプリント基板P1上に実装する。ヘッドユニット32には、電子部品E1の実装動作を行う実装ヘッド37が列状をなして複数個搭載されている。各実装ヘッド37は、ヘッドユニット32から下方に突出しており、その先端には電子部品E1を負圧によって吸着する吸着ノズル(不図示)がそれぞれ設けられている。各実装ヘッド37は、R軸サーボモータ35R(図4参照)等によって軸周りの回転動作が可能とされ、Z軸サーボモータ35Z(図4参照)等の駆動によってヘッドユニット32に対して上下方向に昇降可能とされている。
なお、ヘッドユニット32には、基板認識カメラC1(図4参照)が設けられている。基板認識カメラC1は、ヘッドユニット32とともに一体的に移動することで、作業位置に停止したプリント基板P1上の任意の位置の画像を撮像する。また、基台10上における作業位置の近傍には、部品認識カメラC2(図1参照)が固定されている。部品認識カメラC2は、実装ヘッド37によって部品供給位置S1から取り出された電子部品E1の画像を撮像する。
(フィーダ型供給装置の構成)
次に、フィーダ型供給装置40の構成について説明する。フィーダ型供給装置40は、搬送コンベア20の両側(図1の上下両側)においてX軸方向に並んで2箇所ずつ、計4箇所に配されている。フィーダ型供給装置40は、フィーダ50が取り付けられたフィーダ取付部(取付部の一例)42と、図示しないリール支持部と、フィーダ50の後側に取り付けられた送出ユニット70と、を備え、後述する部品供給テープ60をリール支持部から送出する。
なお、以下の説明では、フィーダ型供給装置40において、電子部品E1を供給する側(搬送コンベア20に向けられる側、各側面図における左側)をフィーダ50の前側とし、それとは反対側をフィーダ50の後側とする。また、フィーダ50の前後方向(Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)の両者と直交する方向をフィーダ50の幅方向(X軸方向、本体部50Aの幅方向、部品供給テープの幅方向)とする。各フィーダ50では、その後側から前側に向かって部品供給テープ60が送出される。従って、部品供給テープ60の送出方向は、各フィーダ50の後側を上流側として、フィーダ50の前後方向と一致する。
フィーダ取付部42には、複数のフィーダ50が横並び上に整列して取り付けられている。各フィーダ50は、電子部品E1が保持された部品供給テープ60を、フィーダ50の前側に設けられた部品供給位置S1に向けて送出する。リール支持部は、フィーダ取付部42の後方に設けられている。リール支持部には、図2に示すように、後述する部品供給テープ60が巻回された複数のリールR1、R2が回転可能に支持される。
フィーダ50は、図2に示すように、前後方向(Y軸方向)に長い形状をなすフィーダケースとしての本体部50Aと、本体部50Aの前側部分に設けられた前側送出部(第1送出部の一例)51と、本体部51の後側部分に設けられた後側送出部(第2送出部の一例)52と、本体部50Aの後側部分に設けられた排出部(第3送出部の一例)53と、本体部50A内に設けられたテープ通路55と、露出部56と、第1センサ(第2検出部の一例)58Aと、第2センサ58Bと、第3センサ(第1検出部の一例)58Cと、フィーダ制御部59(図4参照)と、を備える。
各フィーダ50によって送出される部品供給テープ60は、図3に示すように、一方向に長いシート状をなしており、例えば合成樹脂製とされ、キャリアテープ62と、キャリアテープ62に貼着されるトップテープ64とから構成される。キャリアテープ62は、上方に開口した空洞状の部品収納部62Aを一定間隔で有している。各部品収納部62Aには、トップテープ64によって閉止された状態で電子部品E1が収納され、保持されている。また、キャリアテープ62の一辺側には、その縁部に沿って上下に貫通する係合孔62Bが一定間隔で設けられている。
フィーダ50の前側送出部51は、前側モータ51Aと、前側ドリブンギヤ51Bと、本体部50Aの前端部に配された第1スプロケット51Cと、本体部50Aの前端部において第1スプロケット51Cの後側に配された第2スプロケット51Dとから構成される。前側モータ51Aは、正転方向及び逆転方向のいずれにも回転駆動可能となっている。前側ドリブンギヤ51Bは、前側モータ51Aの動力を伝達して第1スプロケット51C及び第2スプロケット51Dの両者を同方向に回転させる。各フィーダ50における部品供給位置S1は、図2に示すように、第1スプロケット51Cと第2スプロケットの間のうち第1スプロケット51C寄りの位置に設けられている。
第1スプロケット51C及び第2スプロケット51Dの外周には、部品供給テープ60の係合孔62Bに係合される歯51C1、51D1が等間隔でそれぞれ形成されている。両スプロケット51C、51Dは、その歯51C1、51D1の一部が上方に露出された形で配されている。前側送出部51では、両スプロケット51C、51Dの上記露出された歯51C1、51D1が部品供給テープ60の係合孔62Bに係合した状態で前側モータ51Aが正転方向に回転駆動することで、図2において両スプロケット51C、51Dが反時計回りに回転し、部品供給テープ60が前方へと送出される。
フィーダ50の後側送出部52は、後側モータ52Aと、後側ドリブンギヤ52Bと、本体部50Aの後端部に配された第3スプロケット52Cとから構成される。後側ドリブンギヤ52Bは、後側モータ52Aの動力を伝達して第3スプロケット52Cを回転させる。
第3スプロケット52Cの外周には、部品供給テープ60の係合孔62Bに係合される歯52C1が等間隔でそれぞれ形成されている。第3スプロケット52Cは、その歯52C1の一部が上方に露出された形で配されている。後側送出部52では、第3スプロケット52Cの上記露出された歯52C1が部品供給テープ60の係合孔62Bに係合した状態で後側モータ52Aが回転駆動することで、図2において第3スプロケット52Cが反時計回りに回転し、部品供給テープ60が部品供給位置S1に向けて送出される。
排出部53は、上下方向に昇降可能な付勢モータ(付勢部の一例)53Aと、付勢モータ53Aを回転可能に支持するとともに上下方向に昇降させる昇降部53Bとから構成される。付勢モータ53Aは、昇降部53Bによって下降されることで、後述する送出ユニット70のガイドローラ70Aとの間で部品供給テープ60を挟持し、当該部品供給テープ60を付勢する。排出部53では、付勢モータ53Aが部品供給テープ60を付勢した状態で、図2において付勢モータ53Aが反時計回りに回転駆動することで、部品供給テープ60が後方へと排出される。
テープ通路55は、部品供給テープ60が送出される通路である。テープ通路55は、本体部50Aの後端部から前端部に亘って前後方向に貫通する形で設けられている。テープ通路55の前側部分は、上方が開放されており、ここに部品供給位置S1や後述する露出部56が設けられている。各フィーダ50では、リールR1、R2から引き回された部品供給テープ60が本体部50Aの後端部からテープ通路55に入り、本体部50Aの前端部においてテープ通路55から抜け、本体部50Aの前方に送出されるようになっている。
また、テープ通路55は、その後端部が上下方向に拡がる形とされており、この後端部に後述する送出ユニット70が取り付けられることで、図2に示すように、送出ユニット70によって、前側から後側に向かって斜め上方に伸びる上側の通路と、前後方向に伸びる下側の通路と、に隔てられる。以下では、送出ユニット70によって隔てられる2つの通路のうち、上側の通路を第1テープ通路55Aと称し、下側の通路を第2テープ通路55Bと称する。また、テープ通路55のうち、第1テープ通路55Aと第2テープ通路55Bとが合流して本体部50Aの前端部に向かって前後方向に伸びる通路を合流テープ通路55Cと称する。
各フィーダ50の本体部50Aでは、合流テープ通路55C上を通る部品供給テープ60は、合流テープ通路55C上の第1送出位置55C1において第2スプロケット51Dと係合される。また、第2テープ通路55B上を通る部品供給テープ60は、第2テープ通路55B上の第2送出位置55B1において第3スプロケット52Cと係合される。また、第1テープ通路55A上を通る部品供給テープ60は、第1テープ通路55A上の排出位置(第3送出位置の一例)55A1において付勢モータ53Aに付勢される。
露出部56は、図2に示すように、合流テープ通路55C上における第1スプロケット51Cと第2スプロケット51Dの間のうち部品供給位置S1よりも後方の位置に設けられている。露出部56には、合流テープ通路55C側に臨む部位に、トップテープ64をカットするための図示しないカット機構が設けられている。このため、露出部56を通る部品供給テープ60は、そのトップテープ64が上記カット機構によってカットされ、部品収納部62Aに収納された電子部品E1が露出する。
なお、本実施形態では、上記カット機構によってカットされたトップテープ64は、図3に示すように、キャリアテープ62の幅方向の一方側に折り返され、キャリアテープ62と共に送出されるようになっている。このようにトップテープ64がカットされた部品供給テープ60は、電子部品E1が露出した状態で部品供給位置S1に送出される。そして、電子部品E1が部品供給位置S1に送出されるタイミングに合わせて実装ヘッド37が部品供給位置S1まで移動され、キャリアテープ62の部品収納部62Aから電子部品E1が取り出される。
第1センサ58Aは、合流テープ通路55C上における第1スプロケット51Cと第2スプロケット51Dの間のうち露出部56よりも後方の位置に合流テープ通路55C側に臨む形で設けられており、合流テープ通路55C上における第1スプロケット51Cと第2スプロケット51Dの間の位置の部品供給テープ60の有無を検出する。
第2センサ58Bは、合流テープ通路55C上のうち第1テープ通路55Aと第2テープ通路55Bとが合流する位置に臨む形で設けられており、当該合流する位置における部品供給テープ60の有無を検出する。
第3センサ58Cは、第1テープ通路55A上における排出位置55A1よりも前方の位置に第1テープ通路55A側に臨む形で設けられており、当該前方の位置における部品供給テープ60の有無を検出する。
送出ユニット70は、図2に示すように、側面視略三角形状をなすユニット部材であり、各フィーダ50の本体部50Aの後端部に脱着可能となっている。送出ユニット70は、本体部50Aの後端部に取り付けられることで、上述したように、テープ通路55の後端部を第1テープ通路55Aと第2テープ通路55Bとに隔てる。また、送出ユニット70には、第1テープ通路55A上を通る部品供給テープ60の送出をガイドする空転可能なガイドローラ70Aが設けられている。
なお、本実施形態において、前側モータ51A、後側モータ52A、及び付勢モータ53Aは、互いに等しい速度で回転駆動する。このため、部品供給テープ60がテープ通路55上のある位置から別の位置まで送出されるのに要する時間は、容易に算出することができる。
(表面実装機の電気的構成)
次に、表面実装機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。表面実装機1の本体は制御部80によってその全体が制御統括されている。制御部80はCPU等により構成される演算処理部81を備えている。演算処理部81には、モータ制御部82と、記憶部83と、画像処理部84と、外部入出力部85と、フィーダ通信部86と、排出処理部87Aと、送出処理部87Bと、表示部88と、入力部89と、がそれぞれ接続されている。また、演算処理部81には、遅延タイマ81Aが内蔵されている。
演算処理部81に内蔵された遅延タイマ81Aは、テープ通路55上を後方に送出される部品供給テープ60の先端部が、合流テープ通路55C上の第1センサ58Aが設けられた位置を離れてから第1送出位置55C1を通過するまでに要する時間、及び第1テープ通路55A上の第3センサ58Cが設けられた位置が排出位置55A1を通過するまでに要する時間が予め設定されたタイマである。なお、本実施形態のフィーダ50では、上記両時間がほぼ等しくなるように、第1センサ58Aと第1送出位置55C1との間の間隔及び第3センサ58Cと排出位置55A1との間の間隔がそれぞれ設定されている。
モータ制御部82は、後述する実装プログラム83Aに従ってヘッドユニット32のX軸サーボモータ35X及びY軸サーボモータ35Yを駆動させるとともに、各実装ヘッド37のZ軸サーボモータ35Z及びR軸サーボモータ35Rを駆動させる。また、モータ制御部82は、実装プログラム83Aに従って搬送コンベア20を駆動させる。
記憶部83は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、実装プログラム83A及び各種データ83Bが記憶されている。記憶部83に記憶される実装プログラム83Aには、実装対象となるプリント基板P1の機種や生産台数に関する基板情報、プリント基板P1に実装される電子部品E1の個数や種類等を含む部品情報等が含まれている。記憶部83に記憶される各種データ83Bには、フィーダ型供給装置40に取り付けられた各フィーダ50に保持された電子部品E1の数や種類に関するデータ等が含まれている。
また、記憶部83に記憶される各種データ83Bには、上記実装プログラム83Aに従った電子部品E1の実装作業の中でのプリント基板P1の機種の切り替え(以下、「機種切替」と称する)毎に、切り替え後のプリント基板P1の機種に応じて、フィーダ取付部42に取り付けられた複数のフィーダ50のうち、保持された電子部品E1の種類を替えること(以下、「部品交換」と称する)が必要なフィーダ50を特定するための特定データが含まれている。
画像処理部84には、基板認識カメラC1及び部品認識カメラC2から出力される撮像信号がそれぞれ取り込まれる。画像処理部84では、取り込まれた各カメラC1,C2からの撮像信号に基づいて、部品画像の解析、基板画像の解析等が行われるようになっている。
外部入出力部85は、いわゆるインターフェースであって、表面実装機1の本体に設けられる各種センサ類85Aから出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部85は、演算処理部81から出力される制御信号に基づいて、表面実装機1の本体に設けられる各種アクチュエータ類85Bに対する動作制御を行うように構成されている。
フィーダ通信部86は、フィーダ型供給装置40に取り付けられた各フィーダ50のフィーダ制御部59と接続されており、各フィーダ50を統括して制御する。フィーダ制御部59は、各フィーダ50の下側部分に設けられており、フィーダ50内の前側モータ51A、後側モータ52A、及び付勢モータ53Aの駆動を制御する。また、フィーダ制御部59は、フィーダ50内の第1センサ58A、第2センサ58B、及び第3センサ58Cと接続されており、各センサ58A、58B、58Cから出力される検出信号が取り込まれるようになっている。
排出処理部87Aは、フィーダ50の本体部50A内にある部品供給テープ60の少なくとも一部を本体部50Aの外部へと排出する。送出処理部87Bは、第2送出位置55B1にセットされた部品供給テープ60を部品供給位置S1に向けて送出する。
表示部88は、表示画面を有する液晶表示装置等から構成され、表面実装機1の状態等を表示画面上に表示する。表示部88には、後述する機種切替処理が実行中であるのか否かを示す機種切替ランプが含まれる。
入力部89は、キーボード等から構成され、手動による操作によって外部からの入力を受け付けるようになっている。入力部89には、後述する機種切替処理を実行する指示(所定の指示の一例)の入力を受け付ける機種切替ボタンが含まれる。なお、上記表示部88及び上記入力部89は、表面実装機1のうちフィーダ型供給装置40の外部に設けられている。
以上のような構成とされた表面実装機1では、自動運転中において、搬送コンベア20によるプリント基板P1の搬送作業を行う搬送状態と、基台10上の作業位置に搬入されたプリント基板P1上への電子部品E1の実装作業を行う実装状態と、が交互に実行される。
上記実装状態において入力部89の機種切替ボタンが作業者等によって押されると、制御部80は、複数のフィーダ50のうち上記特定データによって特定されるフィーダ50において、先行する部品供給テープ60の少なくとも一部をフィーダ50の本体部50Aから排出する排出処理を一括して実行し、排出処理が実行されたフィーダ50において、排出処理の後に排出処理に続けて、先行する部品供給テープ60Pとは異なる電子部品E1が保持された後続の部品供給テープ60Fを部品供給位置S1に向けて送出する送出処理を一括して実行する。
(排出方法及び送出方法)
本実施形態に係る表面実装機1及びフィーダ型供給装置40は以上のような構成であって、次に、実施形態1のフィーダ型供給装置40における上記排出処理の排出方法、及び上記送出処理の送出方法を順に説明する。なお、前提として、図2に示すように、フィーダ50の本体部50Aにおいて、部品供給位置S1で電子部品E1を供給中の先行する部品供給テープ(第1の部品供給テープの一例)60Pは、付勢モータ53Aによって付勢されない状態(付勢モータ53Aが上昇された状態)で、第1テープ通路55Aを通って合流テープ通路55Cに到達しているものとする。
また、排出処理に先立って、作業者は、先行する部品供給テープ60Pによる電子部品E1の供給中に、先行する部品供給テープ60Pとは異なる電子部品E1(機種切り替え後のプリント基板P1上に実装される電子部品E1)が保持された後続の部品供給テープ(第2の部品供給テープの一例)60Fの先端部をフィーダ50の後端部から第2送出位置55B1まで挿入し、後続の部品供給テープ60Fの先端部を予め第3スプロケット52Cと係合させておく(図2に示す状態)。
排出処理では、まず、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動させることで、図2において第1スプロケット51C及び第2スプロケット51Dを時計回りに回転させる。これにより、図5に示すように、先行する部品供給テープ60Pが後方に送出され、先行する部品供給テープ60Pに残っている電子部品E1が保持された状態で、先行する部品供給テープ60Pの先端部60P1が第2スプロケット51Dから外れる(排出工程)。即ち、第1送出位置55C1から離間する。なお、本体部50Aの後側から後方に送出される先行する部品供給テープ60Pは、リールR1で随時巻き取るものとする。
次に、付勢モータ53Aを下降させて先行する部品供給テープ60Pに付勢させ、付勢モータ53Aを回転駆動させる。これにより、図6に示すように、先行する部品供給テープ60Pが付勢モータ53Aによってさらに後方へと送出される。そして、先行する部品供給テープ60Pの先端部が付勢モータ53Aによってさらに後方へと送出されることで、先行する部品供給テープ60Pの全体がフィーダ50の外部に排出される。本実施形態では、以上の手順によって排出処理が実行される。
続いて送出処理では、後側モータ52Aを回転駆動させるとともに、前側モータ51Aを正転方向に回転駆動させ、図7に示すように、第2送出位置55B1にセットされた後続の部品供給テープ60Fを前方に送出する(送出工程)。これにより、第2送出位置55B1から前方に送出された後続の部品供給テープ60Fは、その先端部60F1が第1送出位置55C1に到達して第2スプロケット51Dと係合され、図8に示すように、第2スプロケット51Dによって部品供給位置S1に向けて送出される。以上の手順によって送出処理が実行される。
なお、フィーダ50において部品交換を複数回行う場合、上記送出処理の後、後続の部品供給テープ60Fによる電子部品E1の供給中に、本体部50Aの後端部から送出ユニット70を一旦取り外し、後続の部品供給テープ60Fのうち第2テープ通路55B上にある部分を持ち上げて送出ユニット70上に位置するようにして、送出ユニット70を本体部50Aに再び取り付ける。
これにより、後続の部品供給テープ60Fは第1テープ通路55Aを通って合流テープ通路55Cに到達する形となり、後続の部品供給テープ60Fによる電子部品E1の供給中に、後続の部品供給テープ60Fとは異なる電子部品E1が保持された次の部品供給テープの先端部を第3スプロケット52Cと係合させることができる。このため、再び上記排出処理と上記送出処理を実行することができる。
(制御部が実行する処理)
次に、搬送状態中に入力部89において作業者によって機種切替ボタンが押された場合に、制御部80及びフィーダ制御部59が実行する機種切替処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。機種切替処理では、制御部80は、まず、表示部88において機種切替ランプを点灯させる(S2)。
次に、制御部80は、機種切り替え後のプリント基板P1の幅に対応するように、搬送コンベア20の一対のコンベアベルト22の幅を変更するコンベア幅変更処理を実行する(S4)。次に、制御部80は、機種切り替え後のプリント基板P1に実装される電子部品E1に対応するように、ヘッドユニット32における各実装ヘッド37の吸着ノズルを交換するノズル交換処理を実行する(S6)。次に、制御部80は、機種切り替え後のプリント基板P1のバックアップに対応するように、バックアップピンを入れ替えるバックアップピン入替処理を実行する(S8)。
次に、制御部80は、上記記憶部83から上記特定データを読み出し、その特定データに基づいて、複数のフィーダ50のうち、部品交換が必要な少なくとも一つのフィーダ50を特定する(S10)。
次に、制御部80は、S10で特定したフィーダ50について部品交換処理を実行する(S12)。部品交換処理では、制御部80は、S10で特定したフィーダ50について、排出処理を一括して実行し、続けて送出処理を一括して実行する。制御部80が部品交換処理の中で実行する排出処理及び送出処理については、後で詳しく説明する。制御部80は、部品交換処理が終了すると、S14に移行する。
S14では、制御部80は、機種切替作業に必要な全ての動作(機種切替動作)が終了したのか否かを判断する。制御部80は、S14で機種切替動作が終了したと判断した場合(S14:YES)、S16に移行する。制御部80は、S14で機種切替動作が終了していないと判断した場合(S14:NO)、S4に戻る。
S16では、制御部80は、機種切替ランプを消灯し、S18に移行する。S18では、制御部80は、表面実装機1の各装置に異常があるか否かを判断する。制御部80は、S18で異常がないと判断した場合(S18:NO)、機種切替処理を終了する。制御部80は、A18で異常があると判断した場合(S18:YES)、表示部88にエラー表示を表示させ(S20)、機種切替処理を終了する。
(排出処理)
次に、制御部80の排出処理部87Aがフィーダ制御部59を介してS12の部品交換処理の中で実行する実施形態1の排出処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。排出処理では、排出処理部87Aは、まず、フィーダ50の本体部50A内の第1センサ58A、第2センサ58B、及び第3センサ58Cにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する(S32)。
排出処理部87Aは、S32で第1センサ58A、第2センサ58B、及び第3センサ58Cの全てのセンサにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S32:YES)、S34に移行する。排出処理部87Aは、S32で第1センサ58A、第2センサ58B、及び第3センサ58Cのうち少なくとも一つのセンサにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S32:NO)、排出処理を終了する。
排出処理部87Aは、S34では、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動し、S36に移行する。これにより、第1送出位置55C1にある先行する部品供給テープ60Pが後方に送出される。排出処理部87Aは、S36では、第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。
排出処理部87Aは、S36で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S36:YES)、S36の処理を繰り返し実行する。排出処理部87Aは、S36で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S36:NO)、S38に移行する。
排出処理部87Aは、S38では、演算処理部81に内蔵された遅延タイマ81Aをセットし(遅延タイマ81Aによるカウントを開始し)、S40に移行する。排出処理部87Aは、S40では、遅延タイマ81Aがタイムアップしたのか否か(遅延タイマ81Aの残り時間がゼロになったのか否か)を判断する。
排出処理部87Aは、S40で遅延タイマ81Aがタイムアップしたと判断した場合(S40:YES)、後方に送出中の先行する部品供給テープ60Pの先端部が第1送出位置55C1を通過した(第2スプロケット51Dから外れた)ものと仮定し、S42に移行する。排出処理部87Aは、S40で遅延タイマ81Aがタイムアップしていないと判断した場合(S40:NO)、遅延タイマ81AがタイムアップするまでS40の処理を繰り返し実行する。
排出処理部87Aは、S42では、昇降部53Bによって付勢モータ53Aを下降させる。次に、排出処理部87Aは、付勢モータ53Aを回転駆動する(S44)。これにより、排出位置55A1にある先行する部品供給テープ60Pが後方に送出される。次に、排出処理部87Aは、遅延タイマ81Aをリセットし(S46)、S48に移行する。
排出処理部87Aは、S48では、第3センサ58Cにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。排出処理部87Aは、S48で第3センサ58Cにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S48:YES)、S48の処理を繰り返し実行する。排出処理部87Aは、S48で第3センサ58Cにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S48:NO)、S50に移行する。
排出処理部87Aは、S50では、演算処理部81に内蔵された遅延タイマ81Aを再びセットし、S52に移行する。排出処理部87Aは、S52では、遅延タイマ81Aがタイムアップしたのか否かを判断する。
排出処理部87Aは、S52で遅延タイマ81Aがタイムアップしたと判断した場合(S52:YES)、後方に送出中の先行する部品供給テープ60Pの先端部が排出位置55A1を通過した(付勢モータ53Aから離れた)ものと仮定し、S54に移行する。排出処理部87Aは、S52で遅延タイマ81Aがタイムアップしていないと判断した場合(S52:NO)、遅延タイマ81AがタイムアップするまでS52の処理を繰り返し実行する。
排出処理部87Aは、S54では、昇降部53Bによって付勢モータ53Aを上昇させる。次に、排出処理部87Aは、付勢モータ53Aの駆動を停止する(S56)。次に、排出処理部87Aは、前側モータ51Aの駆動を停止する(S58)。次に、排出処理部87Aは、遅延タイマ81Aをリセットし(S60)、排出処理を終了する。
(送出処理)
次に、制御部80の送出処理部87Bがフィーダ制御部59を介してS12の部品交換処理の中で実行する送出処理について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。送出処理では、送出処理部87Bは、まず、後側モータ52Aを回転駆動し(S72)、S74に移行する。これにより、第2送出位置55B1にある後続の部品供給テープ60Fが第1送出位置55C1に向けて送出される。
送出処理部87Bは、S74では、第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。送出処理部87Bは、S74で第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S74:YES)、後続の部品供給テープ60Fの先端部60F1が合流テープ通路55C上に到達したものと仮定し、S76に移行する。送出処理部87Bは、S74で第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S74:NO)、S74の処理を繰り返し実行する。
送出処理部87Bは、S76では、前側モータ51Aを正転方向に回転駆動し、送出処理を終了する。これにより、第1送出位置55C1に到達した後続の部品供給テープ60Fの先端部60F1が部品供給位置S1まで送出され、後続の部品供給テープ60Fによる電子部品E1の供給を行うことができる。
(実施形態1の効果)
以上説明したように本実施形態のフィーダ型供給装置40では、排出処理において、前側モータ51Aが回転駆動することで、その少なくとも一部がフィーダ50の外部に排出された先行する部品供給テープ60Pが第2スプロケット51Dから外れる。また、この排出処理では、電子部品E1が保持された状態で先行する部品供給テープ60Pが排出されるため、先行する部品供給テープ60Pに残された電子部品E1が部品供給位置S1で供給されることなく、先行する部品供給テープ60Pを回収することができる。一方、送出処理では、後側モータ52Aが回転駆動することで、フィーダ50の後側に設けられた第3スプロケット52Cと予め係合された後続の部品供給テープ60Fを、フィーダ50の前側に設けられた部品供給位置S1まで送出させることができる。
そして、先行する部品供給テープ60Pによる電子部品E1の供給作業中に入力部89の機種切替ボタンが作業者等によって押されることで、上記排出処理と上記送出処理とが続けて実行される。このため、機種切替時の部品交換処理において、先行する部品供給テープ60Pを排出させた後に、人手を介して後続の部品供給テープ60Fを部品供給位置S1まで送出させることが必要な従来の構成や、フィーダ50の本体部50Aごと交換することが必要な従来の構成と比べて、部品交換処理における部品供給テープ60の入れ替えを容易かつ迅速に実行することができ、部品交換作業の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、制御部80の記憶部83に上記特定データが記憶されており、機種切替ボタンが押された場合、複数のフィーダ50のうち上記特定データによって特定されるフィーダ50において排出処理が一括して実行され、そして、排出処理が一括して実行された各フィーダ50について、排出処理に続けて送出処理が一括して実行される。このため、機種切替時に部品交換作業を実行することが必要なフィーダ50毎に排出処理を実行する必要がなく、部品交換作業の一層の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、付勢モータ53Aが先行する部品供給テープ60Pを付勢しない状態で、先行する部品供給テープ60Pを第1テープ通路55Aに通して部品供給位置S1で電子部品E1の供給作業を行うことができる。そして、先行する部品供給テープ60Pによる電子部品E1の供給作業を行いながら、後続の部品供給テープ60Fを第2テープ通路55B上の第2送出位置55B1に予め配置しておくことができる。このため、排出処理から送出処理への移行を円滑に行うことができる。
また、本実施形態では、排出処理において、付勢モータ53Aが先行する部品供給テープ60Pを付勢することで、第2スプロケット51Dから外れた先行する部品供給テープ60Pを、付勢モータ53Aによってフィーダ50の後方からフィーダ50の外部に排出させることができる。このため、排出処理において、人手を介することなく先行する部品供給テープ60Pの全体をフィーダ50の外部に排出させることができ、部品交換作業の自動化を図ることができる。
また、本実施形態では、排出処理において、付勢モータ53Aが駆動された後に、第1テープ通路55A上に先行する部品供給テープ60Pが無いことを第3センサ58Cが検出し、さらに、遅延タイマ81Aがタイムアップすることで、後方に送出中の先行する部品供給テープ60Pの先端部60P1が排出位置55A1を通過した(付勢モータ53Aから離れた)ものと仮定し、付勢モータ53Aを上昇させて、付勢モータ53Aの駆動を停止する。このため、付勢モータ53Aが無駄に回転駆動することを抑制することができる。
<実施形態2>
図12から図15を参照して実施形態2を説明する。実施形態2に係るフィーダ型供給装置は、フィーダ150の構成の一部が実施形態1のものと異なっている。フィーダ型供給装置におけるその他の構成、及び表面実装機の構成については実施形態1のものと同様であるため説明を省略する。また、送出処理については、各実施形態で共通するため説明を省略する。
本実施形態に係るフィーダ150の本体部150Aは、図12に示すように、実施形態1で説明したフィーダ50の本体部50Aの構成に加え、ガイド部材(経路形成部の一例)172をさらに備えている。ガイド部材172は、本体部150A内における第1テープ通路55Aと第2テープ通路55Bとの合流点に配されており、側面視略三角形状をなすことで、その上面が前側から後側に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面となっている。
ガイド部材172は、上記合流点において上下方向に昇降可能に配されている。ガイド部材172の昇降は、フィーダ制御部59によって制御される。ガイド部材172は、フィーダ制御部59によって上昇されることで、第2テープ通路55Bと合流テープ通路55Cとの境界部を遮るとともに上記傾斜面によって合流テープ通路55Cと第1テープ通路55Aとの間に連なる経路を形成する第1状態(図12に示す状態)とされる。また、ガイド部材172は、フィーダ制御部59によって下降されることで、上記境界部を遮らない第2状態(図14に示す状態)とされる。
また、本実施形態では、フィーダ制御部59内に、排出処理においてガイド部材172を上昇させるべきか否かを判断するための上昇フラグ(不図示)が設定されている。上昇フラグは、オン状態とオフ状態の間で遷移される。上昇フラグの状態は、排出処理部87Aによって判断される。
(排出方法)
次に、実施形態2のフィーダ型供給装置における排出処理の排出方法を説明する。なお、先行する部品供給テープ60Pが第1テープ通路55Aを通って合流テープ通路55Cに到達していることを前提とする点、及び先行する部品供給テープ60Pによる電子部品E1の供給中に、後続の部品供給テープ60Fの先端部を予め第3スプロケット52Cと係合させておく点については、各実施形態で共通するため、説明を省略する。また、本実施形態では、前提として、図12に示すように、先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2が合流テープ通路55C上に位置しており、ガイド部材172は下降されているものとする。
排出処理では、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動させるとともに、ガイド部材172を上昇させる。これにより、先行する部品供給テープ60Pが後方に送出され、先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2がガイド部材172に到達すると、先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2がガイド部材172の傾斜面によって第1テープ通路55A上まで誘導される。第1テープ通路55A上まで誘導された先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2は、後方にさらに送出されることで、第1テープ通路55A上の排出位置55A1を通過する。
次に、付勢モータ53Aを先行する部品供給テープ60Pに付勢させ、付勢モータ53Aを回転駆動させる。これにより、図13に示すように、先行する部品供給テープ60Pが付勢モータ53Aによってさらに後方へと送出され、先行する部品供給テープ60Pの後端部がフィーダ150の外部に排出される。そして、先行する部品供給テープ60Pの先端部が付勢モータ53Aによってさらに後方へと送出されることで、図14に示すように、先行する部品供給テープ60Pの全体がフィーダ150の外部に排出される。本実施形態では、以上の手順によって排出処理が実行される。
なお、本実施形態では、先行する部品供給テープ60Pをフィーダ150の外部に排出させて付勢モータ53Aを停止した後に、ガイド部材172を下降させる(図14参照)。これにより、排出処理の後に続けて送出処理を実行した際に、前方に送出される後続の部品供給テープ60Fの先端部がガイド部材172に衝突せず、後続の部品供給テープ60Fを部品供給位置S1に向けて送出することができる。
(排出処理)
次に、制御部80の排出処理部87Aが実行する実施形態2の排出処理について、図15に示すフローチャートを参照して説明する。排出処理では、排出処理部87Aは、まず、フィーダ150の本体部150A内の第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する(S131)。
排出処理部87Aは、S131で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S131:YES)、S132に移行する。排出処理部87Aは、S131で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S131:NO)、排出処理を終了する。
排出処理部87Aは、S132では、第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。排出処理部87Aは、S132で第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S132:YES)、S34に移行する。排出処理部87Aは、S132で第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S132:NO)、先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2が合流テープ通路55C上に位置しているもの仮定し、上昇フラグをオン状態とし(S133)、S34に移行する。
排出処理部87Aは、S34では、実施形態1と同様に前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動し、S135に移行する。排出処理部87Aは、S135では、上昇フラグがオン状態であるのか否かを判断する。排出処理部87Aは、S135で上昇フラグがオン状態であると判断した場合(S135:YES)、ガイド部材172を上昇させ、S36に移行する。これにより、先行する部品供給テープ60Pがガイド部材172によって第1テープ通路55A上まで誘導される。排出処理部87Aは、S135で上昇フラグがオン状態でないと判断した場合(S135:NO)、S36に移行する。
排出処理部87Aは、S36に移行すると、実施形態1と同様にS36からS56までの各処理を順に実行する。排出処理部87Aは、S56の処理が終了すると、S157に移行する。
排出処理部87Aは、S157では、上昇フラグがオン状態であるのか否かを判断する。排出処理部87Aは、S157で上昇フラグがオン状態であると判断した場合(S157:YES)、ガイド部材172を下降させ(S158)、上昇フラグをオフ状態とし(S159)、S56に移行する。これにより、排出処理の後に続けて送出処理を実行した際に前方に送出される後続の部品供給テープ60Fの先端部がガイド部材172に衝突することが回避される。排出処理部87Aは、S157で上昇フラグがオン状態でないと判断した場合(S157:NO)、S56に移行する。
排出処理部87Aは、S56に移行すると、実施形態1と同様にS56とS58の処理を順に実行し、排出処理を終了する。
(実施形態2の効果)
以上説明したように本実施形態のフィーダ型供給装置では、排出処理の実行時にガイド部材172が上昇される(第1状態となる)。このため、先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2が合流テープ通路55C上にある場合であっても、排出処理において後方に送出される先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2が、ガイド部材172の傾斜面によって合流テープ通路55Cと第1テープ通路55Aとの間に連なる経路によって、第1テープ通路55A上に誘導される。
そして、排出処理が終了すると、ガイド部材172が下降されて(第2状態に変更されて)、第2テープ通路55Bと合流テープ通路55Cとの境界部を遮らない形となるため、排出処理の終了後、第3スプロケット52Cと予め係合されている後続の部品供給テープ60Fを、送出処理において速やかに部品供給位置S1に向けて送出させることができる。このように本実施形態では、先行する部品供給テープ60Pの終端部60P2が合流テープ通路55C上にある場合であっても、部品交換作業の自動化を図ることができ、部品交換作業の一層の短縮化を図ることができる。
<実施形態3>
図16から図20を参照して実施形態3を説明する。実施形態3に係るフィーダ型供給装置は、図16に示すように、フィーダ250が、実施形態1で説明したフィーダ50から排出部53及び第3センサ58Cを除いたものと同様の構成である。フィーダ型供給装置におけるその他の構成、及び表面実装機の構成については実施形態1のものと同様であるため説明を省略する。
また、本実施形態において、制御部280の演算処理部281に内蔵された遅延タイマ81Aには、テープ通路55上を前方に送出される部品供給テープ60の終端部が、合流テープ通路55C上の第1センサ58Aが設けられた位置を離れてから第1スプロケット51Cと係合される位置を通過するまでに要する時間が予め設定されている。
また、本実施形態では、図17に示すように、制御部280の演算処理部281に、所定の時間が設定された監視タイマ281Bが内蔵されている。この監視タイマ281Bは、先行する部品供給テープ60Pの排出処理を実行しているのにもかかわらず、本体部250A内の各センサ58A、58Bにおいて部品供給テープ60が有ることが検出され続ける場合、部品供給テープ60、制御部280、及びフィーダ250等に何らかのエラーが生じている可能性があるため、そのような場合にある程度の時間が経過した時点で、排出処理を停止するためのタイマである。
(排出方法)
上記のような構成とされた実施形態3のフィーダ型供給装置における排出処理の排出方法を説明する。実施形態1及び実施形態2で説明した各実施形態で共通する前提事項については、説明を省略する。また、本実施形態では、前提として、先行する部品供給テープ60Pによる電子部品E1の供給中に、機種切替前の電子部品E1の供給に必要な先行する部品供給テープ60Pの長さを確保して、先行する部品供給テープ60Pをフィーダ250の後側で予めカットする(図16に示すリールR1上方の破線参照)(カット工程)。
本実施形態の排出処理では、実施形態1及び実施形態2と異なり、先行する部品供給テープ60Pを前方に強制排出する。即ち、排出処理では、前側モータ51Aを正転方向に回転駆動させることで、図16において第1スプロケット51C及び第2スプロケット51Dを半時計回りに回転させる。これにより、先行する部品供給テープ60Pが前方に送出され、図18に示すように、先行する部品供給テープ60Pの上記カットされた終端部60P2が合流テープ通路55C上まで到達する。
そして、先行する部品供給テープ60Pがさらに前方に送出されることで、図19に示すように、先行する部品供給テープ60Pの上記カットされた終端部60P2が第1スプロケット51Cから外れ、先行する部品供給テープ60Pは、その自重によってフィーダ250の前方からフィーダ250の外部に排出される。なお、本実施形態の排出処理では、電子部品E1を供給する際の速度よりも速い速度で先行する部品供給テープ60Pを前方に送出する。本実施形態では、以上の手順によって排出処理が実行される。
なお、本実施形態の排出処理では、先行する部品供給テープ60Pが前方に排出されるため、露出部56を通過してフィーダ250の外部に排出されるが、排出処理で排出される先行する部品供給テープ60Pのうち電子部品E1が残っている部分は、露出部56でトップテープ64がカットされて電子部品E1が露出するものの、露出した電子部品E1は部品供給位置S1で供給されない。このため、本実施形態の排出処理においても、電子部品E1が保持された状態で先行する部品供給テープ60Pがフィーダ250の外部に排出される。
(排出処理)
次に、制御部280の排出処理部87Aが実行する実施形態2の排出処理について、図20に示すフローチャートを参照して説明する。排出処理では、排出処理部87Aは、まず、まず、フィーダ250の本体部250A内の第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する(S232)。
排出処理部87Aは、S232で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S232:YES)、S234に移行する。排出処理部87Aは、S232で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S232:NO)、排出処理を終了する。
排出処理部87Aは、S234では、前側モータ51Aを正転方向に回転駆動し、S236に移行する。これにより、第1送出位置55C1にある先行する部品供給テープ60Pが前方に送出される。
排出処理部87Aは、S236では、演算処理部281に内蔵された監視タイマ281Bをセットし(監視タイマ281Bによるカウントを開始し)、S238に移行する。排出処理部87Aは、S238では、第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。
排出処理部87Aは、S238で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S238:YES)、S240に移行する。排出処理部87Aは、S238で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S238:NO)、S242に移行する。
排出処理部87Aは、S240では、監視タイマ281Bに設定された所定の時間がタイムアップしたのか否か(監視タイマ281Bの残り時間がゼロになったのか否か)を判断する。排出処理部87Aは、S240で監視タイマ281Bがタイムアップしたと判断した場合(S240:YES)、先行する部品供給テープ60Pが予めカットされていない等、何らかのエラーが生じている可能性があると仮定し、表示部78にエラー表示を表示させ(S244)、S248に移行する。排出処理部87Aは、S240で監視タイマ281Bがタイムアップしていないと判断した場合(S240:NO)、S238に戻る。
排出処理部87Aは、S242では、遅延タイマ81Aをセットし(遅延タイマ81Aによるカウントを開始し)、S246に移行する。排出処理部87Aは、S246では、遅延タイマ81Aがタイムアップしたのか否か(遅延タイマ81Aの残り時間がゼロになったのか否か)を判断する。
排出処理部87Aは、S246で遅延タイマ81Aがタイムアップしたと判断した場合(S246:YES)、前方に送出中の先行する部品供給テープ60Pの終端部が第1スプロケット51Cと係合される位置を通過した(第1スプロケット51Cから外れた)ものと仮定し、S248に移行する。排出処理部87Aは、S246で遅延タイマ81Aがタイムアップしていないと判断した場合(S246:NO)、遅延タイマ81AがタイムアップするまでS246の処理を繰り返し実行する。
排出処理部87Aは、S248では、前側モータ51Aの駆動を停止する。次に、排出処理部87Aは、遅延タイマ81Aをリセットする(S250)。次に、排出処理部87Aは、監視タイマ281Bをリセットし(S252)、排出処理を終了する。
(実施形態3の効果)
以上説明したように本実施形態のフィーダ型供給装置では、先行する部品供給テープ60Pを電子部品E1の供給作業に必要な長さだけ確保してフィーダ250の後方側で予めカットしておくため、排出処理において、先行する部品供給テープ60Pを前方に向けて送出することで、先行する部品供給テープ60Pをフィーダ250の外部に排出させることができる。このため、フィーダ250の後側に実施形態1及び実施形態2で説明したような排出部53等を第1テープ通路55A上に設けることなく、排出処理において先行する部品供給テープ60Pを自動的にフィーダ250の外部へと排出させることができる。その結果、簡単な構成で、部品交換作業の自動化を図ることができ、部品交換作業の一層の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、排出処理において、合流テープ通路55C上のうち部品供給位置S1よりも前方の位置において先行する部品供給テープ60Pが無いことを第1センサ58Aが検出し、さらに、遅延タイマ81Aがタイムアップすることで、前方に送出中の先行する部品供給テープ60Pがフィーダ250の前方からフィーダ250の外部に排出されたものと仮定し、前側モータ51Aの回転駆動を停止する。このため、前側モータ51Aが無駄に回転駆動することを抑制することができる。
ここで、本実施形態では、先行する部品供給テープ60Pが予めカットされていない場合等、何らかのエラーが生じた場合、排出処理において、先行する部品供給テープ60Pが継続してフィーダ250の前方に送出され続ける虞がある。この点、本実施形態では、上記監視タイマ281Bを備えており、監視タイマ281Bに設定された所定の時間が経過しても第1センサ58Aにおいて先行する部品供給テープ60Pが有ることを検出した場合、何らかのエラーが生じている可能性があるとして、表示部88の表示画面にエラー表示が表示される。このため、前側モータ51Aが無駄に回転駆動することを効果的に抑制することができる。
<実施形態4>
図21から図24を参照して実施形態4を説明する。実施形態4に係るフィーダ型供給装置は、フィーダ350の後側部分の構成が実施形態1のものと異なっている。フィーダ350の前側部分の構成、フィーダ型供給装置におけるその他の構成、及び表面実装機の構成については実施形態1のものと同様であるため説明を省略する。
本実施形態に係るフィーダ350の本体部350Aでは、図21に示すように、テープ通路355において、第1テープ通路355Aが合流テープ通路355Cから連なる形で前方側から後方側に向かって下方に傾斜しており、本体部350Aの下方に開放されている。そして、この傾斜は、後方に送出されることでその先端部が第2スプロケット51Dから外れた部品供給テープ60が、その自重により落下可能な勾配となっている。なお、第2スプロケット51Dから上記傾斜に至るまでの距離は、第2スプロケット51Dから外れた部品供給テープ60が落下し易いように短くされている。
本体部350Aでは、図21に示すように、第1テープ通路355Aの上記傾斜に臨む形で第2センサ58Bが設けられている。なお、本実施形態では、本体部350Aに第3センサが設けられていない。また、本体部350Aでは、後側送出部352の第3スプロケット352Cは、その歯の一部が下方に露出された形で配されている。
また、本体部350Aの後端部では、図21に示すように、後側送出部352を構成する後側モータ352A,後側ドリブンギヤ352B、第3スプロケット352C、がそれぞれ実施形態1のフィーダ50とは上下逆の並び方で配されている。さらに、本体部350Aの後端部には、第1テープ通路355Aの上記傾斜との間に隙間を空けて送出ユニット370が取り付けられている。送出ユニット370は、その上面が水平面とされるとともに第3スプロケット352Cの上記露出された歯との間に部品供給テープ60を送出可能なわずかな隙間を空けて対向しており、この隙間が第2テープ通路355Bとなっている。
(排出方法)
次に、実施形態4のフィーダ型供給装置における排出処理の排出方法を説明する。実施形態1及び実施形態2で説明した各実施形態で共通する前提事項については、説明を省略する。なお、本実施形態では、図21に示すように、先行する部品供給テープ60Pが巻回されたリールR1が第1テープ通路355Aの上記開放された部位の下方に配されている。このため、先行する部品供給テープ60Pを、第1テープ通路355Aを通して合流テープ通路355Cに到達させることができる。
排出処理では、図21に示す状態から、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動させる。これにより、図22に示すように、先行する部品供給テープ60Pが後方に送出される。そして、先行する部品供給テープ60Pの先端部60P1が第1送出位置355C1において第2スプロケット51Dから外れると、先行する部品供給テープ60Pは、図23に示すように、その自重によって第1テープ通路355Aの傾斜に沿って落下し、第1テープ通路355Aの上記開放された部位からフィーダ350の下方に排出される。本実施形態では、以上の手順によって排出処理が実行される。
なお、本実施形態では、排出処理の後に続けて送出処理を実行した際、前方に送出される後続の部品供給テープ60Fは、その先端部60F1が第1テープ通路355Aの上記開放された部位の上方を通過し、第1テープ通路355Aの傾斜に到達する。そして、後続の部品供給テープ60Fは、さらに前方に送出されることで、第1テープ通路355Aの傾斜に沿って上昇し、第1送出位置355C1に到達する。
(排出処理)
次に、制御部80の排出処理部87Aが実行する実施形態4の排出処理について、図24に示すフローチャートを参照して説明する。排出処理では、排出処理部87Aは、まず、フィーダ350の本体部350A内の第1センサ58A及び第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する(S332)。
排出処理部87Aは、S332で第1センサ58A及び第2センサ58Bの両センサにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S332:YES)、S334に移行する。排出処理部87Aは、S332で第1センサ58A及び第2センサ58Bのうち少なくとも一方のセンサにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S332:NO)、排出処理を終了する。
排出処理部87Aは、S334では、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動し、S336に移行する。これにより、第1送出位置55C1にある先行する部品供給テープ60Pが後方に送出される。排出処理部87Aは、S336では、第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。
排出処理部87Aは、S336で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S336:YES)、S336の処理を繰り返し実行する。排出処理部87Aは、S336で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S336:NO)、先行する部品供給テープ60Pの先端部が第2スプロケット51Dから外れて先行する部品供給テープ60Pが第1テープ通路355Aの傾斜によって落下したものと仮定し、前側モータ51Aの駆動を停止して(S338)、排出処理を終了する。
(実施形態4の効果)
以上説明したように本実施形態のフィーダ型供給装置では、排出処理において、先行する部品供給テープ60Pが後方に送出されることで、先行する部品供給テープ60Pがその自重によって第1テープ通路355Aの傾斜に沿って落下し、先行する部品供給テープ60Pの全体をフィーダ350の外部に排出させることができる。このため、先行する部品供給テープ60Pを後方に送出するための上記排出部53等の機構を第1テープ通路355A上に設けることなく、排出処理において先行する部品供給テープ60Pを自動的にフィーダ350の外部へと排出させることができる。その結果、簡単な構成で、部品交換作業の自動化を図ることができ、部品交換作業の一層の短縮化を図ることができる。
<実施形態5>
図25から図28を参照して実施形態5を説明する。実施形態5に係るフィーダ型供給装置は、図25に示すように、フィーダ450が、実施形態1のフィーダ50の本体部50Aから排出部53及び第3センサ58Cを除いたものと同様の構成である。フィーダ型供給装置におけるその他の構成、及び表面実装機の構成については実施形態1のものと同様であるため説明を省略する。
(排出方法)
次に、実施形態5のフィーダ型供給装置における排出処理の排出方法を説明する。実施形態1及び実施形態2で説明した各実施形態で共通する前提事項については、説明を省略する。
排出処理では、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動させる。これにより、先行する部品供給テープ60Pが後方に送出される。ここで、本実施形態では、本体部50Aの後端部から後方に送出される先行する部品供給テープ60PをリールR1で巻き取らないものとする。このため、先行する部品供給テープ60Pが後方に送出されることで、先行する部品供給テープ60Pの先端部60P1が第2スプロケット51Dから外れると、図26に示すように、先行する部品供給テープ60Pの一部がフィーダ450の本体部450Aの後側で後方に撓んだ状態となる(図26においてフィーダ450の後側の二点鎖線は、後方に撓む前の先行する部品供給テープ60Pの位置を示す)。
次に、図27に示すように、先行する部品供給テープ60Pのうち上記後方に撓んだ部位をフィーダ450の後側で作業者M1等が掴み、後方へ引き抜く(図27における二点鎖線は、後方へ引き抜かれる前の先行する部品供給テープ60Pの位置を示す)。これにより、作業者M1等によって、先行する部品供給テープ60Pの全体をフィーダ450の外部に排出させることができる。本実施形態では、以上の手順によって排出処理が実行される。
(排出処理)
次に、制御部80の排出処理部87Aが実行する実施形態5の排出処理について、図28に示すフローチャートを参照して説明する。排出処理では、排出処理部87Aは、まず、フィーダ450の本体部450A内の第1センサ58A及び第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する(S432)。
排出処理部87Aは、S432で第1センサ58A及び第2センサ58Bの両センサにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S432:YES)、S434に移行する。排出処理部87Aは、S432で第1センサ58A及び第2センサ58Bのうち少なくとも一方のセンサにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S432:NO)、排出処理を終了する。
排出処理部87Aは、S434では、前側モータ51Aを逆転方向に回転駆動し、S436に移行する。これにより、第1送出位置55C1にある先行する部品供給テープ60Pが後方に送出される。排出処理部87Aは、S436では、第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有るのか否かを検出する。
排出処理部87Aは、S436で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S436:YES)、S436の処理を繰り返し実行する。排出処理部87Aは、S436で第1センサ58Aにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S436:NO)、遅延タイマ81Aをセットし(遅延タイマ81Aによるカウントを開始し)、S440に移行する。排出処理部87Aは、S440では、遅延タイマ81Aがタイムアップしたのか否か(遅延タイマ81Aの残り時間がゼロになったのか否か)を判断する。
排出処理部87Aは、S440で遅延タイマ81Aがタイムアップしたと判断した場合(S440:YES)、後方に送出中の先行する部品供給テープ60Pの先端部が第1送出位置55C1を通過して(第2スプロケット51Dから外れて)、先行する部品供給テープ60Pの一部がフィーダ450の本体部450Aの後側で後方に撓んだ状態となったものと仮定し、S442に移行する。排出処理部87Aは、S440で遅延タイマ81Aがタイムアップしていないと判断した場合(S440:NO)、遅延タイマ81AがタイムアップするまでS440の処理を繰り返し実行する。
排出処理部87Aは、S442では、前側モータ51Aの駆動を停止する。次に、排出処理部87Aは、遅延タイマをリセットし(S444)、S446に移行する。排出処理部は、S446では、第1センサ58A及び第2センサ58Bにおいて部品供給テープ60が無いのか否かを検出する(S446)。
排出処理部87Aは、S432で第1センサ58A及び第2センサ58Bの両センサにおいて部品供給テープ60が無いことを検出した場合(S446:YES)、部品供給テープ60が作業者M1等によって後方へ引き抜かれた、又は後方へ引き抜かれている途中であると仮定し、S448に移行する。排出処理部87Aは、S446で第1センサ58A及び第2センサ58Bのうち少なくとも一方のセンサにおいて部品供給テープ60が有ることを検出した場合(S446:NO)、S446の処理を繰り返し実行する。
排出処理部87Aは、S448では、遅延タイマ81Aを再びセットし(遅延タイマ81Aによるカウントを開始し)、S450に移行する。排出処理部87Aは、S450では、遅延タイマ81Aがタイムアップしたのか否か(遅延タイマ81Aの残り時間がゼロになったのか否か)を判断する。
排出処理部87Aは、S450で遅延タイマ81Aがタイムアップしたと判断した場合(S450:YES)、本体部450Aの後側から本体部450Aの外部に伸びる部品供給テープ60が作業者M1等によって後方へ引き抜かれてフィーダ450の外部に排出されたものと仮定し、遅延タイマをリセットして(S452)、排出処理を終了する。排出処理部87Aは、S450で遅延タイマ81Aがタイムアップしていないと判断した場合(S450:NO)、遅延タイマ81AがタイムアップするまでS450の処理を繰り返し実行する。
なお、送出処理部87Bは、排出処理部87Aが450で遅延タイマ81Aがタイムアップしたと判断することで、排出処理が終了したと判断し、即ち先行する部品供給テープ60Pが作業者M1等によって先行する部品供給テープ60Pが引き抜かれたと判断し、排出処理に続けて実施形態1で説明した上記送出処理を実行する。これにより、機種切替後の電子部品E1が保持された後続の部品供給テープ60Fを部品供給位置S1まで送出することができる。
(実施形態5の効果)
以上説明したように本実施形態のフィーダ型供給装置では、排出工程において、作業者M1による先行する部品供給テープ60Pの引き抜き作業を組み合わせることで、制御部80側で先行する部品供給テープ60Pの全体がフィーダ450から排出されるように制御しなくとも、排出工程を完了させることができる。このため、制御部80側による制御を簡単にすることができ、フィーダ型供給装置の構成を単純化することができる。
なお、本実施形態では、排出処理が実行されて、先行する部品供給テープ60Pの一部がフィーダ450の本体部450Aの後側で後方に撓んだ状態となることで、フィーダ型供給装置に取り付けられた複数のフィーダ450のうち排出処理が実行された特定のフィーダ450を作業者M1等が見つけ易くなるので、当該特定のフィーダ450において、先行する部品供給テープ60Pを連続して迅速に引き抜くことができる。このため、本実施形態のように先行する部品供給テープ60Pの排出作業の一部が作業者を介して行われる場合であっても、従来の構成と比べて、部品交換処理における部品供給テープ60の入れ替えを容易かつ迅速に実行することができ、部品交換作業の短縮化を図ることができる。
<実施形態6>
次に、実施形態6を説明する。実施形態6に係るフィーダ型供給装置は、入力部の機種切替ボタンが押された場合、制御部が排出処理のみを実行する。フィーダ型供給装置におけるその他の構成、及び表面実装機の構成については実施形態1のものと同様である。即ち、本実施形態では、機種切替ボタンが作業者等によって押されると、制御部は、複数のフィーダのうち上記特定データによって特定されるフィーダにおいて、上記排出処理のみを一括して実行し、上記送出処理までは実行しない。
(実施形態6の効果)
本実施形態のフィーダ型供給装置では、上述したように、制御部が上記特定データによって特定されるフィーダにおいて排出処理のみを一括して実行する構成であっても、複数のフィーダのうち特定されたフィーダ毎に排出処理を実行する必要がある従来の構成と比べて、部品交換作業の一層の短縮化を図ることができる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記既述及び図面によって説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような各実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記の各実施形態では、各フィーダの本体部の前側に2つのスプロケットが設けられた構成を例示したが、本体部の前側に1つのスプロケットが設けられた構成であってもよい。この場合、前側のスプロケットのやや前方に露出部を設け、露出部のやや前方に部品供給位置を設けることが好ましい。
(2)上記の各実施形態では、各フィーダの本体部内に、第1テープ通路と第2テープ通路と合流テープ通路とからなるテープ通路が設けられた構成を例示したが、例えば本体部内に本体部を前後方向に伸びる一つのテープ通路のみが設けられ、後続の部品供給テープの先端部が先行する部品供給テープと同じ通路上に予め配置される構成であってもよい。
(3)上記の各実施形態では、入力部の機種切替ボタンがフィーダ型部品供給装置の外部に設けられた構成を例示したが、機種切替ボタンがフィーダ型部品供給装置に設けられてもよいし、機種切替ボタンが各フィーダに設けられてもよい。
(4)上記の各実施形態では、機種切替ボタンが作業者等によって押された場合に、機種切替処理が実行される構成を例示したが、例えば実装プログラムに基づいて制御部から機種切替処理を実行する指示(所定の指示)が自動的に入力部に入力される構成であってもよい。
(5)上記の各実施形態では、特定データにおいて、実装プログラムに従ったプリント基板の機種の切り替えに対応する形でフィーダが特定される例を示したが、特定データにおいてフィーダが特定される方法については限定されない。例えば、機種切り替え後のプリント基板を入力部において作業者等が入力することで、入力されたプリント基板に対応して部品交換が必要なフィーダが特定されてもよい。
(6)上記の実施形態6では、機種切替ボタンが作業者等によって押された場合、取付部に取り付けられた全てのフィーダにおいて排出処理が実行される構成であってもよい。この場合、特定データによって特定されるフィーダについて排出処理を実行する機種切替ボタンとは別に、上記全てのフィーダにおける全ての部品供給テープについて一括して排出処理を実行するための全テープ排出ボタン等の操作ボタンを入力部に設けてもよい。
(7)上記の各実施形態では、制御部が表面実装機の構成の一部として含まれる構成を例示したが、制御部が設けられる位置は限定されない。例えば、制御部がフィーダ型供給装置の構成の一部として含まれてもよい。
(8)上記の各実施形態では、第1テープ通路と第2テープ通路が本体部とは別部材である送出ユニットによって隔てられた構成を例示したが、第1テープ通路と第2テープ通路が本体部の一部によって隔てられた構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。